説明

有機EL装置、画像形成装置、及び電子機器

【課題】 発光層の光透過性の違いによって発生する色ムラを防止した、有機EL装置、画像形成装置、及び電子機器を提供する。
【解決手段】 第1の電極141と、絶縁膜149と、絶縁膜149に設けられた開口を介して第1の電極141に接続するホール注入層140Aと、発光層140Bと、を備えた有機EL装置1である。第1の電極141とホール注入層140Aとの間に介在する絶縁膜149が、ホール注入層140Aと略同じ屈折率を有する第1の絶縁層149Aと、第2の絶縁層149Bとからなる。この第2の絶縁層149Bは、ホール注入層140Aから絶縁膜149を透過して第1の電極141に入射する光が、ホール注入層140Aから第1の電極141に直接入射する光と同等の光透過性となるよう、ホール注入層140Aと第1の絶縁層149Aとともに共振構造を形成すべく、第1の絶縁層149Aの屈折率より大きな屈折率を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置、画像形成装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL装置は、例えばガラス基板上に有機EL素子が形成されたもので、有機機能層と、この有機機能層を挟むように設けられる陽極(第1の電極)と陰極とで構成されたものである。前記有機機能層は、例えば前記陽極上に積層されたホール注入層と、この上に積層される発光層とからなっている。
【0003】
ところで、各画素となる有機EL素子を絶縁膜等によって分離された素子分割構造を形成することで画素領域を形成し、液滴吐出法を用いて前記画素領域内に、ホール注入層、及び発光層を形成する技術がある。(例えば、特許文献1参照)。
また、有機EL装置の陽極と陰極の間に誘電体積層膜からなる光共振器を設けることで、有機機能層における発光特性を強める技術がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
なお、前述した素子分離構造を有する有機EL装置の画素領域内には、陽極を覆う絶縁膜と、この絶縁膜に設けられた開口を介して、ホール注入層が設けられ、このホール注入層上に発光層が積層されている。このとき、例えば前記画素領域内には、陽極上にホール注入層が形成された領域と、前記陽極と前記ホール注入層との間に絶縁膜が介在した領域とが生じている。
【特許文献1】特開2001−126867号公報
【特許文献2】特開平6−283271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記陽極上に開口を介して形成されたホール注入層と、この陽極上に絶縁膜を介して設けられるホール注入層とでは、発光層が出射した光が前記陽極に入射するまでの光路長が異なってしまう。
具体的には、発光層から出射された光が、ホール注入層から直接陽極に入射する第1の経路と、発光層から出射された光が、前記ホール注入層から絶縁膜を透過した後に陽極に入射する第2の経路とがある。
一般的には、前記絶縁膜とホール注入層との屈折率は略等しいため、前記第2の経路を通る光は、前記第1の経路を通る光に比べて見掛け上ホール注入層が厚くなり、前記の2つの経路の光路長が異なった状態となる。すなわち、これら2つの経路の光路長の違いから、これらの経路間での光透過性が異なってしまう。
よって、発光層が出射した光の発光スペクトルのピーク波長がずれることで、各画素領域内で色ムラが生じてしまう問題があった。
【0006】
また、このような光路長が異なる有機EL装置に、前記の光共振器を設けた場合は、共振器による共振効果によって、より大きな色ムラが生じてしまうため光共振器を備えた有機EL装置の信頼性を低下させてしまう。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発光層の光透過性の違いによって発生する色ムラを防止した、有機EL装置、画像形成装置、及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の有機EL装置は、第1の電極と、該第1の電極上に設けられた絶縁膜と、該絶縁膜に設けられた開口を介して前記第1の電極に接続し、かつ前記絶縁膜上に至るホール注入層と、該ホール注入層上に設けられた発光層と、を備えた有機EL装置において、前記第1の電極とホール注入層との間に介在する前記絶縁膜が、前記第1の電極上に設けられ、かつ前記ホール注入層と略同じ屈折率を有する第1の絶縁層と、該第1の絶縁層上に設けられた第2の絶縁層とからなり、前記第2の絶縁層は、前記ホール注入層から前記絶縁膜を透過して前記第1の電極に入射する光が、前記ホール注入層から前記第1の電極に直接入射する光と同等の光透過性となるよう、前記ホール注入層と前記第1の絶縁層とともに共振構造を形成すべく、前記第1の絶縁層の屈折率より大きな屈折率を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明の有機EL装置によれば、前記ホール注入層から第1の電極に直接入射する光の経路、及び前記ホール注入層から前記絶縁膜を透過して前記第1の電極に入射する光の経路における光路長の違いによる光透過性の差が、前記ホール注入層と、絶前記縁膜を構成する第1の絶縁層と、第2の絶縁層との屈折率差で生じた共振効果によって同等になる。よって、発光層が出射した光の光透過性を同等にし、発光スペクトルのピーク波長を同等にすることができる。
したがって、例えば前記発光層の光によって発光される画素領域の色ムラを防止することで、信頼性の高い有機EL装置となる。
【0010】
また、前記の有機EL装置においては、異なる屈折率の絶縁層が複数積層されてなる共振器を、前記第1の電極の直下に設けたことが好ましい。
このようにすれば、前記発光層から出射された光が共振器を透過することで、特定の波長域における発光スペクトルのピーク波長を強めることができる。
【0011】
また、前記の有機EL装置においては、ボトムエミッションであることが好ましい。
このようにすれば、発光層の下層に設けられた前記絶縁膜による共振効果によって、画素領域の色ムラを防止した光を、効率的に外部に取り出すことができる。
【0012】
本発明の画像形成装置は、前記の有機EL装置を、ラインヘッドとして用いたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、前述した画素領域の色ムラを防止した有機EL装置をラインヘッドとして用いているので、露光精度の高い画像形成装置となる。
【0013】
本発明の電子機器は、前記の有機EL装置を、表示手段とすることを特徴とする。
本発明の電子機器によれば、前述した画素領域の色ムラを防止した有機EL装置を表示手段として備えているので、表示精度が高い電子機器となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の有機EL装置、画像形成装置、及び電子機器について説明する。
まず、本発明の有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の第1の実施形態ついて説明する。
図1は、第1の実施形態における有機EL装置の側断面を示す図であり、図中符号1は有機EL装置である。
【0015】
図1に示すように、有機EL装置1は、例えばガラスなどの透明の基板P上に、後述する駆動用TFT143が設けられている。また、この駆動用TFT143には、画素電極(第1の電極)141が接続されていて、この画素電極141上には絶縁膜149が設けられている。この絶縁膜149は、画素電極141の周辺部に一部乗り上げるようにして形成されている。そして、この絶縁膜149には、前記画素電極141に対して開口が設けられた状態となっている。よって、この絶縁膜149に設けられた開口を介して、前記画素電極141上にはホール注入層140Aと、発光層140Bとがこの順に設けられている。
【0016】
前記ホール注入層140Aと前記発光層140Bとは、有機EL素子の発光部140となっている。なお、本実施形態においては、発光層140Bが出射した光を前記基板P側に取り出す、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置について説明する。
前記画素電極141は、ボトムエミッション型の場合には、例えばITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料により形成されている。
前記発光層140Bは、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料、例えば低分子材料や高分子材料等により形成されている。この発光層140Bでは、ホール注入層140Aからの正孔と後述する陰極154とからの電子とが結合して光を発するようになっている。前記発光層140Bとしては、赤色光を発する層、緑色光を発する層、青色光を発する層の3種類があるが、本実施形態では、前記発光層140Bが赤色の光を発光する場合について説明する。
【0017】
本実施形態の有機EL装置1は、図示されない複数の走査線やこの走査線に対して交差する方向に延びる複数の信号線と、これら信号線に並列に延びる複数の共通給電線がそれぞれ配線されたもので、走査線及び信号線の各交点毎に、画素領域71が複数設けられて構成されたものである。
【0018】
図2は、前記有機EL装置1の前記発光部140の光が出射される前記画素領域71における要部を示す図である。
図2に示すように、本実施形態における前記絶縁膜149は、例えば膜厚500nmのSiO(酸化シリコン)からなる第1の絶縁層149Aと、この第1の絶縁層149A上に設けられた、例えば膜厚160nmのSiNx(窒化シリコン)からなる第2の絶縁層149Bとを積層した積層構造となっている。このとき、絶縁膜149は、本来の役割である絶縁性を損なうことがない十分な膜厚となっている。本実施形態では、前記画素領域71の周辺部にのみ前記絶縁膜149が形成されたものとなっている。
【0019】
ここで、前記第1の絶縁層149Aを構成するSiOの屈折率は1.48であり、後述するホール注入層140Aを構成する、例えば3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の屈折率1.5と略同じ屈折率となっている。また、前記第2の絶縁層149Bを構成するSiNxの屈折率は1.87である。なお、例えばITOから形成される前記画素電極141の屈折率は1.9である。
【0020】
すなわち、前記第2の絶縁層149Bは、前記ホール注入層140Aから前記絶縁膜149を透過して前記画素電極141に入射する光が、前記ホール注入層140Aから前記画素電極141に直接入射する光と同等の光透過性となるよう、前記ホール注入層140Aと前記第1の絶縁層149Aとともに共振構造を形成すべく、前記第1の絶縁層149Aの屈折率(1.48)より大きな屈折率(1.87)のものが選択され用いられている。
【0021】
図1に戻り説明すると、前記の各画素領域71には、前記駆動用TFT143を介して駆動電流が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と陰極154との間に挟み込まれた発光部140と、前記陰極154とによって有機EL素子が構成されている。
【0022】
前記駆動用TFT143は、半導体膜210に形成されたソース領域143a、ドレイン領域143b、及びチャネル領域143cと、半導体層表面に形成されたゲート絶縁膜220を介してチャネル領域143cに対向するゲート電極143Aとを主体として構成されている。半導体膜210及びゲート絶縁膜220を覆う第1層間絶縁膜230が形成されており、この第1層間絶縁膜230を貫通して半導体膜210に達するコンタクトホール232,234内に、それぞれドレイン電極236、ソース電極238が埋設され、各々の電極はドレイン領域143b、ソース領域143aに導電接続されている。絶縁性を有した層間膜230には、絶縁性を有した平坦化膜240が形成されており、この平坦化膜240に貫設されたコンタクトホールに画素電極141の一部が埋設されている。そして画素電極141とドレイン電極236とが導電接続されることで、駆動用TFT143と画素電極141とが電気的に接続されたものとなっている。画素電極141の周辺部に一部乗り上げるようにしてバンクとして機能する前述した2層構造からなる絶縁膜149が形成されている。そして、この絶縁膜149上には、有機材料からなるバンク150が積層されていて、この有機EL装置1の前記発光部140を形成する際の隔壁部材を成している。
【0023】
前記陰極154は、前記発光層140Bとバンク150の上面、さらにはバンク150の側面部を形成する壁面を覆った状態で基板P上に形成される。また、前記陰極154上には、保護膜等からなる封止部(図示せず)が形成され、この封止部の上にカバーとなる基板(図示せず)を設けることで有機EL装置1を構成している。
【0024】
次に、本実施形態における有機EL装置1が、発光する際の発光スペクトルについて説明する。
図2に示したように、発光層140Bが出射した光は、2つの経路がある。具体的には、ホール注入層140Aから画素電極141に直接入射する経路とする第1の経路Pt1と、前記ホール注入層140Aから絶縁膜149を透過して画素電極141に入射する第1の経路Pt2とがある。ここで、以下の説明においては、前記第1の経路Pt1を画素領域71の中央部における光の経路とし、前記第2の経路Pt2を画素領域71の周辺部における光の経路とする。
このとき、前記第1の経路Pt1と前記第2の経路Pt2とでは、光路長が異なった状態となっている。
【0025】
前記画素領域71の中央部における第1の経路Pt1を通る光は、発光層140Bから出射された後、ホール注入層140Aを透過して直接画素電極141に入射する。
また、前記画素領域71の周辺部における第2の経路Pt2を通る光は、発光層140Bから出射された後、ホール注入層140Aに入射する。そして、このホール注入層140AからSiNxからなる第2の絶縁層149Bに入射し、さらにSiOからなる第1の絶縁層149Aを透過した後、画素電極141に入射する。
【0026】
このとき、第2の経路Pt2においては、前記画素電極141上に形成された第1の絶縁層149A、第2の絶縁層149B、及びホール注入層140Aからなる3層間における屈折率が1.48、1.87、1.5となっていて、屈折率が小、大、小となるように設定されている。したがって、前記第2の経路Pt2では、前記の3層間を透過する際の屈折率差によって生じる共振効果によって光の強度が強められる。そして、前記第1の経路Pt1での光路長による光透過性と同等の光を画素電極141に入射するようになる。
【0027】
図3は、本実施形態の有機EL装置1の画素領域71における発光スペクトルを示したグラフである。
グラフの横軸は、画素領域71から出射された光の波長を示し、グラフの縦軸は、光の強度を示している。
図3に示すように、第1の経路Pt1を通って出射された光、及び第2の経路Pt2により出射された光のピーク波長を略一致させることができる。また、これら2つの経路における分光特性は一致していないが、前記第1の経路Pt1における色座標が(x,y)=(0.668,0.330)を示し、前記第2の経路Pt2における色座標が(x,y)=(0.667,0.331)を示すことから、実使用上における色差としては問題のない範囲となっている。
よって、前記第2の経路Pt2を通った光が出射される画素領域71の周辺部と、前記第1の経路Pt1を通った光が出射される画素領域71の中央部との光透過性を同じとすることで、画素領域71による色ボケを防止することができる。よって、本実施形態では、ボトムエミッション型の有機EL装置1であるため、発光層140Bの下層に設けられた前記絶縁膜149による共振効果によって、画素領域71の色ムラを防止した光を、効率的に外部に取り出すことができる。
【0028】
(比較例)
ここで、本発明の有機EL装置1の光透過性を説明する比較例として、従来の構造における有機EL装置の画素領域における発光スペクトルを図4のグラフに示す。
従来の有機EL装置は、前記第2の経路による光が透過する絶縁膜が前記第1の絶縁層149Bのみから構成されたものとなっている。
このとき、前記第2の経路Pt2においては、前述したように前記第1の絶縁層149Bを構成するSiOの屈折率(1.48)と、この第1の絶縁層149B上に設けられたホール注入層149Aとの屈折率(1.5)とが略等しいので、前記第2の経路Pt2においては見掛け上ホール注入層149Aが厚くなった状態となってしまう。すると、前記ホール注入層149Aから直接画素電極141に光が入射する第1の経路Pt1との間に、光路長差が生じてしまう。
このように光路長差が存在する場合、図4に示すように、前記第2の経路Pt2から出射される光は、前記第1の経路Pt1から出射される光に比べて発光スペクトルのピーク波長が長波長側にずれてしまい、光透過性が異なってしまう。よって、画素領域71内で色ムラが生じてしまう。
【0029】
すなわち、本実施形態における2層構造の絶縁膜149を有した有機EL装置1は、前述したように光路長の差がある第1の経路Pt1と第2の経路Pt2とにおいても、光透過性を略同等することができる。
【0030】
本実施形態の有機EL装置1によれば、前記ホール注入層140Aから画素電極141に直接入射する第1の経路Pt1、及び前記ホール注入層140Aから前記絶縁膜149を透過して前記画素電極141に入射する第2の経路Pt2における光路長の違いによる光透過性の差を、前記ホール注入層140Aと、絶前記縁膜149を構成する第1の絶縁層149Aと、第2の絶縁層149Bとの屈折率差で生じた共振効果によって同等にすることができる。よって、発光層140Bが出射した光の光透過性を同等にし、発光スペクトルのピーク波長を同等にすることができる。
したがって、前記発光層140Bの光によって発光される画素領域71の色ムラを防止して、信頼性の高い有機EL装置となる。
なお、前記実施形態においては、ボトムエミッションの場合について説明したが、前記画素電極141に、例えば反射膜構造を備えた材質を採用することで、本発明はトップエミッションについても適応してもよい。
【0031】
次に、第2の実施形態における有機EL装置について説明する。図5は、本実施形態の有機EL装置の側断面の一部を示す図であり、図中符号2は本実施形態の有機EL装置である。図5に示すように、本実施形態の有機EL装置2は、前記第1の実施形態の有機EL装置1の画素電極141の直下に、異なる屈折率の絶縁膜が複数積層されてなる共振器10が設けられたもので、この共振器10より下層の構造については図示を省略している。なお、前記第1の実施形態と同一の構造については説明を簡略化し、同一の符号を付して説明する。また、図5においては、画素電極141の下層に設けられた共振器10の下層に形成されている駆動用TFT、及び基板Pについては図示を省略している。また、本実施形態では、膜厚120nmのSiOからなる第1の絶縁膜149Aと、膜厚75nmのSiNxからなる第2の絶縁膜149Bとから絶縁膜149を形成している。また、本実施形態に係る発光層140Bも、前記実施形態同様に赤色の光を発光するものとする。
【0032】
(共振器)
図5に示すように、共振器10は、ラインヘッドを構成する基板(図示せず)とITOからなる画素電極141との間に設けられた異なる屈折率の絶縁層の積層構造からなっている。なお、前記第1の実施形態における有機EL装置1と同様に、前記画素電極141の周辺部を覆う絶縁膜149に設けられた開口を介して、ホール注入層140A、発光層140B、陰極154が順次積層された構造となっている。
【0033】
この共振器10は、前記画素電極141側から120nmの膜厚のSiOからなるSiO層10bと、75nmの膜厚のSiNxからなるSiNx層10aと、が交互に繰り返し3層づつ積層されたものである。また、前述したように、前記SiNx層10aの屈折率は1.87であり、前記SiO層10bの屈折率1.48に比べて高くなっている。よって、前記画素電極141の屈折率1.9から、共振器10に向かって屈折率が小さい層と大きい層とが交互に積層されるように設けられている。よって、前記の共振器10内の屈折率差によって共振効果を生じるようになっている。
したがって、前記共振器10は、SiNx層10aとSiO層10bとの屈折率差によって、発光層140Bが出射した光の強度を共振効果によって高めるようになる。
【0034】
次に、本実施形態における有機EL装置2が、発光する際の発光スペクトルについて説明する。前記第1の実施形態と同様に、画素領域71の中央部を透過する第1の経路Pt1´と画素領域71の周辺部を透過する第2の経路Pt2´との間では、光路長が異なったものとなっている。
【0035】
前記第1の経路Pt1´における光は、発光層140Bから出射された後、ホール注入層140Aを透過して直接画素電極141に入射する。
また、前記第2の経路Pt2´における光は、発光層140Bから出射された後、ホール注入層140Aに入射する。そして、このホール注入層140AからSiNxから形成される第2の絶縁層149Bに入射し、さらにSiOから形成される第1の絶縁層149Aを透過することで画素電極141に入射する。
このとき、第2の経路Pt2´においては前記第1の実施形態と同様に、発光層140Bによる光が、ホール注入層140A、第2の絶縁層149B、及び第1の絶縁層149Aの3層間を透過する際の共振効果によって、前記第1の経路Pt1における光路長での光透過性と同等の光が画素電極141に出射する。
【0036】
そして、本実施形態では、画素電極141を透過した前記の2つの経路における光は、前記共振器10による共振効果によって光の強度が強められる。このとき、共振器10に入射する光の光透過性が前記絶縁膜149による共振効果によって等しくなっているので、共振器10を通った後に出射される光透過性も略等しくなる。
【0037】
図6は、本実施形態の有機EL装置2の画素領域71における発光スペクトルを示したグラフである。
グラフの横軸は、画素領域71から出射された光の波長を示し、グラフの縦軸は、光の強度を示している。
図6に示すように、第1の経路Pt1´を通って出射された光、及び第2の経路Pt2´により出射された光のピーク波長を略一致させることができる。また、これら2つの経路における分光特性は一致していないが、前記第1の経路Pt1´における色座標が(x,y)=(0.688,0.311)を示し、前記第2の経路Pt2´における色座標が(x,y)=(0.693,0.305)を示すことから、実使用上における色差としては問題のない範囲となっている。
よって、前記第2の経路Pt2´を通った光が出射される画素領域71の周辺部と、前記第1の経路Pt1´を通った光が出射される画素領域71の中央部との光透過性を同じとすることで、画素領域71の色ボケを防止できる。
【0038】
(比較例)
ここで、本実施形態に係る有機EL装置2の光透過性を説明する比較例として、従来の構造において共振器10を備えた有機EL装置の画素領域における発光スペクトルを図7のグラフに示す。
従来の有機EL装置は、前記第2の経路Pt2´で光の透過する絶縁膜149が、例えば100nmの膜厚のSiOからなる前記第1の絶縁層149Bのみで構成されたものとなっている。
このとき、前記第2の経路Pt2´においては、前述したように前記第1の絶縁層149Bを構成するSiOの屈折率(1.48)と、この第1の絶縁層149B上に設けられたホール注入層149Aとの屈折率(1.5)とが略等しいので、前記第2の経路Pt2´においては見掛け上ホール注入層149Aが厚くなり、第1の経路Pt1´との間に光路長差が生じている。
【0039】
このように光路長差が存在することで、前記の2つの経路間での光透過性に差が生じることは、前記第1の実施形態と同様である。しかしながら、本実施形態ではさらに共振構造10を備えているので、図7に示すように、前記第2の経路Pt2´から出射される光の光透過性の違いは、共振器10における共振効果によってより大きくなってしまう。
そこで、本実施形態における有機EL装置2を採用すれば、特に従来の有機EL装置の構造に共振器10を設けた場合における、画素領域71の光透過性の矯正効果が大きく、色ムラを防止できる。
【0040】
本実施形態の有機EL装置2によれば、前記第1の実施形態と同様に光路長の差がある第1の経路Pt1´と第2の経路Pt2´との光透過性の違いを、前記ホール注入層149Bと絶前記縁膜149を構成する第1の絶縁層149Aと第2の絶縁層149Bとの屈折率差を用いた共振効果によって略無くすことができる。よって、光透過性を同等にした光を共振器10に入射しているので、光透光性の略等しい光を前記共振器10によって共振することができる。よって、有機EL装置2は、画素領域71における色ムラを防止し、光の強度を増したものとなる。
【0041】
なお、本発明の有機EL装置は、前記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では、絶縁膜149全体を第1の絶縁層149Aと第2の絶縁層149Bとの2層構造に形成したが、前記第2の経路となるホール注入層140Aと画素電極141との間に介在する絶縁膜149のみを、選択的に前記の2層構造にしてもよい。
また、発光層140Bとして赤色の光を発光するものを用いたが、青又は緑の発光材料を用いてさらに絶縁膜149の材料等の構成を変更して共振条件を調節することで、青色又は緑色の光を発光する場合にも適応可能となる。また、発光層及び絶縁膜等の構成を変更することで、R(赤),G(緑),B(青)の3色を発光するフルカラーに対応した有機ELに対しても適応可能となる。
また、共振構造を構成する絶縁材料として、SiO、及びSiNxの場合について説明したが、例えば屈折率1.63のAlや屈折率2.1のTa等の材料を適宜選択することで絶縁膜149や共振構造10を構成するようにしてもよい。
【0042】
次に、本発明の有機EL装置を有機ELアレイラインヘッド101として備えた画像形成装置80について説明する。
図8は本発明の画像形成装置の第1の実施形態を示す図であり、図8中符号80はタンデム方式の画像形成装置である。この画像形成装置80は、有機ELアレイラインヘッド101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム41K、41C、41M、41Yにそれぞれ配置したことにより、露光装置を構成した、タンデム方式のものである。
【0043】
この画像形成装置80は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これら各ローラに中間転写ベルト90を、図8中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト90に対して、感光体ドラム41K、41C、41M、41Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム41K、41C、41M、41Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっており、前記有機ELアレイラインヘッド101K、101C、101M、101Yに対して、所定の感度を有したものである。
【0044】
ここで、前記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。
なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト90の駆動と同期して、図8中矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
【0045】
各感光体ドラム41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)とが設けられている。
ここで、有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)は、前述したようにヘッドケースによってSLアレイ(図示せず)とともに互いにアライメントされた状態で一体的に保持され、ラインヘッドモジュールとして用いられている。
【0046】
また、この有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)(ラインヘッドモジュール)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体ドラム41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0047】
ここで、各有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)は、それぞれのアレイ方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置されている。そして、各有機ELアレイラインヘッド101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
【0048】
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体ドラム41(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
【0049】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Sに二次転写され、さらに定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体S上に定着され、その後、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
【0050】
なお、図8中の符号63は多数枚の記録媒体Sが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Sを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Sの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト90との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0051】
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態について説明する。図9は4サイクル方式の画像形成装置の縦断側面図である。図9において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、前記ラインヘッドモジュールからなる像書込手段167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。なお、本実施形態における画像形成装置160におけるラインヘッドモジュールは、前記実施形態と同様に、本発明の有機EL装置をラインヘッドとして備えたものである。
【0052】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢印A方向に回転するよう構成されたものである。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢印B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢印C方向に回転するトナー供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0053】
図9中符号165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段であり、前記のラインヘッドモジュールからなるものである。なお、この露光装置における感光体ドラム165は、像書込手段167に対して、前述したように予め設定された所定の感度を有したものである。
感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより、現像ローラ162aとは逆の方向となる矢印D方向に回転駆動されるようになっている。なお、像書込手段167を構成するラインヘッドモジュールは、これと感光ドラム165との間で位置合わせ(光軸合わせ)がなされた状態に配設されている。
【0054】
中間転写ベルト169は、駆動ローラ170aと従動ローラ170bとの間に張架されたものである。駆動ローラ170aは、前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されたもので、中間転写ベルト169に動力を伝達するようになっている。すなわち、該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆の方向となる矢印E方向に回動するようになっている。
【0055】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙が搬送されるようになっている。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写されるようになっている。二次転写ローラ171は、クラッチによって中間転写ベルト169に離当接されるようになっており、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接され、用紙に画像が転写されるようになっている。
【0056】
前記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータHを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。
定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢印G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0057】
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータとしては、例えば低速のブラシレスモータが用いられている。また、中間転写ベルト169については、色ずれ補正などが必要となるためステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略した制御手段からの信号によって制御されるようになっている。
【0058】
図9に示した状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ162aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢印A方向に90度回転する。
【0059】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次に、シアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0060】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後さらに回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0061】
このような図8、図9に示した画像形成装置80、160においては、図1に示したような本発明の有機EL装置がラインヘッドとして備えられている。
したがって、これら画像形成装置80、160にあっては、前述したように画素領域の色ムラを防止したラインヘッドを備えているので、露光精度の高い画像形成装置となる。
以上、本発明の有機EL装置1,2をラインヘッド101,167として用いた画像形成装置80,160に係る実施形態について説明したが、本発明の画像形成装置80,160はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0062】
(電子機器)
次に、前述したフルカラーに対応した本発明の有機EL装置を表示手段として備えた電子機器について説明する。
図10は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。この図に示す携帯電話300は、前記の電気光学装置を小サイズの表示部301として備え、複数の操作ボタン302、受話口303、及び送話口304を備えて構成されている。
【0063】
本発明の携帯電話300によれば、前述した画素領域の色ムラを防止した、フルカラーに対応する有機EL装置を表示手段として備えているので、表示精度が高い電子機器となる。
上述した電気光学装置としては、前記携帯電話300に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの場合にも電気的接続の信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施形態における有機EL装置の側断面図である。
【図2】前記有機EL装置の画素領域における要部を示す図である。
【図3】第1の実施形態における発光スペクトルを示すグラフである。
【図4】第1の実施形態における比較例を示す発光スペクトルを示すグラフである。
【図5】第2の実施形態における有機EL装置の側断面図である。
【図6】第2の実施形態における発光スペクトルを示すグラフである。
【図7】第2の実施形態における比較例の発光スペクトルを示すグラフである。
【図8】画像形成層値の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図9】画像形成装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図10】電子機器の一実施形態を示す携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1…有機EL装置、10…共振器、80…画像形成装置、101,103…ラインヘッド、141…画素電極(第1の電極)、149…絶縁膜、149A…第1の絶縁層、149B…第2の絶縁層、140A…ホール注入層、140B…発光層、160…画像形成装置、300…電子機器(携帯電話)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、該第1の電極上に設けられた絶縁膜と、該絶縁膜に設けられた開口を介して前記第1の電極に接続し、かつ前記絶縁膜上に至るホール注入層と、該ホール注入層上に設けられた発光層と、を備えた有機EL装置において、
前記第1の電極とホール注入層との間に介在する前記絶縁膜が、前記第1の電極上に設けられ、かつ前記ホール注入層と略同じ屈折率を有する第1の絶縁層と、該第1の絶縁層上に設けられた第2の絶縁層とからなり、
前記第2の絶縁層は、前記ホール注入層から前記絶縁膜を透過して前記第1の電極に入射する光が、前記ホール注入層から前記第1の電極に直接入射する光と同等の光透過性となるよう、前記ホール注入層と前記第1の絶縁層とともに共振構造を形成すべく、前記第1の絶縁層の屈折率より大きな屈折率を有していることを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
異なる屈折率の絶縁層が複数積層されてなる共振器を、前記第1の電極の直下に設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の有機EL装置において、ボトムエミッションであることを特徴とする有機EL装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL装置を、ラインヘッドとして用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL装置を、表示手段とすることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−196252(P2006−196252A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5007(P2005−5007)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】