説明

有機EL装置およびその製造方法

【課題】長寿命の有機EL装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】基板と、この基板上に形成された画素電極111と、この画素電極111上に形成され、画素電極111を画素領域Aごとに区画する開口部4aを有した隔壁4と、開口部4a内に形成された有機機能膜と、この有機機能膜上に形成された対向電極とを有し、隔壁4には、開口部4aを囲む周上の少なくとも一部に、開口部4aに通じる溝状の切欠部42が設けられ、対向電極は、隔壁4上と、切欠部42内と、有機機能膜上との全面を覆って形成され、かつ、少なくとも切欠部42内と有機機能膜上との間に連続して設けられている有機EL装置とその製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶装置に代表される電気光学装置の一種として、バックライト等を必要とせずに自発光する有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)素子を備えた有機EL装置が注目されている。有機EL素子は、対向する一対の電極間に有機機能膜、すなわち有機発光層等を備えて構成されたものであり、フルカラー表示を行う有機EL装置は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する発光波長帯域を有する有機EL素子(発光素子)を備えて構成されたものである。
【0003】
このような有機EL装置を形成する有力な方法としてインクジェット法等の液滴吐出法を用いた手法がある。この手法は、基板上に形成された第1の電極上に隔壁を設けて、画素領域を区画化し、その画素領域ごとに有機機能膜形成用の液体材料を充填する方法であり、液体材料を乾燥させることで有機機能膜を形成する。
また、有機機能膜を形成した後に、第2の電極を、蒸着法等の気相法によって、隔壁上および有機機能膜上に一括して形成する。
【0004】
液滴吐出法を用いた手法によれば、同一基板上に発光波長帯域が異なる複数の有機機能膜を、同時に形成できる利点がある。しかしながらこの手法では、液体材料が乾燥する際にその体積が大幅に減少するため、有機機能膜の膜厚に比べて大量の液体材料を画素領域に充填する必要があり、液体材料が隔壁を越えて隣の画素領域の液体材料と混ざり合うことによって、所望の発光層が得られないことがあった。
【0005】
このような不都合を解決する方法として、特許文献1にはプラズマ処理によって隔壁の上面を撥液加工する方法が開示されており、また、特許文献2には親液性の無機材料からなる電極上に、特許文献1の方法で隔壁を形成する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−372921号公報
【特許文献2】特開2002−334782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先述のように、特許文献1や特許文献2の方法によれば、区画された画素領域から液体材料が溢れ出ることを防止できると期待される。しかしながら、例えば有機EL装置の耐久性(寿命)を向上させるために、有機機能膜を厚く形成しようとすると、有機機能膜上に形成された第2の電極が、隔壁上に形成された第2の電極(配線)から断線してしまうおそれがある。
【0007】
すなわち、有機機能膜を厚くしようとすると、さらに大量の液体材料を画素領域に充填する必要があり、液体材料が画素領域から溢れ出てしまう。これを防止するために、隔壁を高くすると、隔壁上と有機機能膜上との間に大きな段差ができてしまう。このような大きな段差がある状態で、蒸着法等の一般的な気相法で第2の電極を形成すると、カバレッジ性が悪くなることにより、形成された第2の電極は、隔壁上と有機機能膜上との間で、不連続なものとなってしまうおそれがある。このような断線によって、電力が供給されない有機機能膜があると、色むらや色落ちが生じてしまう。
【0008】
また、画素領域を囲む隔壁面をテーパ面とすることによって、画素領域の容積を大きくし、また、カバレッジ性を改善する方法も考えられるが、そのためには、隔壁側面を緩やかなテーパ面(傾斜面)とする必要があり、そのため液体材料が流れ出しやすくなってしまい、液体材料が画素領域から溢れ出てしまうことを十分に防止することができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記のような現状を鑑みてなされたもので、隔壁を高くした場合でも、有機機能膜上の第2電極の断線に起因する不都合を防止し、第2の電極を正常に機能させることができるようにした有機EL装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の有機EL装置は、基板と、前記基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、前記第1の電極を画素領域ごとに区画する開口部を有した隔壁と、前記開口部内に形成された有機機能膜と、前記有機機能膜上に形成された第2の電極とを有し、
前記隔壁には、前記開口部を囲む周上の少なくとも一部に、前記開口部に通じる溝状の切欠部が設けられ、
前記第2の電極は、前記隔壁上と、前記切欠部内と、前記有機機能膜上との全面を覆って形成され、かつ、少なくとも前記切欠部内と前記有機機能膜上との間に連続して設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような有機EL装置にあっては、前記隔壁を高くした場合でも、前記有機機能膜上と前記切欠部内との段差を小さくできる。したがって、前記有機機能膜上と前記切欠部内との間に連続して第2の電極を形成する方法として、蒸着法等の、一般的な気相法を用いることができ、生産効率を著しく高めることができる。
また、前記隔壁を高くすることができるため、例えば液滴吐出法等を用いた手法によって前記有機機能膜を形成する場合に、前記画素領域に前記有機機能膜の材料をより大量に充填することができ、前記有機機能膜を厚くできる。よって、前記有機機能膜の耐久性(寿命)を向上させることができ、この有機機能膜を備えた有機EL装置は長寿命となる。
【0012】
また、前記隔壁の切欠部は、複数の開口部から延びたものが連通されていることが好ましく、特に配列された前記画素領域を、行または列ごとに連通して設置されていることがより好ましい。
このような構成とすれば、前記切欠部に形成された第2の電極と画素の駆動回路との間の配線を簡略化することができる。
また、例えば前記隔壁を高くすることによって、前記隔壁上と前記有機機能膜上との間で第2の電極が不連続となるような構成とすれば、前記有機機能膜への電力供給は、前記切欠部内の第2の電極(引き込み配線)を介してのみ行われるようになる。したがって、配列された前記画素領域の行や列ごとに、独立した配線となり、画素を行や列ごとに独立して駆動することができる。よって、発光むら等を画素の駆動制御によって調整し改善することが可能となる。
【0013】
また、前記隔壁の切欠部は、その内面が撥液性を有することが好ましい。
このような構成とすれば、例えば液滴吐出法を用いた手法によって有機機能膜を形成する場合に、前記有機機能膜の液体材料が、前記画素領域から前記切欠部内に流れ出し、前記切欠部に濡れ広がることを防止できる。したがって、前記開口部内に前記有機機能膜の液体材料を所定量配することができ、これにより有機機能膜を所定の厚さにすることができる。
【0014】
また、前記隔壁の開口部を囲む側面は、少なくともその一部が、前記第1の電極側から前記第2の電極側に向かってその開口径を縮小するような傾斜面となっている構成とすることもできる。
このような構成とすれば、例えば気相法によって、前記隔壁上と前記有機機能膜上とに第2の電極を一括して形成した際に、前記傾斜面(逆テーパ面)によって、前記第2の電極のカバレッジ性が損なわれる。したがって、形成された第2の電極は、前記隔壁上と前記有機機能膜上との間で不連続となり、先述のように画素を行や列ごとに独立して駆動させる場合に、行や列ごとの配線をより確実に独立させることができる。
【0015】
本発明の有機EL装置の製造方法は、
基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記第1の電極を画素領域ごとに区画する開口部を有し、前記開口部を囲む周上の少なくとも一部において前記開口部と通じる溝状の切欠部を有する隔壁を形成する工程と、
前記隔壁の開口部内に液相法で有機機能膜を形成する工程と、
前記隔壁上と、前記切欠部内と、前記有機機能膜上との全面を覆って第2の電極を気相法で形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
このような方法によれば、前記隔壁を高くした場合でも、前記有機機能膜上と前記切欠部内との段差が小さい有機EL装置を製造できる。したがって、前記有機機能膜上と前記切欠部内との間に連続して第2の電極を形成する方法として、蒸着法等の、一般的な方法を用いることができ、生産効率を著しく高めることができる。
また、前記隔壁を高くすることができるため、例えば液滴吐出法等の液相法によって前記有機機能膜を形成する場合に、前記画素領域に前記有機機能膜の材料をより大量に充填することができ、前記有機機能膜を厚くできる。よって、前記有機機能膜の耐久性(寿命)を向上させることができ、この有機機能膜を備えた長寿命の有機EL装置を製造することができる。
【0017】
前記隔壁を形成する工程は、
前記第1の電極上に、前記画素領域において第1の電極を露出させた状態で、第1の隔壁を形成する工程と、
前記第1の隔壁上に、前記切欠部を有した状態で、第2の隔壁を形成する工程と、を有することが好ましい。
このような方法によれば、前記切欠部が形成された前記隔壁を、簡便に製造することができる。
【0018】
また、前記隔壁を形成する工程と、前記有機機能膜を形成する工程との間に、前記隔壁に撥液性を付与する工程を有することが好ましい。
このような方法によれば、前記隔壁の内部と上面と、前記切欠部内に撥液性を確実に付与することができる。したがって、例えば液滴吐出法を用いた手法によって前記有機機能膜を形成する場合に、前記有機機能膜の液体材料が、前記画素領域から前記切欠部に流れ出し、前記切欠部に濡れ広がることが防止される。したがって、前記開口部内に前記有機機能膜の液体材料を所定量配することができ、これにより所定の厚さの有機機能膜を備えた有機EL装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0020】
図1は、本発明の有機EL装置の一実施形態の配線構造を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態の有機EL装置1は、複数の走査線101と、走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101及び信号線102の各交点付近に、画素領域Aを形成したものである。
【0021】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路104が接続されている。走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路105が接続されている。また、画素領域Aの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ112と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量capと、該保持容量capによって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ113と、この駆動用薄膜トランジスタ113を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む第1の電極(画素電極)111と、この画素電極111と第2の電極(対向電極)12との間に挟み込まれた有機機能膜110とが設けられている。
なお、第1の電極(画素電極)111および第2の電極(対向電極)12と、有機機能膜110とを備えてなることにより、有機EL素子が構成されており、本実施形態では、第1の電極(画素電極)111は陽極として、第2の電極(対向電極)12は陰極として、それぞれ機能するようになっている。
【0022】
このような構成によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ112がオンになると、そのときの信号線102の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ113のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ113のチャネルを介して、電源線103から画素電極111に電流が流れ、さらに有機機能膜110を介して対向電極12に電流が流れる。すると、有機機能膜110はこれを流れる電流量に応じて発光する。
【0023】
図2は、図1に示した有機EL装置の平面模式図である。本実施形態の有機EL装置1は、基板2と、画素領域Aが配列された表示領域Pと、フレキシブル基板5と、駆動IC6(駆動回路)とを備えている。前記対向電極12は、その一端が基板2上に形成された陰極用配線(図示略)に接続されており、図2に示すように、この配線の一端部12aがフレキシブル基板5上の配線5aに接続されている。なお、この配線5aは、フレキシブル基板5上に備えられた駆動IC6(駆動回路)に接続されている。
【0024】
図3は、表示領域Pの要部を基板2の上面側から平面視した模式図である。詳しくは後述するが、基板2上には回路素子部(図示せず)が形成されており、その回路素子部上に前記画素電極111が設けられている。この画素電極111上を区画して隔壁4が形成されており、前記隔壁4の開口部4a内が画素領域Aとなっている。前記隔壁4には、前記開口部4aに通じる溝状の切欠部42が設けられている。切欠部42は、開口部4aから延びる支線部421と、画素領域配列において、例えば走査線に対応する行ごとに前記支線部421を束ねる幹線部422と、から構成されている。開口部4a内の画素電極111上には、有機機能膜(図示せず)が形成されており、その有機機能膜上と、隔壁4上と、切欠部42内とには、対向電極(図示せず)が形成されている。
【0025】
図4は、図3のX−X断面図である。本実施形態では、ボトムエミッション型の有機EL装置1を例に説明を行う。ボトムエミッション型の有機EL装置1においては、基板2および回路素子部14は透明な材料からなっており、有機機能膜110から基板2側に発した光が、回路素子部14及び基板2を透過して基板2の外側(観測者側)に出射されるとともに、有機機能膜110から基板2と反対の側に発した光も、対向電極12に反射されて回路素子部14及び基板2を透過し、基板2の外側(観測者側)に出射される。
【0026】
図4に示すように、基板2上に形成される有機EL素子3は、画素電極111と、正孔注入層60および発光層70からなる有機機能膜110と、対向電極12とによって構成されている。また、基板2の厚さ方向において、前記有機EL素子3を含むEL素子部10と基板2との間には、回路素子部14が形成されている。この回路素子部14には、前述の走査線、信号線、保持容量、スイッチング用の薄膜トランジスタ、駆動用の薄膜トランジスタ123等が形成されている。
【0027】
回路素子部14には、基板2上にSiOを主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域が、チャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0028】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、電源線(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0029】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層には、平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、駆動用TFT123やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。
【0030】
そして、この平坦化膜284の表面上には画素電極111が形成されており、この画素電極111は、前記平坦化膜284に設けられたコンタクトホール111aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極111は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。なお、画素電極111は、ボトムエミッション型である本実施形態では、透明導電材料によって形成され、具体的にはITOが好適に用いられている。
【0031】
画素電極111が形成された平坦化膜284の表面上には、画素電極111と、これの周縁部を覆う無機隔壁40とが形成されており、さらにこの無機隔壁40上には、有機隔壁41が形成されている。また、画素電極111上には、無機隔壁40に形成された開口部40aと、有機隔壁41に形成された開口部4aとの内部、すなわち画素領域Aに、前記した正孔注入層60と発光層70とが、画素電極111側からこの順で積層され、これによって有機機能膜110が形成されている。
【0032】
なお、前記有機機能膜110において正孔注入層60は、正孔を発光層70に注入する機能を有するとともに、正孔を正孔注入層60内部において輸送する機能をも有している。このような正孔注入層60を画素電極111と発光層70の間に設けることにより、発光層70の発光効率、寿命等の素子特性を向上させることができる。発光層70では、正孔注入層60から注入された正孔と、対向電極12から注入される電子とが再結合し、発光をなすようになっている。
【0033】
正孔注入層60は、その形成材料として、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)を含有する液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させあるいは溶解させた液が好適に用いられている。
【0034】
また、発光層70を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。発光層70の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
なお、このような発光層70を形成する材料としては、特にフルカラー表示をなす場合、赤色、緑色、青色の各波長域に対応する光を発光する材料が用いられ、それぞれが予め設定された状態に形成配置される。
【0035】
対向電極12は、前記発光層70を覆って形成されたもので、例えばCaが厚さ5nm程度に形成され、その上にAlが厚さ300nm程度に形成されて構成されたものである。このような積層構造の電極とされたことにより、特にAlは反射層としても機能するものとなっている。なお、対向電極12についても透明な材料を用いれば、発光した光を対向電極12側からも出射させることができる。透明な材料としては、ITO、Pt、Ir、Ni、もしくはPdを用いることができる。膜厚としては、透明性を確保するうえで、75nm程度とするのが好ましく、さらにこの膜厚より薄くするのがより好ましい。
また、この対向電極12上には、接着層51を介して封止基板(図示せず)が貼着されている。
【0036】
図5は、図3のY−Y′線矢視断面の模式図であり、これを用いて隔壁4の構造を説明する。本実施形態の隔壁4は、回路素子部14上および画素電極111上に形成された無機隔壁40と、この無機隔壁40上に形成された第1の有機隔壁411(第1の隔壁)と、前記第1の有機隔壁411上に形成された第2の有機隔壁412(第2の隔壁)と、から構成されている。無機隔壁40と第1の有機隔壁411は、画素電極111の周縁上を覆い、かつその中央部を露出させる開口部を有して形成されており、また、第2の有機隔壁412は、前記第1の有機隔壁411上において、前記切欠部42(図3参照)に対応する線状部を除いて形成されている。したがって、この線状部は、隔壁4の上面側から観察すると、第1の有機隔壁411の上面を底面とし、第2の有機隔壁412を側面とする溝状の切欠部42を形成している。切欠部42は、開口部から延びる支線部421と、他の画素領域と連通する幹線部422とから構成されている。
【0037】
本実施形態では、無機隔壁40はSiOからなっており、有機機能膜110形成用の液体材料に対して親液性を有している。また、有機隔壁41はアクリル系やポリイミド系等の耐熱性絶縁性樹脂からなっており、前記液体材料に対して撥液性を有している。
【0038】
前記開口部には、正孔注入層60と発光層70等からなる有機機能膜110が形成されている。また、有機機能膜110上と隔壁4上とには、蒸着法などの気相法によって、対向電極12が一括して形成されており、画素電極111と、対向電極12と、これらに挟まれた有機機能膜110とによって有機EL素子3が構成されている。
なお、対向電極12は、有機機能膜110に電力を供給する経路(通電経路)として、第2の有機隔壁412上から直接隔壁4の開口部4a内を下降することで有機機能膜110に通じる第1経路と、隔壁4に形成された前記切欠部42内を通って開口部4a内に至り、有機機能膜110に通じる第2経路とを有している。
【0039】
(有機EL装置の製造方法)
次に図6〜図9を用いて、有機EL装置1の製造方法を説明する。図6〜図9はそれぞれ、製造過程において、図3のY−Y′位置に対応した有機EL装置1の矢視断面図である。
【0040】
本発明の有機EL装置1を製造するには、まず、公知の技術によって、基板2上に回路素子部14を形成する。そして、基板2の全面を覆うように画素電極111となる透明導電膜を、ITOによって形成する。次いで、この導電膜をパターニングすることにより、図6(a)に示すように、所定の画素形成位置に画素電極111を形成する。
【0041】
次いで、画素電極111上および回路素子部14上に、SiO等の無機絶縁材料をCVD法等で成膜して隔壁層(図示せず)を形成し、続いて、公知のホトリソグラフィー技術、エッチング技術を用いて隔壁層をパターニングする。これにより、図6(b)に示すように、形成する各有機EL素子3の画素領域毎に開口部40aを形成すると同時に、無機隔壁40を形成する。無機隔壁40は、例えば、0.1μm〜0.5μm程度の厚さに形成する。
【0042】
次いで、図6(c)に示すように、無機隔壁40の所定位置、詳しくは画素領域を囲む位置に、先述の無機隔壁40と同様の手法により、樹脂によって第1の有機隔壁411を、例えば0.5μm〜2.0μm程度の厚さに形成する。
【0043】
次いで、図6(d)に示すように、第1の有機隔壁411上に第2の有機隔壁412を形成する。形成に際しては、切欠部42に相当する部分にレジストマスクを設けないことにより、前記の第2の有機隔壁412を形成すると同時に、切欠部41の支線部421および幹線部422を形成する。第2の有機隔壁412を、第1の有機隔壁411と同じ材料で形成する場合には、エッチングの時間制御を行うことで、また、第2の有機隔壁412を、第1の有機隔壁411と異なる材料で形成する場合には、エッチングレートの違いを利用することで、切欠部42を所望の深さにすることができる。第2の有機隔壁412は、例えば2μm〜10μm程度に形成する。
【0044】
次いで、図7(e)に示すように、画素電極111と無機隔壁40と第1の有機隔壁411、および第2の有機隔壁412を形成した側の面をプラズマPzによる表面処理を行い、その表面に付着した有機物等の汚染物を除去して濡れ性を向上させ、後述する液体材料に対して親液性を付与する。具体的には、基板2を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、続いて大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。次いで、撥液化処理を行うことにより、第1の有機隔壁411の開口部内面、第2の有機隔壁412の上面および開口部内面、隔壁4の切欠部42の内面、の濡れ性を低下させる。具体的には、大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基板2を室温まで冷却することで、前記の各面を撥液化し、その濡れ性を低下させる。
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極111の露出面および無機隔壁40についても多少の影響を受けるが、画素電極111の材料であるITOおよび無機隔壁40の構成材料であるSiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、酸素プラズマ処理で濡れ性が向上した面は濡れ性がそのままに保持される。
【0045】
次いで、前記隔壁4の開口部4aの内側に正孔注入層60を形成する。この正孔注入層60の形成工程では、特に液滴吐出法が好適とされ、本実施形態では、図7(f)に示すように、液滴吐出法であるインクジェット法を用いた例を示す。液滴吐出ノズル90から、正孔注入層60の形成材料であるPEDOT−PSSの分散液(液体材料)の液滴91aを前記画素電極111の露出面上に配し、その後、配された液体材料91を熱処理によって乾燥させることにより、図8(g)に示すように、正孔注入層60を形成する。
【0046】
次いで、図8(h)に示すように、インクジェット法を用いて前記正孔注入層60上に発光層70を形成する。液滴吐出ノズル90から、発光層70の形成材料の液滴92aを前記正孔注入層60上に吐出し、その後、配された発光層70の液体材料92を窒素雰囲気中にて100℃で1時間程度の熱処理を行うことによって乾燥させ、図9(i)に示すように、隔壁4に形成された開口部4a内、すなわち画素領域Aに発光層70を形成する。発光層70の形成材料中に用いる溶媒としては、例えばキシレンが用いられる。
【0047】
ここで、このように正孔注入層60と発光層70とからなる有機機能膜110を形成するに際し、隔壁4に形成された開口部4a内に正孔注入層60や発光層70の液体材料を充填した際、前記切欠部42は撥液性を有しているため、前記開口部4aから前記液体材料が流れ出ることが防止されている。したがって、前記切欠部42内には、正孔注入層60や発光層70が形成されること無く、たとえ形成されても、その厚さは極めて薄いものとなる。
【0048】
次いで、図9(j)に示すように、前記有機機能膜110及び有機隔壁221を覆って例えばカルシウムを厚さ5nm程度、アルミニウムを厚さ300nm程度に積層し、対向電極12を形成する。この対向電極12の形成に際しては、有機EL素子3を効率よく発光させるため、例えば電子注入層としてフッ化リチウムを発光層70側に形成してもよい。また、この対向電極12の形成では、前記正孔注入層60や発光層70の形成とは異なり、蒸着法やスパッタ法等で行うことにより、画素領域にのみ選択的に形成するのでなく、基板2のほぼ全面に対向電極12を形成する。その後、前記対向電極12上に接着層(図示せず)を形成し、さらにこの接着層によって封止基板(図示せず)を接着し、封止を行う。これにより、本実施形態の有機EL装置1を得る。
【0049】
以上のような製造方法によって得られた有機EL装置1は、有機機能膜110へ電力を供給する通電経路が2経路備わっている。そのうち本発明に係る切欠部42を経由する前記第2経路は、第1の有機隔壁411が低く形成されているので、有機機能膜110の上面と前記切欠部42の底面との段差が小さくなっている。したがって、蒸着法やスパッタ法等の気相法を用いて隔壁4上と有機機能膜110上とに一括して対向電極12を形成した場合でも、前記段差部は良好なカバレッジ性を有するため、前記段差部で前記第2の経路が不連続となり、断線を生じることが防止される。
【0050】
また、このように第2の経路の断線が防止されているため、たとえ前記第1の経路に断線が生じた場合でも、有機機能膜110には前記第2の経路を経由して電力が供給されるため、有機EL素子3が確実に機能するようになる。したがって、隔壁4上と有機機能膜110上とに一括して対向電極12を形成する方法として、蒸着法等の気相法を良好に用いることができる。
【0051】
また、前記第1の経路に断線が生じても、有機EL素子3を確実に機能させることできる構成にしているので、対向電極12を形成する際に、第2の有機隔壁412上と有機機能膜110上との間の段差が大きくなってもよい。したがって、第2の有機隔壁412を高く形成する構成が可能となっている。
このようにすれば、インクジェット法等の液滴吐出法を用いた手法によって有機機能膜110を形成する場合に、前記有機機能膜110形成用の液体材料が、第2の有機隔壁412を越えて近隣の画素領域Aへ溢れ出ることが防止される。
【0052】
したがって、前記隔壁4の開口部4a内に前記液体材料をより多く充填することができ、前記発光膜70等を厚くすることができる。一般に、有機材料からなる機能膜は、通電させると劣化を生じるため、膜厚が薄いと短寿命となるが、本発明に係る発光層70等は十分に厚く形成されているため、長寿命のものとなる。したがって、前記発光層70等
を備えた有機EL素子3も長寿命となる。
【0053】
また、前記有機機能膜110の液体材料が前記画素領域Aから前記切欠部42内に流れ出し、前記切欠部42に濡れ広がることを防止されているので、前記開口部4a内に前記液体材料を所定量配することができ、これにより有機機能膜110を所定の厚さに形成することができる。
【0054】
また、前記隔壁4を形成する工程は、画素電極111を露出させた状態で、第1の有機隔壁411(第1の隔壁)を形成する工程と、この第1の有機隔壁411上に、前記切欠部42を有した状態で、第2の有機隔壁412(第2の隔壁)を形成する工程とを有しているので、前記切欠部42が形成された前記隔壁4を、簡便に形成することができる。
【0055】
また、前記隔壁4を形成する工程と、前記有機機能膜110を形成する工程との間に、前記隔壁4に撥液性を付与する工程を有しているので、前記隔壁4の内面と上面および、切欠部42内面とに、確実に撥液性を付与することができる。したがって、液滴吐出法を用いた手法によって前記有機機能膜110を形成する場合に、前記有機機能膜110の液体材料が、画素領域Aから前記切欠部42に流れ出し、前記切欠部42に濡れ広がることが防止される。したがって、前記開口部4a内に前記有機機能膜110の液体材料を所定量配することができ、これにより所定の厚さの有機機能膜110を形成できる。
【0056】
以上のように、本発明の有機EL装置1は、確実に機能し、しかも、長寿命の有機EL素子を備えているので、信頼性が高く、長寿命の装置となっている。
また、本発明の製造方法によれば、切欠部42を備えた隔壁4を容易に形成でき、対向電極12を一括して形成でき、同一基板上に発光波長帯域が異なる複数の有機機能膜110を同時に形成できるので、前記有機EL装置1の生産性を著しく高めることができる。
【0057】
(有機EL装置の他の構成例)
前記実施形態では、有機機能膜110へ電力を供給する通電経路として、隔壁4上から開口部4aを降下し、前記有機機能膜110上へ至る前記第1の経路を備えた例を示したが、前記第1の経路を断線させた構成とすることもできる。具体的には、第2の有機隔壁412を高く形成することや、前記隔壁4の開口部4aを囲む側面を、少なくともその一部が、画素電極111側から対向電極12側に向かってその開口径を縮小するような傾斜面(逆テーパ面)に形成することによって、気相法によって対向電極12を形成する際に、前記隔壁4の開口部4aを囲む側面においてカバレッジ性を損なわせることができる。
このような構成において、有機EL素子3への電力供給は、前記第2の経路によってのみなされるため、本実施形態のように、配列された有機EL素子3の行(走査線)や列ごとに連通した切欠部41を有した構成とすれば、行(走査線)や列ごとに独立した配線とすることができる。したがって、画素を行や列ごとに独立して駆動することができ、発光むら等を画素の駆動制御によって調整し改善することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態では、ボトムエミッション構造の有機EL装置1を例としたが、対向電極12側から光を取り出すトップエミッション構造としてもよい。また、隔壁4の構造としては、無機隔壁40と有機隔壁41の積層体でなくてもよいし、有機隔壁41は単層でも3層以上でも良い。また、複数層からなる有機壁41とする場合、各層の材料を変化させてもよい。
【0059】
(電子機器)
次に、本実施形態の有機EL装置1を備えた電子機器の具体例について説明する。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記有機EL装置1からなる表示部を示している。
図10(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は前記有機EL装置1からなる表示部を示している。
図10(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は前記有機EL装置1からなる表示部を示している。
図10(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図10(d)において、薄型大画面テレビ1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、前記有機EL装置1からなる表示部1306を備える。
【0060】
図10(a)〜(d)に示す電子機器1000,1100,1200,1300は、前記有機EL装置1を備えているので、この有機EL装置1からなる表示部1001,1101,1206,1306の色むらが防止され、長寿命化していることにより、これら電子機器1000,1100,1200,1300は、良好な表示特性を有し、しかも長寿命化したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の有機EL装置の一実施形態の配線構造を示す説明図
【図2】有機EL装置の平面模式図
【図3】表示領域の要部を平面視した模式図
【図4】図3のX−X断面図
【図5】図3のY−Y′矢視断面図
【図6】有機EL装置の製造方法を説明する図
【図7】有機EL装置の製造方法を説明する図
【図8】有機EL装置の製造方法を説明する図
【図9】有機EL装置の製造方法を説明する図
【図10】本発明の有機EL装置を備えた電子機器の具体例
【符号の説明】
【0062】
1…有機EL装置、2…基板、4…隔壁、411…第1の有機隔壁(第1の隔壁)、412…第2の有機隔壁(第2の隔壁)、42…切欠部、421…支線部、422…幹線部12…対向電極(第2の電極)、60…正孔注入層、70…発光層、110…有機機能膜、111…画素電極(第1の電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、前記第1の電極を画素領域ごとに区画する開口部を有した隔壁と、前記開口部内に形成された有機機能膜と、前記有機機能膜上に形成された第2の電極とを有し、
前記隔壁には、前記開口部を囲む周上の少なくとも一部に、前記開口部に通じる溝状の切欠部が設けられ、
前記第2の電極は、前記隔壁上と、前記切欠部内と、前記有機機能膜上との全面を覆って形成され、かつ、少なくとも前記切欠部内と前記有機機能膜上との間に連続して設けられていることを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
前記隔壁の切欠部は、複数の開口部から延びたものが連通していることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記隔壁の切欠部は、配列された前記画素領域に対応する前記開口部を、行または列ごとに連通して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記隔壁の切欠部は、その内面が撥液性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記隔壁の開口部を囲む側面は、少なくともその一部が、前記第1の電極側から前記第2の電極側に向かってその開口径を縮小するような傾斜面となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項6】
基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記第1の電極を画素領域ごとに区画する開口部を有し、前記開口部を囲む周上の少なくとも一部において前記開口部と通じる溝状の切欠部を有する隔壁を形成する工程と、
前記隔壁の開口部内に液相法で有機機能膜を形成する工程と、
前記隔壁上と、前記切欠部内と、前記有機機能膜上との全面を覆って第2の電極を気相法で形成する工程と、を有することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
【請求項7】
前記隔壁を形成する工程は、
前記第1の電極上に、前記画素領域において第1の電極を露出させた状態で、第1の隔壁を形成する工程と、
前記第1の隔壁上に、前記切欠部を有した状態で、第2の隔壁を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項6に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項8】
前記隔壁を形成する工程と、前記有機機能膜を形成する工程との間に、前記隔壁に撥液性を付与する工程を有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の有機EL装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−192442(P2008−192442A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25145(P2007−25145)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】