説明

有機EL装置

【課題】発光面積を拡大できる有機EL装置を提供する。
【解決手段】有機EL装置1は、素子基板2と、封止板3と、封着材4と、発光部5と、アノード側外部端子6と、カソード側外部端子7とを備えている。素子基板2の上面は、光取出面11である。発光部5は、素子基板2の下側の主面2aに形成されている。発光部5は、アノード電極21と、有機発光層22と、カソード電極23とを備えている。封止板3は、封着材4によって素子基板2の主面2aに封着されて、封止領域を形成している。封止板3には、アノード電極21を露出させるためのアノード用端子穴12と、カソード電極23を露出させるためのカソード用端子穴13とが形成されている。アノード側外部端子6は、アノード用端子穴12に挿入されて、アノード電極21と接続されている。カソード側外部端子7は、カソード用端子穴13に挿入されて、カソード電極23と接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光層を有する有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機発光層を有する有機EL装置が知られている。特許文献1には、素子基板と、素子基板上に形成された発光部と、UV硬化樹脂からなる封着材により素子基板と封着された封止板とを備えた有機EL装置が開示されている。発光部は、アノード電極と、有機発光層と、カソード電極とを備えている。また、このような有機EL装置は、アノード電極及びカソード電極と外部電源とを接続するためのアノード側外部端子及びカソード側外部端子とを備えている。アノード側外部端子及びカソード側外部端子は、封着材の外側に露出されたアノード電極及びカソード電極の端部と接続されている。
【0003】
特許文献1の有機EL装置では、アノード側外部端子及びカソード側外部端子を介して、アノード電極とカソード電極との間に電圧が印加されると、有機発光層に電子と正孔が注入される。注入された電子と正孔は、有機発光層内で再結合して、光を発光する。
【特許文献1】特開2000−68049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の有機EL装置では、封着材の外側に露出した電極の端部と外部端子とを接続しているので、当該接続個所に有機発光層を形成することができない。このため、平面視における発光面積が小さいといった課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、発光面積を拡大できる有機EL装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一方の主面が光取出面である素子基板と、有機発光層及び電極を有し、前記素子基板の他方の主面に形成された発光部と、前記素子基板の他方の主面に封着されるとともに、前記電極を露出させるための端子穴が貫通された封止板と、前記素子基板と前記封止板とを封着するための封着材と、前記端子穴に挿入されて前記電極と接続される外部端子とを備えたことを特徴とする有機EL装置である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記端子穴は、前記封着材よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置である。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記端子穴は、前記電極側の開口が他方の開口よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の有機EL装置である。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記端子穴は、テーパ状であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置である。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、前記外部端子の接続端部は、前記封止板の面方向に弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機EL装置である。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、前記外部端子は、前記端子穴の軸方向に弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の有機EL装置である。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、前記電極と接続される前記外部端子の接続端部は、前記端子穴の前記他方の開口よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機EL装置である。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、前記電極と接続される前記外部端子の接続面は、平面であることを特徴とする請求項7に記載の有機EL装置である。
【0014】
また、請求項9に記載の発明は、前記端子穴には、導電材が埋設されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の有機EL装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、封止板に形成された端子穴に挿入された外部端子と端子穴から露出した電極とを接続している。このため、外部端子と電極との接続個所を封着材の内側に形成することができるので、当該接続箇所に有機発光層を形成することができる。この結果、発光面積を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態による有機EL装置を説明する。図1は、第1実施形態による有機EL装置の全体斜視図である。図2は、図1におけるII−II線に沿った断面図である。図3は、有機EL装置の平面図である。図4は、有機EL装置の隅の拡大平面図である。図5は、図3におけるV−V線に沿った断面図である。図6は、図3におけるVI−VI線に沿った断面図である。図7は、外部端子の斜視図である。図8は、装着前の外部端子の斜視図である。尚、以下の説明において、図1の矢印に示す上下を、上下方向とする。また、上下方向に垂直な方向を水平方向とする。
【0017】
図1及び図2に示すように、有機EL装置1は、ボトムエミッション型である。図1〜図6に示すように、有機EL装置1は、素子基板2と、封止板3と、封着材4と、発光部5と、一対のアノード側外部端子6と、一対のカソード側外部端子7とを備えている。また、素子基板2と、封止板3と、封着材4とによって封止領域が形成される。
【0018】
素子基板2は、約0.5mmの厚みを有し、光を透過可能なガラス基板からなる。素子基板2は、平面視にて、一辺が約3cm〜約8cm程度の四角形状に形成されている。素子基板2の上面(請求項の一方の主面に相当)は、発光部5によって発光された光を取り出すための光取出面11である。素子基板2の下面(請求項の他方の主面に相当)は、発光部5が形成される主面2aである。
【0019】
封止板3は、約0.5mmの厚みを有するガラス基板からなる。封止板3は、平面視にて、素子基板2と同形状の四角形状に形成されている。封止板3は、封着材4によって素子基板2の主面2aに封着されている。封着材4は、絶縁性の樹脂からなり、素子基板2及び封止板3の外周を囲むように形成されている。封着材4は、平面視にて、約1.5mmの太さを有する。
【0020】
一対のアノード用端子穴12は、アノード電極21を露出させるためのものである。また、アノード用端子穴12は、アノード側外部端子6を保持するためのものである。一対のアノード用端子穴12は、封止板3の対向する二隅に形成されている。
【0021】
一対のカソード用端子穴13は、カソード電極23を露出させるためのものである。また、カソード用端子穴13は、カソード側外部端子7を保持するためのものである。一対のカソード用端子穴13は、アノード用端子穴12が形成されている二隅とは異なる封止板3の二隅に形成されている。
【0022】
端子穴12、13は、封止板3の一方の主面から他方の主面へ貫通するように形成されている。端子穴12、13は、平面視にて、円形状に形成されている。端子穴12、13は、軸方向が上下方向と平行になるように形成されている。端子穴12、13は、封着材4よりも内側に形成されている。
【0023】
発光部5は、平面視にて、素子基板2及び封止板3よりも内側に約1.5mm程度小さい四角形状に形成されている。発光部5は、素子基板2の下側の主面2aに形成されている。図5及び図6に示すように、発光部5は、アノード電極21と、有機発光層22と、カソード電極23と、絶縁膜24とを備えている。
【0024】
アノード電極21は、有機発光層22に正孔を注入するためのものである。アノード電極21は、封着材4によって囲まれた素子基板2の主面2aの略全面に形成されている。アノード電極21は、光を透過可能な約100nmの厚みを有するITO(酸化インジウムスズ)からなる。アノード電極21は、平面視にて、四角形状に形成されている。
【0025】
有機発光層22は、白色の光を発光するためのものである。有機発光層22は、アノード電極21上に電気的に接続された状態で形成されている。有機発光層22は、平面視にて、アノード電極21と略同じ四角形状に形成されている。図5に示すように、有機発光層22は、アノード電極21を露出させるためにアノード用端子穴12の上方には形成されていない。一方、図6に示すように、有機発光層22は、カソード用端子穴13の上方には形成されている。
【0026】
有機発光層22には、正孔輸送層及び電子輸送層がアノード電極21側から順に積層されている。正孔輸送層には、約50nmの厚みを有するNPD(ジフェニルナフチルジアミン)膜等を採用可能である。電子輸送層には、約50nmの厚みを有するキノリノールアルミ錯体(Alq)膜に色素を混入させたものを採用可能である。また、アノード電極21からの正孔注入を促進するために銅フタロシアニン(CuPc)をアノード電極21と有機発光層22との間に積層してもよい。
【0027】
カソード電極23は、有機発光層22に電子を注入するためのものである。カソード電極23は、有機発光層22上に電気的に接続された状態で形成されている。カソード電極23は、約100nmの厚みを有するMg/Ag合金またはAl膜などからなる。カソード電極23は、平面視にて、アノード電極21と略同じ四角形状に形成されている。図5に示すように、カソード電極23は、アノード電極21を露出させるために、アノード用端子穴12の上方には形成されていない。一方、図6に示すように、カソード電極23は、カソード用端子穴13の上方には形成されている。カソード電極23は、絶縁膜24によってアノード電極21と絶縁されている。
【0028】
一対のアノード側外部端子6は、発光部5のアノード電極21と外部電源とを接続するためのものである。図5に示すように、アノード側外部端子6の上端部6aは、アノード用端子穴12に挿入されて、アノード電極21と接続されている。図7及び図8に示すように、上端部6aは、水平方向(封止板3の面方向)に弾性変形可能な板バネ状に構成されている。図8に示すように、上端部6aは、アノード用端子穴12に挿入されていない状態では、略平面状に構成されている。一方、図5及び図7に示すように、上端部6aは、アノード用端子穴12に挿入されると、アノード用端子穴12の壁面によって押圧される。これによって、上端部6aは、中央部が折れ曲がるように水平方向に弾性変形された状態で、アノード用端子穴12によって挟持される。上端部6aの近傍には、半田等の導電材15が埋設されている。
【0029】
アノード側外部端子6の中央部6bは、アノード用端子穴12に挿入する際に、発光部5に過度の押圧力が作用することを抑制するためのものである。中央部6bは、上下方向(端子穴12の軸方向)に弾性変形可能に構成されている。アノード側外部端子6の下端部6cは、上下方向に平行に形成されている。下端部6cは、外部電源と接続するためにアノード用端子穴12から突出している。
【0030】
一対のカソード側外部端子7は、発光部5のカソード電極23と外部電源とを接続するためのものである。図6に示すように、カソード側外部端子7の上端部7aは、カソード用端子穴13に挿入されて、カソード電極23と接続されている。図7及び図8に示すように、上端部7aは、水平方向(封止板3の面方向)に弾性変形可能な板バネ状に構成されている。図8に示すように、上端部7aは、カソード用端子穴13に挿入されていない状態では、略平面状に構成されている。一方、図6及び図7に示すように、上端部7aは、カソード用端子穴13に挿入されると、カソード用端子穴13の壁面によって押圧される。これによって、上端部7aは、中央部が折れ曲がるように水平方向に弾性変形された状態で、カソード用端子穴13によって挟持される。上端部7aの近傍には、半田等の導電材15が埋設されている。
【0031】
カソード側外部端子7の中央部7bは、カソード用端子穴13に挿入する際に、発光部5に過度の押圧力が作用することを抑制するためのものである。中央部7bは、上下方向(端子穴13の軸方向)に弾性変形可能に構成されている。カソード側外部端子7の下端部7cは、上下方向に平行に形成されている。下端部7cは、外部電源と接続するためにカソード用端子穴13から突出している。
【0032】
次に、上述した第1実施形態による有機EL装置1の動作について説明する。
【0033】
まず、アノード側外部端子6とカソード側外部端子7とを介して、アノード電極21とカソード電極23との間に電圧が印加される。これにより、アノード電極21から有機発光層22に正孔が注入される。また、カソード電極23から有機発光層22に電子が注入される。有機発光層22に注入された正孔と電子は、再結合して光を発光する。ここで、図6に示すように、カソード側外部端子7とカソード電極23とが接続されている領域にも有機発光層22が形成されているので、当該領域でも光が発光する。この後、上方へと進行する光が、光取出面11を透過して、外部へと照射される。
【0034】
次に、上述した第1実施形態による有機EL装置1の製造方法について説明する。図9〜図12は、第1実施形態による有機EL装置の製造工程を説明する図である。
【0035】
まず、図9に示すように、素子基板2の主面2aに発光部5を形成する。具体的には、スパッタ法及びリフトオフ法によって、パターニングされたアノード電極21を素子基板2上に形成する。その後、開口部が形成されたメタルマスク(図示略)を通して、アノード電極21上に有機発光層22を蒸着する。更に、スパッタ法及びリフトオフ法によって、パターニングされたカソード電極23を有機発光層22上に形成する。その後、スパッタ法及びフォトリソグラフィー法によって、絶縁膜24を形成する。
【0036】
次に、図10に示すように、素子基板2の外周部に塗布された封着材4によって、端子穴12、13が形成された封止板3を素子基板2に封着する。
【0037】
次に、図11の点線で示すように略平面状のアノード側外部端子6の上端部6aを、図11の実線で示すアノード側外部端子6の上端部6aのように、水平方向に折り曲げて弾性変形させる。この状態で、アノード電極21に接触するまでアノード側外部端子6をアノード用端子穴12に挿入する。
【0038】
次に、図12の点線で示すように略平面状のカソード側外部端子7の上端部7aを、図12の実線で示すカソード側外部端子7の上端部7aのように、水平方向に折り曲げて弾性変形させる。この状態で、カソード電極23に接触するまでカソード側外部端子7をカソード用端子穴13に挿入する。
【0039】
その後、図5及び図6に示すように、端子穴12、13に導電材15を埋設して、図1に示す有機EL装置1が完成する。
【0040】
上述したように、第1実施形態による有機EL装置1では、封止板3にカソード用端子穴13を形成することによって、封着材4の内側でカソード電極23を露出させている。これにより、カソード側外部端子7とカソード電極23とが、接続される領域でも有機発光層22を形成して発光させることができるので、発光面積を拡大することができる。
【0041】
また、有機EL装置1では、光取出面11の反対側に封着された封止板3のカソード用端子穴13にカソード側外部端子7を挿入することによって、カソード側外部端子7とカソード電極23とを接続している。これにより、カソード側外部端子7が、発光された光を遮蔽することを防止できる。
【0042】
また、有機EL装置1では、外部端子6、7の上端部6a、7aを水平方向に弾性変形可能な板バネ状に形成することによって、外部端子6、7を端子穴12、13へ容易に挿入することができるとともに、外部端子6、7が端子穴12、13から脱落することを抑制できる。
【0043】
また、有機EL装置1では、外部端子6、7の中央部6b、7bを上下方向に弾性変形可能な板バネ状に形成することによって、過度の押圧力が発光部5に作用することを抑制できる。これにより、発光部5の破損を抑制できる。
【0044】
また、有機EL装置1では、外部端子6、7の上端部6a、7aの近傍に導電材15を埋設することによって、外部端子6、7と電極21、23とが断線することを抑制できる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態の一部を変更した第2実施形態による有機EL装置1Aについて説明する。図13は、第2実施形態による有機EL装置の図5相当図である。図14は、第2実施形態による有機EL装置の図6相当図である。尚、第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0046】
図13及び図14に示すように、第2実施形態による有機EL装置1Aでは、封止板3Aに形成されたアノード用端子穴12A及びカソード用端子穴13Aが2段階に構成されている。端子穴12A、13Aの上部には、大穴部12Aa、13Aaが形成されている。端子穴12A、13Aの下部には、大穴部12Aa、13Aaよりも開口の小さい小穴部12Ab、13Abが形成されている。即ち、端子穴12A、13Aは、電極21、23側の開口が下側の開口よりも大きい。これにより、大穴部12Aa、13Aaと小穴部12Ab、13Abとの間には、段部が形成される。
【0047】
また、第2実施形態による有機EL装置1Aでは、アノード側外部端子6A及びカソード側外部端子7Aの上端部(請求項の接続端部に相当)6Aa、7Aaが、平面視にて、小穴部12Ab、13Abよりも大きい平面に形成されている。即ち、外部端子6A、7Aの上端部6Aa、7Aaの上面(請求項の接続面)が、平面に形成されている。アノード側外部端子6A及びカソード側外部端子7Aの中央部6Ab、7Abが、上下方向に弾性変形可能な板バネ状に構成されている。
【0048】
有機EL装置1Aの製造工程では、端子穴12A、13Aに外部端子6A、7Aが挿入された状態で、発光部5が形成された素子基板2に、封止板3Aが封着される。
【0049】
第2実施形態による有機EL装置1Aでは、端子穴12A、13Aを大穴部12Aa、13Aa及び小穴部12Ab、13Abの2段階に構成するとともに、外部端子6A、7Aの上端部6Aa、7Aaを小穴部12Ab、13Abよりも小さく構成している。これにより、大穴部12Aa、13Aaの下面によって上端部6Aa、7Aaを押圧できるので、外部端子6A、7Aの脱落を抑制できる。
【0050】
また、外部端子6A、7Aの上端部6Aa、7Aaを平面状に形成することによって、上端部6Aa、7Aaと電極21、23とを面接触させることができるので、外部端子6A、7Aと電極21、23との電気抵抗を低減できる。ここで、中央部6Ab、7Abを上下方向に弾性変形可能な板バネ状に構成することによって、発光部5の破損を抑制しつつ、外部端子6A、7Aと電極21、23との面接触を容易に維持できる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、上述した各実施形態の一部を変更した第3実施形態による有機EL装置1Bについて説明する。図15は、第3実施形態による有機EL装置の図5相当図である。図16は、第3実施形態による有機EL装置の図6相当図である。尚、上述した各実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0052】
図15及び図16に示すように、第3実施形態による有機EL装置1Bでは、アノード側外部端子6B及びカソード側外部端子7Bの上端部6Ba、7Baが、側面視にて、水平方向に弾性変形可能なV字状に構成されている。これにより、外部端子6B、7Bの上端部6Ba、7Baが端子穴12A、13Aに挿入されると、端子穴12A、13Aの大穴部12Aa、13Aaの下面によって、上端部6Ba、7Baが押圧された状態で保持される。
【0053】
(第4実施形態)
次に、上述した各実施形態の一部を変更した第4実施形態による有機EL装置1Cについて説明する。図17は、第4実施形態による有機EL装置の図5相当図である。図18は、第4実施形態による有機EL装置の図6相当図である。尚、各実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0054】
図17及び図18に示すように、第4実施形態による有機EL装置1Cでは、アノード側外部端子6C及びカソード側外部端子7Cの上端部6Ca、7Caが、上下方向に弾性変形可能なコイルバネに構成されている。これにより、外部端子6C、7Cの上端部6Ca、7Caが、端子穴12A、13Aに挿入されると、端子穴12A、13Aの大穴部12Aa、13Aaの下面によって、上端部6Ca、7Caが押圧された状態で保持される。
【0055】
(第5実施形態)
次に、上述した各実施形態の一部を変更した第5実施形態による有機EL装置1Dについて説明する。図19は、第5実施形態による有機EL装置の図5相当図である。図20は、第5実施形態による有機EL装置の図6相当図である。尚、各実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0056】
図19及び図20に示すように、第5実施形態による有機EL装置1Dでは、アノード側外部端子6D及びカソード側外部端子7Dの上端部6Da、7Daが、側面視にて、弾性変形可能な円弧状に構成されている。これにより、外部端子6D、7Dの上端部6Da、7Daが端子穴12A、13Aに挿入されると、端子穴12A、13Aの大穴部12Aa、13Aaの側面によって、上端部6Da、7Daが押圧される。これにより、上端部6Da、7Daは、上下方向に延びるとともに、大穴部12Aa、13Aaの下面によって押圧されて、電極21、23と接続される。
【0057】
(第6実施形態)
次に、上述した各実施形態の一部を変更した第6実施形態による有機EL装置1Eについて説明する。図21は、第6実施形態による有機EL装置の図5相当図である。図22は、第6実施形態による有機EL装置の図6相当図である。尚、各実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0058】
図21及び図22に示すように、第6実施形態による有機EL装置1Eでは、封止板3Eに形成されるアノード用端子穴12E及びカソード用端子穴13Eが、発光部5側の開口が下側の開口よりも大きいテーパ状に形成されている。これにより、アノード側外部端子6C及びカソード側外部端子7Cの上端部6Ca、7Caが端子穴12A、13Aに挿入されると、端子穴12E、13Eの側面によって、上端部6Ca、7Caが押圧された状態で保持される。
【0059】
(第7実施形態)
次に、上述した各実施形態の一部を変更した第7実施形態による有機EL装置1Fについて説明する。図21は、第7実施形態による有機EL装置の図5相当図である。図22は、第7実施形態による有機EL装置の図6相当図である。尚、各実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0060】
図21及び図22に示すように、第7実施形態による有機EL装置1Fでは、第6実施形態と同様に封止板3Eに形成される発光部5側の開口が下側の開口よりも大きいテーパ状のアノード用端子穴12E及びカソード用端子穴13Eが形成されている。また、有機EL装置1Fでは、アノード側外部端子6及びカソード側外部端子7の上端部6a、7aが水平方向に弾性変形可能に構成されている。
【0061】
(第8実施形態)
次に、上述した各実施形態の一部を変更した第8実施形態による有機EL装置1を複数備えた照明装置について説明する。図23は、第8実施形態による照明装置の全体斜視図である。尚、各実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0062】
図23に示すように、第8実施形態による照明装置51は、マトリックス状に配置された9個の有機EL装置1と、配線基板52とを備えている。配線基板52には、複数の差込穴53が形成されている。差込穴53は、外部端子6、7を差し込むためのものである。
【0063】
このような、照明装置では、隣接する有機EL装置間に暗部が形成される問題があるが、第8実施形態による照明装置51では、発光面積の大きい有機EL装置1を配列することによって、照明装置51の全体の暗部を低減できる。特に、カソード側外部端子7が接続される二隅の発光面積が増大しているので、当該二隅の暗部を低減できる。
【0064】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。以下、上記実施形態を一部変更した変更形態について説明する。
【0065】
上述した各実施形態における材料、数値、形状等は、一例であり、適宜変更可能である。
【0066】
また、上述した各実施形態を組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1実施形態による有機EL装置の全体斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った断面図である。
【図3】有機EL装置の平面図である。
【図4】有機EL装置の隅の拡大平面図である。
【図5】図3におけるV−V線に沿った断面図である。
【図6】図3におけるVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】外部端子の斜視図である。
【図8】装着前の外部端子の斜視図である。
【図9】第1実施形態による有機EL装置の製造工程を説明する図である。
【図10】第1実施形態による有機EL装置の製造工程を説明する図である。
【図11】第1実施形態による有機EL装置の製造工程を説明する図である。
【図12】第1実施形態による有機EL装置の製造工程を説明する図である。
【図13】第2実施形態による有機EL装置の図5相当図である。
【図14】第2実施形態による有機EL装置の図6相当図である。
【図15】第3実施形態による有機EL装置の図5相当図である。
【図16】第3実施形態による有機EL装置の図6相当図である。
【図17】第4実施形態による有機EL装置の図5相当図である。
【図18】第4実施形態による有機EL装置の図6相当図である。
【図19】第5実施形態による有機EL装置の図5相当図である。
【図20】第5実施形態による有機EL装置の図6相当図である。
【図21】第6実施形態による有機EL装置の図5相当図である。
【図22】第6実施形態による有機EL装置の図6相当図である。
【図23】第7実施形態による有機EL装置の図5相当図である。
【図24】第7実施形態による有機EL装置の図6相当図である。
【図25】第8実施形態による照明装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1、1A、1B、1C、1D、1E 有機EL装置
2 素子基板
2a 主面
3、3A、3E 封止板
4 封着材
5 発光部
6、6A、6B、6C、6D アノード側外部端子
6a、6Aa、6Ba、6Ca、6Da 上端部
6b、6Ab 中央部
6c 下端部
7、7A、7B、7C、7D カソード側外部端子
7a、7Aa、7Ba、7Ca、7Da 上端部
7b、7Ab 中央部
7c 下端部
11 光取出面
12、12A、12E アノード用端子穴
12Aa 大穴部
12Ab 小穴部
13、13A、13E カソード側外部端子
13Aa 大穴部
13Ab 小穴部
15 導電材
21 アノード電極
22 有機発光層
23 カソード電極
24 絶縁膜
51 照明装置
52 配線基板
53 差込穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面が光取出面である素子基板と、
有機発光層及び電極を有し、前記素子基板の他方の主面に形成された発光部と、
前記素子基板の他方の主面に封着されるとともに、前記電極を露出させるための端子穴が貫通された封止板と、
前記素子基板と前記封止板とを封着するための封着材と、
前記端子穴に挿入されて前記電極と接続される外部端子とを備えたことを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
前記端子穴は、前記封着材よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記端子穴は、前記電極側の開口が他方の開口よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記端子穴は、テーパ状であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記外部端子の接続端部は、前記封止板の面方向に弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記外部端子は、前記端子穴の軸方向に弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の有機EL装置。
【請求項7】
前記電極と接続される前記外部端子の接続端部は、前記端子穴の前記他方の開口よりも大きい
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機EL装置。
【請求項8】
前記電極と接続される前記外部端子の接続面は、平面であることを特徴とする請求項7に記載の有機EL装置。
【請求項9】
前記端子穴には、導電材が埋設されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の有機EL装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−217984(P2009−217984A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58055(P2008−58055)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】