説明

木材破砕機および木材破砕方法

【課題】被破砕物に混入した異物の噛み込み発生を抑制することができる木材破砕装置および木材破砕方法を提供する。
【解決手段】
側面フレーム19と、側面フレーム19に回転自在に支持された破砕ロータ32と、側面フレーム19に回動可能に設けられたハウジング41と、ハウジング41に支持されて破砕ロータ32周りの破砕室31に臨むアンビル33とを備えた木材破砕機において、アンビル33が破砕室31から退避した退避姿勢にハウジング41を回動させて保持するとともに、ハウジング41と破砕室31の間を隔てる位置にシュート73をスライドさせて、破砕室31に供給される被破砕物を破砕して1次破砕を施し、その後、シュート73をハウジング41の回動通過領域から退避する位置にスライドさせると共に、アンビル33が破砕室31に臨む破砕姿勢にハウジング41を回動させて保持し、1次破砕物を破砕室31に供給して2次破砕を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剪定枝材、間伐材、枝木材、廃木材等を破砕対象とする木材破砕機に関し、例えば、破砕ロータを回転させて被破砕木材を破砕する木材破砕機および木材破砕方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、森林の造成・維持管理等で発生する剪定枝材や間伐材、森林で伐採した木材の枝払い等で発生する枝木材、或いは、木造建築物の解体等で発生する廃木材などは、通常、最終的に産業廃棄物等として処理される。このような廃棄物としての木材の減容化や、破砕後の木材(木材チップ)を発酵させて有機肥料として再利用すること等を目的とし、木質系の被破砕物を所定の大きさに破砕するものとして木材破砕機が知られている。
【0003】
このような木材破砕機として、例えば、特許文献1には、外周部に破砕ビットを配設した破砕ロータを有する破砕装置と、破砕ロータの外周側に設けた固定刃と、この固定刃の破砕ロータ回転方向下流側に設けられ、破砕ロータと間隙をもって配設した篩部材と、固定刃及び篩部材を支持し、固定刃に過負荷が作用した場合に破砕ロータから退避するように回動可能に設けられた支持部材と、この支持部材を回動させる支持部材駆動手段とを備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−192377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術においては、例えば、被破砕物(木材等)の中に混入した金属や石などの異物が破砕ビットと固定刃との間に噛み込むなどすることにより、固定刃に過負荷が作用した場合に、支持部材を保持しているシアピンが破断することによって、支持部材が固定刃を破砕ロータから回動退避させ、これにより、異物の噛み込みによる固定刃や破砕ロータの軸受け等の破損を防止する構造になっている。
【0006】
しかしながら、上記従来技術において、シアピンは固定刃の被破砕物との衝突時に支持部材を保持する十分な強度も要求されるため容易に破断するものではない。したがって、異物が噛み込んだ場合にシアピンが確実に破断して支持部材が固定刃を破砕ロータから回動退避させるとは限らず、その場合には固定刃や破砕ロータの軸受など木材破砕機の主要構造物がダメージを受け、復旧に多くの時間と費用を費やすことになる。木材破砕機に投入する前の被破砕物からある程度の異物を取り除くことも考えられるが、家屋廃材における柱に組み付けられたボルトや、木の根の間に入った石などの異物を事前の除去作業で完全に取り除くことは事実上不可能であった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、被破砕物に混入した異物の噛み込み発生を抑制することができる木材破砕装置および木材破砕方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、破砕機フレームと、前記破砕機フレームに回転自在に支持された破砕ロータと、前記破砕機フレームに回動可能に設けられたハウジングと、前記ハウジングに支持された固定刃が前記破砕ロータ周りの破砕室に挑む破砕姿勢、又は、前記固定刃が前記破砕室から退避した退避姿勢となるように前記ハウジングを回動させて保持する姿勢変更手段と、前記固定刃が前記破砕室から退避した退避姿勢となるように前記ハウジングを回動させた状態で、該ハウジングと前記破砕室の間を隔てる位置と前記ハウジングの回動通過領域から退避する位置との間で位置変更手段によりスライド自在に設けたシュートとを備えたものとする。
【0009】
これにより、投入された被破砕物に粗破砕処理を施して1次破砕物とし、異物の除去作業を行った後、その1次破砕物に通常破砕処理を施すことができるので、家屋廃材における柱に組み付けられたボルトや、木の根の間に入った石などの異物を、被破砕物から十分に取り除くことが容易となり、被破砕物に混入した異物の噛み込み発生を抑制することができる。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記シュートを前記ハウジングの回動通過領域から退避する位置にスライドさせ、かつ、前記ハウジングを破砕姿勢となるような位置に保持して行う通常破砕処理と、前記ハウジングを退避姿勢となるような位置に回動させて保持し、かつ、前記シュートを前記ハウジングと前記破砕室の間を隔てる位置にスライドさせて行う粗破砕処理との何れの破砕処理を行うかを選択する破砕選択スイッチと、前記破砕選択スイッチの選択状態に基づいて、前記姿勢変更手段に前記ハウジングを回動させると共に、前記位置変更手段に前記ハウジングをスライドさせる制御を行う制御手段とを備えたものとする。
【0011】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、破砕機フレームと、前記破砕機フレームに回転自在に支持された破砕ロータと、前記破砕機フレームに回動可能に設けられたハウジングと、前記ハウジングに支持されて前記破砕ロータ周りの破砕室に臨む固定刃とを備えた木材破砕機の木材破砕方法において、前記固定刃が前記破砕室から退避した退避姿勢となるように前記ハウジングを回動させて保持すると共に、前記ハウジングと前記破砕室の間を隔てる位置にシュートをスライドさせて、前記破砕室に供給される被破砕物を破砕する第1の破砕手順と、前記シュートを前記ハウジングの回動通過領域から退避する位置にスライドさせると共に、前記固定刃が破砕室に臨む破砕姿勢となるように前記ハウジングを回動させて保持し、前記破砕室に供給される被破砕物を破砕する第2の破砕手順とを有するものとする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被破砕物に混入した異物の噛み込み発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る木材破砕機の側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る木材破砕機の平面図である。
【図3】図1における破砕装置近傍の詳細構造を示す透視側面図であり、ハウジングが破砕姿勢の場合を示す図である。
【図4】図1における破砕装置近傍の詳細構造を示す透視側面図であり、ハウジングが退避姿勢の場合を示す図である。
【図5】図4におけるハウジング付近を拡大して示す図である。
【図6】ハウジングの回動動作及びシュートのスライド動作を制御する制御システムの全体構成を模式的に示す図であり、ハウジング及びシュートが通常破砕の位置である場合を示す図である。
【図7】ハウジングの回動動作及びシュートのスライド動作を制御する制御システムの全体構成を模式的に示す図であり、ハウジング及びシュートが粗破砕の位置である場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態に係る自走式木材破砕機の全体構成を示す側面図であり、図2はその平面図である。また、図3〜図5は、図1に示した自走式木材破砕機に備えられた破砕装置12近傍の詳細構造を示す透視側面図であり、図3はハウジングが破砕姿勢の場合を示す図、図4はハウジングが退避姿勢の場合を示す図、図5は図4のハウジング付近を拡大して示す図である。なお、以下において、図1及び図2中における左・前に対応する方向を木材破砕機の後・前とする。
【0016】
図1及び図2において、本実施の形態の自走式木材破砕機は、自力走行を可能にする走行体1、走行体1上に設けられ、受け入れた被破砕物を破砕する破砕機能構成部2、破砕機能構成部2で破砕された破砕物を搬送し機外に排出する排出コンベヤ3、搭載した各機器の動力源であるエンジン等を備えた動力装置(パワーユニット)4等によって概略構成されている。
【0017】
走行体1は、トラックフレーム5と、このトラックフレーム5の前後両端部に設けた駆動輪6及び従動輪7と、出力軸を駆動輪6の軸に連結した駆動装置(走行用油圧モータ)8と、駆動輪6及び従動輪7に掛け回した履帯(無限軌道履帯)9とで構成されている。また、トラックフレーム5上には本体フレーム30が設けられており、この本体フレーム30によって、破砕機能構成部2、排出コンベヤ3及び動力装置4等が支持されている。なお、走行装置1は、図示したクローラ式に代えて、複数のタイヤで構成されるホイール式等にしても良い。
【0018】
破砕機能構成部2は、投入される被破砕物を受け入れるホッパ10と、このホッパ10内に収容配置された被破砕物の搬送手段としての送りコンベヤ11(図2参照)と、この送りコンベヤ11によって導入された被破砕物を破砕する破砕装置12(図3及び図4参照)と、この破砕装置12の手前で破砕装置12に導入される被破砕物を送りコンベヤ11に押し付ける押圧ローラ装置13(図3及び図4参照)とを備えている。
【0019】
送りコンベヤ11は、後述する破砕ロータ32側(破砕機前方側)に設けられたスプロケット状の駆動輪15と、その反対側(破砕機後方側)に設けた図示しない従動輪と、これら搬送方向両端部に設けた駆動輪15及び従動輪の間に巻回され、幅方向に複数列(例えば4列、図2参照)列設された搬送体(搬送ベルト、チェーンベルト)16とを備えている。
【0020】
従動輪は、ホッパ10の側壁体17(図1参照)後部に設けた軸受18(図1参照)によって支持され、駆動輪15は、側壁体17の前方側に設けた破砕装置12の側面フレーム(破砕機フレーム)19(図3参照)に設けた軸受84によって支持されている。これにより、送りコンベヤ11は、上記ホッパ10内の下部、すなわちホッパ10の側壁体17の内側から破砕ロータ32(後述)近傍にかけ、ほぼ水平に延設されホッパ10及び破砕装置12の側面フレーム19内に収納配置されている。
【0021】
送りコンベヤ11の駆動輪15の回転軸20は、軸受よりも幅方向外側に設けた駆動装置(図示せず)の出力軸にカップリング等を介して連結している。送りコンベヤ11は、その図示しない駆動装置で駆動輪15を回転駆動させることにより、駆動輪15及び従動輪の間で搬送体16を循環駆動させる。
【0022】
押圧ローラ装置13は、破砕ロータ32(後述)の後方側に近接するように、かつ、送りコンベヤ11の上部にその搬送面に対向するように設けられており、送りコンベヤ11上を搬送される被破砕物を上部から押さえ込みながら破砕ロータ32に向かって破砕物を導入する。この押圧ローラ装置13は、破砕装置12の上方において側面フレーム19に設けた軸受(図示せず)によってその回動軸22が軸支され、これにより鉛直面内を回動自在に(図3中上下方向に揺動自在に)支持された支持部材(アーム)23と、この支持部材23に対し回転自在に設けられた押えローラ24と、支持部材23を回動駆動する油圧シリンダ28とを備えている。
【0023】
支持部材23は、一端に回動軸22を備え、他端(先端側の一端)に押えローラ24を備えている。支持部材23の下部側の端面(破砕ロータ32の上部に対向する端面)は円弧状に湾曲して形成されており、この湾曲部には、後述する破砕室31の一部を構成する湾曲板27が取付けられている。一方、支持部材23の押えローラ24取付け部分は、押えローラ24の径よりも小径の円弧状に形成されており、押えローラ24の外周面が支持部材23から突出した構成となっている。押えローラ24の幅方向(図3中の紙面直交方向)の寸法は、送りコンベヤ11の搬送面の幅と同等かそれよりも大きく設定されている。
【0024】
押えローラ24は、その胴部内に駆動装置(図示せず)を内蔵しており、この駆動装置によって、送りコンベヤ11の搬送面上を搬送される被破砕物の搬送速度とほぼ同じ周速度で回転駆動され、押え込んだ送りコンベヤ11上の被破砕物を送りコンベヤ11と協動して破砕室31に導入するようになっている。
【0025】
油圧シリンダ28は、そのボトム側先端部を側面フレーム19に固定したブラケット29にピン53を介して回動可能に連結され、そのロッド側先端部を支持部材23の後方側(図3中左側)先端部に設けられたブラケット54にピン82を介して回動可能に連結されている。この油圧シリンダ28の伸縮動作により、押圧ローラ装置13を回動軸22を中心に回動させ、送りコンベヤ11に対して上げ下げさせ、離間又は近接させることが可能なようになっている。
【0026】
破砕装置12は、本体フレーム30(図1参照)の長手方向ほぼ中央部に位置し、図3に示すように、破砕室31内で高速回転する破砕ロータ32と、この破砕ロータ32の径方向外側に設けられたアンビル(固定刃)33とを備えている。破砕ロータ32の周囲には、送りコンベヤ11及び押えローラ24によって被破砕物が供給される部分(破砕装置12の後方部分)から破砕ロータ32の正転方向(図3中の時計回り方向、破砕物流通方向)に、支持部材23に取り付けられた湾曲板27、ハウジング41(後述)に取り付けられたアンビル33と湾曲板39、及び、スクリーン(篩部材)40が破砕ロータ32を包囲するように設けられており、これら湾曲板27、アンビル33、湾曲板39、スクリーン40等によって破砕ロータ32周りに破砕片が周回する円筒状の空間である上記破砕室31が概ね画定されている。
【0027】
破砕ロータ32は、破砕装置12の側面フレーム19、又は本体フレーム30上に設けた図示しない支持部材等に設けた軸受(図示せず)に回転自在に支持されており、その外周部には、複数の支持部材34と、各支持部材34の正転方向前面側にボルト38で取り付けられた破砕ビット(衝突板、或いは破砕刃等)35とを備えている。破砕ビット35は、破砕ロータ32が正転方向に回転する際に、その刃面が支持部材34に先行するように配置されており、この刃面により被破砕物を打撃する。なお、図3及び図4においては、1組の破砕ビット35、支持部材34及びボルト38を代表して示す。
【0028】
ハウジング41は、前出の押圧ローラ装置13の回動軸22の上方にて側面フレーム19に設けられた図示しない軸受に支持された回動軸42を支点に前後方向に回動可能に支持されており、油圧シリンダ50により回動駆動される。そして、このハウジング41の破砕室31側にアンビル33及び湾曲板39が配置されている。
【0029】
アンビル33は、破砕室31に導入された被破砕物が衝突する衝突面33aを有しており、破砕ロータ32の回転に伴って破砕室31内を周回する破砕片(被破砕物)に衝突面33aが対向するように、ハウジング41における上記湾曲板39の取り付け部よりも破砕ロータ32の正転方向上流側(以下、上流側と称する)に支持部材51を介して取り付けられている。支持部材51及びアンビル33は、図示しないボルト等でハウジング41に取り付けられている。
【0030】
油圧シリンダ50は、そのボトム側先端部を側面フレーム19に固定された支持部材94に設けられたブラケット96にピン95を介して回動可能に連結され、そのロッド側先端部をハウジング41の前方側(図3中右側)に設けられたブラケット97にシアピン98を介して回動可能に連結されている。この油圧シリンダ50の伸縮動作により、ハウジング41を回動軸42を中心に回動させて保持し、アンビル33が破砕ロータ32周りの破砕室31に挑む破砕姿勢と、アンビル33が破砕室31から退避した退避姿勢とを変更可能なようになっている。ハウジング41を破砕姿勢とした状態での破砕処理(以下、通常破砕処理と称する)中に、アンビル33に過大な負荷が作用してシアピン98にも許容を超える負荷がかかった場合には、シアピン98が破断してハウジング41の拘束が解かれ、アンビル33が破砕室31から退避するようにハウジング41が回動軸42を中心に回動する。
【0031】
また、ハウジング41の機体前方側には、ハウジング41を退避姿勢とした状態での破砕処理(以下、粗破砕処理と称する)中に、破砕室31内から、アンビル33と湾曲板39が退避して出来た開口部(言い換えると、湾曲板27の下流側端部とスクリーン40の上流側端部の間)を通過して飛散する破砕物(以下、1次破砕物と称する)を下方の排出コンベヤ3に導くためのシュート機構70が設けられている。シュート機構70は、機体前方に向って下るように配置された板状のシュート73と、シュート73を上下方向からスライド自在に支持するよう側面フレーム19に固定された上側支持部材71及び下側支持部材72と、シュート73をその平面に沿うように機体前後方向(つまり、前下方向および後上方向)にスライドして保持する油圧シリンダ74とを備えている。
【0032】
上側支持部材71及び下側支持部材72は、ハウジング41が回動通過する領域(以下、回動通過領域と称する)の前方外側に隣りあうよう配置されている。上側支持部材71は、シュート73の上面側に配置されており、下端部にシュート73の上側面に沿って接触するよう設けられた支持部71aを有している。また、下側支持部材72は、シュート73の下面側に配置されており、機体後方向に向けて設けられた平面部72bと、その上端部にシュート73の下面側に沿って接触するよう設けられた支持部72aとを有している。つまり、シュート73は、上側支持部材71の支持部71aと下側支持部材72の支持部72aとにスライド自在に上下方向から挟持されている。
【0033】
油圧シリンダ74は、そのボトム側先端部を下側支持部材72の機体前方側に固定したブラケット75にピン76を介して回動可能に連結され、そのロッド側先端部をシュート73の前方側端部下側に設けられたブラケット77にピン78を介して回動可能に連結されている。この油圧シリンダ28の伸縮動作により、シュート73は上側支持部材71及び下側支持部材72に対して前後方向(前下方向および後上方向)へのスライドが可能になっている。
【0034】
シュート73は、ハウジング41が退避姿勢の場合に油圧シリンダ74を縮短させることにより、その後側端部が湾曲板27の下流側端部近傍となる位置(図4及び図5に示す位置)までスライドされて保持される。このとき、シュート73は、ハウジング41と破砕室31の間を隔てるように位置しており、湾曲板27、シュート73及び平面部72bが連なって1次破砕物の排出コンベヤ3への流れをガイドする。以降、この位置を、シュート73のガイド位置と称する。また、シュート73は、油圧シリンダ74を伸長させることにより、その後側端部が上下の支持部71a,72bの位置(図3に示す位置)まで前下方向にスライドされて保持される。このとき、シュート73は、ハウジング41の回動通過領域の前方外側に退避した状態となる。以降、この位置を、シュート73の退避位置と称する。
【0035】
スクリーン40は、ハウジング41が破砕姿勢である場合の湾曲板39の破砕物流通方向下流側、かつ破砕ロータ32の径方向外側に設けられ、破砕ロータ32と同心の円にほぼ沿って湾曲している。また、スクリーン40は、破砕ロータ32に対向する内径面から反対面に貫通し、破砕物を破砕機外に排出する複数の排出孔(図示せず)を有している。この図示しない排出孔の孔径より小さくなった破砕物が破砕機外に排出される。
【0036】
破砕ロータ32の下方には、スクリーン40を破砕ロータ32の外周側位置に保持する枠型のスクリーン支持部材(スクリーンホルダ)63が設けられている。このスクリーン支持部材63は、後端部が回動軸64を介して側面フレーム19、又は本体フレーム30上に設けた図示しない支持部材等に固定され、回動軸64を中心に上下方向に回動する構成となっており、前端部に設けられたリンク機構(図示せず)により破砕ロータ32に対して進退駆動される。図3及び図4に示した状態は破砕処理時のものであり、リンク機構によってスクリーン支持部材63の姿勢が保持されている。そして、リンク機構によってスクリーン支持部材63が回動軸64を中心に下方へ回動下降されると、側面フレーム19の下部に形成した切り欠き部(図示せず)からスクリーン支持部材63に載置されたスクリーン40を側方に引き抜くことができ、容易にスクリーン40を交換することができる。
【0037】
図1及び図2に戻る。
【0038】
排出コンベヤ3は、排出側(前方側)寄りの部分において、動力装置4から突出して設けた支持部材75に支持されており、その反対側(後方側)部分が本体フレーム30に支持されている。これにより、排出コンベヤ3は、破砕装置12の下方から動力装置4の下方を通され、動力装置4の下方から破砕機前方側外方へ上り傾斜となるように配置されている。排出コンベヤ3は、長手方向(前後方向)両端に設けた駆動輪と従動輪(共に図示せず)との間に巻回したコンベヤベルト(図示せず)上に設けたコンベヤカバー78を備えている。また、排出コンベヤ3の駆動輪(図示せず)は、軸受の幅方向外側に設けた駆動装置(排出コンベヤ用油圧モータ)79の出力軸にカップリング等を介して連結されており、この駆動装置79を回転駆動させることにより、駆動輪及び従動輪の間でコンベヤベルトを循環駆動させるようになっている。また、排出コンベヤ3の搬送経路上には磁選機(図示せず)が設けられており、運搬の途中で破砕物に混入している釘や鉄片等の金属を吸着して取り除き最終的に搬出するようになっている。
【0039】
動力装置4は、本体フレーム30の長手方向前方側の端部上に搭載されており、その下方側面には、木材破砕機の走行や破砕処理に関する操作・設定、モニタリング等を行うための操作盤83が設けられている。
【0040】
次に、ハウジングの回動動作及びシュートのスライド動作の制御について説明する。
【0041】
図6及び図7は、ハウジングの回動動作及びシュートのスライド動作を制御する制御システムの全体構成を模式的に示す図であり、図6はハウジング及びシュートが粗破砕の位置である場合を、図7は通常破砕の位置である場合をそれぞれ示している。
【0042】
図6及び図7において、制御システムは、ハウジング41の油圧シリンダ50およびシュート73の油圧シリンダ74に圧油を供給する油圧源103と、油圧源103と油圧シリンダ50,74との間に設けられ、油圧源103から油圧シリンダ50,74に供給される圧油を制御する制御弁群102と、ハウジング41の回動上限位置および回動下限位置を検出する第1及び第2リミットスイッチ104,105と、シュート73のスライド上限位置およびスライド下限位置を検出する第3及び第4リミットスイッチ106,107と、制御盤83に設けられ、破砕処理の種類を通常破砕(処理)と粗破砕(処理)から選択する破砕選択スイッチ101と、破砕選択スイッチ101および第1〜第4リミットスイッチ104〜107からの信号に基づいてハウジング41の回動動作及びシュート73のスライド動作を制御する制御装置102とを備えている。
【0043】
第1リミットスイッチ104は、ハウジング41が図3における反時計回りに回動して回動上限位置に到達し、ハウジング41が退避姿勢となったことを検出するものであり、検出結果を信号線104aを介して制御装置に伝達する。また、第2リミットスイッチ105は、ハウジング41が図3における時計回りに回動して下限位置に到達し、ハウジング41が破砕姿勢となったことを検出するものであり、検出結果を信号線105aを介して制御装置に伝達する。
【0044】
第3リミットスイッチ106は、シュート機構70のシュート73が機体後上方向にスライドして回動上限位置に到達し、シュート73がガイド位置に移動したことを検出するものであり、検出結果を信号線106aを介して制御装置に伝達する。また、第4リミットスイッチ107は、シュート73が機体前下方向にスライドしてスライド下限位置に到達し、シュート73が退避位置に移動したことを検出するものであり、検出結果を信号線107aを介して制御装置に伝達する。
【0045】
制御装置100は、破砕選択スイッチ101および第1〜第4リミットスイッチ104〜107からの信号に基づいて制御弁群102を制御することにより油圧シリンダ50,74を制御し、ハウジング41の回動動作及びシュート73のスライド動作を制御する。
【0046】
まず、破砕選択スイッチ101により粗破砕が選択された場合の処理について説明する。粗破砕選択前の状態として、ハウジング41が破砕姿勢であり、シュート73が退避位置である場合(図6の場合)を例に説明する。
【0047】
図6に示す状態において、オペレータにより破砕選択スイッチ101で粗破砕が選択されると、信号線101aを介して選択信号が制御装置100に入力される。制御装置100は、粗破砕の選択信号が入力されると、制御弁群102を制御し、油圧源103からの圧油を管路50bを介して油圧シリンダ50のボトム側油室に供給することにより、油圧シリンダ50を伸長させる。この油圧シリンダ50の伸長によりハウジング41が図6における反時計回りに回動される。ハウジング41が退避姿勢(図7参照)になると、第1リミットスイッチ104がハウジング41の回動位置を検出し、信号線104aを介して検出信号が制御装置100に入力される。制御装置100は、第1リミットスイッチ104からの検出信号が入力されると、制御弁群102を制御して油圧シリンダ50の伸長およびハウジング41の回動を停止し、その姿勢で保持する。
【0048】
続いて、制御装置100は、制御弁群102を制御し、油圧源103からの圧油を管路74aを介して油圧シリンダ74のロッド側油室に供給することにより、油圧シリンダ74を縮短させる。この油圧シリンダ74の縮短によりシュート73が機体後上方向にスライドされる。シュート73がガイド位置(図7参照)に到達すると、第3リミットスイッチ106がシュート73の位置としてロッド位置を検出し、信号線106aを介して検出信号が制御装置100に入力される。制御装置100は、第3リミットスイッチ106からの検出信号が入力されると、制御弁群102を制御して油圧シリンダ74の縮短およびシュート73のスライドを停止し、その位置で保持して処理を終了する。
【0049】
このように、ハウジング41が退避姿勢であり、かつ、シュート73がガイド位置である場合を、以降、粗破砕状態と称する。
【0050】
次に、破砕選択スイッチ101により通常破砕が選択された場合の処理について説明する。通常破砕選択前の状態として、ハウジング41が退避姿勢であり、シュート73がガイド位置である場合(図7の場合)を例に説明する。
【0051】
図7に示す状態において、オペレータにより破砕選択スイッチ101で通常破砕が選択されると、信号線101aを介して選択信号が制御装置100に入力される。制御装置100は、通常破砕の選択信号が入力されると、制御弁群102を制御し、油圧源103からの圧油を管路74bを介して油圧シリンダ74のボトム側油室に供給することにより、油圧シリンダ74を伸長させる。この油圧シリンダ74の伸長によりシュート73が機体前下方向にスライドされる。シュート73が退避位置(図6参照)に到達すると、第4リミットスイッチ107がシュート73の位置としてロッド位置を検出し、信号線107aを介して検出信号が制御装置100に入力される。制御装置100は、第4リミットスイッチ107からの検出信号が入力されると、制御弁群102を制御して油圧シリンダ74の伸長およびシュート73のスライドを停止し、その位置で保持する。
【0052】
続いて、制御装置100は、制御弁群102を制御し、油圧源103からの圧油を管路50aを介して油圧シリンダ50のロッド側油室に供給することにより、油圧シリンダ50を縮短させる。この油圧シリンダ50の縮短によりハウジング41が図7における時計回りに回動される。ハウジング41が破砕姿勢(図6参照)になると、第2リミットスイッチ105がハウジング41の回動位置を検出し、信号線105aを介して検出信号が制御装置100に入力される。制御装置100は、第2リミットスイッチ105からの検出信号が入力されると、制御弁群102を制御して油圧シリンダ50の縮短およびハウジング41の回動を停止し、その位置で保持して処理を終了する。
【0053】
このように、ハウジング41が破砕姿勢であり、かつ、シュート73が退避位置である場合を、以降、通常破砕状態と称する。
【0054】
ここで、以上のように構成した本実施の形態の木材破砕機における各破砕処理の詳細について説明する。
【0055】
<通常破砕処理>
オペレータが、破砕選択スイッチ101を切り替えて通常破砕処理を選択すると、ハウジング41の姿勢及びシュート73の位置が通常破砕状態となる。
【0056】
この状態で、グラップル等の適宜の作業具を備えた重機(油圧ショベル等)等によってホッパ10内に被破砕物を投入すると、被破砕物が送りコンベヤ11の搬送ベルト16上に載置され、循環駆動する搬送ベルト16によって破砕装置12に向かって搬送される。被破砕物が押圧ローラ装置13付近まで搬送されると、押えローラ24が被破砕物上に乗り上げ、押えローラ24の自重により被破砕物が送りコンベヤ11の搬送面に押し付けられる格好となる。このようにして押えローラ24は、送りコンベヤ11との間に被破砕物を挟持した状態で、送りコンベヤ11と協働して破砕室31へ被破砕物を導入する。その際、被破砕物は押えローラ24と送りコンベヤ11とに挟持された部分を支点に片持ち梁状に破砕室31内に向かって突出する。
【0057】
破砕室31内に突出した被破砕物には高速回転する破砕ロータ32の破砕ビット35が下方から衝突し、これにより被破砕物が粗破砕される(1次破砕)。このように粗破砕されて破砕室31内に跳ね上げられた被破片(1次破砕物)はアンビル33に衝突し、その衝撃力によりさらに細かく破砕される。破砕片はその後も破砕ロータ32の回転に伴って破砕室31内を周回し破砕ビット35、アンビル33、破砕室31の内壁面等と衝突して破砕される(2次破砕)。そして、周回する破砕片のうちスクリーン40の排出孔を通過する大きさに細粒化されたもの(2次破砕物)が順次スクリーン40を通過して破砕室31から排出される。破砕室31から排出された破砕物は、排出コンベヤ3上に落下して排出コンベヤ3によって搬送され機外に排出される。
【0058】
上記のように破砕処理を行うとき、前述の2次破砕が行われる際に、万一、破砕ビット35とアンビル33の間に石や金属などの異物が噛み込んだ場合には、破砕ビット35からアンビル33に過大な負荷が加わり、その負荷がハウジング41のブラケット97と油圧シリンダ50を連結するシアピン98に伝わる。このように、アンビル33に過大な負荷が作用してシアピン98にも許容を超える負荷がかかった場合には、シアピン98が破断してハウジング41の拘束が解かれ、アンビル33が破砕室31から退避するようにハウジング41が回動軸42を中心に回動する。ハウジング41が回動した際のハウジング41の跳ね上がり衝撃力は図示しないストッパ等により吸収される。また、ハウジング41は自重で元の姿勢(破砕姿勢)に戻る。但し、図示しないセンサなどにより、ハウジング41の回動退避を検出すると、木材破砕機は被破砕物の破砕動作、すなわち、被破砕物の搬入(コンベヤ11の動作)及び破砕ロータ32の回転等を停止する。
【0059】
<粗破砕処理>
オペレータが、破砕選択スイッチ101を切り替えて粗破砕処理を選択すると、ハウジング41の姿勢及びシュート73の位置が粗破砕状態となる。
【0060】
この状態で、グラップル等の適宜の作業具を備えた重機(油圧ショベル等)等によってホッパ10内に被破砕物を投入すると、被破砕物が送りコンベヤ11の搬送ベルト16上に載置され、循環駆動する搬送ベルト16によって破砕装置12に向かって搬送される。被破砕物が押圧ローラ装置13付近まで搬送されると、押えローラ24が被破砕物上に乗り上げ、押えローラ24の自重により被破砕物が送りコンベヤ11の搬送面に押し付けられる格好となる。このようにして押えローラ24は、送りコンベヤ11との間に被破砕物を挟持した状態で、送りコンベヤ11と協働して破砕室31へ被破砕物を導入する。その際、被破砕物は押えローラ24と送りコンベヤ11とに挟持された部分を支点に片持ち梁状に破砕室31内に向かって突出する。
【0061】
破砕室31内に突出した被破砕物には高速回転する破砕ロータ32の破砕ビット35が下方から衝突し、これにより被破砕物が粗破砕される(1次破砕)。このように粗破砕されて破砕室31内に跳ね上げられた被破片(1次破砕物)は、そのまま、或いは、破砕ロータ32の回転に伴って破砕室31内を周回し、湾曲板27の下流側端部とスクリーン40の上流側端部の間、つまり、ハウジング41、アンビル33及び湾曲板39が退避して出来た開口部を通過して、破砕室31から機体前方へ排出される。破砕室31から排出された1次破砕物は、シュート73及び平面部72bに案内されて排出コンベヤ3上に落下し、排出コンベヤ3によって搬送され機体に排出される。
【0062】
粗破砕処理を施された破砕物(1次破砕物)は、処理前の被破砕物(木材等)の中に混入した金属や石などの異物が排出コンベヤ3による搬送時の磁選機による除去や、排出コンベヤ3による機体外への排出後の異物除去作業などにより取り除かれる。その後、1次破砕物はさらに前述の通常破砕処理を施され、所望の大きさの破砕物とされる。なお、目的とする破砕物の大きさが1次破砕物で達成される場合には、通常破砕処理は行わない。
【0063】
以上のように構成した本実施の形態における効果を説明する。
【0064】
従来技術の木材破砕機においては、被破砕物(木材等)の中に混入した金属や石などの異物が破砕ビットと固定刃との間に噛み込むなどすることにより、固定刃に過負荷が作用した場合に、支持部材を保持しているシアピンが破断することによって、支持部材が固定刃を破砕ロータから回動退避させ、これにより、異物の噛み込みによる固定刃や破砕ロータの軸受け等の破損を防止している。しかしながら、シアピンは固定刃の被破砕物との衝突時に支持部材を保持する十分な強度も要求されるため容易に破断するものではない。したがって、異物が噛み込んだ場合にシアピンが確実に破断して支持部材が固定刃を破砕ロータから回動退避させるとは限らず、破断しない場合には固定刃や破砕ロータの軸受など木材破砕機の主要構造物がダメージを受けてしまい、復旧に多くの時間と費用を費やすことになる。また、木材破砕機に投入する前の被破砕物からある程度の異物を取り除くことも考えられるが、家屋廃材における柱に組み付けられたボルトや、木の根の間に入った石などの異物を事前の除去作業で完全に取り除くことは事実上不可能であった。
【0065】
これに対し、本実施の形態においては、ハウジング41に支持されたアンビル33が破砕ロータ32周りの破砕室31に挑む破砕姿勢、又は、アンビル33が破砕室31から退避した退避姿勢にハウジング41を回動させて保持する姿勢保持機構と、ハウジング41が退避姿勢のときに、ハウジング41と破砕室31の間を隔てる位置にスライド自在なシュート73とを備えるよう構成した。これにより、投入された被破砕物に粗破砕処理を施して1次破砕物とし、異物の除去作業を行った後、その1次破砕物に通常破砕処理を施すことができるので、家屋廃材における柱に組み付けられたボルトや、木の根の間に入った石などの異物を、被破砕物から十分に取り除くことが容易となった。したがって、被破砕物に混入した異物の噛み込み発生を抑制することができ、異物の噛みによってアンビル33や破砕ロータ32の軸受など木材破砕機の主要構造物がダメージを受けることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 走行体
2 破砕機能構成部
3 排出コンベヤ
4 動力装置(パワーユニット)
10 ホッパ
11 コンベヤ
12 破砕装置
13 押圧ローラ装置
16 搬送体(搬送ベルト、チェーンベルト)
19 側面フレーム(破砕機フレーム)
24 押えローラ
28 油圧シリンダ
31 破砕室
32 破砕ロータ
33 アンビル(固定刃)
35 破砕ビット
39 湾曲板
40 スクリーン(篩部材)
41 ハウジング
50,74 油圧シリンダ
70 シュート機構
73 シュート
83 制御盤
100 制御装置
101 破砕選択スイッチ
102 制御弁群
103 油圧源
104〜107 リミットスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕機フレームと、
前記破砕機フレームに回転自在に支持された破砕ロータと、
前記破砕機フレームに回動可能に設けられたハウジングと、
前記ハウジングに支持された固定刃が前記破砕ロータ周りの破砕室に挑む破砕姿勢、又は、前記固定刃が前記破砕室から退避した退避姿勢となるように前記ハウジングを回動させて保持する姿勢変更手段と、
前記固定刃が前記破砕室から退避した退避姿勢となるように前記ハウジングを回動させた状態で、該ハウジングと前記破砕室の間を隔てる位置と前記ハウジングの回動通過領域から退避する位置との間で位置変更手段によりスライド自在に設けたシュートと
を備えたことを特徴とする木材破砕機。
【請求項2】
請求項1記載の木材破砕機において、
前記シュートを前記ハウジングの回動通過領域から退避する位置にスライドさせ、かつ、前記ハウジングを破砕姿勢となるような位置に保持して行う通常破砕処理と、前記ハウジングを退避姿勢となるような位置に回動させて保持し、かつ、前記シュートを前記ハウジングと前記破砕室の間を隔てる位置にスライドさせて行う粗破砕処理との何れの破砕処理を行うかを選択する破砕選択スイッチと、
前記破砕選択スイッチの選択状態に基づいて、前記姿勢変更手段に前記ハウジングを回動させると共に、前記位置変更手段に前記ハウジングをスライドさせる制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする木材破砕機。
【請求項3】
破砕機フレームと、前記破砕機フレームに回転自在に支持された破砕ロータと、前記破砕機フレームに回動可能に設けられたハウジングと、前記ハウジングに支持されて前記破砕ロータ周りの破砕室に臨む固定刃とを備えた木材破砕機の木材破砕方法において、
前記固定刃が前記破砕室から退避した退避姿勢となるように前記ハウジングを回動させて保持すると共に、前記ハウジングと前記破砕室の間を隔てる位置にシュートをスライドさせて、前記破砕室に供給される被破砕物を破砕する第1の破砕手順と、
前記シュートを前記ハウジングの回動通過領域から退避する位置にスライドさせると共に、前記固定刃が破砕室に臨む破砕姿勢となるように前記ハウジングを回動させて保持し、前記破砕室に供給される被破砕物を破砕する第2の破砕手順と
を備えたことを特徴とする木材破砕方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−223660(P2012−223660A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90467(P2011−90467)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】