説明

木製壁材の施工方法

【目的】本発明は木製壁材を直接、釘等の固定具で打設することなく、断熱性、防火性、防水性、施工性等に優れた金属製外装材上に、簡単に施工できる木製壁材の施工方法に関するものである。
【構成】連結時に目地部に凹状の目地部γが形成される長尺状の金属製外装材Aと、裏面に嵌合凹凸部4を形成した長尺状の木製壁材Bとからなり、金属製外装材A間の目地部γに木製壁材Bの嵌合凹凸部4を嵌合すると共に接着することにより、木製壁材Bを取り付ける木製壁材Bの施工方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木製壁材を直接、釘等の固定具で打設することなく、断熱性、防火性、防水性、施工性等に優れた金属製外装材上に、簡単に施工できる木製壁材の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に木製壁材、例えば木材を使用した家屋としてはログハウス(丸太組工法)が一般的であり、木材の素材感を前面に出し、シンプル感、素材感、ナチュラル感のある自然環境にマッチしたものが上市されている。(特許文献1〜3参照)
【0003】
【特許文献1】特開平5−156726号公報
【特許文献2】特開平6−17496号公報
【特許文献3】特開平9−189085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1〜3は加工した丸太あるいは角材をそのまま使用した構造であるために、断熱性、耐腐朽性、防水性が無かった。また、通気路を形成しない構造であるために、裏面の湿気で腐朽菌、カビ菌が増殖し、その結果木材が腐食してしまう欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために、連結時に目地部に凹状の目地部が形成される長尺状の金属製外装材と、裏面に嵌合凹凸部を形成した長尺状の木製壁材とからなり、金属製外装材間の目地部に木製壁材の嵌合凹凸部を嵌合すると共に接着することにより、木製壁材を取り付ける木製壁材の施工方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
上述したように本発明に係る木製壁材の施工方法によれば、金属製壁材の外側に、木製壁材が施工されていることにより、(1)金属製壁材と木製壁材間の湿気、結露を防止することにより、裏面の湿気で腐朽菌、カビ菌が増殖するのを防止し、その結果木製壁材の腐食を防止し、木製壁材の耐腐朽性が向上する。(2)木材の素材感を前面に出し、シンプル感、素材感、ナチュラル感があり、自然環境にマッチした家屋を形成した上で、下地となる金属製壁材が固定下地、断熱下地、防水下地、気密下地、防火下地、耐震下地、等として機能を発揮し、木製壁材の弱点を補う効果がある。(3)防火認定に対応できる。等の特徴、効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に図面を用いて、本発明に係る木製壁材の施工方法の一実施例について詳細に説明する。図1(a)、(b)、図2は上記施工方法を説明する断面図、図3は本発明に係る木製壁材の施工方法に使用する金属製外装材Aを示す説明図、図4は木製壁材Bを示す説明図である。なお、図では金属製外装材Aを縦張り、木製壁材Bを縦張りで形成した場合の施工方法を説明する。また、αは壁下地、βは固定具、γは目地部である。
【0008】
金属製外装材Aは後記する木製壁材Bの下地材として機能し、木製壁材Bの固定下地、断熱下地、防水下地、気密下地、防火下地、耐火下地、耐震下地、等として有用なもので、表面材C、芯材D、裏面材Eよりなるものである。表面材Cとしては、例えばカラー鋼板、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、銅板、フッ素樹脂被覆鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板、制振鋼板等の金属薄板、等をロール成形、プレス成形したもの、あるいはアルミニウム合金を押出成形して長尺状に形成したものである。施工は、縦張りでも横張りでも可能である。
【0009】
芯材Dとしてはポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等の合成樹脂発泡体、あるいは石膏ボード、セメント板、炭酸カルシウム板、珪酸カルシウム板、セラミック板、木片セメント板、炭酸マグネシウム板、シージングボード、シージングインシュレーションボード、合板、またはグラスウール、ロックウール、等の繊維系断熱材、等よりなるもの、さらにはこれらをカナッペ構造、サンドイッチ構造に形成した複合板、もしくはこれらをシートとカナッペ構造、サンドイッチ構造に形成した複合板、等の一種よりなるものである。
【0010】
裏面材Eは金属材、あるいはアスベスト紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート等からなるものである。
【0011】
さらに詳説すると、金属製外装材Aの形状は、上端の雌型連結部1と下端の雄型連結部2とから形成したものである。また、C1はパッキング材である。
【0012】
木製壁材Bは図4に示すようなものであり、木材を加工した板材よりなるもので、樹種としてはウエスタンレッドシーダー、ひのき、ヒバ、杉、唐松、欧州赤松、スプルース、米ツガ、等からなるものである。また、表面、実部には防虫・防蟻処理、着色等のために、含浸型塗料(キシラデコール等)を塗装したものを使用するものである。特に、ひのき、欧州赤松は耐湿性、耐水性、耐腐朽性の高い樹種である。
【0013】
さらに説明すると、木製壁材Bは長尺板状で表面の化粧面3と、化粧面3の裏面に溝状に窪んだ凹部5と、凸状に突出した凸部6とから形成した凹凸部4と、凹部5の底面7とから形成した長尺状の板材である。
【0014】
なお、図2に示すように底面7には施工時に接着材Pを形成するか、あるいは木製壁材Bに予め形成しておくものである。勿論、金属製外装材Aの化粧面に接着材Pを形成しても良いものである。
【0015】
そこで、本発明に係る木製壁材の施工方法について説明する。まず、図1(a)、(b)に示すように金属製外装材Aを縦に横方向に向かって、雌型連結部1と雄型連結部2の嵌合と雌型連結部1の固定面を固定具βによって打設することにより壁下地αに固定する。次に、図2に示すように金属製外装材A同士の目地部γに木製壁材Bの凸部6を係止し、底面7に形成した接着材Pにより金属製外装材A上に接着することにより、木製壁材Bを金属製外装材A上に固定するものである。この工程を横方向に向かって随時行うことにより、壁体を形成するものである。
【0016】
なお、図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)は家屋Hに本発明に係る木製壁材の施工方法を形成した場合の、外観を表す施工状態図を示すものであり、図5(a)〜(c)は縦張り、図6(a)〜(c)は横張りで形成した場合の施工例を示すものである。このように、木製壁材Bを任意に使用できることにより、今までにない創作性のある壁体を形成できるものである。
【0017】
以上、金属製外装材Aと木製壁材Bを縦張りで施工する施工方法について説明したが、本発明に係る木製壁材の施工方法においては、金属製外装材Aと木製壁材Bを横張りで施工することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る木製壁材の施工方法の代表例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る木製壁材の施工方法の施工状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る木製壁材の施工方法に使用する金属製外装材の代表例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る木製壁材の施工方法に使用する木製壁材の代表例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る木製壁材の施工方法の代表例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る木製壁材の施工方法の代表例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
A 金属製外装材
B 木製壁材
C 表面材
C1 パッキング材
D 芯材
E 裏面材
H 家屋
P 接着材
α 壁下地
β 固定具
γ 目地部
1 雌型連結部
2 雄型連結部
3 化粧面
4 嵌合凹凸部
5 凹部
6 凸部
7 底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結時に目地部に凹状の目地部が形成される長尺状の金属製外装材と、裏面に嵌合凹凸部を形成した長尺状の木製壁材とからなり、金属製外装材間の目地部に木製壁材の嵌合凹凸部を嵌合すると共に接着することにより、木製壁材を取り付けることを特徴とする木製壁材の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−247255(P2007−247255A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72087(P2006−72087)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000126333)株式会社アイジー技術研究所 (138)
【Fターム(参考)】