説明

木質チップの配向積層装置および配向積層体の製造方法

【課題】木質チップの搬送の際における滞留に伴う上下方向の配向の不具合を解消した木質チップの配向積層装置や配向積層方法を提供する。
【解決手段】木質チップの配向積層装置を、幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向する配向手段と、該配向手段による配向状態の木質チップを積層させるとともに、搬送する搬送手段とを備える木質チップの配向積層装置であって、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理が施されてなるか、木質チップの滑り止め処理を施すための機器を付設してなるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質チップを結合剤と共に成形して高強度木質系複合材料を得る際の、木質チップの配向積層装置および木質チップ配向積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結合剤の混和された木質チップを、木質チップの繊維方向(異方性材料の高強度方向)と同方向に揃えて、すなわち配向して、木質系マットを形成し、これを加圧又は加熱工程などを経て固着させ、成形した成形板は、その繊維方向の機械的強度並びに、物理的強度が飛躍的に向上することが知られており、LSL(ラミネーティッド・ストランド・ランバー)やPSL(パラレル・ストランドランバー)といった、構造材として使用可能なものがある。
【0003】
木質チップの配向装置としては、木質片を自然落下させ、配向板の間を通過させて配向する種々の装置が考案されている。例えば、同軸上で複数枚の円盤を一定間隔において配置し、円盤を回転させながらその円盤同士の間に木質チップを通過させることによって木質チップを配向する装置や、平行に併設した複数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往復運動する板間を木質チップが通過することによって配向するものなどがある。
【0004】
しかしながら、これらの装置は、配向板によって縦横の同一平面内においては、木質チップは一方向に配列されるが、上下方向については自然落下のために、配向されにくいものであった。
【0005】
自然落下によって配向しない木質チップを少なくする装置として、結合剤の混和された木質チップの供給手段と、この供給手段から供給される結合剤の混和された木質チップを配向させる配向手段と、結合剤の混和された木質チップが配向手段を通って配向状態で上面にマット状に積層されるとともに、積層された積層マットを搬送する搬送手段とを備える配向積層装置や配向積層方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記配向積層装置や配向積層方法においては、配向板と配向板との間に構成される配向用隙間には底板がない構造とされているので、配向用隙間に投入された木質チップは、縦横の同一平面内において一方向に配列されつつ直接搬送手段上に落下し、搬送されながら上下方向にも配向される。
【0007】
【特許文献1】特開2005−53215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この配向積層装置や配向積層方法においては、配向用隙間に投入された木質チップは搬送の際に滞留し、上下方向の配向が不充分となる場合がしばしばあった。
【0009】
本発明は、このような木質チップの搬送の際における滞留に伴う上下方向の配向の不具合を解消した木質チップの配向積層装置や木質チップ配向積層体の製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記従来の木質チップ配向積層装置や配向積層方法では、配向用隙間に投入された木質チップは、側面において配向板と接触し、抵抗を受けながら搬送されるため、搬送の際に滑り易く、これが滞留の原因であることに着目し、搬送の際における木質チップの滑り止め処理を施すことにより、上記課題が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向する配向手段と、該配向手段による配向状態の木質チップを積層させるとともに、搬送する搬送手段とを備える木質チップの配向積層装置であって、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理が施されてなるか、木質チップの滑り止め処理を施すための機器を付設してなることを特徴とする木質チップの配向積層装置が提供される。
【0012】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、配向手段が、その間に配向用隙間を形成するように搬送手段の搬送方向と略平行に立設された複数の配向板を有するとともに、該配向板に振動を与える振動付与手段を付設してなることを特徴とする木質チップの配向積層装置が提供される。
【0013】
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、配向手段が、幅方向に並設された複数の配向部となる配向溝が傾斜して設けられた樋状部と、該樋状部に振動を与える振動付与手段と、該樋状部の下流側であって搬送手段の上方端部の位置に設けられた複数の配向板とを備える木質チップの配向積層装置が提供される。
【0014】
また、本発明の第4の発明によれば、幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向したのち、搬送手段上で配向状態の木質チップを積層させて積層マットを形成させるとともに、積層マットを搬送する木質チップ配向積層体の製造方法であって、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施すことを特徴とする木質チップ配向積層体の製造方法が提供される。
【0015】
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、上記結合剤がタンニン系結合剤であることを特徴とする木質チップ配向積層体の製造方法が提供される。
【0016】
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、滑り止め処理を、タンニン系結合剤を用いて行うことを特徴とする木質チップ配向積層体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の配向積層装置によれば、搬送手段に前記木質チップの滑り止め処理を施している、または滑り止め処理をするための機器を付設しているため、木質チップを搬送手段上で滞留することなく上下方向に充分に配向することができる。
【0018】
また、本発明の製造方法によれば、搬送手段に前記木質チップの滑り止め処理を施すため、木質チップを搬送手段上で滞留することなく上下方向に充分に配向し、積層マットを形成させることで、木質チップ配向積層体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明において配向とは、基準線の方向と木質チップの長軸方向とがなす角度の平均値(平均配向角度ともいう)が、±25度の範囲内にある状態をいう。すなわち、木質チップは、配向用隙間を通過する時にその長さ方向がほぼ揃えられるが、その平均配向角度が25°を超えると配向が不足して、必要な強度の木質系複合材料が得られなくなる恐れがある。
なお、基準線の方向とは、搬送方向に沿った方向をいい、得られる木質系複合材料の長さ方向と一致するものである。
また、平均配向角度は、木質チップの積層後の表面状態を撮像し、細長い木質チップの長軸方向と基準線とがなす角度を測定し、測定値を平均することによって算出できる。
【0020】
本発明の配向積層装置に用いられる搬送手段としては、結合剤の混和された木質チップが配向手段を通って配向状態で上面にマット状に積層されて積層マットが形成されるとともに、積層マットを搬送するものであれば特に限定されないが、好ましくはベルトコンベアや、ベルトコンベアまたはローラーコンベア上に置かれたコール板などが挙げられる。なお、コール板とは、ステンレススチール、鉄、アルミニウム等の所定サイズの金属板であり、その上に配向積層された木質チップを載置し木質積層マットを搬送するものである。
【0021】
この搬送手段には、木質チップの滑り止め処理が施されるか、或いは木質チップの滑り止め処理を施すための機器が付設されている。
滑り止め処理としては、搬送手段への天然ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリアクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体等のアクリルゴム、シリコン系樹脂、デンプン糊、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等の粘着剤やタンニン系接着剤等の接着剤などの結合剤の塗布、スプレー又は吹付けや、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等の粘着付与樹脂の塗布や、疎面化処理や、溝や突起等を付与する凹凸加工、例えば縞鋼板、エキスパンドメタル、パンチングメタル等におけるような縞付け加工、エキスパンド加工、パンチング加工等や、不織布や編織物、例えばガラスクロスのようなクロス等の貼着加工などが挙げられる。その他、タンニン等の高分子材料も、使用温度の調整や溶液化により粘着力が発生するため、使用することができる。
滑り止め処理を施すための機器としては、スプレー塗布器、ロールコーターなど、前記滑り止め処理をインラインで連続的に行えるものが挙げられる。
【0022】
搬送手段上に積層された木質積層マットは、通常、搬送手段によって、成形機へ運ばれ、加圧及び/又は加熱成形されて所望の厚さの木質系複合材料に形成される。
加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、熱盤のように木質チップの表面から伝熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱する方法等が挙げられる。
【0023】
本発明の配向積層装置に用いられる配向手段は、特に限定されないが、複数の配向板を、その間に配向用隙間を形成するように搬送手段の搬送方向と略平行に立設してなるとともに、該配向板に振動を与える振動付与手段を付設してなるものが好ましく、さらに複数の配向板が隣接する配向板との間に等間隔の配向用隙間を形成するものがより好ましく、中でも、すべての配向板が、互いに連結されて一体となって振動しうるようにされていることが特に好ましい。
配向板の連結の方法は特に制限されないが、木質チップが配向用隙間内を落下することを妨げない方法、例えば、配向手段を構成する配向板の、上流側上端部又は下流側上端部を、帯状鉄板等の金属板を溶接等して連結する方法などが挙げられる。
【0024】
配向手段としては、その他、幅方向に並設された複数の配向部となる配向溝が傾斜して設けられた樋状部と、該樋状部に振動を与える振動付与手段と、該樋状部の下流側であって搬送手段の上方端部の位置に設けられた複数の配向板とを備えるものが挙げられる。
配向溝の断面形状は、特に限定されないが、略V字形、略U字形、略凵形等のものが挙げられ、略V字形、略U字形のように下方に向かって収束している断面形状が配向性を考慮すると好ましい。
配向板は、樋状部からコンベヤに木質チップを移載させる時の配向の乱れがないようにするためのものであり、できるだけ摩擦係数が小さいもの、軽量のものが好ましく、材質としては金属、プラスチック等が挙げられる。
【0025】
上記配向用隙間の大きさ(幅)と木質チップの厚さとの間には、高強度の木質系複合材料を得るために、より好ましい関係があり、例えば、木質チップの厚さが1mm〜11mmである場合、配向用隙間を20mm〜40mmとすることが好ましく、木質チップの厚さが3mm〜5mmである場合、配向用隙間を15mm〜30mmとすることが好ましい。すなわち、この範囲を超えて配向用隙間の大きさが不均一になれば、得られる木質系複合材料の強度がばらつく恐れがある。また、平均配向角度をより小さくしようとすれば、配向用隙間をより小さくすればよい。しかし、木質チップのアスペクト比にもよるが、配向用隙間を15mm以下にすると、平均配向角度が±10°以内となる木質積層マットを得ることができるものの、木質チップが配向用隙間内で詰まり易くなる。
【0026】
また、均一な物性を持つ木質系複合材料を得るには、配向用隙間は等間隔とされることが望ましい。すべての配向用隙間が同じ大きさであれば、それぞれの配向用隙間毎の木質チップにおける配向の程度がほぼ同じとなり、従って得られる木質系複合材料の強度のばらつきを少なくする効果が大きくなる。
【0027】
配向積層装置には、配向板に振動を付与する振動付与手段が取り付けられるが、振動付与手段の取り付け方法は、木質チップの投入に影響が出なければ、特に限定されない。例えば、前述のような複数の配向板同士が金属板等で連結されている場合は、その金属板に取り付けるか最も外側の配向板に取り付ければよい。また、振動付与手段は、特に限定されないが、振幅、振動数又は振動方向が可変であって、状況に合わせて最適の振動条件を選択できるものが好ましい。
【0028】
振動付与手段によって付与される振動の振幅、又は振動数は、木質チップが配向用隙間内を落下する際、かつ落下して搬送手段上で配向し積層されたのち、再び滑ったり踊り出したりしてその配向が乱れない程度であればよく、供給される木質チップの量や性状、サイズ等によって適宜選択して決めればよい。
振動方向は、木質チップを搬送したい方向とし、水平方向から斜め上方に向かって振動される。配向板の振動により連結された配向板が振動し、配向用隙間に、搬送手段の進行方向に沿って手前側上方から、結合剤の混和された木質チップが投入されると、各配向板上に跨って架かった木質チップは、配向板上端縁上を滑りまたハネながら搬送方向に移動すると同時に、その重心位置がずれ、配向板の上端縁からズレ落ちて配向板と配向板との間の配向用隙間内に落下し、この配向用隙間を通って搬送手段上に積層される。
【0029】
配向用隙間内に落下した木質チップは、その長さ方向が配向用隙間を形成する配向板により規制されながら落下し、長さ方向が搬送方向に沿うように略揃えられた状態に配向する。すなわち、配向用隙間内に落下し、配向板と接触している木質チップは、配向板を振動させると、配向板との摩擦により振動を受けて動き、容易にその姿勢を変えることができる。従って配向が容易に行われる。更に、振動を受けることで、長さ方向が垂直方向に向いている木質チップは、その方向が水平方向に倒れ易くなり、更に、隣り合う木質のチップ同士の摩擦力も減少して木質チップ同士によるブリッジ現象が起こり難くなり、配向が容易になる。
【0030】
また、配向板を振動させないと、配向用隙間を通って搬送手段上に落下して配向積層された木質チップが、配向板との摩擦によって詰まってしまう恐れがあり、搬送手段上の木質積層マットが割れて不連続になってしまったり、積層厚さを大きくできなかったりすることがあるが、振動を加えることで、木質チップと配向板との摩擦は減少し、これらを防止しうる。
【0031】
細長い木質チップは、積層されていても配向板からの振動を受けると、姿勢を変え、配向が進む場合がある。すなわち、木質チップは、振動によってわずかに空中に浮いた瞬間、その上下、左右又は前後で隣り合う細長い木質チップと衝突し、衝突した同士の双方の木質チップ同士は、その長軸方向が揃うように姿勢を変える場合もある。これが繰り返されると、木質チップは徐々にその長軸方向が揃えられることがある。
【0032】
配向板に与える振動は、搬送手段の搬送方向の斜め前上方への振動であるのが好ましい。このような振動は、例えば、搬送速度0.2〜3m/分で、平均配向角度(木質チップの長軸方向と木質積層マットの搬送方向とがなす角度の平均値)が10〜25°、積層高さが30〜100mmである木質積層マットを得る場合、振動の角度として、搬送手段の搬送方向に向かって、仰角15°〜75°程度とすることが、積層高さを高くしても木質チップが配向用隙間内で詰まり易くなる惧れが少なくなるので、好適である。
【0033】
配向積層装置は、配向手段が、積層マットの搬送手段による搬送方向と略平行になるように並列に立設された複数の配向板を有するのが好ましく、さらに、配向板の上端縁が傾斜しているのがより好ましい。すなわち、配向板上に架かった細長い木質チップは、配向板が振動することで配向板上端縁の傾斜に沿って滑り易くなり、一部は配向用隙間内に落下し、また一部は傾斜下方に向かって配向板の上端縁に沿って滑り、またはハネながら移動する。従って、次に投入される木質チップがスムーズに配向用隙間に落下するのを妨げることがなくなるので、搬送手段上に木質チップが一層均一にかつスムーズに配向積層され易くなる。傾斜は、落下した木質チップが配向板上端縁の同じ場所に滞まって、次に落下してくる木質チップに衝突してその落下を妨げることがないようにするために設けられる。また、配向板を振動させることで、配向板上端辺に架かった木質チップは滑り易くなり、その位置を変えることができるようになる。
【0034】
そして、配向板に搬送手段の搬送方向斜め前上方に振動を付与する場合は、特に、木質チップを同方向へ飛ばす力がかかるため、木質チップの移動を妨げないよう配向板の上端縁の傾斜は、搬送手段の搬送方向下流側に向かって下り勾配とするのがよいが、搬送方向に向かって上り勾配としても、振動で勾配に沿って落ちていき、木質チップがその位置を変えうる限りでは問題ない。
【0035】
配向積層装置は、配向板の下端と搬送手段との間に隙間を有し、この隙間は配向板の下端が振動によって搬送手段に接触せず、少なくとも搬送手段の上流側端部で結合剤の混和された木質チップが通過不可能な大きさに形成されているのが好ましい。
なお、木質チップは、分級されてある程度その厚みや長さ等が平均化されたものが用いられるが、木質チップの中には、基準より厚みの薄いものや微細なものなども含まれている場合がある。したがって、本発明における「木質チップが通過不可能な大きさ」とは、このような基準より厚みの薄い木質チップや微細な木質チップまで通過不可能というものではない。
【0036】
すなわち、配向板の振動の振幅にもよるが、搬送手段上面に最も近い部位の配向装置の配向板下端と搬送手段との隙間は、好ましくは、1〜5mm程度とするのがよい。この隙間が1mmより狭すぎると、配向板の振動によって搬送手段上面と配向板下端とが接触して、搬送手段に損傷を与える惧れがあり、5mmより広すぎても、そこから木質チップがこぼれたり、またその部分(製品底面に相当)は木質チップの向きが配向板によって規制されていないため、落下時に生じる回転モーメントにより、配向が乱れたものとなってしまう惧れがある。なお、搬送手段の搬送方向下流側では、上流側で積層された木質チップの上に木質チップが積層されるため、隙間が5mm以上になっても構わない。
【0037】
木質チップについて説明すると、その樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料をも含めることができる。
原料材に利用できる形態としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
【0038】
上記原料材を木質チップにする加工方法としては、ロータリーカッターによってベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにする方法、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法、一軸破砕機の表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する方法等を用いることができる。そして上記のようにして破砕された木質チップは、その厚さが不揃いの場合は、必要に応じて一定範囲の厚さの木質チップに分級されるが、分級方法は、一定範囲の厚さで分級できるものであれば特に限定されないが、例えばウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、チップの厚さを基準に連続的に分級する装置である。
【0039】
本発明において、結合剤の混和された木質チップとは、通常、積層前に塗布、噴霧して結合剤を木質チップに付着されたり、結合剤と木質チップとが混合された状態のものをいう。
結合剤としては、タンニン系、フェノール樹脂系、尿素樹脂系、イソシアネート系等、合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これらの結合剤は、単独或いは数種類を併用してもよい。また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、液状の場合は一般に木質チップに噴霧したり、木質チップと撹拌混合して予め木質チップに担持させた状態で配向積層装置に供給され、粉末状の場合は、一般に木質チップと均一に混合した状態で、配向積層装置に供給される。
【0040】
さらに、木質チップは、含水率を一定にすることが好ましい。含水率を一定にすることで生産時の木質系複合材料の品質バラツキがなくなる。好ましい含水率としては、0〜30%である。含水率を一定にする方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質チップを放置する方法が挙げられる。因みに、50℃のオーブンに24時間放置すると、含水率はほぼ5%程度に保たれる。
【0041】
木質チップは、好ましくは細長い形状のもの、さらには樹木の繊維方向が長さ方向と同じ方向とされたチップであり、厚さ及び幅は、いずれも0.1mm以上で上限は特にないが、製造される木質系複合材料の厚さの5分の1以下とすることが好ましい。長さは幅又は厚さの大きい方の寸法の5倍以上が好ましい。但し、製品の外観向上のために、0.1mm以下の木質チップが表面側に配される場合もある。
本発明の配向積層装置および配向積層方法によって得られる木質積層マットは、特に限定されないが、積層状態で少なくとも加熱及びプレスのいずれかを行うことによって、構造材や家具材として好適な木質系複合材料を得ることができるが、得られた木質系複合材料は、成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
【0042】
本発明の木質チップ配向積層体の製造方法は、幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向したのち、搬送手段上で配向状態の木質チップを積層させて積層マットを形成させるとともに、積層マットを搬送する方法であって、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施すことで特徴付けられる。
【0043】
この方法において木質チップに混和された結合剤としては、上記の本発明の配向積層装置において説示したとおりのものが用いられるが、好ましくはタンニン系結合剤が天然資源であり、従来のフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート樹脂などの石油系材料よりも人体への安全性に優れた素材であるので、推奨される。さらに、タンニン系結合剤を用いた場合、搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施さないと、木質チップを搬送手段上で滞留する蓋然性が高いので、本発明の滑り止め処理が推奨される。
【0044】
また、この方法において、搬送手段に施される木質チップの滑り止め処理は、上記の本発明の配向積層装置において説示したとおりに施されるが、好ましくはタンニン系結合剤を用いるのが、得られる配向積層体の品質のばらつきが少ないので、推奨される。
【0045】
また、この方法において、結合剤の混和された木質チップを配向するのを、搬送手段の搬送方向と略平行に立設され、配向用隙間を形成してなる複数の配向板に振動を与える配向手段に該木質チップを供給手段から供給することにより行うか、或いは幅方向に並設された複数の配向部となる配向溝が傾斜して設けられた樋状部と、該樋状部に振動を与える振動付与手段と、該樋状部の下流側であって搬送手段の上方端部の位置に設けられた複数の配向板とを備える配向手段に該木質チップを供給手段から供給することにより行うのが好ましい。
さらに、この方法においては、配向板の下端と搬送手段と隙間は、配向板の下端が振動によって搬送手段に接触せず、少なくとも搬送手段の上流側端部で結合剤の混和された木質チップが通過不可能な大きさに形成されているのが好ましく、また、木質チップとして細長いものを用い、木質チップを、その長手方向が搬送手段の搬送方向に配向するようにするのが好ましい。
【0046】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の木質チップの配向積層装置の一例の斜視図である。
【0047】
本発明の配向積層装置1は、木質チップ供給手段2と配向手段3と搬送手段6とから構成される。配向装置3は、複数(この実施形態では7枚の金属製配向板31、32、・・、37が搬送方向に沿って並列に立設され、配向板31(32、・・、36)と配向板32(33、・・、37)との間に配向用隙間41(42、・・46)が形成されている。複数の配向板31、32、・・・は、端部が帯状をした金属板51を溶接することによって連結され、その金属板51に振動付与手段としてのバイブレータ52が付設されている。
【0048】
配向板31、32、・・・、37の上端縁は、搬送方向に向かって徐々に低くされた傾斜とされている。又、配向板31,32、・・・、37の下端とベルトコンベア6に載置された、滑り止め処理されたコール板61の上面との間には、隙間が設けてある。この隙間は、配向板31,32、・・・、37に後述する振動付与装置5によって振動が付与された場合でも、配向板31,32、・・・、37の下端がベルトコンベア6に載置された、滑り止め処理されたコール板61の上面に接触せず、配向板31,32、・・・、37の少なくとも搬送方向上流側における端部の隙間はそれから後述の結合剤付き木質チップPがコール板61外にこぼれ落ちない程度の大きさになっている。しかも、図2に示されるように、幅方向両端の配向板31,37を除く、配向板32、33・・、36と、コール板61との隙間Kは、少なくとも搬送方向上流側における端部の隙間k1が、木質チップPがコール板61外にこぼれ落ちない程度の大きさになっていて、搬送方向下流側に向かって徐々に大きくなるようにされている。また、幅方向両端の配向板31,37は、その下端とコール板61の隙間Kが搬送方向上流から下流まで同じ大きさになっていて、振動等によってコール板61上に積層された積層マットが崩れるのを防止するようになっている。
【0049】
振動付与手段5は、配向手段3の両サイドの2枚の配向板31、37に跨がって設けられた金属板51に、バイブレータ52と配向積層装置1全体を支持部54に支持する支持スプリング53とで構成されている。なお、この配向積層装置1の場合は、支持スプリング53は配向積層装置1の四隅に設けられているが、この数と支持位置又は支持方法は特に限定されるものではなく、配向積層装置が安定して振動するようにされていれば、どのような方法であっても構わず、装置重量やサイズ又は重心位置等により適宜状況に応じた好適な方法を選択して設計されればよいものである。
【0050】
ベルトコンベア6は、その搬送方向が、配向板31、32、・・、37と平行になっている。また、配向装置3の配向板31、32、・・、37の上端部には、木質チップPの供給装置2が配置されている。
【0051】
供給手段2は、ベルトコンベア21とその表面に平行なリング状の凸条23が複数本設けられた均しローラ22とを備えている。
次に、この配向積層装置1を用いた木質チップの配向積層装置の動きを、詳しく説明する。
【0052】
図1の配向積層装置に用いられる木質チップの製造方法の工程を、図3〜図5に示す。図3は破砕木質チップを分級する工程、図4は恒温恒湿室で含水率を調整する工程、図5は結合剤を混合する工程をそれぞれ説明する模式図である。
【0053】
すなわち、まず、図3に示すように,廃木材を粉砕機や切削機等で(図示せず)で粉砕あるいは切削して得た破砕木質チップP1を分級機7(本例では、ウェーブローラー方式の分級機)で分級し、厚さ1mm〜11mm、長さ1cm〜15cmの分級済の木質チップP2を得る。
【0054】
次に、図4に示すように、木質チップP2を温度40℃〜110℃、相対湿度1%〜60%の雰囲気に保たれた恒温恒湿室8に入れて12時間以上放置し、含水率調整済みの木質チップP3を得たのち、図5に示すように、ドラムブレンダ9に投入し、結合剤10をドラムブレンダ9内の木質チップP3にスプレー散布し、ドラムブレンダ9内で木質チップP3に結合剤10を担持させて結合剤付き木質チップPを得る。
【0055】
そして、このようにして得られた結合剤付き木質チップPを、図1に示されるように、供給装置2のベルトコンベア21に載せて均しローラ22によって、ベルトコンベア21上の結合剤付き木質チップPの厚みを略一定になるように均しながら配向装置3の配向用隙間41、42、・・、46に連続的に供給する。配向装置3では、振動付与手段5によって配向装置の配向板31、32、・・、37が振動し、この振動によって板の上に架かった結合剤付き木質チップPが、配向用隙間41、42、・・、46に落下し、配向用隙間41、42、・・、46によって配向されながら上記コール板61の上に積層される。
【0056】
なお、バイブレータ52は、配向装置3のどこに取り付けられていてもよいが、装置3全体に異常振動や残留振動が発生しないように、重心バランスを取っておかねばならないことは言うまでもない。振動方向は、ベルトコンベア6の搬送方向下流方向(MD)に向かって、ベルトコンベア6の面から上方、斜め上前方、となることが好ましい。また、その角度は供給量、線速など場合に応じて適宜変更されればよい。又、配向装置3には、振動する配向装置3全体を支持台54上に支持するための支持スプリング53が設けられている。
【0057】
配向状態を保ちながら落下した木質チップPは、上記コール板61の上面で直接、または、先に上記コール板61上に載った木質チップPの上で受けられ、所定の厚みの木質積層マットMになるように次々に積層されるとともに、この木質積層マットMがベルトコンベア6によってプレス装置(図示せず)に向かって搬送される。最後に、プレス装置で、送られてきた木質積層マットMをプレス成形して木質系複合材料を得るようになっている。
【0058】
以上のように、この配向積層装置1を用いれば、従来の配向装置のような底板がないので、木質チップPの厚さが厚い木質積層マットMとすることが可能となり、連続的に長尺で厚さの厚い木質系複合材料を得ることができる。また、配向板31、32、・・、37が振動するため、結合剤付き木質チップPが板と板、例えば配向板31(32・・、36)と配向板32(33・・、37)との間でブリッジ現象等の詰まりを生じることなく、スムーズに配向用隙間41、42、・・、46内を配向されながら落下する。
【0059】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態のように、配向板31、32、33、・・・の側方補強板等を設け、これにバイブレータ52を直接取り付ける方法以外に、配向装置3全体をスプリングによって吊り下げるようにしても構わない(図示せず)。
【0060】
上記の実施の形態では、ベルトコンベアが用いられているが、ローラーコンベアを用いるようにしても構わない。また、上記の実施の形態では、木質チップPがベルトコンベア6に載せたコール板上に受けられるようになっているが、コンベア上に直接木質チップPを受けるようにしても構わない。
また、最も外側の配向板31、37の下端にベルトコンベアに接触してもベルトコンベアを傷めたりすることがない、ポリプロピレンシートや軟質ゴムシートなどをその下端が、ベルトコンベアに略接触するようにスカート状に設けるようにしても構わない。このようにすれば、木質チップがベルトコンベアからこぼれ落ちることをより確実に防止できる。
【実施例】
【0061】
以下、実施例により比較例と対比させながら本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
まず、木材廃棄物処理業者から購入したボード用木質材片P1を、ウェーブローラー方式の分級機7(ウェーブローラースクリーン、たいへい社製)を用いて分級し、厚さ1〜8mmの木質チップP2を採取した。この木質チップP2を、雰囲気温度50℃の加熱オーブン8中に24時間放置し、含水量5.2重量%になるまで含水量を調節し、含水率調整済みの木質チップP3とした。
【0063】
次いで含水量を調節した木質チップP3を、ドラムブレンダ9に投入し、タンニン系接着剤10を木材に対し5重量%となるように混和した。このようにして得た木質チップPを配向積層装置1に投入し、配向積層を行った。
【0064】
タンニン系接着剤は次のようにして調製した。まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃度45質量%になるように溶解させた。その後、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベース)の割合で混合した変性スチレンブタジエン共重合体エマルション(日本ゼオン社製、商品名「Nipol LX430」)とヘキサメチレンテトラミンの40質量%水溶液の混合液を、タンニン水溶液100質量部に対し15.5質量部になるように配合した。
【0065】
実施例で用いた配向積層装置1は、図1に示すものである。配向積層装置1は、長さ500mm、高さ500mm、厚さ1.2mmのステンレススチール板が、ピッチ19mmで並列して立設されている。ベルトコンベア6上には搬送用のステンレススチール製コール板が載せられている。両サイドの配向板31、37は、その下端が、振動によってコール板の上面に接触せず、隙間から木質チップがコール板外にこぼれ落ちず、コール板上に積層された積層マットが振動等によってくずれ落ちないように、配向板31、37の下端とコール板との間に搬送方向全長にわたって1.5mmの大きさの隙間が形成されている。一方、両サイドの配向板31、37以外の配向板32、33・・、36の下端とコール板の隙間Kは、搬送方向上流側の端部の隙間k1が1.5mmにされ、下流に行くにしたがって、徐々にそのクリアランスを広げ、下流端で30mmまで拡がっている。このとき、コール板上面から1.5mm以下の場所で積層される点を除き、積層点は常に、最も外側の配向板を除く配向板32,33・・、36の下端よりも上側つまり、木質チップPが常に配向板31,32・・、37に規制された状態で積層されていくようになっている。配向板31、32・・、37の上端縁は、コール板の搬送方向下流に向かって水平に対して−10°の下り勾配になっている。
【0066】
配向積層装置1全体を帯状に巻き回して金属ベルトが設けられ、個々の配向板31、32、・・、37は、ベルトコンベア6のMD方向の端部で金属ベルト51に溶接されて、全体が一体となるように構成されている。金属ベルトの、コール板のTD側サイドに、バイブレータ52(振動モーター RV−24D、神鋼電機社製)が、振動方向が水平から25°斜め前上方となるように固定されている。金属ベルト51の四隅位置に、支持スプリング53が設けられて、配向積層装置1全体を、支持台54の上に支持している。なお、振動条件は、振幅2mm、振動回数1710回/分であり、ベルトコンベア6の搬送速度は1m/分とした。
【0067】
搬送用のコール板上面には滑り止め処理のため、配向板の上流側において、上記で使用されたタンニン系接着剤を50g/mの塗布量になるようにスプレーした。
【0068】
上記の処理を行った木質チップPを、配向積層装置1の上流側に配置される木質チップ供給装置2から、単位幅(1m)あたり毎分11kgの割合で自由落下により配向積層装置1の上流側端部に投入し、コール板から出てくる木質積層マットM配向状態を確認した。
【0069】
(実施例2)
滑り止め処理として、タンニン系接着剤の代わりに、タンニンの45質量%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして木質積層マットM配向状態を確認した。
【0070】
(実施例3)
滑り止め処理として、タンニン系接着剤の代わりに、アクリルゴム系粘着剤(住友スリーエム社製、商品名「スプレーのり55カラー」)を用いた以外は実施例1と同様にして木質積層マットM配向状態を確認した。
【0071】
(実施例4)
滑り止め処理として、縞鋼板(縞目形状 37.5×5.5×高さ1.2mm)をコール板として用いた以外は実施例1と同様にして木質積層マットM配向状態を確認した。
【0072】
(実施例5)
滑り止め処理として、ガラスクロス(中興化成工業社製、商品名「チューコーフロー FGF−410−20」)をコール板上面に貼り付けた以外は実施例1と同様にして木質積層マットM配向状態を確認した。
【0073】
(実施例6)
滑り止め処理として、ディスクグラインダーを用いてコール板上面を粗面化した以外は実施例1と同様にして木質積層マットM配向状態を確認した。
【0074】
(実施例7)
タンニン接着剤の配合として、変性スチレンブタジエン共重合体エマルションを用いなかった以外は実施例1と同様にして木質積層マットM配向状態を確認した。
【0075】
(比較例)
実施例と同じ処理をした木質チップを用い、同じ配向積層装置にて、滑り止め処理をしていないコール板の上に配向積層を行い、木質積層マットM配向状態を確認した。
【0076】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の配向積層装置、配向積層方法は、搬送手段に前記木質チップの滑り止め処理を施している、または滑り止め処理をするための機器を付設しているため充分な推進力を得ることができ、木質チップを搬送手段上で滞留することなく上下方向に充分に配向することができるので、産業上大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の木質チップの配向積層装置の一例の斜視図である。
【図2】配向板の下端と搬送装置上面との隙間の一例を示す側面図である。
【図3】破砕木質チップを分級する工程を説明する模式図である。
【図4】恒温恒湿室で含水率を調整する工程を説明する模式図である。
【図5】結合剤を混合する工程を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1 配向積層装置
2 供給手段
3 配向手段
31〜37 配向板
41〜46 配向用隙間
5 振動付与手段
51 金属ベルト
52 バイブレータ
53 支持スプリング
54 支持台
6 ベルトコンベア
61 コール板
7 分級機
8 恒温恒湿室
9 ドラムブレンダ
P、P1、P2、P3 木質チップ
M 木質積層マット
K 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向する配向手段と、該配向手段による配向状態の木質チップを積層させるとともに、搬送する搬送手段とを備える木質チップの配向積層装置であって、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理が施されてなるか、木質チップの滑り止め処理を施すための機器を付設してなることを特徴とする木質チップの配向積層装置。
【請求項2】
配向手段が、その間に配向用隙間を形成するように搬送手段の搬送方向と略平行に立設された複数の配向板を有するとともに、該配向板に振動を与える振動付与手段を付設してなることを特徴とする請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
【請求項3】
配向手段が、幅方向に並設された複数の配向部となる配向溝が傾斜して設けられた樋状部と、該樋状部に振動を与える振動付与手段と、該樋状部の下流側であって搬送手段の上方端部の位置に設けられた複数の配向板とを備える請求項1に記載の木質チップの配向積層装置。
【請求項4】
幅方向に均された状態で供給手段から連続的に供給される結合剤の混和された木質チップを搬送手段の搬送方向に配向したのち、搬送手段上で配向状態の木質チップを積層させて積層マットを形成させるとともに、積層マットを搬送する木質チップ配向積層体の製造方法であって、該搬送手段に木質チップの滑り止め処理を施すことを特徴とする木質チップ配向積層体の製造方法。
【請求項5】
上記結合剤がタンニン系結合剤であることを特徴とする請求項4に記載の木質チップ配向積層体の製造方法。
【請求項6】
滑り止め処理を、タンニン系結合剤を用いて行うことを特徴とする請求項5に記載の木質チップ配向積層体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−73163(P2009−73163A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20912(P2008−20912)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】