説明

未含浸強化繊維の織布の裁断方法およびその裁断処理装置

【課題】未含浸強化繊維よりなる織布の裁断に際して、熱可塑性樹脂やタッキファイアの粉末を付与して織布を固定する方法では、粉末の分量や疎密のコントロールが難しく、裁断処理装置を自動化した場合に高速化ができない。
【解決手段】マトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する方法であって、前記織布に、少なくともその裁断パターンに沿って、裁断用固定材としての常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる含浸工程100と、前記溶液が含浸した織布より前記溶媒を乾燥させる乾燥工程200と、前記溶媒が乾燥した織布を前記裁断パターンで裁断する裁断工程300と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する方法、および、その裁断処理装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FRP(繊維強化樹脂)の低コスト成形方法として、キャビティ(金型の空洞)に強化繊維基材の積層体を充填し、樹脂を注入するレジン・トランスファー・モールディング(RTM)成形方法が知られている。また、RTM成形方法において、キャビティ内を真空とすることでキャビティの一部をフィルム等で代用するバキューム・レジン・トランスファー・モールディング(VaRTM)成形方法も知られている。
これらの成形方法を利用するには、マトリックスとしての熱硬化性樹脂が含まれたプリプレグではなく、熱硬化性樹脂が未含浸の強化繊維によるプリフォームが必要となる。
【0003】
前記プリフォームは、前記未含浸の強化繊維よりなる織布を所定の形状に裁断して繊維基材片を形成し、これらの繊維基材片を積層することで構成される。
ここで、未含浸の強化繊維の織布は、裁断すると切り口より糸が解れ易く、また、織布の形状が安定しないため形が崩れやすい。このため、特に細かな形状となるほど、裁断しにくい。
このような不具合を改善する技術として、例えば、特許文献1に開示される技術がある。この技術では、熱可塑性樹脂を、未含浸強化繊維の織布に付与して加熱することで、この織布を構成する繊維を固定し、この状態で前記織布の裁断を行うものとしている。
【特許文献1】特開2003−251702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、織布に付与する熱可塑性樹脂の形状としては、布状等についても開示されているが、特に粉末が適切としており、この樹脂粉末をノズル等を有する噴射手段により、織布上に付与するものとしている。
ところが、樹脂粉末を織布上に散布するとなると、散布自体によるバラツキや、振動や周囲の空気流の影響によりバラツキが発生し、織布上の部位による樹脂粉末の疎密をコントロールすることが難しい。同時に、このようなバラツキがあるため、散布する樹脂粉末の分量のコントロールが困難である。これは、仮賦形材としてのタッキファイアを織布に振り掛ける場合でも同様である。
さらに、織布の搬送を自動化されたコンベア上で行う場合に、樹脂粉末の脱落や疎密の変化を防止するため、その搬送速度を低速にせざるを得ず、裁断の処理速度が低いものとなっていた。
【0005】
つまり、解決しようとする問題点は、未含浸強化繊維よりなる織布の裁断に際して、熱可塑性樹脂やタッキファイアの粉末を付与して織布を固定する方法では、粉末の分量や疎密のコントロールが難しく、裁断処理装置を自動化した場合に高速化ができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、
マトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する方法であって、
前記織布に、少なくともその裁断パターンに沿って、裁断用固定材としての常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる含浸工程と、
前記溶液が含浸した織布より前記溶媒を乾燥させる乾燥工程と、
前記溶媒が乾燥した織布を前記裁断パターンで裁断する裁断工程と、
を備えるものである。
【0008】
請求項2においては、
前記含浸工程では、
前記溶液を満たした溶液槽内へ、前記織布を送り出して浸漬させることで、この織布の全体に前記溶液を含浸させるものである。
【0009】
請求項3においては、
マトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する処理装置であって、
少なくともその裁断パターンに沿って、裁断用固定材としての常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる含浸装置と、
前記溶液が含浸された織布より有機溶媒を乾燥させる乾燥装置と、
前記有機溶媒が乾燥した織布を裁断する裁断装置と、
前記溶液槽、前記乾燥装置、前記裁断装置を順に通過するように前記織布を送り出す搬送装置と、
を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、裁断に際しての織布の繊維間の仮止めにおいて、固定剤の分量のコントロールが容易である。また、前記溶液中における固定剤の配分量をコントロールすることで、仮止め具合の調整を容易に行うことができる。さらに、溶液状態で固定剤が織布に付与されるため、織布を搬送しても、織布上に付与された固定剤の分布に変化がなく、織布の搬送速度を高速化できる。また、この仮止めにより織布全体が糊のように硬化しても、熱硬化性樹脂の軟化点以上の温度で加熱すれば軟化するので、織布を湾曲や屈曲面に沿わせることが可能であり、この織布よりなる積層体の製作にも不具合がない。
【0012】
請求項2においては、請求項1の効果に加えて、裁断に際しての織布の繊維間の仮止めが容易に行われる。
【0013】
請求項3においては、裁断に際しての織布の繊維間の仮止めにおいて、固定剤の分量のコントロールが容易である。また、前記溶液中における固定剤の配分量をコントロールすることで、仮止め具合の調整を容易に行うことができる。さらに、溶液状態で固定剤が織布に付与されるため、織布を搬送しても、織布上に付与された固定剤の分布に変化がなく、織布の搬送速度を高速化できる。また、この仮止めにより織布全体が糊のように硬化しても、熱硬化性樹脂の軟化点以上の温度で加熱すれば軟化するので、織布を湾曲や屈曲面に沿わせることが可能であり、この織布よりなる積層体の製作にも不具合がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1、図2を用いて、本発明の裁断処理装置の一実施の形態である裁断装置1を説明する。
裁断装置1は、繊維強化樹脂材用の強化繊維により構成される織物、組物、一方向材よりなる織布10を、所定の形状に裁断する装置である。裁断された織布10を積層して固定することで、繊維強化樹脂材用の繊維プリフォームが製造される。この繊維プリフォームにマトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて、繊維強化樹脂材が製造されるものであり、繊維プリフォームおよび織布10自体は、マトリックスとしての熱硬化性樹脂が未含浸の強化繊維よりなっている。
【0015】
図1に示すように、裁断装置1には、溶液槽2と、乾燥装置3と、裁断装置4と、織布10の搬送装置5と、が備えられており、この搬送装置5により織布10が、溶液槽2、乾燥装置3、裁断装置4を順に通過するように搬送される。
【0016】
搬送装置5は、帯状の長尺物である織布10を搬送する装置である。
この搬送装置5には、織布10の巻き出し装置11と、織布10の巻き取り装置12と、巻き出し装置11および巻き取り装置12の間で織布10を送り出す各種ローラと、が備えられている。そして、巻き出し装置11および巻き取り装12の間には、織布10の搬送経路に沿って、溶液槽2、乾燥装置3、裁断装置4が順に配置されている。
巻き出し装置11からは、裁断前の織布10が巻回されてなる原料ロール20より、織布10が送り出される。一方、巻き取り装置12には、裁断後の織布10が巻回されて、排出ロール30が形成される。
また、織布10の搬送経路には、前記各種ローラとして、織布10を挟み込んで送り出す一対のローラよりなる送りローラ装置13や、溶液槽2内に織布10が浸漬させるように織布10を案内するガイドローラ14等が、備えられている。
【0017】
溶液槽2は、裁断用固定剤としての熱硬化性樹脂を、織布10に含浸させるための装置である。搬送装置5により搬送される織布10は、溶液槽2内の溶液に、全面的に浸漬される。
溶液槽2には、例えばエポキシ樹脂の様に、常温で固体の熱硬化性樹脂が、揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液が満たされている。この溶液中の熱硬化性樹脂は、裁断用固定剤として用いられるものである。
この溶液を含浸させた織布10より有機溶媒を乾燥させると、織布10には均一に熱硬化性樹脂が残留する。これらの熱硬化性樹脂は、織布10の繊維間に入り込んでいるため、糊のように、織布10を構成する繊維同士を仮止めする効果を有している。そして、これらの熱硬化性樹脂による繊維同士の仮止めにより、織布10の切断後も、その切断面の形状が安定する。
また、前記溶液は、溶解性を良好とするため、粒状の熱硬化性樹脂を前記溶媒中に溶かすことで製造される。
【0018】
乾燥装置3は、前記溶液が含浸した織布10より、前記溶媒を乾燥させる装置である。
前記溶媒は、揮発性の有機溶媒であるので常温でも自然乾燥するが、この乾燥速度をより一層速めるため、加熱や送風を行うことが効果的である。そこで、乾燥装置3は、前記溶液が含浸した織布10に、送風を送ることで、この織布10中より前記揮発性有機溶媒を乾燥させる装置として構成されている。
そして、乾燥装置3で前記溶媒が乾燥した織布10には、その組織中に均一に熱硬化性樹脂が残留することになる。
【0019】
裁断装置4は、前記溶媒が乾燥した織布10を、所定の裁断パターンで裁断する装置である。
前記溶媒が乾燥した織布10は、内部に残留する熱硬化性樹脂により、その繊維間が仮止めされている。このため、この状態の織布10は、裁断装置4により裁断されても、その切断面の形状が安定しており、その切断面から端糸が解れることがなく、裁断後に形が崩れることもない。
また、本実施の形態では、裁断装置4はウォータージェットにより織布10を裁断する装置として構成されている。裁断手段としては、ウォータージェットに限定されるものではなく、金属刃等であってもよい。
【0020】
図2には、前記裁断パターンPの一例を示している。
ここで例にあげている裁断パターンPは、厚みのあるM字状体の輪郭線として設定されており、この裁断パターンPに沿って織布10が裁断されると、M字状の繊維基材片10aが作成される。
【0021】
織布10からの繊維基材片10aの裁断において、繊維同士の仮止めが必要とされる領域は、裁断パターンPの周辺部領域である。より詳しくは、裁断パターンPを中心軸とする一定幅の周辺領域E1である。
織布10において、少なくとも、このような裁断パターンPに沿う領域(例えば周辺領域E1)に、前記溶液の含浸が行われれば、その切断面からの端子の解れや切断による形状崩れを防止することができる。
【0022】
裁断処理装置1においては、溶液槽2内に織布10を全面的に浸漬することにより、織布10の全体に裁断用固定剤としての熱硬化性樹脂を付与するものとしている。
本実施の形態の構成に代えて、例えば、前記溶液を満たしたタンクと、そのタンクより前記溶液を送り出すポンプやノズルなどを裁断処理装置に備えて、織布10上で前記周辺領域E1に沿って前記溶液を噴射し、その周辺領域E1にのみ溶液を含浸させるようにしても良い。
また、正確に裁断パターンに対応した周辺領域に沿って、溶液を含浸させる必要もなく、裁断パターンを含む矩形領域E2(図2に図示)や円領域に、前記溶液を噴射するようにしてもよい。
【0023】
本発明の未含浸強化繊維の織布の裁断処理装置をまとめる。
この裁断処理装置は、マトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する装置である。
そして、この裁断処理装置には、含浸装置と、乾燥装置と、裁断装置と、搬送装置と、が備えられている。
含浸装置は、前記織布に、少なくともその裁断パターンに沿って、裁断用固定材としての常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる装置である。
乾燥装置は、前記溶液が含浸された織布より有機溶媒を乾燥させる装置である。
裁断装置は、前記有機溶媒が乾燥した織布を裁断する装置である。
搬送装置は、前記溶液槽、前記乾燥装置、前記裁断装置を順に通過するように前記織布を送り出す装置である。
【0024】
本実施の形態である裁断処理装置1は、前記含浸装置として溶液槽2を備えると共に、乾燥装置3、裁断装置4、搬送装置5、を備える構成である。
ここで、含浸装置としては、織布10の少なくとも裁断パターンに沿う部位に溶液が含浸されるものであればよく、織布10を全面的に浸漬させる溶液槽2に限定されない。
また、乾燥装置としては、加熱や送風が有効であるが、これに限定されるものではなく、単なる自然乾燥を行うための乾燥台であってもよい。
また、裁断装置としては、織布10を裁断可能な装置であれば良く、前記ウォータージェット式の裁断装置に限定されない。
【0025】
以上構成により、織布の繊維間を仮止めする固定剤が、溶液の状態で織布に付与され、この織布に含浸されない過剰な溶液は滴り落ちるなどして、その切断面に対応する裁断パターンに沿って、織布の繊維間に均一に付与される。
このため、裁断に際しての織布の繊維間の仮止めにおいて、固定剤の分量のコントロールが容易である。また、前記溶液中における固定剤の配分量をコントロールすることで、仮止め具合の調整を容易に行うことができる。さらに、溶液状態で固定剤が織布に付与されるため、織布を搬送しても、織布上に付与された固定剤の分布に変化がなく、織布の搬送速度を高速化できる。また、この仮止めにより織布全体が糊のように硬化しても、熱硬化性樹脂の軟化点以上の温度で加熱すれば軟化するので、織布を湾曲や屈曲面に沿わせることが可能であり、この織布よりなる積層体の製作にも不具合がない。
【0026】
次に、図3を用いて、本発明の未含浸強化繊維の織布の裁断方法を説明する。
第一の発明たる裁断方法は、熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する方法である。
この裁断方法は、含浸工程100、乾燥工程200、裁断工程300の三工程を備えている。
含浸工程100は、未含浸強化繊維の織布に、少なくともその裁断パターンに沿って、常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる工程である。
乾燥工程200は、前記溶液が含浸された織布より有機溶媒を乾燥させる工程である。
裁断工程300は、前記有機溶媒が乾燥した織布を前記裁断パターンで裁断する工程である。
【0027】
本裁断方法が適用された前記裁断処理装置1においては、含浸工程100の処理は溶液槽2が担当し、乾燥工程200の処理は乾燥装置3が担当し、裁断工程300の処理は裁断装置4が担当するものとなっている。また、各工程間での織布10の搬送は、搬送装置5が担当している。
ここで、含浸工程100の処理は、織布10の少なくとも裁断パターンに沿う部位に溶液が含浸されるものであればよく、溶液槽2内に織布10を全面的に浸漬する方法に限定されない。
また、乾燥工程200の処理は、加熱や送風が有効であるが、これに限定されるものではなく、単なる自然乾燥であってもよい。
また、裁断工程300の処理も、織布10を裁断可能な方法であれば良く、裁断装置4によるウォータージェット式の裁断に限定されない。
【0028】
以上構成により、織布の繊維間を仮止めする固定剤が、溶液の状態で織布に付与され、織布に含浸されない溶液は滴り落ちるなどして、その切断面に対応する裁断パターンに沿って、織布の繊維間に均一に付与される。
このため、裁断に際しての織布の繊維間の仮止めにおいて、固定剤の分量のコントロールが容易である。また、前記溶液中における固定剤の配分量をコントロールすることで、仮止め具合の調整を容易に行うことができる。さらに、溶液状態で固定剤が織布に付与されるため、織布を搬送しても、織布上に付与された固定剤の分布に変化がなく、織布の搬送速度を高速化できる。また、この仮止めにより織布全体が糊のように硬化しても、熱硬化性樹脂の軟化点以上の温度で加熱すれば軟化するので、織布を湾曲や屈曲面に沿わせることが可能であり、この織布よりなる積層体の製作にも不具合がない。
【0029】
第二の発明たる裁断方法は、第一の発明の裁断方法の含浸工程100において、前記溶液を満たした溶液槽内へ、前記織布を送り出して浸漬させ、この織布の全体に前記溶液を含浸させるものである。
【0030】
以上構成により、織布の繊維間を仮止めする固定剤が、織布の全体に均一に付与される。
このため、裁断に際しての織布の繊維間の仮止めが容易に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の未含浸強化繊維の織布の裁断装置を示す概略図である。
【図2】織布の裁断パターンの一例を示す図である。
【図3】本発明の未含浸強化繊維の織布の裁断方法の手順図である。
【符号の説明】
【0032】
1 裁断処理装置
2 溶液槽
3 乾燥装置
4 裁断装置
5 搬送装置
10 織布
100 含浸工程
200 乾燥工程
300 裁断工程
P 裁断パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する方法であって、
前記織布に、少なくともその裁断パターンに沿って、裁断用固定材としての常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる含浸工程と、
前記溶液が含浸した織布より前記溶媒を乾燥させる乾燥工程と、
前記溶媒が乾燥した織布を前記裁断パターンで裁断する裁断工程と、
を備える、
ことを特徴とする未含浸強化繊維の織布の裁断方法。
【請求項2】
前記含浸工程では、
前記溶液を満たした溶液槽内へ、前記織布を送り出して浸漬させることで、この織布の全体に前記溶液を含浸させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の未含浸強化繊維の織布の裁断方法。
【請求項3】
マトリックスとしての熱硬化性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材を製造するための未含浸強化繊維の織布を、裁断する処理装置であって、
少なくともその裁断パターンに沿って、裁断用固定材としての常温で固体の熱硬化性樹脂が揮発性有機溶媒に溶かされてなる溶液を含浸させる含浸装置と、
前記溶液が含浸された織布より有機溶媒を乾燥させる乾燥装置と、
前記有機溶媒が乾燥した織布を裁断する裁断装置と、
前記溶液槽、前記乾燥装置、前記裁断装置を順に通過するように前記織布を送り出す搬送装置と、
を備える、
ことを特徴とする未含浸強化繊維の織布の裁断処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−35663(P2006−35663A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219672(P2004−219672)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】