説明

材料を処理して所望サイズの粒子を作製する方法

材料から所定サイズ範囲の粒子を調製する方法であって、(A)(a)材料を粒子に粉砕する粉砕機と、(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、を備える回路内へと材料を導入する工程と、(B)上記材料を上記粉砕機に対して循環させる工程と、(C)上記材料を粉砕して粒子を生成する工程と、(D)上記粒子を上記分離器に対して循環させる工程と、(E)上記粒子を、上記所定サイズ範囲を有する第1粒子と、上記所定サイズ範囲よりも大きなサイズを有する第2粒子とに分離する工程と、(F)上記回路から上記第1粒子を取出す工程と、(G)更なる粉砕のために上記第2粒子を上記粉砕機に対して循環させる工程とを備えて成る方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥材料を処理し、生成される微粒子を少なくして粗粒状粒子を作製する方法などの、材料を処理して所望サイズの粒子を作製する方法、および、該方法において使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、文献、行為もしくは、知見が言及され、または、考察される場合、その言及または、考察は、その文献、行為もしくは、知見または、それらの任意の組合せが優先日の時点にて、一般的に利用可能であり、もしくは、公衆に対して知られており、もしくは、一般的な知見の一部であり;または、本明細書が関連する任意の課題を解決するための試みに対して適切であると知られていた、ということを是認するものではない。
【0003】
以下の考察は、砂糖、ミルク、ココア、ニンニクおよびオニオンに関しているが、本発明は、多くの製品を処理する優れた方法に関すること、および、上記処理は、代替的に、粉砕、および、テンパリング(tempering)もしくは、粉末化と称され得ることは、理解される。
【0004】
ミルクに由来する製品および粉末
脱脂および高脂肪の粉ミルクは、噴霧もしくは、ローラ乾燥処理、および、それに追随する処理であって、溶解度および湿潤性の如き機能性を最終的に向上させるべく凝集させて粒子サイズ分布を改善するという流体床処理の如き処理により製造される。これらの処理の間において粒子は、レシチン処理されることで、これらの機能特性が最大化される。乳製蛋白質の濃縮物および分離物ならびに高蛋白質粉末の如く、他の多数の製品も粉末として作製される。ラクトース(Lactose)は、食物および医薬分野において広く使用される乳糖であると共に、特に医薬における多くの用途は、極めて小寸で均一な粒子サイズを必要とする。このことは、通常、ラクトース母液の低速で慎重な結晶化により達成される。これらの習用の処理に対する更に簡素で低コストの代替策に対する要望が在る。
【0005】
ココア処理
乾燥カカオ豆処理における重要な工程は、豆全体を破壊し、ココアニブ(Cocoa nib)と称される豆の中心部分から外殻(豆の約15%)を剥離する工程を包含する。この工程は、ニブ(nib)の破壊片が外殻から分離される篩い分けと称される工程により追随される。この分離は、現在、ニブと外殻との間の密度およびサイズの差を利用して行われている。篩い、振動機および空気流制御器が組み合わせて使用されることで、ニブにおける外殻の割合が最小化(1〜5重量%の範囲)される様に分離が達成される。ニブに対して外殻が多すぎると、最終的にチョコレートの主要成分となるニブの更なる処理およびニブの不十分な特性に帰着する。この習用の処理に対する更に簡素で低コストの代替策に対する要望が在る。
【0006】
ココア粉末は、ココアニブを粉砕して液化したときに得られる生成物であるカカオ・リカーを油圧で加圧したときの副生成物である。加圧の条件に依存し、プレス機からのココア固形体は、10%〜25%のココア脂肪を含み得る。上記固形体は、更に粉砕され、多くの場合には、テンパリングされることで、脂肪が安定的な結晶形態に変換されることが確実とされる。テンパリングは、脂肪(40〜45℃)を液化してから27〜29℃まで冷却し、次に30〜33℃にて梱包/袋詰めするために処理を終えることで達成される。これにより粉末は、確実に、保存の間、および、種々の食品用途における後時的な使用において該粉末の色合いを保持する。粉末をテンパリングする機器は、非常に高価であると共に、大きな工場空間を占有する。この習用の処理に対する更に簡素で低コストの代替策に対する要望が在る。
【0007】
ニンニクおよびオニオン
ニンニクおよびオニオンの如き乾燥されたネギ属種を粉砕して得られる乾燥粉末は、香辛料、香味料および治療用調合剤として商的に広く使用されている。ニンニク粉末は、ニンニク油、抽出物、酢漬け物または、ペーストよりも、新鮮なニンニクの真の組成を表すと考えられる、と言うのも、小球根が単純に乾燥して粉砕されるからである。
【0008】
適切な空気流と共に50〜70℃の温度範囲内に維持されたなら、乾燥ニンニク・スライスのアリシン収量は、大幅に高められると共に、凍結乾燥の90〜100%のアリシン保存効果を再現する。このレベルより高い温度は、アリナーゼ活性を、故にアリシン生成を低下すると考えられることから、アリシン生成が維持される必要がある場合には推奨されない。
【0009】
ニンニクおよびオニオンの粉末は、通常、小球根をスライスしもしくは、角切りし、次に静的に乾燥して6%より低い水分含有量とすることで作製される。乾燥された薄片は、次に、必要な粒子サイズおよびサイズ分布まで粉砕される。粉末生成物の嵩密度は、通常、1立方センチメートル当たり0.690〜0.833グラムであるが、更に微細な粒子の生成により更に高くなり得る。文献(非特許文献1)においては、幾つかの新規な乾燥技術および重要な乾燥パラメータが報告されている。
【0010】
しかし、これらのプロセスにおいて、大寸粒子サイズとされすなわち粗粒状とされた粉末の生成は、殆ど注目されていない。更に一般的には、標準的なハンマ粉砕方法を用いて生成された粉末は、大量の更に微細な粒状粒子を含んでいる。
【0011】
多くの商的製造者は、大量の更に微細な粒子を含まない粗粒状ネギ属粉末の使用を好む、と言うのも、更に大寸の粒子は、更に良好に流動することから利用が更に容易だからである。また搬送および保存の間における圧密化は、粉末の酸化を早めて貯蔵寿命を縮める。更に粗い粉末は、また、錠剤加圧容器供給器を通る更に効率的な流動特性を呈すると共に、更に一貫した錠剤を生成する。これらの理由および他の多くの理由により、更に粗い粒状粉末が好適である。
【0012】
もし、ニンニク粉末が食品および食品サプリメントにおいて使用されるなら、通常は、乾燥されたニンニク薄片(6%以下の水分)が粉砕されて粒子サイズが減少される。一定の粉砕技術は、粒子サイズの減少の間に過剰な熱を生成し、アリナーゼを、故にアリシン生成量を低下させる。最も標準的な粉砕技術は、80メッシュより小寸である大量の更に微細な粒状材料も生成する。例えば典型的なサンプルにおいて、100%が60メッシュ網体を通過し、75%が100メッシュ網体を通過し、かつ、55%が115メッシュ網体を通過する。これは、乾燥材料は、脆弱であり容易に破断もしくは破砕するからである。先に述べられた如く、微細粒状粉末は、取扱いおよび保存が困難であることから、好適ではない。
【0013】
微細粒子を取り扱う先行公報の試みとしては、以下のものが挙げられる。
【0014】
ストリットマター(特許文献1)は、植物性または、動物性の原料を乾燥かつ粉砕する方法を記述している。湿潤材料が高温の気体流内へと放出され、ハンマ粉砕される。次に粒子は、乱流チャンバ内へと放出され、そこで、十分に小寸の材料は、放出され且つ大寸粒子は、更なるハンマ粉砕のために戻される。大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する一切の方法の開示は、無い。
【0015】
センスマン等(特許文献2)は、食肉処理場の血液または、果樹パルプの如き高度に液状、半液状、または、液体/固体混合物などの非常に高い水分含有量の材料に対する粉砕および乾燥装置を記述している。該装置は、粉砕機を備えるが、大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する方法の教示は、無い。
【0016】
バーラー等(特許文献3)は、粉末食品を製造する粉砕および乾燥方法を記述している。その発明者等は、湿潤した繊維性の食品を用いることで乾燥および粉砕が同時に実施され得ることを教示している。大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する方法の開示は、無い。
【0017】
スラナキ等(特許文献4)は、豆果供給原料から粉末を生成する方法および装置に関している。上記供給原料は、外皮除去され、破砕され、予備粉砕されてから粉砕される。粉末は、主として澱粉系の粗粒子、および、主として蛋白質系の微粒子へと分割される。全ての成分に対し、選択されたメッシュ・サイズへの分画は可能でない。
【0018】
プレータ等(特許文献5)は、ニンニクおよびオニオンに対する種々の細粒化方法および機器を記述している。プレータは、プロセスが大量の微粒子を生成するなら、これらの粒子を水により加湿することにより凝集させてから粗粒状粒子を分離することが有用であることを教示している。該方法は、過剰に粉砕されることで商業用途に対しては、小寸すぎる粒子を生成したニンニク粉末の回収に適用可能である。故に該方法は、本質的に、大量の微粒子を生成する任意の粉砕または、処理方法に対する付加的な回収工程である。大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する方法の開示は、無い。
【0019】
ヤマモト等(特許文献6)は、粗粒状のネギ属および西洋ワサビの粉末を生成する別の方法を記述している。該方法は、幾つかの工程に分割される。第1工程は、標準的な技術を用い、新鮮な球根を薄切りして約12%の水分含有量まで乾燥する工程を必要とする。乾燥された材料は、次に、粉砕され、篩分けされ、且つ、ネギ属粉末の流体床を用いて高温にて凝集されてから粉砕される。その記述者は、この方法に従うならば、生成された粉末総量の約12%が100メッシュ網体を通過すると主張している。これは、標準的な粉砕機器のみを用いて典型的に生成されたものに対する40〜60%よりも相当に少ない。篩分けおよび更なる乾燥の後、細粒化生成物が生成される。プレータの特許文献5におけるのと同様に、ヤマモトにより教示された凝集方法は、本質的に、処理の間に生成された過剰な微粒子を回収すべく利用される。大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する方法の開示は、無い。
【0020】
ピーブルス(特許文献7)によれば、粉ミルクの凝集が記述されている。プレータ(特許文献5)およびヤマモト(特許文献6)と同様に、微粒子の過剰生成の問題を解決すべく凝集が利用される。これに加え、その機器および方法は、ネギ属粉末のフルクタン含有量が高いので、粗粒状ネギ属粉末生成には、利用され得ない。ニンニクは、糖質、フルクタンおよびペクチンなどの77%を超える炭水化物を含み、それらは、加湿されたときに粘着性かつ粘性であると共に、ピーブルス(特許文献7)により開示された様には、取扱われ得ない。大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する方法の開示は、無い。
【0021】
特許文献8は、10〜14%の湿分を含むニンニク薄片を処理する方法を記述している。この水分レベルにおいて殆どの粉砕方法および機械は、目詰りする、と言うのも、高度のフルクタンおよび水分が結合して高粘度で粘性のペーストを生成するからである。凝集器内の粒子は、気流乾燥器のように作用する高温空気流内での長い通過時間を有する。粒子は、粘着性なので、この特性は、更に微細な乾燥粒子を吸引しもしくは、凝集させるべく活用かつ使用されることから、粗粒状または、更に大寸の粒子が生成される。大寸粒子が生成され且つ微細粒子の生成が減少されるべく粒子サイズを減少する方法の開示は、無い。斯かる低水分の材料の粉砕は、典型的に、高い割合の微粒子(40〜60%)を含む粉末を生成する。これは、乾燥材料は、脆弱であり容易に破断もしくは、破砕するからである。
【0022】
特許文献9は、桑の葉を回転粉砕機内で粉砕かつ乾燥することによる桑の葉の粉末の生成を教示している。桑の葉は、8%を遙かに超える水分含有量を有すると想定される。そのプロセスは、次に分級器を使用し、排出器を通した収集が追随することで粉末が生成され、その80〜90%は、100メッシュより小寸である。選択されたメッシュ・サイズへと分画する教示は、無い。
【0023】
ツァンブル・ライト・フード(特許文献10)は、肉および骨の粉末の製造における原料を乾燥させる機器に関している。その方法は、粉砕構成要素の面の偏向角度を45°から60°へと変更することにより、大きな生産性および優れた品質を提供している。部分的に乾燥された肉製品は、典型的に50%までの水分含有量を有する。
【0024】
最新の幾つかの医薬粉砕技術も粗粒状粉末を生成し得るが、ニンニク、ココアおよび粉ミルクは、低価格の品目であることから、これらの技術は、不経済過ぎ、これらの製品に対する選択肢ではない。粗粒状粉末を生成し得る安価な方法が好適であろう。
【0025】
これに加え、既に乾燥された材料を粉砕する殆どの技術は、アリシンの如き熱に敏感な材料の最大化もしくは保存に焦点を合わせていない。故に、経済的な粉砕方法であって、アリシンの潜在性の大部分を保存すると共に、それほどの個数の微粒子を生成せずに大寸粒子サイズの粉末を生成するという方法が好適である。斯かる方法は、先行技術における必然的な回収工程の必要性を低減すると共に、相当のコスト的利点を提供するであろう。
【0026】
微粒子の生成
粒子サイズの制御は、結晶質の砂糖を生成する標準的側面である。細粒化の後、乾燥された白砂糖は、傾斜して螺旋状とされたワイヤメッシュ網体または、有孔プレートを用いて篩分けされる。完成した精製細粒化砂糖は、次に、食品製造に使用されるか、または、更に粉砕されることで粉末白砂糖または、粉砂糖の如き更に微細な粒子サイズ生成物を生成する。更に微細な砂糖製品の粒子サイズ制御は、慎重に行われないことが多く、完成した食品の感覚刺激性能の変動につながる。結果として、斯かる砂糖製品は、完成食品製造の間において更なる粒子サイズ低減が多くの場合に必要であり、これは、更なる製造コストおよび時間に繋がる。この付加的なコストおよび時間は、砂糖が所望の粒子サイズ範囲内で更に正確に生成されるならば回避され得よう。
【0027】
微粒子を生成する習用の破砕、粉砕および分級方法は、ハンマ粉砕機、ローラ粉砕機および流体床装置などの種々の技術を利用している。流体床による破砕および分級装置は、破砕用ノズルから圧縮空気を噴射すると共に該空気の断熱膨張により流体床装置の温度を下げることで、加熱済み材料を破砕し得る。この機能によれば、上記流体床装置は、表面破砕に対して適切とされる。破砕されるべき材料は、分級ロータに対して粗い粉末として進入し、適合材料として分級される。しかし、破砕されつつある固体材料間の接触は、微粉末を生成する傾向があり、典型的には粒子サイズ分布は制御されない。
【0028】
特許文献11は、微粉末生成の間における粗粒子の過剰粉砕を防止するひとつの試みを開示している。粒子の衝突速度を低減させるために粉砕圧力を制御することで過剰な粉砕が防止されると述べられている。しかし、粉砕されるべき材料の流動化は、衝突速度が減少されると少なくなり、材料が分級ロータに対して効率的に到達することが妨げられることから、依然として、粒子分級プロセスの劣化に起因する過剰粉砕に帰着する。
【0029】
特許文献12は、新規な流体床式の粉砕および分級装置を開示しており、其処で粉砕されるべき材料の挙動は、分級チャンバ内で更に良好に制御されると述べられている。該装置は、過剰な粉砕を防止し且つ粗粒子および微粒子の混合を低減すると報告されている。その発明は、限定的なものとしてで無く、タルク、石灰、セラミクス、樹脂、化粧品、染料、漢方薬の如き無機物、化学物質、医薬物質などの固体に対する粉砕および分級装置に関し、より詳細には、トナーに対する粉砕および分級装置に関している。
【特許文献1】欧州特許第613721号
【特許文献2】米国特許第2,023,247号
【特許文献3】欧州特許出願第94810743号
【特許文献4】カナダ特許公開第2007031号
【特許文献5】米国特許第2,957,771号
【特許文献6】米国特許第3,378,380号
【特許文献7】米国特許第2,835,586号
【特許文献8】国際特許公開WO2004/066743号
【特許文献9】Nado Kenkyusho KK (JP2002 709339/77)
【特許文献10】ソビエト連邦特許第902704号
【特許文献11】日本特許出願第2002-276526号
【特許文献12】米国特許第7,156,331号
【特許文献13】国際特許公開WO01/76392号
【非特許文献1】ペズッチ・エー・クラピステ・ジーエイチ(Pezzutti A, Crapiste GH)。ニンニクの収着平衡および乾燥特性。Journal of Food Engineering. 1991; 31; 113-123
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
故に依然として、微粒子生成の間において完成した粒子のサイズに対して厳しい制御を行うべく高い生産能力を備えた簡素で安価な方法および装置に対する要望も在る。
【課題を解決するための手段】
【0031】
今や、材料を粉砕することにより、微粒子であるか粗粒子であるかに関わらず、所望範囲の粒子サイズを有する粉末を生成することが可能であることが見出された。すなわち、該方法は、微粒子の生成を最小限とし乍ら特定の粒子サイズ範囲を有する粗粒状粒子の生成、ならびに、特定の粒子サイズ範囲を有する微粒子の生成を可能とする。
【0032】
本発明の第1の見地に依れば、
材料から所定サイズ範囲の粒子を調製する方法であって、
(A)(a)材料を粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、
を備える回路内へと材料を導入する工程と、
(B)上記材料を上記粉砕機に対して循環させる工程と、
(C)上記材料を粉砕して粒子を生成する工程と、
(D)上記粒子を上記分離器に対して循環させる工程と、
(E)上記粒子を、上記所定サイズ範囲を有する第1粒子と、上記所定サイズ範囲よりも大きなサイズを有する第2粒子とに分離する工程と、
(F)上記回路から上記第1粒子を取出す工程と、
(G)更なる粉砕のために上記第2粒子を上記粉砕機に対して循環させる工程とを備えて成る方法が提供される。
【0033】
本発明において、上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粗粒子が上記粉砕機から外方に搬送されて更には粉砕されない様に上記粉砕機の速度と平衡化される。結果として、上記回路内における微粒子の生成は、制御される。
【0034】
好適には、上記方法は、連続的または半連続的である。
【0035】
本発明の上記方法においては、任意の好適な気体もしくは、混合気体が使用され得る。典型的に上記気体は、空気である。上記気体は、窒素または、アルゴンの如き不活性気体を含む群から選択され得る。例えば、粉砕されつつある材料の酸化を最小限とすることが重要な用途においては、不活性気体が使用され得る。好適には、上記気体は、HEPA濾過および脱湿される。例えば上記気体として空気が使用されるべきであるときに、粉砕されるべき材料が吸湿性であり又は、低い微生物学的負荷を受けることを必要とするなら、空気は、HEPA濾過および脱湿されることのみが必要である。
【0036】
上記気体流は、(例えばサイクロンなどの)分離器に到達するまでに該気体流内に所望サイズの粒子が適切に担持される様に、上記機械内で慎重に平衡化される。上記回路内で適切な気体流を生成するひとつの例は、塵埃収集器に頼ることであり、これは、上記粉砕機の速度を低下させることで、結果的な粒子の破損を低減する付加的な利点を有する。
【0037】
好適には、上記分離器から収集された結果的な粉末は、次に、(典型的には、Sweco社の篩いである)篩いへと導向され、任意の粒子サイズ範囲仕様の粉末が回収される。過剰サイズの粒子は、上記篩いで収集されると共に、更なるサイズ減少のために上記粉砕機へと戻される。
【0038】
本発明においては、上記粉砕機として任意のファンもしくは、ハンマ粉砕機が使用され得るが、好適には、上記粉砕機は、ファン状プレートから成るという細断ファンであることから、該プレートの運動は、気体流の循環を支援する。上記細断ファンは、ハンマ粉砕機として作用すると共に、到来する材料に対する破損を低減するためにも使用される。
【0039】
好適には、上記回路は、閉じられた導管回路である。
【0040】
好適には、上記気体は、乾燥空気である。但し、材料が酸化に対して特に敏感ならば、不活性気体が使用され得る。
【0041】
本発明の方法において処理されるべき材料に依存し、上記気体は、上記材料の特性に調和すべく調整される。上記気体は、適切な温度まで加熱もしくは、冷却される必要があり得る。もし材料が吸湿性ならば、上記気体は、水分を除去すべく加熱され得る。熱に敏感な材料に対して、気体温度は、変性もしくは影響が最小限とされる様に選択される。低融点の材料に対して、上記気体は、冷却されることで、材料が非晶質および/または、結晶質に維持されることを確実とする。
【0042】
本発明の上記方法は、処理されるべき材料の量に依存してバッチ的または、連続的に実施され得る。
【0043】
粒子サイズの所望範囲は、材料と、篩いのメッシュ・サイズにより相当に制御され得る最終粒子サイズとに依存する。例えば、100メッシュ網体を用いると63〜125μmの微粒子サイズの砂糖製品が生成され得る。別の例として、20メッシュ網体を用いると60〜125μmの粗粒状ニンニク粉末が生成され得る。
【0044】
本発明の上記方法は、合成品、薬剤および食品などの任意の材料、特に、その活性化合物が熱に敏感であるか酵素加水分解により生成されるという材料に関して使用され得る。適切な食品の例としては、野菜、果樹、砂糖、ココアが挙げられる。特に好適な実施例において、粉砕された材料は、凍結乾燥され得る食品である。
【0045】
好適には、材料が、熱に敏感な一種類以上の活性化合物を含む(その活性化合物の活性は、熱により減少する)場合、その活性化合物の活性は、元の材料におけるその活性化合物の活性に対して実質的に維持される。“実質的に維持される”という表現は、最終的な粒子における活性化合物の活性が、元の材料における活性化合物の活性と比較して少なくとも50%のレベルに在ることを意味する。好適には、活性は、少なくとも60%、更に好適には、70%、更に好適には、80%、最も好適には、90%もしくは95%である。
【0046】
斯かる活性化合物の例としては、香味料、医薬化合物、医薬賦形剤、植物性化合物、酵素、多糖類、ゴム、ゴム糊、澱粉および蛋白質から成る群が挙げられる。熱に敏感な活性化合物を含む材料の例としては、ニンニク、オニオン、西洋ワサビ、ココア、果樹およびブドウの抽出物から成る群が挙げられる。
【0047】
本発明の上記方法は、ココア固形体を処理(粉砕およびテンパリング)してココア粉末を生成すべく使用され得る。適切なサイズの粒子へと一旦粉砕されたなら、ココア粒子は、ココア粉末が種々の温度(例えば、40〜45℃、次に27〜29℃に冷却され、30〜33℃が追随する)を通過し得る様に、異なる温度の空気取入れを行う付加的な導管を通過する。
【0048】
粉ミルクに対し、本発明の上記方法を用いて適切なサイズへと粒子が粉砕された後、レシチンまたは他の適切な乳化剤が導管内へと噴射される。送り込み物の湿度を制御すると同時に1〜5%レシチン懸濁液の微細噴霧を噴射することにより、粉ミルク粒子は、機器の篩い部分における冷却および分離に先立ち被覆され得る。上記機器における粉砕および篩いによれば、乳清蛋白質の濃縮物および分離物ならびに高蛋白質粉末もまたそれらの機能性が改善される。
【0049】
本発明に係る上記方法は、また、粗いラクトース結晶を、食品および医薬分野の両方における広範囲な用途に適すべく一貫して小寸の粒子サイズへと粉砕して分離し得る。気体から水分を除去する機能は、重要である、と言うのも、医薬用ラクトースは吸湿性だからである。
【0050】
本発明を用いると今や、乾燥材料を粉砕し、更に大寸の粒子を有することから優れた取扱い性を有するという粉末を生成することも可能であると同時に、熱に敏感な活性化合物の活性は、実質的に保持される。この方法を用いて調製された粒子は、微粒子の取扱いに伴う困難性なしで、標準的な製造機器を用いて他の製品内へと容易に取入れられ得る。本発明のこの実施例において、乾燥材料は、典型的に、6%以下の湿分含有量レベルを有する。凍結乾燥されたニンニク薄片または野菜は、典型的に、4〜5%の湿分を含むことで当該材料を維持する。粉ミルクおよびココア粉末は、通常、1〜3%の湿分を含む。
【0051】
本発明のひとつの好適実施例に依れば、
6%以下の水分含有量を有する乾燥材料から所定サイズ範囲の粒子を調製する方法であって、
(A)(a)乾燥材料を粗粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記乾燥材料および上記粗粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粗粒子を分離する分離器と、
を備える回路内へと乾燥材料を導入する工程と、
(B)上記材料を上記粉砕機に対して循環させる工程と、
(C)上記材料を粉砕して粒子を生成する工程と、
(D)上記粒子を上記分離器に対して循環させる工程と、
(E)上記粒子を、上記所定サイズ範囲を有する第1粒子と、上記所定サイズ範囲よりも大きなサイズを有する第2粒子とに分離する工程と、
(F)上記回路から上記第1粒子を取出す工程と、
(G)更なる粉砕のために上記第2粒子を上記粉砕機に対して循環させる工程とを備えて成り、
上記気体は、HEPA濾過および脱湿され、且つ、
上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粗粒子が上記粉砕機から外方に搬送されることで微粒子の生成が低減される様に上記粉砕機の速度と平衡化される方法が提供される。
【0052】
本発明の方法のこの好適実施例の利点は、微粒子を最小限とし乍ら粗粒状粒子が調製されることである。上記粗粒状粒子は、処理されつつある特定の乾燥材料の規格に適合する必要がある。例えば、粗粒状ニンニク粉末は、40〜100の範囲(400〜160ミクロン)のメッシュ・サイズを指定するアメリカ乾燥オニオンおよびニンニク協会(American Dehydrated Onion and Garlic Association)に従うべきである。本発明の上記方法に従い調製された粗粒状粒子も提供される。
【0053】
この好適実施例に対し、上記回路から分離された粒子は、好適には、粒子の40%未満、好適には、30%もしくは20%、最も好適には、10%もしくは5%が100メッシュ篩いを通過する如きサイズ分布である。すなわち、微粒子の生成は最小限である。
【0054】
本発明の方法のこの好適実施例は、ニブにおいて外殻の低い含有量を有するココアニブを生成するカカオ豆に対する裂開および篩い分けプロセスを実施すべく使用され得る。最も適切な篩いサイズおよび振動の使用に加えて(これに関連して、典型的には、破砕機/裂開機と称される)粉砕機の速度に対する気体流の平衡化は、ニブにおいて外殻の低い含有量を提供すると期待される。
【0055】
完成した粉末は、錠剤、カプセル、食品サプリメントおよび食品の製造に対して有用である。上記方法は、大きな割合の微粒子であって篩いにより除去されて凝集されるか又は、低価値の用途において使用されるべきであるという微粒子を生成する現在の粉砕処理との比較において、粉末を更に容易に且つ更に経済的に生成するという利点を有する。好適には、錠剤の如き医薬的な回分量形態を作成すべく使用される最終粉末の粒子サイズは、100メッシュ以上であり、且つ、水分含有量は、約5%乾燥重量である。但し、好適な結果は、エンドユーザの要求事項に依存する。
【0056】
上記粉末は、錠剤形態で提供され得る。当業者であれば、上記粉末は、多くの異なる様式で処方され得ることを容易に理解するであろう。種々の異なる結合剤、充填剤、および、他の多くの賦形剤が使用され得ることは理解される。また腸内での移行の間における酸による劣化を低減すべく腸溶性被覆も適用され得る。上記腸溶性被覆は、通常は、標準的な方法を用いて適用されると共に、セルロース、メチルセルロースもしくは、それらのいずれかの誘導体、または有効成分の放出を遅延すべく設計された他の類似の物質を含み得る。使用され得るひとつの方法は、特許文献13において引用された方法である。上記粉末を、該粉末を小腸に供与する他の遅延放出式供与システム内に載置することも可能である。但し典型的に上記供与システムは、USP2000における遅延放出式の回分量形態に対して指定された規格に従う。
【0057】
本発明の第2の見地に依れば、
材料から所定サイズ範囲を有する粒子を調製する装置であって、該装置は、
(a)上記材料を粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、
を備える回路を備え、
上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粒子が上記粉砕機から外方に搬送されることで、所望粒子サイズ範囲外の粒子の生成が低減される様に上記粉砕機の速度と平衡化される、装置が提供される。
【0058】
本発明の第3の見地に依れば、
(a)材料を粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、
を備える回路であって、
上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粒子が上記粉砕機から外方に搬送されることで、上記所定粒子サイズ範囲外の粒子の生成が低減される様に上記粉砕機の速度と平衡化されるという回路内へと、
材料を導入することにより生成された所定サイズ範囲を有する、粒子が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
図1は、本発明の好適実施例に係る回路10を示している。
【0060】
該回路は、回路ダクト12、供給/回転エアロック30、細断ファン14および抽出ダクト24を備える。細断ファン14は、モータ15により駆動される。脱湿器18、HEPAフィルタ19および熱交換器17は、空気を動作温度まで加熱する。加熱された空気は、加熱気体流20として、ダクト12を通り方向22においてサイクロン26へと循環する。上記循環は、真空などの任意の適切な手段により行われ得るが、好適には、塵埃収集器40に対して取付けられた抽出ファン41により行われる。
【0061】
作動時には、供給/回転エアロック30を介して回路ダクト12内へと乾燥材料32が供給される。材料32は、細断ファン14まで搬送され、其処でそれは、加熱気体流20内で更に小寸の粒子34へと粉砕される。粒子34は、次に加熱気体流20によりサイクロン26まで搬送されてから供給/回転バルブ31を介して(典型的には、Sweco社の篩いである)篩い37まで導向され、其処で、粉砕された所定サイズの粒子38は、分離および収集される。所定サイズより大きな粒子36は、回転バルブ33およびダクト12を介して細断ファン14まで方向変換して戻される。
【0062】
粒子サイズを減少することに加えて細断ファン14は、循環空気負荷の適切な移動も促進し得るハンマ粉砕機として作用する。
【0063】
(実施例)
本発明の本質が更に明瞭に理解され得るために、次に本発明の好適形態は、以下の非限定的な例に関して記述される。
【実施例1】
【0064】
この実験例においては、粗粒状粉末を生成する本発明に係る方法の能力が吟味された。
【0065】
材料:
乾燥したニンニク薄片:ニンニク薄片は、4〜6%の水分
細断ファン:17Hz
塵埃収集器:空気流は、22m/秒
【0066】
試験方法:
空気取入口に対して取付けられた脱湿器、HEPAフィルタおよびヒータを使用すると共に上記細断ファンおよび吸引ファンを始動させることで、上記回路内には、濾過された乾燥空気負荷が確立された。取入口空気温度が略々50℃に達したときに1kgの乾燥ニンニク薄片が、上記ヒータの直後に配置された供給/回転バルブ内に略々0.5kg/分の割合で供給された。
【0067】
結果:
完成したニンニク粉末は、Sweco社の篩いを用いて、20メッシュ網体を通過する生成物および100メッシュ網体を通過する生成物に分割された。20メッシュ網体を通過するが100メッシュ網体を通過しない生成物は、最終生成物として計量された。100メッシュ網体を通過する生成物は微粒子と見なされた。
【0068】
【表1】

【0069】
結論:
このデータは、本発明に係る上記方法は、標準的な粉砕機器により生成された微粒子をそれほど喪失せずに粗粒状粉末を生成し得ることの証拠を提供する(40〜60%)。
【実施例2】
【0070】
生成される微粒子を最小限とし且つ戻りダクトと上昇ダクトとの間の空気流を平衡化する上記装置の最適な動作条件を決定するために、上記細断ファンおよび塵埃収集器の速度が以下の如く変更された。
【0071】
材料:
乾燥ニンニク薄片:4〜6%水分の100gのニンニク薄片サンプルが粉砕機内に供給された。完成したニンニク粉末は、Sweco社の篩いを用い、20メッシュ網体を通過する生成物および100メッシュ網体を通過する生成物に分割された。20メッシュ網体を通過するが100メッシュ網体を通過しない生成物は、最終生成物として計量された。100メッシュ網体を通過する生成物は、微粒子と見なされた。
【0072】
試験方法:
空気取入口に対して取付けられた脱湿器、HEPAフィルタおよびヒータを使用すると共に上記細断ファンおよび吸引ファンを始動させることで、上記回路内には、濾過された乾燥空気負荷が確立された。取入口空気温度が略々50℃に達したときに100グラムの乾燥ニンニク薄片サンプルが、上記ヒータの直後に配置された供給/回転バルブ内に供給された。
【0073】
塵埃収集器速度:50Hz
結果:
【0074】
【表2】

【0075】
結論:
この実験は、粉砕機の効率を改善し且つ微粒子を低減するための最も効率的な設定は、1800rpmにおける上記細断ファンおよび50Hzにおける塵埃収集器の動作であることを例証した。
【0076】
これらの設定において、測定された空気体積は、戻りダクトおよび上昇ダクトにおけるものと平衡化され又は、同一であった。理論に縛られること無く、空気流を平衡化させると、上記細断ファンの回りにおける空洞形成が低減することにより粉砕機における微粒子の生成が低減されると確信される。上記上昇ダクトにおいて測定された空気流は約760m/sであり、これは、上記サイクロンの効率を高めるものと思われる。
【実施例3】
【0077】
以下の実験例は、業務用砂糖製造において本発明の方法を使用し、粒子サイズ範囲の制御を強化すると上等な砂糖製品が生成されること例証している。
【0078】
先ず、市販の粉末白砂糖(castor sugar)がその粒子サイズ分布に対して分析された。次に、20〜30m/sの空気流範囲および5〜50℃の温度範囲により、図1に示された粉砕機を用いて2kgの粉末白砂糖のサンプルが本発明の方法に従い処理された。上記粉砕機は、約110℃まで動作可能であるが、動作温度は、粉砕されつつある材料に依存することを銘記されたい。例えば、本発明の上記方法を用いて砂糖を粉砕する場合、周囲温度が使用されると共に、脱湿されてHEPA濾過された空気が気体として使用される。
【0079】
次に各材料の100gのサンプルが、フリッチュ社(Fritsch)の振動式篩震動器であるAnalysette 3 SPARTAN Pulverisetteにより、強度3にて20分間分析された。結果は、表3および表4に示される。
【0080】
【表3】

【0081】
【表4】

*マイクロメータ分析による平均粒子サイズは、0.5の砂糖/パラフィン比率(重量)にて実施された。
【0082】
図2は、本発明に従い粉砕された粉末白砂糖と比較した市販の粉末白砂糖に対するマイクロメータ分析による平均粒子サイズを示している。夫々の画分に対する平均粒子サイズは、各列の頂部に示される。篩いにかけられないサンプルに対する平均粒子サイズは、未処理の粉末白砂糖に対して432μmであり且つ粉砕された粉末白砂糖に対して74μmであった。
【0083】
第2の市販の精製白砂糖が、その粒子サイズ分布に対して分析された。次に、23℃の周囲温度(取入口温度31℃;吐出口温度36℃)にて20〜30m/sの範囲の空気流にて図1に示された粉砕機を用いて本発明の方法に従い、10kgの精製白砂糖のサンプルが処理された。
【0084】
次に、各材料の100gのサンプルが、フリッチュ社の振動式篩震動器であるAnalysette 3 SPARTAN Pulverisetteにより、強度3にて20分間、分析された。結果は、表5および表6に示される。
【0085】
【表5】

【0086】
【表6】

*マイクロメータ分析による平均粒子サイズは、0.5の砂糖/パラフィン比率(重量)にて実施された。
【0087】
図3は、本発明に従い粉砕された白砂糖と比較した市販の精製白砂糖に対するマイクロメータ分析による平均粒子サイズを示している。夫々の画分に対する平均粒子サイズは、各列の頂部に示される。篩いにかけられないサンプルに対する平均粒子サイズは、未処理の白砂糖に対して619μmであり且つ粉砕された白砂糖に対して43μmであった。
【0088】
結論:
上記結果は、本発明に記述された方法および機械を用いると、市販の粉末白砂糖と比較して狭い範囲内の更に小寸の粒子サイズが生成され得ることを例証している。例えば、粉砕された粉末白砂糖の95%超(表3)が38〜125μmであり、これは、30%以上が425μm超の粒子サイズを有すると共に<425〜63μmに亙る粒子サイズの大きな分布を有する市販粉末白砂糖より小寸であった。
【0089】
本記述および各請求項において使用される‘を備える’という語句および‘を備える’という語句の各形態は、権利請求された発明が任意の変形もしくは、付加を排除することを定義しているのではない。
【0090】
当業者であれば、本発明に対する改変および改良は、容易に明らかであろう。斯かる改変および改良は、本発明の有効範囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の一実施例において、使用される粉砕機を示す図である。
【図2】図2は、実施例3において、本発明に従い粉砕された粉末白砂糖と比較した市販の粉末白砂糖に対するマイクロメータ分析による平均粒子サイズのグラフである。
【図3】図3は、実施例3において、本発明に従い粉砕された白砂糖と比較した市販の精製白砂糖に対するマイクロメータ分析による平均粒子サイズのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サイズ範囲の粒子を調製する方法であって、
(A)(a)材料を粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、
を備える回路内へと材料を導入する工程と、
(B)上記材料を上記粉砕機に対して循環させる工程と、
(C)上記材料を粉砕して粒子を生成する工程と、
(D)上記粒子を上記分離器に対して循環させる工程と、
(E)上記粒子を、上記所定サイズ範囲を有する第1粒子と、上記所定サイズ範囲よりも大きなサイズを有する第2粒子とに分離する工程と、
(F)上記回路から上記第1粒子を取出す工程と、
(G)更なる粉砕のために上記第2粒子を上記粉砕機に対して循環させる工程とを備えて成る、
前記所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項2】
連続的または、半連続的に動作されたときの請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項3】
前記工程(E)は、前記粒子を篩いにより篩い分けして前記第1粒子を回収する工程を含む、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項4】
前記工程(E)は、前記粒子をサイクロンにより分離する工程を含む、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項5】
前記工程(C)は、前記材料を細断ファンにより細断する工程を含む、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項6】
前記気体は、HEPA濾過および脱湿される、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項7】
前記気体は、乾燥空気である、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項8】
前記気体は、前記材料の特性に調和すべく調整される、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項9】
前記材料は、ニンニク、オニオン、西洋ワサビ、ココア、果樹およびブドウ抽出物、砂糖、ミルクの粉末もしくは、抽出物、ラクトース、および、それらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項10】
6%以下の水分含有量を有する乾燥材料から所定サイズ範囲の粒子を調製する方法であって、
(A)(a)乾燥材料を粗粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記乾燥材料および上記粗粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粗粒子を分離する分離器と、
を備える回路内へと乾燥材料を導入する工程と、
(B)上記材料を上記粉砕機に対して循環させる工程と、
(C)上記材料を粉砕して粒子を生成する工程と、
(D)上記粒子を上記分離器に対して循環させる工程と、
(E)上記粒子を、上記所定サイズ範囲を有する第1粒子と、上記所定サイズ範囲よりも大きなサイズを有する第2粒子とに分離する工程と、
(F)上記回路から上記第1粒子を取出す工程と、
(G)更なる粉砕のために上記第2粒子を上記粉砕機に対して循環させる工程とを備えて成り、
上記気体は、HEPA濾過および脱湿され、且つ、
上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粗粒子が上記粉砕機から外方に搬送されることで微粒子の生成が低減される様に上記粉砕機の速度と平衡化される、
前記所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項11】
前記乾燥材料は、6%以下の湿分含有量を有する、請求項10記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項12】
前記所定サイズ範囲を有する前記粒子は、該粒子の40%未満が100メッシュ篩いを通過する如きサイズ分布である、請求項10記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項13】
前記粒子の20%未満が100メッシュ篩いを通過する、請求項12記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項14】
前記粒子の5%未満が100メッシュ篩いを通過する、請求項13記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項15】
前記乾燥材料は、ニンニク、オニオン、西洋ワサビ、ココア、果樹およびブドウ抽出物、砂糖、ミルクの粉末もしくは、抽出物、ラクトース、カカオ豆、および、それらの混合物から成る群から選択される、請求項10記載の所定サイズ範囲の粒子を調製する方法。
【請求項16】
材料から所定サイズ範囲を有する粒子を調製する装置であって、該装置は、
(a)上記材料を粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、
を備える回路を備え、
上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粒子が上記粉砕機から外方に搬送されることで、所望粒子サイズ範囲外の粒子の生成が低減される様に上記粉砕機の速度と平衡化される、
前記所定サイズ範囲を有する粒子を調製する装置。
【請求項17】
前記所定サイズ範囲の粒子を回収する篩いを更に備えて成る、請求項16記載の粉砕機。
【請求項18】
(a)材料を粒子に粉砕する粉砕機と、
(b)上記材料および上記粒子が捕捉された当該回路を通して気体の流れを循環させる気体循環器と、
(c)上記所定サイズ範囲よりも大きな粒子から、該所定サイズ範囲の粒子を分離する分離器と、
を備える回路であって、
上記回路内の気体流は、上記所定サイズ範囲の上記粒子が上記粉砕機から外方に搬送されることで、上記所定粒子サイズ範囲外の粒子の生成が低減される様に上記粉砕機の速度と平衡化されるという前記回路内へと、材料を導入することにより生成された所定サイズ範囲を有する粒子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−525843(P2009−525843A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552648(P2008−552648)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000116
【国際公開番号】WO2007/090229
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(506381821)ホリズン サイエンス ピーティーワイ リミテッド (7)
【Fターム(参考)】