杭と鉄骨柱との接合構造
【課題】杭と柱との接合構造において、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定し且つ基礎梁を設けることを可能とし、地盤掘削量やコンクリート数量の削減も可能にする。
【解決手段】杭１とその上方に配置される鉄骨柱２との接合構造において、鉄骨柱２を、柱部２１と、平面視において柱部２１よりも大きく形成されて柱部２１の下端に一体接合され、複数の鉄筋挿通孔２３を柱部２１の周囲に形成する柱ベースプレート２２とを有するように構成する。杭１の上端に、平面視において杭１よりも大きく形成されて複数の鉄筋挿通孔３３を杭１の周囲に配置する杭頭接合プレート３を接合し、上下方向に延在する主筋４１を、鉄筋挿通孔３３，２３に挿通して下端および上端をそれぞれ杭頭接合プレート３および柱ベースプレート２２に固定し、主筋４１を巻き込むコンクリート構造体５を、柱ベースプレートの下面２２ｂに至るように構築する。
【解決手段】杭１とその上方に配置される鉄骨柱２との接合構造において、鉄骨柱２を、柱部２１と、平面視において柱部２１よりも大きく形成されて柱部２１の下端に一体接合され、複数の鉄筋挿通孔２３を柱部２１の周囲に形成する柱ベースプレート２２とを有するように構成する。杭１の上端に、平面視において杭１よりも大きく形成されて複数の鉄筋挿通孔３３を杭１の周囲に配置する杭頭接合プレート３を接合し、上下方向に延在する主筋４１を、鉄筋挿通孔３３，２３に挿通して下端および上端をそれぞれ杭頭接合プレート３および柱ベースプレート２２に固定し、主筋４１を巻き込むコンクリート構造体５を、柱ベースプレートの下面２２ｂに至るように構築する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、杭と鉄骨柱との接合構造に係り、特に基礎梁やフーチングを設けることなく杭と鉄骨柱とを直接接合するのに適した接合構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、鉄骨造建物の杭基礎は、最下階のスラブ面から所定寸法下がった位置に杭頭が位置するように複数の杭を地盤中に構築し、各杭の杭頭を巻き込むようにフーチングを構築するとともに、これらフーチングを地中梁で連結して一体化したうえで、フーチングに建物の柱を接合する構造が一般的であった。ところが、近年、フーチングおよび地中梁を設けずに杭と柱とを直接接合する構造が採用され始めている。この構造によれば、大幅な工期の短縮およびコストの削減を図ることができる。
【０００３】
このような杭と柱との直接接合構造として、柱の下部にベースプレートを設け、ベースプレートよりも下側の脚部を杭頭の内部に挿入した状態で、杭頭の上面に突出させたアンカーボルトにベースプレートを高さ調整可能に支持させるようにしたものが知られている（例えば、特許文献１，２参照）。
【０００４】
一方、鉄骨柱の脚部を杭頭内に挿入すると、杭径が必要以上に大きくなることがあるため、これを改善するための接合構造として、ＰＨＣ杭の頂部端板にＰＨＣ杭と同一外径寸法を有する鋼管を接合し、鉄骨柱の脚部を鋼管内に挿入するようにした発明（特許文献３参照）や、柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定できるようにするために、杭頭に設置した杭頭接合部プレートのボルトに鉄骨柱のベースプレートを高さ調整可能に支持させるようにした発明（特許文献４参照）なども提案されている。
【０００５】
さらに、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定でき、且つ一本の柱を一本の杭に支持させつつ、基礎梁を設置する態様をも可能にした接合構造として、杭の頭部を巻き込むように構築するフーチング内において、鉄骨柱のベースプレートをフーチング上に固定するために、杭頭部の周囲にアンカーボルトを配置し、これらアンカーボルトを取り囲むようにフープ筋を巻くようにした発明も公知となっている（特許文献５参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特許第３６７１３４２号公報
【特許文献２】特許第４４０５６３９号公報
【特許文献３】特許第３８００５３５号公報
【特許文献４】特開２００２−１８８１５４号公報
【特許文献５】特開２００６−１６１２７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、特許文献５の発明は、杭径の１〜１．５倍の長さにわたって杭頭を巻き込むようにフーチングを構築しなければならず、接合作業のための地盤掘削量が多くなる。また、掘削が深くなることにより、地盤状況によっては山留めなどの仮設設備も必要となる可能性がある。そのため、掘削関連費用の増大は避けられない。また、フーチングの高さが大きいため、コンクリート数量も大きい。
【０００８】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定でき、且つ基礎梁を設けることも可能な杭と柱との接合構造において、地盤掘削量やコンクリート数量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するために、本発明は、杭（１）と該杭の上方に配置される鉄骨柱（２）との接合構造において、鉄骨柱は、柱部（２１）と、該柱部の下端に一体に設けられ、平面視において柱部よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔（２３）が柱部の周囲に形成された柱ベースプレート（２２）とを有するものであり、杭の上端に接合され、平面視において杭よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔（３３）が杭の周囲に形成された杭頭接合プレート（３）と、上下方向に延在し、鉄筋挿通孔（３３，２３）に挿通されて下端および上端がそれぞれ杭頭接合プレートおよび柱ベースプレートに固定される主筋（４１）と、主筋を巻き込み、且つ柱ベースプレートの下面（２２ｂ）に至るように構築されたコンクリート構造体（５）とを備えるように構成する。
【００１０】
この発明によれば、杭と鉄骨柱とが、杭頭接合プレートに固定された主筋、および主筋を巻き込むコンクリート構造体を介して接合されるため、杭径と鉄骨柱の断面寸法との関係に関わらず接合可能である。したがって、従来のように鉄骨柱を納めるために杭径を大きくする必要がなく、施工コストを低減することができる。また、主筋の下端が杭頭接合プレートを介して杭頭に固定されるため、杭頭の周囲に杭径に応じた巻き込みコンクリートを構築する必要がなく、地盤掘削量およびコンクリート数量を削減することができる。
【００１１】
また、この発明によれば、鉄骨柱がコンクリート構造体の内部に挿入されないため、基礎梁を設ける場合であっても、基礎梁の鉄筋が鉄骨柱に干渉することがなく、コンクリート構造体に基礎梁を連結する態様にも適用できる。さらに、杭頭接合プレートおよび柱ベースプレートに形成する鉄筋挿通孔の位置設定により、主筋を任意の位置に配置することができるため、基礎梁の鉄筋や柱筋、アンカーボルトとの干渉によって配筋に支障を来すことも回避できる。さらに、コンクリート構造体の構築後に鉄骨柱を建て込むことが可能であるため、鉄骨柱の製作工程を長くとることもできる。
【００１２】
また、本発明の一側面によれば、杭頭接合プレートと柱ベースプレートとの間に配置され、鉄骨柱の建て込み時の支持に供される仮設支持部材（６）を更に備える構成とすることができる。
【００１３】
この構成によれば、仮設支持部材を配置した状態でベースプレートと杭頭接合プレートとを主筋により連結して鉄骨柱を固定することができるため、コンクリート構造体の構築に時間がかかる場合などには、コンクリート構造体の構築前に鉄骨柱の建て込みを行うことも可能になる。そのため、例えば基礎梁を構築する場合など、コンクリート構造体の構築に長期間を要する場合の工期短縮や、鉄骨柱の建て込み前のコンクリート構造体の養生期間をなくすことによる工期短縮を図ることができる。
【００１４】
また、本発明の一側面によれば、杭頭接合プレートの鉄筋挿通孔、柱ベースプレートの鉄筋挿通孔および主筋が、平面視で矩形に配置された構成とすることができる。
【００１５】
この構成によれば、主筋の配列方向が２方向となるため、基礎梁を設置する場合に基礎梁の鉄筋と主筋との干渉を避けることができる。
【００１６】
また、本発明の一側面によれば、杭は、複数の雌ねじ孔（１２）が形成された環状の端板部材（１１）を上端に有し、杭頭接合プレートは、端板部材にボルト接合された構成とすることができる。
【００１７】
この構成によれば、天候などの条件に左右されずに杭頭接合プレートを杭に接合できるため、溶接に比べて工程の遵守が容易であり、施工も容易である。また、機械式接合とすることで杭頭接合プレートの杭頭に対する接合を確実なものとすることができる。
【００１８】
また、本発明の一側面によれば、コンクリート構造体は、杭の頭部（１Ｈ）を巻き込むように杭頭接合プレートの下方に至って構築された構成とすることができる。
【００１９】
この構成によれば、杭頭接合プレートがコンクリート構造体内に埋設されるため、杭頭接合プレートの変形や腐食を防止できる。また、コンクリート構造体と杭との接合をより強固なものにすることができる。
【発明の効果】
【００２０】
このように本発明によれば、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定でき、且つ杭と柱とを直接接合する場合と基礎梁を設ける場合との両方に適用できる杭と柱との接合構造において、地盤掘削量およびコンクリート数量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】実施形態に係る杭と鉄骨柱との接合構造の断面図である。
【図２】図１中のII−II線に沿う断面図である。
【図３】図１中のIII−III線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、図面を参照しながら本発明に係る杭１と鉄骨柱２との接合構造の一実施形態について説明する。
【００２３】
図１に示すように、本発明に係る杭１と鉄骨柱２との接合構造は、一本の杭１に一本の鉄骨柱２を支持させるようにしたものであり、ここでは、コンクリート構造体５により構成される接合部分が最下階（ここでは１階）の床面７よりも低い位置に設定されている。
【００２４】
杭１は、ＰＨＣパイル（プレテンション方式高強度プレストレストコンクリート杭）であり、図示しないＰＣケーブルに製造時に与えた緊張力を保持するべく、上下端に配置された金属性の端板部材１１を備えている。端板部材１１は、杭１の上面（以下、杭頭面１ａと記す。）を画成するリング状平板部分１１ａと、リング状平板部分１１ａの外周縁に連結して杭１の外周面１ｓの上部を画成する筒状部分１１ｂとから構成される。端板部材１１のリング状平板部分１１ａには、周方向に所定の間隔をもって複数（ここでは１６個）の雌ねじ孔１２が形成されている。
【００２５】
鉄骨柱２は、一定断面に形成された柱部２１と、柱部２１の下端に一体接合され、平面視において柱部２１よりも大きく形成された柱ベースプレート２２とを有しており、杭頭面１ａから所定の間隔をおいて杭１の上方に配置されている。
【００２６】
図２に示すように、柱部２１は、断面が略正方形を呈する中空の四角柱である。柱ベースプレート２２は、柱部２１の断面寸法よりも大きな平面寸法を有する略正方形の平板であり、その中心に柱部２１が接合されるとともに、その外縁に沿って矩形をなすように所定の間隔をもって配置された複数（ここでは１６個）の鉄筋挿通孔２３が柱部２１の周囲に形成されている。そして、鉄骨柱２は、柱部２１の少なくとも一部が杭頭面１ａに重なり、柱ベースプレート２２が杭頭面１ａを完全に覆うように杭１の直上に配置される。
【００２７】
図１，図３に示すように、杭頭面１ａには、平面視において杭１よりも大きく形成された杭頭接合プレート３が接合されている。具体的には、杭頭接合プレート３は、杭１の外径よりも大きな辺長を有する略正方形に形成され、端板部材１１の雌ねじ孔１２に対応する中心位置に形成された１６個のボルト通し孔３１に挿入されたボルト３２により端板部材１１に接合されている。なお、このボルト３２は、後述する主筋４１と同一径に形成され、且つ主筋４１と同一本数となるように設けられている。また、杭頭接合プレート３には、その外縁に沿って矩形をなすように、柱ベースプレート２２の鉄筋挿通孔２３に対応した位置に配置された１６個の鉄筋挿通孔３３が杭１の周囲に形成されている。
【００２８】
杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間には、下端が杭頭接合プレート３の上面に当接し、上端が柱ベースプレート２２の下面２２ｂに当接する仮設支持部材６が配置される。仮設支持部材６は、Ｈ形鋼からなり、その外側面６ｓには、略水平方向へ突出するスタッド６１が高さ方向および水平方向に所定の間隔をおいて複数植設されている。なお、仮設支持部材６は、後記するように建て込み時に鉄骨柱２を支持するために用いることができる。
【００２９】
仮設支持部材６の周囲には、平面視で矩形を呈する鉄筋かご４が配置されている。鉄筋かご４は、上下端が柱ベースプレート２２と杭頭接合プレート３とに固定されて上下方向に延在し、水平方向に所定間隔をもって平面視矩形に配置された複数（１６本）の主筋４１と、これら主筋４１を取り囲むように平面視矩形を呈し、上下方向に所定の間隔をもって水平に配置された複数の帯筋４２とから構成される。各主筋４１の上下端には雄ねじ部４１ａ，４１ｂが形成されており、両雄ねじ部４１ａ，４１ｂが鉄筋挿通孔２３，３３に挿通された状態でそれぞれナット４３，４４により柱ベースプレート２２および杭頭接合プレート３に固定される。なお、主筋４１の固定は、仮設支持部材６によって柱ベースプレート２２と杭頭接合プレート３との接近が規制されるため、柱ベースプレート２２に対してはナット４３を上側から締め付け、杭頭接合プレート３に対してはナット４４を下側から締め付けることで行い得るが、柱ベースプレート２２および杭頭接合プレート３をそれぞれ挟み込むようにナット４３，４４を一対に用いてもよい。
【００３０】
また、杭１と鉄骨柱２との間には、主筋４１を巻き込む矩形断面を呈するコンクリート構造体５が、杭頭接合プレート３の下方に至って杭１の頭部１Ｈを巻き込み、且つ柱ベースプレート２２の下面２２ｂに至るように構築されている。
【００３１】
このように構成された杭１と鉄骨柱２との接合構造によれば、杭１と鉄骨柱２とが一体に接合され、鉄骨柱２の軸力が柱ベースプレート２２から主筋４１およびコンクリート構造体５を介して杭頭接合プレート３へ伝達され、さらに杭頭接合プレート３から杭１に伝達されるようになる。そして、杭１と鉄骨柱２とを、杭頭接合プレート３、主筋４１およびコンクリート構造体５を介して接合したことにより、杭径と鉄骨柱２の断面寸法との関係に関わらず接合可能となる。したがって、従来のように鉄骨柱２を納めるために杭径を大きくする必要がなく、施工コストを低減できる。また、主筋４１の下端が杭頭接合プレート３を介して杭１の頭部１Ｈに固定されるため、杭１の頭部１Ｈの周囲に杭径に応じた巻き込みコンクリートを構築する必要がなく、地盤掘削量およびコンクリート数量を削減することができる。
【００３２】
また、鉄骨柱２がコンクリート構造体５の内部に挿入されないため、基礎梁を設ける場合であっても、基礎梁の鉄筋が鉄骨柱２に干渉することがなく、仮設支持部材６の形状および配置を適宜変更することで、コンクリート構造体５に基礎梁を連結する態様にも適用できる。
【００３３】
さらに、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間に仮設支持部材６が配置されたことにより、仮設支持部材６を配置した状態で柱ベースプレート２２と杭頭接合プレート３とを主筋４１により連結して鉄骨柱２を固定することができ、コンクリート構造体５の構築に時間がかかる場合などに、コンクリート構造体５の構築前に鉄骨柱２の建て込みを行うことが可能となるばかりでなく、コンクリート構造体５の構築後に鉄骨柱２を建て込むことも可能であるため、鉄骨柱２の製作工程を長くとることもできる。
【００３４】
また、主筋４１、杭頭接合プレート３の鉄筋挿通孔３３および柱ベースプレート２２の鉄筋挿通孔２３が平面視で矩形に配置されたことにより、主筋４１の配列方向が２方向となり、基礎梁を設置する場合に基礎梁の鉄筋と主筋４１との干渉を避けることができる。一方、雌ねじ孔１２に螺合するボルト３２により杭頭接合プレート３が端板部材１１に接合されたことにより、天候などの条件に左右されずに容易且つ確実に杭頭接合プレート３を杭１に固定することができる。
【００３５】
また、コンクリート構造体５が杭１の頭部１Ｈを巻き込むように杭頭接合プレート３の下方に至って構築されたことにより、杭頭接合プレート３の変形や腐食が抑制されるとともに、コンクリート構造体５と杭１との接合がより強固なものとなっている。
【００３６】
なお、本実施形態では、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２とを主筋４１によって連結しているが、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間隔を十分大きくとっているため、杭頭配置に水平方向の施工誤差が生じていても、主筋４１の倒れで水平方向の施工誤差を吸収して鉄骨柱２を適正な位置に配置することができる。或いは、杭頭接合プレート３の鉄筋挿通孔３３をルーズ孔にすることで、杭頭配置に生じた水平方向の施工誤差を吸収することも可能である。また、杭頭配置に鉛直方向の施工誤差が生じていても、仮設支持部材６の長さを調整することで鉛直方向の施工誤差を吸収して鉄骨柱２を適正な位置に配置することができる。
【００３７】
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間に仮設支持部材６を配置しているが、仮設支持部材６を配置しない形態とすることも可能である。この場合、鉄骨柱２の建て込み作業がコンクリート構造体５の構築後に限定されるが、コンクリート構造体５の内部に基礎梁の鉄筋などをより容易に配置することができる。
【００３８】
また、上記実施形態では、主筋４１、杭頭接合プレート３の鉄筋挿通孔３３および柱ベースプレート２２の鉄筋挿通孔２３を平面視で矩形に配置し、コンクリート構造体５を矩形断面に形成しているが、これらの形状は矩形に限定されるものではなく、特に基礎梁を設けない場合などには円形にしてもよい。また、上記実施形態では、杭頭接合プレート３をボルト３２によって端板部材１１に接合しているが、溶接など他の接合手段を用いてもよい。また、上記実施形態では、基礎梁を設けていないが、基礎梁を設けることも可能であり、さらに接合部の周囲にフーチングを設けることも可能である。これら変更のほか、各部材の具体的形状や、配置、数量など、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【００３９】
１ 杭
１Ｈ 頭部
１ａ 杭頭面
２ 鉄骨柱
３ 杭頭接合プレート
５ コンクリート構造体
６ 仮設支持部材
１１ 端板部材
１２ 雌ねじ孔
２１ 柱部
２２ 柱ベースプレート
２２ｂ 下面
２３ 鉄筋挿通孔
３２ ボルト
３３ 鉄筋挿通孔
４１ 主筋
４１ａ，４１ｂ 雄ねじ部
４３，４４ ナット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、杭と鉄骨柱との接合構造に係り、特に基礎梁やフーチングを設けることなく杭と鉄骨柱とを直接接合するのに適した接合構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、鉄骨造建物の杭基礎は、最下階のスラブ面から所定寸法下がった位置に杭頭が位置するように複数の杭を地盤中に構築し、各杭の杭頭を巻き込むようにフーチングを構築するとともに、これらフーチングを地中梁で連結して一体化したうえで、フーチングに建物の柱を接合する構造が一般的であった。ところが、近年、フーチングおよび地中梁を設けずに杭と柱とを直接接合する構造が採用され始めている。この構造によれば、大幅な工期の短縮およびコストの削減を図ることができる。
【０００３】
このような杭と柱との直接接合構造として、柱の下部にベースプレートを設け、ベースプレートよりも下側の脚部を杭頭の内部に挿入した状態で、杭頭の上面に突出させたアンカーボルトにベースプレートを高さ調整可能に支持させるようにしたものが知られている（例えば、特許文献１，２参照）。
【０００４】
一方、鉄骨柱の脚部を杭頭内に挿入すると、杭径が必要以上に大きくなることがあるため、これを改善するための接合構造として、ＰＨＣ杭の頂部端板にＰＨＣ杭と同一外径寸法を有する鋼管を接合し、鉄骨柱の脚部を鋼管内に挿入するようにした発明（特許文献３参照）や、柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定できるようにするために、杭頭に設置した杭頭接合部プレートのボルトに鉄骨柱のベースプレートを高さ調整可能に支持させるようにした発明（特許文献４参照）なども提案されている。
【０００５】
さらに、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定でき、且つ一本の柱を一本の杭に支持させつつ、基礎梁を設置する態様をも可能にした接合構造として、杭の頭部を巻き込むように構築するフーチング内において、鉄骨柱のベースプレートをフーチング上に固定するために、杭頭部の周囲にアンカーボルトを配置し、これらアンカーボルトを取り囲むようにフープ筋を巻くようにした発明も公知となっている（特許文献５参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特許第３６７１３４２号公報
【特許文献２】特許第４４０５６３９号公報
【特許文献３】特許第３８００５３５号公報
【特許文献４】特開２００２−１８８１５４号公報
【特許文献５】特開２００６−１６１２７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、特許文献５の発明は、杭径の１〜１．５倍の長さにわたって杭頭を巻き込むようにフーチングを構築しなければならず、接合作業のための地盤掘削量が多くなる。また、掘削が深くなることにより、地盤状況によっては山留めなどの仮設設備も必要となる可能性がある。そのため、掘削関連費用の増大は避けられない。また、フーチングの高さが大きいため、コンクリート数量も大きい。
【０００８】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定でき、且つ基礎梁を設けることも可能な杭と柱との接合構造において、地盤掘削量やコンクリート数量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するために、本発明は、杭（１）と該杭の上方に配置される鉄骨柱（２）との接合構造において、鉄骨柱は、柱部（２１）と、該柱部の下端に一体に設けられ、平面視において柱部よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔（２３）が柱部の周囲に形成された柱ベースプレート（２２）とを有するものであり、杭の上端に接合され、平面視において杭よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔（３３）が杭の周囲に形成された杭頭接合プレート（３）と、上下方向に延在し、鉄筋挿通孔（３３，２３）に挿通されて下端および上端がそれぞれ杭頭接合プレートおよび柱ベースプレートに固定される主筋（４１）と、主筋を巻き込み、且つ柱ベースプレートの下面（２２ｂ）に至るように構築されたコンクリート構造体（５）とを備えるように構成する。
【００１０】
この発明によれば、杭と鉄骨柱とが、杭頭接合プレートに固定された主筋、および主筋を巻き込むコンクリート構造体を介して接合されるため、杭径と鉄骨柱の断面寸法との関係に関わらず接合可能である。したがって、従来のように鉄骨柱を納めるために杭径を大きくする必要がなく、施工コストを低減することができる。また、主筋の下端が杭頭接合プレートを介して杭頭に固定されるため、杭頭の周囲に杭径に応じた巻き込みコンクリートを構築する必要がなく、地盤掘削量およびコンクリート数量を削減することができる。
【００１１】
また、この発明によれば、鉄骨柱がコンクリート構造体の内部に挿入されないため、基礎梁を設ける場合であっても、基礎梁の鉄筋が鉄骨柱に干渉することがなく、コンクリート構造体に基礎梁を連結する態様にも適用できる。さらに、杭頭接合プレートおよび柱ベースプレートに形成する鉄筋挿通孔の位置設定により、主筋を任意の位置に配置することができるため、基礎梁の鉄筋や柱筋、アンカーボルトとの干渉によって配筋に支障を来すことも回避できる。さらに、コンクリート構造体の構築後に鉄骨柱を建て込むことが可能であるため、鉄骨柱の製作工程を長くとることもできる。
【００１２】
また、本発明の一側面によれば、杭頭接合プレートと柱ベースプレートとの間に配置され、鉄骨柱の建て込み時の支持に供される仮設支持部材（６）を更に備える構成とすることができる。
【００１３】
この構成によれば、仮設支持部材を配置した状態でベースプレートと杭頭接合プレートとを主筋により連結して鉄骨柱を固定することができるため、コンクリート構造体の構築に時間がかかる場合などには、コンクリート構造体の構築前に鉄骨柱の建て込みを行うことも可能になる。そのため、例えば基礎梁を構築する場合など、コンクリート構造体の構築に長期間を要する場合の工期短縮や、鉄骨柱の建て込み前のコンクリート構造体の養生期間をなくすことによる工期短縮を図ることができる。
【００１４】
また、本発明の一側面によれば、杭頭接合プレートの鉄筋挿通孔、柱ベースプレートの鉄筋挿通孔および主筋が、平面視で矩形に配置された構成とすることができる。
【００１５】
この構成によれば、主筋の配列方向が２方向となるため、基礎梁を設置する場合に基礎梁の鉄筋と主筋との干渉を避けることができる。
【００１６】
また、本発明の一側面によれば、杭は、複数の雌ねじ孔（１２）が形成された環状の端板部材（１１）を上端に有し、杭頭接合プレートは、端板部材にボルト接合された構成とすることができる。
【００１７】
この構成によれば、天候などの条件に左右されずに杭頭接合プレートを杭に接合できるため、溶接に比べて工程の遵守が容易であり、施工も容易である。また、機械式接合とすることで杭頭接合プレートの杭頭に対する接合を確実なものとすることができる。
【００１８】
また、本発明の一側面によれば、コンクリート構造体は、杭の頭部（１Ｈ）を巻き込むように杭頭接合プレートの下方に至って構築された構成とすることができる。
【００１９】
この構成によれば、杭頭接合プレートがコンクリート構造体内に埋設されるため、杭頭接合プレートの変形や腐食を防止できる。また、コンクリート構造体と杭との接合をより強固なものにすることができる。
【発明の効果】
【００２０】
このように本発明によれば、鉄骨柱脚部の納まりとは関係なく杭径を決定でき、且つ杭と柱とを直接接合する場合と基礎梁を設ける場合との両方に適用できる杭と柱との接合構造において、地盤掘削量およびコンクリート数量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】実施形態に係る杭と鉄骨柱との接合構造の断面図である。
【図２】図１中のII−II線に沿う断面図である。
【図３】図１中のIII−III線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、図面を参照しながら本発明に係る杭１と鉄骨柱２との接合構造の一実施形態について説明する。
【００２３】
図１に示すように、本発明に係る杭１と鉄骨柱２との接合構造は、一本の杭１に一本の鉄骨柱２を支持させるようにしたものであり、ここでは、コンクリート構造体５により構成される接合部分が最下階（ここでは１階）の床面７よりも低い位置に設定されている。
【００２４】
杭１は、ＰＨＣパイル（プレテンション方式高強度プレストレストコンクリート杭）であり、図示しないＰＣケーブルに製造時に与えた緊張力を保持するべく、上下端に配置された金属性の端板部材１１を備えている。端板部材１１は、杭１の上面（以下、杭頭面１ａと記す。）を画成するリング状平板部分１１ａと、リング状平板部分１１ａの外周縁に連結して杭１の外周面１ｓの上部を画成する筒状部分１１ｂとから構成される。端板部材１１のリング状平板部分１１ａには、周方向に所定の間隔をもって複数（ここでは１６個）の雌ねじ孔１２が形成されている。
【００２５】
鉄骨柱２は、一定断面に形成された柱部２１と、柱部２１の下端に一体接合され、平面視において柱部２１よりも大きく形成された柱ベースプレート２２とを有しており、杭頭面１ａから所定の間隔をおいて杭１の上方に配置されている。
【００２６】
図２に示すように、柱部２１は、断面が略正方形を呈する中空の四角柱である。柱ベースプレート２２は、柱部２１の断面寸法よりも大きな平面寸法を有する略正方形の平板であり、その中心に柱部２１が接合されるとともに、その外縁に沿って矩形をなすように所定の間隔をもって配置された複数（ここでは１６個）の鉄筋挿通孔２３が柱部２１の周囲に形成されている。そして、鉄骨柱２は、柱部２１の少なくとも一部が杭頭面１ａに重なり、柱ベースプレート２２が杭頭面１ａを完全に覆うように杭１の直上に配置される。
【００２７】
図１，図３に示すように、杭頭面１ａには、平面視において杭１よりも大きく形成された杭頭接合プレート３が接合されている。具体的には、杭頭接合プレート３は、杭１の外径よりも大きな辺長を有する略正方形に形成され、端板部材１１の雌ねじ孔１２に対応する中心位置に形成された１６個のボルト通し孔３１に挿入されたボルト３２により端板部材１１に接合されている。なお、このボルト３２は、後述する主筋４１と同一径に形成され、且つ主筋４１と同一本数となるように設けられている。また、杭頭接合プレート３には、その外縁に沿って矩形をなすように、柱ベースプレート２２の鉄筋挿通孔２３に対応した位置に配置された１６個の鉄筋挿通孔３３が杭１の周囲に形成されている。
【００２８】
杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間には、下端が杭頭接合プレート３の上面に当接し、上端が柱ベースプレート２２の下面２２ｂに当接する仮設支持部材６が配置される。仮設支持部材６は、Ｈ形鋼からなり、その外側面６ｓには、略水平方向へ突出するスタッド６１が高さ方向および水平方向に所定の間隔をおいて複数植設されている。なお、仮設支持部材６は、後記するように建て込み時に鉄骨柱２を支持するために用いることができる。
【００２９】
仮設支持部材６の周囲には、平面視で矩形を呈する鉄筋かご４が配置されている。鉄筋かご４は、上下端が柱ベースプレート２２と杭頭接合プレート３とに固定されて上下方向に延在し、水平方向に所定間隔をもって平面視矩形に配置された複数（１６本）の主筋４１と、これら主筋４１を取り囲むように平面視矩形を呈し、上下方向に所定の間隔をもって水平に配置された複数の帯筋４２とから構成される。各主筋４１の上下端には雄ねじ部４１ａ，４１ｂが形成されており、両雄ねじ部４１ａ，４１ｂが鉄筋挿通孔２３，３３に挿通された状態でそれぞれナット４３，４４により柱ベースプレート２２および杭頭接合プレート３に固定される。なお、主筋４１の固定は、仮設支持部材６によって柱ベースプレート２２と杭頭接合プレート３との接近が規制されるため、柱ベースプレート２２に対してはナット４３を上側から締め付け、杭頭接合プレート３に対してはナット４４を下側から締め付けることで行い得るが、柱ベースプレート２２および杭頭接合プレート３をそれぞれ挟み込むようにナット４３，４４を一対に用いてもよい。
【００３０】
また、杭１と鉄骨柱２との間には、主筋４１を巻き込む矩形断面を呈するコンクリート構造体５が、杭頭接合プレート３の下方に至って杭１の頭部１Ｈを巻き込み、且つ柱ベースプレート２２の下面２２ｂに至るように構築されている。
【００３１】
このように構成された杭１と鉄骨柱２との接合構造によれば、杭１と鉄骨柱２とが一体に接合され、鉄骨柱２の軸力が柱ベースプレート２２から主筋４１およびコンクリート構造体５を介して杭頭接合プレート３へ伝達され、さらに杭頭接合プレート３から杭１に伝達されるようになる。そして、杭１と鉄骨柱２とを、杭頭接合プレート３、主筋４１およびコンクリート構造体５を介して接合したことにより、杭径と鉄骨柱２の断面寸法との関係に関わらず接合可能となる。したがって、従来のように鉄骨柱２を納めるために杭径を大きくする必要がなく、施工コストを低減できる。また、主筋４１の下端が杭頭接合プレート３を介して杭１の頭部１Ｈに固定されるため、杭１の頭部１Ｈの周囲に杭径に応じた巻き込みコンクリートを構築する必要がなく、地盤掘削量およびコンクリート数量を削減することができる。
【００３２】
また、鉄骨柱２がコンクリート構造体５の内部に挿入されないため、基礎梁を設ける場合であっても、基礎梁の鉄筋が鉄骨柱２に干渉することがなく、仮設支持部材６の形状および配置を適宜変更することで、コンクリート構造体５に基礎梁を連結する態様にも適用できる。
【００３３】
さらに、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間に仮設支持部材６が配置されたことにより、仮設支持部材６を配置した状態で柱ベースプレート２２と杭頭接合プレート３とを主筋４１により連結して鉄骨柱２を固定することができ、コンクリート構造体５の構築に時間がかかる場合などに、コンクリート構造体５の構築前に鉄骨柱２の建て込みを行うことが可能となるばかりでなく、コンクリート構造体５の構築後に鉄骨柱２を建て込むことも可能であるため、鉄骨柱２の製作工程を長くとることもできる。
【００３４】
また、主筋４１、杭頭接合プレート３の鉄筋挿通孔３３および柱ベースプレート２２の鉄筋挿通孔２３が平面視で矩形に配置されたことにより、主筋４１の配列方向が２方向となり、基礎梁を設置する場合に基礎梁の鉄筋と主筋４１との干渉を避けることができる。一方、雌ねじ孔１２に螺合するボルト３２により杭頭接合プレート３が端板部材１１に接合されたことにより、天候などの条件に左右されずに容易且つ確実に杭頭接合プレート３を杭１に固定することができる。
【００３５】
また、コンクリート構造体５が杭１の頭部１Ｈを巻き込むように杭頭接合プレート３の下方に至って構築されたことにより、杭頭接合プレート３の変形や腐食が抑制されるとともに、コンクリート構造体５と杭１との接合がより強固なものとなっている。
【００３６】
なお、本実施形態では、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２とを主筋４１によって連結しているが、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間隔を十分大きくとっているため、杭頭配置に水平方向の施工誤差が生じていても、主筋４１の倒れで水平方向の施工誤差を吸収して鉄骨柱２を適正な位置に配置することができる。或いは、杭頭接合プレート３の鉄筋挿通孔３３をルーズ孔にすることで、杭頭配置に生じた水平方向の施工誤差を吸収することも可能である。また、杭頭配置に鉛直方向の施工誤差が生じていても、仮設支持部材６の長さを調整することで鉛直方向の施工誤差を吸収して鉄骨柱２を適正な位置に配置することができる。
【００３７】
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、杭頭接合プレート３と柱ベースプレート２２との間に仮設支持部材６を配置しているが、仮設支持部材６を配置しない形態とすることも可能である。この場合、鉄骨柱２の建て込み作業がコンクリート構造体５の構築後に限定されるが、コンクリート構造体５の内部に基礎梁の鉄筋などをより容易に配置することができる。
【００３８】
また、上記実施形態では、主筋４１、杭頭接合プレート３の鉄筋挿通孔３３および柱ベースプレート２２の鉄筋挿通孔２３を平面視で矩形に配置し、コンクリート構造体５を矩形断面に形成しているが、これらの形状は矩形に限定されるものではなく、特に基礎梁を設けない場合などには円形にしてもよい。また、上記実施形態では、杭頭接合プレート３をボルト３２によって端板部材１１に接合しているが、溶接など他の接合手段を用いてもよい。また、上記実施形態では、基礎梁を設けていないが、基礎梁を設けることも可能であり、さらに接合部の周囲にフーチングを設けることも可能である。これら変更のほか、各部材の具体的形状や、配置、数量など、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【００３９】
１ 杭
１Ｈ 頭部
１ａ 杭頭面
２ 鉄骨柱
３ 杭頭接合プレート
５ コンクリート構造体
６ 仮設支持部材
１１ 端板部材
１２ 雌ねじ孔
２１ 柱部
２２ 柱ベースプレート
２２ｂ 下面
２３ 鉄筋挿通孔
３２ ボルト
３３ 鉄筋挿通孔
４１ 主筋
４１ａ，４１ｂ 雄ねじ部
４３，４４ ナット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
杭と該杭の上方に配置される鉄骨柱との接合構造であって、
前記鉄骨柱は、柱部と、該柱部の下端に一体に設けられ、平面視において前記柱部よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔が前記柱部の周囲に形成された柱ベースプレートとを有するものであり、
前記杭の上端に接合され、平面視において前記杭よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔が前記杭の周囲に形成された杭頭接合プレートと、
上下方向に延在し、前記鉄筋挿通孔に挿通されて下端および上端がそれぞれ前記杭頭接合プレートおよび前記柱ベースプレートに固定される主筋と、
前記主筋を巻き込み、且つ前記柱ベースプレートの下面に至るように構築されたコンクリート構造体と
を備えたことを特徴とする杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項２】
建て込み時に前記鉄骨柱を支持するべく、前記杭頭接合プレートと前記柱ベースプレートとの間に配置された仮設支持部材を更に備えたことを特徴とする、請求項１に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項３】
前記杭頭接合プレートの鉄筋挿通孔、前記柱ベースプレートの鉄筋挿通孔および前記主筋が、平面視で矩形に配置されたことを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項４】
前記杭は、複数の雌ねじ孔が形成された環状の端板部材を上端に有し、
前記杭頭接合プレートは、前記端板部材にボルト接合されたことを特徴とする、請求項１〜請求項３のいずれか一項に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項５】
前記コンクリート構造体は、前記杭の頭部を巻き込むように前記杭頭接合プレートの下方に至って構築されたことを特徴とする、請求項１〜請求項４のいずれか一項に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項１】
杭と該杭の上方に配置される鉄骨柱との接合構造であって、
前記鉄骨柱は、柱部と、該柱部の下端に一体に設けられ、平面視において前記柱部よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔が前記柱部の周囲に形成された柱ベースプレートとを有するものであり、
前記杭の上端に接合され、平面視において前記杭よりも大きく形成されるとともに複数の鉄筋挿通孔が前記杭の周囲に形成された杭頭接合プレートと、
上下方向に延在し、前記鉄筋挿通孔に挿通されて下端および上端がそれぞれ前記杭頭接合プレートおよび前記柱ベースプレートに固定される主筋と、
前記主筋を巻き込み、且つ前記柱ベースプレートの下面に至るように構築されたコンクリート構造体と
を備えたことを特徴とする杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項２】
建て込み時に前記鉄骨柱を支持するべく、前記杭頭接合プレートと前記柱ベースプレートとの間に配置された仮設支持部材を更に備えたことを特徴とする、請求項１に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項３】
前記杭頭接合プレートの鉄筋挿通孔、前記柱ベースプレートの鉄筋挿通孔および前記主筋が、平面視で矩形に配置されたことを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項４】
前記杭は、複数の雌ねじ孔が形成された環状の端板部材を上端に有し、
前記杭頭接合プレートは、前記端板部材にボルト接合されたことを特徴とする、請求項１〜請求項３のいずれか一項に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【請求項５】
前記コンクリート構造体は、前記杭の頭部を巻き込むように前記杭頭接合プレートの下方に至って構築されたことを特徴とする、請求項１〜請求項４のいずれか一項に記載の杭と鉄骨柱との接合構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−５７４３２（Ｐ２０１２−５７４３２Ａ）
【公開日】平成２４年３月２２日（２０１２．３．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２０４０８３（Ｐ２０１０−２０４０８３）
【出願日】平成２２年９月１３日（２０１０．９．１３）
【出願人】（０００１７４９４３）三井住友建設株式会社 (346)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月２２日（２０１２．３．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月１３日（２０１０．９．１３）
【出願人】（０００１７４９４３）三井住友建設株式会社 (346)
【Ｆターム（参考）】
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