説明

杭埋設工法で用いる支持層到達推定方法および支持層到達推定支援装置

【課題】標準貫入試験で得られたN値のデータと、油圧駆動のオーガの仕事量の測定データとを対照させることにより、支持層への到達を正確に判定できるようにする。
【解決手段】オーガ装置により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとにN値を測定し、オーガ装置により地盤を掘削しながら、オーガ装置の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記オーガ装置の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出し、標準貫入試験により得られたN値のデータとオーガ装置の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照することにより、掘削深度が支持層に到達したかどうかを推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭埋設工法において、油圧駆動のオーガで地盤に杭を埋設する孔を掘削するときに支持層に到達したことを推定する方法およびその方法の実施を支援するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の杭埋設工法では、オーガにより地盤を掘削する前に、建築予定地の地盤にボーリングを行って標準貫入試験(JIS A 1219)を実施している。この標準貫入試験では、ボーリング孔の底にサンプラーを立て、ドライブハンマーを所定の高さから自由落下させて、サンプラーを地中に30cm貫入させるのに必要な打撃回数をN値として測定している。通常は、ボーリングを掘り進めながら、1メートル毎にN値を測定しており、このようなN値は、土質の強度や固さを評価する指標として広く用いられている。
【0003】
しかし、標準貫入試験は、地盤に対して試験を実施する地点を任意に選んで行われるため、実際にオーガにより杭を入れる孔を掘削したときに、支持層に到達したかどうかは、標準貫入試験の結果から推測するしかなかった。
【0004】
従来の杭埋設工法において、オーガにより地盤を掘削する場合には、杭を入れる孔の掘削深度が支持層に到達したか否かを判断するために次のような方法が行われていた。
【0005】
最も一般に行われているのは、油圧駆動のオーガにより地盤を掘削する間、油圧モータの油圧力を検出して、その油圧力の表示と記録を行い、油圧力が規定圧力以上になったときに支持層に到達したと判断する方法である。
【0006】
また、圧力検出器とともに掘削深度検出器を用い、所定掘削区間毎の油圧モータの平均油圧力と掘削時間を乗じた値を、標準貫入試験により得たN値とともにグラフにプロットして、両者を比較して支持層に到達したことを判定する方法がある。
【0007】
なお、標準貫入試験で得られたN値を利用してオーガによる掘削時に支持層を推定する技術に関しては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平03−28410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、油圧駆動のオーガで地盤を掘削して行く場合、オーガを操作するオペレータは、土質の抵抗に合わせて掘削速度やオーガの回転数を調整するので、オーガの運転状況によって油圧力が変動する結果、油圧力の監視だけでは支持層に到達したかどうかを正確に判定することは困難であった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、標準貫入試験で得られたN値のデータと、油圧駆動のオーガや全旋回機の仕事量の測定データとを対照させることにより、支持層への到達を正確に判定できるようにした杭埋設工法で用いる支持層到達推定方法および支持層到達推定支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は、油圧駆動のオーガ装置による杭埋設工法において、掘削深度が杭を支持する支持層に到達したかどうかを推定する方法であって、前記オーガ装置により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとにN値を測定する工程と、前記オーガ装置により地盤を掘削しながら、前記オーガ装置の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、前記回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記オーガ装置の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出する工程と、前記標準貫入試験により得られたN値のデータと前記オーガ装置の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、前記N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照することにより、掘削深度が前記支持層に到達したかどうかを推定する工程と、からなることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明は、油圧駆動の全旋回機による杭埋設工法において、掘削深度が杭を支持する支持層に到達したかどうかを推定する方法であって、前記全旋回機により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとにN値を測定する工程と、前記全旋回機により地盤を掘削しながら、前記全旋回機の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、前記回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記全旋回機の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出する工程と、前記標準貫入試験により得られたN値のデータと全旋回機の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、前記N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照することにより、掘削深度が前記支持層に到達したかどうかを推定する工程と、からなることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明は、油圧駆動のオーガ装置または全旋回機による杭埋設工法において、掘削深度が杭を支持する支持層に到達したかどうかの推定を支援する装置であって、前記オーガ装置または全旋回機により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとに測定したN値のデータを記憶する記憶装置と、前記オーガ装置または全旋回機により地盤を掘削しながら、前記オーガ装置または全旋回機の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、前記回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記オーガ装置または全旋回機の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出し、前記標準貫入試験により得られたN値のデータと前記オーガ装置または全旋回機の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、前記N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照するグラフを生成する演算装置と、前記グラフを表示する表示装置と、を具備したことを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用されるアースオーガ掘削装置の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態による支持層到達推定支援装置のブロック構成図である。
【図3】標準貫入試験で測定したN値の変化を示すグラフである。
【図4】オーガ駆動装置の仕事の変化を示すグラフである。
【図5】図3と図4を重ね合わせたグラフである。
【図6】本発明が適用される全旋回掘削装置の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明による杭埋設工法で用いる支持層到達推定方法および支持層到達推定支援装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態による支持層到達推定方法が実施されるアースオーガ掘削装置を示す。
【0016】
図1において、参照番号10は無限軌道をもったベース車両を示している。このベース車両10には、リーダ11が起伏自在に搭載されている。このリーダ11の頂部には、シーブ12、13が取り付けられており、シーブ12、13に巻き掛けたワイヤによって油圧駆動のオーガ駆動装置14が支持されている。オーガ駆動装置14には、ロッドスクリュー15が接続されている。ロッドスクリュー15の先端には、掘削ヘッド16が取り付けられている。
【0017】
リーダ11には、上下にそれぞれプーリ17、18が設置され、このプーリ17、18には、掘削深度検出用のワイヤ20が巻き掛けられており、掘削深度検出器21は、掘削の進展とともに走行するワイヤ20の走行距離に対応するパルスを発生する。オーガ駆動装置14の油圧モータへの圧油の導入口、導出口の直近には、圧力検出器22、23が配設されている。このように圧力検出器22、23を配置することにより、エネルギー的には無駄な管路抵抗による圧力損失が含まれた圧力が検知されるのを防止できるので、油圧モータの駆動に直接関わっている圧力を正確に検出することができる。また、オーガ駆動装置14には、油圧モータの回転数を検出する回転数検出器24が設けられている。
【0018】
ベース車両10には、オーガ駆動装置14の運転状態を表す各種データを取り込み、掘削状況の把握を支援したり、施工全般を管理するためのコンピュータシステムからなる管理装置25が搭載されている。圧力検出器22、23、回転数検出器24のそれぞれの出力信号は、信号ケーブル26を通じて、掘削深度検出器21の出力信号は信号ケーブル27を通じて管理装置25に伝送される。
【0019】
図2に示されるように、この管理装置25は、各種検出器からの入力信号をデジタルデータに変換する信号変換装置28と、キーボードなどの入力装置29、演算装置30と、記憶装置31と、X−Yプロッタなどの記録装置32と、液晶モニタなどの表示装置33などから構成されている。
【0020】
記憶装置31には、オーガ駆動装置14により地盤を掘削する前に、複数ヶ所で行った標準貫入試験(JIS A 1219)で1メートルごとに測定したN値のデータが記憶されている。
【0021】
演算装置30は、オーガ駆動装置14の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度の計測値から求めた掘削速度とから油圧モータの行った仕事[J]を一定の掘削区間、例えば1メートルごとに演算する。その結果は記憶装置31に記憶される。
【0022】
また、演算装置30は、標準貫入試験により得られたN値のデータと、油圧モータの行った仕事[J]のデータを記憶装置31から読み込み、図3至図5に示すようなグラフのデータを生成し、これを表示装置33に表示し、また、記録装置32に記録させる。
【0023】
次に、杭埋設工法との関連において、本実施形態による支持層到達推定方法について詳細に説明する。
まず、図1に示したアースオーガ掘削装置により地盤を掘削する前に、施工区画の中の複数箇所についてボーリング調査を行い、標準貫入試験(JIS A 1219)を実施する。この標準貫入試験ではボーリング孔を掘り進めながら、標準貫入試験用サンプラーを地中に貫入させるのに必要な打撃回数をN値として、1メートルおきに測定する。
【0024】
ここで、図3は、N値の測定結果のサンプルを示すグラフである。この図3において、縦軸は深度を示し、横軸はN値を示す。ここでは、ボーリング孔を60メートルまで掘削し、1メートル毎にN値の値を測定し、折れ線グラフで表している。
【0025】
図3に示されているように、土質の違いによってN値の大きさは異なっており、一般的には、N値が大きいとその土質は固いと評価することができ、このN値の分布から、建物を支持する十分な強度をもっている地層かどうかを推定する判断材料になる。
【0026】
図3において、N値の変化は、いつかのピークを形づくりながら推移していくが、深度35メートル前後付近と、深度50メートル前後付近とにN値の高いピークがみられる。値の大きなN値の広がりを考慮して比較すると、深度50メートル前後付近の深度に、杭を支持するのに十分な強度をもった支持層があると推定されるので、この深度にあると思われる地層が支持層と決定される。
【0027】
ところで、建物の建築予定地においては、杭が埋設される全ての地点について標準貫入試験が実施されるわけではなく、任意の地点を選んで、少ない測定点で行われる。このため、アースオーガ掘削装置による掘削地点と較べて、N値の実測地点は少ないので、実際に、地盤を掘削する際には、その周辺で実施した標準貫入試験の結果を利用して、以下のようにして、オーガ駆動装置14が行っている仕事[J]を監視しながら、標準貫入試験の結果から確定した支持層に実際に到達したか否かを推定する。
【0028】
図1において、オーガ駆動装置14の油圧モータに圧油が供給されると、油圧モータに駆動されてロッドスクリュー15とともに掘削ヘッド16が回転する。掘削ヘッド16は、地盤を掘進していき、破砕された土砂はロッドスクリュー15の羽根で地表に排土される。
【0029】
こうして掘削が続いている間、オーガ駆動装置14の駆動軸の回転数は、回転数検出器24によって検出され、その検出信号は管理装置25に送信される。同様に、掘削深度検出器21からは掘削深度の検出信号が、圧力検出器22、23からは圧油の圧力の検出信号が管理装置25に送信される。
【0030】
本実施形態の管理装置25では、これらの掘削深度、駆動軸の回転数、圧油の圧力など、オーガ駆動装置14による掘削の進行状況を示すデータは、管理装置25の表示装置33のモニタ画面にリアルタイムで表示される。これとともに、オーガ駆動装置14が行っている仕事[J]を算出して、表示装置33のモニタ画面には図4、図5に示すようなグラフ形式で掘削深度ごとの仕事[J]の変化が表示され、記録装置32にも記録される。
【0031】
ここで、オーガ駆動装置14が1メートル掘り進む間行っている仕事[J]は、次の式から算出することができる。

仕事[J]= (圧力[Pa]×トルク換算係数)×(回転数[s-1]×2π×時間[s])
【0032】
次に、図4は、オーガ駆動装置14が掘削中に行っている仕事[J]が深度とともにどのように変化したかを示すグラフである。この図4において、縦軸は深度を示し、横軸は仕事[J]である。
図5は、図3に示したN値の測定データのグラフと、図4に示したオーガ駆動装置14が行った仕事のグラフを重ね合わせた表示例を示す。
【0033】
図4に示されるように、オーガ駆動装置14が行う仕事[J]は、掘進の進展とともに変動し、比較的仕事量が少なく掘削できる区間があるかとおもえば、また掘り進めるのに必要な仕事量が急激に増加する区間もある。一般的には、軟らかい地層から硬い支持層に到達したときには、仕事[J]は急激に増加すると考えられる。しかし、図4に示されているような仕事[J]の変化だけからは、支持層に到達したかどうかを確実に判定することは、容易ではない。
【0034】
そこで、図5に示されるように、N値と仕事[J]の変化を深度の同一スケールで表示装置33の同一画面上に重ね合わせて表示する。そして表示装置33の画面で仕事[J]の変化を監視しながら、掘削を続けていくと、まず、深度35メートル前後付近で、仕事[J]とN値に最初のピークが表れるが、この深度では支持層に到達していないことがN値の測定結果に基づいて既に分かっているので、掘削を続けることになる。
【0035】
さらに、深度50メートル前後まで掘進していくと、図5に示されるように、仕事[J]のピークが再び現れる。この仕事[J]のピークは、N値のピークともほぼ一致しているので、このとき支持層に到達したと推定することができる。
【0036】
以上のようにして、オーガ駆動装置14が行う仕事[J]を指標にして、これとN値を同一画面上で比較対照しながら、支持層への到達の判定を行うので、掘削速度の変動や油モータの回転数などの変動に影響されずに、支持層へ到達したことを正確に推定することができる。しかも、仕事[J]のディメンションから分かるように、仕事[J]には駆動軸の回転数及び掘削速度が織り込まれているので、回転数や掘削速度の変動の影響を受けずに、支持層到達の推定精度を確保することができる。
【0037】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態による支持層到達推定方法について、図6を参照して説明する。
上述した第1実施形態は、アースオーガ掘削装置により地盤を掘削しながら、杭を支持し得る強度をもった支持層に到達したことを推定するようにした実施の形態であったが、この第2実施形態は、全旋回掘削装置によりケーシングを回転させながら推進していくオールケーシング工法に本発明による支持層到達推定方法を適用した実施形態である。
【0038】
図6は、オールケーシング工法で用いられる全旋回掘削装置を示す。この図6において、参照番号40は、ケーシングを示している。このケーシング40の下端部には、カッターの取り付けられている掘削ヘッド41が接続されている。
全旋回式掘削装置は、ケーシング40外周を保持するチャック装置42と、このチャック装置42を回転させる油圧駆動式の駆動装置43と、チャック装置42を上下させる昇降シリンダ44と、を備えている。そして、クレーン車のブームからは、土砂を排出するためのハンマーグラブ45が吊り下げられている。
【0039】
このような全旋回式掘削装置では、駆動装置43の油圧モータによって、ケーシング40を保持するチャック装置42が旋回し、掘削ヘッド41で地盤を掘削しながらケーシング40が地盤に押し込まれていく。その間、クレーン車によって吊られているハンマーグラブ45は、ケーシング40の内部に落下される。このときハンマーグラブ45はケーシング40内から土砂を掴むので、ハンマーグラブ45を吊り上げることで排土することができる。
【0040】
この第2実施形態でも、第1実施形態と同様に管理装置25が設置されており、この管理装置25では、ケーシング40の掘削深度、油圧モータの回転数、圧油の圧力など全旋回式掘削装置による掘削の進行状況を示すデータが、管理装置25のモニタ画面にリアルタイムで表示される。これとともに、駆動装置43の油圧モータが行っている仕事[J]を算出して、モニタの同一画面には図4、図5に示すようなグラフ形式で掘削深度ごとの仕事[J]の変化が表示され、記録装置にも記録される。
【0041】
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、駆動装置43が行う仕事[J]を指標にして、これとN値を比較対照しながら、支持層への到達の推定を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
10…ベース車両、11…リーダ、14…オーガ駆動装置、15…ロッドスクリュー、16…掘削ヘッド、21…掘削深度検出器、22…圧力検出器(IN)、23…圧力検出器(OUT)、24…回転数検出器、25…管理装置、28…信号変換装置、29…入力装置、30…演算装置、31…記憶装置、33…表示装置、40…ケーシング、41…掘削ヘッド、42…チャック装置、43…駆動装置、44…昇降シリンダ、45…ハンマーグラブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧駆動のオーガ装置による杭埋設工法において、掘削深度が杭を支持する支持層に到達したかどうかを推定する方法であって、
前記オーガ装置により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとにN値を測定する工程と、
前記オーガ装置により地盤を掘削しながら、前記オーガ装置の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、前記回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記オーガ装置の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出する工程と、
前記標準貫入試験により得られたN値のデータと前記オーガ装置の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、前記N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照することにより、掘削深度が前記支持層に到達したかどうかを推定する工程と、
からなることを特徴とする杭埋設工法で用いる支持層到達推定方法。
【請求項2】
油圧駆動の全旋回機による杭埋設工法において、掘削深度が杭を支持する支持層に到達したかどうかを推定する方法であって、
前記全旋回機により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとにN値を測定する工程と、
前記全旋回機により地盤を掘削しながら、前記全旋回機の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、前記回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記全旋回機の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出する工程と、
前記標準貫入試験により得られたN値のデータと全旋回機の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、前記N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照することにより、掘削深度が前記支持層に到達したかどうかを推定する工程と、
からなることを特徴とする杭埋設工法で用いる支持層到達推定方法。
【請求項3】
前記油圧モータの圧油の圧力を検出する圧力検出器は、油圧モータへの圧油導入口および導出口の直近に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の杭埋設工法で用いる支持層到達推定方法。
【請求項4】
油圧駆動のオーガ装置または全旋回機による杭埋設工法において、掘削深度が杭を支持する支持層に到達したかどうかの推定を支援する装置であって、
前記オーガ装置または全旋回機により地盤を掘削する前に、掘削地点付近で標準貫入試験を実施し、一定の深度区間ごとに測定したN値のデータを記憶する記憶装置と、
前記オーガ装置または全旋回機により地盤を掘削しながら、前記オーガ装置または全旋回機の駆動軸の回転数と圧油の圧力および掘削深度を計測し、前記回転数と圧油の圧力値と掘削速度とから前記オーガ装置または全旋回機の行った仕事[J]を一定の掘削区間ごとに算出し、前記標準貫入試験により得られたN値のデータと前記オーガ装置または全旋回機の行った仕事[J]を、同じ深度のスケールで同一画面のグラフ上にプロットし、前記N値の変化と仕事[J]の変化を比較対照するグラフを生成する演算装置と、
前記グラフを表示する表示装置と、
を具備したことを特徴とする杭埋設工法で用いる支持層到達推定支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−72271(P2013−72271A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214806(P2011−214806)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000177416)三和機材株式会社 (144)
【Fターム(参考)】