説明

杭穴掘削ヘッド

【課題】地上から操作具30に連結した操作ロッドを38操作して掘削腕20を開閉し、操作ロッド38により掘削腕20の状態を地上から確実に把握する。
【解決手段】掘削ヘッド40は、ヘッド本体1と、水平軸19に取り付けた掘削腕20と、操作具30とからなる。掘削腕20の上端に、案内面26aを有する揺動案内部26を突設する。ヘッド本体1の水平軸19の上方に操作軸28を突設する。操作軸28に略L字状の操作具30を回転自在に取り付け、操作具30の一側の操作部33の押圧縁35が掘削腕20の揺動案内部26に当接して揺動を案内でき、他側に地上からの操作ロッド38を連結する。杭穴軸部44径掘削時には、掘削ヘッド40を正回転して土圧と操作具30で掘削径Dを維持する(a)。杭穴の拡底部45掘削時には、掘削ヘッド40を逆回転して土圧と操作具30とストッパー55で掘削径Dを維持する(b)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、杭穴を掘削する掘削ヘッドで、杭穴の軸部と杭穴の拡底部のように大小異なる径で掘削をできる杭穴掘削ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
回転して杭穴を掘削する掘削ヘッドで、軸部掘削用の掘削刃とは別に、拡大掘削用の掘削刃を用意し、油圧で拡大掘削用の掘削刃を可動して、あるいは空気圧で拡大掘削用の掘削刃を可動して、拡大掘削する方法がとられていた(特許文献1、特許文献2)。この場合、掘削ヘッドは、掘削土や泥土が詰まった杭穴内にあるため、拡開する機構の場合、掘削土の内容によっては、確実に開かせるために工夫が必要であった。また、油圧式の場合には装置が大型化、複雑化していた。
【0003】
また、出願人は、ヘッド本体の両側に、揺動自在に掘削腕を取付けた掘削ヘッドを提案した(例えば、特許文献3)。この掘削ヘッドでは、正回転・逆回転で同じ掘削腕を使用して、軸部掘削、拡底部掘削を可能とした。掘削ヘッドを連結した掘削ロッドを正回転した場合に、掘削腕を土圧により小さな角度で開き、杭穴の軸部を掘削できた。また、掘削ロッドを逆回転した場合には、土圧で、一旦閉じた掘削腕が逆側に振れて、大きな角度で揺動して、杭穴の拡底部の掘削をすることができた。この場合、揺動角度を制限するストッパーを正回転側、逆回転側に夫々取り付け、単純な機構であるが確実な掘削径の変更を実現できた。
【特許文献1】特開昭63−184612
【特許文献2】特開平3−221697
【特許文献3】特開平3−260279
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
掘削腕を使用した掘削ヘッドでは、掘削抵抗の計測などにより、拡大径で掘削されていることは確認できたが、より確実に拡大掘削がなされていることを確認するとが求められていた。また、拡大径に揺動角度を固定すると地上に掘削ヘッドを回収できないため、掘削腕をより確実に掘削径の拡大を実現させて、その後に掘削腕を閉じて、掘削した杭穴軸部径以下に納めて、地上に掘削ヘッドを回収することが求められていた。
【0005】
また、回転方向の変更により土圧でのみ掘削腕を開くので、回転方向を変えなければ掘削径を変化させることができなかった。また、掘削腕の最大開きを制限するためには、掘削すべき軸部径、拡底部径に応じて、軸部掘削用、拡底部掘削用にストッパーを固定していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
然るにこの発明は、操作手段により回動して、掘削腕の揺動を規制できる操作具を回転自在に取り付けたので、前記問題点を解決した
即ち、この発明は、以下の要件を全て具備して構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
(1) ヘッド本体に突出した水平軸の端部に、夫々掘削腕の上端部を揺動自在に取り付ける。
(2) 前記掘削腕の下端部に掘削刃を有し、上端に揺動を案内する揺動案内部を形成する。
(3) 前記ヘッド本体の上端部で、前記水平軸の上方に、操作軸を突設し、該操作軸周りに回動する操作具の中間部を取り付ける。
(4) 前記操作具の一端を地上からの操作で昇降する操作手段に連結し、他端を、前記掘削腕の揺動案内部に当接して前記掘削腕の回動を案内する操作部とする。
(5) 前記操作具は、前記操作手段の第一位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、小径用の揺動角度に案内し、かつ前記操作手段の第二位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、大径用の揺動角度を案内する、ように構成する。
【0007】
また、前記において、操作具は、操作手段の第一位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、小径用の揺動角度の最低角度を保持し、かつ前記操作手段の第二位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、大径用の揺動角度の最低角度を保持するように構成したことを特徴とする記載の杭穴掘削ヘッドである。
【0008】
また、前記において、以下の要件を全て具備して構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
(1) 第一位置で、掘削腕の揺動案内部が位置する側に水平距離Lだけずらして操作軸を配置する。
(2) 前記操作軸と前記水平軸の鉛直距離をLとする。
(3) 水平軸から前記掘削腕の揺動案内部までの距離をRとし、前記操作軸から前記操作具の押圧縁までの距離Rとする。
(4) 第一位置で小径掘削用の掘削腕の開きを保持し、第二位置で大径掘削用に前記掘削腕の開きを保持できるよう前記L、L、R及びRを決定する。
【0009】
前記における地上からの操作具を操作する操作手段は、たるみの生じないロッド(中実又は中空いずれでも可)が好ましいが、たるみの少ない材料であればワイヤー類を使用することもできる。
【発明の効果】
【0010】
地上から二位置を操作できる操作手段を昇降して操作して、操作具を回動させて、掘削腕の揺動案内部を操作するので、土圧と併用することにより確実に掘削腕を開くことができる。また、二位位置で、操作具を使用して掘削腕の最大開きを制限して開きを保持できるので、ストッパー位置の設定や操作具を交換するだけで、揺動角度を切り替えができる。また、昇降する操作手段の位置を地上から確認すれば、掘削腕の開きを確認できるので、掘削径を確実に、地上から把握できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図3、4に基づきこの発明の実施態様について説明する。
【0012】
(1) ヘッド本体1は、上端に掘削ロッド42に接合できる接続部18を有し、下端に固定掘削刃13、13が下方に向けて固定されている。ヘッド本体1は表面が四角柱の外形で形成され、平行な一側面3、4に水平軸19、19を突設する。水平軸19は、ヘッド本体の一側面3、4から直角に突出し、水平軸19、19に夫々掘削腕20の基端部21を回転自在に取付けし、掘削腕20を水平軸19に周りに揺動自在とする。
掘削腕20は先端部23に下方に向けた掘削刃25、25が突設され、掘削腕20の基端部21の上方(先端部23とは反対側)に、揺動案内部26を突出して形成する。
ヘッド本体1で、水平軸19の上方に長さLの位置で、かつ掘削腕20が小径掘削時に揺動する側と反対側に長さLだけずれた位置に、操作軸28を突設して、操作軸にブロック状の操作具30の支持部31を回転自在に取り付ける。操作具30の支持部31の他側を、掘削腕20の揺動案内部26に当接する操作部33とする。操作具30の支持部に上方(地上)から操作具30の回動を操作する操作ロッド38を連結する(図3(a))。
【0013】
(2) 前記において、掘削腕20の水平軸19から揺動案内部26の案内面26aまでの距離(半径)をRとする。また、操作具30で、操作軸28から操作部33の先端側を押圧縁35とし、操作軸28から押圧縁35までの距離(半径)をRとし、水位軸19側の縁35aを半径Rの円弧としてある。
【0014】
(3) 掘削腕20が揺動して、小径Dを掘削するように開いた状態で、操作ロッド38を引くと操作具30の側面35b(押圧縁の機能)が掘削腕20の揺動案内部26の案内面26aを押圧して、掘削腕20の開きを保持する(第1位置。図3(a)、図4太線位置20、30)。この状態で、掘削ヘッド40で、径Dの杭穴の軸部を掘削できる。
続いて、掘削ロッド42の回転を停止して、操作ロッド38を上方に引くと共に掘削ロッド42を逆回転させる。これにより、操作具30の側面35bが徐々に、掘削腕20の揺動案内部26の案内面26aを押しながら、掘削腕20を回転させて、操作具30の押圧縁35が掘削腕20の揺動案内部26の側面を押圧すると共に、掘削腕20の側面がストッパー55に当接し、この掘削腕20の開きを保持する(第2位置。図3(b)、図4細線位置20、30)。この状態で、掘削ヘッド40で、径Dの杭穴の拡底部を掘削できる。
【0015】
(4) 以上のような操作ができるように、水平軸19と操作軸28の距離(L、L)掘削腕30の揺動案内部26の長さR、操作具30の長さR、が設定されている(図2、図3)。従って、Rの条件を変更すれば、掘削径を変えることができるので、掘削具30の交換と、ストッパー55を所定の位置に設定することで、掘削径を容易に切り替えできる。
【実施例1】
【0016】
図1、2に基づきこの発明の掘削ヘッド40の実施例を説明する。
【0017】
(1) この発明の掘削ヘッド40は、掘削ロッド42と連結する接続部18を上端に有するヘッド本体1と、ヘッド本体1の一側面3、4に揺動自在に取り付ける掘削腕20と、掘削腕20の揺動角度を調節する操作具30とからなる。
【0018】
(2) ヘッド本体1は、四角柱状の基部2の上端に六角状の接続部18を連設し、基部2の下縁に連続した扁平の膨出部8を形成してなる。基部2は、一側面3と対向する面を一側面4、一側面3、4に隣接する他の面を他側面(対向する)5、6とする。
【0019】
基部2は下方に向けて一側面3、4が近づくように、両他側面5、6の幅が縮まるように寸法が設定されており、基部2の下端に連続して膨出部8に至っている。膨出部8の上縁9、9は他側面側5、6側に水平方向に膨出して、一側面3、4の幅が大きくなるように形成され、多側面3、4側の膨出部8も基部2に連続して下方に向けて一側面3、4が近づくように形成されている。
【0020】
膨出部8は下縁10は、掘削腕20の揺動軌道に沿った円弧に形成され、下端面11に下方に向けて、固定掘削刃13、13を取付ける。膨出部8の一側8a(拡大掘削側に掘削腕が揺動する側)に突起がバネで突出側に付勢された出没自在のストッパー15を取りつける。
【0021】
また、ヘッド本体1の他側面5、6に、撹拌翼17、17aを傾斜して、かつ各他側面5、6で、取付高さを違えて(撹拌翼17が撹拌翼17aより上方に位置している)、取り付ける。
【0022】
(3) ヘッド本体1の基部2の一側面3、4に水平軸19を突出して形成する。水平軸19は一側面3、4で軸が一致してあれば、一体の軸でも、分割された軸でもいずれでも可能である。水平軸19に掘削腕20の基端部21を揺動自在に取り付ける。
【0023】
掘削腕20は基端部21で、水平軸19の周りが大径に形成され、中間部22で幅が小さく、先端部23は幅広く形成される。掘削腕20は、ヘッド本体12の一側面3(一側面4)の表面形状の変形に沿って変形され、ヘッド本体1の基部2、膨出部8の形状変化(下方に向けて一側面3、4が近づくように形成されている)に併せて、両掘削腕20、20が近づくように屈曲して形成され、膨出部8の下部で逆に外側に向けた方向に(掘削腕20、20が離れるように)屈曲する。掘削腕20の先端部23に、外側に向けた方向に(掘削腕20、20が離れるように)、掘削刃25、25を突設する。
【0024】
掘削腕の基端部の基端(上端)に、中間部22と同軸に、揺動案内部26を突設する。揺動案内部26の先端は、ヘッド本体1の他側面5側に、斜めに形成した案内面26aを形成する。
【0025】
(4) ヘッド本体1の一側面3、4で、水平軸19の上方に、操作軸28を突設する。操作軸28は、水平でかつ一側面3、4に直角に突設し、操作軸28は、水平軸19の軸芯よりLだけ他側面5側(一側面4では、多側面4側)に位置する。
【0026】
両操作軸28、28に、平板で略L字状の操作具30を回転自在に取り付ける。操作具30は、横方向(略水平状)の支持部31の一側32aに、縦方向(下向き)の操作部33の上端部34aを連設した略L字状の一体形状であり、支持部31の中間部32cを操作軸28に取付けてある。操作部33の下端部34aの先端は部分円形に突出して形成され、押圧縁35を構成する。
【0027】
操作具30の支持部31の他側31bに、上方から配置された操作ロッド38の下端部を回転自在に取り付ける。操作ロッド38の昇降動作により、操作具30を操作軸28周りに回動させることができる。
【0028】
ヘッド本体1の一側面3、4に、小径掘削用のストッパー15を取付け、他側に大径掘削用のストッパーを取り付ける。また、掘削腕20のヘッド本体1の側の面に、ストッパー15と共同して掘削腕20の移動を規制するストッパー受け16を形成する。
【0029】
また、ヘッド本体1で、水平軸19より上方の位置に、小径掘削時に揺動案内部26が当接して開きを制限するためのストッパー54、大径掘削時に揺動案内部26が当接して開きを制限するためのストッパー55を、夫々取り付ける。また、ヘッド本体1で、膨出部8(水平軸19より下方)に小径掘削時に揺動案内部26が当接して開きを制限するための補助的なストッパー54a、大径掘削時に揺動案内部26が当接して開きを制限するための補助的なストッパー55aを、夫々取り付ける。
【0030】
以上のようにして、掘削ヘッド40を構成する(図1(a)〜(c))。
【0031】
(5)続いて、この発明の掘削ヘッド40の使用について説明する。
【0032】
掘削機(図示していない)に掘削ロッド42を取り付け、掘削ロッド42の下端に掘削ヘッド40の接続部18を取付けし、杭穴掘削位置で、掘削ロッド42を正回転させる。この際、操作ロッド38を下降位置として(第1位置)、掘削ロッド42及び掘削ヘッド40を正回転させると、操作具30の操作部33の押圧縁35は最も上昇した位置にあり、土圧により掘削腕20は、先端部23(掘削刃25)が矢示51方向に揺動し、揺動案内部26は、反対側に移動し、操作部33の押圧縁35に当接して、これ以上の掘削腕20の開きを規制する(図2(a))。また、この際、掘削腕20(揺動案内部26)がストッパー54、54aに当接して、より確実に揺動を制限する。
【0033】
従って、この状態で、径Dの杭穴の軸部44を掘削できる。また、この際、撹拌翼17、17aにより、掘削土を破砕・撹拌しながら上方に移送できる。
【0034】
所定の深さまで、杭穴の軸部44を掘削したならば(根固め部形成深さで)、掘削ロッド42の回転を止め、操作ロッド38を上方に引けば、操作具30は操作軸28周りに回動して、回動に従い押圧縁35が、案内面26aの斜面を上方から順に押しながら掘削腕20の揺動案内部26を矢示52方向に揺動させる。これに伴い、掘削腕20の先端部23(掘削刃25)は矢示53方向に揺動して、ストッパー15がストッパー受け16に嵌合する(図2(b))。また、この際、掘削腕20(揺動案内部26)がストッパー55、55aに当接して、より確実に揺動を制限する。
【0035】
この状態で、径Dの杭穴の拡底根固め部45を掘削できる。この際、掘削腕20は、ストッパー15とストッパー受け16の嵌合、更に操作具30の押圧縁35が常に揺動案内部26を矢示52方向に押し続け、掘削腕20の揺動角度を維持して、確実に径Dの拡底根固め部45の掘削ができる。この際、撹拌翼17、17aで掘削土を破砕・撹拌できる。
【0036】
所定の杭穴拡底根固め部45の掘削が完了したならば、掘削ヘッド40のセメントミルク吐出口(膨出部8の下端面11)からセメントミルクを吐出して根固め部45内で撹拌して、根固め層を形成して、掘削ヘッド40を地上に引き上げる。この際、掘削ロッド42の回転を止めると共に、操作ロッド38を下げると、操作具30の押圧縁35が揺動案内部26を押圧することを解除して、掘削腕20が下方に垂れた状態となり、引き上げが容易となる(図1(b))。
【0037】
以上のような、掘削腕20が、小径掘削時の揺動範囲(第一位置)にあるか、大径掘削時の揺動範囲(第二位置)にあるか、あるいは下方に垂れた状態にあるかは、操作具30の状態、即ち操作ロッド38の状態で把握できる。従って、地上で、操作ロッド38の状態を把握することにより、掘削腕20の状態をより確実に認識することができる。
【0038】
(6)他の実施例
【0039】
前記実施例において、操作具30と掘削腕20の揺動案内部26とは互いに当接して、揺動を案内できる形状であれば、任意である(図示していない)。
【0040】
また、前記実施例において、操作部33を回動して操作する操作手段として、操作ロッドを使用したが、操作ロッドに代えて、1本又は2本のワイヤーを使用することもできる(図示していない)。2本のワイヤーを使用する場合には、操作具30の操作部の一側32a、他側32bに夫々1本ずつ連結する(図示していない)。
【0041】
また、前記実施例において、操作ロッド38は露出させたが、掘削ロッド42内に昇降自在に収容することもできる(図示していない)。
【0042】
また、前記実施例において、揺動を制限するストッパーの内、ストッパー55、55a、ストッパー15(ストッパー受け16)の内のいずれか1つがあれば、他は省略することもできる。また、ストッパー54、54aも省略することもできる(いずれも図示していない)。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施例で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
【図2】同じく実施例の正面図で、(a)は小径掘削時、(b)は大径掘削時を表す。
【図3】この発明の実施態様(他の実施例)を概略説明する正面図で、(a)は小径掘削時、(b)は大径掘削時を示す。
【図4】同じく概念を説明する概略した正面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ヘッド本体
2 ヘッド本体の基部
3、4 ヘッド本体の基部の一側面
5、6 ヘッド本体の基部の他側面
8 ヘッド本体の膨出部
13 ヘッド本体の固定掘削刃
15 ストッパー
16 ストッパー受け
17、17a 撹拌翼
19 水平軸
20 掘削腕
25 掘削腕の掘削刃
26 掘削腕の揺動案内部
28 操作軸
30 操作具
31 操作具の支持部
33 操作具の操作部
35 操作具の操作部の押圧縁
38 操作ロッド
40 掘削ヘッド
42 掘削ロッド
44 杭穴の軸部
45 杭穴の拡底根固め部
35 杭穴拡底部
54、54a ストッパー
55、55a ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を全て具備して構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッド。
(1) ヘッド本体に突出した水平軸の端部に、夫々掘削腕の上端部を揺動自在に取り付ける。
(2) 前記掘削腕の下端部に掘削刃を有し、上端に揺動を案内する揺動案内部を形成する。
(3) 前記ヘッド本体の上端部で、前記水平軸の上方に、操作軸を突設し、該操作軸周りに回動する操作具の中間部を取り付ける。
(4) 前記操作具の一端を地上からの操作で昇降する操作手段に連結し、他端を、前記掘削腕の揺動案内部に当接して前記掘削腕の回動を案内する操作部とする。
(5) 前記操作具は、前記操作手段の第一位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、小径用の揺動角度に案内し、かつ前記操作手段の第二位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、大径用の揺動角度を案内する、ように構成する。
【請求項2】
操作具は、操作手段の第一位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、小径用の揺動角度の最低角度を保持し、かつ前記操作手段の第二位置で、前記操作部が前記掘削腕の揺動案内部を操作して、大径用の揺動角度の最低角度を保持するように構成したことを特徴とする請求項1記載の杭穴掘削ヘッド。
【請求項3】
以下の要件を全て具備して構成したことを特徴とする請求項1記載の杭穴掘削ヘッド。
(1) 第一位置で、掘削腕の揺動案内部が位置する側に水平距離Lだけずらして操作軸を配置する。
(2) 前記操作軸と前記水平軸の鉛直距離をLとする。
(3) 水平軸から前記掘削腕の揺動案内部までの距離をRとし、前記操作軸から前記操作具の押圧縁までの距離Rとする。
(4) 第一位置で小径掘削用の掘削腕の開きを保持し、第二位置で大径掘削用に前記掘削腕の開きを保持できるよう前記L、L、R及びRを決定する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−127788(P2008−127788A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311343(P2006−311343)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000176512)三谷セキサン株式会社 (91)
【Fターム(参考)】