板状体梱包箱及び板状体搬送方法
【課題】梱包箱内への塵埃の侵入を防止し、輸送時の高さ寸法を低くして天井の低い格納室に容易に収納可能で且つ板状体の搬送が効率よく安定して行える板状体梱包箱、この板状体梱包箱を使用する板状体搬送方法を提供する。
【解決手段】上張り材を有する台座3と、該台座3上に載置される板状体収容箱14と、前記台座3上で前記板状体収容箱14を囲い前記台座3に対し着脱可能な上蓋2とからなり、前記板状体収容箱14は、複数枚の板状体Gを略水平に積層された状態で載置する底板15と、その周囲4辺の側板16a〜16dからなる上面が開放された支持体であり、前記上蓋2は、前記板状体収容箱14の上面を覆う天板6と、周囲4辺の側枠5からなる下面が開放された箱体形状であり、前記台座3と前記底板15の間に振動吸収材17を介装し、前記天板6と底板15上に積載された板状体Gとの間にクッション材20を設けた。
【解決手段】上張り材を有する台座3と、該台座3上に載置される板状体収容箱14と、前記台座3上で前記板状体収容箱14を囲い前記台座3に対し着脱可能な上蓋2とからなり、前記板状体収容箱14は、複数枚の板状体Gを略水平に積層された状態で載置する底板15と、その周囲4辺の側板16a〜16dからなる上面が開放された支持体であり、前記上蓋2は、前記板状体収容箱14の上面を覆う天板6と、周囲4辺の側枠5からなる下面が開放された箱体形状であり、前記台座3と前記底板15の間に振動吸収材17を介装し、前記天板6と底板15上に積載された板状体Gとの間にクッション材20を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状体、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)、即ち液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等用の大型板状体やその製造過程における中間製品の大型板状体等を梱包し、搬送後再び開梱するように形成された板状体梱包箱と、この板状体梱包箱を使用する板状体搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FPD用ガラス等に用いられる大型板ガラスのニーズが高まっている。このような大型板ガラスを搬送する手段としては、例えば、複数枚の板ガラスを立てて並べた状態で各板ガラスを固定した梱包ラックが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この梱包ラックは板ガラスを立てた状態で運搬するため、空輸の場合、高さ寸法が大きく(例えば、2m以上)、飛行機の格納室に円滑に収納できないことがある。
【0004】
また、板ガラスを立てた状態で運搬する場合には、梱包箱の安定性確保のため底面の一辺の寸法が大きくなる(例えば、梱包箱の高さの0.5倍等)。しかし、ディスプレイパネル製造工程が行われるクリーンルーム内ではフォークリフトで運搬できる重量が制限される。このため、1つの梱包箱に積載できる板ガラス枚数が制限される。従って、積載する板ガラス枚数に対し梱包箱の容積及び重量が増大して搬送効率が低下する。
【0005】
また、従来は、板ガラスをむき出し状態であるいはビニール袋などで覆った状態で搬送していた。このため、塵埃の侵入等で板ガラス表面が汚れたり、傷の原因にもなっていた。また、ビニール袋等を使用する場合には、ビニール袋を別に準備しなければならず梱包に必要な部材数が増加し、搬送準備作業や搬送後の板ガラス取出し作業が面倒になる。
【0006】
以上、板ガラスについて述べたが、樹脂板、金属板等の板状体についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−272684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような現状を考慮したものであって、梱包箱内への塵埃の侵入を防止し、輸送時の高さ寸法を低くして天井の低い格納室に容易に収納可能で且つ板状体の搬送が効率よく安定して行える、板状体梱包箱、この板状体梱包箱を使用する板状体搬送方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、上張り材を有する台座と、該台座上に載置される板状体収容箱とからなり、前記板状体収容箱は、複数枚の板状体を合紙を介して水平に積層した状態で載置する平面視矩形の底板を有し、該底板の4辺の各々に沿って、板状体からはみ出た合紙を介して板状体を側面から押圧する押え板を設け、前記底板は、前記板状体を載置する面が凹状に湾曲して形成され、前記各押え板は、前記底板に対し着脱可能又は底板の外側に倒れるように開閉可能であることを特徴とする板状体梱包箱を提供する。
【0010】
本発明の前記押え板は、前記底板の4辺の各辺に沿って2枚以上配置されることを特徴とする。
【0011】
本発明の前記台座と前記板状体収容箱との間には振動吸収材が介装され、前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、圧縮側の振動を吸収する収縮吸収材を有し、前記収縮吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、引張り側の振動を吸収する伸長吸収材を有し、前記伸長吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の前記台座の4隅には、上方に突出した柱部材が設けられ、該柱部材上に載置される他の板状体梱包箱の位置を規定する位置決め手段を有し、前記位置決め手段は、前記柱部材より上方に突出して該柱部材上に固定されるガイド部材と、前記台座に形成され前記ガイド部材が係入する複数の開口部とからなることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前記合紙と押え板との間にクッション材を設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明の板状体梱包箱の板状体収容箱に複数の板状体を積層して、板状体を搬送する板状体搬送方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記底板の板状体載置面を凹状に湾曲して形成することにより、平積み状態によって凹状に撓んだ板状体が底板の凹面上に安定して保持され、横方向の振動に対しても位置ずれが抑制され、安定した梱包状態が保たれる。
【0017】
本発明によれば、板状体梱包箱に、梱包箱間の位置決め手段を設けたことにより、平積み状態の複数の板状体梱包箱間の位置ズレが解消される。また、位置決め手段として、前記柱部材上に固定される複数のガイド部材と、前記台座の底面に形成され前記ガイド部材と係合する複数の開口部とを設けたことにより、複数の板状体梱包箱が平積みされた状態では、各板状体梱包箱(最下段の梱包箱を除く)の開口部が、その下方に位置する板状体梱包箱のガイド部材と係合し、梱包箱は安定した状態で支持される。
【0018】
本発明によれば、台座に対しその上の底板が上下に振動したとき、引張り側と圧縮側をそれぞれ分離して伸長吸収材と収縮吸収材により振動を吸収する。したがって、バネや弾性体からなる振動吸収材の取付構造を引張り力又は圧縮力のいずれか一方のみが作用する構成とすることができる。これにより振動吸収材が確実に台座及び底板に固定され、引張りと圧縮が両方作用する取付構造で起り易い剥がれや脱落を防止できる。
【0019】
本発明によれば、板状体収容箱の底板上に複数枚の板状体を水平に積層した状態で板状体を搬送することにより、一度に多数枚の板状体を低い姿勢で安定した状態で搬送できる。特に大型板状体に適用すれば顕著な効果が得られる。
【0020】
本発明によれば、底板上に水平に載置された板状体を、その4辺の各側面に設けた押え板により、各側面からはみ出た合紙を介して押圧するため、板状体に対し直接接触することなく合紙により板状体側面を保護しながら確実に板状体を押えて固定できる。
【0021】
本発明によれば、各押え板が底板に対し着脱可能又はヒンジ式に開閉可能であるため、板状体の側面が開放状態になり積込み及び積み降ろし作業が容易にできる。
【0022】
本発明によれば、押え板はクッション材を介して合紙を押圧するため、板状体の側面からはみ出て重なり合った合紙の形状に沿って均一に安定して板状体側面を押えて固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】板状体梱包箱の参考例の縦断面図。
【図2】板状体梱包箱の参考例の上面図。
【図3】板状体梱包箱の参考例の底面図。
【図4】参考例に係る板状体梱包箱同士を積み重ねる際の梱包箱同士の係合過程を示す外観斜視図。
【図5】板状体収容箱の参考例の概略図
【図6】図5のV−V断面図
【図7】別の参考例の構成説明図
【図8】さらに別の参考例の構成説明図
【図9】凹んだ底板を有する板状体収容箱の形状説明図
【図10】参考例に係る板状体梱包箱を起立可能な起倒台の外観斜視図。
【図11】図6の起倒台の使用状態を示し、(a)は板状体梱包箱を起立させる前の起倒台の姿勢、(b)は板状体梱包箱への板状体の積載、及び梱包箱からの板状体取り出し時の起倒台の姿勢を示す図
【図12】参考例に係る板状体梱包箱
【図13】図12の上面図
【図14】板状体梱包箱の別の例を示す概略図
【図15】板状体収容箱の概略図
【図16】板状体を収容した状態の押えロール近傍の断面図
【図17】振動吸収材の一例を示し、(A)は収縮吸収材、(B)は伸長吸収材の断面図
【図18】ガイド部材と開口部の嵌合部を示す概略図
【図19】板状体梱包箱を積層したときの概略図
【図20】板状体収容箱の別の例の平面図
【図21】押え板取付部の断面図
【図22】押え板取付部の斜視図。
【図23】押え板取付部の別の例の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明に係る板状体梱包箱を説明するための板状体梱包箱の参考例の縦断面図である。この例は板状体Gとして、大型の板ガラスに対し適用したものである。板状体梱包箱1は、複数枚(例えば50枚)の板状体Gを略水平に積層した状態で収納する。梱包箱1は、台座3と、この台座3上に設置された上蓋2と、この上蓋2内で台座3上に設置された板状体収容箱14とにより構成される。
【0025】
台座3は、例えばアルミ合金からなる押し出し材により形成された複数のI型枠材9を縦横に複数本格子状に組んで枠体を形成し、この枠体上面に上張り材4を固定し、下面に下張り材10を固定したものである。
【0026】
板状体収容箱14は、振動吸収材17を介して台座3の上張り材4上に載置される。この収容箱14は上面が開口した箱体であり、矩形の底板15と、その4辺に設けた4枚の側板16a〜16d(図5、図6)とにより構成される。この収容箱14内に、後述のように、複数枚の板状体Gが平置きで積載される。
【0027】
振動吸収材17は、陸上輸送や空輸の際に車両(又は飛行機)自体に生じる振動数を考慮して、例えば8〜20Hzの振動周波数を効率よく吸収できる材料であることが好ましい。例えば、ゴム、樹脂、シリコーン製等の振動吸収材を用いることができる。
【0028】
上蓋2は、下面が開口して収容箱14の外側を上から囲うものであり、4枚の側枠5と天板6とにより構成され、内部に板状体収納のための内部空間Sを画成する。側枠5は鉄板等でもよいし、または台座3と同様なI型枠材9を用いてもよい。天板6の下面側にクッション材(エアバッグあるいはエアシリンダ)20等の振動吸収手段が配設され、板状体収容箱14内に積載された板状体Gを弾力的に固定保持する。
【0029】
なお、クッション材20は、天板6と板状体Gとの間にあって、板状体Gを上から弾力的に押圧して固定保持できれば、板状体収容箱14の側板16a〜16dより外側にはみ出てもよい。
【0030】
図2はこの板状体梱包箱1の上面図である。板状体梱包箱1は、収納される板状体Gの形状に合わせて平面視が矩形であることが好ましい。内部空間S内への板状体積載時、及び内部空間S内からの板状体取り出し時、上蓋2は人力やロボットなどの適宜手段によって台座3上から取り外される。
【0031】
板状体梱包箱1は、例えばトラック、飛行機など(以下搬送手段と呼ぶ)により目的地へと輸送される際、複数段にわたり積み重ねた状態で搬送手段の荷台や格納室に収納される。従って、上蓋2の天板6には、その上に別の板状体梱包箱が平積みされることを想定し、その上面周囲に板状体保護のための衝撃吸収パッド(緩衝材)7が複数個貼り付けられる。この衝撃吸収パッド7は、例えばゴムのような弾性材料から形成される。
【0032】
天板6の各コーナーには、載置される上方の板状体梱包箱との位置合わせのため、四角錘台状のガイド部材8が衝撃吸収パッド7より上方に突出するように天板6上に固定される。なお、このガイド部材8の形状に関しては、四角錘台状に限定されず、例えば円錐台状でもよい。ガイド部材8と係合する板状体梱包箱の部位は後述する。
【0033】
図3は、板状体梱包箱1の底面図である。I型枠材9は、板状体収容箱14を安定して支持するため、縦横複数本ずつ格子状に組み付けられる。I型枠材9同士の交差部分は溶接等の手段により一体化される。
【0034】
台座3は、図1に示したように、I型枠材9からなる格子状枠体により構成される。この台座下面に固定される下張り材10は、その各コーナーに、下側に積まれている梱包箱1のガイド部材8を受け入れるための矩形状の開口部(ガイド穴)11が形成される。開口部11の上方の上張り材4の下面には、ガイド部材8との衝撃を緩和するために衝撃吸収装置(ショックアブソーバ)12を取付けることができる。この衝撃吸収装置12は、例えばエアシリンダ、ゴムダンパなどから構成され、梱包箱同士を積み重ねた状態では、衝撃吸収装置12の下部が、開口部11を介して下方より進入した下側に積まれている別の板状体梱包箱1のガイド部材8と突当るような位置に設けられる。
【0035】
上張り材4は例えば鉄板からなり、台座3上に収容箱14を安定して載置するため、及び板状体を収容する内部空間S(図1)内への塵埃侵入防止のために必要である。下張り材10も同様に、例えば鉄板からなり、梱包箱1をローラコンベア等で搬送するときに、円滑にコンベアで送られるようにするために必要である。但し、コンベア等での搬送が支障なくできれば下張り材10は省略可能である。
【0036】
縦横のI型枠材9には、フォークリフト(図示せず)のフォークを受け入れるためのフォークリフト用穴13が1つのI型枠材9に付き例えば2つ形成される。これにより板状体梱包箱1に対しては矩形台座の縦横いずれの方向からもフォークリフトのフォークを受け入れることができる。
【0037】
図4は、板状体梱包箱1を複数積み重ねる際の、ガイド部材8と開口部11及び衝撃吸収装置12との係合前の状態を示す斜視図である。板状体梱包箱1の上に、別の板状体梱包箱1を載せる場合、上側の板状体梱包箱1は、下張り材10に形成された開口部11内に下側の板状体梱包箱1のガイド部材8が進入するように位置決めされ、下側の板状体梱包箱1に向けて徐々に下ろされる。このとき、下側の板状体梱包箱1のガイド部材8が、上側の板状体梱包箱1の開口部11に進入する。前述したように、ガイド部材8は四角錘台状に形成されており、またこれを受け入れる開口部11も同様に矩形であるため、ガイド部材8と開口部11が正確に位置決めされていなくても、その進入過程において、ガイド部材8の側壁と開口部11とが互いに干渉することで、上側の板状体梱包箱1と下側の板状体梱包箱1の水平方向ズレが自動的に矯正され、これにより積み重ねの際の梱包箱同士の正確な位置合わせが達成される(位置決め手段)。
【0038】
このガイド部材8の上端面が上の梱包箱1の振動吸収装置12の下端面に突き当たり、積み重ねた状態で上下方向の振動吸収作用が得られる。
【0039】
図5は板状体収容箱14の外観斜視図であり、図6は図5の矢印V方向から見た断面図である。
【0040】
この板状体収容箱14は、底板15と、その周囲の4枚の側板16a〜16dとから構成される。板状体Gは、この底板15と4枚の側板16a〜16dとからなる上が開放された箱体内に平積み状態で収納される。梱包箱外部からの衝撃に対して板状体Gを保護するため、底板15と、台座3(図1)の上張り材4との間には複数の振動吸収材17が配置される。
【0041】
図1及び図6に示すように、板状体収容箱14の底板15は、4つの角部の内、1つの頂点(角部)Pを最下点として底板全体が上張り材4に対し、例えば0度から5度(好ましくは約2度)の範囲内の所定角度αで傾斜するように上張り材4上に配置される。このため、本実施例では各振動吸収材17は、図1に示すようにそれぞれの厚みが異なるようにして底板15と上張り材4との間に介装される。なお、後述のように、底板15を凹面形状とすることにより、板状体の横方向の位置ずれが抑えられるならば、底板15の傾斜は0度(すなわち傾斜しない)でもよい。
【0042】
このように、底板15を上張り材4に対して所定角度αで傾斜させたことにより、板状体積載状態においては、個々の板状体Gが頂点Pを構成する2つの側板16a、16bに突き当てられることとなり、横方向の振動に対し板状体Gが安定して保持され、板状体間の位置ズレも矯正される。
【0043】
これに関連して、図5に示すように、底板15の四方より包囲する4枚の側板16a〜16dの内、最下点とした頂点Pを構成する2つの側板16a、16bはそのまま底板15に固定されるのに対し、頂点Pと対角線上反対側に位置する頂点Poの両側に位置する側板16c、16dは、底板15上をスライド可能なように、底板15または他の部材(例えば図示しないエアシリンダのロッド先端など)に取り付けられる。即ち、側板16a、16bは固定側板であり、側板16c、16dは可動側板である。
【0044】
これにより、例えば底板15上に板状体Gを載置したり、あるいは底板15上から板状体Gを取り出したりする際には、側板16c、16dを、対向する側板16b、16aから一時的に離反させることで底板15上の板状体受け入れ領域を大きくすることができ、ガラス積載作業やガラス取り外し作業を容易にすることができる。なお、板状体の積載が完了した状態においては、搬送の際に板状体収容箱14内で個々の板状体Gが移動しないように可動側板16c、16dは板状体Gの側面に突き当てた状態で保持される。
【0045】
なお、底板15を傾斜させるとき、上記例では1つの頂点Pを最下点としたが、例えば、PとP1の2点を最下点としてもよい。しかし、板状体Gの位置を容易に揃えることを考慮すると、最下点位置の頂点は1つが好ましい。
【0046】
図7は別の参考例を示す。
【0047】
この実施例は、板状体収容箱14内に収容した板状体14と側板16a,16c,16dとの間に、クッション材25を配設したものである。この場合、例えば、前述の図5のように頂点Pを最下点として底板15を傾けた場合には、側板16bに板状体Gを突き当てて載置し、その後残りの3辺にクッション材25を配設する。
【0048】
あるいは、前述のように、頂点P,P1の2点を最下点として(すなわち側板16bを最下位置の側板として)、この側板16bに板状体Gを突き当てて載置し、その後、残りの3辺の側板16a,16c,16dにクッション材25を配設する。
【0049】
図8はさらに別の参考例を示す。
【0050】
この実施例は、上蓋2の4辺の側枠5を台座3上に固定し、天板6を側枠5から分離可能として、梱包時や開梱時に天板6のみを台座3から取外して台座3の上面を開口させて板状体Gを積載あるいは取出すものである。この場合、板状体収容箱14の側板16a〜16dのうち側板16bのみ設けて他の3辺の側板16a,16c,16dは省略する。そして、底板15は、前述の2つの頂点P,P1(図5)を最下点として傾斜させる。ここで、最下位置となった側板16bに板状体Gを突き当てて底板15上で位置決めし、残りの3辺に対し、台座3に固定した側枠5との間にクッション材25を配設して板状体Gを弾力的に固定保持する。このような構成により、板状体収容箱14の構成が簡素化する。
【0051】
図9(A)(B)は、底板を凹ませた板状体収容箱の形状説明図である。底板15は、載置される板状体全体のたわみ(自重による)を考慮して、例えば半径10m〜25mの曲率をもって、板ガラスの短辺方向に、又は長辺方向に、又は短辺及び長辺方向に若干凹状に湾曲形成してもよい。これにより底板15上に積載した板状体Gが横方向の振動により位置ずれすることを抑え、安定して保持することができる。湾曲形成の方向は、特に短辺方向が好ましい。
【0052】
収納される板状体Gの寸法は、例えば板厚が0.5mmから1.3mmであり、縦横が約1400mm×1700mm〜2400mm×2800mmの大型板状体である。また板状体収容箱14内への平積みに当っては、板状体G同士が直接接触することを避けるために、板状体間に薄い合紙18を挟んだ状態で積層されることが好ましい。合紙18は、平滑度18秒以下(JIS P 8119,1976)の粗面を有し、接触面積を小さくして合紙18中の樹脂分が板状体Gに転写されてガラス面に紙肌模様、焼け、汚れなどが生じないような紙質が好ましい。また合紙18の樹脂分は、0.05%以下(JIS P 8205,1976)であり、上述した紙面粗さとの複合効果によって板状体G自体の品質に悪影響を及ぼさないような紙質である。
【0053】
このようにして底板15上に積層される板状体Gは、搬送過程で底板15上で上下に振動しないように、天板の下面側に設けたエアバッグ等のクッション材20により、弾力をもって板状体Gを押さえつける。その結果、板状体Gを含む板状体収容箱14は、上からクッション材20により、下から振動吸収材17によってフローティング状態で支持されることとなり、梱包箱搬送時において外側から衝撃が課せられ、搬送に伴って梱包箱自体が上下に振動したとしても、板状体Gは安定した状態で保持される。
【0054】
以上説明したように、本実施例による板状体梱包箱1は、複数枚の大型板状体Gを平積み状態で安定して収納することができる。また、その搬送は同じ梱包箱1を板状体Gが平積みのまま多数段上下に重ねた状態で行われる。このように、大型板状体を平積み状態で搬送することにより、天井高の低い格納室等に容易に効率よく収容でき多数枚の板状体を各種輸送手段により安定して搬送できる。
【0055】
このような板状体梱包箱1に板状体Gを積載する際、あるいは搬送後に板状体梱包箱1から板状体Gを取り出す際に、板状体梱包箱1の収容箱14が水平面に対し所定角度0〜90度、好ましくは75〜85度を成すように梱包箱1を起こすことができる。
【0056】
図10は、梱包箱1を載置して所定角度に起こすための起倒台の外観斜視図であり、図11(a),(b)はこの起倒台の使用状態を示す図である。
【0057】
起倒台21は、大テーブル部22と、大テーブル部22の一端部から直立する小テーブル部23とによって構成されるL型部材である。この起倒台21は、チェーンCからなるチェーンコンベアの搬送路上の所定の板状体Gの積み込み、積み降ろし位置に備わる。大テーブル部22と小テーブル部23には、梱包箱搬送方向に沿ってコンベアのチェーンCを通すための2つの平行溝24が形成される。
【0058】
チェーンコンベアにより搬送される時、梱包箱1は大テーブル部22を水平状態にした起倒台21に達すると、図11(a)に示すように小テーブル部23に突き当たって係止する。この後、図11(b)に示すように起倒台21を起こす(矢印D)。この起立角度は、水平からほぼ直角までの間で適宜調整可能である。この起立角度は板状体の積み込み、積み降ろし用ロボットの動作が円滑に行われる最適な角度に調整する。
【0059】
このような起倒台を用いて、梱包箱1を水平から起こした状態で板状体を積み込み及び積み降ろし作業を行うことにより、水平状態にある板状体梱包箱1からそのまま板状体Gを取り出したり、あるいは板状体収容箱14内の板状体G上に新たに板状体Gを重ねる場合に比較して、板状体G自体の取り扱いが簡単であり、ロボットや人力によっても板状体収容箱14内から容易に板状体Gを抜き出したり、あるいは板状体収容箱14に板状体Gを容易に積載することができる。また、このように梱包箱を起こした状態で板状体を積載し、あるいは取出す板状体の積載・取出し方法は、板状体Gへの負荷も少なく、ガラス損傷の可能性も低減する。
【0060】
以上説明したように、本発明による板状体梱包箱は、複数の大型板状体を平積みで載置可能な板状体収容箱と、板状体収容箱の下で所定範囲の周波数の振動を吸収する振動吸収材とを有することにより、板状体に対しては外からの振動が伝わりにくい安定した状況で大型の板状体を複数枚搬送することができる。また、この板状体梱包箱は略水平に平積みにした状態で運搬されることを前提としているため、これまでの縦置き型搬送形態と比較して、輸送車両に対し十分な積載効率を提供できると共に、航空機等の高さ方向が狭い格納室にも支障なく搬入できる。
【0061】
本発明の板状体梱包箱は、板状体を梱包して搬送し、搬送後開梱して板状体を取出した後、空の梱包箱をそのまま再び使用できる。このような再使用は何度も繰返すことができる。
【0062】
図12は別の参考例に係る板状体梱包箱を示し、図13はその上面図である。
【0063】
図示したように、板状体梱包箱1は、台座3と、板状体収容箱14で構成される。台座3は、例えばアルミ合金からなる押し出し材により形成された複数のI型枠材9を縦横に複数本格子状に組んで枠体を形成し、この枠体上面に上張り材4を固定し、下面に下張り材10を固定したものである。なお、台座3はI型枠材9の他に、角パイプ等の部材を枠材として組んで形成してもよい。
【0064】
台座3の4隅には、柱部材31(請求項でいう積重ね部材)が上方に突出して備わる。柱部材31の上面には、衝撃吸収パッド7が貼り付けられ、その上にガイド部材8が取り付けられる。このガイド部材8を柱部材31の下面に備わる開口部11に対し挿入嵌合することにより、複数の板状体梱包箱1を積層できる(図19参照)。なお、柱部材31の台座3に対する固定はアングル材(不図示)等を用いて補強してもよい。また、柱部材31は柱状に限らず、台座3に1辺に沿って形成された壁状の部材でもよい。
【0065】
板状体収容箱14は、振動吸収材32,33を介して台座3の上張り材4上に載置される。振動吸収材は収縮吸収材32と伸長吸収材33からなり、これにより搬送中の板状体Gに対する上下の振動を緩和することができる。板状体Gは板状体収容箱14の底板15上に載置される。板状体収容箱14の側壁は固定側板34、可動側板35、押えロール36で構成され、押えロール36と底板15で板状体G間に介装される合紙18を挟持する。板状体収容箱14は、板状体Gを収容後、カバー42により覆われる。これにより、板状体Gへの塵埃の付着を防止できる。なお、図13においてカバー42は省略してある。
【0066】
図13に示すように、側板34,35は板状体収容箱14の矩形の底板15の対向する長辺に設けられる。押えロール36は対向する短辺の各々に2個ずつ備わる。底板15は図12に示すようにV字状に屈曲し、V字頂部の屈曲線D(図13,15)は底板15の長辺に対し平行である。
【0067】
台座3の4隅の柱部材31には、台座の辺に沿って三角形又は矩形の補強壁31aが設けられる(図の例は三角形)。
【0068】
図14は板状体梱包箱の別の例を示す。
【0069】
この例は、台座3の上張り材4の上面に柱部材31を設け、下張り材10の4隅に開口部11を形成したものである。その他の構成は図12の例と同様である。
【0070】
図15は板状体収容箱の概略図であり、図16は板状体を収容した状態の押えロール近傍の断面図である。
【0071】
板状体収容箱14は、上述したように、底板15、固定側板34、可動側板35及び押えロール36で構成される。可動側板35は底板15に対し側板下辺を軸として矢印R方向に回動可能である。押えロール36は底板15に対し上下方向に移動可能である。板状体Gを板状体梱包箱14に収容する場合、可動側板35を倒した状態で板状体Gの1辺を固定側板34に突き当てて底板15上に載置する。次に板状体G上に合紙18を載置し、その上に再び板状体Gを載置する。所定枚数の板状体Gを平積みしたら、可動側板35を起こす。次に、押えロール36を下げて(矢印F)、板状体Gからはみ出た合紙18を押えロール36と底板15で挟持する。これにより、板状体Gは合紙18を介して押えロール36により固定される。これにより、板状体Gが振動により上下に動こうとしても、押えロール36で抑えることができる。また、板状体Gが横方向に位置ずれを起こすことを防止できる。なお、押えロール36は例えば柱状等、合紙を抑えることができる形状であればどのような形状であってもよい。
【0072】
押えロールの径が積重ねた板状体Gの高さより大きいものを用いれば、板状体Gの横方向の位置ずれを確実に抑えることができる。
【0073】
回転式の側板35に代えて、前述の図5で示したように矢印B方向にスライド可能としてもよい。このような可動側板35を設けることにより、底板15上の開口面が広がるため、板状体Gの出し入れ作業が容易になる。なお、板状体Gを搭載後、側板35を元に戻す場合、板状体Gからはみ出た合紙を介して板状体Gを固定側板34側に押し付けるような寸法形状に形成しておくことが好ましい。したがって、合紙の大きさも、板状体Gに対し、対向する両方の短辺側と可動側板35が設けられた長辺側の3辺方向にはみ出すような大きさであることが好ましい。
【0074】
底板15はV字状に屈曲し、その屈曲線Dは底板15の長手方向に平行である。V字状に屈曲した底板に代えて、下向きに凸の湾曲した円弧状の底板を用いてもよい。この場合にも湾曲面は短辺に沿って(すなわち湾曲面の母線が長辺に平行に)形成されることが好ましい。このように底板15を凹んだ形状とすることにより、安定して板状体Gを載置でき、搬送中に板状体Gが軸方向に斜めにずれることを防止できる。このV字の角度は、160°〜180°が好ましく、170°〜176°がより好ましい。底板15は台座3に対し水平となるよう載置されることが好ましいが、前述(図6)のように、1辺が下がるように傾斜していてもよい。
【0075】
図17は振動吸収材の一例を示し、(A)は収縮吸収材、(B)は伸長吸収材の断面図である。
【0076】
収縮吸収材32は、ネジ43により底板15及び上張り材4に固定された折り曲げ加工されたブラケット37に、弾性を有するジェル材38を金属プレート39を介して取り付けて構成される。ジェル材38と金属プレート39は接着剤等により固着され、ブラケット37は金属プレート39に固着又は一体成形されたボルト40によって固定される。
【0077】
伸長吸収材33は、ネジ43により底板15及び上張り材4に固定された断面略コ字状の2つのブラケット41間に、弾性を有するジェル材38を金属プレート39を介して取り付けて構成される。ジェル材38と金属プレート39は接着剤等により固着され、ブラケット37は金属プレート39に固着又は一体成形されたボルト40によって固定される。
【0078】
この収縮吸収材32と伸長吸収材33は底板15の下面略全面に規則的に配設される。これにより、搬送中の振動による台座3の揺れに伴う板状体収容箱14の上下の振動を抑制できる。すなわち、(A)の場合は、底板15と上張り材4間が圧縮されたとき(矢印F1)、ジェル材38が圧縮され有効なクッション作用を施す。(B)の場合は、底板15と上張り材4間が伸長されたとき(矢印F2)、ジェル材38が圧縮され有効なクッション作用が得られる。いずれの場合もジェル材38自体は圧縮されたときにクッション作用を施す。このようなジェル材38に代えて圧縮ゴム等の弾性材あるいは金属等の圧縮バネ材を用いてもよい。また、引張りに対し弾性作用を有する弾性体を用いることもできる。
【0079】
図18はガイド部材と開口部の接合部を示す概略図であり、図19は板状体梱包箱を積層したときの概略図である。
【0080】
図示したように、柱部材31上の衝撃吸収パッド7に備わるガイド部材8は上に重ねられた梱包箱の柱部材31の下面に備わる開口部11に挿入され、嵌合する。このように、ガイド部材8と開口部11を嵌合することにより、複数の板状体梱包箱1を積層することができる(図では3段)。板状体梱包箱1が搬送中の振動等により揺れたとしても、各板状体梱包箱1間に備わる衝撃吸収パッド7がこの揺れを緩和するため、さらに板状体Gの振動を緩和することができる。
【0081】
図20は、本発明に係る板状体収容箱の実施例を示す。
【0082】
この板状体収容箱14は、平面視矩形の底板15の4辺の各辺に沿って、板状体Gを側面から押圧する押え板50を設けたものである。板状体Gの大きさは、底板15とほぼ同じ大きさである。
【0083】
各押え板50は、1ヵ所又は複数ヵ所の取付部55を介して、底板15に対し着脱可能に又は外側に倒れるように開閉可能に装着される。
【0084】
押え板50は、矩形底板15の各辺に各辺の長さに対応した押え板を1枚設けてもよいし、あるいは各辺に沿って2枚又はそれ以上の短い押え板を設けてもよい。
【0085】
図21は、図20の板状体収容箱の押え板部分の断面図である。
複数枚の板状体Gが水平に積層されて底板15上に載置される。各板状体G間には合紙18が介装される。
【0086】
(A)は、板状体Gの側面からはみ出た合紙18を押え板50で直接押圧する例を示す。押え板50は、底板15とほぼ同じ大きさの板状体Gを、底板15とともに、合紙18のはみ出し端部を介して、側面から押圧する。はみ出た合紙18の端部の重なり合った部分を押え板50で押圧するため、押え板50が板状体Gの側面に直接接触することはなく、合紙の柔軟性により板状体Gを保護しながら板状体Gの積層体を確実に4辺の側面から押圧して固定できる。
【0087】
(B)は、板状体Gの側面からはみ出た合紙18をクッション材51を介して押え板50で押圧する例を示す。押え板50は、底板15とほぼ同じ大きさの板状体Gを、クッション材51及び合紙18のはみ出し端部を介して、側面から押圧する。クッション材51を介装することにより、合紙端部の重なり部分の形状の不揃いや板状体Gの端部の不揃いを吸収して側面の形状に追従して均一に安定して板状体側面を押え、板状体の積層体を確実に固定できる。
【0088】
図22は、押え板取付部の構成例の斜視図である。
【0089】
この取付部55の例は、押え板50を底板15に対し着脱可能にした構成である。押え板50の背面に支柱52が固定される。この支柱52を底板15の側縁に設けた支柱受け53に挿入して押え板50を底板15に取付ける。これにより、底板15上に板状体を積込むとき及び積降ろすときに、押え板50を底板15から分離して板状体の側面を開放し、積込み積降ろし作業を円滑に行うことができる。なお、支柱受け53は、底板15の端部側面から適宜間隔を隔てて設けておく。
【0090】
図23は、押え板取付部の別の構成例の斜視図である。
【0091】
この取付部55の例は、押え板50を底板15に対し外側に倒れるように開閉可能(矢印F)にした構成である。押え板50の背面に支柱52が固定される。この支柱52を、底板15の側縁に設けたブラケット56に対し軸54廻りに回動可能に取付ける。これにより。底板15上に板状体を積込むとき及び積降ろすときに、押え板50を底板15の外側に倒して板状体の側面を開放し、積込み積降ろし作業を円滑に行うことができる。なお、ブラケット56は、底板15の端部側面から適宜間隔を隔てて設けておく。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の利用例として、板ガラスのみならず、板状体で平積み可能な製品ならすべて本発明の梱包箱に収納でき、しかも板状体収容箱の下方には振動吸収材を配置したことにより、製品搬送の際の振動や衝撃から製品を保護することができる。ただし、大型で、薄い板状体を安定して効率よく搬送できることを考慮すると、特に板ガラスに有効である。
【符号の説明】
【0093】
1:板状体梱包箱、2:上蓋、3:台座、4:上張り材、5:側枠、6:天板、7:衝撃吸収パッド、8:ガイド部材、9:I型枠材、10:下張り材、11:開口部、12:振動吸収装置、13:フォークリフト用穴、14:板状体収容箱、15:底板、16a,16b,16c,16d:側板、17:振動吸収材、18:合紙、20:クッション材、21:起倒台、22:大テーブル部、23:小テーブル部、24:平行溝、25:クッション材、31:柱部材、32:収縮吸収材、33:伸長吸収材、34:固定側板、35:可動側板、36:押えロール、37:ブラケット、38:ジェル材、39:金属プレート、40:ボルト、41:ブラケット、42:カバー、43:ネジ、C:チェーン、G:板状体、S:内部空間、50:押え板、51:クッション材、52:支柱、53:支柱受け、54:軸、55:取付部、56:ブラケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状体、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)、即ち液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等用の大型板状体やその製造過程における中間製品の大型板状体等を梱包し、搬送後再び開梱するように形成された板状体梱包箱と、この板状体梱包箱を使用する板状体搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FPD用ガラス等に用いられる大型板ガラスのニーズが高まっている。このような大型板ガラスを搬送する手段としては、例えば、複数枚の板ガラスを立てて並べた状態で各板ガラスを固定した梱包ラックが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この梱包ラックは板ガラスを立てた状態で運搬するため、空輸の場合、高さ寸法が大きく(例えば、2m以上)、飛行機の格納室に円滑に収納できないことがある。
【0004】
また、板ガラスを立てた状態で運搬する場合には、梱包箱の安定性確保のため底面の一辺の寸法が大きくなる(例えば、梱包箱の高さの0.5倍等)。しかし、ディスプレイパネル製造工程が行われるクリーンルーム内ではフォークリフトで運搬できる重量が制限される。このため、1つの梱包箱に積載できる板ガラス枚数が制限される。従って、積載する板ガラス枚数に対し梱包箱の容積及び重量が増大して搬送効率が低下する。
【0005】
また、従来は、板ガラスをむき出し状態であるいはビニール袋などで覆った状態で搬送していた。このため、塵埃の侵入等で板ガラス表面が汚れたり、傷の原因にもなっていた。また、ビニール袋等を使用する場合には、ビニール袋を別に準備しなければならず梱包に必要な部材数が増加し、搬送準備作業や搬送後の板ガラス取出し作業が面倒になる。
【0006】
以上、板ガラスについて述べたが、樹脂板、金属板等の板状体についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−272684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような現状を考慮したものであって、梱包箱内への塵埃の侵入を防止し、輸送時の高さ寸法を低くして天井の低い格納室に容易に収納可能で且つ板状体の搬送が効率よく安定して行える、板状体梱包箱、この板状体梱包箱を使用する板状体搬送方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、上張り材を有する台座と、該台座上に載置される板状体収容箱とからなり、前記板状体収容箱は、複数枚の板状体を合紙を介して水平に積層した状態で載置する平面視矩形の底板を有し、該底板の4辺の各々に沿って、板状体からはみ出た合紙を介して板状体を側面から押圧する押え板を設け、前記底板は、前記板状体を載置する面が凹状に湾曲して形成され、前記各押え板は、前記底板に対し着脱可能又は底板の外側に倒れるように開閉可能であることを特徴とする板状体梱包箱を提供する。
【0010】
本発明の前記押え板は、前記底板の4辺の各辺に沿って2枚以上配置されることを特徴とする。
【0011】
本発明の前記台座と前記板状体収容箱との間には振動吸収材が介装され、前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、圧縮側の振動を吸収する収縮吸収材を有し、前記収縮吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、引張り側の振動を吸収する伸長吸収材を有し、前記伸長吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の前記台座の4隅には、上方に突出した柱部材が設けられ、該柱部材上に載置される他の板状体梱包箱の位置を規定する位置決め手段を有し、前記位置決め手段は、前記柱部材より上方に突出して該柱部材上に固定されるガイド部材と、前記台座に形成され前記ガイド部材が係入する複数の開口部とからなることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前記合紙と押え板との間にクッション材を設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明の板状体梱包箱の板状体収容箱に複数の板状体を積層して、板状体を搬送する板状体搬送方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記底板の板状体載置面を凹状に湾曲して形成することにより、平積み状態によって凹状に撓んだ板状体が底板の凹面上に安定して保持され、横方向の振動に対しても位置ずれが抑制され、安定した梱包状態が保たれる。
【0017】
本発明によれば、板状体梱包箱に、梱包箱間の位置決め手段を設けたことにより、平積み状態の複数の板状体梱包箱間の位置ズレが解消される。また、位置決め手段として、前記柱部材上に固定される複数のガイド部材と、前記台座の底面に形成され前記ガイド部材と係合する複数の開口部とを設けたことにより、複数の板状体梱包箱が平積みされた状態では、各板状体梱包箱(最下段の梱包箱を除く)の開口部が、その下方に位置する板状体梱包箱のガイド部材と係合し、梱包箱は安定した状態で支持される。
【0018】
本発明によれば、台座に対しその上の底板が上下に振動したとき、引張り側と圧縮側をそれぞれ分離して伸長吸収材と収縮吸収材により振動を吸収する。したがって、バネや弾性体からなる振動吸収材の取付構造を引張り力又は圧縮力のいずれか一方のみが作用する構成とすることができる。これにより振動吸収材が確実に台座及び底板に固定され、引張りと圧縮が両方作用する取付構造で起り易い剥がれや脱落を防止できる。
【0019】
本発明によれば、板状体収容箱の底板上に複数枚の板状体を水平に積層した状態で板状体を搬送することにより、一度に多数枚の板状体を低い姿勢で安定した状態で搬送できる。特に大型板状体に適用すれば顕著な効果が得られる。
【0020】
本発明によれば、底板上に水平に載置された板状体を、その4辺の各側面に設けた押え板により、各側面からはみ出た合紙を介して押圧するため、板状体に対し直接接触することなく合紙により板状体側面を保護しながら確実に板状体を押えて固定できる。
【0021】
本発明によれば、各押え板が底板に対し着脱可能又はヒンジ式に開閉可能であるため、板状体の側面が開放状態になり積込み及び積み降ろし作業が容易にできる。
【0022】
本発明によれば、押え板はクッション材を介して合紙を押圧するため、板状体の側面からはみ出て重なり合った合紙の形状に沿って均一に安定して板状体側面を押えて固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】板状体梱包箱の参考例の縦断面図。
【図2】板状体梱包箱の参考例の上面図。
【図3】板状体梱包箱の参考例の底面図。
【図4】参考例に係る板状体梱包箱同士を積み重ねる際の梱包箱同士の係合過程を示す外観斜視図。
【図5】板状体収容箱の参考例の概略図
【図6】図5のV−V断面図
【図7】別の参考例の構成説明図
【図8】さらに別の参考例の構成説明図
【図9】凹んだ底板を有する板状体収容箱の形状説明図
【図10】参考例に係る板状体梱包箱を起立可能な起倒台の外観斜視図。
【図11】図6の起倒台の使用状態を示し、(a)は板状体梱包箱を起立させる前の起倒台の姿勢、(b)は板状体梱包箱への板状体の積載、及び梱包箱からの板状体取り出し時の起倒台の姿勢を示す図
【図12】参考例に係る板状体梱包箱
【図13】図12の上面図
【図14】板状体梱包箱の別の例を示す概略図
【図15】板状体収容箱の概略図
【図16】板状体を収容した状態の押えロール近傍の断面図
【図17】振動吸収材の一例を示し、(A)は収縮吸収材、(B)は伸長吸収材の断面図
【図18】ガイド部材と開口部の嵌合部を示す概略図
【図19】板状体梱包箱を積層したときの概略図
【図20】板状体収容箱の別の例の平面図
【図21】押え板取付部の断面図
【図22】押え板取付部の斜視図。
【図23】押え板取付部の別の例の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明に係る板状体梱包箱を説明するための板状体梱包箱の参考例の縦断面図である。この例は板状体Gとして、大型の板ガラスに対し適用したものである。板状体梱包箱1は、複数枚(例えば50枚)の板状体Gを略水平に積層した状態で収納する。梱包箱1は、台座3と、この台座3上に設置された上蓋2と、この上蓋2内で台座3上に設置された板状体収容箱14とにより構成される。
【0025】
台座3は、例えばアルミ合金からなる押し出し材により形成された複数のI型枠材9を縦横に複数本格子状に組んで枠体を形成し、この枠体上面に上張り材4を固定し、下面に下張り材10を固定したものである。
【0026】
板状体収容箱14は、振動吸収材17を介して台座3の上張り材4上に載置される。この収容箱14は上面が開口した箱体であり、矩形の底板15と、その4辺に設けた4枚の側板16a〜16d(図5、図6)とにより構成される。この収容箱14内に、後述のように、複数枚の板状体Gが平置きで積載される。
【0027】
振動吸収材17は、陸上輸送や空輸の際に車両(又は飛行機)自体に生じる振動数を考慮して、例えば8〜20Hzの振動周波数を効率よく吸収できる材料であることが好ましい。例えば、ゴム、樹脂、シリコーン製等の振動吸収材を用いることができる。
【0028】
上蓋2は、下面が開口して収容箱14の外側を上から囲うものであり、4枚の側枠5と天板6とにより構成され、内部に板状体収納のための内部空間Sを画成する。側枠5は鉄板等でもよいし、または台座3と同様なI型枠材9を用いてもよい。天板6の下面側にクッション材(エアバッグあるいはエアシリンダ)20等の振動吸収手段が配設され、板状体収容箱14内に積載された板状体Gを弾力的に固定保持する。
【0029】
なお、クッション材20は、天板6と板状体Gとの間にあって、板状体Gを上から弾力的に押圧して固定保持できれば、板状体収容箱14の側板16a〜16dより外側にはみ出てもよい。
【0030】
図2はこの板状体梱包箱1の上面図である。板状体梱包箱1は、収納される板状体Gの形状に合わせて平面視が矩形であることが好ましい。内部空間S内への板状体積載時、及び内部空間S内からの板状体取り出し時、上蓋2は人力やロボットなどの適宜手段によって台座3上から取り外される。
【0031】
板状体梱包箱1は、例えばトラック、飛行機など(以下搬送手段と呼ぶ)により目的地へと輸送される際、複数段にわたり積み重ねた状態で搬送手段の荷台や格納室に収納される。従って、上蓋2の天板6には、その上に別の板状体梱包箱が平積みされることを想定し、その上面周囲に板状体保護のための衝撃吸収パッド(緩衝材)7が複数個貼り付けられる。この衝撃吸収パッド7は、例えばゴムのような弾性材料から形成される。
【0032】
天板6の各コーナーには、載置される上方の板状体梱包箱との位置合わせのため、四角錘台状のガイド部材8が衝撃吸収パッド7より上方に突出するように天板6上に固定される。なお、このガイド部材8の形状に関しては、四角錘台状に限定されず、例えば円錐台状でもよい。ガイド部材8と係合する板状体梱包箱の部位は後述する。
【0033】
図3は、板状体梱包箱1の底面図である。I型枠材9は、板状体収容箱14を安定して支持するため、縦横複数本ずつ格子状に組み付けられる。I型枠材9同士の交差部分は溶接等の手段により一体化される。
【0034】
台座3は、図1に示したように、I型枠材9からなる格子状枠体により構成される。この台座下面に固定される下張り材10は、その各コーナーに、下側に積まれている梱包箱1のガイド部材8を受け入れるための矩形状の開口部(ガイド穴)11が形成される。開口部11の上方の上張り材4の下面には、ガイド部材8との衝撃を緩和するために衝撃吸収装置(ショックアブソーバ)12を取付けることができる。この衝撃吸収装置12は、例えばエアシリンダ、ゴムダンパなどから構成され、梱包箱同士を積み重ねた状態では、衝撃吸収装置12の下部が、開口部11を介して下方より進入した下側に積まれている別の板状体梱包箱1のガイド部材8と突当るような位置に設けられる。
【0035】
上張り材4は例えば鉄板からなり、台座3上に収容箱14を安定して載置するため、及び板状体を収容する内部空間S(図1)内への塵埃侵入防止のために必要である。下張り材10も同様に、例えば鉄板からなり、梱包箱1をローラコンベア等で搬送するときに、円滑にコンベアで送られるようにするために必要である。但し、コンベア等での搬送が支障なくできれば下張り材10は省略可能である。
【0036】
縦横のI型枠材9には、フォークリフト(図示せず)のフォークを受け入れるためのフォークリフト用穴13が1つのI型枠材9に付き例えば2つ形成される。これにより板状体梱包箱1に対しては矩形台座の縦横いずれの方向からもフォークリフトのフォークを受け入れることができる。
【0037】
図4は、板状体梱包箱1を複数積み重ねる際の、ガイド部材8と開口部11及び衝撃吸収装置12との係合前の状態を示す斜視図である。板状体梱包箱1の上に、別の板状体梱包箱1を載せる場合、上側の板状体梱包箱1は、下張り材10に形成された開口部11内に下側の板状体梱包箱1のガイド部材8が進入するように位置決めされ、下側の板状体梱包箱1に向けて徐々に下ろされる。このとき、下側の板状体梱包箱1のガイド部材8が、上側の板状体梱包箱1の開口部11に進入する。前述したように、ガイド部材8は四角錘台状に形成されており、またこれを受け入れる開口部11も同様に矩形であるため、ガイド部材8と開口部11が正確に位置決めされていなくても、その進入過程において、ガイド部材8の側壁と開口部11とが互いに干渉することで、上側の板状体梱包箱1と下側の板状体梱包箱1の水平方向ズレが自動的に矯正され、これにより積み重ねの際の梱包箱同士の正確な位置合わせが達成される(位置決め手段)。
【0038】
このガイド部材8の上端面が上の梱包箱1の振動吸収装置12の下端面に突き当たり、積み重ねた状態で上下方向の振動吸収作用が得られる。
【0039】
図5は板状体収容箱14の外観斜視図であり、図6は図5の矢印V方向から見た断面図である。
【0040】
この板状体収容箱14は、底板15と、その周囲の4枚の側板16a〜16dとから構成される。板状体Gは、この底板15と4枚の側板16a〜16dとからなる上が開放された箱体内に平積み状態で収納される。梱包箱外部からの衝撃に対して板状体Gを保護するため、底板15と、台座3(図1)の上張り材4との間には複数の振動吸収材17が配置される。
【0041】
図1及び図6に示すように、板状体収容箱14の底板15は、4つの角部の内、1つの頂点(角部)Pを最下点として底板全体が上張り材4に対し、例えば0度から5度(好ましくは約2度)の範囲内の所定角度αで傾斜するように上張り材4上に配置される。このため、本実施例では各振動吸収材17は、図1に示すようにそれぞれの厚みが異なるようにして底板15と上張り材4との間に介装される。なお、後述のように、底板15を凹面形状とすることにより、板状体の横方向の位置ずれが抑えられるならば、底板15の傾斜は0度(すなわち傾斜しない)でもよい。
【0042】
このように、底板15を上張り材4に対して所定角度αで傾斜させたことにより、板状体積載状態においては、個々の板状体Gが頂点Pを構成する2つの側板16a、16bに突き当てられることとなり、横方向の振動に対し板状体Gが安定して保持され、板状体間の位置ズレも矯正される。
【0043】
これに関連して、図5に示すように、底板15の四方より包囲する4枚の側板16a〜16dの内、最下点とした頂点Pを構成する2つの側板16a、16bはそのまま底板15に固定されるのに対し、頂点Pと対角線上反対側に位置する頂点Poの両側に位置する側板16c、16dは、底板15上をスライド可能なように、底板15または他の部材(例えば図示しないエアシリンダのロッド先端など)に取り付けられる。即ち、側板16a、16bは固定側板であり、側板16c、16dは可動側板である。
【0044】
これにより、例えば底板15上に板状体Gを載置したり、あるいは底板15上から板状体Gを取り出したりする際には、側板16c、16dを、対向する側板16b、16aから一時的に離反させることで底板15上の板状体受け入れ領域を大きくすることができ、ガラス積載作業やガラス取り外し作業を容易にすることができる。なお、板状体の積載が完了した状態においては、搬送の際に板状体収容箱14内で個々の板状体Gが移動しないように可動側板16c、16dは板状体Gの側面に突き当てた状態で保持される。
【0045】
なお、底板15を傾斜させるとき、上記例では1つの頂点Pを最下点としたが、例えば、PとP1の2点を最下点としてもよい。しかし、板状体Gの位置を容易に揃えることを考慮すると、最下点位置の頂点は1つが好ましい。
【0046】
図7は別の参考例を示す。
【0047】
この実施例は、板状体収容箱14内に収容した板状体14と側板16a,16c,16dとの間に、クッション材25を配設したものである。この場合、例えば、前述の図5のように頂点Pを最下点として底板15を傾けた場合には、側板16bに板状体Gを突き当てて載置し、その後残りの3辺にクッション材25を配設する。
【0048】
あるいは、前述のように、頂点P,P1の2点を最下点として(すなわち側板16bを最下位置の側板として)、この側板16bに板状体Gを突き当てて載置し、その後、残りの3辺の側板16a,16c,16dにクッション材25を配設する。
【0049】
図8はさらに別の参考例を示す。
【0050】
この実施例は、上蓋2の4辺の側枠5を台座3上に固定し、天板6を側枠5から分離可能として、梱包時や開梱時に天板6のみを台座3から取外して台座3の上面を開口させて板状体Gを積載あるいは取出すものである。この場合、板状体収容箱14の側板16a〜16dのうち側板16bのみ設けて他の3辺の側板16a,16c,16dは省略する。そして、底板15は、前述の2つの頂点P,P1(図5)を最下点として傾斜させる。ここで、最下位置となった側板16bに板状体Gを突き当てて底板15上で位置決めし、残りの3辺に対し、台座3に固定した側枠5との間にクッション材25を配設して板状体Gを弾力的に固定保持する。このような構成により、板状体収容箱14の構成が簡素化する。
【0051】
図9(A)(B)は、底板を凹ませた板状体収容箱の形状説明図である。底板15は、載置される板状体全体のたわみ(自重による)を考慮して、例えば半径10m〜25mの曲率をもって、板ガラスの短辺方向に、又は長辺方向に、又は短辺及び長辺方向に若干凹状に湾曲形成してもよい。これにより底板15上に積載した板状体Gが横方向の振動により位置ずれすることを抑え、安定して保持することができる。湾曲形成の方向は、特に短辺方向が好ましい。
【0052】
収納される板状体Gの寸法は、例えば板厚が0.5mmから1.3mmであり、縦横が約1400mm×1700mm〜2400mm×2800mmの大型板状体である。また板状体収容箱14内への平積みに当っては、板状体G同士が直接接触することを避けるために、板状体間に薄い合紙18を挟んだ状態で積層されることが好ましい。合紙18は、平滑度18秒以下(JIS P 8119,1976)の粗面を有し、接触面積を小さくして合紙18中の樹脂分が板状体Gに転写されてガラス面に紙肌模様、焼け、汚れなどが生じないような紙質が好ましい。また合紙18の樹脂分は、0.05%以下(JIS P 8205,1976)であり、上述した紙面粗さとの複合効果によって板状体G自体の品質に悪影響を及ぼさないような紙質である。
【0053】
このようにして底板15上に積層される板状体Gは、搬送過程で底板15上で上下に振動しないように、天板の下面側に設けたエアバッグ等のクッション材20により、弾力をもって板状体Gを押さえつける。その結果、板状体Gを含む板状体収容箱14は、上からクッション材20により、下から振動吸収材17によってフローティング状態で支持されることとなり、梱包箱搬送時において外側から衝撃が課せられ、搬送に伴って梱包箱自体が上下に振動したとしても、板状体Gは安定した状態で保持される。
【0054】
以上説明したように、本実施例による板状体梱包箱1は、複数枚の大型板状体Gを平積み状態で安定して収納することができる。また、その搬送は同じ梱包箱1を板状体Gが平積みのまま多数段上下に重ねた状態で行われる。このように、大型板状体を平積み状態で搬送することにより、天井高の低い格納室等に容易に効率よく収容でき多数枚の板状体を各種輸送手段により安定して搬送できる。
【0055】
このような板状体梱包箱1に板状体Gを積載する際、あるいは搬送後に板状体梱包箱1から板状体Gを取り出す際に、板状体梱包箱1の収容箱14が水平面に対し所定角度0〜90度、好ましくは75〜85度を成すように梱包箱1を起こすことができる。
【0056】
図10は、梱包箱1を載置して所定角度に起こすための起倒台の外観斜視図であり、図11(a),(b)はこの起倒台の使用状態を示す図である。
【0057】
起倒台21は、大テーブル部22と、大テーブル部22の一端部から直立する小テーブル部23とによって構成されるL型部材である。この起倒台21は、チェーンCからなるチェーンコンベアの搬送路上の所定の板状体Gの積み込み、積み降ろし位置に備わる。大テーブル部22と小テーブル部23には、梱包箱搬送方向に沿ってコンベアのチェーンCを通すための2つの平行溝24が形成される。
【0058】
チェーンコンベアにより搬送される時、梱包箱1は大テーブル部22を水平状態にした起倒台21に達すると、図11(a)に示すように小テーブル部23に突き当たって係止する。この後、図11(b)に示すように起倒台21を起こす(矢印D)。この起立角度は、水平からほぼ直角までの間で適宜調整可能である。この起立角度は板状体の積み込み、積み降ろし用ロボットの動作が円滑に行われる最適な角度に調整する。
【0059】
このような起倒台を用いて、梱包箱1を水平から起こした状態で板状体を積み込み及び積み降ろし作業を行うことにより、水平状態にある板状体梱包箱1からそのまま板状体Gを取り出したり、あるいは板状体収容箱14内の板状体G上に新たに板状体Gを重ねる場合に比較して、板状体G自体の取り扱いが簡単であり、ロボットや人力によっても板状体収容箱14内から容易に板状体Gを抜き出したり、あるいは板状体収容箱14に板状体Gを容易に積載することができる。また、このように梱包箱を起こした状態で板状体を積載し、あるいは取出す板状体の積載・取出し方法は、板状体Gへの負荷も少なく、ガラス損傷の可能性も低減する。
【0060】
以上説明したように、本発明による板状体梱包箱は、複数の大型板状体を平積みで載置可能な板状体収容箱と、板状体収容箱の下で所定範囲の周波数の振動を吸収する振動吸収材とを有することにより、板状体に対しては外からの振動が伝わりにくい安定した状況で大型の板状体を複数枚搬送することができる。また、この板状体梱包箱は略水平に平積みにした状態で運搬されることを前提としているため、これまでの縦置き型搬送形態と比較して、輸送車両に対し十分な積載効率を提供できると共に、航空機等の高さ方向が狭い格納室にも支障なく搬入できる。
【0061】
本発明の板状体梱包箱は、板状体を梱包して搬送し、搬送後開梱して板状体を取出した後、空の梱包箱をそのまま再び使用できる。このような再使用は何度も繰返すことができる。
【0062】
図12は別の参考例に係る板状体梱包箱を示し、図13はその上面図である。
【0063】
図示したように、板状体梱包箱1は、台座3と、板状体収容箱14で構成される。台座3は、例えばアルミ合金からなる押し出し材により形成された複数のI型枠材9を縦横に複数本格子状に組んで枠体を形成し、この枠体上面に上張り材4を固定し、下面に下張り材10を固定したものである。なお、台座3はI型枠材9の他に、角パイプ等の部材を枠材として組んで形成してもよい。
【0064】
台座3の4隅には、柱部材31(請求項でいう積重ね部材)が上方に突出して備わる。柱部材31の上面には、衝撃吸収パッド7が貼り付けられ、その上にガイド部材8が取り付けられる。このガイド部材8を柱部材31の下面に備わる開口部11に対し挿入嵌合することにより、複数の板状体梱包箱1を積層できる(図19参照)。なお、柱部材31の台座3に対する固定はアングル材(不図示)等を用いて補強してもよい。また、柱部材31は柱状に限らず、台座3に1辺に沿って形成された壁状の部材でもよい。
【0065】
板状体収容箱14は、振動吸収材32,33を介して台座3の上張り材4上に載置される。振動吸収材は収縮吸収材32と伸長吸収材33からなり、これにより搬送中の板状体Gに対する上下の振動を緩和することができる。板状体Gは板状体収容箱14の底板15上に載置される。板状体収容箱14の側壁は固定側板34、可動側板35、押えロール36で構成され、押えロール36と底板15で板状体G間に介装される合紙18を挟持する。板状体収容箱14は、板状体Gを収容後、カバー42により覆われる。これにより、板状体Gへの塵埃の付着を防止できる。なお、図13においてカバー42は省略してある。
【0066】
図13に示すように、側板34,35は板状体収容箱14の矩形の底板15の対向する長辺に設けられる。押えロール36は対向する短辺の各々に2個ずつ備わる。底板15は図12に示すようにV字状に屈曲し、V字頂部の屈曲線D(図13,15)は底板15の長辺に対し平行である。
【0067】
台座3の4隅の柱部材31には、台座の辺に沿って三角形又は矩形の補強壁31aが設けられる(図の例は三角形)。
【0068】
図14は板状体梱包箱の別の例を示す。
【0069】
この例は、台座3の上張り材4の上面に柱部材31を設け、下張り材10の4隅に開口部11を形成したものである。その他の構成は図12の例と同様である。
【0070】
図15は板状体収容箱の概略図であり、図16は板状体を収容した状態の押えロール近傍の断面図である。
【0071】
板状体収容箱14は、上述したように、底板15、固定側板34、可動側板35及び押えロール36で構成される。可動側板35は底板15に対し側板下辺を軸として矢印R方向に回動可能である。押えロール36は底板15に対し上下方向に移動可能である。板状体Gを板状体梱包箱14に収容する場合、可動側板35を倒した状態で板状体Gの1辺を固定側板34に突き当てて底板15上に載置する。次に板状体G上に合紙18を載置し、その上に再び板状体Gを載置する。所定枚数の板状体Gを平積みしたら、可動側板35を起こす。次に、押えロール36を下げて(矢印F)、板状体Gからはみ出た合紙18を押えロール36と底板15で挟持する。これにより、板状体Gは合紙18を介して押えロール36により固定される。これにより、板状体Gが振動により上下に動こうとしても、押えロール36で抑えることができる。また、板状体Gが横方向に位置ずれを起こすことを防止できる。なお、押えロール36は例えば柱状等、合紙を抑えることができる形状であればどのような形状であってもよい。
【0072】
押えロールの径が積重ねた板状体Gの高さより大きいものを用いれば、板状体Gの横方向の位置ずれを確実に抑えることができる。
【0073】
回転式の側板35に代えて、前述の図5で示したように矢印B方向にスライド可能としてもよい。このような可動側板35を設けることにより、底板15上の開口面が広がるため、板状体Gの出し入れ作業が容易になる。なお、板状体Gを搭載後、側板35を元に戻す場合、板状体Gからはみ出た合紙を介して板状体Gを固定側板34側に押し付けるような寸法形状に形成しておくことが好ましい。したがって、合紙の大きさも、板状体Gに対し、対向する両方の短辺側と可動側板35が設けられた長辺側の3辺方向にはみ出すような大きさであることが好ましい。
【0074】
底板15はV字状に屈曲し、その屈曲線Dは底板15の長手方向に平行である。V字状に屈曲した底板に代えて、下向きに凸の湾曲した円弧状の底板を用いてもよい。この場合にも湾曲面は短辺に沿って(すなわち湾曲面の母線が長辺に平行に)形成されることが好ましい。このように底板15を凹んだ形状とすることにより、安定して板状体Gを載置でき、搬送中に板状体Gが軸方向に斜めにずれることを防止できる。このV字の角度は、160°〜180°が好ましく、170°〜176°がより好ましい。底板15は台座3に対し水平となるよう載置されることが好ましいが、前述(図6)のように、1辺が下がるように傾斜していてもよい。
【0075】
図17は振動吸収材の一例を示し、(A)は収縮吸収材、(B)は伸長吸収材の断面図である。
【0076】
収縮吸収材32は、ネジ43により底板15及び上張り材4に固定された折り曲げ加工されたブラケット37に、弾性を有するジェル材38を金属プレート39を介して取り付けて構成される。ジェル材38と金属プレート39は接着剤等により固着され、ブラケット37は金属プレート39に固着又は一体成形されたボルト40によって固定される。
【0077】
伸長吸収材33は、ネジ43により底板15及び上張り材4に固定された断面略コ字状の2つのブラケット41間に、弾性を有するジェル材38を金属プレート39を介して取り付けて構成される。ジェル材38と金属プレート39は接着剤等により固着され、ブラケット37は金属プレート39に固着又は一体成形されたボルト40によって固定される。
【0078】
この収縮吸収材32と伸長吸収材33は底板15の下面略全面に規則的に配設される。これにより、搬送中の振動による台座3の揺れに伴う板状体収容箱14の上下の振動を抑制できる。すなわち、(A)の場合は、底板15と上張り材4間が圧縮されたとき(矢印F1)、ジェル材38が圧縮され有効なクッション作用を施す。(B)の場合は、底板15と上張り材4間が伸長されたとき(矢印F2)、ジェル材38が圧縮され有効なクッション作用が得られる。いずれの場合もジェル材38自体は圧縮されたときにクッション作用を施す。このようなジェル材38に代えて圧縮ゴム等の弾性材あるいは金属等の圧縮バネ材を用いてもよい。また、引張りに対し弾性作用を有する弾性体を用いることもできる。
【0079】
図18はガイド部材と開口部の接合部を示す概略図であり、図19は板状体梱包箱を積層したときの概略図である。
【0080】
図示したように、柱部材31上の衝撃吸収パッド7に備わるガイド部材8は上に重ねられた梱包箱の柱部材31の下面に備わる開口部11に挿入され、嵌合する。このように、ガイド部材8と開口部11を嵌合することにより、複数の板状体梱包箱1を積層することができる(図では3段)。板状体梱包箱1が搬送中の振動等により揺れたとしても、各板状体梱包箱1間に備わる衝撃吸収パッド7がこの揺れを緩和するため、さらに板状体Gの振動を緩和することができる。
【0081】
図20は、本発明に係る板状体収容箱の実施例を示す。
【0082】
この板状体収容箱14は、平面視矩形の底板15の4辺の各辺に沿って、板状体Gを側面から押圧する押え板50を設けたものである。板状体Gの大きさは、底板15とほぼ同じ大きさである。
【0083】
各押え板50は、1ヵ所又は複数ヵ所の取付部55を介して、底板15に対し着脱可能に又は外側に倒れるように開閉可能に装着される。
【0084】
押え板50は、矩形底板15の各辺に各辺の長さに対応した押え板を1枚設けてもよいし、あるいは各辺に沿って2枚又はそれ以上の短い押え板を設けてもよい。
【0085】
図21は、図20の板状体収容箱の押え板部分の断面図である。
複数枚の板状体Gが水平に積層されて底板15上に載置される。各板状体G間には合紙18が介装される。
【0086】
(A)は、板状体Gの側面からはみ出た合紙18を押え板50で直接押圧する例を示す。押え板50は、底板15とほぼ同じ大きさの板状体Gを、底板15とともに、合紙18のはみ出し端部を介して、側面から押圧する。はみ出た合紙18の端部の重なり合った部分を押え板50で押圧するため、押え板50が板状体Gの側面に直接接触することはなく、合紙の柔軟性により板状体Gを保護しながら板状体Gの積層体を確実に4辺の側面から押圧して固定できる。
【0087】
(B)は、板状体Gの側面からはみ出た合紙18をクッション材51を介して押え板50で押圧する例を示す。押え板50は、底板15とほぼ同じ大きさの板状体Gを、クッション材51及び合紙18のはみ出し端部を介して、側面から押圧する。クッション材51を介装することにより、合紙端部の重なり部分の形状の不揃いや板状体Gの端部の不揃いを吸収して側面の形状に追従して均一に安定して板状体側面を押え、板状体の積層体を確実に固定できる。
【0088】
図22は、押え板取付部の構成例の斜視図である。
【0089】
この取付部55の例は、押え板50を底板15に対し着脱可能にした構成である。押え板50の背面に支柱52が固定される。この支柱52を底板15の側縁に設けた支柱受け53に挿入して押え板50を底板15に取付ける。これにより、底板15上に板状体を積込むとき及び積降ろすときに、押え板50を底板15から分離して板状体の側面を開放し、積込み積降ろし作業を円滑に行うことができる。なお、支柱受け53は、底板15の端部側面から適宜間隔を隔てて設けておく。
【0090】
図23は、押え板取付部の別の構成例の斜視図である。
【0091】
この取付部55の例は、押え板50を底板15に対し外側に倒れるように開閉可能(矢印F)にした構成である。押え板50の背面に支柱52が固定される。この支柱52を、底板15の側縁に設けたブラケット56に対し軸54廻りに回動可能に取付ける。これにより。底板15上に板状体を積込むとき及び積降ろすときに、押え板50を底板15の外側に倒して板状体の側面を開放し、積込み積降ろし作業を円滑に行うことができる。なお、ブラケット56は、底板15の端部側面から適宜間隔を隔てて設けておく。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の利用例として、板ガラスのみならず、板状体で平積み可能な製品ならすべて本発明の梱包箱に収納でき、しかも板状体収容箱の下方には振動吸収材を配置したことにより、製品搬送の際の振動や衝撃から製品を保護することができる。ただし、大型で、薄い板状体を安定して効率よく搬送できることを考慮すると、特に板ガラスに有効である。
【符号の説明】
【0093】
1:板状体梱包箱、2:上蓋、3:台座、4:上張り材、5:側枠、6:天板、7:衝撃吸収パッド、8:ガイド部材、9:I型枠材、10:下張り材、11:開口部、12:振動吸収装置、13:フォークリフト用穴、14:板状体収容箱、15:底板、16a,16b,16c,16d:側板、17:振動吸収材、18:合紙、20:クッション材、21:起倒台、22:大テーブル部、23:小テーブル部、24:平行溝、25:クッション材、31:柱部材、32:収縮吸収材、33:伸長吸収材、34:固定側板、35:可動側板、36:押えロール、37:ブラケット、38:ジェル材、39:金属プレート、40:ボルト、41:ブラケット、42:カバー、43:ネジ、C:チェーン、G:板状体、S:内部空間、50:押え板、51:クッション材、52:支柱、53:支柱受け、54:軸、55:取付部、56:ブラケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上張り材を有する台座と、該台座上に載置される板状体収容箱とからなり、
前記板状体収容箱は、複数枚の板状体を合紙を介して水平に積層した状態で載置する平面視矩形の底板を有し、該底板の4辺の各々に沿って、板状体からはみ出た合紙を介して板状体を側面から押圧する押え板を設け、
前記底板は、前記板状体を載置する面が凹状に湾曲して形成され、
前記各押え板は、前記底板に対し着脱可能又は底板の外側に倒れるように開閉可能であることを特徴とする板状体梱包箱。
【請求項2】
前記押え板は、前記底板の4辺の各辺に沿って2枚以上配置されることを特徴とする請求項1に記載の板状体梱包箱。
【請求項3】
前記台座と前記板状体収容箱との間には振動吸収材が介装され、
前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、圧縮側の振動を吸収する収縮吸収材を有し、前記収縮吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする請求項1、又は2に記載の板状体梱包箱。
【請求項4】
前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、引張り側の振動を吸収する伸長吸収材を有し、前記伸長吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする請求項3に記載の板状体梱包箱。
【請求項5】
前記台座の4隅には、上方に突出した柱部材が設けられ、該柱部材上に載置される他の板状体梱包箱の位置を規定する位置決め手段を有し、前記位置決め手段は、前記柱部材より上方に突出して該柱部材上に固定されるガイド部材と、前記台座に形成され前記ガイド部材が係入する複数の開口部とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の板状体梱包箱。
【請求項6】
前記合紙と押え板との間にクッション材を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の板状体梱包箱。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の板状体梱包箱の板状体収容箱に複数の板状体を積層して、板状体を搬送することを特徴とする板状体搬送方法。
【請求項1】
上張り材を有する台座と、該台座上に載置される板状体収容箱とからなり、
前記板状体収容箱は、複数枚の板状体を合紙を介して水平に積層した状態で載置する平面視矩形の底板を有し、該底板の4辺の各々に沿って、板状体からはみ出た合紙を介して板状体を側面から押圧する押え板を設け、
前記底板は、前記板状体を載置する面が凹状に湾曲して形成され、
前記各押え板は、前記底板に対し着脱可能又は底板の外側に倒れるように開閉可能であることを特徴とする板状体梱包箱。
【請求項2】
前記押え板は、前記底板の4辺の各辺に沿って2枚以上配置されることを特徴とする請求項1に記載の板状体梱包箱。
【請求項3】
前記台座と前記板状体収容箱との間には振動吸収材が介装され、
前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、圧縮側の振動を吸収する収縮吸収材を有し、前記収縮吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする請求項1、又は2に記載の板状体梱包箱。
【請求項4】
前記振動吸収材は、前記台座に対しその上の前記底板が上下に振動したとき、引張り側の振動を吸収する伸長吸収材を有し、前記伸長吸収材を前記底板の下面全体に規則的に分散して設けたことを特徴とする請求項3に記載の板状体梱包箱。
【請求項5】
前記台座の4隅には、上方に突出した柱部材が設けられ、該柱部材上に載置される他の板状体梱包箱の位置を規定する位置決め手段を有し、前記位置決め手段は、前記柱部材より上方に突出して該柱部材上に固定されるガイド部材と、前記台座に形成され前記ガイド部材が係入する複数の開口部とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の板状体梱包箱。
【請求項6】
前記合紙と押え板との間にクッション材を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の板状体梱包箱。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の板状体梱包箱の板状体収容箱に複数の板状体を積層して、板状体を搬送することを特徴とする板状体搬送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−131938(P2011−131938A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33570(P2011−33570)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2005−209433(P2005−209433)の分割
【原出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2005−209433(P2005−209433)の分割
【原出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】
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