説明

板金製のステージ装置

【課題】信頼性を損なうことなく薄型化を達成可能なステージ装置を提案すること。
【解決手段】XYステージ装置1は、板金製のベース板2の上にX軸方向にスライドする板金製のX軸ステージ板3が搭載され、この上にY軸方向にスライドするY軸ステージ板4が搭載された構造となっている。金属製の薄板材料を用いて精密板金加工により薄型のX軸ステージ板3、Y軸ステージ板4を製造し、その周囲四辺の部分を裏面側および表面側に2回曲げることで、板金製のX軸ステージ板3、Y軸ステージ板4に強度および精度をもたせるようにしている。信頼性を損なうことなく、板金製の部品を用いてXYステージ装置の薄型化を達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージが板金製部品から構成されている薄型化が可能なX(1軸)ステージ装置、XY(2軸)ステージ装置などのステージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
XYステージ装置は、ベース部材の上に、X軸方向にスライドするX軸ステージを搭載し、この上にY軸方向にスライドするY軸ステージを搭載した構造となっている。X軸ステージおよびY軸ステージは金属または非金属のブロックを切削加工して作られ、十分な剛性が備わっている。
【0003】
ここで、XYステージ装置の薄型化を図るには、各ステージを薄型のものにすることが有効である。しかしながら、ステージを薄型にすると、強度低下や歪による精度不良などの原因となり、製品の信頼性を確保することが困難である。各ステージの薄型化を図るために、これらを板金製部品にする場合にも同様な問題が発生する。なお、特許文献1の段落0004には、自動販売機に組み込まれる直交2軸移動装置において、その軽量化とコスト低減のために、そのX移動部、Y移動部、ベース枠を板金構造にすると、その直線度、平行度が低下するという弊害について言及されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−218981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ステージ装置においては製品の信頼性を確保する点から、その薄型化が進んでいないのが現状である。
【0006】
本発明の課題は、この点に鑑みて、信頼性を損なうことなく薄型化を達成可能なステージ装置を提案することにある。また、本発明の課題は、信頼性を損なうことなく薄型化と共に軽量化および製造コストの低減化を達成可能なステージ装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のステージ装置は、
ベース板、好ましくは板金製のベース板と、
予め定めたX軸方向にスライド可能な状態で前記ベース板に搭載されている板金製のX軸ステージ板とを有し、
前記X軸ステージ板は、
矩形輪郭のX軸ステージ本体板部分と、
このX軸ステージ本体板部分の周囲四辺にそれぞれ一体形成されている一定幅の第1〜第4X軸ステージ縁板部分と、
前記X軸ステージ本体板部分と前記第1〜第4X軸ステージ縁板部分のそれぞれとの間に形成されている直線状の第1〜第4X軸ステージ段差部分とを備え、
前記第1〜第4X軸ステージ段差部分のそれぞれは、前記第1〜第4X軸ステージ縁板部分のそれぞれにおいて、前記X軸ステージ本体板部分に繋がっている板部分を前記X軸ステージ本体板部分の裏面側に直角に折り曲げた後に再び表面側に直角に折り曲げることによって形成された塑性加工部分であり、
前記第1、第2X軸ステージ縁板部分は前記X軸方向に平行に延び、前記第3、第4X軸ステージ縁板部分は前記X軸方向に直交するY軸方向に平行に延びており、
前記X軸ステージ板は、その裏面が前記ベース板に向く状態あるいはその表面が前記ベース板に向く状態に配置されていることを特徴としている。
【0008】
板金製のX軸ステージ板をX軸方向にスライド可能な状態で支持するためのスライドガイド機構として、一般的に用いられているリニアガイド、例えばクロスローラーガイドを用いることができる。しかしながら、ステージ装置の軽量化、低コスト化を達成するためには、ベース板に、X軸方向に平行に延びている一対の第1、第2X軸スライドガイド溝を配置し、これらの第1、第2スライドガイド溝に、それぞれ、第1、第2X軸ステージ縁板部分をスライド可能な状態で挿入した構成とすることが望ましい。
【0009】
この場合には、X軸ステージ板をガタ付きなくスライドさせるために、X軸ステージ板の第1、第2X軸ステージ縁板部分を、バネ力によって常にY軸方向に付勢した状態で第1、第2X軸スライドガイド溝に挿入しておけばよい。このために用いる板バネ部分は、板金加工によってX軸ステージ板の板金加工時に一体形成しておくことができる。
【0010】
次に、本発明はX軸ステージ板の上にY軸ステージ板が搭載されているXYステージ装置にも同様に適用できる。この場合には、Y軸ステージ板を上記のX軸ステージ板と同様な構成の板金製品とすればよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のステージ装置では、金属製の薄板材料を用いて精密板金加工により薄型のステージ板を製造し、その周囲四辺の部分を裏面側および表面側に2回曲げることで、板金製のステージ板に強度と精度をもたせるようにしている。一般的に薄板材料を90度曲げた際には、鞍反りと呼ばれる現象が起こる。本発明では、ステージ板の周囲四辺の部分において、1回目に曲げた方向とは逆側に2回目の曲げを行うことで、それぞれの曲げ加工時に生じる残留応力を相殺して鞍反りを防止すると共に、薄板材料でありながらその平面に垂直な荷重に対する強度(面外剛性)を持たせるようにしている。したがって、本発明によれば、信頼性を損なうことなくステージ装置の薄型化を達成できる。また、薄型化と共に、ステージ装置の軽量化および製造コストの低減化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した実施の形態1に係るXYステージ装置の主要部分の斜視図である。
【図2】図1のXYステージ装置の分解斜視図である。
【図3】図1のXYステージ装置のX軸ステージ板を示す斜視図および一部を切り取った状態で示す部分斜視図である。
【図4】図1のXYステージ装置のX軸スライドガイドを示す斜視図、平面図、側面図および端面図である。
【図5】板バネ部分を備えたX軸ステージ板の例を示す斜視図、正面図、平面図、側面図、一方の板バネ部分を示す部分拡大図および他方の板バネ部分を示す部分拡大図である。
【図6】板バネ部分の別の形状を示す説明図である。
【図7】本発明を適用した実施の形態2に係るXYステージ装置を示す斜視図、平面図、正面図および各ステージ板がスライドした状態を示す説明図である。
【図8】本発明を適用した実施の形態3に係る送り機構付きX軸ステージ装置を示す斜視図、平面図、正面図および側面図である。
【図9】本発明を適用した実施の形態4に係る送り機構付きXYステージ装置を示す斜視図である。
【図10】本発明を適用した実施の形態5に係る送り機構付きXYステージ装置の別の例を示す斜視図である。
【図11】送りネジガタ付き防止構造を備えた送り機構の主要部分を示す説明図および分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した各実施の形態に係るステージ装置を説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係るXYステージ装置のステージ部分を示す斜視図であり、図2はその分解斜視図である。これらの図において駆動機構は図示を省略してある。XYステージ装置1は板金製の矩形のベース板2と、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のX軸ステージ板3と、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のY軸ステージ板4を備えている。
【0015】
X軸ステージ板3は、ベース板2上において当該ベース板2に平行な平面上において予め定めたX軸方向にスライド可能であり、Y軸ステージ板4はX軸に直交するY軸方向にスライド可能である。ベース板2の表面におけるX軸方向に延びる左右の縁辺部分には、第1、第2X軸スライドガイド5、6が固定ネジ7によって取り付けられており、X軸ステージ板3は第1、第2X軸スライドガイド5、6によってガイドされてX軸方向にスライドする。同様に、X軸ステージ板3の表面におけるY軸方向に延びる前後の縁辺部分には、第1、第2Y軸スライドガイド8、9が固定ネジ10によって取り付けられており、Y軸ステージ板4は第1、第2Y軸スライドガイド8、9によってガイドされてY軸方向にスライドする。
【0016】
ベース板2は金属板材料、例えば板厚が1mmのSUS製の板材を精密板金加工して得たものであり、その左右の縁端部21、22がそれらの前後の部位を除き一定幅で表面側に直角に立ち上がるように曲げ加工されていると共に、直角に立ち上げた縁端部21、22の先端部分が裏面側に直角に折り曲げられている。このようにL形断面となるように塑性加工した縁端部21、22によって面外方向の剛性、強度が確保されている。ベース板2の四隅の部分はネジ穴が形成された取付用フランジ23〜26となっており、これらの部分が不図示の固定ネジによってXYステージ装置取付台などの固定側の部材に固定される。なお、ベース板2は軽量化のために中央部分がくり抜かれて矩形開口27となっている。
【0017】
図3(a)はX軸ステージ板3を示す斜視図であり、図3(b)はその断面形状を示すために一部分を切り取って示す斜視図である。これらの図を参照して説明すると、本例のX軸ステージ板3は金属板材料、例えば板厚が1mmのSUS製の板材を精密板金加工して得られたものであり、矩形輪郭をしたX軸ステージ本体板部分30を備え、このX軸ステージ本体板部分30の周囲四辺には、それぞれ一定幅の第1〜第4X軸ステージ縁板部分31〜34が一体形成されている。X軸ステージ本体板部分30と第1〜第4X軸ステージ縁板部分31〜34の間には、それぞれ直線状の第1〜第4X軸ステージ段差部分35〜38が形成されている。
【0018】
本例の第1〜第4X軸ステージ段差部分35〜38のそれぞれは、第1〜第4X軸ステージ縁板部分31〜34のそれぞれにおいて、X軸ステージ本体板部分30に繋がっている板部分をその表面30aから裏面30bの側に直角に折り曲げた後に再び表面30aの側に直角に折り曲げることによって形成された塑性加工部分である。したがって、第1〜第4X軸ステージ縁板部分31〜34は、X軸ステージ本体板部分30に対して一定の段差で当該X軸ステージ本体板部分30と平行に延びている。本例では、X軸ステージ板3は、その裏面30bがベース板2に向く状態で配置されている。逆に、その表面30aがベース板2に向く状態に配置することも可能である。また、X軸ステージ板3の中央部分はくり抜かれて矩形開口39となっており、軽量化が図られている。
【0019】
このように、X軸ステージ板3には、その周囲四辺を逆方向に直角に2回折り曲げることで第1〜第4X軸ステージ段差部分35〜38が形成されている。2回曲げることで、表面30aと裏面30bの曲げ箇所の残留応力が相殺され、板面の反りや歪が抑制される。よって、板金製のX軸ステージ板3の平面度を確保できる。また、周囲を曲げることで、X軸ステージ板3の全体の強度および面外剛性が上がる。したがって、従来のように切削加工によって金属ブロックから製造した厚いX軸ステージを用いる場合に比べて、その薄型化および軽量化を図ることができると共に、強度および精度も確保できる廉価なX軸ステージ板3を得ることができる。
【0020】
図4(a)〜(d)は第1X軸スライドガイド5を示す斜視図、平面図、正面図および側面図である。第1X軸スライドガイド5はレール板積層体50から構成されており、レール板積層体50は樹脂製のレール上板51、レール中板52およびレール下板53をこの順序で積層して相互に固定した構成となっている。レール上板51とレール下板53は同一の幅、長さおよび厚さの板であるが、レール中板52は長さと厚さは他の板と同一であるが幅が他の板よりも狭く略半分となっている。これらの3枚の板が幅方向の一方の端を揃えて積層され、これによって、レール上板51とレール下板53の間には、レール中板52の厚さに対応する幅のX軸スライドガイド溝54が形成されている。
【0021】
レール板積層体50には厚さ方向に複数本の位置決めピン55が貫通しており、レール下板53からそれらが垂直に突出している。これらの位置決めピン55をベース板2の左右の端縁部分に沿って形成した圧入穴(図示せず)に圧入することにより、第1X軸スライドガイド5がベース板2に位置決めされ、この状態で固定ネジ7によってベース板2に固定される。ベース板2に固定された第1X軸スライドガイド5はX軸方向に平行に延びており、そのX軸スライドガイド溝54には、X軸ステージ板3における第1X軸ステージ縁板部分31が当該スライドガイド溝54に沿ってスライド自在の状態で挿入されている。なお、各板51〜53はPOM(ポリアセタール樹脂)製である。
【0022】
他方の第2X軸スライドガイド6は第1X軸スライドガイド5と左右対象な構造であり、左右対象な位置に配置されている。第2X軸スライドガイド6の第2X軸スライドガイド溝64(図2参照)には、X軸ステージ板3の第2X軸ステージ縁板部分32がスライド自在の状態で挿入されている。
【0023】
次に、図2から分かるように、Y軸ステージ板4はX軸ステージ板3よりも一回り小さな矩形輪郭のものであり、その構造はX軸ステージ板3と同様である。すなわち、Y軸ステージ板4は、矩形輪郭のY軸ステージ本体板部分40を備え、このY軸ステージ本体板部分40の周囲四辺には、それぞれ一定幅の第1〜第4Y軸ステージ縁板部分41〜44が一体形成されている。Y軸ステージ本体板部分40と第1〜第4Y軸ステージ縁板部分41〜44の間には、それぞれ、直線状の第1〜第4Y軸ステージ段差部分45〜48が形成されている。第1〜第4Y軸ステージ段差部分45〜48のそれぞれは、第1〜第4Y軸ステージ縁板部分41〜44のそれぞれにおいて、Y軸ステージ本体板部分40に繋がっている板部分をその裏面40b側に直角に折り曲げた後に再び表面40a側に直角に折り曲げることによって形成された塑性加工部分である。なお、Y軸ステージ板4も中央部分がくり抜かれて矩形開口49が形成されている。
【0024】
また、第1Y軸スライドガイド8、第2Y軸スライドガイド9も第1X軸スライドガイド5と同様な構造であり、X軸ステージ板3におけるX軸ステージ本体板部分30における前後の縁端部分においてY軸方向に平行に延びる状態で固定され、これらのY軸スライドガイド溝84、94には、それぞれ、Y軸ステージ板4の前後の第3、第4Y軸ステージ縁板部分43、44がスライド自在の状態で挿入されている。
【0025】
このように構成したXYステージ装置1では、ベース板2、X軸ステージ板3およびY軸ステージ板4が板金製の部品から構成されているので、全体として、従来のXYステージ装置に比べて薄型化を達成できる。また、X軸ステージ板3、Y軸ステージ板4は、それらの周囲四辺の部分を表裏に2回折り曲げ加工した段差部分が形成されているので、十分な強度、面外剛性および平面度が確保されている。よって、薄型で信頼性の高い廉価なXYステージ装置を実現できる。
【0026】
(ステージ板の別の例)
図5(a)〜(f)は、X軸ステージ板3、Y軸ステージ板4として用いることのできるステージ板の別の例を示す斜視図、正面図、平面図、側面図、円Aで囲まれている部分を示す部分拡大平面図および円Bで囲まれている部分を示す部分拡大平面図である。これらの図に示すステージ板3Aの基本構成はX軸ステージ板3と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0027】
本例のステージ板3Aは、スライド時のガタ付きを除去するために、第1X軸ステージ縁板部分31および第2X軸ステージ縁板部分32に板バネ部分が一体成形されている。すなわち、第1X軸ステージ縁板部分31における縁端面には、前後方向(X軸方向)における対称な位置に一対の第1X軸ステージ板バネ部分11、12が対称な形状となるように、当該縁板部分に一体形成されている。同様に、第2X軸ステージ縁板部分32における縁端面にも、対称な位置に一対の第2X軸ステージ板バネ部分13、14が対称な形状となるように、当該縁板部分に一体形成されている。
【0028】
第1X軸ステージ板バネ部分11、12は、第1X軸ステージ縁板部分31の縁端面からY軸方向に突出して当該縁板部分に対して一定の隙間で平行に延びており、その先端にはY軸方向の外方(縁端面から離れる方向)に僅かに突出した円形状頭部11a、12aが形成されている。円形状頭部11a、12aは、第1X軸スライドガイド溝54の溝内周面(すなわち、図4におけるレール中板52の内側の端面52a)に対してY軸方向に弾性変位可能な状態で押し付けられるように寸法が設定されている。同様に、第2X軸ステージ板バネ部分13、14は、第2X軸ステージ縁板部分32の縁端面からY軸方向に突出して当該縁端面に対して一定の隙間で平行に延びており、その先端にはY軸方向の外方に僅かに突出した円形状頭部13a、14aが形成されている。円形状頭部13a、14aは、第2X軸スライドガイド溝64の溝内周面に対してY軸方向に弾性変位可能な状態で押し付けられるように寸法が設定されている。
【0029】
さらに、本例では、第1X軸ステージ板バネ部分11、12に比べて、第2X軸ステージ板バネ部分13、14の長さが短い。このため、第2X軸ステージ板バネ部分13、14の方がバネ係数が大きく、同一変形に対して大きなバネ力が発生する。この結果、X軸ステージ板3は、第1X軸スライドガイド溝54、第2X軸スライドガイド溝64に挿入された状態では、第1X軸スライドガイド溝54の側に付勢されて僅かに偏位した状態に保持され、スライド時におけるY軸方向へのガタ付きが防止されると共にスライド位置が一定に保持される。
【0030】
なお、板バネ部分は各種の形状、構造のものとすることができる。例えば、図6(a)〜(c)に示すように、全体として直線状ではなく円弧状に延びている形状の板バネ部分11A〜14Aとすることも可能である。
【0031】
(実施の形態2)
図7(a)〜(d)は本発明を適用した実施の形態2に係るXYステージ装置を示す斜視図、平面図、正面図および各ステージ板がスライドした状態を示す説明図である。これらの図に示すXYステージ装置1Bの基本構成は実施の形態1のXYステージ装置1と同様であり、板金製の矩形のベース板2Bと、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のX軸ステージ板3Bと、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のY軸ステージ板4Bを備えている。ベース板2Bの表面におけるX軸方向に延びる左右の縁辺部分には、第1、第2X軸スライドガイド5B、6Bが取り付けられており、X軸ステージ板3Bは第1、第2X軸スライドガイド5B、6BによってガイドされてX軸方向にスライドする。同様に、X軸ステージ板3Bの表面におけるY軸方向に延びる前後の縁辺部分には、第1、第2Y軸スライドガイド8B、9Bが取り付けられており、Y軸ステージ板4Bは第1、第2Y軸スライドガイド8B、9BによってガイドされてY軸方向にスライドする。
【0032】
各部材2B〜9Bは、それぞれ、実施の形態1のXYステージ装置1における対応する各部材2〜9と同様な構造となっている。しかるに、ベース板2B、X軸ステージ板3B、Y軸ステージ板4Bには矩形開口が形成されていない。また、X軸ステージ板3B、Y軸ステージ板4Bには板バネ部材が形成されておらず、その代わりにX軸ステージ板3Bの中央にY軸方向に延びるY軸ガイド15Bが固定され、Y軸ステージ板4Bには、その中央部分にY軸方向に延びるY軸ガイド溝16Bが形成されている。Y軸ガイド15BはY軸ガイド溝16Bに沿ってスライド自在の状態で当該Y軸ガイド溝16Bに挿入されている。図示を省略してあるが、ベース板2BとX軸ステージ板3Bとの間にも同様なX軸ガイド機構が構成されている。すなわち、ベース板2Bの表面にはX軸ガイドが固定され、X軸ステージ板3Bの中央部分には、X軸ガイドをX軸方向にガイドするためのX軸ガイド溝が形成されている。なお、Y軸ガイド15B、X軸ガイドは樹脂成形品、例えばPOM成形品を用いることができる。
【0033】
(実施の形態3)
図8(a)〜(d)は本発明を適用した実施の形態3に係る送り機構付きX軸ステージ装置を示す斜視図、平面図、正面図および側面図である。X軸ステージ装置1Cは板金製の矩形のベース板2Cと、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のX軸ステージ板3Cと、X軸ステージ板3Cの送り機構100Cとを備えている。
【0034】
X軸ステージ板3Cは、ベース板2C上において当該ベース板2Cに平行な平面上において予め定めたX軸方向にスライド可能である。ベース板2Cの表面におけるX軸方向に延びる左右の縁辺部分と、X軸ステージ板3CにおけるX軸方向に延びる左右の縁辺部分との間には、第1、第2X軸クロスローラーガイド5C、6Cが組み付けられており、これらによってX軸ステージ板3CがX軸方向にスライド自在である。クロスローラーガイドは市販品(例えば、THK株式会社製のもの)を用いることができる。
【0035】
ベース板2Cは金属板材料、例えば板厚が1mmのSUS製の板材を精密板金加工して得られたものであり、その左右の縁端部21C、22Cが一定幅で直角に表面側に立ち上がるように曲げ加工されている。また、その前端縁の中央部分から一定幅で前方に突出し、前端部分が表面側に直角に立ち上がるように曲げ加工されたL形の支持板部分23Cが形成されている。X軸ステージ板3Cも金属板材料、例えば板厚が1mmのSUS製の板材を精密板金加工して得られたものであり、矩形輪郭をしたX軸ステージ本体板部分30Cを備え、このX軸ステージ本体板部分30Cの周囲四辺には、それぞれ一定幅の第1〜第4X軸ステージ縁板部分31C〜34Cが一体形成されている。X軸ステージ本体板部分30Cと第1〜第4X軸ステージ縁板部分31C〜34Cの間には、それぞれ直線状の第1〜第4X軸ステージ段差部分35C〜38Cが形成されている。
【0036】
本例の第1〜第4X軸ステージ段差部分35C〜38Cのそれぞれは、第1〜第4X軸ステージ縁板部分31C〜34Cのそれぞれにおいて、X軸ステージ本体板部分30Cに繋がっている板部分をその表面から裏面の側に直角に折り曲げた後に再び表面の側に直角に折り曲げることによって形成された塑性加工部分である。したがって、第1〜第4X軸ステージ縁板部分31C〜34Cは、X軸ステージ本体板部分30Cに対して一定の段差で当該X軸ステージ本体板部分30Cと平行に延びている。本例では、X軸ステージ板3Cは、その表面がベース板2Cに向く状態に配置されており、X軸ステージ本体板部分30Cに比べて第1〜第4X軸ステージ縁板部分31C〜34Cの方がベース板2Cから離れた位置(上側の位置)にある。
【0037】
ここで、送り機構100Cについて説明すると、X軸ステージ板3Cの前側の第3X軸ステージ縁板部分33Cの前端面の中央部分には、一定幅で直角に立ち上げた立ち上げ板部分39Cが形成されている。この立ち上げ板部分39Cと、ベース板2Cの側の支持板部分23Cに取り付けたローレットノブ101Cとの間には、送りネジ102Cがねじ込み可能な状態で架け渡されており、その脚部先端部には止め輪103Cが取り付けられて、抜けが防止されている。また、送りネジ102Cの脚部を同心状に取り囲む状態で、X軸ステージ板3Cの側とベース板2Cの側の間にはコイルスプリング104Cが装着されている。したがって、送りネジ102Cを回すことによって、X軸ステージ板3Cをベース板2Cに対してX軸方向にスライドさせることができる。
【0038】
この構成のX軸ステージ装置1Cにおいても、そのX軸ステージ板3Cには、その周囲四辺を逆方向に直角に2回折り曲げることで第1〜第4X軸ステージ段差部分35C〜38Cが形成されている。このように2回曲げることで、板材の表面と裏面の曲げ箇所の残留応力が相殺され、板面の反りや歪が抑制される。よって、板金製のX軸ステージ板3Cの平面度を確保できる。また、周囲を曲げることで、X軸ステージ板3Cの全体の強度および面外剛性が上がる。したがって、従来のように切削加工によって金属ブロックから製造した厚いX軸ステージを用いる場合に比べて、その薄型化および軽量化を図ることができると共に、強度および精度も確保できる廉価なX軸ステージ板3Cを得ることができる。この結果、X軸ステージ装置を全体として薄型化することができる。
【0039】
(実施の形態4)
図9は、図8のX軸ステージ装置1Cを用いて構成された送り機構付きXYステージ装置を示す斜視図である。本例のXYステージ装置1Dは、板金製の矩形のベース板2Dと、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のX軸ステージ板3Dと、Y軸ステージ板4Dと、X軸ステージ板3Dの送り機構100DおよびY軸ステージ板4Dの送り機構110Dとを備えている。ベース板2D、X軸ステージ板3Dおよび送り機構100Dからなる部分は、図8のX軸ステージ装置1Cと同一である。
【0040】
X軸ステージ板3DとY軸ステージ板4Dの間には、Y軸方向に延びる前後一対のクロスローラーガイド8D、9Dが組み付けられており、これらによってY軸ステージ板4DがY軸方向にガイドされる。Y軸ステージ板4DはX軸ステージ板3Dよりも一回り小さな寸法であること以外は同一構造である。送り機構110Dも送り方向がY軸方向であること、および、X軸ステージ板3DとY軸ステージ板4Dの間に組み付けられていること以外は送り機構100Dと同一構造である。
【0041】
(実施の形態5)
図10は、送り機構付きXYステージ装置の別の例を示す斜視図である。本例のXYステージ装置1Eは、板金製の矩形のベース板2Eと、この上に搭載されている板金製の矩形輪郭のX軸ステージ板3Eと、この上に搭載されている板金製のY軸ステージ板4Eと、X軸ステージ板3Eの送り機構100EおよびY軸ステージ板4Eの送り機構110Eとを備えている。
【0042】
ベース板2E、X軸ステージ板3EおよびY軸ステージ板4Eは、それらの中心部分が切り取られて矩形開口が形成されている以外は、それぞれ、図9に示す送り機構付きXYステージ装置1Dにおけるベース板2D、X軸ステージ板3DおよびY軸ステージ板4Dと同様に構成されている。
【0043】
ベース板2EとX軸ステージ板3Eの間には、X軸方向に延びる左右一対のX軸スライドガイド(クロスローラーガイド)5E、6Eが組み付けられており、これらによってX軸ステージ板3EがX軸方向にガイドされる。同様に、X軸ステージ板3EとY軸ステージ板4Eの間には、Y軸方向に延びる前後一対のY軸スライドガイド(クロスローラーガイド)8E、9Eが組み付けられており、これらによってY軸ステージ板4EがY軸方向にガイドされる。Y軸ステージ板4EはX軸ステージ板3Eよりも一回り小さな寸法であること以外は同一構造である。
【0044】
X軸ステージ板3Eの送り機構100Eは、ベース板2Eの側方端において直角に立ち上げた縁端部22Eの外側面に沿って前後方向に延びている送りネジ102Eと、この送りネジ102Eの先端に形成されているローレットノブ101Eを備えている。送りネジ102Eは、ベース板2Eの縁端部22Eの前端に形成した支持板103Eによって、その中心軸線回りに回転可能な状態で支持されている。また、送りネジ102Eの先端側の部位は、X軸ステージ板3Eにおける第2X軸ステージ縁板部分32Eから側方に突出している支持板104Eに形成したナット部分105Eのネジ孔に螺合している。ローレットノブ101Eを回すと、それにより一体回転する送りネジ102EによってX軸ステージ板3EがX軸方向に移動する。なお、支持板103Eとナット部分105Eの間に圧縮コイルバネを配置して送り時の送りネジのガタ付きを無くすことが望ましい。
【0045】
Y軸ステージ板4Eの送り機構110Eも同様な構造であり、X軸ステージ板3Eの後側の端において直角に立ち上げた縁端部の外側面に沿って左右方向に延びている送りネジ112Eと、この送りネジ112Eの先端に形成されているローレットノブ111Eを備えている。送りネジ112Eは、X軸ステージ板3Eの縁端部の前端に形成した支持板113Eによって、その中心軸線回りに回転可能な状態で支持されている。また、送りネジ112Eの先端側の部位は、Y軸ステージ板4Eにおける第4Y軸ステージ縁板部分44Eから後方に突出している支持板114Eに形成したナット部分115Eのネジ孔に螺合している。ローレットノブ111Eを回すと、それにより一体回転する送りネジ112EによってY軸ステージ板4EがY軸方向に移動する。なお、支持板113Eとナット部分115Eの間に圧縮コイルバネを配置して送り時の送りネジのガタ付きを無くすことが望ましい。
【0046】
この構成の送り機構付きXYステージ装置1Eでは、送り機構の送りネジが各ステージ板の端面に沿って配置されているので、ステージ装置の省スペース化と同時に、送り機構による各ステージ板のストローク量の最大化を図ることができる。
【0047】
(送り機構の送りネジのガタ付き防止構造の別の例)
上記の送り機構100E、110Eにおいては、圧縮コイルバネを配置して送り時の送りネジ102E、112Eのガタ付きを無くすようにしている。この代わりに、バネ特性のある薄板状のワッシャを用いたガタ付き防止構造を採用することができる。
【0048】
図11は、このガタ付き防止構造を備えた送り機構の主要部分を示す説明図および分解斜視図である。この送り機構100Fは、ローレットノブ101Fを備えた送りネジ102Fと、この送りネジ102Fを支持している支持板103Fとを備えている。支持板103Fには、送りネジ102Fがスライド可能な状態で通されている円形開口を備えた保持板107Fが取り付けられている。この保持板107Fの背面側には、バネ特性のある薄板状のワッシャ108Fが重ね合わされており、当該ワッシャ108Fは背面側から円形開口を備えた押さえ板109Fによって保持板107Fに押し付け固定されている。
【0049】
ワッシャ108Fの開口内周面には、送りネジ102Fの各ネジ間の谷部分に入り込むことのできる山形状の歯108aが円周方向に形成されている。したがって、送りネジ102Fを保持板107Fにねじ込むと、ワッシャ108Fの各歯108aに送りネジ102Fのネジ側面102aが当り、各歯108aを弾性変形させながら各歯108aを通り過ぎる。よって、各歯108aの弾性力によって、送りネジ102Fはねじ込み方向とは反対方向に押された状態が形成される。よって、送りネジ102Fをガタ付き無くねじ込むことができる。送りネジ102Fを逆方向に回す場合は、ワッシャ108Fの各歯108aが逆方向からネジ側面を押し付けるので、同様に送りネジ進行方向のガタ付きが防止される。
【0050】
この構成の送り機構100Fは、図10における送り機構100E、110Eの代わりに用いることができる。送り機構100Eの代わりに用いる場合には、図10において、送りネジ102FがX軸ステージ板のナット部分105Eにねじ込まれた状態にセットされる。送りネジ102Fを回すことにより、X軸ステージ板をX軸方向にスライドさせることができ、送りネジ102Fの進行方向のガタ付きがワッシャ108Fによって防止されるので、精度の高い送り動作を実現できる。
【符号の説明】
【0051】
1、1B、1D、1E XYステージ装置
1C X軸ステージ装置
2、2B、2C、2D、2E ベース板
3、3B、3C、3D、3E X軸ステージ板
4、4B、4D、4E Y軸ステージ板
5、5B、5E 第1X軸スライドガイド
6、6B、6E 第2X軸スライドガイド
7 固定ネジ
8、8B、8E 第1Y軸スライドガイド
9、9B、9E 第2Y軸スライドガイド
10 固定ネジ
11、12 第1X軸ステージ板バネ部分
11a、12a 円形状頭部
13、14 第2X軸ステージ板バネ部分
13a、14a 円形状頭部
15B Y軸ガイド
16B Y軸ガイド溝
21、22 縁端部
23〜26 取付用フランジ
27 矩形開口
28C 支持板部分
30、30C X軸ステージ本体板部分
30a 表面
30b 裏面
31〜34、31C〜34C 第1〜第4X軸ステージ縁板部分
35〜38、34C〜38C 第1〜第4X軸ステージ段差部分
39 矩形開口
39C 立ち上げ板部分
40 Y軸ステージ本体板部分
40a 表面
40b 裏面
41〜44 第1〜第4Y軸ステージ縁板部分
45〜48 第1〜第4Y軸ステージ段差部分
49 矩形開口
50 レール板積層体
51 レール上板
52 レール中板
53 レール下板
54、64 X軸スライドガイド溝
55 位置決めピン
84、94 Y軸スライドガイド溝
100C、100D、110D、100E、110E、100F 送り機構
101C、101E、111E、101F ローレットノブ
102C、102E、112E、102F 送りネジ
102a ネジ側面
103C 止め輪
104C コイルスプリング
103F 支持板
107F 保持板
108F ワッシャ
108a 歯
109F 押さえ板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板と、
予め定めたX軸方向にスライド可能な状態で前記ベース板に搭載されている板金製のX軸ステージ板とを有し、
前記X軸ステージ板は、
矩形輪郭のX軸ステージ本体板部分と、
このX軸ステージ本体板部分の周囲四辺にそれぞれ一体形成されている一定幅の第1〜第4X軸ステージ縁板部分と、
前記X軸ステージ本体板部分と前記第1〜第4X軸ステージ縁板部分のそれぞれとの間に形成されている直線状の第1〜第4X軸ステージ段差部分とを備え、
前記第1〜第4X軸ステージ段差部分のそれぞれは、前記第1〜第4X軸ステージ縁板部分のそれぞれにおいて、前記X軸ステージ本体板部分に繋がっている板部分を前記X軸ステージ本体板部分の裏面側に直角に折り曲げた後に再び表面側に直角に折り曲げることによって形成された塑性加工部分であり、
前記第1、第2X軸ステージ縁板部分は前記X軸方向に平行に延び、前記第3、第4X軸ステージ縁板部分は前記X軸方向に直交するY軸方向に平行に延びており、
前記X軸ステージ板は、その裏面が前記ベース板に向く状態あるいはその表面が前記ベース板に向く状態に配置されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ベース板には、前記X軸方向に平行に延びている一対の第1、第2X軸スライドガイド溝が形成されており、
前記第1、第2X軸スライドガイド溝には、それぞれ、前記第1、第2X軸ステージ縁板部分がスライド可能な状態で挿入されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1X軸ステージ縁板部分における縁端面には第1X軸板バネ部分が一体形成されており、
前記第2X軸ステージ縁板部分における縁端面には第2X軸板バネ部分が一体形成されており、
前記第1X軸板バネ部分は、前記第1X軸ステージ縁板部分の縁端面から前記Y軸方向に突出して前記第1X軸スライドガイド溝の溝内周面に対して前記Y軸方向に弾性変位可能な状態で押し付けられており、
前記第2X軸板バネ部分は、前記第2X軸ステージ縁板部分の縁端面から前記Y軸方向に突出して前記第2X軸スライドガイド溝の溝内周面に対して前記Y軸方向に弾性変位可能な状態で押し付けられていることを特徴とするステージ装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1X軸板バネ部分および前記第2X軸板バネ部分のバネ係数が異なることを特徴とするステージ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記ベース板および前記X軸ステージ板には、それらの中央部分がくり抜かれて開口部となっていることを特徴とするステージ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記ベース板に対して前記X軸ステージ板を前記X軸方向にスライドさせるための送り機構を有しており、
前記送り機構は、前記ベース板の側に配置した送りネジと、前記X軸ステージ板の側に配置したナット部分と、前記送りネジおよび前記ナット部分の間における前記送りネジの進行方向のガタ付きを防止するためのバネ特性のある薄板からなるワッシャとを備えていることを特徴とするステージ装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれかの項において、
前記Y軸方向にスライド可能な状態で前記X軸ステージ板に搭載されている金属製のY軸ステージ板を有し、
前記Y軸ステージ板は、
矩形輪郭のY軸ステージ本体板部分と、
このY軸ステージ本体板部分の周囲四辺にそれぞれ一体形成されている一定幅の第1〜第4Y軸ステージ縁板部分と、
前記Y軸ステージ本体板部分と前記第1〜第4Y軸ステージ縁板部分のそれぞれとの間に形成されている直線状の第1〜第4Y軸ステージ段差部分とを備え、
前記第1〜第4Y軸ステージ段差部分のそれぞれは、前記第1〜第4Y軸ステージ縁板部分のそれぞれにおいて、前記Y軸ステージ本体板部分に繋がっている板部分を前記Y軸ステージ本体板部分の裏面側に直角に折り曲げた後に再び表面側に直角に折り曲げることによって形成された塑性加工部分であり、
前記第3、第4Y軸ステージ縁板部分は前記Y軸方向に平行に延び、前記第1、第2Y軸ステージ縁板部分は前記X軸方向に平行に延びており、
前記Y軸ステージ板は、その裏面が前記X軸ステージ板に向く状態あるいはその表面が前記X軸ステージ板に向く状態に配置されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記X軸ステージ板には、前記Y軸方向に平行に延びる一対の第1、第2Y軸スライドガイド溝が形成されており、
前記第1、第2Y軸スライドガイド溝には、それぞれ、前記第3、第4Y軸ステージ縁板部分がスライド可能な状態で挿入されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第3Y軸ステージ縁板部分における縁端面には第1Y軸板バネ部分が一体形成されており、
前記第4Y軸ステージ縁板部分における縁端面には第2Y軸板バネ部分が一体形成されており、
前記第1Y軸板バネ部分は、前記第3Y軸ステージ縁板部分の縁端面から前記X軸方向に突出して前記第1Y軸スライドガイド溝の溝内周面に対して前記X軸方向に弾性変位可能な状態で押し付けられており、
前記第2Y軸板バネ部分は、前記第4Y軸ステージ縁板部分の縁端面から前記X軸方向に突出して前記第2Y軸スライドガイド溝の溝内周面に対して前記X軸方向に弾性変位可能な状態で押し付けられていることを特徴とするステージ装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記第1Y軸板バネ部分および前記第2Y軸板バネ部分のバネ係数が異なることを特徴とするステージ装置。
【請求項11】
請求項7ないし10のうちのいずれかの項において、
前記Y軸ステージ板には、その中央部分がくり抜かれて開口部となっていることを特徴とするステージ装置。
【請求項12】
請求項7ないし11のうちのいずれかの項において、
前記X軸ステージ板に対して前記Y軸ステージ板を前記Y軸方向にスライドさせるためのY軸送り機構を有しており、
前記Y軸送り機構は、前記X軸ステージ板の側に配置したY軸送りネジと、前記Y軸ステージ板の側に配置したY軸ナット部分と、前記Y軸送りネジおよび前記Y軸ナット部分の間における前記Y軸送りネジの進行方向のガタ付きを防止するためのバネ特性のある薄板からなるY軸ワッシャとを備えていることを特徴とするステージ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−251854(P2012−251854A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124138(P2011−124138)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(392015365)株式会社平出精密 (10)
【Fターム(参考)】