柔らかく絹のような触感を示すポリマーウェブを製造するための装置
その少なくとも一つの側面上で柔らかく絹のような触感を示すポリマーウェブが開示される。ウェブの絹のような感触の側面は、個々の毛髪様フィブリルのパターンを示し、毛髪様フィブリルの各々はウェブ表面の突き出た延長であり、開いた近位部分及び閉じた遠位部分を規定する側壁を有する。毛髪様フィブリルは、0.05〜0.13mm(2〜5ミル)の最大横断面直径及び1〜3の縦横比を示す。ポリマーウェブを製造するための方法及び装置は、少なくとも約1の平均縦横比を有するほぼ円柱状の形態である複数の突出部を有する三次元の形成構造体を使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの表面上で柔らかく及び絹のような触感を示すポリマーウェブを製造するための成形構造体に関する。更に特には、本発明は、使い捨て吸収性物品の体に面するトップシートとして用い得る柔らかく及び絹のような触感を示す三次元のポリマーウェブを製造するための成形構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
予想されるいずれの接触点においても、使用者の皮膚に対して柔らかい布様表面の感触を有する、生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間用品、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用品、創傷包帯などを包含する吸収性用品などのような使い捨て物品を構築することは極めて望ましい。同様に、特に使用中に乾いた表面の感触を使用者に提示する吸収性用品を構築することは、使い捨て物品の技術においては長いこと知れらていた。使用中に乾いた表面の感触を保持する柔らかい布様の体に面する表面を有することにより、吸収性用品は改善された装着の快適さを与え、及び吸収性用品内に吸収された水分への長期の暴露による望ましくない皮膚状態の進行を最小限にする。
【0003】
織布及び不織布の繊維性ウェブは、それらの心地よい表面の感触のために、吸収性用品の体に面するトップシートとして頻繁に採用されるが、巨視的に膨張された三次元アパーチャを有するポリマーウェブ、例えばプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)より市販される商業的に成功したドライ−ウィーブ(DRI-WEAVE)(商標)トップシートもまた使用されてきた。この種類の一つの実行可能なポリマーウェブは、米国特許第4,342,314号(レーデル(Radel)ら、1982年8月3日発行)に開示されている。こうしたウェブは、望ましい流体移送及び流体保持特性を示すことが明らかにされてきた。望ましい流体移送特性により、トップシートは尿又は経血のような流体を捕捉し、及び流体を吸収性物品中に渡すことが可能になる。吸収性物品中に一旦吸収されると、トップシートの流体保持特性は、好ましくは、再湿潤、即ち流体のトップシートへの逆流の動きを妨げる。再湿潤は、次のような少なくとも二つの原因の結果であり得る:(1)吸収性物品への圧力による吸収された流体の絞り出し;及び/又は(2)トップシート内又はトップシート上に捕捉された湿潤。好ましくは流体捕捉及び流体保持の両特性は最大化される。換言すると、好ましくはトップシートは高率の流体捕捉及び低度の再湿潤を示す。
【0004】
その他の巨視的に膨張された三次元アパーチャを有するポリマーウェブが知られている。例えば米国特許第4,463,045号(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行)は、実質的に非光沢の可視表面及び布様の触感を示す巨視的に膨張された三次元ポリマーウェブを開示する。アール(Ahr)らは、入射光線を広く反射し及びそれによって光沢をなくすために、規則的に間隔をあけた表面の歪みのパターンに関して満たさなければならない基準を教示している。アール(Ahr)らは、結果として得られるウェブの触感がより布様又は繊維様であるためには、ウェブの表面の歪みは、少なくとも約0.0051mm(0.2mil(即ち0.0002インチ))、及び最も好ましくは少なくとも約0.00762mm(0.3mil(即ち0.0003インチ))の平均振幅を示すことが必要であると教示している。光沢をなくすことについてのその進歩にもかかわらず、アール(Ahr)らのウェブの表面の歪みの構造は、望ましい柔軟性を欠く可能性がある。例えば米国特許第4,629,643号(クーロ(Curro)らに発行)(以下に述べる)のように、当該技術分野において認識されるように、望ましい柔軟性の不足は、各歪みの構造によるものであると考えられており、これは個々の構造単位として行動し、撓みに抵抗する「弓形」の特性を有するものとして記述できる。十分な撓みのこうした不足は、使用者の皮膚が経験するソフトな感触を損なう。
【0005】
アール(Ahr)らのウェブについてソフトな感触を改善するために提案された一つの解決策は、前述の米国特許第4,629,643号(クーロ(Curro)らの’643号)に開示された。クーロ(Curro)らの’643号は、個々の表面の歪みの微小規模のパターンを示す、ミクロアパーチャを有するポリマーウェブを開示する。これらの表面の歪みの各々は、最大振幅を有し、及びアール(Ahr)らにより開示されたウェブ構造と異なり、少なくとも一つのミクロアパーチャが提供され、これは各表面の歪みの最大振幅と実質的に同時に発生する。各表面の歪みの最大振幅でのミクロアパーチャの形成は、花弁の形状の縁を有する噴火口様の先端を提供する。結果として得られるヒトの皮膚と接触するウェブの表面は、アール(Ahr)らにより教示されるアパーチャなしの「弓形様」構造より総面積が小さく、並びに圧縮及び剪断力に対して抵抗力がより小さいと考えられている。
【0006】
クーロ(Curro)らの’643号のミクロアパーチャを有するフィルムは、優れた触感を使用者の皮膚に付与するが、吸収性物品のトップシートとして用いられる場合、特定の流体処理特性に関連する幾つかの欠点を有する。例えば、クーロ(Curro)らの’643号に開示されたようなウェブは、生理用ナプキン上のトップシートとして用いられる場合、容認し難いほど多量の再湿潤、即ち流体であって初めに生理用ナプキンに吸収されるべくトップシートを通過した後でトップシートの皮膚に面する表面に戻ってくる流体を許す可能性があることが見出された。特に、クーロ(Curro)の’643号によるウェブは、圧力下で再湿潤をより受けやすい可能性があるようである。これは、こうした製品が例えば生理用品のトップシートとして用いられる場合、吸収された流体はトップシートの多くのミクロアパーチャを通って製品から戻るように強制される可能性があるためである。クーロ(Curro)らの’643号の構造中のミクロアパーチャの各々は、通常の装着条件の圧力下で、流体が吸収性物品中の内在する吸収性コアから逃れるための通路を提供し得るようである。ウェブ構造中のこれらの通路はそのため流体保持を減少させ、及び吸収性構造における再湿潤を増加させる。
【0007】
クーロ(Curro)の’643号の欠点を軽減する試み、即ち柔らかさを最大化し及び再湿潤を減少する両方を行う試みは、例えば米国特許第6,228,462号(リー(Lee)ら、2001年5月8日発行)に見出すことができる。リー(Lee)は、硬質ポリマーを含む圧縮抵抗力のあるウェブを開示している。硬質ポリマーの圧縮抵抗力は再湿潤を減少するのを助けるが、使用される硬質ポリマーはウェブの柔らかさを減少する傾向がある。
【0008】
その上、巨視的に膨張された三次元アパーチャを有するポリマーウェブを製造するためのクーロ(Curro)らの’643号及びリー(Lee)の’’462号に開示されるハイドロフォーミングプロセスは、ハイドロフォーミング後に乾燥されなくてはならない成形フィルムを結果として生じる。水を保持できるミクロアパーチャの多くの隙間のために、こうしたウェブの業務用量を乾燥することは、著しい量のエネルギーを消費し、及び乾燥設備に著しい設備投資を必要とする可能性がある。こうしたウェブを有効に乾燥するための手法の一つの例は、米国特許第4,465,422号(クーロ(Curro)ら、1987年9月22日発行)に開示されている。
【0009】
生理用ナプキン上のトップシートとして用いられる場合、クーロ(Curro)の’643号及びリー(Lee)の’462号に開示されるウェブに関連する更に一つの欠点は、ミクロアパーチャが経血のような流体を捕捉する傾向である。捕捉はミクロアパーチャ自体の中及び/又は隣接するミクロアパーチャとの間であり得る。そのように捕捉された流体はウェブの表面に又はウェブの表面近くに残留し、及びそのため装着者の皮膚に長時間の間接触する可能性がある。この接触は装着者の皮膚の健康に対して負に影響し、及びトップシートが使用後に清潔な外観を有しない原因となる。
【0010】
改善された機能的表面を有する、柔らかい三次元の巨視的に膨張されたウェブを製造する別の試みは、米国特許第5,670,110号(ダーク(Dirk)ら、1997年9月23日発行)である。ダーク(Dirk)らのウェブは、スクリーン印刷ロールにより達成されるフィブリルを使用する。しかしながらスクリーン印刷は、消費者物品のための商業用ウェブを製造するためには相対的に遅いプロセスである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故に、優れた触感及び優れた流体処理特性を有する改善された成形フィルムウェブを有することは有益である。
更に、優れた触感を有し、並びに優れた流体の保持及び再湿潤の特性を提供する成形フィルムウェブを有することは有益である。
更に、優れた触感を有し、並びに衛生物品のために優れた清潔さを提供する成形フィルムウェブを有することは有益である。
更に、優れた触感を有し、並びに優れた流体の保持及び再湿潤の特性を提供する成形フィルムウェブを製造するための改善されたプロセスを有することは有益である。
最後に、優れた触感を有し、並びに優れた流体の保持及び再湿潤の特性を提供する成形フィルムウェブを形成するための成形構造体を製造する改善された装置及び方法を有することは有益である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
それから延出する円柱状の突出部を有する成形構造体を製造するための方法であって、その方法は次の工程を含む:
a)成形単位を提供する工程;
b)裏打ちフィルムを提供する工程;
c)小アパーチャのある要素を提供する工程;
d)裏打ちフィルムが小アパーチャのある要素と成形単位との間に入るように、小アパーチャのある要素と裏打ちフィルムを成形単位に関して並列する工程;
e)液体感光性樹脂を提供する工程;
f)液体感光性樹脂のコーティングを小アパーチャのある要素に適用する工程;
g)感光性樹脂のコーティングと接触する関係において第一の透明マスクを並列する工程;
h)裏打ちフィルムとコーティングの第一マスクとの間の第一の厚さを予め選択された値に制御する工程;
i)液体感光性樹脂を第一マスクを通して活性化波長を有する光に暴露し、それによって感光性樹脂の部分的硬化を生じさせて部分的に硬化された感光性樹脂のモノリシック構造のスラブを形成する工程;
j)第一マスクを取り除く工程;
k)工程(g)〜(h)における第一マスクと置き換える異なる第二マスク、及び工程(h)における異なる第二の厚さを用いて工程(a)〜(j)をもう一度繰り返す工程であって、第二の厚さは裏打ちフィルムと第二マスクとの間に、及び第一の厚さより厚く定義され、及び工程(i)ではモノリシック構造のスラブ上の複数の突出部の部分的硬化を生じさせて結果としてそれらがモノリシック構造のスラブに結合し及び一体となるようにし、及び工程(j)では第二マスクを取り除く工程;
l)小アパーチャのある要素及びその上の部分的に硬化された樹脂を酸素を含まない環境に浸す工程;
m)小アパーチャのある要素及びその上の部分的に硬化された樹脂を、部分的に硬化された樹脂を完全に硬化するための活性化波長を有する光に暴露し、結果として、成形構造体から延出する円柱状の突出部を有する成形構造体を生じる工程。
【0013】
この方法は、成形構造体を貫通して複数のアパーチャをレーザーエッチングしてアパーチャを有するの成形構造体を形成する工程を更に含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書は、本発明の主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲により結論とするが、本発明は添付図面と共に考慮される次の説明により、更に良く理解されると考えられる。
【0015】
図1は、前述の米国特許第4,342,314号に一般に従って形成された、先行技術の巨視的に膨張された三次元の流体透過性ポリマーウェブ40の部分的にセグメント化された拡大斜視図である。この種類のウェブは、生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間用品などの吸収性物品のトップシートとして用いるのに極めて好適であることが見出されている。流体透過性のウェブ40は、一次アパーチャ41などのアパーチャであることができる複数の巨視的な表面の歪みを示す。一次アパーチャ41は、繊維様の要素、例えば42、43、44、45、及び46などの多数の相互に連結する部材により形成され、それらは相互に連結されて、ウェブ40の連続的な第一表面50を定義する。各繊維様の要素は基盤部、例えば基盤部51を有し、第一表面50の平面52に位置している。各基盤部は側壁部、例えば側壁部53を有し、その各長手方向縁部に結合している。側壁部は、ウェブ40の不連続な第二表面55の方向に一般に延出する。交差する側壁部は、ウェブの第一及び第二表面の中間で相互に連結し、及び第二表面55の平面56において互いに実質的に同時に終了する。幾つかの実施形態では、基盤部51は、前述のアール(Ahr)の’045号特許に従って表面の歪み58を有してもよい。
【0016】
本明細書で使用する時、「巨視的に膨張された」という用語は、前駆体ウェブ又はフィルム、例えば平面的なウェブから形成されるウェブの構造を指し、これは三次元成形構造体の表面に適合させられており、その結果成形構造体の三次元パターンへの前駆体ウェブの少なくとも部分的な適合のために、前駆体ウェブの両側面又は表面は永久に変更される。こうした巨視的に膨張されたウェブは典型的には、エンボス加工により(即ち成形構造体が主として雄の突出部から構成されるパターンを示す場合)、デボス加工(debossing)により(即ち成形構造体が主として雌の陥没部又はアパーチャから構成されるパターンを示す場合)、又は両方の組み合わせにより成形構造体の表面に適合させられる。
【0017】
本明細書で使用する時、「巨視的」という用語は、見るヒトの目とウェブとの間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、容易に目で見ることができ、及び20/20の視力を有するヒトがはっきりと識別できる構造的特徴又は要素を指す。逆に、「微視的」という用語は、見るヒトの目とウェブの平面との間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、容易に目で見ることができず、及び20/20の視力を有するヒトがはっきりと識別できない構造的特徴又は要素を指すのに使用される。一般に、本明細書で使用する時、本明細書に開示されるウェブの一次アパーチャは巨視的であり、及び表面の歪み、例えばより完全に以下に開示される毛髪様フィブリルは微視的であると考えられる。
【0018】
本明細書で使用する時、「平面的」という用語は、ウェブを三次元成形フィルムに永久に変形する前に巨視的な尺度で裸眼で見た場合の前駆体ウェブ又はフィルムの全体的な状態を指す。この文脈において、押出成形後加工前の押出成形フィルム、及び永久的な巨視的三次元性の顕著な度合い、例えばフィルムの平面からの変形を示さないフィルムは一般に平面的であるとして記述される。
【0019】
本明細書で使用する時、「相互に連結する部材」という用語はウェブ、例えば図1のウェブ40の幾つかの又はすべての要素を指し、その部分は一次アパーチャを連続的ネットワークにより定義する役目をする。図1の記述及び本明細書の本発明から理解できるように、相互に連結する部材、例えば繊維様の要素42、43、44、45、及び46は接触して相互に連結する要素が互いに融合されて相互に隣接する移行部分になることにより本質的に連続的である。個々の相互に連結する部材は、いずれかの二つの隣接する一次アパーチャの間に配置されるウェブのそうした部分が、第一表面において始まり及び第二表面まで延出している図1を参照して最も良く記述できる。ウェブの第一表面上では相互に連結する部材は、集合的に連続的ネットワーク又はパターンを形成し、相互に連結する部材の連続的ネットワークは一次アパーチャを定義し、及びウェブの第二表面上では、相互に連結する部材の相互に連結する側壁は、二次アパーチャの不連続なパターンを集合的に形成する。相互に連結する部材は、図6を参照してより一般的に以下に記述される。
【0020】
三次元の巨視的に膨張されたウェブにおいて、相互に連結する部材は通路様であるとして記述されてもよい。それらの二次元の断面はまた、前述のレーデル(Radel)の’314号特許のように「U字形状」として、又は米国特許第5,514,105号(グッドマン・ジュニア(Goodman,Jr.)ら、1996年5月7日発行)に開示されるように「上方に凹形の形状」として記述されてもよい。本明細書で使用する時、及び図1に描写されるように、「上方に凹形の形状」は、相互に連結する部材の通路様の形状の向きについて、ウェブの表面に関して、一般に第一表面50内の基盤部51、及び脚、例えば基盤部51から第二表面55の方向に延出する通路の側壁部53、第二表面55内に実質的に存在する通路の開口について記述する。一般に、ウェブ、例えばウェブ40を切断し、平面、例えば第一表面50の平面52に直交し、及びいずれかの二つの隣接する一次アパーチャ、例えばアパーチャ41に交わる平面については、その中に配置される相互に連結する部材の結果の断面は、実質的にU字形状であってもよいほぼ上方に凹形の形状を示す。
【0021】
「連続的な」という用語は、巨視的に膨張された三次元成形フィルムウェブの第一表面を記述するために本明細書で使用する場合は、一般に第一表面の平面内における第一表面の中断されない特性を指す。したがって第一表面のいずれの点にも第一表面上のその他のいずれの点からも、第一表面を実質的に離れずに到達することができる。逆に本明細書で使用する時、「不連続的な」という用語は、三次元成形フィルムウェブの第二表面を記述するために使用する場合は、一般に第二表面の平面内における第二表面の中断される特性を指す。したがって第二表面のいずれの点も第二表面上のその他のいずれの点からも、第二表面の平面内の第二表面を実質的に離れずに到達できるとは必ずしも限らない。
【0022】
図2は、前述のクーロ(Curro)の’643号の特許に一般に従って形成された、別の先行技術のミクロアパーチャを有するポリマーウェブ110の部分の部分的にセグメント化された拡大斜視図を示す。ミクロアパーチャを有する表面の歪み120は、ハイドロフォーミングプロセスにより形成することができるが、その中では高圧液体噴射が使用されてウェブを三次元支持部材に適合させる。示されるように、各ミクロアパーチャを有する表面の歪み120の最大振幅に実質的に一致する裂け目が、その周囲に相対的に薄い不規則な形状の花弁126を有する噴火口の形状のアパーチャ125の形成を結果として生じる。こうしたウェブのアパーチャの相対的に薄い花弁形状の縁は、例えばアール(Ahr)の’045号のウェブと比べた場合に、より柔らかな印象を使用者の皮膚上に提供する。この柔らかな印象は、噴火口の形状のアパーチャを有する表面の歪みにより与えられる、圧縮及び剪断力への抵抗力の相対的な不足によるものであると考えられている。
【0023】
上記のように、クーロ(Curro)の’643号のミクロアパーチャを有するフィルムは優れたソフトな触感を付与するが、それはまた使い捨て吸収性物品上のトップシートとして用いられる場合、望ましくない再湿潤を許す可能性がある。本発明のウェブは、クーロ(Curro)の’643号のウェブに匹敵する、圧縮及び剪断力への小さい抵抗力を示す表面の歪みにより柔らかさを提供するが、ミクロアパーチャによる流体の流れを許さないことによりこの問題を解決する。そのため本発明のウェブの一つの利益は、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収性物品上のトップシートとして用いられる場合の、最小限の再湿潤と共に優れた柔らかさである。
【0024】
図3は、本発明の流体透過性の巨視的に膨張された三次元のポリマーウェブ80の部分的にセグメント化された拡大斜視図である。ポリマーウェブの巨視的な表面の歪み、例えば一次アパーチャ71の幾何学構造は、図1に示される先行技術のウェブ40のそれにほぼ類似している可能性がある。一次アパーチャ71は、本明細書において「アパーチャ」又は「マクロアパーチャ」と呼ばれる場合もあり、ウェブ80の第一表面90とウェブ80の第二表面85との間の流体連通を可能にするウェブ中の開口を指す。図3に示されるウェブの一次アパーチャ71は、相互に連結する部材、例えば相互に連結される部材91、92、93、94、及び95の連続的ネットワークにより第一表面90の平面102内に定義される。第一表面90の平面内に突き出た一次アパーチャ71の形状は、整列した又は無作為のパターンによる多角形、例えば正方形、六角形などの形状であってもよい。好ましい実施形態では、一次アパーチャ71は変形した楕円形の形状であり、一つの実施形態では一次アパーチャ71は涙の滴の一般形状である。ポリマーウェブ80は、より完全に以下に記述される毛髪様フィブリル225の形態の複数の表面の歪み220を示す。
【0025】
本発明の三次元のミクロアパーチャを有するポリマーウェブ80では、各相互に連結する部材は基盤部、例えば一般に平面102に位置する基盤部81を含み、及び各基盤部は側壁部、例えばその各長手方向縁部から延出する側壁部83を有する。側壁部83は、一般にウェブ80の第二表面85の方向に延出し、隣接する相互に連結する部材の側壁に第一及び第二表面、それぞれ90及び85の中間で結合し、及び互いに実質的に同時に終了して二次アパーチャ、例えば第二表面85の平面106内の二次アパーチャ72を定義する。
【0026】
図6は、本発明の三次元の、マクロアパーチャを有するポリマーウェブの別の実施形態の、第一表面の平面内に突き出た代表的な一次アパーチャの形状の平面図である。均一な形状の繰返しパターン、例えば市松模様のパターンが好ましいが、一次アパーチャ、例えばアパーチャ71の形状は一般に円形、多角形、又は混合したものであってもよく、及び整列したパターン又は無作為のパターンで配列されてもよい。
【0027】
図6に示されるように、相互に連結する部材、例えば相互に連結する部材97及び98は、接触して相互に連結する要素が互いに融合されて相互に隣接する移行領域又は移行部、例えば移行部87になることにより各々が本質的に連続的である。一般の移行部は、いずれかの三つの隣接するアパーチャに接線を記すことができる最大の円により定義される。アパーチャの特定のパターンについては、移行部分の内接円は三を超える隣接するアパーチャに接してもよいことは理解される。説明のため、相互に連結する部材は、相互に連結する部材97及び98、移行部分の実質的に中心で開始する又は終了すると考えてもよい。相互に連結する部材は線状である必要はないが、曲線状であってもよい。相互に連結する部材の側壁は、接触して隣接する相互に連結する部材の側壁に相互に連結するとして記述することができる。以下に開示されるように、移行領域の部分及び毛髪様フィブリルを包含する部分を除いて、相互に連結する部材の開始と終了の間の長手方向中心線に対して横の相互に連結する部材の断面は、一般にU形状であるとして記述されてもよい。しかしながら横断面は相互に連結する部材の全長に沿って均一又はU形状である必要はなく、及び特定の一次アパーチャの構造についてはその長さの大部分に沿って均一でなくてもよい。特に、移行領域又は移行部では、相互に連結する部材は接触する相互に連結する部材に融合し、及び移行領域又は移行部の横断面は実質的に不均一なU形状を示してもよいし、又はU形状が認識できなくてもよい。
【0028】
図4は、図3に示される三次元のポリマーウェブ80の更に拡大された部分図である。三次元のポリマーウェブ80は、ポリマーフィルム120、即ち前駆体フィルムを含み、これは押出成形されたポリマーの単層であるか、又は多層の共押出成形若しくは積層体のフィルムであり得る。図4に示されるように、フィルム120は第一層101及び第二層103を含む二層積層体である。積層体物質は、表面薄層を含むフィルムを包含する積層体フィルムを製造するために当該技術分野において既知のように共押出成形されてもよい。図4に示されるように、ポリマー層、例えば層101及び103は、第二表面の平面106において実質的に同時に終了することが目下のところ好ましいが、それらがそうすることが必須であるとは目下のところ考えられていない。一以上の層が、その他の層(類)より、更に第二表面に向かって延出してもよい。
【0029】
図4は、毛髪様フィブリル225の形態の複数の表面の歪み220を示す。毛髪様フィブリルは、ポリマーウェブ80、一般にその第一表面90上の突き出た延長として形成される。ポリマーウェブ80上の毛髪様フィブリル225の数、大きさ、及び分布は、所望の肌触りに基づいて予め決定できる。使い捨て吸収性物品のトップシートとしての用途については、毛髪様フィブリル225は図3及び4に示されるように、ポリマーウェブ80の第一表面90の基盤部81のみから突き出ることが好ましい。そのため、ウェブ80が使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いられる場合には、毛髪様フィブリル225が優れた柔軟性の印象のために皮膚に接触するが、毛髪様フィブリル225がマクロアパーチャ71を通しての流体の流れを妨害しないように、ウェブは配向され得る。その上閉じた遠位部226を有する、毛髪様フィブリル225を有することは、再湿潤の減少、即ち内在する吸収性層へとトップシートを最初に通過した後に、トップシートの表面に再導入される流体の量の減少をもたらす。
【0030】
図5の断面図に示されるように、毛髪様フィブリル225はウェブ80の第一表面90から突き出ているとして記述できる。そのようなものとして、毛髪様フィブリル225はフィルム120と一体であり、及びフィルム120の永久的な局部的な塑性変形により形成されるとして記述できる。毛髪様フィブリルは、開いた近位部229及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有するものとして記述できる。毛髪様フィブリル225は、隣接するフィブリル間の最小振幅Aminから閉じた遠位部226での最大振幅Amaxまで測定した高さhを有する。毛髪様フィブリルは直径dを有し、これはほぼ円筒形の構造については横断面の外径である。「横の」とは第一表面の平面102にほぼ平行であることを意味する。不均一な横断面及び/又は非円筒形構造の毛髪様フィブリルについては、直径dは図5に示されるようにフィブリルの高さhの1/2における平均横断面寸法として測定される。したがって各毛髪様フィブリル225について、h/dとして定義される縦横比が決定され得る。毛髪様フィブリル225は、少なくとも0.5の縦横比h/dを有することができる。縦横比は1又は1.5であることができ、及び好ましくは少なくとも約2である。
【0031】
一般に、いずれかの個々の毛髪様フィブリル225の実際の高さhを決定するのは困難であり得るため、及び実際の高さは変わる場合があるため、複数の毛髪様フィブリルの平均の高さhavgは、平均の最小振幅Amin及び平均の最大振幅Amaxを、ウェブ80の所定領域にわたって決定することにより決定できる。同様に、変化する断面寸法については、平均寸法davgが複数の毛髪様フィブリル225について決定され得る。こうした振幅及びその他の寸法測定は、コンピュータを使った走査顕微鏡及びデータ処理のような当該技術分野において既知のいずれかの方法により行うことができる。そのためウェブの所定部分についての毛髪様フィブリル225の平均の縦横比ARavgは、havg//davgとして表現できる。
【0032】
毛髪様フィブリル225についての寸法h及びdは、より完全に以下に開示されるように、成形構造体の既知の寸法に基づいて間接的に決定できる。例えば雄の突出部、例えば以下の図11に示される突出部2250の所定寸法により製造される成形構造体については、その上に毛髪様フィブリル225が形成されるが、既知の寸法を有することができる。前駆体フィルム120が突出部2250の上に完全に及び永久に変形される場合は、予測及び/又は観察されるウェブの薄化を包含する前駆体フィルム120の厚さを考慮しながら、h及びdはこれらの既知の寸法から計算できる。前駆体フィルム120が突出部2250の上に完全に形成されない場合には、毛髪様の支柱の高さhは、突出部2250の対応する高さより低い。
【0033】
一つの実施形態では毛髪様フィブリル225の直径は一定であるか、又は振幅が増加するにつれて(振幅は閉じた遠位末端部226における最大まで増加する)減少する。図5に示されるように、例えば毛髪様フィブリル225の直径又は平均横断面寸法は、近位部229において最大であることができ、及び横断面寸法は遠位末端部226まで次第に減少する。この構造は、図10に関してより完全に以下に記述されるように、ポリマーウェブ80が成形構造体350から容易に取り外せることを確実にするために必要であると考えられる。
【0034】
大きい縦横比の毛髪様フィブリル225を形成するために必要な相対的に大きい延伸のために、図5に示されるように、前駆体ウェブ120の何らかの薄化が生じ得る。例えば薄化は閉じた遠位末端部226で又は遠位末端部226の近くで観察され得る。「観察される」とは、拡大された断面で見る場合、薄化がはっきりと識別できることを意味する。ヒトの皮膚に触れる場合に、薄化した部分は圧縮又は剪断力に対してほとんど抵抗力を示さないため、こうした薄化は有利であり得る。例えばヒトが、毛髪様フィブリル225を示す側面上でポリマーウェブ80に触れる場合、指先は毛髪様フィブリル225の閉じた遠位末端226に最初に接触する。毛髪様フィブリル225の大きい縦横比のために、及び遠位末端部226で又は遠位末端部226の近くでのフィルムの壁の薄化のためと考えられているが、毛髪様フィブリルはヒトの指により課せられるウェブ上への圧縮又は剪断力に対してほとんど抵抗力を示さない。この抵抗力の不足は、ベロア布地の感触に酷似したソフトな感触として印象づけられる。実際本発明のポリマーウェブは、クーロ(Curro)の’643号に開示されたウェブなどの先行技術のポリマーウェブのものと同等か又はそれを超えるソフトな感触を提供できることが見出された。
【0035】
本明細書に開示されるような毛髪様フィブリルのみを有し、及び巨視的なアパーチャを有しない流体不透過性ウェブは、流体透過性が必要でないいずれかの用途において柔軟性を提供できることに注意することが必要である。したがって本発明の一つの実施形態では、本発明は、その少なくとも一つの表面上で柔らかく及び絹のような触感を示すポリマーウェブ80として記述することができ、ウェブ80の絹のような感触の表面が、個々の毛髪様フィブリル225のパターンを示し、毛髪様フィブリル225の各々がウェブ表面の突き出た延長であり、並びに開いた近位部229及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有し、前記開いた近位部で又は前記開いた近位部の近くで毛髪様フィブリルの最大の横断面寸法を有し、約50μ(約0.002インチ)〜約76μ(約0.003インチ)の断面直径dを示し、及び少なくとも100μ(0.004インチ)130μ(0.005インチ)であることができる。毛髪様フィブリルは、0.5〜3の縦横比を有することができる。
【0036】
使い捨て吸収性物品については、流体透過性の三次元構造を有するトップシートが望ましく、本発明は、その少なくとも一つの表面90上で柔らかく及び絹のような触感を示すポリマーウェブ80として記述することができ、ウェブの絹のような感触の表面90が、個々の毛髪様フィブリル225のパターンを示し、毛髪様フィブリル225の各々がウェブ表面90の突き出た延長であり、並びに開いた近位部229及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有し、毛髪様フィブリルは、50μ(0.002インチ)〜130μ(0.005インチ)の平均断面直径dを示し、及び少なくとも0.5、1、1.5、2、又は3の縦横比を示し、及びその際ウェブ80は更に、例えばその上に重ね合わされた一次アパーチャ71の、巨視的な表面の歪みの巨視的に膨張された三次元のパターンを示し、巨視的な表面の歪み71は毛髪様フィブリル225と反対に配向され、即ち一次アパーチャは、ポリマーウェブ80の第一表面90から第二表面85に延出する。
【0037】
毛髪様フィブリル225の「面密度」は、第一表面90の単位面積当たりの毛髪様フィブリル225の数であり、吸収性物品に用いるために最適化され得る。一般に適切な触感のために中心から中心までの間隔は最適化できるが、一方同時に繊維から繊維までの流体の捕捉は最小化される。現在では、約100μ〜250μ(約0.004インチ〜約0.010インチ)の中心から中心までの間隔が生理用ナプキンに用いるのに最適であると考えられている。繊維間の経血の捕捉を最小化することは生理用ナプキンの表面の清潔さを改善し、これは次に装着者の清潔さ及び皮膚の健康を改善する。
【0038】
一つの実施形態では、「その上に重ね合わされた」とは、ポリマーウェブが一般に図3に示されるように見え、その際個々の毛髪様フィブリル225のパターンが、相互に連結する部材のみの陸地部分81の上に、即ちウェブ80の第一表面90の上のみに配置されることを意味する。しかしながら、概念的には「その上に重ね合わされた」とはまた個々の毛髪様フィブリル225がマクロアパーチャ71の中、例えば相互に連結する部材の側壁83上まで延出する実施形態(図示せず)も対象とすることができると考えられる。その他の実施形態では、毛髪様フィブリル225はウェブ80の特定の所定領域のみに配置される。例えば生理用ナプキンのトップシートは、毛髪様フィブリル225を有する中央領域を有することができ、トップシートの残りは毛髪様フィブリル225を含まない。
【0039】
前駆体ウェブ120は、本明細書に記述されるハイドロフォーミングプロセスにより、本発明のウェブに形成される十分な材料特性を有するいずれのポリマーフィルムであることもできる。即ち前駆体ウェブ120は、前駆体ウェブ120が毛髪様フィブリル225を製造する程度まで破裂せずに引っ張られるように、及び三次元の巨視的なアパーチャを有する成形フィルムの場合には破裂してマクロアパーチャ71を形成できるように十分な降伏特性を有しなくてはならない。より完全に以下に開示されるように、温度などの加工条件は、破裂して又は破裂せずに伸びて本発明のウェブを形成することが可能であるように所与のポリマーについて変わることができる。したがって、一般に、本発明のウェブ80を製造するための前駆体ウェブ120として用いるのに好ましい出発物質は、低い降伏特性及び高い伸長特性を示すことが見出された。加えて出発フィルムは好ましくは歪み硬化する。本発明において前駆体ウェブ120として用いるのに好適なフィルムの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び直鎖低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンのブレンド(LDPE/LLDPE)のフィルムが挙げられる。
【0040】
前駆体ウェブ120はまた十分に変形可能でなくてはならず、及び本発明のポリマーウェブとして用いるのに十分な延性を有しなくてはならない。本明細書で使用する時、「変形可能」という用語は、その弾性限度を超えて引き伸ばされる場合にはその新しく形成された形態を実質的に維持する材料を記述する。
【0041】
本発明の前駆体ウェブ120として用いるのに好適であることが見出された一つの材料は、米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から入手可能なダウレックス(DOWLEX)2045Aポリエチレン樹脂である。20μの厚さを有するこの材料のフィルムは、少なくとも12MPaの引張降伏;少なくとも53MPaの最高張力;少なくとも635%の最高伸長;及び少なくとも210MPaの引張係数(2%セカント)を有することができる(上記の測定の各々がASTM D 882により決定される)。
【0042】
前駆体ウェブ120は、二以上のウェブの積層体であることができ、及び共押出成形積層体であることができる。例えば、前駆体ウェブ120は図4に示されるように二層を含むことができ、及び前駆体ウェブ120は三層を含むことができ、その際最内層はコア層と呼ばれ、及び二つの最外層は表面薄層と呼ばれる。一つの実施形態では、前駆体ウェブ120は、約18μ(0.0007インチ)の厚さを有するコア層と共に、約25μ(0.001インチ)の全体の厚さを有する三層共押出成形積層体を含み;及び各表面薄層は約3.5μ(0.00015インチ)の厚さを有する。一般に、生理用ナプキンのトップシートとして用いるには、前駆体ウェブ120は、少なくとも約10μ及び約100μ未満の全体の厚さ(キャリパーと呼ばれることもある)を有することが必要である。前駆体ウェブ120の厚さは、約15μ、20μ、25μ、30μ、35μ、40μ、45μ、又は60μであることができる。一般に、高い面密度(又は小さい平均の中心から中心への間隔C)の毛髪様フィブリル225をウェブ80上に形成する能力は、前駆体ウェブ120の厚さにより制限される。例えば、より完全に以下に開示されるように、成形構造体350の隣接する突出部2250間の適切な及び完全な三次元ウェブの形成を可能にするために、二つの隣接する毛髪様フィブリル225の中心から中心への間隔Cは、前駆体ウェブ120の厚さの二倍より大きいことが必要であると考えられている。
【0043】
前駆体ウェブ120は好ましくは界面活性剤を含む。三層積層体において、コア層は界面活性剤を含むことができ、一方外層は初めは界面活性剤を含まない。好ましい界面活性剤には、非イオン性の種類からのものが挙げられ、例えば:アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、カルボン酸エステル、グリセロールエステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル、アビエチン酸に関連する脂肪族カルボン酸のポリオキシエチレンエステル、無水ソルビトールエステル、エトキシル化(etyhoxylated)無水ソルビトールエステル、エトキシル化天然脂肪、油、及びワックス、脂肪酸のグリコールエステル、カルボキシルアミド、ジエタノールアミン縮合物、及びポリアルキレンオキシドブロックコポリマーが挙げられる。本発明のために選択される界面活性剤の分子量は、約200g/mol〜約10,000g/molの範囲であってもよい。好ましい界面活性剤は、約300〜約1,000g/molの分子量を有する。
【0044】
前駆体ウェブ120に(又は任意に三層積層体のコア層に)初めにブレンドされる界面活性剤濃度は、多層構造全体の10重量%であることができる。好ましい分子量の範囲(300〜1,000g/mol)の界面活性剤が、より低濃度で、一般には多層構造全体の約5重量%以下で添加され得る。
前駆体120はまたポリマーブレンド中に二酸化チタンを含むことができる。二酸化チタンは、より大きな不透明性を完成したウェブ80に提供できる。二酸化チタンは、前駆体ウェブ120の材料中にブレンドするために、約10重量%までにおいて低密度ポリエチレンに添加することができる。
【0045】
粒子状物質例えば炭酸カルシウム(CaCO3)、粒子状皮膚トリートメント若しくは保護剤、又は臭気吸収活性物質、例えばゼオライトなどのその他の添加物を前駆体ウェブ120の一以上の層に添加することができる。幾つかの実施形態では、粒子状物質を含むウェブ80は、皮膚に接触する用途に用いられる場合は、非常に直接的な及び効率的な方式で活性物質を皮膚に接触させることができる。具体的には幾つかの実施形態では、毛髪様フィブリル225の形成はその遠位末端部において又は遠位末端部の近くで粒子状物質を暴露することができる。そのためウェブ80が皮膚に接触する用途に用いられる場合は、皮膚ケア剤などの活性物質は遠位末端部226に又は遠位末端部226の近くに局在化されることができ、こうした皮膚ケア剤に皮膚が直接接触することを可能にすることができる。
【0046】
前駆体ウェブ120は、従来の共押出成形フィルム製造機器上で多層フィルムを製造するための従来の手順を用いて加工することができる。ブレンドを含む層が必要とされる場合、上記の構成成分のペレットは最初に乾式混合され、次いで押出成形機中で溶融混合されその層を供給することができる。あるいは押出成形機中で不十分な混合が生じる場合には、ペレットは最初に乾式混合され、次いで予備配合押出成形機中で溶融混合され、次にフィルム押出成形の前に再ペレット化されることができる。前駆体ウェブ120を製造するための好適な方法は、米国特許第5,520,875号(ヴヌク(Wnuk)ら、1996年5月28日発行)、及び米国特許第6,228,462号(リー(Lee)ら、2001年5月8日発行)に開示され;両方の特許の開示は本明細書に参考として組み込まれる。
【0047】
本発明の流体透過性ポリマーウェブは、生理用ナプキンなどの生理用品のトップシートとして使用できる。例えば一次アパーチャ71の形態の巨視的な表面の歪みの巨視的に膨張された三次元のパターンを示す本発明のポリマーウェブ80は、柔らかさの特性と、優れた流体の再湿潤特性(即ちクーロ(Curro)の’643号のウェブのような前のウェブと比べて減少した流体の再湿潤)とを兼ね備える。
【0048】
図7は、本発明のポリマーウェブ80を含むことができるトップシート22を包含するナプキン20の構造をより明らかに示すために、切り離した部分を有する生理用ナプキン20の平面図である。本発明のポリマーウェブ80はまた、パンティライナー、陰唇間用品、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用品、創傷包帯などのその他の吸収性物品にも使用できることを理解することが必要である。本発明は、図7に示される生理用ナプキン20の特定の種類又は構造に限定されず、これは単に代表的な非限定例であることもまた理解することが必要である。
【0049】
図8に示されるように、生理用ナプキン20は二表面、体に面する表面20a及び衣類に面する反対する表面20bを有する。体に面する表面20aは、装着者の身体に隣接して装着されることを意図する。衣類に面する表面20bは、生理用ナプキン20が装着される場合に装着者の下着に隣接して設置されることを意図する。
【0050】
生理用ナプキン20は、長手方向中心線「l」、及び横断方向中心線「t」の2つの中心線を有する。本明細書で使用する時、「長手方向」という用語は、生理用ナプキン20を装着する場合に、直立装着者を左半身及び右半身に二等分する垂直平面にほぼ一直線に並ぶ(例えば、およそ平行になる)、生理用ナプキン20の平面内の線、軸、又は方向を指す。本明細書で使用する時、用語「横断方向」又は「横方向」は互換可能であり、及び長手方向にほぼ垂直に交わる生理用ナプキン20の平面内の線、軸、又は方向を指す。
【0051】
図7に示されるように、生理用ナプキン20は、本発明のウェブ80を含むことができる液体透過性のトップシート22;液体透過性のトップシート22と結合する液体不透過性のバックシート23、及び液体透過性のトップシート22と液体不透過性のバックシート23との間に位置する吸収性コア24を含む。図7はまた生理用ナプキン20が、生理用ナプキン20の外縁により定義される外周30を有することを示し、その中で長手方向縁部(又は「側縁部」)は31と指定され、及び末端縁部(又は「末端部」)は32と指定される。
【0052】
生理用ナプキン20は好ましくは任意のサイドフラップ又は「羽根」34を包含し、これは装着者のパンティーの股部分の周りに折り曲げることができる。サイドフラップ34は、多数の目的に役立つことができ、それには装着者のパンティーを汚れることから保護すること、及び生理用ナプキンを装着者のパンティーに固定して保持することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
図8は、図7の切断線8−−8に沿って取られた生理用ナプキンの断面図である。図8に見られるように、生理用ナプキン20は好ましくは、生理用ナプキン20を装着者の下着に取り付けるための接着剤の固定手段36を包含する。取り外し可能な剥離ライナー37が、接着剤固定手段36を覆って、接着剤が使用前に下着の股部分以外の表面にくっ付かないようにする。長手方向及び横断方向を有するのに加えて、生理用ナプキン20はまた「z」方向又は軸を有し、これは液体透過性トップシート22を下に進み、及び提供されてもよい何らかの流体の貯蔵コア24の中まで通る方向である。液体透過性トップシート22と本明細書の物品の内在する層又は層類との間の連続的な通路は、流体が「z」方向に引き込まれ、及び物品のトップシートから離れてその最終的な貯蔵層中に引き込まれることを可能にする。幾つかの実施形態では、連続的な通路は増加する毛細管引力の勾配を有し、これは流体の流れを下に貯蔵媒質中まで促進する。
【0054】
図9では、本発明の連続的ポリマーウェブ80をデボス加工(debossing)及び乾燥(必要であれば)するための単一相ウェブのプロセスが示される。単一相とは、プロセスがただ一つの三次元成形構造体を用いることを意味する。連続的とは、記述されたプロセスをバッチプロセスから区別することを意味し、その中ではよくハンドシートと呼ばれるウェブの単一の個々の試料が製造される。本発明のウェブは、連続プロセスについて記述される構造体を用いてバッチ加工できることは認められるが、本発明のポリマーウェブを商業的に製造するためには、連続プロセスが好ましい方法である。更に、図9に関して記述されるプロセスは、毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ、例えばウェブ80のアパーチャ71を有する巨視的に膨張されたウェブを形成するために主として設計されるが、毛髪様フィブリルのみを有するウェブを形成するために、成形構造体を突出部2250のみを有するように適切に修正することにより、ハイドロフォーミングプロセスが使用できると考えられている。
【0055】
本発明のポリマーウェブ80は、単一の三次元成形構造体350上でのハイドロフォーミングプロセスにより形成でき、及びまた更なる加工のためにロールストックにウェブを巻き直す前に成形構造体350上でアニール及び/又は乾燥できる。ポリマーウェブ、例えば図4に示されるポリマーウェブ80の三次元構造体は、ウェブを成形構造体350に強制的に適合させることにより形成され、これは静止した成形ドラム518の周りを回転する。成形構造体350は、より完全に以下に記述されるが、一般にそれは、前駆体ウェブ120が強制的に適合させられる三次元形態である。
【0056】
前駆体ウェブ120は押出成形され、及び成形構造体350の表面上に直接に供給される前に急冷されることができるか、又はそれは、図9の供給ロール501により示されるように、供給ロールから供給され得る。幾つかの実施形態では、前駆体ウェブ120の温度を、それを柔らかくし及びそれを成形構造体350により適合しやすくするために十分高めることは好ましい。前駆体ウェブ120の温度は、ウェブが成形プロセスを受ける前に、熱い空気若しくは蒸気をウェブに適用するか、又はウェブを加熱したニップロールに通すことにより高めることができる。
【0057】
図9に記述されるプロセスにおいて、前駆体ウェブ120は実質的に平面的な状態で、機械方向(MD)に供給ロール501から成形構造体350の表面上に供給される。成形構造体350は、成形構造体350の接面速度が、機械方向の前駆体ウェブ120の線速度に実質的に一致するような速度で回転し、その結果ハイドロフォーミングプロセスの間、ウェブは成形構造体350に関して実質的に静止している。
【0058】
一旦前駆体ウェブ120が成形構造体350に隣接し、及びいわゆる「維持される」ならば、前駆体ウェブ120は、成形ドラム518の内部にある静止した真空室520の上に導かれる。本明細書に記述されるハイドロフォーミングプロセスは、真空室がなくてもある程度は達成できるが、一般に真空室は、より良好な三次元ウェブ形成並びに液体の除去を助ける。前駆体ウェブ120が真空室520の上を通過する時、前駆体ウェブ120の外側に暴露される表面は、飛び散る液体を局所化するのを助ける役目をする静止した液体バッフルの対525と530との間の高圧液体噴射ノズル535から放出される液体噴射540により衝突される。液体噴射540の効果は、前駆体ウェブを成形構造体350に適合させることである。前駆体ウェブが成形構造体350に適合する時、毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ71の両方が形成できる。一次アパーチャ71が形成する時、真空室520からの真空は、過剰の液体をウェブから除去するのを助け、及び幾つかの場合には、前駆体ウェブ120を成形構造体350に形成するのを助ける。前駆体ウェブ120が高圧液体噴射540の影響下で通過する時、それは成形構造体350に適合するように永久に変形し、それによって本発明の三次元の巨視的に膨張されたポリマーウェブ80に形成される。
【0059】
図9に関して記述されるプロセスでは、単一の液体噴射540は、毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ71の両方を形成するとして記述される。別の実施形態では、追加の液体(又は流体)噴射が、三次元ウェブ構造体を形成するために多段階で使用できる。例えば第一段階では水などの第一の流体が前駆体ウェブ120に衝突してマクロアパーチャ71を形成することができ、及び第一段階に続いて第二段階では、湯又は空気(任意に真空室との組み合わせにより)などの第二の流体が部分的に形成されたウェブに衝突して毛髪様フィブリル225を更に形成することができる。
【0060】
図9に記述されたプロセスでは、液体噴射540及び/又は乾燥手段590は、再加熱手段により置き換えることができる。再加熱手段は、加熱気体が単独で又は真空室520又は555からの真空と組み合わせて、前駆体ウェブ120を成形構造体350に適合させるのに十分であるように、空気などの加熱気体の流れを導く手段を指す。再加熱手段は、例えば米国特許第4,806,303号(ビアンコ(Bianco)らに発行)に開示されているように、当該技術分野において既知である。一般に、再加熱手段は、送風機、及び加熱機、並びに強制された加熱された空気をウェブの表面上に導くためのノズルを具備する。一つの実施形態では、ノズルを出た空気は220〜305℃であり得、及び前駆体ウェブ120は、加熱空気流の下又は加熱空気流を横切って、約25m/分で移動することができる。一つの実施形態では、真空は約365mmHgに保持することができる。加熱手段が液体噴射540を置き換える実施形態では、乾燥手段590は必要ないが、所望であれば例えばアニール手段又は更なる形成手段として使用することができる。
【0061】
理論に束縛されるものではないが、前駆体ウェブの特性、真空滞留時間、即ち前駆体ウェブが真空室520及び/若しくは555に隣接する時間、並びに/又は真空の程度、即ち分圧を調整することにより、ウェブ80を図9に示される装置上で、いずれの液体噴射540も使用しない成形プロセスで形成することは可能であると考えられている。即ち前駆体ウェブの特性、例えば厚さ、材料、温度を適切に調整することにより、成形構造体350に適合するウェブ80を形成するためには真空のみで十分である。成形プロセスでは、ウェブ80の形成が前駆体ウェブ120の冷却前に生じ得るように、前駆体ウェブ120は、成形構造体350の表面上に直接押出成形される。
【0062】
そのため一般に、一流体(例えば水若しくは空気)又は一を超える流体(例えば水、空気)が一以上の段階において前駆体ウェブ120に衝突する、及び強力に作用するように導かれることができる。熱可塑性前駆体ウェブ120については、前駆体ウェブの温度がその融点に近づくにつれて、破裂せずに、より容易に伸びて成形構造体350の突出部2250の上に形成すると考えられている。しかしながらマクロアパーチャを形成するためには、相対的に高い歪み速度及び相対的に迅速な破裂を有することがより望ましく、毛髪様フィブリルを形成するためには、相対的に低い歪み速度及び破裂がないことがより望ましい。それ故に、二段階成形プロセスでは、第一及び/又は第二段階での衝突する流体の温度は、各衝突が活動する滞留時間、並びにマクロアパーチャ71及び毛髪様フィブリル225の高い縦横比の両方を形成するための前駆体ウェブ120の温度に独立して依存して、独立して調整され得る。
【0063】
使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるのに好適なウェブを製造するために、前駆体ウェブ120は、約10μ〜約100μの全体の厚さのポリオレフィンフィルムであり得る。こうした前駆体ウェブ120については、高圧液体噴射540は典型的には約15〜95℃の温度の水であり、約1379kPa(200psig)〜約8274kPa(1200psig)の範囲の圧力、及び機械横方向(CD)の前駆体ウェブ120の幅25.4mm(1インチ)当たりについて、約18l(4ガロン)/分〜約62l(14ガロン)/分の範囲の水の流速で作用される。
【0064】
高圧液体噴射540(又は上記のように噴射類)を通過した後、本発明のポリマーウェブ80は、成形構造体350上にまだある間に乾燥され得る。例えば図9に示されるように、ポリマーウェブ80は成形構造体350上にまだある間に乾燥手段590の影響下に導かれることができる。乾燥手段590は、ポリマーウェブからの液体を除去する又は追い散らすための、放射熱乾燥、対流乾燥、超音波乾燥、高速エアーナイフ乾燥などのいずれかの手段であり得る。一般に、加熱空気、超音波などの乾燥媒質600が使用され得る。静止した真空室555は、成形ドラム518内部の分圧を用いて乾燥を助けるために使用され得る。乾燥手段590は、ポリマーウェブ80の液体を真空室555の中に追い散らすために設計され得る。バッフル570及び580は、除去されるが真空室555には入らないいずれかの液体を局所的に含有するために使用され得る。バッフル570及び580はまた、乾燥のために用いられる熱又は加熱空気を局所化する及び導くために役立つことができる。
【0065】
加熱した乾燥媒質600を用いることは、本発明のウェブ80を製造するために追加の利益を有する。例えば前述のクーロ(Curro)の’643号に開示されるような先行技術の巨視的に膨張された三次元のポリマーウェブは、それらのそれぞれの成形構造体から取り外された後、別々のプロセスで乾燥される。これらのウェブは、例えば使い捨て物品のウェブ加工のために必要になるまで、貯蔵のため典型的にはロール上に巻かれる。先行技術のウェブに関連する一つの問題は、巻くこと及び貯蔵の間に生じる圧縮永久歪みである。理論に束縛されるものではないが、三次元のポリエチレンウェブは、ウェブの崩壊し巻かれた状態に「固定化」される時間の間に二次結晶化を経験する可能性があると考えられている。三次元のポリマーウェブを高温に十分な時間曝すことで最初にアニールすることにより、この観察される圧縮永久歪みは減少されるか又は完全に防止されることが見出された。一般にしかしながら、先行技術のウェブを必要温度に曝すことは、相対的に壊れやすい構造のために困難である。即ち、先行技術のウェブがアニール温度に曝される場合には、ウェブは成形構造体上に形成される三次元構造を失う傾向がある。したがってこの理由のために、成形構造体上にまだあるうちにウェブを乾燥することは、同時にウェブを乾燥しながら、ウェブをアニールするのに十分に高いアニール温度で処理できるために著しい加工の利益を提供する。アニール温度は、乾燥時間、用いられるポリマー、及びウェブの厚さに依存して変化するが、一般にポリオレフィンウェブについては、約50〜250℃の乾燥/アニール温度が十分である。
ポリマーウェブ80が、プロセスの乾燥(又は乾燥/アニール)段階を通過した後、それは成形構造体350からローラー610の周りに取り外されることができ、及びその後巻かれる又は次の変換操作に直接供給される。
【0066】
図9に関して参照される成形構造体350などの本発明の成形構造体は、本発明のウェブを製造するために必要である。成形構造体は、成形スクリーンと呼ばれる時もある。図10は、部分斜視図における本発明の成形構造体350の部分を示す。成形構造体350は、成形構造体の相互に連結する部材910により定義される複数の成形構造体のアパーチャ710を示す。成形構造体のアパーチャ710は、相対する表面間、即ち成形構造体第一表面900(第一表面の平面1020内)と成形構造体第二表面850(第二表面の平面1060内)との間の流体連通を可能にする。成形構造体側壁部830は、一般に成形構造体第一表面900と成形構造体第二表面850との間に延出する。突出部2200は、成形構造体第一表面900から延出してほぼ円柱状、支柱様の形態を形成する。
【0067】
図10と図3の比較は、成形構造体350と本発明のポリマーウェブ80との概略の対応を示す。即ち、成形構造体350の三次元の突出部2250及び陥没部(例えばアパーチャ710)は、ポリマーウェブ80の毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ71にそれぞれ一対一の対応を有する。一対一の対応は、成形構造体350が本発明のポリマーウェブ80の全体の寸法を決定する程度まで必要である。しかしながらポリマーウェブ80の第一表面の平面102と第二表面の平面106との間の距離は、成形構造体350の第一表面の平面1020と第二表面の平面1060との間の距離と同じである必要はない。これは、図5に示されるようにポリマーウェブ80の距離「T」は、成形構造体350の実際の厚さに依存せず、この厚さは成形構造体350の第一表面の平面1020と第二表面の平面1060との間の垂直距離であるためである。
【0068】
図11は、図10に示される成形構造体350の更に拡大された部分斜視図であり、及び図4のポリマーウェブ80の同様な図に対応する。突出部2250は、第一表面900から遠位末端部2260まで延出するように、以下に記述される方法により製造され得る。図12の更に拡大された図に示されるように、突出部2250は、隣接する突出部間の第一表面900から遠位末端部2260までで測定される、最小振幅から測定される高さhpを有することができる。突出部の高さhpは少なくとも約50μ(約0.002インチ)であることができ、及び少なくとも約76μ(約0.003インチ)であることができ、及び少なくとも約152μ(約0.006インチ)であることができ、及び少なくとも約250μ(約0.010インチ)であることができ、及び少なくとも約381μ(約0.015インチ)であることができる。突出部2250は直径dpを有し、これはほぼ円筒形の構造については外径である。突出部2250の不均一な断面、及び/又は非円筒形構造については、直径dpは、図12に示されるように突出部2250の高さhpの1/2における突出部の平均断面の寸法として測定される。突出部の直径dpは、約50μ(約0.002インチ)であることができ、及び少なくとも約66μであることができ、及び約76μ(約0.003インチ)であることができ、及び少なくとも約127μ(約0.005インチ)であることができる。したがって、各突出部2250について、hp/dpとして定義される突出部の縦横比が決定され得る。突出部2250は、少なくとも1、及び3以上の大きさの縦横比hp/dpを有することができる。縦横比は少なくとも約5であることができ、及び約6であることができる。一つの実施形態では、突出部は、約1.6の縦横比について、約105μの高さに対して約66μの実質的に均一の直径を有した。突出部2250は、約100μ(約0.004インチ)〜約250μ(約0.010インチ)の二つの隣接する突出部2250間の中心から中心までの間隔Cpを有することができる。一つの実施形態では、中心から中心までの間隔は179μであった。一般に隣接する突出部2250間の前駆体ウェブ120の適切な変形を確実にするために、二つの隣接する突出部2250間の実際の距離(即ち「側面から側面まで」の寸法)は、前駆体ウェブ120の厚さの二倍より大きいことが必要であると考えられている。
【0069】
一般に、各単一の突出部2250の実際の高さhpは変化してもよいため、複数の突出部2250の平均の高さhpavgは、成形構造体350の所定領域にわたって、突出部平均最小振幅Apmin及び突出部平均最大振幅Apmaxを決定することにより決定され得る。同様に、変化する断面寸法については、平均突出部直径dpavgが複数の突出部2250について決定され得る。こうした振幅及びその他の寸法測定は、コンピュータを使った走査顕微鏡及び関連するデータ処理のような当該技術分野において既知のいずれかの方法により行うことができる。そのため成形構造体350の所定部分についての突出部2250の平均の縦横比ARpavgは、hpavg//dpavgとして表現できる。突出部2250についての寸法hp及びdpは、より完全に以下に開示されるように、成形構造体350を製造するための既知の明細書に基づいて間接的に決定できる。
【0070】
一つの実施形態では、突出部2250の直径は一定であるか、又は振幅が増加するにつれて減少する。図12に示されるように、例えば突出部2250の直径又は最大横断面寸法は、第一表面900の近くで最大であり、及び遠位末端部2260へと次第に減少する。この構造はポリマーウェブ80が成形構造体350から容易に取り外せることを確実にするために必要であると考えられている。
【0071】
成形構造体350は、本発明のウェブを製造するために必要な寸法を有する突出部2250を有するように形成され得、成形構造体350が経験する加工温度範囲にわたって寸法安定性であり、少なくとも約5MPa、より好ましくは少なくとも約10MPa、より好ましくは少なくとも約30MPa、より好ましくは少なくとも約100〜200MPa、及びより好ましくは少なくとも約400MPaの引張係数、少なくとも約2MPa、より好ましくは少なくとも約5MPa、より好ましくは少なくとも約10MPa、より好ましくは少なくとも約15MPaの降伏強さ、及び少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%の破断歪みを有するいずれの材料からも製造できる。成形構造体の材料の係数が増加するにつれて、破断しないように十分な破断歪みを有する(即ち脆性であり過ぎない)限り、相対的に高さが高い、大きい縦横比の突出部はより良好なウェブを形成することが見出された。係数及び降伏強さのデータについては、既知の方法により試験することにより値を決定することができ、及び標準TAPPI条件で、歪み速度100%/分で試験できる。
【0072】
幾つかの加工条件については、成形構造体350が成形ドラムを超えて膨張又は収縮する場合には、成形構造体350/成形ドラム518の接合部分が譲歩できるため、熱膨張に関する寸法安定性は、図9に関して記述されるような商業的プロセスについてのみ必要である。本発明のポリマーウェブのバッチプロセスについては、寸法安定性は必要条件ではない。しかしながらすべての商業的プロセスにおいて、成形構造体が、加工温度範囲について好適な材料から製造されることは必要である。加工温度範囲は、流体噴射、例えば液体噴射540の温度、及び例えば加熱され得る成形構造体350の温度を包含する加工条件により影響される。一般には、使い捨て吸収性物品用のウェブに用いる積層体化共押出成形フィルム(即ち約10〜100μの厚さtを有するフィルム)を包含するポリオレフィンウェブについては、15℃〜95℃の水温を用いることができる。乾燥/アニール空気温度は250℃以下であることができる。一般に、加工温度は広範囲にわたって変化することができ、及びなお本発明のポリマーウェブ80を製造することができる。しかしながら温度範囲は、ポリマーウェブ80を、フィルムの厚さ、フィルムの種類、及びライン速度に依存する最適な速度で製造するために変化することができる。
【0073】
好ましい実施形態では、突出部2250は成形構造体350と一体化して製造される。即ち成形構造体は、材料を除去する又は材料を積み上げることのいずれかにより一体構造として製造される。例えば、必要な相対的に小規模の突出部2250を有する成形構造体350が材料の局所的な選択的除去、例えば化学エッチング、機械エッチング、又は放電加工機(EDM)又はレーザーなどの高エネルギー源の使用による切除により製造できる。
【0074】
前述のアール(Ahr)の’045号の特許に開示されるような鉄鋼構造体の酸エッチングだけが、1以下の縦横比を有する突出部を製造できると考えられている。理論に束縛されるものではないが、小さい漸進的工程において鉄鋼を酸エッチングすることは、本発明の成形構造体に好ましい大きい縦横比を生じる場合があると考えられているが、結果として得られる突出部(類)は大幅に下部を切り取られて「キノコ」形状の輪郭を有することが予測される。本発明の発明者は、どのようにすればアール(Ahr)の’045号に教示されるように鉄鋼を酸エッチングして、必要な縦横比を有する本発明のほぼ円筒形の突出部2250を形成し得るか現在のところわかっていない。同様に電気メッキにより鉄鋼上の突出部を形成することも、「キノコ」形状の突出部を結果として生じると考えられている。両方、即ち酸エッチングと電気メッキの場合、材料除去/付着の性質のために「キノコ」形状が予測される。材料は、ほぼ一直線に並ぶ、例えば垂直の方式だけでは除去/付着されない。そのため放電加工機(EDM)又はレーザーの使用によってのみ、金属の成形構造体350を製造することが現在は知られている。
【0075】
鉄鋼から製造され、及び従来のEDM加工により製造された突出部2250を有する成形構造体350の見本の部分が図13及び図14に示される。図13は成形構造体350の顕微鏡写真であり、及び図14は、図13の成形構造体の更なる拡大図である。図13に示されるように、鉄鋼成形構造体はEDM加工を受けて遠位末端部2260を有する一体突出部2250を形成する。図13及び14に示される成形構造体350は、図3に示されるものとほぼ同様の形状の陥没部710を有する。しかしながら図13及び14に見られるように、構造体は、EDM加工前の成形構造体350及びEDM加工それ自体の両方の幾何学的制約のために、吸収性物品のトップシートを製造するために決して理想的ではない。具体的には、見られるように、成形構造体の相互に連結する部材910の第一表面900は一つの突出部のみの「幅広さ」である。また図13に見られるように、EDM加工の幾何学的制約のために、突出部2250間の隙間が結果として生じ得る。例えば図13の隙間901は、示されるそれぞれの成形構造体の相互に連結する部材910からの平行から僅かにずれて配向するEDM線の結果として生じた。
【0076】
そのため使い捨て吸収性物品のトップシートに好適なウェブの商業的に成功する製造については、図13に示される成形構造体は容認できない場合がある。しかしながら必要な縦横比を有する適切に成形された突出部2250を形成できることは明らかである。図13に示される成形構造体の突出部2250は、約2.7の平均縦横比ARpavgを定義する、約275μ(0.011インチ)の平均高さhpavg、及び約100μ(0.004インチ)の平均直径の約dpavgを有する。(図13及び14に示される成形スクリーンは見本であり、及びEDMにより両側を加工されていることに注意のこと。実際は片側に突出部を形成することのみが必要である。)
【0077】
成形構造体350を製造する別の方法では、レーザー変形を受けやすい基盤材料がレーザー「エッチング」されて材料を選択的に除去され、突出部2250及び成形構造体のアパーチャ710を形成する。「レーザー変形を受けやすい」とは、レーザー光線により制御された方式で材料が選択的に除去され得ることを意味し、レーザー加工に用いられる光の波長、並びに出力程度は最適結果のために材料に適合される必要があってもよい(逆もまた同様である)。レーザー変形を受けやすい現在既知の材料には、熱可塑性物質、例えばポリプロピレン、アセタール樹脂、例えばデルリン(DELRIN)(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントンのデュポン(DuPont)から)、熱硬化性樹脂、例えば架橋ポリエステル若しくはエポキシ、又はアルミニウム若しくはステンレス鋼などの金属さえも挙げられる。
【0078】
一つの実施形態では、成形構造体は連続プロセスにおいてレーザー機械加工されることができる。例えばデルリン(DELRIN)(登録商標)などのポリマー材料は、長手方向中央軸、外側表面、及び内側表面を有する基盤材料として、円筒形形態に提供され得、外側表面、及び内側表面が基盤材料の厚さを定義する。可動レーザー光源が外側表面にほぼ直交して導かれることができる。可動レーザー光源は、基盤材料の長手方向中央軸に平行な方向に移動できる。レーザー光源が基盤材料の外側表面を機械加工又はエッチングして、複数の突出部を定義するパターンに基盤材料の選択された部分を除去する間に、円筒形の基盤材料は長手方向中央軸の周りに回転され得る。各突出部は、本明細書に開示されるようにほぼ円柱状及び支柱様の突出部2250であることができる。レーザー光源を、円筒形基盤材料が回転するにつれて、円筒形基盤材料の長手方向軸に平行に移動することにより、相対的な移動、即ち回転及びレーザーの移動は同調されることができ、その結果円筒形基盤材料の各完全な回転に際し、突出部の所定のパターンが、ネジの「ネジ山」に類似する連続プロセスにより形成され得る。
【0079】
図15は、本発明の成形構造体350のレーザーエッチングされた実施形態の顕微鏡写真である。図16は、本発明の成形構造体350の別のしかし類似のものの拡大図である。図15及び16に示される成形構造体350は、その中に陥没部710を形成されたポリマー層を最初に形成することにより製造され、これは示されるようにほぼ「涙の滴」の形状であり、及び本発明のウェブ80内のほぼ涙の滴の形状の一次アパーチャ71を製造する。陥没部710は、例えば陥没部を最初にレーザーエッチングすることにより形成できる。その中に陥没部710を有するポリマー層はまた、紫外線硬化可能ポリマーなどの液体感光性樹脂を、内在する支持層(図示せず)、例えば小アパーチャのある織った裏打ち上の適切なマスキング層を通して照射することにより形成できる。好適なポリマー層、支持層、マスキング層、及び紫外線硬化プロセスが、製紙ベルト製造技術分野において周知であり、及び米国特許第5,334,289号(トルクハン(Trokhan)ら、1994年8月2日発行);及び米国特許第4,529,480号(トルクハン(Trokhan)、1985年7月16日発行);及び米国特許第6,010,598号(ブティリエ(Boutilier)ら、2000年1月4日発行)に開示され、これらの特許の各々は構造、樹脂、及び硬化技術の教示のために本明細書に参考として組み込まれる。例えばブティリエ(Boutilier)の’598号の特許に開示されるように、一つの好適な液体感光性樹脂組成物は、四つの構成成分:プレポリマー;モノマー;光開始剤、及び酸化防止剤から構成される。好ましい液体感光性樹脂は、デラウェア州ウィルミントンのマクダーミッド・イメージング・テクノロジー社(MacDermid Imaging Technology,Inc.)から入手可能なメリグラフ(Merigraph)L−055である。
【0080】
ポリマー層が硬化されて陥没部710を有した後、ポリマー層はレーザーエッチングされて遠位末端部2260を有する突出部2250を形成する。レーザーエッチングは、既知のレーザー技術により、所望の突出部寸法を製造するように必要に応じて波長、出力、及び時間のパラメータを選択して達成できる。図16の成形構造体では、突出部は、250μの平均の高さhp、及び85μの平均直径dp(高さhpの1/2において)、及び約2.9の縦横比arpを有する。
【0081】
そのため以上に開示されるように、一つの実施形態では、陥没部710は一つの方式で製造でき、及び突出部はもう一つの別のプロセスにより製造できる。例えば、陥没部710は成形構造体「ブランク」に予備形成されることができ、これはその後レーザー機械加工、即ちエッチングされ、陥没部710間の陸地部分に突出部が形成される。一つの実施形態では、支持層上に硬化ポリマーとして形成された成形構造体350はそのままで、支持層を成形構造体350の一部として用いられることができる。しかしながら別の実施形態では、硬化ポリマーは支持層から除去され及び単独で用いられることができる。この場合は、部分的にだけポリマーを硬化し、支持層903を除去し、及びポリマー材料の完全な硬化を完成することが望ましい場合もある。
【0082】
図15に示される成形構造体上に製造されるウェブ80は、図17及び18の顕微鏡写真に示される。図17は、毛髪様フィブリル225及びアパーチャ71を示すウェブ80の部分の顕微鏡写真である。図18は、閉じた遠位末端部226を有する毛髪様フィブリル225をより詳細に示すウェブ80の更なる拡大図である。図17及び18に示されるウェブ80について、前駆体ウェブ120は、厚さ25μ(0.001インチ)厚さのダウレックス(Dowlex)2045A前駆体フィルム120から製造された。
【0083】
図19及び20は、毛髪様フィブリル225の詳細をより密接に示すために、図13及び14に示される成形構造体上でバッチプロセスで製造されるウェブ80の大きく拡大された部分を示す。図19及び20に示されるポリマーウェブ80は、ほぼ五角形の形状の一次アパーチャ71(図示せず)を有し、各々が約1.4平方mmの第一表面90内の突き出た面積を有する。一次アパーチャ71間の間隔は、第一表面90内に突き出た一次アパーチャ71の開いた面積が総表面積の65%までであるようになっている。ウェブ80は、第一表面90の面積の1平方cm当たり、約4,650の毛髪様フィブリル225(平方インチ当たり約30,000毛髪様フィブリル225)を示す。毛髪様フィブリル225のこの濃度は、毛髪様フィブリル225の「密度」又は「面密度」と呼ばれ、及びポリマーウェブ80の総面積とは対照的に第一表面90の単位面積当たりの毛髪様フィブリルの数を表す。したがって、一次アパーチャ71に対応するポリマーウェブ80の領域は、密度を計算する場合には面積に寄与しない。一般に密度は、成形構造体350上の突出部2250の中心から中心までの平均の間隔により決定され、これは図13及び14に示される成形構造体について約150μ(0.006インチ)である。
【0084】
使い捨て吸収性物品(例えば生理用ナプキン)上のトップシートとして用いるのに好適な本発明のポリマーウェブ80は、平方cm当たり少なくとも約1550(平方インチ当たり約10,000)の毛髪様フィブリル225の密度を有することが必要であると考えられている。毛髪様フィブリル225の密度は、平方cm当たり約2325(平方インチ当たり約15,000)であることができ、及び平方cm当たり約3100(平方インチ当たり約20,000)であることができ、及び平方cm当たり約3875(平方インチ当たり約25,000)であることができる。幾つかのウェブについては、第一表面90がどこから始まり及び終わるのかを正確に決定するのが困難である場合もあるため、密度はポリマーウェブ80の所定部分の総面積を取り、及びその所定部分の第一表面90内に突き出た一次アパーチャ71の面積を引き算することにより概算できる。一次アパーチャ71の面積は、成形構造体350の陥没部710の突き出た面積に基づくことができる。「突き出た面積」とは、それがその表面に平行な平面上に突き出た場合の表面の面積を意味し、及び例えば表面の「インクの圧痕」から類推され得る。
【0085】
図19は、25μ(0.001インチ)のダウレックス(Dowlex)(登録商標)2045A前駆体フィルム120から製造されたウェブ80の顕微鏡写真である。示されるように、図19のウェブ80は個々の毛髪様フィブリル225を含み、毛髪様フィブリル225の各々が第一表面90の突き出た延長である。毛髪様フィブリル225の各々が、開放部229(図5に示される)及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有する。示される毛髪様フィブリル225は、約211μの高さ、及びそれらの高さの1/2の約142μの直径を有し、結果として約1.5の縦横比を生じる。
【0086】
図20のウェブ80は個々の毛髪様フィブリル225を含み、毛髪様フィブリル225の各々が第一表面90の突き出た延長である。毛髪様フィブリル225の各々が、開放部229(図5に示される)及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有する。図20に示される毛髪様フィブリル225は、少なくとも1の縦横比ARを有する。
【0087】
図19及び20に示されるウェブ80の差違は、図20に示されるポリマーウェブ80を製造するために用いられた前駆体フィルム120が、最外層の一つに炭酸カルシウムを含む共押出成形四層ポリエチレンフィルムであったことである。具体的には、毛髪様フィブリル225の形成後にウェブ80の第一表面を形成するポリマーのために、炭酸カルシウムがポリマー溶融物に添加された。四層はポリエチレンを次の順番で含んだ:(1)エクソンモービル(ExxonMobil)NTX−137約42容量%;(2)エクソンモービル・イグザクト(ExxonMobil Exact)4151約16容量%;(3)エクソンモービル・イグザクト(ExxonMobil Exact)4049約32容量%;及び(4)主バッチとしてブレンドされた57重量%のアンパセット(Ampacet)10847と炭酸カルシウムの混合物及び43重量%のエクソンモービル(ExxonMobil)LD129であり、この混合物は約10容量%である。前駆体フィルム120の開始の厚さは、約25μ(0.001インチ)だった。
【0088】
前駆体フィルム120の表面薄層としてCaCO3/PEブレンドを用いることの一つの興味深い及び予期せぬ結果は、図20に示されるウェブ上に見られるように、毛髪様フィブリル225の遠位末端部226において又は遠位末端部226の近くでの粗い外側表面の領域228の形成である。相対的により粗い表面のこれらの領域228は、第一表面90など周囲の表面より表面の滑らかさが劣り、その本質的に低い光沢のためにより股様の外観、並びに更により柔らかく及び絹のような触感を提供する。理論に束縛されるものではないが、毛髪様フィブリル225の遠位末端部の相対的に粗い表面の質感は、表面に触るヒトの皮膚に柔軟であるとして経験されるより卓越した質感を与えると考えられている。理論に束縛されるものではないが、毛髪様フィブリル225の遠位末端部226における又は遠位末端部226近くの粗い外側表面の形成は、その中に粒子状物質を有する前駆体ウェブの大きな延伸の結果であると考えられている。おそらく粒子状物質、この場合はCaCO3がフィルムブレンド中に応力集中を生じさせ、それが表面の不連続を生じるようである。最大歪みの点において、即ち毛髪様フィブリル225の最大の伸びの点で、フィルム(即ち前駆体フィルム120)の表面は破断し、毛髪様フィブリル225の表面上の粒子状物質を暴露する。
【0089】
そのため一つの実施形態では、ポリマーウェブ80は、毛髪様フィブリル225を有し、その際その遠位末端部226の近くの少なくとも一部分は、残りの部分よりも相対的により粗い表面の領域228を示すとして記述されることができる。異なる添加物の粒子状物質を用いることにより、相対的により粗い表面の領域228はその他の利益を提供することができる。例えば、粒子状の皮膚トリートメント若しくは保護剤、又は臭気吸収活性物質を用いることができる。重要なことに、粒子状物質を含むウェブ80は、ウェブ80を用いて非常に直接的な及び効率的な方式で活性物質を物品の装着者の皮膚に送達することができる。
【0090】
一般に、前駆体ウェブ120のポリマーの溶融物中にブレンドされたいずれかの非拡散成分(粒子状及び非粒子状)は、毛髪様フィブリル225の遠位末端部の近くでポリマーの歪みに際して暴露されることができると考えられている。具体的には、皮膚ケア剤などの活性物質は、ウェブ80について第一の皮膚接触表面であり得る遠位末端部226に又は遠位末端部226の近くに実質的に局在化されることができる。局部的な歪みをポリマーフィルムに付与するその他の既知の方法はまた、層中の非拡散成分を暴露する役目をすることができる。例えば、エンボス加工、リング・ローリング、熱真空成形、及びその他の既知のプロセスは、局部的な破裂及びポリマーフィルムの活性成分の暴露を提供することができる。
【0091】
成形構造体350を製造するためのその他の方法には、局部的な電気メッキ、3−D付着加工、又はフォトレジスト技術を用いて構造体を構築することが挙げられる。一つの3−D付着加工は、焼結加工である。焼結はステレオリソグラフィーに類似しており、その際粉末金属の層は、積み重ねられて最終的な加工品を製造する。しかしながら焼結加工は変換に制限がある場合があると考えられている。フォトレジスト技術は、液体感光性樹脂、例えば上に開示される紫外線硬化可能ポリマーの上に適切なマスクを使用して三次元構造体を形成することを包含する。紫外線硬化は、紫外線光源からの紫外線に暴露される液体樹脂の部分のみを硬化するのに有効である。液体樹脂の残りの(非硬化)部分は次に洗い流され、硬化部分のみを残すことができる。液体樹脂紫外線硬化可能ポリマーはトレイ上に、例えば所望の深さ又は厚さに設置されることができ、及び適切にマスクされることができ、及び紫外線硬化されて突出部2250になる部分が選択的に硬化され、及びアパーチャ710になる部分は硬化されないことができる。
【0092】
別の実施形態では、図21及び22に示されるように、可撓性ポリマー成形構造体350が、空気透過性裏打ちスクリーン430上の紫外線硬化可能ポリマーの重合により形成され得る。第一表面900はアパーチャ710を定義し、これは例示された実施形態では交互ねじれ形配列による六角形である。前のように、アパーチャ710の多様な形状及び配向を用いることができることを理解することが必要である。図22は、図28に示される成形構造体350を線22−−22に沿って取った部分の断面図を示す。機械方向補強ストランド420、及び横断方向補強ストランド410が図21及び22の両方に示される。機械方向補強ストランド420、及び横断方向補強ストランド410が共に組み合わされて小アパーチャのある織った要素430を形成する。補強ストランドの一つの目的は、可撓性ポリマー成形構造体350を強化することである。示されるように、補強ストランド410及び420は円形であることができ、紫外線硬化可能樹脂がその周りに硬化した正方形の織り方の布地として提供され得る。一般に織り目が粗ければ粗いほどより良好であるが、いずれの便利な織り方によるいずれの便利なフィラメントの大きさも用いることができる。より目が粗い織り方は一般にアパーチャ710を通る、より良好な気流を結果として生じる。成形構造体350がポリマーウェブ80などのポリマーウェブを形成するために用いられる場合には、より良好な気流は、より良好な即ちより経済的なハイドロフォーミングを結果として生じる。一つの実施形態では、成形構造体350、430は、家庭のドア及び窓に商業的に用いられるような金属のスクリーンである。一つの実施形態では、金属のスクリーンは、機械方向フィラメント420及び横断方向フィラメント410の両方について、0.24mmのフィラメント直径を有する18x16のメッシュの明るいアルミニウムのスクリーニングであり、米国ペンシルベニア州ハノーバーのスター・ブランド・スクリーニング(Star Brand Screening)からのハノーバー・ワイヤークロス(Hanover Wire Cloth)として入手可能である。
【0093】
図21及び22に示されるように、突出部2250は第一表面900から延出し、及びほぼ丸い形状である遠位末端部2260を有する。別の実施形態では、図26の顕微鏡写真に示されるように、遠位末端部はほぼ扁平に台地状であることができる。図26に示される成形構造体は、紫外線硬化可能樹脂の二段階プロセスの重合により形成された可撓性のポリマー成形構造体である。
【0094】
図24〜26に示される成形構造体などの可撓性ポリマー成形構造体350を製造するための一つの二段階方法は、図23を参照して記述される。本明細書に記述される方法は、相対的に大きい開口部、即ち陥没部710、及び相対的に微細な突出部、即ち突出部2250の組み合わせを有する成形構造体350を製造する。図23に示される好ましい実施形態では、本明細書に記述される方法は連続的なベルト型成形構造体351を製造する。大綱では、方法は、成形構造体350(又はベルト型成形構造体351)の相対的に大きい陥没部710、及び相対的に微細な突出部2250の予め選択されたパターンの輪郭を描くしっかりしたポリマーの骨組みを、小アパーチャのある要素の中及び周りに構築するために感光性樹脂を用いることを伴う。より特には、方法は、次の工程を包含する二段階樹脂成形プロセスを含む:
a.裏打ちフィルムを成形単位の作業面に提供する工程;
b.裏打ちフィルムが小アパーチャのある要素と成形単位との間に入るように、小アパーチャのある要素を裏打ちフィルムに並列させる工程;
c.液体感光性樹脂のコーティングを小アパーチャのある要素の表面に適用する工程;
d.コーティングの厚さを予め選択された値に制御する工程;
e.感光性樹脂のコーティングと接触する関係において、不透明及び透明な領域の両方を含み、その場合不透明な領域が陥没部710に対応する予め選択されたパターンを定義するマスクを並列させる工程;
f.液体感光性樹脂をマスクを通して活性化波長を有する光に暴露し、それによってマスクの透明領域と見当のあった領域の感光性樹脂の少なくとも部分的硬化を生じさせる工程;
g.小アパーチャのある要素/部分的に硬化された樹脂の複合体から、すべての非硬化液体感光性樹脂を除去する工程;
h.工程a〜gを、工程(d)において異なる制御された厚さ(例えばより大きい厚さ、例えば図22のhf2に対応する厚さ)で、及び工程(e)において異なるマスクを用いてもう一度繰り返す工程であって、工程(e)のマスクが不透明及び透明な領域の両方を含み、その場合透明な領域が突出部2250に対応する予め選択されたパターンを定義する工程;
i.小アパーチャのある要素/硬化された樹脂を水浴又はその他の水溶液などの酸素を含まない環境に浸す工程;
j.小アパーチャのある要素/部分的に硬化された樹脂を、マスクを通して活性化波長を有する光に暴露し、それによって感光性樹脂を完全に硬化させ、結果として、完成したベルト型成形構造体を生じる工程。
【0095】
本発明の実施に用いられる正確な装置(又は機器)は、実際それが本発明を実施するために用いられることができる限り重要ではない。次の記述のすべてを読んだ後、当業者は上に示された工程を実行するために適切な装置を選択することができるであろう。エンドレスベルトの形態の成形構造体を構築するための本発明の実施に用い得る装置の好ましい実施形態が、図23の概略図に示される。便宜上、本発明はその装置に関して記述される。
【0096】
プロセスの第一工程は、裏打ちフィルムを成形単位の作業面に提供することである。図23では、成形単位613は作業面612を有し、及び円形要素であるとして示されるが、それは好ましくは回転ドラムである。成形単位613の直径及びその長さは便利なように選択される。その直径は、裏打ちフィルム及び小アパーチャのある要素が加工中に過度に曲げられないように、十分大きいことが必要である。また成形単位613が回転するにつれて必要な工程が達成できるように、その表面の周りに十分な運行距離があるように直径は十分に大きくなければならない。成形単位613の長さは、構築される成形構造体350の幅によって選択される。成形単位613は、図示されない駆動手段によって回転される。任意に及び好ましくは作業面612は、活性化波長の光を吸収する。好ましくは成形単位613は、裏打ちフィルム653が作業面612と密接な接触を保持することを保証するための手段を備えている。裏打ちフィルム653は、例えば接着剤により作業面612に固定され得るか、又は成形単位613は、成形単位613の作業面612全体の複数の密集した小さな開口部を通して適用される真空の影響下で裏打ちフィルム653を作業面612に固定するための手段を備え得る。好ましくは裏打ちフィルム653は、図23に示されない張力の手段により作業面612に対して保持される。
【0097】
裏打ちフィルム653はシステムに、裏打ちフィルム供給ロール631からそれを巻き戻すことにより導入され、及びそれを方向指示矢印D3により示される方向に運行させることができる。裏打ちフィルム653は成形単位613の作業面612に接触し、前述の手段により作業面612に対して一時的に拘束され、成形単位613と共に、後者が回転するにつれて運行し、最終的に作業面612から分離して、及び裏打ちフィルムが巻き取られる、裏打ちフィルム巻き取りロール632まで運行する。
【0098】
図23に示される実施形態では、裏打ちフィルム653は使い捨て用に設計され、その後それは廃棄される。別の配置では、裏打ちフィルム653は、それが必要に応じて洗浄され及び再生される一連のリターンロールの周りを運行するエンドレスベルトの形態を取ることができる。必要な駆動手段、ガイドロールなどは図23には示されていない。裏打ちフィルム653の機能は、成形単位613の作業面612を保護することであり、及び部分的に硬化された成形構造体350の成形単位からの取り外しを容易にすることである。フィルムは、ポリエチレン又はポリエステルのシートなどのいずれかの可撓性の滑らかな平面材料であることができる。好ましくは裏打ちフィルム653はポリプロピレンから製造され、及び約0.01〜約0.1ミリメートル(mm)の厚さである。
【0099】
プロセスの第二工程は、裏打ちフィルムが小アパーチャのある要素601と成形単位613との間に入るように、小アパーチャのある要素601を裏打ちフィルムに並列させることである。小アパーチャのある要素601は、その周りに硬化可能樹脂が構築される材料である。一つの好適な小アパーチャのある要素は、図21及び22に示されるように金属線のスクリーン430である。ポリエステルのフィラメントを有するスクリーンは好適である。1cm当たり約6〜約30のフィラメントのメッシュの大きさを有するスクリーンは好適である。平織のスクリーンは、その他のより複雑な織り方のスクリーンのように好適である。円形又は楕円形のいずれかの断面を有するフィラメントが好ましい。好都合ではあるが、活性化波長の光に対してフィラメントが透明であることは必要ない。スクリーンに加えて小アパーチャのある要素が、織布及び不織布の布地、製紙用布地、熱可塑性網目などにより提供され得る。選択された小アパーチャのある要素の正確な性質及びその寸法は、成形構造体350が、それが構築された後に設置される用途により左右される。図23に示される装置により構築される成形構造体350がエンドレスベルトの形態であるため、小アパーチャのある要素601もまた、例えばスクリーニングの長さの末端部を共に縫い合わせることにより形成されたエンドレスベルトである。
【0100】
図23に示されるように、小アパーチャのある要素601は、方向指示矢印D1により示される方向にリターンロール611の周りを運行し、成形単位613に上がり、超えて、及び周り、並びにリターンロール614及び615の周りを運行する。その他のガイドロール、リターンロール、駆動手段、支持ロールなどは、必要に応じて使用されることができ、及び幾つかは図23に示される。小アパーチャのある要素601は、裏打ちフィルム653が小アパーチャのある要素601と成形単位613の間に入るように裏打ちフィルム653に並列する。成形構造体350に望ましい具体的設計は、並列の正確な方法を決定する。好ましい実施形態では、小アパーチャのある要素601は裏打ちフィルム653と直接接触する関係において設置される。
【0101】
液体感光性樹脂652が供給源620から小アパーチャのある要素601に適用される場合、樹脂652は小アパーチャのある要素601の主として片側に配置され、及び小アパーチャのある要素601は事実上、成形構造体350の一つの表面に位置付けられる。小アパーチャのある要素601は、いずれかの便利な手段により、裏打ちフィルム653から幾らかの有限距離で間隔をあけることができるが、こうした配置は普通は好ましくない。樹脂供給源620は、ノズルであることができ、又は押出成形、スロットコーティングなどを包含する液体感光性樹脂を付着するいずれかの既知の手段であることができる。
【0102】
本発明のプロセスの第三工程は、液体感光性樹脂652のコーティングの第一層を小アパーチャのある要素601に適用することである。コーティングの第一層は、それぞれ1020及び1060の第一及び第二表面の平面間の(図22のhf1として示される)成形構造体350の部分を最終的に構成する層である。それにより液体材料が小アパーチャのある要素601に適用できるいずれの技術も好適である。例えば粘稠な液体樹脂を供給するために、ノズル620を用いることができる。液体感光性樹脂652が、小アパーチャのある要素601の幅にわたって硬化前に均一に適用されること、及び成形構造体350の設計が必要とする場合、小アパーチャのある部材601の開口部に入るように材料の必要量が適用されることが必要である。織った小アパーチャのある要素については、ナックル、即ち織ったスクリーン構造の高くなった交差混合点は、好ましくは裏打ちフィルムと接触し、その結果各フィラメントの全体を感光性樹脂により完全に包み込むことは可能でない場合もあり得るが、各フィラメントのできるだけ多くの部分を包み込むことが必要である。
【0103】
好適な感光性樹脂は、多くの市販のものから容易に選択できる。それらは材料で普通はポリマーであり、それらは放射、普通は紫外線(UV)の影響下で硬化又は架橋する。液体感光性樹脂についてより多くの情報を含有する参考文献には、グリーン(Green)らの「光架橋可能な樹脂系(Photocross-linkable Resin Systems)」(J.Macro−Sci.Revs.Macro Chem.、C21(2)、187〜273(1981〜82));バイエル(Bayer)の「紫外線硬化技術概説(A Review of Ultraviolet Curing Technology)」(Tappi Paper Synthetics Conf.Proc.、9月、25〜27、1978、167〜172ページ);及びシュミーデル(Schmidle)の「紫外線硬化可能可撓性コーティング(Ultraviolet Curable Flexible Coatings)」、(コーティング布地誌(J.of Coated Fabrics)、8、10〜20(1978年7月))が挙げられる。前の三つの参考文献はすべて、本明細書に参考として組み込まれる。特に好ましい液体感光性樹脂は、米国デラウェア州ウィルミントンのマクダーミッド・イメージング・テクノロジー社(MacDermid Imaging Technology,Inc.)により製造されたメリグラフ(Merigraph)L−055シリーズに包含される。
【0104】
本発明のプロセスの次の工程は、コーティングの厚さを予め選択された値に制御することである。予め選択された値は、それぞれ1020と1060の第一と第二表面との間の成形構造体350に所望される厚さに対応する。即ち、図22に示されるような厚さhf1である。成形構造体350が、使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるのに好適なウェブ80を製造するために用いられる場合は、hf1が約1mm〜約2mmの厚さであることが好ましい。もちろんその他の用途は、厚さ3mm以上であり得る、より厚い成形構造体350を要求し得る。
【0105】
厚さを制御するいずれかの好適な手段を用いることができる。図23に示されるのはニップロール641の使用である。ニップロール641と成形単位613との間の隙間は、図示されない手段により機械的に制御され得る。ニップは、マスク654及びマスクガイドロール641と共に、液体感光性樹脂652の表面を滑らかにし及びその厚さを制御する傾向がある。
【0106】
本発明のプロセスの第五工程は、液体感光性樹脂652と接触する関係において、第一マスク654を並列させることを含む。マスクの目的は、液体感光性樹脂の特定領域を光への暴露から遮断することである。第一マスク654は成形構造体350に所望されるアパーチャ71のパターンに対応する不透明領域のパターンを除いて、光、例えば紫外線の活性波長に対して透明である。不透明、即ち陰をつけた部分657及び光を通す部分658の一つのパターンを示す好適な第一マスク654の部分が図27に示される。図27は、その下に重ね合わせた測定目盛りを示すことに注意のこと。示された目盛りの最小の増加分は0.1mmである。
【0107】
第一マスク654の光を通す部分658、即ち活性化光源から遮蔽されない領域は、成形構造体350の結合部材910を形成するために硬化される液体感光性樹脂の領域に対応する。同様に、第一マスク654の不透明部分657は、成形構造体350の陥没部710のパターンに対応する。第一マスク654は、そのため図21に示される成形構造体350の六角形の形状の陥没部、又は図13に示される五角形の形状の陥没部710、又は図15に示される涙の滴の形状の陥没部710のパターンに対応する不透明部分657を有することができる。一般に使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるウェブ80を形成するために用いられる成形構造体350について、第一マスク654の不透明部分657は、所望の流体の流れ特性を示すようにウェブ80のアパーチャ71の必要な構造を提供するために好適な大きさ、形状、及び間隔であることが必要である。
【0108】
第一マスク654は、不透明及び透明領域を提供し得るいずれかの好適な材料であることができる。可撓性フィルムの性質を有する材料は好適である。可撓性フィルムは、ポリエステル、ポリエチレン、又はセルロース系若しくはいずれかのその他の好適な材料であることができる。不透明領域は、写真又はグラビア加工、フレキソ印刷加工、及びインクジェット又は回転スクリーン印刷加工などのいずれかの便利な手段により形成することができる。第一マスク654はエンドレスループ若しくはベルト(その詳細は図示されない)であることができる、又はそれは一つの供給ロールから供給されることもでき、及び巻き取りロールまでシステムを横断することもできるが、どれについても図には示されていない。第一マスク654は方向指示矢印D4により示される方向に運行し、ニップロール641の下で曲がりそこで液体感光性樹脂652の表面と接触し、マスクガイドロール642まで運行し、その近くで樹脂との接触から取り外される。この特別な実施形態では、樹脂の厚さの制御及びマスクの並列は同時に生じる。
【0109】
本発明のプロセスの第六工程は、液体感光性樹脂652を第一マスク654を通して活性化波長の光に暴露し、それによって第一マスク654の透明領域658と見当のあった領域の樹脂の少なくとも部分的硬化を生じさせることを含む。樹脂はこの工程で完全に硬化される必要はないが、光暴露後の工程、例えば以下に記述されるように、非硬化樹脂を洗い流す間に暴露された樹脂がその所望の形状を維持する場合には、少なくとも部分的な硬化は達成される。図23に示される実施形態では、裏打ちフィルム653、小アパーチャのある要素601、液体感光性樹脂652、及びマスク654のすべてが、ニップロール641からマスクガイドロール642の近くまで共に運行する単位を形成する。ニップロール641とマスクガイドロール642の中間であり、裏打ちフィルム653及び小アパーチャのある要素601が成形単位613になお並列する場所に位置する場合、液体感光性樹脂652は照射ランプ655により供給される活性波長の光に暴露される。照射ランプ655は、主として、液体感光性樹脂の硬化を生じる波長内の照明を提供するように選択される。その波長は液体感光性樹脂の特徴である。好ましい実施形態では、樹脂は紫外線硬化可能であり、及び照射ランプ655は紫外線光源である。水銀アーク、パルスキセノン、無電極及び蛍光灯などのいずれかの好適な照明源が使用できる。
【0110】
上記のように、液体感光性樹脂が適切な波長の光に暴露される場合は、硬化は樹脂の暴露された部分に生じる。硬化は、暴露された領域の樹脂の固化により一般に現れる。逆に、暴露されていない領域は流体のまま残留する。照明の強度及びその持続時間は、暴露された領域内に必要とされる硬化の程度に依存する。暴露強度の絶対値及び時間は、樹脂の化学的性質、その光特性、樹脂コーティングの厚さ、及び選択されるパターンに依存する。更に、暴露の強度、及び光の入射角は、成形構造体350の厚さhf1を通じて、結合部材910の壁におけるテーパーの存在又は不在について重要な影響を有することができる。それ故に、光は所望の程度のテーパーを達成するために平行にされることができる。
【0111】
プロセスの第七工程は、小アパーチャのある要素/部分的に硬化された樹脂621の、硬化された又は部分的に硬化された複合体から、実質的にすべての非硬化液体感光性樹脂を除去することである。即ち、光への暴露から遮断された樹脂は、システムから除去される。図23に示される実施形態では、マスクガイドロール642の近くの点では、第一マスク654及び裏打ちフィルム653が、小アパーチャのある要素601及び今や部分的に硬化された樹脂621を含む複合体から物理的に分離される。小アパーチャのある要素601及び部分的に硬化された樹脂621の複合体は、第一の樹脂除去シュー(shoe)623の近くまで運行する。第一の樹脂除去シュー(shoe)623において、かなりの量の液体(非硬化)感光性樹脂が複合体から除去されるように、複合体の一つの表面に真空が適用される。複合体が更に先へ運行すると、それは樹脂洗浄シャワー624、及び樹脂洗浄ステーションドレイン625の近くに至り、その地点で複合体は水又はその他の好適な液体により完全に洗浄されて残留液体(非硬化)感光性樹脂のより多くを除去され、これはシステムから樹脂洗浄ステーションドレイン625を通って排出される。洗浄シャワーは好ましくは、約46℃(115°F)を超える温度の主として水又は水溶液である。
【0112】
第二の樹脂除去シュー(shoe)626(又は必要に応じて第三など)が、プロセスのこの段階で、残留非硬化樹脂の更なる除去のために用いられることができる。(第二の光源660の形態での第二の硬化ステーション、及び水浴630などの空気を置き換える媒質が図23に示されるが、プロセスの第一段階では用いられない。)
第一段階の最後である、成形構造体350を製造するためのプロセスのこの段階で、複合体は今や、小アパーチャのある要素601、並びに結合要素910、第一表面900及び第二表面850、及び陥没部710を含む成形構造体350の部分を表す部分的に硬化された樹脂621を、本質的に含む。
【0113】
次の工程は、部分的に形成された成形構造体350上に突出部2250を形成することである。突出部2250を形成するために、プロセスは第二段階で及び第一マスク654を置き換える第二マスク656を用いて、本質的に繰り返される。
【0114】
そのため第八工程は、図23において603として示される部分的に形成された成形構造体により開始し、方向指示矢印D1により示される方向にリターンロール611の周りを進み、成形単位613に上がり、超えて、及び周り、並びにリターンロール614及び615の周りを進む。前のようにその他のガイドロール、リターンロール、駆動手段、支持ロールなどが必要に応じて使用でき、及び幾つかは図23に示される。裏打ちフィルム653が、部分的に形成された成形構造体603と成形単位613との間に入るように、部分的に形成された成形構造体603を裏打ちフィルム653に並列させる。成形構造体350に所望される具体的な設計は並列の正確な方法を決定する。好ましい実施形態では、部分的に形成された成形構造体603は、裏打ちフィルム653と直接接触する関係で設置される。裏打ちフィルム653は、プロセスの第一段階について前に言及された同じ裏打ちフィルムであることができる。
【0115】
プロセスの第九工程では、液体感光性樹脂652の第二のコーティングが供給源620から部分的に形成された成形構造体603に再び上述のように適用されるが、樹脂652は陥没部、即ち部分的に形成された成形構造体603の陥没部710を満たすように適用され、及び加えて、部分的に形成された成形構造体603の部分的に硬化された樹脂の水平面の上にコーティングを適用する。前のように、部分的に形成された成形構造体603は、いずれかの便利な手段により、裏打ちフィルム653から幾らかの有限距離で間隔をあけることができるが、こうした配置は普通は好ましくない。
【0116】
コーティングの第二層は、最終的に硬化されて成形構造体350の突出部2250を形成する層である。均一の高さの突出部2250が望ましい場合は、液体感光性樹脂652の第二層が、部分的に形成された成形構造体603の幅全体に均一に適用されることが必要である。突出部2250を形成するための感光性樹脂の必要量は、部分的に形成された成形構造体603の開口部を満たすために、及び図22の距離hf2に対応する厚さのような望ましい突出部の高さに対応する予め選択された厚さを超えて満たすために十分である。成形構造体350が、使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるのに好適なウェブ80を製造するために用いられる場合、hf2は約1.1mm〜約2.1mmの厚さであることが好ましい。前のように、ニップロール641の使用を包含する、厚さを制御するためのいずれかの好適な手段を用いることができる。
【0117】
図23に示されるプロセスの第十工程は、第二マスク656を液体感光性樹脂652の第二層と接触する関係において並列させることを含む。前のように、マスクの目的は、液体感光性樹脂の特定領域を光への暴露から遮断することである。不透明、即ち陰をつけた部分657及び光を通す部分658の一つのパターンを示す好適な第一マスク654の部分が図28に示される。見るのが困難ではあるが、図28はその下に重ね合わせた測定目盛りを示すことに注意のこと。示された目盛りの最小の増加分は0.1mmである。
【0118】
図28に示されるように、第二マスク656は成形構造体350に所望される突出部2250のパターンに対応する透明領域658のパターンを除いて、光、例えば紫外線の活性波長に対して不透明である。第二マスク656の光を通す部分、即ち活性化光源から遮蔽されない領域は、硬化される液体感光性樹脂の領域に対応する。そのため、第二マスク656の透明領域は、成形構造体350の突出部2250の予め選択されたパターンに対応する。第二マスク656はそのため、密集した斑点又は点である透明領域のパターンを有することができ、こうした斑点又は点は、図24及び25に示されるもののような密集した円形(断面において)の突出部に一対一の対応を有する。もちろんマスク656の透明領域のパターンは、成形構造体350の特定の最終使用に依存してその他の形状及びパターンであることができる。一般に使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるウェブ80を形成するために用いられる成形構造体350について、第二マスク656の透明領域658は、感知される柔らかさのような所望の触覚特性を示すようにウェブ80の突出部2250の必要な構造を提供するために好適な大きさ、形状、及び間隔であることが必要である。一つの実施形態では、第二マスク656の透明領域658は、各々が約65μの直径を有する円形であり、1平方cm当たり透明領域658が約3875(1平方インチ当たり約25,000)の均一な間隔で、中心から中心までの距離約188μで相隔たる。
【0119】
第二マスク656は、不透明領域が、写真又はグラビア加工、フレキソ印刷加工、及びインクジェット又は回転スクリーン印刷加工などのいずれかの便利な手段により適用できる可撓性フィルムなどの第一マスク654と同じ材料であることができる。第二マスク656は、エンドレスループ(その詳細は図示されない)であることができる、又はそれは一つの供給ロールから供給されることもでき、及び巻き取りロールまでシステムを横断することもできるが、どれについても図には示されていない。第二マスク656は方向指示矢印D4により示される方向に運行し、ニップロール641の下で曲がりそこで液体感光性樹脂652の表面と接触し、マスクガイドロール642まで運行し、その近くで樹脂との接触から取り外される。この特別な実施形態では、樹脂の厚さの制御及びマスクの並列は同時に生じる。
【0120】
プロセスの第十一工程は、液体感光性樹脂652を第二マスク656を通して活性化波長の光に再び暴露し、それによって第二マスク656の透明領域と見当のあった領域の樹脂、即ち突出部2250の硬化を生じさせることを含む。図23に示される実施形態では、裏打ちフィルム653、部分的に形成された成形構造体603、液体感光性樹脂652、及び第二マスク656のすべてが、ニップロール641からマスクガイドロール642の近くまで共に運行する単位を形成する。ニップロール641とマスクガイドロール642の中間であり、及び裏打ちフィルム653及び部分的に形成された成形構造体603が成形単位613になお並列する場所に位置する場合、液体感光性樹脂652は照射ランプ655により供給される活性波長の光に暴露される。前のように、照射ランプ655は一般に、主として、液体感光性樹脂の硬化を生じる波長内の照明を提供するように選択される。その波長は液体感光性樹脂の特徴である。前のように、好ましい実施形態では、樹脂は紫外線硬化可能であり、及び照射ランプ655は紫外線光源である(実際、上記のプロセスの第一段階で用いられた同じ光源である)。
【0121】
上記のように、液体感光性樹脂が適切な波長の光に暴露される場合は、硬化は樹脂の暴露された部分に生じる。硬化は、暴露された領域の樹脂の固化によりに現れる。逆に、暴露されていない領域は流体のまま残留する(又は部分的に形成された成形構造体603の前に硬化された部分の場合は部分的に硬化される)。照明の強度及びその持続時間は、暴露された領域内に必要とされる硬化の程度に依存する。暴露強度の絶対値及び時間は、樹脂の化学的性質、その光特性、樹脂コーティングの厚さ、及び選択されるパターンに依存する。更に、暴露の強度、及び光の入射角は、突出部2250の壁におけるテーパーの存在又は不在について重要な影響を有することができる。前述のように、壁のテーパーを減らすために光コリメーターを使用することができる。
【0122】
プロセスの十二工程は、部分的に硬化された成形構造体350から実質的にすべての非硬化液体感光性樹脂を再び除去することである。即ち第二の硬化工程で、光への暴露から遮断された樹脂がシステムから除去される。図23に示される実施形態では、マスクガイドロール642の近くの点では、第二マスク656及び裏打ちフィルム653が今や部分的に硬化された樹脂621から物理的に分離されるが、この部分的に硬化された樹脂621は今や、完成された、即ち陥没部710及び突出部2250の両方を有する成形構造体350の部分的に又は実質的に完全に硬化された樹脂を包含する。部分的に硬化された樹脂621は、第一の樹脂除去シュー(shoe)623の近くまで運行する。第一樹脂除去シュー(shoe)623において、かなりの量の液体(非硬化)感光性樹脂、並びに陥没部710に隣接する硬化された「突出部」が複合体から除去されるように、複合体の一つの表面に真空が適用される。第二硬化工程において、第二マスク656は、樹脂の硬化を成形構造体350の第一表面900に対応する部分上のみに限定しないことに注意のこと。第二硬化工程は、実際に「突出部」を、部分的に硬化された複合体603の全領域にわたって均一に硬化する。しかしながら、結合部材910上の硬化された樹脂の部分のみが、第一表面900において結合部材910に結合し、及び前に硬化された樹脂部分と本質的に一体になる。したがって、真空及び水洗浄工程において、隣接する陥没部710の中にある「突出部」に対応する硬化された樹脂の部分は、より完全に以下に記述されるように、最終硬化のための最終光暴露の前に単に除去される。
【0123】
複合体が更に先へ運行すると、それは樹脂洗浄シャワー624、及び樹脂洗浄ステーションドレイン625の近くに至り、その地点で複合体は水又はその他の好適な液体により完全に洗浄されて残留液体(非硬化)感光性樹脂の実質的にすべて、並びに完成した成形構造体350の部分を形成しないいずれの硬化された樹脂も除去し、これらのすべてはシステムから樹脂洗浄ステーションドレイン625を通って再生利用又は廃棄のため排出される。例えば、第二段階の陥没部の領域の光活性化により形成された硬化された樹脂は洗い流される。こうした硬化された樹脂は好ましくは内在する小アパーチャのある部材に接着せず、及び接着する場合には、接着の程度は好ましくは、望ましくない硬化された材料が洗い流されるのを防止するには不十分である。
【0124】
実質的にすべての非硬化樹脂が除去され、及び残留樹脂が成形構造体350のための最終形態になった後、残留樹脂は好ましくは水浴630などの酸素を含まない媒質中で第二光源660により完全に硬化される。酸素を含まない媒質は、酸素が残留非硬化樹脂の最終紫外線硬化を妨害しないことを確実にする。酸素は、ラジカル重合の鎖の成長を遅くする又は停止する可能性がある。
【0125】
図23に示されるように、一連のガイドロール616は、部分的に形成された成形構造体350を水浴630の中に導くために必要に応じて用いることができる。しかしながら実際のところ、部分的に形成された成形構造体350を、浅い例えば深さ25.4mmの水のトレイ中に自重により単に浸漬させることを包含するいずれのプロセス構成も使用することができる。活性光660への樹脂の最終暴露は、その完全に硬くなった及び丈夫な状態への樹脂の完全な硬化を確実にする。
【0126】
上記の十二工程の二段階プロセスは、小アパーチャのある要素601の全長が処理され及び成形構造体350に変換される時まで続く。ベルト型成形構造体351として示される完成した成形構造体は次に、例えば図29を参照して記述されるプロセスのようなウェブ形成プロセスに用いることができる。
【0127】
そのため一般に、硬化は数段階で行われることができ、その結果、最初に成形構造体のアパーチャ710に対応する紫外線遮断部分を有する(例えば涙の滴のパターンの紫外線遮断部分を有する)ネガティブのマスクを用いて、紫外線光源をマスクに直交して十分な時間の間導くことによりポリマーを最初に部分的に硬化することができる。マスクされていない領域で一旦ポリマーが部分的に硬化されたら、紫外線を通す密集した複数の斑点又は点を含む第二マスクが、光源と部分的に硬化されたポリマーとの間に設置され得る。ポリマーは、突出部2250になるポリマー部分を完全に硬化するために、紫外線により再び硬化される。一旦突出部が完全に硬化されたら、残留する非硬化ポリマー(及び部分的に硬化されたポリマー)が除去されて、図22〜26に示されるものに類似する特徴を有する成形構造体を残すことができる。記述される手順は、例えば材料のハンドシートの見本を製造するために用いることができる。
【0128】
ベルト型成形構造体の形成の実施例:
図24〜26に示される成形構造体350が、図23に関する上記のプロセスによって製造された。特に、小アパーチャのある要素601は、ペンシルベニア州ハノーバーのスター・ブランド・スクリーニング(Star Brand Screening)からのハノーバー・ワイヤークロス(Hanover Wire Cloth)として入手可能な18x16メッシュの明るいアルミニウムのスクリーニングであった。スクリーニングは厚さおよそ0.5mm(0.021インチ)、幅61cm(24インチ)、及びフィラメントの織ったメッシュを具備し、各フィラメントはフィラメント直径約0.24mmを有した。スクリーニングは、長さ約15m(50フィート)であり、及び縫った継ぎ目によりエンドレスベルトに形成された。
【0129】
裏打ちフィルムは、米国オハイオ州クリーブランドのマイルズロード19499のグラフィックス(Graphix)から品目NO.R04DC30600として入手可能な厚さ0.1mm(.004インチ)の二軸配向透明ポリエステルフィルムであった。感光性樹脂は、米国デラウェア州ウィルミントンのマクダーミッド・イメージング・テクノロジー社(MacDermid Imaging Technology,Inc.)から購入されたXPG2003−1であり、これは製造業者から受領したように室温で使用された。
【0130】
第一マスクは、米国イリノイ州シカゴのアゾン(Azon)から入手可能な0.1mm(.004インチ)カラー・クリアー・フィルム(Color Clear Film)787Nであり、及び図27に示されるように涙の滴のパターンを印刷された。第一マスクは、パターンを直接アゾン(Azon)のカラー・クリアー・フィルム(Color Clear Film)上にインクジェット印刷することにより作成された。
【0131】
成形単位は、直径約108cm(42.5インチ)及び幅約71cm(28インチ)のドラムを具備した。それは、表面速度1分当たり約41cm(16インチ)で回転した。
第一の成形について、感光性樹脂がノズルを通して約1.7mm(0.067インチ)の制御された全体の厚さに適用されたが、厚さは成形単位の間隔及び上記のようにニップロールにより制御された。
【0132】
照射ランプ、即ち上述のランプ655は、米国メリーランド州ゲイサーズバーグのクロッパーロード910のフュージョンUVシステムズ(Fusion UV Systems)から購入された紫外線システムVPS/1600システム、モデルNo.VPS−6であった。照射ランプは第一マスクから約35cm(14インチ)に設置され、及び照射は、マスク表面から約6.4mm(2.5インチ)に位置付けられた石英のアパーチャにより制御され(任意であり、石英のアパーチャはマスクの暴露領域全体の均一な光密度を創出するのを助ける)、並びにこれは成形単位の幅及び約10cm(4インチ)の運行方向(即ち成形ドラム613の外周の周り)に及んだ。光は、38mm(1.5インチ)の高さ(即ちハニカム構造を有する38mmの長さの管)の12.5mm(0.5インチ)の六角形ハニカムコリメーターを通して平行にされた(コリメーターは任意であるが、良好な硬化変換のために光を平行にするのを助ける)。
【0133】
第一の樹脂層が紫外線に暴露された後、第一のマスクは部分的に硬化された樹脂の複合体から分離され、及び非硬化樹脂は複合体から、水(379l/分(100ガロン/分))、ミスタークリーン(Mr.Clean)(登録商標)(0.246l/分(0.065ガロン/分))及びメリグラフシステム(Merigraph System)W6200消泡剤(0.337l/分(0.089ガロン/分))の水溶液により約46℃(115°F)の温度で、各々が幅71cm(28インチ)の多種多様な17のノズルを具備する四組のシャワーを通して洗浄された。三つのシャワーは複合体の上部から及び一つは底部から吹き付けられた。
【0134】
第一段階の後、複合体は部分的に硬化されたが、これは樹脂の第一成形は第二紫外線光源、例えば上記のランプ660により完全に硬化されなかったことを意味する。樹脂の第一成形を含む部分的に硬化された複合体は、今や成形構造体350の涙の滴の形状の陥没部710を含んだ。樹脂の第一成形は、約1.3mm(0.050インチ)の小アパーチャのある要素上の厚さを示した。部分的に硬化された複合体は、プロセスの第二段階において成形単位上に二度目に戻ってきた。同じ感光性樹脂が約2mm(0.077インチ)の全体の厚さに適用されたが、これは樹脂の第一適用より約0.24mm(0.010インチ)厚かった。第二マスクが用いられたが、第二マスクは、直径0.08mm(0.003インチ)、及び図28に示されるように正三角形の配列で中心から中心まで0.18mm(0.007インチ)の間隔をあけた小さい透明な円のパターンを有した。
【0135】
複合体は光源655により上記のように再び硬化され、及びシャワー624を上記のように受けた。シャワーが実質的にすべての非硬化樹脂を除去した後、複合体は後硬化紫外線を例えば光源660から複合体に導くことにより後硬化されたが、一方で複合体は、亜硫酸ナトリウム9.5g/水1l(亜硫酸ナトリウム36g/水1ガロン)を含有する2.5cm(1インチ)の水に沈められた。亜硫酸ナトリウムは任意であるが、良好な脱酸素剤である。後硬化紫外線光源は、複合体から約20cm(8インチ)に設置された。
【0136】
結果として得られるベルト型成形構造体351は、第一表面から延出する実質的に均一な円形断面を有する円柱形状の支柱(即ち突出部2250)を示した。突出部の各々は、高さ約105μ、直径約66μ、及び中心から中心までの間隔約188μを有した。ベルト型成形構造体351は、均一な涙の滴の形状の陥没部710を更に示した。上記のプロセスにより製造されたベルト型成形構造体の代表的部分の顕微鏡写真が、図24〜26に示される。その突出部は継ぎ目がなく、成形構造体の第一表面の一体化した延長であることに注意のこと。これは、ポリマーがプロセスの第一段階で部分的にのみ硬化され、突出部の形成後に最終的に硬化されるためであると考えられている。
【0137】
上記の感光性樹脂硬化プロセスを使用する本発明の成形構造体を形成する方法の変形は、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。例えば、一つの実施形態では、上記の十二工程プロセスは、第一マスク654を除外することにより、又は単にマスク654を完全に透明にすることにより変更することができる。この実施形態では、第一層に付着するすべての樹脂、又は紫外線硬化可能樹脂のコーティング652が部分的に硬化されて、部分的に硬化された樹脂のモノシリックな「スラブ」を形成する。第二マスク656の使用による突出部2250の形成を包含するプロセスの残りの工程は上記のように実行される。この方式では、成形構造体は、突出部2250を有するが、陥没部710を有せずに形成される。陥没部710はそのためレーザーエッチングによるなど別のプロセスにより形成され得る。
【0138】
成形構造体を製造する他の方法が考えられる。例えば、熱硬化(例えば加硫樹脂)又は紫外線硬化可能樹脂などの樹脂が材料の「スラブ」に部分的に硬化される(即ち部分的に重合される)ことができ、部分的硬化はスラブを円筒形スリーブ上にラッピングするプロセスにおいてスラブを取り扱うのに十分である。スパイラルラッピングによるか、又は個々のスラブを完全な円筒形の形態に接合するかのいずれかにより一旦ラッピングされると、部分的に硬化された樹脂は完全に硬化されることができ、それによって重合された材料の単一の完全に硬化された円筒形スリーブを形成し、これはその後例えばレーザーエッチングにより、陥没部710及び/又は突出部2250を形成することができる。こうしたプロセスの利益は、成形構造体の円筒形の形態が継ぎ目を作る必要なしに達成できることである。したがって継ぐ工程を伴う典型的なベルト製造プロセスとは異なり、そのように製造された成形構造体は本質的に継ぎ目がない。更に硬化可能樹脂の個々の層は、異なる材料特性を有する層を配置して、例えばその厚さにわたって変化する材料特性を有する成形構造体を形成することができるように、所定の方式により積み重ねることができる。追加の加工工程として、上記の層化プロセスにおいて、非硬化の硬化可能樹脂の層を部分的に硬化された樹脂の層の間に適用することは有益である場合がある。
【0139】
更に、材料の部分的に硬化された「スラブ」の円筒形の形態への使用により成形構造体を製造する方法についての別の任意の変形として、部分的に硬化されたスラブは、最外層であってその上に突出部2250を形成される層である最外層により層化されることができる。したがって、完全に硬化する際に、完全に硬化される樹脂は、最終の円筒形の成形構造体を製造するために、例えばレーザーエッチングにより、ただ陥没部710を形成されることのみが必要である。
【0140】
円筒形の形態上に設置される材料の部分的に硬化された「スラブ」の使用により成形構造体を製造することの一つの利点は、使用される円筒形の形態が成形構造体のための全体の支持構造の一部であり得ることである。例えば部分的に硬化されたスラブは、金属又はポリマースクリーン部材のような小アパーチャのある部材の上に層化できる。一旦完全に硬化されると、部分的に硬化されるスラブは小アパーチャのある部材に接着する可能性があり、これはその結果、成形構造体の単一部分になり、及び強度及び耐久性を成形構造体に提供することができる。更に、部分的に硬化されたスラブは、相対的に硬いが空気透過性の膜、例えば成形構造体に支持及び剛性を提供できるハニカム膜上に積み重ねられることができる。例えば、金属ハニカム構造は管状形態で提供されることができ、その結果材料の部分的に硬化されたスラブを完全に硬化する際に、最終構造は相対的に硬く円筒形の空気透過性の成形構造体である。
【0141】
成形構造体350をネガティブの金型の中で成形し、硬化し及び取り出す成形技術による作成を包含する、成形構造体を製造するその他の方法が考えられる。一つの実施形態では、ポリマー基材などの基材は、レーザー機械加工されて、成形構造体350のネガティブ、即ち成形構造体350の内部の形状を有する金型を形成することができる。一旦レーザー機械加工されたら、ポリマーは金型の中で直接に成形されることができる(当該技術分野において既知のような適切に適用された離型剤などを用いる)。結果として生じる成形構造体350は金型のポジティブの形状を有する。あるいはレーザー機械加工金型は、例えば金属の成形構造体350をその中に電気メッキすることにより構築された可能性もある。また成形構造体は、電気メッキ技術により形成する可能性があり、その際材料の連続層は好適な形態に構築される。
【0142】
成形構造体350を、可撓性ポリマー材料、例えば図15、及び24〜26に関して記述される材料から製造することの一つの利点は、成形構造体が、上記のトルクハン(Trokhan)の’289号の特許に用いられる製紙ベルトに酷似した連続ベルトとして使用されるのに十分なほど可撓性であることである。こうした連続ベルトは、本明細書では可撓性の「ベルト型」成形構造体351と呼ばれる。「ベルト型」とは、成形構造体が材料の連続する可撓性バンドの形態であり、相対的に硬い管状のドラム形状の構造とは対照的に、コンベヤーベルト又は製紙ベルトに酷似していることを意味する。実際本発明の成形構造体は、ティッシュペーパーなどの折り目加工された紙を製造するための製紙加工における製紙ベルトとして使用できる。
【0143】
図29は、可撓性のベルト型成形構造体351を使用して本発明のポリマーウェブ80を製造するためのプロセスの一つの実施形態の簡略化された配置図を示す。示されるように、ベルト型成形構造体351は、様々なローラー、例えばローラー610により導かれ及び張力をかけて保持される連続的ベルト型部材であることができる。ベルト型成形構造体351は成形ドラム518上に導かれる。成形ドラム518上ではベルト型成形構造体が成形ドラム518により支持されるが、前駆体フィルム120は成形構造体351上で支持される。成形構造体351上のウェブ80の形成は、図9及び成形ドラム350に関する上記と同じ方法で進行する。そのため、前駆体ウェブ120は液体噴射540(又は噴射)、並びに乾燥手段590(又は乾燥/アニール手段)を受ける可能性がある。しかしながら図29に概略的に記述されるプロセスにおいて、より完全に以下に記述されるように、乾燥(及び/又はアニール)はプロセスの他の場所で提供されるため、成形ドラム518上の乾燥手段590は任意である。そのため、図29に関して記述される実施形態では、乾燥手段590は、前駆体ウェブ120を更に形成するための再加熱手段により置き換えることができる。
【0144】
一つの実施形態では、液体噴射540は用いられず、及びプロセスは本質的に液体を含まないプロセスである。こうしたプロセスでは、液体噴射540及び/又は乾燥手段590は上記のように再加熱手段により置き換えられる。前駆体フィルム120は、再加熱手段により加熱され、これは必要であれば真空と共に前駆体ウェブ120を成形構造体351に適合させる。このプロセスでは液体が用いられないために乾燥は必要なく、及び本明細書に開示される乾燥工程は除外することができる。
【0145】
図29に見られるように、ベルト型成形構造体351は成形ドラム518上を単に回転するのではなく、成形ドラム518の上に導かれ及び離れるように導かれる。ベルト型成形構造体351が成形ドラム518上に導かれる場合、それは好ましくは乾燥している。ベルト型成形構造体351が成形ドラム518により支持された後、又は現在それと共にある場合、前駆体ウェブ120はベルト型成形構造体351上に導かれ、及び上記のようにハイドロフォーミングされる。乾燥手段590を過ぎた後、ベルト型成形構造体351及び本発明の三次元アパーチャを有する成形フィルムウェブ80は共に、成形ドラム518を離れるように導かれる。即ちポリマーウェブ80はベルト型成形構造体351に密接し及び支持される。これは、ポリマーウェブ80がベルト型成形構造体351によりなお支持される間に、必要であれば乾燥又はアニールなどの更なる加工が起きることを可能にする。この方式によりポリマーウェブ80は、否定的な方式で崩壊、分裂、ないしは変形せずにより大きな作業に耐えることができる。
【0146】
ベルト型成形構造体351及びポリマーウェブ80は、空気通過乾燥手段800まで図29に示される方向、即ち機械方向に導かれる。空気通過乾燥手段は、図29に示されるように回転ドラムの形態であることができるが、その他の既知の構造のいずれかであることができる。乾燥手段800は、ウェブの乾燥をもたらすようにポリマーウェブ80及びベルト型成形構造体351を強制的に通過させる空気を好ましくは使用する。しかしながら、製紙業界で一般的な毛管乾燥又は限定開口部(limited orifice)乾燥技術の使用などのその他の乾燥手段も考えられる。
【0147】
図29に示される乾燥手段は、回転多アパーチャ性乾燥ドラム802を具備する。ベルト型成形構造体351及びポリマーウェブ80が乾燥ドラム802により支持される時、空気のような乾燥流体はベルト型成形構造体351及びポリマーウェブ80を強制的に通過させられる。空気などの流体は、図29に示されるように乾燥ドラム802の外側から内側に強制的に通過させられることができるか、又はそれは内側から外側に強制的に通過させられることができる。どちらの構造についても、重要なことはポリマーウェブ80がベルト型成形構造体351上に完全に支えられて残っている間に、ポリマーウェブ80の乾燥が流体によりもたらされるということである。乾燥ドラム802から離れるように導かれる前にポリマーウェブ80の適切な乾燥を確実にするために、乾燥ドラムの寸法、流体の流速、流体の含水量、乾燥ドラムの回転速度のすべては必要に応じて調整され得る。
【0148】
乾燥ドラム802は、ポリマーウェブ80及びベルト型成形構造体351を通る流体の流れを助けるために真空室808を有することができる。更に流体除去手段を使用して、ポリマーウェブ80から除去される液体を除去することができる。流体除去手段には、成形ドラム802の簡単なドレーンを挙げることができるが、また水をハイドロフォーミング装置に再循環するために当該技術分野において既知のようなポンプによる積極的な除去を挙げることもできる。乾燥ドラム802は、正圧室810を有することができ、これはベルト型成形構造体351を支持するプロセスを繰り返す前に、過剰の水分を成形ドラム802の表面から除去するのを助ける。除去された液体は単に容器804内に捕捉されることができ、及び水の再循環システム中にドレーン排出することなどによって適切に除去され得る。
【0149】
一旦ポリマーウェブ80及びベルト型成形構造体351が乾燥ドラム802から離れるように導かれたら、ポリマーウェブ80は分離点830においてベルト型成形構造体351から分離される。この点からポリマーウェブ80は、必要であれば例えば放射熱乾燥手段840により追加の乾燥を受けてもよく、及び同様にベルト型成形構造体は、例えば強制空気乾燥手段850などの追加の乾燥手段を受けてもよい。すべての場合において、ポリマーウェブ80がロールストックに最終加工される前に十分に乾燥していること、及びポリマーウェブ80の毛髪様フィブリル225の内部に水分を導入することを避けるために、ベルト型成形構造体351が十分に乾燥していることを確実にするために、加工条件下で好適なその他の乾燥手段を必要に応じて使用することができる。十分な乾燥手段は、ポリマーウェブのカビ又は白カビなどの製造後の水分に関連する問題が最小限にされる又は除外されるように十分に乾燥する。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】同一出願人による米国特許第4,342,314号に一般に開示された種類の、先行技術のポリマーウェブの拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図2】同一出願人による米国特許第4,629,643号に一般に開示された種類の、先行技術のポリマーウェブの拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図3】本発明の成形構造体上に製造されたポリマーウェブの拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図4】本発明のポリマーウェブの特定の特徴をより詳細に示す、図3に示されるウェブ部分の更に拡大された部分図。
【図5】図4の切断線5−5に沿って取られた断面の断面図。
【図6】本発明のポリマーウェブの第一表面の平面内に突き出た代表的なアパーチャの形状の平面図。
【図7】本発明の生理用品の構造をより明瞭に示すために切除した部分を有する生理用ナプキンの上部平面図。
【図8】図7の切断線8−8に沿って取られた生理用ナプキンの断面図。
【図9】本発明の単一相形成プロセスの簡略化された模式図。
【図10】本発明の成形構造体の拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図11】図10に示される成形構造体の部分の更に拡大された部分図。
【図12】図11に示される成形構造体の部分の更に拡大された部分図。
【図13】本発明の成形構造体の一つの実施形態の顕微鏡写真。
【図14】図13の成形構造体の部分の拡大図。
【図15】本発明の成形構造体の別の実施形態の顕微鏡写真。
【図16】図15に示されるものに類似した成形構造体の部分の拡大図。
【図17】本発明の成形構造体上に製造されたウェブの部分の顕微鏡写真。
【図18】図17に示されるウェブの部分の拡大図。
【図19】本発明の成形構造体上に製造されたウェブの部分の顕微鏡写真。
【図20】本発明の成形構造体上に製造されたウェブの部分の拡大図。
【図21】本発明の成形構造体の平面図。
【図22】図21に示される成形構造体の断面図。
【図23】本発明の成形構造体を製造するための方法の配置図。
【図24】本発明の成形構造体の拡大された部分を示す顕微鏡写真。
【図25】図24に示される成形構造体の更に拡大された部分を示す顕微鏡写真。
【図26】図24に示される成形構造体の断面の拡大された部分を示す顕微鏡写真。
【図27】本発明の成形構造体を製造するためのプロセスに用いられる第一マスクの図。
【図28】本発明の成形構造体を製造するためのプロセスに用いられる第二マスクの図。
【図29】本発明のベルト型成形構造体を用いるウェブを製造するためのプロセスの簡略化された模式図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの表面上で柔らかく及び絹のような触感を示すポリマーウェブを製造するための成形構造体に関する。更に特には、本発明は、使い捨て吸収性物品の体に面するトップシートとして用い得る柔らかく及び絹のような触感を示す三次元のポリマーウェブを製造するための成形構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
予想されるいずれの接触点においても、使用者の皮膚に対して柔らかい布様表面の感触を有する、生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間用品、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用品、創傷包帯などを包含する吸収性用品などのような使い捨て物品を構築することは極めて望ましい。同様に、特に使用中に乾いた表面の感触を使用者に提示する吸収性用品を構築することは、使い捨て物品の技術においては長いこと知れらていた。使用中に乾いた表面の感触を保持する柔らかい布様の体に面する表面を有することにより、吸収性用品は改善された装着の快適さを与え、及び吸収性用品内に吸収された水分への長期の暴露による望ましくない皮膚状態の進行を最小限にする。
【0003】
織布及び不織布の繊維性ウェブは、それらの心地よい表面の感触のために、吸収性用品の体に面するトップシートとして頻繁に採用されるが、巨視的に膨張された三次元アパーチャを有するポリマーウェブ、例えばプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)より市販される商業的に成功したドライ−ウィーブ(DRI-WEAVE)(商標)トップシートもまた使用されてきた。この種類の一つの実行可能なポリマーウェブは、米国特許第4,342,314号(レーデル(Radel)ら、1982年8月3日発行)に開示されている。こうしたウェブは、望ましい流体移送及び流体保持特性を示すことが明らかにされてきた。望ましい流体移送特性により、トップシートは尿又は経血のような流体を捕捉し、及び流体を吸収性物品中に渡すことが可能になる。吸収性物品中に一旦吸収されると、トップシートの流体保持特性は、好ましくは、再湿潤、即ち流体のトップシートへの逆流の動きを妨げる。再湿潤は、次のような少なくとも二つの原因の結果であり得る:(1)吸収性物品への圧力による吸収された流体の絞り出し;及び/又は(2)トップシート内又はトップシート上に捕捉された湿潤。好ましくは流体捕捉及び流体保持の両特性は最大化される。換言すると、好ましくはトップシートは高率の流体捕捉及び低度の再湿潤を示す。
【0004】
その他の巨視的に膨張された三次元アパーチャを有するポリマーウェブが知られている。例えば米国特許第4,463,045号(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行)は、実質的に非光沢の可視表面及び布様の触感を示す巨視的に膨張された三次元ポリマーウェブを開示する。アール(Ahr)らは、入射光線を広く反射し及びそれによって光沢をなくすために、規則的に間隔をあけた表面の歪みのパターンに関して満たさなければならない基準を教示している。アール(Ahr)らは、結果として得られるウェブの触感がより布様又は繊維様であるためには、ウェブの表面の歪みは、少なくとも約0.0051mm(0.2mil(即ち0.0002インチ))、及び最も好ましくは少なくとも約0.00762mm(0.3mil(即ち0.0003インチ))の平均振幅を示すことが必要であると教示している。光沢をなくすことについてのその進歩にもかかわらず、アール(Ahr)らのウェブの表面の歪みの構造は、望ましい柔軟性を欠く可能性がある。例えば米国特許第4,629,643号(クーロ(Curro)らに発行)(以下に述べる)のように、当該技術分野において認識されるように、望ましい柔軟性の不足は、各歪みの構造によるものであると考えられており、これは個々の構造単位として行動し、撓みに抵抗する「弓形」の特性を有するものとして記述できる。十分な撓みのこうした不足は、使用者の皮膚が経験するソフトな感触を損なう。
【0005】
アール(Ahr)らのウェブについてソフトな感触を改善するために提案された一つの解決策は、前述の米国特許第4,629,643号(クーロ(Curro)らの’643号)に開示された。クーロ(Curro)らの’643号は、個々の表面の歪みの微小規模のパターンを示す、ミクロアパーチャを有するポリマーウェブを開示する。これらの表面の歪みの各々は、最大振幅を有し、及びアール(Ahr)らにより開示されたウェブ構造と異なり、少なくとも一つのミクロアパーチャが提供され、これは各表面の歪みの最大振幅と実質的に同時に発生する。各表面の歪みの最大振幅でのミクロアパーチャの形成は、花弁の形状の縁を有する噴火口様の先端を提供する。結果として得られるヒトの皮膚と接触するウェブの表面は、アール(Ahr)らにより教示されるアパーチャなしの「弓形様」構造より総面積が小さく、並びに圧縮及び剪断力に対して抵抗力がより小さいと考えられている。
【0006】
クーロ(Curro)らの’643号のミクロアパーチャを有するフィルムは、優れた触感を使用者の皮膚に付与するが、吸収性物品のトップシートとして用いられる場合、特定の流体処理特性に関連する幾つかの欠点を有する。例えば、クーロ(Curro)らの’643号に開示されたようなウェブは、生理用ナプキン上のトップシートとして用いられる場合、容認し難いほど多量の再湿潤、即ち流体であって初めに生理用ナプキンに吸収されるべくトップシートを通過した後でトップシートの皮膚に面する表面に戻ってくる流体を許す可能性があることが見出された。特に、クーロ(Curro)の’643号によるウェブは、圧力下で再湿潤をより受けやすい可能性があるようである。これは、こうした製品が例えば生理用品のトップシートとして用いられる場合、吸収された流体はトップシートの多くのミクロアパーチャを通って製品から戻るように強制される可能性があるためである。クーロ(Curro)らの’643号の構造中のミクロアパーチャの各々は、通常の装着条件の圧力下で、流体が吸収性物品中の内在する吸収性コアから逃れるための通路を提供し得るようである。ウェブ構造中のこれらの通路はそのため流体保持を減少させ、及び吸収性構造における再湿潤を増加させる。
【0007】
クーロ(Curro)の’643号の欠点を軽減する試み、即ち柔らかさを最大化し及び再湿潤を減少する両方を行う試みは、例えば米国特許第6,228,462号(リー(Lee)ら、2001年5月8日発行)に見出すことができる。リー(Lee)は、硬質ポリマーを含む圧縮抵抗力のあるウェブを開示している。硬質ポリマーの圧縮抵抗力は再湿潤を減少するのを助けるが、使用される硬質ポリマーはウェブの柔らかさを減少する傾向がある。
【0008】
その上、巨視的に膨張された三次元アパーチャを有するポリマーウェブを製造するためのクーロ(Curro)らの’643号及びリー(Lee)の’’462号に開示されるハイドロフォーミングプロセスは、ハイドロフォーミング後に乾燥されなくてはならない成形フィルムを結果として生じる。水を保持できるミクロアパーチャの多くの隙間のために、こうしたウェブの業務用量を乾燥することは、著しい量のエネルギーを消費し、及び乾燥設備に著しい設備投資を必要とする可能性がある。こうしたウェブを有効に乾燥するための手法の一つの例は、米国特許第4,465,422号(クーロ(Curro)ら、1987年9月22日発行)に開示されている。
【0009】
生理用ナプキン上のトップシートとして用いられる場合、クーロ(Curro)の’643号及びリー(Lee)の’462号に開示されるウェブに関連する更に一つの欠点は、ミクロアパーチャが経血のような流体を捕捉する傾向である。捕捉はミクロアパーチャ自体の中及び/又は隣接するミクロアパーチャとの間であり得る。そのように捕捉された流体はウェブの表面に又はウェブの表面近くに残留し、及びそのため装着者の皮膚に長時間の間接触する可能性がある。この接触は装着者の皮膚の健康に対して負に影響し、及びトップシートが使用後に清潔な外観を有しない原因となる。
【0010】
改善された機能的表面を有する、柔らかい三次元の巨視的に膨張されたウェブを製造する別の試みは、米国特許第5,670,110号(ダーク(Dirk)ら、1997年9月23日発行)である。ダーク(Dirk)らのウェブは、スクリーン印刷ロールにより達成されるフィブリルを使用する。しかしながらスクリーン印刷は、消費者物品のための商業用ウェブを製造するためには相対的に遅いプロセスである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故に、優れた触感及び優れた流体処理特性を有する改善された成形フィルムウェブを有することは有益である。
更に、優れた触感を有し、並びに優れた流体の保持及び再湿潤の特性を提供する成形フィルムウェブを有することは有益である。
更に、優れた触感を有し、並びに衛生物品のために優れた清潔さを提供する成形フィルムウェブを有することは有益である。
更に、優れた触感を有し、並びに優れた流体の保持及び再湿潤の特性を提供する成形フィルムウェブを製造するための改善されたプロセスを有することは有益である。
最後に、優れた触感を有し、並びに優れた流体の保持及び再湿潤の特性を提供する成形フィルムウェブを形成するための成形構造体を製造する改善された装置及び方法を有することは有益である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
それから延出する円柱状の突出部を有する成形構造体を製造するための方法であって、その方法は次の工程を含む:
a)成形単位を提供する工程;
b)裏打ちフィルムを提供する工程;
c)小アパーチャのある要素を提供する工程;
d)裏打ちフィルムが小アパーチャのある要素と成形単位との間に入るように、小アパーチャのある要素と裏打ちフィルムを成形単位に関して並列する工程;
e)液体感光性樹脂を提供する工程;
f)液体感光性樹脂のコーティングを小アパーチャのある要素に適用する工程;
g)感光性樹脂のコーティングと接触する関係において第一の透明マスクを並列する工程;
h)裏打ちフィルムとコーティングの第一マスクとの間の第一の厚さを予め選択された値に制御する工程;
i)液体感光性樹脂を第一マスクを通して活性化波長を有する光に暴露し、それによって感光性樹脂の部分的硬化を生じさせて部分的に硬化された感光性樹脂のモノリシック構造のスラブを形成する工程;
j)第一マスクを取り除く工程;
k)工程(g)〜(h)における第一マスクと置き換える異なる第二マスク、及び工程(h)における異なる第二の厚さを用いて工程(a)〜(j)をもう一度繰り返す工程であって、第二の厚さは裏打ちフィルムと第二マスクとの間に、及び第一の厚さより厚く定義され、及び工程(i)ではモノリシック構造のスラブ上の複数の突出部の部分的硬化を生じさせて結果としてそれらがモノリシック構造のスラブに結合し及び一体となるようにし、及び工程(j)では第二マスクを取り除く工程;
l)小アパーチャのある要素及びその上の部分的に硬化された樹脂を酸素を含まない環境に浸す工程;
m)小アパーチャのある要素及びその上の部分的に硬化された樹脂を、部分的に硬化された樹脂を完全に硬化するための活性化波長を有する光に暴露し、結果として、成形構造体から延出する円柱状の突出部を有する成形構造体を生じる工程。
【0013】
この方法は、成形構造体を貫通して複数のアパーチャをレーザーエッチングしてアパーチャを有するの成形構造体を形成する工程を更に含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書は、本発明の主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲により結論とするが、本発明は添付図面と共に考慮される次の説明により、更に良く理解されると考えられる。
【0015】
図1は、前述の米国特許第4,342,314号に一般に従って形成された、先行技術の巨視的に膨張された三次元の流体透過性ポリマーウェブ40の部分的にセグメント化された拡大斜視図である。この種類のウェブは、生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間用品などの吸収性物品のトップシートとして用いるのに極めて好適であることが見出されている。流体透過性のウェブ40は、一次アパーチャ41などのアパーチャであることができる複数の巨視的な表面の歪みを示す。一次アパーチャ41は、繊維様の要素、例えば42、43、44、45、及び46などの多数の相互に連結する部材により形成され、それらは相互に連結されて、ウェブ40の連続的な第一表面50を定義する。各繊維様の要素は基盤部、例えば基盤部51を有し、第一表面50の平面52に位置している。各基盤部は側壁部、例えば側壁部53を有し、その各長手方向縁部に結合している。側壁部は、ウェブ40の不連続な第二表面55の方向に一般に延出する。交差する側壁部は、ウェブの第一及び第二表面の中間で相互に連結し、及び第二表面55の平面56において互いに実質的に同時に終了する。幾つかの実施形態では、基盤部51は、前述のアール(Ahr)の’045号特許に従って表面の歪み58を有してもよい。
【0016】
本明細書で使用する時、「巨視的に膨張された」という用語は、前駆体ウェブ又はフィルム、例えば平面的なウェブから形成されるウェブの構造を指し、これは三次元成形構造体の表面に適合させられており、その結果成形構造体の三次元パターンへの前駆体ウェブの少なくとも部分的な適合のために、前駆体ウェブの両側面又は表面は永久に変更される。こうした巨視的に膨張されたウェブは典型的には、エンボス加工により(即ち成形構造体が主として雄の突出部から構成されるパターンを示す場合)、デボス加工(debossing)により(即ち成形構造体が主として雌の陥没部又はアパーチャから構成されるパターンを示す場合)、又は両方の組み合わせにより成形構造体の表面に適合させられる。
【0017】
本明細書で使用する時、「巨視的」という用語は、見るヒトの目とウェブとの間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、容易に目で見ることができ、及び20/20の視力を有するヒトがはっきりと識別できる構造的特徴又は要素を指す。逆に、「微視的」という用語は、見るヒトの目とウェブの平面との間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、容易に目で見ることができず、及び20/20の視力を有するヒトがはっきりと識別できない構造的特徴又は要素を指すのに使用される。一般に、本明細書で使用する時、本明細書に開示されるウェブの一次アパーチャは巨視的であり、及び表面の歪み、例えばより完全に以下に開示される毛髪様フィブリルは微視的であると考えられる。
【0018】
本明細書で使用する時、「平面的」という用語は、ウェブを三次元成形フィルムに永久に変形する前に巨視的な尺度で裸眼で見た場合の前駆体ウェブ又はフィルムの全体的な状態を指す。この文脈において、押出成形後加工前の押出成形フィルム、及び永久的な巨視的三次元性の顕著な度合い、例えばフィルムの平面からの変形を示さないフィルムは一般に平面的であるとして記述される。
【0019】
本明細書で使用する時、「相互に連結する部材」という用語はウェブ、例えば図1のウェブ40の幾つかの又はすべての要素を指し、その部分は一次アパーチャを連続的ネットワークにより定義する役目をする。図1の記述及び本明細書の本発明から理解できるように、相互に連結する部材、例えば繊維様の要素42、43、44、45、及び46は接触して相互に連結する要素が互いに融合されて相互に隣接する移行部分になることにより本質的に連続的である。個々の相互に連結する部材は、いずれかの二つの隣接する一次アパーチャの間に配置されるウェブのそうした部分が、第一表面において始まり及び第二表面まで延出している図1を参照して最も良く記述できる。ウェブの第一表面上では相互に連結する部材は、集合的に連続的ネットワーク又はパターンを形成し、相互に連結する部材の連続的ネットワークは一次アパーチャを定義し、及びウェブの第二表面上では、相互に連結する部材の相互に連結する側壁は、二次アパーチャの不連続なパターンを集合的に形成する。相互に連結する部材は、図6を参照してより一般的に以下に記述される。
【0020】
三次元の巨視的に膨張されたウェブにおいて、相互に連結する部材は通路様であるとして記述されてもよい。それらの二次元の断面はまた、前述のレーデル(Radel)の’314号特許のように「U字形状」として、又は米国特許第5,514,105号(グッドマン・ジュニア(Goodman,Jr.)ら、1996年5月7日発行)に開示されるように「上方に凹形の形状」として記述されてもよい。本明細書で使用する時、及び図1に描写されるように、「上方に凹形の形状」は、相互に連結する部材の通路様の形状の向きについて、ウェブの表面に関して、一般に第一表面50内の基盤部51、及び脚、例えば基盤部51から第二表面55の方向に延出する通路の側壁部53、第二表面55内に実質的に存在する通路の開口について記述する。一般に、ウェブ、例えばウェブ40を切断し、平面、例えば第一表面50の平面52に直交し、及びいずれかの二つの隣接する一次アパーチャ、例えばアパーチャ41に交わる平面については、その中に配置される相互に連結する部材の結果の断面は、実質的にU字形状であってもよいほぼ上方に凹形の形状を示す。
【0021】
「連続的な」という用語は、巨視的に膨張された三次元成形フィルムウェブの第一表面を記述するために本明細書で使用する場合は、一般に第一表面の平面内における第一表面の中断されない特性を指す。したがって第一表面のいずれの点にも第一表面上のその他のいずれの点からも、第一表面を実質的に離れずに到達することができる。逆に本明細書で使用する時、「不連続的な」という用語は、三次元成形フィルムウェブの第二表面を記述するために使用する場合は、一般に第二表面の平面内における第二表面の中断される特性を指す。したがって第二表面のいずれの点も第二表面上のその他のいずれの点からも、第二表面の平面内の第二表面を実質的に離れずに到達できるとは必ずしも限らない。
【0022】
図2は、前述のクーロ(Curro)の’643号の特許に一般に従って形成された、別の先行技術のミクロアパーチャを有するポリマーウェブ110の部分の部分的にセグメント化された拡大斜視図を示す。ミクロアパーチャを有する表面の歪み120は、ハイドロフォーミングプロセスにより形成することができるが、その中では高圧液体噴射が使用されてウェブを三次元支持部材に適合させる。示されるように、各ミクロアパーチャを有する表面の歪み120の最大振幅に実質的に一致する裂け目が、その周囲に相対的に薄い不規則な形状の花弁126を有する噴火口の形状のアパーチャ125の形成を結果として生じる。こうしたウェブのアパーチャの相対的に薄い花弁形状の縁は、例えばアール(Ahr)の’045号のウェブと比べた場合に、より柔らかな印象を使用者の皮膚上に提供する。この柔らかな印象は、噴火口の形状のアパーチャを有する表面の歪みにより与えられる、圧縮及び剪断力への抵抗力の相対的な不足によるものであると考えられている。
【0023】
上記のように、クーロ(Curro)の’643号のミクロアパーチャを有するフィルムは優れたソフトな触感を付与するが、それはまた使い捨て吸収性物品上のトップシートとして用いられる場合、望ましくない再湿潤を許す可能性がある。本発明のウェブは、クーロ(Curro)の’643号のウェブに匹敵する、圧縮及び剪断力への小さい抵抗力を示す表面の歪みにより柔らかさを提供するが、ミクロアパーチャによる流体の流れを許さないことによりこの問題を解決する。そのため本発明のウェブの一つの利益は、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収性物品上のトップシートとして用いられる場合の、最小限の再湿潤と共に優れた柔らかさである。
【0024】
図3は、本発明の流体透過性の巨視的に膨張された三次元のポリマーウェブ80の部分的にセグメント化された拡大斜視図である。ポリマーウェブの巨視的な表面の歪み、例えば一次アパーチャ71の幾何学構造は、図1に示される先行技術のウェブ40のそれにほぼ類似している可能性がある。一次アパーチャ71は、本明細書において「アパーチャ」又は「マクロアパーチャ」と呼ばれる場合もあり、ウェブ80の第一表面90とウェブ80の第二表面85との間の流体連通を可能にするウェブ中の開口を指す。図3に示されるウェブの一次アパーチャ71は、相互に連結する部材、例えば相互に連結される部材91、92、93、94、及び95の連続的ネットワークにより第一表面90の平面102内に定義される。第一表面90の平面内に突き出た一次アパーチャ71の形状は、整列した又は無作為のパターンによる多角形、例えば正方形、六角形などの形状であってもよい。好ましい実施形態では、一次アパーチャ71は変形した楕円形の形状であり、一つの実施形態では一次アパーチャ71は涙の滴の一般形状である。ポリマーウェブ80は、より完全に以下に記述される毛髪様フィブリル225の形態の複数の表面の歪み220を示す。
【0025】
本発明の三次元のミクロアパーチャを有するポリマーウェブ80では、各相互に連結する部材は基盤部、例えば一般に平面102に位置する基盤部81を含み、及び各基盤部は側壁部、例えばその各長手方向縁部から延出する側壁部83を有する。側壁部83は、一般にウェブ80の第二表面85の方向に延出し、隣接する相互に連結する部材の側壁に第一及び第二表面、それぞれ90及び85の中間で結合し、及び互いに実質的に同時に終了して二次アパーチャ、例えば第二表面85の平面106内の二次アパーチャ72を定義する。
【0026】
図6は、本発明の三次元の、マクロアパーチャを有するポリマーウェブの別の実施形態の、第一表面の平面内に突き出た代表的な一次アパーチャの形状の平面図である。均一な形状の繰返しパターン、例えば市松模様のパターンが好ましいが、一次アパーチャ、例えばアパーチャ71の形状は一般に円形、多角形、又は混合したものであってもよく、及び整列したパターン又は無作為のパターンで配列されてもよい。
【0027】
図6に示されるように、相互に連結する部材、例えば相互に連結する部材97及び98は、接触して相互に連結する要素が互いに融合されて相互に隣接する移行領域又は移行部、例えば移行部87になることにより各々が本質的に連続的である。一般の移行部は、いずれかの三つの隣接するアパーチャに接線を記すことができる最大の円により定義される。アパーチャの特定のパターンについては、移行部分の内接円は三を超える隣接するアパーチャに接してもよいことは理解される。説明のため、相互に連結する部材は、相互に連結する部材97及び98、移行部分の実質的に中心で開始する又は終了すると考えてもよい。相互に連結する部材は線状である必要はないが、曲線状であってもよい。相互に連結する部材の側壁は、接触して隣接する相互に連結する部材の側壁に相互に連結するとして記述することができる。以下に開示されるように、移行領域の部分及び毛髪様フィブリルを包含する部分を除いて、相互に連結する部材の開始と終了の間の長手方向中心線に対して横の相互に連結する部材の断面は、一般にU形状であるとして記述されてもよい。しかしながら横断面は相互に連結する部材の全長に沿って均一又はU形状である必要はなく、及び特定の一次アパーチャの構造についてはその長さの大部分に沿って均一でなくてもよい。特に、移行領域又は移行部では、相互に連結する部材は接触する相互に連結する部材に融合し、及び移行領域又は移行部の横断面は実質的に不均一なU形状を示してもよいし、又はU形状が認識できなくてもよい。
【0028】
図4は、図3に示される三次元のポリマーウェブ80の更に拡大された部分図である。三次元のポリマーウェブ80は、ポリマーフィルム120、即ち前駆体フィルムを含み、これは押出成形されたポリマーの単層であるか、又は多層の共押出成形若しくは積層体のフィルムであり得る。図4に示されるように、フィルム120は第一層101及び第二層103を含む二層積層体である。積層体物質は、表面薄層を含むフィルムを包含する積層体フィルムを製造するために当該技術分野において既知のように共押出成形されてもよい。図4に示されるように、ポリマー層、例えば層101及び103は、第二表面の平面106において実質的に同時に終了することが目下のところ好ましいが、それらがそうすることが必須であるとは目下のところ考えられていない。一以上の層が、その他の層(類)より、更に第二表面に向かって延出してもよい。
【0029】
図4は、毛髪様フィブリル225の形態の複数の表面の歪み220を示す。毛髪様フィブリルは、ポリマーウェブ80、一般にその第一表面90上の突き出た延長として形成される。ポリマーウェブ80上の毛髪様フィブリル225の数、大きさ、及び分布は、所望の肌触りに基づいて予め決定できる。使い捨て吸収性物品のトップシートとしての用途については、毛髪様フィブリル225は図3及び4に示されるように、ポリマーウェブ80の第一表面90の基盤部81のみから突き出ることが好ましい。そのため、ウェブ80が使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いられる場合には、毛髪様フィブリル225が優れた柔軟性の印象のために皮膚に接触するが、毛髪様フィブリル225がマクロアパーチャ71を通しての流体の流れを妨害しないように、ウェブは配向され得る。その上閉じた遠位部226を有する、毛髪様フィブリル225を有することは、再湿潤の減少、即ち内在する吸収性層へとトップシートを最初に通過した後に、トップシートの表面に再導入される流体の量の減少をもたらす。
【0030】
図5の断面図に示されるように、毛髪様フィブリル225はウェブ80の第一表面90から突き出ているとして記述できる。そのようなものとして、毛髪様フィブリル225はフィルム120と一体であり、及びフィルム120の永久的な局部的な塑性変形により形成されるとして記述できる。毛髪様フィブリルは、開いた近位部229及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有するものとして記述できる。毛髪様フィブリル225は、隣接するフィブリル間の最小振幅Aminから閉じた遠位部226での最大振幅Amaxまで測定した高さhを有する。毛髪様フィブリルは直径dを有し、これはほぼ円筒形の構造については横断面の外径である。「横の」とは第一表面の平面102にほぼ平行であることを意味する。不均一な横断面及び/又は非円筒形構造の毛髪様フィブリルについては、直径dは図5に示されるようにフィブリルの高さhの1/2における平均横断面寸法として測定される。したがって各毛髪様フィブリル225について、h/dとして定義される縦横比が決定され得る。毛髪様フィブリル225は、少なくとも0.5の縦横比h/dを有することができる。縦横比は1又は1.5であることができ、及び好ましくは少なくとも約2である。
【0031】
一般に、いずれかの個々の毛髪様フィブリル225の実際の高さhを決定するのは困難であり得るため、及び実際の高さは変わる場合があるため、複数の毛髪様フィブリルの平均の高さhavgは、平均の最小振幅Amin及び平均の最大振幅Amaxを、ウェブ80の所定領域にわたって決定することにより決定できる。同様に、変化する断面寸法については、平均寸法davgが複数の毛髪様フィブリル225について決定され得る。こうした振幅及びその他の寸法測定は、コンピュータを使った走査顕微鏡及びデータ処理のような当該技術分野において既知のいずれかの方法により行うことができる。そのためウェブの所定部分についての毛髪様フィブリル225の平均の縦横比ARavgは、havg//davgとして表現できる。
【0032】
毛髪様フィブリル225についての寸法h及びdは、より完全に以下に開示されるように、成形構造体の既知の寸法に基づいて間接的に決定できる。例えば雄の突出部、例えば以下の図11に示される突出部2250の所定寸法により製造される成形構造体については、その上に毛髪様フィブリル225が形成されるが、既知の寸法を有することができる。前駆体フィルム120が突出部2250の上に完全に及び永久に変形される場合は、予測及び/又は観察されるウェブの薄化を包含する前駆体フィルム120の厚さを考慮しながら、h及びdはこれらの既知の寸法から計算できる。前駆体フィルム120が突出部2250の上に完全に形成されない場合には、毛髪様の支柱の高さhは、突出部2250の対応する高さより低い。
【0033】
一つの実施形態では毛髪様フィブリル225の直径は一定であるか、又は振幅が増加するにつれて(振幅は閉じた遠位末端部226における最大まで増加する)減少する。図5に示されるように、例えば毛髪様フィブリル225の直径又は平均横断面寸法は、近位部229において最大であることができ、及び横断面寸法は遠位末端部226まで次第に減少する。この構造は、図10に関してより完全に以下に記述されるように、ポリマーウェブ80が成形構造体350から容易に取り外せることを確実にするために必要であると考えられる。
【0034】
大きい縦横比の毛髪様フィブリル225を形成するために必要な相対的に大きい延伸のために、図5に示されるように、前駆体ウェブ120の何らかの薄化が生じ得る。例えば薄化は閉じた遠位末端部226で又は遠位末端部226の近くで観察され得る。「観察される」とは、拡大された断面で見る場合、薄化がはっきりと識別できることを意味する。ヒトの皮膚に触れる場合に、薄化した部分は圧縮又は剪断力に対してほとんど抵抗力を示さないため、こうした薄化は有利であり得る。例えばヒトが、毛髪様フィブリル225を示す側面上でポリマーウェブ80に触れる場合、指先は毛髪様フィブリル225の閉じた遠位末端226に最初に接触する。毛髪様フィブリル225の大きい縦横比のために、及び遠位末端部226で又は遠位末端部226の近くでのフィルムの壁の薄化のためと考えられているが、毛髪様フィブリルはヒトの指により課せられるウェブ上への圧縮又は剪断力に対してほとんど抵抗力を示さない。この抵抗力の不足は、ベロア布地の感触に酷似したソフトな感触として印象づけられる。実際本発明のポリマーウェブは、クーロ(Curro)の’643号に開示されたウェブなどの先行技術のポリマーウェブのものと同等か又はそれを超えるソフトな感触を提供できることが見出された。
【0035】
本明細書に開示されるような毛髪様フィブリルのみを有し、及び巨視的なアパーチャを有しない流体不透過性ウェブは、流体透過性が必要でないいずれかの用途において柔軟性を提供できることに注意することが必要である。したがって本発明の一つの実施形態では、本発明は、その少なくとも一つの表面上で柔らかく及び絹のような触感を示すポリマーウェブ80として記述することができ、ウェブ80の絹のような感触の表面が、個々の毛髪様フィブリル225のパターンを示し、毛髪様フィブリル225の各々がウェブ表面の突き出た延長であり、並びに開いた近位部229及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有し、前記開いた近位部で又は前記開いた近位部の近くで毛髪様フィブリルの最大の横断面寸法を有し、約50μ(約0.002インチ)〜約76μ(約0.003インチ)の断面直径dを示し、及び少なくとも100μ(0.004インチ)130μ(0.005インチ)であることができる。毛髪様フィブリルは、0.5〜3の縦横比を有することができる。
【0036】
使い捨て吸収性物品については、流体透過性の三次元構造を有するトップシートが望ましく、本発明は、その少なくとも一つの表面90上で柔らかく及び絹のような触感を示すポリマーウェブ80として記述することができ、ウェブの絹のような感触の表面90が、個々の毛髪様フィブリル225のパターンを示し、毛髪様フィブリル225の各々がウェブ表面90の突き出た延長であり、並びに開いた近位部229及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有し、毛髪様フィブリルは、50μ(0.002インチ)〜130μ(0.005インチ)の平均断面直径dを示し、及び少なくとも0.5、1、1.5、2、又は3の縦横比を示し、及びその際ウェブ80は更に、例えばその上に重ね合わされた一次アパーチャ71の、巨視的な表面の歪みの巨視的に膨張された三次元のパターンを示し、巨視的な表面の歪み71は毛髪様フィブリル225と反対に配向され、即ち一次アパーチャは、ポリマーウェブ80の第一表面90から第二表面85に延出する。
【0037】
毛髪様フィブリル225の「面密度」は、第一表面90の単位面積当たりの毛髪様フィブリル225の数であり、吸収性物品に用いるために最適化され得る。一般に適切な触感のために中心から中心までの間隔は最適化できるが、一方同時に繊維から繊維までの流体の捕捉は最小化される。現在では、約100μ〜250μ(約0.004インチ〜約0.010インチ)の中心から中心までの間隔が生理用ナプキンに用いるのに最適であると考えられている。繊維間の経血の捕捉を最小化することは生理用ナプキンの表面の清潔さを改善し、これは次に装着者の清潔さ及び皮膚の健康を改善する。
【0038】
一つの実施形態では、「その上に重ね合わされた」とは、ポリマーウェブが一般に図3に示されるように見え、その際個々の毛髪様フィブリル225のパターンが、相互に連結する部材のみの陸地部分81の上に、即ちウェブ80の第一表面90の上のみに配置されることを意味する。しかしながら、概念的には「その上に重ね合わされた」とはまた個々の毛髪様フィブリル225がマクロアパーチャ71の中、例えば相互に連結する部材の側壁83上まで延出する実施形態(図示せず)も対象とすることができると考えられる。その他の実施形態では、毛髪様フィブリル225はウェブ80の特定の所定領域のみに配置される。例えば生理用ナプキンのトップシートは、毛髪様フィブリル225を有する中央領域を有することができ、トップシートの残りは毛髪様フィブリル225を含まない。
【0039】
前駆体ウェブ120は、本明細書に記述されるハイドロフォーミングプロセスにより、本発明のウェブに形成される十分な材料特性を有するいずれのポリマーフィルムであることもできる。即ち前駆体ウェブ120は、前駆体ウェブ120が毛髪様フィブリル225を製造する程度まで破裂せずに引っ張られるように、及び三次元の巨視的なアパーチャを有する成形フィルムの場合には破裂してマクロアパーチャ71を形成できるように十分な降伏特性を有しなくてはならない。より完全に以下に開示されるように、温度などの加工条件は、破裂して又は破裂せずに伸びて本発明のウェブを形成することが可能であるように所与のポリマーについて変わることができる。したがって、一般に、本発明のウェブ80を製造するための前駆体ウェブ120として用いるのに好ましい出発物質は、低い降伏特性及び高い伸長特性を示すことが見出された。加えて出発フィルムは好ましくは歪み硬化する。本発明において前駆体ウェブ120として用いるのに好適なフィルムの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び直鎖低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンのブレンド(LDPE/LLDPE)のフィルムが挙げられる。
【0040】
前駆体ウェブ120はまた十分に変形可能でなくてはならず、及び本発明のポリマーウェブとして用いるのに十分な延性を有しなくてはならない。本明細書で使用する時、「変形可能」という用語は、その弾性限度を超えて引き伸ばされる場合にはその新しく形成された形態を実質的に維持する材料を記述する。
【0041】
本発明の前駆体ウェブ120として用いるのに好適であることが見出された一つの材料は、米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から入手可能なダウレックス(DOWLEX)2045Aポリエチレン樹脂である。20μの厚さを有するこの材料のフィルムは、少なくとも12MPaの引張降伏;少なくとも53MPaの最高張力;少なくとも635%の最高伸長;及び少なくとも210MPaの引張係数(2%セカント)を有することができる(上記の測定の各々がASTM D 882により決定される)。
【0042】
前駆体ウェブ120は、二以上のウェブの積層体であることができ、及び共押出成形積層体であることができる。例えば、前駆体ウェブ120は図4に示されるように二層を含むことができ、及び前駆体ウェブ120は三層を含むことができ、その際最内層はコア層と呼ばれ、及び二つの最外層は表面薄層と呼ばれる。一つの実施形態では、前駆体ウェブ120は、約18μ(0.0007インチ)の厚さを有するコア層と共に、約25μ(0.001インチ)の全体の厚さを有する三層共押出成形積層体を含み;及び各表面薄層は約3.5μ(0.00015インチ)の厚さを有する。一般に、生理用ナプキンのトップシートとして用いるには、前駆体ウェブ120は、少なくとも約10μ及び約100μ未満の全体の厚さ(キャリパーと呼ばれることもある)を有することが必要である。前駆体ウェブ120の厚さは、約15μ、20μ、25μ、30μ、35μ、40μ、45μ、又は60μであることができる。一般に、高い面密度(又は小さい平均の中心から中心への間隔C)の毛髪様フィブリル225をウェブ80上に形成する能力は、前駆体ウェブ120の厚さにより制限される。例えば、より完全に以下に開示されるように、成形構造体350の隣接する突出部2250間の適切な及び完全な三次元ウェブの形成を可能にするために、二つの隣接する毛髪様フィブリル225の中心から中心への間隔Cは、前駆体ウェブ120の厚さの二倍より大きいことが必要であると考えられている。
【0043】
前駆体ウェブ120は好ましくは界面活性剤を含む。三層積層体において、コア層は界面活性剤を含むことができ、一方外層は初めは界面活性剤を含まない。好ましい界面活性剤には、非イオン性の種類からのものが挙げられ、例えば:アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、カルボン酸エステル、グリセロールエステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル、アビエチン酸に関連する脂肪族カルボン酸のポリオキシエチレンエステル、無水ソルビトールエステル、エトキシル化(etyhoxylated)無水ソルビトールエステル、エトキシル化天然脂肪、油、及びワックス、脂肪酸のグリコールエステル、カルボキシルアミド、ジエタノールアミン縮合物、及びポリアルキレンオキシドブロックコポリマーが挙げられる。本発明のために選択される界面活性剤の分子量は、約200g/mol〜約10,000g/molの範囲であってもよい。好ましい界面活性剤は、約300〜約1,000g/molの分子量を有する。
【0044】
前駆体ウェブ120に(又は任意に三層積層体のコア層に)初めにブレンドされる界面活性剤濃度は、多層構造全体の10重量%であることができる。好ましい分子量の範囲(300〜1,000g/mol)の界面活性剤が、より低濃度で、一般には多層構造全体の約5重量%以下で添加され得る。
前駆体120はまたポリマーブレンド中に二酸化チタンを含むことができる。二酸化チタンは、より大きな不透明性を完成したウェブ80に提供できる。二酸化チタンは、前駆体ウェブ120の材料中にブレンドするために、約10重量%までにおいて低密度ポリエチレンに添加することができる。
【0045】
粒子状物質例えば炭酸カルシウム(CaCO3)、粒子状皮膚トリートメント若しくは保護剤、又は臭気吸収活性物質、例えばゼオライトなどのその他の添加物を前駆体ウェブ120の一以上の層に添加することができる。幾つかの実施形態では、粒子状物質を含むウェブ80は、皮膚に接触する用途に用いられる場合は、非常に直接的な及び効率的な方式で活性物質を皮膚に接触させることができる。具体的には幾つかの実施形態では、毛髪様フィブリル225の形成はその遠位末端部において又は遠位末端部の近くで粒子状物質を暴露することができる。そのためウェブ80が皮膚に接触する用途に用いられる場合は、皮膚ケア剤などの活性物質は遠位末端部226に又は遠位末端部226の近くに局在化されることができ、こうした皮膚ケア剤に皮膚が直接接触することを可能にすることができる。
【0046】
前駆体ウェブ120は、従来の共押出成形フィルム製造機器上で多層フィルムを製造するための従来の手順を用いて加工することができる。ブレンドを含む層が必要とされる場合、上記の構成成分のペレットは最初に乾式混合され、次いで押出成形機中で溶融混合されその層を供給することができる。あるいは押出成形機中で不十分な混合が生じる場合には、ペレットは最初に乾式混合され、次いで予備配合押出成形機中で溶融混合され、次にフィルム押出成形の前に再ペレット化されることができる。前駆体ウェブ120を製造するための好適な方法は、米国特許第5,520,875号(ヴヌク(Wnuk)ら、1996年5月28日発行)、及び米国特許第6,228,462号(リー(Lee)ら、2001年5月8日発行)に開示され;両方の特許の開示は本明細書に参考として組み込まれる。
【0047】
本発明の流体透過性ポリマーウェブは、生理用ナプキンなどの生理用品のトップシートとして使用できる。例えば一次アパーチャ71の形態の巨視的な表面の歪みの巨視的に膨張された三次元のパターンを示す本発明のポリマーウェブ80は、柔らかさの特性と、優れた流体の再湿潤特性(即ちクーロ(Curro)の’643号のウェブのような前のウェブと比べて減少した流体の再湿潤)とを兼ね備える。
【0048】
図7は、本発明のポリマーウェブ80を含むことができるトップシート22を包含するナプキン20の構造をより明らかに示すために、切り離した部分を有する生理用ナプキン20の平面図である。本発明のポリマーウェブ80はまた、パンティライナー、陰唇間用品、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用品、創傷包帯などのその他の吸収性物品にも使用できることを理解することが必要である。本発明は、図7に示される生理用ナプキン20の特定の種類又は構造に限定されず、これは単に代表的な非限定例であることもまた理解することが必要である。
【0049】
図8に示されるように、生理用ナプキン20は二表面、体に面する表面20a及び衣類に面する反対する表面20bを有する。体に面する表面20aは、装着者の身体に隣接して装着されることを意図する。衣類に面する表面20bは、生理用ナプキン20が装着される場合に装着者の下着に隣接して設置されることを意図する。
【0050】
生理用ナプキン20は、長手方向中心線「l」、及び横断方向中心線「t」の2つの中心線を有する。本明細書で使用する時、「長手方向」という用語は、生理用ナプキン20を装着する場合に、直立装着者を左半身及び右半身に二等分する垂直平面にほぼ一直線に並ぶ(例えば、およそ平行になる)、生理用ナプキン20の平面内の線、軸、又は方向を指す。本明細書で使用する時、用語「横断方向」又は「横方向」は互換可能であり、及び長手方向にほぼ垂直に交わる生理用ナプキン20の平面内の線、軸、又は方向を指す。
【0051】
図7に示されるように、生理用ナプキン20は、本発明のウェブ80を含むことができる液体透過性のトップシート22;液体透過性のトップシート22と結合する液体不透過性のバックシート23、及び液体透過性のトップシート22と液体不透過性のバックシート23との間に位置する吸収性コア24を含む。図7はまた生理用ナプキン20が、生理用ナプキン20の外縁により定義される外周30を有することを示し、その中で長手方向縁部(又は「側縁部」)は31と指定され、及び末端縁部(又は「末端部」)は32と指定される。
【0052】
生理用ナプキン20は好ましくは任意のサイドフラップ又は「羽根」34を包含し、これは装着者のパンティーの股部分の周りに折り曲げることができる。サイドフラップ34は、多数の目的に役立つことができ、それには装着者のパンティーを汚れることから保護すること、及び生理用ナプキンを装着者のパンティーに固定して保持することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
図8は、図7の切断線8−−8に沿って取られた生理用ナプキンの断面図である。図8に見られるように、生理用ナプキン20は好ましくは、生理用ナプキン20を装着者の下着に取り付けるための接着剤の固定手段36を包含する。取り外し可能な剥離ライナー37が、接着剤固定手段36を覆って、接着剤が使用前に下着の股部分以外の表面にくっ付かないようにする。長手方向及び横断方向を有するのに加えて、生理用ナプキン20はまた「z」方向又は軸を有し、これは液体透過性トップシート22を下に進み、及び提供されてもよい何らかの流体の貯蔵コア24の中まで通る方向である。液体透過性トップシート22と本明細書の物品の内在する層又は層類との間の連続的な通路は、流体が「z」方向に引き込まれ、及び物品のトップシートから離れてその最終的な貯蔵層中に引き込まれることを可能にする。幾つかの実施形態では、連続的な通路は増加する毛細管引力の勾配を有し、これは流体の流れを下に貯蔵媒質中まで促進する。
【0054】
図9では、本発明の連続的ポリマーウェブ80をデボス加工(debossing)及び乾燥(必要であれば)するための単一相ウェブのプロセスが示される。単一相とは、プロセスがただ一つの三次元成形構造体を用いることを意味する。連続的とは、記述されたプロセスをバッチプロセスから区別することを意味し、その中ではよくハンドシートと呼ばれるウェブの単一の個々の試料が製造される。本発明のウェブは、連続プロセスについて記述される構造体を用いてバッチ加工できることは認められるが、本発明のポリマーウェブを商業的に製造するためには、連続プロセスが好ましい方法である。更に、図9に関して記述されるプロセスは、毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ、例えばウェブ80のアパーチャ71を有する巨視的に膨張されたウェブを形成するために主として設計されるが、毛髪様フィブリルのみを有するウェブを形成するために、成形構造体を突出部2250のみを有するように適切に修正することにより、ハイドロフォーミングプロセスが使用できると考えられている。
【0055】
本発明のポリマーウェブ80は、単一の三次元成形構造体350上でのハイドロフォーミングプロセスにより形成でき、及びまた更なる加工のためにロールストックにウェブを巻き直す前に成形構造体350上でアニール及び/又は乾燥できる。ポリマーウェブ、例えば図4に示されるポリマーウェブ80の三次元構造体は、ウェブを成形構造体350に強制的に適合させることにより形成され、これは静止した成形ドラム518の周りを回転する。成形構造体350は、より完全に以下に記述されるが、一般にそれは、前駆体ウェブ120が強制的に適合させられる三次元形態である。
【0056】
前駆体ウェブ120は押出成形され、及び成形構造体350の表面上に直接に供給される前に急冷されることができるか、又はそれは、図9の供給ロール501により示されるように、供給ロールから供給され得る。幾つかの実施形態では、前駆体ウェブ120の温度を、それを柔らかくし及びそれを成形構造体350により適合しやすくするために十分高めることは好ましい。前駆体ウェブ120の温度は、ウェブが成形プロセスを受ける前に、熱い空気若しくは蒸気をウェブに適用するか、又はウェブを加熱したニップロールに通すことにより高めることができる。
【0057】
図9に記述されるプロセスにおいて、前駆体ウェブ120は実質的に平面的な状態で、機械方向(MD)に供給ロール501から成形構造体350の表面上に供給される。成形構造体350は、成形構造体350の接面速度が、機械方向の前駆体ウェブ120の線速度に実質的に一致するような速度で回転し、その結果ハイドロフォーミングプロセスの間、ウェブは成形構造体350に関して実質的に静止している。
【0058】
一旦前駆体ウェブ120が成形構造体350に隣接し、及びいわゆる「維持される」ならば、前駆体ウェブ120は、成形ドラム518の内部にある静止した真空室520の上に導かれる。本明細書に記述されるハイドロフォーミングプロセスは、真空室がなくてもある程度は達成できるが、一般に真空室は、より良好な三次元ウェブ形成並びに液体の除去を助ける。前駆体ウェブ120が真空室520の上を通過する時、前駆体ウェブ120の外側に暴露される表面は、飛び散る液体を局所化するのを助ける役目をする静止した液体バッフルの対525と530との間の高圧液体噴射ノズル535から放出される液体噴射540により衝突される。液体噴射540の効果は、前駆体ウェブを成形構造体350に適合させることである。前駆体ウェブが成形構造体350に適合する時、毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ71の両方が形成できる。一次アパーチャ71が形成する時、真空室520からの真空は、過剰の液体をウェブから除去するのを助け、及び幾つかの場合には、前駆体ウェブ120を成形構造体350に形成するのを助ける。前駆体ウェブ120が高圧液体噴射540の影響下で通過する時、それは成形構造体350に適合するように永久に変形し、それによって本発明の三次元の巨視的に膨張されたポリマーウェブ80に形成される。
【0059】
図9に関して記述されるプロセスでは、単一の液体噴射540は、毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ71の両方を形成するとして記述される。別の実施形態では、追加の液体(又は流体)噴射が、三次元ウェブ構造体を形成するために多段階で使用できる。例えば第一段階では水などの第一の流体が前駆体ウェブ120に衝突してマクロアパーチャ71を形成することができ、及び第一段階に続いて第二段階では、湯又は空気(任意に真空室との組み合わせにより)などの第二の流体が部分的に形成されたウェブに衝突して毛髪様フィブリル225を更に形成することができる。
【0060】
図9に記述されたプロセスでは、液体噴射540及び/又は乾燥手段590は、再加熱手段により置き換えることができる。再加熱手段は、加熱気体が単独で又は真空室520又は555からの真空と組み合わせて、前駆体ウェブ120を成形構造体350に適合させるのに十分であるように、空気などの加熱気体の流れを導く手段を指す。再加熱手段は、例えば米国特許第4,806,303号(ビアンコ(Bianco)らに発行)に開示されているように、当該技術分野において既知である。一般に、再加熱手段は、送風機、及び加熱機、並びに強制された加熱された空気をウェブの表面上に導くためのノズルを具備する。一つの実施形態では、ノズルを出た空気は220〜305℃であり得、及び前駆体ウェブ120は、加熱空気流の下又は加熱空気流を横切って、約25m/分で移動することができる。一つの実施形態では、真空は約365mmHgに保持することができる。加熱手段が液体噴射540を置き換える実施形態では、乾燥手段590は必要ないが、所望であれば例えばアニール手段又は更なる形成手段として使用することができる。
【0061】
理論に束縛されるものではないが、前駆体ウェブの特性、真空滞留時間、即ち前駆体ウェブが真空室520及び/若しくは555に隣接する時間、並びに/又は真空の程度、即ち分圧を調整することにより、ウェブ80を図9に示される装置上で、いずれの液体噴射540も使用しない成形プロセスで形成することは可能であると考えられている。即ち前駆体ウェブの特性、例えば厚さ、材料、温度を適切に調整することにより、成形構造体350に適合するウェブ80を形成するためには真空のみで十分である。成形プロセスでは、ウェブ80の形成が前駆体ウェブ120の冷却前に生じ得るように、前駆体ウェブ120は、成形構造体350の表面上に直接押出成形される。
【0062】
そのため一般に、一流体(例えば水若しくは空気)又は一を超える流体(例えば水、空気)が一以上の段階において前駆体ウェブ120に衝突する、及び強力に作用するように導かれることができる。熱可塑性前駆体ウェブ120については、前駆体ウェブの温度がその融点に近づくにつれて、破裂せずに、より容易に伸びて成形構造体350の突出部2250の上に形成すると考えられている。しかしながらマクロアパーチャを形成するためには、相対的に高い歪み速度及び相対的に迅速な破裂を有することがより望ましく、毛髪様フィブリルを形成するためには、相対的に低い歪み速度及び破裂がないことがより望ましい。それ故に、二段階成形プロセスでは、第一及び/又は第二段階での衝突する流体の温度は、各衝突が活動する滞留時間、並びにマクロアパーチャ71及び毛髪様フィブリル225の高い縦横比の両方を形成するための前駆体ウェブ120の温度に独立して依存して、独立して調整され得る。
【0063】
使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるのに好適なウェブを製造するために、前駆体ウェブ120は、約10μ〜約100μの全体の厚さのポリオレフィンフィルムであり得る。こうした前駆体ウェブ120については、高圧液体噴射540は典型的には約15〜95℃の温度の水であり、約1379kPa(200psig)〜約8274kPa(1200psig)の範囲の圧力、及び機械横方向(CD)の前駆体ウェブ120の幅25.4mm(1インチ)当たりについて、約18l(4ガロン)/分〜約62l(14ガロン)/分の範囲の水の流速で作用される。
【0064】
高圧液体噴射540(又は上記のように噴射類)を通過した後、本発明のポリマーウェブ80は、成形構造体350上にまだある間に乾燥され得る。例えば図9に示されるように、ポリマーウェブ80は成形構造体350上にまだある間に乾燥手段590の影響下に導かれることができる。乾燥手段590は、ポリマーウェブからの液体を除去する又は追い散らすための、放射熱乾燥、対流乾燥、超音波乾燥、高速エアーナイフ乾燥などのいずれかの手段であり得る。一般に、加熱空気、超音波などの乾燥媒質600が使用され得る。静止した真空室555は、成形ドラム518内部の分圧を用いて乾燥を助けるために使用され得る。乾燥手段590は、ポリマーウェブ80の液体を真空室555の中に追い散らすために設計され得る。バッフル570及び580は、除去されるが真空室555には入らないいずれかの液体を局所的に含有するために使用され得る。バッフル570及び580はまた、乾燥のために用いられる熱又は加熱空気を局所化する及び導くために役立つことができる。
【0065】
加熱した乾燥媒質600を用いることは、本発明のウェブ80を製造するために追加の利益を有する。例えば前述のクーロ(Curro)の’643号に開示されるような先行技術の巨視的に膨張された三次元のポリマーウェブは、それらのそれぞれの成形構造体から取り外された後、別々のプロセスで乾燥される。これらのウェブは、例えば使い捨て物品のウェブ加工のために必要になるまで、貯蔵のため典型的にはロール上に巻かれる。先行技術のウェブに関連する一つの問題は、巻くこと及び貯蔵の間に生じる圧縮永久歪みである。理論に束縛されるものではないが、三次元のポリエチレンウェブは、ウェブの崩壊し巻かれた状態に「固定化」される時間の間に二次結晶化を経験する可能性があると考えられている。三次元のポリマーウェブを高温に十分な時間曝すことで最初にアニールすることにより、この観察される圧縮永久歪みは減少されるか又は完全に防止されることが見出された。一般にしかしながら、先行技術のウェブを必要温度に曝すことは、相対的に壊れやすい構造のために困難である。即ち、先行技術のウェブがアニール温度に曝される場合には、ウェブは成形構造体上に形成される三次元構造を失う傾向がある。したがってこの理由のために、成形構造体上にまだあるうちにウェブを乾燥することは、同時にウェブを乾燥しながら、ウェブをアニールするのに十分に高いアニール温度で処理できるために著しい加工の利益を提供する。アニール温度は、乾燥時間、用いられるポリマー、及びウェブの厚さに依存して変化するが、一般にポリオレフィンウェブについては、約50〜250℃の乾燥/アニール温度が十分である。
ポリマーウェブ80が、プロセスの乾燥(又は乾燥/アニール)段階を通過した後、それは成形構造体350からローラー610の周りに取り外されることができ、及びその後巻かれる又は次の変換操作に直接供給される。
【0066】
図9に関して参照される成形構造体350などの本発明の成形構造体は、本発明のウェブを製造するために必要である。成形構造体は、成形スクリーンと呼ばれる時もある。図10は、部分斜視図における本発明の成形構造体350の部分を示す。成形構造体350は、成形構造体の相互に連結する部材910により定義される複数の成形構造体のアパーチャ710を示す。成形構造体のアパーチャ710は、相対する表面間、即ち成形構造体第一表面900(第一表面の平面1020内)と成形構造体第二表面850(第二表面の平面1060内)との間の流体連通を可能にする。成形構造体側壁部830は、一般に成形構造体第一表面900と成形構造体第二表面850との間に延出する。突出部2200は、成形構造体第一表面900から延出してほぼ円柱状、支柱様の形態を形成する。
【0067】
図10と図3の比較は、成形構造体350と本発明のポリマーウェブ80との概略の対応を示す。即ち、成形構造体350の三次元の突出部2250及び陥没部(例えばアパーチャ710)は、ポリマーウェブ80の毛髪様フィブリル225及び一次アパーチャ71にそれぞれ一対一の対応を有する。一対一の対応は、成形構造体350が本発明のポリマーウェブ80の全体の寸法を決定する程度まで必要である。しかしながらポリマーウェブ80の第一表面の平面102と第二表面の平面106との間の距離は、成形構造体350の第一表面の平面1020と第二表面の平面1060との間の距離と同じである必要はない。これは、図5に示されるようにポリマーウェブ80の距離「T」は、成形構造体350の実際の厚さに依存せず、この厚さは成形構造体350の第一表面の平面1020と第二表面の平面1060との間の垂直距離であるためである。
【0068】
図11は、図10に示される成形構造体350の更に拡大された部分斜視図であり、及び図4のポリマーウェブ80の同様な図に対応する。突出部2250は、第一表面900から遠位末端部2260まで延出するように、以下に記述される方法により製造され得る。図12の更に拡大された図に示されるように、突出部2250は、隣接する突出部間の第一表面900から遠位末端部2260までで測定される、最小振幅から測定される高さhpを有することができる。突出部の高さhpは少なくとも約50μ(約0.002インチ)であることができ、及び少なくとも約76μ(約0.003インチ)であることができ、及び少なくとも約152μ(約0.006インチ)であることができ、及び少なくとも約250μ(約0.010インチ)であることができ、及び少なくとも約381μ(約0.015インチ)であることができる。突出部2250は直径dpを有し、これはほぼ円筒形の構造については外径である。突出部2250の不均一な断面、及び/又は非円筒形構造については、直径dpは、図12に示されるように突出部2250の高さhpの1/2における突出部の平均断面の寸法として測定される。突出部の直径dpは、約50μ(約0.002インチ)であることができ、及び少なくとも約66μであることができ、及び約76μ(約0.003インチ)であることができ、及び少なくとも約127μ(約0.005インチ)であることができる。したがって、各突出部2250について、hp/dpとして定義される突出部の縦横比が決定され得る。突出部2250は、少なくとも1、及び3以上の大きさの縦横比hp/dpを有することができる。縦横比は少なくとも約5であることができ、及び約6であることができる。一つの実施形態では、突出部は、約1.6の縦横比について、約105μの高さに対して約66μの実質的に均一の直径を有した。突出部2250は、約100μ(約0.004インチ)〜約250μ(約0.010インチ)の二つの隣接する突出部2250間の中心から中心までの間隔Cpを有することができる。一つの実施形態では、中心から中心までの間隔は179μであった。一般に隣接する突出部2250間の前駆体ウェブ120の適切な変形を確実にするために、二つの隣接する突出部2250間の実際の距離(即ち「側面から側面まで」の寸法)は、前駆体ウェブ120の厚さの二倍より大きいことが必要であると考えられている。
【0069】
一般に、各単一の突出部2250の実際の高さhpは変化してもよいため、複数の突出部2250の平均の高さhpavgは、成形構造体350の所定領域にわたって、突出部平均最小振幅Apmin及び突出部平均最大振幅Apmaxを決定することにより決定され得る。同様に、変化する断面寸法については、平均突出部直径dpavgが複数の突出部2250について決定され得る。こうした振幅及びその他の寸法測定は、コンピュータを使った走査顕微鏡及び関連するデータ処理のような当該技術分野において既知のいずれかの方法により行うことができる。そのため成形構造体350の所定部分についての突出部2250の平均の縦横比ARpavgは、hpavg//dpavgとして表現できる。突出部2250についての寸法hp及びdpは、より完全に以下に開示されるように、成形構造体350を製造するための既知の明細書に基づいて間接的に決定できる。
【0070】
一つの実施形態では、突出部2250の直径は一定であるか、又は振幅が増加するにつれて減少する。図12に示されるように、例えば突出部2250の直径又は最大横断面寸法は、第一表面900の近くで最大であり、及び遠位末端部2260へと次第に減少する。この構造はポリマーウェブ80が成形構造体350から容易に取り外せることを確実にするために必要であると考えられている。
【0071】
成形構造体350は、本発明のウェブを製造するために必要な寸法を有する突出部2250を有するように形成され得、成形構造体350が経験する加工温度範囲にわたって寸法安定性であり、少なくとも約5MPa、より好ましくは少なくとも約10MPa、より好ましくは少なくとも約30MPa、より好ましくは少なくとも約100〜200MPa、及びより好ましくは少なくとも約400MPaの引張係数、少なくとも約2MPa、より好ましくは少なくとも約5MPa、より好ましくは少なくとも約10MPa、より好ましくは少なくとも約15MPaの降伏強さ、及び少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%の破断歪みを有するいずれの材料からも製造できる。成形構造体の材料の係数が増加するにつれて、破断しないように十分な破断歪みを有する(即ち脆性であり過ぎない)限り、相対的に高さが高い、大きい縦横比の突出部はより良好なウェブを形成することが見出された。係数及び降伏強さのデータについては、既知の方法により試験することにより値を決定することができ、及び標準TAPPI条件で、歪み速度100%/分で試験できる。
【0072】
幾つかの加工条件については、成形構造体350が成形ドラムを超えて膨張又は収縮する場合には、成形構造体350/成形ドラム518の接合部分が譲歩できるため、熱膨張に関する寸法安定性は、図9に関して記述されるような商業的プロセスについてのみ必要である。本発明のポリマーウェブのバッチプロセスについては、寸法安定性は必要条件ではない。しかしながらすべての商業的プロセスにおいて、成形構造体が、加工温度範囲について好適な材料から製造されることは必要である。加工温度範囲は、流体噴射、例えば液体噴射540の温度、及び例えば加熱され得る成形構造体350の温度を包含する加工条件により影響される。一般には、使い捨て吸収性物品用のウェブに用いる積層体化共押出成形フィルム(即ち約10〜100μの厚さtを有するフィルム)を包含するポリオレフィンウェブについては、15℃〜95℃の水温を用いることができる。乾燥/アニール空気温度は250℃以下であることができる。一般に、加工温度は広範囲にわたって変化することができ、及びなお本発明のポリマーウェブ80を製造することができる。しかしながら温度範囲は、ポリマーウェブ80を、フィルムの厚さ、フィルムの種類、及びライン速度に依存する最適な速度で製造するために変化することができる。
【0073】
好ましい実施形態では、突出部2250は成形構造体350と一体化して製造される。即ち成形構造体は、材料を除去する又は材料を積み上げることのいずれかにより一体構造として製造される。例えば、必要な相対的に小規模の突出部2250を有する成形構造体350が材料の局所的な選択的除去、例えば化学エッチング、機械エッチング、又は放電加工機(EDM)又はレーザーなどの高エネルギー源の使用による切除により製造できる。
【0074】
前述のアール(Ahr)の’045号の特許に開示されるような鉄鋼構造体の酸エッチングだけが、1以下の縦横比を有する突出部を製造できると考えられている。理論に束縛されるものではないが、小さい漸進的工程において鉄鋼を酸エッチングすることは、本発明の成形構造体に好ましい大きい縦横比を生じる場合があると考えられているが、結果として得られる突出部(類)は大幅に下部を切り取られて「キノコ」形状の輪郭を有することが予測される。本発明の発明者は、どのようにすればアール(Ahr)の’045号に教示されるように鉄鋼を酸エッチングして、必要な縦横比を有する本発明のほぼ円筒形の突出部2250を形成し得るか現在のところわかっていない。同様に電気メッキにより鉄鋼上の突出部を形成することも、「キノコ」形状の突出部を結果として生じると考えられている。両方、即ち酸エッチングと電気メッキの場合、材料除去/付着の性質のために「キノコ」形状が予測される。材料は、ほぼ一直線に並ぶ、例えば垂直の方式だけでは除去/付着されない。そのため放電加工機(EDM)又はレーザーの使用によってのみ、金属の成形構造体350を製造することが現在は知られている。
【0075】
鉄鋼から製造され、及び従来のEDM加工により製造された突出部2250を有する成形構造体350の見本の部分が図13及び図14に示される。図13は成形構造体350の顕微鏡写真であり、及び図14は、図13の成形構造体の更なる拡大図である。図13に示されるように、鉄鋼成形構造体はEDM加工を受けて遠位末端部2260を有する一体突出部2250を形成する。図13及び14に示される成形構造体350は、図3に示されるものとほぼ同様の形状の陥没部710を有する。しかしながら図13及び14に見られるように、構造体は、EDM加工前の成形構造体350及びEDM加工それ自体の両方の幾何学的制約のために、吸収性物品のトップシートを製造するために決して理想的ではない。具体的には、見られるように、成形構造体の相互に連結する部材910の第一表面900は一つの突出部のみの「幅広さ」である。また図13に見られるように、EDM加工の幾何学的制約のために、突出部2250間の隙間が結果として生じ得る。例えば図13の隙間901は、示されるそれぞれの成形構造体の相互に連結する部材910からの平行から僅かにずれて配向するEDM線の結果として生じた。
【0076】
そのため使い捨て吸収性物品のトップシートに好適なウェブの商業的に成功する製造については、図13に示される成形構造体は容認できない場合がある。しかしながら必要な縦横比を有する適切に成形された突出部2250を形成できることは明らかである。図13に示される成形構造体の突出部2250は、約2.7の平均縦横比ARpavgを定義する、約275μ(0.011インチ)の平均高さhpavg、及び約100μ(0.004インチ)の平均直径の約dpavgを有する。(図13及び14に示される成形スクリーンは見本であり、及びEDMにより両側を加工されていることに注意のこと。実際は片側に突出部を形成することのみが必要である。)
【0077】
成形構造体350を製造する別の方法では、レーザー変形を受けやすい基盤材料がレーザー「エッチング」されて材料を選択的に除去され、突出部2250及び成形構造体のアパーチャ710を形成する。「レーザー変形を受けやすい」とは、レーザー光線により制御された方式で材料が選択的に除去され得ることを意味し、レーザー加工に用いられる光の波長、並びに出力程度は最適結果のために材料に適合される必要があってもよい(逆もまた同様である)。レーザー変形を受けやすい現在既知の材料には、熱可塑性物質、例えばポリプロピレン、アセタール樹脂、例えばデルリン(DELRIN)(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントンのデュポン(DuPont)から)、熱硬化性樹脂、例えば架橋ポリエステル若しくはエポキシ、又はアルミニウム若しくはステンレス鋼などの金属さえも挙げられる。
【0078】
一つの実施形態では、成形構造体は連続プロセスにおいてレーザー機械加工されることができる。例えばデルリン(DELRIN)(登録商標)などのポリマー材料は、長手方向中央軸、外側表面、及び内側表面を有する基盤材料として、円筒形形態に提供され得、外側表面、及び内側表面が基盤材料の厚さを定義する。可動レーザー光源が外側表面にほぼ直交して導かれることができる。可動レーザー光源は、基盤材料の長手方向中央軸に平行な方向に移動できる。レーザー光源が基盤材料の外側表面を機械加工又はエッチングして、複数の突出部を定義するパターンに基盤材料の選択された部分を除去する間に、円筒形の基盤材料は長手方向中央軸の周りに回転され得る。各突出部は、本明細書に開示されるようにほぼ円柱状及び支柱様の突出部2250であることができる。レーザー光源を、円筒形基盤材料が回転するにつれて、円筒形基盤材料の長手方向軸に平行に移動することにより、相対的な移動、即ち回転及びレーザーの移動は同調されることができ、その結果円筒形基盤材料の各完全な回転に際し、突出部の所定のパターンが、ネジの「ネジ山」に類似する連続プロセスにより形成され得る。
【0079】
図15は、本発明の成形構造体350のレーザーエッチングされた実施形態の顕微鏡写真である。図16は、本発明の成形構造体350の別のしかし類似のものの拡大図である。図15及び16に示される成形構造体350は、その中に陥没部710を形成されたポリマー層を最初に形成することにより製造され、これは示されるようにほぼ「涙の滴」の形状であり、及び本発明のウェブ80内のほぼ涙の滴の形状の一次アパーチャ71を製造する。陥没部710は、例えば陥没部を最初にレーザーエッチングすることにより形成できる。その中に陥没部710を有するポリマー層はまた、紫外線硬化可能ポリマーなどの液体感光性樹脂を、内在する支持層(図示せず)、例えば小アパーチャのある織った裏打ち上の適切なマスキング層を通して照射することにより形成できる。好適なポリマー層、支持層、マスキング層、及び紫外線硬化プロセスが、製紙ベルト製造技術分野において周知であり、及び米国特許第5,334,289号(トルクハン(Trokhan)ら、1994年8月2日発行);及び米国特許第4,529,480号(トルクハン(Trokhan)、1985年7月16日発行);及び米国特許第6,010,598号(ブティリエ(Boutilier)ら、2000年1月4日発行)に開示され、これらの特許の各々は構造、樹脂、及び硬化技術の教示のために本明細書に参考として組み込まれる。例えばブティリエ(Boutilier)の’598号の特許に開示されるように、一つの好適な液体感光性樹脂組成物は、四つの構成成分:プレポリマー;モノマー;光開始剤、及び酸化防止剤から構成される。好ましい液体感光性樹脂は、デラウェア州ウィルミントンのマクダーミッド・イメージング・テクノロジー社(MacDermid Imaging Technology,Inc.)から入手可能なメリグラフ(Merigraph)L−055である。
【0080】
ポリマー層が硬化されて陥没部710を有した後、ポリマー層はレーザーエッチングされて遠位末端部2260を有する突出部2250を形成する。レーザーエッチングは、既知のレーザー技術により、所望の突出部寸法を製造するように必要に応じて波長、出力、及び時間のパラメータを選択して達成できる。図16の成形構造体では、突出部は、250μの平均の高さhp、及び85μの平均直径dp(高さhpの1/2において)、及び約2.9の縦横比arpを有する。
【0081】
そのため以上に開示されるように、一つの実施形態では、陥没部710は一つの方式で製造でき、及び突出部はもう一つの別のプロセスにより製造できる。例えば、陥没部710は成形構造体「ブランク」に予備形成されることができ、これはその後レーザー機械加工、即ちエッチングされ、陥没部710間の陸地部分に突出部が形成される。一つの実施形態では、支持層上に硬化ポリマーとして形成された成形構造体350はそのままで、支持層を成形構造体350の一部として用いられることができる。しかしながら別の実施形態では、硬化ポリマーは支持層から除去され及び単独で用いられることができる。この場合は、部分的にだけポリマーを硬化し、支持層903を除去し、及びポリマー材料の完全な硬化を完成することが望ましい場合もある。
【0082】
図15に示される成形構造体上に製造されるウェブ80は、図17及び18の顕微鏡写真に示される。図17は、毛髪様フィブリル225及びアパーチャ71を示すウェブ80の部分の顕微鏡写真である。図18は、閉じた遠位末端部226を有する毛髪様フィブリル225をより詳細に示すウェブ80の更なる拡大図である。図17及び18に示されるウェブ80について、前駆体ウェブ120は、厚さ25μ(0.001インチ)厚さのダウレックス(Dowlex)2045A前駆体フィルム120から製造された。
【0083】
図19及び20は、毛髪様フィブリル225の詳細をより密接に示すために、図13及び14に示される成形構造体上でバッチプロセスで製造されるウェブ80の大きく拡大された部分を示す。図19及び20に示されるポリマーウェブ80は、ほぼ五角形の形状の一次アパーチャ71(図示せず)を有し、各々が約1.4平方mmの第一表面90内の突き出た面積を有する。一次アパーチャ71間の間隔は、第一表面90内に突き出た一次アパーチャ71の開いた面積が総表面積の65%までであるようになっている。ウェブ80は、第一表面90の面積の1平方cm当たり、約4,650の毛髪様フィブリル225(平方インチ当たり約30,000毛髪様フィブリル225)を示す。毛髪様フィブリル225のこの濃度は、毛髪様フィブリル225の「密度」又は「面密度」と呼ばれ、及びポリマーウェブ80の総面積とは対照的に第一表面90の単位面積当たりの毛髪様フィブリルの数を表す。したがって、一次アパーチャ71に対応するポリマーウェブ80の領域は、密度を計算する場合には面積に寄与しない。一般に密度は、成形構造体350上の突出部2250の中心から中心までの平均の間隔により決定され、これは図13及び14に示される成形構造体について約150μ(0.006インチ)である。
【0084】
使い捨て吸収性物品(例えば生理用ナプキン)上のトップシートとして用いるのに好適な本発明のポリマーウェブ80は、平方cm当たり少なくとも約1550(平方インチ当たり約10,000)の毛髪様フィブリル225の密度を有することが必要であると考えられている。毛髪様フィブリル225の密度は、平方cm当たり約2325(平方インチ当たり約15,000)であることができ、及び平方cm当たり約3100(平方インチ当たり約20,000)であることができ、及び平方cm当たり約3875(平方インチ当たり約25,000)であることができる。幾つかのウェブについては、第一表面90がどこから始まり及び終わるのかを正確に決定するのが困難である場合もあるため、密度はポリマーウェブ80の所定部分の総面積を取り、及びその所定部分の第一表面90内に突き出た一次アパーチャ71の面積を引き算することにより概算できる。一次アパーチャ71の面積は、成形構造体350の陥没部710の突き出た面積に基づくことができる。「突き出た面積」とは、それがその表面に平行な平面上に突き出た場合の表面の面積を意味し、及び例えば表面の「インクの圧痕」から類推され得る。
【0085】
図19は、25μ(0.001インチ)のダウレックス(Dowlex)(登録商標)2045A前駆体フィルム120から製造されたウェブ80の顕微鏡写真である。示されるように、図19のウェブ80は個々の毛髪様フィブリル225を含み、毛髪様フィブリル225の各々が第一表面90の突き出た延長である。毛髪様フィブリル225の各々が、開放部229(図5に示される)及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有する。示される毛髪様フィブリル225は、約211μの高さ、及びそれらの高さの1/2の約142μの直径を有し、結果として約1.5の縦横比を生じる。
【0086】
図20のウェブ80は個々の毛髪様フィブリル225を含み、毛髪様フィブリル225の各々が第一表面90の突き出た延長である。毛髪様フィブリル225の各々が、開放部229(図5に示される)及び閉じた遠位部226を定義する側壁227を有する。図20に示される毛髪様フィブリル225は、少なくとも1の縦横比ARを有する。
【0087】
図19及び20に示されるウェブ80の差違は、図20に示されるポリマーウェブ80を製造するために用いられた前駆体フィルム120が、最外層の一つに炭酸カルシウムを含む共押出成形四層ポリエチレンフィルムであったことである。具体的には、毛髪様フィブリル225の形成後にウェブ80の第一表面を形成するポリマーのために、炭酸カルシウムがポリマー溶融物に添加された。四層はポリエチレンを次の順番で含んだ:(1)エクソンモービル(ExxonMobil)NTX−137約42容量%;(2)エクソンモービル・イグザクト(ExxonMobil Exact)4151約16容量%;(3)エクソンモービル・イグザクト(ExxonMobil Exact)4049約32容量%;及び(4)主バッチとしてブレンドされた57重量%のアンパセット(Ampacet)10847と炭酸カルシウムの混合物及び43重量%のエクソンモービル(ExxonMobil)LD129であり、この混合物は約10容量%である。前駆体フィルム120の開始の厚さは、約25μ(0.001インチ)だった。
【0088】
前駆体フィルム120の表面薄層としてCaCO3/PEブレンドを用いることの一つの興味深い及び予期せぬ結果は、図20に示されるウェブ上に見られるように、毛髪様フィブリル225の遠位末端部226において又は遠位末端部226の近くでの粗い外側表面の領域228の形成である。相対的により粗い表面のこれらの領域228は、第一表面90など周囲の表面より表面の滑らかさが劣り、その本質的に低い光沢のためにより股様の外観、並びに更により柔らかく及び絹のような触感を提供する。理論に束縛されるものではないが、毛髪様フィブリル225の遠位末端部の相対的に粗い表面の質感は、表面に触るヒトの皮膚に柔軟であるとして経験されるより卓越した質感を与えると考えられている。理論に束縛されるものではないが、毛髪様フィブリル225の遠位末端部226における又は遠位末端部226近くの粗い外側表面の形成は、その中に粒子状物質を有する前駆体ウェブの大きな延伸の結果であると考えられている。おそらく粒子状物質、この場合はCaCO3がフィルムブレンド中に応力集中を生じさせ、それが表面の不連続を生じるようである。最大歪みの点において、即ち毛髪様フィブリル225の最大の伸びの点で、フィルム(即ち前駆体フィルム120)の表面は破断し、毛髪様フィブリル225の表面上の粒子状物質を暴露する。
【0089】
そのため一つの実施形態では、ポリマーウェブ80は、毛髪様フィブリル225を有し、その際その遠位末端部226の近くの少なくとも一部分は、残りの部分よりも相対的により粗い表面の領域228を示すとして記述されることができる。異なる添加物の粒子状物質を用いることにより、相対的により粗い表面の領域228はその他の利益を提供することができる。例えば、粒子状の皮膚トリートメント若しくは保護剤、又は臭気吸収活性物質を用いることができる。重要なことに、粒子状物質を含むウェブ80は、ウェブ80を用いて非常に直接的な及び効率的な方式で活性物質を物品の装着者の皮膚に送達することができる。
【0090】
一般に、前駆体ウェブ120のポリマーの溶融物中にブレンドされたいずれかの非拡散成分(粒子状及び非粒子状)は、毛髪様フィブリル225の遠位末端部の近くでポリマーの歪みに際して暴露されることができると考えられている。具体的には、皮膚ケア剤などの活性物質は、ウェブ80について第一の皮膚接触表面であり得る遠位末端部226に又は遠位末端部226の近くに実質的に局在化されることができる。局部的な歪みをポリマーフィルムに付与するその他の既知の方法はまた、層中の非拡散成分を暴露する役目をすることができる。例えば、エンボス加工、リング・ローリング、熱真空成形、及びその他の既知のプロセスは、局部的な破裂及びポリマーフィルムの活性成分の暴露を提供することができる。
【0091】
成形構造体350を製造するためのその他の方法には、局部的な電気メッキ、3−D付着加工、又はフォトレジスト技術を用いて構造体を構築することが挙げられる。一つの3−D付着加工は、焼結加工である。焼結はステレオリソグラフィーに類似しており、その際粉末金属の層は、積み重ねられて最終的な加工品を製造する。しかしながら焼結加工は変換に制限がある場合があると考えられている。フォトレジスト技術は、液体感光性樹脂、例えば上に開示される紫外線硬化可能ポリマーの上に適切なマスクを使用して三次元構造体を形成することを包含する。紫外線硬化は、紫外線光源からの紫外線に暴露される液体樹脂の部分のみを硬化するのに有効である。液体樹脂の残りの(非硬化)部分は次に洗い流され、硬化部分のみを残すことができる。液体樹脂紫外線硬化可能ポリマーはトレイ上に、例えば所望の深さ又は厚さに設置されることができ、及び適切にマスクされることができ、及び紫外線硬化されて突出部2250になる部分が選択的に硬化され、及びアパーチャ710になる部分は硬化されないことができる。
【0092】
別の実施形態では、図21及び22に示されるように、可撓性ポリマー成形構造体350が、空気透過性裏打ちスクリーン430上の紫外線硬化可能ポリマーの重合により形成され得る。第一表面900はアパーチャ710を定義し、これは例示された実施形態では交互ねじれ形配列による六角形である。前のように、アパーチャ710の多様な形状及び配向を用いることができることを理解することが必要である。図22は、図28に示される成形構造体350を線22−−22に沿って取った部分の断面図を示す。機械方向補強ストランド420、及び横断方向補強ストランド410が図21及び22の両方に示される。機械方向補強ストランド420、及び横断方向補強ストランド410が共に組み合わされて小アパーチャのある織った要素430を形成する。補強ストランドの一つの目的は、可撓性ポリマー成形構造体350を強化することである。示されるように、補強ストランド410及び420は円形であることができ、紫外線硬化可能樹脂がその周りに硬化した正方形の織り方の布地として提供され得る。一般に織り目が粗ければ粗いほどより良好であるが、いずれの便利な織り方によるいずれの便利なフィラメントの大きさも用いることができる。より目が粗い織り方は一般にアパーチャ710を通る、より良好な気流を結果として生じる。成形構造体350がポリマーウェブ80などのポリマーウェブを形成するために用いられる場合には、より良好な気流は、より良好な即ちより経済的なハイドロフォーミングを結果として生じる。一つの実施形態では、成形構造体350、430は、家庭のドア及び窓に商業的に用いられるような金属のスクリーンである。一つの実施形態では、金属のスクリーンは、機械方向フィラメント420及び横断方向フィラメント410の両方について、0.24mmのフィラメント直径を有する18x16のメッシュの明るいアルミニウムのスクリーニングであり、米国ペンシルベニア州ハノーバーのスター・ブランド・スクリーニング(Star Brand Screening)からのハノーバー・ワイヤークロス(Hanover Wire Cloth)として入手可能である。
【0093】
図21及び22に示されるように、突出部2250は第一表面900から延出し、及びほぼ丸い形状である遠位末端部2260を有する。別の実施形態では、図26の顕微鏡写真に示されるように、遠位末端部はほぼ扁平に台地状であることができる。図26に示される成形構造体は、紫外線硬化可能樹脂の二段階プロセスの重合により形成された可撓性のポリマー成形構造体である。
【0094】
図24〜26に示される成形構造体などの可撓性ポリマー成形構造体350を製造するための一つの二段階方法は、図23を参照して記述される。本明細書に記述される方法は、相対的に大きい開口部、即ち陥没部710、及び相対的に微細な突出部、即ち突出部2250の組み合わせを有する成形構造体350を製造する。図23に示される好ましい実施形態では、本明細書に記述される方法は連続的なベルト型成形構造体351を製造する。大綱では、方法は、成形構造体350(又はベルト型成形構造体351)の相対的に大きい陥没部710、及び相対的に微細な突出部2250の予め選択されたパターンの輪郭を描くしっかりしたポリマーの骨組みを、小アパーチャのある要素の中及び周りに構築するために感光性樹脂を用いることを伴う。より特には、方法は、次の工程を包含する二段階樹脂成形プロセスを含む:
a.裏打ちフィルムを成形単位の作業面に提供する工程;
b.裏打ちフィルムが小アパーチャのある要素と成形単位との間に入るように、小アパーチャのある要素を裏打ちフィルムに並列させる工程;
c.液体感光性樹脂のコーティングを小アパーチャのある要素の表面に適用する工程;
d.コーティングの厚さを予め選択された値に制御する工程;
e.感光性樹脂のコーティングと接触する関係において、不透明及び透明な領域の両方を含み、その場合不透明な領域が陥没部710に対応する予め選択されたパターンを定義するマスクを並列させる工程;
f.液体感光性樹脂をマスクを通して活性化波長を有する光に暴露し、それによってマスクの透明領域と見当のあった領域の感光性樹脂の少なくとも部分的硬化を生じさせる工程;
g.小アパーチャのある要素/部分的に硬化された樹脂の複合体から、すべての非硬化液体感光性樹脂を除去する工程;
h.工程a〜gを、工程(d)において異なる制御された厚さ(例えばより大きい厚さ、例えば図22のhf2に対応する厚さ)で、及び工程(e)において異なるマスクを用いてもう一度繰り返す工程であって、工程(e)のマスクが不透明及び透明な領域の両方を含み、その場合透明な領域が突出部2250に対応する予め選択されたパターンを定義する工程;
i.小アパーチャのある要素/硬化された樹脂を水浴又はその他の水溶液などの酸素を含まない環境に浸す工程;
j.小アパーチャのある要素/部分的に硬化された樹脂を、マスクを通して活性化波長を有する光に暴露し、それによって感光性樹脂を完全に硬化させ、結果として、完成したベルト型成形構造体を生じる工程。
【0095】
本発明の実施に用いられる正確な装置(又は機器)は、実際それが本発明を実施するために用いられることができる限り重要ではない。次の記述のすべてを読んだ後、当業者は上に示された工程を実行するために適切な装置を選択することができるであろう。エンドレスベルトの形態の成形構造体を構築するための本発明の実施に用い得る装置の好ましい実施形態が、図23の概略図に示される。便宜上、本発明はその装置に関して記述される。
【0096】
プロセスの第一工程は、裏打ちフィルムを成形単位の作業面に提供することである。図23では、成形単位613は作業面612を有し、及び円形要素であるとして示されるが、それは好ましくは回転ドラムである。成形単位613の直径及びその長さは便利なように選択される。その直径は、裏打ちフィルム及び小アパーチャのある要素が加工中に過度に曲げられないように、十分大きいことが必要である。また成形単位613が回転するにつれて必要な工程が達成できるように、その表面の周りに十分な運行距離があるように直径は十分に大きくなければならない。成形単位613の長さは、構築される成形構造体350の幅によって選択される。成形単位613は、図示されない駆動手段によって回転される。任意に及び好ましくは作業面612は、活性化波長の光を吸収する。好ましくは成形単位613は、裏打ちフィルム653が作業面612と密接な接触を保持することを保証するための手段を備えている。裏打ちフィルム653は、例えば接着剤により作業面612に固定され得るか、又は成形単位613は、成形単位613の作業面612全体の複数の密集した小さな開口部を通して適用される真空の影響下で裏打ちフィルム653を作業面612に固定するための手段を備え得る。好ましくは裏打ちフィルム653は、図23に示されない張力の手段により作業面612に対して保持される。
【0097】
裏打ちフィルム653はシステムに、裏打ちフィルム供給ロール631からそれを巻き戻すことにより導入され、及びそれを方向指示矢印D3により示される方向に運行させることができる。裏打ちフィルム653は成形単位613の作業面612に接触し、前述の手段により作業面612に対して一時的に拘束され、成形単位613と共に、後者が回転するにつれて運行し、最終的に作業面612から分離して、及び裏打ちフィルムが巻き取られる、裏打ちフィルム巻き取りロール632まで運行する。
【0098】
図23に示される実施形態では、裏打ちフィルム653は使い捨て用に設計され、その後それは廃棄される。別の配置では、裏打ちフィルム653は、それが必要に応じて洗浄され及び再生される一連のリターンロールの周りを運行するエンドレスベルトの形態を取ることができる。必要な駆動手段、ガイドロールなどは図23には示されていない。裏打ちフィルム653の機能は、成形単位613の作業面612を保護することであり、及び部分的に硬化された成形構造体350の成形単位からの取り外しを容易にすることである。フィルムは、ポリエチレン又はポリエステルのシートなどのいずれかの可撓性の滑らかな平面材料であることができる。好ましくは裏打ちフィルム653はポリプロピレンから製造され、及び約0.01〜約0.1ミリメートル(mm)の厚さである。
【0099】
プロセスの第二工程は、裏打ちフィルムが小アパーチャのある要素601と成形単位613との間に入るように、小アパーチャのある要素601を裏打ちフィルムに並列させることである。小アパーチャのある要素601は、その周りに硬化可能樹脂が構築される材料である。一つの好適な小アパーチャのある要素は、図21及び22に示されるように金属線のスクリーン430である。ポリエステルのフィラメントを有するスクリーンは好適である。1cm当たり約6〜約30のフィラメントのメッシュの大きさを有するスクリーンは好適である。平織のスクリーンは、その他のより複雑な織り方のスクリーンのように好適である。円形又は楕円形のいずれかの断面を有するフィラメントが好ましい。好都合ではあるが、活性化波長の光に対してフィラメントが透明であることは必要ない。スクリーンに加えて小アパーチャのある要素が、織布及び不織布の布地、製紙用布地、熱可塑性網目などにより提供され得る。選択された小アパーチャのある要素の正確な性質及びその寸法は、成形構造体350が、それが構築された後に設置される用途により左右される。図23に示される装置により構築される成形構造体350がエンドレスベルトの形態であるため、小アパーチャのある要素601もまた、例えばスクリーニングの長さの末端部を共に縫い合わせることにより形成されたエンドレスベルトである。
【0100】
図23に示されるように、小アパーチャのある要素601は、方向指示矢印D1により示される方向にリターンロール611の周りを運行し、成形単位613に上がり、超えて、及び周り、並びにリターンロール614及び615の周りを運行する。その他のガイドロール、リターンロール、駆動手段、支持ロールなどは、必要に応じて使用されることができ、及び幾つかは図23に示される。小アパーチャのある要素601は、裏打ちフィルム653が小アパーチャのある要素601と成形単位613の間に入るように裏打ちフィルム653に並列する。成形構造体350に望ましい具体的設計は、並列の正確な方法を決定する。好ましい実施形態では、小アパーチャのある要素601は裏打ちフィルム653と直接接触する関係において設置される。
【0101】
液体感光性樹脂652が供給源620から小アパーチャのある要素601に適用される場合、樹脂652は小アパーチャのある要素601の主として片側に配置され、及び小アパーチャのある要素601は事実上、成形構造体350の一つの表面に位置付けられる。小アパーチャのある要素601は、いずれかの便利な手段により、裏打ちフィルム653から幾らかの有限距離で間隔をあけることができるが、こうした配置は普通は好ましくない。樹脂供給源620は、ノズルであることができ、又は押出成形、スロットコーティングなどを包含する液体感光性樹脂を付着するいずれかの既知の手段であることができる。
【0102】
本発明のプロセスの第三工程は、液体感光性樹脂652のコーティングの第一層を小アパーチャのある要素601に適用することである。コーティングの第一層は、それぞれ1020及び1060の第一及び第二表面の平面間の(図22のhf1として示される)成形構造体350の部分を最終的に構成する層である。それにより液体材料が小アパーチャのある要素601に適用できるいずれの技術も好適である。例えば粘稠な液体樹脂を供給するために、ノズル620を用いることができる。液体感光性樹脂652が、小アパーチャのある要素601の幅にわたって硬化前に均一に適用されること、及び成形構造体350の設計が必要とする場合、小アパーチャのある部材601の開口部に入るように材料の必要量が適用されることが必要である。織った小アパーチャのある要素については、ナックル、即ち織ったスクリーン構造の高くなった交差混合点は、好ましくは裏打ちフィルムと接触し、その結果各フィラメントの全体を感光性樹脂により完全に包み込むことは可能でない場合もあり得るが、各フィラメントのできるだけ多くの部分を包み込むことが必要である。
【0103】
好適な感光性樹脂は、多くの市販のものから容易に選択できる。それらは材料で普通はポリマーであり、それらは放射、普通は紫外線(UV)の影響下で硬化又は架橋する。液体感光性樹脂についてより多くの情報を含有する参考文献には、グリーン(Green)らの「光架橋可能な樹脂系(Photocross-linkable Resin Systems)」(J.Macro−Sci.Revs.Macro Chem.、C21(2)、187〜273(1981〜82));バイエル(Bayer)の「紫外線硬化技術概説(A Review of Ultraviolet Curing Technology)」(Tappi Paper Synthetics Conf.Proc.、9月、25〜27、1978、167〜172ページ);及びシュミーデル(Schmidle)の「紫外線硬化可能可撓性コーティング(Ultraviolet Curable Flexible Coatings)」、(コーティング布地誌(J.of Coated Fabrics)、8、10〜20(1978年7月))が挙げられる。前の三つの参考文献はすべて、本明細書に参考として組み込まれる。特に好ましい液体感光性樹脂は、米国デラウェア州ウィルミントンのマクダーミッド・イメージング・テクノロジー社(MacDermid Imaging Technology,Inc.)により製造されたメリグラフ(Merigraph)L−055シリーズに包含される。
【0104】
本発明のプロセスの次の工程は、コーティングの厚さを予め選択された値に制御することである。予め選択された値は、それぞれ1020と1060の第一と第二表面との間の成形構造体350に所望される厚さに対応する。即ち、図22に示されるような厚さhf1である。成形構造体350が、使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるのに好適なウェブ80を製造するために用いられる場合は、hf1が約1mm〜約2mmの厚さであることが好ましい。もちろんその他の用途は、厚さ3mm以上であり得る、より厚い成形構造体350を要求し得る。
【0105】
厚さを制御するいずれかの好適な手段を用いることができる。図23に示されるのはニップロール641の使用である。ニップロール641と成形単位613との間の隙間は、図示されない手段により機械的に制御され得る。ニップは、マスク654及びマスクガイドロール641と共に、液体感光性樹脂652の表面を滑らかにし及びその厚さを制御する傾向がある。
【0106】
本発明のプロセスの第五工程は、液体感光性樹脂652と接触する関係において、第一マスク654を並列させることを含む。マスクの目的は、液体感光性樹脂の特定領域を光への暴露から遮断することである。第一マスク654は成形構造体350に所望されるアパーチャ71のパターンに対応する不透明領域のパターンを除いて、光、例えば紫外線の活性波長に対して透明である。不透明、即ち陰をつけた部分657及び光を通す部分658の一つのパターンを示す好適な第一マスク654の部分が図27に示される。図27は、その下に重ね合わせた測定目盛りを示すことに注意のこと。示された目盛りの最小の増加分は0.1mmである。
【0107】
第一マスク654の光を通す部分658、即ち活性化光源から遮蔽されない領域は、成形構造体350の結合部材910を形成するために硬化される液体感光性樹脂の領域に対応する。同様に、第一マスク654の不透明部分657は、成形構造体350の陥没部710のパターンに対応する。第一マスク654は、そのため図21に示される成形構造体350の六角形の形状の陥没部、又は図13に示される五角形の形状の陥没部710、又は図15に示される涙の滴の形状の陥没部710のパターンに対応する不透明部分657を有することができる。一般に使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるウェブ80を形成するために用いられる成形構造体350について、第一マスク654の不透明部分657は、所望の流体の流れ特性を示すようにウェブ80のアパーチャ71の必要な構造を提供するために好適な大きさ、形状、及び間隔であることが必要である。
【0108】
第一マスク654は、不透明及び透明領域を提供し得るいずれかの好適な材料であることができる。可撓性フィルムの性質を有する材料は好適である。可撓性フィルムは、ポリエステル、ポリエチレン、又はセルロース系若しくはいずれかのその他の好適な材料であることができる。不透明領域は、写真又はグラビア加工、フレキソ印刷加工、及びインクジェット又は回転スクリーン印刷加工などのいずれかの便利な手段により形成することができる。第一マスク654はエンドレスループ若しくはベルト(その詳細は図示されない)であることができる、又はそれは一つの供給ロールから供給されることもでき、及び巻き取りロールまでシステムを横断することもできるが、どれについても図には示されていない。第一マスク654は方向指示矢印D4により示される方向に運行し、ニップロール641の下で曲がりそこで液体感光性樹脂652の表面と接触し、マスクガイドロール642まで運行し、その近くで樹脂との接触から取り外される。この特別な実施形態では、樹脂の厚さの制御及びマスクの並列は同時に生じる。
【0109】
本発明のプロセスの第六工程は、液体感光性樹脂652を第一マスク654を通して活性化波長の光に暴露し、それによって第一マスク654の透明領域658と見当のあった領域の樹脂の少なくとも部分的硬化を生じさせることを含む。樹脂はこの工程で完全に硬化される必要はないが、光暴露後の工程、例えば以下に記述されるように、非硬化樹脂を洗い流す間に暴露された樹脂がその所望の形状を維持する場合には、少なくとも部分的な硬化は達成される。図23に示される実施形態では、裏打ちフィルム653、小アパーチャのある要素601、液体感光性樹脂652、及びマスク654のすべてが、ニップロール641からマスクガイドロール642の近くまで共に運行する単位を形成する。ニップロール641とマスクガイドロール642の中間であり、裏打ちフィルム653及び小アパーチャのある要素601が成形単位613になお並列する場所に位置する場合、液体感光性樹脂652は照射ランプ655により供給される活性波長の光に暴露される。照射ランプ655は、主として、液体感光性樹脂の硬化を生じる波長内の照明を提供するように選択される。その波長は液体感光性樹脂の特徴である。好ましい実施形態では、樹脂は紫外線硬化可能であり、及び照射ランプ655は紫外線光源である。水銀アーク、パルスキセノン、無電極及び蛍光灯などのいずれかの好適な照明源が使用できる。
【0110】
上記のように、液体感光性樹脂が適切な波長の光に暴露される場合は、硬化は樹脂の暴露された部分に生じる。硬化は、暴露された領域の樹脂の固化により一般に現れる。逆に、暴露されていない領域は流体のまま残留する。照明の強度及びその持続時間は、暴露された領域内に必要とされる硬化の程度に依存する。暴露強度の絶対値及び時間は、樹脂の化学的性質、その光特性、樹脂コーティングの厚さ、及び選択されるパターンに依存する。更に、暴露の強度、及び光の入射角は、成形構造体350の厚さhf1を通じて、結合部材910の壁におけるテーパーの存在又は不在について重要な影響を有することができる。それ故に、光は所望の程度のテーパーを達成するために平行にされることができる。
【0111】
プロセスの第七工程は、小アパーチャのある要素/部分的に硬化された樹脂621の、硬化された又は部分的に硬化された複合体から、実質的にすべての非硬化液体感光性樹脂を除去することである。即ち、光への暴露から遮断された樹脂は、システムから除去される。図23に示される実施形態では、マスクガイドロール642の近くの点では、第一マスク654及び裏打ちフィルム653が、小アパーチャのある要素601及び今や部分的に硬化された樹脂621を含む複合体から物理的に分離される。小アパーチャのある要素601及び部分的に硬化された樹脂621の複合体は、第一の樹脂除去シュー(shoe)623の近くまで運行する。第一の樹脂除去シュー(shoe)623において、かなりの量の液体(非硬化)感光性樹脂が複合体から除去されるように、複合体の一つの表面に真空が適用される。複合体が更に先へ運行すると、それは樹脂洗浄シャワー624、及び樹脂洗浄ステーションドレイン625の近くに至り、その地点で複合体は水又はその他の好適な液体により完全に洗浄されて残留液体(非硬化)感光性樹脂のより多くを除去され、これはシステムから樹脂洗浄ステーションドレイン625を通って排出される。洗浄シャワーは好ましくは、約46℃(115°F)を超える温度の主として水又は水溶液である。
【0112】
第二の樹脂除去シュー(shoe)626(又は必要に応じて第三など)が、プロセスのこの段階で、残留非硬化樹脂の更なる除去のために用いられることができる。(第二の光源660の形態での第二の硬化ステーション、及び水浴630などの空気を置き換える媒質が図23に示されるが、プロセスの第一段階では用いられない。)
第一段階の最後である、成形構造体350を製造するためのプロセスのこの段階で、複合体は今や、小アパーチャのある要素601、並びに結合要素910、第一表面900及び第二表面850、及び陥没部710を含む成形構造体350の部分を表す部分的に硬化された樹脂621を、本質的に含む。
【0113】
次の工程は、部分的に形成された成形構造体350上に突出部2250を形成することである。突出部2250を形成するために、プロセスは第二段階で及び第一マスク654を置き換える第二マスク656を用いて、本質的に繰り返される。
【0114】
そのため第八工程は、図23において603として示される部分的に形成された成形構造体により開始し、方向指示矢印D1により示される方向にリターンロール611の周りを進み、成形単位613に上がり、超えて、及び周り、並びにリターンロール614及び615の周りを進む。前のようにその他のガイドロール、リターンロール、駆動手段、支持ロールなどが必要に応じて使用でき、及び幾つかは図23に示される。裏打ちフィルム653が、部分的に形成された成形構造体603と成形単位613との間に入るように、部分的に形成された成形構造体603を裏打ちフィルム653に並列させる。成形構造体350に所望される具体的な設計は並列の正確な方法を決定する。好ましい実施形態では、部分的に形成された成形構造体603は、裏打ちフィルム653と直接接触する関係で設置される。裏打ちフィルム653は、プロセスの第一段階について前に言及された同じ裏打ちフィルムであることができる。
【0115】
プロセスの第九工程では、液体感光性樹脂652の第二のコーティングが供給源620から部分的に形成された成形構造体603に再び上述のように適用されるが、樹脂652は陥没部、即ち部分的に形成された成形構造体603の陥没部710を満たすように適用され、及び加えて、部分的に形成された成形構造体603の部分的に硬化された樹脂の水平面の上にコーティングを適用する。前のように、部分的に形成された成形構造体603は、いずれかの便利な手段により、裏打ちフィルム653から幾らかの有限距離で間隔をあけることができるが、こうした配置は普通は好ましくない。
【0116】
コーティングの第二層は、最終的に硬化されて成形構造体350の突出部2250を形成する層である。均一の高さの突出部2250が望ましい場合は、液体感光性樹脂652の第二層が、部分的に形成された成形構造体603の幅全体に均一に適用されることが必要である。突出部2250を形成するための感光性樹脂の必要量は、部分的に形成された成形構造体603の開口部を満たすために、及び図22の距離hf2に対応する厚さのような望ましい突出部の高さに対応する予め選択された厚さを超えて満たすために十分である。成形構造体350が、使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるのに好適なウェブ80を製造するために用いられる場合、hf2は約1.1mm〜約2.1mmの厚さであることが好ましい。前のように、ニップロール641の使用を包含する、厚さを制御するためのいずれかの好適な手段を用いることができる。
【0117】
図23に示されるプロセスの第十工程は、第二マスク656を液体感光性樹脂652の第二層と接触する関係において並列させることを含む。前のように、マスクの目的は、液体感光性樹脂の特定領域を光への暴露から遮断することである。不透明、即ち陰をつけた部分657及び光を通す部分658の一つのパターンを示す好適な第一マスク654の部分が図28に示される。見るのが困難ではあるが、図28はその下に重ね合わせた測定目盛りを示すことに注意のこと。示された目盛りの最小の増加分は0.1mmである。
【0118】
図28に示されるように、第二マスク656は成形構造体350に所望される突出部2250のパターンに対応する透明領域658のパターンを除いて、光、例えば紫外線の活性波長に対して不透明である。第二マスク656の光を通す部分、即ち活性化光源から遮蔽されない領域は、硬化される液体感光性樹脂の領域に対応する。そのため、第二マスク656の透明領域は、成形構造体350の突出部2250の予め選択されたパターンに対応する。第二マスク656はそのため、密集した斑点又は点である透明領域のパターンを有することができ、こうした斑点又は点は、図24及び25に示されるもののような密集した円形(断面において)の突出部に一対一の対応を有する。もちろんマスク656の透明領域のパターンは、成形構造体350の特定の最終使用に依存してその他の形状及びパターンであることができる。一般に使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるウェブ80を形成するために用いられる成形構造体350について、第二マスク656の透明領域658は、感知される柔らかさのような所望の触覚特性を示すようにウェブ80の突出部2250の必要な構造を提供するために好適な大きさ、形状、及び間隔であることが必要である。一つの実施形態では、第二マスク656の透明領域658は、各々が約65μの直径を有する円形であり、1平方cm当たり透明領域658が約3875(1平方インチ当たり約25,000)の均一な間隔で、中心から中心までの距離約188μで相隔たる。
【0119】
第二マスク656は、不透明領域が、写真又はグラビア加工、フレキソ印刷加工、及びインクジェット又は回転スクリーン印刷加工などのいずれかの便利な手段により適用できる可撓性フィルムなどの第一マスク654と同じ材料であることができる。第二マスク656は、エンドレスループ(その詳細は図示されない)であることができる、又はそれは一つの供給ロールから供給されることもでき、及び巻き取りロールまでシステムを横断することもできるが、どれについても図には示されていない。第二マスク656は方向指示矢印D4により示される方向に運行し、ニップロール641の下で曲がりそこで液体感光性樹脂652の表面と接触し、マスクガイドロール642まで運行し、その近くで樹脂との接触から取り外される。この特別な実施形態では、樹脂の厚さの制御及びマスクの並列は同時に生じる。
【0120】
プロセスの第十一工程は、液体感光性樹脂652を第二マスク656を通して活性化波長の光に再び暴露し、それによって第二マスク656の透明領域と見当のあった領域の樹脂、即ち突出部2250の硬化を生じさせることを含む。図23に示される実施形態では、裏打ちフィルム653、部分的に形成された成形構造体603、液体感光性樹脂652、及び第二マスク656のすべてが、ニップロール641からマスクガイドロール642の近くまで共に運行する単位を形成する。ニップロール641とマスクガイドロール642の中間であり、及び裏打ちフィルム653及び部分的に形成された成形構造体603が成形単位613になお並列する場所に位置する場合、液体感光性樹脂652は照射ランプ655により供給される活性波長の光に暴露される。前のように、照射ランプ655は一般に、主として、液体感光性樹脂の硬化を生じる波長内の照明を提供するように選択される。その波長は液体感光性樹脂の特徴である。前のように、好ましい実施形態では、樹脂は紫外線硬化可能であり、及び照射ランプ655は紫外線光源である(実際、上記のプロセスの第一段階で用いられた同じ光源である)。
【0121】
上記のように、液体感光性樹脂が適切な波長の光に暴露される場合は、硬化は樹脂の暴露された部分に生じる。硬化は、暴露された領域の樹脂の固化によりに現れる。逆に、暴露されていない領域は流体のまま残留する(又は部分的に形成された成形構造体603の前に硬化された部分の場合は部分的に硬化される)。照明の強度及びその持続時間は、暴露された領域内に必要とされる硬化の程度に依存する。暴露強度の絶対値及び時間は、樹脂の化学的性質、その光特性、樹脂コーティングの厚さ、及び選択されるパターンに依存する。更に、暴露の強度、及び光の入射角は、突出部2250の壁におけるテーパーの存在又は不在について重要な影響を有することができる。前述のように、壁のテーパーを減らすために光コリメーターを使用することができる。
【0122】
プロセスの十二工程は、部分的に硬化された成形構造体350から実質的にすべての非硬化液体感光性樹脂を再び除去することである。即ち第二の硬化工程で、光への暴露から遮断された樹脂がシステムから除去される。図23に示される実施形態では、マスクガイドロール642の近くの点では、第二マスク656及び裏打ちフィルム653が今や部分的に硬化された樹脂621から物理的に分離されるが、この部分的に硬化された樹脂621は今や、完成された、即ち陥没部710及び突出部2250の両方を有する成形構造体350の部分的に又は実質的に完全に硬化された樹脂を包含する。部分的に硬化された樹脂621は、第一の樹脂除去シュー(shoe)623の近くまで運行する。第一樹脂除去シュー(shoe)623において、かなりの量の液体(非硬化)感光性樹脂、並びに陥没部710に隣接する硬化された「突出部」が複合体から除去されるように、複合体の一つの表面に真空が適用される。第二硬化工程において、第二マスク656は、樹脂の硬化を成形構造体350の第一表面900に対応する部分上のみに限定しないことに注意のこと。第二硬化工程は、実際に「突出部」を、部分的に硬化された複合体603の全領域にわたって均一に硬化する。しかしながら、結合部材910上の硬化された樹脂の部分のみが、第一表面900において結合部材910に結合し、及び前に硬化された樹脂部分と本質的に一体になる。したがって、真空及び水洗浄工程において、隣接する陥没部710の中にある「突出部」に対応する硬化された樹脂の部分は、より完全に以下に記述されるように、最終硬化のための最終光暴露の前に単に除去される。
【0123】
複合体が更に先へ運行すると、それは樹脂洗浄シャワー624、及び樹脂洗浄ステーションドレイン625の近くに至り、その地点で複合体は水又はその他の好適な液体により完全に洗浄されて残留液体(非硬化)感光性樹脂の実質的にすべて、並びに完成した成形構造体350の部分を形成しないいずれの硬化された樹脂も除去し、これらのすべてはシステムから樹脂洗浄ステーションドレイン625を通って再生利用又は廃棄のため排出される。例えば、第二段階の陥没部の領域の光活性化により形成された硬化された樹脂は洗い流される。こうした硬化された樹脂は好ましくは内在する小アパーチャのある部材に接着せず、及び接着する場合には、接着の程度は好ましくは、望ましくない硬化された材料が洗い流されるのを防止するには不十分である。
【0124】
実質的にすべての非硬化樹脂が除去され、及び残留樹脂が成形構造体350のための最終形態になった後、残留樹脂は好ましくは水浴630などの酸素を含まない媒質中で第二光源660により完全に硬化される。酸素を含まない媒質は、酸素が残留非硬化樹脂の最終紫外線硬化を妨害しないことを確実にする。酸素は、ラジカル重合の鎖の成長を遅くする又は停止する可能性がある。
【0125】
図23に示されるように、一連のガイドロール616は、部分的に形成された成形構造体350を水浴630の中に導くために必要に応じて用いることができる。しかしながら実際のところ、部分的に形成された成形構造体350を、浅い例えば深さ25.4mmの水のトレイ中に自重により単に浸漬させることを包含するいずれのプロセス構成も使用することができる。活性光660への樹脂の最終暴露は、その完全に硬くなった及び丈夫な状態への樹脂の完全な硬化を確実にする。
【0126】
上記の十二工程の二段階プロセスは、小アパーチャのある要素601の全長が処理され及び成形構造体350に変換される時まで続く。ベルト型成形構造体351として示される完成した成形構造体は次に、例えば図29を参照して記述されるプロセスのようなウェブ形成プロセスに用いることができる。
【0127】
そのため一般に、硬化は数段階で行われることができ、その結果、最初に成形構造体のアパーチャ710に対応する紫外線遮断部分を有する(例えば涙の滴のパターンの紫外線遮断部分を有する)ネガティブのマスクを用いて、紫外線光源をマスクに直交して十分な時間の間導くことによりポリマーを最初に部分的に硬化することができる。マスクされていない領域で一旦ポリマーが部分的に硬化されたら、紫外線を通す密集した複数の斑点又は点を含む第二マスクが、光源と部分的に硬化されたポリマーとの間に設置され得る。ポリマーは、突出部2250になるポリマー部分を完全に硬化するために、紫外線により再び硬化される。一旦突出部が完全に硬化されたら、残留する非硬化ポリマー(及び部分的に硬化されたポリマー)が除去されて、図22〜26に示されるものに類似する特徴を有する成形構造体を残すことができる。記述される手順は、例えば材料のハンドシートの見本を製造するために用いることができる。
【0128】
ベルト型成形構造体の形成の実施例:
図24〜26に示される成形構造体350が、図23に関する上記のプロセスによって製造された。特に、小アパーチャのある要素601は、ペンシルベニア州ハノーバーのスター・ブランド・スクリーニング(Star Brand Screening)からのハノーバー・ワイヤークロス(Hanover Wire Cloth)として入手可能な18x16メッシュの明るいアルミニウムのスクリーニングであった。スクリーニングは厚さおよそ0.5mm(0.021インチ)、幅61cm(24インチ)、及びフィラメントの織ったメッシュを具備し、各フィラメントはフィラメント直径約0.24mmを有した。スクリーニングは、長さ約15m(50フィート)であり、及び縫った継ぎ目によりエンドレスベルトに形成された。
【0129】
裏打ちフィルムは、米国オハイオ州クリーブランドのマイルズロード19499のグラフィックス(Graphix)から品目NO.R04DC30600として入手可能な厚さ0.1mm(.004インチ)の二軸配向透明ポリエステルフィルムであった。感光性樹脂は、米国デラウェア州ウィルミントンのマクダーミッド・イメージング・テクノロジー社(MacDermid Imaging Technology,Inc.)から購入されたXPG2003−1であり、これは製造業者から受領したように室温で使用された。
【0130】
第一マスクは、米国イリノイ州シカゴのアゾン(Azon)から入手可能な0.1mm(.004インチ)カラー・クリアー・フィルム(Color Clear Film)787Nであり、及び図27に示されるように涙の滴のパターンを印刷された。第一マスクは、パターンを直接アゾン(Azon)のカラー・クリアー・フィルム(Color Clear Film)上にインクジェット印刷することにより作成された。
【0131】
成形単位は、直径約108cm(42.5インチ)及び幅約71cm(28インチ)のドラムを具備した。それは、表面速度1分当たり約41cm(16インチ)で回転した。
第一の成形について、感光性樹脂がノズルを通して約1.7mm(0.067インチ)の制御された全体の厚さに適用されたが、厚さは成形単位の間隔及び上記のようにニップロールにより制御された。
【0132】
照射ランプ、即ち上述のランプ655は、米国メリーランド州ゲイサーズバーグのクロッパーロード910のフュージョンUVシステムズ(Fusion UV Systems)から購入された紫外線システムVPS/1600システム、モデルNo.VPS−6であった。照射ランプは第一マスクから約35cm(14インチ)に設置され、及び照射は、マスク表面から約6.4mm(2.5インチ)に位置付けられた石英のアパーチャにより制御され(任意であり、石英のアパーチャはマスクの暴露領域全体の均一な光密度を創出するのを助ける)、並びにこれは成形単位の幅及び約10cm(4インチ)の運行方向(即ち成形ドラム613の外周の周り)に及んだ。光は、38mm(1.5インチ)の高さ(即ちハニカム構造を有する38mmの長さの管)の12.5mm(0.5インチ)の六角形ハニカムコリメーターを通して平行にされた(コリメーターは任意であるが、良好な硬化変換のために光を平行にするのを助ける)。
【0133】
第一の樹脂層が紫外線に暴露された後、第一のマスクは部分的に硬化された樹脂の複合体から分離され、及び非硬化樹脂は複合体から、水(379l/分(100ガロン/分))、ミスタークリーン(Mr.Clean)(登録商標)(0.246l/分(0.065ガロン/分))及びメリグラフシステム(Merigraph System)W6200消泡剤(0.337l/分(0.089ガロン/分))の水溶液により約46℃(115°F)の温度で、各々が幅71cm(28インチ)の多種多様な17のノズルを具備する四組のシャワーを通して洗浄された。三つのシャワーは複合体の上部から及び一つは底部から吹き付けられた。
【0134】
第一段階の後、複合体は部分的に硬化されたが、これは樹脂の第一成形は第二紫外線光源、例えば上記のランプ660により完全に硬化されなかったことを意味する。樹脂の第一成形を含む部分的に硬化された複合体は、今や成形構造体350の涙の滴の形状の陥没部710を含んだ。樹脂の第一成形は、約1.3mm(0.050インチ)の小アパーチャのある要素上の厚さを示した。部分的に硬化された複合体は、プロセスの第二段階において成形単位上に二度目に戻ってきた。同じ感光性樹脂が約2mm(0.077インチ)の全体の厚さに適用されたが、これは樹脂の第一適用より約0.24mm(0.010インチ)厚かった。第二マスクが用いられたが、第二マスクは、直径0.08mm(0.003インチ)、及び図28に示されるように正三角形の配列で中心から中心まで0.18mm(0.007インチ)の間隔をあけた小さい透明な円のパターンを有した。
【0135】
複合体は光源655により上記のように再び硬化され、及びシャワー624を上記のように受けた。シャワーが実質的にすべての非硬化樹脂を除去した後、複合体は後硬化紫外線を例えば光源660から複合体に導くことにより後硬化されたが、一方で複合体は、亜硫酸ナトリウム9.5g/水1l(亜硫酸ナトリウム36g/水1ガロン)を含有する2.5cm(1インチ)の水に沈められた。亜硫酸ナトリウムは任意であるが、良好な脱酸素剤である。後硬化紫外線光源は、複合体から約20cm(8インチ)に設置された。
【0136】
結果として得られるベルト型成形構造体351は、第一表面から延出する実質的に均一な円形断面を有する円柱形状の支柱(即ち突出部2250)を示した。突出部の各々は、高さ約105μ、直径約66μ、及び中心から中心までの間隔約188μを有した。ベルト型成形構造体351は、均一な涙の滴の形状の陥没部710を更に示した。上記のプロセスにより製造されたベルト型成形構造体の代表的部分の顕微鏡写真が、図24〜26に示される。その突出部は継ぎ目がなく、成形構造体の第一表面の一体化した延長であることに注意のこと。これは、ポリマーがプロセスの第一段階で部分的にのみ硬化され、突出部の形成後に最終的に硬化されるためであると考えられている。
【0137】
上記の感光性樹脂硬化プロセスを使用する本発明の成形構造体を形成する方法の変形は、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。例えば、一つの実施形態では、上記の十二工程プロセスは、第一マスク654を除外することにより、又は単にマスク654を完全に透明にすることにより変更することができる。この実施形態では、第一層に付着するすべての樹脂、又は紫外線硬化可能樹脂のコーティング652が部分的に硬化されて、部分的に硬化された樹脂のモノシリックな「スラブ」を形成する。第二マスク656の使用による突出部2250の形成を包含するプロセスの残りの工程は上記のように実行される。この方式では、成形構造体は、突出部2250を有するが、陥没部710を有せずに形成される。陥没部710はそのためレーザーエッチングによるなど別のプロセスにより形成され得る。
【0138】
成形構造体を製造する他の方法が考えられる。例えば、熱硬化(例えば加硫樹脂)又は紫外線硬化可能樹脂などの樹脂が材料の「スラブ」に部分的に硬化される(即ち部分的に重合される)ことができ、部分的硬化はスラブを円筒形スリーブ上にラッピングするプロセスにおいてスラブを取り扱うのに十分である。スパイラルラッピングによるか、又は個々のスラブを完全な円筒形の形態に接合するかのいずれかにより一旦ラッピングされると、部分的に硬化された樹脂は完全に硬化されることができ、それによって重合された材料の単一の完全に硬化された円筒形スリーブを形成し、これはその後例えばレーザーエッチングにより、陥没部710及び/又は突出部2250を形成することができる。こうしたプロセスの利益は、成形構造体の円筒形の形態が継ぎ目を作る必要なしに達成できることである。したがって継ぐ工程を伴う典型的なベルト製造プロセスとは異なり、そのように製造された成形構造体は本質的に継ぎ目がない。更に硬化可能樹脂の個々の層は、異なる材料特性を有する層を配置して、例えばその厚さにわたって変化する材料特性を有する成形構造体を形成することができるように、所定の方式により積み重ねることができる。追加の加工工程として、上記の層化プロセスにおいて、非硬化の硬化可能樹脂の層を部分的に硬化された樹脂の層の間に適用することは有益である場合がある。
【0139】
更に、材料の部分的に硬化された「スラブ」の円筒形の形態への使用により成形構造体を製造する方法についての別の任意の変形として、部分的に硬化されたスラブは、最外層であってその上に突出部2250を形成される層である最外層により層化されることができる。したがって、完全に硬化する際に、完全に硬化される樹脂は、最終の円筒形の成形構造体を製造するために、例えばレーザーエッチングにより、ただ陥没部710を形成されることのみが必要である。
【0140】
円筒形の形態上に設置される材料の部分的に硬化された「スラブ」の使用により成形構造体を製造することの一つの利点は、使用される円筒形の形態が成形構造体のための全体の支持構造の一部であり得ることである。例えば部分的に硬化されたスラブは、金属又はポリマースクリーン部材のような小アパーチャのある部材の上に層化できる。一旦完全に硬化されると、部分的に硬化されるスラブは小アパーチャのある部材に接着する可能性があり、これはその結果、成形構造体の単一部分になり、及び強度及び耐久性を成形構造体に提供することができる。更に、部分的に硬化されたスラブは、相対的に硬いが空気透過性の膜、例えば成形構造体に支持及び剛性を提供できるハニカム膜上に積み重ねられることができる。例えば、金属ハニカム構造は管状形態で提供されることができ、その結果材料の部分的に硬化されたスラブを完全に硬化する際に、最終構造は相対的に硬く円筒形の空気透過性の成形構造体である。
【0141】
成形構造体350をネガティブの金型の中で成形し、硬化し及び取り出す成形技術による作成を包含する、成形構造体を製造するその他の方法が考えられる。一つの実施形態では、ポリマー基材などの基材は、レーザー機械加工されて、成形構造体350のネガティブ、即ち成形構造体350の内部の形状を有する金型を形成することができる。一旦レーザー機械加工されたら、ポリマーは金型の中で直接に成形されることができる(当該技術分野において既知のような適切に適用された離型剤などを用いる)。結果として生じる成形構造体350は金型のポジティブの形状を有する。あるいはレーザー機械加工金型は、例えば金属の成形構造体350をその中に電気メッキすることにより構築された可能性もある。また成形構造体は、電気メッキ技術により形成する可能性があり、その際材料の連続層は好適な形態に構築される。
【0142】
成形構造体350を、可撓性ポリマー材料、例えば図15、及び24〜26に関して記述される材料から製造することの一つの利点は、成形構造体が、上記のトルクハン(Trokhan)の’289号の特許に用いられる製紙ベルトに酷似した連続ベルトとして使用されるのに十分なほど可撓性であることである。こうした連続ベルトは、本明細書では可撓性の「ベルト型」成形構造体351と呼ばれる。「ベルト型」とは、成形構造体が材料の連続する可撓性バンドの形態であり、相対的に硬い管状のドラム形状の構造とは対照的に、コンベヤーベルト又は製紙ベルトに酷似していることを意味する。実際本発明の成形構造体は、ティッシュペーパーなどの折り目加工された紙を製造するための製紙加工における製紙ベルトとして使用できる。
【0143】
図29は、可撓性のベルト型成形構造体351を使用して本発明のポリマーウェブ80を製造するためのプロセスの一つの実施形態の簡略化された配置図を示す。示されるように、ベルト型成形構造体351は、様々なローラー、例えばローラー610により導かれ及び張力をかけて保持される連続的ベルト型部材であることができる。ベルト型成形構造体351は成形ドラム518上に導かれる。成形ドラム518上ではベルト型成形構造体が成形ドラム518により支持されるが、前駆体フィルム120は成形構造体351上で支持される。成形構造体351上のウェブ80の形成は、図9及び成形ドラム350に関する上記と同じ方法で進行する。そのため、前駆体ウェブ120は液体噴射540(又は噴射)、並びに乾燥手段590(又は乾燥/アニール手段)を受ける可能性がある。しかしながら図29に概略的に記述されるプロセスにおいて、より完全に以下に記述されるように、乾燥(及び/又はアニール)はプロセスの他の場所で提供されるため、成形ドラム518上の乾燥手段590は任意である。そのため、図29に関して記述される実施形態では、乾燥手段590は、前駆体ウェブ120を更に形成するための再加熱手段により置き換えることができる。
【0144】
一つの実施形態では、液体噴射540は用いられず、及びプロセスは本質的に液体を含まないプロセスである。こうしたプロセスでは、液体噴射540及び/又は乾燥手段590は上記のように再加熱手段により置き換えられる。前駆体フィルム120は、再加熱手段により加熱され、これは必要であれば真空と共に前駆体ウェブ120を成形構造体351に適合させる。このプロセスでは液体が用いられないために乾燥は必要なく、及び本明細書に開示される乾燥工程は除外することができる。
【0145】
図29に見られるように、ベルト型成形構造体351は成形ドラム518上を単に回転するのではなく、成形ドラム518の上に導かれ及び離れるように導かれる。ベルト型成形構造体351が成形ドラム518上に導かれる場合、それは好ましくは乾燥している。ベルト型成形構造体351が成形ドラム518により支持された後、又は現在それと共にある場合、前駆体ウェブ120はベルト型成形構造体351上に導かれ、及び上記のようにハイドロフォーミングされる。乾燥手段590を過ぎた後、ベルト型成形構造体351及び本発明の三次元アパーチャを有する成形フィルムウェブ80は共に、成形ドラム518を離れるように導かれる。即ちポリマーウェブ80はベルト型成形構造体351に密接し及び支持される。これは、ポリマーウェブ80がベルト型成形構造体351によりなお支持される間に、必要であれば乾燥又はアニールなどの更なる加工が起きることを可能にする。この方式によりポリマーウェブ80は、否定的な方式で崩壊、分裂、ないしは変形せずにより大きな作業に耐えることができる。
【0146】
ベルト型成形構造体351及びポリマーウェブ80は、空気通過乾燥手段800まで図29に示される方向、即ち機械方向に導かれる。空気通過乾燥手段は、図29に示されるように回転ドラムの形態であることができるが、その他の既知の構造のいずれかであることができる。乾燥手段800は、ウェブの乾燥をもたらすようにポリマーウェブ80及びベルト型成形構造体351を強制的に通過させる空気を好ましくは使用する。しかしながら、製紙業界で一般的な毛管乾燥又は限定開口部(limited orifice)乾燥技術の使用などのその他の乾燥手段も考えられる。
【0147】
図29に示される乾燥手段は、回転多アパーチャ性乾燥ドラム802を具備する。ベルト型成形構造体351及びポリマーウェブ80が乾燥ドラム802により支持される時、空気のような乾燥流体はベルト型成形構造体351及びポリマーウェブ80を強制的に通過させられる。空気などの流体は、図29に示されるように乾燥ドラム802の外側から内側に強制的に通過させられることができるか、又はそれは内側から外側に強制的に通過させられることができる。どちらの構造についても、重要なことはポリマーウェブ80がベルト型成形構造体351上に完全に支えられて残っている間に、ポリマーウェブ80の乾燥が流体によりもたらされるということである。乾燥ドラム802から離れるように導かれる前にポリマーウェブ80の適切な乾燥を確実にするために、乾燥ドラムの寸法、流体の流速、流体の含水量、乾燥ドラムの回転速度のすべては必要に応じて調整され得る。
【0148】
乾燥ドラム802は、ポリマーウェブ80及びベルト型成形構造体351を通る流体の流れを助けるために真空室808を有することができる。更に流体除去手段を使用して、ポリマーウェブ80から除去される液体を除去することができる。流体除去手段には、成形ドラム802の簡単なドレーンを挙げることができるが、また水をハイドロフォーミング装置に再循環するために当該技術分野において既知のようなポンプによる積極的な除去を挙げることもできる。乾燥ドラム802は、正圧室810を有することができ、これはベルト型成形構造体351を支持するプロセスを繰り返す前に、過剰の水分を成形ドラム802の表面から除去するのを助ける。除去された液体は単に容器804内に捕捉されることができ、及び水の再循環システム中にドレーン排出することなどによって適切に除去され得る。
【0149】
一旦ポリマーウェブ80及びベルト型成形構造体351が乾燥ドラム802から離れるように導かれたら、ポリマーウェブ80は分離点830においてベルト型成形構造体351から分離される。この点からポリマーウェブ80は、必要であれば例えば放射熱乾燥手段840により追加の乾燥を受けてもよく、及び同様にベルト型成形構造体は、例えば強制空気乾燥手段850などの追加の乾燥手段を受けてもよい。すべての場合において、ポリマーウェブ80がロールストックに最終加工される前に十分に乾燥していること、及びポリマーウェブ80の毛髪様フィブリル225の内部に水分を導入することを避けるために、ベルト型成形構造体351が十分に乾燥していることを確実にするために、加工条件下で好適なその他の乾燥手段を必要に応じて使用することができる。十分な乾燥手段は、ポリマーウェブのカビ又は白カビなどの製造後の水分に関連する問題が最小限にされる又は除外されるように十分に乾燥する。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】同一出願人による米国特許第4,342,314号に一般に開示された種類の、先行技術のポリマーウェブの拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図2】同一出願人による米国特許第4,629,643号に一般に開示された種類の、先行技術のポリマーウェブの拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図3】本発明の成形構造体上に製造されたポリマーウェブの拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図4】本発明のポリマーウェブの特定の特徴をより詳細に示す、図3に示されるウェブ部分の更に拡大された部分図。
【図5】図4の切断線5−5に沿って取られた断面の断面図。
【図6】本発明のポリマーウェブの第一表面の平面内に突き出た代表的なアパーチャの形状の平面図。
【図7】本発明の生理用品の構造をより明瞭に示すために切除した部分を有する生理用ナプキンの上部平面図。
【図8】図7の切断線8−8に沿って取られた生理用ナプキンの断面図。
【図9】本発明の単一相形成プロセスの簡略化された模式図。
【図10】本発明の成形構造体の拡大された部分的にセグメント化された斜視図。
【図11】図10に示される成形構造体の部分の更に拡大された部分図。
【図12】図11に示される成形構造体の部分の更に拡大された部分図。
【図13】本発明の成形構造体の一つの実施形態の顕微鏡写真。
【図14】図13の成形構造体の部分の拡大図。
【図15】本発明の成形構造体の別の実施形態の顕微鏡写真。
【図16】図15に示されるものに類似した成形構造体の部分の拡大図。
【図17】本発明の成形構造体上に製造されたウェブの部分の顕微鏡写真。
【図18】図17に示されるウェブの部分の拡大図。
【図19】本発明の成形構造体上に製造されたウェブの部分の顕微鏡写真。
【図20】本発明の成形構造体上に製造されたウェブの部分の拡大図。
【図21】本発明の成形構造体の平面図。
【図22】図21に示される成形構造体の断面図。
【図23】本発明の成形構造体を製造するための方法の配置図。
【図24】本発明の成形構造体の拡大された部分を示す顕微鏡写真。
【図25】図24に示される成形構造体の更に拡大された部分を示す顕微鏡写真。
【図26】図24に示される成形構造体の断面の拡大された部分を示す顕微鏡写真。
【図27】本発明の成形構造体を製造するためのプロセスに用いられる第一マスクの図。
【図28】本発明の成形構造体を製造するためのプロセスに用いられる第二マスクの図。
【図29】本発明のベルト型成形構造体を用いるウェブを製造するためのプロセスの簡略化された模式図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巨視的に膨張された三次元のアパーチャを有するポリマーウェブを製造するのに用いる形成構造体であって;前記形成構造体が:
a.複数の成形構造体のアパーチャを規定する複数の形成構造体の相互に連結する部材であって、前記形成構造体のアパーチャが、前記形成構造体の相対する第一表面及び第二表面の間の流体連通を可能にする部材;
b.前記形成構造体の前記第一表面から延出する複数の突出部
を含み;及び
c.少なくとも約1の平均縦横比を有するほぼ円柱状の形態である前記突出部を特徴とする成形構造体。
【請求項2】
前記形成構造体がポリマー材料を含むことを更に特徴とする、請求項1に記載の形成構造体。
【請求項3】
前記突出部が少なくとも約2、及び好ましくは少なくとも約3の平均縦横比を有することを更に特徴とする、請求項1又は2に記載の形成構造体。
【請求項4】
前記突出部が、前記形成構造体の前記第一表面から前記突出部の遠位端まで測定される振幅を有し、前記突出部が、どの横断面の最大寸法も、より大きい振幅での横断面の同様の寸法より大きいように成形されることを更に特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の形成構造体。
【請求項5】
前記相互に連結する部材が、卵形、円形、涙滴形、楕円形、アワーグラス形、及びハート形から成る群から選択される形状を有する形成構造体のアパーチャを規定することを更に特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の形成構造体。
【請求項6】
前記ポリマー材料が熱硬化性樹脂材料であることを更に特徴とする、請求項2に記載の形成構造体。
【請求項7】
前記熱硬化性樹脂材料が紫外線硬化可能樹脂であることを更に特徴とする、請求項6に記載の形成構造体。
【請求項8】
前記形成構造体が可撓性ベルト型形成構造体であることを更に特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の形成構造体。
【請求項1】
巨視的に膨張された三次元のアパーチャを有するポリマーウェブを製造するのに用いる形成構造体であって;前記形成構造体が:
a.複数の成形構造体のアパーチャを規定する複数の形成構造体の相互に連結する部材であって、前記形成構造体のアパーチャが、前記形成構造体の相対する第一表面及び第二表面の間の流体連通を可能にする部材;
b.前記形成構造体の前記第一表面から延出する複数の突出部
を含み;及び
c.少なくとも約1の平均縦横比を有するほぼ円柱状の形態である前記突出部を特徴とする成形構造体。
【請求項2】
前記形成構造体がポリマー材料を含むことを更に特徴とする、請求項1に記載の形成構造体。
【請求項3】
前記突出部が少なくとも約2、及び好ましくは少なくとも約3の平均縦横比を有することを更に特徴とする、請求項1又は2に記載の形成構造体。
【請求項4】
前記突出部が、前記形成構造体の前記第一表面から前記突出部の遠位端まで測定される振幅を有し、前記突出部が、どの横断面の最大寸法も、より大きい振幅での横断面の同様の寸法より大きいように成形されることを更に特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の形成構造体。
【請求項5】
前記相互に連結する部材が、卵形、円形、涙滴形、楕円形、アワーグラス形、及びハート形から成る群から選択される形状を有する形成構造体のアパーチャを規定することを更に特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の形成構造体。
【請求項6】
前記ポリマー材料が熱硬化性樹脂材料であることを更に特徴とする、請求項2に記載の形成構造体。
【請求項7】
前記熱硬化性樹脂材料が紫外線硬化可能樹脂であることを更に特徴とする、請求項6に記載の形成構造体。
【請求項8】
前記形成構造体が可撓性ベルト型形成構造体であることを更に特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の形成構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図28】
【図29】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図28】
【図29】
【図27】
【公表番号】特表2006−515902(P2006−515902A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563959(P2004−563959)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040964
【国際公開番号】WO2004/058460
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040964
【国際公開番号】WO2004/058460
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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