説明

柔軟剤組成物

【課題】繊維に対する柔軟性付与効果に優れる柔軟剤組成物を提供することである。
【解決手段】下記一般式(1)で表される単量体(a)を構成単位とする高分子化合物(A)を含有してなる柔軟剤組成物。
【化1】


式中、Rは水素原子又はメチル基である。Xは−CON(R)R、−CHNHCON(R)R又は−CHNHCOORで表される基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
1分子中に1個又は2個の長鎖アルキル基を有する4級アンモニウム塩や3級アミンの酸塩等のカチオン性界面活性剤が、繊維への柔軟性付与効果を有することは公知の技術であるが、その効果は十分とはいえなかった。そこで、柔軟性付与効果の向上を目的として、カチオン基を有する特定構造のモノマーからなるポリマーを柔軟剤組成物に配合したものが提案されているが(特許文献1、2)、それらの柔軟性付与効果も未だ満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000−505736号公報
【特許文献2】特開2008−144316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、繊維に対する柔軟性付与効果に優れた柔軟剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される単量体(a)を構成単位とする高分子化合物(A)を含有してなる柔軟剤組成物である。
【化1】

式中、Rは水素原子又はメチル基である。Xは−CON(R)R、−CHNHCON(R)R又は−CHNHCOORで表される基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の柔軟剤組成物は、繊維に対する柔軟性付与効果に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の柔軟剤組成物は、一般式(1)で表される単量体(a)を構成単位とする高分子化合物(A)を含有してなる。
一般式(1)におけるRは、水素原子又はメチル基である。
一般式(1)におけるXは、−CON(R)R、−CHNHCON(R)R又は−CHNHCOORで表される基である。Xのうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは−CONR−Rで表される基である。
及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基が挙げられる。
炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ−n−プロピル基及びヒドロキシイソプロピル基が挙げられる。
及びRのうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基である。
、R及びRのうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは水素原子及びメチル基である。
【0008】
一般式(1)で表される単量体(a)のうち、Xが−CON(R)Rで表される基を有するものとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド及びN,N−ジエチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0009】
一般式(1)で表される単量体(a)のうち、Xが−CHNHCON(R)Rで表される基を有するものとしては、アリル尿素及びN−メチル−N’−アリル尿素等が挙げられる。
【0010】
一般式(1)で表される単量体(a)のうち、Xが−CHNHCOORで表される基を有するものとしては、N−(t−ブトキシカルボニル)アリルアミン等が挙げられる。
【0011】
本発明における高分子化合物(A)は、一般式(1)で表される単量体(a)に加え、更に一般式(2)で表される単量体(b1)及び/又は一般式(3)で表される単量体(b2)からなる単量体(b)と、一般式(4)で表される単量体(c)を構成単位とすることにより、柔軟性付与効果が向上するため好ましい。
【0012】
【化2】

【0013】
一般式(2)におけるRは、水素原子又はメチル基である。
一般式(2)におけるYは、−COOR10−又は−CON(R11)R12−で表される基であり、R10及びR12は、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基、R11は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。Yのうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは−CON(R11)R12−で表される基である。
炭素数2又は3のアルキレン基としては、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、プロピレン基、プロピリデン基及びイソプロピリデン基等が挙げられる。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
10及びR12のうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは、プロピレン基である。
11のうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは水素原子である。
一般式(2)におけるR及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、一般式(1)におけるR及びRとして例示したものと同様のものが挙げられる。
及びRのうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのはメチル基である。
【0014】
一般式(2)で表される単量体(b1)のうち、Yが−COO−R10−で表される基を有するものとしては、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノブチル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノブチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノブチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノメチル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノブチル及びメタクリル酸−N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
【0015】
一般式(2)で表される単量体(b1)のうち、Yが−CON(R11)R12−で表される基を有するものとしては、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチルアクリルアミド及びN,N−ジメチルアミノブチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0016】
単量体(b1)は酸で中和してもよく、中和に用いる酸としては、硫酸、塩酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸及びクエン酸等が挙げられる。
【0017】
【化3】

【0018】
一般式(3)におけるR13は、水素原子又はメチル基である。
一般式(3)におけるYは、−COOR17−又は−CON(R18)R19−で表される基であり、R17及びR19は、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基、R18は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。
炭素数2又は3のアルキレン基としては、一般式(2)におけるR10及びR12として例示したものと同様のものが挙げられる。
炭素数1〜3のアルキル基としては、一般式(2)におけるR11として例示したものと同様のものが挙げられる。
一般式(3)におけるR14、R15及びR16は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、一般式(1)におけるR及びRとして例示したものと同様のものが挙げられる。
17及びR19のうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは、エチレン基及びプロピレン基である。
18のうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは水素原子である。
14、R15及びR16のうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのはメチル基である。
【0019】
一般式(3)におけるnは1〜3の整数であり、Xn−はn価のハロゲンイオン又はアニオン性基である。
n価のハロゲンイオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン及びヨウ素イオン等が挙げられる。
n価のアニオン性基としては、n価の無機酸又は有機酸から構成されるアニオン性基が挙げられる。
n価の無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸及びリン酸等が挙げられる。
n価の有機酸のうち、1価の有機酸としては、炭素数1〜22のモノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、エチル安息香酸、桂皮酸及びt−ブチル安息香酸等)及びアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、スレオニン、グルタミン、アスパラギン、システイン及びメチオニン等)等が挙げられる。
2又は3価の有機酸としては、アルキル(炭素数1〜4)硫酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びトリメリット酸等が挙げられる。
n−のうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのはハロゲンイオンであり、更に好ましいのは塩素イオンである。
【0020】
一般式(3)で表される単量体(b2)のうち、Yが−COOR17−で表される基を有するものとしては、N,N,N−トリメチル−N−(2−アクリロイルオキシエチル)アンモニウムクロライド、及びN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
一般式(3)で表される単量体(b2)のうち、Yが−CON(R18)R19−で表される基を有するものとしては、N,N,N−トリメチル−N−(2−アクリロイルアミノプロピル)アンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルアミノプロピル)アンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−(2−アクリロイルアミノエチル)アンモニウムエチルサルフェート、N,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルアミノプロピル)アンモニウムメチルサルフェート等が挙げられる。
【0021】
【化4】

【0022】
一般式(4)におけるR20は、水素原子又はメチル基である。
一般式(4)におけるZは、−O−CO−R21、−COO−R22又は−CON(R23)R24で表される基であり、R21、R22及びR24は、それぞれ独立に炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル基、R23は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。
炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル基としては、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソ−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ステアリル基、イソステアリル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基及びn−テトラコシル基等が挙げられる。これらのうち、柔軟性付与効果の観点から好ましいのは、炭素数が16〜24のアルキル基である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、一般式(2)におけるR10及びR12として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0023】
一般式(4)で表される単量体(c)のうち、Zが−O−CO−R21で表される基を有するものとしては、デカン酸ビニル、デカン酸イソプロペニル、テトラデカン酸ビニル、テトラデカン酸イソプロペニル、ステアリン酸ビニル、ステアリン酸イソプロペニル、テトラコサン酸ビニル及びテトラコサン酸イソプロペニル等が挙げられる。
一般式(4)で表される単量体(c)のうち、Zが−COO−R22で表される基を有するものとしては、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸イソヘキサデシル、メタクリル酸n−ステアリル基及びアクリル酸n−テトラコシル基等が挙げられる。
一般式(4)で表される単量体(c)のうち、Zが−CON(R23)R24で表される基を有するものとしては、N−n−オクチルアクリルアミド、N−n−テトラデシルメタクリルアミド、N−メチル−N−テトラデシルアクリルアミド、N−メチル−N−イソヘキサデシルアクリルアミド等が挙げられる。
【0024】
高分子化合物(A)は、単量体(a)、(b)及び(c)以外に、ビニル基を有する単量体(d)を構成単位としてもよい。単量体(d)としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、ポリオキシアルキレンアクリル酸モノエステル、ビニルアルコール、酢酸ビニル、アリルアルコール、ポリオキシアルキレンアリルエーテル、スチレン、スチレンスルホン酸及びスチレンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0025】
高分子化合物(A)は、柔軟性付与効果の観点から、(A)の重量に基づき単量体(a)が1〜40重量%、(b)が1〜30重量%及び(c)が50〜90重量%の比率で構成されているものが好ましく、更に好ましくは、(a)が5〜30重量%、(b)が5〜25重量%及び(c)が60〜85重量%の比率で構成されているものである。
【0026】
高分子化合物(A)の重量平均分子量は、柔軟性付与効果の観点から好ましくは1,000〜100,000であり、更に好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜30,000である。
高分子化合物(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)
「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)[東ソー(株)製]
【0027】
高分子化合物(A)は、単量体(a)と、必要により単量体(b)、(c)、(d)とを、触媒の存在下、熱ラジカル重合、光ラジカル重合及びアニオン重合等の公知の方法で重合して得ることができる。重合温度は、好ましくは0〜200℃であり、重合反応は常圧下又は加圧下で行うことができる。
重合反応時には有機溶媒(酢酸エチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、エチル−n−プロピルエーテル及びケトン系溶媒等)、水又は有機溶媒と水との混合溶媒を使用し、反応終了後に減圧留去してもよい。
触媒としては、熱ラジカル重合の場合はアゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)及び過酸化物(t−ブチルパーオキシベンゾエート等)等が挙げられる。光ラジカル重合の場合は、光ラジカル開始剤(ベンゾインアルキルエーテル等)及び増感剤(アントラキノン等)を併用したものが挙げられる。アニオン重合の場合は、チーグラーナッタ系触媒及びメタロセン系触媒等を併用したものが挙げられる。触媒の使用量は、単量体の全重量に基づき、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0028】
本発明の柔軟剤組成物は、必要に応じて、カチオン性界面活性剤(B)を含有してもよい。(B)としては、エステル基、アミド基及び/又はエーテル基を有していてもよい総炭素数8〜30の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を、1個若しくは2個有する3級アミン又はその塩、あるいは前記3級アミンの4級化物が挙げられる。具体的にはN,N−ジアルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド(総炭素数12〜24)、N−ヒドロキシメエチル−N−メチル−N,N−ビス(アルキロイロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート(総炭素数12〜24)、N−アルキロイロキシエチル−N−アルキロイルアミノプロピルアミンの塩酸酸、及び1−アルキロイロキシエチル−1−メチル−2−アルキル−1,3−イミダゾリニウムメチルサルフェート(総炭素数12〜24)等が挙げられる。
【0029】
本発明の柔軟剤組成物は、必要に応じて、非イオン性界面活性剤(C)、親水性溶剤(D)及び水溶性無機塩(E)からなる群から選ばれる1種以上を含有してもよい。
【0030】
非イオン性界面活性剤(C)としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤(C1)及び多価アルコール型非イオン性界面活性剤(C2)等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤(C1)としては、高級アルコール(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜80)、高級アミン(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜80)、アルキル(炭素数1〜12)フェノールエチレンオキサイド付加物(付加モル数1〜80)、脂肪酸(炭素数8〜18)エチレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜80)、ポリプロピレングリコール(数平均分子量200〜4,000)エチレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜50)及びポリオキシエチレン(繰り返し単位数3〜30)アルキル(炭素数6〜20)アリルエーテル等が挙げられる。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤(C2)としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル、ラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸(炭素数10〜18)アルカノールアミド等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤(C)のうち、柔軟剤組成物の貯蔵安定性の観点から好ましいのは、アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤であり、更に好ましいのは高級アルコール(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜80)、高級アミン(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜80)である。
なお、非イオン性界面活性剤(C)は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0031】
親水性溶剤(D)としては、炭素数1〜4のアルコール及びグリコール系溶剤が挙げられる。
炭素数1〜4のアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール及びt−ブチルアルコール等が挙げられる。
グリコール系溶剤としては、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール及び1,3−ブチレングリコール等)、グリコール類のモノアルキルエーテル(エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)及びグリコール類のジアルキルエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル等}が挙げられる。
親水性溶剤(D)のうち、柔軟剤組成物の貯蔵安定性の観点から好ましいのは、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールであり、更に好ましいのは、エチルアルコール及びプロピレングリコールである。
なお、親水性溶剤(D)は、単独で用いても2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合の比率は特に限定されない。
【0032】
水溶性無機塩(E)としては、25℃の水100gに対して10g以上溶解する無機塩が挙げられ、例えばアルカリ金属塩[ハロゲン化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム及びフッ化ナトリウム等)、硫酸塩(硫酸ナトリウム及び硫酸カリウム等)及びリン酸塩(リン酸ナトリウム及びリン酸カリウム等)]、アルカリ土類金属塩[ハロゲン化物(塩化カルシウム及び塩化マグネシウム等)及び硫酸塩(硫酸マグネシウム等)]及びアンモニウム塩[ハロゲン化物(塩化アンモニウム等)及び硫酸塩(硫酸アンモニウム等)]が挙げられる。
水溶性無機塩(E)のうち、柔軟剤組成物の貯蔵安定性の観点から好ましいのは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム及び塩化カルシウムである。
なお、水溶性無機塩(E)は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0033】
本発明の柔軟剤組成物は、20℃で液体状又はペースト状であり、乳化分散体又は均一透明である。
【0034】
本発明の柔軟剤組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、撹拌装置及び加熱冷却装置を備えた混合槽に、高分子化合物(A)と、必要に応じてカチオン性界面活性剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、親水性溶剤(D)、水溶性無機塩(E)及び水を投入順序に特に制限なく投入し、10〜60℃で均一になるまで撹拌して製造する方法が挙げられる。
【0035】
本発明の柔軟剤組成物は、天然繊維、化合繊繊維及びこれらの混紡交編繊繊維の柔軟性付与に特に有用である。
天然繊維としては、木綿、麻及び羊毛等が挙げられる。化合繊繊維としては、再生セルロース繊維(レーヨン及びアセテート等)及び合成繊維(ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維及びスパンデックス等)等が挙げられる。これらの混紡交編繊維としては、木綿又は麻と他の繊維(羊毛、ポリエステル、ポリアミド及びアクリル等)との混紡交編繊維、羊毛と他の繊維(ポリエステル、ポリアミド及びアクリル等)との混紡交編繊維、ポリエステル繊維と他の繊維(レーヨン、アセテート、ポリアミド、アクリル及びスパンデックス等)との混紡交編繊維、及びポリアミド繊維と他の繊維(レーヨン、アセテート、アクリル及びスパンデックス等)との混紡交編繊維等が挙げられる。
繊維の形態としては、布、不織布、編織物及び衣服等が挙げられる。
【0036】
本発明の柔軟剤組成物は、通常1ppm〜0.5重量%の範囲の濃度(水以外の有効成分)に水で希釈して使用される。
【0037】
本発明の柔軟剤組成物で繊維を処理する際の温度は、処理する繊維の種類によって任意に選択できるが、通常5〜80℃であり、好ましくは20〜50℃である。
【実施例】
【0038】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において、部は重量部、%は重量%を示す。
【0039】
以下に、高分子化合物(A)及び比較の高分子化合物の合成例を示す。
<合成例1〜10>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート2つ、及び窒素導入管を備えた反応容器に、エタノール15部を投入し、滴下ロートに表1に示す単量体溶液を投入し、別の滴下ロートに表1に示すラジカル重合開始剤と連鎖移動剤の混合溶液を投入した。反応容器の気相部の窒素置換を行った後、密閉下80℃で、単量体溶液と、連鎖移動剤及びラジカル重合開始剤混合溶液それぞれを4時間かけて滴下し、同温度で滴下終了から2時間熟成し、濃度70%の高分子化合物(A−1)〜(A−8)、比較の高分子化合物(A’−1)、(A’−2)を得た。
【0040】
【表1】

【0041】
<実施例1〜8、比較例1〜4>
表2に記載の部数(固形分換算)の柔軟剤組成物の各原料を配合し、柔軟剤組成物(実施例1〜8、比較例1〜4)を作製した。
表1に記載の柔軟剤組成物の各原料は以下の通りである。
(B−1):N−ヒドロキシメチル−N−メチル−N,N−ビス(ステアロイロキシエチル)アンモニウムクロライド「ライオンソフターEQ」[ライオン(株)製]
(B−2):N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド「カチオンDS」[三洋化成工業(株)製]
(C−1):ポリオキシエチレンアルキルエーテル「ナロアクティーCL−200」[三洋化成工業(株)製]
【0042】
実施例1〜8、比較例1〜4の柔軟剤組成物について、繊維に対する柔軟性付与効果を以下の方法で評価した。
【0043】
<柔軟性付与効果の評価方法>
実施例1〜8、比較例1〜4の柔軟剤組成物を、有効成分が50ppmになるように水で希釈し、試験液1,500部を作製した。試験液に市販の綿タオル(綿100%)を5分間浸漬した(浴比1:20)。次いで、遠心脱水機で絞り(絞り率100%)、更に風乾して試料とした。
各試料の柔軟性を、比較例3を基準試料として5人のパネラーによる触感で下記の基準で判定し、平均点を算出した。数値が大きいほど柔軟性付与効果に優れることを表す。結果を表2に示す。
[判定基準]
5点:基準試料(比較例3)より柔軟性が良好
4点:基準試料(比較例3)より柔軟性がやや良好
3点:基準試料(比較例3)と柔軟性が同等
2点:基準試料(比較例3)より柔軟性がやや不良
1点:基準試料(比較例3)より柔軟性が不良
【0044】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の柔軟剤組成物は、繊維に対する柔軟性付与効果に優れているため、家庭用をはじめ各種繊維製品の柔軟仕上剤、特にタオル、肌着等の吸水性を要求される各種繊維製品の柔軟仕上剤として有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される単量体(a)を構成単位とする高分子化合物(A)を含有してなる柔軟剤組成物。
【化1】

[式中、Rは水素原子又はメチル基である。Xは−CON(R)R、−CHNHCON(R)R又は−CHNHCOORで表される基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【請求項2】
高分子化合物(A)が、更に一般式(2)で表される単量体(b1)及び/又は一般式(3)で表される単量体(b2)からなる単量体(b)と、一般式(4)で表される単量体(c)を構成単位とする高分子化合物である請求項1記載の柔軟剤組成物。
【化2】

[式中、Rは水素原子又はメチル基である。Yは−COOR10−又は−CON(R11)R12−で表される基であり、R10及びR12は、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基、R11は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。]
【化3】

[式中、R13は水素原子又はメチル基である。Yは−COOR17−又は−CON(R18)R19−で表される基であり、R17及びR19は、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基、R18は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。R14、R15及びR16は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。nは1〜3の整数であり、Xn−はn価のハロゲンイオン又はアニオン性基である。]
【化4】

[式中、R20は水素原子又はメチル基である。Zは−O−CO−R21、−COO−R22又は−CON(R23)R24で表される基であり、R21、R22及びR24は、それぞれ独立に炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル基、R23は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。]
【請求項3】
高分子化合物(A)が、更に、単量体(a)、(b)及び(c)以外の、ビニル基を有する単量体(d)を構成単位とする高分子化合物である請求項2記載の柔軟剤組成物。
【請求項4】
高分子化合物(A)が、(A)の重量に基づき単量体(a)が1〜40重量%、(b)が1〜30重量%及び(c)が50〜90重量%の比率で構成されてなる高分子化合物である請求項2又は3記載の柔軟剤組成物。
【請求項5】
高分子化合物(A)の重量平均分子量が1,000〜100,000である請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
【請求項6】
更に、カチオン性界面活性剤(B)を含有してなる請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
【請求項7】
更に、非イオン性界面活性剤(C)、親水性溶剤(D)及び水溶性無機塩(E)からなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の柔軟剤組成物。


【公開番号】特開2012−154010(P2012−154010A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16297(P2011−16297)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】