説明

栄養補助サプリメントおよびそれを処理する方法

植物性低分子または合成低分子(例えば、レスベラトロルおよびケルセチン)を含有する組成物であって、その低分子が生物学的に活性な形態である組成物が提供される。この低分子は、天然の供給源(例えば、ブドウまたはオオイタドリ(植物の名称、イタドリ))に由来し得る。この組成物は、上記低分子の遺伝子制御された生物活性が維持されるように処理され得る。具体的には、カプセル化に対して未加工の物質は、カプセル化の前、およびその後に生物活性を示す必要があり、そして酸素を含まない(窒素)、微光環境において処理される必要がある。この組成物は、少なくとも1つの抗酸化安定剤としての金属キレート剤、抗酸化剤、および乳化剤を、さらに含有し得る。この組成物は、栄養補助サプリメントまたは薬物の生成に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、発明の名称「Dietary Supplement and Method of Processing Same」であり、2003年10月23日に出願された米国仮特許出願番号60/59,955に基づく優先権を主張する。上記の仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、生物学的に活性な低分子を含有するカプセル化された組成物および、生物活性を維持(特に、サーチュイン(Sirtuin)1遺伝子を活性化(発現)または非活性化(サイレント)する能力を維持)するように組成物を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
レスベラトロルは、数種の植物によって傷害または真菌感染に応答して産生される、天然に存在するフェノール性殺真菌成分である。レスベラトロルは、環境的ストレス(例えば、不利な天候または昆虫、動物、もしくは病原性微生物(例えば、真菌)による攻撃)の期間の間に植物中で産生される化合物の群(フィトアレキシンと称される)の1種である。レスベラトロルは、ビニフェリンと称されるポリマーのファミリーの親分子である。その天然の供給源としては、マツの木、ユーカリ植物、タデ、ユリ科、タデ科、マメ科、クワ、ピーナッツ、ブルーベリー、クランベリー、およびマツの実(pine−kernel)が挙げられる。その最も豊富な天然の供給源は、Vitis vinifera、Vitis labrusca、およびVitis rotundifolia(マスカット(muscadine))であり、その全ては、ワインを作るのに使用されるブドウの品種である。
【0004】
レスベラトロル(C1412)(いわゆる3,4’,5トリヒドロキシスチルベン)は、シス−立体異性形態およびトランス−立体異性形態にて天然に存在する。ブドウおよびワインにおいて、レスベラトロルは、主にそのトランス立体異性形態で存在する。ワインの製造プロセスの間に、発酵が行われる一方で、ブドウの種子および皮は、絞られた汁と接触したままである。発酵プロセスの間に生成されたエタノールは、上記皮および種子からレスベラトロルを自然のままに抽出し、そして濃縮する。ワインのレスベラトロルの含有量は、ブドウの種類だけでなく、ブドウの皮/種子が発酵プロセスの間に在る時間の長さ(すなわち、皮/種子がその果汁と接触したままである時間の量)に依存する。レスベラトロルの濃度は、白ワインより赤ワインにおいて著しく高い(約10倍)。なぜならば、赤ワインの産生の間に皮/種子が、より長い時間、その果汁と接触したままであり、皮/種子からのレスベラトロルの量が増加するからである。赤ワインの代表的なボトル(750ml)において、レスベラトロルの総濃度は、0.6〜15mg/lの範囲であり得る。一旦生成されると、レスベラトロルは、ワインの詰め込みおよび処理によってワイン内に保存される(すなわち、実質的に光を通さない気密ボトル中に保存される)。さらに、このボトル自体は、代表的には涼しい暗い環境(darkened environment)(例えば、ワインセラー)に保存される。
【0005】
研究は、レスベラトロルが生物学的に活性であり、癌の予防、抗炎症特性、および心血管作用を含む数種の健康上の利益を提供することを示した。レスベラトロルは、中程度の抗酸化物質として機能し、数種の癌に関連するフリーラジカルの損傷を打ち消す。レスベラトロルはまた、転写因子NF−κBを阻害し、NF−κBは、細胞の生存、炎症および癌の増殖を担う遺伝子を刺激する。癌細胞に適用される場合、レスベラトロルは、腫瘍壊死因子−αに対して癌細胞を感作し、腫瘍壊死因子−αは、アポトーシス(細胞死)を引き起こす。疫学的研究、インビトロ研究および動物の研究はまた、高いレスベラトロル摂取量が、心血管疾患の発生率の減少(抗血小板作用および脂質低下作用を生じる)に関連することを示唆する。より最近の研究は、レスベラトロルが細胞の変性を遅らせることによって、酵母、蠕虫、およびマウスの寿命を増大させることを示唆する。3〜15ミリグラムのレスベラトロル(コップで3〜5杯分の赤ワインに存在する量)は、上記の作用を生じるのに十分であると考えられることが示唆された。
【0006】
しかし、上述の利益を提供するために、一旦生成されたレスベラトロルは、生物学的に活性なままでなければならない。レスベラトロルの生物活性を維持することは、困難である。レスベラトロルは、約1日の半減期を有し;したがって、周囲の環境に対して曝露すると、2日以内に完全に酸化する。一旦酸化されると、生物系に影響する能力は、消失する。
【0007】
栄養補助サプリメント(dietary supplement)において使用される場合、未加工のレスベラトロルは、一般的に、植物の供給源(例えば、オオイタドリ(Giant Knotweed))からのアルコール抽出物として生成され、次いでこれは、粉末に乾燥されるか、カプセル化されるか、または丸剤の形態にされ、次にこれは、気密包装中に密封される。未加工の物質としてのレスベラトロルは、一般的には有効な生物活性を示すが、レスベラトロル粉末が、カプセル化のプロセスにおいて混合(mix)および混合(blend)される場合、これは酸素に曝され、消費者に到達し得る前に、最終的に全てではないがある程度その生物活性を喪失する。結果として、レスベラトロル分子が、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、カプセル化後に存在することが確認され得るにもかかわらず、レスベラトロルは遺伝子制御された生物活性を示し得るか、または示し得ない。したがって、レスベラトロルがサプリメント中に存在し得るにもかかわらず、レスベラトロルは著しく生物活性を欠き得る。特に、レスベラトロルは、特定の抗酸化作用、エストロゲン様作用、コレステロール制御作用を示し得るが、レスベラトロルはそのゲノムに関する生物活性を失う。酵素的生物活性(例えば、ヒトの酵素を活性化および非活性化する能力)は、保存されたレスベラトロル分子(例えば、その分子がワイン中に存在するか、または研究用等級のレスベラトロルである場合)においてのみ実証された。したがって、安定化されたレスベラトロルを含み、それがその生物活性を保持し、そして特に酵素的生物活性を保持する栄養補助サプリメントを提供することが、望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の目的および要旨)
したがって、上記に照らし、そして本発明が記載される場合に明らかとなる他の理由に関して、本発明の目的は、生物学的に活性なレスベラトロルを含有するカプセル化された組成物を提供し、そしてレスベラトロルが、消費者に摂取される場合に生物学的に活性なままであるように、この組成物をカプセル化する方法を提供することである。
【0009】
酵素活性を刺激し得る植物性低分子ポリフェノールを、その酵素活性が保護されるようにカプセル化する方法を提供することは、本発明の別の目的である。
【0010】
ゲノムに関する作用(ヒトの酵素の活性化および/または非活性化が挙げられる)を有するカプセル化された組成物を提供することは、本発明のさらなる目的である。
【0011】
レスベラトロルの効力がカプセル化プロセスの間の酸素への曝露を防ぐことによって維持される、カプセル化されたレスベラトロル組成物を含有する栄養補助サプリメントを提供することは、本発明のなお別の目的である。
【0012】
栄養補助サプリメントの成分を、そのサプリメントの処理工程および包装工程の間に金属誘導性の酸化から保護することは、本発明のよりさらなる目的である。
【0013】
一般的に、本発明の実施形態は、(1)植物の供給源または合成の供給源の、生物学的に活性な形態である低分子、ならびに(2)必要に応じて(a)乳化剤、(b)抗酸化剤および(c)キレート剤のうちの少なくとも1つを含有するカプセル化された組成物を提供する。この実施形態は、(1)植物の供給源に由来するか、または合成的に生成される生物学的に活性な低分子を含む物質を得る工程、および(2)実質的に酸素を含まない環境においてこの物質をカプセル化する工程を包含する、組成物をカプセル化する方法をさらに提供する。
【0014】
本発明の上記およびよりさらなる目的、特徴、ならびに利点は、以下の本発明の特定の実施形態の詳細な説明を考慮することによって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(詳細な説明)
本発明の1つの実施形態は、植物に由来するか、または合成的に生成される低分子を含有する組成物、および延長された期間、その生物活性を維持するようにこの組成物をカプセル化する方法に関する。植物の供給源または合成の供給源による生物学的に活性な低分子は、植物性低分子ポリフェノール(例えば、レスベラトロル、ケルセチン、フィセチン、ブテイン(butein)、ピセアトノール(piceatonol)、イソリキリチゲニン(isoliquiritigenin))を含み得、これらは、その小さいサイズおよび低分子量によって、細胞壁を通過し、細胞核に進入し、そして特定の遺伝子制御された機構を変化させ得る。好ましい植物性低分子ポリフェノールは、レスベラトロル(分子量228.25)であり、これは、他のポリフェノールより良好にサーチュイン−1制御性の酵素活性を活性化することが示された。しかし、他の低分子は、利用され得る。レスベラトロルは、合成的に生成されても、植物材料(ブドウおよびタデが挙げられる)のような供給源から天然に得られてもよい。好ましくは、レスベラトロルとしては、トランス立体異性体の分子(すなわち、トランス−3,4’,5トリヒドロキシスチルベン)が挙げられ、これは、以下:
【0016】
【化1】

の化学構造を有する。時間の「延長された期間」の間に生物活性を維持するために、植物の供給源または合成の供給源の低分子は、好ましくはある期間生物学的に活性なままであり、その後分解プロセス(例えば、酸化)に起因して、その分子は自然に生物学的に不活性となる期間について、生物学的に活性なままである。例えば、レスベラトロルは、約1日の半減期を有し;したがって、レスベラトロルは、代表的に、周囲条件への曝露および栄養補助サプリメントの処理工程の間の2日以内に著しく生物活性を失う。
【0017】
本発明の別の実施形態は、以下を包含する、植物の供給源または合成の供給源の低分子をカプセル化する方法に関する:(1)植物の供給源または合成の供給源の低分子を含む物質を得る工程;(2)実質的に酸素を含まない環境においてこの物質をカプセル化する工程;ならびに(3)必要に応じて(a)キレート剤、(b)抗酸化剤、および/または(c)乳化剤をこの物質に添加する工程。
【0018】
上記で議論される通り、低分子を含む物質は、天然に由来しても合成的に生成されてもよい。さらに、上記物質は、生物学的に活性であるべきである。生物活性は、その低分子が、細胞壁を通過し、細胞核に侵入し、遺伝子制御された酵素(特に、サーチュイン1酵素)を有利に変化させる能力を含むことを意図される。好ましくは、この生物学的に活性な物質は、天然に得られる(すなわち、植物(またはその一部、例えば、その植物から得られる塊茎または果実(果肉および皮を含む))のような少なくとも1つの天然の供給源に由来する)。1つの好ましい供給源は、ブドウ(例えば、Vitis vinifera、Vitis labrusca、およびVitis rotundifolia)の種子および/または皮である。別の好ましい供給源は、イタドリ(オオイタドリ)であり、そして特に、1−polygonum cuspidatum(オオイタドリの一種)である。天然の生成プロセスは、当該分野において一般的に公知であるプロセスを包含し、これらとしては、溶媒を使用して天然の供給源から低分子を抽出する抽出プロセスが挙げられる。上記溶媒としては、水性溶媒、有機溶媒、およびそれらの混合物が挙げられる。この溶媒としては、アルコール(例えば、エタノール)が挙げられ得るが、これに限定されない。具体的な例として、抽出された低分子物質としては、植物(またはその一部)の水性溶媒抽出物または有機溶媒抽出物、果汁(例えば、ブドウの汁)、および植物の汁または果汁から作られた発酵液(例えば、ワイン)、または上述のものの任意の混合物が挙げられる。抽出された物質としては、上記抽出プロセスの間に自然に除去される不活性な植物性物質がさらに挙げられ得る。抽出された物質は、(物理的および/または化学的に)処理されて上記溶媒を除去し、そして上記低分子の濃度が増加され得る。例えば、上記溶媒は、上記抽出物から(例えば、乾燥工程によって)除去され得、乾燥粉末を残す。
【0019】
次いで低分子を含む得られた物質は、実質的に酸素を含まない環境においてカプセル化される。本明細書中で使用される場合、語句「実質的に酸素を含まない」は、100万の酸素あたり約100部未満の酸素を有する環境を含むことが意図される。理想的に、このカプセル化プロセスは、この低分子の抽出または生成の後、直ちに行われ、そして光、熱、および酸素への曝露から保護される。あるいは、低分子を含む物質は、カプセル化されるまで、実質的に酸素を含まない環境中に保存され得る。
【0020】
上記カプセル化プロセスは、以下の工程を包含する:(1)頭部分および胴体部分を含むカプセルを提供する工程;(2)生物学的に活性な低分子を含む物質でこの胴体部分を少なくとも部分的に満たす工程;(3)この頭部分を、これらの位置が少なくとも部分的に重なるようにこの胴体部分に対して軸方向に位置決めする工程;および(4)この重なる部分に沿って流体気密(空気および液体を通さない)シールを形成する工程。
【0021】
上記カプセル部分を構成する物質は、特に限定されない。好ましくは、このカプセル部分は、低い酸素透過度を有する物質を含む。例えば、このカプセル部分は、(ASTM D3985によって測定した場合に)100μmについて約165cm/m/日未満の酸素透過度を有し、より好ましくは100μmについて約4cm/m/日未満の酸素透過度を有し、そして最も好ましくは100μmについて約1cm/m/日未満の酸素透過度を有する物質を含むことが好ましい。このカプセル部分を構成する例示的な物質としては、摂取可能な物質(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはデンプン)が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な例として、この物質としては、100μmについて約3.5cm/m/日の酸素透過度を有するゼラチンが挙げられ得る。得られるカプセルとしては、約0.04cm/カプセル/日(27℃および50%の相対湿度におけるASTM D3985)までの酸素透過度を有するハードゼラチンカプセルまたはソフトゼラチンカプセルが挙げられ得る。
【0022】
さらに、不透明なカプセルが、非常に好ましい。これは、色素(例えば、二酸化チタン)をカプセル材料の処方に加えることによって達成され得る。二酸化チタンは、不活性であり、高い分子量を有し、このことは、摂取された場合に二酸化チタンが血液循環中に吸収されることを防ぐ。不透明なカプセルは、光による変性のプロセス(例えば、光酸化)によるレスベラトロル含有組成物の分解を防ぐために機能する。低い酸素透過性を有する市販の不透明なカプセルは、Capsugel(Greenwood,SC−−www.capsugel.com)から入手可能であり、これは、Licaps(登録商標)の商品名で販売される。
【0023】
生物学的に活性な低分子物質を含有する組成物をカプセル化するのに使用されるシステムは、カプセル部分の周囲に流体気密(空気および液体を通さない)シールを形成しなければならない。特に好ましいカプセル化システムおよびカプセル化プロセスは、WO 01/08631A1に開示され、これは、その全体が本明細書中に参考として援用される。このシステムおよび関連するプロセスにおいて、カプセルの頭部分およびカプセルの胴体部分は、充填チャンバー中におかれる。このカプセルの胴体部分は、望ましい投薬量の物質で満たされ、次いでカプセル部分は、頭部分が胴体部分に部分的に重なるように伸縮自在に連結される。溶媒を含む封着液体は、重なる部分(section)の間に形成された隙間に塗布され、そして上記カプセルは、この溶媒を除去し、流体気密シールを形成するために乾燥される。
【0024】
上記カプセル化プロセスが実質的に酸素を含まない環境中で起こることは、本発明にとって重要である。さらに、このカプセル化プロセスは暗に環境下(実質的に光が存在しない)で行われることが好ましい。上記で説明した通り、低分子(例えば、レスベラトロル)は、光および/または酸素に対する曝露(例えば、酸化プロセスに起因して)によってその生物活性を失う。したがって、この低分子を含有する組成物は、実質的に酸素を含まない環境を有する気密かつ暗い混合チャンバーおよび充填チャンバーを備えるシステムにおいて、混合および/またはカプセル化されるべきである。これは、酸素が除去される封入されたシステムを使用することによって達成され得る。酸素は、吸引を使用して除去されても、このシステム内の酸素を不活性気体で置換して除去されても、またはその組み合わせによって除去されてもよい。例えば、このシステムは、制御された窒素ブランケット(blanket)を使用して酸素がパージされ得る。さらに、このシステムは、カプセル化プロセスの間に窒素フラッシュ(nitrogen flush)を使用することによって、実質的に酸素を含まない環境が保たれる。窒素パージはまた、それぞれ個々のカプセルから酸素を除去するために使用され得る。具体的には、封着する前に、陽圧が、各カプセルに適用されて、窒素によってこのカプセル内に存在する任意の酸素を置換し得る。封着する際に、窒素の気泡は、このカプセル内に残存する。実質的に酸素を含まない環境および光が存在しない環境中でカプセルを充填し得る市販のカプセル化システムは、Capsugel(Greenwood,SC−−www.capsugel.com)から入手可能であり、これは、商品名CPS 1000 Capsule Filling Machineで販売される。
【0025】
上記のプロセスは、生物学的に活性な低分子(例えば、レスベラトロル)の経口的に摂取可能な投薬量に適したカプセル化された組成物を生成する。生物学的に活性な低分子を含有する組成物は、100重量%までの低分子物質を含有し得る。さらに、この組成物は、低分子の生物活性を安定化し、摂取におけるその生物学的な利用能を改善し、そして/またはその吸収および生物学的な障壁の通過を改善するために、添加剤を含み得る。例えば、この組成物は、(1)キレート剤、(2)抗酸化剤、および(3)乳化剤のうちの1つ以上を含有し得る。
【0026】
キレート剤(配位子)が添加され、金属誘導性の酸化を防止することによって低分子物質の生物活性をさらに保護し得る。鉄のような金属の存在下において、酸素は、フェノールによって過酸化水素に還元され得る。次に、過酸化水素は、レスベラトロルおよびケルセチンのような低分子を酸化し得る。金属(例えば、鉄)は、特別な酸素転移特性を有し、これは、過酸化水素と結合した場合、より反応性で破壊性の形態である鉄(すなわち、Fe3+)を生じる。Fenton反応において、第1鉄(Fe2+)塩は、過酸化水素と反応して第2鉄(Fe3+)塩および高い反応性のヒドロキシルラジカルを生じる。
【0027】
したがって、Fenton反応を妨げることは、植物の供給源または合成の供給源に由来する低分子(例えば、レスベラトロルおよびケルセチン)の酸化を遮断し得ると考えられる。これは、キレート剤の使用によって達成され得る。例えば、NDGA(ノルジヒドログアヤレト酸:1,4−ビス[3,4−ジヒドロキシフェニル]2,3ジメチルブタン)のような金属配位子は、過酸化水素によるレスベラトロルの酸化に対抗するために機能する。部分的に、NDGAは、鉄のより反応性の高い形態(Fe3+)を、より反応性の低い形態(Fe2+)に変換することによって機能する。Pintoら、「Oxidation of Resveratrol Catalyzed by Soybean Lipoxygenase」、J Agric.Food Chem.、51(6)(2003)、1653−1657(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0028】
フィチン酸(イノシトール六リン酸とも呼ばれる)は、鉄結合分子であり、これは、代表的にはNDGAの作用と同様の鉄誘導性の酸化を遮断する能力に起因して食品防腐剤として使用される。同様に、フィチン酸は、Fenton反応の出現を妨げない場合、Fenton反応の出現を最小化する金属配位子として機能する。Grafら、「Phytic Acid:A Natural Antioxidant」、J.Biol.Chem.、1987年8月、262:11647−11650(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。フィチン酸は、植物の供給源の穀物および種子の全体に由来する天然に得られた物質であり、この供給源としては、トウモロコシ、小麦、米、大豆、ゴマ、およびカラスムギが挙げられる。キレート剤の量は、上記組成物中の金属を十分に結合する限り、特に限定されない。例として、このキレート剤は、約0重量%〜約25重量%の範囲、より好ましくは約5重量%〜約15重量%の範囲、そして最も好ましくは約7重量%〜約10重量%の範囲で存在し得る。
【0029】
さらに、抗酸化剤が、上記組成物にさらなる生物活性を提供するだけでなく、酸化によって引き起こされるこの組成物の分解を防ぐために、この組成物に添加され得る。生物系において、酸化の通常のプロセス(電離放射線の小さな寄与を含む)は、反応性の高いフリーラジカルを生成する。これらは、他の分子と容易に反応し得、そして他の分子に損傷を与え得る。いくつかの場合において、身体は、このことを使用して感染に対抗する。他の場合において、その損傷は、身体自身の細胞におよび得る。したがって、抗酸化剤の存在は、フリーラジカルが低分子を損傷すること妨げ得る。例として、この組成物は、フラボノイドのようなフェノール性抗酸化物質を含有し得る。さらなる例としては、この組成物は、ケルセチンのようなフラバノール化合物を含有し得る。酸化防止特性を有することに加えて、ケルセチンは、レスベラトロルの酵素的生物活性と同様の生物活性(サーチュイン酵素の活性化が挙げられる)を示す、植物性低分子ポリフェノールである。ケルセチンはまた、一旦摂取されたレスベラトロルの硫酸化を妨げるように機能する。この組成物中の抗酸化剤の量は、特に限定されない。例としては、この抗酸化剤は、約0重量%〜約50重量%の範囲、より好ましくは約15重量%〜約35重量%の範囲、そして最も好ましくは約20重量%〜約30重量%の範囲で存在し得る。
【0030】
乳化剤は、上記組成物に添加されて、この組成物の生物学的利用能を向上させ得る(すなわち、一旦摂取された上記低分子を吸収および利用する身体の能力を向上させる)。例として、この乳化剤は、レシチン(ホスファチジルコリン)のようなリン脂質を含み得る。この組成物中に存在する乳化剤の量は、好ましくは約0重量%〜50重量%の範囲の量であり、より好ましくは15重量%〜45重量%の量であり、そして最も好ましくは約25重量%〜約40重量%の範囲の量である。
【0031】
1種以上の添加物が存在する場合、低分子を含む物質の量は、好ましくは約1重量%〜約70重量%の範囲であり、より好ましくは約5重量%〜約30重量%の範囲であり、そして最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の量である。特定の例としては、標準的な栄養補助カプセル(dietary capsule)において、経口的な消費に使用可能なレスベラトロルの量は、好ましくは約3mg〜約70mgの範囲である。上記添加剤は、このカプセルが封着される前に、いつでも低分子を含む物質と混合されてよい。例えば、低分子レスベラトロル物質を含む物質は、抽出され、乾燥され、添加剤と混合され得、次いでカプセル化され得る。あるいは、この添加剤は、低分子を含む物質が、カプセル内に収納される前、または収納された後に、このカプセル内に収納され得る。
【0032】
上記低分子を含む組成物が一旦カプセル化されると、得られたカプセルは、カプセルが破裂する事象において低分子の分解を防ぐために包装され得る。例えば、このカプセルは、気密区画を備えるブリスター包装中に個別に封入され得る。さらに、このカプセルが気密の真空包装容器(例えば、ボトル)中に、大まかに保存される場合、実質的に酸素を含まない環境は、酸素を吸収する小包を加えることによって、容器内に維持され得、この小胞は、ビン内を、100万個あたり約100部未満の遊離酸素の量に維持し得る。好ましくは、使用される任意の小包は、封着される前に窒素でフラッシュされる。
【0033】
本発明は、レスベラトロルのような植物性低分子ポリフェノールを含む組成物中に存在する成分の生物活性を、その成分の分解を防ぐことによって維持する、実用的であり経済的な方法を包含する。具体的には、本発明の組成物およびプロセスは、金属(すなわち、栄養補助サプリメントの処方に天然に見出される金属、またはハーブ抽出物の一部として微量に提供される金属、または処方機械、混合機械およびカプセル化機械の表面上の金属)を酸化することによって引き起こされる酸化を防ぐことによって、この組成物の生物活性を維持すると考えられ、この金属は、この組成物の酸化(損傷)の引き金となるか、またはその酸化を加速させ得、そしてこの成分の生物活性を破壊し得る。このことは、金属誘導性の酸化について問題となる成分をキレート剤の添加により安定化し、そして上記の通り、実質的に酸素を含まない環境における栄養補助サプリメントの取扱いおよびカプセル化を実施することによって、さらに達成される。
【0034】
本発明のカプセル化された組成物中に存在する低分子は、この低分子の通常の寿命の後にかなりの時間、生物活性を維持する。例えば、周囲条件下において、レスベラトロルの半減期は、約1日である。しかし、栄養補助サプリメントの製造および流通において、代表的には、カプセル化後からその組成物が消費者に到達する前に数週間掛かる。本発明の実施形態は、消費者に到達する際に生物学的に活性なままである低分子を含む栄養補助サプリメントを生成する。特に、本発明は、酵素的生物活性を有し得るレスベラトロルを含む栄養補助サプリメントを生成する。好ましくは、この低分子は、カプセル化後、少なくとも約4ヶ月間、より好ましくはカプセル化後、少なくとも約8ヶ月間、そして最も好ましくは少なくとも約1年間またはいつまでも、生物学的に活性なままである。
【0035】
植物の供給源に由来するか、または合成的に生成される生物学的に活性な低分子、および生物学的に活性な低分子を含む組成物は、種々の健康上の利益を提供する。例えば、生物学的に活性な低分子は、ヒトの「長寿遺伝子(longevity gene)」を活性化する酵素活性を有し得る。研究は、ほぼ全ての生物に共有される調節遺伝子のクラスを同定した。これらの遺伝子は、ストレス時期の間(例えば、乾燥または飢餓の間)の生存を向上させるフィードバックシステムとして機能する。一旦活性化されると、これらの長寿遺伝子は、細胞レベルでの防御的変化を誘導する(例えば、不利な環境に身体が適応するのを補助するために代謝を遅らせ、そして細胞の呼吸を増強する)。1つの特定のストレス(生物に提供されるカロリーの制限)は、サーチュイン(デアセチラーゼのファミリー)と称される酵素(またはタンパク質)を活性化することによって多くの種において寿命を延長させる。
【0036】
研究は、サーチュイン(サイレントインフォメーション調節酵素(Silent Information Regulator enzyme))が生物(例えば、酵母、回虫、およびショウジョウバエ)において老化の速度を制御するそれらの能力に起因して、長寿遺伝子として働くことを示した。具体的には、ヒトにおけるサーチュイン1と相同的である酵母細胞におけるSIR2(サイレントインフォメーション調節遺伝子2)が、生物学的なストレス下にある場合に活性化されることを示した。酵母において、老化は、SIR2活性に直接関連する。SIR2の過剰発現は、DNAの安定性を増加し、rDNAの組換えのサイレンシングおよび抑制を増加し、細胞の修復を促し、そして母−娘細胞の伴複製の周期(lifespan)を向上させる。
【0037】
7種のヒトサーチュインが存在し、これらは、サーチュイン1〜サーチュイン7と名付けられた。核にあるサーチュイン1(SIRT1)は、SIR2に対して最も高い相同性を有するヒトサーチュインである。ヒトサーチュインは、細胞を保護し、そして細胞の生存を向上させる保護者酵素(guardian enzyme)として働くようである。SIRT1は、例えば、腫瘍の増殖を抑制し、そして細胞死(アポトーシス)を起こさせることに通常関係するp53酵素系を抑制することが示されている。腫瘍抑制遺伝子の活性を阻害することは、SIRT1の阻害が正常に早期老化およびアポトーシスの周期を防ぐことが認識されて初めて、直ちに有益であると見なされ得る。p53活性を抑制することによって、細胞のDNAが損傷されるか、またはストレスを受ける場合にSIRT1は、正常に誘導される早期老化およびアポトーシスの周期を防げ、したがって任意の損傷を修復し、そして必要のない細胞死を防ぐのに十分な時間を細胞に与える。
【0038】
インビトロおよびインビボの両方における研究は、レスベラトロルのような低分子がSIR2を活性化し得ることを実証した。酵母において、レスベラトロルは、rDNAの組換えを減少させ、そして寿命を延長させる。このことは、カロリー制限の間に起きる寿命の延長と同様である。さらに、レスベラトロルのような低分子は、ヒト細胞においてSIRT1を活性化し、放射線照射によるストレスを受けた細胞の生存率を向上させることが示された。したがって、低分子の生物活性を維持することは、長寿遺伝子(すなわち、サーチュイン酵素SIR2およびSIRT1)を活性化するために、例えば、上記のプロセスを使用して生成およびカプセル化された組成物を含む、栄養補助サプリメント中に存在する投薬量を可能にする。ヒトにおいて、SIRT1酵素の活性化は、ヒト細胞の生存率を増加し、アポトーシスを抑制する。
【0039】
低分子を含有するカプセル化された組成物は、栄養補助サプリメントの作製および処方による薬物適用に使用するのに適している。
【実施例】
【0040】
レスベラトロルの形態の低分子を、vitis viniferaおよびpolygonum cuspidatumからのエタノール抽出によって得た。このエタノールは、除去され、そして得られた抽出物は、約25%のvinis vinifera果皮のレスベラトロルおよび25%のpolygonum cuspidatumのレスベラトロルを含有し、この残部は、非レスベラトロル(不活性な植物性物質)を含んだ。この抽出物中のレスベラトロルの生物活性を、SIRT1 Fluorescent Activity Assay/Drug Discovery Kit AK−555(Biomol(登録商標)Research Laboratories、Inc.;Plymouth Meeting、PA;www.biomol.comから入手可能)を使用して確認した。この抽出物を、窒素環境中に維持し、そして約25重量%のケルセチン;33重量%のレシチン;および9%のフィチン酸(米ぬか抽出物の形態である)を含む混合物に添加した。この組成物の残部は、約33重量%のレスベラトロル抽出物を含んだ。得られたスラリーを、カプセル充填装置中に配置した。個々の投薬量を、二酸化チタンによって着色したゼラチンカプセル(Capsugel;Greenwood、SC;www.capsugel.comから入手可能であるLicaps(登録商標)カプセル)中にカプセル化した。この投薬量を、絶えず窒素でフラッシュしたカプセル充填装置(Capsugel;Greenwood、SC;www.capsugel.comから入手可能であるCapsugel CFS 1000 Capsule Filling and Sealing Machine)を使用して、実質的に酸素を含まない環境においてカプセル化した。得られたカプセルのそれぞれは、少なくとも15mgのレスベラトロル、100mgのレシチン、75mgのケルセチン、および25mgのフィチン酸を含んだ。これらのカプセルサンプルを、周囲条件下で約8ヶ月間保存した。このサンプルを、各サンプルがサーチュイン酵素を活性化し得るか否か(特に、このサンプルがSIRT1触媒活性を刺激したか否か)を決定することによって生物活性について試験した。このサンプルを、カプセル化後、4ヶ月および8ヶ月にて試験した。試験を、SIRT1 Fluorescent Activity Assay/Drug Discovery Kit AK−555(Biomol(登録商標)Research Laboratories、Inc.;Plymouth Meeting、PA;www.biomol.comから入手可能である)を使用して行った。試験において、このサンプル中に含まれたレスベラトロルが、生物学的に活性であり、SIRT1活性を刺激し、レスベラトロルが存在しない場合と比較した酵素活性に対して約8倍までの刺激を生じることを決定した。同様に、ケルセチンの生物活性を試験し、そしてカプセル化されたケルセチンが、生物活性(すなわち、ケルセチンが存在しない場合と比較して、SIRT1活性を刺激する能力)を維持したことを決定した。
【0041】
本発明は、最大の生物活性(サーチュイン酵素を活性化する能力を有することが挙げられる)を製造し、そして、植物性ポリフェノールおよび他の栄養補助サプリメント成分の構造的形態を、分解(例えば、酸化を介する)に対して保護する複数の方法からなり、これらの方法としては、未加工の物質の製造およびそのカプセル中への配置が挙げられるが、これらに限定されない。上記の方法は、研究用等級のレスベラトロルまたは封着されたワインボトル中に存在するようなレスベラトロルにおいて得られる特性と同様の特性を有する、濃縮されたレスベラトロルを含有するカプセル化された組成物を、経済的に生成する。本発明は、栄養補助サプリメントとして摂取され得るカプセル化された処方物を製造するのに有用である。
【0042】
本発明が詳細に、かつ本発明の特定の実施形態への参照と共に記載される一方で、種々の変更および改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者に明らかとなる。例えば、上記カプセルは、任意の形状および大きさであり得、このカプセルから組成物を除去し得るように、破壊可能にされ得る。さらに、このカプセル材料は、低い酸素透過度を有する任意の物質を含み得る。さらに、低分子を含有する組成物は、乾燥粉末、液体懸濁物、ゲル、またはスラリーとして存在し得る。さらに、この処方物は、添加物が、低分子を含む物質の生物活性または生物学的利用能を低下させない限り、栄養補助サプリメントの処方に適した他の添加剤、充填剤などを含み得る。さらに、酵素活性(サーチュインの触媒活性を刺激することが挙げられる)を有し得る他の低分子ポリフェノールは、上記のプロセスを使用してカプセル化され得、この低分子ポリフェノールとしては、ケルセチン、フィセチン、ブテイン、ピセアトノールおよびイソリキリチゲニンが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本発明が、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内にある本発明の改変および変化物を網羅することを意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物をカプセル化するプロセスであって、以下:
(a)生物学的に活性な低分子を含む物質を得る工程;および
(b)実質的に酸素を含まない環境において生物学的に活性な低分子をカプセル化する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項2】
前記生物学的に活性な低分子が、レスベラトロルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
請求項2に記載のプロセスであって、(c)キレート剤、抗酸化剤、および乳化剤のうちの少なくとも1つと前記レスベラトロルとを混合する工程をさらに包含する、プロセス。
【請求項4】
請求項2に記載のプロセスであって、ここで工程(a)が、以下:
(a.1)前記レスベラトロルを抽出するために溶媒を使用する工程であって、ここで該溶媒としては、水性溶媒、有機溶媒、およびそれらの混合物が挙げられる、工程、
を包含する、プロセス。
【請求項5】
請求項2に記載のプロセスであって、ここで工程(b)が、以下:
(b.1)気密充填チャンバー中に頭部分および胴体部分を備えるカプセルを受容させる工程;
(b.2)生物学的に活性なレスベラトロルを含有する組成物で該胴体部分を少なくとも部分的に満たす工程;
(b.3)該頭部分を、該頭部分の位置が少なくとも部分的に重なるように該胴体部分に対して位置決めする工程;および
(b.4)該重なる部分に沿って流体気密シールを形成する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項6】
前記カプセル部分が、100μmについて約165cm/m/日未満の酸素透過度(ASTM D3985で測定した場合)を有する物質を含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記カプセル部分が、100μmについて約4cm/m/日未満の酸素透過度(ASTM D3985で測定した場合)を有する物質を含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項8】
前記カプセル部分が、100μmについて約1cm/m/日未満の酸素透過度(ASTM D3985で測定した場合)を有する物質を含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項9】
前記カプセル部分が、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプンのうちの少なくとも1つを含有する、請求項5に記載のプロセス。
【請求項10】
請求項5に記載のプロセスであって、ここで工程(b)が、以下:
(b.5)前記実質的に酸素を含まない環境を形成するために、前記充填チャンバー内に窒素ブランケットを形成する工程、
をさらに包含する、プロセス。
【請求項11】
請求項4に記載のプロセスであって、ここで工程(b)が、以下:
(b.6)前記封着する工程の前に、前記カプセル内に窒素の気泡を形成する工程、
をさらに包含する、プロセス。
【請求項12】
請求項2に記載のプロセスであって、ここで工程(a)が、以下:
(a.1)Vinis ViniferaおよびPolygonumからなる群より選択される天然の供給源から前記レスベラトロルを得る工程、
をさらに包含する、プロセス。
【請求項13】
生物学的に活性な低分子、キレート剤、抗酸化剤、および乳化剤を含有するカプセル化された組成物であって、ここで該低分子が、実質的に酸素を含まない環境においてカプセル化される、組成物。
【請求項14】
前記生物学的に活性な低分子が、レスベラトロルを含む、請求項13に記載のカプセル化された組成物。
【請求項15】
請求項14に記載のカプセル化された組成物であって、以下:
前記キレート剤が、約5重量%〜約15重量%の量で存在し、
前記抗酸化剤が、約15重量%〜約35重量%の量で存在し、
前記乳化剤が、約15重量%〜約45重量%の量で存在し、そして
前記レスベラトロルが、約5重量%〜約30重量%の量で存在する、組成物。
【請求項16】
請求項14に記載のカプセル化された組成物であって、以下:
前記キレート剤が、約7重量%〜約10重量%の量で存在し、
前記抗酸化剤が、約20重量%〜約30重量%の量で存在し、
前記乳化剤が、約25重量%〜約40重量%の量で存在し、そして
前記レスベラトロルが、約10重量%〜約20重量%の量で存在する、組成物。
【請求項17】
前記キレート剤が、レスベラトロルの金属誘導性の酸化を遮断し得る化合物を含む、請求項14に記載のカプセル化された組成物。
【請求項18】
前記キレート剤が、フィチン酸およびNDGAのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のカプセル化された組成物。
【請求項19】
前記抗酸化剤が、フェノール性抗酸化剤を含む、請求項14に記載のカプセル化された組成物。
【請求項20】
前記フェノール性抗酸化剤が、ケルセチンを含む、請求項19に記載のカプセル化された組成物。
【請求項21】
前記乳化剤が、レシチン(ホスファチジルコリン)を含む、請求項14に記載のカプセル化された組成物。
【請求項22】
前記レスベラトロルが、天然の供給源に由来する、請求項14に記載のカプセル化された組成物。
【請求項23】
前記生物活性が、サーチュイン1酵素の活性化を含む、請求項14に記載のカプセル化された組成物。
【請求項24】
栄養補助サプリメントであって、以下
(a)生物学的に活性なレスベラトロル物質を得るプロセス;
(b)実質的に酸素を含まない環境を備える充填チャンバー中に頭部分および胴体部分を備えるカプセルを受容させるプロセス;
(c)該生物学的に活性なレスベラトロル物質で該胴体部分を少なくとも部分的に満たすプロセス;
(d)該頭部分を、該頭部分の位置が少なくとも部分的に重なるように該胴体部分に対して位置決めするプロセス;および
(e)該重なる部分に沿って流体気密シールを形成するプロセス、
によって生成される、栄養補助サプリメント。
【請求項25】
生物学的に活性な形態のレスベラトロルを含有するカプセル化された組成物を含む栄養補助サプリメントであって、ここで該レスベラトロルが、カプセル化後に少なくとも4ヶ月間、生物活性を維持する、栄養補助サプリメント。
【請求項26】
前記生物活性が、サーチュイン1酵素活性を刺激することを含む、請求項25に記載の栄養補助サプリメント。
【請求項27】
生物学的に活性な低分子、ならびにキレート剤、抗酸化剤、および乳化剤のうちの少なくとも1つを含有するカプセル化された組成物であって、ここで該低分子が、細胞壁を通過し、細胞核に進入し、そして該核内にある遺伝子制御された酵素を変化させ得る、組成物。
【請求項28】
前記遺伝子制御された酵素が、サーチュイン1酵素である、請求項27に記載のカプセル化された組成物。

【公表番号】特表2007−532543(P2007−532543A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507358(P2007−507358)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/010466
【国際公開番号】WO2005/099761
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506319101)レスベラトロル パートナーズ, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】