説明

核酸分析装置及び方法

【課題】分析効率を向上させることができる核酸分析装置及び方法を提供する。
【解決手段】核酸分析装置は、複数の試料を前処理する前処理部と、前記前処理された試料内の核酸の増幅を検出する検出部と、前記検出部から出力された検出データをリアルタイムにて解析するデータ解析部と、前記検出データの解析結果をリアルタイムにて表示する表示部と、前記前処理部による前処理、及び、前記検出部による核酸増幅の検出を制御する制御部と、を有する。同一の条件下にて調製された検査試料と標準試料からなる試料グループについて、核酸の増幅の測定結果を含む検出データをリアルタイムにて出力する。標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、標準試料の測定結果より検査不良が検出されたことをリアルタイムにて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸分析装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸分析装置では、前処理工程と、それに続く核酸の増幅及び検査工程を行い、一定周期で取得した時系列のデータ列から核酸の増幅曲線を求め、定性判定および定量計算を行う。
【0003】
核酸分析装置では、検査品質を判定する手段として、既知の核酸を含む標準試料が用いられる。標準試料の検査結果が不良の場合には、同時に測定した検査試料の検査結果も不良と判定する。非特許文献1、2には、リアルタイムPCRを用いる核酸分析装置において、標準試料(コントロール)の使用方法の例が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】コバス(R) TaqMan(R) HBV 「オート」 v2.0添付文書
【非特許文献2】Microbiol. Immunol., 50(5), 379-387, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、全ての検査試料の測定が終了してから、検査試料の再検査が必要か否かを判定する。そのため、検査装置に反応容器が不必要に占有している時間が長くなる傾向がある。
【0006】
近年、並列処理方式の核酸分析装置が用いられる。並列処理方式の核酸分析装置は、検査対象の試料を順次供給可能なように構成されている。しかしながら、並列処理方式では、検査装置において必要な空き容量を確保することができると判断できるまでは、次の試料又は試料グループについて、検査工程を開始しない。そのため、試料が検査待ちとなる時間が生じ、分析効率を向上させることが困難であった。
【0007】
本発明の目的は、分析効率を向上させることができる核酸分析装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、同一の条件下にて調製された検査試料と標準試料からなる試料グループについて、核酸の増幅の測定結果を含む検出データをリアルタイムにて出力する。標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、標準試料の測定結果より検査不良が検出されたことをリアルタイムにて表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、分析効率を向上させることができる核酸分析装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明による核酸分析装置の主要部の例を示す図である。
【図1B】本発明による核酸分析装置の機能を示すブロック図である。
【図2A】1つの試料の検査スケジュールを示す図である。
【図2B】1つの試料グループの検査スケジュールの例を示す図である。
【図2C】2つの試料グループの検査スケジュールの例を示す図である。
【図2D】本発明の核酸分析装置における検査スケジュールの例を示す図である。
【図3】本発明の核酸分析装置における核酸増幅曲線の例を示す図である。
【図4】本発明による核酸分析装置における核酸増幅検出処理のフローチャートを示す図である。
【図5】本発明の核酸分析装置における表示装置に表示する画面の例を示す図である。
【図6】本発明の核酸分析装置における検査スケジュールの作成方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aに本発明による核酸分析装置の主要部の例を示す。本例の核酸分析装置は、試料の前処理を実施する前処理部11、前処理後の試料を加熱するインキュベータ12、核酸を増幅させ、それをリアルタイムにて光学的に検出する検出部13、測定後の試料を廃棄するための廃棄ボックス14、及び、試料及び試薬を分注し、容器を搬送する搬送機構15を有する。図1Bは本例の核酸分析装置の機能を示すブロック図である。本例の核酸分析装置は、制御装置30、入力装置31、表示装置32、演算装置20、及び、核酸分析機構10を有する。制御装置30は、核酸分析装置の全体の動作を制御する。入力装置31はオペレータの指示及び命令を入力する手段である。表示装置32は、オペレータの入力画面、検出データの出力画面を表示する。出力画面には、核酸の増幅を測定中であること、核酸の増幅を検出できなかったこと、核酸の増幅を検出できたこと、核酸の増幅を終了したこと、核酸の増幅を途中で終了又は中止した場合にはその理由等を表示する。更に、出力画面には、核酸の増幅の有無の検出結果と共に、試料の属性、試料グループの属性、試薬の属性等を表示する。
【0012】
演算装置20は、データ解析部21、分析実行部22、及び、分析計画部23を有する。尚、データ解析部21、分析実行部22、及び、分析計画部23は、ハードウエアによって構成してもよいが、ソフトウエアによって構成してもよい。演算装置20の動作は後に説明する。核酸分析機構10は、図1Aにて示したように、前処理部11、インキュベータ12、検出部13、及び、搬送機構15を有する。
【0013】
図1Aを参照して説明する。前処理部11は、試料を収納する試料容器111、試薬を収納する試薬容器112、及び、試料と試薬により得られる増幅反応液を収納する反応容器113を備える。
【0014】
前処理部11は、前処理を行う。前処理は、核酸増幅とリアルタイム検出の前工程として実施される全ての工程を含んでもよいし、増幅・検出工程の直前の工程のみを含んでもよい。より具体的には、リアルタイムPCRの核酸検査であれば、血液試料の前分注工程、核酸抽出工程、増幅反応液調製工程を含んでもよいし、増幅反応液調製工程のみを含んでもよい。
【0015】
検出部13は、核酸の増幅反応をリアルタイムに検出可能な機能を備えるものであれば、いかなる構成でもよい。本例の検出部13は、反応容器設置装置131と検出装置132を有する。反応容器設置装置131は、複数の反応容器を装填することが可能な構造を有する。検出装置132は、反応容器の試料の蛍光を、側方、上方、または下方から光学的に読み取るように構成されている。検出装置132は、反応容器設置装置131に装填された反応容器内の核酸増幅を光学的に且つリアルタイムにて検出する。例えば、反応容器設置装置131を、回転可能な円板を有するように構成し、検出装置132を、円板に装填された反応容器の核酸増幅を順に検出するように構成してよい。この場合、円板を定期的に回転させ、検出装置132により試料を順に読み取ることによって増幅反応をリアルタイムに検出することができる。
【0016】
検出部13における核酸の増幅を検出する方法として、反応液中にインターカレート方式の蛍光試薬を添加し核酸の増幅と共に蛍光強度の増強を確認する方法、増幅産物に結合するプローブ核酸に蛍光色素を標識し、プローブの結合により蛍光色素が増強する方法等が挙げられる。しかしながら、本例の検出部13における核酸増幅法は、核酸の増幅をリアルタイムに検出可能であればいかなる方法でもよい。
【0017】
搬送機構15として、容器を掴み持ち運ぶグリッパー型の搬送機構、ベルトコンベアのように容器を所定のルートに沿って搬送する機構等で挙げられるが、それに限定されるものではない。搬送機構15には、図示しない分注装置が設けられている。
【0018】
インキュベータ12と検出部13には核酸増幅のための温度調整装置が設けられている。温度調整装置は、40℃〜100℃の温度間で自在に温度変化の可能な構成であることが好ましく、より好ましくは、温度変化速度が3℃/秒以上である。しかしながら、本例の温度調節機構は標準的なPCR反応が実施できればいかなる機構を用いてもよい。
【0019】
本発明の核酸分析装置では、前処理、及び、核酸の増幅の検出を順次実行し、検出データの解析、及び、増幅曲線の作成及び出力をリアルタイムにて実行する。そのため、これらの一連の処理は、制御装置30、及び、演算部20によって制御される。これについては後に図6を参照して説明する。
【0020】
ここでは、図1Aに示す核酸分析機構の動作を簡単に説明する。分注装置に分注チップを装着し、試料容器111から試料を分注し、反応容器113に滴下する。同様に、試薬容器112から試薬を分注し、反応容器113に加える。こうして増幅反応液を調製する。反応容器113をインキュベータ12に搬送し、そこで所定時間加熱する。更に、反応容器113を、検出部13の反応容器設置装置131に装填する。所定の測定周期に従って、所定の測定時間、検出装置132によって核酸の増幅反応を検出する。検出装置132は、リアルタイムで核酸増幅を検出し、検出データを出力する。検出データは、データ解析部21により解析される。
【0021】
測定が終了した反応容器141は、反応容器設置装置131から廃棄ボックス14に搬送される。それによって、反応容器設置装置131に空きができる。そこで、所定数の空きができたら、次の反応容器を、反応容器設置装置131に装填する。これにより検出部13において、次の試料の測定を開始することができる。
【0022】
データ解析部21は、検出部13から出力された検出データを用いて、以下の2つの工程を実施する。(a)リアルタイムに、検出データの解析を行う。(b)リアルタイムに、核酸分析の良否を判定する。以下に、核酸分析の良否を判定する手法を説明する。
【0023】
先ず、試料グループという概念を導入する。試料グループは、同一の手法にて、同一の条件下で、略同一の時期に作製した試料群のことである。例えば、同一の試薬ボトルから分取した試薬を用いて調製した増幅反応液を含む試料群を意味する。ある試料について核酸増幅が不良となった場合に、その試料が属する試料グループの全ての試料は、同様に核酸増幅が不良となる可能性が大きい。例えば、核酸増幅の不良の原因が、増幅反応液の調製過程における汚染である場合には、その試料が属する試料グループの全ての試料は、同様に汚染されていると考える。核酸増幅の不良の原因が、増幅反応液の調製に用いた試薬にある場合には、その試料が属する試料グループの全ての試料は試薬が原因で不良であると考える。
【0024】
以下に、核酸分析の良否を判定する方法を説明する。核酸分析では、核酸分析の良否、即ち、検査の良否を判定するために、標準試料を用いる。従って、各試料グループは、検査試料及び標準試料を含む。
【0025】
検査試料は、核酸検査の対象となる生体試料を含む。生体試料には、例えば、動物、植物、微生物、ウイルス、人工の合成成分を含む。
【0026】
標準試料は、検査品質を保証するための試料である。標準試料には、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール、及び、定量コントロールが知られている。ポジティブコントロールは、既知の核酸を含む試料である。ポジティブコントロールを検査すると陽性の結果が検出されるはずである。ポジティブコントロールを検査しても陽性の結果が検出されない場合には、試薬劣化、試薬の間違い等の不良要因が考えられる。この場合、このポジティブコントロールと同一の試料グループに属する試料は、同一の要因により不良であると判定される。ポジティブコントロールは、陽性の検査試料が確実に陽性となることを保証する標準試料である。ポジティブコントロールには、一般に高値ポジティブコントロールと低値ポジティブコントロールが知られている。尚、ポジティブコントロールを検査しても陽性の結果が検出されない場合の要因として、ポジティブコントロール液の不添加もある。
【0027】
ネガティブコントロールは、既知の核酸を含まない試料である。ネガティブコントロールを検査すると陰性の結果が検出されるはずである。ネガティブコントロールを検査しても陰性の結果が検出されない場合には、コンタミネーション等の不良要因が考えられる。この場合、このネガティブコントロールと同一の試料グループに属する試料は、同一の要因により不良であると判定される。ネガティブコントロールは、陰性の検査試料が確実に陰性となることを保証する標準試料である。
【0028】
定量コントロールは、濃度既知の核酸を含む試料である。定量コントロールは、検査試料の定量判定の基準となる標準試料であり、例えば、検量線を作成するときに用いられる。尚、検量線を作成するとき、核酸の濃度ゼロの標準試料を用いるが、これは、上述のネガティブコントロールの一種である。また、濃度既知の核酸を含む標準試料は、上述のポジティブコントロールの一種である。
【0029】
標準試料は、外部コントロールと内部コントロールに分類することができる。外部コントロールは、検査試料とは別個に調製する標準試料である。上述のポジティブコントロール及びネガティブコントロールは、外部コントロールである。上述の検量線作製用の定量コントロールは外部コントロールである。標準試料が外部コントロールの場合、試料グループとは、上述のように、同一の試薬ボトルから分取した試薬を用いて調製した増幅反応液を含む試料群を意味する。
【0030】
内部コントロールは、検査試料に添加するための標準試料である。検査試料を測定すると、検査対象と内部コントロールの測定結果が同時に得られる。標準試料が内部コントロールの場合、試料グループとは、1つの反応容器に収納された反応液を用いて同時に検出した標準試料及び検査試料群を意味する。
【0031】
定量コントロールには内部コントロールと外部コントロールがある。内部定量コントロールは、検査試料の検査結果を定量的に検定するため用いる。例えば、内部定量コントロールの検査値が本来の値より10%大きい場合には、検査試料内の検査対象の検査値は本来の値より10%大きな値として検出されたと解釈できる。従って、内部定量コントロールの検査値を用いて、検査試料内の検査対象の検査値を正しい値に補正することができる。
【0032】
外部定量コントロールの例として、上述の検量線作成用標準試料が挙げられる。この場合、試料グループとは、検量線作成用標準試料群と検査試料群の両者を含むものを意味する。この場合において、定量コントロールの測定結果が不良のとき、試料グループのうち検量線作成用標準試料群のみが不良であると考えることもできる。この場合には、検量線作成のみを検査不良として、再検査してよい。
【0033】
通常、1つの試料グループには、検査試料のほかに、ポジティブコントロールとネガティブコントロールの少なくとも一方が含まれる。規定時間以内にポジティブコントロールにおいて増幅が検出され、且つ、規定時間までにネガティブコントロールにおいて増幅が起きていない場合は、その試料グループに対する分析の成功を保証することができる。規定時間以内にポジティブコントロールにおいて増幅が検出されない場合には、失敗と判定してよい。
【0034】
規定時間経過前に、ネガティブコントロールにおいて増幅が起きている場合には、失敗と判定してよい。ポジティブコントロールとネガティブコントロールの少なくとも一方から失敗と判定できる場合には、その試料グループ内のすべての試料に対して再度分析をおこなう必要がある。
【0035】
同様に、定量コントロールが所定の範囲で増幅結果が判定されなかった場合には、その試料グループに対して分析の失敗の可能性があると判断することができる。
【0036】
図2Aから図2Dを参照して本発明による核酸分析装置の動作を説明する。図2Aは1つの試料201の前処理を開始してから検査を終了するまでの検査スケジュールを模式化して示す。横軸は時間である。時刻t11aにて前処理を開始する。試薬の分注及び加熱を繰り返し、前処理を終了する。時刻t11bにて、検出部13における検査を開始し、時刻t11cにて、検査を終了する。前処理の時間(TP=t11b−t11a)は15〜20分程度である。検査の時間TD(t11c−t11b)は30分〜2時間程度である。各反応容器は、検査の時間TD(t11c−t11b)の間、検出部13の反応容器設置装置131の所定の位置を占有する。
【0037】
図2Bは、並列処理方式の核酸分析装置において、1つの試料グループの検査スケジュールを模式的に示す。横軸は時間である。検出部13の反応容器設置装置131には、例えば、48本の反応容器を装填することができる。ここでは、説明の都合上、反応容器設置装置131に、1つの試料グループに属する5個の試料211〜215が装填されていると仮定する。時刻t11aにて、最初の試料211の前処理を開始し、時間ΔT後に、次の試料212の前処理を開始する。時間ΔTは数十秒であり、これを1サイクルと称する。これを繰り返し、試料グループの全ての試料211〜215の検査を行う。1つの試料グループには標準試料と検査試料が含まれる。通常、標準試料を最初に検査する。前処理に要する時間及び検査に要する時間は、全ての試料で同一であるとする。
【0038】
図2Cは、並列処理方式の核酸分析装置において、2つの試料グループの検査スケジュールを模式的に示す。横軸は時間である。時刻t11aにて、第1の試料グループ210の最初の試料211の前処理を開始し、時刻t11cにて検査を終了する。時刻t15aにて、第1の試料グループ210の最後の試料215の前処理を開始し、時刻t15cにて検査を終了する。
【0039】
第1の試料グループ210の最初の試料211の検査は、時刻t11cにて終了するから、そこに空きができる。第2の試料グループ220の最初の試料221の検査を、時刻t11cにて開始するためには、時刻t11cにて、第2の試料グループ220の最初の試料221の前処理が終了している必要がある。そこで、時刻t11cにて、第2の試料グループ220の最初の試料221の前処理が終了するように、最初の試料221の前処理の開始時刻を算出すればよい。
【0040】
第1の試料グループ210の最初の試料211の検査終了予定時刻t11cは既知であり、前処理に要する時間TPも略既知である。従って、第2の試料グループ220の最初の試料221の前処理を開始する時刻t21aを予め求めることが可能である。そこで、時刻t21aに、第2の試料グループ220の最初の試料221の前処理を開始すると、第1の試料グループ210の最初の試料211の検査が終了する時刻t11cに、第2の試料グループ220の最初の試料221の検査を開始することができる。
【0041】
尚、第1の試料グループ210の試料の前処理が終了してから、第2の試料グループ220の試料の前処理を開始するまでの時間を、前処理待ち時間、第1の試料グループ210の試料の検査が終了してから、第2の試料グループ220の試料の検査を開始するまでの時間を、検査待ち時間と称する。
【0042】
図2Dを参照して本発明の核酸分析装置における検査方法を説明する。第1の試料グループ210の最初の試料が標準試料であると仮定する。時刻t11aにて、前処理を開始し、時刻t11bにて、検出部13において検査を開始したものとする。検査終了時刻t11cより前の時刻t11dにて、標準試料の測定結果より検査の失敗が判定されたとする。この場合、時刻t11dにて、この試料グループに含まれる全ての試料の検査を中止してよい。この場合、時刻t11dにて、第2の試料グループ220の最初の試料221の前処理を開始する。この場合、第2の試料グループ220の最初の試料221の前処理の開始時刻は、TE=t21a−t11dだけ早くなる。前処理及び検査に要する時間は一定であるから、第2の試料グループ220の検査終了時刻は、TE=t21a−t11dだけ早くなる。こうして本発明では、標準試料の測定結果より検査失敗又は試料の不良が判定された場合に、前処理待ち時間、及び、検査待ち時間を短縮化できる。
【0043】
従来技術では、図2Cに示すように、標準試料によって、検査失敗又は試料の不良が検出された場合でも、全ての試料について最後まで測定を継続する。そのため、第2の試料グループの前処理の開始時刻を、時刻t21aより早くすることができなかった。即ち、試料不良の場合でも、全ての試料について、最後まで測定するため、前処理待ち時間、及び、検査待ち時間の短縮化が困難であった。
【0044】
ここでは、並列処理方式の核酸分析装置の場合を説明した。しかしながら、バッチ処理方式の核酸分析装置の場合でも同様である。バッチ処理方式の場合、1つの試料グループに含まれる試料について、全て同時に前処理を開始し、同時に検査を開始する。従って、全ての試料について同時に検査が終了する。バッチ処理方式の場合でも、本発明によると、標準試料について検査失敗が検出された時刻にて、試料グループに含まれる全ての試料の検査を中止してよい。それによって、前処理待ち時間、及び、検査待ち時間の短縮化が可能となる。
【0045】
ここでは、標準試料によって、検査失敗又は試料の不良が検出された場合、直ちに、試料グループの全ての試料の検査を中止する場合を説明した。しかしながら、本発明によると、検査失敗又は試料の不良が検出された場合、全ての試料の検査を中止する処置以外の方法を用いてもよい。
【0046】
図3は、表示装置32の画面301に表示された核酸増幅曲線302の例を示す。横軸は時間、縦軸は核酸の増幅数の対数表示である。データ解析部21は、測定周期毎に検出部13によって出力された検出データをグラフ化し、核酸増幅曲線を作成し、それを表示装置32に表示する。
【0047】
並列処理方式の核酸分析装置では、1サイクル毎に、増幅曲線が現れる。これらの曲線は例えば異なる色の線によって描かれる。曲線の色は、試料を識別すると同時に、試料グループを識別することができるように選択されるとよい。データ解析部21は、試料毎の増幅曲線から、その試料について増幅の有無及び良否を判定する。
【0048】
測定時間TDは予め設定されている。従来技術では、全ての試料について、測定時間TDに相当する時間だけ検出データを出力する。しかしながら、通常、測定時間TDの到達する前に、増幅の有無を判定することができる。例えば、増幅曲線の変化率が所定の値に達したら、増幅有りと判定してよい。又は、増幅曲線が増加した後に平坦になったとき、増幅有りと判定してよい。検査を開始してから増幅有りと判定するまでの時間を検査時間TNとする。標準試料の場合も同様である。例えば、ポジティブコントロール又はネガティブコントロールの場合には、陽性又は陰性の結果を得るのに必要に時間を検査時間TNと定義する。定量コントロールの場合には、定性結果又は定量結果を得るのに必要な時間を検査時間TNと定義する。
【0049】
検査時間TNを、予め設定してもよい。検査時間TNは、分析方法によって異なる。しかしながら、検査時間TNは、一般に測定時間TDより十分短い。従って、(TD−TN)時間の検出データは不要なデータである。反応容器はこの時間も反応容器設置装置131の所定の位置を占有している。これは、次の試料グループの試料の検査待ちの要因となる。
【0050】
そこで、本発明による核酸分析装置では、標準試料について、検査時間TNに到達したときに、その標準試料について測定を終了してよい。標準試料では、検査時間TNに到達したときに、検査の良否又は試料の良否を判定することができる。
【0051】
本発明による核酸分析装置では、標準試料の測定結果から検査不良又は試料不良と判定した場合には、試料グループの全ての試料の検査を終了又は中止し、次の試料グループの検査を開始してよい。更に、表示装置32において、検査不良又は試料不良のアラームを表示してよい。
【0052】
本発明による核酸分析装置では、標準試料の測定結果より、検査可能又は試料異常無しと判定した場合には、その試料グループの検査試料について、測定時間TDまで測定を継続してもよいが、好ましくは、検査時間TNに到達したら、検査を終了する。
【0053】
本発明によると、測定時間TDより短い検査時間TNにて検査を行うことにより、検査待ち時間を短縮化することができる。更に、本発明によると、標準試料の測定結果より検査不良又は試料不良と判定した場合には、試料グループの全ての試料の検査を終了又は中止することにより、次の試料グループの検査待ち時間を短縮化することができる。
【0054】
標準試料について増幅の有無、検査の良否、又は、試料の良否が、表示装置に表示される。また、検査不良と判定した場合、直ちに、試料グループの全ての試料の検査を終了又は中止してもよいが、オペレータに、標準試料の測定結果を知らせ、その後の処理を選択させてもよい。
【0055】
ここで、増幅曲線から増幅の有無を判定する方法の例を説明する。先ず、増幅曲線の変化率をリアルタイムにて演算する方法がある。測定タイミング毎に検出データの一次微分値を演算し、変化率が大きく変化したら増幅有と判定する。また、検出データの変化率が大きく増加した後に平坦となった時点で、増幅曲線を解析して、Ct(Threshold Cycle)値を求め、このCt値から増幅の良否を判定する。このCt値を求めるために、公知の方法を用いてよい。
【0056】
例えば、非特許文献1には、リアルタイムPCRを用いる核酸分析において、内部定量コントロールを用いて核酸増幅を定量測定することが記載されている。この分析方法では、内部定量コントロールと検査試料は同一の反応容器内で調製され、両者の核酸増幅は同時にリアルタイムで検出される。内部定量コントロールの増幅曲線において求めたCt(Threshold Cycle)値が基準の範囲を超えた場合は、同一反応容器内の検査試料の測定結果は不良と判定される。即ち、増幅が確認されてもCt値が所定の範囲に入らない場合は増幅不良と判定される。
【0057】
Ct値が基準の範囲を超える理由としては、前処理の核酸抽出工程における核酸増幅阻害物質の混入、測定温度の異常、増幅試薬の劣化等が考えられる。
【0058】
また、非特許文献2には、試料中の核酸を定量的に検出することを目的とする核酸分析の他の例として、LAMP法、TMA法、TRC法のような恒温核酸増幅法が記載されている。この文献には、増幅曲線の立ち上り時間を検出することによって、試料中の核酸濃度を定量的に測定できる可能性が示唆されている。
【0059】
従って、ポジティブコントロールの増幅曲線の立ち上り時間を解析し、それを定量判定良否の指標としてよい。また、NASBA法では内部コントロールの増幅曲線の増幅率と検査試料の増幅曲線の増幅率を相対的に解析して定量判定する。この定量判定に、公知の方法を用いてよい。
【0060】
ここでは、増幅の有無の判定方法の具体例を挙げたが、本発明は、設定された測定時間内に増幅有無の判定が可能であれば、上述の具体例に限定されず、どのような判定方法を用いてよい。
【0061】
図4は本発明の核酸分析装置のデータ解析部21における核酸増幅検出処理のフローチャートである。先ず、ステップS400にて、増幅検出判定結果フラグをオフにする。ステップS401からステップS405の処理を、測定周期ごとに検出部13に設置されている数の試料に対して行う。ステップS401にて、各試料に対して、各測定周期の各測定タイミングにて、検出部13から検出データを取得する。ステップS402にて、取得した検出データを格納する。ステップS403にて、取得済みの全データ列から増幅有無を判定する。上述のように、取得済みの全データ列からリアルタイムにて、増幅曲線を分析する。例えば、変化率の算出、Ct値が所定の範囲内にあるか否かの判定、増幅曲線の立ち上り時間の解析等を実施し、増幅の有無および/または増幅の良否の判定を行い、結果を保存する。
【0062】
ステップS404にて、増幅の有無を判定し、増幅を検出することができない場合には、次の試料についてステップS401からステップS404を繰り返す。ステップS404の増幅の有無の判定にて、増幅有りの判定を行った場合には、ステップS405にて、増幅検出判定結果フラグをオンにする。
【0063】
ステップS406にて、増幅検出判定結果フラグがオンかオフかを判定する。増幅検出判定結果フラグがオンの場合には、ステップS407に進み、増幅確認メッセージの表示、停止処理等を行う。増幅検出判定結果フラグがオフの場合には、この増幅検出処理を終了する。
【0064】
図5は、表示装置32に表示された確認メッセージ画像の例を示す。この画像501は、メッセージ502と、オペレータによる処理の選択部503、OKボタン504、及び、キャンセルボタン505を有する。ここでは、ネガティブコントロールついて増幅を検出した場合の画面を示す。上述のように、ネガティブコントロールの検査より陽性の結果が検出された場合には、コンタミネーション等があったと考えられる。メッセージ502には、ネガティブコントロールついて陽性の結果が得られた旨が表示されている。ポジティブコントロールついて増幅を検出できなかった場合には、メッセージ502として、ポジティブコントロール検体の増幅を検出できませんでした、が表示される。
【0065】
選択部503には、「処理続行」「試料の検出のみ終了」「試料グループの測定を終了」「装置の測定処理を終了」の4つの選択肢が表示されている。オペレータは、これらの選択肢の1つを選んで、OKボタン504をクリックすると、選択肢の処理が実行される。「試料の検出のみ終了」を選択した場合には、次の試料を検出部13に装填するか否かを入力するメッセージが表示され、「試料グループの測定を終了」を選択した場合には、次の試料グループを検出部13に装填するか否かを入力するメッセージが表示されてよい。オペレータは、OKボタン504をクリックすると、表示されたメッセージの内容が実行される。キャンセルボタン505をクリックすると、選択した処理の実行がキャンセルされる。ここでは、オペレータが選択部より所望の工程を選択するように構成されているが、制御装置は、予め指定したパラメータに従って、オペレータの指示なしで各処理を行うように構成してもよい。
【0066】
図6を参照して、並列処理方式の核酸分析装置における検査スケジュールの作成方法を説明する。制御装置の演算装置20は、分析計画部23、分析実行部22、及び、データ解析部21を有する。制御装置には、入力装置31及び表示装置32が設けられている。
【0067】
現在、第1の試料グループの試料について検査が実行中であるとする。第2の試料グループの試料の分析計画を行う場合を想定する。
【0068】
先ず、入力装置31を介して、第2の試料グループの試料に対する検査項目の登録(1)を行い、制御装置の演算部の分析計画部23に、分析指示(1)を行う。制御装置は、検査項目を含む分析依頼データ601を記憶装置に保存する。分析計画部23は、分析依頼データ601を読み出し、更に、核酸分析装置における分析状況データ602を取得し、第2の試料グループの分析の実行可否の判断を行う。分析計画部23は、分析の実行可能と判断した場合に、第2の試料グループの分析計画データ603を作成し、分析実行部22に対して分析の指示を行う。分析実行部22は、分析計画データ603に基づいて、第2の試料グループの試料の前処理を開始する。即ち、反応容器の移動、分注動作等を実行する。データ解析部21は、検出部13から出力された第1の試料グループに関する検出データを読み取り、それを解析し、分析結果データ604として保存する。第1の試料グループに関する分析状況データ602及び分析結果データ604は、表示装置32にリアルタイムにて表示される。従って、オペレータは、分析状況データ602及び分析結果データ604をリアルタイムにて確認することができる。
【0069】
図2Cに示したように、検出部13の反応容器設置部131に空きができるまで相当の時間がかかり、所定の時間内に、反応容器設置部131に次に試料グループの試料を設置することができないと判定した場合には、分析計画部23は、第2の試料グループの分析計画を作成しない。この分析待ち状態は、反応容器設置装置131に装填された試料グループの全ての試料の検査が終了し、全ての反応容器を廃棄ボックス14に移動することにより、反応容器設置装置131に空きができるまで継続する。
【0070】
1つの試料グループの検査を中止するとき、通常、分析計画データ603が作成済みであり且つ分析中の試料の検査のみを中止する。しかしながら、分析依頼データ601が作成済みであるが、分析計画データ603が未だ作成されていない試料も、同一の試料グループに含まれる場合には、検査の中止の対象とすることができる。
【0071】
本発明によると、1つの試料グループについて、標準試料及び検査試料についてリアルタイムにて増幅の有無及び良否を判定する。更に、標準試料からの検出データの解析より、測定中に、リアルタイムにて、検査の良否又は試料の良否を判定する。標準試料の測定結果から、検査又は試料の不良が検出された場合には、標準試料が属する試料グループを明示することで、不要な増幅検出データを取得する時間を排除することができる。更に、オペレータが分析結果をより早い段階で確認できる。また、オペレータが検査試料の再検査が必要と判断した場合に、検出部から迅速に検査試料を排出することにより、次の検査試料について検査を開始することができるから、分析効率を向上することができる。
【0072】
以上本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは、当業者によって容易に理解されよう。
【符号の説明】
【0073】
10…核酸分析機構、11…前処理部、12…インキュベータ、13…検出部、14…廃棄ボックス、15…搬送機構、20…演算装置、21…データ解析部、22…分析実行部、23…分析計画部、30…制御装置、31…入力装置、32…表示装置、111…試料容器、112…試薬容器、113、114…反応容器、131…反応容器設置装置、132…検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の試料を前処理する前処理部と、前記前処理された試料内の核酸の増幅を検出する検出部と、前記検出部から出力された検出データをリアルタイムにて解析するデータ解析部と、前記検出データの解析結果をリアルタイムにて表示する表示部と、前記前処理部による前処理、及び、前記検出部による核酸増幅の検出を制御する制御部と、を有する核酸分析装置において、
前記検出部は、同一の条件下にて調製された検査試料と標準試料からなる試料グループについて、核酸の増幅の測定結果を含む検出データをリアルタイムにて出力し、前記データ解析部によって前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記表示装置は前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたことをリアルタイムにて表示することを特徴とする核酸分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記データ解析部によって前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記制御部は、前記試料グループに属する検査試料の検査を中止させることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記データ解析部によって前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記表示部は、前記試料グループに属する検査試料の検査を続行するか、前記試料グループに属する検査試料の検査を中止するかをオペレータに選択させるための画面を表示することを特徴とする核酸分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記標準試料は、既知の核酸を含むポジティブコントロール、既知の核酸を含まないネガティブコントロール、又は、濃度既知の核酸を含む定量コントロールであることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記標準試料は、前記検査試料とは別個に調製された外部コントロール、又は、前記検査試料内に添加される内部コントロールであることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記表示部は、前記検出データの出力画面を表示し、前記出力画面には、核酸の増幅を測定中であること、核酸の増幅を検出できなかったこと、核酸の増幅を検出できたこと、核酸の増幅を終了したこと、核酸の増幅を途中で終了又は中止した場合にはその理由、の少なくとも1つを表示することを特徴とする核酸分析装置。
【請求項7】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記表示部は、前記検出データの出力画面を表示し、前記出力画面には、核酸の増幅の有無の検出結果と共に、試料の属性、試料グループの属性、試薬の属性を表示することを特徴とする核酸分析装置。
【請求項8】
請求項1記載の核酸分析装置において、
前記表示部は、前記データ解析部によって得られた核酸増幅曲線をリアルタイムにて表示することを特徴とする核酸分析装置。
【請求項9】
複数の試料を前処理する前処理ステップと、
前記前処理された試料内の核酸の増幅を検出する検出ステップと、
前記検出データをリアルタイムにて解析するデータ解析ステップと、
前記検出データの解析結果をリアルタイムにて表示する表示ステップと、
を有する核酸分析方法において、
前記検出ステップは、同一の条件下にて調製された検査試料と標準試料からなる試料グループについて、核酸の増幅の測定結果を含む検出データをリアルタイムにて出力し、
前記データ解析ステップにおいて、前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記表示ステップは、前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたことをリアルタイムにて表示することを特徴とする核酸分析方法。
【請求項10】
請求項9記載の核酸分析方法において、
前記データ解析ステップにおいて、前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記試料グループに属する検査試料の検査を中止させることを特徴とする核酸分析方法。
【請求項11】
請求項9記載の核酸分析装置において、
前記データ解析ステップにおいて、前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記試料グループに属する検査試料の検査を続行するか、前記試料グループに属する検査試料の検査を中止するかをオペレータに選択させるための画面を表示することを特徴とする核酸分析方法。
【請求項12】
請求項9記載の核酸分析方法において、
前記標準試料は、既知の核酸を含むポジティブコントロール、既知の核酸を含まないネガティブコントロール、又は、濃度既知の核酸を含む定量コントロールであることを特徴とする核酸分析方法。
【請求項13】
請求項9記載の核酸分析方法において、
前記標準試料は、前記検査試料とは別個に調製された外部コントロール、又は、前記検査試料内に添加される内部コントロールであることを特徴とする核酸分析方法。
【請求項14】
複数の試料を前処理する前処理部と、前記前処理された試料内の核酸の増幅を検出する検出部と、前記検出部から出力された検出データをリアルタイムにて解析するデータ解析部と、前記前処理部、前記検出部、及び前記データ解析部を制御する制御装置と、前記検出データの解析結果をリアルタイムにて表示する表示装置と、を有する核酸分析装置において、
前記検出部は、同一の条件下にて調製された検査試料と標準試料からなる試料グループについて、核酸の増幅をリアルタイムに検出し、前記データ解析部によって前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記表示装置は前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたことをリアルタイムにて表示することを特徴とする核酸分析装置。
【請求項15】
請求項14記載の核酸分析装置において、
更に、核酸分析計画を作成する分析計画部と、前記核酸分析計画に基づいて前記前処理部に前処理を実行させ前記検出部に核酸の増幅の検出を実行させる分析実行部と、を有し、
前記分析計画部は、前記検出部において実施されている試料グループの検査状況から、次の試料グループの分析計画を作成し、前記分析実行部は、前記分析計画部によって作成された分析計画と、前記検出部において実施されている試料グループの検査状況から、次の試料グループの検査を開始させることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項16】
請求項14記載の核酸分析装置において、
前記分析計画部は、所定の時間内に前記検出部にて次の試料グループの試料の検査を実行できないと判定したときには、分析計画の作成を行わないことを特徴とする核酸分析装置。
【請求項17】
請求項14記載の核酸分析装置において、
前記標準試料は、既知の核酸を含むポジティブコントロール、既知の核酸を含まないネガティブコントロール、又は、濃度既知の核酸を含む定量コントロールであることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項18】
請求項14記載の核酸分析装置において、
前記標準試料は、前記検査試料とは別個に調製された外部コントロール、又は、前記検査試料内に添加される内部コントロールであることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項19】
請求項14記載の核酸分析装置において、
前記データ解析部によって、前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記制御装置は、前記試料グループに属する検査試料の検査を中止させることを特徴とする核酸分析装置。
【請求項20】
請求項14記載の核酸分析装置において、
前記データ解析部によって前記標準試料の測定結果より検査不良が検出されたとき、前記表示装置は、検査不良を示すアラームを表示することを特徴とする核酸分析装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−220857(P2011−220857A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90766(P2010−90766)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】