説明

格納媒体上の欠陥の位置を判断する方法および装置

ディスクドライブの格納媒体の上の欠陥を検知する。格納媒体の上のデータの最小アドレス可能な単位内で、欠陥の位置が判断される。位置を示す情報をメモリに格納する。格納媒体の上に格納されているデータに対するディスクドライブのセンサの位置を監視する。ディスクドライブの欠陥検知器、ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、および、ディスクドライブのサーボコントローラのうち少なくとも1つの応答を、格納媒体の上に格納されているデータに対するセンサの位置、および、欠陥の位置の格納されている情報に基づいて、変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年1月14日に提出された、「欠陥境界コントローラ」なる名称の米国仮出願第61/144,602号明細書の恩恵を請求しており、この全体をここに参照として組み込む。
【0002】
本開示は概してディスク格納デバイスに係り、より詳しくはディスク上の欠陥の位置を検知する技術に係る。
【背景技術】
【0003】
ここに提供する背景技術の記載は、概して開示のコンテキストを示す目的を持つ。現在の発明者の、さもなくば出願時に先行技術とはならないであろうこの背景技術に記載されている範囲および記載の側面は、いずれも、本開示に対して自認した先行技術であることを明示もしくは示唆するものではないことを理解されたい。
【0004】
レーザを利用して光格納媒体のポリカーボネート基板上部に極小の窪みまたはピットのパターンを形成することにより、データを光格納媒体に書き込む方法がある。ピット間の領域はランドとして知られており、ピットおよびランドをあわせて、光格納媒体へ書き込まれたデータである。光ピックアップユニット(OPU)は、レーザよび光センサを含んでよく、データの読み取りに利用される。例えばOPUのレーザを、データを読み取ろうとしている光格納媒体の上のトラックに方向付けることができる。ランドに対するピットの窪みによって、ピットとランドとからはそれぞれ異なるように光が反射される。光格納媒体は、読み取り処理中にスピンドル/供給モータ(FM)ドライバにより回転されることで、光センサがピットおよびランドから読み取りを行うことができる。光センサは、ピットとランドとからの反射がそれぞれ異なることを検知して、ピットおよびランドが表すデータを読み取る。
【0005】
光格納媒体からデータを正確に読み取るには反射の差異を正確に検知することが必要となり、ピットは極小の窪みであるので、光格納媒体に書き込まれるデータの整合性は、引っかきまたは指紋によって欠陥を有しやすくなる。このような欠陥は、ランドおよびピットのパターンに干渉して、光格納媒体の反射特性を脅かす場合があり、これによりデータを正確に読み取れなくなったり、全く読み取れなくなったりする場合すらある。例えば、光格納媒体のユーザが音声またはビデオを再生する際に「スキップ」または「ブリップ」が生じたり、処理データを読み取ることが難しくなったりすることがある。
【0006】
図1は、光格納媒体104の欠陥開始領域112から始まる、引っかきまたは指紋といった欠陥108を有するDVD媒体等の光格納媒体104を示している。欠陥開始領域112は、図1の欠陥開始領域112の拡大図に示すように複数のトラック116を含んでよい。これら複数のトラック116の各々にはデータが書き込まれている。データは後に、複数のトラック116から読み出され、さらなる処理、光格納媒体104のユーザへの表示、ユーザへの音声またはビデオ再生等に利用されてよい。
【0007】
光格納媒体上の欠陥は、光格納媒体にわたり放射状に広がるので、時としてそのサイズが成長することがある。図1に示す欠陥108は、欠陥開始領域112内で複数のトラック116にわたり放射上に広がって、そのサイズが増加する。欠陥108により、特に欠陥108のサイズが増加するときに、複数のトラック116にデータが書き込まれている光格納媒体104上のデータ層の劣化が生じ、これにより、例えばDVDプレーヤの読み出しチャネル等の読み出しチャネルの、欠陥108が広がる各トラックからデータを読み出す能力に悪影響を及ぼす。
【0008】
図2は、光格納デバイスからの出力信号200を示す。出力信号200は例えば、光格納媒体(例えば光格納媒体104)からデータを読み出すことで生成される信号に対応する読み出しチャネル信号であってよい。出力信号200は、指紋により生じた劣化を有する劣化領域204を含む。劣化領域204は、低信号レベルおよび指紋の稜線に対応する稜線208により特徴付けられる。図3は、光格納デバイスからの別の出力信号300を示す。出力信号300は、引っかきにより生じる深刻な劣化を有する劣化領域304を含む。劣化領域304は、略完全に劣化した信号レベルおよびその結果の総データ損失により特徴付けられる。
【0009】
光格納媒体104に書き込まれるデータは、リード−ソロモン符号化スキーム等の誤り訂正符号化(ECC)スキームに従って符号化されてよい。場合によっては、ECCを利用することで、読み出しチャネルは、欠陥108が存在していても、光格納媒体104の、欠陥108等の欠陥の位置に書き込まれているデータを決定できる。しかし欠陥108が深刻すぎたり大きすぎたりする場合には、ECCであっても、データの損失を補うことができない場合がある。さらに、ECCがデータの損失を補うことができる場合であっても、欠陥108がさらなる問題を生じる場合もある。つまり、読み出しチャネルは、様々な制御ループを活用して、データを光格納媒体104から読み出すタイミング、利得量、および読み出し信号に適用されるdcオフセット等のパラメータを継続的に監視して調節する。例えばデータは、光格納媒体104のチャネルクロックに従って読み出される。光データ取得システムは、例えば光格納媒体104の回転速度に基づき期待チャネルクロックを決定する。しかし、様々な要素によって期待チャネルクロックが不正確になる場合がある。例えば光格納媒体104の偏心または楕円回転、光格納媒体104の回転速度の変化、および、読み出されるトラックの曲率中心と光格納媒体104の回転軸との間の差異の全てがタイミングエラーを引き起こす原因となりうる。従って読み出し処理中に適切な信号タイミングを確実に得るためには、タイミング制御ループを利用して、実際のチャネルクロックを回復している。同様に、利得およびdcオフセット制御ループを利用して、OPUからの読み出し信号の増幅を制御して、タイミング制御の問題を生じた要素のうちの1以上を含む要素の結果読み出し信号に付加されうるdcオフセットを補う。
【0010】
しかし欠陥108が存在する場合には、光格納媒体104のデータの劣化によって、タイミング、利得、dcオフセット制御ループに対して好ましくない入力が生じ、この結果、信号タイミング、利得、およびdcオフセット補償について望ましくない不正確な制御が行われる場合がある。この結果、欠陥108が含まれる光格納媒体104の領域を過ぎた後であっても、十分な量の信頼できるデータに基づいて制御ループが更新されることで再度適切な出力が生成されるまでは、欠陥108に悪影響(つまりスキップ、ブリップ等)が継続して生じる場合がある。
【0011】
同様の問題が、光格納媒体104からデータを読み出すOPUの位置を制御することに関して欠陥108が存在する場合にも生じうる。OPUの位置は、例えばタイミング制御に関して上述したものを含む要素によって変化してしまって不都合な場合がある。このため、タイミング、利得、およびdcオフセット同様に、OPUの位置も監視対象として、さらなる制御ループにより更新するとよい。しかしタイミング、利得、およびdcオフセット制御ループ同様に、OPUを位置させる制御ループも、欠陥108が存在すると不正確なデータに基づいて更新されることがあり、これによりOPUの位置の調節が不正確になって、これが、OPUが欠陥108の最後を通過した後であっても継続する場合がある。
【0012】
1つの公知のシステムに、欠陥108等の欠陥を検知して、例えば読み取りチャネルが利用するループに対する一定の変更を行うものがある。例えばタイミングループは、欠陥108から生じる不正確なデータでタイミングループの更新を行うことを最小限に抑えるべく、ディセーブルすることができる。システムはさらに、欠陥108が内部で検知されたECCブロックの光格納媒体104上のアドレスを決定することができる。ECCブロックの再読み取りの試みを後で行うようにすると、欠陥108を事前に検知する確率を高めるために、ECCブロックの開始からシステムの欠陥に対する検知感度が増して、これによってタイミングループが先にディセーブルされて、不正確なデータで更新されることがさらに少なくなる。
【発明の概要】
【0013】
一実施形態の方法は、ディスクドライブの格納媒体の上の欠陥を検知する。格納媒体の上のデータの最小アドレス可能な単位内で、欠陥の位置を判断する段階をさらに含む。加えて、方法は、位置を示す情報をメモリに格納する段階を含む。方法はさらに、格納媒体の上に格納されているデータに対するディスクドライブのセンサの位置を監視する段階を含む。方法はまた、ディスクドライブの欠陥検知器、ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、および、ディスクドライブのサーボコントローラのうち少なくとも1つの応答を、格納媒体の上に格納されているデータに対するセンサの位置、および、欠陥の位置の格納されている情報に基づいて、変更する段階を含む。
【0014】
別の実施形態では、読み取りチャネルコントローラの欠陥に対する応答を変更する段階は、読み取り信号に適用される利得を増加させる段階を有する。一実施形態では、利得を増加させる段階は、格納媒体の、欠陥の位置に格納されているデータの振幅が閾値を超えると判断することに呼応して、利得を増加させる段階を含む。
【0015】
さらなる実施形態では、装置は、ディスクドライブの格納媒体の上のそれぞれ異なる位置に関連付けられたカウントをそれぞれ生成するカウンタを含む。装置はさらに、格納媒体の上の欠陥を検知する欠陥検知器を含む。装置はさらに欠陥境界コントローラを含む。欠陥境界コントローラは、欠陥の位置に対応するカウンタのカウントを判断する。欠陥境界コントローラは、欠陥検知器、ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、および、ディスクドライブのサーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を、カウントとカウンタとに基づき変更する。
【0016】
一実施形態では、装置はさらに、カウンタを1以上のカウンタリセット位置でリセットするカウンタリセットモジュールを含む。欠陥境界コントローラは、さらに、欠陥に対応する特定のカウンタリセット位置を判断する。加えて、欠陥境界コントローラは、欠陥検知器、読み取りチャネルコントローラ、および、サーボコントローラのうち少なくとも1つの応答を、さらに欠陥に対応するカウンタリセット位置に基づき変更する。
【0017】
別の実施形態では、カウントは、欠陥に対応するカウンタリセット位置と欠陥の位置との間の格納媒体のチャネルクロックの周期の数を示す。
【0018】
また別の実施形態では、欠陥境界コントローラは、カウンタがカウンタリセット位置でリセットされた後で、カウンタが、欠陥の位置に対応する調節されたカウントに達したときに、読み取りチャネルコントローラを欠陥モードに入らせる。
【0019】
また別の実施形態では、欠陥境界コントローラは、カウンタがカウンタリセット位置でリセットされた後で、カウンタが、欠陥の近くを示しているときに、欠陥検知器の欠陥検知感度を変更する。
【0020】
また別の実施形態では、欠陥の位置は、格納媒体の第1のトラックの上である。欠陥境界コントローラは、欠陥の位置に基づき補償値を計算する。欠陥境界コントローラは、さらに、欠陥の位置に対応するカウントに補償値を追加して、格納媒体の第2のトラックの上の欠陥の第2の位置を予測する。
【0021】
さらなる実施形態では、方法は、カウンタを動作させる。カウンタのカウントはそれぞれ、ディスクドライブの格納媒体の上のそれぞれ異なる位置に関連付けられている。方法はさらに、欠陥検知器を利用して格納媒体の上の欠陥を検知する段階を含む。加えて、方法は、欠陥の位置に対応するカウンタのカウントを判断する段階を含む。方法はさらに、欠陥検知器、ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、およびディスクドライブのサーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を、カウントとカウンタとに基づき変更する段階を含む。
【0022】
別の実施形態では、方法はさらに、1以上のカウンタリセット位置でカウンタをリセットする段階と、欠陥に対応するカウンタリセット位置を判断する段階とをさらに備える。加えて、欠陥検知器、読み取りチャネルコントローラ、およびサーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を変更する段階は、欠陥に対応するカウンタリセット位置にさらに基づいて行われる。
【0023】
また別の実施形態では、カウントは、欠陥に対応するカウンタリセット位置と欠陥位置との間の格納媒体のチャネルクロックの周期の数を示す。
【0024】
また別の実施形態では、欠陥に対応するカウンタリセット位置は、格納媒体の上の誤り訂正符号化ブロックの境界である。
【0025】
また別の実施形態では、欠陥に対応するカウンタリセット位置は、格納媒体の上のデータセクタの境界である。
【0026】
また別の実施形態では、欠陥に対応するカウンタリセット位置は、格納媒体の上の所定の角度位置である。
【0027】
また別の実施形態では、欠陥検知器の応答を変更する段階は、カウンタがカウンタリセット位置でリセットされた後で、カウンタが欠陥の近くを示すときに、欠陥検知器の欠陥検知感度を変更する段階を変更する段階を有する。
【0028】
また別の実施形態では、読み取りチャネルコントローラの応答を変更する段階は、カウンタがカウンタリセット位置でリセットされた後で、カウンタが欠陥の位置に対応する調節されたカウントに達したときに、読み取りチャネルコントローラを欠陥モードに入らせる段階を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】欠陥を有する光格納媒体を示す。
【0030】
【図2】指紋による劣化を含む光格納媒体からの出力信号を示す。
【0031】
【図3】引っかきによる深刻な劣化を含む光格納媒体からの出力信号を示す。
【0032】
【図4】一実施形態におけるディスクドライブシステムのブロック図である。
【0033】
【図5】別の実施形態におけるディスクドライブシステムの光格納媒体の欠陥を管理する方法のフローチャートである。
【0034】
【図6】別の実施形態における欠陥管理モジュールの実装を含むディスクドライブシステムのブロック図である。
【0035】
【図6A】また別の実施形態における欠陥管理モジュールの欠陥境界コントローラの詳細図である。
【0036】
【図7】また別の実施形態におけるディスクドライブシステムの光格納媒体上の欠陥の位置を決定する方法のフローチャートである。
【0037】
【図8】また別の実施形態における光格納媒体のトラックを示す2つの図である。
【0038】
【図9】別の実施形態におけるディスクドライブシステムの光格納媒体上の欠陥に対する応答を変更する方法のフローチャートである。
【0039】
【図10】別の実施形態における欠陥管理モジュールの別の実装を含む代替的なディスクドライブシステムのブロック図である。
【0040】
【図11】また別の実施形態における光格納媒体の第3のトラック上の欠陥の位置を予測する方法のフローチャートである。
【0041】
【図12】また別の実施形態における複数のトラックを有する光格納媒体を示す。
【0042】
【図13】別の実施形態における光格納媒体の2つのトラック上のカウンタリセット位置および欠陥検知位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで記載する欠陥検知および応答技術は、1以上のDVDフォーマット仕様(例えばDVD読み取り専用メモリ(DVD−ROM)、記録可能フォーマットDVD−RおよびDVD+R、書き込み可能フォーマットDVD−RWおよびDVD+RW、およびDVDランダムアクセスメモリ(DVD−RAM))を利用する光ディスクドライブシステムで利用されるものとして記載されるが、これら技術は、様々な他の種類の光ディスクドライブシステムで利用可能であり、これら光ディスクドライブシステムには、Blu−RaY Disc(BD)フォーマット仕様およびコンパクトディスク(CD)フォーマット仕様が含まれてよいが、DVDフォーマット仕様に準拠したものに限定されるわけではない。またさらに、ここで記載する技術は、他のデータ格納デバイスおよびドライブシステム(例えば磁気ディスクドライブシステム)に利用することもできる。
【0044】
図4は、一実施形態におけるディスクドライブシステム400のブロック図である。ディスクドライブシステム400は、例えば、Blu−Ray Discプレーヤ、DVDプレーヤ、パーソナルコンピュータまたはラップトップコンピュータ等に見られるようなBlu−Rayディスクドライブシステム、DVDディスクドライブシステム等、または、光ドライブを利用しうる複数のデバイスおよび機器のいずれかであってよい。ディスクドライブシステム400は、光格納媒体104、OPU408が取り付けられた移動アーム404、サーボ412、サーボコントローラ416、読み取りチャネル420、メモリ424、読み取りチャネルコントローラ432、欠陥管理モジュール436、ディスクコントローラ440、およびインタフェース444を含む。読み取りチャネルコントローラ432は、オフセットおよび利得コントローラ432aおよびタイミングコントローラ432bを含む。別の実施形態では、オフセットおよび利得コントローラ432aは、2つの別個のコントローラ(つまり、1つがdcオフセットコントローラ(不図示)であり、1つが利得コントローラ(不図示)である)として実装される。また別の実施形態では、以下に詳述するように、電圧制御発振器(VCO)(図4には不図示)を、タイミングコントローラ432aに集積してよく、あるいは、タイミングコントローラ432bに通信可能なように連結させることができる。
【0045】
図5をさらに参照して、ディスクドライブシステム400の処理を以下に詳述する。図5は、一実施形態におけるディスクドライブシステムの光格納媒体の欠陥を管理する方法500のフローチャートである。方法500は、説明をし易くする目的から、ディスクドライブシステム400を参照して説明する。しかし、方法500はディスクドライブシステム400以外のシステムにより実装することもできることを理解されたい。
【0046】
504で、データを光格納媒体104から検知する。一実施形態では、ディスクドライブシステム400を含みうるような上述したコンピューティングデバイスのうちの1つにおけるマイクロプロセッサ(不図示)が、読み取りデータ要求をインタフェース444に提供して、読み取るべきデータ(データをそこから読み取る光格納媒体104の第1のトラックを示す情報)を示すことができる。インタフェース444は、読み取るべきデータを示す情報をディスクコントローラ440に送信して、ディスクコントローラ440が、例えばデータをそこから読み取る第1のトラックを示す信号をサーボコントローラ416に送信する。ディスクコントローラ440からの信号に呼応して、サーボコントローラ416は、サーボ412の、移動アーム404およびOPU408を第1のトラック上に位置させる処理を制御する。ここではOPU408を第1のトラック上に位置させることに関して説明するが、サーボコントローラ416およびサーボ412は、OPU408を、データ読み取り要求が示す光格納媒体104の任意の適切な位置(例えば第1のトラックの上の特定のデータセクタ等)の上に位置させるために利用することができる。OPU408は、レーザおよび光センサを含んで、第1のトラックのランドおよびピットから異なる反射を検知することで、光格納媒体104上に格納されているデータを読み取ることができる。
【0047】
504の参照を続けると、光格納媒体104上に格納されるデータの検知は、一実施形態では、さらに以下のように行われてよい。読み取りチャネル420は、OPU408からアナログの読み取り信号を受信して、アナログ読み取り信号に基づいてデジタル信号を生成して、デジタル信号が表すデータを検知する。一実施形態では、検知されたデータをメモリ424に書き込んでよく、メモリ424にはRAM、ROM、フラッシュメモリ、および/または、任意の他の適切な電子データ格納媒体に書き込んで、ディスクドライブシステム400を配置するコンピューティングデバイスによる利用に備えさせる。別の実施形態では、検知されたデータは、ディスクコントローラ440に提供されてよく、ディスクコントローラ440からインタフェース444に提供されてよい。次いでインタフェース444はさらに、検知されたデータを上述したマイクロプロセッサに提供することができる。読み取りチャネル420は、さらに、光格納媒体104から読み取った位置情報に基づいて位置信号を生成して、これらの位置信号をサーボコントローラ416に提供してよい。従って、サーボコントローラ416はさらに、読み取りチャネル420からの位置信号に呼応して、サーボ412の処理を制御することができる。
【0048】
次に508で、ディスクドライブシステム400内のコントローラを、読み取りチャネル420に提供された様々なパラメータを調節するべく更新する。これらパラメータは例えば、読み取り処理中に適切なタイミング、増幅、およびdcオフセット補償を確かに行うために利用される信号タイミング、利得、およびdcオフセットパラメータを含んでよい。ディスクドライブシステム400では、デジタル信号および検知されたデータの一方または両方が、読み取りチャネルコントローラ432内のコントローラ432aおよび432bの更新に利用される。コントローラ432aおよび432bは、デジタル信号および/または検知されたデータからの更新に呼応して、読み取りチャネル420に提供された上述したパラメータを調節する。これらパラメータは、例えば、光格納媒体104の偏心または楕円回転が生じる変動、光格納媒体104の回転速度の変動、光格納媒体104の回転軸と、第1のトラックまたは任意の他の読み取りトラックの曲率中心との間の差異等に呼応して調節することができる。加えて、デジタル信号および検知されたデータの一方または両方を、例えばサーボ412の正確に制御するべく、1以上の上述した要素に呼応して、サーボコントローラ416の更新に利用することができる。
【0049】
次に512で、検知の第1のエッジ(例えば図1を参照して記載した欠陥108の開始点)が光格納媒体104上で検知されたかを判断する。検知108の第1のエッジは、ディスクドライブシステム400内で様々な方法のいずれかで検知することができる。例えば、読み取りチャネル420からのデジタル信号および検知されたデータの一方または両方を欠陥管理モジュール436に提供することができる。さらに一実施形態では、タイミングコントローラ432bは、欠陥管理モジュール436のタイミング制御を行うことができる。またさらに、ディスクコントローラ440は、欠陥管理モジュール436に欠陥検知設定を提供してよく、欠陥管理モジュール436は、欠陥検知設定を利用して欠陥108の第1のエッジを検知することができる。ディスクコントローラ440は、例えば、機械読み取り可能な命令を実行するコントローラであってよい。機械読み取り可能命令は、ファームウェア、ソフトウェア等として格納可能である。欠陥検知設定は、例えば、欠陥を示すデジタル信号の劣化量を示してよい。一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、例えば、光格納媒体104の特定の位置のデジタル信号の包絡線の振幅が、ディスクコントローラ440が設定する閾値を下回るという判断に基づいて、欠陥108の第1のエッジを検知する。別の実施形態では、欠陥108の第1のエッジは、サーボコントローラ416を利用してサーボ412から受信する信号の振幅に基づいて欠陥を検知することにより、ディスクドライブシステム400内で検知することができる。
【0050】
512で欠陥108の第1のエッジが検知されたと判断されると、フローは516に進む。欠陥108の第1のエッジが検知されなかった場合には、フローは504に戻り、方法は記載するように続いていく。
【0051】
516で、ディスクドライブシステム400は、欠陥108の第1のエッジに呼応する。一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、コントローラ432aおよび432bの1以上に不正確な更新を行うことを回避するべく、欠陥108の第1のエッジを検知するとコントローラ432aおよび432bの1以上をディセーブルすることにより、欠陥108の第1のエッジに呼応してよい。別の実施形態では、サーボコントローラ416も、読み取りチャネル420から検知されたデータに基づいて、または、サーボ412から受信した信号の振幅に基づいて、欠陥管理モジュール436が欠陥108によってOPU408の処理に半径トラックの問題が生じていると判断する場合には、コントローラ432aおよび432bの1以上の代わりに、またはこれに加えて、欠陥108の第1のエッジの検知に呼応して、同様にディセーブルされる。コントローラ432aおよび432bの1以上に関して、および、サーボコントローラ416に関して利用される「ディセーブル」と言う用語は、ここでは、コントローラ416、432a、および432bの1以上の出力のさらなる更新を回避して、信号タイミング、利得、dcオフセット等のさらなる調節を回避することを言う。
【0052】
次に520で、欠陥108の第1のエッジを検知した場所を判断する。一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、光格納媒体104に格納されているデータの最小アドレス可能な単位内で、欠陥108の第1のエッジが検知された位置を判断する。欠陥管理モジュール436は、必須ではないが、欠陥108の第1のエッジが検知されたデータの最小アドレス可能な単位を判断または特定することができる。例えば、DVD媒体では、データの最小アドレス可能な単位は、8から14変調(EFM)フレームであり、これには1,488ビットが含まれる。従って、例えば、欠陥管理モジュール436は、さらに以下で詳述するような技術を利用して、EFMフレーム内の位置またはビット数を決定することができるが、必ずしも第1のトラック上で検知された欠陥108の第1のエッジにおける特に特定されたEFMフレームではなくてもよい。
【0053】
次に524で、欠陥108の第2のエッジまたは終端を検知したかを判断する。検知108の第2のエッジは、ディスクドライブシステム400内で様々な方法のいずれかで検知することができる。例えば、欠陥管理モジュール436は、上述したようにディスクコントローラ440が提供する欠陥検知設定を利用して、欠陥108の第2のエッジを検知することができる。より具体的には、一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、512で読み取りチャネル420が提供するデジタル信号の包絡線の振幅が欠陥108の第1のエッジを検知するのに利用される閾値以上であるという判断に基づいて、欠陥108の第2のエッジを検知する。別の実施形態では、サーボコントローラ416は、例えば、OPUが、欠陥108が検知された位置にあるとき、サーボ412から受信する信号の振幅と比してサーボ412から受信する信号の振幅が増加していることに基づいて、欠陥108の第2のエッジを検知することができる。524で欠陥108の第2のエッジが検知されたと判断されると、フローは528に進む。欠陥108の第2のエッジが検知されない場合には、フローは、第2のエッジが検知されるまで524に留まる。
【0054】
528で、ディスクドライブシステム400は、欠陥108の第2のエッジに呼応する。一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、516でディセーブルされたコントローラ432aおよび432bの一以上を再度イネーブルすることにより、欠陥の第2のエッジに呼応することができる。コントローラ432aおよび432bの1以上に関して利用される「再度イネーブルする」または「再度イネーブルされた」という用語は、ここでは、コントローラ432aおよび432bの一以上のディセーブルに続いてコントローラ432aおよび432bの一以上の出力のさらなる更新を可能とすることを言う。別の実施形態では、欠陥管理モジュール436は、同様に、欠陥管理モジュール436が、読み取りチャネル420から検知されたデータに基づいて、または、サーボ412から受信した信号の振幅に基づいて、欠陥管理モジュール436が、欠陥108がOPU408の処理に半径トラックの問題が生じなくなったと判断すると、欠陥108の第2のエッジの検知に呼応してサーボコントローラ416を再度イネーブルする。
【0055】
次に532で、欠陥108の第2のエッジを検知した場所を判断する。520で、欠陥管理モジュール436は、光格納媒体104に格納するデータの最小アドレス可能な単位内で、以下に記載するように、欠陥108の第2のエッジが検知された位置を判断する。欠陥管理モジュール436は、必須ではないが、欠陥108の第2のエッジが位置するデータの特定の最小アドレス可能な単位を判断または特定することができる。
【0056】
次に536で、欠陥108の実際の位置を予測する。読み取りチャネル420は、欠陥管理モジュール436が欠陥108の第1のエッジを検知するように、光格納媒体104から読み取られたデータを処理する必要がある。従って、欠陥管理モジュール436は、概して、欠陥108が実際に始まってから少し経つまでは、欠陥108の第1のエッジを検知しない。同様に、この処理遅延のために、欠陥管理モジュール436は、欠陥108が実際に終了してから少し経つまでは、概して、欠陥108の第2のエッジを検知しない。従って、欠陥管理モジュール436は、光格納媒体104上に格納されているデータの最小アドレス可能な単位の範囲で、欠陥108の実際の位置を予測してよい。例えば欠陥管理モジュール436は、欠陥108の第1のエッジの実際の位置および欠陥108の第2のエッジの実際の位置を予測してよい。欠陥管理モジュール436は、以下に示すように後の利用に備えて予測された位置を示す情報を格納しておくことができる。欠陥管理モジュール436は、この予測を、以下に詳述する技術に従って行うことができる。
【0057】
次に540で、ディスクドライブシステム400は、後続する、欠陥108が影響を与える光格納媒体104の領域からデータを読み取る試みの間に、欠陥108に対する応答を変更する。より具体的には、一実施形態では、ディスクドライブシステム400は、格納媒体に格納されているデータに対するOPU408の位置および欠陥108の位置を示す格納情報に基づく後続する試みの間に、欠陥108に対する応答を変更することができる。以下に詳述するように、ディスクドライブシステム400は、例えばOPU408が、536に関して説明したような欠陥108の予測位置にあるとき、または、OPU408が予測位置の近くの光格納媒体104の位置にあるときに、自身の応答を変更することができる。
【0058】
一実施形態では、継続して540を参照して、欠陥108の位置に格納されているデータが、誤り訂正符号(ECC)スキームを利用しても読み出すことができない場合、読み取りチャネルコントローラ432が、再読み取り信号をサーボコントローラ416に提供して、サーボ412の処理を制御して、OPU408に、欠陥108による影響を受けているデータの再読み取りを試みさせることができる。従って、再読み取りの試み中に、欠陥管理モジュール436は、以下で後述するように、光格納媒体104に格納されているデータに対するOPU408の位置を監視することができる。一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、OPU408が欠陥108について予測された位置にあるとき、または、OPU408が予測された位置の近くの光格納媒体104の位置にあるときに、再読み取りの試み中に、欠陥108に対する自身の応答を変更する。別の実施形態では、欠陥108に対する自身の応答を変更させるのに加えて、またはその代わりに、欠陥管理モジュール436が、読み取りチャネルコントローラ432およびサーボコントローラ416の一方または両方の応答を変更する。
【0059】
540の参照を続けると、欠陥管理モジュール436は、欠陥108に対する自身の応答、および/または、読み取りチャネルコントローラ432の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答を様々な方法で変化させることができる。例えば、欠陥管理モジュール436は、再読み取りの試み中に、OPU408が欠陥108の第1のエッジについて予測された位置にあるときに、欠陥検知信号を生成することができる。さらに一実施形態では、欠陥検知信号は、読み取りチャネルコントローラ432およびサーボコントローラ416の一方または両方を欠陥モードにする。欠陥モードは、最初のデータ読み取り中に欠陥108の第1のエッジに呼応するのに利用する、読み取りチャネルコントローラ432の処理と同じモード、または、サーボコントローラ416の処理の同じモードであっても異なるモードであってもよい。例えば、欠陥検知信号に呼応して、コントローラ432aおよび432bの一以上をディセーブルすることができる。別の実施形態では、サーボコントローラ416は、コントローラ432aおよび432bの1以上の代わりに、またはこれらに加えてディセーブルされてよい。この結果、コントローラ432aおよび432bの1以上および/またはサーボコントローラ416に対する不正確な更新を最小限に抑え、読み取りチャネル420が再読み取りの試み中に欠陥108による影響を受けるデータを正確に検知する可能性を高めることができる。加えて、コントローラ432aおよび432bの1以上および/またはサーボコントローラ416に対する不正確な更新を最小限に抑えることができるので、コントローラ432aおよび432bの1以上および/またはサーボコントローラ416を、欠陥108の終端の後でより迅速に正確に更新することができる。
【0060】
別の実施形態では、コントローラ432aおよび432bの1以上が、欠陥管理モジュール436からの強制された更新を受信することができる。また別の実施形態では、サーボコントローラ416は、コントローラ432aおよび432bの1以上の代わりに、またはこれらに加えて、欠陥管理モジュール436からの強制された更新を受信することができる。これらの更新は、コントローラ432aおよび432bの1以上および/またはサーボコントローラ416に対する適切な入力となって、欠陥108の位置のデータを再度読み取る試みの後で、例えば読み取りチャネル420の性能、および/または、サーボコントローラ416およびサーボ412の性能を最適化することができる。
【0061】
540に関する説明を続けると、読み取りチャネルコントローラ432およびサーボコントローラ416の、例えば上述したようなモード等の様々な欠陥モードが、コントローラ432aおよび432b、および/または、サーボコントローラ416の設定(1または複数)により有効にされ、これら設定は、例えばディスクコントローラ440によってコントローラ432aおよび432b、および/または、サーボコントローラ416へ提供されてよい。欠陥検出信号を適切に生成することにより、欠陥管理モジュール436は、利用する設定(1または複数)を選択することができる。
【0062】
540に関する別の実施形態では、光格納媒体104からのデータの音声またはビデオ再生を継続させる要求によって、再読み取り処理を行わないようにする場合に、欠陥管理モジュール436が、適切な期間の間、または無限期間の間、欠陥108の第1のエッジの予測位置を格納することができ、後の、欠陥108が影響を与えるデータの再読み取りの試みの間の、OPU408が、例えば欠陥108の第1のエッジの予測位置にあるときに、欠陥検知信号を生成する。
【0063】
540に関するまた別の実施形態では、以下の詳述するように、欠陥管理モジュール436は、自身の欠陥108に対する応答を、OPU408が欠陥108の第1のエッジの予測位置に位置しているとき、または欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置に位置しているときに、自身の欠陥検知感度を変更することにより、変更することができる。例えば、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置とは、欠陥108の第1のエッジの予測位置から10または100ビットのオーダ分、離れた位置のことであってよい。一実施形態では、近くの位置とは、経験的に決定されてよい。このようにして、利用される光格納媒体104の種類について一定の共通の欠陥の種類について性能を最適化させることができる。別の実施形態では、欠陥管理モジュール436は、欠陥108が影響を与えるデータの読み取りの試みの間に、異なる近くの位置を試みることができる。例えば、欠陥108が生じるエラーの数は、状況によっては、誤り訂正符号が処理可能なレベルを超える場合がある。近くの位置を再読み取りの戦略の一部として調節することにより、欠陥管理モジュール436は、欠陥108についてよく機能する近くの位置を見つける試みにおいて、様々な近くの位置を試みることができる。これは、欠陥108の第1のエッジの予測位置と近くの位置との間のビットのデフォルト数が、一部の欠陥には機能するが、欠陥108等の他の欠陥にはよく機能しない場合に助けとなるだろう。
【0064】
一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、例えばディスクコントローラ440により、それに提供される設定に従って、欠陥を示すデジタル信号内の低下した劣化量を特定することにより、欠陥検知感度を変更することができる。このようにして、欠陥108の影響を受けているデータの再読み取りの試み中に、欠陥管理モジュール436は、通常の応答条件における場合よりも、欠陥管理モジュール436よりも欠陥108が実際に始まる位置により近い位置で、欠陥108の第1のエッジを検知する可能性が高まる。さらに、例えば欠陥管理モジュール436は、欠陥108の第1のエッジの実際の位置により近いコントローラ432aおよび432bの1以上をディセーブルしてよい。別の実施形態では、欠陥管理モジュール436は、コントローラ432aおよび432bの1以上の代わりに、またはこれらに加えて、欠陥108の第1のエッジの実際の位置に近いサーボコントローラ416をディセーブルしてよい。こうすることで、コントローラ432aおよび432bおよび/または416に対する不正確な更新を最小限に抑えることができるようになり、このような不正確な更新の好ましくない結果を回避することができるようになる。
【0065】
540に関するまた別の実施形態では、さらに以下に詳述するように、欠陥管理モジュール436は、欠陥108の深刻度が比較的最小であること(例えば、指紋により生じたもの)、欠陥108による影響を受けるデータが、コントローラ432aおよび432bの設定を調節または維持することで、および/または、サーボコントローラ416の設定を調節または維持することで、再読み取りできる可能性が高いこと、等の判断に基づいて、欠陥108に対する自身の応答、および/または、読み取りチャネルコントローラ432の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答を変更することができる。例えば、欠陥管理モジュール436は、OPU408が欠陥108の第1のエッジの予測位置に位置しているときに、または、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置に位置しているときに、オフセットおよび利得コントローラ432aの設定をイネーブルして、オフセットおよび利得コントローラ432aが読み取り信号に与える利得を増加させてよい。例えば、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置は、欠陥の第1のエッジの予測位置から10または100ビットのオーダ分、離れた位置のことであってよく、欠陥管理モジュール436が自身の欠陥検知感度を変更させることができる実施形態に関して上述した方法と同様の方法により決定されてよい。例えば、欠陥管理モジュール436は、欠陥108の第1のエッジが検知された位置におけるデジタル信号の包絡線の振幅が、ディスクコントローラ440が設定する閾値を上回る場合には、比較的最小限の深刻度であると判断してよい。一実施形態では、欠陥管理モジュール436は、依然として、タイミングコントローラ432およびサーボコントローラ416の一方または両方をディセーブルさせつつ、オフセットおよび利得コントローラ432aが利用する利得を増加させる。別の実施形態においては、サーボコントローラ416およびタイミングコントローラ432bの一方または両方が、欠陥108の深刻度が比較的最小限であることに鑑みて、ディセーブルされない。加えて、オフセットおよび利得コントローラ432aが2つの離散したコントローラ(1つがdcオフセットコントローラおよび1つが利得コントローラである)として実装される実施形態では、欠陥管理モジュール436は、dcオフセットコントローラをディセーブルして、しかも利得コントローラが利用する利得は増加させる。
【0066】
540に関するまた別の実施形態では、図11から図13を参照して以下で詳述するように、欠陥管理モジュール436は、自身の欠陥108に対する応答、および/または、読み取りチャネル420の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答を、第2のトラック等の光格納媒体104の他のデータトラックに関して変更させてよい。例えば、上述したように、欠陥管理モジュール436は、第1のトラックの上で欠陥108の第1のエッジが検知されたEFMフレーム内の位置またはビット数、および、第1のトラックの上で欠陥108の第2のエッジが検知された同じEFMフレームまたは別のEFMフレーム内の位置またはビット数を判断する。好適には、第1のトラック上で検知した欠陥108の位置に関する情報を利用して、第2のトラック上の欠陥の第2の位置等の、光格納媒体104の別のトラック上の欠陥の別の位置を正確に予測することができる。つまり、欠陥管理モジュール436は、第1のトラック上で検知される欠陥108の第1のエッジおよび第2のエッジの位置を利用することで、第2のトラック上の欠陥108の第2の位置を予測することができる。欠陥108の別のトラック(例えば第2のトラック)上の欠陥108の位置の予測方法については特に以下で詳述する。ほんの1例としては、欠陥108の第2のトラック上の第2の位置は、欠陥108が、欠陥108の第1のトラック上で検知された位置から、光格納媒体104で放射状に伝播するという仮定のもとに予測することができる。欠陥108が伝播すると仮定される光格納媒体104上の半径は、例えば図6および図7に関して後述する1以上の実施形態に従って、第1のトラック上の欠陥108の検知を、光格納媒体104の回転角度の追跡とあわせて行うことで、決定することができる。
【0067】
さらに540に関して、欠陥の第2のトラック上の第2の位置を予測した後で、欠陥管理モジュール436は、上述した方法のいずれかまたは任意の適切な方法によって、第2のトラック上の欠陥108に呼応することができる。例えば、第2のトラック上で、欠陥管理モジュール436は、OPU408が欠陥108の第2の予測位置にあるときに、欠陥検知信号を生成して、コントローラ432aおよび432b、および/または、サーボコントローラ416をディセーブルすることができる。または、欠陥管理モジュール436は、OPU408が第2の予測位置に、またはその近くに位置しているときの欠陥検知感度を増加させてよく、OPU408が第2の予測位置に、またはその近くに位置しているときのオフセットおよび利得コントローラ432aが利用する利得を増加させてよい。以下の教示に則った欠陥108の第2のトラック上の第2の位置の正確な予測によって、上述したような第2のトラックからデータを読み取りときに利点を生じることができる。例えば図1を参照して記載したように、欠陥108はしばしば、複数のトラック116にわたり放射状に広がって、そのサイズが大きくなる場合がある。従って欠陥管理モジュール436は、欠陥108が第1のトラックの安定処理に対してあまり脅威でない間に、欠陥108が始まる場所を判断することができ、光格納媒体104の第2の後続するトラックが読み取られて欠陥108のサイズが大きくなることで問題が生じると、欠陥108に対する応答を変更することができる。
【0068】
図6を参照すると、一実施形態における欠陥管理モジュール436の実装を含むディスクドライブシステム600が示されている。図6に示されているように、ディスクドライブシステム600は、光格納媒体104、移動アーム404、OPU408、サーボ412、サーボコントローラ416、読み取りチャネル420、読み取りチャネルコントローラ432、欠陥管理モジュール436、およびディスクコントローラ440を含む。メモリ424およびインタフェース444は、簡潔性を期す目的から図6には示さないが、ディスクドライブシステム600は、さらに、ディスクドライブシステム400に関して記載したのと同様に、メモリ424およびインタフェースの一方または両方を含んでよい点を理解されたい。ディスクドライブシステム600では、読み取りチャネル420が、アナログフロントエンド(AFE)604、アナログデジタルコンバータ(ADC)608、およびデータ検知器612を含む。読み取りチャネルコントローラ432は、オフセットおよび利得コントローラ432a、タイミングコントローラ432b、および、電圧制御発振器(VCO)620を含む。加えて、ディスクドライブシステム600では、検知管理モジュール436が、検知応答モジュール628および検知境界コントローラ632を含む。検知応答モジュール628はさらに、検知マネージャ636、カウンタ640、およびカウンタリセットモジュール644を含む。
【0069】
504の参照に戻り、読み取りチャネル420の処理を詳述する。図4を参照して上述したように、光格納媒体104からデータを読み取るとき、アナログ読み取り信号がOPU408から受信される。より詳しくは、ディスクドライブシステム600では、アナログ読み取り信号がAFE604で受信される。オフセットおよび利得コントローラ432aが、AFE604に通信可能に連結されて、アナログ読み取り信号の振幅を、読み取りチャネル420の残りによる処理に適したレベルに調節して、例えばOPU408のトラックにおける偏心位置によりアナログ読み取り信号に導入されたdcオフセットを除去する。AFE604のアナログ出力は、ADC608で受信されて、チャネルクロックに従ってアナログ出力がサンプルされる。チャネルクロックは、光格納媒体104に書き込まれたビットの間隔に基づいて生成されるので、光格納媒体104から読み取られるデータのタイミングに対応する。例えば図6に示す実施形態では、VCO620が、ADC608に提供されるチャネルクロックを生成する。本実施形態では、タイミングコントローラ432bは、光格納媒体104上のビットの間隔の変動に呼応して、VCO620の発振周波数を変化させるように、VCO620の入力に適切な電圧を加えることができる。一実施形態では、VCO620は、サーボコントローラ416にクロックを提供しない。その代わりに、サーボコントローラ416は、固定クロック(不図示)により制御される別個のADC(不図示)を含むことができる。
【0070】
504の説明を続けると、ADC608は、AFE604のアナログ出力をサンプルして、図4を参照して説明したデジタル信号を生成する。デジタル信号は、光格納媒体104から読み取ったデータを表しており、データ検知器612に提供される。データ検知器612は、デジタル信号を復調して、光格納媒体104に元々書き込まれていたデータビットを検知する。
【0071】
508の参照に戻ると、デジタル信号および検知したデータの一方または両方が、サーボコントローラ416、オフセットおよび利得コントローラ432a、およびタイミングコントローラ432bの1以上を更新するために利用される。図6のディスクドライブシステム600では、ADC608からのデジタル信号を利用して、サーボコントローラ416、および、オフセットおよび利得コントローラ432aを更新する。サーボコントローラ416は、デジタル信号の振幅を監視して、オフセットおよび利得コントローラ432aは、デジタル信号の振幅およびdcオフセットを監視して、サーボ412およびAFE604にそれぞれ入力するために適切な信号を判断して、適切な追跡および適切な振幅およびdcオフセット補償が、光格納媒体104の後続する読み取り中に確実に行われるようにする。加えて、図6に示す実施形態では、検知されたデータをデータ検知器612からタイミングコントローラ432bに入力する。タイミングコントローラ432bは、データ検知器612が適切にADC608のデジタル出力を復調できるように、適切な時間に、検知されたデータに基づいて、ADC608がAFE604のアナログ出力を確実にサンプルするのに必要となるタイミング調節を判断する。必要となるタイミング調節を判断した後で、タイミングコントローラ432bは、VCO620への電圧入力を調節することで、VCO620からADC608に提供されるチャネルクロックを調節する。
【0072】
508の説明を続けると、ディスクドライブシステム600は、サーボコントローラ416およびオフセットおよび利得コントローラ432aを調節するために利用されるADC608からのデジタル信号、および、タイミングコントローラ432bを調節するために利用されるデータ検知器612からの検知されたデータを有するものとして開示されているが、本開示および教示を読んだ当業者であれば適切な変形例を想到するであろう。例えば、ADC608からのデジタル信号の品質をタイミングコントローラ432bにより評価して、必要なタイミング調節を判断することもできる(調節を、データ検知器612からの検知されたデータに基づいて判断する代わりに)。
【0073】
図6A、図7、および図8をさらに参照して、ディスクドライブシステム600の処理を以下に詳述する。図7は、一実施形態におけるディスクドライブシステムの光格納媒体上の欠陥の位置を決定する方法700のフローチャートである。説明をし易くする目的から、ディスクドライブシステム600を参照して方法700を説明する。しかし、方法700はディスクドライブシステム700以外のシステムにより実装することもできることを理解されたい。
【0074】
704で、欠陥の第1のエッジ(欠陥108の開始点等)が光格納媒体104上に検知されたかを判断する。一実施形態では、ディスクドライブシステム600において、ADC608からのデジタル信号およびデータ検知器612からの検知されたデータを、欠陥マネージャ636に入力する。検知マネージャ636は、デジタル信号および検知されたデータの両方を検査して欠陥を検知する。より具体的には、検知マネージャ636は、ディスクコントローラ440が提供する設定を利用して欠陥を検知するディスク検知器(不図示)を含んでよく、これに関しては図4および図5を参照して詳述する。ディスクコントローラ440が提供する設定を利用して、欠陥マネージャ636は、欠陥の第1のエッジを検知することができる。または、欠陥マネージャ636は、デジタル信号または検知されたデータのいずれか(両方ではなくて)を検査して欠陥を検知してもよい。また別の実施形態では、欠陥108の第1のエッジは、サーボコントローラ416を利用してサーボ412から受信する信号の振幅に基づいて欠陥を検知することにより、ディスクドライブシステム600内で検知することができる。704で欠陥108の第1のエッジが検知されたと判断されると、フローは708に進む。欠陥108の第1のエッジが検知されていない場合には、フローは、欠陥108の第1のエッジが検知されるまで704に留まる。
【0075】
708で、欠陥マネージャ636は、オフセットおよび利得コントローラ432aおよびタイミングコントローラ432bの一方または両方を、および、一実施形態では、コントローラ432aおよび432bの一方または両方に代えて、またはこれらに加えて、サーボコントローラ416を、ディセーブルすることにより、欠陥108の第1のエッジに呼応することができる。
【0076】
次に712で、カウンタ640の第1のカウンタ、および、第1のカウンタリセット位置を判断する。第1のカウントは、欠陥108の第1のエッジが検知された光格納媒体104の位置に対応する。より具体的には、カウンタ640は、光格納媒体104の異なる位置に関するカウントを生成することができる。特に、以下に詳述するように、カウンタ640の各カウントは、光格納媒体104のチャネルクロックの所定の周期数に対応していてよい。
【0077】
712の参照を続けると、第1のカウンタリセット位置は、図8によく示されているように、カウンタリセットモジュール644により決定されてよい。図8は、光格納媒体104(不図示)のトラック800の2つの図面を示す。第2の、または底部の図面の重要性を以下で説明する。第1の図面では、図8は、トラック800上の位置804、808、812、816、および820を示す。一実施形態では、位置804は、第1のカウンタリセット位置であり、位置808および812は、さらなるカウンタリセット位置である。より具体的には、カウンタリセット位置804、808、および812の各々は、光格納媒体104上の認識可能なデータ境界の位置であってよい。例えばDVD媒体上で、データは、それぞれ1,488ビット長のフレームに配置される。フレームは、それぞれ26個のフレームを含むセクターに配置され、セクターはさらに、それぞれ16セクターを含むECCブロックに配置される。光格納媒体104から検知され、データ検知器612が提供するデータビットを監視することにより、カウンタリセットモジュール644は、これらデータのグループの境界が生じるときを判断し、これにより、対応するカウンタリセット位置でカウンタ640をリセットして、カウンタ640のカウントをゼロに戻す。さらに、これら境界の検知は、フレーム、セクター、およびECCブロックの境界の検知に限られず、DVD媒体の境界の検知にも限られないことを理解されたい。または、本発明の一以上の実施形態では、DVD−RAM媒体上のヘッダの境界、Blu−Ray Disc媒体の上のECCクラスタの境界、または、任意の適切なデータ格納媒体の上の任意の適切な境界等の任意の認識可能なデータ境界の検知が含まれる。
【0078】
図8のトラック800上の位置816および820は、それぞれ欠陥108の第1のエッジおよび第2のエッジが検知された位置である。図8に示すように、第1のカウンタリセット位置804は、欠陥108の第1のエッジが検知された位置816の前に位置している(の前に読み取られている)。図8のカウンタ640の様々な図面の重要性を以下で説明する。
【0079】
図8の712をさらに参照すると、本発明の別の実施形態では、カウンタリセット位置804、808、および812が、光格納媒体104の第1のトラック上の所定の角度位置にあってよい。例えば、読み取り処理中に光格納媒体104を回転させるスピンドル/供給モータ(FM)ドライバを駆動するのに利用されるスピンドルモータは、周期的なパルスを生成することができる。カウンタリセットモジュール644は、スピンドル/FMドライバに電気的に連結されて、パルスを検知および処理して、光格納媒体104の回転角度を追跡して、光格納媒体104の第1のトラックの上の所定の角度位置でカウンタ640をリセットする。一実施形態では、カウンタ640は、パルスに呼応して、90度回転するごとにリセットされてよいので、カウンタリセット位置804、808、および812は、図8には示されていないが、互いに対して90度の角度である第1のトラックの上の位置に対応していてよい。別の実施形態では、光格納媒体104の回転角度は、カウンタ640を利用して、カウンタのカウントを、光格納媒体104の特定の回転角度で生じる光格納媒体104の既知のチャネルクロック数と比較することにより、追跡することもできる。
【0080】
図8の712の参照を続けると、カウンタ640が第1のカウンタリセット位置804でリセットされた後で、カウンタのカウントがゼロとなることは、第1のカウンタリセット位置804の下の図8のカウンタ640の図示に示唆されている通りである。カウンタ640は、第1のカウンタリセット位置804からカウントを始める。上述したように、カウンタ640の各カウントは、光格納媒体104のチャネルクロックの所定の周期数に対応する。例えば、カウンタ640は、VCO620の出力からチャネルクロックを受信することができる。本実施形態では、カウンタ640の各カウントは、チャネルクロックの1周期の発生を示す。または、カウンタ640は、カウンタ640へのチャネルクロック入力を2、4、8、16等によって分割することができるカウンタ640内のクロック分周器を含むことによって、より小さく、結果としてより安価なカウンタとして実装することができる。本実施形態では、カウンタ640の各カウントは、それぞれチャネルクロックの2、4、8、16等の周期を示してよい。しかし好適には、第1のカウンタリセット位置804が、光格納媒体104の回転角度を追跡することにより決定される、光格納媒体104の第1のトラックの所定の角度位置にある場合、カウンタ640はクロック分周器を含まない。クロック分周器は、本実施形態では省くこともできる。例えば光格納媒体104の回転角度を追跡する上述した技術の1以上は、カウンタ640の精度の低減を調節することができる程度の高い解像度でこの追跡を行うことができなくてもよい。
【0081】
図8の712の説明を続けると、欠陥マネージャ636が欠陥108の第1のエッジを検知したときのカウンタ640のカウントは、欠陥108の第1のエッジが検知された位置816に対応する第1のカウントであると判断される。より具体的には、第1のカウントは、カウンタリセットモジュール644が第1のカウンタリセット位置804でカウンタ640をリセットしたときからの光格納媒体104のチャネルクロックの周期数に対応するので、第1のカウントは、光格納媒体104の、第1のカウンタリセット位置804と、欠陥108の第1のエッジが検出された位置816との間に格納されているデータビットの数等のデータ量を示すことが理解されるであろう。従って、カウンタ640の第1のカウントは、欠陥108の第1のエッジが検知された、光格納媒体104に格納されている最小アドレス可能なデータの単位内の位置に対応する。例えば、図8の実施形態では、カウンタの第1のカウントは、十進法で400,000であることが、位置816の下の図8のカウンタ640の図により分かるので、これは、400,000データビットが、光格納媒体104の、第1のカウンタリセット位置804と位置816との間に格納されていることを示している。
【0082】
図6Aを参照するとよく分かるように、第1のカウンタリセット位置804とカウンタ640の第1のカウントとがメモリに格納されてよい。図6Aは、一実施形態における欠陥境界コントローラ632の詳細図を示す。図6Aに示すように、欠陥境界コントローラ632は、プロセッサ648とメモリ652とを含む。メモリ652は、第1のレジスタ(「レジスタ1」)656と、第2のレジスタ(「レジスタ2」)660とを含む。動作においては、欠陥マネージャ636が欠陥108の第1のエッジを検知するとき、欠陥マネージャ636は、例えば欠陥境界コントローラ632のプロセッサ648に欠陥検知信号を提供してよい。欠陥検知信号は、欠陥マネージャ636に含まれうる上述した欠陥検知器(不図示)により生成されてよい。プロセッサ648は、欠陥マネージャ636から欠陥検知信号を受信して、第1のレジスタ656等のメモリ652に、カウンタ640から受信した第1のカウントを記録する。
【0083】
さらに図6Aに関しては、カウンタ640をリセットして、結果生じるゼロのカウントをプロセッサ648に提供するたびに、プロセッサ648は、第2のレジスタ660等のメモリ652に、対応するカウンタリセット位置を示す情報を格納してよい。一実施形態では、プロセッサ648は、対応するカウンタリセット位置を判断するために、データが読み出されているトラックの長さに関する既知の情報とあわせて、カウンタ640のリセットに関する情報を処理する。この、カウンタ640の各リセットに対応するカウンタリセット位置を示す情報の格納は、一時的であっても無限であってもよい。しかし一実施形態では、プロセッサ648が欠陥マネージャ636から欠陥検知信号を受信すると、プロセッサ648は、最近のカウンタ640のリセットに対応するカウンタリセット位置を示す情報を無限に格納する。本開示および教示を読んだ当業者であれば、このカウンタリセット位置が、第1のカウンタリセット位置804であることを理解する。
【0084】
712の後、716で、欠陥の第2のエッジ(欠陥108の終端等)が光格納媒体104で検知されたと判断される。この判断は、例えば、ディスクコントローラ440が欠陥マネージャ636または自身の含む欠陥検知器(不図示)に提供する設定を利用して、または、704に関して上述したサーボコントローラ416を利用して、行うことができる。716で欠陥108の第2のエッジが検知されたと判断されると、フローは720に進む。欠陥108の第2のエッジが検知されない場合には、フローは、欠陥108の第2のエッジが検知されるまで716に留まる。
【0085】
720で、欠陥マネージャ636は、欠陥108の第2のエッジに対して、708でディセーブルされたコントローラ432aおよび432b一方または両方、および/または、サーボコントローラ416を再度イネーブルすることで、応答してよい。
【0086】
次に724で、カウンタ640の第2のカウントおよび第2のカウンタリセット位置を決定する。第1のカウンタリセット位置804および第2のカウンタリセット位置は、欠陥108の位置および欠陥108の幅に応じて、同じであっても異なっていてもよい。例としては、第1のカウンタリセット位置804がデータ境界に対応する1以上の実施形態では、欠陥108による影響を受ける光格納媒体104の領域内(つまり、欠陥108の第1のエッジと第2のエッジとがそれぞれ検知された位置816と820との間)に存在している場合がある。この場合には、欠陥検知位置に対応するカウンタ640の第1のカウントが決定された後で、カウンタリセットモジュール644が第2のデータ境界を検知して、欠陥108の第2のエッジが検知されてカウンタ640の第2のカウントが決定される前にカウンタ640をリセットする。位置816と位置820との間に位置しているデータ境界またはその他のカウンタリセット位置がない場合には、第1のカウンタリセット位置804と第2のカウンタリセット位置とは同じである。一実施形態では、上述したように第2のカウンタリセット位置が第1のカウンタリセット位置804と異なっている場合、欠陥境界コントローラ632は、第2のカウンタリセット位置も、第2のレジスタ660等のメモリ652に記録してよい。
【0087】
カウンタ640の第2のカウントは、光格納媒体104の、第2のカウンタリセット位置と、欠陥108の第2のエッジが検知された位置との間の、データビット数等のデータ量を示す。カウンタ640の第2のカウントも、第1のレジスタ656等のメモリ652に記録することができる。
【0088】
次に728で、第1の調節されたカウントを、欠陥108が影響を与える光格納媒体104の領域からデータを読み出す試みで後で利用されるものとして決定する。より具体的には、第1の調節されたカウントは、図8のトラック800の第2の図面の824で示す欠陥108の第1のエッジの予測位置に、または、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置に対応している。位置824の下のカウンタ640の図に示すように、第1の調節されたカウントは第1のカウントより僅かに小さい。図8に示すように、第1の調節されたカウントは、十進法の399,985であり、図8の第1のカウントは400,000である。従って第1の調節されたカウントを、後続する試みで欠陥マネージャ636からの応答を変更するときを決定するために利用することができる。一実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、先ず、欠陥108の第1のエッジを検知した位置に対応するカウンタ640の第1のカウントに追加するべき第1のカウント調節値を決定することにより、第1の調節されたカウントを決定することができる。第1のカウント調節値と第1のカウントとの合計値が、第1の調節された値である。第1のカウント調節値は、欠陥108の第1のエッジが検知された位置と、欠陥108の第1のエッジの実際の位置との間のチャネルクロックまたはビットの推定数を表す。例えば第1のカウント調節値は10ビットまたは100ビットのオーダであってよく、利用される光格納媒体104の種類に応じて変化してよい。第1のカウント調節値は、例えば、その性能が、利用される光格納媒体104の種類について一定の共有した種類の結果について最適化されるように経験的に決定されてよい。別の実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、欠陥108が影響を与えるデータの読み取りの試み中に異なるカウント調節値を試すことができてよい。例えば、欠陥108が生じるエラーの数は、状況によっては、誤り訂正符号が処理可能なレベルを超える場合がある。カウント調節値を再読み取りの戦略の一部として調節することにより、欠陥境界コントローラ632は、欠陥108についてよく機能する第1のカウント調節値を見つける試みにおいて、異なるカウント調節値を試みることができる。これは、デフォルトのカウント調節値が、一部の欠陥には機能するが、欠陥108等の他の欠陥にはよく機能しない場合に助けとなるだろう。さらに、第1のカウント調節値は負であっても正であってもよい。一実施形態では、第1のカウント調節値を負として、第1の調節されたカウントをカウンタ640の第1のカウントより低くする。
【0089】
728の参照を続けると、第1の調節されたカウントを欠陥境界コントローラ632の、第1のレジスタ656等のメモリ652に格納してよい。
【0090】
次に732で、第2の調節されたカウントを、欠陥108が影響を与える光格納媒体104の領域からデータを読み取ろうとする、後の試みに利用されるものとして決定する。より具体的には、第2の調節されたカウントは、図8のトラック800の第2の図面の828で示す欠陥108の第2のエッジの予測位置に、または、欠陥108の第2のエッジの予測位置の近くの位置に対応している。位置828の下のカウンタ640の図に示すように、第2の調節されたカウントは第2のカウントより僅かに小さい。図8に示すように、第2の調節されたカウントは、十進法の449,987であり、図8の第2のカウントは450,000である。従って第2の調節されたカウントを、後続する試みで欠陥マネージャ636からの応答を変更するときを決定するために利用することができる。728として説明した第1の調節されたカウントの決定同様に、欠陥境界コントローラ632は、第2の調節されたカウントを、先ず、欠陥108の第2のエッジを検知した位置に対応するカウンタ640の第1のカウントに追加するべき第2のカウント調節値を決定することにより、決定することができる。第2のカウント調節値と第2のカウントとの合計値が、第2の調節された値である。第2のカウント調節値は、欠陥108の第2のエッジが検知された位置と、欠陥108の第2のエッジの実際の位置との間のチャネルクロックまたはビットの推定数を表す。728として説明した第1のカウント調節値同様に、728として説明した方法同様に決定された第2のカウント調節値は10ビットまたは100ビットのオーダであってよく、利用される光格納媒体104の種類に応じて変化してよい。加えて、第2のカウント調節値を負であっても正であってもよい。一実施形態では、第2のカウント調節値は負であり、第2の調節されたカウントがカウンタ640の第2のカウントより小さくなるようになっている。
【0091】
732の参照を続けると、第2の調節されたカウントを欠陥境界コントローラ632の、第1のレジスタ656等のメモリ652に格納してよい。
【0092】
図9を参照して、ディスクドライブシステム600の処理を以下に詳述する。図9は、一実施形態におけるディスクドライブシステムの光格納媒体の欠陥の検知の応答を変更する方法900のフローチャートである。方法900は、説明をし易くする目的から、ディスクドライブシステム600を参照して説明する。しかし、方法900はディスクドライブシステム600以外のシステムにより実装することもできることを理解されたい。
【0093】
904で、欠陥108が検知されたデータ読み取り処理に後続する光格納媒体104からのデータ読み取り処理中に、光格納媒体104が第1のカウンタリセット位置804に達したかを判断する。例を挙げると、図6Aの参照に戻り、欠陥境界コントローラ632のプロセッサ648は、カウンタ640のカウントを受信して、カウンタ640がリセットされたときを判断することができる。図6Aを参照して詳述するように、第1のカウンタリセット位置804を示す情報を、欠陥境界コントローラ632のメモリ652に格納することができる。格納された第1のカウンタリセット位置を利用して、データが再読み取りされるトラックの長さに関する既知の情報とともにカウンタのカウントを監視することにより、プロセッサ648は、第1のカウンタリセット位置804に達したかを判断することができる。第1のカウンタリセット位置804に達したと判断すると、フローは908に進む。第1のカウンタリセット位置804に達していない場合には、フローは、第1のカウンタリセット位置804に達するまで904に留まる。
【0094】
908で、カウンタ640のカウントが上述したように第1の調節されたカウントに達したかを判断する。例えばプロセッサ648は、カウンタ640のカウントを受信して、これによりカウンタ640のカウントが第1の調節されたカウントに達したかを判断することができる。上述したように、第1の調節されたカウントは、欠陥境界コントローラのメモリ652に格納されてよく、プロセッサ648が受信したカウンタ640のカウントと、プロセッサ648により比較されてよい。本開示および教示を読んだ当業者であれば、カウンタ640が第1の調節されたカウントに達したら、OPU408が、欠陥108の第1のエッジの予測位置に、または、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置に位置することに気づくであろう。カウンタ640のカウントが第1の調節されたカウントに達したと判断すると、フローは912に進む。カウンタ640のカウントが第1のカウントに達していない場合には、フローは、カウンタ640のカウントが第1の調節されたカウントに達するまで908に留まる。
【0095】
912で、欠陥108に対する欠陥管理モジュール436の応答を、OPU408が欠陥108の第1のエッジの予測位置に位置していること、または、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置に位置していることに基づいて変更する。従って図6の実施形態では、図4および図5を参照して説明したように、欠陥境界コントローラ632が、欠陥マネージャ636に、欠陥108が影響を与える光格納媒体104の領域からのデータを読み取ろうとする後で行われる試み中に、自身の欠陥108に対する応答を変更させる。一実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636に、自身の応答の変更の代わりに、またはこれに加えて、読み取りチャネルコントローラ432および/またはサーボコントローラ416の一方または両方の応答を変更させてよい。本開示または教示を読んだ当業者であれば、欠陥境界コントローラ632がこのようにして、カウンタ640の第1のカウントに基づいて、および、カウンタ640自身に基づいて(つまり、欠陥108が影響を与えるデータを読み取ろうとする後続する試み中に生成されたカウンタ640のカウントに基づいて)、欠陥マネージャ636および/または読み取りチャネルコントローラ432および/またはサーボコントローラ416の応答を変更させるときを判断することを理解するであろう。
【0096】
912を引き続き参照して説明を続けると、ディスクドライブシステム600は、ここに含まれている欠陥マネージャ636および/または欠陥検知器(不図示)、および/または、読み取りチャネルコントローラ432および/またはサーボコントローラ416に、様々な方法のいずれかにより(図4および図5に関して説明したような方法を含む)欠陥108が影響を与える光格納媒体104の領域からデータを読み出そうとする後続する試み中に、欠陥108に対する応答を変更させる。
【0097】
912の参照を続けると、一実施形態では、上述したように、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636に、欠陥108の第1のエッジの予測位置の欠陥検知信号を生成させることができる。より具体的には、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636に、欠陥検知信号を生成させることができる。欠陥マネージャ636は、サーボコントローラ416、オフセットおよび利得コントローラ432a、およびタイミングコントローラ432bの一以上を、それらに対する不正確なデータの導入を最小限に抑えるべく動作させるために利用される、図4および図5を参照して記載したようなディスクコントローラ440が提供する欠陥検知信号を適切に生成することができる。このようにして、欠陥マネージャ636の感度を増加させる必要なく、誤った欠陥を検知してしまう危険性を低減させることができる。一実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、さらに、欠陥マネージャ636に、オフセットおよび利得コントローラ432aおよびタイミングコントローラ432bのものとは異なるサーボコントローラ416の処理を変更させるために、欠陥境界コントローラ632が利用しうるカウンタ640の異なる調節されたカウントを決定するための異なるカウント調節値を決定することもできる。
【0098】
さらに912の参照を続けると、上述したように、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636の欠陥検知感度を変更することができる。より具体的には、欠陥マネージャ636が欠陥検知器(不図示)を含む一実施形態では、上述したように、欠陥境界コントローラ632が欠陥検知器の欠陥検知感度を変更することができる。欠陥108の実際の位置の正確な予測がより難しいような、光格納媒体104を利用する一定の用途では(例えば、欠陥108の第1のエッジが比較的些細であり定義が難しいような場合)、カウンタ640が調節されたカウントに達したら、欠陥マネージャ636に欠陥検知信号を生成させる代わりに、欠陥マネージャ636の欠陥検知感度を変更することが望ましい場合もある。このようにすることで、方法900は、欠陥108のより柔軟な検知を行うことができる。
【0099】
さらに912に関して、また別の実施形態では、上述したように、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636の応答、および/または、読み取りチャネルコントローラ432の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答を、欠陥108の深刻度が比較的最小限であり、欠陥108の影響を受けるデータが、ディスクドライブシステム600のコントローラ416、432a、および432bの1以上の設定を調節または維持することにより再読み取り可能である、という判断に基づいて、変更することができる。この決定は、ADC608からのデジタル信号、および/または、データ検知器612からの検知されたデータに基づいて行うことができる。1以上のコントローラ416、432a、および432bの1以上の設定は、例えば方法500に関して上述した方法で調節することができる。本実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、前の例同様に、カウンタリセットモジュール644が第1のカウンタリセット位置のカウンタ640のリセットを行った後で、カウンタ640が調節されたカウントに達するときを判断することにより、OPU408が、欠陥108の第1のエッジの予測位置の近くの位置に位置していると判断することができる。欠陥境界コントローラ632の制御下に、欠陥マネージャ636は、コントローラ416、432a、および432bの一以上の設定を調節することができる。一実施形態では、欠陥マネージャ636内の欠陥検知器(不図示)は、コントローラ416、432a、および432bの1以上の設定を調節するのに適した信号を生成することができる。
【0100】
916で、カウンタ640のカウントが上述したように第2の調節されたカウントに達したかを判断する。例えばプロセッサ648は、カウンタ640のカウントを受信して、これによりカウンタ640のカウントが第2の調節されたカウントに達したかを判断することができる。上述したように、第2の調節されたカウントは、欠陥境界コントローラ632のメモリ652に格納されてよく、プロセッサ648が受信したカウンタ640のカウントと、プロセッサ648により比較されてよい。本開示および教示を読んだ当業者であれば、カウンタ640が第2の調節されたカウントに達したら、OPU408が、欠陥108の第2のエッジの予測位置に、または、欠陥108の第2のエッジの予測位置の近くの位置に位置することに気づくであろう。
【0101】
さらに916を、既に参照した724と合わせて参照すると、カウンタ640はブロック904を参照して説明した第1のカウンタリセット位置804とは異なる第2のカウンタリセット位置でリセットされてよい。本実施形態では、カウンタ640は、異なる第2のカウンタリセット位置からカウントを始めることで、第2の調節されたカウントに達する。
【0102】
916でカウンタ640のカウントが第2の調節されたカウントに達したと判断すると、フローは920に進む。カウンタ640のカウントが第2のカウントに達していない場合には、フローは、カウンタ640のカウントが第2の調節されたカウントに達するまで916に留まる。
【0103】
920で、欠陥108に対する欠陥管理モジュール436の応答を、OPU408が欠陥108の第2のエッジの予測位置に位置していること、または、欠陥108の第2のエッジの予測位置の近くの位置に位置していることに基づいて変更する。
【0104】
より具体的には、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636に、欠陥108が影響を与える光格納媒体104の領域からのデータを読み取ろうとする後続する試み中に欠陥108に対する自身の応答を変更させてよい。一実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、ディスクドライブシステム600を、欠陥108がなかったときのその通常処理モードに戻すべく、欠陥マネージャ636に、自身の応答の変更に代えて、またはこれに加えて、ディセーブルされたコントローラを再度イネーブルすることに適した信号を生成することにより、または、前に増加した欠陥検知感度を低減させることにより、読み取りチャネルコントローラ432および/またはサーボコントローラ416の一方または両方の応答を変更させる。
【0105】
912および920の両方を参照すると、ディスクドライブシステム600はさらに、データの再読み取りを迅速に試みることに加えて、欠陥108が影響を与えるデータを読み取ろうとする後続する試みを向上させるために利用されてよい。例えば、欠陥境界コントローラ632は、第1のカウンタリセット位置804、第1の調節されたカウント、第2のカウンタリセット位置、および第2の調節されたカウントを、適切な期間または無期限に格納して、欠陥108が影響を与えるデータを読み取ろうという後の試み中に上述したように欠陥マネージャ636および/または読み取りチャネル620および/またはサーボコントローラ416の応答を変更することができる。一実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、第1のカウンタリセット位置804、第1の調節されたカウント、第2のカウンタリセット位置、および第2の調節されたカウントを、データの再読み取りの試みが既に所定回数行われ、オーディオおよび/またはビデオ再生連続性要件によって現在の再生セッション中にさらなる試みが禁止されているような場合、データを読み取ろうとする後の試みで利用する目的に、格納することができる。
【0106】
912および920の参照を続けると、また別の代替的な実施形態では、図10の代替的なディスクドライブシステム1000のブロック図に示すように、欠陥境界コントローラ632は、欠陥マネージャ636の応答を変更する代わりに、欠陥108に対する自身の応答を変更することができる。例えば、欠陥境界コントローラ632自身は、ディスクコントローラ440がサーボコントローラ416、オフセットおよび利得コントローラ432a、および、タイミングコントローラ432bの各々を動作させて、光格納媒体104上の欠陥の検知を管理する方法500に関して開示される機能の任意の1以上を実装するべく、ディスクコントローラ440が提供する適切な設定を選択することができる。
【0107】
さらに上述したように、欠陥108が光格納媒体104上で、第1のトラック上の欠陥108の検知された位置から放射状に伝播すると仮定することによって、欠陥境界コントローラ632等により、第2のトラック上の欠陥108の第2の位置を予測することができる。しかし別の実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、別のトラック上の欠陥108の別の位置を正確に予測するために、複数のトラック上の欠陥108の検知された位置に関する情報を利用することができる。例えば、検知境界コントローラ632は、第1のトラック上の欠陥108の検知された位置、および、第2のトラック上の欠陥108の第2の検知された位置に関する情報を利用することで、光格納媒体104の第3のトラック上の欠陥108の第3の位置を予測することができる。
【0108】
図11は、光格納媒体104の第3のトラック上の欠陥108の第3の位置を予測するために利用することができる方法1100のフローチャートである。方法1100は、説明をし易くする目的から、ディスクドライブシステム600を参照して説明する。しかし、方法1100はディスクドライブシステム600以外のシステムにより実装することもできることを理解されたい。
【0109】
1104で、第1のトラックと第3のトラックとの間のトラック長の差異を決定する。例えば、円形の光格納媒体104の場合には、2つの連続するトラックの間のトラック長の差異は、2・π・Tp(式1)として表現することができる。ここでTpはトラックピッチを表す。
【0110】
図12は、上述した第1のトラックであってよい第1のトラック1204、および、第2のトラック1208を含む複数のトラックを有する光格納媒体104を示す。放射線1212の長さはトラックピッチである。例えば、DVD媒体上で、トラックピッチTpは0.74μmであり、2つの連続するトラック間のトラック長の差異は、2・π・0.74μm=4.65μmとなる。
【0111】
1104の参照を続けると、第1のトラックと第3のトラックとの間のトラック数に応じた、2つの連続するトラック間のトラック長の差異の適切な倍数を利用して、第1のトラックと第3のトラックとの間のトラック長の差異を決定することができる。倍数は、第1のトラック、第2のトラック、および第3のトラックが光格納媒体104上に連続して配置されている場合に2となる。
【0112】
次に、1108で、第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置を計算する。第3のカウンタリセット位置は、第1のカウンタリセット位置804と同様に光格納媒体104の上の同じ角度位置ではなくてよい。つまり、光格納媒体104の上のトラックは、図12に示すような螺旋形状に配置されていてよい。従って、光格納媒体104上のカウンタリセット位置の各々が光格納媒体104上の認識可能なデータ境界の位置である一実施形態では、上述したように、光格納媒体104の外部エッジに行くにつれて、この螺旋配置および各螺旋の長さが大きくなることにより、異なるトラック上のカウンタリセット位置が異なる角度位置を有してよい。
【0113】
例えば図13は、図8のトラック800および第2のトラック1300を示す。トラック800および第2のトラック1300は、例えば、上述した第1のトラックおよび第2のトラックであってよい。第2のトラック1300は、カウンタリセット位置1304、1308、および1312、および、欠陥108の第1のエッジおよび第2のエッジが第2のトラック1300上で検知された位置1316および1320を含んでよい。図13から分かるように、トラック800上の位置816および820および第2のトラック上の位置1316および1320は、半径方向に配置されていてよいが、トラック800上のカウンタリセット位置804、808、および812および第2のトラック1300上のカウンタリセット位置1304、1308、および1312は、半径方向に配置されていなくてよい。
【0114】
1108の参照を続けると、欠陥境界コントローラ632は、1104が示すような第1のトラックおよび第3のトラックの間のトラック長の差異を利用して、第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置を計算することができる。欠陥境界コントローラ632は、第3のトラックの第3のカウンタリセット位置を、(i)第1のトラック上の上述した第1のカウンタリセット位置804、(ii)その境界を、カウンタ640をリセットするためのカウンタリセットモジュール644が検知する、ECCブロック等のデータブロックの既知の長さ、および(iii)第1のトラックおよび第3のトラックの間のトラック長の差異に基づいて計算することができる。または、第1のカウンタリセット位置が光格納媒体104の第1のトラック上の所定の角度位置である実施形態では、検知境界コントローラ632は、第1のトラック上のカウンタリセット位置に基づいて第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置をより単純に計算することができる。
【0115】
次に1112で、欠陥108を第1のトラック上に検知する。例として、欠陥108を検知してよく、第1のカウンタリセット位置804および第1のカウントを、方法700に示すように決定および格納することができる。同様に、第2のカウンタリセット位置および第2のカウントを、方法700に示すように決定および格納することができる。
【0116】
次に1116で、欠陥108を第2のトラック上で検知する。本開示および教示を読んだ当業者であれば、第2のトラック上の欠陥108の第1および第2のエッジ、および、第2のトラック上の対応するカウンタリセット位置を、方法700に関して説明した方法同様に決定することができる。
【0117】
次に1120で、第1のトラック補償値を計算する。第1のトラック補償値は、負であっても正であってもよく、(i)第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置および第3のトラック上の欠陥108の第1のエッジの実際の位置と、(ii)第1のトラック上の第1のカウンタリセット位置804および第1のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置との間の、推定ビット数の差異を表している。第1のトラック補償値を計算する様々な技術を以下で詳述する。
【0118】
次に1124で、第2のトラック補償値を計算する。第2のトラック補償値は、負であっても正であってもよく、(i)第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置および第3のトラック上の欠陥108の第2のエッジの実際の位置と、(ii)第1のカウンタリセット位置および第1のトラック上で欠陥108の第2のエッジが検知された位置との間の、推定ビット数の差異を表している。
【0119】
1120および1124を参照して、第1および第2のトラック補償値を計算する様々な技術を以下で説明する。一実施形態では、読み取りチャネル420は、第2のトラックからデータを読み取ることができる。欠陥マネージャ636は、第1のトラックに関して行った検知と同じ方法で、第2のトラック上の検知108の第1のエッジを検知することができる。検知マネージャ636は、検知マネージャ636が第1のトラック上の欠陥108の第2のエッジの位置を検知した際と同じ方法で、第2のトラック上の欠陥108の第2のエッジを同様に検知することができる。欠陥境界コントローラ632は、第2のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置に対応するカウンタ640のカウントを記録することができる。加えて、欠陥境界コントローラ632は、第2のトラック上で欠陥108の第2のエッジが検知された位置に対応するカウンタ640のカウントを記録することができ、対応するカウンタリセット位置を記録することができる。欠陥境界コントローラ632は、トラック補償値、および適宜、第2のトラック補償値を、(i)第1のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置、第1のトラック上で欠陥108の第2のエッジが検知された位置、第2のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置、第2のトラック上で欠陥108の第2のエッジが検知された位置のうちの1以上、および(ii)第1のトラックと第3のトラックとの間のトラック数を含むがこれらに限定はされない変数の関数として、計算してよい。
【0120】
1120および1124を引き続き参照すると、欠陥境界コントローラ632は、欠陥108が、放射状、非放射状に、あるいは、直線状または曲線状に伝播するという仮定に基づいて、第1および第2のトラック補償値を計算することができる。例えば、欠陥境界コントローラ632は、光格納媒体104の他のトラックに関する予測を行うときに懸案となる欠陥108の種類が、通常は、トラックピッチよりも相対的に長いことから、非放射状に、しかも線形に伝播すると仮定することができる。従って、例えば欠陥境界コントローラ632が、欠陥108が、第1のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置および第2のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置により定義される方向に線形に伝播すると仮定することができる。欠陥境界コントローラ632は、例えば第1のトラックおよび第3のトラックの間のトラック数を、第1のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置および第2のトラック上で欠陥108の第1のエッジが検知された位置の間の距離の乗数として利用することで、トラック補償値および/または第2のトラック補償値の計算に利用される関数を構築することができる。別の実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、例えば、上述した変数を利用することで多項式関数を構築して、トラック補償値および/または第2のトラック補償値を計算することができる。
【0121】
別の実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、格納されている履歴データおよびさらなるデータ(例えば光格納媒体104の、第1のトラック、第2のトラック、および第3のトラックに対して連続して配置されている必要はない第4のトラック上の欠陥108の検知された位置)の一方または両方を利用することで、トラック補償値および/または第2のトラック補償値を決定するために利用することのできる関数を構築することができる。例えば、欠陥境界コントローラ632は、これらデータを利用して、別の線形関数を構築することができ、あるいは、これらデータを利用して、多項式関数等のより複雑ではあるがより正確な関数を構築して、トラック補償値を決定することができる。さらに、本開示および教示を読んだ当業者には、所望のレベルの精度および複雑性を有する任意の特定のトラックのトラック補償値を計算するのに適した関数を構築するために適切なデータを利用することができることが理解されよう。加えて、ここに特に記載する実施形態は、第3のトラック上の欠陥108の位置を予測することに関してトラック補償値を計算することに関しているが、本開示および教示を読んだ当業者であれば、トラック補償値をここに記載したように計算して、第2のトラック等の光格納媒体104の他のトラック上の欠陥108の位置を予測することに関して利用することもできることを理解する。
【0122】
次に1128で、第1のトラック調節されたカウントを決定する。第1のトラック調節されたカウントは、第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置と、第3のトラック上の欠陥108の第1のエッジの実際の位置との間の推定ビット数を表している。従って、第1のトラックで欠陥108の第1のエッジが検知された位置が、上述したカウンタ640の第1のカウントに対応しているので、1120に関して開示した第1のトラック補償値を、カウンタ640の第1のカウントに追加して、第1のトラック調節されたカウントを決定することができる。
【0123】
次に1132で、第2のトラック調節されたカウントを決定する。第2のトラック調節されたカウントは、第3のトラック上の第3のカウンタリセット位置と、第3のトラック上の欠陥108の第2のエッジの実際の位置との間の推定ビット数を表している。従って、第1のトラックで欠陥108の第2のエッジが検知された位置が、上述したカウンタ640の第2のカウントに対応しているので、1124に関して開示した第2のトラック補償値を、カウンタ640の第2のカウントに追加して、第2のトラック調節されたカウントを決定することができる。
【0124】
第1および第2のトラック調節されたカウントが1130および1132で計算されると、欠陥境界コントローラ632は、欠陥108が影響を与える第3のトラックの領域からデータを読み取ろうとする試み中に、欠陥マネージャ636の応答、および/または、読み取りチャネル420の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答を、第1および第2のトラック調節されたカウントが示す第3のトラック上の欠陥108の予測された第3の位置で、またはその付近で変化させる。欠陥マネージャ636の応答、および/または、読み取りチャネル420の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答は、例えば方法500に関して記載したものと同様の方法で変化させることができる。例えば、欠陥境界コントローラ632は、カウンタ640が第3のカウンタリセット位置にあるカウンタリセットモジュール644によりリセットされた後で、カウンタ640が第1のトラック調節されたカウントに達したとき、欠陥マネージャ636に第3のトラック上に欠陥決定信号を生成させる。本開示および教示を読んだ当業者であれば、カウンタ640が第1のトラック調節されたカウントに達したときに、OPU408が第3のトラック上の欠陥108の予測された第3の位置に位置することを理解するであろう。
【0125】
様々な他の実施形態では、カウンタ640がこのようにして第1のトラック調節されたカウントに達すると、欠陥境界コントローラ632は、代わりに、任意の他の適切な方法で、欠陥マネージャ636の欠陥検知感度を変更して、欠陥マネージャ636に、オフセットおよび利得コントローラ432aが適用する利得および/またはdcオフセットを増加させたり、欠陥108に対する欠陥マネージャ636の応答を変更したりすることができる。各実施形態では、欠陥境界コントローラ632は、上述したように、ディスクコントローラ440に、上述した機能の任意の1以上を実装するためにコントローラ416、432a、および432bを動作させることで、コントローラ416、432a、および432bに提供される適切な設定間の選択を、欠陥マネージャ636に行わせることにより、上述した方法で欠陥マネージャ636の応答を変化させることができる。
【0126】
さらに、図10に関して記載したように、欠陥境界コントローラ632は、例えば欠陥マネージャ636の応答を変化させる代わりに、欠陥108に対する自身の応答を変化させることができる。例えば、欠陥境界コントローラ632は、サーボコントローラ416、オフセットおよび利得コントローラ432a、およびタイミングコントローラ432bの各々を動作させるのに利用するためにディスクコントローラ440に提供される適切な設定を選択することができる。
【0127】
ここで記載する方法500、700、900、および1100各々に関して、幾多ものさらなる変形例が本開示および教示を読んだ当業者には明らかである。特に、上述した方法の任意の1以上のステップを任意の特定の方法で実装することができ、1以上のステップを上述した方法の任意の1以上から省くこともできる。あくまで一例であるが、方法500、700、900、および1100は、欠陥108の第2のエッジを検知すること、第2の調節されたカウントを決定するステップ、第2のトラック調節されたカウントを決定するステップの1以上を含まなくてよい。例えばこれら実施形態では、欠陥マネージャ636の応答、および/または、読み取りチャネル420の応答、および/または、サーボコントローラ416の応答は、所定の期間が経った後で、欠陥108がない状態に戻ってよい。
【0128】
上述した様々なブロック、処理、および技術は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアの任意の組み合わせで実装できる。ソフトウェアで実装されるときには、ソフトウェアは、コンピュータ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ等のRAMまたはROMまたはフラッシュメモリの磁気ディスク、光ディスク、その他の格納媒体に格納することができる。同様に、ソフトウェアは、例えばコンピュータ可読ディスクまたはその他の搬送可能コンピュータ格納メカニズムで、または通信媒体を介して、を含む任意のまたは所望の配信方法によりユーザまたはシステムに配信されてよい。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールその他のデータを、変調されたデータ信号(例えば搬送波またはその他の搬送メカニズム)で具現化する。例示であり限定ではないが、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の優先媒体、および、音響、無線周波数、赤外線その他の無線媒体等の無線媒体を含む。従って、ソフトウェアは、電話回線、DSLライン、ケーブルテレビライン、無線通信チャネル、インターネット等を介してユーザまたはシステムに配信されてよい(これらは、搬送可能格納媒体を介してソフトウェアを提供することと置き換え可能に捕らえることができる)。ハードウェアに実装するときには、ハードウェアは1以上の離散コンポーネント、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等を含むことができる。
【0129】
本発明を特定の例を参照して記載してきたが、これらはあくまで例示を目的としたものであり、本発明を限定する意図はなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱せずに開示された実施形態で明示したものに変更、追加を加えたり、あるいはそれから削除することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクドライブの格納媒体の上の欠陥を検知する段階と、
前記格納媒体の上に格納されているデータの最小アドレス可能単位内で、前記欠陥の位置を判断する段階と、
メモリに前記位置を示す情報を格納する段階と、
前記格納媒体の上に格納されている前記データに対する前記ディスクドライブのセンサの位置を監視する段階と、
前記ディスクドライブの欠陥検知器、前記ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、前記ディスクドライブのサーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を、前記格納媒体の上に格納されている前記データに対する前記センサの前記位置と、格納されている前記欠陥の前記位置の情報とに基づき変更する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記欠陥の前記位置は、前記格納媒体の第1のトラックの上であり、
前記方法はさらに、
格納されている前記欠陥の前記位置の情報に基づき前記格納媒体の第2のトラックの上の前記欠陥の第2の位置を予測する段階を備え、
前記欠陥検知器、前記読み取りチャネルコントローラ、および前記サーボコントローラのうちの前記少なくとも1つの前記応答を変更する段階は、
前記センサが前記第2のトラックの上の前記第2の位置にあるときに前記応答を変更する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記欠陥の前記位置は、前記格納媒体の第1のトラックの上であり、
前記方法はさらに、
前記格納媒体の第2のトラックの上の前記欠陥の第2の位置を判断する段階と、
前記第2の位置および格納されている前記欠陥の前記位置の情報に基づき、前記格納媒体の第3のトラックの上の前記欠陥の第3の位置を予測する段階と
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記読み取りチャネルコントローラの前記欠陥に対する前記応答を変更する段階は、
読み取り信号に適用される利得を増加させる段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記利得を増加させる段階は、
前記格納媒体の、前記欠陥の前記位置に格納されているデータの振幅が閾値を超えると判断することに呼応して、前記利得を増加させる段階を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ディスクドライブの格納媒体の上のそれぞれ異なる位置に関連付けられたカウントをそれぞれ生成するカウンタと、
前記格納媒体の上の欠陥を検知する欠陥検知器と、
欠陥境界コントローラと
を備え、
前記欠陥境界コントローラは、
欠陥の位置に対応する前記カウンタのカウントを判断して、
前記欠陥検知器、前記ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、および、前記ディスクドライブのサーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を、前記カウントと前記カウンタとに基づき変更する、装置。
【請求項7】
前記カウンタを1以上のカウンタリセット位置でリセットするカウンタリセットモジュールをさらに備え、
前記欠陥境界コントローラは、
前記欠陥に対応する特定のカウンタリセット位置を判断して、
前記欠陥検知器、前記読み取りチャネルコントローラ、および、前記サーボコントローラのうち少なくとも1つの前記応答を、さらに前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置に基づき変更する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記カウントは、前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置と前記欠陥の位置との間の前記格納媒体のチャネルクロックの周期の数を示す請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記欠陥境界コントローラは、前記カウンタが前記カウンタリセット位置でリセットされた後で、前記カウンタが、前記欠陥の前記位置に対応する調節されたカウントに達したときに、前記読み取りチャネルコントローラを欠陥モードに入らせる請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記欠陥境界コントローラは、前記カウンタが前記カウンタリセット位置でリセットされた後で、前記カウンタが、前記欠陥の近くを示しているときに、前記欠陥検知器の欠陥検知感度を変更する請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記欠陥の前記位置は、前記格納媒体の第1のトラックの上であり、
前記欠陥境界コントローラは、
前記欠陥の前記位置に基づき補償値を計算して、
前記欠陥の前記位置に対応する前記カウントに前記補償値を追加して、前記格納媒体の第2のトラックの上の前記欠陥の第2の位置を予測する請求項7に記載の装置。
【請求項12】
カウンタを動作させる段階であって、前記カウンタのカウントはそれぞれ、ディスクドライブの格納媒体の上のそれぞれ異なる位置に関連付けられている段階と、
欠陥検知器を利用して前記格納媒体の上の欠陥を検知する段階と、
前記欠陥の位置に対応する前記カウンタのカウントを判断する段階と、
前記欠陥検知器、前記ディスクドライブの読み取りチャネルコントローラ、および前記ディスクドライブのサーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を、前記カウントと前記カウンタとに基づき変更する段階と
を備える方法。
【請求項13】
1以上のカウンタリセット位置で前記カウンタをリセットする段階と、
前記欠陥に対応するカウンタリセット位置を判断する段階と
をさらに備え、
前記欠陥検知器、前記読み取りチャネルコントローラ、および前記サーボコントローラのうちの前記少なくとも1つの前記応答を変更する段階は、前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置にさらに基づいて行われる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カウントは、前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置と前記欠陥の位置との間の前記格納媒体のチャネルクロックの周期の数を示す請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置は、前記格納媒体の上の誤り訂正符号化ブロックの境界である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置は、前記格納媒体の上のデータセクタの境界である請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記欠陥に対応する前記カウンタリセット位置は、前記格納媒体の上の所定の角度位置である請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記欠陥検知器の前記応答を変更する段階は、
前記カウンタが前記カウンタリセット位置でリセットされた後で、前記カウンタが前記欠陥の近くを示すときに、前記欠陥検知器の欠陥検知感度を変更する段階を有する請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記読み取りチャネルコントローラの前記応答を変更する段階は、
前記カウンタが前記カウンタリセット位置でリセットされた後で、前記カウンタが前記欠陥の前記位置に対応する調節されたカウントに達したときに、前記読み取りチャネルコントローラを欠陥モードに入らせる段階を有する請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記欠陥の前記位置は、前記格納媒体の第1のトラックの上であり、
前記方法はさらに、
前記格納媒体の第2のトラックの上の前記欠陥の第2の位置に対応する前記カウンタのカウントを判断する段階と、
前記欠陥検知器、前記読み取りチャネルコントローラ、および、前記サーボコントローラのうちの少なくとも1つの応答を、前記第2のトラックの上の前記欠陥の前記第2の位置に対応する前記カウントに基づき変更する段階と
を備える請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−515409(P2012−515409A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545464(P2011−545464)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/020518
【国際公開番号】WO2010/083109
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】