説明

案内経路生成装置、車両ナビゲーションシステムおよび案内経路生成方法

【課題】 ユーザの希望に合った経路を生成すること。
【解決手段】 案内経路生成装置の目的地選択手段41は、目的地を選択する。取得手段42は、選択された目的地に関連する施設の情報を取得する。経由地設定手段42は、取得手段42により取得された関連施設の情報に基づいて、その関連施設を経由地として設定する。生成手段43は、目的地選択手段41により目的地が選択されたときに、経由地設定手段42により設定された経由地を経由して目的地へ向う案内経路を生成する。また、この案内経路生成装置を有する車両ナビゲーションシステムの案内手段56は、この案内経路を用いて経路を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内経路生成装置、車両ナビゲーションシステムおよび案内経路生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ナビゲーション装置を開示する。このナビゲーション装置は、どこにどのような道路及び施設があるかを表す地図情報を予め格納する手段と、施設のなかから目的地とする施設を指定する指定手段と、指定された目的地への経路を計算し設定する手段と、車両の現在位置を検出する手段と、地図情報に基く地図上に、検出された現在位置を重ねて表示する手段と、設定された前記経路に基いて道案内を行う手段と、設定された前記目的地もしくはその付近に車両が到達したか否かを判定する手段と、前記目的地もしくはその付近に車両が到達したと判定されたか、又は、所定の操作が行われたかのうち少なくとも一方の条件が成立した際に、その目的地と同種又は所定の関連を有する他の施設を目的地の候補として前記地図情報から検索する手段と、検索された候補を前記地図上に提示する提示手段と、前記候補が所定の操作により選択された場合に、その候補を新たな目的地として設定する手段と、を備える。そして、ナビゲーション装置は、設定された目的地もしくはその付近に車両が到達したか否かの判定に基づく条件判断にもとづいて、現在の目的地と同種又は所定の関連を有する他の施設を目的地の候補として前記地図情報から検索し、その中から選択された候補を新たな目的地とする案内経路を探索して案内する。
【0003】
また、特許文献1記載のナビゲーション装置は、設定された目的地もしくはその付近に車両が到達したと判断した場合に、「次の駐車場へ行く」ボタンを表示し、このボタンが押されたことに基づいて、現在の目的地と同種又は所定の関連を有する他の施設を目的地の候補として前記地図情報から検索する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−296062号公報(要約、特許請求の範囲、発明の実施の形態、図2など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のナビゲーション装置は、目的地が設定されるとその目的地への経路を案内し、その目的地の周辺に到達した後の変更操作に基づいて、新たな同種の目的地を探索して案内する。したがって、上述のナビゲーション装置は、一旦、目的地周辺まで移動しなければ、代わりとなる同種の目的地を探索して案内することはない。
【0006】
しかしながら、自動車などの車両によって目的地へ行く場合、ユーザは、本来的には、車両で目的地の近くまで移動し、目的地の近くの駐車場に車両を駐車させてから、目的地へ向かうことを予定していることがある。そのような行動パターンを予定するユーザにとっては、上述の周辺施設情報提供装置のようにわざわざ目的地まで行って、その目的地周辺の渋滞に巻き込まれた後でなければ、提携駐車場に案内されないのでは、スムースにストレスなく目的地まで行くことができたと感ずるに至らない。目的地周辺がそのような渋滞した状況にある場合には、ユーザは、真っ先に提携駐車場へ案内してくれることを望むものである。
【0007】
本発明は、ユーザのニーズに合わせた経路を生成することができる案内経路生成装置および案内経路生成方法、並びに、ユーザのニーズに合わせた経路を案内することができる車両ナビゲーションシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る案内経路生成装置は、目的地を選択する目的地選択手段と、選択された目的地に関連する施設の情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された関連施設の情報に基づいて、その関連施設を経由地として設定する経由地設定手段と、目的地選択手段により目的地が選択されたときに、経由地設定手段により設定された経由地を経由して目的地へ向う案内経路を生成する生成手段と、を有するものである。
【0009】
本発明に係る他の案内経路生成装置は、目的地を選択する目的地選択手段と、目的地の周辺の施設の情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された周辺施設の情報に基づいて、その周辺施設を経由地として設定する経由地設定手段と、目的地選択手段により目的地が選択されたときに、経由地設定手段により設定された経由地を経由して目的地へ向う案内経路を生成する生成手段と、を有するものである。
【0010】
本発明に係る案内経路生成装置は、上述した各発明に係る構成に加えて、生成手段が、取得手段により複数の周辺施設が取得された場合、目的地から最も離れたものから順番に経由する案内経路を生成し、または、現在地から最も近いものから順番に経由する案内経路を生成するものである。
【0011】
本発明に係る案内経路生成装置は、上述した各発明に係る構成に加えて、目的地へ直接向う経路、および、目的地に関連する施設若しくは目的地周辺の施設を経由する経路の中から一方を選択する経路選択手段を有し、生成手段が、経路選択手段により目的地に関連する施設若しくは目的地周辺の施設を経由する経路が選択された場合に、所定の案内経路を生成するものである。
【0012】
本発明に係る車両ナビゲーションシステムは、選択した目的地に向う案内経路として、その目的地に関連する施設あるいはその目的地の周辺の施設を経由する案内経路を生成する上述した各発明に係る案内経路生成装置と、案内経路を用いて経路を案内する案内手段と、を有するものである。
【0013】
本発明に係る車両ナビゲーションシステムは、上述した発明の構成に加えて、経由する施設における当該車両の駐車を検出する駐車検出手段を有し、案内手段が、駐車検出手段により経由する施設における当該車両の駐車が検出されたら、案内経路による経路の案内を終了するものである。
【0014】
本発明に係る車両ナビゲーションシステムは、上述した各発明の構成に加えて、駐車検出手段が、当該車両の現在地が経由する施設から所定の範囲内となり、且つ、当該車両のエンジンが停止した場合に、経由する施設において車両が駐車したとするものである。
【0015】
本発明に係る車両ナビゲーションシステムは、上述した各発明の構成に加えて、駐車検出手段が、当該車両の現在地が設定された案内経路上の地点であると判断され、その判断された案内経路上の地点が経由する施設から所定の範囲内となり、且つ、当該車両のエンジンが停止した場合に、経由する施設において車両が駐車したとするものである。
【0016】
本発明に係る車両ナビゲーションシステムは、上述した各発明の構成に加えて、目的地における当該車両の停車を検出する停車検出手段を有し、案内手段が、停車検出手段により目的地における当該車両の停車が検出されたら、案内経路による経路の案内を終了するものである。
【0017】
本発明に係る車両ナビゲーションシステムは、上述した各発明の構成に加えて、案内手段が、最後の経由する施設を通過した後に、停車検出手段により目的地における車両の停車が検出されたら、案内経路による経路の案内を終了するものである。
【0018】
本発明に係る案内経路生成方法は、目的地を選択するステップと、選択された目的地に関連する施設の情報を取得するステップと、取得された関連施設の情報に基づいて、その関連施設を経由地として設定するステップと、目的地選択手段により目的地が選択されたときに、設定された経由地を経由して目的地へ向う案内経路を生成するステップと、を有するものである。
【0019】
本発明に係る他の案内経路生成方法は、目的地を選択するステップと、目的地の周辺の施設の情報を取得するステップと、取得された周辺施設の情報に基づいて、その周辺施設を経由地として設定するステップと、目的地選択手段により目的地が選択されたときに、設定された経由地を経由して目的地へ向う案内経路を生成するステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、ユーザのニーズに合わせた経路を生成することができ、ユーザのニーズに合わせた経路を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る案内経路生成装置、車両ナビゲーションシステムおよび案内経路生成方法を、図面に基づいて説明する。車両ナビゲーションシステムは、自動車に設置されるカーナビゲーションシステムを例として説明する。案内経路生成装置は、カーナビゲーションシステムの一部として説明する。案内経路生成方法は、カーナビゲーションシステムの動作の一部として説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。カーナビゲーションシステムは、現在地あるいは出発地から、経由地あるいは立ち寄り点などを経由して、目的地へ向かう車両の案内経路を探索し、その案内経路で車両が移動するように経路を案内するものである。
【0023】
カーナビゲーションシステムは、メインコンピュータ1を有する。メインコンピュータ1は、プログラムを実行するCPU2(中央処理装置)と、CPU2が実行しているプログラムやデータを記憶するRAM3(ランダムアクセスメモリ)と、周辺機器が接続される入出力ポート4と、これらを接続するシステムバス5と、を有する。
【0024】
入出力ポート4には、液晶デバイス11と、タッチパネル12と、GPS(Global Positioning System)受信機13と、VICS(Vehicle Information and Communication System)受信機14と、ナビゲーションプログラムおよびナビゲーションデータを記憶する記憶デバイス15と、が接続される。
【0025】
液晶デバイス11は、液晶ディスプレイパネルなどといった表示部を有する。液晶デバイス11は、表示データに基づき、表示部に画像を表示する。
【0026】
タッチパネル12は、透明なスクリーンを有する。透明なスクリーンは、液晶デバイス11の表示部に重ねて配設される。タッチパネル12は、透明なスクリーン内の指が触れた位置を検知し、検出位置の位置情報を出力する。
【0027】
GPS受信機13は、GPS衛星からのGPS電波を受信する。GPS電波は、GPS衛星の位置情報と時間情報とを有する。GPS受信機13は、たとえば3つ以上のGPS衛星からのGPS電波を受信すると、それら複数のGPS衛星に対するGPS受信機13の相対位置を演算し、その相対位置に基づいてGPS受信機13の地球上の位置情報を生成する。地球上の位置情報は、たとえば世界測地系での緯度経度の値として表現される。GPS受信機13は、生成したGPS受信機13の位置情報を出力する。
【0028】
VICS受信機14は、電波ビーコン、光ビーコンあるいはFM多重放送により送信される交通情報を受信する。交通情報には、道路の混雑度を示す渋滞情報や、道路の通行止め時間帯などを示す交通規制情報が含まれる。VICS受信機14は、受信した交通情報を出力する。
【0029】
記憶デバイス15は、たとえばハードディスクドライブなどにより構成される。図2は、図1中の記憶デバイス15が記憶する内容を示す説明図である。記憶デバイス15は、ナビゲーションプログラムと、ナビゲーションデータとを記憶する。ナビゲーションプログラムは、案内経路生成プログラム21と、経路案内プログラム22と、を有する。ナビゲーションデータは、地点データ群24と、リンクデータ群25と、ノードデータ群26と、コスト計算条件リスト27と、地図データ28と、を有する。
【0030】
なお、記憶デバイス15に記憶されるナビゲーションプログラムとナビゲーションデータとは、たとえばDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)−ROM(リード・オンリィ・メモリ)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体や伝送媒体を介して、記憶デバイス15に保存されるようにしてもよい。また、ナビゲーションプログラムとナビゲーションデータとは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。この場合、記憶デバイス15は、この記録媒体のデータを読み取るドライブなどにより構成される。
【0031】
地点データ群24は、複数のレコードを有する。地点データ群24の各レコードは、1つの地点のデータを有する。各レコードは、その地点にある建物、店舗、施設などの名称、その地点の位置情報などとともに、その地点にある施設情報および関連施設情報を有する。施設情報には、その施設が分類されるジャンル(たとえばレストラン、デパートなど)、敷地内の駐車場の有無、施設内の周回道路の有無などの情報が含まれる。地点データ群24の複数の地点は、目的地35、経由地あるいは出発地などとして選択可能な地点である。
【0032】
地点データ群24の関連施設情報には、その地点にある施設に関連する施設に関する情報が含まれる。関連する施設としては、たとえばその施設を利用する場合に車両を駐車することができる駐車場がある。駐車場は、その施設を利用することで利用料金の割引などの特典があるものであっても、単にその施設から近い位置にあるものであってもよい。そして、関連する施設に関する情報としては、たとえば、その関連施設の名称、その関連施設の位置情報が含まれる。なお、関連する施設に関する情報は、他にもたとえば、地点データ群24において地点として登録されている関連施設の、地点データ群24における管理番号などであってもよい。
【0033】
リンクデータ群25およびノードデータ群26は、カーナビゲーションシステムが、車両の経路探索や経路案内において使用するデータである。車両は、道路を移動する。道路には、交差点などの道路の分岐点がある。ナビゲーションシステムでは、この道路の分岐点などをノードとして取り扱う。2つの分岐点の間の道路などをリンクとして取り扱う。リンクの両端は、ノードに接続される。ノードには、1つ以上のリンクが接続される。
【0034】
リンクデータ群25は、複数のレコードを有する。リンクデータ群25の各レコードは、1つのリンクのデータを有する。各レコードは、そのリンクに関する交通規制情報や、そのリンクの距離、そのリンクを通過するコスト情報、そのリンクが対応する道路種別(たとえば幹線道路、有料道路、細街路など)、そのリンクに固有の識別番号、そのリンクが接続されるノードの識別番号などを有する。リンクに関する交通規制情報には、たとえば、一方通行路、時間帯通行禁止、右折禁止、Uターン禁止、道幅(幅員)などの情報がある。なお、各レコードには、1つのリンクではなく、1つの道路のすべてのリンクが対応付けられていてもよい。
【0035】
ノードデータ群26は、複数のレコードを有する。ノードデータ群26の各レコードは、1つのノードのデータを有する。各レコードは、そのノードの位置情報、そのノードに関する交通規制情報、そのノードを通過するコスト情報、そのノードに固有の識別番号、そのノードに接続されるリンクの識別番号などを有する。ノードに関する交通規制情報としては、たとえば、信号機の有無、右折禁止、Uターン禁止などの情報がある。
【0036】
なお、ノードを通過するコスト情報およびリンクを通過するコスト情報は、それらの通過し易さあるいは通過し難さに応じた値を有する。これらのコスト情報は、通過し難いほど大きな値を有する。なお、実際に演算に使用するコスト情報そのものは、記憶デバイス15においてたとえば道路種別などと対応付けて記憶され、これらノードデータ群26およびリンクデータ群25の各レコードは、この種別の指定情報を有するデータ構造になっていてもよい。また、コスト情報の値は、通過し易さのみに応じた値ではなく、たとえば、道路の有料無料に応じた値、道路の走りやすさに応じた値、道路の景観の良否に応じた値、道路の交通量に応じた値、あるいはそれらを組み合わせた値などになっていてもよい。
【0037】
コスト計算条件リスト27は、経路のコストを計算するときの計算条件を有する。具体的にはたとえば、コスト計算条件リスト27は、渋滞係数などの各種の係数を記憶する。この渋滞係数は、渋滞しているリンクおよびノードのコスト情報に乗算される係数である。道なり直進優先係数は、1より大きい値を有する。これにより、渋滞しているリンクおよびノードの通過コストを上げることができる。
【0038】
地図データ28は、液晶ディスプレイに地図を表示するために使用するデータである。このような地図データ28としては、たとえば、二次元あるいは三次元のベクトル地図データ28がある。ベクトル地図データ28は、地図の背景画像となる背景データと、その背景画像の上に描画されるベクトルデータと、を有する。背景画像は、たとえば公園、河川、池などを色分けした画像データである。ベクトルデータは、たとえば道路毎の描画データである。なお、地図データ28は、この他にも、ランドマーク用の三次元のポリゴンデータや、各地点に対応付けられたアイコンデータなどを備えていてもよい。
【0039】
案内経路生成プログラム21は、CPU2に実行されることで、メインコンピュータ1に、案内経路を生成するための各種の機能を実現する。図3は、図1中のCPU2が案内経路生成プログラム21を実行することで、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。図1中のCPU2が案内経路生成プログラム21を実行することで、目的地選択手段としての地点設定部41と、取得手段および経由地設定手段としての関連施設設定部42と、生成手段としての案内経路生成部43と、が実現される。
【0040】
地点設定部41は、地点データ群24に記憶されている施設情報などを液晶デバイス11に表示し、その表示に基づいてタッチパネル12により選択された地点を、目的地として選択する。地点設定部41は、地図データ28に基づく地図を液晶デバイス11に表示し、その表示のうちからタッチパネル12により選択された地点を、目的地として選択する。地点設定部41は、選択した目的地を、記憶デバイス15に記憶させる。
【0041】
関連施設設定部42は、地点設定部41により選択された目的地に関して地点データ群24に記憶されている関連施設情報に基づいて、たとえば駐車場などの目的地の関連施設を抽出する。関連施設設定部42は、抽出した目的地の関連施設を経由地として、記憶デバイス15に記憶させる。
【0042】
案内経路生成部43は、記憶デバイス15に記憶される目的地を用いて、現在地から目的地へ向かう案内経路48を生成する。記憶デバイス15に経由地が記憶されている場合には、案内経路生成部43は、現在地からすべての経由地を経由して目的地へ向かう案内経路48を生成する。案内経路生成部43は、生成した案内経路48を記憶デバイス15に記憶させる。
【0043】
経路案内プログラム22は、CPU2に実行されることで、メインコンピュータ1に、経路を案内するための各種の機能を実現する。図4は、図1中のCPU2が経路案内プログラム22を実行することで、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。図1中のCPU2が経路案内プログラム22を実行することで、案内手段、駐車検出手段および停車検出手段としての経路案内部56が実現される。
【0044】
経路案内部56は、記憶デバイス15に記憶されている案内経路48および地図データ28を読み込み、これらを用いて、液晶デバイス11に案内経路48および現在地の周辺地図などを表示させる。なお、経路案内部56は、必要に応じて図示外のスピーカから音声案内を出力させるようにしてもよい。
【0045】
次に、以上の構成を有する実施の形態に係るカーナビゲーションシステムの動作を説明する。
【0046】
まず、図3を参照しながら、目的地が設定された場合の案内経路48の探索処理について説明する。図5は、図3に示すカーナビゲーションシステムが実施する案内経路生成処理を示すフローチャートである。
【0047】
案内経路生成処理において、地点設定部41は、目的地および経由地の選択画面として、地図データ群24に記憶される施設情報や、地図データ28に基づく地図を液晶デバイス11に表示する。地点設定部41は、タッチパネル12からの検出位置の位置情報に基づいて、液晶デバイス11に表示した施設あるいは地図のうちから、施設あるいは地図上の地点を、目的地あるいは経由地として選択する(ステップST1)。
【0048】
地点設定部41は、目的地および経由地を選択すると、関連施設設定部42に、関連施設の設定処理を指示する。関連施設設定部42は、地点データ群24から、地点設定部41により選択された目的地に関する関連施設情報を読み込み、関連施設情報に、経由地として設定可能な関連施設(たとえば駐車場)があるか否かを判断する(ステップST2)。そして、目的地の関連施設情報に、経由地として設定可能な関連施設(たとえば駐車場)がある場合には、関連施設設定部42は、その関連施設(たとえば駐車場)を、経由地として、記憶デバイス15に記憶させる(ステップST3)。
【0049】
そして、目的地の関連施設を経由地として設定した後、関連施設設定部42は、案内経路生成部43に、案内経路の探索開始を指示する。案内経路生成部43は、案内経路の探索処理を開始する。目的地のほかに経由地が設定されている場合、案内経路生成部43は、現在地からすべての経由地を経由して目的地へ向かう案内経路48を生成する(ステップST4)。
【0050】
案内経路生成部43は、現在地から最初の経由地までの区間、最初の経由地から次の経由地あるいは次の区間がない場合には目的地までの区間というように、2地点の区間毎に案内経路48を生成する。
【0051】
現在地から最初の経由地までの最初の区間の経路の探索処理において、案内経路生成部43は、まず、現在地を探索の起点として選択し、経由地を探索の終点として選択する。複数の経由地がある場合には、目的地から最も離れた経由地もしくは現在地に最も近い経由地を、探索の終点として選択する。なお、複数の経由地の経由順が、地点データ群24の関連施設情報や関連施設設定部42の判断などにより予め指定されている場合には、その指定された順番において最初である経由地を、探索の終点として選択する。
【0052】
探索の起点および終点を選択した後、案内経路生成部43は、リンクデータ群25およびノードデータ群26を使用して、候補経路を生成する。具体的には、案内経路生成部43は、ノードの位置情報やリンクのノードに対する接続情報を用いてリンクをノードに繋ぎ、探索の起点から終点までのリンクの鎖を生成する。案内経路生成部43は、この探索の起点から終点までのリンクの鎖を、候補経路として生成する。
【0053】
この候補経路の生成処理において、案内経路生成部43は、リンクデータ群25およびノードデータ群26の交通規制情報や、VICS受信機14が受信した渋滞情報および交通規制情報を参照し、走行可能な経路を探索する。たとえば、あるリンクにおいてUターンや交差点以外での右折が禁止されていることを示す交通規制情報がある場合、案内経路生成部43は、このリンクにおいてUターンしたり、右折したりする候補経路は生成しない。案内経路生成部43は、生成した候補経路を記憶デバイス15に記憶させる。また、案内経路生成部43は、候補経路の生成処理を幾度か繰り返す。これにより、記憶デバイス15には、複数の候補経路が記憶される。
【0054】
候補経路を生成した後、案内経路生成部43は、各候補経路のコストを計算する。案内経路生成部43は、リンクデータ群25およびノードデータ群26のコスト情報を使用して、候補経路のリンクの鎖に含まれる各リンクおよび各ノードの通過コストを計算する。
【0055】
このとき、候補経路に、VICS受信機14が受信した渋滞情報において渋滞が発生している道路のリンクが含まれる場合、案内経路生成部43は、その渋滞しているリンクの通過コストとして、そのリンクのリンクデータ群25におけるコスト情報に、コスト計算条件リスト27に記憶される渋滞係数を乗算したものを使用する。渋滞係数は、1以上の係数である。これにより、渋滞しているリンクの通過コストは、リンクデータ群25におけるコスト情報より大きくなる。
【0056】
候補経路に含まれるすべてのリンクおよびすべてのノードの個別の通過コストを計算したら、案内経路生成部43は、そのすべての個別の通過コストを加算し、その演算結果をその候補経路のコストとする。なお、たとえばコスト計算条件リスト27においてコスト計算のための演算式を定義しておき、案内経路生成部43は、その所定の演算式にて候補経路のコストを計算するようにしてもよい。
【0057】
記憶デバイス15に記憶される各候補経路のコストを計算した後、案内経路生成部43は、その記憶デバイス15に記憶される複数の候補経路の中から、コストが最も低い候補経路を、案内経路48として選択する。案内経路生成部43は、案内経路48を記憶デバイス15に記憶させる。
【0058】
以上の案内経路48の探索処理により、記憶デバイス15には、最初の区間の案内経路48が記憶される。
【0059】
最初の区間の案内経路48を記憶デバイス15に記憶させた後、案内経路生成部43は、最初の区間の終点を起点とし、次の経由地を終点として、次の区間の案内経路48の経路探索を実行する。このとき、案内経路生成部43は、次の経由地として、目的地から二番目に離れている経由地もしくは現在地から二番目に近い経由地を選択する。また、次の経由地が無い場合には、案内経路生成部43は、目的地を終点として、次の区間の案内経路48の経路探索を実行する。次の区間の案内経路48の探索処理は、上述した最初の区間における案内経路48の探索処理と同様である。
【0060】
また、案内経路生成部43は、経由地同士の間となる区間毎の案内経路48の探索処理と、最後の経由地と目的地との間となる区間の案内経路48の探索処理とが完了すると、経路探索処理を終了する。案内経路生成部43による経路探索処理が終了すると、記憶デバイス15には、現在地から経由地を順番に巡り、目的地に至る案内経路48が記憶される。
【0061】
なお、ステップST2の判断において、目的地の関連施設情報に経由地として設定可能な関連施設(たとえば駐車場)がないと判断された場合には、関連施設設定部42は、関連施設を経由地として設定することなく、案内経路生成部43に案内経路の探索開始を指示する。案内経路生成部43は、案内経路の探索処理を開始する。この場合、案内経路生成部43は、現在地から目的地へ直接に向かう案内経路48を生成し、生成した案内経路48を記憶デバイス15に記憶させる(ステップST5)。
【0062】
次に、図4を参照しながら、案内経路48を用いた経路案内について説明する。
【0063】
経路案内部56は、GPS受信機13からの位置情報を読み込む。経路案内部56は、GPS受信機13からの位置情報を自車の位置情報として、自車の周辺の案内経路48および地図データ28を記憶デバイス15から読み込む。経路案内部56は、読み込んだ案内経路48および地図データ28から表示データを生成する。経路案内部56は、自車位置マーク40を含む表示データを生成する。経路案内部56は、生成した表示データを液晶デバイス11へ出力する。液晶デバイス11は、表示データに基づき、表示部に地図および案内経路48を表示する。
【0064】
経路案内部56は、周期的に、GPS受信機13からの位置情報を読み込む。経路案内部56は、GPS受信機13からの位置情報により特定される自車の位置が、液晶デバイス11に表示させている自車位置マーク40の位置から移動したか否かを判断する。
【0065】
自車の位置が移動したと判断したら、経路案内部56は、その新たな自車の位置を基準として、自車の周辺の案内経路48および地図データ28を記憶デバイス15から読み込み、表示データを生成する。液晶デバイス11は、経路案内部56により生成された表示データを表示する。
【0066】
なお、経路案内部56は、GPS受信機13からの位置情報を読み込んだら、自車位置の移動を判断することなく、新たな表示データを生成するようにしてもよい。経路案内部56は、図示外のジャイロセンサからの移動量および移動方向に関する情報に基づいて、自車の現在地を判断するようにしてもよい。
【0067】
このように、経路案内において、カーナビゲーションシステムは、GPS受信機13からの位置情報を自車の位置情報として用い、その自車の位置の周辺の地図および案内経路48を、液晶デバイス11に表示し続ける。
【0068】
したがって、車両の運転手が、液晶デバイス11に表示される案内経路48にそって自車位置マーク40が移動するように車両を運転することで、車両は、現在地からすべての経由地を、目的地から最も離れた経由地もしくは現在地に最も近い経由地から順番に廻り、最後に目的地に至るように移動する。
【0069】
経路案内部56は、以上のような案内経路48および地図データ28を用いた案内経路の誘導をする。その一方で、経路案内部56は、案内経路48が関連施設設定部42により設定された経由地を巡り目的地へ向かうものである場合には、現在地の所定の移動量ごとにあるいは所定の経過時間ごとに周期的に、経由地あるいは目的地への到着判定処理を実行する。図6は、図3に示すカーナビゲーションシステムが実施する経由地あるいは目的地への到着判定処理を示すフローチャートである。
【0070】
経由地あるいは目的地への到着判定処理において、経路案内部56は、まず、自車が停車中であるか否かを判断する(ステップST11)。具体的には、経路案内部56は、GPS受信機13などの位置情報に基づいて、その位置情報が所定の期間において所定の値に安定しているか否かを判断する。そして、経路案内部56は、GPS受信機13などの位置情報が所定の期間において所定の値に安定している場合、自車が停車中であると判断する。
【0071】
自車が停車中である場合、経路案内部56は、現在地と目的地(地点設定部41により選択された本来の目的地)とを比較する(ステップST12)。そして、経路案内部56は、現在地が目的地であると判断される到着条件を満たしているか否かを判断する(ステップST13)。経路案内部56は、たとえば、現在地が目的地から所定の距離(たとえば50m)以内である場合に、現在地が目的地であると判断される到着条件を満たしていると判断する。なお、経路案内部56は、この他にもたとえば、当該車両の現在地が設定された案内経路48上の地点(つまり、オンルート地点)であると判断され、その判断された案内経路48上の地点が目的地から所定の距離以内である場合に、現在地がその目的地であると判断される到着条件を満たしていると判断するようにしてもよい。
【0072】
現在地が目的地であると判断される到着条件を満たしている場合、経路案内部56は、案内終了処理(たとえば案内経路48の表示の終了処理など)を実施し(ステップST14)、液晶デバイス11の表示や図示外のスピーカからの音声により到着を通知する(ステップST15)。
【0073】
現在地が目的地であると判断される到着条件を満たしていない場合、経路案内部56は、目的地に到達したか否かを判断する停車地点判定処理を終了し、引き続き、駐車場などの経由地に到達したか否かを判断する駐車地点判定処理を開始する。
【0074】
駐車地点判定処理において、経路案内部56は、まず、自車が停車中であり且つエンジンが停止しているか否かを判断する(ステップST16)。具体的にはたとえば、経路案内部56は、GPS受信機13などの位置情報に基づいて、その位置情報が所定の期間において所定の値に安定しているか否かを判断し、さらに、エンジンの車速パルスの有無やイグニッションキーのポジション(たとえばアクセサリーオフの状態の検出)などに基づいて、エンジンが停止しているか否かを判断すればよい。そして、経路案内部56は、GPS受信機13の位置情報が所定の期間において所定の値に安定し、且つ、車速パルスが無い場合に、自車が停車中であり且つエンジンが停止していると判断する。
【0075】
自車が停車中であり且つエンジンが停止している場合、経路案内部56は、現在地を、すべての経由地(関連施設設定部42により設定された経由地)と1つずつ順番に比較する(ステップST17)。そして、経路案内部56は、現在地がいずれかの経由地であると判断される到着条件を満たしているか否かを判断する(ステップST18)。経路案内部56は、たとえば、現在地が目的地から所定の距離(たとえば50m)以内である場合に、現在地がその経由地であると判断される到着条件を満たしていると判断する。なお、経路案内部56は、この他にもたとえば、当該車両の現在地が設定された案内経路上の地点(つまり、オンルート地点)であると判断され、その判断された案内経路上の地点が経由地から所定の距離以内である場合に、現在地がその経由地であると判断される到着条件を満たしていると判断するようにしてもよい。
【0076】
現在地がいずれかの経由地であると判断される到着条件を満たしている場合、経路案内部56は、案内終了処理(たとえば案内経路48の表示の終了処理など)を実施し(ステップST14)、液晶デバイス11の表示や図示外のスピーカからの音声により到着を通知する(ステップST15)。
【0077】
現在地がいずれかの経由地であると判断される到着条件を満たしていない場合、経路案内部56は、駐車場などの経由地に到達したか否かを判断する駐車地点判定処理を終了する。これにより、一連の経由地あるいは目的地への到着判定処理は終了する。上述した案内経路48に基づく車両の経路案内処理は、引き続き実行される。
【0078】
図7は、地点データ群24の目的地の関連施設情報に基づいて、関連施設設定部42が3つの駐車場を経由地として設定した場合の案内経路の一例を示す図である。案内経路を生成するときには、車両は、図7の自車位置マーク61で示す位置にいる。また、目的地としては、「○×デパート」62が選択される。関連施設設定部42は、その「○×デパート」62の地点データ群24の関連施設情報に基づいて、第一駐車場63と、第二駐車場64と、第三駐車場65とを抽出する。案内経路生成部43は、「○×デパート」62から離れている第一駐車場63から順番に、第二駐車場64および第三駐車場65を巡る案内経路66,67,68,69を生成する。
【0079】
そして、たとえば、案内経路の最初の区間の経路66に沿って「○×デパート」62に向かう車両が第一駐車場63に駐車されると、経路案内部56は、図6に示す経由地あるいは目的地への到着判定処理のステップST18において、到着条件を満たしたと判断する。そして、経路案内部56は、経路案内を終了し(ステップST14)、到着を通知する(ステップST15)。
【0080】
また、たとえば第一駐車場63が満車であるなどの理由によって、車両が第一駐車場63を通り過ぎると、経路案内部56は、第二駐車場64へ向かう区間の経路67を案内する。そして、車両が第二駐車場64に到達して駐車されると、経路案内部56は、図6に示す経由地あるいは目的地への到着判定処理のステップST18において到着条件を満たしたと判断し、経路案内を終了し(ステップST14)、到着を通知する(ステップST15)。
【0081】
同様に、たとえば第二駐車場64が満車であるなどの理由によって、車両が第二駐車場64を通り過ぎると、経路案内部56は、第三駐車場65へ向かう区間の経路68を案内する。そして、車両が第三駐車場65に到達して駐車されると、経路案内部56は、図6に示す経由地あるいは目的地への到着判定処理のステップST18において到着条件を満たしたと判断し、経路案内を終了し(ステップST14)、到着を通知する(ステップST15)。
【0082】
さらに、たとえば第三駐車場65が満車であるなどの理由によって、車両が第三駐車場65を通り過ぎると、経路案内部56は、地点設定部41により選択された目的地である「○×デパート」62へ向かう区間の経路69を案内する。そして、車両が「○×デパート」62に到達して停車されると、経路案内部56は、図6に示す経由地あるいは目的地への到着判定処理のステップST13において到着条件を満たしたと判断し、経路案内を終了し(ステップST14)、到着を通知する(ステップST15)。
【0083】
以上のように、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、目的地が設定された場合に、その目的地に関連する施設を、その目的地に至る経路の経由地として設定し、それらの経由地および目的地を所定の順番で廻る案内経路48を生成する。この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、その目的地に至る案内経路48の途中の経由地において車両が駐車されたと判断した場合には、経路案内を終了する。
【0084】
したがって、ユーザは、たとえば目的地の関連施設としての駐車場に車両を止めて、そこから所望の目的地まで徒歩などで移動することができる。ユーザは、一旦、目的地まで進んでからその周辺の駐車場を探し回ることなく、予定する行動パターンの通りにスムースに目的地まで移動することができる。
【0085】
また、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、経由地が通過された場合には、案内経路48に基づく経路案内を継続する。この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、すべての経由地が通過された場合、最後に目的地へ向かう経路を案内する。この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、車両が目的地において停車したと判断したら、経路案内を終了する。
【0086】
したがって、ユーザは、経由地において停車することなく目的地まで移動することができる。そして、ユーザは、たとえば目的地において同乗者を降車させたりすることなどができる。
【0087】
このように、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムは、ユーザが車両を駐車させてから目的地へ向かうことを予定している場合でも、あるいは、ユーザが目的地において同乗者などを降車させることを予定している場合でも、それぞれのユーザのニーズに合わせた経路を生成して案内することができる。
【0088】
しかも、この実施の形態に係るカーナビゲーションシステムでは、設定された目的地より先にその関連施設を廻る経路を生成して案内するので、たとえばユーザが車両を駐車させてから目的地へ向かうことを望む場合には、目的地周辺の道路が渋滞などしていたとしても、それに巻き込まれることなくスムースにストレスなくユーザが目的地へ到達するように経路を案内することができる。
【0089】
また、この実施の形態では、目的地が設定されたときに、その目的地の関連施設を経由地として設定し、その経由地を巡ってから目的地に至る案内経路を生成している。したがって、この実施の形態では、たとえば1つ目の経由地としての駐車場が満車である場合に次の駐車場へ向かうときにも既に生成されている案内経路にしたがって途切れることなくスムースに経路案内をすることができる。カーナビゲーションシステムは、その1つ目の経由地を通過するときに新たに経路探索をする必要がない。たとえば経由地を通過する度に新たに経路を探索する場合、その1つ目の経由地を通過した直後の交差点で右左折する経路が次の経由地への最適な経路である場合であっても、探索時にはその右左折する交差点を通過してしまっている可能性が高く、その最適な経路を案内できない可能性が高いが、この実施の形態ではそのような問題は生じない。
【0090】
また、この実施の形態では、経由地において駐車すれば、その時点で自動的に経路案内が終了する。そのため、ユーザは、経由地に駐車したときに、案内を終了するための操作をする必要がない。また、この実施の形態では、たとえば同乗者を降ろすなどの目的の達成のために目的地において車両が停車すればそれに基づいて案内を終了する。そのため、たとえばその目的地の到達に基づいて他の経由地や目的地へのオートリルートなどの案内がなされてしまうことはなく、当然にその新たな不要な案内を終了するためのユーザ操作も不要である。
【0091】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0092】
たとえば上記実施の形態では、デパートを目的地として選択した場合に、そのデパートに関連付けられている駐車場を順番に廻る案内経路48を生成している。この他にもたとえば、地下鉄などを目的地として選択した場合に、まずその地下鉄へ続く地下道の入り口を順番に廻る案内経路を生成するようにしたり、デパートを目的地として選択した場合に、その地域に存在するデパートの本館や別館などを順番に廻る案内経路を生成したり、公園などを目的地として選択した場合に、その公園の出入り口を順番に廻る案内経路を生成したりするようにしてもよい。
【0093】
上記実施の形態では、案内経路生成部43は、複数の経由地がある場合には、目的地から最も離れた経由地もしくは現在地に最も近い経由地から順番で、複数の経由地の経由順を決定している。この他にもたとえば、場合によっては、案内経路生成部43は、目的地に最も近い経由地から順番で、複数の経由地の経由順を決定するようにしてもよい。
【0094】
上記実施の形態では、目的地を選択したら、その目的地の関連施設を廻る経路を生成している。この他にもたとえば、経路選択手段としての地点設定部41が、目的地へ直行する経路を生成するか、あるいは、関連施設を廻ってから目的地へ向かう経路を生成するかをユーザに問い合わせ、ユーザの選択操作に基づいて、目的地へ直行する経路を生成するか、あるいは、関連施設を廻ってから目的地へ向かう経路を生成するかを選択するようにしてもよい。目的地へ直行する経路を生成する場合には、地点設定部41は、案内経路生成部に案内経路の生成を指示すればよい。
【0095】
また、地点設定部41は、たとえば、目的地へ行く理由や同乗者の有無を問合せ、それに対するユーザの回答に基づいて、目的地へ直行する経路を生成するか、あるいは、関連施設を廻ってから目的地へ向かう経路を生成するかを選択するようにしてもよい。さらに、地点設定部41は、たとえば、助手席などのシートベルトセンサの検出信号や、助手席などに組み込んだ同乗者検出センサの検出信号などに基づいて、自動的に同乗者の有無を判断し、同乗者がいる場合には、目的地へ直行する経路を生成するように案内経路生成部43へ指示し、同乗者が不在である場合には、関連施設を廻ってから目的地へ向かう経路を生成するように関連施設設定部42へ指示するようにしてもよい。
【0096】
上記実施の形態では、関連施設設定部42は、地点データ群24から、目的地に関連する施設の関連施設情報を取得し、その関連施設情報に係る関連施設を経由地として設定している。このほかにもたとえば、関連施設設定部42は、たとえば無線通信回線を介してインターネットから、目的地の関連施設情報を取得し、その関連施設情報に係る関連施設を経由地として設定するようにしてもよい。
【0097】
上記実施の形態では、地点データ群24において目的地に関連付けられている周辺施設をすべて経由地として設定している。この他にもたとえば、関連施設設定部42は、地点データ群24において目的地に関連付けられている周辺施設の中の一部を、経由地として設定するようにしてもよい。このように複数の周辺施設の中からその一部を選択する場合、関連施設設定部42は、たとえば、ジャンルが駐車場であるものなどのように所定の条件で絞り込むようにしても、予め経由地として設定する関連施設の個数の上限を決めおき、その個数となるまでの関連施設を順番に設定するようにしてもよい。
【0098】
上記実施の形態では、経由地を設定する関連施設設定部42は、地点データ群24において目的地に関連付けられている周辺施設を経由地として設定している。このほかにもたとえば、経由地を設定する関連施設設定部42は、目的地の周辺の所定の範囲(たとえば500m)の所定の施設(たとえば駐車場)を、たとえば地点データ群24から抽出し、その抽出した施設を経由地として設定するようにしてもよい。この場合、関連施設設定部42は、さらに、施設の抽出する範囲を現在地と目的地との両方に基づいて、たとえば現在地と目的地との間となる範囲のみについて施設を抽出したり、抽出する施設の個数の上限を予め設定しておきその上限となるまでの個数の施設を抽出するようにしたりしてもよい。
【0099】
上記実施の形態では、経路案内部56は、図6の経由地あるいは目的地への到着判定処理において、目的地において停車中と判断したら、案内経路48による経路案内を終了している。この他にもたとえば、経路案内部56は、まず、案内経路48の最後の経由地を通過したか否かを判断し、最後の経由地を通過したと判断したら目的地において停車中であるか否かを判断し、目的地において停車中と判断したら、案内経路48による経路案内を終了するようにしてもよい。この変形例の場合には、経由地へ向かう経路において目的地の前を通過したとしても、案内経路48による経路案内が終了しないようになる。その結果、経由地へ向かう経路として、目的地の前を通過する経路を使用することができる。
【0100】
上記実施の形態では、案内経路生成部43は、関連施設設定部42により設定されたすべての経由地を経由して目的地に至る経路を案内経路48として生成し、経路案内部56は、その案内経路48を案内している。この他にもたとえば、案内経路生成部43は、まず、関連施設設定部42により設定されたすべての経由地の中の1つの経由地へ向かう案内経路を生成し、経路案内部56は、その最初の経由地へ向かう案内経路を案内するようにすればよい。また、経路案内部56は、たとえば図6のステップST16からステップST18の駐車地点判定処理を実行し、この判定処理において到着条件を満たしたら、車両が関連施設に駐車されたとみなして、経路案内を終了すればよい。
【0101】
また、通過検出手段としての経路案内部56が、たとえば車両が関連施設から所定の距離(たとえば50m)の範囲内となった後に、エンジンを停止させることなくその所定の距離の範囲外となったと判断したら、案内経路生成部43は、次の経由地あるいは目的地への案内経路を生成し、経路案内部56は、その新たに生成された案内経路を案内するようにすれば、車両は、関連施設設定部42により設定された経由地を廻ってゆくことができる。このように経由地および目的地毎に案内経路を生成して案内する場合、案内経路生成部43は、関連施設設定部42により設定されたすべての経由地への案内経路を生成した後に、目的地への案内経路を生成するようにすればよい。これにより、車両は、関連施設設定部42により設定された経由地を廻ってから、目的地へ案内されることになる。
【0102】
また、このように経由地および目的地毎に案内経路を生成して案内する場合、経路案内部56は、目的地への経路を案内しているときに、たとえば図6のステップST11からステップST13の停車地点判定処理を実行し、この判定処理などにより目的地において車両が停車したと判断したら、目的地への経路案内を終了するようにすればよい。
【0103】
また、このように経由地および目的地毎に案内経路を生成して案内する場合において、関連施設設定部42は、地点データ群24において目的地に関連付けられている周辺施設の替わりに、目的地の周辺の所定の範囲(たとえば500m)の所定の施設(たとえば駐車場)を、たとえば地点データ群24から抽出し、その抽出した施設を経由地として設定するようにしてもよい。
【0104】
上記実施の形態は、自動車に設置されるカーナビゲーションシステムに本発明を適用している。この他にもたとえば、自転車、自動二輪などのその他の車両にとともに使用されるナビゲーションシステムに本発明を適用するようにしてもよい。また、携帯電話端末、PDA(Personal Data Assistants)などに案内経路を表示するナビゲーションシステムに本発明を適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、カーナビゲーションシステムなどで利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図2は、図1中の記憶デバイスが記憶する内容を示す説明図である。
【図3】図3は、図1中のCPUが案内経路生成プログラムを実行することで、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1中のCPUが経路案内プログラムを実行することで、カーナビゲーションシステムに実現される機能を示すブロック図である。
【図5】図5は、図3に示すカーナビゲーションシステムが実施する案内経路生成処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図3に示すカーナビゲーションシステムが実施する経由地あるいは目的地への到着判定処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、地点データ群の目的地の関連施設情報に基づいて、関連施設設定部が3つの駐車場を経由地として設定した場合の案内経路の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
41 地点設定部(目的地選択手段、経路選択手段)
42 関連施設設定部(取得手段、経由地設定手段)
43 案内経路生成部(生成手段)
56 経路案内部(案内手段、駐車検出手段、停車検出手段、通過検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を選択する目的地選択手段と、
上記選択された目的地に関連する施設の情報を取得する取得手段と、
上記取得手段により取得された関連施設の情報に基づいて、その関連施設を経由地として設定する経由地設定手段と、
上記目的地選択手段により目的地が選択されたときに、上記経由地設定手段により設定された経由地を経由して上記目的地へ向う案内経路を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする案内経路生成装置。
【請求項2】
目的地を選択する目的地選択手段と、
目的地の周辺の施設の情報を取得する取得手段と、
上記取得手段により取得された周辺施設の情報に基づいて、その周辺施設を経由地として設定する経由地設定手段と、
上記目的地選択手段により目的地が選択されたときに、上記経由地設定手段により設定された経由地を経由して上記目的地へ向う案内経路を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする案内経路生成装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記取得手段により複数の周辺施設が取得された場合、前記目的地から最も離れたものから順番に経由する案内経路を生成し、または、現在地から最も近いものから順番に経由する案内経路を生成することを特徴とする請求項1または2記載の案内経路生成装置。
【請求項4】
目的地へ直接向う経路、および、目的地に関連する施設若しくは目的地周辺の施設を経由する経路の中から一方を選択する経路選択手段を有し、
前記生成手段は、上記経路選択手段により目的地に関連する施設若しくは目的地周辺の施設を経由する経路が選択された場合に、所定の案内経路を生成すること、
を特徴とする請求項1から3の中のいずれか1項記載の案内経路生成装置。
【請求項5】
選択した目的地に向う案内経路として、その目的地に関連する施設あるいはその目的地の周辺の施設を経由する案内経路を生成する請求項1から4の中のいずれか1項記載の案内経路生成装置と、
上記案内経路を用いて経路を案内する案内手段と、
を有することを特徴とする車両ナビゲーションシステム。
【請求項6】
経由する施設における当該車両の駐車を検出する駐車検出手段を有し、
前記案内手段は、上記駐車検出手段により経由する施設における当該車両の駐車が検出されたら、前記案内経路による経路の案内を終了することを特徴とする請求項5記載の車両ナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記駐車検出手段は、当該車両の現在地が経由する施設から所定の範囲内となり、且つ、当該車両のエンジンが停止した場合に、経由する施設において車両が駐車したとすることを特徴とする請求項6記載の車両ナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記駐車検出手段は、当該車両の現在地が設定された案内経路上の地点であると判断され、その判断された案内経路上の地点が経由する施設から所定の範囲内となり、且つ、当該車両のエンジンが停止した場合に、経由する施設において車両が駐車したとすることを特徴とする請求項6記載の車両ナビゲーションシステム。
【請求項9】
目的地における当該車両の停車を検出する停車検出手段を有し、
前記案内手段は、上記停車検出手段により目的地における当該車両の停車が検出されたら、前記案内経路による経路の案内を終了することを特徴とする請求項5から8の中のいずれか1項記載の車両ナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記案内手段は、最後の経由する施設を通過した後に、前記停車検出手段により目的地における車両の停車が検出されたら、前記案内経路による経路の案内を終了することを特徴とする請求項9項記載の車両ナビゲーションシステム。
【請求項11】
目的地を選択するステップと、
上記選択された目的地に関連する施設の情報を取得するステップと、
上記取得された関連施設の情報に基づいて、その関連施設を経由地として設定するステップと、
上記目的地選択手段により目的地が選択されたときに、上記設定された経由地を経由して上記目的地へ向う案内経路を生成するステップと、
を有することを特徴とする案内経路生成方法。
【請求項12】
目的地を選択するステップと、
上記目的地の周辺の施設の情報を取得するステップと、
上記取得された周辺施設の情報に基づいて、その周辺施設を経由地として設定するステップと、
上記目的地選択手段により目的地が選択されたときに、上記設定された経由地を経由して上記目的地へ向う案内経路を生成するステップと、
を有することを特徴とする案内経路生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−242787(P2006−242787A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59940(P2005−59940)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】