説明

梱包構造および積層梱包構造

【課題】大型の太陽電池パネルであっても効果的に、かつ、低コストで梱包できる梱包構造を提供する。
【解決手段】一対の太陽電池パネル体2を端子箱9が対向するように積層梱包した梱包構造1であって、矩形状をし、太陽電池パネル体2が載置される底面部と、底面部の四辺にそれぞれ外側に向かって突出するように設けられた矩形状の短辺折曲部27および長辺折曲部29とを有する外側段ボール17と、一対の太陽電池パネル体2の間に介装される略矩形状をした仕切板19と、積層された太陽電池パネル体2の上部にアルミフレーム枠15よりも小さな範囲を覆うように載置される気泡緩衝材21と、を有し、短辺折曲部27および長辺折曲部29は、一対の太陽電池パネル体2の側面および上面の周縁部を覆うように折り曲げられ、四隅に短辺折曲部27および長辺折曲部29が重なった重複部が形成され、各重複部の間がバンド23によって締結されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルを梱包して輸送するための梱包構造および積層梱包構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この太陽電池パネルを製造場所から設置場所へ輸送するにあたり、破損や傷付き防止用に梱包作業を求められる。一方、太陽電池パネルは近年の製造技術向上により大面積のものが用いられる傾向にあり、サイズが大型化し、重量が増加している。海外あるいは国内の大量使用地への輸送では、コンテナ輸送が可能なことを考慮した頑丈な梱包構造が用いられる。
【0003】
たとえば、特許文献1に示されるように、パレットの上に太陽電池パネルを太陽電池パネル間に段ボール板を挟みながら水平状態で積載し、周囲を板材で囲み締付バンドで梱包している。大型フォークリフトによる積荷/荷降作業を行うことを前提として、作業単位である1パレット当り25枚の太陽電池パネルを収納するようにしていて、総量が500kg〜600kgの重量物となる。また、梱包全体を透明で水を通さないビニールカバーで覆うようにしている。
【0004】
ところで、特許文献1のように、25枚の太陽電池パネルを一体梱包として輸送するものでは、太陽電池パネルを納入場所へ大量に輸送するには効率的であるが、一般家庭用途等のように太陽電池パネルを少数枚数単位で、しかも各輸送先で枚数差がある場所へ輸送には非効率である。
すなわち、国内の個人宅や中小事業者向けに出荷する際は、必要な太陽電池パネル枚数が約10枚〜約100枚と様々であるため、1パレット当り25枚の太陽電池パネル梱包をそのままで利用出来ないことから、トラック車両等による荷降しや設置現場での移動も考慮した輸送形態が望まれている。
【0005】
また、太陽電池パネルを納入場所より施工場所へ個別にパネルを発送する際には、1枚〜複数枚の梱包を別途行う必要があり、特許文献1に示されるように25枚収納した梱包から必要枚数の太陽電池パネルを抜取って、別梱包をする作業が発生し手間が掛かっていた。
これらを考慮して、太陽電池パネルを1枚〜2枚単位の少ない枚数で梱包し、大量に輸送する場合には、それらの梱包物を積み重ねて輸送することが提案されている。
1枚〜2枚単位の少ない枚数で梱包する場合、一般的な形態は、C式箱(下箱と上箱を重ねるもの)やN式箱(上に蓋の付いたもの)に太陽電池パネルを収め、全体をバンドで結束したものがあるが、太陽電池パネルのガラス破損を防止する厳重な箱となるため、梱包材が多く必要で梱包コストが割高になる。
【0006】
梱包形態を簡素化し、梱包材を減少させて梱包コストを低減するために、たとえば、特許文献2〜4に示されるものが提案されている。
特許文献2に示されるものは、1枚の太陽電池パネルの梱包構造であり、太陽電池パネルの2つの長辺部を箱型に組み立てられる梱包材によって被服包装する構造としている。梱包材には、上下に係止部が設けられており、梱包された太陽電池パネルを積重ねた際に隣接する係止部が係合して荷崩れしないように積載できるものである。
【0007】
特許文献3に示されるものは、2枚の太陽電池パネルを梱包するものであり、太陽電池パネルの2つの長辺部を梱包材によって被覆包装するものである。この梱包材は、太陽電池パネル間の隙間を保持する間仕切り構造が工夫されている。
特許文献4に示されるものは、2枚の太陽電池パネルを梱包するものであり、太陽電池パネルの四辺を梱包体によって被覆包装するものである。
これは、梱包体の側壁部を折り曲げて立てた状態に保持できるようにし、かつ、太陽電池パネル間に挿入する仕切板をこの側壁部から切出して折曲げで形成できるように工夫している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−223639号公報
【特許文献2】実用新案登録第3097147号公報
【特許文献3】特許第3828338号公報
【特許文献4】特開2009−173332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献2に示されるものでは、係止部の強度が弱く、大型の太陽電池パネルでの効用は疑問である。
特許文献3に示されるものは、基本的に2辺の包装であるので、重量物である大型の太陽電池パネルへの適用は保護性が不足する恐れがある。また、対向配置される太陽電池パネルの中央部分は仕切られていないので、端子箱から延びるケーブルが対向する太陽電池パネルのパネル面に当たらないようにケーブルを固定する必要がある。間仕切りを形成する作業および短辺部の端部を包囲する梱包材の端部処理作業等に時間がかかるという課題がある。
【0010】
特許文献4に示されるものは、段ボール形状が複雑で、組立作業が煩雑となる。その結果、梱包材の減少にも拘わらず梱包コストが増加するという課題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、大型の太陽電池パネルであっても効果的に、かつ、低コストで梱包できる梱包構造および積層梱包構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の第一態様は、それぞれ一面に端子部を有する矩形状の太陽電池パネルの四辺がフレームで保持された一対の被包装物を、前記一面が対向し、前記端子部の平面位置関係が前記一面の面中心に対して点対称関係となるように積層して梱包する梱包構造であって、矩形状をし、前記被包装物が載置される底部と、該底部の四辺にそれぞれ外側に向かって突出するように設けられた矩形状の折曲部とを有する梱包部材と、前記一対の被包装物の間に介装される略矩形状をした緩衝部材と、積層された前記被包装物の上部に前記フレームよりも小さな範囲で前記太陽電池パネルを覆うように載置される弾性部材と、を有し、前記折曲部は、前記一対の被包装物の側面および上面の周縁部を覆うように折り曲げられ、前記上面の四隅に短辺部側の前記折曲部と長辺部側の前記折曲部とが重なった重複部が形成され、該各重複部の間が複数のバンドによって締結されてなる梱包構造である。
【0013】
本態様にかかる梱包構造では、梱包部材の底部に被包装物であるフレーム付きの第一の太陽電池パネルを端子箱が上側に来るように水平状態で載置し、その上に緩衝部材を置く。次いで、緩衝部材の上に第二のフレーム付きの太陽電池パネルを端子箱が下側に来るように水平載置し一対の被包装物とする。さらに一対の被包装物の上面には弾性部材を載置し、一対の被包装物下面の周縁部で折曲部を上側方向に略鉛直方向へ折り曲げ、更に一対の被包装物の上面の周縁部で折曲部を略水平方向へ折り曲げ、一対の被包装物の側面および上面の周縁部を覆うようにする。次いで、一対の被包装物の上面の四隅に形成された折曲部が重なった重複部の間を複数箇所でバンドによって締結して梱包構造が形成される。
【0014】
このように、被包装物は四辺が梱包部材によって覆われているので、たとえ、大型の太陽電池パネルであってもそれを外傷手段から保護することができる。
被包装物の上面は梱包部材によって周縁部が覆われているだけであるので、梱包部材はその分安価にすることができる。また、弾性部材として透明または半透明なものを用いれば、中身が太陽電池パネルのガラスと観察できるので、運搬作業時に丁寧な扱いを促すことができて、太陽電池パネルの破損を抑制できる。
被包装物である第一と第二の太陽電池パネル間に緩衝部材が存在するので、端子箱から延びるケーブルを固定しなくても、ケーブルが相手側太陽電池パネルを損傷させることがない。ケーブルの固定作業を省略できることおよび梱包部材は折り曲げるだけであることにより、梱包の作業時間を低減することができる。
四隅に形成された重複部は折曲部が重なったものであるので、強度が高い。これにより、梱包構造を積み重ねたとしても強度の高い重複部に支持されるので、傾斜することなく積み重ねることができる。
【0015】
前記態様では、前記重複部は、前記長辺部側の前記折曲部が前記短辺部側の前記折曲部よりも前記上面に対して上側になるように形成されているのが好適である。
【0016】
水平状態に設置した太陽電池パネルの梱包において、重複部間をバンドで締結すると、締結位置では上側の折曲部はその下側に太陽電池パネル部材との間に梱包部材の厚み分の空間であるので、その分だけ下側方向に移動する。この移動に伴い重複部に位置する梱包部材の折曲部が下側方向へ段差が生じるように、少量だが引っ張られることになる。
重複部は、長辺部側が上側になるように形成されているので、重複部とバンド締結部との間隔を大きくできる。したがって、重複部に位置する梱包部材の上側の折曲部が下側方向へ生じる段差が滑らかになり、重複部に位置する折曲部で梱包部材が変形することへの影響を小さくできるので、重複部を正しく正確に形成することができる。
【0017】
前記態様では、前記弾性部材の周縁部領域は、前記折曲部によって覆われるように構成されていてもよい。
このようにすると、弾性部材が抜け落ちる恐れを抑制することができるので、一対の被包装物の上面を傷付きから常に保護することができる。
【0018】
前記態様では、前記緩衝部材の周縁部の少なくとも1箇所には、前記被包装物の辺に係合する係合部が設けられていてもよい。
【0019】
第二の太陽電池パネルを載置する際に、緩衝部材の位置がずれると、被包装物(第二の太陽電池パネル)の重量が大きい場合に、緩衝部材の位置を適正な位置へずらし直す作業は難しく、第二の太陽電池パネルを再度持上げてから緩衝部材の位置を修正する煩雑な戻り作業が追加で必要となる。
本態様では、係合部が被包装物の辺に係合するように緩衝部材を設置することによって緩衝部材は正しい位置に設置し保持することができる。
【0020】
前記態様では、前記重複部において前記上面に対して下側に位置する前記折曲部には、側面を形成する部分に前記底部から外側に向けて突出量が増加するように構成され、前記側面に対して折り曲げが可能な突出部が形成されていてもよい。
【0021】
重複部において下側に位置する折曲部は先に折られる。この折曲部が折られると、側面を形成する部分に突出部が外側に突出するように存在する。後に折られる重複部において上側に位置する折曲部を折り曲げる時、突出部がこの折曲部の内側に入るように側面に対して折り曲げをする。
このようにすると、隣り合う長辺部側と短辺部側の折曲部間に隙間が生じても、突出部が長辺部側と短辺部側の折り曲げを阻害することなく隙間を覆うので、内部にある太陽電池パネルの部材が露出することを防止できる。
【0022】
本発明の第二態様は、前記梱包構造の複数個を水平状態で上下方向に積み重ねた積層体としてパレット上に支持させ、前記積層体および前記パレットを一体的に複数のバンドによって締め付けてなる積層梱包構造である。
【0023】
梱包構造の上面周縁の四隅には梱包部材が重なっている重複部が存在するので、この重複部が積層体の傾斜を効果的に抑制できる。
梱包構造積載時に上段の梱包構造の底面部が、下段の梱包構造の上面の保護材の役目を行うので、余分な緩衝部材を用いることなく太陽電池パネルの損傷を抑制することができる。
なお、バンドによる締結に当たっては、積層体における側面と上面との角部に梱包材もしくは類似材による補強を施すことが好ましい。
【0024】
前記態様では、前記積層体の側面周囲を透明または半透明なフィルムで巻き締めしてなるようにしてもよい。
このようにすると、積層体を構成する複数の梱包構造が複数のバンドによる締め付けよりも更に一体となるので、たとえ乱暴な扱いをしたとしても積層体の荷崩れをより確実に防止することができる。
【0025】
前記態様では、透明または半透明なカバーによって前記積層体の少なくとも上面を覆うようにしてもよい。
このようにすると、カバーが最上段の梱包構造における梱包部材で覆われていない部分を含めて覆うことになるので、たとえば、降雨等による悪影響を防止することができる。
【0026】
前記態様では、前記積層体の上面部を剛性部材によって覆われているようにしてもよい。
このようにすると、輸送中における落下物等に対して被包装物を確実に保護することができるので、輸送中の信頼性を一層に向上することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかる梱包構造によると、被包装物は四辺が梱包部材によって覆われているので、たとえ、大型の太陽電池パネルであってもそれを十分に外部からの傷付きから保護することができる。
被包装物の上面は梱包部材によって周縁部が覆われているだけであるので、梱包部材はその分安価にすることができる。また、弾性部材として透明または半透明なものを用いれば、中身が太陽電池パネルと観察できるので、運搬作業において丁寧な扱いを促すことができる。
各被包装物間(太陽電池パネルの間)に緩衝部材が存在するので、端子箱から延びるケーブルを固定しなくても相手太陽電池パネルを傷付ける懸念がない。ケーブルの固定作業を省略できることおよび梱包部材は折り曲げるだけであることにより、梱包の作業時間を低減することができる。
梱包構造を積み重ねたときも、強度が高く、安定した構造となるように重複部に支持されるので、パレット上に梱包構造が傾斜することなく積み重ねることができる。
本発明にかかる積層梱包構造によると、梱包構造には梱包部材が重なっている重複部が存在するので、この梱包構造を積み重ねた重複部が積層体の傾斜を効果的に抑制できる。また、梱包構造積載時に上段の梱包構造の底面部が、下段の梱包構造の上面の保護材の役目を行うので、余分な緩衝部材を用いることなく太陽電池パネルの損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる梱包構造を形成する手順とを示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる積層梱包構造を形成する手順を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる積層梱包構造を形成する手順を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる積層梱包構造を形成する手順を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかる仕切板の別の実施態様を示す斜視図である。
【図14】図13の仕切板の一部を拡大して示す斜視図である。
【図15】図13の仕切板の一部を拡大して示す斜視図である。
【図16】本発明の一実施形態にかかる仕切板のさらに別の実施態様を示す斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態にかかる外側ダンボールの別の実施態様を示す斜視図である。
【図18】本発明の一実施形態にかかる積層梱包構造の別の実施態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図18を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる梱包構造1を示す斜視図である。図2は図1のX−X断面図である。図3〜図9は、梱包構造の構成とそれを形成する手順とを示す斜視図である。
梱包構造1は、梱包形態を極力に簡素化・簡易化し、梱包材を減少させて梱包コストを低減するための梱包であり、2枚の太陽電池パネル3を国内(もしくは近い外国)へ輸送し現地での荷降し・開梱作業、もしくは保管に用いられるものである。
【0030】
太陽電池パネル3は、ガラス基板5上の一面に太陽光を電力に変換する光電変換層7が形成され、端子箱(端子部)9から外部に電力を提供している。太陽電池パネル3は、例えば1.4m×1.1m×t3〜t5mmの寸法の矩形状である。
光電変換層7は、多数の発電セルが形成されている。多数の発電セルは、直列に接続され、これらが図示しない銅箔配線により端子箱9に集められて電力が取出される。また、この際に、光電変換層7が形成されている一面は、光電変換層7の全体を覆うように、図示しない接着充填材シート(EVA:エチレン酢酸ビニール共重合体 等)を介して、防水効果の高い材質を用いたバックシート8を設置し、封止処理がされている。端子箱9から正極端子11と負極端子13とが出されている。
【0031】
太陽電池パネル3の四辺には、太陽電池パネル3へ強度を付加するとともに、設置場所への取付け座となるアルミフレーム枠(フレーム)15が取り付けられている。
太陽電池パネル3とアルミフレーム枠15で、太陽電池パネル体(被包装物)2を形成している。太陽電池パネル体2は、例えば、1.41m×1.11m×t35mmの外寸法の矩形状をしており、質量は約21kgである。
【0032】
梱包構造1は、一対の被包装物となる2個の太陽電池パネル体2を、光電変換層7が形成されている一面が対向し、端子箱9の平面位置関係が一面の面中心に対して点対称関係となるように積層して梱包されている。言い換えると、一般に面中心から偏心した位置に設置されている2個の太陽電池パネル体2の端子箱9は、水平面内で端子部同士が近接しない、干渉しない位置関係に配置されている。
以下、図3〜図9を用いて梱包構造1の構成とそれを形成する手順について説明する。
梱包構造1には、2個の太陽電池パネル体2の底面、側面および上面の周縁部を覆う外箱段ボール(梱包部材)17と、2個の太陽電池パネル体2の間に介装される略矩形状をした仕切板(緩衝部材)19と、2個の太陽電池パネル体2の上部に載置される気泡緩衝材(弾性部材)21と、外箱段ボール17を締結するバンド23とが備えられている。
【0033】
仕切板19は、太陽電池パネル体2の略全面を覆う略矩形状をした板部材であり、厚さ2mmの段ボールシートで形成されている。2個の太陽電池パネル体2と仕切板19とを合わせた厚さ(高さ)は、約75〜80mmである。
外箱段ボール17は、厚さ2mmの段ボールシートで形成されている。外箱段ボール17には、略矩形状をした底面部(底部)25と、底面部25の短辺部から外側に向かって突出するように設けられた矩形状の一対の短辺折曲部(短辺部側の折曲部)27と、底面部25の長辺部から外側に向かって突出するように設けられた矩形状の一対の長辺折曲部(長辺部側の折曲部)29と、が備えられている。
【0034】
なお、梱包の部材である外箱段ボール17と仕切板19に段ボールを用いることにより、その緩衝特性から外傷手段から太陽電池パネル体2への傷付き抑制効果がある。また、梱包を屋外で開梱する時に有効な養生シートとして利用でき、さらに太陽電池パネル体2の輸送後に廃棄するにあたっては、リサイクルが可能であるので好ましい。
【0035】
底面部25は、ガラス面(端子箱9が存在しない面)側のアルミフレーム枠15の全面をカバーする大きさとされている。
短辺折曲部27および長辺折曲部29と、底面部25との境界には、第1の折目31が加工されている。
短辺折曲部27および長辺折曲部29の突出長さは、2個の太陽電池パネル体2および仕切板の高さに、一対の被包装物(2個の太陽電池パネル体2)の上面に係合する長さ約100mmを加え合わせた長さとされている。
短辺折曲部27および長辺折曲部29における側面包囲部と上面包囲部との境界には、第2の折目33が加工されている。
【0036】
気泡緩衝材21は、透明もしくは半透明なシートを成型した円柱状の突起の中に空気を閉じ込め、その空気圧で緩衝材の機能を有するもの(たとえば、商品名:エアーキャップなど)であり、アルミフレーム枠15の内側部分に位置する太陽電池パネル3のガラス面を覆う大きさとされている。気泡緩衝材21は太陽電池パネル3の汚れや傷付を抑制することができる。
【0037】
ここで、気泡緩衝材21は、円柱状の空気の入った突起のある側を、太陽電池パネル3のガラス面側に向けて、反対面の平坦な側を外側(本実施形態では上側)に向けることが好ましい。これにより、梱包構造1の上面に配置した気泡緩衝材21の表面は平坦面となり、運搬作業中に雨水や埃が残留して不都合を生じるおそれがない。
また、気泡緩衝材21の周縁部は、短辺折曲部27および長辺折曲部29で覆われるようにされている。これにより気泡緩衝材21が抜け落ちる恐れを抑制することができるので、一対の被包装物(2個の太陽電池パネル体2)の上面を傷付きから常に保護することができる。
【0038】
バンド23は、引張強度、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、吸水しないので濡れても強度が変化しないという梱包に適したポリプロピレン製のものを利用しても良い。ポリプロピレン製としたのは、バンド23が2個の太陽電池パネル体2を保持できる程度の強度があればよいので、人手によって締め付けられ、たとえば、ポリエステル製のバンドに比べて安価なためである。
【0039】
以下、梱包構造1を形成する手順について説明する。
図3に示されるように、たとえば、水平な床面に外箱段ボール17を設置する。次いで、図4に示されるように、1枚目太陽電池パネル体2をガラス面を下側(端子箱9を上側)にして外箱段ボール17の折目31に合わせて設置する。このとき、太陽電池パネル体2の端子箱9のケーブルは、端子箱9取付時点でループ状に固縛されており、梱包時にケーブル端は同極同士が仮接続され、太陽電池パネル体2に光が当たって起電力を生じてもケーブル端で漏電しないよう安全な状況としている。
図5に示されるように、太陽電池パネル体2のアルミフレーム枠15の上に仕切板19を載置する。
【0040】
次いで、図6に示されるように、2枚目の太陽電池パネル体2を、ガラス面が上側(端子箱9が下側)に来るようにしてアルミフレーム枠15の位置が揃うように仕切板19の上に載置する。
このとき2枚目の太陽電池パネル体2の端子箱9のケーブル端は同極同士が仮接続されている。この2枚目の太陽電池パネル体2の端子箱9の水平方向位置は、下側の1枚目の太陽電池パネル体2における端子箱9と近接しないように、この1枚目の太陽電池パネル体2の端子箱9と水平方向位置と相反する反対側になるようにされている。言い換えると、両方の端子箱9は、底面部25の長辺の中間位置同士を結ぶ線と短辺の中間位置同士を結ぶ線との交点(面中心)を通る上下方向に延在する線に対して線対称の位置に位置されている。このため、2枚目の太陽電池パネル体2の端子箱9と、1枚目の太陽電池パネル体2の端子箱9とが接触や干渉をしたり、あるいは端子箱9どうしの間にケーブルやケーブル先端部分が挟まれて損傷を招くことがないので好ましい。
【0041】
この状態で、図7に示されるように、2枚目の太陽電池パネル体2のアルミフレーム枠15の内側に位置するように気泡緩衝材21をガラス基板5の上に載置する。
次いで、短辺折曲部27を第1の折目31に沿って上側に折り込み、2枚の太陽電池パネル体2の短辺側の側面を覆う。その後、短辺折曲部27は、第2の折目33に沿って太陽電池パネル体2の上面の周縁部を覆うように内側に折り込まれる(図8参照)。
短辺折曲部27に続いて長辺折曲部29が図8に示されるように第1の折目31に沿って上側に折り込まれる。その後、長辺折曲部29は、第2の折目33に沿って太陽電池パネル体2の上面の周縁部を覆うように内側に折り込まれる。
【0042】
このように、外箱段ボール17の短辺折曲部27および長辺折曲部29には折込部分に折目31,33が設けられているので、2枚の太陽電池パネル体2を置いた後に、簡易に正確なサイズで折込むことが可能である。
図9に示されるように、短辺折曲部27および長辺折曲部29の折込により四隅のコーナ部分に短辺折曲部27と長辺折曲部29とが重なった重複部35が形成される。重複部35は、1辺が50mm〜200mmの正方形であり、後述するように約100mmの正方形であることが更に好ましい。
【0043】
外箱段ボール17の短辺折曲部27および長辺折曲部29を折り込み後、図9に示されるように、バンド23によって各辺で重複部35間における2箇所以上が固縛される。これにより、外箱段ボール17の短辺折曲部27および長辺折曲部29を折込作業において、段ボールの一部にスリット加工とフラップ部を設けて、フラップ部を差し込み固定する煩雑な作業を省略することができる。
【0044】
また、この場合、バンド23の適正な固定位置を外側段ボール17に印刷しておくことが好ましい。このようにすると、最適な位置で、作業人員の個人差がなくバンドの締め付け、固縛作業を行うことができ、輸送時の品質確保が容易になる。
重複部35間をバンド23で締結すると、締結位置では長辺折曲部29は下側に太陽電池パネル部材との間に梱包部材の厚み分の空間があるので、その分だけ下側に移動する。この移動に伴い重複部35に位置する長辺折曲部29が梱包部材の折曲部が下側方向へ段差が生じるように、少量だが引っ張られることになる。
【0045】
重複部35は、長辺折曲部29が上側になるように形成されているので、重複部35とバンド締結部との間隔を大きく(すなわち長い距離間隔に)できる。
したがって、重複部35に位置する梱包部材の長辺折曲部29が下側方向へ生じる段差が滑らかになり、重複部に位置する長辺折曲部29で梱包部材が変形することへの影響を小さくできるので、重複部35を正しく正確に形成することができる。
この重複部35を的確で均一な形成することにより、後述する積載時に梱包構造1を傾斜することなく安定して積み重ねるに有効な効果を得ることができる。
【0046】
このようにして、2枚の太陽電池パネル体2を梱包した梱包構造1が形成される。
梱包構造1の側面の所定位置に、図1に示されるように、QRコード、バーコード、ID番号等を印刷したシール37を貼付してもよい。
このようにすると、梱包構造1を積み重ねた場合でも、外側から見て各々の梱包構造1に収納された太陽電池パネル体2のID番号等を確認することができるので、梱包後においても、たとえば太陽電池のパネル特性などから必要な太陽電池パネル体2を選出して使用することができるので、好ましい。
この貼付された、たとえば、QRコード付のシール37は納入先への保証書に貼替えることができる。これにより、保証書によるトレーサビリティ管理が実施しやすくなる。
【0047】
この梱包構造1では、2枚の太陽電池パネル体2は少なくとも4側面と下面が外側段ボール17によって覆われているので、たとえ、大型の太陽電池パネル体2であってもそれを十分に保護することができる。
太陽電池パネル体2の上面(太陽電池パネル3のガラス面)は外側段ボール17によって周縁部が覆われているだけであるので、外側段ボール17はその分安価にすることができる。また、気泡緩衝材21は透明もしくは半透明なものを用いているので、中身にガラス基板5があることを観察することができる。中身が観察できると、梱包内容が太陽電池パネル3とわかるので、自ずと運搬時には丁寧な扱いを促すことができ、太陽電池パネル3の破損を抑制できるとともに、必要以上に頑丈な梱包を不要とする効果がある。
【0048】
2枚の太陽電池パネル体2間に仕切板19が存在するので、端子箱9から延びるケーブルを固定しなくても、ケーブル先端部分が下側の太陽電池パネル2に接触して負傷させることがないので、特別なケーブル固定作業を実施する必要がない。ケーブルの固定作業を省略できることおよび外側段ボール17は折り曲げるだけであることにより、梱包の作業時間を低減することができる。
四隅に形成された重複部35は短辺折曲部27および長辺折曲部29が重なったものであるので、強度が高い。これにより、梱包構造1を積み重ねたとしても強度の高い重複部35に支持されるので、各々の梱包構造1を傾斜することなく積み重ねることができる。
【0049】
このように、梱包構造1を傾斜することなく安定して積み重ねるには、梱包構造1の4隅にほぼ等面積で均等に荷重を支持する重複部35があることが望ましい。この重複部35の大きさについて試行錯誤の結果、1辺が50mm〜200mmの正方形あるいは矩形状が望ましく、より好ましくは1辺が100mm±20mmの正方形あるいは矩形状であることが判明した。重複部35の1辺が50mmより小さいと2枚の太陽電池パネル体2(2枚で約50kg)で押し潰されて重複部35の効果を発揮できず、一方、1辺が200mmより大きいと形状のばらつきにより均等に荷重を支持できず、梱包構造1を積み重ねた際に傾斜する場合がある。
このため、本実施形態のような梱包構造1の四隅のコーナ部分において、寸法の重複部35を的確で均一な形状に形成することが、非常に簡易な管理で有効な手法であることが判明した。
【0050】
梱包構造1が、設置場所で開梱される場合、開梱作業は、屋外や屋根の上で行うことが多いため、ガラス面を下にした開梱作業で太陽電池パネル3のガラス面を損傷する恐れがある。本実施形態の場合、外側段ボール17の底面部25は1枚目の太陽電池パネル3のガラス面全体を覆うようにされているので、外側段ボール17を養生材として太陽電池パネル体2の仮置に活用でき、太陽電池パネル3の損傷を抑制できるので好適である。
また、開梱時、取り外した仕切板21は、たとえば、2枚目の太陽電池パネル体2の仮置き用養生材として利用できるので好適である。
これにより、別途養生材を準備する必要がないので、設置場所での作業が容易になる。
【0051】
次に、複数の梱包構造1を搬送する場合に用いられる積層梱包構造41の構成および形成手順について図10〜図12により説明する。
図10に示されるように、木製パレット(パレット)43の上に複数、たとえば、12個の梱包構造1を順次重ねて積載し積層体45を形成する。
この木製パレット43には、フォークリフトのフォークを挿入できるフォーク差込口が形成されている公知のものを使用する。
【0052】
この時、梱包構造1の上面には短辺折曲部27および長辺折曲部29が重なっている重複部35が存在するので、この重複部35が積層体45の傾斜を効果的に抑制できる。
また、梱包構造1積載時に上段の梱包構造1の底面部25が、下段の梱包構造1の上面の保護材の役目を行うので、太陽電池パネル体2は、余分な緩衝部材を用いることなく太陽電池パネル体2の損傷を抑制することができる。
ただし、最上部の梱包構造1のみにおいては、梱包構造1の上面側に気泡緩衝材21のみを設置した構造となる。しかしこの上面側は、後述するビニール製のカバー55の上部を折り曲げて畳んで粘着テープ等で固定してあるので、最上部の梱包構造1の最上部の太陽電池パネル体2においても、実質的に十分に太陽電池パネル3を保護して損傷を抑制する構造となっている。
【0053】
最上段の梱包構造1の上面4辺の角部にL型の段ボールシート47を取付け、補強する。この段ボールシート47の部分を、複数個所にわたりバンド49によって木製パレット43に締付けて全体を固定する。
バンド49は、引張強度、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、吸水しないので濡れても強度が変化しないという梱包に適したポリエステル製とされている。ポリエステル製としたのは、締め付け作業性および価格的にポリプロピレン製に比べて不利であるが、バンド49が複数個の太陽電池パネル体2を保持できる程度の強度を必要としているので、応力緩和が小さく長時間張力を維持でき、長期輸送に適しているからである。
【0054】
次いで、積層体45の側面に行き先等を表示する表示シート51を貼付した後、積層体45の周囲を透明なストレッチフィルム(フィルム)53を、たとえば、2重に巻き付け、積層体45を巻き締める。
このようにすると、積層体45を構成する複数の梱包構造1が一体となるので、たとえ運搬・積載作業時に多少の乱暴な扱いにより積層体45に衝撃荷重が印加されたとしても積層体45の荷崩れを確実に防止することができる。
【0055】
次いで、図11に示されるように、ビニール製のカバー55をストレッチフィルム53の外側を覆うように周囲と上方に設置する。本実施形態では、カバー55を周囲に巻き付けて筒状に粘着テープ等で固定して、上部を折り曲げて畳み込んでいる。事前に上部の折り曲げ加工を行った筒状のカバー55を上方から挿入しても良く、特に特定するものではない。カバー55が所定位置に設置されると、下部をポリプロピレン製のバンド57によって締め付けてカバー55の風ばたつきを抑制する。
そして、図12に示されるようにカバー55の上部を折り曲げて畳んで粘着テープ等で固定して積層体45の上部を密封する。
このようにすると、カバー55が最上段の梱包構造1における外側段ボール17で覆われていない部分を覆うことになるので、たとえば、運搬中や仮保管時に降雨等により梱包構造1に水分が入り込むなどの悪影響を防止することができる。
【0056】
ところで、本実施形態では、仕切板19は平板材であるため、設置位置が厳密には特定されない可能性がある。たとえば、2枚目の太陽電池パネル体2を置く際に、仕切板19が不適切な位置のままで2枚目の太陽電池パネル体2を設置すると、太陽電池パネル体2の重い重量のために仕切板19の位置を再度調整することは容易ではない。
仕切板19を正しい位置に設置するために、たとえば、図13〜図15に示されるように仕切板19にアルミフレーム枠15と係合する係合部59が設けられていてもよい。
【0057】
図14に示すように、係合部59は、仕切板19のコーナ部分に設けた切込61を用いて形成する。切込61は、仕切板19の短辺部の両端部分に長辺部と略平行に切り込まれている。切込61の内側端部から、長辺部に向けて45°の角度で短辺部方向に沿って仕切板19の外側へと折り曲げる第一折目63が加工されている。第一折目63と長辺部との交点から切込61に向けて短辺部と略平行な第二折目65が加工されている。
切込61で分離された部分を第一折目63に沿って折ると、長辺部に略直交する突出部が形成され、この突出部を第二折目65に沿って下方に向けて折ると、図15に示されるように仕切板19の長辺部に沿って下方に垂れさがる係合部59が形成される。
【0058】
図13では、1つの長辺部の両端に係合部59を形成した状態と、他の長辺部の両端に係合部59を形成する前の状態を示している。
係合部59を1枚目(梱包構造1の下側配置)の太陽電池パネル体2のアルミフレーム枠15に引っ掛けると仕切板19の長辺部の位置はアルミフレーム枠15に対して正しく位置させられる。後は短辺部の位置を設定すればよい。
図13に示される係合部59では、仕切板19の長辺部の位置決めが行えるものであるが、切込61、第一折目63および第二折目65を図16に示されるように加工すると、一方の対向する角部に長辺部の位置を規定する係合部59が、他方の対向する角部に短辺部の位置を規定する係合部59が形成される。
このようにすると、仕切板19は、短辺部および長辺部ともに位置が規定されるので、仕切板19の位置固定がさらに効果的になる。
【0059】
また、折目31の精度や、太陽電池パネル体2の載置の仕方等によって梱包構造1における側面角部で、短辺折曲部27と長辺折曲部29との間に隙間が発生し、アルミフレーム枠15の角部が露出することがある。この露出部分は、外側段ボール17よりも内側であるので、通常の輸送においてアルミフレーム枠15に傷付が発生することはないが、外観的にあまり好ましくはない。
たとえば、長距離輸送などで傷付きが発生する可能性がある場合には、図17に示されるように、短辺折曲部27における梱包構造1の側面を形成する部分に底面25部から外側に向けて突出量が増加するように構成されたフラップ(突出部)67が形成されてもよい。
【0060】
短辺折曲部27が折られると、フラップ67は長辺側に突出した状態となっている。この状態で長辺折曲部29が折られるとき、フラップ67が長辺折曲部29の内側に入るようにする。
このようにすると、隣り合う短辺折曲部27および長辺折曲部29間に隙間が生じてもフラップ67が隙間を覆うので、内部のアルミフレーム枠15が露出することを防止できる。
なお、このフラップ67が大きいと長辺折曲部29の折り曲げの邪魔になり、特に折目31での正確な折込が出来なくなるので、フラップ67は略三角形の形状として、折目31付近にはフラップ67がなく、隙間が発生しやすい側面部の上部にフラップ67が存在するようにしている。
【0061】
さらに、積層梱包構造41を長距離輸送する場合には、図18に示されるように最上段の梱包構造1の上面全面においては、最上段上面全面を覆うベニヤ板やコンパネ材で構成された天板部材(剛性部材)69を設けるようにしてもよい。
このようにすると、中長期輸送中においても、落下物等に対して被包装物を確実に保護することができる。また、最上段の梱包構造1の上面4辺の角部にL型の段ボールシート47を取付け、補強する必要がなくなるので、作業性が向上するので好ましい。
【0062】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を行ってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 梱包構造
2 太陽電池パネル体
3 太陽電池パネル
8 バックシート
9 端子箱
15 アルミフレーム枠
17 外側段ボール
19 仕切板
21 気泡緩衝材
23 バンド
25 底面部
27 短辺折曲部
29 長辺折曲部
35 重複部
41 積層梱包構造
43 木製パレット
45 積層体
49 バンド
53 ストレッチフィルム
55 カバー
59 係合部
67 フラップ
69 天板部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一面に端子部を有する矩形状の太陽電池パネルの四辺がフレームで保持された一対の被包装物を、前記一面が対向し、前記端子部の平面位置関係が前記一面の面中心に対して点対称関係となるように積層して梱包する梱包構造であって、
矩形状をし、前記被包装物が載置される底部と、該底部の四辺にそれぞれ外側に向かって突出するように設けられた矩形状の折曲部とを有する梱包部材と、
前記一対の被包装物の間に介装される略矩形状をした緩衝部材と、
積層された前記被包装物の上部に前記フレームよりも小さな範囲で前記太陽電池パネルを覆うように載置される弾性部材と、を有し、
前記折曲部は、前記一対の被包装物の側面および上面の周縁部を覆うように折り曲げられ、前記上面の四隅に短辺部側の前記折曲部と長辺部側の前記折曲部とが重なった重複部が形成され、
該各重複部の間が複数のバンドによって締結されてなることを特徴とする梱包構造。
【請求項2】
前記重複部は、前記長辺部側の前記折曲部が前記短辺部側の前記折曲部よりも前記上面に対して上側になるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の梱包構造。
【請求項3】
前記弾性部材の周縁部領域は、前記折曲部によって覆われるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包構造。
【請求項4】
前記緩衝部材の周縁部の少なくとも1箇所には、前記被包装物の辺に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の梱包構造。
【請求項5】
前記重複部において前記上面に対して下側に位置する前記折曲部には、側面を形成する部分に前記底部から外側に向けて突出量が増加するように構成され、前記側面に対して折り曲げが可能な突出部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の梱包構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の梱包構造の複数個を水平状態で上下方向に積み重ねた積層体としてパレット上に支持させ、
複数個の前記梱包構造および前記パレットを一体的に複数のバンドによって締め付けてなることを特徴とする積層梱包構造。
【請求項7】
前記積層体の側面周囲を透明または半透明なフィルムで巻き締めしてなることを特徴とする請求項6に記載の積層梱包構造。
【請求項8】
透明または半透明なカバーによって前記積層体の少なくとも上面を覆うようにしてなることを特徴とする請求項6または7に記載の積層梱包構造。
【請求項9】
前記積層体の上面部が剛性部材によって覆われていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の積層梱包構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−240933(P2011−240933A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111953(P2010−111953)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】