説明

梱包装置及び梱包方法

【課題】本発明は、振動等が発生しても、収納した部品の内部移動、ガタツキを抑制することができる梱包装置及び梱包方法を提供することを目的とする。
【解決手段】箱体10と、該箱体10の底面11に設置され、該箱体10の内部を第1の領域31と第2の領域32とに仕切る仕切り部22を有する仕切り部材20とを備えた梱包装置であって、
前記仕切り部材20は、前記箱体10の内側面から折り返され、前記第2の領域32に収納される収納対象物42〜44の移動を規制する移動規制部26〜29を有し、
該移動規制部26〜29は、前記収納対象物42〜44を上から覆う上面規制部26a〜29aと、該上面規制部26a〜29aから前記収納対象物42〜44の水平移動を規制する方向に延びて前記収納対象物42〜44の側面及び底面を連続面で覆う側面規制部26b〜29b、29e及び底面規制部26c〜29c、29fとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包装置及び梱包方法に関し、特に、箱体と、該箱体の底面に設置され、該箱体の内部を第1の領域と第2の領域とに仕切る仕切り部を有するシート状の仕切り部材とを備えた梱包装置及びこれに機器を収納する梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子機器本体と、電子機器本体に付属する付属品を収納する、ダンボール等で構成された梱包装置が知られている。
【0003】
図10は、従来の梱包装置を示した図である。図10(A)は、従来の梱包装置の内部構成を示した図である。図10(A)において、従来の梱包装置は、箱体110の内部が、クッション材120に仕切られた構成を有している。箱体110及びクッション材120は、ともにダンボールで構成されている。クッション材120に仕切られた一方の領域131には、電子機器本体141が収納され、他方の領域132には、複数の部品からなる付属品142、143が収納される。
【0004】
図10(B)は、従来の梱包装置の蓋114を閉めた状態を示した図である。図10(B)に示すように、図10(A)に示した状態で電子機器本体141及び付属品142、143が収納された箱体110を、蓋114が覆うことにより、電子機器の梱包が行われる。このように、従来の梱包装置においては、電子機器本体141と付属品142、143がある場合には、電子機器本体141と付属品142、143をクッション材120で仕切って輸送していた。
【0005】
また、かさばらずに、確実に回路基板及びCD−ROMを保護するため、シート材を用い、折曲することにより所定の形状を維持する回路基板の包装材として、包装すべき回路基板を内包し得る空間を有する箱状のスリーブと、スリーブが有する2ヶ所のスリーブ開口部のそれぞれに、折曲することによりスリーブ開口部の一部を塞ぐように形成された突出部と、折曲された突出部の先端を挿入するための突出部用開口部を有し、回路基板を包装材の内部に納置した際に、突出部が回路基板を保持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−310128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の図10に示した従来の包装装置では、領域132に、領域132に比して小さい複数の付属品142、143が固定されずに収納されているため、輸送の際、振動等により付属品142、143が領域132内を移動してガタつくという問題があった。特に、付属品が多層に収納された場合には、上層にある付属品143は、上からの抑制も無く、横方向の抑制も無いために、振動や落下等が生じた場合に内部移動が激しく、付属品142、143同士の衝突により、傷が発生するおそれがあるという問題があった。
【0008】
また、特許文献1に記載の構成では、回路基板とCD−ROMのみの輸送を想定しているため、電子機器と複数の付属品を輸送する場合には利用することができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、振動等が発生しても、収納した部品の内部移動、ガタツキを抑制することができる梱包装置及び梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る梱包装置は、箱体(10)と、該箱体(10)の底面(11)に設置され、該箱体(10)の内部を第1の領域(31)と第2の領域(32)とに仕切る仕切り部(22)を有する仕切り部材(20)とを備えた梱包装置であって、
前記仕切り部材(20)は、前記箱体(10)の内側面から折り返され、前記第2の領域(32)に収納される収納対象物(42〜44)の移動を規制する移動規制部(26〜29)を有し、
該移動規制部(26〜29)は、前記収納対象物(42〜44)を上から覆う上面規制部(26a〜29a)と、該上面規制部(26a〜29a)から前記収納対象物(42〜44)の水平移動を規制する方向に延びて前記収納対象物(42〜44)の側面及び底面を連続面で覆う側面規制部(26b〜29b、29e)及び底面規制部(26c〜29c、29f)とを有することを特徴とする。
【0011】
また、前記移動規制部(26〜29)は、前記第2の領域の内側面(12、24)から折り返されてもよい。
【0012】
また、前記移動規制部(26〜29)は、前記仕切り部(22)との対向面(24)から折り返されてもよい。
【0013】
また、前記上面規制部(26a〜29a)は、前記第2の領域(32)のいずれか3面(12、24)に囲まれた片側の領域を覆い、
前記側面規制部(26b〜29b)及び底面規制部(26c〜29c)は、前記3面(12、24)に沿っていない部分に設けられてもよい。
【0014】
また、前記仕切り板(20)に、前記上面規制部(26a〜29a)の一部を上から覆う部分(23)を形成してもよい。
【0015】
また、前記第1の領域(31)は、機器本体収納用の領域(31)であり、
前記第2の領域(32)は、複数の付属品からなる機器付属品収納用の領域(32)であり、
前記第2の領域(32)に前記複数の付属品(42〜44)が積層されて収納される場合には、前記側面規制部(26b〜29b、29e)は、前記箱体(10)の側面(12)の深さよりも浅く形成され、積層最上層の前記付属品(44)の側面及び底面を前記側面規制部(26b〜29b、29e)及び前記底面規制部(26c〜29c、29f)で覆うようにしてもよい。
【0016】
本発明の他の態様に係る梱包方法は、箱体(10)と、該箱体(10)の底面(11)に設置され、該箱体(10)の内部を第1の領域(31)と第2の領域(32)とに仕切る仕切り部(22)と、前記箱体(10)の内側面(12)から前記第2の領域(32)の一部を覆うように折り返された折り返し部(26〜29)を有する仕切り部材(20)とを備えた梱包装置に、機器本体(41)と複数の付属品(42〜44)からなる機器(40)を梱包する梱包方法であって、
前記第1の領域(31)に前記機器本体(41)を収納し、
前記第2の領域(32)に前記複数の付属品(42〜44)を収納するときに、前記複数の付属品(42〜44)を積層させて収納し、最上層の付属品(44)の側面と、底面の一部とを覆うように前記折り返し部(26〜29)を連続して折り返し、前記最上層の付属品(44)の移動を規制することを特徴とする。
【0017】
前記折り返し部(26〜29)は、前記第2の領域(32)のいずれか3面(12、24)に囲まれた片側の領域を覆う大きさに形成され、
前記折り返し部(26〜29)の連続した折り返しは、前記3面に沿っていない部分について行うようにしてもよい。
【0018】
なお、括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、輸送時の振動や落下による収納部品の内部移動、ガタツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1に係る梱包装置の構成を示した分解斜視図である。
【図2】実施例1に係る梱包装置を組み立てた構成の一例を示した斜視図である。
【図3】本実施例に係る梱包装置への付属品の梱包方法の一例を示した図である。
【図4】実施例1に係る梱包装置が電子機器の付属品を収納した状態を示した図である。
【図5】実施例1に係る梱包装置に電子機器が収納された状態を示した斜視図である。
【図6】実施例1に係る梱包装置の蓋を閉じた状態を示した図である。
【図7】本発明の実施例2に係る梱包装置の一例を示した図である。図7(A)は、実施例2に係る梱包装置の一例の平面構成を示した図である。図7(B)は、実施例2に係る梱包装置に付属品を収納した状態を示した図である。
【図8】本発明の実施例3に係る梱包装置の一例を示した図である。図8(A)は、実施例3に係る梱包装置の一例の平面構成を示した図である。図8(B)は、実施例3に係る梱包装置に付属品を収納した状態を示した図である。
【図9】本発明の実施例4に係る梱包装置の一例を示した図である。図9(A)は、実施例4に係る梱包装置の一例を示した平面構成図である。図9(B)は、実施例4に係る梱包装置に付属品を収納した状態を示した図である。
【図10】従来の梱包装置を示した図である。図10(A)は、従来の梱包装置の内部構成を示した図である。図10(B)は、従来の梱包装置の収納状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係る梱包装置の構成を示した分解斜視図である。図1において、実施例1に係る梱包装置は、箱体10と、仕切り部材20とを備える。本実施例に係る梱包装置は、箱体10の内部の底面上に、仕切り部材20が設置されることにより構成される。
【0023】
箱体10は、梱包対象となる機器を収納するための梱包部材である。箱体10は、底面11と、側面12と、蓋14を有して構成される。箱体10は、例えば、ダンボール、厚紙等の折り曲げ加工が可能な材料から構成される。図1に示すように、箱体10は、1枚のシート状の梱包材を、折り曲げ加工することにより、構成されてよい。例えば、図1に示すように、側面12は、折り曲げ部13を設けて、これを折り曲げることにより形成してもよい。
【0024】
仕切り部材20は、箱体10の底面11上に設置され、箱体10の内部を複数の領域に仕切るとともに、収納部品の緩衝材として機能する部材である。特に、本実施例に係る梱包装置の仕切り部材20は、電子機器の付属品等の複数の部品を収納する領域について、移動し易い部品の移動を規制し、収納領域内の内部移動を抑制する機能を有する。
【0025】
仕切り部材20は、底面部21と、仕切り部22と、仕切り折り返し部23と、側面部24と、側面折り返し部25と、移動規制部26とを有する。仕切り部材20は、箱体10と同様に、ダンボール、厚紙等の折り曲げ加工が可能な材料から構成される。
【0026】
底面部21は、箱体10の底面11上に設置される部分である。仕切り部22は、箱体10の内部を、2つの領域に仕切り、両者を区画する手段であり、底面部10から隆起した壁状に構成される。本実施例に係る梱包装置は、本体と付属品とを有する機器を収納することを想定している。一般に、電子機器等の機器は、動作回路や駆動回路等が収容された機器本体1台と、ACアダプタ、バッテリ、種々のコネクタ、リモコン等の複数の物品からなる付属品から構成される場合が多い。このような場合、機器本体は比較的大きく、直方体の形状をしている場合が多いが、付属品は、単体では小さく、しかも種々の形状をしている場合が多い。このような場合には、機器本体は、独立した機器本体収納領域を設け、その他の付属品については、付属品の総てを収納できるスペースを確保した付属品収納領域を設ける。よって、仕切り部22は、機器本体収納領域と、付属品収納領域とを区画する仕切り用の壁として機能する。
【0027】
仕切り折り返し部23は、仕切り部22から折り返した部分であり、付属品収納後の移動規制部26を上から覆うことができるように構成される。なお、仕切り折り返し部23は、必須ではなく、必要に応じて設けられてよい。側面部24は、箱体10の側面12に沿って設けられる部分であり、箱体10の側面12上に重なるように設けられる。側面折り返し部25は、側面24を折り返して内部を小さく仕切るように構成した部分であり、移動規制部26とともに、収納される部品の横方向の移動を抑制したい場合に、必要に応じて設けられる。
【0028】
移動規制部26は、付属品収納領域に収納される付属品を包み込んで保持し、付属品の内部移動を規制する手段である。移動規制部26は、箱体10の側面12のいずれかから箱体10の内部に折り返して形成され、箱体10の付属品収納領域の一部を覆うように構成される。移動規制部26は、機器の輸送時に、内部移動を規制したい付属品の上面、側面及び底面の一部を囲むように構成され、振動等が発生しても、付属品が大きく移動しないように移動領域を限定する。これにより、付属品を必ずしも固定まではしないが、大きくガタつくことが無いような状態に保持する。
【0029】
移動規制部26は、上面規制部26aと、側面規制部26bと、底面規制部26cと、通気穴26dとを有する。上面規制部26aは、付属品を上から覆い、上方への移動を規制するとともに、付属品の上面を保護する部分である。上面規制部26aは、仕切り部材20の側面24と連結して形成され、箱体10の内側に折り返し可能な構成となっている。
【0030】
側面規制部26b及び底面規制部26cは、上面規制部26aから連結して連続的に形成されている。一方、側面規制部26b及び底面規制部26cは、仕切り部材20の側面とは連結しておらず、上面規制部26aから延びるように形成される。側面規制部26b及び底面規制部26cは、移動規制対象となる付属品の水平移動を規制する方向に延びて形成される。折り曲げ加工されたときに、側面規制部26bは、移動規制する付属品を側面から覆う部分であり、底面規制部26cは、移動規制する付属品を底面から覆う部分となる。側面規制部26bと底面規制部26cの境界は、折り曲げ加工を行う箇所であり、部材的には、ダンボール、厚紙等の同一シートから構成される。
【0031】
通気穴26dは、移動規制部26に収納される付属品の通気を保ち、一定の乾燥状態を保つために設けられた穴であり、必要に応じて設けられてよい。
【0032】
図2は、実施例1に係る梱包装置を組み立てた構成の一例を示した斜視図である。図2において、箱体10の底面11上に仕切り部材20が設置され、実施例1に係る梱包装置が組み立てられた状態が示されている。なお、実施例1の図2以降において、図1と同様の構成要素については、同一の参照符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0033】
図2において、実施例1に係る梱包装置は、内部が仕切り部22により仕切られ、機器本体収納領域31と、付属品収納領域32とを有する。また、箱体10の底面11は、仕切り部材20の底面部21に覆われており、2重のクッション状態となっている。箱体10の奥側の側面12の上端からは蓋14が折れ曲がって上方に延び、手前側の側面12の上端からは、移動規制部26が上方に延びて折り返された状態となっている。
【0034】
また、図2において、梱包装置に収納する電子機器40の一例が併せて示されている。実施例1に係る梱包装置が収納できる機器は、電子機器40に限られないが、本実施例においては、電子機器40を収納する例を挙げて説明する。電子機器40は、機器本体41と、ACアダプタ42と、接続ケーブル43と、付属体44とを有する。ACアダプタ42、接続ケーブル43及び付属体44が、電子機器40の付属品となる。また、機器本体41、ACアダプタ42、接続ケーブル43及び付属体44は、各々ビニル袋51、52、53、54に収納されている。更に、機器本体41は、上面から緩衝材60で覆われて収納されるようになっている。
【0035】
図2に示すように、機器本体41は、その形状に合わせて形成された機器本体収納領域31に収納されるが、付属品であるACアダプタ42、接続ケーブル43及び付属体44は、総て付属品収納領域32に収納される。
【0036】
図3は、本実施例に係る梱包装置への付属品の梱包方法の一例を示した図である。図3において、付属品収納領域32が示されており、付属品収納領域32の内部には、ACアダプタ42と接続ケーブル43とが収納されている。ACアダプタ42及び接続ケーブル43は、互いになるべく重ならないように、全体で水平面に近い面を形成するように付属品収納領域32の内部の底面部21上に収納される。一方、付属体44は、一旦、移動規制部26の上面規制部26aの内側面上に載置される。なお、このとき、付属体44は、収納時の上面が上面規制部26aの内側面に接触し、底面が上方に位置するように載置される。次いで、側面規制部26bが上方に折り曲げられ、次に底面規制部26cが側方に折り曲げられ、上面規制部26aの内側面上に載置された付属体44は、その側面及び収納時の底面が、側面規制部26b及び底面規制部26cで覆われる。つまり、上面規制部26aの内側面と、底面規制部26cの内側面で、側面規制部26bを介して付属体44を挟持するような状態とする。そして、最後に上面規制部26aを箱体10の内側に向けて折り返す。
【0037】
ここで、側面規制部26bは、付属体44の高さに合わせた深さに形成しておく。付属体44は、接続ケーブル43の上に積層されて収納されることが想定されているので、箱体10の側面12の深さよりも小さい高さで構成されている。よって、側面規制部26bの高さ又は深さも、箱体10の側面12より浅い深さで形成される。また、底面規制部26cは、付属体44の底面の横方向内側端部付近のみを覆う大きさに構成されてよい。側面規制部26b及び底面規制部26cは、付属体44の水平方向の移動を規制するための部分であるため、付属体44の右水平方向への移動を規制できる形状及び大きさに構成されていれば十分だからである。
【0038】
図4は、実施例1に係る梱包装置が、電子機器の付属品を収納した状態を示した図である。図4において、移動規制部26の上面規制部26aが箱体10の内部側に折り返され、付属体44が移動規制部26に収納されている。上述のように、右側の側面及び底面は、側面規制部26b及び底面規制部26cで連続的に折り曲げられて囲まれているので、付属体44の右側への移動は規制された状態で付属品収納領域32に収納される。また、付属体44の左側は、箱体10の側面12により移動が規制されている。奥側は、仕切り部材20の仕切り部22により移動が規制されており、手前側は、仕切り部材20の側面部24により移動が規制されている。箱体10及び仕切り部材20の双方とも、ダンボールや厚紙等の緩衝材で構成されているので、付属体44を囲む箱体10の側面12、仕切り部22、移動規制部26の上面規制部26a、側面規制部26b及び底面規制部26cは、総て緩衝材としても機能し、付属体44を輸送時の振動等のショックからクッションのように保護する役割も果たす。更に、付属体44の下側には、接続ケーブル43が存在し、接続ケーブル43自体もある程度の弾力性を有し、束状に括られているので、やはり緩衝材のように機能し、下からも付属体44を保護する収納状態となっている。
【0039】
なお、ACアダプタ42及び接続ケーブル43も、上方から付属体44により抑え付けられ、付属品収納領域32内での内部移動が規制された状態となっている。よって、移動規制部26は、直接的に保持している付属体44の内部移動の規制のみならず、付属体44自体を規制部材として利用し、ACアダプタ42及び接続ケーブル43の移動規制をも行っている。
【0040】
また、図4において、上面規制部26aの外側面上の一部を、仕切り折り返し部23が覆っている。仕切り折り返し部23は、上面規制部26aを上方から抑えて上面規制部26aを確実に固定するとともに、緩衝材を重ねて緩衝効果を高めている。
【0041】
このように、移動規制部26により付属品42〜44のうち、移動を規制する対象物である付属体44を収納保持することにより、付属体44の内部移動を防止することができ、付属品42〜44同士の衝突による傷の発生も防止することができる。
【0042】
図5は、実施例1に係る梱包装置の内部に、電子機器が収納された状態を示した斜視図である。図5において、箱体10の内部に、電子機器本体41と、付属品42〜44が収納された状態が示されている。付属品42〜44は、移動規制部材26により移動を規制され、輸送時に振動や落下が発生したとしても、付属品42〜44の移動を抑制し、これらの衝突を防ぐことができる構成となっている。なお、図5においては、上面規制部26aのみが示されている。
【0043】
図6は、実施例1に係る梱包装置の蓋を閉じた状態を示した図である。図6において、図5に示した収納状態から、蓋14が閉じられた状態が示されている。図5において説明したように、電子機器本体41及び付属品42〜44が、移動を規制された状態で収納され、輸送等により振動や落下が発生しても、電子機器本体41及び付属品42〜44の移動を抑制し、これらの損傷を防止することができる。
【0044】
実施例1に係る梱包装置及び梱包方法によれば、収納機器のガタツキを防止し、収納機器の損傷を確実に防ぐことができる。また、実施例1に係る梱包装置は、箱体10及び仕切り部材20の両方とも、シート状のダンボール、厚紙等から構成することができるとともに、複雑に仕切りを多く形成することなく、最低限の加工量で付属品42〜44の内部移動を規制することができる。よって、実施例1に係る梱包装置は、簡素な構成により低コスト化を実現することができる。
【実施例2】
【0045】
図7は、本発明の実施例2に係る梱包装置の一例を示した図である。図7(A)は、実施例2に係る梱包装置の一例の平面構成を示した図である。なお、図7においては、実施例2に係る梱包装置の説明に必要な構成要素のみを示し、実施例1に係る梱包装置と同様の構成要素については、省略するか、又は同一の参照符号を付してある。以後の実施例において、特に言及しない構成要素については、実施例1に係る梱包装置の構成要素をそのまま適用し、その図示及び説明を省略するものとする。
【0046】
図7(A)において、箱体10の内部に、仕切り部材20が設置済みの状態における平面構成が示されている。実施例2に係る梱包装置において、仕切り部22により箱体10の内部が、機器本体収納領域31と付属品収納領域32に分割されている点は、実施例1に係る梱包装置と同様である。実施例2に係る梱包装置においては、移動規制部27が、仕切り部22の対向面の側面12の上端から折り返されている構成ではなく、付属品収納領域32の右側の側面12から折り返されて延びている点で、実施例1に係る梱包装置と異なっている。
【0047】
移動規制部27は、上面規制部27aと、側面規制部27bと、底面規制部27cと、通気穴27dとを備える。
【0048】
実施例2に係る梱包装置においては、仕切り部22と、仕切り部22の対向面の側面12と、付属品収納領域32の右側の側面12で収納対象となる付属体44の3面を規制し、残りの1面である左側の移動方向を、側面規制部27bと底面規制部27cで連続して覆って規制する構成となっている。
【0049】
このように、移動規制部27は、仕切り部22の対向面のみならず、付属品収納領域32を包囲する側面12及び仕切り部22のいずれから設けてもよい。また、必要に応じて、機器本体収納領域31の仕切り部22との対向面となる側面12から、機器本体収納領域31を跨るようにして移動規制部27を設けることも可能である。なお、仕切り部22を設ける側面12には、仕切り部材22側にも側面24を形成し、側面24の上端から移動規制部27が上方に延びるように折り返し形成すれば、1枚のシート状の仕切り部材22を用いて、移動規制部27を形成することができる。
【0050】
図7(B)は、付属品42〜44を付属品収納領域32に、移動規制部27を用いて収納した状態を示した平面図である。図7(B)に示すように、付属品収納領域32の右側の側面12に移動規制部27を設けた場合であっても、問題無く付属品42〜44を収納できることが分かる。
【0051】
このように、実施例2に係る収納装置によれば、用途に応じて、付属品収納領域32の任意の側面、また場合によっては本体機器収納領域31の側面に移動規制収納部27を設けることにより、輸送時の付属品42〜44の内部移動及び損傷を抑制することができ、種々の梱包形態で電子機器の収納を行うことができる。
【実施例3】
【0052】
図8は、本発明の実施例3に係る梱包装置の一例を示した図である。図8(A)は、実施例3に係る梱包装置の一例の平面構成を示した図である。図8(A)において、実施例3に係る梱包装置は、箱体10の内部が仕切り部22で仕切られ、機器本体収納部31と付属品収納部32とを有する点は、実施例1及び実施例2に係る梱包装置と同様である。また、実施例3に係る梱包装置において、付属品収納部32の仕切り部22に対向する側面12から移動規制部28が折り返し形成されている点も、実施例1に係る梱包装置と同様である。
【0053】
実施例3に係る梱包装置は、移動規制部28の上面規制部28aが、仕切り部22の対向面をなす側面12の一部ではなく、全体に亘り設けられている点で、実施例1に係る梱包装置と異なっている。また、上面規制部28aの奥行きが短くなり、側面規制部28b及び底面規制部28cが、上面規制部28aの側部ではなく、先端部から連続して延びている点で、実施例1とは異なっている。実施例3に係る梱包装置においては、移動を規制する梱包対象物となる付属品42〜44が、細長い形状の場合を想定している。このような場合には、移動規制部28の形状を、梱包対象物に合わせて種々変化させることができる。これにより、用途に応じて、種々の形状の付属品42〜44の移動規制を行うことができる。
【0054】
図8(B)は、梱包対象物である付属品42〜44を収納した状態を示した図である。図8(B)に示すように、移動規制部28の上面規制部28aは、奥行きが小さい代わりに、幅が箱体10と同じ幅を有している。よって、梱包対象物を、付属品収納領域32の左右両側の2面の側面12と、仕切り部22の対向面の側面24とで規制することにより、3面を規制するとともに、残りの1面を、移動規制部28の側面規制部28cで規制することができる。
【0055】
このように、梱包対象物の移動を規制する方向に側面移動規制部28c及び底面移動規制部28dを設け、また、利用できる面については付属品収納領域32の側面12、24を利用することにより、種々の形状の梱包対象物について、簡素な構成で確実に移動を抑制することができる。
【実施例4】
【0056】
図9は、本発明の実施例4に係る梱包装置の一例を示した図である。図9(A)は、実施例4に係る梱包装置の一例を示した平面構成図である。図9(A)において、実施例4に係る梱包装置は、移動規制部29が、上面規制部29aと、側面規制部29bと、底面規制部29cと、通気穴29dとを備える他、第2の側面規制部29eと、第2の底面規制部29fとを更に備える点で、実施例1に係る梱包装置と異なっている。また、実施例4に係る梱包装置においては、上面規制部29aの面積が小さくなり、実施例1よりも小さい付属品42〜44を収納することを想定している点でも異なっている。
【0057】
収納対象物である付属品42〜44が小さい場合には、仕切り部22付近に到達するまで上面規制部29aの奥行きを大きくすると、移動規制部29の内部で付属品42〜44が振動により内部移動するという事態が発生することがあり得る。
【0058】
そこで、このような場合には、移動規制部29の上面規制部29aを、収納対象物に合わせて小さく構成する。この場合には、付属物収納領域32の側面12、42の3面を利用できる訳ではなく、2面しか利用できなくなる。よって、実施例4に係る梱包装置の移動規制部29においては、第2の側面規制部29eと、第2の底面規制部29fを更に設け、右側の側面のみならず、奥側の側面についても付属品42〜44の内部移動を規制する構成としている。
【0059】
図9(B)は、実施例4に係る梱包装置の梱包対象物を収納した状態を示した図である。図9(B)に示すように、移動規制部29が小さくなり、付属物収納領域32の側面は、左側の側面12と手前側の側面24しか利用できていないが、図9(A)に示したように、2面について側面規制部29b、29e及び底面規制部29c、29fを設けることにより、小さな付属物42〜44も移動を規制しつつ収納することができている。
【0060】
このように、実施例4に係る梱包装置によれば、付属品42〜44が小さい場合には、側面規制部29b、29e及び底面規制部29c、29eを増加させることにより、付属品42〜44の移動領域を規制し、輸送による振動や落下があっても、ガタツキや付属品42〜44の破損を防止することができる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、機器本体と複数の付属品を有する電子機器等の機器を収納する収納装置及び収納方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 箱体
11 底面
12 側面
13 折り曲げ部
14 蓋
20 仕切り部材
21 底面部
22 仕切り部
23 仕切り折り返し部
24 側面部
25 側面折り返し部
26〜29 移動規制部
26a〜29a 上面規制部
26b〜29b、29e 側面規制部
26c〜29c、29f 底面規制部
26d〜29d 通気穴
31 機器本体収納領域
32 付属品収納領域
40 機器
41 機器本体
42 ACアダプタ
43 接続ケーブル
44 付属体
51〜54 ビニル袋
60 緩衝材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と、該箱体の底面に設置され、該箱体の内部を第1の領域と第2の領域とに仕切る仕切り部を有する仕切り部材とを備えた梱包装置であって、
前記仕切り部材は、前記箱体の内側面から折り返され、前記第2の領域に収納される収納対象物の移動を規制する移動規制部を有し、
該移動規制部は、前記収納対象物を上から覆う上面規制部と、該上面規制部から前記収納対象物の水平移動を規制する方向に延びて前記収納対象物の側面及び底面を連続面で覆う側面規制部及び底面規制部とを有することを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記移動規制部は、前記第2の領域の内側面から折り返されたことを特徴とする請求項1に記載の梱包装置。
【請求項3】
前記移動規制部は、前記仕切り部との対向面から折り返されたことを特徴とする請求項2に記載の梱包装置。
【請求項4】
前記上面規制部は、前記第2の領域のいずれか3面に囲まれた片側の領域を覆い、
前記側面規制部及び底面規制部は、前記3面に沿っていない部分に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の梱包装置。
【請求項5】
前記仕切り板に、前記上面規制部の一部を上から覆う部分を形成したことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項6】
前記第1の領域は、機器本体収納用の領域であり、
前記第2の領域は、複数の付属品からなる機器付属品収納用の領域であり、
前記第2の領域に前記複数の付属品が積層されて収納される場合には、前記側面規制部は、前記箱体の側面の深さよりも浅く形成されており、積層最上層の前記付属品の側面及び底面を前記側面規制部及び前記底面規制部で覆うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項7】
箱体と、該箱体の底面に設置され、該箱体の内部を第1の領域と第2の領域とに仕切る仕切り部と、前記箱体の内側面から前記第2の領域の一部を覆うように折り返された折り返し部を有する仕切り部材とを備えた梱包装置に、機器本体と複数の付属品からなる機器を梱包する梱包方法であって、
前記第1の領域に前記機器本体を収納し、
前記第2の領域に前記複数の付属品を収納するときに、前記複数の付属品を積層させて収納し、最上層の付属品の側面と、底面の一部とを覆うように前記折り返し部を連続して折り返し、前記最上層の付属品の移動を規制することを特徴とする梱包方法。
【請求項8】
前記折り返し部は、前記第2の領域のいずれか3面に囲まれた片側の領域を覆う大きさに形成され、
前記折り返し部の連続した折り返しは、前記3面に沿っていない部分について行うことを特徴する請求項7に記載の梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−206766(P2012−206766A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75506(P2011−75506)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】