説明

棒状締結材の挿入方法

【課題】超音波振動を用いて、ワークの孔にファスナを進入させていき、騒音及び振動の低減を図る。
【解決手段】超音波振動装置100は、超音波振動を発生する超音波振動部101と、ホーン102とで構成されており、発生した振動をアンビル5を介してファスナ4に伝達する。これによりファスナ4が、スキン1とストリンガ2に形成した孔3を押し広げつつ進入していき、スキン1とストリンガ2とを接続することができる。超音波振動を利用しているため、騒音や振動、及び加工力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状締結材の挿入方法に関するものである。
なお本明細書では、「棒状締結材」とは、ファスナとリベットを総称したものとして用いる。
【背景技術】
【0002】
高度な品質と耐久性が要求される航空機や自動車等において、複数の部材(ワーク)を連結・接合するために、ファスナやリベットが使用されている。つまり、重ね合わせた複数のワークを通して穴明けされた孔に、ファスナやリベットを挿入して、複数のワークを締結している。
ファスナの場合には、ワークに穴明けされた孔にファスナを挿入(圧入)するだけでワーク同士の締結が完了する。リベットの場合には、ワークに穴明けされた孔にリベットを挿入した後、リベットの頭部とは反対側の軸端部を圧潰してかしめ部を形成することにより、ワーク同士の締結が完了する。
【0003】
ここで航空機の胴体を組み立てるために、ファスナやリベットにより、ワークであるスキンとストリンガとを締結する従来例を説明する。なお、スキンとはボディー外板であり、ストリンガとは構造材(補強材)である。
【0004】
図6(a),図6(b)はファスナを用いて締結する例である。両図に示すように連結・結合するスキン1とストリンガ2は重ねられており、両者に共通して孔3が形成されている。
図6(a)に示すように、ファスナ4の先端(下端)を孔3に向かい合わせ、ファスナ4の頭部(上端)にアンビル(金敷)5を乗せ、作業者がエアーハンマー6を手に持ってこのエアーハンマー6をアンビル5に押し付けていく。
そうすると、エアーハンマー6の衝撃力がアンビル5を介してファスナ4に伝わり、ファスナ4が孔3の中に押し進められていく。例えば、ファスナ4の直径は6〜11mmで長さは50mmであり、孔3の直径はファスナ4の直径に比べて、0.06mm程度、小さくなっている。このため、ファスナ4が孔3の中に押し進められていくと、孔3の孔径を押し広げながら、ファスナ4が進んでいく。
最後には、図6(b)に示すように、ファスナ4の孔3への侵入が完了して、スキン1とストリンガ2とが連結される。
【0005】
図7(a),図7(b)はリベットを用いて締結する例である。両図に示すように連結・結合するスキン1とストリンガ2は重ねられており、両者に共通して孔3が形成されている。
図7(a)に示すように、リベット14を孔3に挿通する。
次に図7(b)に示すように、リベット14の頭部にアンビル15aを当接・配置し、リベット14の軸端部(下端部)にアンビル15bを当接・配置する。そして、作業者がエアーハンマー16aを手に持ってこのエアーハンマー16aをアンビル15aに押し付けていくと同時に、作業者がエアーハンマー16bを手に持ってこのエアーハンマー16bをアンビル15bに押し付けていく。
そうすると、エアーハンマー16a,16bの衝撃力がアンビル15a,15bを介してリベット14に伝わり、図7(b)に示すように、リベット14の頭部及び軸端部が圧潰されて軸端部にかしめ部が形成され、同時に孔3に挿入されたリベット14の径が拡大する。これにより、スキン1とストリンガ2とが連結される。
なおここでは、リベットの頭部及び下端部の両方にエアーハンマーを用いた例を示したが、頭部側もしくは下端部側ではエアーハンマーは使用せず、人力によりアンビルを押さえて施工する場合もある。
【0006】
なお、下記特許文献1,2に示す技術は超音波を用いた加工技術であり、ひずみの矯正、残留応力改善といった、金属の変形に対して、超音波加工を適用するものである。
しかし、超音波振動を利用して、リベット、ファスナを孔に挿入するようにした例は、これまで存在しない。また、リベット等を挿入する際に発生する騒音を低減するという観点から超音波を活用した例もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009―269659号公報
【特許文献2】特開2010―142870号公報
【特許文献3】特開2001―269823
【特許文献4】実開平5−242号公報
【特許文献5】実開平4−60342号公報
【特許文献6】特開2008―302399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで上記従来技術では次のような問題があった。
(1)エアーハンマーを使用しているため、騒音が激しい。このため、防音設備が必要であり、作業できる場所が限られていた。また、作業者は保護具(耳栓など)を装着する必要があり、作業環境が悪かった。
(2)エアーハンマーを使用しているため、振動が大きく、作業者への負担が大きかった。
(3)一方、油圧を用いた自動打鋲装置(例えば、特開2001―269823号公報、実開平5−242号公報、実開平4−60342号公報、特開2008―302399号公報)もあるが、狭い場所や、曲面が厳しい部材では、油圧を用いた自動打鋲装置を適用することは難しかった。
また、油圧を用いた自動打鋲装置では、大掛かりな装置が必要であり、設備投資も大きくなるという問題点があった。
【0009】
本発明は上記従来技術に鑑み、騒音や振動を低減でき、しかも大きな設備投資の必要がない、棒状締結材の挿入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の構成は、
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、棒状連結材を挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
前記超音波振動装置の前記ホーンから前記棒状連結材に超音波振動を伝達して、前記複数の部材を連結することを特徴とする。
【0011】
また本発明の構成は、
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、ファスナを挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
前記ファスナの一端を前記孔に向かい合わせた状態で、前記超音波振動装置の前記ホーンから前記ファスナの他端に超音波振動を伝達することにより、前記ファスナを前記孔に進入させて、前記複数の部材を連結することを特徴とする。
【0012】
また本発明の構成は、
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、ファスナを挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる第1の超音波振動装置及びこれとは別の超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
前記ファスナの一端を前記孔に向かい合わせた状態で、前記第1の超音波振動装置のホーンから前記ファスナの他端に超音波振動を伝達することにより、前記ファスナを前記孔に進入させ、
同時に、第1の超音波振動装置とは別の前記超音波振動装置のホーンから、前記複数の部材のうち前記ファスナが挿入されてくる側とは反対側の部材に超音波振動を伝達することを特徴とする。
【0013】
また本発明の構成は、
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、リベットを挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
前記リベットを前記孔に挿入し、
次に、超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる第1の超音波振動装置及び第2の超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
第1の超音波振動装置のホーンから前記孔に挿入されている前記リベットの頭部に超音波振動を伝達して前記頭部を圧潰すると同時に、第2の超音波振動装置のホーンから前記孔に挿入されている前記リベットの軸端部に超音波振動を伝達して前記軸端部を圧潰することを特徴とする。
【0014】
また本発明の構成は、
前記第1の超音波振動装置を油圧シリンダにより前記リベットの頭部に向けて押し付けており、前記第2の超音波振動装置を別の油圧シリンダにより前記リベットの軸端部に向けて押し付けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、超音波振動装置で発生した超音波振動により、ファスナを孔に進入させたり、孔に挿入されたリベットの圧潰をしたりするため、棒状締結材による締結作業において、騒音や振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係るファスナの挿入方法を示す構成図。
【図2】本発明の実施例2に係るファスナの挿入方法を示す構成図。
【図3】本発明の実施例3に係るファスナの挿入方法を示す構成図。
【図4(a)】本発明の実施例4に係るリベットの挿入方法を示す構成図。
【図4(b)】本発明の実施例4に係るリベットの挿入方法を示す構成図。
【図5】本発明の実施例6に係るリベットの挿入方法を示す構成図。
【図6(a)】従来におけるファスナの挿入方法を示す構成図。
【図6(b)】従来におけるファスナの挿入方法を示す構成図。
【図7(a)】従来におけるリベットの挿入方法を示す構成図。
【図7(b)】従来におけるリベットの挿入方法を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1にかかる、ファスナの挿入方法を示す。
この実施例1では、超音波振動装置100を用いて、ファスナ4を孔3に挿入するものである。超音波振動装置100は、超音波振動部101とホーン102とで構成されている。
超音波振動部101は超音波振動素子を内蔵しており、例えば、周波数が20kHzで電力が1000W程度のsin波やパルス波の電圧が印加されて、超音波振動を発生する。超音波の波形はサイン波が基本であるが、矩形波や片側振幅波とすることもできる。なお、電力はファスナ4のサイズに応じて最適な値とする。
ホーン102は、超音波振動部101に連結されており、超音波振動部101で発生した振動エネルギー(超音波振動)を効率よく伝達させるために、超音波振動の半波長を基本単位とする共鳴体であり、各種の合金や鋼材などにより形成されている。
【0019】
上記超音波振動装置100を用いてファスナ4を孔3に挿入する手法を説明する。
図1に示すように連結・結合するスキン1とストリンガ2は重ねられており、両者に共通して孔3が形成されている。
そこで、ファスナ4の先端(下端)を孔3に向かい合わせ、ファスナ4の頭部(上端)にアンビル(金敷)5を乗せ、作業者が、超音波振動を発生している超音波振動装置100を手に持ってこの超音波振動装置100のホーン102をアンビル5に押し付けていく。
そうすると、超音波振動装置100の衝撃力がアンビル5を介してファスナ4に伝わり、スキン1側からストリンガ2側に向かって、ファスナ4が孔3の中に押し進められていく。例えば、ファスナ4の直径は6〜11mmで長さは50mmであり、孔3の直径はファスナ4の直径に比べて、0.06mm程度、小さくなっている。このため、ファスナ4が孔3の中に押し進められていくと、孔3の孔径を押し広げながら、ファスナ4が進んでいく。
最後には、ファスナ4の孔3への侵入が完了して、スキン1とストリンガ2とが連結される。
【0020】
実施例1では、次のような効果を奏する。
(1)超音波振動を付与することで、振動の減衰が速く、スキン1と共鳴しないため、騒音が低減する。
このことにより、作業場所の制限がなくなり、生産効率が向上し、専用の防音設備が不要となり、さらに作業環境の向上が図れる。
(2)手動で作業できるので、作業環境の制限がなくなる。また、大きな設備投資が不要となる。
(3)超音波振動を加えることで、油圧を用いた自動打鋲装置の加工力に比べて加工力が低減し、人力で施工可能となる。
【実施例2】
【0021】
上記の実施例1では、超音波振動装置100は作業者の手に持たれていたが、実施例2では、図2に示すように、ロボット50の先端に超音波振動装置100を取り付け、ティーチングで自動的にファスナ4を孔3に挿入する。
また、ロボット50は基本的に位置制御で加工を行うが、超音波振動装置100との間にバネ機構51を設けることにより、荷重の制御をすることができ、ロボット50側への負荷を下げることができる。
【0022】
実施例2では、実施例1の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(1)ロボットを使用するため、自動化が可能となり、生産効率が向上する。
(2)ロボットを使用するため、繰り返し精度がよく、高い加工精度を確保することができる。
(3)超音波振動により、加工力が低下するので、積載能力の小さいロボットを適用することができ、設備投資額を少なくすることができる。
【実施例3】
【0023】
図3は本発明の実施例3にかかる、ファスナの挿入方法を示す。
この実施例3では、超音波振動装置100のみならず、超音波振動装置200,300を用いて、ファスナ4を孔3に挿入するものである。超音波振動装置100,200,300は、それぞれ、超音波振動部101,201,301とホーン102,202,302とで構成されている。
【0024】
この実施例3では、超音波振動している超音波振動装置100のホーン102を、スキン1側からストリンガ2側に向かって、アンビル5を介してファスナ4に押し付ける。これにより、ファスナ4はスキン1側からストリンガ2側に向かって孔3内を進入していく。
このとき同時に、超音波振動している超音波振動装置200のホーン202を、ストリンガ2側からスキン1側に向かって、アンビル25aを介してストリンガ2に押し付けると共に、超音波振動している超音波振動装置300のホーン302を、ストリンガ2側からスキン1側に向かって、アンビル25bを介してストリンガ2に押し付ける。
【0025】
結局、超音波振動している超音波振動装置100の押し込み方向と、超音波振動している超音波振動装置200,300の押し込み方向を逆にしている。
【0026】
実施例3では、実施例1の効果に加えて、次のような効果を奏する。
即ち、ストリンガ2側からスキン1側に向かって、ストリンガ2及びスキン1にも超音波振動を加えることにより、摩擦の低減効果が増加して、加工力を低減することが可能となり、適用可能なファスナのサイズを広くすることができる。
【実施例4】
【0027】
図4(a),図4(b)は本発明の実施例4にかかる、リベットの挿入方法を示す。この実施例4では、2つの超音波振動装置400,500を用いて、リベット14を孔3に挿入するものである。超音波振動装置400,500は、それぞれ、超音波振動部401,501とホーン402,502とで構成されている。
【0028】
実施例4では、まず、図4(a)に示すように、リベット14を孔3に挿通する。
次に図4(b)に示すように、リベット14の頭部にアンビル15aを当接・配置し、リベット14の軸端部(下端部)にアンビル15bを当接・配置する。そして、作業者が超音波振動装置400を手に持ってこの超音波振動装置400のホーン402をアンビル15aに押し付けていくと同時に、作業者が超音波振動装置500を手に持ってこの超音波振動装置500のホーン502をアンビル15bに押し付けていく。
そうすると、超音波振動装置400,500の衝撃力がアンビル15a,15bを介してリベット14に伝わり、図4(b)に示すように、リベット14の頭部及び軸端部が圧潰されて軸端部にかしめ部が形成され、同時に孔3に挿入されたリベット14の径が拡大する。これにより、スキン1とストリンガ2とが連結される。
【0029】
実施例4では、次のような効果を奏する。
(1)超音波振動を付与することで、振動の減衰が速く、スキン1と共鳴しないため、騒音が低減する。
このことにより、作業場所の制限がなくなり、生産効率が向上し、専用の防音設備が不要となり、さらに作業環境の向上が図れる。
(2)手動で作業できるので、作業環境の制限がなくなる。また、大きな設備投資が不要となる。
(3)超音波振動を加えることで、油圧を用いた自動打鋲装置の加工力に比べて加工力が低減し、人力で施工可能となる。
なおここでは、リベットの頭部及び下端部の両方に超音波振動装置を用いた例を示したが、頭部側もしくは下端部側では超音波振動装置は使用せず、人力によりアンビルを押さえて施工する場合もある。
【実施例5】
【0030】
上記の実施例4では、超音波振動装置400,500は作業者の手に持たれていたが、実施例5では、図2に示すのと同様な2台のロボットの先端に超音波振動装置400,500を取り付け、ティーチングで自動的にリベット14の圧潰やかしめ形成をすることができる。
また、ロボットは基本的に位置制御で加工を行うが、各ロボットと超音波振動装置400,500との間に、図2に示すのと同様なバネ機構を設けることにより、荷重の制御をすることができ、ロボット側への負荷を下げることができる。
【0031】
実施例5では、実施例4の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(1)ロボットを使用するため、自動化が可能となり、生産効率が向上する。
(2)ロボットを使用するため、繰り返し精度がよく、高い加工精度を確保することができる。
(3)超音波振動により、加工力が低下するので、積載能力の小さいロボットを適用することができ、設備投資額を少なくすることができる。
【実施例6】
【0032】
実施例6では、図5に示すように、超音波振動装置400及びアンビル15aを油圧シリンダ61にて、スキン1側からストリング2側に押し付け、同時に、超音波振動装置500及びアンビル15bを油圧シリンダ62にて、ストリング2側からスキン1側に押し付ける。
【0033】
実施例6では、次のような効果を奏する。
(1)油圧シリンダで押し付けることにより、手動のときよりも大きなリベットに対しても適用可能となる。
(2)油圧シリンダを用いることにより、短時間での打鋲が可能となる。
(3)超音波振動を加えることで、荷重が低減し、低荷重の油圧シリンダで装置化が可能となり、装置費用を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は航空機の胴体を構成するスキンとストリンガとを締結する場合のみならず、各種の産業分野において複数のワークを棒状締結材(ファスナやリベット)により締結する場合に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 スキン
2 ストリンガ
3 孔
4 ファスナ
5,15a,15b,25a,25b アンビル
6,16a,16b エアーハンマー
14 リベット
50 ロボット
51 バネ機構
61,62 油圧シリンダ
100,200,300,400,500 超音波振動装置
101,201,301,401,501 超音波振動部
102,202,302,402,502 ホーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、棒状連結材を挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
前記超音波振動装置の前記ホーンから前記棒状連結材に超音波振動を伝達して、前記複数の部材を連結することを特徴とする棒状締結材の挿入方法。
【請求項2】
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、ファスナを挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
前記ファスナの一端を前記孔に向かい合わせた状態で、前記超音波振動装置の前記ホーンから前記ファスナの他端に超音波振動を伝達することにより、前記ファスナを前記孔に進入させて、前記複数の部材を連結することを特徴とする棒状締結材の挿入方法。
【請求項3】
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、ファスナを挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる第1の超音波振動装置及びこれとは別の超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
前記ファスナの一端を前記孔に向かい合わせた状態で、前記第1の超音波振動装置のホーンから前記ファスナの他端に超音波振動を伝達することにより、前記ファスナを前記孔に進入させ、
同時に、第1の超音波振動装置とは別の前記超音波振動装置のホーンから、前記複数の部材のうち前記ファスナが挿入されてくる側とは反対側の部材に超音波振動を伝達することを特徴とする棒状締結材の挿入方法。
【請求項4】
重ね合わせた複数の部材を通して形成された孔に、リベットを挿入して前記複数の部材を連結する方法において、
前記リベットを前記孔に挿入し、
次に、超音波振動を発生する超音波振動部と、この超音波振動部に連結されており超音波振動を効率良く伝達するホーンと、でなる第1の超音波振動装置及び第2の超音波振動装置により超音波振動を発生させておき、
第1の超音波振動装置のホーンから前記孔に挿入されている前記リベットの頭部に超音波振動を伝達して前記頭部を圧潰すると同時に、第2の超音波振動装置のホーンから前記孔に挿入されている前記リベットの軸端部に超音波振動を伝達して前記軸端部を圧潰することを特徴とする棒状締結材の挿入方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の超音波振動装置を油圧シリンダにより前記リベットの頭部に向けて押し付けており、前記第2の超音波振動装置を別の油圧シリンダにより前記リベットの軸端部に向けて押し付けていることを特徴とする棒状締結材の挿入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【公開番号】特開2013−10144(P2013−10144A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142485(P2011−142485)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】