説明

椅子型マッサージ機、及び椅子型マッサージ機の制御方法

【課題】使用者に対して快適なツボ押しマッサージ(局部押圧マッサージ)を実施することが可能な椅子型マッサージ機を提供する。
【解決手段】本発明の椅子型マッサージ機102は、使用者が着座する座部103と、この座部103の後部に設けられた背もたれ部104とを有していて、背もたれ部104には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体21を有する背部用マッサージ機構114が備えられ、座部103の上面、座部103の側方、背もたれ部104の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグA〜Fが備えられていて、背部用マッサージ機構114のマッサージ体21と、エアバッグA〜Fの膨張とを協動させつつ動作させる制御部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子型マッサージ機、及び椅子型マッサージ機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、椅子型マッサージ機の背もたれ部に関し、その内部に、左右一対のマッサージ部材をマッサージ動作させるマッサージ機構が装備されたものは周知である。また、特許文献2に示す如く、使用者が着座する座部の側部にエアバッグなどのマッサージ機構が配備されたものも既に開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−297350号公報
【特許文献2】特開2010−162071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2の椅子型マッサージ機においては、上記したマッサージ機構を組み合わせて動作させることで、使用者への快適なマッサージ施術を行うことができる。
しかしながら、使用者からの要望として、このような椅子型マッサージ機においても「ツボを重点的に押すようなマッサージを行って欲しい」等の要望が挙がってきている。とはいえ、使用者のツボを確実に押圧しつつも「痛い」などの不快感を与えることのないマッサージを実現できる技術は開発されるに至ってはいなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、快適な「ツボ押しマッサージ(局部押圧マッサージ)」を実施可能とする椅子型マッサージ機、及び椅子型マッサージ機の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る椅子型マッサージ機は、使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部とを有していて、前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられていて、前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張とを協動させつつマッサージ動作させる制御部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る椅子型マッサージ機は、使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部と、座部の前部に設けられたフットレストとを有していて、前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられ、前記フットレストには、使用者の下肢にマッサージを施す揉み手段を有する足揉み機構が備えられていて、前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張と、前記足揉み機構の揉み手段との少なくとも2つ以上を協動させつつマッサージ動作させる制御部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記制御部は、前記背部用マッサージ機構を動作させることでマッサージ体を患部へ位置づける動作、前記マッサージ体を患部へ向け突出させる動作、前記座部の上面、座部の側部、背もたれ部の側部の少なくとも一つ以上に設けられたエアバッグを膨張させる動作、を連携して行うよう構成されているとよい。
好ましくは、前記背部用マッサージ機構は、施療子を備え且つ左右一対に配備されたマッサージ部材と、このマッサージ部材にマッサージ動作を伝動する駆動部とを有するマッサージ機構と、このマッサージ機構を揺動枢支部で支持することで当該マッサージ機構を前後方向に揺動自在に保持するベース部材と、このベース部材を前記背もたれ部内で上下方向に移動可能にする上下移動機構と、前記ベース部材に対して前記マッサージ機構を前
後方向に出退させる出退動作機構と、前記出退動作機構によりマッサージ機構が前方に突出状態とされた際に、前記マッサージ部材を前方突出状態で保持可能とする揺動制限機構と、を有しているとよい。
【0009】
好ましくは、前記マッサージ部材は、その上端部及び下端部のそれぞれに施療子を備え、前記揺動制限機構は、前記出退動作機構によりマッサージ部材の上端部が前方に突出状態とされた際に、当該上端部側の前方突出状態でマッサージ部材を保持可能とし、前記出退動作機構によりマッサージ部材の下端部が前方に突出状態とされた際に、当該下端部側の前方突出状態でマッサージ部材を保持可能とするよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る椅子型マッサージ機の制御方法は、使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部とを有していて、前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられている椅子型マッサージ機の制御方法であって、前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張とを協動させつつマッサージ動作させることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る椅子型マッサージ機の制御方法は、使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部と、座部の前部に設けられたフットレストとを有していて、前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられ、前記フットレストには、使用者の下肢にマッサージを施す揉み手段を有する足揉み機構が備えられている椅子型マッサージ機の制御方法であって、前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張と、前記足揉み機構の揉み手段との少なくとも2つ以上を協動させつつマッサージ動作させることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記背部用マッサージ機構を動作させることでマッサージ体を患部へ位置づける動作、前記マッサージ体を患部へ向け突出させる動作、前記座部の上面、座部の側部、背もたれ部の側部の少なくとも一つ以上に設けられたエアバッグを膨張させる動作、を連携して行うとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る椅子型マッサージ機の技術によれば、使用者に対して快適なツボ押しマッサージ(局部押圧マッサージ)を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図2】椅子型マッサージ機の制御方法を説明するための図である。
【図3】椅子型マッサージ機の制御方法を説明するための図である。
【図4】本発明に係る椅子型マッサージ機に備えられた背揉み機構の斜視図である。
【図5】本発明に係る椅子型マッサージ機に備えられた背揉み機構を示す側面図である(揉み玉が最上方の位置)。
【図6】本発明に係る椅子型マッサージ機に備えられた背揉み機構を示す側面図である(揉み玉が最下方の位置)。
【図7】本発明に係る椅子型マッサージ機に備えられた背揉み機構の案内レール部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
図1は、本発明に係る椅子型マッサージ機102の一例を示している。
図1に示した椅子型マッサージ機102は、使用者が着座する座部103と、この座部103の後部に設けられた背もたれ部104と、座部103の前部に設けられたフットレスト105とを有している。
【0016】
座部103の下部には、この椅子型マッサージ機102を床面へ設置するための脚体1
06が設けられており、この脚体106によって座部103が所定高さに支持されるようになっている。
なお、以下の説明では、図1に記した前後・左右方向を示す矢符に基づき、椅子型マッサージ機102での前後方向及び左右方向を説明する。これらの各方向は、椅子型マッサージ機102に座った使用者から見たものと一致する。
【0017】
背もたれ部104は、その下端部が座部103の後部に対して枢支され、前後揺動自在な状態に保持されている。この背もたれ部104は、脚体106内に配設されたリニアアクチュエータで構成されたリクライニング機構により、座部103に対してリクライニング可能となっている。
また、背もたれ部104の内部には、揉みや叩きなどのマッサージ動作を行う背部用マッサージ機構114が設けられている。
【0018】
この背部用マッサージ機構114の詳細な構造については後述するが、左右一対のマッサージ部材17を有し、このマッサージ部材17は、上方及び下方の斜め前方へ先端部を突出させたブーメラン形の支持アーム20と、この支持アーム20の上下両端部に設けられたマッサージ体21(施療子)とを有している。左右のマッサージ部材17は互いに相互近接離反の動作をして揉みマッサージを実現すると共に、振動的な進退動作をすることで叩きマッサージ動作を実現する。
【0019】
マッサージ部材17が使用者の腰部などをマッサージするに際しては、下側のマッサージ体21bが前方に突出し、上側のマッサージ体21aが後方へ退行した状態となる。このときには、下側のマッサージ体21bが使用者の患部を押すことになる。
マッサージ部材17が使用者の肩部などをマッサージするに際しては、上側のマッサージ体21aが前方に突出し、下側のマッサージ体21bが後方へ退行した状態となる。このときには、上側のマッサージ体21aが使用者の患部を押すことになる。
【0020】
このマッサージ体21の前後方向(使用者へ近接離反する方向)への進退動作は、後述する出退動作機構14及び揺動制限機構15により実現される。
座部102は、使用者の臀部を下方から支持するに十分な広さを有している。座部102の上面には、左右方向で2つのエアバッグA,Bが配設され、座部マッサージ機構112を構成している。このエアバッグA,Bに空気が供給され、膨張することで、使用者の座部に対して下方から押すような押圧マッサージが施される。
【0021】
エアバッグAは、座部102の左側部に配備され、使用者の左足〜左臀部を押圧マッサージし、エアバッグBは、座部102の右側部に配備され、使用者の右足〜右臀部を押圧マッサージする。
背もたれ部104の両側には、側部揉み機構107が設けられている。
この側部揉み機構107は、背もたれ部104の左右両側に設けられたエアバッグC,Dを有している。このエアバッグC,Dに対し、膨出と収縮とを所定リズムで繰り返させるなどすることで、背もたれ部104にもたれ掛かった使用者の上腕の側部や肩の側部を左右から押圧してマッサージするように構成されている。
【0022】
具体的には、背もたれ部104の左側にエアバッグCが設けられている。このエアバッグCに空気が供給され膨張することで、使用者の左肩の側部〜左上腕の側部に対して押すような押圧マッサージが施される。また、背もたれ部104の右側にエアバッグDが設けられている。このエアバッグDに空気が供給され膨張することで、使用者の右肩の側部〜右上腕の側部に対して押すような押圧マッサージが施される。
【0023】
フットレスト105は、座部103に着座した使用者の下肢(左右の脚のふくらはぎ〜足)を支持可能にしたものである。このフットレスト105は、脚体106内に配設されたフットレスト移動機構により、座部103の下方に収納された収納ポジションと、座部103から前方突出し、座部103の前方床面Fと座部103の上面との間を前下がりの傾斜姿勢で繋ぐようになる使用ポジション(第1使用ポジション、図1はこの第1ポジションの状態を示している)と、この傾斜姿勢から床面Fの上方へ浮き上がり、座部103と同じ高さで略水平姿勢になる使用ポジション(第2使用ポジション)との間を移動可能になっている。
【0024】
フットレスト5は、第1使用ポジションや第2使用ポジション、或いはこれら第1〜第2使用ポジションの間で停止したときに、その前面に、使用者の下肢を各別に嵌め入れ可能にする左右一対の保持溝110,110が形成されている。これら左右の保持溝の内部対向面には足揉み機構115が内蔵されている。
この足揉み機構115は揉み手段を有している。本実施形態の場合、揉み手段は、左右一対の揉み板111,111であり、この左右一対の揉み板111,111が近接離反を繰り返すことで、当該揉み板111,111間に嵌め入れられた使用者の下肢を左右から押圧してマッサージすることになる。なお、揉み手段として、揉み板111,111に代えてエアバッグを採用してもよい。
【0025】
更に、座部103の左右両側には肘掛け部108が設けられている。
これら肘掛け部108の互いに対向する内側面(左側の肘掛け部108の右側面、及び右側の肘掛け部108の左側面)には、太腿・腰マッサージ機構113が設けられている。また、肘掛け部108内には、腕マッサージ機構が設けられている。
太腿・腰マッサージ機構113は、エアバッグE,Fの膨出と収縮とを所定リズムで繰り返させるなどすることで、座部3に着座した使用者の太腿や腰をマッサージするように構成されたものである。具体的には、エアバッグEは、左側の肘掛け部108の右側面に配備され使用者の左太腿〜左腰部を押圧マッサージし、エアバッグFは、右側の肘掛け部108の左側面に配備され使用者の右太腿〜右腰部を押圧マッサージするものとなっている。
【0026】
このように、椅子型マッサージ機102は、種々の施療部をマッサージする複数のマッサージ部(背部用マッサージ機構114、座部マッサージ機構112、側部揉み機構107、太腿・腰マッサージ機構113、足揉み機構115)を有している。
以上述べたような椅子型マッサージ機102は、本実施形態の場合、ツボを重点的に押すようなマッサージ(局部的な押圧マッサージ)を行うことができるものとなっている。局部的な押圧マッサージは、背部用マッサージ機構114、足揉み機構115(左右一対の揉み板111,111)、他のマッサージ機構(エアバッグA〜F)などを協動して動作させることで実現される。
【0027】
以下、図2,図3を参照しつつ、背部用マッサージ機構114、左右一対の揉み板111,111、エアバッグA〜Fの連動によるマッサージ動作、すなわち[協動マッサージ1]〜[協動マッサージ8]の様子を説明する。
これらのマッサージ動作は、椅子型マッサージ機102に内蔵された制御部により制御され実現される。
[協動マッサージ1]
協動マッサージ1では、まず、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付けるようにする。図2,図3は、マッサージ体21が肩位置で前方突出している状態を示す。その後、座部102に設けられたエアバッグA、エアバッグBのいずれか、又はエアバッグA、エアバッグBの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
【0028】
エアバッグA及び/又はエアバッグBの膨張により、使用者は上方へ持ち上げられることとなり、マッサージ体21は患部を局所的に押す状態(ツボ押し状態)となる。
なお、マッサージ体21が使用者の患部に過大な力で押し付けられることになっても、エアバッグA,Bは下方に凹むことができる故、ツボ押し状態を「痛い」と感じることはほとんど無く、快適な局部押圧マッサージが実現できる。
【0029】
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させて使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグA,Bの膨張タイミングとを逆にしても問題はない。
[協動マッサージ2]
協動マッサージ2では、まず、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付けるようにする。図2,図3は、マッサージ体21が肩位置で前方突出している状態を示す。その後、座部102に設けられたエアバッグA、エアバッグBのいずれか、又はエアバッグA、エアバッグBの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
【0030】
その後、しばらくして、側部揉み機構107のエアバッグC、エアバッグDのいずれか、又はエアバッグC、エアバッグDの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
エアバッグA及び/又はエアバッグBの膨張により、使用者は上方へ持ち上げられることとなり、マッサージ体21は患部を局所的に押す状態(ツボ押し状態)となる。なお、マッサージ体21が使用者の患部に過大な力で押し付けられることになっても、エアバッグA,Bは下方に若干凹むことができる故、ツボ押し状態を「痛い」と感じることはほとんど無く、快適な局部押圧マッサージが実現できる。また、エアバッグC及び/又はDに空気を供給し膨張させている故、使用者の体が左右に逃げたりすることを防止できると共に、より効果的な(強力な)局部押圧マッサージが行えるようになる。
【0031】
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、座部102に設けられたエアバッグA、Bの膨張タイミングと、側部揉み機構107のエアバッグC、Dの膨張タイミングとは、どちらが先であってもよく、同時でもよい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグA〜Dの膨張タイミングとを逆にしても問題はない。
[協動マッサージ3]
協動マッサージ3では、まず、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付けるようにする。図2,図3は、マッサージ体21が肩位置で前方突出している状態を示す。その後、座部102に設けられたエアバッグA、エアバッグBのいずれか、又はエアバッグA、エアバッグBの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
【0032】
その後、しばらくして、太腿・腰マッサージ機構113のエアバッグE、エアバッグFのいずれか、又はエアバッグE、エアバッグFの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
エアバッグA及び/又はエアバッグBの膨張により、使用者は上方へ持ち上げられることとなり、マッサージ体21は患部を局所的に押す状態(ツボ押し状態)となる。なお、マッサージ体21が使用者の患部に過大な力で押し付けられることになっても、エアバッグA,Bは下方に若干凹むことができる故、ツボ押し状態を「痛い」と感じることはほとんど無く、快適な局部押圧マッサージが実現できる。また、エアバッグE及び/又はFに空気を供給し膨張させている故、使用者の体が左右に逃げたりすることを防止できると共に、より効果的な(強力な)局部押圧マッサージが行えるようになる。
【0033】
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、座部102に設けられたエアバッグA、Bの膨張タイミングと、側部揉み機構107のエアバッグE、Fの膨張タイミングとは、どちらが先であってもよく、同時でもよい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグA,B,E,Fの膨張タイミングとを逆にしても問題はない。
[協動マッサージ4]
協動マッサージ4では、まず、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け
るようにする。図2,図3は、マッサージ体21が肩位置で前方突出している状態を示す。その後、座部102に設けられたエアバッグA、エアバッグBのいずれか、又はエアバッグA、エアバッグBの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
【0034】
その後、しばらくして、側部揉み機構107のエアバッグC、エアバッグDのいずれか、又はエアバッグC、エアバッグDの両方に空気を供給し膨張させるようにする。さらにその後、太腿・腰マッサージ機構113のエアバッグE、エアバッグFのいずれか、又はエアバッグE、エアバッグFの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
エアバッグA及び/又はエアバッグBの膨張により、使用者は上方へ持ち上げられることとなり、マッサージ体21は患部を押す状態(ツボ押し状態)となる。なお、マッサージ体21が使用者の患部に過大な力で押し付けられることになっても、エアバッグA,Bは下方に若干凹むことができる故、ツボ押し状態を「痛い」と感じることはほとんど無く、快適な局部押圧マッサージが実現できる。また、使用者の側方に位置する4つのエアバッグC〜Fの少なくとも1つ以上に空気を供給し膨張させている故、使用者の体が左右に逃げたりすることを防止できると共に、より効果的な(強力な)局部押圧マッサージが行えるようになる。
【0035】
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、座部102に設けられたエアバッグA,Bの膨張タイミングと、側部揉み機構107のエアバッグC,Dの膨張タイミング、太腿・腰マッサージ機構113のエアバッグE,Fの膨張タイミングは、どの順番で行われてもよく、全て同時であっても(同時膨張であっても)よい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグA〜Fの膨張タイミングとを逆にしても問題はない。
[協動マッサージ5]
協動マッサージ5では、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、側部揉み機構107のエアバッグC,Dの両方に空気を供給し膨張させ、使用者の体が左右にズレる(逃げる)ことを防止可能な状況とする。その後、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ順次突出させ、使用者に対して局所的に押し付けるようにする。
【0036】
マッサージ体21の前方突出動作により、マッサージ体21は患部を押す状態(ツボ押し状態)となる。
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグC、Dの膨張タイミングとを逆にしても問題はない。
[協動マッサージ6]
協動マッサージ6では、まず、使用者は座部103に着座した上で、フットレスト5を第1使用ポジション(前方迫り出し位置)にし、使用者の下肢を左右一対の保持溝110,110内に挿入する。
【0037】
その後、足揉み機構115を作動させ、左右一対の揉み板111,111により、下肢を挟み込むようにする。さらに脚体106内に配設されたリクライニング機構を動作させ、背もたれ部104を後方に倒すようにする。なお、左右一対の揉み板111,111による狭持動作と、背もたれ部104のリクライニング動作はどちらが先であってもよく、同時に行ってもよい。
【0038】
さらにその後、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ順次突出させ、使用者に対して押し付けるようにする。これにより、効果的なツボ押しマッサージを施術できるようになる。
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背
部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、上記では、フットレスト5を第1使用ポジションにした状態で説明を行ったが、フットレスト5は第2使用ポジション(前方浮き上がり位置)とされてもよい。
[協動マッサージ7]
協動マッサージ7では、まず、使用者は座部103に着座した上で、フットレスト5を第1使用ポジション(前方迫り出し位置)にし、使用者の下肢を左右一対の保持溝110,110内に挿入する。
【0039】
その後、足揉み機構115を作動させ、左右一対の揉み板111,111により、下肢を挟み込むようにする。さらに脚体106内に配設されたリクライニング機構を動作させ、背もたれ部104を後方に倒すようにする。左右一対の揉み板111,111による狭持動作と、背もたれ部104のリクライニング動作はどちらが先であってもよく、同時に行ってもよい。
【0040】
その後、座部102に設けられたエアバッグA、エアバッグBのいずれか、又はエアバッグA、エアバッグBの両方に空気を供給し膨張させるようにする。エアバッグA及び/又はエアバッグBの膨張により、使用者は若干上方へ持ち上げられることとなる。
さらにその後、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付けるようにする。これにより、効果的なツボ押しマッサージを施術できるようになる。
【0041】
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグA、Bの膨張タイミングとを逆にしてもよく、同時に行ってもよい。また、上記では、フットレスト5を第1使用ポジションにした状態で説明を行ったが、フットレスト5は第2使用ポジション(前方浮き上がり位置)とされてもよい。
[協動マッサージ8]
協動マッサージ8では、まず、使用者は座部103に着座した上で、フットレスト5を第1使用ポジション(前方迫り出し位置)にし、使用者の下肢を左右一対の保持溝110,110内に挿入する。
【0042】
その後、足揉み機構115を作動させ、左右一対の揉み板111,111により、下肢を挟み込むようにする。さらに脚体106内に配設されたリクライニング機構を動作させ、背もたれ部104を後方に倒すようにする。左右一対の揉み板111,111による狭持動作と、背もたれ部104のリクライニング動作はどちらが先であってもよく、同時に行ってもよい。
【0043】
その後、側部揉み機構107のエアバッグC及び/又はエアバッグDの両方に空気を供給し膨張させるようにする。
さらにその後(エアバッグC,Dの膨張と同時でもよい)、背部用マッサージ機構114を動作させ、マッサージ部材17を上下移動させた上で、マッサージ体21を指圧を施す位置に位置させる。そして、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付けるようにする。これにより、使用者の体が左右に逃げたりすることを防止できると共に、より効果的な(強力な)局部押圧マッサージが行えるようになる。
【0044】
ところで、マッサージ体21が前方突出する位置は、肩部に限定はされない。首部や背部、腰部位置であっても何ら問題はない。上記説明とは逆に、出退動作機構14によりマッサージ体21を前方へ突出させ、使用者に対して押し付け、その後、マッサージ部材17を上下移動させてもよい。また、マッサージ体21の動作のタイミングと、エアバッグC,Dの膨張タイミングとを逆にしてもよく、同時に行ってもよい。また、上記では、フ
ットレスト5を第1使用ポジションにした状態で説明を行ったが、フットレスト5は第2使用ポジション(前方浮き上がり位置)とされてもよい。
【0045】
以上の如く、椅子型マッサージ機102の制御部を用いて[協動マッサージ1]〜[協動マッサージ8]を行うことで、使用者に不快感を与えることなく、効果的なツボ押しマッサージを行うことができるようになる。
ところで、以上の協動マッサージ1〜協動マッサージ8を行うに際しては、背部用マッサージ機構114の構造は限定されるものではない。マッサージ部材17の下側のマッサージ体21bが前方に突出できると共に、上側のマッサージ体21aが前方に突出可能でとする構造であればよい。好ましくは、マッサージ体21が前方突出にある時に、使用者からの反力により退行動作しないよう、一時的に位置固定できるものであればよい。
【0046】
本実施形態の場合、上記の条件を満たす本発明特有の背部用マッサージ機構114を採用している。
以下、背部用マッサージ機構114の詳細について説明する。
図4は、本実施形態で採用されている背部用マッサージ機構114を示している。
背部用マッサージ機構114は、マッサージ機構10と、このマッサージ機構10の下端部を揺動枢支部11を介して支持するベース部材12と、このベース部材12を背もたれ部3内で上下方向に移動可能にする上下移動機構13とを備えている。更に、背部用マッサージ機構114は、ベース部材12に対してマッサージ機構10の上端部を前後動させて、マッサージ機構10の前後傾斜角を変化させる出退動作機構14と、マッサージ機構10に備えられたマッサージ部材17の回動乃至揺動を規制する揺動制限機構15とを有している。
【0047】
マッサージ機構10は、左右一対のマッサージ部材17と、これら左右のマッサージ部材17に適宜マッサージ動作を行わせる駆動部18とを有している。
マッサージ部材17は、上方及び下方の斜め前方へ先端部を突出させたブーメラン形の支持アーム20と、この支持アーム20の上下両端部に設けられたマッサージ体21(施療子)とを有している。各マッサージ体21は、例えば樹脂や硬質ゴムなどによって肉厚な円盤型や球形などに形成することができる。なお以下では、上端側のマッサージ体21を必要に応じて「上マッサージ体21a」と呼び、また下端側のマッサージ体21を必要に応じて「下マッサージ体21b」と呼ぶ。
【0048】
駆動部18は、左右のマッサージ部材17に対して相互近接離反の動作を行わせる揉み駆動部23と、左右のマッサージ部材17に対して交互の叩き動作を行わせる叩き駆動部24とを有したものとしてある。
揉み駆動部23は、マッサージ部材17の支持アーム20に対してその中央屈曲部に埋め込み状態で設けられた傾斜回転部材25と、この傾斜回転部材25を貫通するように軸心を左右方向へ向けて架設された第1回転軸26と、この第1回転軸26を回転駆動する揉みモータと、支持アーム20における中央屈曲部の後部に設けられてこの支持アーム20が第1回転軸26に伴って連れ回りすることを規制する振れ止め機構28とを有している。この振れ止め機構28には例えばボールジョイントやユニバーサルジョイント等の自在継ぎ手を採用可能である。
【0049】
傾斜回転部材25は、第1回転軸26に同心で且つ傾斜状態で一体回転に設けられた取付ボス部に対し、そのまわりにベアリング等を介して回転自在に嵌合保持されている。従って、揉みモータの駆動によって第1回転軸26を回転させると、その回転中心を軸として傾斜回転部材25がゆらぎ状の回転ブレを起こすようになり、この回転ブレが支持アーム20を介してマッサージ体21へと伝えられるようになる。
【0050】
支持アーム20は、振れ止め機構28によって第1回転軸26と供回りしない状態に保持されるが、前後方向・左右方向及び上下方向に沿った所定範囲の動作は許容されている。また、左右の支持アーム20間において、傾斜回転部材25の傾斜方向は第1回転軸26まわりで180°の位相差に保持されている。
このようなことから、この揉み駆動部23において左右の支持アーム20は、上マッサージ体21a同士が、左右方向において相互近接及び相互離反を繰り返すように動作する
と共に、下マッサージ体21b同士が、左右方向において相互離反及び相互近接を繰り返すように動作することになる。上マッサージ体21a同士の相互近接時には下マッサージ体21b同士が相互離反し、上マッサージ体21a同士の相互離反時には下マッサージ体21b同士が相互近接するようになるので、これがマッサージ部材17としての揉み動作を発生させる。
【0051】
一方、叩き駆動部24は、傾斜回転部材25の第1回転軸26よりも上部位置でこれと平行するように軸心を左右方向へ向けて設けられた第2回転軸31と、この第2回転軸31を回転駆動する叩きモータ32と、第2回転軸31の左右両端部に対して180°の位相差で偏心して設けられた左右の偏心駆動体34と、これら左右の偏心駆動体34を回転自在に抱持するハウジング35に対して下方へ突出して設けられたリンクレバー36(長尺のクランク軸)とを有している。
【0052】
偏心駆動体34は、ベアリングに対してその内輪側又は外輪側に偏心カラーを装着することによって、第2回転軸31とハウジング35との軸心を不一致にさせたものである。またリンクレバー36の下端部は、マッサージ部材17が有する支持アーム20の中央屈曲部に連結されているが、この連結部分は、上記した振れ止め機構28(ボールジョイント等)を形成したものとなっている。すなわち、リンクレバー36の下端部に振れ止め機構28が設けられ、この振れ止め機構28を介して支持アーム20の基端部が連結されていることになる。
【0053】
従ってこの叩き駆動部24では、叩きモータ32を駆動させると、偏心駆動体34が第2回転軸31の軸心に対して偏心回転し、これを受けてハウジング35が円周移動するようになる。従って、このハウジング35からリンクレバー36(長尺のクランク軸)に対して上下方向の押引動作が伝えられるようになる。このようなことから、左右の支持アーム20は互いのマッサージ体21を第1回転軸26のまわりで小刻みに揺動させ、上マッサージ体21aと下マッサージ体21bとを前後方向において相対逆向きに移動させるようになるから、これがマッサージ部材17としての叩き動作を発生させることになる。
【0054】
なお、左右の支持アーム20に生じる揺動は、左右の偏心駆動体34が180°の位相差で設けられていることから、交互に生じるようになっている。
すなわち、左側の支持アーム20が、上マッサージ体21aを前方へ移動させるときには、右側の支持アーム20が、上マッサージ体21aを後方へ移動させる。反対に、左側の支持アーム20が、下マッサージ体21bを前方へ移動させるときには、右側の支持アーム20が、下マッサージ体21bを後方へ移動させる。
【0055】
なお、図4に示すように、叩きモータ32から第2回転軸31に対して回転駆動を伝える部分には、減速機を内蔵する構造として、叩きモータ32用のモータ支持台37が設けられている。このモータ支持台37には、長手方向を上下方向へ向けた2本のガイドバー38が互いに所定間隔をおいた平行状態で串刺し状に貫通している。
これらガイドバー38は、側面視凹型のガイド枠40に対してその枠内に架設されたものであり、このガイド枠40は、揉み駆動部23の揉みモータが第1回転軸26に回転駆動を伝えるための減速機内蔵のギヤヘッド39を支え(基礎)にして、その上側へ延びる状態に固定されている。
【0056】
すなわち、叩きモータ32は、ガイドバー38に沿って上下方向(揉みモータに近接離反する方向)へ移動自在な状態に保持されているものであり、ここにおいてガイドバー38やガイド枠40は、叩き駆動部24を上下移動自在に保持するための縦ガイド支持部41を構成したものとなっている。
このような縦ガイド支持部41が設けられていることから、次のような動きが実現できる。すなわち、揉みモータが第1回転軸26を回転させるときも、また叩きモータ32が第2回転軸31を回転させるときも、マッサージ部材17は、原則として、振れ止め機構28によって第1回転軸26回りの連れ回りが制限される。
【0057】
しかし、マッサージ部材17に使用者による凭れ掛かり荷重が負荷したような場合には、振れ止め機構28、リンクレバー36、第2回転軸31、モータ支持台37などと共に、互いに連結関係にある叩きモータ32が上下動することになる。そのため、マッサージ
部材17は第1回転軸26を中心として、所定範囲で回動乃至は揺動が許容される、という動きである。
【0058】
上記構成を具備するマッサージ機構10は、その下端部が揺動枢支部11を介してベース部材12に支持されている。揺動枢支部11は軸心を左右方向へ向けた枢軸42を有したものであって、マッサージ機構10は、この枢軸42を支点としつつその上端側がベース部材12に対して前後方向へ揺動自在に保持されている。
加えて、揉みモータのギヤヘッド39に下方へ突出するヒンジ片部が設けられていると共に、ベース部材12の下端部から前方へ突出してヒンジ片部を左右両側から挟持状態にするヒンジ台部が設けられている。これらヒンジ片部とヒンジ台部とを左右方向へ貫通する状態で枢軸42が設けられている。
【0059】
上下移動機構13は、ベース部材12ごと、マッサージ機構10を上下に移動させるようになっており、ベース部材12の上部及び下部の左右両側に、回転軸心を左右方向へ向けてガイドローラが設けられ、これらガイドローラが、背もたれ部3の内部に、長手方向を上下に向けて組み込まれた左右一対のガイドレールに沿って上下動自在にガイドされるようになっている。
【0060】
そして、図5,図6に示すように、両ガイドレールの相互間には昇降モータ47により回転駆動可能とされたネジ軸48が設けられ、ベース部材12には、このネジ軸48に螺合するナット部材が内蔵されている。従って、昇降モータ47の作動でネジ軸48が回転駆動されることで、ベース部材12と共にマッサージ機構10が背もたれ部3内を上下動するようになっている。
【0061】
これにより、座部2に座って背もたれ部3に背中を押しつけた使用者は、肩部から背中及び腰部にわたる広い範囲でマッサージを受けられるものとなっている。
次に、図4を用いて、本発明に係る椅子型マッサージ機1に備えられた特徴的な機構である「出退動作機構14」及び「揺動制限機構15」について説明する。
出退動作機構14は、ベース部材12に対して上下移動自在に設けられたスライダー50と、このスライダー50を上下移動させるスライド機構と、スライダー50とマッサージ機構10とを連結する伝動アーム52と、ベース部材12に設けられたレール部53と、マッサージ機構10からレール部53へ向けて突出状に設けられた摺動部材54とを有している。
【0062】
スライダー50はベース部材12の前面に配置されており、左右方向に長い柱状ブロックとして形成されている。ベース部材12に対するスライダー50の上下動は、ベース部材12の前面上部から前方へ突出状に設けられた上部ブラケットと、ベース部材12の前面下部から前方へ突出状に設けられた下部ブラケットとの上下間に架設されたガイドバーにより、このスライダー50が串刺し状に貫通されることで、可能とされている。
【0063】
これに対し、スライド機構は上部ブラケットと下部ブラケットとの上下間で且つスライダー50用のガイドバーに平行するようにして回転自在に架設された送りネジ軸と、この送りネジ軸を駆動回転する電動モータ64とを有している。送りネジ軸はスライダー50を上下方向に貫通しており、スライダー50には、この送りネジ軸と螺合する雌ねじ部が設けられている。これら雌ねじ部と送りネジ軸との螺合構造は、ネジ推進力及びガタツキ防止性に優れた角ネジ、好ましくは台形ネジによって形成されている。
【0064】
レール部53は、ベース部材12の左右両側部から前方へ突出する側板部66に対し、それらが対向する内面に設けられている。本第1実施形態では、レール部53が溝として側板部66に凹設されたものを示してある。このレール部53は、ベース部材12がマッサージ機構10の下端部を揺動自在に支持する揺動枢支部11を中心として、上膨らみ形の円弧カーブを有して形成されている。
【0065】
摺動部材54は、レール部53(溝)に対して摺動自在になる状態で係合(嵌合)する回転自在なローラにより形成されたものとしてある。従って、マッサージ機構10に対し、揺動枢支部11を中心とした揺動を起こすような外力が加えられたときに、この摺動部材54がレール部53に沿って円弧移動をし、マッサージ機構10の揺動を安定化させるようになっている。
【0066】
伝動アーム52は左右一対(2本)設けられており、それぞれ、マッサージ機構10及びスライダー50に対してそれらの左右両側に振り分けられるように配置されている。これら各伝動アーム52において、マッサージ機構10との連結部分には、軸心を左右方向へ向けた第1枢支軸が設けられており、この第1枢支軸を中心に揺動自在なリンク接合部が形成されている。このリンク接合部は、マッサージ機構10の上端部に配置されている。
【0067】
なお、マッサージ機構10に対して摺動部材54が設けられる位置(ローラの回転中心)と、伝動アーム52におけるマッサージ機構10側のリンク接合部とは、このリンク接合部が有する第1枢支軸の軸心上で一軸配置とされている。そのため、伝動アーム52を介してマッサージ機構10に伝達される押引力は、効率良く摺動部材54にも伝えられるようになり、結果、この摺動部材54が円滑にレール部53に沿った移動を生じ易くなっている。
【0068】
伝動アーム52におけるスライダー50との連結部分には、軸心を左右方向へ向けた第2枢支軸が設けられており、この第2枢支軸を中心に揺動自在なリンク接合部が形成されている。
このような構成を具備した出退動作機構14では、スライド機構の電動モータ64により送りネジ軸を駆動回転させることで、この送りネジ軸と螺合する雌ねじ部を介してスライダー50に上方移動力又は下方移動力を生じさせ、もってスライダー50をスライド機構のガイドバーに沿って上方移動又は下方移動させることができる。
【0069】
スライダー50が上方移動するときには、図5に示すように、伝動アーム52が摺動部材54をレール部53に沿って前方へ押し出すようになるので、これによってマッサージ機構10が揺動枢支部11を中心として前方へ突出するように揺動する。従って、左右のマッサージ部材17が前方へ迫り出すようになる。図5は、マッサージ機構10が上下移動機構13により上端位置(使用者の肩位置)へ移動されて停止している状態を示している。
【0070】
スライド機構の電動モータ64を上記とは逆転駆動させると、図6に示すように、送りネジ軸と螺合する雌ねじ部を介してスライダー50が下方移動するようになる。このときは、伝動アーム52が摺動部材54をレール部53に沿って後方へ引き戻すようになるので、これによってマッサージ機構10が揺動枢支部11を中心として元の状態(後方へ)戻るように揺動する。従って、左右のマッサージ部材17も元の状態(後方)へ戻るようになる。図6は、マッサージ機構10が上下移動機構13により下端位置(使用者の腰位置)に存在している状態を示している。
【0071】
一方、揺動制限機構15は、出退動作機構14に付加されて協動しつつ(連動しつつ)動作する機構である。揺動制限機構15は、マッサージ機構10が前方へ傾斜したり後方へ起立状態となった際に、縦ガイド支持部41により得られる第1回転軸26を中心としたマッサージ部材17の回動乃至は揺動を一部制限する機能を有している。
この揺動制限機構15は、上マッサージ体21aが最も前方に突出すると共に下マッサージ体21bが最も後方に退行するような位置で支持アーム20の回動(第1回転軸26回りの回動)を規制する第1回動規制部80を備えている。また、揺動制限機構15は、上マッサージ体21aが最も後方に退行すると共に下マッサージ体21bが最も前方に突出するような位置で支持アーム20の回動を規制する第2回動規制部81を備えている。
【0072】
さらに、揺動制限機構15は、第1回動規制部80及び第2回動規制部81で規制されるマッサージ部材17(支持アーム20)の姿勢以外において、マッサージ部材17の回動(第1回転軸26回りの回動)を許容する回動許容部82を有している。
これら第1回動規制部80、第2回動規制部81、回動許容部82は、ベース部材12側に設けられた案内レール部85の所定部位が対応し、これら所定部位にマッサージ機構10から案内レール部85へ向けて突出状に設けられたローラ状の摺動部材86が位置することで、第1回動規制部80、第2回動規制部81、回動許容部82としての機能を発揮するように構成されている。
【0073】
具体的に説明すれば、案内レール部85は無端状のレール軌道であって、ベース部材1
2の左右両側部から前方へ突出する側板部66(出退動作機構14のレール部53が設けられたのと同じもの)の互いに対向する内面壁に形成されている。言い換えるならば、側板部66の内面壁には、左右側面視で菱形に開口形状を有する凹部(菱形開口)が形成されていて、この菱形開口の立側壁が案内レール部85となっている。なお、この側板部66には、前述した出退動作機構14のレール部53も形成されている。
【0074】
図7に示す如く、案内レール部85は、ローラ状の摺動部材86が嵌り込むような半円部L1を有している。この半円部L1の上部端から斜め上方に延びる直線部L2が形成され、直線部L2に比して傾きが緩やかな直線部L3が繋がるように形成されている。直線部L3の先端であって半円部L1に対向する側には、ローラ状の摺動部材86が嵌り込むような半円部L4が形成されている。この半円部L4の上部端と直線部L3とは滑らかに繋がっている。
【0075】
半円部L4の下部端からは、斜め下方に延びる直線部L5が形成され、直線部L5に比して傾きが緩やかな直線部L6が繋がるように形成されている。最終的には、直線部L6の先端は半円部L1の下部端に滑らかに接続するようになっており、ループ状の案内レール部85が形成されている。
係る案内レール部85において、直線部L2と直線部L3との接続点P3、直線部L3と半円部L4の上部端との接続点、直線部L5と直線部L6との接続点P4、直線部L6と半円部L1の下部端との接続点は、滑らかな曲線で繋がるものとなっている。その一方で、半円部L1の上部端と直線部L2との接続点P2、半円部L4の下部端と直線部L5との接続点P1は、尖ったもの(突点P1,突点P2)となっており極値を持つ曲線で接続されている。
【0076】
なお、案内レール部85は側面視で菱形開口形状をしていると述べたが、半円部L1と半円部L4とを結ぶラインが菱形開口の長軸となっており、この長軸が前後方向を向くように、案内レール部85が側板部66に形成されている。すなわち、案内レール部85は、揺動枢支部11の枢軸42から見て出退動作機構14のレール部53より径方向内方に配置されており、菱形開口の長軸を揺動枢支部11を中心とする円弧に沿わせるような斜め向きにして設けられている。
【0077】
菱形開口の案内レール部85の短軸(長軸に略垂直なライン)は、長軸の略半分ほどの長さを有している。この短軸は、叩きモータ32を上下方向(揉みモータに近接離反する方向)へ移動自在に支持するガイドバー38に沿った方向を向いている。案内レール部85の短軸長は、叩きモータ32の上下移動範囲と略同じとされている。
一方で、摺動部材86は、第2回転軸31の左右両端部からその軸心と同軸で左右両外側へ突出する回転自在なローラにより形成されており、それぞれは、菱形開口の凹部に嵌り込んだ上で、左右の案内レール部85上を転がり可能となっている。
【0078】
上記した如く配置と開口形状とが定められた案内レール部85において、図7に示すように、半円部L4に相当する部位が第1回動規制部80となっている。また、半円部L1が第2回動規制部81となっている。これら第1回動規制部80及び第2回動規制部81は、いずれも、摺動部材86をガタツキなく嵌合できるような開口幅とされている。
また案内レール部85は、第1回動規制部80から交点P3へ向かうにしたがって凹部内が上下方向で徐々に広くなり、反対に、交点P3から第2回動規制部81へ近接するにしたがって凹部内が上下方向で徐々に狭くなっている。このことから、これらの領域(直線部L3と直線部L5の上下間、直線部L2と直線部L6の上下間)は、上下方向において摺動部材86よりも幅広である。すなわち、摺動部材86が上下方向で遊動できるスペースとなっていて、このスペースが回動許容部82となっている。
【0079】
さらには、図7に示す如く、揺動制限機構15に設けられた案内レール部85に、第1突出調整部93及び第2突出調整部92が設けられている点にある。
揺動制限機構15が、第1回動規制部80、第2回動規制部81、マッサージ部材17による第1回転軸26回りの回動を許容するための回動許容部82を有している点は、第1実施形態と略同様である。また、案内レール部85が無端状のレール軌道であって、ベース部材12の左右両側部から前方へ突出する側板部66の互いに対向する内面壁に形成
されている構成なども第1実施形態と略同様であり、この案内レール部85に、第1回動規制部80、第1突出調整部93、第2回動規制部81、第2突出調整部92、及び回動許容部82が形成されている(案内レール部85内の所定部位が対応している)。
【0080】
まず、図7に示すように、案内レール部85は、その後方下部にローラ状の摺動部材86が嵌り込む半円部G1を有している。この半円部G1の上部端から前方であって且つ僅かに斜め上方へ延びる直線部G2が形成され、この直線部G2の前端から傾斜角度を更に斜め上方へ向けて延びる直線部G3が形成され、更に、この直線部G3に比して傾きが緩やかな直線部G4が繋がるように形成されている。
【0081】
直線部G4は菱形の一辺に必要とされる長さを超えて前方へ延長されており、その前端であって半円部G1に対向する側には、ローラ状の摺動部材86が嵌り込む半円部G5が形成されている。半円部G5の上部端に直線部G4が連結している。
半円部G5の下部端からは、直線部G4が前方へ延長された範囲と平行しつつ後方へ延びる直線部G6が形成され、この直線部G6の後端から斜め下方に延びる直線部G7が形成され、更に、この直線部G7に比して傾きが緩やかな直線部G8が繋がるように形成されている。
【0082】
直線部G8は菱形の一辺に必要とされる長さを有したうえで、更に、直線部G2と平行しつつ後方へ延長されるようになっており、その延長部後端が半円部G1の下部端に接続され、最終的に、これら全体でエンドレスの案内レール部85が形成されている。
後方に位置する半円部G1には摺動部材86が嵌り込むようになっているので、この半円部G1の直径に対応するように設けられている直線部G2と直線部G8との平行部分は、その相互間を摺動部材86の通路として使用できる。このことから、この後方側の半円部G1は、摺動部材86の後方移動を当て止めするための第2回動規制部81として形成され、またこの第2回動規制部82と菱形開口との間に配置される後方の通路部(両直線部G2,G8の相互間)は、摺動部材86を嵌め込んだ状態で前後方向への摺動のみを許容するための第2突出調整部92として形成されることとなる。
【0083】
これと同様に、前方に位置する半円部G5には摺動部材86が嵌り込むようになっているので、この半円部G5の直径に対応するように設けられている直線部G4と直線部G6との平行部分は、その相互間を摺動部材86の通路として使用できる。このことから、この前方側の半円部G5は、摺動部材86の前方移動を当て止めするための第1回動規制部80として形成され、またこの第1回動規制部80と菱形開口との間に配置される前方の通路部(両直線部G4,G6の相互間)は、摺動部材86を嵌め込んだ状態で前後方向への摺動のみを許容するための第1突出調整部93として形成されることとなる。
【0084】
半円部G1の上部端と直線部G2との接続点、直線部G4と半円部G5の上部端との接続点、半円部G5の下部端と直線部G6との接続点、直線部G8と半円部G1の下部端との接続点は、いずれも直線又は滑らかな曲線で繋がるものとなっている。
その一方で、直線部G2と直線部G3との接続点Q2、直線部G6と直線部G7との接続点Q1は、凸を有した凸交差部、すなわち摺動部材86の乗り移りを邪魔するように尖ったもの(突点Q1,突点Q2)として形成されている。
【0085】
なお、案内レール部85は側面視で菱形開口形状をしていると述べたが、第2回動規制部81(半円部G1)寄りである第2突出調整部92と、第1回動規制部80(半円部G5)寄りである第1突出調整部93とを結ぶラインが菱形開口の長軸となっており、この長軸が前後方向を向くように、案内レール部85が側板部66に形成されている。
なお、本発明の特徴的な動作である「協動マッサージ1〜協動マッサージ8」を行うに際しては、背部用マッサージ機構114の構造は上記のものに限定されない。
【0086】
例えば、マッサージ機構10として、4つ玉構造(左右一対のマッサージ部材17のそれぞれに上マッサージ体21aと下マッサージ体21bを備えるもの)を例示したが、2つ玉構造(左右一対のマッサージ部材17のそれぞれに1つずつマッサージ体21を備えるもの)であってもよい。
また、マッサージ機構を前後方向に出退させる出退動作機構は、マッサージ体21の前方突出量が、コントローラからの操作に基づき可変とされる構造を採用してもよい。この
場合、「協動マッサージ1〜協動マッサージ8」を行うに際し、使用者はマッサージ体2の突出量を変更でき、好ましい押圧強度で協動マッサージを行うことができる。所望すれば、マッサージ体2の突出量を最大にし、押圧強さ調整に関し最も強い位置で固定した状態とすることもできる。
【0087】
また、マッサージ体21に対して付勢手段が作用する(バネが利く)構造とされ、マッサージ体21の突出量が付勢手段の付勢力や付勢量に応じて可変となっているマッサージ機構10を採用してもよい。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
10 マッサージ機構
11 揺動枢支部
12 ベース部材
13 上下移動機構
14 出退動作機構
15 揺動制限機構
17 マッサージ部材
18 駆動部
20 支持アーム
21 マッサージ体
21a 上マッサージ体
21b 下マッサージ体
23 揉み駆動部
24 叩き駆動部
25 傾斜回転部材
26 第1回転軸
28 振れ止め機構
31 第2回転軸
32 叩きモータ
34 円周駆動体
35 ハウジング
36 リンクレバー
37 モータ支持台
38 ガイドバー
39 ギヤヘッド
40 ガイド枠
41 縦ガイド支持部
42 枢軸
47 昇降モータ
48 ネジ軸
50 スライダー
52 伝動アーム
53 レール部
54 滑止部材
64 モータ
66 側板部
80 第1回動規制部
81 第2回動規制部
82 回動許容部
85 案内レール部
86 摺動部材
102 椅子型マッサージ機
103 座部
104 背もたれ部
105 フットレスト
106 脚体
107 側部揉み機構
108 肘掛け部
110 保持溝
111 揉み板
112 座部マッサージ機構
113 太腿・腰マッサージ機構
114 背部用マッサージ機構
115 足揉み機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部とを有していて、
前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられていて、
前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張とを協動させつつマッサージ動作させる制御部が設けられていることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部と、座部の前部に設けられたフットレストとを有していて、
前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられ、前記フットレストには、使用者の下肢にマッサージを施す揉み手段を有する足揉み機構が備えられていて、
前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張と、前記足揉み機構の揉み手段との少なくとも2つ以上を協動させつつマッサージ動作させる制御部が設けられていることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記背部用マッサージ機構を動作させることでマッサージ体を患部へ位置づける動作、
前記マッサージ体を患部へ向け突出させる動作、
前記座部の上面、座部の側部、背もたれ部の側部の少なくとも一つ以上に設けられたエアバッグを膨張させる動作、
を連携して行うよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
前記背部用マッサージ機構は、
施療子を備え且つ左右一対に配備されたマッサージ部材と、このマッサージ部材にマッサージ動作を伝動する駆動部とを有するマッサージ機構と、
このマッサージ機構を揺動枢支部で支持することで当該マッサージ機構を前後方向に揺動自在に保持するベース部材と、
このベース部材を前記背もたれ部内で上下方向に移動可能にする上下移動機構と、
前記ベース部材に対して前記マッサージ機構を前後方向に出退させる出退動作機構と、
前記出退動作機構によりマッサージ機構が前方に突出状態とされた際に、前記マッサージ部材を前方突出状態で保持可能とする揺動制限機構と、
を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
前記マッサージ部材は、その上端部及び下端部のそれぞれに施療子を備え、
前記揺動制限機構は、前記出退動作機構によりマッサージ部材の上端部が前方に突出状態とされた際に、当該上端部側の前方突出状態でマッサージ部材を保持可能とし、前記出退動作機構によりマッサージ部材の下端部が前方に突出状態とされた際に、当該下端部側の前方突出状態でマッサージ部材を保持可能とするよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部とを有していて、前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられている椅子型マッサージ機の制御方法であって、
前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張とを協動させつつマッサージ動作させることを特徴とする椅子型マッサージ機の制御方法。
【請求項7】
使用者が着座する座部と、この座部の後部に設けられた背もたれ部と、座部の前部に設けられたフットレストとを有していて、前記背もたれ部には患部に揉みマッサージを施すマッサージ体を有する背部用マッサージ機構が備えられ、前記座部の上面、座部の側方、背もたれ部の側方の少なくとも一つ以上には押圧マッサージを行うためのエアバッグが備えられ、前記フットレストには、使用者の下肢にマッサージを施す揉み手段を有する足揉み機構が備えられている椅子型マッサージ機の制御方法であって、
前記背部用マッサージ機構のマッサージ体と、前記エアバッグの膨張と、前記足揉み機構の揉み手段との少なくとも2つ以上を協動させつつマッサージ動作させることを特徴とする椅子型マッサージ機の制御方法。
【請求項8】
前記背部用マッサージ機構を動作させることでマッサージ体を患部へ位置づける動作、前記マッサージ体を患部へ向け突出させる動作、前記座部の上面、座部の側部、背もたれ部の側部の少なくとも一つ以上に設けられたエアバッグを膨張させる動作、を連携して行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の椅子型マッサージ機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−90675(P2012−90675A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238594(P2010−238594)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(592009214)大東電機工業株式会社 (106)
【Fターム(参考)】