説明

検体採取具及びこれを用いた自動分析装置

【課題】自動分析装置への検体の取り込み操作を簡略化する。
【解決手段】検体が収容される検体セル11、試薬が収容される試薬セル12及び検体、試薬が反応させられる反応セル13を有し、検体試薬分注手段14にて検体セル11内の検体、試薬セル12内の試薬を反応セル13に分注し、検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置に用いられる検体採取具5であって、両端が開口して貫通する採取具胴体1と、この採取具胴体1の一端側に設けられ且つ毛管現象にて検体Mが定量採取可能な毛管部2と、採取具胴体1の他端側に設けられ、外側が検体セル11に保持され且つ内側が検体試薬分注手段14に結合可能な保持部3とを備え、検体試薬分注手段14を用いて毛管部2内の検体Mを検体セル11内に吐出可能とする。また、これを用いた自動分析装置をも対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液などの検体を採取する検体採取具に係り、特に、自動分析装置の検体セルに対して採取した検体を簡単に定量供給する上で有効な検体採取具及びこれを用いた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の検体採取具としては例えば採血具を挙げることができる。
従来の採血具としてはガラス管からなるものがあり、使用時に採血作業者がガラス管の一端に血液を接触させて毛細管現象で血液を吸引させ、適当な量の血液を吸い上げた時に、ガラス管の他端を指で押さえた状態で採血を完了するという手法が多く採用されている。
ところが、この種の採血具にあっては、採血具への血液の採血量はもっぱら採血作業者の指による調整に依存していたため、採血量が不安定になり易いという不具合がある。
この種の不具合を解消するために、従来にあっては例えば特許文献1記載の技術が提案されている。
これは、筒状本体を高分子材料で且つ筒状本体の内面を親水処理し、更に、吸引すべき量を規制すべく筒状本体内に液体封止用樹脂を設けたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2005−342198号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の採血具にあっては、自動分析装置の検体セルに検体を取り込むに際し、採血具の管状本体内に管を挿入して血液を吸い上げる形式や、採血具内の液体封止用樹脂を押すことにより、血液を押し出す形式を独自に設けることが必要になり、検体である血液の採取が面倒になってしまう。
また、採血具としてスポイト方式を採用することも考えられるが、この態様にあっては、検体を定量採取することが困難であるばかりか、検体セルに対し手動操作にて検体を吐出させることになるため、ユーザーにとって検体採取操作が面倒になってしまう。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、自動分析装置への検体の取り込み操作を簡略化する検体採取具及びこれを用いた自動分析装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、検体が収容される検体セル11、試薬が収容される試薬セル12及び検体、試薬が反応させられる反応セル13を有し、検体試薬分注手段14にて検体セル11内の検体、試薬セル12内の試薬を反応セル13に分注し、検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置に用いられる検体採取具5であって、両端が開口して貫通する採取具胴体1と、この採取具胴体1の一端側に設けられ且つ毛管現象にて検体Mが定量採取可能な毛管部2と、採取具胴体1の他端側に設けられ、外側が検体セル11に保持され且つ内側が検体試薬分注手段14に結合可能な保持部3とを備え、検体試薬分注手段14を用いて毛管部2内の検体Mを検体セル1内に吐出可能としたことを特徴とする。
【0006】
このような技術的手段において、自動分析装置の構成要素については、検体セル11、試薬セル12、反応セル13を有し、検体試薬分注手段14にて検体、試薬を分注し、検体と試薬との反応を自動分析できる態様は全て含む。
例えば検体セル11、試薬セル12、反応セル13は構成の簡略化という観点からすれば図2に示すような検査カートリッジ10タイプが好ましいが、これに限られず、例えば移動テーブルに検体セル11、反応セル13を配列し、別のテーブルに試薬セル12を配設する態様など広く含む。
また、検体試薬分注手段14は一つのデバイスにて検体及び試薬を分注するように構成してもよいし、夫々別のデバイスにて検体又は試薬を分注するように構成してもよい。
そしてまた、この検体試薬分注手段14としては、検査対象検体毎に着脱自在なノズルチップを用いてもよいし、固定的なノズルチップを用い、検査対象検体毎に前記ノズルチップを洗浄手段にて洗浄後に使用するようにしてもよい。
尚、図1(b)に示すように、自動分析装置には、反応セル13での検体と試薬との反応を測定する測定手段15が通常設けられている。
【0007】
更に、検体採取具5においては、採取具胴体1は特に材質は問わないが、操作者による把持性を考慮すると、硬質材料であることが好ましい。また、採取具胴体1は少なくとも両端が貫通していればよく、その外形、内形は問わない。例えば採取具胴体1に両端開口以外に周壁の一部に空気抜けなどの孔を設けるようにしてもよい。
更にまた、毛管部2は毛管現象にて検体採取可能であればよく、採取具胴体1と一体的に設けてもよいし、別体の毛管パイプを設けるようにしてもよい。
また、保持部3は検体セル11への保持機能と、検体試薬分注手段14との結合機能とを備えていることを要する。
更に、毛管部2内の検体を吐出するに当たり、「検体試薬分注手段14を用いて」とは検体試薬分注手段14の全部(共用型)若しくは一部(検体分注と試薬分注との機能分離型)を用いてという意味である。
【0008】
また、検体採取具5の好ましい態様としては、検体試薬分注手段14が検体又は試薬を吸引、吐出するためのノズルヘッド14aを有する自動分析装置に用いられる検体採取具5において、前記検体試薬分注手段14のノズルヘッド14aに保持部3を介して着脱可能に装着され、装着時に検体毎に着脱可能なノズルチップを兼用する態様が挙げられる。
本態様によれば、検体採取具をノズルチップとして利用するため、検体採取具にて検体を採取することに加えて、別途ノズルチップを用意することなく、検体、試薬の分注を行うことができる。
【0009】
また、この種の検体採取具5の好ましい態様としては、保持部3は、その外周に複数のリブを突出配置し、リブ間に間隙部を形成したものである態様が挙げられる。
本態様によれば、検体セル11への突き当てによる保持、検体試薬分注手段14との結合時における補強、更には検体採取具5を把持する際の滑り止め作用の点で好ましい。また、リブ間の間隙部はエア抜きとして働き易い点で好ましい。
更に、この種の検体採取具5の好ましい態様としては、毛管部2は透明若しくは半透明部材にて形成されている態様が挙げられる。本態様によれば、毛管部2での検体の採取状態を目視し、定量採取性を確保することができる点で好ましい。
【0010】
また、本発明は、この種の検体採取具を用いた自動分析装置をも対象とする。
この場合、自動分析装置の構成を簡略化するという観点からすれば、検体セル11、試薬セル12及び反応セル13は検査カートリッジ10として検査対象検体毎にまとめられていることが好ましい。
更に、検査カートリッジ10を用いる態様にあっては、検査カートリッジ10は、埃などの影響を最小限に抑えるという観点からすれば、検体セル11、試薬セル12及び反応セル13の開口部位を穿孔可能なシール部材16にて塞ぐものが挙げられる。
この場合、検体セル11に対応するシール部材16の代表的な穿孔方法としては、専用の穿孔具を用いて手動にて穿孔した後、この検体セル11に検体採取具5を挿入するようにすることが挙げられるが、検体セル11に対応したシール部材16を検体採取具5の毛管部2にて直接穿孔することも可能である。
尚、試薬セル12、反応セル13に対応したシール部材16の穿孔方法としては、例えば検体試薬分注手段14のノズルヘッド14aの先端部(例えばノズルチップを固定的若しくは着脱可能に設ける構造)を穿孔具として利用するようにしたり、あるいは、検体試薬分注手段14に別途設けられる穿孔具を用いるようにすればよい。
更にまた、検査カートリッジ10を用いる態様にあっては、検体試薬分注手段14が検体又は試薬を吸引、吐出するためのノズルヘッド14aを有し、このノズルヘッド14aにノズルチップ18を着脱可能に装着するものであり、検査カートリッジ10は前記ノズルチップ18が保持されるチップ保持部17を有する態様が挙げられる。
【0011】
また、検査カートリッジ10を用いた好ましい自動分析装置としては、図2に示すように、検体が収容される検体セル11、試薬が収容される試薬セル12及び検体、試薬が反応させられる反応セル13が含まれる検査カートリッジ10を用い、検査カートリッジ10の検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置において、検査カートリッジ10の検体セル11に保持される上述した検体採取具5と、検査ステージKTに検査前の検査カートリッジ10を搬入し、検査済のカートリッジ10を検査ステージKTから搬出するカートリッジ移動手段19と、このカートリッジ移動手段19にて搬入された検査ステージKT内の検査カートリッジ10に対し当該検査カートリッジ10の検体採取具5にて採取された検体を検体セル11内に吐出させた後、この検体セル11内の検体と試薬セル12内の試薬とを反応セル13内に分注する検体試薬分注手段14と、この検体試薬分注手段14にて分注された反応セル13内の検体と試薬との反応を測定する測定手段15とを備えたものが挙げられる。
【0012】
本態様によれば、例えば検体試薬分注手段14がノズルヘッド14aを有する態様を例に挙げると、図3(a)に示すように、検体試薬分注手段14(本例ではノズルヘッド14a)は検体セル11に保持された検体採取具5の保持部3に結合され、検体採取具5の毛管部2内の検体セル11内に吐出する。
この後、図3(b)に示すように、検体試薬分注手段14(本例ではノズルヘッド14a)は検体採取具5の保持部3から離脱した後、例えば着脱自在なノズルチップ18を装着し、検体セル11に保持された検体採取具5の採取具胴体1内の検体を吸引保持する。
しかる後、図3(c)に示すように、例えばカートリッジ移動手段19にて検査カートリッジ10が移動させられ、検体試薬分注手段14(本例ではノズルヘッド14a)がノズルチップ18内に吸引された所定量の検体を反応セル13内に吐出する。
この後、検体試薬分注手段14は試薬セル12(例えば二つの試薬セル)からの試薬(例えばR1,R2)を順次反応セル13へ分注し、しかる後、測定手段15が反応セル13内の検体と試薬との反応を測定する。
【0013】
また、自動分析装置の好ましい態様としては、検体採取具5がノズルチップ18を兼用する態様が挙げられる。
本態様は、図2に示す態様からノズルチップ18を除外した態様であって、検体が収容される検体セル11、試薬が収容される試薬セル12及び検体、試薬が反応させられる反応セル13が含まれる検査カートリッジ10を用い、検査カートリッジ10の検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置において、検査カートリッジ10の検体セル11に保持されるノズルチップ兼用型の上述した検体採取具5と、検査ステージKTに検査前の検査カートリッジ10を搬入し、検査済のカートリッジ10を検査ステージKTから搬出するカートリッジ移動手段19と、このカートリッジ移動手段19にて搬入された検査ステージKT内の検査カートリッジ10に対し当該検査カートリッジ10の検体採取具5にて採取された検体を検体セル11内に吐出させた後、検体セル11に保持された検体採取具5を検体セル11から離脱させて着脱可能に保持し、この検体採取具5をノズルチップとして用いることにより検体セル11内の検体と試薬セル12内の試薬とを反応セル13内に分注する検体試薬分注手段14と、この検体試薬分注手段14にて分注された反応セル13内の検体と試薬との反応を測定する測定手段15とを備えたものが挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る検体採取具によれば、検体試薬分注手段を利用して検体採取具にて採取した検体を検体セル内に自動的に吐出可能としたので、検体採取具で採取した検体を検体セルに吐出する手動操作が不要になり、その分、検体採取具による検体の手動操作工程を削減でき、自動分析装置への検体取り込み操作を簡略化することができる。
また、本発明に係る自動分析装置によれば、検体セルに検体採取具を保持させるだけで、自動分析装置に検体を自動的に取り込むことが可能になるため、検体の取り込み操作を簡略化した自動分析装置を簡単に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
<全体構成>
図4は本発明が適用された自動分析装置の実施の形態1の外観を示す説明図である。
同図において、自動分析装置20は、装置筐体21の前面側(ユーザーの操作側)に開閉可能な扉22を有すると共に、この扉22の開口部の上方には操作部23(スタートボタン24,操作ボタン25、表示ディスプレイ26を具備)を有し、ユーザーが前記扉22を開放した状態で装置筐体21内に検査すべき検体が分注された複数(例えば3つ)の検査カートリッジ200をセットし、しかる後、スタートボタン24を操作することにより、複数の検査カートリッジ200の検体について順次自動分析するものである。
【0016】
本実施の形態において、自動分析装置20は、図5〜図7に示すように、装置筐体21内に、検査カートリッジ200がセットされるセットステージSTと、このセットステージSTに隣接して設けられ且つ検査カートリッジ200の検体について分析検査する検査ステージKTと、各検査カートリッジ200の検査結果を印刷するプリンタ部27とを備えている。
セットステージSTは、装置筐体21のベースフレーム28上に装置筐体21の幅方向(X方向)に沿って移動するXテーブル30を配設し、このXテーブル30上に検査カートリッジ200が保持可能なカートリッジラック40を設け、予め決められた検査初期位置ST1に検査カートリッジ200を順次移動させるものである。
ここで、Xテーブル30としてはX方向に延びる固定台31又はガイドレールに沿って可動台32を摺動自在に設けたものが用いられる。また、Xテーブル30の位置規制については図示外の位置センサを用いた公知の手法や、パルスモータ等の駆動モータを用いた位置制御にて行われる。
【0017】
また、検査ステージKTは、セットステージSTの検査初期位置ST1に移動設定された検査カートリッジ200をX方向と直交するY方向に沿って検査ステージKT側に戻し可能に引き込むカートリッジ引き込み機構50と、検査カートリッジ200に対して検体、試薬を分注する検体試薬分注機構70と、検査カートリッジ200の少なくとも一部(後述する反応セルに相当)を恒温条件に保つ恒温槽80と、この恒温槽80とは別に設けられ且つ検査カートリッジ200を恒温条件よりも高い温度にて補助的に加温する補助加温装置90と、恒温槽80の内部に設けられて検査カートリッジ200の反応セルに分注された検体と試薬との反応を測定する測定装置100とを備えている。
【0018】
<検査カートリッジ>
次に、検査カートリッジ200について説明する。
本実施の形態において、検査カートリッジ200は、図8(a)〜(c)に示すように、例えばポリプロピレン、アクリル、ポリスチレン等の合成樹脂にて成形され且つY方向に沿って直線状に延びるカートリッジ本体201を有し、このカートリッジ本体201には有底の複数のセル202を一体的に且つ直線的に配列したものである。
本実施の形態において、セル202は、カートリッジ本体201の挿入方向端から離間した側から順に、検体が収容される一つの検体セル203と、試薬が収容可能な複数(例えば3つ)の試薬セル204〜206と、検体と試薬とが分注されて反応させられる一つの反応セル207とを備えている。尚、例えば検体セル203や反応セル207が複数設けられるなど適宜選定できることは勿論である。
【0019】
特に、本実施の形態では、セル202のうち、反応セル207は略矩形筒状断面を有する容器であり、セル外壁面がX方向に直交する平面として構成されているのに対し、他のセル202、具体的には検体セル203、試薬セル204〜206は円筒状断面を有する形状として構成されている。また、本実施の形態では、複数の試薬セル204〜206の
うち、一つの試薬セル204は未使用で、他の二つの試薬セル205,206にR1,R2の試薬が所定量予め分注されている。一方、本実施の形態では、検体セル203には希釈液Wが所定量予め分注されている。
【0020】
更に、本実施の形態では、カートリッジ本体201の挿入方向端から離間した側には検体セル202に隣接してチップ保持孔208が貫通した状態で開設されており、このチップ保持孔208には検体試薬分注機構70に着脱自在に装着可能なノズルチップ210が上方から離脱可能に保持されている。
そして更に、カートリッジ本体201の挿入方向端とは反対側には把持部211が突出形成されており、この把持部211の裏面には指押さえ212が突出形成されている。
一方、カートリッジ本体201の挿入方向端側には下側に開口したU字状の被係合片213が形成されている。
【0021】
更に、本実施の形態では、カートリッジ本体201の各セル202(203〜207)の開口縁には上方に突出する突縁214が設けられており、各セル202(203〜207)の開口はシール215にて上方から被覆されている。このとき、各セル202の突縁214がシール215に接触するため、各セル202は突縁214を介して完全に密封状態で仕切られることになり、セル202内の試薬や希釈液が他のセルに流入する懸念は有効に回避される。
また、セル202の一部、例えば検体セル203及び試薬セル204はX方向に対して非対称形状になっており、少なくとも片側にフランジ部216が形成される一方、前記他方側のフランジ部216の一部に切欠217が設けられている。
【0022】
<検体採取具>
また、本実施の形態では、図4及び図8に示すように、検査カートリッジ200の検体セル203には検体採取具300が装着され、この検体採取具300で採取した血液からなる検体が検体セル203内に取り込まれるようになっている。
本実施の形態において、検体採取具300は、図9乃至図11に示すように、両端が開口して貫通する合成樹脂製の採取具胴体310と、この採取具胴体310の一端側に一体的に設けられると共に毛管現象にて血液からなる検体が採取可能な毛管部320と、採取具胴体310の他端側に設けられ、外側が検体セル203に保持されると共に内側が後述する検体試薬分注機構70に結合される保持部330とを備えている。
【0023】
ここで、採取具胴体310の内外の容量は検体セル203内に挿入配置されたときに検体セル203内の希釈液Wが溢れないように選定される。
毛管部320は検体の充填を目視確認できるようにするために透明若しくは半透明にすることが好ましく、例えばアクリル等の透明材料若しくは半透明部材を用いるのがよい。特にアクリルは浸水性が高く毛管力がある点で好ましい。また、この毛管部320は毛管現象が生ずる内径の毛管路321を有し、この毛管路321内面については毛管力が損なわれない表面仕上げになっている。更に、毛管部320の外側先端側には先端側に向かって窄まるようにテーパ部322が設けられ、毛管部320外側面への検体の付着を防止するようになっていると共に、検体セル203上のシール215を突き破り易くなっている。更にまた、毛管部320のテーパ部322の基端側には複数の鋭利な突片323が設けられ、検体セル203上のシール215を切り込んで破砕し易くなっている。
【0024】
更に、保持部330の外側は複数のリブ331を有し、このリブ331間に間隙部332を確保するようになっている。また、保持部330の内側は後述する検体試薬分注機構70のノズルヘッド71及びノズルチップ210が嵌合する形状の嵌合孔333を有している。
上記リブ331は、検体採取具300を把持する際の滑り止めとして働くほか、検体セル203に検体採取具300を保持させる際に検査カートリッジ200のカートリッジ本体201に突き当たるようになっており、また、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71などが検体採取具300に挿入される際の補強部材として機能するものである。
また、上記間隙部332は検体採取具300が検体セル203に保持された際に検体セル203との間の空気抜け335として働くようになっている(図13,図14参照)。
【0025】
次に、本実施の形態に係る検体採取具の使用方法について説明する。
先ず、検体採取時について説明すると、図9〜図11に示すように、ユーザーは人体の一部に針などで疵をつけることで僅かに出血させ、検体採取具300の保持部330を把持した状態で出血した血液(検体)部分に対して検体採取具300を略垂直配置すると共に、血液部分に検体採取具300の毛管部320の先端を接触させるようにすればよい。
この状態において、毛管部320内には毛管現象により検体としての血液が吸引保持され、ついには毛管部320内全体に検体としての血液が充填保持される。
次いで、図12(a)(b)に示すように、検査カートリッジ200の検体セル203に対応した箇所に検体採取具300を装着する。
この場合、例えば専用の穿孔具を用いて検査カートリッジ200のシール215を突き破り、このシール215の穿孔部位を通じて検体採取具300の毛管部320を通過させ、検体採取具300の保持部330が検体セル203の周囲に突き当たるまで検体セル203内に検体採取具300の採取具胴体310及び毛管部320を挿入配置するようにすればよい。
この状態において、検体採取具300の毛管部320に採取された検体は検体セル203側に吐出されていないが、後述するように、自動分析装置による一連の動作過程において検体セル203内に吐出されるものである。
【0026】
<カートリッジラック>
また、本実施の形態では、カートリッジラック40は、図7に示すように、複数(本例では3つ)の検査カートリッジ200が保持可能な複数のラックホルダ41を有している。このラックホルダ41は、一対のホルダ脚42間にX方向に直交するY方向に延びるスリット43を設け、このスリット縁部に検査カートリッジ200のカートリッジ本体201の幅方向両側縁部を支持するようになっている。更に、一対のホルダ脚42の一方には検査カートリッジ200の切欠217(図8(c)参照)に対応してストッパ(図示せず)が設けられており、カートリッジラック40への検査カートリッジ200の挿入方向が逆になった状況下では、前記検査カートリッジ200のフランジ部216が前記ストッパに衝合し、検査カートリッジ200が誤った挿入方向からカートリッジラック40にセットされないように配慮されている。
【0027】
<カートリッジ引き込み機構>
更に、カートリッジ引き込み機構50は、図15〜図17に示すように、Y方向に延びる引き込み軌道51を有し、この引き込み軌道51に沿って移動自在なYテーブル(可動ユニット)52を設け、このYテーブル52にはセットステージST側に延びる係止アーム53を設けると共に、この係止アーム53の先端には上方に突出する係止片54を設け、この係止片54が検査カートリッジ200の被係合片213に係脱自在に係合するようになっている。
特に、本実施の形態では、検査カートリッジ200の被係合片213はX方向に貫通する凹部218を有しており、Xテーブル30の移動に伴って検査カートリッジ200の被係合片213とカートリッジ引き込み機構50の係止片54とが相互に干渉することはなく、Xテーブル30が適宜位置に移動し、検査初期位置ST1に移動設定された検査カートリッジ200は、その被係合片213がカートリッジ引き込み機構50の係止片54と係合する位置関係になるようになっている。
【0028】
また、Yテーブル(可動ユニット)52の駆動系及び位置停止機構を図18〜図20に示す。
同図において、このYテーブル52の駆動系は、例えば図18〜図20(a)に示すように、装置筐体21に固定された支持ブラケット21aに駆動モータ55及びモータドライバ56を固定設置し、駆動モータ55からの駆動力を駆動力伝達機構57を介してYテーブル52に伝達し、引き込み軌道51に沿ってYテーブル52を進退動するようになっている。
ここで、駆動力伝達機構57としては適宜選定して差し支えないが、例えばYテーブル52の移動方向に沿って循環回転する移動ベルト57aをプーリ57b,57c間に掛け渡すと共に、この移動ベルト57a間に前記係止アーム53の一端部を固定する一方、前記駆動モータ55からの駆動力を図示外の駆動プーリを介して駆動ベルト57dに伝達し、この駆動ベルト57dからの駆動力をプーリ57bを介して移動ベルト57aに伝達し、この移動ベルト57aを進退動させることによりYテーブル52を進退動させるものが挙げられる。
尚、Yテーブル52の駆動系として、駆動モータ55,モータドライバ56を固定的に配設しているが、Yテーブル52にこれらを搭載して自走式に構成してもよいことは勿論である。
【0029】
更に、Yテーブル可動ユニット52の位置停止機構は、例えば図20(b)に示すように、支持ブラケット21aの所定部位には例えばフォトカプラなどからなる位置決めセンサ61,62を配設する一方、Yテーブル52には進退方向に延びるセンサ板63を取付け、このセンサ板63に位置合せ用のセンサスリット64を所定ピッチ毎に開設し、位置決めセンサ61,62にてセンサ板63の所定位置を検出することにより、Yテーブル52の進退位置を規制し、検査カートリッジ200の引き込み位置を制御するようになっている。
【0030】
<検体試薬分注装置>
また、図6に示す検体試薬分注機構70としては検体、試薬を分注するものであれば公知のものを適宜選定して差し支えないが、例えば図21に示すように、X方向、Y方向に直交するZ方向に沿って進退移動する昇降台(図示せず)を有し、この昇降台にノズルヘッド71を取り付けると共に、このノズルヘッド71とシリンジポンプ72とを接続するものである。
そして、このノズルヘッド71にはノズルチップ210及び検体採取具300が着脱自在に結合するようになっている。
また、この検体試薬分注機構70はノズルヘッド71とノズルチップ210又は検体採取具300との結合状態を解除する結合解除機構75を備えている。この結合解除機構75は開度が変化するゲート76を有し、ソレノイド等の駆動アクチュエータ77にてゲート76の開度を調整し、ゲート76の開度を狭く絞ることで着脱自在なノズルチップ210又は検体採取具300の移動を拘束した状態で、ノズルヘッド71のみを移動させ、ノズルヘッド71とノズルチップ210又は検体採取具300との結合状態を解除するようになっている。
【0031】
更に、本実施の形態では、検体試薬分注機構70は、図21に示すように、カートリッジ引き込み機構50にて所定位置まで検査カートリッジ200を引き込み、検体試薬分注機構70の分注位置に検査カートリッジ200の分注対象セル202を配置した後、シリンジポンプ72を負圧若しくは正圧に切り替えることにより、検査カートリッジ200内の所定のセル202(検体セル203,試薬セル205,206)から検体、試薬を所定量吸引保持し、測定対象である反応セル207内に所定量の検体、試薬を吐出するものである。
このとき、検体試薬分注機構70は検体又は試薬を個別に吸引して吐出する方式を採用してもよいし、あるいは、ノズルチップ210内で空気層を介在させることにより、検体と試薬、あるいは、複数の試薬を同時に吸引保持した後、吐出するようにしてもよいことは勿論である。
また、本実施の形態では、検体試薬分注機構70は、検体、試薬の分注の他に、検体セル203に装着された検体採取具300の採取検体を検体セル203内に取り込む動作をも行うようになっている。
尚、本実施の形態では、検体試薬分注機構70は検体、試薬の分注動作をともに兼用する態様になっているが、夫々別に設けるようにしてもよい。また、本実施の形態では、廃棄可能なノズルチップ210を用いているが、これに限られるものではなく、ノズルチップ210を用いないで、専用ノズルを洗浄しながら使用する方式を採用してもよいことは勿論である。
【0032】
<穿孔装置>
本実施の形態では、検査カートリッジ200は、各セル202がシール215で被覆されており、検体セル203については例えば専用の穿孔具及び検体採取具300でシール215に孔を開けることが可能である。また、試薬セル205,206及び反応セル207については検体試薬分注機構70にノズルチップ210を装着した態様で穿孔装置として兼用する手法が採用されている。
つまり、穿孔動作時には、検体試薬分注機構70は、検査カートリッジ200の各セル202のうち使用可能なセル202(試薬セル205,206,反応セル207)に対応するシール215を目がけてノズルチップ210を穿孔具として用い、シール215に孔を開けるものである。
本実施の形態において、穿孔装置として兼用される検体試薬分注機構70はシール215に対して孔を開けるものであれば、孔の開ける数など適宜選定して差し支えない。
尚、本実施の形態では、検体試薬分注機構70にて穿孔装置を兼用するようにしているが、必ずしもノズルチップ210を穿孔具として利用する態様に限られるものではなく、例えば検体試薬分注機構70の昇降台の一部に穿孔具を取付け、この穿孔具を利用して検査カートリッジ200のシール215に孔を開けるようにしてもよい。また、検体試薬分注機構70とは全く別に専用の穿孔装置を配設し、この穿孔装置にて検査カーリッジ200のシール215に孔を開けるようにしても差し支えない。
【0033】
<温度調整機構>
また、本実施の形態において、検査ステージKTには、図16及び図22〜図26に示すように、温度調整機構として恒温槽80及び補助加温装置90が設けられている。
恒温槽80は検査カートリッジ200の引き込み位置を挟むように両側から配設されており、セットステージST寄りの片側の一部が切り欠かれた非対称形状になっている。
そして、前記切り欠かれた部位には恒温槽80に代わって補助加温装置90が配設されている。尚、本実施の形態にあっては、恒温槽80の一部に補助加温装置90が設けられているが、これに限られるものではなく、恒温槽80内に補助加温装置90を組み込むようにしても差し支えない。
【0034】
―恒温槽―
本実施の形態において、恒温槽80は、図22〜図24に示すように、例えばアルミニウム製の恒温ブロック81にて周囲が覆われており、この恒温ブロック81の底面にヒータ(例えばシリコンラバーヒータ)82を取り付けると共に、恒温ブロック81の一部に例えばサーミスタからなる温度センサ83を設け、この温度センサ83(図22(b),図23(b)参照)からの温度情報をモニタリングすることにより所定の恒温条件(例えば37℃)に保つようにヒータ82をオンオフ制御するようになっている。
ここで、温度センサ83の配設位置は適宜選定して差し支えないが、例えば後述する測定装置100の近傍に配設するようにすれば測定装置100による測定ステージの環境温度を直接的に検出することになる分、恒温槽80の温度調整がより正確に行われる。
尚、恒温槽80内には必要に応じて断熱材を設け、恒温槽80内からの不必要な熱放出を抑えるように設計することが好ましい。
【0035】
―補助加温装置―
また、補助加温装置90は、図22,図23及び図26に示すように、装置筐体21のベースフレーム28上に支持ブラケット93を取付け、この支持ブラケット93に例えばアルミニウム製の加温ブロック91を揺動アーム92を介して揺動自在に支持する一方、加温ブロック91には検査カートリッジ200の各セル202(検体セル203,試薬セル204〜206,反応セル207)に対応した複数(本例では5つ)の凹所94を設け、カートリッジ引き込み機構50にて引き込まれた検査カートリッジ200の各セル202を片側から覆うことが可能な構造になっている。
ここで、加温ブロック91の背面にはヒータ95が設けられると共に、加温ブロック91の一部には例えばサーミスタからなる温度センサ96(図22(b),図23(b)参照)が設けられ、加温ブロック91が恒温条件より高い所定温度(例えば70℃)に加温されるようになっている。また、ヒータ95としては一定の発熱量のものでよいが、勿論発熱量調整可能なものでもよい。尚、本例ではヒータ95は主電源スイッチがオンされた時点で作動するようになっている。
【0036】
更に、本実施の形態では、加温ブロック91はその揺動アーム92を電磁ソレノイド等の駆動アクチュエータ97にて揺動自在とすることにより、図22(a)(b)及び図26(a)に示すように、検査カートリッジ200が引き込まれる位置から離間した退避位置に傾斜姿勢にて保持されると共に、図23(a)(b)及び図26(b)に示すように、検査カートリッジ200が引き込まれる位置に近接した加温位置に略直立した姿勢にて保持される。
尚、本実施の形態では、加温ブロック91は加温位置と退避位置との間で揺動するようになっているが、例えば駆動アクチュエータ97を多段シフト可能に構成し、加温ブロック91の揺動位置を多段階に調整することにより、被加温対象セルとの間の隙間寸法をパラメータとして加温ブロック91による加温量を可変設定するようにしてもよい。本態様によれば、加温ブロック91自体の発熱量が一定であっても、加温ブロック91による加温量を容易に調整することができる。勿論、加温ブロック91自体の発熱量を調整可能な態様にあっては、特に加温ブロック91の揺動位置を変化させなくても、加温ブロック91による加温量を変更することは可能である。
【0037】
更に、本実施の形態において、補助加温装置90は検査カートリッジ200の試薬セル205(試薬R1を収容)に対向した恒温槽80には例えばサーモパイルからなる非接触型温度センサ98が設けられており、この非接触型温度センサ98は検査カートリッジ200の試薬セル205の表面温度を非接触状態にて検出するようになっている。そして、駆動アクチュエータ97は非接触型温度センサ98にて検出された試薬セル205の表面温度をパラメータとしてオンオフ制御されるようになっており、試薬セル205の表面温度が目標温度(例えば恒温条件である37℃に相当)に到達しない条件下では駆動アクチュエータ97がオン動作する一方、試薬セル205の表面温度が目標温度に到達した条件下では駆動アクチュエータ97はその作動を停止するようになっている。
【0038】
また、本実施の形態では、加温目標温度を一定に設定して差し支えないが、環境温度の影響(例えばノズルチップ210の温度条件により分注した試薬R1などの温度が変化するという影響)を低減するという観点からすれば、例えば検査ステージKTの任意の箇所に恒温槽80以外の環境温度が計測可能な図示外の計測器(例えばサーミスタ等)を設け、この計測器からの温度情報に基づいて加温目標温度を変化させ、加温ブロック91による加温量を決定するようにしてもよい。例えば環境温度が基準温度である場合の加温目標温度を基準値(例えば37℃)とし、環境温度が基準温度を超える場合には加温目標温度を基準値よりも減少させ、逆に、環境温度が基準温度未満である場合には加温目標温度を増加させるようにすればよい。
【0039】
<測定装置>
また、本実施の形態では、図24、図25(a)に示すように、検査カートリッジ200の引き込み方向先端側の恒温槽80内に測定装置100が配設されている。この測定装置100は、所定の測定ステージMTを挟んで配設される例えば赤外線LEDからなる発光素子101と、測定ステージMTを挟んで前記発光素子101に対向する部位に配設される例えばフォトディテクタからなる受光素子102とを備えている。尚、符号103は発光素子101からの拡散光を検出するフォトディテクタからなる受光素子であり、受光素子102,103間の差分を検出可能としている。
そして、本実施の形態では、測定ステージMTは、図25(b)に示すように、検査カートリッジ200の反応セル207が配置されるようになっており、測定装置100は、測定ステージMTにて検査カートリッジ200の反応セル207内の検体と試薬との反応を測定するようになっている。
【0040】
<制御系>
図27は自動分析装置の制御系を示す。
同図において、符号110はマイクロコンピュータからなる制御装置であり、この制御装置110は、主電源スイッチ、各種動作センサ(スタートボタン等の操作部、位置センサ等)、各種温度センサからの情報を取り込み、各種ヒータによる温度制御処理(恒温槽80、補助加温装置90の温度制御処理など)111を行い、各種動作源による動作制御処理(Xテーブル駆動制御処理、検査カートリッジの引き込み制御処理、検体取り込み制御処理、検体試薬分注制御処理、測定制御処理など)112を行い、更に、プリンタ部による印刷制御処理113を行うものである。
【0041】
<自動分析装置の作動>
次に、本実施の形態に係る自動分析装置の作動について説明する。
この自動分析装置を使用するに当たって、
(1)検査カートリッジのセット操作
(2)測定シーケンスの実行操作
を行うようにすればよい。
【0042】
―検査カートリッジのセット操作―
先ず、ユーザーは、図4及び図5に示すように、自動分析装置20の扉22を開放した後、自動分析装置20のセットステージSTのカートリッジラック40に検査に必要な複数の検査カートリッジ200をユーザー操作側から見て右側から順にセットすることが必要である。
このとき、セットすべき検査カートリッジ200に対する準備として、検体採取具300による検体採取操作、検体採取具300のセット、並びに、ノズルチップ210のセットを行うことが必要である。
例えば図12(a)(b)に示すように、検査カートリッジ200の各検体セル203(本例では希釈液W内蔵)に夫々検体採取済みの検体採取具300をセットする。
また、図8に示すように、検査カートリッジ200のチップ保持孔208にはノズルチップ210を上方から挿入保持させるようにすればよい。
【0043】
また、図7に示すように、カートリッジラック40に対して検査カートリッジ200は所定方向にセットされることが必要であるが、ユーザーは、カートリッジラック40のラックホルダ41のスリット43に沿って検査カートリッジ200を所定位置まで挿入させるようにすればよい。
このとき、仮に、検査カートリッジ200の挿入方向が逆方向である場合には、検査カートリッジ200の挿入動作が阻止されるようになっている。つまり、誤った方向から検査カートリッジ200を挿入しようとすると、カートリッジラック40のストッパ(図示せず)に検査カートリッジ200のフランジ部216が衝合し、検査カートリッジ200の挿入方向への移動が阻止される。一方、検査カートリッジ200が正規の方向から挿入される場合には、カートリッジラック40のストッパ(図示せず)に対応した検査カートリッジ200のフランジ部216に切欠217が設けられているため、検査カートリッジ200はカートリッジラック40のストッパに阻止されることなく挿入される。このため、カートリッジラック40に対して検査カートリッジ200は正規の方向から必ず挿入セットされる。
【0044】
―測定シーケンスの実行―
検査カートリッジ200のセット操作が終了した後、自動分析装置20の扉22を閉じ、しかる後、操作部23のスタートボタン24を操作すれば、測定シーケンスが自動的に実行される。
(1)検査カートリッジの装着確認
自動分析装置20のスタートボタン24を操作すると、先ず検査カートリッジ200の装着確認動作が行われる。
これは、カートリッジラック40の初期位置のうち、ユーザー操作側から見て右端のラックホルダ41の奥側に対応した部位に非接触型位置センサ(図示せず)からなる存在確認センサを設け、制御装置110は存在確認センサにて検査カートリッジ200の存在が確認された条件下でXテーブル30を移動開始させる。尚、存在確認センサにて検査カートリッジ200の存在が確認されない場合には、検査カートリッジ200が装着されていないことを表示ディスプレイ26に表示する等の警告を行い、ユーザーに注意を喚起する。
【0045】
(2)検査カートリッジの検査初期位置設定
この後、制御装置110は、図6に示すように、Xテーブル30を移動させ、最初の検査対象である検査カートリッジ200(本例ではユーザー側から見て右端にある検査カートリッジに相当)を検査初期位置ST1に設定する。
この状態において、例えば図30に示すように、検査初期位置ST1に対応した上部にバーコードリーダー等のマークリーダー120を配設すると共に、検査カートリッジ200に設けられたシール215の表面には検査カートリッジ200を特定するためのバーコード等のマーク(図示せず)を設け、これにより、検査対象となる検査カートリッジ200を確認した後、検査カートリッジ200の引き込み動作に移行する。尚、バーコード等のマークを付す箇所はシール215の表面に限られるものではなく、例えば検査カートリッジ200のカートリッジ本体201の適宜箇所にシール215とは別に設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0046】
(3)検査カートリッジの引き込み動作(図30参照)
次いで、図30に示すように、カートリッジ引き込み機構50により検査初期位置ST1に設定された検査カートリッジ200を検査ステージKT側に引き込む。
本実施の形態では、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71のZ軸上に検査カートリッジ200の検体セル203を配置するように検査カートリッジ200を引き込む。
尚、制御装置110は、主電源スイッチがオンされた時に恒温槽80のヒータ82を作動させ、恒温槽80内を所定温度(例えば37℃)になるように恒温制御している。
【0047】
(4)検体取り込み動作
この後、制御装置110は、図31(a)(b)に示すように、結合解除機構75のゲート76を開くように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、検体採取具300の保持部330の嵌合孔333に圧入結合させる。
この状態で、制御装置110は、シリンジポンプ72を正圧にすることにより、ノズルヘッド71から検体採取具300内の毛管部320内の検体を検体セル203に吐出させ、この後、シリンジポンプ72の正圧、負圧を交互に切り替えることにより、検体採取具300を介して検体セル203内の希釈液Wと検体(図示せず)とを撹拌混合させる。
【0048】
(5)検体取り込み動作終了
このように検体セル203内の希釈液Wと検体とが撹拌混合されると、検体セル203内の一部の溶血液が検体採取具300の採取具胴体310内にも充填された状態に至る。
この後、制御装置110は、図32に示すように、結合解除機構75のゲート76を狭く閉じるように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を上昇させる。
すると、ノズルヘッド71の上昇に伴って検体採取具300が上昇しようとするが、検体採取具300の移動は開度が狭められたゲート76にてせき止められるため、ノズルヘッド71と検体採取具300との結合状態が解除され、検体採取具300は検査カートリッジ200の検体セル203にセットされた状態を保つ。
【0049】
(6)ノズルチップ装着動作(図28(a),図33(a)参照)
次いで、制御装置110は、カートリッジ引き込み機構50を移動させ、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71のZ軸上に検査カートリッジ200のノズルチップ210を配置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この後、制御装置110は、図33(a)に示すように、結合解除機構75のゲート76を開くように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、ノズルヘッド71とノズルチップ210とを圧入結合させ、ノズルヘッド71にノズルチップ210を装着させる。
検体試薬分注機構70へのノズルチップ210の装着が完了すると、制御装置110はノズルヘッド71を上昇させる。
このとき、図30に示すように、検体試薬分注機構70のZ軸軌道に沿った部位に非接触型位置センサからなる存在確認センサ121を配設し、この存在確認センサ121にてノズルチップ210の装着状態を確認する。尚、ノズルチップ210の装着状態が不良であることが検出された場合には、例えば表示ディスプレイ26に警告表示を行う。
【0050】
(7)反応セルの状態確認動作(図28(a)参照)
ノズルチップ210の装着動作が行われている間、検査カートリッジ200は、検査カートリッジ200の反応セル207が測定装置100の測定ステージMTに停止する位置に対応した位置に配置されている。
尚、制御装置110は、主電源スイッチがオンされた時に恒温槽80のヒータ82を作動させ、恒温槽80内を所定温度(例えば37℃)になるように恒温制御している。
このため、本実施の形態では、検査カートリッジ200の反応セル207が測定装置100の測定ステージMTに位置決めされた段階で、制御装置110は、測定装置100にて反応セル207の状態を測定し、異常(反応セル表面の汚れや検査カートリッジの排出忘れ等)の有無を確認する。
【0051】
(8)空気孔開け動作
次いで、制御装置110は、検体試薬分注機構70を穿孔装置として働かせ、カートリッジ引き込み機構50にて検査カートリッジ200を適宜進退させながら、検体試薬分注機構70を利用した穿孔装置にて検査カートリッジ200の試薬セル205,206及び反応セル207に対応したシール215に空気孔を開けるように制御する。
本実施の形態では、空気孔開け動作は、検査カートリッジ200の使用セル202(試薬セル205,206,反応セル207)に対応するシール215部分に夫々複数(本例では2つ)の空気孔(図示せず)を開けるものである。
ここで、空気孔の大きさとしては、例えば1〜2mm程度でよく、ノズルチップ210の外径変化を考慮し、その挿入深さを決定するようにすればよい。
特に、本実施の形態では、各空気孔は対応する使用セル202(試薬セル205,206,反応セル207)の開口中心を挟んだ位置、例えば略点対称となる位置に開けられている。
【0052】
このように、使用セル202のシール215部分に複数の空気孔を開けると、穿孔具としてのノズルチップ210が一方の空気孔を塞ぐように挿入されたとしても、他方の空気孔が大気開放されているため、ノズルチップ210の挿入により使用セル202内の圧力が不必要に高くなり、ノズルチップ210による検体、試薬の吸引動作や、吐出動作が不安定になることはない。
また、穿孔具としてのノズルチップ210が使用セル202のシール215部分の開口中心近傍に挿入されるような場合には、複数の空気孔の存在により、使用セル202のシール215部分が容易に破砕され、大気開放された状態でノズルチップ210が使用セル202内に挿入される。
【0053】
特に、本実施の形態では、複数の空気孔が使用セル202の開口中心を挟んだ位置に開設されているため、検体、試薬分注時において、ノズルチップ210の挿入位置が比較的ラフであるとしても、ノズルチップ210による穿孔動作時にシール215が確実に破砕される。この点、例えば複数の空気孔が使用セル202の開口中心に対して片側に偏倚して開設されている態様にあっては、検体、試薬分注時において、シール215部分のうち空気孔が開設されていない側にノズルチップ210が挿入される際に若干破砕し難いという懸念はあるものの、複数の空気孔が存在する以上、一つの空気孔の場合よりも破砕し易い点で好ましい。
【0054】
ここで、比較の形態として、事前に空気孔を開設しない態様にあっては、検体、試薬分注時にノズルチップ210にてシール215を破砕し且つ使用セル202内にノズルチップ210を挿入すると、ノズルチップ210にて開けた孔が塞がれてしまうため、使用セル202内が密封状態になり易く、検体、試薬の分注動作が不安定になり易い。
また、一つの空気孔を開設する態様にあっては、一つの空気孔をノズルチップ210で塞ぐと、使用セル202内が密封になり易い虞れがあり、また、空気孔から離れたシール215部分にノズルチップ210を挿入する際には前記空気孔がノズルチップ210によるシール215部分の破砕を助長する作用が働き難いという懸念もある。このため、このような態様で使用する場合には、シール215素材として破砕し易いものを使用する等の工夫をすることが好ましい。
【0055】
(9)試薬R1の温度測定(図28(b)参照)
上述した空気孔開け動作が終了すると、制御装置110は、図28(b)に示すように、検査カートリッジ200の試薬セル205(R1内蔵)が恒温槽80の非接触型温度センサ98に対応した位置になるように、カートリッジ引き込み機構50にて検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、非接触型温度センサ98にて試薬セル205の表面温度(試薬R1の温度に相当)を検出し、この情報を取り込む。
【0056】
(10)試薬R1加温動作(図28(b)参照)
制御装置110は、非接触型温度センサ98からの検出温度に基づいて、非接触型温度センサ98の検出温度が加温目標温度(恒温槽80の恒温条件温度:例えば37℃)になるまで補助加温装置90による加温動作を行う。
この補助加温装置90による加温動作は、ヒータ95及び温度センサ96により、高温条件温度(例えば37℃)よりも高い温度(例えば70℃)になるように加温された加温ブロック91を駆動アクチュエータ97のオン動作にて加温位置に回動させ、非接触型温度センサ98の温度情報をモニタリングしながら、試薬R1(試薬セル205の表面温度)の温度が目標温度(恒温条件温度)に至るまで加温する。
このとき、ヒータ95は温度センサ96にて加温ブロック91が恒温条件温度(例えば37℃)よりも高い温度(例えば70℃)になるように加熱されているため、加温ブロック91による加温量は十分に大きく、その分、試薬R1の温度上昇率は、恒温槽80だけで加温される態様に比べて速い。
【0057】
特に、本実施の形態では、補助加温装置90の加温ブロック91は検査カートリッジ200の各セル202(検体セル203,試薬セル204〜206,反応セル207)に対応した凹所94を有し、各セル202を加温することが可能になるため、試薬セル205内の試薬R1のみならず、試薬セル206内の試薬R2、検体セル203内の検体、更には、反応セル207自体も補助的に加温される。
また、ノズルチップ210は補助加温されないので、後述するように、試薬R1を吸引するときに、ノズルチップ210の温度の影響を受けて試薬R1の温度が低下する懸念がある。
このような状況を有効に解消するには、自動分析装置20内の外気取り入れ付近に例えばサーミスタ等の環境温度センサを設け、環境温度に応じて加温目標温度を変化させるようにすることが好ましい。
例えば環境温度と加温目標温度との関係を以下のように設定することが挙げられる。
環境温度(℃) 加温目標温度(℃)
15 40
25 37
35 36
【0058】
(11)試薬R1吸引動作(図28(c)参照)
試薬R1が目標温度(恒温条件温度)に到達すると、制御装置110は、検体試薬分注機構70の分注位置に試薬セル205(試薬R1内蔵)が位置するようにカートリッジ引き込み機構50にて検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルチップ210にて試薬セル205のシール215部分を突き破り、試薬セル205内の試薬R1にノズルチップ210を浸漬させ、しかる後、試薬R1を所定量吸引する。
このとき、ノズルチップ210は試薬セル205のシール215部分を簡単に破砕することができ、しかも、ノズルチップ210が試薬セル205内に浸入したとしても、試薬セル205内が密封状態になる懸念はないため、ノズルチップ210による試薬R1の吸引動作は安定的に行われる。
【0059】
(12)試薬R1吐出動作(図28(d)参照)
この後、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて試薬セル205からノズルチップ210を上昇させた後に待機し、カートリッジ引き込み機構50にて反応セル207が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルチップ210にて反応セル207のシール215部分を突き破り、反応セル207内にノズルチップ210を挿入させた後に、反応セル207内に試薬R1を所定量吐出させる。
【0060】
(13)検体撹拌動作(図28(a)参照)
次いで、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて反応セル207からノズルチップ210を上昇させた後に待機し、カートリッジ引き込み機構50にてチップ保持孔208が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
そして、制御装置110は、図33(a)に示すように、結合解除機構75のゲート76を開くように駆動アクチュエータ77を駆動し、検査カートリッジ200のチップ保持孔208に検体試薬分注機構70のノズルチップ210を上方から挿入させ、しかる後、図33(b)に示すように、結合解除機構75のゲート76の開度を狭めるように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71とノズルチップ210との結合状態を解除し、ノズルヘッド71からノズルチップ210を一次取り外す。
この後、制御装置110は、ノズルヘッド71を所定位置まで上昇させて待機させ、カートリッジ引き込み機構50にて検体セル203が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、検体セル203にセットされた検体採取具300の保持部330の嵌合孔333にノズルヘッド71を圧入結合させた後に、検体採取具300を介して検体セル203内の検体を撹拌するようにする。
この検体撹拌動作は、例えばノズルヘッド71によるエアの吸引、吐出を繰り返すことにより、検体採取具300及び検体セル203内の検体に対し吸引、吐出を複数回行い、検体を撹拌する手法が採用されている。
そして、前記検体撹拌動作が終了すると、制御装置110は、結合解除機構75により検体採取具300の移動を拘束した状態でノズルヘッド71のみを上昇させ、ノズルヘッド71から検体採取具300を取り外すと共に、ノズルヘッド71を所定位置まで上昇させた後に待機させる。
【0061】
(14)検体バースト動作(図29(c)参照)
検体採取具300内の検体の撹拌動作後、図29(c)の測定位置に所定時間放置し、検体をバーストさせる。これにより、検体内の血球が均一に分散することになり、検体の均質化を確保することが可能である。
(15)検体吸引動作(図29(a)参照)
しかる後、制御装置110は、カートリッジ引き込み機構50にてチップ保持孔208が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させることによりノズルヘッド71にノズルチップ210を装着した後、ノズルヘッド71をノズルチップ210と共に上昇させ、所定位置にて待機させる。
この後、制御装置110は、カートリッジ引き込み機構50にて検体セル203が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、ノズルヘッド71と共に降下するノズルチップ210を検体セル203にセットされた検体採取具300内の検体に浸漬させ、所定量検体を吸引するようにする。
【0062】
(16)検体吐出動作(図28(d)参照)
この後、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて検体セル203にセットされた検体採取具300からノズルチップ210を上昇させた後に待機し、カートリッジ引き込み機構50にて反応セル207が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて反応セル207内にノズルチップ210を挿入させた後に、反応セル207内に検体を所定量吐出させる。
【0063】
(17)検体撹拌動作(図28(d)参照)
次いで、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルチップ210にて反応セル207内の検体と試薬R1とを撹拌するようにする。
この場合の撹拌動作は、例えば反応セル207内において検体及び試薬R1に対してノズルチップ210を浸漬させ、吸引、吐出を複数回行うことにより両者を撹拌するものである。尚、撹拌動作をより促進させるためにノズルチップ210を必要に応じて上下動させてもよいことは勿論である。
【0064】
(18)試薬R2吸引動作(図29(b)参照)
この後、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて反応セル207からノズルチップ210を上昇させた後に待機し、カートリッジ引き込み機構50にて試薬セル206(試薬R2内蔵)が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、ノズルチップ210にて試薬セル206のシール215部分を突き破り、検体試薬分注機構70にて試薬セル206内にノズルチップ210を挿入させた後に、試薬セル206内の試薬R2を所定量吸引するようにする。
【0065】
(19)試薬R2吐出動作(図28(d)参照)
この後、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて試薬セル206からノズルチップ210を上昇させた後に待機し、カートリッジ引き込み機構50にて反応セル207が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、検体試薬分注機構70にて反応セル207内にノズルチップ210を挿入させた後に、反応セル207内に試薬R2を所定量吐出させる。
(20)試薬R2撹拌動作(図28(d)参照)
次いで、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルチップ210にて反応セル207内の検体、試薬R1及び試薬R2を撹拌するようにする。
この場合の撹拌動作は、例えば反応セル207内において検体、試薬R1及び試薬R2に対してノズルチップ210を浸漬させ、吸引、吐出を複数回行うことにより全体的に撹拌するものである。尚、撹拌動作をより促進させるためにノズルチップ210を必要に応じて上下動させてもよいことは勿論である。
【0066】
(21)ノズルチップ排出動作
この後、制御装置110は、検体試薬分注機構70のノズルチップ210を上昇させた後に待機し、カートリッジ引き込み機構50にて検査カートリッジ200のチップ保持孔208が分注位置に位置するように検査カートリッジ200を移動させる。
この状態において、制御装置110は、図33(a)に示すように、結合解除機構75のゲート76を開くように駆動アクチュエータ77を駆動し、検査カートリッジ200のチップ保持孔208に検体試薬分注機構70のノズルチップ210を上方から挿入させ、しかる後、図33(b)に示すように、結合解除機構75のゲート76の開度を狭めるように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71とノズルチップ210との結合状態を解除し、検査カートリッジ200の元の位置に廃棄すべきノズルチップ210を戻すようにする。
このノズルチップ210の排出動作は、反応セル207内の検体、試薬の反応が未だ不安定である時間帯を利用して行うため、自動分析装置20の処理能力にはほとんど影響しない。
【0067】
(22)測定動作(図29(c)参照)
そして、制御装置110は、検査カートリッジ200の反応セル207が測定ステージMTに位置するように、カートリッジ引き込み機構50にて検査カートリッジ200を移動させる。
この後、制御装置110は、反応セル207が測定ステージMTに到達した状態で測定装置100による測定を所定時間(例えば1分〜5分)行う。
このとき、測定装置100は、発光素子101からの光を反応セル207内の検体と試薬との混合液に透過させ、その光変化を受光素子102にて検出すると共に、発光素子101自体の光変化を受光素子103にて検出し、反応セル207内の検体と試薬との反応変化を経時的に測定する。
【0068】
また、試薬R1の吸引、吐出の分注動作、試薬R2の吸引、吐出の分注動作、反応セル207内の撹拌等では、反応セル207は恒温槽80外に配置されるため、自動分析装置20内の環境温度の影響を受けて反応セル207内の温度が下がる懸念がある。このような状況をより正確に考慮する場合には、例えば自動分析装置20内の外気取り入れ付近に例えばサーミスタ等の環境温度センサを設け、環境温度に応じて恒温槽80の温度補正を行うようにしてもよい。
【0069】
(23)検査カートリッジ排出動作
この後、制御装置110は、図34に示すように、カートリッジ引き込み機構50にて検査済みの検査カートリッジ200をセットステージST側に戻すようにする。
(24)結果印刷動作
また、制御装置110は、測定装置100による測定結果をプリンタ部27にて印刷する。
この段階にて一つの検査カートリッジ200に対する所定の測定シーケンスが終了する。
【0070】
この後、制御装置110は、セットステージSTに未処理の検査カートリッジ200が存在することを確認の上、各検査カートリッジ200に対して一連の測定シーケンスを実行する。
具体的には、制御装置110は、例えば図6及び図7に示すように、カートリッジラック40の次のラックホルダ41に位置する検査カートリッジ200を検査初期位置ST1に設定した後、一連の測定シーケンスを行い、更に、次の検査カートリッジ200を検査初期位置ST1に設定した後に一連の測定シーケンスを実行する。
そして、全ての検査カートリッジ200について一連の測定シーケンスが終了すると、制御装置110は、表示ディスプレイ26に全検査が終了した旨の検査終了表示を行う。
この後、ユーザーは、自動分析装置20の扉22を開放し、カートリッジラック40から検査済みの検査カートリッジ200を廃棄すべきノズルチップ210及び検体採取具300と共に取り出し、廃棄するようにすればよい。
尚、本実施の形態では、試薬R1の分注、検体の分注、試薬R2の分注を順次行う測定シーケンスが採用されているが、これに限られるものではなく適宜選定して差し支えない。
【0071】
◎実施の形態2
図35は本発明に係る自動分析装置の実施の形態2の要部を示す説明図である。
同図において、自動分析装置20の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、ノズルチップ210を使用せずに検体採取具300(図36〜図38参照)でノズルチップを兼用するものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、検体採取具300は、実施の形態1と同様に、採取具胴体310、毛管部320及び保持部330を有するものであり、自動分析装置20は、検査カートリッジ200検体セル203に対して検体採取具300をセットし、検体採取具300で定量採取した検体を検体セル203内に取り込み、しかる後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71に検体採取具300を保持したままノズルチップとして利用し、検体セル203からの検体及び試薬セル205,206からの試薬(例えばR1,R2)を反応セル207へ分注するようになっている。
【0072】
次に、本実施の形態に係る自動分析装置の作動について説明する。
−検査カートリッジのセット操作−
ユーザーは、手動操作によって、検体採取具300にて自分の検体を採取し、例えば図12(a)(b)に示すように、検査カートリッジ200の検体セル203に検体採取済みの検体採取具300をセットする。
この状態において、自動分析装置20の扉22を開放した後、自動分析装置20のセットステージSTのカートリッジラック40に検査に必要な複数の検査カートリッジ200をユーザー操作側から見て右側から順にセットする。
―測定シーケンスの実行―
例えば図4に示すように、検査カートリッジ200のセット操作が終了した後、自動分析装置20の扉22を閉じ、しかる後、操作部23のスタートボタン24を操作すれば、測定シーケンスが自動的に実行される。
【0073】
(1)検体採取具による検体取り込み動作
セットステージSTにセットされた検査カートリッジ200は、検査初期位置ST1に設定された後、カートリッジ引き込み機構50にて検査ステージKTへと引き込まれる。
この状態において、制御装置110は、図36(a)(b)に示すように、結合解除機構75のゲート76を開くように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、検体採取具300の保持部330の嵌合孔333に圧入結合させる。
この状態で、制御装置110は、シリンジポンプ72を正圧にすることにより、ノズルヘッド71から検体採取具300内の毛管部320内の検体を検体セル203に吐出させ、この後、シリンジポンプ72の正圧、負圧を交互に切り替えることにより、検体採取具300を介して検体セル203内の希釈液Wと検体とを撹拌混合させる。
【0074】
(2)検体採取具をノズルチップとして利用
このように検体セル203内の希釈液Wと検体とが撹拌混合されると、制御装置110は、図37に示すように、結合解除機構75のゲート76を開いたままに保ちながら、シリンジポンプ72を正圧にしたまま検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を上昇させる。
この状態において、検体採取具300はゲート76の開口部を通過してノズルヘッド71と共に上昇し、以後廃棄可能なノズルチップとして利用される。
つまり、検体試薬分注機構70は、図37に示すように、ノズルヘッド71の先端にノズルチップとして兼用される検体採取具300を装着することになり、以後実施の形態1と略同様に作動する。
本実施の形態では、実施の形態1と略同様に、反応セル207に対して試薬R1の分注、検体の分注並びに試薬R2の分注が順次行われるようになっている。
ここで、検体分注時には、検体試薬分注機構70はノズルヘッド71を降下させ、検体採取具300を検体セル203内の検体に浸漬させて検体の撹拌を行った後に検体のバースト動作を行い、しかる後、検体を所定量吸引した後、ノズルヘッド71を上昇させて待機し、カートリッジ引き込み機構50にて反応セル207を所定位置に移動した後に、ノズルヘッド71を降下させて反応セル207内に検体採取具300を挿入配置し、検体採取具300に保持されていた検体を反応セル207に分注する。
また、試薬分注動作時には、検体試薬分注機構70はノズルヘッド71を降下させ、検体採取具300を試薬セル205又は206内の試薬(R1又はR2)に浸漬させて所定量吸引した後、ノズルヘッド71を上昇させて待機し、カートリッジ引き込み機構50にて反応セル207を所定位置に移動した後に、ノズルヘッド71を降下させて反応セル207内に検体採取具300を挿入配置し、検体採取具300に保持されていた試薬R1又はR2を反応セル207に分注する。
そして、検体試薬分注機構70は、反応セル207内に検体と試薬とが分注された後に吸引、吐出を繰り返すことで両者を撹拌混合し、測定装置100による測定過程へと移行する。
尚、本実施の形態では、試薬R1の分注、検体の分注、試薬R2の分注を順次行う測定シーケンスが採用されているが、これに限られるものではなく、例えばノズルチップとして兼用される検体採取具300にて撹拌された検体を吸引保持し、この状態で、更に、例えば空気層を介在させて検体採取具300に試薬R1を吸引保持し、反応セル207に試薬R1及び検体を略同時に分注した後に、試薬R2を分注するなど適宜設計変更して差し支えない。
【0075】
(3)検体採取具の取外し
検体試薬分注機構70による検体、試薬の分注動作が完了すると、制御装置110は、図38(a)に示すように、結合解除機構75のゲート76を開くように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を降下させ、検体セル203に検体採取具300を挿入配置する。
この後、制御装置110は、図38(b)に示すように、結合解除機構75のゲート76を閉じるように駆動アクチュエータ77を駆動させた後、検体試薬分注機構70のノズルヘッド71を上昇させ、ノズルヘッド71と検体採取具300との結合状態を解除し、ノズルヘッド71から検体採取具300を取外し、検体セル203に検体採取具300を戻す。
この後、測定装置100による測定過程が終了すると、制御装置110は、カートリッジ引き込み機構50にて検査済みの検査カートリッジ200を検体採取具300と共にセットステージSTへと戻す。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】(a)は本発明に係る検体採取具の概要を示す説明図、(b)は本発明に係る自動分析装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係る自動分析装置の代表的態様を示す説明図である。
【図3】(a)は図2に示す態様の自動分析装置の検体取り込み工程を示す説明図、(b)(c)は図2に示す態様の自動分析装置の検体分注工程を示す説明図である。
【図4】本発明に係る自動分析装置の実施の形態1の外観を示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る自動分析装置の内部構造の概要を示す説明図である。
【図6】実施の形態1に係る自動分析装置の平面模式図である。
【図7】検査カートリッジのセット、引き込み動作に伴う機構を示す説明図である。
【図8】(a)は実施の形態1で用いられる検査カートリッジの構成を示す斜視説明図、(b)はその正面説明図、(c)は同図(b)中C方向から見た矢視図である。
【図9】実施の形態1で用いられる検体採取具を示す斜視図である。
【図10】(a)は図9に示す検体採取具の平面図、(b)はその正面図である。
【図11】(a)は図10(a)中のA−A線断面説明図、(b)は図10(a)中B−B線断面説明図、(c)は(b)中C部詳細図である。
【図12】(a)は検査カートリッジへ検体採取具を保持する直前の状態を示す説明図、(b)は検査カートリッジへ検体採取具を保持した状態を示す説明図である。
【図13】(a)は図12(b)の断面説明図、(b)は(a)中B部詳細図である。
【図14】(a)は図13(a)中Y−Y線断面説明図、(b)は(a)中B部詳細図である。
【図15】実施の形態1で用いられるカートリッジ引き込み機構の一例を示す説明図である。
【図16】図15の平面説明図である。
【図17】図15の側面説明図である。
【図18】実施の形態1で用いられるカートリッジ引き込み機構の駆動系を示す説明図である。
【図19】図18の側面説明図である。
【図20】(a)はカートリッジ引き込み機構の動作過程を示す説明図、(b)はカートリッジ引き込み機構の位置規制例を示す説明図である。
【図21】実施の形態1で用いられる検体試薬分注機構の詳細を示す説明図である。
【図22】実施の形態1で用いられる検査ステージの測定周辺部に設けられる温度調整機構の構成例を示す説明図であり、(a)は補助加温装置が退避位置に位置する状態での全体斜視図、(b)は同図(a)中B方向から見た矢視図である。
【図23】実施の形態1で用いられる検査ステージの測定周辺部に設けられる温度調整機構の構成例を示す説明図であり、(a)は補助加温装置が加温位置に位置する状態での全体斜視図、(b)は同図(a)中B方向から見た矢視図である。
【図24】(a)は実施の形態1で用いられる恒温槽の斜視説明図、(b)はその側面説明図である。
【図25】(a)は図24(b)中A−A線断面説明図、(b)は測定ステージに検査カートリッジの反応セルがセットされた状態を示す説明図である。
【図26】(a)は実施の形態1で用いられる補助加温装置の退避状態を示す説明図、(b)は同補助加温装置の加温状態を示す説明図である。
【図27】実施の形態1で用いられる制御系を示す説明図である。
【図28】(a)〜(d)は実施の形態1に係る自動分析装置の動作過程を示す説明図(1)である。
【図29】(a)〜(c)は実施の形態1に係る自動分析装置の動作過程を示す説明図(2)である。
【図30】実施の形態1で用いられる自動分析装置のバーコード読取動作過程を模式的に示す説明図である。
【図31】(a)(b)は検体試薬分注装置のノズルヘッドと検体採取具との結合動作過程を示す説明図である。
【図32】検体試薬分注装置のノズルヘッドと検体採取具との離脱動作過程を示す説明図である。
【図33】(a)は検体試薬分注装置のノズルヘッドとノズルチップとの結合動作過程を示す説明図、(b)はその離脱動作過程を示す説明図である。
【図34】実施の形態1で用いられる自動分析装置の検査カートリッジ排出動作過程を模式的に示す説明図である。
【図35】実施の形態2で用いられる自動分析装置の要部を示す説明図である。
【図36】(a)(b)は検体試薬分注装置のノズルヘッドと検体採取具との結合動作過程を示す説明図である。
【図37】検体採取具をノズルチップとして利用する際の検体試薬分注装置の動作状態を示す説明図である。
【図38】(a)(b)は検体試薬分注装置のノズルヘッドと検体採取具としてのノズルチップとの離脱動作過程を示す説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1…採取具胴体,2…毛管部,3…保持部,5…検体採取具,10…検査カートリッジ,11…検体セル,12…試薬セル,13…反応セル,14…検体試薬分注手段,14a…ノズルヘッド,15…測定手段,16…シール部材,17…チップ保持部,18…ノズルチップ,19…カートリッジ移動手段,KT…検査ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体が収容される検体セル、試薬が収容される試薬セル及び検体、試薬が反応させられる反応セルを有し、検体試薬分注手段にて検体セル内の検体、試薬セル内の試薬を反応セルに分注し、検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置に用いられる検体採取具であって、
両端が開口する貫通して採取具胴体と、
この採取具胴体の一端側に設けられ且つ毛管現象にて検体が定量採取可能な毛管部と、
採取具胴体の他端側に設けられ、外側が検体セルに保持され且つ内側が検体試薬分注手段に結合可能な保持部とを備え、
検体試薬分注手段を用いて毛管部内の検体を検体セル内に吐出可能としたことを特徴とする検体採取具。
【請求項2】
請求項1記載の検体採取具のうち、検体試薬分注手段が検体又は試薬を吸引、吐出するためのノズルヘッドを有する自動分析装置に用いられる検体採取具において、
前記検体試薬分注手段のノズルヘッドに保持部を介して着脱可能に装着され、装着時に検体毎に着脱可能なノズルチップを兼用することを特徴とする検体採取具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の検体採取具において、
保持部は、その外周に複数のリブを突出配置し、リブ間に間隙部を形成したものであることを特徴とする検体採取具。
【請求項4】
請求項1又は2記載の検体採取具において、
毛管部は透明若しくは半透明部材にて形成されていることを特徴とする検体採取具。
【請求項5】
請求項1又は2記載の検体採取具を用いた自動分析装置。
【請求項6】
請求項5記載の自動分析装置において、
検体セル、試薬セル及び反応セルは検査カートリッジとして検査対象検体毎にまとめられていることを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の自動分析装置において、
検査カートリッジは検体セル、試薬セル及び反応セルの開口部位を穿孔可能なシール部材にて塞ぐものであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項6記載の自動分析装置において、
検体試薬分注手段が検体又は試薬を吸引、吐出するためのノズルヘッドを有し、このノズルヘッドにノズルチップを着脱可能に装着するものであり、
検査カートリッジは前記ノズルチップが保持されるチップ保持部を有することを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
検体が収容される検体セル、試薬が収容される試薬セル及び検体、試薬が反応させられる反応セルが含まれる検査カートリッジを用い、検査カートリッジの検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置において、
検査カートリッジの検体セルに保持される請求項1記載の検体採取具と、
検査ステージに検査前の検査カートリッジを搬入し、検査済のカートリッジを検査ステージから搬出するカートリッジ搬送手段と、
このカートリッジ搬送手段にて搬入された検査ステージ内の検査カートリッジに対し当該検査カートリッジの検体採取具にて採取された検体を検体セル内に吐出させた後、この検体セル内の検体と試薬セル内の試薬とを反応セル内に分注する検体試薬分注手段と、
この検体試薬分注手段にて分注された反応セル内の検体と試薬との反応を測定する測定手段とを備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
検体が収容される検体セル、試薬が収容される試薬セル及び検体、試薬が反応させられる反応セルが含まれる検査カートリッジを用い、検査カートリッジの検体と試薬との反応を自動分析する自動分析装置において、
検査カートリッジの検体セルに保持される請求項2記載の検体採取具と、
検査ステージに検査前の検査カートリッジを搬入し、検査済のカートリッジを検査ステージから搬出するカートリッジ搬送手段と、
このカートリッジ搬送手段にて搬入された検査ステージ内の検査カートリッジに対し当該検査カートリッジの検体採取具にて採取された検体を検体セル内に吐出させた後、検体セルに保持された検体採取具を検体セルから離脱させて着脱可能に保持し、この検体採取具をノズルチップとして用いることにより検体セル内の検体と試薬セル内の試薬とを反応セル内に分注する検体試薬分注手段と、
この検体試薬分注手段にて分注された反応セル内の検体と試薬との反応を測定する測定手段とを備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2008−76256(P2008−76256A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256529(P2006−256529)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(501315762)株式会社サカエ (18)
【Fターム(参考)】