説明

検出器用放射線ガイド、散乱放射線検出器

測定体積(1)と電気光学要素(3)との間の放射線経路用の、表面実装可能な放射線ガイド(10)は、放射線経路において測定体積(1)に向かう第1放射線界面(11)と、放射線経路において電気光学要素(3)に向かう第3放射線界面(13)と、第1放射線界面(11)と第3放射線界面(13)との間に第1放射線経路を形成する反射部分(14)とを有し、前記第1放射線経路は、前記測定体積(1)に合焦領域を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部に従う放射線検出器用放射線ガイドおよび散乱放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
散乱光検出器は、たとえば煙検出器であってよい。このような検出器は、放射線源、たとえばLED(発光ダイオード)、および放出された放射線を感知できる放射線センサを含む。2つの構成要素は、1つの実施形態において、放射線源からの直接放射線をセンサが受けるのを妨げるように、配置される。むしろ、センサによって受けられる放射線は、周囲大気中の粒子、たとえば煙粒子によって散乱された放射線である。周知の散乱光センサの不利な点は、放射線放射装置の側および感知装置の側にて開口数が小さいので信号が弱いために感度が悪いこと、または大きな開口が所望される場合に装置が大きくなること、のいずれかである。
【0003】
別の不利な点は、煙検出器それ自身の部分から散乱された光放出器由来の光が、検出器によって受けられ得、表面汚染および経年劣化によって変化し得るオフセットにつながることである。このような可変オフセットが、検出される煙の検出閾値を増大させた。
【0004】
大気中の煙(または概して、周囲流体中の散乱粒子)を検出する別の技術は、放射線源とセンサとの間の直系視野(鏡を含んでもよい)を確立し、散乱強度が、センサによって感知される信号を低下させるという効果を利用することである。これらのセンサにおいて、検出信号は非検出信号よりも弱い。感度を増大させるために、ある粒子濃度による、より大きな蓄積強度減退効果を達成するための長い光路が所望される。このような光路は、たとえば、鏡を用いる星形五角形様経路といった折畳み経路を与えることによって、延長されてよい。このことも、比較的嵩張った装置につながる。
【0005】
この技術に関する周知の先行技術文献は、米国特許第6778091B2号、米国特許第6756906B2号、英国公開特許第2389176A号、米国特許出願公開第2001/0038338A1号、米国特許第6107925号、英国公開特許第2342987A号、米国特許第5821866号、英国公開特許第2314618A号および欧州特許第0588232B1号である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、充分な感度の小サイズの散乱光検出器の構造を可能とすると同時に、検出される煙以外の部分から散乱される光由来のオフセットを低くする、放射線ガイドを提供することである。
【0007】
この目的は、独立請求項の特徴に従って達成される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態に向けられている。
【0008】
測定体積と電気光学要素との間の放射線経路用の表面実装可能な放射線ガイドが、放射線経路において測定体積に向かう第1放射線界面と、放射線経路において電気光学要素に向かう第3放射線界面と、第1放射線界面と第3放射線界面との間に第1放射線経路を形成する反射部分とを有し、この第1放射線経路は、この測定体積に合焦領域を与える。
【0009】
放射線ガイドは、嵩高い体であってもよく、透明材料から成ってもよい。表面実装が可能であることと、反射面を通して焦点を測定体積に与えることとの組合せが、同時に、大きな開口数と、それにもかかわらず全体が比較的小さい構造体とを与える。放射線ガイドは、同時に、電気光学要素および電気光学要素のボンドワイヤの保護部としての機能を果たしてもよい。
【0010】
好ましい実施形態において、光を直接的に第3放射線界面から受け、第2放射線経路を測定体積に向けさせる第2放射線界面が設けられてもよく、第2放射線経路は合焦領域をこの測定体積に与える。
【0011】
第2放射線経路を形成する第3放射線界面は、第1放射線経路によって受容され得ない光を受容するために、および光を測定体積に向けて導くために、使用することができる。このことも、装置のサイズを増大させる以上に、開口を増大させる。
【0012】
このような2つの放射線ガイドが設けられて、測定体積が双方の共通の合焦領域であるようにしてもよい。一方の放射線ガイドは放射線源に割当てられ、他方の放射線ガイドは放射線センサに割当てられる。これらは、直接放射線(これは反射された放射線を含む)が放射線源から放射線センサにまで達しないように配置されてもよい。
【0013】
測定体積と電気光学要素との間の放射線経路用の別の放射線ガイドは、回転楕円面の一部である凹状反射面を有する第1反射体を含む。反射体は、反射面の第1合焦領域が電気光学要素にあるように、電気光学要素に対して第1反射体を実装するように構成される。回転楕円面反射形状の一部の第2合焦領域は、測定体積または測定領域を規定してよい。このような2つの放射線ガイドが、1つの共通部分として形成されてよく、ここでも、これらの一方が他方から直接的に光を受けないように配置されてよい。
【0014】
散乱放射線検出器は、前述のように2つの凹状反射体を有してよく、双方の形状の共通焦点として測定体積を有し、それぞれの他の焦点において、放射線源および放射線センサがそれぞれ実装される。
【0015】
放物型反射体の実施形態は、反射体または反射体の少なくとも一部が、電気光学要素などの他の電気要素も有する表面上に実装可能であるように、表面実装可能であってもよい。しかし同様に、凹状反射体の一部またはすべてが、凹状筺体部によって形成されてもよい。
【0016】
放射線ガイドは、それぞれの焦点が可能な限り理想的であるように形成されてもよい。しかし同様に、放射線ガイドは、放射線収束領域が、特に測定体積で、放射線でさらすための、または放射線を集めるための規定面積または体積であるように規定される様式で、焦点が非理想的であるように成形されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】表面に実装される放射線ガイドの第1の実施形態を示す図である。
【図2】表面に実装される放射線ガイドの第2の実施形態を示す図である。
【図3】このような2つの放射線ガイドの配置を示す図である。
【図4】放射線ガイド、およびこの放射線ガイドの別の放射線ガイドとの可能性のある配置の、別の実施形態を概略的に示す図である。
【図5】共通体として形成された2つの放射線ガイドを示す図である。
【図6】散乱粒子検出器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して記載する。
概して、本明細書において同じ参照符号は、同じ特徴を記載する。本明細書に記載される特徴は、明確にそうでないと説明しない限り、および技術的な理由で互いを技術的に除外しない限り、互いに組合わせ可能であるとみなすべきである。
【0019】
図1は、放射線ガイド10の断面図である。放射線ガイド10は、電気光学要素3が同様に実装される実装表面4、たとえば回路基板に、足部17a,17bによって、放射線ガイド10が直接実装されてよいという点で、表面実装可能である。放射線ガイドは、測定体積1に向かう第1放射線界面11と、放射線源、たとえばLEDもしくはLEDチップ(非パッケージ)であってもよい、または、センサもしくはセンサチップ、たとえば赤外線センサであってもよい、電気光学要素3に向かう第3放射線界面13とを有する。参照符号14は反射面である。参照符号18は、第1界面11と第3界面13との間に延在し、反射面14を利用する第1光路を示す。
【0020】
放射線ガイド10は、嵩高い体の透明材料であってもよい。材料は、樹脂またはある種のガラスまたは他の成形用物質であってもよい。反射面14は、外側から反射物質で塗布されてよく、または未処理であってよい。そうすると、反射性は、光の入射角および材料特性に応じた、境界面での全反射性または部分反射性によってのみ与えられることになる。第3界面13、反射面14および第1界面11は、これらが第1合焦領域または収束領域を測定体積1に与え、第2合焦領域を電気光学要素3またはその活性部に与えるように、まとめて形成される。
【0021】
参照符号15は、反射面14の幾何学的形状によって規定される光軸を示す。特定の実施形態において、面14は、対称/回転軸としての軸15による回転楕円面または回転放物面の一部であってもよい。そうすると、光軸を含むあらゆる平面による反射面14の断面形状は、楕円線または放物線の一部になる。第1界面11の形状および位置に応じて、合焦領域および測定体積1は、光軸15上に、または光軸15の上方もしくは下方にあってよい。図1は、測定体積1が反射面14の光軸15の上方にある実施形態を示し、図2では測定体積が光軸15の下方にある。光軸は、多くの実施形態において、反射面14について規定できる限り、合焦領域(のうちの1つ)に位置してもよい各電気光学要素の有効部分を通って伸びる。
【0022】
第1光界面は、扁平/平面形状であってよい。光軸に対する第1光界面の傾斜角度に応じて、第1光界面は、合焦領域および測定体積1が光軸15の上方またはまさにその上またはその下方にあるように、光路を曲げる。しかし、光界面は概して、合焦領域が測定体積に現れるように成形されてよい。反射面14は、回転放物面または回転楕円面のものであってよい。第3界面13は、電気光学要素3との距離を保ってよい。しかしこれとは逆に、第3界面13は、電気光学要素3上に直接に、および場合によって実装表面4上に成形されてもよく、放射線ガイド10の第3放射線界面と電気光学要素3との距離は実質的にゼロである。距離が電気光学要素3と第3界面13との間で保持される場合、第3界面表面13は凹形状であってよい。光ビームの合焦を支持するために、第3界面13は部分的または局所的に凸形状であってよい。たいていのLEDチップなどの電気光学要素が非常に不均一な受信または放出特性を有する場合、第3界面13は、このような方向依存的不均一性を補償またはより小さくするような、特別な表面形状または構造を有してもよい。第3界面13は、電気光学要素3の活性領域を中心とする球様形状であってもよい。実装表面4に対する光軸15の角度αは、0°〜50°であってよい。
【0023】
図1に示されるような放射線ガイドは、測定体積1にて有効な放射線の、比較的大きな開口数または開口角度を許容するので、同時に、小さい構造サイズであるにもかかわらず、充分量の有効放射線が得られる。
【0024】
図2は、本発明のさらなる実施形態を示す。図2において、第1界面11、反射面14および第3界面13は、互いに、図1を参照して記載されるのと同じように構成されてよい。光軸15の角度αは、より大きくてよい。たとえば角度αは、20°〜60°であってよい。図2の実施形態は、測定体積1に向けられた第2放射線界面12を有する。第2放射線界面12は、直接的に第3界面13から、すなわち、反射面を介することなく、放射線を受ける。こうして、放射線ガイド10には、第1界面11、反射面14および第3界面13を利用する第1放射線路18に機能的に平行である第2放射線路19が形成される。第2放射線界面12および第3放射線界面13は、これらが電気光学要素3の活性領域と測定体積1との間で放射線を合焦するように、成形されてもよい。第2放射線界面12は、球形レンズの一部として成形されてよい。このようなレンズは、反射面14の光軸とは独立した独自の光軸を有するが、不図示である。レンズの形成部分は、レンズの光軸が通過するレンズ部分を含まないようにしてよい。
【0025】
この構造によって、測定体積1から見られる開口数は、ここでも、すなわち第2放射線界面12によってカバーされる角度範囲だけ、より大きくなる。こうして、より大きな放射線強度が測定体積1と電気光学要素3との間で伝えられ、構造サイズの実質的な増大がなくとも感度は向上する。開口がより大きいので、測定体積に関する選択性がより良くなる。
【0026】
図2は、測定体積が、反射面14の光軸15の下方にある実施形態を示す。概して、構造体は、放射線ガイド10のあらゆる部分が実装表面4から離れるよりも、測定体積1が実装表面4からさらに離れないようにしなければならない。
【0027】
第1放射線界面11は、光軸15の上方にあってよく、または光軸15の上方に部分を有してよい。第2放射線界面12は、光軸15の下方にあってもよく、または光軸15の下方に部分を有してもよい。第1界面11と第2界面12との間の移行部分は、所望される光構造体に応じて、円滑であってもよく、または表面のエッジ、もしくはステップであってもよい。
【0028】
図2において、放射線ガイド10は、電気光学要素3(センサまたは放射線源)と直接接触することが示される。放射線ガイド10は、電気光学要素3上に、および電気光学要素3の周囲に、成形されてもよい。そうすると、第3界面13は、自由にアクセス可能な表面として存在せず、実質的に電気光学要素3の活性領域の表面と一致する。
【0029】
概して、放射線ガイド10は、予め加工され、その後適切な手段によって実装位置内に実装されてもよい。実装は、たとえば放射線ガイド10を、回路基板表面上に接着させることによって、または適切な容器内にクランプ締めすることによって、なされてもよい。しかし同様に、放射線ガイド10は、現場で電気光学要素上に成形されてもよい。このため、基板/回路基板は、電気光学要素に対して放射線ガイド用の金型を適切に配置するための1以上のアライメント構造体を有してもよい。
【0030】
放射線ガイドは、電気光学要素上に、特に放出器または検出器上に、直接的または間接的に、付着、成形または鋳造されてもよく、電気光学要素それ自身は、規定されるアライメント手段および場合によって保持手段によって、電気光学要素を回路基板もしくは支持体の外側に、および/または回路基板もしくは支持体上に接続させることを可能とする電気端子、を提供する回路基板上に実装されてもよく、この保持手段は、電気光学要素および放射線ガイドが形成される回路基板と係合してよい。
【0031】
本明細書に記載されるような放射線ガイド用の金型のためのアライメント手段を有する電気光学要素のための回路基板もまた、本発明の一部である。同様に、記載されるような、電気光学要素のための配置部分および放射線ガイドのための配置部分を有する回路基板もまた、本発明の一部であり、この配置部分は好ましくは、この放射線ガイド用のアライメント手段を有する。アライメント手段は、1以上の凹部および/または突起部であってよく、これらは、(予め加工された)放射線ガイド10もしくはその金型の対応する突起部および/または凹部と係合するように構成される。回路基板は、煙検出器全体の回路基板であってよく、または電気光学要素、放射線ガイドおよび接点などの、煙検出器の部分のみを支持してよく、ならびに別のより大きな構造体に実装可能であってよい。
【0032】
さらに、本発明はまた、本明細書に記載されるような放射線ガイド、および電気光学要素を有する煙検出器要素を含む。この煙検出器要素は、好ましくは前述のように形成される、回路基板を有してもよい。
【0033】
図3は、側面図および平面図において、煙検出器などの散乱光検出器の配置を示す。2つの放射線ガイド10a,10bが設けられる。これらは、共通の焦点として測定領域1を有する。各放射線ガイドは、図1および図2に従って記載されるように形成されてもよい。平面図において、光軸は平行ではなく、180°よりも小さい角度βを含むことが示される。好ましくは、直接放射線(反射された放射線を含む)が放射線源から放射線センサにまで達しないように配置される。
【0034】
放射線ガイド10aは、放射線源3aに割当てられ、放射線ガイド10bは、放射線センサ3bに割当てられる。放射線センサ3bは、少なくとも放射線源3aによって放出される放射線または放射線の一部について、感知できる。ゆえに、放射線ガイド10aにおいて、放射線は、放射線源3aから第3界面13aを通して受けられ、反射面14aおよび第1界面11aを介して、および第2界面12aを介して、測定体積1に向けられる。測定体積1において、煙粒子などの散乱粒子の存在および量に応じて、光散乱が起こる。測定体積は第2放射線ガイド10bの合焦領域でもあるので、第2放射線ガイド10bの第1放射線界面11bおよび第2放射線界面12bに向けて散乱された放射線は、センサ3bに向けて合焦され、そこで感知される。
【0035】
角度βは概して、光学的考察下で、放射線が、直接的にではなく、または表面反射を介してではなく、周囲流体中の粒子での散乱を介してのみ、放射線源3aからセンサ3bにまで達することができるように、選択されてもよい。角度βは、この条件下で適切に選択されてもよい。角度βは、相対的に鈍角であってよい。角度βは、175°〜5°であってよい。
【0036】
参照符号31は、電気回路および電源を示す。電気回路および電源は、アナログ要素および/またはデジタル要素を含んでよい。参照符号32は、電気回路31と電気光学要素との配線を、および外部に向けての配線を表す。回路31の能力に応じて、外部に向かう信号は、多かれ少なかれ未処理のセンサ信号であってもよく、またはこれとは逆に、よく下処理された、および評価された信号であってよい。
【0037】
図4は、種々の他の実施形態を組合せて示す。図4は、図3の下部の平面図に類似の平面図である。2つの放射線ガイドが示されており、右側のものは図1および図2を参照して記載されるように形成される。参照符号40を有する左側のものは、別の様式で形成される。すなわち、左側のものは、回転楕円面に従う凹形状である。このような形状は2つの焦点を有する。それらの一方はここでも測定体積1である。それらの他方は、大幅に、反射体40によって囲繞される。電気光学要素は、この焦点に実装される。反射面は、このように形成された空洞を有する基体の凹面である。測定体積1に向かう回転楕円面反射体の端点または線41および42は、放射線が、散乱を介してのみ、放射線源3aから放射線センサ3bにまで達することができるように、およびセンサ3bに向かう散乱強度の遮蔽が回避されるように、選択される。
【0038】
凹状反射面を与える基体は、表面実装が可能であってもよい。同様に、2つの基体が、所望される形状全体を形成するのにまとめて置かれてよい。下半分は、実装面それ自身の表面部分であってよく、その上に、凹状反射面の上部を与えるためのキャップ状部材が実装される。放射線ガイド40または上述のキャップは部分的に、センサ全体の外部カバーにおける凹部によって形成されてもよい。
【0039】
図4の放射線ガイド40において、電気光学要素に割当てられる焦点は、その周囲が反射体によって60%超も囲繞されてもよく、一方、測定体積の焦点は60%未満で囲繞される。
【0040】
これまで、煙検出器の用途を記載した。しかし、概して、測定原理は、流体によって運ばれる粒子、または流体中に存在する粒子、による散乱を利用する他の検出のために使用されてよい。さらに、達成可能な強度または必須の強度などの考察に応じて、最初に言及した2つの測定原理の一方または他方、すなわち、散乱強度を測定すること、または直接伝送された強度の減退を測定すること、が利用されてもよい。前者の場合、放射線源から放射線センサまでの直接放射線が、繰返し言及されるように、回避されなければならないが、後者の場合、そのような経路が確立されなければならない。
【0041】
図5は、放射線源3aおよび放射線センサ3bの双方について、放射線ガイド40a,40bが図4の左側に従って形成される実施形態を示す。これに加えて、2つの放射線ガイドは結合体または共通体として形成される。参照符号40aは一方の放射線ガイドを、参照符号40bは他方の放射線ガイドを示す。一方は放射線源3aに割当てられ、他方は放射線センサ3bに割当てられる。測定体積1は、2本の光軸45a,45bの交点にある。
【0042】
反射面はここでも、散乱放射線強度を利用する場合、このような散乱強度のみがセンサに達することができるように、制限されなければならない。
【0043】
図6は、散乱強度検出器を示す。散乱強度検出器は、監視される部屋の天井5に実装される煙検出器であってよい。参照符号61は、流体透過性であり、かつ煙粒子透過性であるが、誤検出を回避するために所望される限り、光遮蔽特性を有するカバーである。参照符号4は、実装表面であり、概略的に示されるのは、図3、図4または図5に示されるのと同じように配置された、2つの放射線ガイド10,40である。
【0044】
実装部17a,17bは、放射線ガイド10が実装表面4に所定の姿勢で実装されるように、形成される。実装部17a,17bは、実装表面に放射線ガイドを適切に配置するためのアライメント突起部を有してもよい。放射線ガイド10の外側は、外部放射線が放射線ガイドに入ることを回避するために、ゆえにエラーを生じさせる可能性を回避するために、光遮蔽物質によってカバーされてよい。光遮蔽の下方に、反射面14を与えるための反射層が設けられてよい。
【0045】
使用される放射線は、可視放射線であってよく、または赤外放射線であってよい。放射線センサおよび放射線源の周波数特性は、少なくとも部分的に一致する。さらに、放射線ガイド10は、利用される波長について充分に透明である材料から成る。
【0046】
1つの放射線ガイドの最大線形延長は、30mm、好ましくは20mmであってもよい。筺体を含む検出器全体の最大線形延長は、8cm未満、好ましくは6cm未満であってもよい。
【0047】
実装表面4は、電気光学要素3も実装される、あらゆる種類の適切な回路基板、場合によってプリント回路基板であってよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定体積(1)と電気光学要素(3)との間の放射線経路用の、表面実装可能な放射線ガイド(10)であって、
放射線経路において測定体積(1)に向かう第1放射線界面(11)と、
放射線経路において電気光学要素(3)に向かう第3放射線界面(13)と、
第1放射線界面(11)と第3放射線界面(13)との間に第1放射線経路を形成する反射部分(14)とを有し、
前記第1放射線経路は、前記測定体積(1)に合焦領域を与えることを特徴とする放射線ガイド(10)。
【請求項2】
実装表面(4)上で所定の姿勢でガイド(10)を固定する固定手段(17a,17b)を有することを特徴とする請求項1記載の放射線ガイド(10)。
【請求項3】
透明なプラスチック材料を含む、もしくは透明なプラスチック材料から完全に成る、および/または好ましくは射出成形、トランスファ成形もしくは鋳造によって形成される、成形体もしくは鋳造体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の放射線ガイド(10)。
【請求項4】
反射部分(14)が、好ましくは反射材料が塗布されていない放射線ガイド体の表面の一部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項5】
電気光学要素(3)上に鋳造または成形されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項6】
反射部分(14)の光軸(15)が、実装表面(4)に対して傾いていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項7】
放射線経路において測定体積(1)に向かう第2放射線界面(12)を有し、
放射線が、第2放射線界面(12)と第3放射線界面(13)との間の第2放射線経路上を直接的に進み、第2放射線経路が、前記測定体積(1)に合焦領域を与えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項8】
第1放射線経路が第3合焦領域を第3放射線界面(11)付近に与えることを特徴とする請求項7記載の放射線ガイド(10)。
【請求項9】
第2放射線経路が合焦領域を前記第3合焦領域に与えることを特徴とする請求項8記載の放射線ガイド(10)。
【請求項10】
反射部分(14)が楕円の少なくとも一部の断面形状を有し、第1放射線界面(11)が直線の断面形状を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項11】
反射部分(14)が放物線の少なくとも一部の断面形状、または直線をたどる断面形状を有し、第2放射線界面(12)がレンズの断面形状を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項12】
実装表面(4)に対して垂直な方向に見て、第1放射線界面(11)および第2放射線界面(12)が、光軸(15)の異なる側に部分を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項13】
第1放射線界面(11)が、第2放射線界面(12)よりも実装表面(4)から離れていることを特徴とする請求項7記載の放射線ガイド(10)。
【請求項14】
光軸(15)が実装表面(4)に対して0°〜50°の傾斜角度を有することを特徴とする請求項6記載の放射線ガイド(10)。
【請求項15】
第3放射線界面(13)が、電気光学要素(3)、特に放射線センサまたは放射線源を内部に収容する凹形状の表面部(16)を有することを特徴とする請求項7記載の放射線ガイド(10)。
【請求項16】
第3放射線界面が、電気光学要素(3)に、特に放射線センサまたは放射線源に当接することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項17】
電気光学要素上に、特に放出器または検出器上に、直接的または間接的に、付着、成形または鋳造され、電気光学要素自身は、電気光学要素を外側に接続させることを可能とする電気端子を提供する回路基板上に実装されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の放射線ガイド。
【請求項18】
好ましくは請求項1〜17のいずれか1項に記載の、測定体積(1)と電気光学要素(3)との間の放射線経路用の放射線ガイド(10)であって、
第1放射線界面(11)と第3放射線界面(13)との間の第1放射線経路と、第2放射線界面(12)と前記第3放射線界面(13)との間の第2放射線経路とを含み、
第1放射線経路が、第1放射線界面(11)と第3放射線界面(13)との間に反射部分(14)を有し、
第2放射線経路が、第1放射線界面(11)と第3放射線界面(13)との間に反射部分を有さず、
双方の放射線経路が、放射線ガイド(10)の外側にて放射線経路の両側に合焦領域を与えるように形成され、第1放射線経路および第2放射線経路の対応する合焦領域が一致することを特徴とする放射線ガイド(10)。
【請求項19】
好ましくは可視波長範囲(400nm〜800nm)の、および/または好ましくは1200nmまでの、場合によってより大きい波長のIR領域の、光放射線を案内するように構成されており、
最大線形延長が50mm未満、好ましくは30mm未満であり、
散乱放射線検出器用に、特に煙検出器用に、製造され、
1以上の放射線界面(11,12,13)が、放射線ガイド(10)の基体の表面部分(14)であり、
反射部分(14)が、少なくとも部分的に、光軸(15)周りの回転対称を有する形状の一部であり、
実装表面(4)がプリント回路基板である、
という特徴のうちの1以上の特徴を有する請求項1〜18のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10)。
【請求項20】
測定体積(1)と電気光学要素(3)との間の放射線経路用の放射線ガイド(40)であって、
回転楕円面の一部である、凹状反射面を有する第1反射体であって、反射面の第1合焦領域が電気光学要素(3)にあるように、電気光学要素(3)に対して第1反射体を実装するように構成される第1反射体を有することを特徴とする放射線ガイド(40)。
【請求項21】
第1反射体の光軸(45)を通る断面において、前記第1合焦領域が、前記反射体によって周囲の60%超も囲繞され、第2合焦領域が60%未満で囲繞されることを特徴とする請求項20記載の放射線ガイド(40)。
【請求項22】
実装表面(4)に放射線ガイド(40)を実装するための実装部を有することを特徴とする請求項20または21記載の放射線ガイド(40)。
【請求項23】
回転楕円面の一部である第2凹状反射面を有する第2反射体(40b)であって、第2反射面のさらなる合焦領域が第2電気光学要素(3b)にあるように、第2電気光学要素(3b)に対して第2反射体(40b)を実装するように構成される第2反射体(40b)を有し、第1反射体(40a)および第2反射体(40b)が一体物として形成されることを特徴とする請求項20〜22のいずれか1項に記載の放射線ガイド(40)。
【請求項24】
放射線源(3a)と、
散乱物質を運ぶことができる流体にアクセス可能な測定体積(1)と、
放射線センサ(3b)と、
測定体積(1)と放射線源(3a)および放射線センサ(3b)の少なくとも1つとの間の、請求項1〜23のいずれか1項に記載の放射線ガイド(10,40)と、
上述の要素を収容する筺体(4,61)とを有することを特徴とする散乱放射線検出器、好ましくは煙検出器。
【請求項25】
測定体積(1)と放射線源(3a)との間の、請求項1〜20のいずれか1項に記載の第1放射線ガイド(10a,40a)と、測定体積(1)と放射線センサ(3b)との間の、請求項1〜20のいずれか1項に記載の第2放射線ガイド(10b,40b)とを有することを特徴とする請求項24記載の検出器。
【請求項26】
放射線センサ(3b)に割当てられる放射線ガイド(10b,40b)は、測定体積(1)に向かう放射線ガイド(10b,40b)の光界面(11,12,41)が、放射線源(3a)に割当てられる放射線ガイド(10a,40a)によって与えられる前記測定体積(1)の開口角度内に位置しないように配置されることを特徴とする請求項23記載の検出器。
【請求項27】
双方の放射線ガイド(10a,10b)が、請求項1〜19のいずれか1項に従って形成されることを特徴とする請求項25または26記載の検出器。
【請求項28】
一方の放射線ガイド(10)が請求項1〜19のいずれか1項に従って形成され、他方の放射線ガイド(40)が請求項20〜22のいずれか1項に従って形成されることを特徴とする請求項25または26記載の検出器。
【請求項29】
双方の放射線ガイド(40a,40b)が、請求項20〜23のいずれか1項に従って形成されることを特徴とする請求項25または26記載の検出器。
【請求項30】
電気光学要素(3)と放射線ガイド(10,40)との間に補助的な放射線ガイドを有することを特徴とする請求項24〜29のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項31】
電気光学要素(3)および放射線ガイド(10)が実装される回路基板を有することを特徴とする請求項24〜30のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項32】
少なくとも1つの放射線ガイド(10,40)またはその一部が、筺体(61)の一部の部分として、好ましくは筺体(61)の一部と一体化して、形成されることを特徴とする請求項24〜31のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項33】
電気光学要素のための配置部分と、請求項1〜19のいずれか1項に記載の放射線ガイド用の金型のためのアライメント手段とを有することを特徴とする回路基板。
【請求項34】
電気光学要素のための配置部分と、請求項1〜19のいずれか1項に記載の放射線ガイドのための配置部分とを有し、配置部分が前記放射線ガイド用のアライメント手段を有することを特徴とする回路基板。
【請求項35】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の放射線ガイドと、電気光学要素とを有することを特徴とする煙検出器要素。
【請求項36】
回路基板を有することを特徴とする請求項35記載の要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−539498(P2010−539498A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525258(P2010−525258)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007898
【国際公開番号】WO2009/036988
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(505411424)パーキンエルマー テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コー. カーゲー (10)
【氏名又は名称原語表記】PerkinElmer Technologies GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Wenzel−Jaksch−Strasse 31, Wiesbaden Germany
【Fターム(参考)】