説明

検出器

【課題】検出器において、構造的に簡潔な手段で特に高速検出を達成させる。
【解決手段】少なくとも1つの光電面(9)を備えた光電性アレイ(1)を備え、光路内において光電性アレイ(1)の前方に、スペクトル分割された光を光電性アレイ(1)に合焦させるための合焦手段が配置されている検出器において、合焦手段が少なくとも1つのマイクロレンズ(8)を備えたマイクロレンズアレイ(2)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの光電面を備えた光電性アレイを備え、光路内において光電性アレイの前方に、スペクトル分割された光を光電性アレイに合焦させるための合焦手段が配置されている検出器、特に顕微鏡において光をスペクトル検出するための検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べた種類の検出器は実用面から知られており、たとえば共焦点顕微鏡においてスペクトル検出するために使用される。この場合、共焦点顕微鏡の検出ピンホールの後で光はレンズによりコリメートされ、コリメートされた光はたとえば格子、プリズムまたはホログラム等の発散要素においてスペクトル分割され、スペクトル分割された光はレンズを用いてたとえばCCDアレイのような光電性アレイに合焦される。
【0003】
しかしながら、公知のシステムにおいて問題なのは、スペクトル分割方向においてもこれに対し垂直な方向においても、達成可能なスポット径が(共焦点ピンホールのサイズに依存して)典型的には100μmないし600μmのオーダーにあることである。このオーダーは通常の光電性アレイの個々のピクセルのサイズを何倍も上回るものである。この欠点に対処するため、基本的には、より大きなピクセルを使用するか、或いは、個々のスポットを読み込むために複数個のピクセルを使用することが可能である。しかしながら両方ともスポット1個あたりに必要な読み込み時間、すなわち1つの検出波長につき必要とする読み込み時間が異常に長くなり、その結果ほとんどの目的に対し検出速度が遅すぎてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、冒頭で述べた種類の検出器、分光計、顕微鏡において、構造的に簡潔な手段で特に高速検出を達成させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、合焦手段が少なくとも1つのマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイであることによって解決される。
【0006】
本発明によれば、まず、スペクトル検出においても慣用の光電性アレイを用いれぱ高検出速度を達成できるという認識に至った。このため、本発明によれば、スペクトル分割された光を光電性アレイに合焦させるための手段として、少なくとも1つのマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイが使用される。マイクロレンズを使用することによって、個々の検出波長または個々の検出波長範囲を個々のピクセルに合焦させることが可能である。したがって、個々の検出波長または個々の検出波長範囲を検出するには、個々の1つのピクセルのみを読み取ればよい。
【0007】
その結果、本発明による検出器により、構造的に簡潔な手段で高速検出を達成した検出器が得られる。
【0008】
具体的には、光電性アレイはCCDアレイまたはAPD(Avalanche Photo Diode)アレイである。CCDアレイは今日では大量生産品であり、たとえばデジタルカメラ等で大量に使用される。これに対しAPDアレイは使用範囲がはるかに狭く、研究所で使用されているにすぎない。CCDアレイの場合占有率または充填率はほとんどの場合100%であり、すなわち個々の光電面の間にはギャップまたは隙間がない。APDアレイの場合にはこの種のギャップが個々の光電面の間にあり、ギャップの大きさは約150μm或いはそれ以上のことがある。
【0009】
CCDアレイでは、発生した電荷は1つのピクセルから次のピクセルへバケツリレーのごとく搬送される。この場合電荷の読み取りと信号の増幅とはシーケンシャルに行なわれる。これに対してAPDアレイでは、誘導された電荷がこの電荷を発生させたピクセルで増幅され、読み取られる。
【0010】
CCDアレイでは、読み取りサイクルの間、1個のピクセルにつき複数個の光子を加算させることができる。この場合、最大光子数はピクセルの面積に依存している。APDアレイの場合には、1個のピクセルにつき個別光子演算(Einzelphotonenzaehlung)が行なわれる。この場合の最大光子計数率はAPDのデッドタイムに依存しており、1秒あたり5百万回のカウントのオーダーである。
【0011】
1000×1000以上のピクセルアレイはCCDアレイにおいて慣用されている。この場合、ピクセルサイズは5μmと20μmの間にある。APDアレイの場合、最近では最大64×64のピクセルアレイが使用できる。この場合、通常のピクセルサイズは20μmと150μmの間にある。
【0012】
CCDアレイの作動時には、ダークノイズを減少させるための強力な冷却が必要である。APDアレイの場合には、冷却またはペルチエ冷却の必要はほとんどない。
【0013】
スペクトル分割された光の特に高速の検出と特に確実な検出とを保証するため、マイクロレンズアレイはスペクトル分割方向と好ましくはこれに加えてスペクトル分割方向に対し垂直な方向とに合焦させるために形成されている。これにより特に大きな空間範囲または平面範囲が検出器によりカバーされる。
【0014】
具体的には、マイクロレンズアレイは2次元のマイクロレンズアレイである。これにより所望の空間範囲または平面範囲の確実なカバーが保証されている。
【0015】
マイクロレンズはたとえば屈折率分布型レンズ(GRIN)である。したがって、マイクロレンズは少なくとも1つの屈折率分布型レンズを有していてよい。
【0016】
特に有利なレンズは球面レンズである。したがって、マイクロレンズは少なくとも1つの球面レンズを有していてよい。特に有利な構成では、マイクロレンズは球面レンズだけから構成されていてよい。この場合、1個のマイクロレンズまたは複数個のマイクロレンズは球面アパーチャーを有していてよい。
【0017】
スペクトル分割された光の特に高速の検出と特に確実な検出とに関しては、マイクロレンズは、好ましくはスペクトル分割方向に合焦させるマイクロシリンドリカルレンズアレイと、スペクトル分割方向に対し垂直な方向に合焦させる少なくとも1つのシリンドリカルレンズとの組み合わせを有していてよい。基本的には、少なくとも1つのシリンドリカルレンズは単体のシリンドリカルレンズ、マイクロシリンドリカルレンズ、棒状レンズ、またはこの種のレンズから成るアレイであってよい。少なくとも1つのシリンドリカルレンズを選択する場合には、それぞれの使用例を考慮する必要がある。
【0018】
基本的には、両空間方向での焦点はそれぞれ光電性アレイ上にあることに留意すべきである。特にこのため、複数個のマイクロレンズは、前記両方向への合焦のため、異なる焦点距離を有していてよい。特にこの場合には、マイクロレンズは前記両方向に対し構成的に特に簡潔に同じ基板上に配置されていてよい。これにより操作が特に簡単なマイクロレンズアレイが実現される。この場合、マイクロレンズは前記両方向に対し基板の異なる側に配置されていてよい。
【0019】
光電性アレイを非対称な光学的解像度に適合させるため、マイクロレンズアレイは非対称レンズを有していてよく、この場合も(一般的にも)マイクロレンズアレイは1つのアレイ、または1つのライン、または1つの単体レンズから構成されていてよい。
【0020】
マイクロレンズアレイは交差した2つのレンズアレイまたはシリンドリカルレンズアレイの組み合わせを有していてよい。
【0021】
操作が特に簡単なマイクロレンズアレイを実現するため、前記両方向のためのレンズアレイまたはシリンドリカルレンズアレイまたはマイクロレンズは同じ基板に配置されていてよい。さらに有利な態様では、前記両方向のためのレンズアレイまたはシリンドリカルレンズアレイまたはマイクロレンズは基板の異なる側に配置され、たとえば基板の前面および背面に配置されていてよい。
【0022】
構造的に特に有利な構成では、マイクロレンズアレイは好ましくは気密封止用の窓として、特に真空封止用の窓として、低温CCDまたはAPDのために利用されている。
【0023】
有利には、スペクトル分割方向におけるマイクロレンズアレイの個々のマイクロレンズのレンズサイズが適当な波長でのその都度のスペクトル分解能に適合しているのがよい。これにより、たとえば発散要素としてプリズムを使用した場合に発生する非線形スペクトル分割を補正することができる。
【0024】
さらに有利な態様では、個々のマイクロレンズを個別に調節(適合)することにより色収差を補正することができる。
【0025】
本発明による検出器の場合、マイクロレンズを使用することにより、光電性アレイの個々の受光ピクセルの間に、付加的な機能および/または付加的な部材のために利用できる空間が提供されるのが有利である。たとえば、マイクロレンズにより生じる、光電性アレイの受光ピクセル間の空間は、少なくとも1つのスライドレジスタを配置するために利用されてよい。さらに、これとは択一的に、前記空間は、光が多すぎる場合のピクセル間のクロストークを阻止する少なくとも1つのブルーミング防止バリアーを配置するために利用することができる。
【0026】
さらに、これとは択一的に、または、これに加えて、前記空間は、検出面内部に異なるピクセルを付加するために利用することができる。前記空間の他の利用可能性は散乱光の吸収である。このため、前記空間内に適当な吸収手段を配置することができる。
【0027】
マイクロレンズアレイは透過率を高めるために表面コーティングされていてよい。これとは択一的に、または、これに加えて、マイクロレンズアレイは散乱光の吸収率または減少率を高めるため好ましくは局部的に表面コーティング部を有していてよい。
【0028】
操作が特に簡単な検出器を実現するため、マイクロレンズアレイは光電性アレイ上に塗付、蒸着、または型押しされていてよい。これにより、マイクロレンズの機能性と光電性アレイの機能性とを兼ね備えた単体部材が実現される。
【0029】
光電性アレイは、基本的には、1つのマイクロレンズを備えた単一の光電性受光ピクセルから構成することができる。有利な実施態様では、光電性アレイはCCDラインアレイまたはAPDラインアレイ、或いは、2次元のCCDアレイまたはAPDアレイを有している。この場合、それぞれの使用例とデータ処理する際の望ましい快適性とに適合させる必要がある。
【0030】
特に有利な構成では、光電性アレイは並列に配置された複数個のCCDまたはAPD、或いは、好ましくは前景照射型の複数個のEMCCDを有している。基本的には、背景照射型EMCCDも前景照射型EMCCDも使用することができる。背景照射型EMCCDの基本的な利点は、光が光電面に当たる前に光がEMCCDチップのゲート構造を通過する(通常は検出ロスと関連している)必要がないので、量子効率がより高いことである。背景照射型EMCCDの欠点は、薄いために製造と操作が困難なことである。本発明による検出器を使用することにより、EMCCDチップの前面に、光電面を必要としない空間が提供される。光電面を必要としないのは、マイクロレンズアレイが選択されたチップ領域にのみ光を合焦させるからである。この空間をゲート構造のために利用できるので、光電面上方にゲートを配置する必要がなくなる。したがって、製造と操作が簡単で、しかも量子効率が高い前景照射型EMCCDを使用することが可能である。この場合、量子効率は通常の背景照射型EMCCDの範囲である。
【0031】
本発明の前記課題は、請求項1から28までのいずれか一つに記載の検出器を備えた分光計によっても解決される。
【0032】
さらに、本発明の前記課題は、請求項1から28までのいずれか一つに記載の検出器を備えた顕微鏡、特に共焦点型顕微鏡または半共焦点型顕微鏡によって解決される。この場合、顕微鏡は単体の検出ピンホールまたはマルチスポットスキャナーまたはラインスキャナーを有していてよい。換言すれば、本発明による検出器は、単体の検出ピンホールを備えた共焦点顕微鏡にも、マルチスポットスキャナーまたはラインスキャナーを備えた共焦点型顕微鏡または半共焦点型顕微鏡にも使用することができる。マルチスポットスキャナーの場合には、スペクトル分割方向に対して垂直に配置されるシリンドリカルレンズまたはマイクロレンズの数量は通常スポットの数量に対応させることができる。
【0033】
ラインスキャナーの場合には、通常、スペクトル分割方向に対し垂直に配置されるシリンドリカルレンズまたはマイクロレンズを設ける必要はない。スペクトル分割方向に対し垂直な光電性ピクセルの数量は1つのスキャンラインあたりのピクセルの数量に相当している。
【0034】
いわば、本発明による検出器により、分光計および顕微鏡、特に共焦点型顕微鏡と連動して、或いは、マルチスポットスキャナーまたはラインスキャナーと連動して使用することのできるマイクロレンズCCDまたはマイクロレンズAPDおよび好ましくはマイクロレンズEMCCDが提供される。
【0035】
特許請求の範囲の対象である分光計または顕微鏡と関連した、本発明による検出器の特殊な構成による利点に関しては、重複を避けるため、この利点に関し前述した説明を参照してもらいたい。
【0036】
なお、本発明の解決手段を有利に構成し改変する種々の可能性がある。これに関しては、特許請求の範囲と、図面を用いた、本発明の解決手段の有利な実施形態に関する以下の説明とを参照してもらいたい。図面を用いた、本発明の解決手段の有利な実施形態に関する説明と関連して、本発明の解決手段の一般的に有利な構成をも説明することにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1は本発明による検出器、特に顕微鏡内の光をスペクトル検出するための検出器の1実施形態の概略図である。検出器は少なくとも1つのCCDを備えたCCDアレイ1を有し、光路内においてCCDアレイ1の前方には、スペクトル分割した光をCCDアレイ1に合焦させるための手段が配置されている。特に高検出速度を考慮して、前記手段は少なくとも1つのマイクロレンズを備えたマイクロレンズ装置2を有している。この実施形態と以下の実施形態では、CCDアレイ1の代わりにAPDアレイを使用してもよい。
【0038】
図1に図示した実施形態の場合には、プリズム5によりスペクトル分割した2つの光束3,4をCCDアレイ1に合焦させる。光路内においてプリズム5の前方には検出用アパーチャープレート6が配置されている。
【0039】
図2は本発明による検出器の他の実施形態の概略図であり、ここではラインスキャナーが使用されている。さらに、光路内において、光束3と4を発生させるプリズム5の前方には、検出用スリットプレート7が配置されている。
【0040】
図3と図4と図5にはそれぞれ、個々のマイクロレンズ8を備えたマイクロレンズアレイが図示されている。マイクロレンズ8は同じ基板の前面と背面に配置されている。図3ないし図5に図示した個々の実施形態はマイクロレンズ8の配置の点で異なっている。それぞれのマイクロレンズ8には、スライドレジスタ10を備えたCCDピクセル9が付設されている。なお、図において破線で示したのは、それぞれ1つのマイクロレンズ8に属する検出面11である。
【0041】
図3に図示した実施形態の場合には、同じ大きさのマイクロレンズ8がスペクトル分割方向に沿って等間隔で配置されている。図4に図示した実施形態の場合には、マイクロレンズ8の大きさはスペクトル分割方向に沿って増大しており、これはたとえばプリズム5において非線形分散が生じた場合にこれに最適に適合させるためである。CCDピクセル9の間隔も対応的に増大している。
【0042】
図5に図示した実施形態の場合には、スペクトル分割方向に垂直に複数個のCCDピクセル9が配置されている。その結果、基板の上面と下面にマイクロレンズ8を備えたマイクロレンズアレイ2に適宜適合させることができる。
【0043】
図6は、本発明による検出器によって露出した中間空間を電子的電荷加算法に利用する態様を示している。ここではそれぞれ2つのCCDピクセル9にそれぞれ1つの検出面11が付設されている。
【0044】
図7はCCDアレイとAPDアレイの構造を比較したものである。
【0045】
本発明による検出器の他の有利な構成に関しては、重複を避けるため、本明細書の課題を解決するための手段の欄と特許請求の範囲を参照してもらいたい。
【0046】
なお、上述の実施形態は特許請求の範囲に記載の解決手段を詳細に説明するためのものにすぎず、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】スペクトル検出光路内に設置された本発明による検出器の1実施形態の概略図である。
【図2】スペクトル検出光路内に設置された本発明による検出器の他の実施形態の概略図である。
【図3】基板の両側にシリンドリカルレンズを配置したマイクロレンズアレイの1実施形態の概略図である。
【図4】基板の両側にシリンドリカルレンズが配置され、スペクトル分割方向に沿ってマイクロレンズのサイズが大きくなっているマイクロレンズアレイの1実施形態の概略図である。
【図5】基板の両側にシリンドリカルレンズを配置したマイクロレンズアレイの他の実施形態の概略図である。
【図6】CCDアレイで電子的電荷加算を実施するために露出した中間空間の利用態様の1例を示す概略図である。
【図7】CCDアレイとAPDアレイを比較した概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1 CCDアレイ
2 マイクロレンズ装置
3 光束
4 光束
5 プリズム
7 検出用スリットプレート
6 検出用アパーチャープレート
8 マイクロレンズ
9 CCDピクセル
10 スライドレジスタ
11 検出面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光電面(9)を備えた光電性アレイ(1)を備え、光路内において光電性アレイ(1)の前方に、スペクトル分割された光を光電性アレイ(1)に合焦させるための合焦手段が配置されている検出器において、
合焦手段が少なくとも1つのマイクロレンズ(8)を備えたマイクロレンズアレイ(2)であることを特徴とする検出器。
【請求項2】
光電性アレイ(1)がCCDアレイまたはAPDアレイであることを特徴とする、請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
マイクロレンズアレイ(2)がスペクトル分割方向と好ましくはこれに加えてスペクトル分割方向に対し垂直な方向とに合焦させるために形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の検出器。
【請求項4】
マイクロレンズアレイ(2)が2次元のマイクロレンズアレイであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項5】
マイクロレンズ(8)が少なくとも1つの屈折率分布型レンズ(GRIN)を有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項6】
マイクロレンズ(8)が少なくとも1つの球面レンズを有していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項7】
マイクロレンズ(8)が球面レンズだけから構成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項8】
1個のマイクロレンズ(8)または複数個のマイクロレンズ(8)が球面アパーチャーを有していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項9】
マイクロレンズ(8)が、好ましくはスペクトル分割方向に合焦させるマイクロシリンドリカルレンズアレイと、スペクトル分割方向に対し垂直な方向に合焦させる少なくとも1つのシリンドリカルレンズとの組み合わせを有していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項10】
少なくとも1つのシリンドリカルレンズが単体のシリンドリカルレンズ、マイクロシリンドリカルレンズ、棒状レンズ、またはこの種のレンズから成るアレイであることを特徴とする、請求項9に記載の検出器。
【請求項11】
複数個のマイクロレンズ(8)が、前記両方向への合焦のため、異なる焦点距離を有していることを特徴とする、請求項3から10までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項12】
マイクロレンズアレイ(2)が非対称レンズを有していることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項13】
マイクロレンズアレイ(2)が交差した2つのレンズアレイまたはシリンドリカルレンズアレイの組み合わせを有していることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項14】
前記両方向のためのレンズアレイまたはシリンドリカルレンズアレイまたはマイクロレンズ(8)が同じ基板に配置されていることを特徴とする、請求項3から13までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項15】
前記両方向のためのレンズアレイまたはシリンドリカルレンズアレイまたはマイクロレンズ(8)が基板の異なる側に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の検出器。
【請求項16】
マイクロレンズアレイ(2)が好ましくは気密封止用の窓として、特に真空封止用の窓として、低温CCD(9)またはAPDのために利用されていることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項17】
スペクトル分割方向におけるマイクロレンズアレイ(2)の個々のマイクロレンズ(8)のレンズサイズが適当な波長でのその都度のスペクトル分解能に適合していることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項18】
個々のマイクロレンズ(8)を個別に調節することにより色収差が補正されていることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項19】
マイクロレンズ(8)により生じる、光電性アレイ(1)の受光ピクセル(9)間の空間が、少なくとも1つのスライドレジスタ(10)を配置するために利用されていることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項20】
マイクロレンズ(8)により生じる、光電性アレイ(1)の受光ピクセル(9)間の空間が、少なくとも1つのブルーミング防止バリアーを配置するために利用されていることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項21】
マイクロレンズ(8)により生じる、光電性アレイ(1)の受光ピクセル(9)間の空間が、検出面(11)内部に異なるピクセル(9)を付加するために利用されていることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項22】
マイクロレンズ(8)により生じる、光電性アレイ(1)の受光ピクセル(9)間の空間が、散乱光を吸収するために利用されていることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項23】
マイクロレンズアレイ(2)が透過率を高めるために表面コーティングされていることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項24】
マイクロレンズアレイ(2)が散乱光の吸収率または減少率を高めるため好ましくは局部的に表面コーティング部を有していることを特徴とする、請求項1から23までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項25】
マイクロレンズアレイ(2)が光電性アレイ(1)上に塗付、蒸着、または型押しされていることを特徴とする、請求項1から24までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項26】
光電性アレイ(1)がCCDラインアレイまたはAPDラインアレイ、或いは、2次元のCCDアレイまたはAPDアレイを有していることを特徴とする、請求項1から25までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項27】
光電性アレイ(1)が並列に配置された複数個のCCDまたはAPDを有していることを特徴とする、請求項1から26までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項28】
光電性アレイ(1)が好ましくは前景照射型の複数個のEMCCDを有していることを特徴とする、請求項1から27までのいずれか一つに記載の検出器。
【請求項29】
請求項1から28までのいずれか一つに記載の検出器を備えた分光器。
【請求項30】
請求項1から28までのいずれか一つに記載の検出器を備えた顕微鏡、特に共焦点型顕微鏡または半共焦点型顕微鏡。
【請求項31】
顕微鏡が単体の検出ピンホール(6)またはマルチスポットスキャナーまたはラインスキャナーを有していることを特徴とする、請求項30に記載の顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−163448(P2007−163448A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22709(P2006−22709)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(500178876)ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー (80)
【Fターム(参考)】