説明

検出装置及び相対認識システム

【課題】 歩行者が車両の接近を認識できるようにすること。
【解決手段】
自動車などの車両には車載器2が配置され、この車載器2にはICタグ9が設けられている。検出装置1は、歩行者が携帯しており、この検出装置1にはRFIDリーダモジュール4が内蔵されている。このRFIDリーダモジュール4によりICタグ9の存在が認識された場合、処理部6は車両が歩行者に接近しているものと判断し、通信部7により携帯電話等に報知命令の信号を送信する。携帯電話等では、スピーカーやバイブレータによりユーザに車両の接近を知らせる。これにより、歩行者と車両との接触事故が防止される。また、車載器2にはICタグを用いるので、導入が安価であり、普及させやすい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両と歩行者、ユーザと駅やバス停、ユーザと物との間で存在・非存在を認識するための検出装置及び相対認識システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車が背後から近づいてきたことを歩行者が認識できておらず、また、自動車の運転手も注意をしていなかった等の理由により、自動車と歩行者とが接触事故を起こすことがある。特に、自動車がモータで駆動されるようになることにより、自動車自体が発する騒音が少なくなり、通行人がより気づき難くなる傾向にある。また、自動車側では、車内にテレビを設置したり、裏道等でカーナビゲーションを見ていたり、携帯電話を操作していたりすると、周囲の歩行者に対して注意が散漫になる傾向がある。
【0003】
このように自動車と歩行者との接触事故を防止する発明としては、特許文献1に開示されているような技術が知られている。この発明は、歩行者のもつ携帯電話の電波を利用して歩行者の存在を認識するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−202874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の発明では、歩行者の携帯電話の電波を利用して自動車側で歩行者を認識するだけであり、歩行者側になんらの情報を提供するものではない。この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の検出装置は、車両側に搭載されたアクティブ型のICタグに記憶されている車両の固有情報を無線通信により読み出す無線通信手段と、
無線通信手段からの信号の変化に基づき車両の接近を判断する処理手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明の検出装置は、上記発明において、同一の固有情報を有するICタグが無線通信手段の通信可能範囲内に非存在の状態から存在の状態に変わったことに基づいて車両の接近を判断することを特徴とする。
【0008】
また、この発明の検出装置は、上記発明において、更に、処理手段により判断した情報を無線により携帯電子機器に送る通信手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明の相対認識システムは、車両の固有情報を記憶したICタグと、上記検出装置とからなることを特徴とする。
【0010】
また、この発明の相対認識システムは、上記発明において、前記ICタグは、車両の種別を固有情報として保持しており、前記車両検出装置は、接近を判断する車両を前記車両の種別により選択する選択手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、この発明の検出装置は、駅その他の地点に設置されたアクティブ型のICタグに記憶されている地点の固有情報を無線通信により読み出す無線通信手段と、目的地点を選択する選択手段と、選択した目的地点の固有情報と、無線通信手段により取得したICタグの固有情報とを比較して目的地点への到着を判断する処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明の検出装置は、上記発明において、更に、前記選択手段は、選択した目的地点への経路の前または後の地点の固有情報を抽出し、前記処理手段は、当該目的地点の前または後の地点の固有情報と、無線通信手段により取得したICタグの固有情報とを比較して目的地点への到着予定を判断することを特徴とする。
【0013】
また、この発明の検出装置は、上記発明において、前記検出装置は携帯電話に内蔵されていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明の相対認識システムは、地点の固有情報を記憶したICタグと、上記検出装置とからなることを特徴とする。
【0015】
また、この発明の検出装置は、物側に配置されたICタグに記憶されている物の固有情報を無線通信により読み出す無線通信手段と、無線通信手段からの信号の変化に基づき物から離れたことを判断する処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明の相対認識システムは、物の固有情報を記憶したICタグと、上記検出装置とからなることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる車両認識システムを示す概念図である。
【図2】車両認識システムの使用状態を示す説明図である。
【図3】図1に示した車両認識システムの構成図である。
【図4】この車両認識システム100の動作を示すフローチャートである。
【図5】携帯電話の画面上の表示例を示す説明図である。
【図6】携帯ゲーム機の画面上の表示例を示す説明図である。
【図7】この実施の形態1の車両認識システムの別の例を示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る停車地点認識システムを示す構成図である。
【図9】停車地点認識システムの使用状態を示す説明図である。
【図10】この停車地点認識システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態3に係る置き忘れ防止システムを示す概念図である。
【図12】ICタグをシールに配置した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる車両認識システムを示す概念図である。図2は、車両認識システムの使用状態を示す説明図である。図3は、図1に示した車両認識システムの構成図である。この車両認識システム100は、歩行者(ユーザ)90が携帯する検出装置1と、車両91に搭載する車載器2とから構成され、これら検出装置1と車載器2とを相対認識するものである。
【0019】
検出装置1は、歩行者90が携帯しやすい、例えばポケットに収納できる程度の大きさの筐体3に、無線通信手段であるFRID(Radio Frequency
IDentification)リーダモジュール4と、RFIDリーダモジュール4に接続したアンテナ5と、RFIDリーダモジュール4からの信号に対して所定の処理を行う処理部6と、携帯電話や携帯ゲーム機との通信を行う通信部7と、電源8とを収容した構成である。RFIDリーダモジュール4は、所定の無線周波数の電波により後述する車載器2のIC(Integrated
Circuit)タグ9との間で無線通信を行うものであり、通信内容のエンコードやデコードや送受信信号を変換するための制御部(図示省略)を備えている。アンテナ5は、前記制御部に接続され且つRFIDリーダモジュール4の基板上に導体パターンとしてループ状に形成される(図示省略)。
【0020】
検出装置1の通信可能範囲は、下記アクティブ型のICタグ9により数10mに設定されている。前記処理部6は、RFIDリーダモジュール4からの信号の変化に基づいて車両の接近を後述する手順により判断する。また、ユーザ側で特定した車両が近づいているか否かを判断する。
【0021】
前記通信部7は、携帯電話、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機(例えば、ニンテンドーDS:任天堂株式会社登録商標)等の携帯電子機器との通信を行うものであり、例えば、ブルートゥース(Bluetooth)用の通信部10と、IEEE 802.11規格に準じた無線LANによる通信部11とを備える。携帯電話や携帯ゲーム機は、これらの通信方式に対応した機種でなければならない。なお、これらは同じ2.4GHzの周波数で無線通信を行うため、切換部12によりユーザが携帯電話で用いるか或いは携帯ゲーム機で用いるかを選択する。前記電源8は、前記RFIDリーダモジュール4、処理部6および通信部7に対して電力の供給を行うものであり、一次電池または二次電池からなる。
【0022】
車載器2は、自動車91のシガーソケットに差し込むシガープラグ20を備えた筐体21内に、アクティブ型のICタグ9と、シガープラグから供給される電力を所定の電流電圧に変換する変換器22とを内蔵している。なお、電源として電池を用いる場合、筐体21はシガープラグ20及び変換器22を必要としない。電池を電源とする場合、自転車等の発電機やバッテリーを装備していない車両にも搭載できる。ICタグ9は安価に製造できるので、車両側の所有者も購入しやすいため、普及させやすい利点がある。
【0023】
ICタグ9には、車両の固有情報が記憶されている。例えば、普通車、軽自動車、トラック等の自動車の種別である。また、二輪車に用いる場合、ICタグ9には、大型バイク、原付、自転車等の種別が記憶される。当該車両の固有情報は、販売店でICタグ9に書き込むようにするのが好ましい。例えば、トラックのユーザが当該車載器2を購入した場合、販売店に依頼してトラックの情報を書き込んでもらうようにする。なお、予め全車両分の情報を記憶した車載器2を用意して販売するようにしても良い。
【0024】
次に、この発明の車両認識システム100の動作を説明する。図4は、この車両認識システム100の動作を示すフローチャートである。検出装置1の処理部6は、一定時間毎(例えば0.1秒毎)に車載器2が通信可能範囲30内にあるか否かを判別する(ステップ1)。すなわち、通信可能範囲30内に車載器2に搭載されているICタグ9が存在すれば、このICタグ9の固有情報を認識し続け、車両が動いていないと判断する。続いて、通信可能範囲30内にICタグ9が存在していない状態から、ICタグ9が存在する状態になった場合(ステップ1〜2)、その回数をカウントし(ステップ3)、所定のN回数(例えばN=3回)まで当該処理を行う(ステップ4)。
【0025】
所定回数だけICタグ9の存在が確認された場合、車載器2を搭載した車両91が接近していると判断し(ステップ5)、通信部7により携帯電話または携帯ゲーム機に所定の信号を送信する(ステップ6)。携帯電話、携帯音楽プレーヤーまたは携帯ゲーム機では、予め定められたアナウンス、アラーム音、バイブレーション又は画面表示等により、車両91の接近をユーザに報知する。なお、前記ステップ2において、ICタグ9が通信可能範囲30に存在しなくなった場合は、車両91が遠ざかるものと判断し、ステップ1に戻る。
【0026】
なお、RFIDリーダモジュール4が常時ICタグ9を読み取る状態を維持し、ICタグ9が認識されていない状態(通信可能範囲にICタグ9が非存在の状態)から認識状態(通信可能範囲にICタグ9が存在の状態)になり、一定時間、認識状態が維持されたときに、車両91が接近していると判断しても良い。接近判断に一定時間が必要なのは、接近した後に遠ざかることもあり、そのような場合にも接近と判断してユーザに報知すると、ユーザが混乱するためである。
【0027】
上記ステップ5において、前記処理部6は、車両91の種類をICタグ9の情報から判別する。ICタグ9には、上記のように車両91の種別が書き込まれている。処理部6は、RFIDリーダモジュール4によりICタグ9の情報を読み出し、どの種類の車両91が接近しているのか判断する。そして、判断の結果を、通信部7によりユーザの携帯電話または携帯ゲーム機に送信する。また、前記選択部13では、報知対象とする車両91を選択する。即ち、自転車の接近は報知が不要で、自動車のみにしたい場合は、当該選択部13にてユーザが自転車を除外しておけば、処理部6は、自転車が接近した情報を通信部7に送らない。
【0028】
図5は、携帯電話の画面上の表示例を示す説明図である。携帯電話31のユーザは、道路を歩行しながらメール文章を入力している場合、その入力に集中し、周囲に気を配ることができない。このため、画面32の最上位に警告33を表示させる。例えば「車両が近づいています」等の文章や、車両91の絵を表示する。また、車両91の種別についても、画面32上に表示できる。例えば「トラックが接近しています」やトラックの絵を表示する。これらの表示内容については、検出装置1からその都度送信してもよいし、携帯電話31に記憶させておき、検出装置1からの信号に基づいて表示させるようにしても良い。
【0029】
図6は、携帯ゲーム機の画面上の表示例を示す説明図である。携帯ゲーム機34は、子供が道路上で操作している場合があり、携帯電話同様に周囲への注意が散漫になっている。このため、画面35上の最上位に警告36を表示させる。例えば、「くるまですよ!」等の文章や、車両91の絵などを表示する。また、車両91の種別についても、画面35上に表示できる。例えば「自転車が接近しています」や自転車の絵を表示する。これらの表示内容については、検出装置1からその都度送信してもよいし、携帯ゲーム機34に記憶させておき、検出装置1からの信号に基づいて表示させるようにしても良い。
【0030】
なお、検出装置1自体に報知手段を追加しても良い。報知手段としては、スピーカー、バイブレータ及びLED等の発光素子の全て又はいずれかを用いるのが良い。特に、バイブレータや発光素子は耳の不自由な歩行者に好適であり、目が不自由な歩行者には、スピーカーやバイブレータが好適である。
【0031】
以上、この発明の車両認識システム100によれば、歩行者90が自動車などの車両91の接近を相対的に知ることができるので、車両91との接触事故を未然に防止できる。また、歩行者90が持ち歩き且つ最も手に触れることが多い携帯電話31や携帯ゲーム機34を報知手段として用いることにより、より歩行者90に注意を促すことができる。特に、若者や子供は、携帯電話、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機を使いながら歩いたり、道に留まっていたりするため、これらの機器自体から報知することが最も効果的といえる。
【0032】
図7は、この実施の形態1の車両認識システムの別の例を示す構成図である。この検出装置14は、携帯電話や携帯ゲーム機に信号を送信して報知するのではなく、通信部の代わりに、検出装置1自体に報知手段15を設けた点が異なる。その他の構成は上記同様である。この報知手段15としては、スピーカー、バイブレータ及びLED等の発光素子の全て又はいずれかを用いるのが良い。このようにすれば、検出装置1のみを携帯することで、車両91の接近を判断できる。
【0033】
また、上記検出装置1を携帯電話、携帯音楽プレーヤーまたは携帯ゲーム機と一体化させても良い。その場合、通信部7は不要であり、携帯電話等の処理部に直に接続すればよい。
【0034】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2に係る停車地点認識システムを示す構成図である。この停車地点認識システム200は、検出装置201と、地点設置器202とから構成され、検出装置201と地点設置器202とを相対認識するものである。以下、検出装置201を携帯電話203に内蔵し、且つ、電車の各駅に地点設置器202を設置した場合を例に挙げて説明する。携帯電話203を例に挙げたのは、殆どのユーザが屋外での駅の検索には携帯電話を用いるためである。
【0035】
検出装置201は、携帯電話203の筐体に内蔵されており、無線通信手段であるRFIDリーダモジュール4と、RFIDリーダモジュール4に接続したアンテナ5と、RFIDリーダモジュール4からの信号に対して所定の処理を行う処理部6と、携帯電話203本体の処理部204とのインタフェース205とを備えた構成である。RFIDリーダモジュール4は、所定の無線周波数の電波により後述する地点設置器202のICタグ9との間で無線通信を行うものであり、通信内容のエンコードやデコードや送受信信号を変換するための制御部(図示省略)を備えている。アンテナ5は、前記制御部に接続され且つRFIDリーダモジュール4の基板上に導体パターンとしてループ状に形成される(図示省略)。
【0036】
検出装置201の通信可能範囲は、下記アクティブ型のICタグ9により数10mに設定されている。前記処理部6は、RFIDリーダモジュール4からの信号に基づいて目的駅への到着を後述する手順により判断する。前記RFIDリーダモジュール4、処理部6等は、携帯電話203の電源から電力の供給を受ける。
【0037】
また、検出装置201には、駅の固有情報を記憶した記憶部206と、駅を選択する選択部207とが設けられている。記憶部206は、携帯電話203のメモリの記憶容量の一部を検出装置201用に割り当てるようにするのが良い。駅の固有情報は、インターネット経由で本システムの専用のサーバ208から一括ダウンロードして取得し、前記記憶部206に記憶しておく。サーバ208に格納されている駅の固有情報は、定期的に更新されるので、ユーザは任意の時期に更新を行うようにする。
【0038】
地点設置器202は、筐体内に、アクティブ型のICタグ9を内蔵している。電力は、100V電源または太陽電池パネル等から供給する。ICタグ9には、駅の固有情報が記憶されている。例えば、駅名や駅に近い公共施設や商業施設等である。設置場所は、駅のホームが好ましい。
【0039】
次に、この発明の停車地点認識システム200の動作を説明する。図9は、停車地点認識システムの使用状態を示す説明図である。図10は、この停車地点認識システムの動作を示すフローチャートである。ユーザは、予め各駅の固有情報をインターネット経由で専用のサーバ208からダウンロードし、記憶部206に記憶させておく。例えば、ユーザが所定の駅に到達するまで本を読みたいと考えた場合、検出装置201の機能をオンにし、携帯電話203から所定の駅の名前を入力する(ステップ1)。
【0040】
選択部207は、この入力された目的駅及びその一つ前の駅および一つ後の駅を自動的に選択して、各駅の固有情報を記憶部206から抽出し(ステップ2)、一時的に処理部6のメモリに記憶する。なお、目的駅の前後の駅を抽出するのは、目的駅に到着したことをユーザが知ってから下車準備をしても間に合わないことがあるからである。例えば、満員電車や多くの荷物を持っている場合等は、下車に準備が必要であるから、目的駅の前の駅で報知されるのが好ましい。なお、後の駅を抽出したのは、山の手線等の環状線ではどちらの経路から目的駅に到達するか判らないためである。換言すれば、目的駅に到着予定である旨をユーザに報知するためである。
【0041】
次に、処理部6は、駅に到着するたびに駅に設置した地点設置器202のICタグ9の情報を読み出し(ステップ3)、前記抽出した駅の固有情報と照合し、当該抽出した駅の固有情報と一致するまで繰り返し行う(ステップ4)。照合の結果、前記抽出した駅の固有情報と一致した場合、ユーザに目的駅の手前であることを報知するよう、携帯電話203の処理部204に命令を送る(ステップ5)。続いて、目的の駅に到着した場合、当該駅の固有の情報を読み取って目的とする駅の固有情報と照合する(ステップ6及びステップ7)。照合の結果、目的駅の固有情報と一致した場合、ユーザに目的駅であることを報知するよう、携帯電話203の処理部204に命令を送る(ステップ8)。
【0042】
また、上記駅の固有情報には、駅の近隣の公共施設や商業施設の情報等が記憶されているので、これらの情報もあわせて読み取ることができる。駅側では、ICタグ9の内容を書き換えるためのリーダライタにより、かかる情報を地点設置器202のICタグ9に記憶させる。これにより、簡単に駅の固有情報の更新が行える(但し、駅名自体の情報は更新しない)。
【0043】
専用のサーバ208が駅の固有情報を管理する。新規または既存の駅に地点設置器202が設置された場合には、この地点設置器202のICタグ9に記憶されている駅の固有情報を、管理者がサーバにアップロードし、ユーザがダウンロード可能な状態にしておく。
【0044】
以上、この発明の停車地点認識システム200は、目的駅の手前の駅でユーザに目的駅が近いことを報知するため、下車準備を行う時間が取れ、降り遅れることがない。また、目的駅に到着したことも報知されるので、確実に目的駅であることを認識できる。なお、上記では携帯電話203に検出装置201を組み込んだ例を示したが、携帯ゲーム機や携帯音楽プレーヤーに組み込むようにしても良い。この場合、サーバ208からパーソナルコンピュータに駅の固有情報をダウンロードし、パーソナルコンピュータから当該携帯ゲーム機や携帯音楽プレーヤーのメモリに駅の固有情報を移動するようにする。
【0045】
また、地点設置器202をバス停に設置しても良い。この場合、地点設置器202のICタグ9への電力供給は、バス停に設置した太陽発電パネルから行うようにするのが好ましい。バス停の場合であっても上記駅をバス停に置き換えて考えれば、同じことであるから、その説明を省略する。特に、地点設置器202が安価に製造できるため、バス停に好適である。また、地点設置器202のICタグ9の情報の書き換えも、バスの運転手がリーダライタを用いて行えばよい。
【0046】
(実施の形態3)
図11は、この発明の実施の形態3に係る置き忘れ防止システムを示す概念図である。この置忘れ防止システム300は、検出装置301とICタグ309とから構成される。検出装置301は携帯電話302に内蔵されている。これは、殆どのユーザが携帯電話302の忘れを優先的に確認する傾向にあり、且つ、ユーザに報知する手段として好適だからである。また、ICタグ309には、パッシブ型のものを用いる。パッシブ型のICタグ309は、リーダからの電波から電力を発生させるので、電源は不要である。
【0047】
検出装置301の構造は、実施の形態2の検出装置201と同じである。なお、検出装置301の通信可能範囲は2m〜3mに設定されている。前記処理部6は、RFIDリーダモジュール4からの信号に基づいてICタグ309を貼り付けた物が自分の周りにあるか否かを後述する手順により判断する。前記RFIDリーダモジュール4、処理部6等は、携帯電話302の電源から電力の供給を受ける。
【0048】
ユーザは、ICタグ309を忘れやすい物に貼り付ける。ICタグ309は、図12に示すように、ICタグ309が中央に配置されたシール310として複数供給される。複数のICタグ309に書き込まれている固有情報は共通である。このICタグ309のシール310は複数枚が同じ台紙311に貼られてセット販売され、購入時に検出装置301でICタグ309の固有情報を読み取り、これを記憶部206に登録することで使用できるようにする。
【0049】
次に、この置忘れ防止システムの動作について説明する。使用の前提として、ユーザは、ICタグ309が中央に配置されたシール310を置き忘れ防止したい物(対象物)に対して張り付けておく。また、携帯電話302は必ずユーザが身に付けているものとする。まず、携帯電話302の検出装置1をオンにし、ICタグ309がRFIDリーダモジュール4の通信可能範囲にあるかを常に監視する。ユーザが対象物を置き忘れた状態で対象物から離れると、RFIDリーダモジュール4との通信ができなくなるので、前記処理部6は、置き忘れが生じたものとして携帯電話302の処理部303に報知すべき旨の命令を出す。携帯電話302では、アナウンス、アラーム音、バイブレーション又は画面表示等によりユーザに置き忘れが生じていることを報知する。
【0050】
なお、ユーザは、ICタグ309を複数の対象物に貼り付けることで、様々な持ち物の置き忘れを効果的に防止できる。なお、携帯電話302を置き忘れてしまった場合でも、ICタグ309を貼り付けた対象物を持っていれば、携帯電話302のアラームが鳴る等によりユーザが気づくことができる。
【0051】
以上、この発明の置き忘れ防止システム300では、対象物を置き忘れても携帯電話302により報知されるので、置き忘れを防止できる。また、安価なパッシブ型のICタグ309をシール310に貼り付けて、このシール310を対象物に適宜貼り付けるようにしたので、ユーザが簡単にシステムを設定できる。なお、子供向けには、携帯ゲーム機に検出装置301を内蔵することで同様の効果が得られる。さらに、検出装置301を独立した筐体に内蔵してもよい(図示省略)。この場合、検出装置301の本体には、ユーザに対する報知手段としてスピーカー、バイブレータ及びLED等の発光素子の全て又はいずれかを用いるのが良い。処理部6がこれらの報知手段を動作させる。このようにすれば、当該本体のみを携帯することで、置き忘れ防止を図ることができる。
【符号の説明】
【0052】
100 車両認識システム
1 検出装置
2 車載器
4 RFIDリーダモジュール
5 アンテナ
6 処理部
7 通信部
8 電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側に搭載されたアクティブ型のICタグに記憶されている車両の固有情報を無線通信により読み出す無線通信手段と、
無線通信手段からの信号の変化に基づき車両の接近を判断する処理手段と、
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
同一の固有情報を有するICタグが無線通信手段の通信可能範囲内に非存在の状態から存在の状態に変わったことに基づいて車両の接近を判断することを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
更に、処理手段により判断した情報を無線により携帯電子機器に送る通信手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項4】
車両の固有情報を記憶したICタグと、
請求項1〜3のうちいずれか一つの検出装置と、
からなることを特徴とする相対認識システム。
【請求項5】
前記ICタグは、車両の種別を固有情報として保持しており、
前記車両検出装置は、接近を判断する車両を前記車両の種別により選択する選択手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の相対認識システム。
【請求項6】
駅その他の地点に設置されたアクティブ型のICタグに記憶されている地点の固有情報を無線通信により読み出す無線通信手段と、
目的地点を選択する選択手段と、
選択した目的地点の固有情報と、無線通信手段により取得したICタグの固有情報とを比較して目的地点への到着を判断する処理手段と、
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項7】
更に、前記選択手段は、選択した目的地点への経路の前または後の地点の固有情報を抽出し、
前記処理手段は、当該目的地点の前または後の地点の固有情報と、無線通信手段により取得したICタグの固有情報とを比較して目的地点への到着予定を判断することを特徴とする請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記検出装置は携帯電話に内蔵されていることを特徴とする請求項6または7に記載の検出装置。
【請求項9】
地点の固有情報を記憶したICタグと、
請求項6〜8のうちいずれか一つの検出装置と、
からなることを特徴とする相対認識システム。
【請求項10】
物側に配置されたICタグに記憶されている物の固有情報を無線通信により読み出す無線通信手段と、
無線通信手段からの信号の変化に基づき物から離れたことを判断する処理手段と、
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項11】
物の固有情報を記憶したICタグと、
請求項10の検出装置と、
からなることを特徴とする相対認識システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−271745(P2010−271745A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120429(P2009−120429)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(510136057)
【Fターム(参考)】