説明

検査システム

【課題】低コストで箱体の内容と向きを識別可能な検査システムを提供する。
【解決手段】検査システム1は検査室3を有し、検査室3の側面には読取装置であるバーコードリーダ5が設けられている。
検査システム1による検査の対象となるのは箱体7であり、箱体7はパレット9上に蓋11が被せられた構造を有している。
箱体7内には図示しない基板等の試料が載置されている。
蓋11には箱体7内の試料を示す識別票であるバーコード13a、13bが貼り付けられている。
検査の際はバーコードリーダ5がバーコード13aを認識できた場合は箱体7の向きおよび試料の種類が正しいと判断し、バーコード13aを認識できなかった場合は、箱体7の向きが誤っていると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタ基板、薄膜トランジスタ基板等の画像を形成するための表面を持つ基板を保管、移送する場合は、傷や破損から守るため、板同士が接触しないように、カラーフィルタ基板を所定間隔で並列収納できる、箱形の収納容器を用い、基板を装置に組み込む際に容器から取り出していた(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−264992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、このような収納容器では、外部から基板を視認することができないため、容器の外壁に基板の種類を示す識別票を貼りつけ、これを読取装置で読み取ることにより、基板を識別している。
また、箱体の形状が点対称であっても、一定の向きで装置内に搬入する必要があるため、容器外壁に基板の向きを示す識別票を貼りつけ、これを別の読取装置で読み取ることにより、基板を識別している。
【0004】
しかしながら、このような装置では、箱体の内容と向きを識別する読取装置が複数必要であり、コストがかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は低コストで箱体の内容と向きを識別可能な検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明は、識別票を所定の位置に有する箱体と、所定の位置に載置され、前記識別票を読み取る読取手段と、前記読取手段によって前記識別票が読み取れるか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする検査システムである。
前記箱体は、試料を収納し、前記試料が前記箱体内に所定の向きで収納されてもよい。
前記識別票は、前記箱体表面に非点対称に複数設けられていてもよい。
前記識別票はバーコードであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、1つの読取装置で箱体の内容と向きの両方を識別できるため、コストが改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る検査システム1を示す斜視図であって、図2は図1の上面図である。
【0009】
図1に示すように、検査システム1は検査室3を有し、検査室3の側面には読取装置であるバーコードリーダ5が設けられている。
検査システム1による検査の対象となるのは箱体7であり、箱体7はパレット9上に蓋11が被せられた構造を有している。
箱体7内には図示しない基板等の試料が所定の向きで載置されている。
【0010】
蓋11には箱体7内の試料を示す識別票であるバーコード13a、13bが貼り付けられている。
ここで、図2に示すように、バーコード13a、13bは、箱体7の中心15に対して点対称ではない位置に設けられるが、理由については後述する。
【0011】
なお、バーコードリーダ5には図示しないコンピュータ等が接続され、読取の有無や、読み取ったバーコードが登録されたものと同一か否かの判別等を行っている。
【0012】
また、箱体7は検査室3に設けられた搬入部17から搬入されるが、搬入は図示しないフォークリフト等で行われる。
【0013】
次に、検査システム1による箱体7の検査の手順について説明する。
図3は検査システム1による箱体7の検査の手順を示すフローチャートであって、図4〜図7は検査の手順を示す図である。
【0014】
まず図4に示すように、箱体7をA方向に移動し、搬入部17より箱体7を検査室3内に搬入する(ステップ101)。
【0015】
次に、図5に示すように、バーコードリーダ5を用いて、バーコードリーダ5の正面(B方向)にある箱体7のバーコード13aを読み取る(ステップ102)。
【0016】
ここでバーコードリーダ5がバーコード13aを読み取れたかどうかを判断し、読み取れなかった場合はステップ104に進み、読み取れた場合はステップ106に進む(ステップ103)。
【0017】
バーコード13aを読み取れなかった場合は、箱体7の向きが誤っていると判断し(ステップ104)、作業を中止する(ステップ105)。この場合は箱体7内の試料の向きも誤っていることになるからである。
【0018】
ここで、図6に示すように、バーコード13aと13bは中心15に対して互いに点対称でない位置に設けられているため、箱体7の向きが180°ずれている場合でもバーコードリーダ5がバーコード13bをバーコード13aと誤って識別することはない。
従って、箱体7が点対称の構造を有している場合であっても箱体7の向きを確実に検出することができる。
【0019】
バーコード13aを読み取れた場合は箱体7の向きが正しいと判断し(ステップ106)、次に、バーコード13aに記載された試料の内容が、あらかじめ登録されたものと一致するかどうかを判断し、一致しない場合はステップ108に進み、一致する場合はステップ110に進む(ステップ107)
【0020】
一致しない場合は、箱体7内の試料の内容が誤っていると判断し(ステップ108)、作業を中止する(ステップ109)。
【0021】
一致する場合は、試料の内容が正しいと判断し、図7に示すように、箱体7をC方向に移動して検査室3より搬出し、図示しない次工程等に移動する(ステップ110)。
【0022】
このように、本実施の形態によれば、検査システム1がバーコードリーダ5を備え、バーコードリーダ5が1台で箱体7の内容と向きの両方を識別する。
従って、検査システム1のコストが低減される。
【0023】
以上、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0024】
例えば、本実施形態では箱体7をフォークリフトで検査室3に搬入しているが、レール等を用いて自動で搬入してもよい。
【0025】
また、本実施形態では識別票としてバーコードを用いているが、ICチップ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】検査システム1を示す斜視図
【図2】図1の上面図
【図3】検査システム1による箱体7の検査の手順を示すフローチャート
【図4】検査の手順を示す図
【図5】検査の手順を示す図
【図6】検査の手順を示す図
【図7】検査の手順を示す図
【符号の説明】
【0027】
1…………検査システム
3…………検査室
5…………バーコードリーダ
7…………箱体
9…………パレット
11………蓋
13a……バーコード
15………中心
17………搬入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別票を所定の位置に有する箱体と、
所定の位置に載置され、前記識別票を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって前記識別票が読み取れるか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記箱体は、試料を収納し、前記試料が前記箱体内に所定の向きで収納されることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
【請求項3】
前記識別票は、前記箱体表面に非点対称に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
【請求項4】
前記識別票はバーコードであることを特徴とする請求項1記載の検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−114905(P2007−114905A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303774(P2005−303774)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】