説明

検査システム

【課題】簡単な構成で、配管の内径に応じて配管の内面を効果的に照明することができる検査システムを提供する。
【解決手段】検査システム1は、配管内部に挿入される挿入部2と、所定の光軸C1を有し視野角内を観察可能な対物光学系3と、第一の内径を有する配管用の小径用照明ユニット5と、第一の内径より大きい第二の内径を有する配管P2用の大径用照明ユニット6と、を有し、挿入部2に取り付けられたそれぞれの照明ユニットを光軸に直交する方向から見たときに、大径用照明ユニットの発光部40aは小径用照明ユニットの発光部46aに比べて、光軸方向に広い範囲にわたり配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管等の管腔内を検査する検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管の内面を観察する場合には、この配管の内部に挿入可能な挿入部を有し、挿入部の先端側に設けられた照明光学系(発光部)によって配管内部に照明光を照射し、反射した照明光を対物光学系で受光して配管の内面を観察・検査する内部検査装置(検査システム)が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
この内部検査装置においては、配管の中心軸上に対物光学系の入射瞳(反射ミラー)が位置する場合に、配管の中心軸を通る平面において、入射瞳を中心とし中心軸に沿って線状に広がる所定範囲以外に照明光学系の射出窓が配設されている。このように構成することで、射出窓から照明光を照射しても照明光の反射光が入射瞳に入射することがなく、入射瞳で得られる画像にハレーションは発生しないとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3187064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の内部検査装置では、配管の内径が変化すると照明光学系から配管の内面までの距離が変化し、これに伴って、配管の内面において入射瞳で観察可能な範囲、すなわち視野範囲が変化する。このため、配管の内径により、照明光学系が小さすぎて照明が不十分となったり、照明光学系が大きすぎて内部検査装置が配管内に入り難くなったりするという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で、配管の内径に応じて配管の内面を効果的に照明することができる検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の検査システムは、配管内を検査するための検査システムであって、前記配管内部に挿入される挿入部と、前記挿入部に設けられ所定の視野角内を観察可能な対物光学系と、前記挿入部に設けられ、前記対物光学系の光軸が前記配管の軸線に一致するように位置決めする挿入部位置調整手段と、前記挿入部に着脱可能に取り付けられて外方に向けて照明光を発する複数の照明ユニットと、を備え、それぞれの前記照明ユニットは、前記挿入部に着脱可能な基体と、前記基体に取り付けられ、前記対物光学系の前記光軸に沿う光軸方向に交差する方向から入射する光を前記光軸方向に反射するプリズムと、前記光軸方向に延びる形状にて前記基体に設けられ、前記光軸方向に交差する方向に照明光を発する発光部と、を有し、前記複数の照明ユニットとして、第一の内径を有する前記配管用の小径用照明ユニットと、前記第一の内径より大きい第二の内径を有する前記配管用の大径用照明ユニットと、を有し、前記挿入部に取り付けられたそれぞれの前記照明ユニットを前記光軸に直交する方向から見たときに、前記大径用照明ユニットの前記発光部は前記小径用照明ユニットの前記発光部に比べて、前記光軸方向に広い範囲にわたり配置されていることを特徴としている。
【0007】
また、上記の検査システムにおいて、前記挿入部に取り付けられたそれぞれの前記照明ユニットを前記光軸方向から見たときに、前記大径用照明ユニットの前記発光部と前記小径用照明ユニットの前記発光部とは、前記プリズムに直接光が入射不可能な位置に配置されるとともに、前記大径用照明ユニットの前記発光部は前記小径用照明ユニットの前記発光部に比べて、前記光軸からより離間した位置に配置されていることがより好ましい。
【0008】
また、上記の検査システムにおいて、それぞれの前記照明ユニットには、前記発光部を前記光軸に平行な軸線回りに回転可能に支持する発光部回転位置調整手段を備えることがより好ましい。
【0009】
また、上記の検査システムにおいて、前記挿入部位置調整手段は、前記挿入部の外周面に設けられ、前記第一の内径を有する前記配管の内周面上で前記光軸方向に転がる第一のローラと、前記第二の内径を有する前記配管の内周面上で前記光軸方向に転がる第二のローラを有し、前記第一のローラの外方に着脱可能な筒状の大径用位置調整ユニットと、を有し、前記大径用位置調整ユニットの内周面には、周方向に形成され前記第一のローラと係合する係合部が形成されていることがより好ましい。
【0010】
また、上記の検査システムにおいて、前記係合部は、前記大径用位置調整ユニットの内周面に形成された溝部であることがより好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の検査システムによれば、簡単な構成で、配管の内径に応じて配管の内面を効果的に照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態の検査システムの分解斜視図である。
【図2】同検査システムの一部を破断した平面図である。
【図3】同検査システムの観察ユニットの斜視図である。
【図4】図3中の切断線A1−A1の断面図である。
【図5】同検査システムの位置調整ユニットの斜視図である。
【図6】図2中の切断線A2−A2の断面図である。
【図7】同検査システムの挿入部に位置調整ユニットを取り付けたときの要部断面図である。
【図8】同検査システムに用いられるアタッチメントの正面図である。
【図9】同検査システムに用いられるアタッチメントを交換する手順を示す説明図である。
【図10】同検査システムに用いられるアタッチメントを交換する手順を示す説明図である。
【図11】同検査システムに用いられるアタッチメントを交換する手順を示す説明図である。
【図12】同検査システムの照明ユニットの斜視図である。
【図13】同検査システムで配管の内部を検査している状態を模式的に説明する側面の断面図である。
【図14】同検査システムで配管の内部を検査している状態を模式的に説明する正面の断面図である。
【図15】同検査システムの他の照明ユニットの斜視図である。
【図16】同検査システムで内径の異なる配管の内部を検査している状態を模式的に説明する正面の断面図である。
【図17】同検査システムの表示部で表示される内容を示す図である。
【図18】同検査システムの表示部で表示される操作エリアの内容を示す図である。
【図19】同検査システムの表示部で表示される静止画撮影画面の内容を示す図である。
【図20】図20(a)は同検査システムの所定の条件における角度設定・表示エリアの設定内容と方向表示エリアでの表示内容を示す図であり、図20(b)は配管を基端側から見たときの各角度を示す図である。
【図21】図21(a)は同検査システムの所定の条件における角度設定・表示エリアの設定内容と方向表示エリアでの表示内容を示す図であり、図21(b)は配管を基端側から見たときの各角度を示す図である。
【図22】図22(a)は同検査システムの所定の条件における角度設定・表示エリアの設定内容と方向表示エリアでの表示内容を示す図であり、図22(b)は配管を基端側から見たときの各角度を示す図である。
【図23】図23(a)は同検査システムの所定の条件における角度設定・表示エリアの設定内容と方向表示エリアでの表示内容を示す図であり、図23(b)は配管を基端側から見たときの各角度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る検査システムの第1実施形態を、図1から図23を参照しながら説明する。この検査システムは、様々な内径を有する配管内を検査するために用いられるものである。
図1及び図2に示すように、検査システム1は、配管Pの内部に挿入される観察ユニット(挿入部)2と、観察ユニット2に設けられ所定の視野角内を観察可能な対物光学系3と、観察ユニット2に設けられ、対物光学系3の光軸C1が配管の軸線に一致するように位置決めする観察ユニット位置調整手段(挿入部位置調整手段)4と、観察ユニット2に着脱可能に取り付けられて外方に向けて照明光を発する2つの照明ユニット5、6と、観察ユニット2及び照明ユニット5、6を制御する制御部7とを備えている。
【0014】
図3に示すように、観察ユニット2は、全体として略円柱状に形成されている。
観察ユニット2は、スリットSより基端側の固定部2bと、スリットSより先端側であって不図示の駆動モータにより固定部2bの軸線と一致する光軸C1回りに回転する回転部2aとで構成されている。駆動モータは、制御部7からの命令に基づいて、固定部2bに対して回転部2aが光軸C1回りの所定の回転位置となるように回転部2aを回転させる。
なお、以下では、観察ユニット2を基端側から見たときに、回転部2aが時計回りに回るときを「右回転」と称し、反時計回りに回るときを「左回転」と称する。
【0015】
回転部2a、固定部2bは、外周面に設けられた略円筒状の回転側ケーシング9a、固定側ケーシング9bをそれぞれ有している。回転側ケーシング9aと固定側ケーシング9bの外周面には、光軸C1と平行に形成された溝部等である指標9cと指標9dがそれぞれ設けられていて、指標9cと指標9dは回転部2aと固定部2bを光軸C1回りに位置決めするときの目印となっている。
【0016】
図2に示すように、回転側ケーシング9aの先端側の内部には、前述の対物光学系3が配置されている。対物光学系3は、光軸C1上に回転側ケーシング9aの先端側から順に配置されたレンズ部10、絞り部11、及びカメラ部12を有している。レンズ部10は複数のレンズにより構成され、照明ユニット5、6の後述するプリズムで屈折された光を集光する。絞り部11は、光を透過させる部分の面積を変化させることで、光の明るさを調節するものである。
カメラ部12は、CCD等の撮像素子12aと不図示のシャッターを有し、レンズ部10及び絞り部11を経て集められた、光軸C1に沿って入射する前述の所定の視野角内の光を受光して撮像し、撮像信号を出力する。
【0017】
また、図3に示すように、回転部2aの先端側には、固定リング13a、ピントつまみ13bが設けられている。
固定リング13aは、照明ユニット5、6を観察ユニット2に装着するときに照明ユニット5、6を係合させるものである。ピントつまみ13bは、レンズ部10を構成する各レンズの位置を変化させて、配管Pの内面の像の焦点が撮像素子12a上に位置するように調整するためのものである。
【0018】
図2及び図3に示すように、観察ユニット2の基端部には、撮像素子12aが送信する撮像信号等を制御部7に送るとともに、制御部7からの制御信号等を観察ユニット2に送るためのケーブル13の一端が接続されている。
また、回転側ケーシング9aの外周面には、回転側ケーシング9aを配管等から保護するために、回転側ケーシング9aの外周面から径方向外側に突出するとともに、所定の軸線回りに回転可能な保護用ローラ14が配置されている。
【0019】
図1に示すように、観察ユニット位置調整手段4は、観察ユニット2に設けられた小径用位置調整機構17と、位置調整ユニット(大径用位置調整ユニット)18とを備えている。小径用位置調整機構17は、本実施形態では、例えば70mmの第一の内径を有する図4に示す配管P1用のものであり、位置調整ユニット18は200mmの第二の内径を有する図2に示す配管P2用のものである。
小径用位置調整機構17は、図3及び図4に示すように、固定側ケーシング9bの外周面において、光軸C1回りに等角度毎に3つ設けられ、固定側ケーシング9bの径方向に伸縮可能な位置調整リンク部19を備えて構成されている。
それぞれの位置調整リンク部19には、所定の軸線回りに回転可能に取付けられた第一のローラ20が光軸C1方向に2つ並んだ状態で取り付けられている。
そして、観察ユニット2を配管P1内に挿入すると、合計6つの第一のローラ20は、それぞれが配管P1の内周面上に当接する。さらに、観察ユニット2を光軸C1方向に進退させることで、6つの第一のローラ20が配管P1の内周面上を光軸C1方向に転がるようになっている。
【0020】
また、小径用位置調整機構17には、位置調整リンク部19の径方向の伸縮長さを調整する不図示の外径調整部が取り付けられている。そして、外径調整部を調整することで、各位置調整リンク部19における2つの第一のローラ20が光軸C1方向に並んだ状態を保ったまま、合計6つの第一のローラ20を一様に、固定側ケーシング9bの径方向に一定の範囲にわたり移動させることができる。
本実施形態では、外径調整部を調整することにより、6つの第一のローラ20がそれぞれ当接する配管の内径を、例えば67〜73mmまで調整することができる。
【0021】
図5及び図6に示すように、位置調整ユニット18は、略筒状の位置調整部本体23と、位置調整部本体23の外周面において光軸C1回りに等角度毎に3つ設けられた位置調整リンク部24と、それぞれの位置調整リンク部24に2つずつ着脱可能に設けられたアタッチメント25と、位置調整リンク部24の形状を調整する外径調整部26とを備えて構成されている。
【0022】
図5及び図7に示すように、位置調整部本体23の内周面には、周方向に形成され第一のローラ20と係合する溝部である係合部23a、23bが光軸C1方向に並ぶように設けられている。係合部23a、23bは、第一のローラ20の外方に配置されることで、第一のローラ20と係合するようになっている。
このように、第一のローラ20と係合部23a、23bとを互いに係合させたり、取外したりすることで、観察ユニット2に位置調整ユニット18が着脱可能となっている。
位置調整部本体23の先端側の外周面には、光軸C1と平行に指標23cが形成されている。この指標23cは、観察ユニット2に位置調整ユニット18を位置合わせするために用いられる。
【0023】
位置調整リンク部24は、位置調整部本体23の径方向に伸縮可能に構成されている。
位置調整リンク部24、及び前述の小径用位置調整機構17の位置調整リンク部19としては、2本の棒状部材をX字状に交差させるとともに、互いの部材の中央部で回転可能とされたリンク機構や、いわゆるパンタグラフ方式のリンク機構等の公知のものを適宜選択して用いることができる。
【0024】
アタッチメント25は、略L字状の台座27と、台座27の一端側において台座27を位置調整リンク部24に固定するためのリリースノブ28と、台座27の他端側で所定の軸線回りに回転可能に取付けられた第二のローラ29とを有している。
各位置調整リンク部24において、アタッチメント25を2つずつ装着すると、各アタッチメント25の第二のローラ29は、光軸C1方向に2つ並んだ状態となる。
そして、位置調整ユニット18を配管P2内に挿入すると、合計6つの第二のローラ29は、それぞれが配管P2の内周面上に当接する。さらに、位置調整ユニット18を光軸C1方向に進退させることで、6つの第二のローラ29が配管P2の内周面上を光軸C1方向に転がるようになっている。
【0025】
外径調整部26は、位置調整リンク部24の径方向の伸縮長さを調整するものである。
外径調整部26は、位置調整部本体23の基端側に設けられた調整リング30と、調整リング30の基端側に設けられた粗動調整リング31とを有している。調整リング30と粗動調整リング31はともに光軸C1回りに回転可能となっていて、各リング30、31を光軸C1回りに回すことで、不図示の伝達機構により、各位置調整リンク部24における2つの第二のローラ29が光軸C1方向に並んだ状態を保ったまま、合計6つの第二のローラ29を一様に、位置調整部本体23の径方向に一定の範囲にわたり移動させることができる。
本実施形態では、外径調整部26を調整することにより、6つの第二のローラ29がそれぞれ当接する配管の内径を、例えば197〜203mmまで調整することができる。
【0026】
調整リング30と粗動調整リング31は、ともに位置調整リンク部24の径方向の伸縮長さを調整するものであるが、各リング30、31を光軸C1回りにある回転量回したときの位置調整リンク部24の径方向の移動量は、調整リング30を回した時より粗動調整リング31を回した時の方が大きくなっている。
【0027】
なお、位置調整ユニット18において、位置調整リンク部24に装着しているアタッチメント25を後述するアタッチメント34に代えることで、アタッチメント34が装着された位置調整ユニットを、例えば280mmの内径を有する配管用として用いることができる。
アタッチメント34は、図8に示すように、アタッチメント25の台座27に代えて、台座35を備えている。台座35の一端35aから他端35bまでの長さは、台座27の対応する一端から他端までの長さより、例えば40mm長くなっているだけで、アタッチメント34とアタッチメント25とのその他の構成は等しくなっている。
【0028】
ここで、位置調整リンク部24に装着しているアタッチメント25をアタッチメント34に交換する手順について説明する。
まず、使用者は、図9に示すように、位置調整ユニット18の位置調整リンク部24に装着しているアタッチメント25のリリースノブ28を、位置調整リンク部24から離間する方向に移動する。
次に、図10に示すように、台座27を矢印の方向にスライドさせて引き抜き、アタッチメント25を位置調整リンク部24の取付け部24aから離間させる。
続いて、図11に示すように、アタッチメント34を矢印の方向にスライドさせて押し込み、台座35の一端35aを位置調整リンク部24の取付け部24aに係合させる。そして、アタッチメント34のリリースノブ28を、位置調整リンク部24側に移動することで、アタッチメント34を位置調整リンク部24に装着する。
【0029】
再び図2に戻って説明を続ける。
照明ユニット(大径用照明ユニット)6は、200mmの内径を有する配管P2用であり、検査システム1で配管P2の検査を行うときに観察ユニット2の先端部に装着して用いられる。
図2及び図12に示すように、照明ユニット6は、観察ユニット2の先端部に着脱可能な基体38と、基体38の内部に取り付けられたプリズム39と、光軸C1方向に延びる略円柱状に形成され基体38に設けられた一対の発光モジュール40と、発光モジュール40を光軸C1に平行な軸線回りに回転可能に支持する回転位置調整手段(発光部回転位置調整手段)41とを有している。
【0030】
本実施形態では、照明ユニット6を観察ユニット2の先端部に装着したときに、以下の構成になるように設定されている。なお、図13は、観察ユニット2の光軸C1を通る側面での断面図であり、検査システム1を光軸C1に直交する方向から見たときの図となる。また、図14及び後述する図16は、検査システム1を光軸C1方向から見たときの図である。
発光モジュール40は指向性のある不図示のLED等の発光体を有していて、図13に示すように、光軸C1に直交する方向から見たときに、発光モジュール40の外周面における所定の範囲である発光部40aから光軸C1方向に交差する方向に照明光L2を発する。そして、図14に示すように、発光部40aは、プリズム39に直接光が入射不可能な範囲、すなわち、プリズム39の入射面39aを延長した面より光L1が入射する側で、かつ、視野範囲の外側である範囲R1に配置されている。
なお、発光モジュール40において発光部40a以外の外周面は、その部分から照明光が発せられないように不図示の遮蔽部により覆われている。
図13及び図14に示すように、プリズム39は、自身の反射面39b(図13参照)により、光軸C1方向に交差する方向から入射する光L1を光軸C1方向に反射する。
また、照明ユニット6を観察ユニット2に装着したときには、照明ユニット6と観察ユニット2のそれぞれに備えられている不図示の電気接点が互いに接続され、制御部7から照明ユニット6に所定の電力が供給される。
【0031】
図12に示すように、回転位置調整手段41は、基体38と発光モジュール40とを接続する接続部材42a、42bと、接続部材42aと発光モジュール40とを保持するネジ部材43とを有する。
本実施形態では、発光モジュール40を保持するネジ部材43の締め付け強度を適宜調整することにより、発光モジュール40を光軸C1に平行な軸線回りに回転させ、所定の位置関係に固定することができる。
また、基体38の先端部には、基体38や接続部材42aを配管等から保護するために、基体38から前方に突出するとともに、所定の軸線回りに回転可能な保護用ローラ38aが配置されている。
【0032】
図15に示すように、照明ユニット(小径用照明ユニット)5は、検査対象とする配管の内径が異なること以外、基本的な構成は照明ユニット6と同一である。
照明ユニット5は、観察ユニット2の先端部に着脱可能な基体45と、基体45の内部に取り付けられたプリズム39と、光軸C1方向に延びる略円柱状に形成され基体45に設けられた一対の発光モジュール46と、発光モジュール46を光軸C1に平行な軸線回りに回転可能に支持する不図示の回転位置調整手段(発光部回転位置調整手段)とを有している。
発光モジュール46も上記発光モジュール40と同様に指向性のある不図示のLEDを有していて、図13に示すように、光軸C1に直交する方向から見たときに、発光モジュール46の外周面における所定の範囲である発光部46aから光軸C1方向に交差する方向に照明光L3を発する。
各照明ユニット5、6を観察ユニット2に装着したときの、観察ユニット2の対物光学系3に対する照明ユニット6のプリズム39の配置と、対物光学系3に対する照明ユニット5のプリズム39の配置とは、等しくなるように設定されている。
回転位置調整手段としては、例えば、基体45と発光モジュール46とを接続するネジ部材等を用いることができる。
基体45の先端部及び側方には、基体45や発光モジュール46を配管等から保護するために、基体45から前方又は側方に突出するとともに、所定の軸線回りに回転可能な保護用ローラ45a及び保護用ローラ45bが配置されている。
【0033】
そして、図13に示すように、照明ユニット6の発光部40aは照明ユニット5の発光部46aに比べて、光軸C1方向に広い範囲にわたり配置されている。さらに、図16に示すように、発光部46aは、プリズム39に直接光が入射不可能な範囲、すなわち、プリズム39の入射面39aを延長した面より光L1が入射する側の範囲、かつ、視野範囲の外側である範囲R2に配置されている。
さらに、図14と図16を比べたときに、照明ユニット6の発光部40aは照明ユニット5の発光部46aに比べて、光軸C1からより離間した位置に配置されており、いずれも配管の内周面の近傍に配置されている。
【0034】
図1に戻って、制御部7は、ケーブル13の他端が接続された電源ボックス49と、電源ボックス49とケーブル50で電気的に接続されたコンピュータ等の制御装置51とを有する。電源ボックス49と制御装置51には、それぞれ電源ケーブル52、53が接続され、所定の電力が供給されている。
制御装置51は、使用者が命令を入力するキーボード等のキー入力部51a及びタッチパッド等のマウスポインター操作部51bと、制御装置51で実行される検査システム1の制御プログラムの実行状況を表示する表示部51cとを有する。
制御装置51は、ケーブル50、電源ボックス49、及びケーブル13を通して、照明ユニットの発光モジュール、観察ユニット2の駆動モータに制御信号や電力を送ったり、カメラ部12から撮像信号を受けたりすることができる。
【0035】
図17に、制御装置51で検査システム1の制御プログラムが実行された時に、表示部51cに表示される画面の例を示す。
なお、この制御プログラムは、電源ボックス49及び制御装置51に所定の電力が供給されたときに自動的に実行されるように設定されている。
動画表示エリア61には、撮像素子12aで撮像された画像が動画もしくは静止画として表示される。
方向表示エリア62には、後述するように、観察ユニット2の向きが表示される。なお、方向表示エリア62における黒丸で示す点Zは、観察ユニット2に対して配管の基準位置を示している。
【0036】
使用者が、キー入力部51aにおいて所定のキーを押すと、動画表示エリア61の下部に、図18に示す操作エリア63が表示される。
使用者は、この操作エリア63内でマウスポインター操作部51bによりマウスポインターを移動させ、所望のボタンを選択することにより、制御装置51に各種命令を与えることができる。
【0037】
操作エリア63において、右上には「×」と表示されているクローズボタン66が、左上には「設定」と表示されている設定ボタン67が設けられている。
そして、操作エリア63の中央部左側には、上方から、「回転開始」、「回転方向」、「回転速度」と表示されている回転開始ボタン68、回転方向オプションボタン69、回転速度オプションボタン70がそれぞれ設けられている。また、これらのボタンの右側には、上方から、「照明ON」、「カメラ」と表示されている、照明ボタン71、カメラ設定エリア72がそれぞれ設けられている。
【0038】
操作エリア63の中央部中程には、上方から、「撮影」、「モータ制御OFF」、「リセット」と表示されている、撮影ボタン75、モータ制御ボタン76、リセットボタン77がそれぞれ設けられている。
また、これらのボタンの右側には、上方から、「回転基準」、「角度設定」と表示されている回転基準オプションボタン78、角度設定ボタン79がそれぞれ設けられている。
そして、操作エリア63の中央部右側には、各種角度の設定・表示を行う、角度設定・表示エリア82が設けられている。
なお、各オプションボタンにおいては、枠内の表示のうち1つだけを選択できるようになっている。
【0039】
マウスポインター操作部51bを操作して、操作エリア63の右上のクローズボタン66にマウスポインターを合わせ、マウスポインター操作部51b内の所定のボタンを押すことでクローズボタン66を押す(選択する)と、この操作エリア63が強制的に閉じられる。
設定ボタン67を押すと、その下部に図示はしないが「ユーザ」、「カメラ」、又は「モータ」の文字が表示される。この時に「ユーザ」を選択すると、後述する静止画を記録する際のファイルの形式、ファイル名の接頭語等を設定することができる。「カメラ」を選択すると、上記のカメラ設定エリア72と同様の内容を設定することができる。そして、「モータ」を選択するとモータ設定の画面が開くが、この画面中の値は基本的に検査システム1の出荷時の値から変更しないでおくべきものである。
【0040】
回転開始ボタン68を押すと、固定部2bに対して回転部2aが、回転方向オプションボタン69で指定された回転方向に、回転速度オプションボタン70で指定された回転速度で回転する。ただし、後述する設定した移動角度に達すると回転部2aの回転が停止する。
なお、回転開始ボタン68を押して回転部2aが回転しているときには回転開始ボタン68の操作エリア63での表示は「回転停止」となっている。この状態で回転開始ボタン68を押すと、回転部2aの回転が停止する。
回転方向オプションボタン69は、回転開始ボタン68を押したときに固定部2bに対して回転部2aが回転する方向を決めるためのものである。「右」が選択されていると回転部2aは右回転し、「左」が選択されていると回転部2aは左回転する。
回転速度オプションボタン70は、回転開始ボタン68を押したときに回転部2aが回転する速度を決めるためのものである。「低」が選択されていると回転部2aは比較的低速度で回転し、「高」が選択されていると回転部2aは比較的高速度で回転する。
【0041】
照明ボタン71を押すと、観察ユニット2に装着されている照明ユニットの発光モジュールに電力が供給され、発光部が照明光を発する。なお、照明ボタン71を押して発光部が照明光を発しているときには照明ボタン71の操作エリア63での表示は「照明OFF」となっている。この状態で照明ボタン71を押すと、観察ユニット2に装着されている照明ユニットの発光部が照明光を発しなくなる。
カメラ設定エリア72には、上方から、「シャッター」、「ゲイン」と表示されているシャッタースクロールバー85、ゲインスクロールバー86がそれぞれ設けられている。
シャッタースクロールバー85には指標85aが設けられていて、この指標85aを右にスライドするとシャッター速度が遅くなり(シャッターが開いている時間が長くなり)、指標85aを左にスライドするとシャッター速度が速くなる。また、ゲインスクロールバー86には指標86aが設けられていて、この指標86aを右にスライドすると撮像素子12aのゲインが高くなり、指標86aを左にスライドすると撮像素子12aのゲインが低くなる。
【0042】
撮影ボタン75を押すと、表示部51cに図19に示す静止画撮影画面が表示される。静止画撮影画面には、上方に静止画表示エリア87が設けられ、静止画表示エリア87の下方には、「ファイル名」、「保存」、「キャンセル」と表示されているファイル名テキストボックス88、保存ボタン89、キャンセルボタン90が設けられている。
静止画表示エリア87には、動画表示エリア61で表示されていた動画のうち最後に表示したフレームと同一の静止画が表示される。ファイル名テキストボックス88には、前述の接頭語とこれまで撮影した静止画の枚数に応じたファイル名が自動的に入力される。
使用者は、ファイル名を変えたい場合には、マウスポインターを移動させてファイル名テキストボックス88に表示されているファイル名を選択し、キー入力部51aを操作して希望するファイル名を入力する。
保存ボタン89を押すと、静止画表示エリア87に表示されている静止画がファイル名テキストボックス88に表示されているファイル名で制御装置51の不図示の記憶部に保存される。
キャンセルボタン90を押すと、静止画撮影画面が強制的に閉じられる。
【0043】
駆動モータがこの制御プログラムにより自動的に制御されているときには、図18に示すモータ制御ボタン76の操作エリア63での表示は「モータ制御OFF」となっている。
この状態でモータ制御ボタン76を押すと、駆動モータがこの制御プログラムにより自動には制御されなくなり、モータ制御ボタン76の操作エリア63での表示は「モータ制御ON」となる。なお、再び駆動モータをこの制御プログラムにより自動的に制御させるときには、再度モータ制御ボタン76を押せば良い。
リセットボタン77を押すと、この制御プログラムのシステムがリセットされ、各設定値を出荷時の値に戻す等の処理が行われる。
【0044】
回転基準オプションボタン78は、回転部2aの角度が増加する向きが、観察ユニット2を固定部2b側から見たときに、時計回りか反時計回りかを決めるためのものである。「時計」が選択されていると角度が増加する向きが時計回りとなり、「反時計」が選択されていると角度が増加する向きが反時計回りとなる。
角度設定ボタン79を押すと、回転基準オプションボタン78及び後述する角度設定・表示エリア82で設定された各値が、制御プログラムに反映される。
【0045】
角度設定・表示エリア82には、上方に、「基準角度」と表示されている基準角度テキストボックス82aが設けられている。
基準角度テキストボックス82aの下方の左側には、上方から、一方側基準角度表示欄82b、「移動角度」と表示されている一方側移動角度テキストボックス82c、「限界角度」と表示されている一方側限界角度表示欄82dが順に設けられている。そして、基準角度テキストボックス82aの下方の右側には、上方から、他方側基準角度表示欄82e、「移動角度」と表示されている他方側移動角度テキストボックス82f、「限界角度」と表示されている他方側限界角度表示欄82gが順に設けられている。
観察ユニット2は配管内に指標9dが鉛直方向の上方となるように挿入される。ただし、検査対象となる配管の基準位置に応じて角度設定・表示エリア82の各角度を設定することで、配管と観察ユニット2との位置関係、及び、配管内で観察ユニット2が検査した位置の特定が容易になる。
このような設定は、例えば、配管の軸線を中心として一度に180°程度しか検査することのできない磁石粉探傷を行うときに有効となる。
【0046】
基準角度テキストボックス82aには、観察ユニット2の指標9dの向き(鉛直方向の上方)と、配管の基準位置との角度の差を入力する。
まず、説明が容易なように、回転基準オプションボタン78で「時計」が選択されている場合について説明する。
例えば、鉛直方向の上方に配管の基準位置があるときには、図20(a)の上段に示すように基準角度テキストボックス82aに「0」を入力する。このとき、図20(b)に示すように、配管Pの基準位置(図の上方)と、鉛直方向の上方(図中の配管の中心Oから点Zに向かう方向)は一致している。
また、回転部2aの角度が増加する向きが、時計回りとなっている。
なお、図20(a)の下段に示すように、方向表示エリア62における点Zは、観察ユニット2に対する、配管Pの基準位置の方向を示す。
【0047】
一方、鉛直方向の下方に配管の基準位置があるときには、図21(a)に示すように基準角度テキストボックス82aに「180」を入力する。このとき、図21(b)に示すように、配管Pの基準位置(図の上方)と、鉛直方向の上方(図中の配管の中心Oから点Zに向かう方向)は反対向きとなる。
【0048】
また、観察ユニット2を固定部2b側から見て、配管の基準位置が右回転(時計回り)に90°ずれているときは、図22(a)に示すように基準角度テキストボックス82aに「90」を入力する。このとき、図22(b)に示すように、配管Pの基準位置(図の上方)と、鉛直方向の上方(図中の配管の中心Oから点Zに向かう方向)は直交する関係となる。
【0049】
一方側基準角度表示欄82b、一方側限界角度表示欄82d、他方側基準角度表示欄82e、及び他方側限界角度表示欄82gは、他に入力・設定された数値に基づいて自動的に値が定められる表示欄である。
観察ユニット2には、装置の構成上、それ以上回転させると観察ユニット2が損傷する恐れのある回転角度があり、その値が一方側限界角度表示欄82dと他方側限界角度表示欄82gにそれぞれ表示されている。
【0050】
一方側移動角度テキストボックス82cと他方側移動角度テキストボックス82fは、観察ユニット2の回転部2aを基準角度テキストボックス82aに入力した角度を基準として、一方側と他方側に回転させる上限値をそれぞれ入力する。
一方側移動角度テキストボックス82cには、一方側限界角度表示欄82dに表示される値を超えない値を入力し、他方側移動角度テキストボックス82fには、他方側限界角度表示欄82gに表示される値を超えない値を入力する。
【0051】
また、図20に示す状態から、回転基準オプションボタン78で「反時計」を選択した場合には、図23(a)及び図23(b)に示すように、回転部2aの角度が増加する向きが、反時計回りとなっている。
【0052】
次に、以上のように構成された検査システム1で配管P2内を検査する手順について説明する。
まず、使用者は、電源ケーブル52、53をコンセントに差し込み、電源ボックス49と制御装置51に電力を供給する。すると、制御装置51で検査システム1の制御プログラムが実行され、表示部51cに動画表示エリア61が表示される。
【0053】
次に、使用者は、観察ユニット2の基端側において、第一のローラ20に係合部23a、23bを係合させることで、観察ユニット2に位置調整ユニット18を装着する。このとき、固定部2bの指標9dと位置調整ユニット18の指標23cとが一致するように位置調整ユニット18の向きを設定する。さらに、観察ユニット2の固定リング13aに照明ユニット6を係合させることにより観察ユニット2に照明ユニット6を装着する。
続いて、検査する配管P2の200mmの内径に合わせて、観察ユニット2のピントつまみ13bを調節する。
そして、粗動調整リング31を光軸C1回りに回転させ、位置調整ユニット18の6つの第二のローラ29をそれぞれ光軸C1側に移動させておく。
【0054】
次に、使用者は、検査システム1の観察ユニット2を配管P2の一方の端部に挿入する。そして、位置調整ユニット18の粗動調整リング31を回転させ、その後調整リング30を回転させることで、6つの第二のローラ29をそれぞれ配管P2の内周面に当接させる。これにより、観察ユニット2の光軸C1と配管P2が一致するように観察ユニット2の位置が調整される。
【0055】
続いて、制御装置51のマウスポインター操作部51bを操作して、角度設定・表示エリア82において、基準角度テキストボックス82aで基準角度を入力し、一方側移動角度テキストボックス82c及び他方側移動角度テキストボックス82fで移動角度を入力し、回転基準オプションボタン78で適切な回り方向を選択する。
次に、制御装置51のマウスポインター操作部51bを操作して照明ボタン71を押すことで、観察ユニット2に装着されている照明ユニット6の発光部40に電力が供給され、発光部40から照明光を発せられる。
【0056】
使用者は、観察ユニット2を、例えば、先端に観察ユニット2を係止する係止部が設けられた棒等からなる不図示の挿入部移動手段により観察したい位置まで押し込み、この位置において、配管P2の内周面を観察し、所望の位置での静止画を撮影する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の検査システム1によれば、検査する配管P1、P2に応じて、その配管P1、P2の内径に対応したいずれかの照明ユニット5、6を観察ユニット2に取り付ける。このとき、観察ユニット2に取り付けられた照明ユニット5、6を光軸C1に直交する方向から見たときに、照明ユニット6の発光部40aは照明ユニット5の発光部46aに比べて、光軸C1方向に広い範囲にわたり配置されている。したがって、配管P2を検査するときであっても、配管P2の内壁における視野角となる視野範囲内を全体にわたり、照明ユニット6の発光部40aで確実に照明することができる。
そして、配管P1、P2の内径に応じて発光部を適切な位置に移動させるという機構を備える必要が無いので、検査システム1の構成を簡単にすることが可能となる。
また、配管P1を検査するときには、照明ユニット5の光軸C1方向の長さが短い発光部46aを用いるので、発光部が光軸C1方向に延びて観察ユニット2を配管内に挿入する障害となるのを防止することができる。
【0058】
さらに、観察ユニット2に取り付けられたそれぞれの照明ユニット5、6を光軸C1方向から見たときに、照明ユニット6の発光部40aと照明ユニット5の発光部46aとは、プリズム39に直接光が入射不可能な位置に配置されるとともに、照明ユニット6の発光部40aは照明ユニット5の発光部46aに比べて、光軸C1からより離間した位置に配置されている。
このため、それぞれの照明ユニット5、6の発光部において、配管の内壁近傍に発光部が配置されるとともに、発光部から発せられる照明光が直接対物光学系3に入射するのが防止される。したがって、対物光学系3に入射する光量を増加させるとともに、ハレーションを防止することができる。
【0059】
配管の内壁近傍に発光部が配置されているので、ハレーションはほぼ生じない。ただし、照明ユニット6は回転位置調整手段41を備えるので、必要に応じて発光部40aを光軸C1回りに回転させることにより、発光部40aから発せられる照明光の向きを調節して、ハレーションをより確実に防止することができる。
【0060】
また、配管P1を検査するときには、第一のローラ20をこの配管P1の内周面上で光軸C1方向に転がすことで、観察ユニット2を光軸C1方向に進退させる。そして、配管P1より内径の大きな配管P2を検査するときには、位置調整ユニット18の内周面に形成された係合部23a、23bと第一のローラ20を係合させるとともに、第二のローラ29をこの配管の内周面上で光軸C1方向に転がすことで、観察ユニット2を光軸C1方向に進退させる。
したがって、係合部23a、23bにより位置調整ユニット18が観察ユニット2に対して光軸C1方向に移動することを防止して、第二のローラ29を配管P2の内周面上で光軸C1方向に転がすことができる。
【0061】
そして、係合部23a、23bは、位置調整ユニット18の内周面に形成された溝部であるので、溝部という簡単な構成で、第一のローラ20の外方に位置調整ユニット18を着脱可能とすることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更等も含まれる。
例えば、上記実施形態では、2種類の内径の配管を検査するために2つの照明ユニット5、6と、1つの位置調整ユニット18を備えた。ただし、より多種類にわたる配管の内径を検査するために、3つ以上の照明ユニットと2つ以上の位置調整ユニットを備えても良い。
また、上記実施形態では、側視用の照明ユニット5、6だけでなく、観察ユニット2の先端に着脱可能な直視用の照明ユニットを備えても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 検査システム
2 観察ユニット
3 対物光学系
4 観察ユニット位置調整手段(挿入部位置調整手段)
5 照明ユニット(小径用照明ユニット)
6 照明ユニット(大径用照明ユニット)
18 位置調整ユニット(大径用位置調整ユニット)
23a、23b 係合部
26 第一のローラ
29 第二のローラ
38、45 基体
39 プリズム
40a 発光部
41 回転位置調整手段(発光部回転位置調整手段)
46a 発光部
C1 光軸
P、P1、P2 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内を検査するための検査システムであって、
前記配管内部に挿入される挿入部と、
前記挿入部に設けられ所定の視野角内を観察可能な対物光学系と、
前記挿入部に設けられ、前記対物光学系の光軸が前記配管の軸線に一致するように位置決めする挿入部位置調整手段と、
前記挿入部に着脱可能に取り付けられて外方に向けて照明光を発する複数の照明ユニットと、
を備え、
それぞれの前記照明ユニットは、
前記挿入部に着脱可能な基体と、
前記基体に取り付けられ、前記対物光学系の前記光軸に沿う光軸方向に交差する方向から入射する光を前記光軸方向に反射するプリズムと、
前記光軸方向に延びる形状にて前記基体に設けられ、前記光軸方向に交差する方向に照明光を発する発光部と、
を有し、
前記複数の照明ユニットとして、
第一の内径を有する前記配管用の小径用照明ユニットと、
前記第一の内径より大きい第二の内径を有する前記配管用の大径用照明ユニットと、を有し、
前記挿入部に取り付けられたそれぞれの前記照明ユニットを前記光軸に直交する方向から見たときに、
前記大径用照明ユニットの前記発光部は前記小径用照明ユニットの前記発光部に比べて、前記光軸方向に広い範囲にわたり配置されていることを特徴とする検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検査システムにおいて、
前記挿入部に取り付けられたそれぞれの前記照明ユニットを前記光軸方向から見たときに、
前記大径用照明ユニットの前記発光部と前記小径用照明ユニットの前記発光部とは、前記プリズムに直接光が入射不可能な位置に配置されるとともに、
前記大径用照明ユニットの前記発光部は前記小径用照明ユニットの前記発光部に比べて、前記光軸からより離間した位置に配置されていることを特徴とする検査システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の検査システムにおいて、
それぞれの前記照明ユニットには、
前記発光部を前記光軸に平行な軸線回りに回転可能に支持する発光部回転位置調整手段を備えることを特徴とする検査システム。
【請求項4】
請求項1に記載の検査システムにおいて、
前記挿入部位置調整手段は、
前記挿入部の外周面に設けられ、前記第一の内径を有する前記配管の内周面上で前記光軸方向に転がる第一のローラと、
前記第二の内径を有する前記配管の内周面上で前記光軸方向に転がる第二のローラを有し、前記第一のローラの外方に着脱可能な筒状の大径用位置調整ユニットと、
を有し、
前記大径用位置調整ユニットの内周面には、周方向に形成され前記第一のローラと係合する係合部が形成されていることを特徴とする検査システム。
【請求項5】
請求項4に記載の検査システムにおいて、
前記係合部は、前記大径用位置調整ユニットの内周面に形成された溝部であることを特徴とする検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−48278(P2011−48278A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198552(P2009−198552)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】