説明

検査処理方法及び検査処理装置

【課題】 本発明は、超音波探傷画像の寸法位置を一致させて精度の高い欠陥判定を行うことができる。
【解決手段】 本発明の検査処理方法によれば、X線探傷画像を得る際被検査部の任意に設定した検査開始位置を走査通過して検出するため検査開始位置を通過した通過分の画像を含んだX線探傷画像に対して、任意に設定した終端開始位置及び被検査部に対して走査した検査走査長から設定した仮の終端終了位置における前後であって所定長の位置間の画像をそれぞれ切り取る。そして、切り取った2つの画像に含まれる通過分の画像が一致するように切り取った2つの画像を張り合わせる。更には、張り合わせた画像上での終端開始位置で切り離す。次に、切り離した各終端画像を、終端開始位置及び仮の終端終了位置から前後の所定の位置間の画像を切り取った残りのX線探傷画像の各終端にそれぞれ連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査処理方法及び検査処理装置に関し、詳細には配管などの腐食状態や溶接部の欠陥検査に好適な被破壊検査によって得られた検査画像に対する画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管の溶接部に対する検査はX線透過試験によって行われることが多い。このX線透過試験では、被検査部にフィルムを配置し、この被検査部を介在した対向する方向から被検査部にX線を照射して透過してくるX線をフィルムに撮影するものである。このX線透過試験は、記録性の高いフィルムによる検査方法であり、従来より公的な検査として長く採用されてきた。しかし、この従来のX線透過試験は迅速性や保存性で問題があった。そこで、検出したX線を画像としてデジタル処理した上でモニタに表示させて、かつ画像データとしてメディアに保存することができる方法が公的な検査で採用されつつある。一方、業者間で広く普及した他の非破壊検査方法として、超音波のエコーによる超音波探傷検査がある。この超音波探傷検査は被検査部に超音波を入射して、被検査部に反射してくる超音波のエコーをセンサで検出して欠陥の有無を判断する検査である。この超音波探傷検査においても、取り込んだ超音波のエコー画像モニタに表示し、更にはデータとして保存できる。
【0003】
このような2つの検査方法による被検査部の非破壊検査結果を1つのモニタ上に表示させて欠陥判定の信頼性を向上させる方法が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2004−301723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1によれば、2つの検査方法による非破壊検査の開始位置が異なることから同じモニタに表示させる際の表示位置がずれてしまうことを解決するために、各検査結果の各画像データの位相をシフトさせて相互に一致させることが開示されているにすぎなかった。よって、単に検査位置を一致させたとしても、X線センサの取り付位置が被検査部から離隔しているためにX線探傷画像は少なくとも幾何学的な誤差を含み、またX線探傷画像は被検査部に対して検査するために走査する際の移動機構による走行誤差、更には検査開始位置から再び正確に検査開始位置まで戻って検査するのではなく検査走査長を多少オーバーラップして検出するためにオーバーラップ分の画像を含んでいることになり、X線探傷画像と被検査体の外周長における超音波探傷画像の各検査の寸法位置を相互に精度良く一致させるには限界があった。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためのものであり、X線探傷画像に対して、オーバーラップ分の画像を除去し、かつX線センサの取付位置に伴う誤差を補正する前処理を施し、超音波探傷画像の寸法位置を一致させて精度の高い欠陥判定を行うことができるようにする、検査処理方法及び検査処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明の検査処理方法によれば、X線探傷画像を得る際被検査部の任意に設定した検査開始位置を走査通過して検出するため検査開始位置を通過した通過分の画像を含んだX線探傷画像に対して、任意に設定した終端開始位置及び被検査部に対して走査した検査走査長から設定した仮の終端終了位置における前後であって所定長の位置間の画像をそれぞれ切り取る。そして、切り取った2つの画像に含まれる通過分の画像が一致するように切り取った2つの画像を張り合わせる。更には、張り合わせた画像上での終端開始位置で切り離す。次に、切り離した各終端画像を、終端開始位置及び仮の終端終了位置から前後の所定の位置間の画像を切り取った残りのX線探傷画像の各終端にそれぞれ連結する。よって、X線探傷画像に対して、オーバーラップ分の画像を除去でき、シームレスなX線探傷画像が得られる。
【0007】
また、連結したX線探傷画像の全体の位相長を、超音波探傷画像の全体の位相長に収縮させる位相収縮工程を有することにより、超音波探傷画像の寸法位置を一致させて精度の高い欠陥判定を行うことができる。
【0008】
更に、位相収縮工程における収縮率は、X線を検出するX線センサと被検査部との離隔長と、被検査部の外周面における検査長との関係により定められる。また、仮の終端終了位置は、被検査部上を走査するために駆動可能な駆動機構の走査移動距離に基づいて仮に定めた位置である。
【0009】
別の発明としての検査処理装置は、被検査部に対して走査しながらX線を照射して被検査部を透過して来るX線を検出して得られたX線探傷画像と、被検査部に対して走査しながら超音波を入射して被検査部から反射してくるエコー波に基づいて得られた超音波探傷画像を画像処理する検査処理装置である。そして、本発明の検査処理装置は主に終端連結処理装置を具備している。この終端連結処理装置は、X線探傷画像を得る際被検査部の任意に設定した検査開始位置を走査通過して検出するため検査開始位置を通過した通過分の画像を含んだX線探傷画像に対して、任意に設定した終端開始位置及び被検査部に対して走査した検査走査長から設定した仮の終端終了位置における前後であって所定長の位置間の画像をそれぞれ切り取る。そして、切り取った2つの画像に含まれる通過分の画像が一致するように切り取った2つの画像を張り合わせ、張り合わせた画像上での終端開始位置で切り離す。更に、切り離した各終端画像を、終端開始位置及び仮の終端終了位置から前後の所定の位置間の画像を切り取った残りのX線探傷画像の各終端にそれぞれ連結する処理を行うのである。更に、本発明の検査処理装置は、終端連結処理部によって連結したX線探傷画像の全体の位相長を超音波探傷画像の全体の位相長に収縮する位相収縮処理部を有する。よって、オーバーラップ分の画像を除去し、かつX線センサの取付位置に伴う誤差を補正する前処理を施し、超音波探傷画像の寸法位置を一致させて精度の高い欠陥判定を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の検査処理方法は、X線探傷画像に対して、オーバーラップ分の画像を除去し、かつX線センサの取付位置に伴う誤差を補正する前処理を施し、超音波探傷画像の寸法位置を一致させて精度の高い欠陥判定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の検査処理装置を適用する検査システムの構成を示す概略図である。同図に示す検査システムにおいて、検査の対象となるパイプライン1はその長さが数kmに及んでいる。このパイプライン1は、複数の単管1aをこれらの軸方向に相互に溶接することで形成されている。以下、このパイプライン1における単管1a同士の溶接部2に欠陥があるか否かを判定する際に、本発明の検査処理装置を用いた例について説明する。
【0012】
図1に示すように、検査の対象となるパイプライン1の内部には、菅端部から装填され、被検査部である溶接部2の位置まで自走で移動してきた自走式X線装置3が装填されている。ここで、図2に示す自走式X線装置3は、パイプライン1の中を自走可能とするために装置中心から放射状に延び、装置の前後に設けられた支持アーム31と、支持アーム31の先端に取り付けられ、パイプライン1の内周面に接地して駆動モータ(図示せず)により回転駆動するタイヤ32と、装置本体33に取り付けられ、X線をパイプライン1の内周面に対して照射するX線照射装置34とを有している。なお、自走式X線装置3は、上記構成以外に、パイプライン1の溶接部2の裏ビードの状態を撮影するカメラや内部を照らす照明を搭載することも可能である。また、このような構成を有する自走式X線装置3は、パイプライン1の外部に設けられた検査処理装置4から遠隔操作される。
【0013】
一方、図1に示すように、パイプライン1の外周側には、パイプライン1の外周面に沿って配されたリング状の溶接ガイドレール7が設置される。図3に示すような、X線センサ8及び超音波探傷装置9を有する検査装置10が、操作者により溶接ガイドレール7に取り付けられる。また、検査装置10は、溶接ガイドレール7に沿って駆動するための、駆動モータ及び駆動ギアなどの駆動機構部を具備する駆動部(図示せず)を有している。更に、X線センサ8は、パイプライン1の内側に配された検査装置3のX線照射装置34から照射されたX線を受信し溶接部2の内部状態の画像を読み取るセンサであって、被検査部となる溶接部2に対向するように検査装置10に取り付けられている。また、超音波探傷装置9は、被検査部である溶接部2にパルス超音波を入射すると共にエコー波を検出する2つの接触子11,12を具備しているパルス反射法による探傷装置である。この2つの接触子11,12は、被検査部となる溶接部2を間に挟んで溶接部2の両側にそれぞれ配置されるように検査装置10に取り付けられている。このようにX線センサ8及び接触子11,12を含む超音波探傷装置9を搭載した検査装置10は、溶接ガイドレール7に沿って移動することにより、溶接部2の全周のX線探傷検査及び超音波探傷検査を行うのである。これらの検査によって得られたX線探傷画像及び超音波探傷画像は有線又は無線で検査処理装置4に送られ、検査処理装置4はネットワーク網5を介して基地等の欠陥判定装置6に送信する。なお、検査処理装置4は、得られた検査画像に対して本発明の画像処理を施し、更には探傷検査の現場における一次欠陥判定処理を行うことができる機能を有してもよい。更に、検査処理装置4を介在せずに、二次欠陥判定処理を行う欠陥判定装置6が直接自走式X線装置3を遠隔操作し、検査装置10からX線探傷画像及び超音波探傷画像を直接得ることも可能である。
【0014】
次に、本発明の一実施の形態例に係る検査処理装置の構成について図4に示すブロック構成図を用いて説明する。同図において、本実施の形態例の検査処理装置4は、後述する各構成部の全てを制御するCPU41、検査によって得られた超音波探傷画像とX線探傷画像を受信する受信部42、受信部42により受信した超音波探傷画像とX線探傷画像を記憶する画像記憶部43、各処理プログラムを格納しているRAM44、終端連結処理を施したX線探傷画像と超音波探傷画像を同一モニタ(図示せず)に表示させる表示部45、検査で得られたX線探傷画像の終端開始位置の設定などの各種の指示を入力する操作入力部46及び誤差画像を含むX線探傷画像から当該誤差画像をカットしたシームレス画像を得るために検出した画像の終端を後述する処理を施す終端連結処理部47と、終端連結処理部47によって連結したシームレス画像のX線探傷画像の全体位相長を超音波探傷画像の全体位相長に収縮する位相収縮処理部48を含んで構成され、各構成部は内部バス49を介してそれぞれ接続されている。なお、表示部45は検査処理装置4に具備させる必要はなく、図1の欠陥判定装置6に設けてもよい。
【0015】
次に、本実施の形態例の検査処理装置を用いた図1に示す検査システムにより検出したX線探傷画像と超音波探傷画像に対して画像処理を施す本発明の検査方法について説明する。
【0016】
図5は本発明の一実施の形態例に係る検査処理方法の基本原理を説明する図である。同図の(a)は例えば図1のパイプライン1の溶接部2を探傷検査した際の各探傷画像であり、実線は検出開始から検出終了までの全ての超音波探傷画像51を示し、破線はX線探傷画像52を示す。このような検査画像の内、X線探傷画像52は、検査装置10の検査走査時検査装置10が検査開始位置から一周して更に検査開始位置を通過して任意の検査終了位置までのオーバーラップ分の画像53と、X線センサ8がパイプライン1の外周面から所定の位置に取り付けられていることによる幾何学誤差及び検査装置10が溶接ガイドレール7を走行する際に駆動部の駆動機構部、例えばギアの滑り等を主に起因する走行誤差を含んでいる。これに対して、超音波探傷画像51は、超音波探傷装置9の接触子11,12がパイプライン1の外周面に接触して得た超音波画像であるため、誤差分をほとんど含んでいない。このように、X線探傷画像52は上述したようにオーバーラップ分画像53、幾何学誤差及び走行誤差を含んでおり、このままでのX線探傷画像52、つまり誤差画像を含んだX線探傷画像52と超音波探傷画像51を同一モニタ上に表示して両者を比較参照しても欠陥部の位置や寸法を正確に特定することは不可能である。よって、この誤差画像をカットするために後述する画像処理である終端連結処理を行い、図5の(b)に示すようなシームレスのX線探傷画像54を作成する必要がある。そして、図5の(c)に示すように、作成したシームレスのX線探傷画像54の位相幅に対して、被検査体のパイプライン1の外周面とX線センサ取付位置との離隔長と、パイプライン1の直径とで定められる収縮率で収縮させることにより、X線探傷画像54の位相長を超音波探傷画像51の位相長に近似させることができる。従って、超音波探傷画像51とX線探傷画像54を同一モニタ上に表示して両者を比較参照することにより、ノイズ等と区別して欠陥部の位置を特定でき、また欠陥部の寸法を正確にサイジングでき、強いては欠陥部の判定における信頼性を向上させることができる。
【0017】
次に、本発明の検査処理方法の概要を説明するための図6及び図7、並びに検査処理フローを示す図8に従って詳細に説明する。
先ず、オペレータは自走式X線装置3をパイプライン1の管端部から挿入して、図1の検査処理装置4の入力操作部46を操作しながら被検査部である溶接部2の位置まで移動させる(ステップS101)。また、オペレータは検査装置10を溶接ガイドレール7にセットする(ステップS102)。そして、自走式X線装置3のX線照射装置34によるX線照射と連動して検査装置10を被検査部である溶接部2に沿って移動走査してX線探傷画像をX線センサ8によって検出する(ステップS103)。また、検査装置10の超音波探傷装置9が2つの接触子11,12によって超音波探傷画像を検出する(ステップS104)。このような検査を行い、X線探傷画像と超音波探傷画像を検出する。検出した2つの画像は有線又は無線により検査処理装置4の受信部42を介して画像記憶部43に格納される。ここで、図6の(a)に示すような帯状表示させたX線探傷画像データは、図5の(a)に示すように、真の画像データ以外に、上述したような誤差画像データを含んでいる。そこで、先ず、検査処理装置4の終端連結処理部47は、画像記憶部43からX線探傷画像を読み出し、読み出したX線探傷画像に対して任意に終端開始位置(0°)を図6の(a)に示すように設定する。そして、図1及び図3の検査装置10の駆動機構部、例えば駆動モータのパルス数をカウントし、カウントしたパルス数と、既定のパイプライン1の直径から算出した、あるいは既定の外周長とに基づいて仮の終端終了位置(360°)を図6の(a)に示すように設定する(ステップS105)。そして、このように設定した2つの終端位置をそれぞれ基準として、所定長の合わせのり位置(図6の(b)に示す−a,+a)と、|a|<|b|となるように連結画像位置(図6の(b)に示す+b,−b)とを設定する(ステップ106)。次に、各終端位置における合わせのり位置から連結画像位置までの間、つまり−a〜+b、+a〜−bの間に存在する連結画像を図7の(a)に示すようにそれぞれ切り取る(ステップS107)。次に、各連結画像における各終端位置を一致させるために、図7の(b)に示すように、合わせのりの画像71が互いに重なるように、張り合わせる(ステップS108)。その上で、図7の(c)に示すように、張り合わせた連結画像を終端開始位置である0°の位置でカットし、開始終端画像と終了終端画像を作成する(ステップ109)。そして、作成した開始終端画像と終了終端画像は、図7の(d)に示すように、ステップ107で切り取った残りの画像データの各終端画像に、それぞれ連結される(ステップS110)。以上の処理により、図5の(b)に示すような、検査開始位置から一周して更に検査開始位置を通過して任意の検査終了位置までのオーバーラップ分の画像53を排除したシームレスのX線探傷画像が得られる。その後は、図4の位相収縮処理部48によって、連結して作成したシームレスのX線探傷画像に対して、被検査体の外周長とX線センサ取付位置の離隔長に対応する収縮率で収縮させて、図5の(c)に示すように超音波探傷画像51に近似な画像データのX線探傷画像52にする(ステップS111)。その上で、収縮させたX線探傷画像と超音波探傷画像との位相を、読取位置や欠陥位置を基準にして、一致させる位相一致処理を行う(ステップS112)。最後に、図4の表示部45における図9のモニタ91上に、終端連結処理を施す検査処理方法によって処理されたX線探傷画像(図9の画像表示エリア92)と超音波探傷画像(図9の画像表示エリア93)を位相一致の状態で表示させる(ステップS113)。
【0018】
なお、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の検査処理装置を適用する検査システムの構成を示す概略図である。
【図2】図1の自走式X線装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】図1の検査装置の概略構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態例に係る検査処理装置の構成を示すブロック構成図である。
【図5】本発明の一実施の形態例に係る検査処理方法の基本原理を説明する図である。
【図6】本発明の検査処理方法の概要を説明するためX線探傷画像を示す概略図である。
【図7】本発明の検査処理方法の概要を説明するためX線探傷画像を示す概略図である。
【図8】別の発明の一実施の形態例に係る検査処理方法による検査処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の検査処理方法によって処理された検査画像の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1;パイプライン、1a;単管、2;溶接部、3;X線照射装置、
4;検査処理装置、5;ネットワーク網、6;欠陥判定装置、
7;溶接ガイドライン、8;X線センサ、9;超音波探傷装置、
10;検査装置、11,12;接触子、41;CPU、42;受信部、
43;画像記憶部、44;RAM、45;表示部、46;操作入力部、
47;終端連結処理部、48;位相収縮処理部、49;内部バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査部に対して走査しながらX線を照射して被検査部を透過して来るX線を検出して得られたX線探傷画像と、被検査部に対して走査しながら超音波を入射して被検査部から反射してくるエコー波に基づいて得られた超音波探傷画像とを画像処理する検査処理方法において、
前記X線探傷画像を得る際被検査部の任意に設定した検査開始位置を走査通過して検出するため検査開始位置を通過した通過分の画像を含んだ前記X線探傷画像に対して、任意に設定した終端開始位置及び被検査部に対して走査した検査走査長から設定した仮の終端終了位置における前後であって所定長の位置間の画像をそれぞれ切り取る工程と、
切り取った2つの画像に含まれる通過分の画像が一致するように切り取った2つの画像を張り合わせる工程と、
張り合わせた画像上での終端開始位置で2つの終端画像に切り離す工程と、
切り離した各終端画像を、終端開始位置及び仮の終端終了位置から前後の所定の位置間の画像を切り取った残りの前記X線探傷画像の各終端にそれぞれ連結する工程と
を有することを特徴とする検査処理方法。
【請求項2】
連結した前記X線探傷画像の全体の位相長を、前記超音波探傷画像の全体の位相長に収縮させる位相収縮工程を有する請求項1記載の検査処理方法。
【請求項3】
前記位相収縮工程における収縮率は、X線を検出するX線センサと被検査部との離隔長と、被検査部の外周面における検査長との関係により定める請求項2記載の検査処理方法。
【請求項4】
前記仮の終端終了位置は、被検査部上を走査するために駆動可能な駆動機構の走査移動距離に基づいて仮に定めた位置である請求項1記載の検査処理方法。
【請求項5】
被検査部に対して走査しながらX線を照射して被検査部を透過して来るX線を検出して得られたX線探傷画像と、被検査部に対して走査しながら超音波を入射して被検査部から反射してくるエコー波に基づいて得られた超音波探傷画像を画像処理する検査処理装置において、
前記X線探傷画像を得る際被検査部の任意に設定した検査開始位置を走査通過して検出するため検査開始位置を通過した通過分の画像を含んだ前記X線探傷画像に対して、任意に設定した終端開始位置及び被検査部に対して走査した検査走査長から設定した仮の終端終了位置における前後であって所定長の位置間の画像をそれぞれ切り取り、切り取った2つの画像に含まれる通過分の画像が一致するように切り取った2つの画像を張り合わせ、張り合わせた画像上での終端開始位置で2つの終端画像に切り離し、切り離した各終端画像を、終端開始位置及び仮の終端終了位置から前後の所定の位置間の画像を切り取った残りの前記X線探傷画像の各終端にそれぞれ連結する処理を行う終端連結処理部を具備することを特徴とする検査処理装置。
【請求項6】
前記終端連結処理部によって連結したX線探傷画像の全体の位相長を前記超音波探傷画像の全体の位相長に収縮する位相収縮処理部を有する請求項5記載の検査処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−145278(P2006−145278A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−332948(P2004−332948)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000231132)JFE工建株式会社 (54)
【Fターム(参考)】