説明

検査情報処理システム及び検査情報処理装置

【課題】手術において実施した検査で取得された情報の探索を容易化する。
【解決手段】検査装置10は、手術患者に対して検査を実施して検査情報を取得する。検査情報としては、画像や生体情報がある。取得された検査情報は、検査情報保管装置20に格納される。更に、検査装置10は、検査情報と、それが取得された手術段階とを関連付ける関連情報(画像管理テーブルT2)を生成する。画像管理テーブルT2は、検査IDや画像IDと手術段階IDとを関連づける。手術記録作成装置30のオペレータは、操作部33を操作して手術段階を指定する。手術記録作成装置30は、指定された手術段階に対応する画像を画像管理テーブルT2に基づいて検索し、表示部32に表示させる。このように、手術段階を指定するだけで、その手術段階において撮影された画像を取得できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検査情報を処理する検査情報処理システム及び検査情報処理装置に関するもので、特に、手術患者に対して検査を実施して得られる情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体の画像を取得するための検査は、放射線検査部において、診療部で発行された依頼(オーダ)に基づいて実施する。このとき、オーダは検査単位に発行され、検査はオーダ単位で実施される。すなわち、オーダと検査は、一対一に対応している。
【0003】
一つの検査では、一般に、複数の画像が取得される。これらの画像には、たとえば異なる方向や位置の断面における画像が含まれている。画像は、たとえばX線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;MRI)装置、PET(Positron Emission Computed Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、超音波診断装置などの医用画像診断装置によって取得される。また、内視鏡による内視鏡画像、手術用顕微鏡や病理組織検査用顕微鏡などによる顕微鏡画像を取得することもある。更に、検査においては、脳波や心電図などの生体情報を取得することもある。
【0004】
検査で取得された画像は、PACS(Picture Archiving and Communication System)などに保管される。医師は、画像ビューアを用いて画像を観察しつつ診断を行って読影レポートを作成する。このようなシステムは、たとえば特許文献1に開示されている。
【0005】
PACSは、複数の画像を検査単位で保管しているので、画像の観察や読影レポートの作成も検査単位で行われる。これは、放射線検査部での管理に適するようにシステムが構築されていることに起因している。すなわち、オーダは検査単位で発行され、放射線検査部でのデータ管理もオーダ単位で行っていることを受けて、システムは、オーダ単位つまり検査単位でデータを処理するように構築されている。
【0006】
特許文献2には、手術中に取得された動画像の検索を容易にするために、施術行為や器具の名称データを選択指定するときの操作タイミングに対応する動画像の一齣をインデックス画像として記録する装置が開示されている。
【0007】
なお、手術においては、手術用顕微鏡や病理組織検査用顕微鏡による顕微鏡画像や、内視鏡による内視鏡画像などを取得することもある。また、心電計による心電図の取得、脳波計による脳波の取得、血圧計による血圧の取得など、画像撮影以外の検査を実施することもある。このように、手術においては、患者に対して様々な検査が実施され、それにより様々な検査情報が取得される。
【0008】
【特許文献1】特開2005−327302号公報
【特許文献2】特開2006−43209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来の技術によれば、手術において取得された検査情報を処理する際に次のような問題の発生が懸念される。
【0010】
手術においては、複数回の検査を行うことが一般的である。たとえば、手術前、手術中及び手術後にそれぞれ検査を実施することがある。また、手術中には、たとえば頭部の手術の場合、開頭後、疾病部位の摘出後、閉頭後など、手術の様々な段階で検査を実施することがある。更に、手術の一つの段階においても、手技を変更しつつ複数回の検査を実施することがある。
【0011】
このように一回の手術において複数回の検査を行った場合に、従来のようにデータを検査単位で管理する構成を適用すると、画像等の検査結果を参照する際に各検査の結果を一つひとつ確認しながら求める情報を探し出さねばならず、技師や医師に大きな負担が掛かってしまう。
【0012】
なお、術後における検査結果の参照は、たとえば手術記録を作成する際、読影レポートを作成する際、診療を支援する際、手術中の医療ミスを探索する際、手術内容を医学生や研修医等に教育目的で視聴させる際などに実施される。
【0013】
更に、手術の内容や結果を患者に説明する際にも検査結果を参照することがある。その場合には、検査結果の探索に時間を要するために説明時間が不要に長引き、患者にも大きな負担が掛かってしまう。
【0014】
また、特許文献2のように施術行為毎や器具毎にインデックス画像を作成する方式は、このインデックス画像を基に動画像の所望のシーンを探索するものであるため、他の画像や心電図や脳波などの情報を探索することができない。
【0015】
更に、特許文献2に記載の方式では、手術の一段階に複数の検査を行う場合に対応することは困難である。すなわち、手術の一段階に複数の検査を行う場合、それらの検査結果と手術の段階とを関連付けることができないため、ユーザが所望する検査結果を選択的に探し出すことは難しい。
【0016】
また、施術行為や器具は、一般に手術の段階と一対一に対応していないので、特許文献2に記載の方式では所望の検査結果を探索することは困難である。たとえば、特定の施術行為や器具は、手術の複数の段階においてそれぞれ使用されることがあり、その場合には、施術行為や器具を特定しても手術の段階を一意に特定することができず、結果として所望の検査結果を探索することが困難になる。
【0017】
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、手術患者に対する検査により取得された情報を容易に探索することが可能な検査情報処理システム及び検査情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、手術患者に対して検査を実施して、少なくとも検査結果を含む検査情報を取得する検査手段と、前記取得された検査情報を記憶する記憶手段と、前記検査情報が取得された手術段階を表す段階情報を生成し、前記段階情報と前記検査情報とを関連付ける関連情報を生成する生成手段と、操作手段と、前記操作手段により手術段階が指定されたときに、前記関連情報に基づいて、前記指定された手術段階に対応する検査情報を前記記憶手段から検索する検索手段と、を備えることを特徴とする検査情報処理システムである。
【0019】
また、請求項15に記載の発明は、手術患者に対する検査により取得された検査結果を含む検査情報を処理する検査情報処理装置であって、前記検査情報が取得された手術段階を表す段階情報を生成し、前記段階情報と前記検査情報とを関連付ける関連情報を生成する生成手段と、操作手段と、前記操作手段により手術段階が指定されたときに、前記関連情報に基づいて、前記指定された手術段階に対応する検査情報を検索する検索手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、手術患者に対する検査により取得された検査情報と、この検査情報が取得された手術段階を表す段階情報とを関連付ける関連情報を生成するとともに、操作手段により手術段階が指定されたときに、この手術段階に対応する検査情報を関連情報に基づいて検索するように作用する。
【0021】
したがって、この発明によれば、手術段階を指定するだけで、その手術段階において得られた検査情報を取得できるので、所望の検査情報を容易に探索することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明に係る検査情報処理システム及び検査情報処理装置の好適な実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
手術においては、様々な段階(手術段階と呼ぶ)で患者に検査を実施して各種の情報を取得する。このような検査により取得される情報を検査情報と称する。検査情報には、当該検査の検査結果が少なくとも含まれる。この発明は、検査情報の処理に関するものである。
【0024】
ここで、手術段階には、手術前、手術中及び手術後のうちの少なくともいずれかが含まれている。また、手術中には、様々な段階を設定することができる。たとえば、胸部の手術においては、開胸前、開胸後、疾病部位の摘出後、閉胸後などの段階を設定できる。
【0025】
また、手術において取得される検査情報としては、従来と同様に、画像、心電図、脳波、血圧などがある。画像には、医用画像診断装置により撮影される医用画像、内視鏡画像、顕微鏡画像などがある。また、心電図、脳波、血圧以外の任意の生体情報を取得することも可能である。
【0026】
[構成]
この発明に係る検査情報処理システムの構成について説明する。図1は、検査情報処理システムの構成の一例を表している。図1に示す検査情報処理システム1は、手術患者の検査を実施する機能を有するとともに、手術記録の作成を支援する機能を有する。
【0027】
検査情報処理システム1は、検査装置10、検査情報保管装置20、手術記録作成装置30及び手術記録保管装置40を含んで構成される。これらの装置10〜40は、LAN(Local Area Network)や専用線などの通信回線を介して通信可能に接続されている。
【0028】
検査情報処理システム1の機能の概要を説明する。検査装置10は、手術患者に対して各種の検査を実施して検査情報を取得する。取得された検査情報は、検査情報保管装置20に送られて保管される。また、検査装置10は、検査が実施された手術段階を表す情報と、その検査情報とを関連付けるリンク情報を生成し、手術記録作成装置30に送る。
【0029】
手術記録作成装置30は、オペレータの指示に応じて手術記録を作成する装置である。手術記録作成装置30は、手術記録に記載する検査情報を検査情報保管装置20から取得する。このとき、後述のリンク情報を参照することにより、オペレータが所望の検査情報を探索する作業を支援する。作成された手術記録は、手術記録保管装置40に送られて保管される。以下、このように機能する検査情報処理システム1の構成の詳細を説明する。
【0030】
〔検査装置〕
検査装置10は、手術室内に設置され、手術患者に対して各種の検査を実施する。検査装置10は、制御部11、画像撮影部12A、生体情報取得部12B、表示部13、操作部14及びリンク情報生成部15を含んで構成される。
【0031】
(制御部)
制御部11は、検査装置10の各部を制御する。その一例として、制御部11は、表示部13に各種の画面や画像を表示させる。また、制御部11は、操作部14が操作されたときに、その操作内容に応じた動作を検査装置10に実行させる。たとえば、制御部11は、操作内容に応じて画像撮影部12Aの撮影条件を設定する。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブなどを含んで構成される。
【0033】
ROMやハードディスクドライブにはコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。マイクロプロセッサがこのコンピュータプログラムをRAM上に展開することにより、制御部11は動作する。
【0034】
また、制御部11は、検査情報保管装置20との間でデータ通信を行うための通信機器を含んでいる。この通信機器は、たとえばLANカード等のネットワークアダプタにより構成される。
【0035】
(画像撮影部)
画像撮影部12Aは、手術患者の画像を撮影する。画像撮影部12Aは、たとえば、医用画像診断装置、内視鏡、顕微鏡などの撮影装置により構成される。画像撮影部12Aは、手術患者の画像を撮影し、その画像のデジタルデータを生成する。なお、以下の説明において、画像と、この画像のデジタルデータとを同一視することがある。
【0036】
画像撮影部12Aは、生成した画像を制御部11に送る。制御部11は、画像生成部12Aから入力された画像を検査情報保管装置20に送信する。
【0037】
画像撮影部12Aは、検査情報としての画像を取得するもので、この発明の「検査手段」の一例として機能するものである。
【0038】
(生体情報取得部)
生体情報取得部12Bは、手術患者の生体情報を取得する。生体情報取得部12Bは、たとえば、心電計、脳波計、血圧計などの生体情報検査装置により構成される。生体情報取得部12Bは、取得した生体情報のデジタルデータを生成する。たとえば、心電計においては、各検出時刻における電圧の検出値をデジタル化する。
【0039】
生体情報取得部12Bは、検査情報としての生体情報を取得するもので、この発明の「検査手段」の一例として機能するものである。
【0040】
なお、この実施形態では、検査手段として、手術患者の画像を撮影する手段と、生体情報を取得する手段の双方を設けているが、これらのうちの一方のみを設けた構成を採用することも可能である。また、これら以外の任意の検査情報を取得する手段を具備していてもよい。
【0041】
(表示部)
表示部13は、制御部11により制御され、各種の画面や画像などの情報を表示する。表示部13には、たとえば、画像撮影部12Aの撮影条件を設定するための操作画面や、撮影された画像を表示するための画面などが表示される。
【0042】
表示部13は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの任意の表示デバイスにより構成される。
【0043】
(操作部)
操作部14は、検査装置10の操作や、情報の入力を行うためのデバイスである。操作部14は、たとえば、画像撮影部12Aや生体情報取得部12Bの操作や設定、表示部13の表示内容に関する操作などに用いられる。
【0044】
操作部14は、たとえばキーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック等の汎用のデバイスを含んで構成される。また、操作部14は、専用の操作卓などを含んでいてもよい。
【0045】
なお、図1においては、表示部13と操作部14を個別に記載しているが、たとえばペンタブレットを用いるなど、これらを一体的に構成することも可能である。
【0046】
(リンク情報生成部)
リンク情報生成部15は、画像撮影部12Aや生体情報取得部12Bにより取得された検査情報と、この検査情報が取得された手術段階とを関連付けるリンク情報を生成する。更に、リンク情報生成部15は、生成したリンク情報を手術記録作成装置30に送信する。
【0047】
リンク情報は、この発明の「関連情報」の一例に相当する。また、リンク情報生成部15は、この発明の「生成手段」の一例として機能するものである。
【0048】
リンク情報生成部15は、たとえばマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信機器などを含んで構成される。ハードディスクドライブにはコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。マイクロプロセッサがこのコンピュータプログラムをRAM上に展開することにより、リンク情報生成部15はリンク情報の生成処理を実行する。
【0049】
(処理の具体例)
ここで、リンク情報を生成する処理の具体例を説明する。手術患者に対して検査を実施するとき(実施直前、実施中又は実施直後)、オペレータは、操作部14を操作して手術段階を指定する。手術段階の指定は、たとえば手術段階の選択肢を表示部13に表示させ、所望の選択肢をオペレータが指定することで行う。
【0050】
図2は、手術段階の識別情報(手術段階ID)と、手術段階の表示用情報(表示段階レベル)とを対応付ける手術段階テーブルT1を表している。手術段階テーブルT1は、ハードディスクドライブ等にあらかじめ格納されている。手術段階IDは、この発明の「段階情報」の一例に相当する。
【0051】
制御部11は、手術段階テーブルT1に記録された表示段階ラベルを表示部13に表示させる。なお、事前に手術部位や手術内容が指定されている場合には、これに該当する表示段階ラベルのみを選択して表示させる。たとえば、頭部の手術を行う際には、「手術前」、「手術後」、「開頭後」、「左側頭部摘出後」など、頭部の手術に関連する表示段階ラベルのみを表示させる。
【0052】
このとき、一般的な手術の工程に応じた順序で表示段階ラベルを配列表示させることが望ましい。たとえば頭部手術の場合、「手術前」、「開頭後」、「左側頭部摘出後」、「手術後」、の順に配列させることが望ましい。
【0053】
手術段階ラベルが指定され、かつ、検査情報が取得されると、リンク情報生成部15は、手術段階テーブルT1を参照し、指定された手術段階ラベルに対応する手術段階IDを取得する。更に、リンク情報生成部15は、この手術段階IDと検査情報とを関連付けるリンク情報を生成する。
【0054】
リンク情報について更に詳しく説明する。検査を行うときには、その識別情報(検査ID)が発行される。検査IDとしては、前述したオーダの識別情報を用いてもよいし、検査装置10が新たに発行する識別情報を用いてもよい。
【0055】
リンク情報生成部15は、リンク情報として、手術段階IDと検査IDとを関連付ける情報を生成することができる。なお、検査IDを用いる代わりに、検査情報保管装置20に検査情報を保管するときの保管位置を表す情報を用いることもできる。なお、保管位置を表す情報としては、たとえば検査情報保管装置20の記憶領域のディレクトリやフォルダ名などを用いることができる。
【0056】
また、検査装置10は、画像撮影部12Aにより撮影される各画像に対して識別情報(画像ID)を発行する。特に、一の検査において複数の画像を撮影する場合、検査装置10は、複数の画像のそれぞれに異なる画像IDを発行する。このように、画像については、その画像を取得した検査の検査IDが発行されるとともに、各画像毎の画像IDが発行される。
【0057】
検査装置10(画像撮影部12A)がDICOMに準拠した装置である場合には、DICOMにおけるIDを発行することができる。ここで、DICOMとは、医用デジタル画像と通信に関する標準規格であり、Digital Imaging and Communications in Medicineの略語である。
【0058】
このように検査情報が画像である場合、各画像を識別可能にするために、手術段階IDと検査IDと画像IDとを関連付ける情報を、リンク情報として生成することが望ましい。
【0059】
また、手術において画像を参照する場合、撮影された画像のうちから所望の画像を選択的に参照することが多々ある。また、撮影された画像のうちに不要な画像が含まれていることもある。このような場合としては、たとえば、撮影条件を変えて複数回撮影を行った場合や、疾病部位の全体を撮影するために撮影範囲を広めに設定した場合や、疾病部位を様々な方向から撮影した場合などがある。
【0060】
このような場合には、手術で参照された画像についてのみ、リンク情報を生成するように構成することができる。その際、リンク情報は、上記のように手術段階IDと検査IDと画像IDとを関連付ける情報であってもよいし、また、画像IDの代わりに、当該検査における当該画像の撮影順序を表す情報を関連付ける情報であってもよい。なお、撮影順序を表す情報以外にも、当該画像を特定可能にする任意の情報を用いることができる。
【0061】
また、各手術には、それを識別するための手術IDが発行される。手術IDの発行は、たとえば検査装置10が行う。リンク情報は、前述の各種IDに手術IDも関連付ける情報であってもよい。
【0062】
図3は、リンク情報の一例を表している。図3に示す画像管理テーブルT2は、手術患者の撮影画像に関するリンク情報の具体例である。画像管理テーブルT2は、手術ID、手術段階ID、検査ID及び画像IDを関連付けるテーブル情報である。
【0063】
画像管理テーブルT2は、複数の手術に関する情報を一元的に管理している。各手術は、手術IDによって識別される。以下、手術ID「100001」の手術におけるIDの関連付けについて説明する。
【0064】
この手術では、手術段階IDが「0001」、「1001」及び「0002」の手術段階において画像が取得されている。ここで、図2を参照すると、手術段階ID「0001」は「手術前」に対応し、手術段階ID「1001」は「開頭後」に対応し、手術段階ID「0002」は「手術後」に対応している。なお、手術段階ID「1001」には、2つの画像が関連付けられている。
【0065】
検査IDは、前述のように各検査毎に付与される。画像管理テーブルT2によれば、手術段階ID「0001」には、単一の検査ID「1000485」が関連付けられている。また、手術段階ID「1001」には、単一の検査ID「1000486」が関連付けられている。また、手術段階ID「0002」には、単一の検査ID「1000487」が関連付けられている。すなわち、これらの手術段階において、それぞれ一つの検査(画像撮影)が実施されたことになる。なお、手術で参照した画像についてのみリンク情報を生成する場合においては、各手術段階において一つの検査の結果のみが参照されたことになる。
【0066】
図3に示す画像IDは、各検査における画像の撮影順序を表している。手術段階「0001」には、画像ID「00001」、すなわち、検査ID「1000485」の検査において第1番目に撮影された画像が関連付けられている。同様に、手術段階「1001」には、画像ID「00002」及び「00004」、すなわち、検査ID「1000486」の検査において第2番目及び第4番目に撮影された画像が関連付けられている。また、手術段階「0002」には、画像ID「00002」、すなわち、検査ID「1000487」の検査において第2番目に撮影された画像が関連付けられている。
【0067】
このような画像管理テーブルT2によれば、手術において取得された画像を、手術毎に、手術段階毎に、検査毎に、そして画像毎に一意的な管理を実現することができる。
【0068】
なお、生体情報に関するリンク情報についても同様に生成することができる。たとえば、単一の検査に一つの生体情報しか取得されない場合には、手術段階IDと検査IDとを関連付けることによりリンク情報を生成する。また、単一の検査で複数の生体情報を取得する場合には、前述した画像の場合と同様に、生体情報毎の識別情報を付与することによりリンク情報を生成する。
【0069】
〔検査情報保管装置〕
検査情報保管装置20は、検査装置10により取得された検査情報を保管する装置である。検査情報保管装置20は、画像を保管する装置と生体情報等を保管する装置とが個別に設けられていてもよい。
【0070】
画像を保管する検査情報保管装置20としては、たとえばPACSの画像データベースなどが用いられる。また、生体情報を保管する検査情報保管装置20としては、たとえば専用のデータベースを設置することもできるし、既存の任意の記憶装置を用いることもできる。検査情報保管装置20は、この発明の「記憶手段」の一例として機能するものである。
【0071】
〔手術記録作成装置〕
手術記録作成装置30は、手術に関する情報を記録するレポート(手術記録)の作成に用いられるコンピュータである。手術記録作成装置30は、手術記録の作成を行う任意の場所に設置されている。
【0072】
手術記録作成装置30は、制御部31、表示部32、操作部33、情報記憶部34、検索部35、手術記録作成部36を含んで構成されている。
【0073】
(制御部)
制御部31は、手術記録作成装置30の各部を制御する。その一例として、制御部31は、表示部32に各種の画面や画像を表示させる。また、制御部31は、操作部33が操作されたときに、その操作内容に応じた動作を手術記録作成装置30に実行させる。たとえば、制御部31は、操作内容に基づいて、検査情報の検索処理や手術記録の作成処理を手術記録作成装置30に実行させる。
【0074】
制御部31は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブなどを含んで構成される。また、制御部31は、検査情報保管装置20との間でデータ通信を行うためのLANカード等の通信機器を含んでいる。
【0075】
ROMやハードディスクドライブにはコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。マイクロプロセッサがこのコンピュータプログラムをRAM上に展開することにより、制御部31は動作する。制御部31は、この発明の「制御手段」の一例として機能する。
【0076】
(表示部)
表示部32は、制御部31により制御され、各種の画面や画像などの情報を表示する。表示部32には、たとえば、検査情報の検索を行うための画面や、手術記録の作成を行うための画面などが表示される。
【0077】
表示部32は、たとえばLCDやCRTディスプレイなどの任意の表示デバイスにより構成される。表示部32は、この発明の「表示手段」の一例として機能する。
【0078】
(操作部)
操作部33は、手術記録作成装置30の操作や、情報の入力を行うためのデバイスである。操作部33は、たとえば、検索対象とする検査情報の指定や情報の入力、更に、手術記録の情報入力などに用いられる。
【0079】
操作部33は、たとえばキーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック等の汎用のデバイスを含んで構成される。また、操作部33は、専用の操作卓やペンタブレットなどを含んでいてもよい。
【0080】
(情報記憶部)
情報記憶部34は、検査装置10により生成されて送信されたリンク情報を記憶する。情報記憶部34に記憶されたリンク情報は、制御部31によって適宜に読み出される。情報記憶部34は、たとえばハードディスクドライブ等の記憶装置と、検査装置10からリンク情報を受信する通信機器とを含んで構成される。
【0081】
また、情報記憶部34は、図2に示した手術段階テーブルT1をあらかじめ記憶している。
【0082】
(検索部)
検索部35は、リンク情報に基づいて、検査情報保管装置20に格納されている検査情報を検索する。この検索処理の具体例を説明する。オペレータが手術段階を指定すると、検索部35は、画像管理テーブルT2を参照し、指定された手術段階の手術段階IDに関連づけられた画像IDを特定する。そして、検索部35は、特定された画像IDが付与された画像を検査情報保管装置20から取得する。
【0083】
一つの手術段階に複数の検査が実施された場合などにおいて、オペレータが手術段階と検査を指定したときには、検索部35は、指定された手術段階及び検査に対応する手術段階ID及び検査IDに関連づけられた画像IDを特定し、この画像IDが付与された画像を検査情報保管装置20から取得する。
【0084】
また、一つの手術段階に複数の画像が撮影された場合などにおいて、オペレータが手術段階と画像を指定したときには、検索部35は、指定された手術段階及び画像に対応する手術段階ID及び画像IDに関連づけられた画像IDを特定し、この画像IDが付与された画像を検査情報保管装置20から取得する。
【0085】
なお、画像管理テーブルT2は、上位から下位に向かって手術ID、手術段階ID、検査ID、画像IDの順に階層的に構成されたテーブル情報である。すなわち、一つの手術IDに対して一つ以上の手術段階IDが関連づけられ、一つの手術段階IDに対して一つ以上の検査IDが関連づけられ、一つの検査IDに対して一つ以上の画像IDが関連づけられている。したがって、下位の情報が指定されたことに対応して上位の情報が一意的に決定されるように構成することが可能である。この場合、オペレータは、下位の情報のみを指定するだけでよい。
【0086】
検索部35は、この発明の「検索手段」の一例として機能する。また、検索部35は、マイクロプロセッサ、RAM、通信機器等を含んで構成される。
【0087】
(手術記録作成部)
手術記録作成装置30は、前述のように手術記録を作成するための装置である。手術記録作成部36は、手術記録のテンプレートをあらかじめ記憶している。このテンプレートは、手術記録を作成するための一定の形式の用紙の画像データである。
【0088】
オペレータは、このテンプレートを表示部32に表示させ、操作部33を操作して情報を入力する。手術記録作成部36は、入力された情報を、テンプレートに応じた形式で記録することにより手術記録のデータを作成する。
【0089】
ここで、テンプレートに応じた形式とは、手術記録の記載内容を、たとえば、患者IDや患者氏名等の患者情報、手術日時、執刀医や手術記録の作成者等の医師情報、手術の内容等の手術情報などに分類して記録するものである。
【0090】
手術記録作成部36は、マイクロプロセッサや、テンプレート等を記録するハードディスクドライブなどを含んで構成される。
【0091】
(手術記録保管装置)
手術記録保管装置40は、手術記録作成装置30により作成された手術記録(のデータ)を保管する装置である。制御部31は、作成された手術記録を手術記録保管装置40に送信する。手術記録保管装置40は、手術記録作成装置30から送信された手術記録を格納する。
【0092】
手術記録保管装置40は、ハードディスクドライブ等の記憶装置、通信機器等を含んで構成される。
【0093】
なお、この実施形態では、手術記録作成装置30と手術記録保管装置40とを個別に設けているが、このような構成は、たとえば大規模の医療機関などのように複数の手術記録作成装置30が設置され、かつ、手術記録を一元管理する場合に有効である。一方、たとえば小規模の医療機関などにおいては、手術記録作成装置30に内蔵されたハードディスクドライブに手術記録を保管するなど、手術記録作成装置30と手術記録保管装置40とを一体的に構成してもよい。
【0094】
[使用形態]
検査情報処理システム1の使用形態について説明する。
【0095】
図4、図5に示すフローチャートは、検査情報処理システム1の使用形態の一例を表している。図4のフローチャートは、手術において実施された検査のリンク情報を生成するための使用形態の具体例を表している。また、図5のフローチャートは、手術記録を作成するときの使用形態の具体例を表している。
【0096】
なお、この使用形態では、特に検査情報が画像である場合について説明し、それ以外の種類の検査情報を処理する場合については後述することにする。
【0097】
〔リンク情報の生成:図4〕
まず、検査の依頼を行う(S1)。検査の依頼は、たとえば、手術を行っている医師(手術医)が、放射線技師等の検査者に対して行う。
【0098】
検査装置10は、検査者の指示に基づいて手術患者の画像を撮影する(S2)。検査装置10は、各撮影画像に対して検査IDと画像IDを付与する(S3)。
【0099】
検査装置10は、撮影画像を表示部13に表示する(S4)。このとき、手術医は、検査者に指示を出したり、自身で検査装置10を操作することにより、所望の撮影画像を選択的に表示させる。手術医は、表示された画像を参照して手術を行う。
【0100】
次に、検査装置10は、手術医が参照した画像に対して手術段階IDを発行する(S5)。この処理は、たとえば図2に示す手術段階テーブルT1を参照して実行される。
【0101】
手術段階IDは、たとえば、手術医や検査者が手術段階を入力することにより決定される。なお、手術医が手術段階を入力する場合には、たとえばフットスイッチやフットレバーのように、足で操作する操作手段によって入力することが望ましい。
【0102】
また、手術患者の病名や手術の術式に応じて手術の工程があらかじめ決まっている場合には、検査装置10が手術段階を自動的に特定して手術段階IDを発行するように構成することも可能である。
【0103】
続いて、検査装置10は、ステップ3で発行された検査ID及び画像IDと、ステップ5で発行された手術段階IDとに基づいて、リンク情報(図3に示す画像管理テーブルT2の一部)を生成する(S6)。リンク情報は、特に手術医が参照した各画像について生成される。なお、画像管理テーブルT2に含まれる手術IDは、手術の開始前などにあらかじめ入力されている。
【0104】
更に、検査装置10は、生成されたリンク情報を手術記録作成装置30に送信する(S7)。手術記録作成装置30は、検査装置10から送信されたリンク情報を受信し、情報記憶部34に記憶する(S8)。
【0105】
なお、検査装置10から送信するリンク情報は、ステップ6にて新たに生成されたもののみを送信してもよいし、過去に生成したリンク情報も含めて送信してもよい。前者の場合、情報記憶部34は、事前に記憶している過去のリンク情報に新たに送信されたリンク情報を追加して記憶する。一方、後者の場合には、情報記憶部34は、事前に記憶しているリンク情報を新たに送信されたリンク情報に更新して記憶する。
【0106】
また、検査装置10は、ステップ2で撮影された画像、特にステップ4で手術医が参照した画像を、ステップ3で付与された検査ID及び画像IDとともに検査情報保管装置20に送信する(S9)。検査情報保管装置20は、検査装置10から送信された画像等を格納する(S10)。
【0107】
なお、ステップ9及びステップ10に示す処理は、ステップ5以前の任意のタイミングで実行することが可能である。以上で、リンク情報の生成に関する処理の説明を終了する。
【0108】
〔手術記録の作成:図5〕
最初に、手術記録作成装置30のオペレータは、操作部33を操作して手術IDを入力する(S21)。
【0109】
手術記録作成装置30は、情報記憶部34に記憶されたリンク情報に基づいて、ステップ21で入力された手術IDに対応する手術段階を表示する(S22)。この処理は、たとえば次のようにして実行される。まず、制御部31は、リンク情報(画像管理テーブルT2)を参照し、オペレータが入力した手術IDに関連付けられた手術段階IDを特定する。次に、制御部31は、情報記憶部34に記憶された手術段階テーブルT1を参照し、この手術段階IDに対応する手術段階を特定する。そして、制御部31は、特定された手術段階を表す情報を表示部32に表示させる。このとき、複数の検査情報(画像)に関連付けられた手術段階については、これらの検査情報を表す情報も表示させる。
【0110】
オペレータは、操作部33を操作し、ステップ22で表示された手術段階のうちから所望の手術段階を指定する(S23)。なお、指定した手術段階に複数の検査情報(画像)が含まれている場合、オペレータは、所望の検査情報を指定する。また、前述のように、手術段階と検査情報が階層的に表示されているときには、下位の検査情報を指定することによって、上位の手術段階が自動的に指定される。
【0111】
検索部35は、リンク情報を参照し、ステップ23での指定結果に該当する検査情報を検査情報保管装置20から検索する(S24)。このとき、検索部35は、たとえば、リンク情報に基づいて得られる検査IDや画像IDを含む信号を検査情報保管装置20に送信する。この信号には、画像の検索要求や検索結果の送信先情報(ネットワークアドレス等)も含まれている。検査情報保管装置20は、この信号を受信すると、当該検査IDや画像IDが付加された画像を探索し、この画像を手術記録作成装置30に送信する。
【0112】
図2、図3を参照しつつ、この検索処理の具体例を説明する。画像管理テーブルT2における手術ID「100001」の手術について、手術段階として「手術前」が指定された場合について説明する。検索部35は、手術段階テーブルT1を参照し、手術段階「手術前」に対応する手術段階ID「0001」を特定する。続いて、検索部35は、画像管理テーブルT2を参照し、手術段階ID「0001」に対応する検査ID「1000485」及び画像ID「00001」を特定する。そして、検索部35は、特定された検査IDと画像IDが付加された画像を検査情報保管装置20から検索する。
【0113】
この具体例は、一つの手術段階に一つの検査情報が取得された場合の処理の例である。したがって、手術ID「100001」の手術における手術段階「0002」が指定された場合にも同様の処理が実行される。一方、一つの手術段階に複数の検査情報が取得された場合については、次のような処理を実行することができる。この場合、オペレータは、ステップ23において所望の検査情報を指定することになる。指定される検査情報としては、検査の種類や検査ID、更には検査情報自体や画像IDなどがある。
【0114】
一つの検査において一つの検査情報(画像等)が取得された場合、オペレータは、ステップ23において検査ID等を指定すれば十分であり、画像ID等を指定する必要はない。また、一つの検査において複数の検査情報が取得された場合には、画像ID等も取得する必要がある。以下、これら2つのケースの検索処理の具体例を説明する。
【0115】
一つの検査において一つの検査情報が取得された場合、検索部35は、画像管理テーブルT2を参照し、オペレータが指定した手術段階及び検査について、その手術段階ID及び検査IDに対応する画像IDを特定する。そして、検索部35は、特定された検査ID及び画像IDが付加された画像を検査情報保管装置20から検索する。
【0116】
また、一つの検査において複数の検査情報が取得された場合、検索部35は、オペレータが指定した手術段階、検査及び画像について、その検査ID及び画像IDが付加された画像を検査情報保管装置20から検索する。以上で、ステップ24の検索処理の説明を終了する。
【0117】
制御部31は、検索された検査情報を表示部32に表示させる(S25)。オペレータは、表示された画像を参照するなどして、手術記録のテンプレートに情報を記入する。手術記録作成部36は、記入された情報に基づいて手術記録を作成する(S26)。制御部31は、作成された手術記録を手術記録保管装置40に送信する(S27)。手術記録保管装置40は、手術記録作成装置30から送信された手術記録を受信して格納する(S28)。以上で、手術記録の作成処理の説明を終了する。
【0118】
[作用・効果]
この実施形態に係る検査情報処理システム1の作用及び効果を説明する。
【0119】
検査情報処理システム1は、以上に説明したように、検査装置10と手術記録作成装置30を含んで構成されている。検査装置10は、手術患者に対して検査を実施して検査情報を取得する。検査としては、画像の撮影や生体情報の取得などがある。この実施形態では、検査装置10により取得された検査情報は、検査情報保管装置20に格納される。
【0120】
更に、検査装置10は、取得された検査情報と、この検査情報が取得された手術段階とを関連付けるリンク情報を生成する。このリンク情報は、取得された検査情報の検査IDや画像IDと、手術段階に対応する手術段階IDとを関連づけることにより、検査情報と手術段階との関連づけを行う。
【0121】
手術記録作成装置30は、手術記録を作成するために使用される装置である。オペレータは、操作部33を操作して手術段階を指定する。手術記録作成装置30は、指定された手術段階に対応する検査情報を、リンク情報に基づいて検索する。
【0122】
以上のように作用する検査情報処理システム1によれば、手術段階を指定することにより、その手術段階において実施された検査で取得された検査情報を自動的に取得することができるので、所望の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0123】
また、一の手術段階において二以上の検査情報が取得された場合、検査装置10は、二以上の検査情報のそれぞれに対して当該手術段階を関連付けるリンク情報を生成する。すなわち、このリンク情報は、同じ手術段階で取得された各検査情報の検査IDや画像IDに対して同じ手術段階IDを関連づけるものである。更に、手術記録作成装置30は、これらの検査情報のうちのいずれかをオペレータが指定したときに、指定された検査情報を検索するように作用する。このとき、手術記録作成装置30は、手術IDとともに、検査IDや画像IDを参照して、目的の検査情報を検索する。
【0124】
このような検査情報処理システム1によれば、一の手術段階において二以上の検査情報が取得された場合であっても、所望の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0125】
[変形例]
この実施形態に係る検査情報処理システム1の変形例を説明する。以下、図1に示した構成を適宜に引用する。
【0126】
〔変形例1〕
まず、検査情報として画像を取得する場合、特に複数の画像を取得する場合において、手術記録の作成者等による画像の指定操作を容易化する例を説明する。この変形例では、取得された画像の小画像を選択的に指定可能に表示することにより、画像の指定操作を容易化する技術について説明する。
【0127】
図6は、この変形例に係る検査情報処理装置の構成の一例を表している。この検査情報処理システムは、検査装置10に小画像生成部16が設けられていることを除けば、図1に示した検査情報処理システム1と同様の構成を備えている。
【0128】
小画像生成部16は、画像撮影部12Aにより撮影された画像の小画像(の画像データ)を生成する。ここで、小画像とは、撮影画像を縮小した画像を意味する。小画像の具体例としては、撮影画像を加工して画像サイズを縮小したサムネイル画像や、撮影画像の表示サイズを縮小したサムネイル画像などがある。
【0129】
小画像生成部16は、任意の公知技術を適用することにより、撮影画像の画像データに基づいて小画像の画像データを生成する。このとき、小画像生成部16は、生成した小画像に対して識別情報(小画像ID)を付与するようになっている。この小画像IDは、たとえば、その小画像の基になった画像の画像IDに所定の情報(たとえば小画像であることを表す文字列情報)を付加したものとされる。
【0130】
小画像生成部16は、小画像IDが付与された小画像を手術記録作成装置30に送信する。手術記録作成装置30の情報記憶部34は、検査装置10から送信された小画像及び小画像IDを受信して記憶する。
【0131】
制御部11は、小画像に付与された小画像IDをリンク情報生成部15に送る。リンク情報生成部15は、小画像の小画像IDを含めたリンク情報を生成する。すなわち、リンク情報生成部15は、小画像の小画像IDを、その小画像の基になった画像の画像IDとを関連付けるリンク情報を生成する。
【0132】
小画像生成部16は、この発明の「小画像生成手段」の一例として機能するものである。小画像生成部16は、所定のコンピュータプログラムにしたがって小画像を生成するマイクロプロセッサや、通信機器などを含んで構成される。
【0133】
図7は、小画像IDを含むリンク情報の一例を表している。図7に示す画像管理テーブルT2′は、図3の画像管理テーブルT2に小画像IDを追加して形成される情報である。画像管理テーブルT2′は、画像管理テーブルT2と同様の画像を管理するテーブル情報である。画像管理テーブルT2′は、各画像の手術ID、手術段階ID、検査ID及び画像IDに対して小画像IDを関連付けている。ここでは、画像IDの末尾に文字列「a」を付加した小画像IDが用いられている。
【0134】
この変形例に係る検査情報処理システムの使用形態を説明する。小画像の生成処理やリンク情報の生成処理については上述したので、手術記録の作成処理についてのみ以下に説明する。図8に示すフローチャートは、この検査情報処理システムを用いた手術記録の作成処理の一例を表している。
【0135】
最初に、手術記録作成装置30のオペレータは、操作部33を操作して手術IDを入力する(S41)。
【0136】
手術記録作成装置30は、情報記憶部34に記憶されたリンク情報に基づいて、ステップ41で入力された手術IDに対応する手術段階及び小画像を表示する(S42)。この処理は、たとえば次のようにして実行される。
【0137】
まず、制御部31は、リンク情報(画像管理テーブルT2′)を参照し、オペレータが入力した手術IDに関連付けられた手術段階IDを特定する。更に、制御部31は、情報記憶部34に記憶された手術段階テーブルT1を参照し、特定された手術段階IDに対応する手術段階を特定する。
【0138】
また、制御部31は、画像管理テーブルT2′に基づいて、特定された各手術段階に関連付けられた小画像IDを特定する。更に、制御部31は、特定された小画像IDに対応する小画像の画像データを特定する。なお、小画像の画像データは、情報記憶部34に記憶されている。
【0139】
そして、制御部31は、特定された手術段階を表す情報と小画像とを表示部32に表示させる。このとき、各小画像は、対応する手術段階毎に分類されて表示される。たとえば、図7の画像管理テーブルT2′を用いる場合においては、「手術前」の小画像として小画像ID「00001a」の小画像が表示され、「開頭後」の小画像として小画像ID「00002a」及び「00004a」の二つの小画像が表示され、「手術後」の小画像として小画像ID「0002a」の小画像が表示される。
【0140】
また、図9は、肺の手術において撮影された画像の小画像の表示態様の具体例を表している。図9に示す表示画面Aは、表示部32に表示される。表示画面Aには、手術段階を表す表示情報B1、B2、B3が表示されている。ここで、表示情報B1、B2、B3は、それぞれ、手術段階を表す文字列「手術前」、「左肺野摘出後」、「手術後」を含んでいる。
【0141】
表示情報B1の下方には、対応する手術段階「手術前」における撮影画像の小画像の表示領域C1が設けられている。この表示領域C1には、この手術段階における撮影画像の小画像G1、G2がそれぞれ配列表示されている。また、表示情報B2の下方には、対応する手術段階「左肺野摘出後」における撮影画像の小画像の表示領域C2が設けられている。この表示領域C2には、この手術段階における撮影画像の小画像G3が表示されている。また、表示情報B3の下方には、対応する手術段階「手術後」における撮影画像の小画像の表示領域C3が設けられている。この表示領域C3には、この手術段階における撮影画像の小画像G4、G5がそれぞれ配列表示されている。
【0142】
オペレータは、操作部33を操作し、ステップ42で表示された小画像のうちから所望の小画像を指定する(S43)。このとき、手術段階と小画像IDとは階層的に関連付けられているので、下位の小画像IDが指定されることによって、上位の手術段階が自動的に指定される。
【0143】
検索部35は、リンク情報を参照し、ステップ43で指定された小画像に対応する画像を検査情報保管装置20から検索する(S44)。このとき、検索部35は、たとえば、指定された小画像の小画像IDに関連付けられた検査IDや画像IDを特定し、この特定結果や検索要求を含む信号を検査情報保管装置20に送信する。検査情報保管装置20は、この信号を受信すると、当該検査IDや画像IDが付加された画像を探索し、この画像を手術記録作成装置30に送信する。
【0144】
制御部31は、検索された画像を表示部32に表示させる(S45)。ここで表示される画像は、オペレータが指定した小画像を拡大した画像である。オペレータは、表示された画像を参照するなどして、手術記録のテンプレートに情報を記入する。手術記録作成部36は、記入された情報に基づいて手術記録を作成する(S46)。制御部31は、作成された手術記録を手術記録保管装置40に送信する(S47)。手術記録保管装置40は、手術記録作成装置30から送信された手術記録を受信して格納する(S48)。以上で、手術記録の作成処理の説明を終了する。
【0145】
以上のように、この変形例に係る検査情報処理システムは、手術において撮影された画像の小画像を生成し、手術後に画像を参照する際に小画像を表示するように作用する。したがって、オペレータは、表示された小画像を観察することにより、どのような画像が手術において撮影されたかを把握することができ、その画像を詳細に観察すべきか否かの判断などを容易に行うことができる。特に、手術において複数の画像が撮影された際においては、詳細に観察したい画像を容易に選択することができる。
【0146】
また、この検査情報処理システムは、手術において撮影された画像の小画像を、手術段階毎に分類して表示するように構成されている。したがって、オペレータは、どの手術段階においてどのような画像が撮影されたかを容易に把握することができる。それにより、オペレータは、詳細に観察したい画像を容易に特定することが可能である。
【0147】
更に、この検査情報処理システムは、オペレータが小画像のいずれかを指定したときに、その小画像に対応する画像を検索して表示させるように機能する。それにより、オペレータは、詳細に観察したい画像を容易に選択して表示させることができる。
【0148】
この変形例に係る検査情報処理システムについては、次のように構成することも可能である。
【0149】
小画像生成手段は、検査装置10以外の装置に設けられていてもよい。たとえば、手術記録作成装置30に小画像生成手段を設けることができる。この場合、手術記録作成装置30は、検査装置10又は検査情報保管装置20から画像を取得し、この画像に基づく小画像を生成する。
【0150】
この場合には更に、手術記録作成装置30に生成手段が設けられる。この生成手段は、画像の画像IDと小画像の小画像IDとを関連付けてリンク情報(関連情報)を生成する。生成されたリンク情報は、情報記憶部34に記憶される。
【0151】
〔変形例2〕
上記の実施形態では、検査情報として画像を取得する場合、すなわち単一の種類の検査情報を取得する場合について詳しく説明した。ここでは、複数種類の検査情報を取得する場合の具体例を説明する。
【0152】
図10〜図12は、この変形例の検査情報処理システムにおいて使用される情報の具体例を表している。
【0153】
図10に示す手術段階テーブルT3は、前述の手術段階テーブルT1と同様に、各種の手術における手術段階について、その手術段階IDと手術段階ラベルとを関連付けるテーブル情報である。手術段階テーブルT3は、検査装置10のハードディスクドライブ等の記憶装置にあらかじめ記憶されている。
【0154】
図11に示す検査種類テーブルT4は、検査装置10により取得される各種の検査情報の種類を識別するためのテーブル情報である。ここで、検査情報の種類としては、前述した画像や生体情報とともに、検査装置10のオペレータ等により記載されたコメント等の情報も含まれる。検査種類テーブルT4は、検査装置10のハードディスクドライブ等の記憶装置にあらかじめ記憶されている。
【0155】
なお、コメントとしては、たとえば腫瘍組織の有無や、組織の採取位置(たとえば、腫瘍側方境界部等)など、各種の情報が入力される。このように、検査情報には、画像情報や数値情報やテキスト情報などが含まれている。また、検査装置10が音声入力手段を備えている場合には、執刀医やオペレータが音声でコメントを入力することも可能である。
【0156】
検査種類テーブルT4は、検査種類IDと検査種類とを関連付けている。検査種類は、検査情報の種類を表す。この検査種類テーブルT4には、検査種類として、検査情報が無いことを意味する「NONE」、画像情報を意味する「画像」、数値情報を意味する「数値」、及び、テキスト情報を意味する「テキスト」などが記録されている。
【0157】
検査種類IDは、これらの各検査種類に対して付与される。検査種類「NONE」に対しては、文字列「00000」からなる検査種類IDが関連付けられる。検査種類「画像」に対しては、文字列「00001」〜「10000」の範囲の数字からなる検査種類IDが関連付けられる。検査種類「数値」に対しては、文字列「10001」〜「20000」の範囲の数字からなる検査種類IDが関連付けられる。検査種類「テキスト」に対しては、文字列「20001」からなる検査種類IDが関連付けられる。
【0158】
ここで、異なる検査種類に対応する文字列の範囲は、互いに重複しないように設定される。それにより、検査情報の種類を一意的に特定することが可能になる。検査種類IDは、この発明の「種類情報」の一例に相当する。
【0159】
図12に示す検査管理テーブルT5は、検査装置10のリンク生成部15により生成される情報である。リンク情報生成部15は、画像撮影部12Aにより撮影された画像に対し、文字列「00001」〜「10000」の範囲の数字からなる検査種類IDを付与する。また、リンク情報生成部15は、生体情報取得部12B等により取得された数値からなる生体情報(たとえば心電図、脳波等)に対し、文字列「10001」〜「20000」の範囲の数字からなる検査種類IDを付与する。なお、オペレータが数値情報を入力した場合などに対しても、同様に検査種類IDが付与される。また、リンク情報生成部15は、オペレータが入力したテキスト情報などに対し、文字列「20001」からなる検査種類IDを付与する。
【0160】
リンク情報生成部15は、たとえば検査情報の取得元の違いに基づいて、検査情報の種類を特定し、対応する検査種類IDを付与する。なお、オペレータが検査情報の種類を指定し、この指定結果に基づいて検査情報の種類を特定することもできる。また、検査情報を構成するデータの拡張子等のデータ識別情報に基づいて、検査情報の種類を特定することも可能である。また、検査情報を取得する際に、その検査情報の種類を表すフラグ等の識別用情報を付加し、この識別用情報に基づいて検査情報の種類を特定することも可能である。
【0161】
リンク情報生成部15は、以上のようにして付与された検査種類IDを、手術ID、手術段階ID、検査ID等に関連付けることにより、検査管理テーブルT5(リンク情報)を生成する。リンク情報生成部15は、生成した検査管理テーブルT5を手術記録作成装置30に送信する。
【0162】
手術記録作成装置30は、検査装置10からの検査管理テーブルT5を受信して情報記憶部34に格納する。なお、情報記憶部34には、手術段階テーブルT3と検査種類テーブルT4があらかじめ記憶されている。
【0163】
この変形例に係る検査情報処理システムの使用形態を説明する。リンク情報の生成処理については上述したので、手術記録の作成処理についてのみ以下に説明する。図13に示すフローチャートは、この変形例に係る検査情報処理システムにおける手術記録の作成処理の具体例を表している。
【0164】
最初に、手術記録作成装置30のオペレータは、操作部33を操作して手術IDを入力する(S61)。
【0165】
手術記録作成装置30は、情報記憶部34に記憶されたリンク情報に基づいて、ステップ61で入力された手術IDに対応する手術段階や検査種類を表示する(S62)。この処理は、たとえば次のようにして実行される。
【0166】
まず、制御部31は、検査管理テーブルT5を参照し、オペレータが入力した手術IDに関連付けられた手術段階IDを特定する。更に、制御部31は、情報記憶部34に記憶された手術段階テーブルT3を参照し、この手術段階IDに対応する手術段階を特定する。
【0167】
次に、制御部31は、検査管理テーブルT5を参照し、特定された手術段階IDに関連付けられた検査種類IDを特定する。更に、制御部31は、情報記憶部34に記憶された検査種類テーブルT4を参照し、特定された検査種類IDに対応する検査種類を特定する。
【0168】
そして、制御部31は、特定された手術段階を表す情報と、検査種類を表す情報とを表示部32に表示させる。
【0169】
オペレータは、操作部33を操作し、ステップ62で表示された手術段階及び検査種類のうちから、所望の手術段階及び検査種類を指定する(S63)。なお、手術段階と検査種類とは階層的に関連づけられているので、下位の検査種類を指定することによって、上位の手術段階が自動的に指定される。また、手術段階のみを指定することもできる。
【0170】
検索部35は、検査管理テーブルT5を参照し、ステップ63での指定結果に該当する検査情報を検査情報保管装置20から検索する(S64)。この検索処理は、上記実施形態と同様にして実行される。なお、ステップ63で手術段階のみが指定された場合、検索部35は、指定された手術段階に対応する全ての検査情報を検索する。
【0171】
制御部31は、検索された検査情報を表示部32に表示させる(S65)。オペレータは、表示された検査情報を参照するなどして、手術記録のテンプレートに情報を記入する。手術記録作成部36は、記入された情報に基づいて手術記録を作成する(S66)。制御部31は、作成された手術記録を手術記録保管装置40に送信する(S67)。手術記録保管装置40は、手術記録作成装置30から送信された手術記録を受信して格納する(S68)。
【0172】
以上の使用形態における表示画面について説明する。
【0173】
ステップ62における表示画面では、手術段階を表す情報として、手術段階テーブルT3に記録された手術段階ラベルなどが表示される。また、検査種類を表す情報としては、検査種類テーブルT4に記録された検査種類などが表示される。
【0174】
このとき、検査種類を表す情報は、対応する手術段階毎に分類されて表示される。たとえば、検査管理テーブルT5における手術ID「100001」の手術については、「手術前」の検査種類として「画像」が表示され、「開頭後」の検査種類として「画像」及び「テキスト」が表示され、「手術後」の検査種類として「画像」が表示される。
【0175】
ステップ65における表示画面は、検索された検査情報の種類に応じて、画像情報表示画面、数値情報表示画面及びテキスト情報表示画面のうちの少なくとも一つを含んでいる。ここで、数値情報表示画面としては、数値をリスト表示するリスト表示画面や、数値をグラフ表示するグラフ表示画面などがある。制御部31は、たとえば数値情報の形態に応じた数値情報表示画面を選択する。そのために、たとえば検査種類IDの範囲やフラグ等によって数値情報の形態を特定可能に構成することができる。
【0176】
ステップ65における表示画面の具体例を図14に示す。図14に示す表示画面Eには、データ選択部E1、コメント表示部E2、画像表示部E3及びグラフ表示部E4が設けられている。
【0177】
データ表示部E1には、各手術段階毎に検査種類が表示されている。図14では、「術前」に対応する検査種類「画像」と、「前頭部切除後」に対応する検査種類「画像、コメント」と、「前頭部側方切除中」に対応する検査種類「数値、コメント」とがリスト表示されている。データ表示部E1は、たとえばプルダウンメニューによって構成される。オペレータは、リスト表示された手術段階の選択肢から所望の選択肢を選択指定する。
【0178】
データ表示部E1に表示された手術段階の一つが指定されると、検索部35は、指定された手術段階に対応する検査情報を検索する。たとえば図14において「前頭部側方切除中」が指定された場合、検索部35は、この手術段階に対応する数値とコメントを検索する。
【0179】
制御部31は、検索された全ての検査情報を表示部32に表示させる。たとえば「前頭部側方切除中」が指定された場合、制御部31は、検索された数値情報をグラフ表示部E4に表示させるとともに、検索されたコメントをコメント表示部E2に表示させる(図14参照)。なお、画像が検索された場合、制御部31は、この画像を画像表示部E3に表示させる。
【0180】
以上のように、この変形例に係る検査情報処理システムによれば、手術において複数の種類の検査情報が取得された場合に、オペレータが指定した手術段階に対応する検査情報を自動的に検索して表示することができる。したがって、オペレータは、所望の手術段階の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0181】
また、オペレータは、手術段階と検査情報とを指定することにより、所望の手術段階における所望の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0182】
〔変形例3〕
この変形例に係る検査情報処理システムは、手術段階の時刻や検査が実施された時刻を表示し、オペレータが時刻や手術段階を指定したときに、この指定結果に対応する検査情報を表示させるものである。この変形例に係る検査情報処理システムの構成の一例を図15に示す。
【0183】
図15に示す検査情報処理システムは、図1の検査情報処理システム1とほぼ同様に構成されているが、検査装置10の制御部11に計時部111が設けられている点が異なっている。計時部111は、現在時刻を計時する機能を有する。計時部111は、たとえば、計時機能を有する一般的なマイクロプロセッサを含んで構成される。
【0184】
制御部11は、計時部111から現在時刻の提供を受けて、手術段階の時刻を取得する。手術段階の時刻とは、手術段階を特定する時刻であり、たとえば手術段階を開始した時刻が用いられる。
【0185】
手術段階の時刻の取得タイミングは、たとえば検査装置10のオペレータや執刀医が入力する。このタイミングの入力方法としては、たとえば操作部14を操作して行ってもよいし、音声入力によって行ってもよい。
【0186】
また、時刻の取得タイミングを自動認識する構成を適用することも可能である。その一例として、所定時刻に所定の手術段階(たとえば開頭)を開始する手術においては、計時部111が計時する現在時刻が当該所定時刻になったタイミングで、制御部11が当該手術段階の時刻を取得することができる。
【0187】
また、執刀医等の動作を監視し、所定の動作が実施されたタイミングで手術段階の時刻を取得するように構成できる。その具体例としては、執刀医の動作をテレビカメラで監視し、執刀医が所定の動作(たとえばメスによる開腹)を開始したことを画像解析により検知し、その検知タイミングで手術段階の時刻を取得することができる。また、手術段階と執刀医の位置とが関連する場合には、テレビカメラで撮影した画像の解析処理や位置センサなどにより執刀医が当該位置に移動したことを検出し、その検出タイミングで手術段階の時刻を取得することができる。
【0188】
なお、手術段階の時刻を取得する代わりに、検査情報が取得された時刻を取得するように構成することも可能である。その場合、たとえば、画像撮影部12Aは、画像を撮影したときに制御部11に信号を送る。制御部11は、この信号を受信したことに対応し、計時部111から現在時刻の提供を受けることにより検査情報が取得された時刻を取得する。生体情報取得部12Bが生体情報を取得する場合についても同様である。
【0189】
リンク情報生成部15は、制御部11が取得した時刻を表す時刻情報と、手術段階ID等の段階情報と、画像撮影部12A等が取得した検査情報とを関連付けるリンク情報を生成する。生成されたリンク情報は、手術記録作成装置30の情報記憶部34に格納される。
【0190】
次に、手術記録を作成する処理について説明する。オペレータが手術IDを入力すると、手術記録作成装置30は、情報記憶部34に記憶されたリンク情報に基づいて、この手術IDに対応する手術段階及び時刻を表示部32に表示する。このとき、制御部31は、上記の実施形態と同様にして手術段階を特定して表示するとともに、この手術段階に関連付けられた時刻情報を特定し、この時刻情報が表す時刻を表示する。
【0191】
図16は、手術段階と時刻の表示態様の一例を表している。図16に示す表示画面Fには、手術内容や手術部位とともに、手術段階と、その手術段階の時刻とが表示されている。手術段階の時刻は、時刻表示部F1に表示される。手術段階は、手術段階表示部F2に表示される。表示画面Fにおいては、対応する手術段階と時刻とが時系列に沿って並べて表示される。
【0192】
オペレータは、操作部33を操作し、表示された手術段階又は時刻情報を指定する。検索部35は、リンク情報を参照し、指定結果に該当する検査情報を検査情報保管装置20から検索する。制御部31は、検索された検査情報を表示部32に表示させる。手術記録作成部36は、記入された情報に基づいて手術記録を作成する。制御部31は、作成された手術記録を手術記録保管装置40に送信する。手術記録保管装置40は、手術記録作成装置30から送信された手術記録を受信して格納する。以上で、手術記録の作成処理の説明を終了する。
【0193】
以上のように、この変形例に係る検査情報処理システムによれば、手術段階の時刻や手術段階が指定されたときに、その指定結果に対応する検査情報を自動的に検索して表示することができる。したがって、オペレータは、所望の手術段階の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0194】
〔変形例4〕
上記の実施形態に係る検査情報処理システム1は、手術記録を作成するためのシステムであるが、この発明に係る検査情報処理システムは、他の用途に供されるものであってもよい。その用途は、手術において取得された検査情報を処理する任意の用途であってよい。
【0195】
手術記録の作成以外の用途の一例として、電子カルテの作成に用いられる検査情報処理システムの構成の一例を図17に示す。図17に示す検査情報処理システムは、検査装置10、検査情報保管装置20、サーバ50、電子カルテ作成装置60及び電子カルテ保管装置70を含んで構成される。
【0196】
検査装置10と検査情報保管装置20は、それぞれ上記の実施形態と同様に構成されている。なお、検査装置10のリンク情報生成部15は、生成したリンク情報をサーバ50に送信するようになっている。また、検査情報保管装置20は、サーバ50と通信可能に構成されている。
【0197】
サーバ50は、電子カルテの作成作業のための各種の情報処理を行う。サーバ50は、電子カルテ作成装置60と通信可能に接続されている。サーバ50は、リンク情報記憶部51と検索部52を含んで構成される。
【0198】
リンク情報記憶部51は、検査装置10から入力されたリンク情報を記憶する。リンク情報記憶部51は、上記の実施形態における情報記憶部34と同様に構成されている。サーバ50は、たとえば電子カルテ作成装置60からの要求に応じて、リンク情報記憶部51に記憶されたリンク情報を電子カルテ作成装置60に送信する。
【0199】
検索部52は、検査情報保管装置20に格納されている検査情報を検索する。この検索処理は、たとえば電子カルテ作成装置60からの要求に応じて実行される。サーバ50は、検索された検査情報を電子カルテ作成装置60に送信する。
【0200】
電子カルテ作成装置60は、制御部61、表示部62、操作部63及び電子カルテ作成部64を含んで構成される。制御部61、表示部62及び操作部63は、それぞれ、上記の実施形態における表示部31、表示部32及び操作部33と同様である。
【0201】
電子カルテ作成部64は、電子カルテのテンプレートをあらかじめ記憶している。このテンプレートは、電子カルテを作成するための一定の形式の用紙の画像データである。
【0202】
オペレータは、このテンプレートを表示部62に表示させ、操作部63を操作して情報を入力する。電子カルテ作成部64は、入力された情報を、テンプレートに応じた形式で記録することにより電子カルテのデータを作成する。
【0203】
また、電子カルテ作成部64は、電子カルテを作成するための各種の画面のデータを格納している。制御部61は、このデータに基づいて、各種の画面を表示部62に表示させる。それにより、たとえば、検査情報を検索するための操作画面や、検査のオーダを発行するための操作画面や、作成済みの電子カルテを保存するための操作画面などが表示される。
【0204】
電子カルテ作成部64は、マイクロプロセッサや、テンプレート等を記録するハードディスクドライブなどを含んで構成される。
【0205】
電子カルテ保管装置70は、電子カルテ作成部64により作成された電子カルテ(のデータ)を保管する装置である。制御部61は、作成された電子カルテを電子カルテ保管装置70に送信する。電子カルテ保管装置70は、電子カルテ作成装置60から送信された手術記録を格納する。
【0206】
電子カルテ保管装置70は、ハードディスクドライブ等の記憶装置、通信機器等を含んで構成される。なお、この変形例では、電子カルテ作成装置60と電子カルテ保管装置70とを個別に設けているが、これらを一体的に構成してもよい。
【0207】
以上のように構成されたこの変形例に係る検査情報処理システムの使用形態を説明する。
【0208】
リンク情報を生成する処理について説明する。まず、図4に示すフローチャートのステップ1(検査の依頼)〜ステップ6(リンク情報の生成)と同様の処理を行う。次に、検査装置10は、生成されたリンク情報をサーバ50に送信する。サーバ50は、検査装置10からのリンク情報を受信し、リンク情報記憶部51に記憶させる。以上で、リンク情報の生成処理の説明を終了する。
【0209】
次に、電子カルテを作成する処理について説明する。この処理は、図5に示すフローチャートと同様にして実行される。電子カルテの作成作業において手術記録を参照するために、まず、電子カルテ作成装置60のオペレータは、手術IDを入力する。制御部61は、入力された手術IDを含む信号をサーバ50に送信する。
【0210】
サーバ50は、電子カルテ作成装置60からの信号を受信すると、この信号に含まれる手術IDが記録されたリンク情報をリンク情報記憶部51から探索し、電子カルテ作成装置60に送信する。
【0211】
電子カルテ作成装置60は、サーバ50からのリンク情報に基づいて、当該手術の手術段階を表示部62に表示させる。オペレータが手術段階を指定すると、電子カルテ作成装置60は、その指定結果(たとえば手術段階ID)を含む信号をサーバ50に送信する。この信号には、手術IDが含まれていてもよい。
【0212】
サーバ50が電子カルテ作成装置60からの信号を受信すると、検索部52は、この信号に含まれる手術段階ID(及び手術ID)に該当する検査情報を、検査情報保管装置20から検索する。サーバ50は、検索された検査情報を電子カルテ作成装置60に送信する。
【0213】
電子カルテ作成装置60は、サーバ50からの検査情報を受信し、表示部62に表示させる。オペレータは、表示された検査情報を参照するなどして、所見等の情報を入力する。電子カルテ作成部64は、入力された情報に基づいて電子カルテのデータを作成する。
【0214】
電子カルテの作成が終了したら、制御部61は、この電子カルテのデータを電子カルテ保管装置70に送信する。電子カルテ保管装置70は、電子カルテ作成装置60から送信された電子カルテのデータを格納する。以上で、電子カルテの作成処理の説明を終了する。
【0215】
以上のように、この変形例に係る検査情報処理システムによれば、電子カルテの作成作業において手術段階が指定されたときに、その指定結果に対応する検査情報を自動的に検索して表示することができる。したがって、オペレータは、電子カルテの作成作業において、所望の手術段階の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0216】
〔その他の変形例〕
上記の構成ではリンク情報の生成処理を検査装置10が行っているが、この発明に係る構成はこれに限定されるものではない。たとえば、検査情報保管装置20や手術記録作成装置30や電子カルテ作成装置60がリンク情報を生成するように構成することが可能である。なお、検査情報保管装置20がリンク情報を生成する場合、手術記録作成装置30や電子カルテ作成装置60は、検査情報保管装置20から直接に、又は他の装置を介して間接的にリンク情報を取得する。
【0217】
検査装置10は、一般に、手術室内又はその近傍に設置される。手術記録作成装置30や手術記録保管装置40や電子カルテ作成装置60や電子カルテ保管装置70は、検査装置10の近傍(たとえばLANにより通信可能な範囲)に設置されてもよいし、遠隔地に設置されてもよい。遠隔地に設置する場合、これらの装置、特に手術記録作成装置30や電子カルテ作成装置60は、インターネットや専用線等のWAN(Wide Area Network)を介して検査装置10に接続される。その際、データの暗号化などの保護対策を施すことが望ましい。
【0218】
[検査情報処理装置]
この発明に係る検査情報処理装置について説明する。検査情報処理装置は、手術患者に対する検査により取得された検査結果を含む検査情報を処理する検査情報処理装置であり、生成手段、操作手段及び検索手段を含んで構成される。
【0219】
生成手段は、前述のリスト情報生成部15と同様に、検査情報が取得された手術段階を表す段階情報を生成し、検査情報と段階情報とを関連付ける関連情報(リンク情報)を生成するように機能する。制御手段は、操作手段により手術段階が指定されたときに、関連情報に基づいて、指定された手術段階に対応する検査情報を検索するように機能する。
【0220】
なお、手術で取得された検査情報は、たとえばPACSのように検査情報処理装置の外部の記憶装置に記憶してもよいし、検査情報処理装置の内部の記憶装置(ハードディスクドライブ等)に記憶してもよい。検索手段は、指定された手術段階に対応する検査情報を当該記憶装置から検索するようになっている。
【0221】
この発明に係る検査情報処理装置の構成の一例を図18に示す。図18に示す検査情報処理装置100は、検査装置200及び検査情報保管装置300とそれぞれ通信可能に接続されている。なお、この具体例では、検査情報処理装置の外部の記憶装置に検査情報を記憶している。
【0222】
検査装置200は、前述の検査装置10と同様に構成されている。なお、検査装置200は、リンク情報を生成する機能(前述のリンク情報生成部15)を有していない。検査情報保管装置300は、前述の検査情報保管装置20と同様である。
【0223】
検査情報処理装置100は、手術において取得された検査結果に基づいて所定の処理を実行するコンピュータを含んで構成される。検査情報処理装置100は、たとえば前述の手術記録作成装置30や電子カルテ作成装置60として用いられる。
【0224】
検査情報処理装置100は、制御部101、表示部102、操作部103、リンク情報生成部104、検索部105及び情報処理部106を備えている。制御部101、表示部102、操作部103及び検索部105は、それぞれ、前述の制御部31、表示部32、操作部33及び検索部35と同様である。
【0225】
リンク情報生成部104は、前述のリンク情報生成部15と同様にしてリンク情報を生成する。情報処理部106は、上記の所定の処理を実行する。情報処理部106は、たとえば前述の手術記録作成部36や電子カルテ作成部64として機能する。
【0226】
操作部103は、この発明に係る検査情報処理装置の「操作手段」の一例として機能する。また、検索部105は「検索手段」の一例として機能する。また、リンク情報生成部104は「生成手段」の一例として機能する。
【0227】
検査情報処理装置100の動作を説明する。検査情報処理装置100が動作する前に、検査装置200は、手術において検査情報を取得し、検査情報保管装置300に送信する。また、検査装置200は、手術の識別情報(たとえば手術ID)と手術段階の識別情報(たとえば手術段階ID)を検査情報処理装置100に送信する。また、検査装置200は、検査IDや画像IDなど、検査に関する情報を検査情報処理装置100に送信する。
【0228】
なお、手術の遠隔観察システムなどにより、検査情報処理装置100を用いて手術の状況を観察できる場合には、検査情報処理装置100のオペレータが、手術段階などを入力してもよい。
【0229】
検査情報処理装置100のリンク情報生成部104は、検査装置200などから入力された情報に基づいて、前述の画像管理テーブルT2等のリンク情報(関連情報)を生成する。
【0230】
オペレータが手術IDを入力すると、制御部101は、リンク情報に基づいて、この手術IDに関連付けられた手術段階IDを特定し、対応する手術段階を表示部102に表示させる。
【0231】
オペレータが操作部103を操作して手術段階を指定すると、検索部105は、リンク情報に基づいて、この手術段階に対応する検査IDや画像IDを特定する。更に、検索部105は、特定された検査ID等に該当する検査情報を、検査情報保管装置300から検索する。制御部101は、検索された検査情報を表示部102に表示させる。以上で、検査情報処理装置100の動作の説明を終了する。
【0232】
このような検査情報処理装置によれば、手術段階が指定されたときに、その指定結果に対応する検査情報を自動的に検索することができるので、オペレータは、所望の手術段階の検査情報を容易に探索することが可能である。
【0233】
以上に詳述した構成は、この発明を好適に実施するための一具体例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図2】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態における手術段階テーブルの一例を表す概略図である。
【図3】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態におけるリンク情報の一例である画像管理テーブルを表す概略図である。
【図4】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図5】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図6】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図7】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例におけるリンク情報の一例である画像管理テーブルを表す概略図である。
【図8】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図9】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例における小画像の表示態様の一例を表す概略図である。
【図10】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例における手術段階テーブルの一例を表す概略図である。
【図11】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例における検査種類テーブルの一例を表す概略図である。
【図12】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態におけるリンク情報の一例である検査管理テーブルを表す概略図である。
【図13】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図14】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例による表示画面の一例を表す概略図である。
【図15】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図16】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例による表示画面の一例を表す概略図である。
【図17】この発明に係る検査情報処理システムの実施形態の変形例の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図18】この発明に係る検査情報処理装置の実施形態の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0235】
1 検査情報処理システム
10 検査装置
11 制御部
12A 画像撮影部
12B 生体情報取得部
13 表示部
14 操作部
15 リンク情報生成部
16 小画像生成部
20 検査情報保管装置
30 手術記録作成装置
31 制御部
32 表示部
33 操作部
34 情報記憶部
35 検索部
36 手術記録作成部
40 手術記録保管装置
100 検査情報処理装置
T1、T3 手術段階テーブル
T2、T2′ 画像管理テーブル
T4 検査種類テーブル
T5 検査管理テーブル
A 表示画面
B1、B2、B3 手術段階を表す表示情報
C1、C2、C3 小画像の表示領域
G1、G2、G3、G4、G5 小画像
E、F 表示画面
E1 データ選択部
E2 コメント表示部
E3 画像表示部
E4 グラフ表示部
F1 時刻表示部
F2 手術段階表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術患者に対して検査を実施して、少なくとも検査結果を含む検査情報を取得する検査手段と、
前記取得された検査情報を記憶する記憶手段と、
前記検査情報が取得された手術段階を表す段階情報を生成し、前記段階情報と前記検査情報とを関連付ける関連情報を生成する生成手段と、
操作手段と、
前記操作手段により手術段階が指定されたときに、前記関連情報に基づいて、前記指定された手術段階に対応する検査情報を前記記憶手段から検索する検索手段と、
を備えることを特徴とする検査情報処理システム。
【請求項2】
前記検査手段は、一の手術段階において二以上の検査情報を取得し、
前記生成手段は、前記関連情報として、前記一の手術段階を表す段階情報を前記二以上の検査情報のそれぞれに関連付ける情報を生成し、
前記検索手段は、操作手段により前記一の手術段階が指定されたときに、該関連情報に基づいて、前記二以上の検査情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査情報処理システム。
【請求項3】
表示手段と、
前記検索手段により検索された前記二以上の検査情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の検査情報処理システム。
【請求項4】
前記検査手段は、一の手術段階において二以上の検査情報を取得し、
前記生成手段は、前記関連情報として、前記一の手術段階を表す段階情報を前記二以上の検査情報のそれぞれに関連付ける情報を生成し、
前記検索手段は、前記二以上の検査情報のうちのいずれかが前記操作手段により指定されたときに、該関連情報に基づいて、該指定された検査情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査情報処理システム。
【請求項5】
前記検査手段は、手術患者の二以上の画像を前記二以上の検査情報として取得し、
該取得された二以上の画像のそれぞれの小画像を生成する小画像生成手段と、表示手段と、制御手段とを更に備え、
前記生成手段は、前記関連情報として、前記二以上の画像のそれぞれと当該画像の小画像とを関連付ける情報を生成し、
前記制御手段は、前記二以上の小画像を前記表示手段に表示させ、
前記検索手段は、前記表示された前記二以上の小画像のうちのいずれかが前記操作手段により指定されたときに、該関連情報に基づいて、該指定された小画像に対応する画像を検索する、
ことを特徴とする請求項4に記載の検査情報処理システム。
【請求項6】
前記検査手段は、手術患者の画像を前記検査情報として取得し、
該取得された画像の小画像を生成する小画像生成手段と、
表示手段と、
該生成された小画像を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の検査情報処理システム。
【請求項7】
前記生成手段は、前記関連情報として、前記画像と前記小画像と前記段階情報とを関連付ける情報を生成し、
前記制御手段は、該関連情報に基づいて、前記小画像を各手術段階毎に分類して前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の検査情報処理システム。
【請求項8】
前記生成手段は、前記関連情報として、前記画像と前記小画像と前記段階情報とを関連付ける情報を生成し、
前記検索手段は、前記表示された小画像が前記操作手段により指定されたときに、該関連情報に基づいて、該指定された小画像に対応する画像を検索し、
前記制御手段は、該検索された画像を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の検査情報処理システム。
【請求項9】
表示手段と制御手段とを更に備え、
前記検査手段は、手術段階の時刻又は検査情報が取得された時刻を表す時刻情報を取得し、
前記生成手段は、前記関連情報として、前記検査情報と前記段階情報と前記時刻情報とを関連付ける情報を生成し、
前記制御手段は、該関連情報に基づいて、前記時刻情報が表す時刻と手術段階とを並べて前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査情報処理システム。
【請求項10】
前記検索手段は、前記表示された時刻又は手術段階が前記操作手段により指定されたときに、前記関連情報に基づいて、該指定結果に対応する検査情報を検索し、
前記制御手段は、該検索された検査情報を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項9に記載の検査情報処理システム。
【請求項11】
前記検査手段は、一の手術段階において、異なる複数の種類の検査情報を取得し、
前記生成手段は、前記関連情報として、該取得された検査情報と該検査情報の種類を表す種類情報と前記段階情報とを関連付ける情報を生成し、
前記検索手段は、前記操作手段により手術段階が指定されたときに、該関連情報に基づいて、該指定結果に対応する前記複数の種類の検査情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査情報処理システム。
【請求項12】
表示手段と、
前記検索手段により検索された前記複数の種類の検査情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の検査情報処理システム。
【請求項13】
前記検査手段は、異なる複数の種類の検査情報を取得し、
前記生成手段は、前記関連情報として、該取得された検査情報と該検査情報の種類を表す種類情報と前記段階情報とを関連付ける情報を生成し、
前記検索手段は、前記操作手段により手術段階及び種類情報が指定されたときに、該関連情報に基づいて、該指定結果に対応する検査情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査情報処理システム。
【請求項14】
表示手段と、
前記検索手段により検索された検査情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の検査情報処理システム。
【請求項15】
手術患者に対する検査により取得された検査結果を含む検査情報を処理する検査情報処理装置であって、
前記検査情報が取得された手術段階を表す段階情報を生成し、前記段階情報と前記検査情報とを関連付ける関連情報を生成する生成手段と、
操作手段と、
前記操作手段により手術段階が指定されたときに、前記関連情報に基づいて、前記指定された手術段階に対応する検査情報を検索する検索手段と、
を備えることを特徴とする検査情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図9】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−259661(P2008−259661A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104489(P2007−104489)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】