極低温冷凍機用磨耗のないバルブ
マルチポートロータリディスクバルブを回転させるのに必要なトルク及び磨耗ダストを低減する改良された方法は、バルブシート及び/又はバルブディスクを、それらが互いに接触しないように、若しくは、互いに軽く接触するように、支持するスラストベアリングを利用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温冷凍機、特に、ギフォード・マクマホン(GM)冷凍機、GMタイプのパルスチューブ冷凍機、Solvay(ソルベイ)冷凍機に関する。かかる極低温冷凍機のコールドヘッドは、バルブ機構を含み、当該バルブ機構は、通常的には、ロータリバルブディスクとバルブシートからなる。離散的なポートが存在し、異なるポートの周期的な配置により、コンプレッサにより供給された作動流体が、蓄冷器及びコールドヘッドの作動容積に対して出入りすることが可能となる。
【背景技術】
【0002】
GM及びSolvayタイプの冷凍機は、略一定の高圧でガスを供給し、略一定の低圧でガスを受け入れるコンプレッサを用いる。ガスは、バルブ機構によりコンプレッサに対して低速で作動する往復動エクスパンダに供給され、往復動エクスパンダは、エクスパンダ内及び外にガスを交互に導く。
【0003】
W.E.Giffordは、また、固体のディスプレーサを、気体のディスプレーサに置き換えるエクスパンダを思いつき、それを“パルスチューブ”冷凍機と称した。これは、先ず特許文献1に開示され、それは、初期のGM冷凍機のようにバルブに接続されるパルスチューブを開示する。
【0004】
初期のパルスチューブ冷凍機は、GMタイプの冷凍機と競合するほど十分効率的でなかった。顕著な改善は、1984年にMikulin他により報告され、更なる改善を求めて多くの関心が続けられた。1984年以降の大きな改善の記載は、ここで列挙する文献において見出せる。これらのパルスチューブのすべては、パルスチューブに対してガスを周期的に流入及び流出させるためにバルブを用いるGMタイプのエクスパンダとして稼動できる。低速で稼動するGMタイプのパルスチューブは、典型的には、約20K以下での用途で使用される。4Kでの最も良い性能が、特許文献2の図9に示すようなパルスチューブにより得られることが見出されている。この設計は、特許文献2の図11に示す順序で開閉する6つのバルブを有する。
【0005】
W.E.Giffordによる特許文献3は、初期の空気駆動されるGMエクスパンダ及び、駆動ピストンへのガス流れと同調せず蓄冷器へのガス流れを制御するマルチポート型ロータリスプールバルブを開示する。後続する特許文献4では、Giffordは、バルブのフェースの両端で緊密なシールを維持するために高低の圧力差を用いるマルチポート型ロータリディスクを開示する。彼は、この種のバルブは、長時間稼動しある程度の磨耗を受けたあとにも漏出率が低く、スプールタイプのバルブよりも優れていると述べている。この種のバルブは、異なるタイプのGM冷凍機において広く用いられてきた(例えば、特許文献5,6,7,8参照)。
【特許文献1】米国特許第3,237,421号明細書
【特許文献2】米国特許第6,256,998号明細書
【特許文献3】米国特許第3,119,237号明細書
【特許文献4】米国特許第3,205,668号明細書
【特許文献5】米国特許第3,620,029号明細書
【特許文献6】米国特許第3,625,015号明細書
【特許文献7】米国特許第4,987,743号明細書
【特許文献8】米国特許第6,694,749号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種のバルブは、バルブディスク及び/又はバルブシートから磨耗ダストを生成するという欠点を有する。バルブディスクからの磨耗ダストは、コールドヘッド自体へ飛ばされる傾向にあり、これは、性能を劣化させる。パルスチューブ冷凍機は、従来的なGM冷凍機よりもダストに繊細である。なぜならば、このダストは、パルスチューブの高温側端部にてオリフィスの開口を調整するために用いられるニードルの表面上に付着し、或いは、オリフィスや流路に堆積する傾向にあるからである。パルスチューブ冷凍機の性能は、オリフィスの開口に敏感であり、従って、それらをダストの無い状態に維持することが望ましい。
【0007】
今日見出されていることとして、バルブシートに対して回転するバルブディスクを、それらの間のギャップが軽い接触から非常に小さいギャップへと変化する態様で、支持するスラストベアリングを用いるロータリバルブユニットは設計されることができる。これは、非常に少ない磨耗又は磨耗の無い結果を生み、バルブを回すのに必要なトルクが低減される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、バルブディスクのフェースとシートとの間に非常に軽い接触又は非常に小さいギャップを維持することにより、磨耗ダストと共に、マルチポート型ロータリディスクバルブを回転させるのに必要なトルクを低減する改善された手段を提供する。本発明は、バルブシート及び/又はディスクを互いに接触しないような態様又は軽く接触する態様で保持するスラストベアリングを有することにより、磨耗ダスト及びトルクを低減する手段を提供する。
【0009】
バルブディスクのフェースとシートとの間のギャップは、0から25μmの間に維持されることができ、高圧から低圧への漏れが冷凍機の性能に悪影響を及ぼさないようほど十分小さくなるようにする。バルブディスクは、バルブシートと軽い接触状態にある場合、大部分の力は、バルブシートのフェースに代わり、スラストベアリングのフェース上に負荷されることになる。バルブディスクのフェース及びスラストベアリングのフェースは共に回転するので、回転中に磨耗は生じず、バルブディスクを回転させるのに必要なトルクを小さくすることができる。
【0010】
スラストベアリングは、摩擦の嵌合によりバルブシート又はバルブディスクに取り付けられることができ、又は、接着剤により取り付けられることができる。スラストベアリングは、また、固定具により所定位置に維持されることができる。
【0011】
バルブディスクのフェースをスラストベアリングのフェースと接触状態に維持する正味の力を低減することにより、多数のポートを有するロータリディスクバルブを回転させるのに必要な力を更に低減することができる。本発明は、また、特許文献7、8に示すようなバルブ組立体における2つの異なる表面上に2つの異なる圧力でガスを作用させることにより、スラストベアリングにかかる軸方向力を低減する手段を提供する。
【0012】
特許文献8に示すように、バルブシートの中央に高圧ガスをバルブディスクの外側に低圧ガスを有することも可能である。これは、特にマルチポート型のパルスチューブにおいて、更に、バルブディスクの磨耗からパルスチューブ内に飛ばされるダスト量を低減するという追加の効果を提供する。バルブディスクフェースの中央に高圧を外側に低圧を有することは、大部分のダストが低圧の空間へと飛ばされ、パルスチューブに入らないという結果を生む。
【0013】
バルブユニットは、また、初期の作動中、バルブディスクがバルブシートに接触するが、バルブディスク又はバルブシートがスラストベアリングに接触しないような態様で、設計されることができる。バルブユニットがある程度の時間稼動し、幾らかの磨耗を受けた後、バルブディスク又はシートは、ゆっくりとスラストベアリングのフェースに接触し始める。従って、スラストベアリングに負荷される荷重は徐々に増加し、これにより、バルブシートのフェース及びディスクに負荷される力は徐々に低減していくことになる。最終的には、バルブシートのフェース及びディスクに負荷される力はゼロになり、更なる磨耗は一切生じないだろう。この場合、バルブシートのフェースとディスクとの間にほとんどギャップが無く、それ故に、高圧から低圧への漏れ率は、非常に小さい流量で維持されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、GM冷凍機、Solvay冷凍機、及びGMタイプパルスチューブ冷凍機を含め、バルブユニットによりエクスパンダの内外に周期的にガスが導かれる如何なる種の冷凍機に対しても適用可能である。特には、多段及び多ポートを有する低温パルスチューブに適用されるときに特に有用である。
【0015】
図1は、流れ関係を示すため、コンプレッサ及び単一段のダブルインレットパルスチューブ冷凍機の小型の概要と共にバルブ組立体29の断面を示す。
【0016】
バルブユニット29は、バルブモータ組立体5、バルブハウジング7、及びバルブベース17を有し、これらの全ては、多様なOリングシール及びボルト1によりシールされる。バルブベース及びハウジングの内側には、多様な構成要素が存在する。バルブシート21は、バルブハウジング内に保持及びシールされる。スラストベアリング60は、バルブシートにより組みつけられる。バルブディスク4は、モータシャフト6及びシャフト6を通るピン3を介してバルブモータ5により回転される。バルブディスク4は、ピン3に対して軸方向に自由に移動する。バルブディスク4は、スラストベアリング60のフェースに接触する。バルブディスク4は、バルブシート21から、非常に小さいギャップで離間されることができ、若しくは、バルブシート21に非常に軽い接触を持つことができる。バルブディスク4のフェースとバルブシート21の間にギャップが存在する場合、好ましいギャップは、0から25μmまでであるべきである。バルブディスク4がバルブシート21に軽く接触する場合、力の大部分は、バルブシート21のフェースに代わって、スラストベアリング60のフェースに負荷されるべきである。バルブディスク4のフェース及びスラストベアリング60のフェースは共に回転するので、回転中に磨耗は一切発生せず、バルブディスクを駆動するための必要トルクを小さくできる。スプリング8は、冷凍機がオフのときにスラストベアリング60にバルブディスク4を接触した状態に維持するために用いられる。ピン35は、バルブシート21がハウジング17に対して回転するのを防止する。
【0017】
インレット(入口)10は、ガスライン19を介してコンプレッサ20の供給側に接続される。コンプレッサ20の戻り側は、ガスライン18及び出口14を介してバルブ組立体29に接続する。低圧でのガスは、溝13を通してバルブディスク4の中央から流出する。
【0018】
バルブディスク4の遠い側のフェース(distal face)上に負荷される供給圧と、バルブディスク4のフェースに負荷される圧力との差圧から発生される力は、バルブディスク4のフェースをスラストベアリング60のフェースに接触した状態に保つ。
【0019】
図2は、バルブディスク4のフェースにおけるガス流れ空洞を示す。図1に示す断面は、図2及び図3において断面矢印A−Aにより示される。ポート15からのガスは、空洞40内に流れ、次いで、クロススロット41を介して低圧Pl,ポート13に流れる。バルブディスク4の外縁におけるアンダーカットである領域12は、コンプレッサから供給される高圧Phのガスに接続する。
【0020】
図3は、シール21のフェースを示す。本発明の理解に本質的ではないが、このポート構成の特性を、図1,2,3を参照して概説する。図1は、発明されたバルブユニットにより駆動されるダブルインレットタイプのパルスチューブ冷凍機を示す。それは、蓄冷器22、高温側端部のフロースムーザー26及び低温側端部のフロースムーザー24を備えるパルスチューブ25、及び低温側端部の熱交換器23からなる。位相シフト手段は、バッファー容積28、バッファーオリフィス27、及びダブルインレットバルブ30を含む。バルブモータ5及びシャフト6によりバルブディスク4を回転させることにより、穴15,16は、交互に、空洞12を流れるガスにより加圧され、スロット40を通る流れにより減圧される。図2及び図3に示すポート構成は、バルブディスク4の回転毎にパルスチューブを加圧及び減圧する2回の完全なサイクルを生成する。理解されるべきこととして、エクスパンダは、バルブディスク4及びバルブシート21上の供給及び戻りポートを適切に配置することにより、ロータリバルブの周期毎に、1若しくはそれ以上のサイクルで動作されてもよい。
【0021】
図1に示すエクスパンダは、単一の段のパルスチューブであるが、例えば特許文献2の図9に示すような多数の制御ポートを備える多段のパルスチューブを駆動するために使用できるようにバルブユニット及びポート構成を設計することも可能である。バルブディスク4及びバルブシート21上にポートを適切に配置することにより、及び、パルスチューブ25の高温側端部26に連通する必要な通路を配設することにより、発明されたバルブユニットは、オリフィスタイプ、4バルブタイプ、アクティブバッファータイプ及び5バルブタイプのような、如何なるタイプのパルスチューブをも駆動するために用いられることができる。指摘しておくべきこととして、このバルブユニットは、GMやSolvayタイプのような、他の種の冷凍機に対しても用いられることができる。
【0022】
図4は、本発明によるバルブ組立体の第2の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブディスク4に取り付けられ、バルブシート21は、スラストベアリング60の表面に接触する。図4では、同様の参照符号が、図1における同様の部品を指示する。
【0023】
図5は、本発明によるバルブ組立体の第3の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60がバルブシート21に取り付けられ、バルブディスク61は、スラストベアリング60の表面に接触している。図5では、同様の参照符号が、図1における同様の部品を指示する。図5において、スラストベアリング60上に負荷される力は、ピン3により保持されOリング9によりバルブディスク61内にシールされるバルブホルダ2を有することにより低減される。バルブディスク61及びバルブホルダ2の外部表面は、スラストベアリング60に接触するバルブディスク61の表面及びバルブシート21に対向する表面を除いて、高圧ガスにより囲繞される。バルブディスク61のフェースをスラストベアリング60のフェースに接触するのを維持するために必要な力は、バルブディスク61の遠い側での面積と圧力の積を、バルブディスク61のフェースの領域とバルブディスク61のフェース上の最大平均圧力の積よりも大きくすることにより、得られる。これは、Acを、空洞11におけるバルブディスク61の遠い側の面積とし、Asを、Acまわりのバルブディスク61の遠い側の環状の面積とし、Avを、バルブディスク61のフェースの面積とし、Pvを、Avに作用する平均圧力としたとき(双方とも空洞12の圧力及び面積を含む)、次の式で表せる。
(Ac*Pl+As*Ph)>Av*Pvmax (式1)。
【0024】
対抗する力は、モータシャフト6に伝達され、バルブディスク61に向かう方向にモータベアリング上に軸方向力を与える。実際には、空洞11の直径は、シールを維持することとスラストベアリング60上の荷重を最小化することとの間の最良のバランスをどれが与えるかを見るために異なるサイズをテストすることにより、調整される。
【0025】
図6は、本発明によるバルブ組立体の第4の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブディスク61に取り付けられ、バルブシート21は、スラストベアリング60の表面に接触する。図6では、同様の参照符号が、図5における同様の部品を指示する。
【0026】
図7は、本発明によるバルブ組立体の第5の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブシート21に取り付けられ、バルブディスク61は、スラストベアリング60の表面に接触する。図7では、同様の参照符号が、図5における同様の部品を指示する。図7において、バルブディスク61及びバルブホルダ2の外部表面は、スラストベアリング60に接触するバルブディスク61の表面及びバルブシート21に対面する表面を除いて、低圧ガスにより囲繞される。力は、Acを、空洞11におけるバルブディスク61の遠い側の面積とし、Asを、Acまわりのバルブディスク61の遠い側の環状の面積とし、Avを、バルブディスク61のフェースの面積とし、Pvを、Avに作用する平均圧力としたとき(双方とも空洞12の圧力及び面積を含む)、次の式で表せる。
(Ac*Ph+As*Pl)>Av*Pvmax (式2)。
【0027】
対抗する力は、モータシャフト6に伝達され、バルブディスク61から離される方向にモータベアリング上に軸方向力を与える。式1及び式2において、Avは、AcとAsの和に等しい。バルブディスクの中心に高圧を有し、外側の低圧を有する結果として、ダストの大部分は、低圧空間へと直接的に飛ばされ、パルスチューブ内に入ることが無くなる。
【0028】
図8は、本発明によるバルブ組立体の第6の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブディスク61に取り付けられ、バルブシート21は、スラストベアリング60の表面に接触する。図8では、同様の参照符号が、図7における同様の部品を指示する。
【0029】
図9は、本発明によるバルブ組立体の第7の実施例の断面図であり、この構成では、固定具が、スラストベアリング60をバルブハウジング17に固定するために用いられる。スラストベアリング60は、バルブシートの肩部に着座し、バルブディスク61は、スラストベアリング60の表面に接触する。図9では、同様の参照符号が、図1における同様の部品を指示する。この実施例は、整備が必要となった場合にスラストベアリングの簡単に交換できるという利点を有する。
【0030】
図10及び図11は、本発明の第1の実施例を製造する選択肢を示す。所期の動作中、バルブディスク4は、バルブシート21のフェースに接触するが、スラストベアリング60のフェースには接触しない。バルブユニットが、幾らかの時間稼動し、ある程度の磨耗を受けた後、バルブディスク21は、スラストベアリング60のフェースに接触し始める。このとき、スラストベアリング60の負荷される力は、徐々に増加し始め、この結果、バルブディスク4及びバルブシート21のフェースに負荷される力は、減少する。ある点では、バルブディスク4及びバルブシート21のフェースに負荷される力は、ゼロになり、更なる磨耗は生成されなくなる。この場合、バルブシート21のフェースとディスク4の間のギャップがほとんどなくなり、それ故に、高圧から低圧への漏れ率が非常に小さい値に維持されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるバルブ組立体の断面図であり、コンプレッサ及び単一段のダブルインレットパルスチューブ冷凍機の小型の概要が流れ関係を示すために含められている。バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられる。バルブディスクは、スラストベアリングはスラストベアリングの表面に接触する。
【図2】図1のバルブユニットのバルブディスク形成部品の前面図である。
【図3】図1のバルブユニットのバルブシート形成部品の前面図である。
【図4】本発明によるバルブ組立体の第2の実施例の断面図であり、スラストベアリングは、バルブディスクに取り付けられ、バルブシートは、スラストベアリングの表面に接触する。
【図5】本発明によるバルブ組立体の第3の実施例の断面図であり、バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、スラストベアリングの表面に接触する。低圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図6】本発明によるバルブ組立体の第4の実施例の断面図であり、バルブディスクは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブシートは、スラストベアリングの表面に接触する。低圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図7】本発明によるバルブ組立体の第5の実施例の断面図であり、バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、スラストベアリングの表面に接触する。高圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図8】本発明によるバルブ組立体の第6の実施例の断面図であり、バルブディスクは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブシートは、スラストベアリングの表面に接触する。高圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図9】本発明によるバルブ組立体の第7の実施例の断面図であり、バルブシートは、スラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、スラストベアリングの表面に接触する。スラストベアリングは、固定具によりバルブハウジングに固定される。
【図10】本発明によるバルブ組立体の第1の実施例に対する設計選択肢の初期状態の断面図であり、バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、バルブシートのフェースに接触するが、スラストベアリングの表面に接触しない。
【図11】バルブディスクを通常的な動作状態に至らせる初期の磨耗期間後の図10に示すバルブ組立体の断面図であり、通常的な動作状態では、バルブディスクは、スラストベアリングのフェースに接触し、荷重の大部分が、スラストベアリングのフェース上に負荷され、バルブシートの細長いシート上に負荷されない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温冷凍機、特に、ギフォード・マクマホン(GM)冷凍機、GMタイプのパルスチューブ冷凍機、Solvay(ソルベイ)冷凍機に関する。かかる極低温冷凍機のコールドヘッドは、バルブ機構を含み、当該バルブ機構は、通常的には、ロータリバルブディスクとバルブシートからなる。離散的なポートが存在し、異なるポートの周期的な配置により、コンプレッサにより供給された作動流体が、蓄冷器及びコールドヘッドの作動容積に対して出入りすることが可能となる。
【背景技術】
【0002】
GM及びSolvayタイプの冷凍機は、略一定の高圧でガスを供給し、略一定の低圧でガスを受け入れるコンプレッサを用いる。ガスは、バルブ機構によりコンプレッサに対して低速で作動する往復動エクスパンダに供給され、往復動エクスパンダは、エクスパンダ内及び外にガスを交互に導く。
【0003】
W.E.Giffordは、また、固体のディスプレーサを、気体のディスプレーサに置き換えるエクスパンダを思いつき、それを“パルスチューブ”冷凍機と称した。これは、先ず特許文献1に開示され、それは、初期のGM冷凍機のようにバルブに接続されるパルスチューブを開示する。
【0004】
初期のパルスチューブ冷凍機は、GMタイプの冷凍機と競合するほど十分効率的でなかった。顕著な改善は、1984年にMikulin他により報告され、更なる改善を求めて多くの関心が続けられた。1984年以降の大きな改善の記載は、ここで列挙する文献において見出せる。これらのパルスチューブのすべては、パルスチューブに対してガスを周期的に流入及び流出させるためにバルブを用いるGMタイプのエクスパンダとして稼動できる。低速で稼動するGMタイプのパルスチューブは、典型的には、約20K以下での用途で使用される。4Kでの最も良い性能が、特許文献2の図9に示すようなパルスチューブにより得られることが見出されている。この設計は、特許文献2の図11に示す順序で開閉する6つのバルブを有する。
【0005】
W.E.Giffordによる特許文献3は、初期の空気駆動されるGMエクスパンダ及び、駆動ピストンへのガス流れと同調せず蓄冷器へのガス流れを制御するマルチポート型ロータリスプールバルブを開示する。後続する特許文献4では、Giffordは、バルブのフェースの両端で緊密なシールを維持するために高低の圧力差を用いるマルチポート型ロータリディスクを開示する。彼は、この種のバルブは、長時間稼動しある程度の磨耗を受けたあとにも漏出率が低く、スプールタイプのバルブよりも優れていると述べている。この種のバルブは、異なるタイプのGM冷凍機において広く用いられてきた(例えば、特許文献5,6,7,8参照)。
【特許文献1】米国特許第3,237,421号明細書
【特許文献2】米国特許第6,256,998号明細書
【特許文献3】米国特許第3,119,237号明細書
【特許文献4】米国特許第3,205,668号明細書
【特許文献5】米国特許第3,620,029号明細書
【特許文献6】米国特許第3,625,015号明細書
【特許文献7】米国特許第4,987,743号明細書
【特許文献8】米国特許第6,694,749号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種のバルブは、バルブディスク及び/又はバルブシートから磨耗ダストを生成するという欠点を有する。バルブディスクからの磨耗ダストは、コールドヘッド自体へ飛ばされる傾向にあり、これは、性能を劣化させる。パルスチューブ冷凍機は、従来的なGM冷凍機よりもダストに繊細である。なぜならば、このダストは、パルスチューブの高温側端部にてオリフィスの開口を調整するために用いられるニードルの表面上に付着し、或いは、オリフィスや流路に堆積する傾向にあるからである。パルスチューブ冷凍機の性能は、オリフィスの開口に敏感であり、従って、それらをダストの無い状態に維持することが望ましい。
【0007】
今日見出されていることとして、バルブシートに対して回転するバルブディスクを、それらの間のギャップが軽い接触から非常に小さいギャップへと変化する態様で、支持するスラストベアリングを用いるロータリバルブユニットは設計されることができる。これは、非常に少ない磨耗又は磨耗の無い結果を生み、バルブを回すのに必要なトルクが低減される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、バルブディスクのフェースとシートとの間に非常に軽い接触又は非常に小さいギャップを維持することにより、磨耗ダストと共に、マルチポート型ロータリディスクバルブを回転させるのに必要なトルクを低減する改善された手段を提供する。本発明は、バルブシート及び/又はディスクを互いに接触しないような態様又は軽く接触する態様で保持するスラストベアリングを有することにより、磨耗ダスト及びトルクを低減する手段を提供する。
【0009】
バルブディスクのフェースとシートとの間のギャップは、0から25μmの間に維持されることができ、高圧から低圧への漏れが冷凍機の性能に悪影響を及ぼさないようほど十分小さくなるようにする。バルブディスクは、バルブシートと軽い接触状態にある場合、大部分の力は、バルブシートのフェースに代わり、スラストベアリングのフェース上に負荷されることになる。バルブディスクのフェース及びスラストベアリングのフェースは共に回転するので、回転中に磨耗は生じず、バルブディスクを回転させるのに必要なトルクを小さくすることができる。
【0010】
スラストベアリングは、摩擦の嵌合によりバルブシート又はバルブディスクに取り付けられることができ、又は、接着剤により取り付けられることができる。スラストベアリングは、また、固定具により所定位置に維持されることができる。
【0011】
バルブディスクのフェースをスラストベアリングのフェースと接触状態に維持する正味の力を低減することにより、多数のポートを有するロータリディスクバルブを回転させるのに必要な力を更に低減することができる。本発明は、また、特許文献7、8に示すようなバルブ組立体における2つの異なる表面上に2つの異なる圧力でガスを作用させることにより、スラストベアリングにかかる軸方向力を低減する手段を提供する。
【0012】
特許文献8に示すように、バルブシートの中央に高圧ガスをバルブディスクの外側に低圧ガスを有することも可能である。これは、特にマルチポート型のパルスチューブにおいて、更に、バルブディスクの磨耗からパルスチューブ内に飛ばされるダスト量を低減するという追加の効果を提供する。バルブディスクフェースの中央に高圧を外側に低圧を有することは、大部分のダストが低圧の空間へと飛ばされ、パルスチューブに入らないという結果を生む。
【0013】
バルブユニットは、また、初期の作動中、バルブディスクがバルブシートに接触するが、バルブディスク又はバルブシートがスラストベアリングに接触しないような態様で、設計されることができる。バルブユニットがある程度の時間稼動し、幾らかの磨耗を受けた後、バルブディスク又はシートは、ゆっくりとスラストベアリングのフェースに接触し始める。従って、スラストベアリングに負荷される荷重は徐々に増加し、これにより、バルブシートのフェース及びディスクに負荷される力は徐々に低減していくことになる。最終的には、バルブシートのフェース及びディスクに負荷される力はゼロになり、更なる磨耗は一切生じないだろう。この場合、バルブシートのフェースとディスクとの間にほとんどギャップが無く、それ故に、高圧から低圧への漏れ率は、非常に小さい流量で維持されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、GM冷凍機、Solvay冷凍機、及びGMタイプパルスチューブ冷凍機を含め、バルブユニットによりエクスパンダの内外に周期的にガスが導かれる如何なる種の冷凍機に対しても適用可能である。特には、多段及び多ポートを有する低温パルスチューブに適用されるときに特に有用である。
【0015】
図1は、流れ関係を示すため、コンプレッサ及び単一段のダブルインレットパルスチューブ冷凍機の小型の概要と共にバルブ組立体29の断面を示す。
【0016】
バルブユニット29は、バルブモータ組立体5、バルブハウジング7、及びバルブベース17を有し、これらの全ては、多様なOリングシール及びボルト1によりシールされる。バルブベース及びハウジングの内側には、多様な構成要素が存在する。バルブシート21は、バルブハウジング内に保持及びシールされる。スラストベアリング60は、バルブシートにより組みつけられる。バルブディスク4は、モータシャフト6及びシャフト6を通るピン3を介してバルブモータ5により回転される。バルブディスク4は、ピン3に対して軸方向に自由に移動する。バルブディスク4は、スラストベアリング60のフェースに接触する。バルブディスク4は、バルブシート21から、非常に小さいギャップで離間されることができ、若しくは、バルブシート21に非常に軽い接触を持つことができる。バルブディスク4のフェースとバルブシート21の間にギャップが存在する場合、好ましいギャップは、0から25μmまでであるべきである。バルブディスク4がバルブシート21に軽く接触する場合、力の大部分は、バルブシート21のフェースに代わって、スラストベアリング60のフェースに負荷されるべきである。バルブディスク4のフェース及びスラストベアリング60のフェースは共に回転するので、回転中に磨耗は一切発生せず、バルブディスクを駆動するための必要トルクを小さくできる。スプリング8は、冷凍機がオフのときにスラストベアリング60にバルブディスク4を接触した状態に維持するために用いられる。ピン35は、バルブシート21がハウジング17に対して回転するのを防止する。
【0017】
インレット(入口)10は、ガスライン19を介してコンプレッサ20の供給側に接続される。コンプレッサ20の戻り側は、ガスライン18及び出口14を介してバルブ組立体29に接続する。低圧でのガスは、溝13を通してバルブディスク4の中央から流出する。
【0018】
バルブディスク4の遠い側のフェース(distal face)上に負荷される供給圧と、バルブディスク4のフェースに負荷される圧力との差圧から発生される力は、バルブディスク4のフェースをスラストベアリング60のフェースに接触した状態に保つ。
【0019】
図2は、バルブディスク4のフェースにおけるガス流れ空洞を示す。図1に示す断面は、図2及び図3において断面矢印A−Aにより示される。ポート15からのガスは、空洞40内に流れ、次いで、クロススロット41を介して低圧Pl,ポート13に流れる。バルブディスク4の外縁におけるアンダーカットである領域12は、コンプレッサから供給される高圧Phのガスに接続する。
【0020】
図3は、シール21のフェースを示す。本発明の理解に本質的ではないが、このポート構成の特性を、図1,2,3を参照して概説する。図1は、発明されたバルブユニットにより駆動されるダブルインレットタイプのパルスチューブ冷凍機を示す。それは、蓄冷器22、高温側端部のフロースムーザー26及び低温側端部のフロースムーザー24を備えるパルスチューブ25、及び低温側端部の熱交換器23からなる。位相シフト手段は、バッファー容積28、バッファーオリフィス27、及びダブルインレットバルブ30を含む。バルブモータ5及びシャフト6によりバルブディスク4を回転させることにより、穴15,16は、交互に、空洞12を流れるガスにより加圧され、スロット40を通る流れにより減圧される。図2及び図3に示すポート構成は、バルブディスク4の回転毎にパルスチューブを加圧及び減圧する2回の完全なサイクルを生成する。理解されるべきこととして、エクスパンダは、バルブディスク4及びバルブシート21上の供給及び戻りポートを適切に配置することにより、ロータリバルブの周期毎に、1若しくはそれ以上のサイクルで動作されてもよい。
【0021】
図1に示すエクスパンダは、単一の段のパルスチューブであるが、例えば特許文献2の図9に示すような多数の制御ポートを備える多段のパルスチューブを駆動するために使用できるようにバルブユニット及びポート構成を設計することも可能である。バルブディスク4及びバルブシート21上にポートを適切に配置することにより、及び、パルスチューブ25の高温側端部26に連通する必要な通路を配設することにより、発明されたバルブユニットは、オリフィスタイプ、4バルブタイプ、アクティブバッファータイプ及び5バルブタイプのような、如何なるタイプのパルスチューブをも駆動するために用いられることができる。指摘しておくべきこととして、このバルブユニットは、GMやSolvayタイプのような、他の種の冷凍機に対しても用いられることができる。
【0022】
図4は、本発明によるバルブ組立体の第2の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブディスク4に取り付けられ、バルブシート21は、スラストベアリング60の表面に接触する。図4では、同様の参照符号が、図1における同様の部品を指示する。
【0023】
図5は、本発明によるバルブ組立体の第3の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60がバルブシート21に取り付けられ、バルブディスク61は、スラストベアリング60の表面に接触している。図5では、同様の参照符号が、図1における同様の部品を指示する。図5において、スラストベアリング60上に負荷される力は、ピン3により保持されOリング9によりバルブディスク61内にシールされるバルブホルダ2を有することにより低減される。バルブディスク61及びバルブホルダ2の外部表面は、スラストベアリング60に接触するバルブディスク61の表面及びバルブシート21に対向する表面を除いて、高圧ガスにより囲繞される。バルブディスク61のフェースをスラストベアリング60のフェースに接触するのを維持するために必要な力は、バルブディスク61の遠い側での面積と圧力の積を、バルブディスク61のフェースの領域とバルブディスク61のフェース上の最大平均圧力の積よりも大きくすることにより、得られる。これは、Acを、空洞11におけるバルブディスク61の遠い側の面積とし、Asを、Acまわりのバルブディスク61の遠い側の環状の面積とし、Avを、バルブディスク61のフェースの面積とし、Pvを、Avに作用する平均圧力としたとき(双方とも空洞12の圧力及び面積を含む)、次の式で表せる。
(Ac*Pl+As*Ph)>Av*Pvmax (式1)。
【0024】
対抗する力は、モータシャフト6に伝達され、バルブディスク61に向かう方向にモータベアリング上に軸方向力を与える。実際には、空洞11の直径は、シールを維持することとスラストベアリング60上の荷重を最小化することとの間の最良のバランスをどれが与えるかを見るために異なるサイズをテストすることにより、調整される。
【0025】
図6は、本発明によるバルブ組立体の第4の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブディスク61に取り付けられ、バルブシート21は、スラストベアリング60の表面に接触する。図6では、同様の参照符号が、図5における同様の部品を指示する。
【0026】
図7は、本発明によるバルブ組立体の第5の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブシート21に取り付けられ、バルブディスク61は、スラストベアリング60の表面に接触する。図7では、同様の参照符号が、図5における同様の部品を指示する。図7において、バルブディスク61及びバルブホルダ2の外部表面は、スラストベアリング60に接触するバルブディスク61の表面及びバルブシート21に対面する表面を除いて、低圧ガスにより囲繞される。力は、Acを、空洞11におけるバルブディスク61の遠い側の面積とし、Asを、Acまわりのバルブディスク61の遠い側の環状の面積とし、Avを、バルブディスク61のフェースの面積とし、Pvを、Avに作用する平均圧力としたとき(双方とも空洞12の圧力及び面積を含む)、次の式で表せる。
(Ac*Ph+As*Pl)>Av*Pvmax (式2)。
【0027】
対抗する力は、モータシャフト6に伝達され、バルブディスク61から離される方向にモータベアリング上に軸方向力を与える。式1及び式2において、Avは、AcとAsの和に等しい。バルブディスクの中心に高圧を有し、外側の低圧を有する結果として、ダストの大部分は、低圧空間へと直接的に飛ばされ、パルスチューブ内に入ることが無くなる。
【0028】
図8は、本発明によるバルブ組立体の第6の実施例の断面図であり、この構成では、スラストベアリング60は、バルブディスク61に取り付けられ、バルブシート21は、スラストベアリング60の表面に接触する。図8では、同様の参照符号が、図7における同様の部品を指示する。
【0029】
図9は、本発明によるバルブ組立体の第7の実施例の断面図であり、この構成では、固定具が、スラストベアリング60をバルブハウジング17に固定するために用いられる。スラストベアリング60は、バルブシートの肩部に着座し、バルブディスク61は、スラストベアリング60の表面に接触する。図9では、同様の参照符号が、図1における同様の部品を指示する。この実施例は、整備が必要となった場合にスラストベアリングの簡単に交換できるという利点を有する。
【0030】
図10及び図11は、本発明の第1の実施例を製造する選択肢を示す。所期の動作中、バルブディスク4は、バルブシート21のフェースに接触するが、スラストベアリング60のフェースには接触しない。バルブユニットが、幾らかの時間稼動し、ある程度の磨耗を受けた後、バルブディスク21は、スラストベアリング60のフェースに接触し始める。このとき、スラストベアリング60の負荷される力は、徐々に増加し始め、この結果、バルブディスク4及びバルブシート21のフェースに負荷される力は、減少する。ある点では、バルブディスク4及びバルブシート21のフェースに負荷される力は、ゼロになり、更なる磨耗は生成されなくなる。この場合、バルブシート21のフェースとディスク4の間のギャップがほとんどなくなり、それ故に、高圧から低圧への漏れ率が非常に小さい値に維持されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるバルブ組立体の断面図であり、コンプレッサ及び単一段のダブルインレットパルスチューブ冷凍機の小型の概要が流れ関係を示すために含められている。バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられる。バルブディスクは、スラストベアリングはスラストベアリングの表面に接触する。
【図2】図1のバルブユニットのバルブディスク形成部品の前面図である。
【図3】図1のバルブユニットのバルブシート形成部品の前面図である。
【図4】本発明によるバルブ組立体の第2の実施例の断面図であり、スラストベアリングは、バルブディスクに取り付けられ、バルブシートは、スラストベアリングの表面に接触する。
【図5】本発明によるバルブ組立体の第3の実施例の断面図であり、バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、スラストベアリングの表面に接触する。低圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図6】本発明によるバルブ組立体の第4の実施例の断面図であり、バルブディスクは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブシートは、スラストベアリングの表面に接触する。低圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図7】本発明によるバルブ組立体の第5の実施例の断面図であり、バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、スラストベアリングの表面に接触する。高圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図8】本発明によるバルブ組立体の第6の実施例の断面図であり、バルブディスクは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブシートは、スラストベアリングの表面に接触する。高圧ガスは、バルブディスクとバルブホルダにより囲まれる空洞内に導入される。
【図9】本発明によるバルブ組立体の第7の実施例の断面図であり、バルブシートは、スラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、スラストベアリングの表面に接触する。スラストベアリングは、固定具によりバルブハウジングに固定される。
【図10】本発明によるバルブ組立体の第1の実施例に対する設計選択肢の初期状態の断面図であり、バルブシートは、取り付けられたスラストベアリングと共に組みつけられ、バルブディスクは、バルブシートのフェースに接触するが、スラストベアリングの表面に接触しない。
【図11】バルブディスクを通常的な動作状態に至らせる初期の磨耗期間後の図10に示すバルブ組立体の断面図であり、通常的な動作状態では、バルブディスクは、スラストベアリングのフェースに接触し、荷重の大部分が、スラストベアリングのフェース上に負荷され、バルブシートの細長いシート上に負荷されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GM、Solvay、又はGMタイプのパルスチューブ冷凍機におけるバルブ組立体であって、
少なくとも1つのバルブディスクと、少なくとも1つのバルブシートと、バルブディスクのフェース及びバルブシートのフェースの一方がフェースに接触する少なくとも1つのスラストベアリングと、を含むバルブ組立体。
【請求項2】
前記スラストベアリングが、前記バルブシートに取り付けられ、バルブディスクのフェースが、前記スラストベアリングのフェースに接触する、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項3】
前記スラストベアリングが、前記バルブディスクに取り付けられ、バルブシートのフェースが、前記スラストベアリングのフェースに接触する、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項4】
前記スラストベアリングが、固定具により固定される、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項5】
GM,Solvay、又はGMタイプのパルスチューブ冷凍機におけるバルブ組立体であって、
GM,Solvay、又はGMタイプのパルスチューブ冷凍機におけるバルブ組立体であって、
少なくとも1つのバルブディスクと、少なくとも1つのバルブシートと、バルブディスクのフェース及びバルブシートのフェースが初期的に互いに接触し合う少なくとも1つのスラストベアリングと、を含むバルブ組立体。
【請求項6】
前記スラストベアリングが、前記バルブシートに取り付けられる、請求項5に記載のバルブ組立体。
【請求項7】
前記スラストベアリングが、前記バルブディスクに取り付けられる、請求項5に記載のバルブ組立体。
【請求項8】
バルブディスク及びバルブシートの少なくとも一方が、前記スラストベアリングのフェースに接触し、前記スラストベアリングが、固定具により固定される、請求項5に記載のバルブ組立体。
【請求項9】
低トルク及び低摩耗ロータリバルブユニットであって、
バルブディスクと、
バルブシートと、
スラストベアリングとを含み、
前記スラストベアリングが、前記バルブシートに対して回転するバルブディスクを、それらの間のギャップが軽い接触から非常に小さいギャップへと変化する態様で、支持する、バルブユニット。
【請求項10】
前記バルブディスクのフェース及び前記バルブシートのフェースが、25μm未満の距離だけ互いに離間されている、請求項9に記載のバルブユニット。
【請求項11】
低トルク及び低摩耗ロータリバルブユニットであって、
バルブディスクと、
バルブシートと、
スラストベアリングとを含み、
前記バルブシートのフェースに典型的にかかる力が、前記スラストベアリングのフェースに伝達される、バルブユニット。
【請求項12】
バルブディスクとバルブシート間の摩擦力を低減することによりマルチポート型のロータリディスクバルブを回転させるのに必要なトルクを低減する方法であって、
前記回転するバルブディスクを支持するスラストベアリングを間挿することを含む、方法。
【請求項1】
GM、Solvay、又はGMタイプのパルスチューブ冷凍機におけるバルブ組立体であって、
少なくとも1つのバルブディスクと、少なくとも1つのバルブシートと、バルブディスクのフェース及びバルブシートのフェースの一方がフェースに接触する少なくとも1つのスラストベアリングと、を含むバルブ組立体。
【請求項2】
前記スラストベアリングが、前記バルブシートに取り付けられ、バルブディスクのフェースが、前記スラストベアリングのフェースに接触する、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項3】
前記スラストベアリングが、前記バルブディスクに取り付けられ、バルブシートのフェースが、前記スラストベアリングのフェースに接触する、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項4】
前記スラストベアリングが、固定具により固定される、請求項1に記載のバルブ組立体。
【請求項5】
GM,Solvay、又はGMタイプのパルスチューブ冷凍機におけるバルブ組立体であって、
GM,Solvay、又はGMタイプのパルスチューブ冷凍機におけるバルブ組立体であって、
少なくとも1つのバルブディスクと、少なくとも1つのバルブシートと、バルブディスクのフェース及びバルブシートのフェースが初期的に互いに接触し合う少なくとも1つのスラストベアリングと、を含むバルブ組立体。
【請求項6】
前記スラストベアリングが、前記バルブシートに取り付けられる、請求項5に記載のバルブ組立体。
【請求項7】
前記スラストベアリングが、前記バルブディスクに取り付けられる、請求項5に記載のバルブ組立体。
【請求項8】
バルブディスク及びバルブシートの少なくとも一方が、前記スラストベアリングのフェースに接触し、前記スラストベアリングが、固定具により固定される、請求項5に記載のバルブ組立体。
【請求項9】
低トルク及び低摩耗ロータリバルブユニットであって、
バルブディスクと、
バルブシートと、
スラストベアリングとを含み、
前記スラストベアリングが、前記バルブシートに対して回転するバルブディスクを、それらの間のギャップが軽い接触から非常に小さいギャップへと変化する態様で、支持する、バルブユニット。
【請求項10】
前記バルブディスクのフェース及び前記バルブシートのフェースが、25μm未満の距離だけ互いに離間されている、請求項9に記載のバルブユニット。
【請求項11】
低トルク及び低摩耗ロータリバルブユニットであって、
バルブディスクと、
バルブシートと、
スラストベアリングとを含み、
前記バルブシートのフェースに典型的にかかる力が、前記スラストベアリングのフェースに伝達される、バルブユニット。
【請求項12】
バルブディスクとバルブシート間の摩擦力を低減することによりマルチポート型のロータリディスクバルブを回転させるのに必要なトルクを低減する方法であって、
前記回転するバルブディスクを支持するスラストベアリングを間挿することを含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−527985(P2007−527985A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503009(P2007−503009)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/007981
【国際公開番号】WO2005/088210
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/007981
【国際公開番号】WO2005/088210
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】
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