説明

極端紫外光源装置

【課題】異なる処理装置の仕様に対してEUVチャンバの仕様変更を少なくすることができるEUV光源装置を提供する。
【解決手段】極端紫外光を用いて処理を行う処理装置に極端紫外光を供給する極端紫外光源装置であって、処理装置に供給するための極端紫外光の生成が行われるチャンバと、チャンバ内において生成された極端紫外光を集光して前記処理装置に出射する集光ミラーと、チャンバと処理装置との間において極端紫外光の経路を画定するとともに、極端紫外光の経路を外部から隔離する光路接続モジュールとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極端紫外(EUV:extreme ultraviolet)光を用いて処理を行う処理装置と組み合わせて用いられる極端紫外光源装置に関し、例えば、露光装置において半導体ウエハの露光処理を行う投影光学系と組み合わせて用いられる極端紫外光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って光リソグラフィにおける微細化が急速に進展しており、次世代においては、60nm〜45nmの微細加工、更には32nm以下の微細加工が要求されるようになる。そのため、例えば、32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度のEUV光を発生するEUV光源と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
EUV光源としては、ターゲットにレーザビームを照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(laser produced plasma:レーザ生成プラズマ)光源と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(discharge produced plasma:放電生成プラズマ)光源と、軌道放射光を用いたSR(synchrotron radiation)光源との3種類がある。このようなEUV光源から出射されるEUV光は、EUV光を用いて処理を行う処理装置、例えば露光装置の投影光学系に出力される。
【0004】
関連する技術として、特許文献1には、EUVリソグラフィ装置(EUV lithographic apparatus)において、EUV光を放射する放射ユニット(radiation unit)を重力方向に対して斜めに設置することにより、EUV光を用いてマスクを照明する照明システム(illumination system)の光軸に一致するように、EUV光を出射することが開示されている。
【0005】
しかしながら、EUV光を用いて処理を行う処理装置によって、EUV光源装置に要求される開口数(NA:numerical aperture)、中間集光点(IF:intermediate focusing point)の位置、及び、処理装置が必要とする内部圧力等の仕様は様々である。このため、処理装置の仕様に合わせてEUVチャンバの仕様を変更しなければならない場合が生じるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/146413号明細書(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、上記の点に鑑み、本発明の1つの観点においては、異なる処理装置の仕様に対してEUVチャンバの仕様変更を少なくすることができるEUV光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る極端紫外光源装置は、極端紫外光を用いて処理を行う処理装置に極端紫外光を供給する極端紫外光源装置であって、処理装置に供給するための極端紫外光の生成が行われるチャンバと、チャンバ内において生成された極端紫外光を集光して前記処理装置に出射する集光ミラーと、チャンバと処理装置との間において極端紫外光の経路を画定するとともに、極端紫外光の経路を外部から隔離する光路接続モジュールとを具備するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の1つの観点によれば、チャンバと処理装置との間に光路接続モジュールを具備するので、異なる処理装置の仕様に対して光路接続モジュールの変更で対応することにより、EUVチャンバの仕様変更を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る極端紫外(EUV)光源装置を含む露光装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示すEUV光源装置における発光部の概要を示す模式図である。
【図3】第1の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図4】第2の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図5】第3の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図6】第4の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図7】第5の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図8】第6の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図9】第7の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図10】第8の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図11】第9の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図12】第10の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図13】第11の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図14】第12の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るEUV光源装置における発光部の概要を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る極端紫外(EUV)光源装置を含む露光装置の概略構成を示す側面図である。この露光装置は、EUV光源装置1と、投影光学系20とを含んでいる。ここで、投影光学系20は、EUV光を用いて処理を行う処理装置の一例であり、マスクにEUV光を照射する光学系であるマスク照射部21と、マスクのパターンをウエハ上に投影する光学系であるワークピース照射部22とを含んでいる。
【0012】
第1の実施形態に係るEUV光源装置1は、EUV光の生成を行う発光部10と、発光部10と投影光学系20との間に設置される光路接続モジュール11と、発光部10を位置決めする位置決め機構12とを有している。発光部10は、レーザビームをターゲット物質に照射して励起させることによりEUV光を生成するLPP(レーザ生成プラズマ)方式を採用している。
【0013】
LPP方式においては、プラズマ密度をかなり大きくできるので黒体輻射に近い極めて高い輝度が得られる。また、ターゲット物質を選択することにより必要な波長帯のみの発光が可能である。さらに、光源の周囲に電極等の構造物がなく、ほぼ等方的な角度分布を持つ点光源であるので、2π〜4πsteradianという極めて大きな捕集立体角の確保が可能である。これらの利点から、LPP方式は、数十ワット以上のパワーが要求されるEUVリソグラフィ用の光源として有力であると考えられている。
【0014】
図2は、図1に示すEUV光源装置における発光部の概要を示す模式図である。
発光部10は、ドライバレーザ2と、ターゲット供給部3と、EUVチャンバ4と、ターゲット回収部5と、レーザ集光光学系6と、EUV集光ミラー15とを含んでいる。
【0015】
ドライバレーザ2は、ターゲット物質を励起させるために用いられる駆動用のレーザ光を生成する発振増幅型のレーザ光源である。ドライバレーザ2によって生成されたレーザ光は、少なくとも1つのレンズ及び/又は少なくとも1つのミラーを含んだレーザ集光光学系6により、EUVチャンバ4内のターゲット物質の軌道上に焦点を形成するように集光される。レーザ光がターゲットに集光して照射されるとプラズマが発生する。このプラズマの生成サイト(PS:plasma generation site)からEUV光が放出される。
【0016】
ターゲット供給部3は、EUV光を発生するために用いられるスズ(Sn)やリチウム(Li)等のターゲット物質を、ターゲットノズル8を介してEUVチャンバ4内に供給する装置である。供給されたターゲット物質の内で、レーザ光が照射されずに不要となったものは、ターゲット回収部5によって回収される。
【0017】
ターゲット物質の状態は、固体、液体、気体の何れでも良く、ターゲット供給部3は、連続流れ(ターゲット噴流)や液滴(ドロップレット)等の、公知の何れの態様でターゲット物質をEUVチャンバ4内の空間に供給しても良い。例えば、ターゲット物質としてスズ(Sn)の溶融金属を用いる場合には、ターゲット供給部3は、スズを溶融するためのヒータや溶融金属スズを噴出させるための高純度アルゴン(Ar)ガスを供給するガスボンベ、マスフローコントローラ、ターゲットノズル等によって構成される。また、ドロップレットを生成する場合には、ターゲットノズル8にピエゾ素子等の加振装置が追加される。
【0018】
EUVチャンバ4は、EUV光の生成が行われる真空チャンバである。EUVチャンバ4には、ドライバレーザ2によって生成されたレーザ光をEUVチャンバ4内に通過させるための窓7が設けられている。
【0019】
EUV集光ミラー15は、EUVチャンバ4内に設けられている。EUV集光ミラー15は、所定の波長を有するEUV光を高い反射率で反射させる多層膜がコートされた反射面を有している。例えば、波長が13.5nm付近のEUV光を集光するコレクタミラーとしては、反射面にモリブデン(Mo)及びシリコン(Si)の膜が交互に積層されたミラーが用いられる。EUV集光ミラー15の反射面は回転楕円体の形状を有しており、このEUV集光ミラー15は、回転楕円体の第1の焦点位置がプラズマ生成サイト(PS)となるように配置されている。EUV集光ミラー15によって反射されたEUV光は、回転楕円体の第2の焦点位置、すなわち中間集光点(IF)に集光される。
【0020】
EUVチャンバ4内に供給されたターゲット物質にレーザビームを照射することにより、プラズマが生成され、そこからEUV光を含む様々な波長を有する光が放射される。この内の所定の波長成分(例えば、13.5nmの波長を有する成分)が、EUV集光ミラー15によって高い反射率で反射される。EUV集光ミラー15から射出されたEUV光は、光路接続モジュール11内の中間集光点(IF)に一旦集光される。そして、EUV光は中間集光点から広がりながら光路接続モジュール11内を通過し、投影光学系20に入射する。
【0021】
図1を再び参照すると、光路接続モジュール11は、発光部10に含まれるEUVチャンバ4と、投影光学系20との間においてEUV光の経路を画定するように設置されている。光路接続モジュール11は、EUV光の経路を外部から隔離するとともに、EUVチャンバ4側の端部から投影光学系20の端部へとEUV光を通過させるように筒状に構成されている。この光路接続モジュール11は、投影光学系20の仕様に適合する形状及び構成を備えており、投影光学系20の仕様の変更に対してEUVチャンバ4を変更しなくても光路接続モジュール11の変更で対応できるようになっている。光路接続モジュール11は、EUVチャンバ4及び投影光学系20の一方又は両方から取り外し可能となっている。
【0022】
位置決め機構12は、発光部10の形状に合わせたチャンバ台13を含んでいる。このチャンバ台13は、発光部10から射出されるEUV光の光軸が投影光学系20の光軸と一致するように、重力方向に対して斜めの姿勢に発光部10を保持する。
【0023】
投影光学系20は、マスクにEUV光を照射するためのマスク照射部21と、マスクの像をウエハ上に投影するためのワークピース照射部22とを有している。マスク照射部21は、EUV光源装置1から入射したEUV光を、反射光学系を介してマスクテーブルMTのマスクパターン上に照射する。ワークピース照射部22は、マスクテーブルMTから反射されたEUV光を、反射光学系を介してワークピーステーブルWTのワークピース(半導体ウエハ等)上に結像させる。そして、マスクテーブルMTとワークピーステーブルWTとを同時に平行移動させることにより、マスクパターンをワークピースに転写させる。
【0024】
本実施形態によれば、EUVチャンバ4と露光装置の投影光学系20との間に光路接続モジュール11が設置されているので、異なる投影光学系の仕様に対して光路接続モジュール11の変更で対応することにより、EUVチャンバ4の仕様変更を少なくすることができる。従って、異なる投影光学系の仕様に対応するEUVチャンバ4をそれぞれ設計及び製作する必要性を低減し、コストを低減することができる。
【0025】
なお、光路接続モジュール11は、光路接続モジュール11内を通るEUV光の光軸に垂直な断面が円形に形成される(光路接続モジュール11が円筒状に形成される)ことが望ましいが、本発明はこれに限定されることなく、光路接続モジュール11の断面を例えば四角形やその他の多角形としてもよい。また、ここでは、ドライバレーザ2がEUV光源装置1の発光部10に含まれる例について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、ドライバレーザ2がEUV光源装置1とは別個のレーザ光源として、EUV光源装置1にレーザ光を出射するように構成されていても良い。また、EUV光を用いて処理を行う処理装置として露光装置の投影光学系20を例示したが、これに限らず、処理装置はレチクル検査装置(マスク検査装置)であっても良い。
【0026】
次に、上記実施形態のEUV光源装置の具体的な実施例について説明する。なお、上記実施形態の説明は、その性質に反しない限り、そのまま以下の各実施例においても該当する。
【0027】
図3は、第1の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図3においては、光路接続モジュール11a、11b、11cを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20a、20b、20cは一部のみ示されている。
第1の実施例は、投影光学系20a、20b、20cが互いに異なる開口数(NA)又は中間集光点(IF)の位置を要求している場合に、共通のEUVチャンバ4を備えた発光部10を用いて、それぞれの仕様に対応することを可能とするものである。
【0028】
投影光学系20aが、投影光学系20aに近い位置に中間集光点(IF)を要求しているときには、図3(A)に示すように、光路接続モジュール11aの内部壁面の形状を、最も内径の小さい絞り部分が投影光学系20aに近い位置となるような形状とする。
また、投影光学系20bが、小さい開口数(NA)を要求しているときには、図3(B)に示すように、光路接続モジュール11bの内部壁面において、中間集光点(IF)の位置から光路接続モジュール11bの両端に向かって開く角度を小さくする。
また、投影光学系20cが、投影光学系20cから遠い位置に中間集光点(IF)を要求しているときには、図3(C)に示すように、光路接続モジュール11cの内部壁面の形状を、最も内径の小さい絞り部分が投影光学系20cから遠い位置となるような形状とする。
【0029】
第1の実施例によれば、投影光学系20a、20b、20cにより要求される中間集光点(IF)の位置と開口数(NA)の仕様に応じて、光路接続モジュール11a、11b、11c及びEUV集光ミラー15a、15b、15cを変更することにより、EUVチャンバ4の仕様変更を少なくすることができる。
【0030】
図4は、第2の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図4においては、光路接続モジュール11d、11e、11fを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20d、20e、20fは一部のみ示されている。
第2の実施例は、投影光学系20d、20e、20fが互いに異なる内部圧力を必要としている場合に、共通のEUVチャンバ4を備えた発光部10を用いてそれぞれの仕様に対応し、EUVチャンバ4の内部圧力と投影光学系20d、20e、20fの内部圧力との差圧を維持することを可能とするものである。
【0031】
図4(A)は、光路接続モジュール11dのうち中間集光点(IF)に対応する絞り部分よりもEUVチャンバ4側にのみ、排気経路14d及びこれに接続された真空排気ポンプ14aを設けた例を示す。図4(B)は、光路接続モジュール11eのうち中間集光点(IF)に対応する絞り部分よりも投影光学系20e側にのみ、排気経路14e及びこれに接続された真空排気ポンプ14aを設けた例を示す。図4(C)は、光路接続モジュール11fのうち中間集光点(IF)に対応する絞り部分よりもEUVチャンバ4側に排気経路14d及び真空排気ポンプ14aを設けるとともに、投影光学系20f側にも排気経路14e及び真空排気ポンプ14aを設けた例を示す。
【0032】
これらの例は、投影光学系20d、20e、20fが必要としている内部圧力と、EUVチャンバ4に必要な内部圧力との差圧を維持するために、それぞれ、EUVチャンバ4側を排気する場合、投影光学系20d、20e、20f側を排気する場合、及び、両方を排気する場合において、各場合に対応した光路接続モジュール11d、11e、11fを用いることにより、共通のEUVチャンバ4を備えた発光部10を用いることを可能としている。
【0033】
第2の実施例によれば、投影光学系20d、20e、20fが必要としている内部圧力の仕様に応じて、光路接続モジュール11d、11e、11fを変更することにより、EUVチャンバ4の仕様変更を少なくすることができる。従って、異なる投影光学系の仕様に対応するEUVチャンバをそれぞれ設計及び製作する必要性を低減し、コストを低減することができる。
【0034】
第2の実施例において、上述の第1の実施例のように、投影光学系20d、20e、20fによって要求される中間集光点(IF)の位置と開口数(NA)の仕様に応じて、光路接続モジュール11d、11e、11f及びEUV集光ミラー15を変更することにより、EUVチャンバ4の仕様変更をさらに少なくすることもできる。なお、第2の実施例では、真空排気ポンプ14aが光路接続モジュール11d、11e、11fと一体となった場合について示したが、この実施例に限定されることなく、真空排気ポンプ14aが大きかったり、真空排気ポンプ14aの数が多かったりする場合は、真空排気ポンプ14aは、光路接続モジュール11d、11e、11fからの排気経路上において光路接続モジュール11d、11e、11fから切り離せるようにしてもよい。
【0035】
図5は、第3の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図5においては、光路接続モジュール11g及び11hを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20は一部のみ示されている。
第3の実施例は、上述の第1又は第2の実施例において、光路接続モジュールの内部壁面が種々の形状に形成されたものである。
【0036】
図5(A)は、光路接続モジュール11gの内部壁面を、光路接続モジュール11g内を通るEUV光の光軸に沿った断面が波形になるように構成した例を示す。図5(B)は、光路接続モジュール11hの内部壁面を、光路接続モジュール11h内を通るEUV光の光軸にほぼ垂直な穴あき平板若しくは穴あき膜が光軸方向に複数配列されることによって構成した例を示す。
【0037】
図5(A)及び(B)の何れにおいても、投影光学系20によって要求される中間集光点(IF)の位置に、光路接続モジュール11g又は11h内の最も内径の小さい絞り部分が位置づけられている。また、光路接続モジュール11g又は11hの内部壁面は、投影光学系20によって要求される開口数(NA)に応じて、中間集光点(IF)の位置から光路接続モジュール11g又は11hの両端に向かって開く角度が決定されている。更に、投影光学系20が必要としている内部圧力とEUVチャンバ4に必要な内部圧力との差圧を維持するために、必要な排気経路14dが設けられ、この排気経路は真空排気ポンプに接続されている。
【0038】
第3の実施例によれば、EUVチャンバ4内で発生するターゲット物質のデブリを光路接続モジュール11g又は11hの内部壁面によりトラップし、デブリの投影光学系20内への進入を抑制することができる。
【0039】
図6は、第4の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
第4の実施例は、上述の第1〜第3の実施例において、光路接続モジュールを取り外し、それにより空いた空間に、発光部10の性能検査をする検査装置16を取り付けることを可能とするものである。
【0040】
第4の実施例によれば、発光部10を移動させることなく、EUVチャンバ4を含む発光部10と投影光学系20とから光路接続モジュール11を取り外し、検査装置16を取り付けるだけで、発光部10の性能検査をすることができる。従って、検査後に発光部10のアライメントを再度行う必要性を低減することができ、発光部10と投影光学系20との接続を容易にすることができる。
【0041】
図7は、第5の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
第5の実施例は、上述の第1〜第4の実施例において、EUVチャンバ4の光路接続モジュール11との接続部と、投影光学系20の光路接続モジュール11との接続部に、それぞれゲートバルブ17a、17bなどの密封バルブが設置されたものである。
【0042】
第5の実施例によれば、EUVチャンバ4から光路接続モジュール11を取り外したとき、或いは、投影光学系20から光路接続モジュール11を取り外したときに、これらEUVチャンバ4及び投影光学系20の内部が空気に汚染されることを抑制することができる。そして、光路接続モジュール11の両端にもそれぞれゲートバルブ17c、17dが設置されている。その結果、光路接続モジュール11に内蔵される後述の光学部品等を保護することができる。
【0043】
図8は、第6の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図8においては、光路接続モジュール11i及び11jを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20は一部のみ示されている。
第6の実施例に係るEUV光源装置は、上述の第1〜第5の実施例において、光路接続モジュールにスペクトル純化フィルタ(spectral purity filter:SPF)18a又は18bを内蔵している。スペクトル純化フィルタ18a、18bは、投影光学系20が使用するEUV光(例えば、13.5nmの波長を有するEUV光)を透過し、その他の波長の光を反射又は吸収する働きがある。
【0044】
図8(A)は、光路接続モジュール11i内の中間集光点(IF)の位置に設けられる絞り部分よりもEUVチャンバ4側に排気経路14dを設け、この排気経路14dよりも更にEUVチャンバ4側にスペクトル純化フィルタ18aを設けた例を示す。スペクトル純化フィルタとしてはジルコニウム(Zr)薄膜が使用されるため、EUVチャンバ4と投影光学系20との圧力差によって破損する恐れがある。そこで、EUVチャンバ4内の圧力P1と投影光学系20内の圧力P2がP1<P2の関係にある場合は、図8(A)のように光路接続モジュール11iが構成される。これにより、中間集光点(IF)の位置にある絞り部分とスペクトル純化フィルタ18aとの間の空間を排気経路14dにより排気し、スペクトル純化フィルタ18aの破損を回避することができる。
【0045】
図8(B)は、光路接続モジュール11j内の中間集光点(IF)の位置に設けられる絞り部分よりも投影光学系20側に排気経路14eを設け、この排気経路14eよりも更に投影光学系20側にスペクトル純化フィルタ18bを設けた例を示す。EUVチャンバ4内の圧力P1と投影光学系20内の圧力P2がP1>P2の関係にある場合は、図8(B)のように光路接続モジュール11jが構成される。これにより、中間集光点(IF)の位置にある絞り部分とスペクトル純化フィルタ18bとの間の空間を排気経路14eにより排気し、スペクトル純化フィルタ18bの破損を回避することができる。
【0046】
第6の実施例によれば、スペクトル純化フィルタ18a又は18bが寿命により交換を要する場合に、発光部10を移動させることなく、EUVチャンバ4を含む発光部10と投影光学系20とから光路接続モジュール11i又は11jを取り外すだけで、スペクトル純化フィルタ18a又は18bを交換することができる。従って、交換後に発光部10のアライメントを再度行う必要性を低減することができ、発光部10と投影光学系20との接続を容易にすることができる。
【0047】
図9は、第7の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図9においては、光路接続モジュール11k及び11mを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20は一部のみ示されている。
第7の実施例に係るEUV光源装置は、光路接続モジュール11k又は11m内をスペクトル純化フィルタによって遮断せず、光路接続モジュール11k又は11mの内部壁面とスペクトル純化フィルタ18c又は18dとの間に隙間を空けた点で上述の第6の実施例と異なる。このように光路接続モジュール11k又は11m内に隙間を空けた場合でも、排気経路14d又は14eより排気を行うことで、EUVチャンバ4と投影光学系20との差圧を維持するとともに、EUVチャンバ4内で発生するターゲット物質のデブリが投影光学系20内へ進入することを抑制することができる。
【0048】
第7の実施例によれば、スペクトル純化フィルタ18c又は18dが寿命により交換を要する場合に、発光部10を移動させることなく、EUVチャンバ4を含む発光部10と投影光学系20とから光路接続モジュール11k又は11mを取り外すだけで、スペクトル純化フィルタ18c又は18dを交換することができる。従って、交換後に発光部10のアライメントを再度行う必要性を低減することができ、発光部10と投影光学系20との接続を容易にすることができる。
【0049】
図10は、第8の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図10においては、光路接続モジュール11n及び11oを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20は一部のみ示されている。
第8の実施例は、上述の第1〜第5の実施例において、光路接続モジュール内のEUV光の経路上であって中間集光点(IF)よりEUVチャンバ4側の位置に、光を反射する光学素子が配置され、この光学素子による反射光の経路上に、反射光を検出する光検出器が設置されたものである。第8の実施例においては、光を反射する光学素子として、スペクトル純化フィルタ18e又はミラー34が配置されており、光検出器として、蛍光板31、転写光学系32、電荷結合素子33を含む中間集光点(IF)検出器が設置されている。
【0050】
図10(A)では、光路接続モジュール11n内に、光路接続モジュール11n内を通るEUV光の光軸に対してほぼ45度の傾きとなるようにスペクトル純化フィルタ18eが設置されている。そして、スペクトル純化フィルタ18eからの反射光が集光された第2の集光点が、蛍光板31上に形成されるように、当該集光点に蛍光板31が設置されている。
【0051】
ここで、蛍光板31は、スペクトル純化フィルタ18eから中間集光点(IF)までの光路の距離と同じ光路の距離となる位置に配置されている。この蛍光板31は、スペクトル純化フィルタ18eからの反射光を受けると、可視光の蛍光を発する。この可視光による蛍光板31上の像を、転写光学系32が電荷結合素子(charge coupled device:CCD)33等の2次元センサ上に転写結像させる。これにより、中間集光点(IF)の位置及び形状が検出される。この情報に基づいて、EUV集光ミラー15の配置等を制御しEUV光の光軸を調整しても良い。一方、スペクトル純化フィルタ18eを透過したEUV光は、光路接続モジュール11n内の中間集光点(IF)を通って投影光学系20に出力される。
【0052】
図10(A)の構成によれば、投影光学系20にEUV光を供給している状態で、中間集光点(IF)の位置及び形状を計測できる。なお、ここではスペクトル純化フィルタ18eを用いる例について説明したが、EUV光を透過し、他の波長の光を反射するような他の光学素子を用いても良い。
【0053】
図10(B)では、光路接続モジュール11o内に、光路接続モジュール11o内を通るEUV光の光軸に対してほぼ45度の傾きとなるようにミラー34を設置してあり、ミラー34からの反射光を用いて図10(A)と同様に中間集光点(IF)の位置及び集光形状を検出する。ミラー34は、ノブ35、検出時固定部材36及び待機時固定部材37を設けたシャフト38に固定されており、このシャフト38は、光路接続モジュール11oに固定されたシール部材19を介して往復動可能になっている。
【0054】
中間集光点(IF)を検出するときには、図10(B)に示すように検出時固定部材36をシール部材19に当接させることによって、再現性よくミラー34を位置決めすることができる。一方、投影光学系20へEUV光を出力するときには、図10(C)に示すようにノブ35を光路接続モジュール11oの壁面から引き離し、待機時固定部材37がシール部材19に当接するまでミラー34を移動させることにより、ミラー34をEUV光の光路上から退避させる。
【0055】
第8の実施例によれば、発光部10を移動させることなく、EUVチャンバ4を含む発光部10と投影光学系20とから光路接続モジュール11n又は11oを取り外すだけで、焦点検出器(中間集光点(IF)検出器)等を交換することができる。従って、交換後に発光部10のアライメントを再度行う必要性を低減することができ、発光部10と投影光学系20との接続を容易にすることができる。
【0056】
図11は、第9の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図11においては、光路接続モジュール11pを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20は一部のみ示されている。
第9の実施例は、上述の第1〜第5の実施例において、光路接続モジュール内のEUV光の経路上に、光を反射するミラー34等の光学素子が配置され、この光学素子による反射光の経路上に、反射光を検出する光検出器が設置されたものである。第9の実施例においては、光検出器として、EUV透過フィルタ41及びエネルギー計測器42が設置されている。
【0057】
図11では、光を反射する光学素子として、図10(B)と同様の往復動可能なミラー34が光路接続モジュール11p内に設置されている。ミラー34からの反射光は、スペクトル純化フィルタ等のEUV透過フィルタ41を透過し、エネルギー計測器42に入射して、EUV光のエネルギーが計測される。これにより、投影光学系20に出力されている実際のエネルギーの較正やエネルギー安定性の計測を行うことができる。このEUV透過フィルタ41は、必ずしもEUV光の集光位置に設置する必要はなく、EUV光の経路上において、EUV光によって損傷しない位置にオフセットして設置されている。
【0058】
なお、ミラー34からの反射光の代わりに、図10(A)に示すようなスペクトル純化フィルタ18eからの反射光が、EUV透過フィルタ41を介さずに直接エネルギー計測器42に入射するようにして、エネルギーを計測しても良い。
また、EUV透過フィルタ41の代わりにCaF(フッ化カルシウム)ウィンドウをEUV光の経路上に挿入配置した状態での透過光のエネルギーE1と、CaFウィンドウをEUV光の光路外に待機させた状態でのEUV光全体のエネルギーE2とを計測して、波長160nm以下の光のエネルギーを(E2−E1)により求めることも可能である。
【0059】
第9の実施例によれば、発光部10を移動させることなく、EUVチャンバ4を含む発光部10と投影光学系20とから光路接続モジュール11pを取り外すだけでエネルギー計測器42等を交換することができる。従って、交換後に発光部10のアライメントを再度行う必要性を低減することができ、発光部10と投影光学系20との接続を容易にすることができる。
【0060】
図12は、第10の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。図12においては、光路接続モジュール11qを拡大して示すため、発光部10と投影光学系20は一部のみ示されている。
第10の実施例は、上述の第1〜第5の実施例において、光路接続モジュール内のEUV光の経路上に、光を反射するミラー34等の光学素子が配置され、この光学素子による反射光の経路上に、反射光を検出する光検出器が設置されたものである。第10の実施例においては、光検出器として、蛍光板51、転写光学系32、電荷結合素子33を含むファーフィールドパターン計測器が設置されている。
【0061】
図12では、光を反射する光学素子として、図10(B)と同様の往復動可能なミラー34が光路接続モジュール11q内に設置されている。ミラー34からの反射光は、蛍光板51の手前で一旦集光される。そして、この集光点から広がった後の光が蛍光板51に照射されるように、集光点より後方に蛍光板51が配置されている。これにより、投影光学系20へ出力されるEUV光のファーフィールドパターンのビームプロファイルが計測される。このファーフィールドパターンのビームプロファイルを計測することによって、EUV光の発光分布を計測することができる。この計測結果に基づいて、EUV光の発光分布が均一となるように、ターゲットの吐出タイミング、レーザ光の照射タイミング、ターゲットの位置、レーザ光の集光位置等の、発光部10の微調整を行うことができる。
【0062】
なお、ミラー34からの反射光の代わりに、図10(A)に示すようなスペクトル純化フィルタ18eからの反射光を用いてファーフィールドパターンのビームプロファイルを計測しても良い。
【0063】
第10の実施例によれば、発光部10を移動させることなく、EUVチャンバ4を含む発光部10と投影光学系20とから光路接続モジュール11qを取り外すだけでファーフィールドパターン計測器等を交換することができる。従って、交換後に発光部10のアライメントを再度行う必要性を低減することができ、発光部10と投影光学系20との接続を容易にすることができる。
【0064】
図13は、第11の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
第11の実施例は、上述の第1〜第10の実施例において、光路接続モジュール11を投影光学系20に接続したまま、EUVチャンバ4を含む発光部10を光路接続モジュール11から取り外すことを可能とするものである。
【0065】
光路接続モジュール11は、投影光学系20の仕様に合わせて設計及び製作されたものであるので、発光部10を交換する場合に必ずしも光路接続モジュール11の交換が必要とは限らない。また、発光部10内の光学素子に比べて光路接続モジュール11内の光学素子は頻繁なメンテナンスを必要としない場合がある。さらに、光路接続モジュール11内に光学素子を有しない場合もある。本実施例は、光路接続モジュール11を投影光学系20に接続したまま、発光部10を光路接続モジュール11から取り外すことにより、発光部10のみを交換又はメンテナンス可能としたものである。
【0066】
EUVチャンバ4の光路接続モジュール11との接続部、投影光学系20の光路接続モジュール11との接続部には、それぞれゲートバルブ17a、17bなどの密封バルブが設置されていてもよい。そして、光路接続モジュール11の両端にもそれぞれゲートバルブ17c、17dなどの密封バルブが設置されていてもよい。ゲートバルブ17a、17cが設置されている場合、メンテナンス時にEUVチャンバ4及び投影光学系20の内部が空気に汚染されることを抑制することができる。また、光路接続モジュール11に内蔵される光学部品等を保護することができる。しかし、EUVチャンバ4又は投影光学系20に空気の進入が許容される場合は、ゲートバルブ17a又は17cは開閉可能な密封バルブではなく、単なる封止蓋としてもよい。さらに光路接続モジュール11にのみ空気の進入が許容される場合には、メンテナンス時に、ゲートバルブ17aとゲートバルブ17b又は17dとを開閉するようにしてもよい。
【0067】
発光部10を取り外すには、例えば、位置決め機構12において、発光部10を保持したチャンバ台13を移動させれば良い。発光部10の交換又はメンテナンスが終了したら、発光部10をチャンバ台13に保持させた状態で、位置決め機構12においてチャンバ台13を位置決めする。これにより、発光部10から射出されるEUV光の光軸が投影光学系20の光軸と一致するように、発光部10が位置決めされる。
【0068】
図14は、第12の実施例に係るEUV光源装置を示す側面図である。
第12の実施例は、上述の第1〜第10の実施例において、光路接続モジュール11と発光部10とを接続させたまま、これらを投影光学系20から取り外すことを可能とするものである。
【0069】
EUVチャンバ4の光路接続モジュール11との接続部、投影光学系20の光路接続モジュール11との接続部には、それぞれゲートバルブ17a、17bなどの密封バルブが設置されていてもよい。そして、光路接続モジュール11の両端にもそれぞれゲートバルブ17c、17dなどの密封バルブが設置されていてもよい。ゲートバルブ17b、17dが設置されている場合、メンテナンス時にEUVチャンバ4及び投影光学系20の内部が空気に汚染されることを抑制することができる。また、光路接続モジュール11に内蔵される光学部品等を保護することができる。しかし、EUVチャンバ4又は投影光学系20に空気の進入が許容される場合は、ゲートバルブ17b又は17dは開閉可能な密封バルブではなく、単なる封止蓋としてもよい。さらに光路接続モジュール11にのみ空気の進入が許容される場合には、メンテナンス時に、ゲートバルブ17bとゲートバルブ17a又は17cとを開閉するようにしてもよい。
【0070】
本実施例のように、光路接続モジュール11と発光部10とを接続させたまま、これらを投影光学系20から取り外すことにより、光路接続モジュール11と発光部10とを同時にメンテナンスすることができる。
【0071】
以上の説明において、ドライバレーザ2によるレーザ光を照射されるターゲット物質には、ターゲット供給部3から供給された物質そのものを含む他、周知のプリパルスレーザを用いて、そのプリパルスレーザ光を照射されて気化またはプラズマ化した状態のターゲット物質も含む。
また、本発明の説明において投影光学系20も図示しているが、それはEUV光源装置1に含まれる発光部10及び光路接続モジュール11の説明のためであって、発明者はEUV光源装置1が露光装置の投影光学系20までも含むという意図を持っていない。
【0072】
次に、第2の実施形態について説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係るEUV光源装置における発光部の概要を示す模式図である。第2の実施形態における発光部10aは、電極間に放電を生じさせてターゲット物質をプラズマ化させ、EUV光を発光するDPP(放電生成プラズマ)方式を採用している。
DPP方式においては、EUV光源装置を小型化することができ、さらに、EUV光源装置を低消費電力化することができるという利点がある。
【0073】
発光部10aは、ターゲット供給部3aと、EUVチャンバ4aと、一対の放電電極9a及び9bと、EUV集光ミラー15aとを含んでいるとともに、光路接続モジュール11に接続されている。
【0074】
ターゲット供給部3aは、EUV光を発生するために用いられるキセノン(Xe)ガス、リチウム(Li)蒸気、スズ(Sn)蒸気等のターゲット物質を、EUVチャンバ4a内の一対の放電電極9a及び9b間に供給する装置である。
EUVチャンバ4aは、プラズマを生成し、EUV光の発光が行われる真空チャンバである。
【0075】
一対の放電電極9a及び9bは、EUVチャンバ4a内に設けられている。一対の放電電極9a及び9bは、高電圧パルス発生部9cに接続されている。或いは、一対の放電電極9a及び9bの内の一方が高電圧パルス発生部9cに接続され、他方が接地されていても良い。高電圧パルス発生部9cが高電圧パルスを発生させると、一対の放電電極9a及び9b間に放電が生じる。一対の放電電極9a及び9b間に供給されたターゲット物質は、この放電によって励起されてプラズマ化する。このプラズマからは、EUV光を含む様々な波長を有する光が放射される。
【0076】
EUV集光ミラー15aは、EUVチャンバ4a内に設けられている。EUV集光ミラー15aは、径の異なる複数の回転楕円体形状の反射面を含んでいる。
EUV集光ミラー15aは、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの金属をコーティングしたものである。これにより、EUV集光ミラー15aは、0°〜25°の斜入射角度のEUV光を、高い反射率で反射できるようになっている。
【0077】
このEUV集光ミラー15aは、各々の回転楕円体の第1の焦点位置がプラズマ生成サイト(PS)となるように配置されている。EUV集光ミラー15aによって反射されたEUV光は、各々の回転楕円体の第2の焦点位置、すなわち、光路接続モジュール11内の中間集光点(IF)に集光される。そして、EUV光は中間集光点から広がりながら光路接続モジュール11内を通過し、露光装置の投影光学系又はその他の処理装置に入射する。
【0078】
第2の実施形態においても、上述の第1〜第12の実施例と同様の変形が可能である。
第2の実施形態においても、EUVチャンバ4aと処理装置との間に光路接続モジュール11を設置し、異なる処理装置の仕様に対して光路接続モジュール11の変更で対応することにより、EUVチャンバ4aの仕様変更を少なくすることができる。従って、異なる処理装置の仕様に対応するEUVチャンバ4aをそれぞれ設計及び製作する必要性を低減し、コストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、EUV光を用いて処理を行う処理装置と組み合わせて用いられるEUV光源装置、例えば、露光装置において半導体ウエハの露光処理を行う投影光学系と組み合わせて用いられるEUV光源装置において利用することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…EUV光源装置、2…ドライバレーザ、3、3a…ターゲット供給部、4、4a…EUVチャンバ、5…ターゲット回収部、6…レーザ集光光学系、7…窓、8…ターゲットノズル、9a、9b…放電電極、9c…高電圧パルス発生部、10、10a…発光部、11、11a〜11q…光路接続モジュール、12…位置決め機構、13…チャンバ台、14a…真空排気ポンプ、14d、14e…排気経路、15、15a…EUV集光ミラー、16…検査装置、17a〜17d…ゲートバルブ、18a〜18e…スペクトル純化フィルタ、19…シール部材、20、20a〜20f…投影光学系、21…マスク照射部、22…ワークピース照射部、31…蛍光板、32…転写光学系、33…電荷結合素子、34…ミラー、35…ノブ、36…検出時固定部材、37…待機時固定部材、38…シャフト、41…EUV透過フィルタ、42…エネルギー計測器、51…蛍光板、MT…マスクテーブル、WT…ワークピーステーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極端紫外光を用いて処理を行う処理装置に極端紫外光を供給する極端紫外光源装置であって、
前記処理装置に供給するための極端紫外光の生成が行われるチャンバと、
前記チャンバ内において生成された極端紫外光を集光して前記処理装置に出射する集光ミラーと、
前記チャンバと前記処理装置との間において極端紫外光の経路を画定するとともに、前記極端紫外光の経路を外部から隔離する光路接続モジュールと、
を具備する極端紫外光源装置。
【請求項2】
レーザ光をターゲット物質に照射することによりプラズマを発生させ、該プラズマから放射される極端紫外光を、前記極端紫外光を用いて処理を行う処理装置に供給する極端紫外光源装置であって、
極端紫外光の生成が行われるチャンバと、
ターゲット物質を前記チャンバ内に供給するターゲット供給部と、
前記ターゲット供給部によって供給されたターゲット物質にレーザ光を照射することによってプラズマを発生させるドライバレーザと、
プラズマから放射される極端紫外光を集光して前記処理装置に出射する集光ミラーと、
前記チャンバと前記処理装置との間において極端紫外光の経路を画定するとともに、前記極端紫外光の経路を外部から隔離する光路接続モジュールと、
を具備する極端紫外光源装置。
【請求項3】
前記光路接続モジュールが、前記チャンバと前記処理装置との内の少なくとも一方から取り外し可能である、請求項1又は2記載の極端紫外光源装置。
【請求項4】
前記光路接続モジュールが、前記チャンバにおいて生成された極端紫外光を通過させる絞り部分を有している、請求項1乃至3のいずれか一項記載の極端紫外光源装置。
【請求項5】
前記光路接続モジュールが、前記絞り部分からみて前記チャンバ側又は前記処理装置側又はこれらの両方側の壁面に排気経路を有している、請求項4記載の極端紫外光源装置。
【請求項6】
前記光路接続モジュール内の極端紫外光の経路上に、スペクトル純化フィルタが配置され、
該スペクトル純化フィルタと前記絞り部分との間に、前記排気経路を有している、請求項5記載の極端紫外光源装置。
【請求項7】
前記光路接続モジュール内の極端紫外光の経路上に、極端紫外光を反射する光学素子が配置され、
前記光学素子による反射光の経路上に、該反射光を検出する光検出器を有している、請求項1乃至6のいずれか一項記載の極端紫外光源装置。
【請求項8】
前記光学素子が、極端紫外光の経路上から退避可能に構成された、請求項7記載の極端紫外光源装置。
【請求項9】
前記光路接続モジュール内の極端紫外光の経路上に、前記処理装置において使用される極端紫外光を透過するとともに、他の光の内の少なくとも一部を反射する光学素子が配置され、
前記光学素子による反射光の経路上に、該反射光を検出する光検出器を有している、請求項1乃至6のいずれか一項記載の極端紫外光源装置。
【請求項10】
前記光検出器が、前記集光ミラーによる集光点に配置された、請求項6乃至9のいずれか一項記載の極端紫外光源装置。
【請求項11】
前記光検出器が、前記集光ミラーによる集光点より後方に配置された、請求項6乃至9のいずれか一項記載の極端紫外光源装置。
【請求項12】
前記光検出器が、前記光学素子による反射光のエネルギーを計測する、請求項6乃至11のいずれか一項記載の極端紫外光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−135028(P2011−135028A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89478(P2010−89478)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】