説明

構造体の製造方法

【課題】 低コストで容易且つ大面積に柱状構造体を形成することができるナノ構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板11上に設けられた細孔22内へめっき法により金属を充填するナノ構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含み還元剤を含まない溶液I(27)および少なくとも還元剤を含みめっき用の金属イオンを含まない溶液II(26)を用意する工程、該溶液I(27)を基板の細孔内に充填する工程、溶液Iを充填した基板を溶液II(26)に浸漬し、溶液Iの金属イオンと溶液IIの還元剤による無電解めっきにより細孔内に金属28を析出する工程を有するナノ構造体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はめっきを用いた構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属や半導体はある特定の長さより小さくなると特異的な性質を示すことがあることから、近年ナノスケールの構造を有する材料が機能性材料として関心が高まっており、例えば量子細線や量子ドットなどが盛んに研究されている。こうしたナノ構造体の作製方法としては、フォトリソグラフィーをはじめ、電子線露光、X線露光などの微細パターン形成技術をはじめとする半導体加工技術によって直接的にナノ構造体を作製する方法が挙げられる。
【0003】
しかし現在の技術では、これらの半導体プロセスにより数10nm以下の極めて微細な構造を大面積に簡易に形成することは、歩留まりやスループットの悪さから現実的な手法ではないと考えられている。
【0004】
そのため、前記ナノ構造体の作製方法のほかに、自己規則的に形成される構造を用いる方法が注目されている。これらの手法は、従来の方法を上まわる微細で特殊な構造を作製できる可能性があり、多くの研究が行われている。このような自己規則的な手法でナノサイズの細孔を有するナノ構造体を制御よく大面積に形成できる手法としては陽極酸化があり、例えばアルミニウムを酸性浴中で陽極酸化することで作製する陽極酸化アルミナが知られている。また、ナノ構造体の細孔に金属を充填する方法として電気めっきおよび無電解めっきが提案されている(特許文献1)。
【0005】
このような微細な細孔中に、金属などを充填させることで、磁気記録媒体、磁気センサ、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサなどへの応用が期待されている。
【特許文献1】特開平02−254192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板に垂直に形成された細孔内にめっきを行うときに、無電解めっきはめっき液に浸漬後、析出開始までの時間にバラツキがあり、電気めっきは基板端に電界が集中することにより各細孔内部でのめっき量にバラツキが発生するため、細孔内に形成するめっき物の高さバラツキを制御することは困難である。
【0007】
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、下地層付き基板表面に形成した細孔中に、めっき液成分の少なくとも一部を含む溶液を充填した後に前記溶液と異なる溶液内でめっきを行うことで、基板間での細孔内めっき物高さバラツキおよび基板内での細孔位置によるめっき物高さバラツキを減少することができるナノ構造体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の第一の発明は、基板上に設けられた細孔内へめっき法により金属を充填する構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含み還元剤を含まない溶液Iおよび少なくとも還元剤を含みめっき用の金属イオンを含まない溶液IIを用意する工程、該溶液Iを該基板の該細孔内に充填する工程、該溶液Iを充填した該基板を該溶液IIに浸漬し、該溶液Iのめっき用の金属イオンと該溶液IIの還元剤との無電解めっきにより該細孔内に金属を析出する工程を有することを特徴とする構造体の製造方法である。
【0009】
本発明の第二の発明は、基板上に設けられた細孔内へめっき法により金属を充填する構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含み還元剤を含まない溶液Iおよび少なくとも還元剤を含みめっき用の金属イオンを含まない溶液IIを用意する工程、該溶液IIを該基板の該細孔内に充填する工程、該溶液IIを充填した該基板を該溶液Iに浸漬し、該溶液Iのめっき用の金属イオンと該溶液IIの還元剤との無電解めっきにより該細孔内に金属を析出する工程を有することを特徴とする構造体の製造方法である。
【0010】
本発明の第三の発明は、基板上に導電層を介して設けられた細孔内へめっき法により金属を充填する構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含む溶液IIIおよび該めっき用の金属イオンを含まない溶液IVを用意する工程、該溶液IIIを該基板の該細孔内に充填する工程、該溶液IIIを充填した該基板を該溶液IVに浸漬する工程、該溶液IV中に配置されている電極と、該細孔の底部に配置されている導電層の間に電流を流し該細孔内に金属を析出する工程を有することを特徴とする構造体の製造方法ある。
【0011】
前記細孔内にめっきを行う工程を複数回繰り返して、細孔内に金属を析出することが好ましい。
前記細孔内の全部に金属が充填される前にめっきを中断し、金属が充填されていない細孔部分を除去して、細孔の表面に金属を露出する工程を有することが好ましい。
【0012】
前記細孔が、基板上にアルミニウムを含有する柱状部材と、該柱状部材を取り囲みSiまたはGeを含有するマトリックス領域を含む混合薄膜を用意した後、該混合薄膜から前記柱状部材を除去して形成されていることが好ましい。
【0013】
前記金属がZn、Fe、Co、Ni、Sn、Cu、Ag、Rh、Pd、Pt、Auの少なくとも1種類以上を含むのが好ましい。
前記金属がFePtであるのが好ましい。
【0014】
前記金属が磁性材料であるのが好ましい。
前記ナノ構造体は機能デバイスとして使用できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、下地層付き基板表面に形成した細孔中に、めっき液成分の少なくとも一部を含む溶液を充填した後に前記溶液と異なる溶液内でめっきを行うことで、めっき物の高さあるいは充填量を制御した構造体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態について述べる。
本発明は、基板表面に形成された例えば直径500nm以下の細孔内へのめっき方法において、金属イオンを溶解した溶液また無電解めっきの還元剤を含む溶液を細孔内に充填した後にめっきを行うことで、細孔内に均一量のめっき物が析出するナノ構造体の製造方法である。
【0017】
なお、細孔の直径の例として、500nm以下と例示しているが、本発明はこのような範囲における細孔に適用できることは勿論、それ以上の細孔径を有する多孔質体にも適用できる。化から意味で、本発明はナノオーダーの構造体に限らず、ミクロンあるいはそれ以上の構造体にも適用できる。
【0018】
なお、細孔径が小さくなると一般に均一なめっきが難しくなるので、本発明の効果は、直径500nm以下の細孔、更には100nmから1nmの細孔径を有する多孔質体に好適に用いられる。
【0019】
基板表面に細孔を形成する方法としては、陽極酸化、ブロックポリマーを用いる手法などがあり、細孔底部で下地層が露出していればどのような方法を用いても良い。ここではAl(Si、Ge)混合薄膜により得られる細孔を用いて説明を行う。
【0020】
<Al(Si、Ge)混合薄膜について>
図1に前記Al(Si、Ge)混合薄膜14の概略図を示す。図1(a)は平面図、図1(b)はAA線断面図である。Al(Si、Ge)混合薄膜14とは、Si及びGeから成る材料中にAlを成分にした多数の柱状部材12が基板11に対して垂直方向に形成されている構造を有する薄膜である。
【0021】
前記Al(Si、Ge)混合薄膜14は、Alを主成分とする柱状部材12が、SiとGeを主成分として構成される領域、つまりマトリックス13により取り囲まれており、その全量に対するSiとGeの合計量の割合が20at%以上70at%以下の割合で含まれており、好ましくは25at%以上65at%以下、より好ましくは30at%以上60at%以下であり、且つシリコンとゲルマニウムの組成比をSixGe1−x(0≦x≦1)とすることを特徴とする。なお、Si+Geの割合が上記の範囲内であればマトリックス13内に柱状部材12が高密度に分散したAl(Si、Ge)混合薄膜14が形成される。
【0022】
上記のat%とは、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)で(Al,Si)混合薄膜中のSiとAlの量を定量分析したときの値である。wt%を単位として用いる場合には、例えば、20atomic%以上70atomic%以下とは20.65wt%以上70.84wt%以下となる(Alの原子量を26.982、Siの原子量を28.086として換算している)。
【0023】
なお、SiとAlとGeの全量に対するSiとGeの総量の割合とは、モル比で[(Si+Ge)/(Si+Ge+Al)]×100で表される値である。つまり、Si+Ge+Alを100atomic%としたときに、その中のSi+Geの割合である。
【0024】
なお、混合薄膜14は、実質的に柱状形状が実現していればよく、例えば柱状部材12に部材の成分としてSiが含まれていてもよいし、前記柱状部材12以外の領域つまりマトリックス13にAlが含まれていてもよい。また、前記柱状部材12やその周囲の領域に酸素、アルゴン、窒素、水素などが含まれていてもよい。
【0025】
また、AlをA材料、Si、Ge、SiGeをB材料として、A、B材料の両方の成分系相平衡図において、共晶点を有する材料(いわゆる共晶系の材料)であることを特徴とする。特に共晶点が300℃以上好ましくは400℃以上であるのがよい。なお、A材料とB材料との好ましい組み合わせとしては、A材料としてAlを用い、B材料としてSiを用いる形態、A材料としてAlを用い、B材料としてGeを用いる形態、あるいはA材料としてAlを用い、B材料としてSiyGe1−y(0<y<1)を用いるのが好ましい。また、前記柱状部材12を囲むマトリックス13は、非晶質、あるいは微(多)結晶であることが望ましい。但し、前記マトリックス13が非晶質である方が絶縁性という観点からは好ましい。また、前記柱状部材12の平面形状としては円形あるいは楕円形状である。
【0026】
柱状部材12の径(平面形状が円の場合は直径)は、主として前記Al(Si、Ge)混合薄膜14の組成(即ち、前記B材料の割合)に応じて制御可能であるが、その平均直径は20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下である。なお、楕円等の場合は、最も長い外径部の範囲内であればよい。平均直径の下限としては1nm以上、あるいは数nm以上であることが実用的な下限値である。
【0027】
また、複数の柱状部材12間の中心間距離2Rは、30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下である。
前記Al(Si、Ge)混合薄膜14は、膜状の構造体であることが好ましく、前記マトリックス13中に前記柱状部材12は基板11に対して垂直になるように形成されていることが好ましい。Al(Si、Ge)混合薄膜14の膜厚としては、特に限定されるものではないが、1nm〜100μmの範囲である。プロセス時間等を考慮して、現実的な膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
【0028】
以下、本発明におけるナノ構造体の製造方法について(AlSi)混合薄膜を使用した場合について詳細に説明する。
前記(AlSi)混合薄膜は、非平衡状態で成膜する方法を利用して作製することができる。本発明における成膜方法としては、スパッタリング法が好ましいが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)、イオンプレーティング法をはじめとする任意の非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。スパッタリング法で行う場合には、マグネトロンスパッタリング、RFスパッタリング、ECRスパッタリング、DCスパッタリング法を用いることができる。
【0029】
図5において、非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、(Al,Si)混合薄膜14を形成する。51は基体、54はAlのスパッタリングターゲット(Alのターゲット)である。スパッタリング法を用いる場合は、AlとSiの割合を簡単に変化させることができる。原料としてのSi及びAlは、図5に示すようにAlのターゲット54上にSiチップ53を配することで達成される。また、図5に示すように、Siチップ53は複数に分けて配置しているが、勿論これに限定されるものではなく、所望の成膜が可能であれば、1つであってもよい。但し、均一なAlを含む柱状部材12をSiを主成分とするマトリックス13領域内に均一に分散させるには、Alターゲット54上にSiチップ53を対称に配置しておくのがよい。また、所定量のAlとSiとの粉末を焼成して作製したAlSi焼成物を成膜のターゲット材として用いることもできる。また、AlターゲットとSiターゲットを別々に用意し、同時に両方のターゲットをスパッタリングする方法を用いてもよい。
【0030】
<本発明におけるナノ構造体の製造方法について>
図2に本発明におけるナノ構造体の製造方法の一実施態様を示す工程図を示す。無電解めっき法により細孔内に金属を析出することによりナノ構造体を製造する。細孔の製造方法としては、下地層まで貫通した細孔が基板表面に形成可能であればどのような方法でも良く、例えば陽極酸化膜を用いる方法、ブロックポリマーを用いる方法などがあるが、前記(AlSi)混合薄膜を用いた製造方法について説明する。
【0031】
前記細孔内で無電解めっき反応を行うために、金属イオンを含み還元剤を含まない溶液Iおよび還元剤を含み金属イオンを含まない溶液IIを作製する。また、下地層を形成した基板上に(AlSi)混合薄膜を作製し、(AlSi)混合薄膜からアルミニウム柱状部材を除去して細孔を形成する。該細孔内に溶液Iを充填した後に溶液IIに浸漬し無電解めっきにより細孔内に金属を析出する工程を特徴とするナノ構造体の製造方法について示す。
【0032】
(a)工程
図2(a)において、無電解めっきを行うには、基板11上に触媒活性を有する下地層21を形成する。下地層21としては、Co、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Rh、Irなどが好ましい。また、単体だけでなく二種類以上の合金膜でも良い。ただし、Pt、Pd、Agの触媒活性が高いため、Pt、Pd、Agおよびこれらを含む合金を下地層21として使用することが好ましい。触媒活性を有する下地層21の形成方法として、ゾルゲル法、蒸着法、スパッタリング法などが挙げられるが、本発明においてはスパッタリング法を採用し、膜厚20nm以下の触媒活性を有する連続した膜を形成する。
【0033】
次に、前記下地層21を形成した基板11上に、前記(Al,Si)混合薄膜14を形成す。成膜された(Al,Si)混合薄膜14は、Alを主成分とする柱状部材12と前記柱状部材12を囲むSiを主成分とするマトリックス13とを有し、AlとSiの全量に対してSiを20〜70at%の割合で含有する構造体からなる。
【0034】
(b)工程
図2(b)において、上記の(Al,Si)混合薄膜14中のAlを主成分とする柱状部材12の領域(Al領域)のみを選択的にエッチングを行う。その結果、(Al,Si)混合薄膜14には、細孔22を有するSiを主成分とするマトリックス13領域のみが残るが、エッチングを行う度に(Al,Si)混合薄膜24は酸化される場合があるので、(Si,Al)OX 多孔質体(0≦X≦2)24が形成される。
【0035】
なお、(Si,Al)OX 多孔質体(0≦X≦2)24の細孔22は、中心間距離2Rが30nm以下、平均直径2rが20nm以下であるが、好ましくは、細孔22の平均直径2rは1〜15nmであり、その中心間距離2Rは5〜20nmである。また、長さは0.5nm〜数μm、好ましくは1nm〜1000nmの範囲である。エッチングに用いる溶液は例えばAlを溶かしSiはほとんど溶解しない、りん酸、硫酸、塩酸、クロム酸溶液などの酸、水酸化ナトリウムやアンモニア水などのアルカリを用いることができるが、特に酸の種類やアルカリの種類に限定されるものではない。また、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いても良い。
【0036】
(c)工程
図2(c)において、(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24の細孔22中にのみ、無電解めっきで析出可能な金属イオンを含み還元剤を含まない溶液を充填する。本発明に用いる金属イオンとしては無電解めっきで析出可能であるものである必要があることから、Co、Ni、Cu、Pd、Ag、Sn、Pt、Au、V、Mn、Fe、Zn、Mo、W、Reが好ましい。金属塩の他に、無電解めっき液に必要な成分を含有させても良いが、還元剤は含有しないようにする。pH調整剤、pH緩衝材、錯化剤、促進剤、安定剤、界面活性剤を含有させても良い。
【0037】
次に、金属イオンを含む溶液を細孔に充填した前記(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24を、無電解めっきの還元剤を含み金属イオンを含まない溶液に浸漬する。還元剤としてはヒドラジン、次亜リン酸塩、ジメチルアミンボラン、テトラヒドロホウ酸塩などが好ましいが、これに限定されるものではなく無電解めっき時に還元反応を示すものであればどのようなものでも良い。無電解めっきの還元剤を含み金属イオンを含まない溶液にも、pH調整剤、pH緩衝材、錯化剤、促進剤、安定剤、界面活性剤を含んでも良い。
【0038】
前記2種類のめっき液のpHは、(Si,Al)OX 多孔質体(0≦X≦2)24が溶解しない範囲内であれば、酸性またはアルカリのどちらでも良い。金属イオンを含み還元剤を含まない溶液27中に、還元剤を含み金属イオンを含まない溶液26が拡散することで、下地層11表面で無電解めっき反応が進行し、めっき物が析出する。
【0039】
(d)工程
図2(d)において、細孔22内で還元剤が分解して、予め細孔内に充填された金属イオンの少なくとも一部がめっき物28として析出する。各細孔内に析出する析出物の量は、金属イオンの濃度、細孔径、細孔長さなどの影響を受ける。めっき物は、Co、Ni、Cu、Pd、Ag、Sn、Pt、Auまたは、これらを1種類以上含む合金である。共析物として、V、Mn、Fe、Zn、Mo、W、Re、P、B、N、C、Oなどを含んでも良い。
【0040】
(e)工程
細細孔内のめっき物が所望の析出量となるまで(c)工程および(d)工程を繰り返す。
【0041】
(f)工程
図2(e)において、必要に応じてマトリックス領域の一部を研磨などにより除去し、マトリックス領域表層にめっき物が露出するようにする。更に洗浄により異物の除去を行う。
【0042】
本発明により、基板11の表面に作製した細孔22中にめっき物を形成可能であり、基板間での細孔内めっき物高さバラツキおよび基板内での細孔位置によるめっき物高さバラツキを抑制可能であるとともに、めっき直前まで金属塩と還元剤を分離することができるため、無電解めっき浴の経時変化による析出物の変化を抑制することが可能となる。
【0043】
次に、図3は本発明におけるナノ構造体の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。
図2を用いて説明した前記ナノ構造体の製造方法と同様にして、(a)工程および(b)工程により(Si,Al)OX 多孔質体(0≦X≦2)24を作製する。
【0044】
(c)工程
(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24の細孔中にのみ、無電解めっき反応の還元剤を含み金属イオンを含まない前記溶液を充填する。還元剤としてはヒドラジン、次亜リン酸塩、ジメチルアミンボラン、テトラヒドロホウ酸塩などが好ましいが、これに限定されるものではなく無電解めっき時に還元反応を示すものであればどのようなものでも良い。pH調整剤、pH緩衝材、錯化剤、促進剤、安定剤、界面活性剤を含んでも良い。
【0045】
その後、還元剤を含み金属イオンを含まない前記溶液を細孔内に充填した(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24を、無電解めっきで析出可能な金属イオンを含み還元剤を含まない前記溶液に浸漬する。前記2種類のめっき液のpHは(Si,Al)OX 多孔質体(0≦X≦2)24が高速で溶けない範囲内であれば、酸性またはアルカリのどちらでも良い。還元剤を含み金属イオンを含まない溶液32中に、金属イオンを含み還元剤を含まない溶液31が拡散することで、下地層21の表面で無電解めっき反応が進行し、めっき物が析出する。
【0046】
(d)工程
細孔22内で還元剤が分解して、予め細孔内に充填された金属イオンの少なくとも一部がめっき物33として析出する。各細孔内に析出する析出物の量は、金属イオンの濃度、細孔径、細孔長さなどの影響を受ける。めっき物は、Co、Ni、Cu、Pd、Ag、Sn、Pt、Auまたは、これらを1種類以上含む合金である。共析物として、V、Mn、Fe、Zn、Mo、W、Re、P、B、N、C、Oなどを含んでも良い。
【0047】
(e)工程
細孔内のめっき物が所望の析出量となるまで(c)工程および(d)工程を繰り返す。
(f)工程
必要に応じてマトリックス領域の一部を研磨などにより除去し、マトリックス領域表層にめっき物が露出するようにする。更に洗浄により異物の除去を行う。
【0048】
次に、図4は本発明におけるナノ構造体の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。
電気めっき法により細孔内に金属を析出することによりナノ構造体を製造する。細孔内でのみ電気めっき反応を行うために、下地層を形成した基板上に(AlSi)混合薄膜を作製し、(AlSi)混合薄膜からアルミニウム柱状部材を除去して細孔を形成し、該細孔内にのみ金属イオンを含む溶液を充填した後、電気めっきにより細孔内に金属を析出する工程を特徴とするナノ構造体の製造方法について示す。
【0049】
図2を用いて説明した前記ナノ構造体の製造方法と同様にして、(a)工程(b)工程により(Si,Al)OX 多孔質体(0≦X≦2)24を作製する。
(c)工程
(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24の細孔中にのみ、電気めっきで析出する金属イオンを含む溶液を充填する。この溶液にはpH調整剤、pH緩衝材、錯化剤、界面活性剤を含んでいてもよい。金属イオンを含む溶液44を細孔に充填した前記(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24を、支持電解質を含み金属イオンを含まない溶液43に浸漬する。電気めっきが可能であれが支持塩はどのようなものでも良いが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化カリウムなどが好ましい。その後、前記金属イオンを含まない溶液43中に対極42を設置し、細孔底部の下地層21と対極42間に電流を流す。
【0050】
これにより図4(d)に示すように、予め細孔内に充填された金属イオンの少なくとも一部がめっき物45として析出する。各細孔内に析出する析出物の量は、金属イオンの濃度、細孔径、細孔長さなどの影響を受ける。めっき物は電気めっき可能なものであればどのようなものでもいいが、Co、Ni、Cu、Pd、Ag、Sn、Pt、Au、Mn、Fe、Znまたは、これらを1種類以上含む合金であることが好ましい。微量析出共析物として、V、Mo、W、Re、P、B、N、C、Oなどを含んでも良い。
【0051】
なお、基板と多孔質層との間には、必要に応じて、別な層(例えば、多孔質層の下地となる下地層)を介在させておいてもよい。当該層としては、半導体層、金属層、酸化物層などから適宜選択され得る。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
本実施例は、一例として、図2に示す様に、陽極酸化アルミナ中に形成される細孔22内に金属イオンを含む溶液を充填した後に、無電解めっきの還元剤が溶解している溶液26に浸漬することによりナノ構造体28を作製した例について説明する。
【0053】
まず、下地層21として、スパッタリング法によりSi基板11上に密着力向上のため膜厚5nmのTi薄膜を成膜した後、無電解めっきの触媒層としてスパッタリング法で膜厚20nmのPt薄膜を形成する。さらに、下地Pt膜21付きのSi基板11上にスパッタリング法により膜厚500nmのAl:Siの組成比が55:45at%である(Al,Si)混合薄膜14を形成する。FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で前記(Al,Si)混合薄膜14の表面を観察した結果、直径が約5nm、中心間距離が約10nmであるAlを主成分とする柱状部材12がSiを主成分とするマトリックス13表面中に多数形成されていることがわかる。また、断面の観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は下地層Pt21付きのSi基板11に対して垂直方向に形成されている。
【0054】
前記基体を25℃に設定した3wt%アンモニア水中に60分浸漬しAlのエッチングを行った。このFE−SEMで断面観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は全て溶解されて直径が約5nm、中心間距離が約10nmである細孔22が形成されている。
【0055】
次にCuSO4 ・5H2 O 30g/L、EDTA65g/L、PEG200mg/Lを純水に溶解してめっき液1Lを建浴し、pH12とした後に浴温を70℃にする。このめっき液に、細孔22を表面に形成した前記基板を30秒浸し、洗浄した後に、70℃に加温したホルムアルデヒド(40%)7g/Lの溶液に浸漬することで細孔中にCuが析出する。めっき析出後に基板を洗浄して、再度細孔内にCuSO4 ・5H2 O 30g/L、EDTA65g/L、PEG200mg/Lの浴組成でpH12のめっき液を充填した後にホルムアルデヒド(40%)7g/Lに浸漬することを10回繰り返す。
【0056】
この試料断面をFE−SEMで観察しEPMAでの組成分析することで、前記細孔22内にCuを主成分とするめっき物が析出していることが観察され、この時のめっき物の高さは、別々にめっきした3枚の基板の任意の細孔において5〜6nmとなる。
【0057】
実施例2
本実施例は、図2に示す様に、(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24の細孔22内に金属イオンを含む溶液22を充填した後に、無電解めっきの還元剤が溶解している溶液26に浸漬することによりナノ構造体28を作製した第2の実施例について説明する。
【0058】
まず、下地層21として、スパッタリング法によりSi基板11上に密着力向上のために膜厚5nmのTi薄膜を成膜した後、無電解めっきの触媒層としてスパッタリング法で膜厚20nmのPd薄膜を形成する。さらに、下地Pd膜21付きのSi基板11上にスパッタリング法により膜厚500nmのAl:Siat%の組成比が55:45であることを有する(Al,Si)混合薄膜14を形成する。FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で前記(Al,Si)混合薄膜14の表面を観察した結果、直径が約5nm、中心間距離が約10nmであるAlを主成分とする柱状部材12がSiを主成分とするマトリックス13表面中に多数形成されていることがわかる。また、断面の観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は下地層Pd21付きのSi基板11に対して垂直方向に形成されている。
【0059】
前記基体を25℃に設定した3wt%アンモニア水中に60分浸漬しAlのエッチングを行った。このFE−SEMで断面観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は全て溶解されて直径が約5nm、中心間距離が約10nmである細孔22が形成されている。
【0060】
次に、Fe(NH43 (C243 35g/L、K2 PtCl4 30g/Lを純水に溶解してめっき液を300mL建浴し、浴温を50℃にする。このめっき液に、細孔22を表面に形成した前記基板を30秒浸する。その後、洗浄を行い、50℃に加温したテトラヒドロホウ酸ナトリウム50g/Lの水溶液に浸漬することで細孔中にFePtが析出する。
【0061】
めっき析出後に基板を洗浄して、再度細孔内にFe(NH43 (C243 35g/L、K2 PtCl4 30g/L及び純水から成るめっき液を充填し、その後にテトラヒドロホウ酸ナトリウム50g/Lを溶解した水溶液に浸漬することを10回繰り返す。この試料断面をFE−SEMで観察したところ、前記細孔22内にFePtを主成分とするめっき物が析出していることが観察され、ICPでの組成分析によりめっき物のFe50at%、Pt50at%で、FE−SEMで観察されためっき物の高さは、別々にめっきした3枚の基板の任意の細孔において8〜9nmとなる。
【0062】
実施例3
本実施例は、一例として、図3に示す様に、(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24の細孔22内に無電解めっきの還元剤が溶解している溶液32を充填した後に、金属イオンを含む溶液31に浸漬することによりナノ構造体33を作製した例について説明する。
【0063】
まず、下地層21として、スパッタリング法によりSi基板11上に密着力向上のために膜厚5nmのTi薄膜を成膜した後、無電解めっきの触媒層としてスパッタリング法で膜厚20nmのPd薄膜を形成する。さらに、下地Pd膜21付きのSi基板11上にスパッタリング法により膜厚1000nmのAl:Siの組成比が55:45at%であることを有する(Al,Si)混合薄膜14を形成する。FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で前記(Al,Si)混合薄膜14の表面を観察した結果、直径が約5nm、中心間距離が約10nmであるAlを主成分とする柱状部材12がSiを主成分とするマトリックス13表面中に多数形成されていることがわかる。また、断面の観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は下地層Pd21付きのSi基板11に対して垂直方向に形成されている。今後これを基体とする。
【0064】
前記基体を25℃に設定した3wt%アンモニア水中に120分浸漬しAlのエッチングを行った。このFE−SEMで断面観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は全て溶解されて直径が約5nm、中心間距離が約10nmである細孔22が形成されている。
【0065】
次に、次亜リン酸ナトリウム15g/Lの溶液を純水に溶解して1L建浴し、pH8.5とした後に浴温を80℃にする。このめっき液に細孔22を表面に形成した前記基板を30秒浸した後に基体表面を洗浄する。
【0066】
次に、CoCl2 ・7H2 O 25g/L、クエン酸ナトリウム90g/L、塩化アンモニウム45g/L、若干量の界面活性剤を純水に溶解してめっき液1L建浴し、pH8.5とした後に浴温を80℃にする。このめっき液に、細孔内に還元剤を充填した前記基板を浸漬することで細孔中にCoが析出する。めっき析出後に基板を洗浄して、再度細孔内に次亜リン酸ナトリウム15g/L及び純水から成るめっき液を充填した後にCoCl2 ・7H2 O 25g/L、クエン酸ナトリウム90g/L、塩化アンモニウム45g/L、若干量の界面活性剤及び純水からなるめっき液に浸漬することを10回繰り返す。
【0067】
この試料断面をFE−SEMで観察したところ、前記細孔22内にめっき物が析出していることが観察され、めっき物の組成をICPで分析するとCo:98at%、P:2at%となり、FE−SEMで観察されためっき物の高さは、別々にめっきした3枚の基板の任意の細孔において16〜17nmとなる。
【0068】
実施例4
本実施例は、一例として、図4に示す様に、(Si,Al)OX 多孔質体(0<X≦2)24の細孔22内に金属イオンを含む溶液44を充填した後に、金属イオンを含まない溶液43に浸漬し、電気めっきを行うことでナノ構造体45を作製した例について説明する。
【0069】
まず、下地層21として、スパッタリング法によりSi基板11上に密着力向上のために膜厚5nmのTi薄膜を成膜した後、電気めっきの通電層としてスパッタリング法で膜厚20nmのCu薄膜を形成する。さらに、下地Cu膜21付きのSi基板11上にスパッタリング法により膜厚500nmのAl:Siの組成比が55:45at%である(Al,Si)混合薄膜14を形成する。FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で前記(Al,Si)混合薄膜14の表面を観察した結果、直径が約5nm、中心間距離が約10nmであるAlを主成分とする柱状部材12がSiを主成分とするマトリックス13表面中に多数形成されていることがわかる。また、断面の観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は下地層Pd21付きのSi基板11に対して垂直方向に形成されている。今後これを基体とする。
【0070】
前記基体を25℃に設定した3wt%アンモニア水中に60分浸漬しAl上のエッチングを行った。このFE−SEMで断面観察した結果、Alを主成分とする柱状部材12は全て溶解されて直径が約5nm、中心間距離が約10nmである細孔22が形成されている。
【0071】
次に、FeSO4 ・7H2 O 35g/L、FeCl2 ・4H2 O 35g/L、塩化アンモニウム20g/Lを純水に溶解してめっき液1L建浴し、pH8.5とした後に浴温を80℃にする。このめっき液に、細孔22を表面に形成した前記基板を30秒浸することで細孔22内に充填した後に、基体表面を洗浄する。この後に、細孔内に金属イオンを充填した前記基板をKCl 35g/L水溶液中に浸漬する。
【0072】
前記KCl溶液中に対極42としてFe板を浸漬後に、対極42と下地層21間で、1.2V vs Ag/AgClにて定電位にて電気めっきを行うことで細孔中にFeが析出する。めっき析出後に基板を洗浄して、再度細孔22内にFeSO4 ・7H2 O 35g/L、FeCl2 ・4H2 O 35g/L、塩化アンモニウム20g/L及び純水から成るめっき液を充填した後に、電気めっきを行うことを10回繰り返す。この試料断面をFE−SEMで観察しEPMAでの組成分析することで、前記細孔22内にFeを主成分とするめっき物が析出していることが観察され、FE−SEMで観察されためっき物の高さは、別々にめっきした3枚の基板の任意の細孔において14〜15nmとなる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、下地層付き基板表面に形成した細孔中に、めっき液成分の少なくとも一部を含む溶液を充填した後に前記溶液と異なる溶液内でめっきを行うことで、低コストで容易且つ大面積に柱状構造体を形成することができるので、磁気記録デバイスおよび機能性デバイスの製造方法として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】SiまたはGeを主材料とした混合薄膜の概略図である。
【図2】本発明におけるナノ構造体の製造方法の一実施態様を示す工程図である。
【図3】本発明におけるナノ構造体の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。
【図4】本発明におけるナノ構造体の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。
【図5】本発明におけるナノ構造体の成膜方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0075】
11 基板
12 柱状部材
13 マトリックス
14 Al(Si、Ge)混合薄膜
21 下地層
22 細孔
23 マトリックス
24 多孔質体
25 めっき槽
26 還元剤を含み金属イオンを含まない溶液
27 金属イオンを含み還元剤を含まない溶液
28 めっき物
31 金属イオンを含み還元剤を含まない溶液
32 還元剤を含み金属イオンを含まない溶液
33 めっき物
41 めっき電源
42 対極
43 金属イオンを含まない溶液
44 金属イオン含む溶液
45 めっき物
51 基体
52 Arプラズマ
53 SiまたはGeチップ
54 Alターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた細孔内へめっき法により金属を充填する構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含み還元剤を含まない溶液Iおよび少なくとも還元剤を含みめっき用の金属イオンを含まない溶液IIを用意する工程、該溶液Iを該基板の該細孔内に充填する工程、該溶液Iを充填した該基板を該溶液IIに浸漬し、該溶液Iのめっき用の金属イオンと該溶液IIの還元剤との無電解めっきにより該細孔内に金属を析出する工程を有することを特徴とする構造体の製造方法。
【請求項2】
基板上に設けられた細孔内へめっき法により金属を充填する構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含み還元剤を含まない溶液Iおよび少なくとも還元剤を含みめっき用の金属イオンを含まない溶液IIを用意する工程、該溶液IIを該基板の該細孔内に充填する工程、該溶液IIを充填した該基板を該溶液Iに浸漬し、該溶液Iのめっき用の金属イオンと該溶液IIの還元剤との無電解めっきにより該細孔内に金属を析出する工程を有することを特徴とする構造体の製造方法。
【請求項3】
基板上に導電層を介して設けられた細孔内へめっき法により金属を充填する構造体の製造方法において、少なくともめっき用の金属イオンを含む溶液IIIおよび該めっき用の金属イオンを含まない溶液IVを用意する工程、該溶液IIIを該基板の該細孔内に充填する工程、該溶液IIIを充填した該基板を該溶液IVに浸漬する工程、該溶液IV中に配置されている電極と、該細孔の底部に配置されている導電層の間に電流を流し該細孔内に金属を析出する工程を有することを特徴とする構造体の製造方法。
【請求項4】
前記細孔内にめっきを行う工程を複数回繰り返して、細孔内に金属を析出する請求項1乃至3のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
【請求項5】
前記細孔内の全部に金属が充填される前にめっきを中断し、金属が充填されていない細孔部分を除去して、細孔の表面に金属を露出する工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
【請求項6】
前記細孔が、基板上にアルミニウムを含有する柱状部材と、該柱状部材を取り囲みSiまたはGeを含有するマトリックス領域を含む混合薄膜を用意した後、該混合薄膜から前記柱状部材を除去して形成されている請求項1乃至5のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
【請求項7】
前記金属がZn、Fe、Co、Ni、Sn、Cu、Ag、Rh、Pd、Pt、Auの少なくとも1種類以上を含む請求項1乃至6のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
【請求項8】
前記金属がFePtである請求項1乃至7のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
【請求項9】
前記金属が磁性材料である請求項1乃至8のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−265717(P2006−265717A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90047(P2005−90047)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】