説明

構造的に変性された二酸化チタン

【課題】サンスクリーン剤においてより良好な透明度及び又より良好な皮膚感触を示す、熱分解により製造された二酸化チタンを製造する。
【解決手段】熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン又は熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合酸化物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン又は熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合酸化物、その製造法及びサンスクリーン用配合物におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サンスクリーン用配合物において熱分解により製造された二酸化チタン及び熱分解により製造された二酸化チタン/酸化鉄混合酸化物を使用することは公知である(EP0609533)。
【0003】
公知の熱分解により製造された二酸化チタンは、該二酸化チタンを用いて製造されたサンスクリーン用配合物が、皮膚の上に施与された際に十分な透明性を示さないという欠点を有する。
【0004】
更に、製造過程において手の込んだ分散が必要である。
【0005】
例えば化粧用油又は水中での分散の過程における強力な増粘効果は、分散液、又はより詳細には、二酸化チタンの高い含分を有するサンスクリーン剤の製造を困難にする。公知の二酸化チタンを用いて製造されるサンスクリーン剤は、施与の際に鈍い皮膚感触を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP0609533
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、サンスクリーン剤においてより良好な透明度及びより良好な皮膚感触を有する、熱分解により製造された二酸化チタンを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン、及び熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合酸化物を提供する。
【0009】
本発明は更に、本発明による熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン、及び本発明による熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合酸化物の製造法を提供し、その際、前記方法は、熱分解により製造された二酸化チタン又は熱分解により製造された二酸化チタン混合酸化物をボールミルを用いて処理し、かつ場合により引き続き粉砕することにより特徴付けられる。
【0010】
第1表に挙げられた熱分解により製造された二酸化チタンは、例えば出発物質又は出発材料として使用されてよい。
【0011】
【表1】

【0012】
特に、刊行物EP0609533A1から公知である酸化鉄を含有する二酸化チタン粉末は出発物質として使用されてよい。
【0013】
酸化鉄を含有する二酸化チタン粉末は、混合酸化物の成分として全量に対して0.5質量%〜50質量%の酸化鉄を含有し、かつ10m/g〜150m/gのBET表面積を有する、熱分解により製造された酸化鉄/二酸化チタン混合酸化物からなってよい。
【0014】
前記粉末は、無水塩化鉄(III)を気化させ、不活性ガス、例えば窒素と一緒に公知のバーナーの混合チャンバに移し、そこで、酸化鉄/二酸化チタン混合酸化物の組成に相応する比で、水素、空気及びガス状四塩化チタンと混合し、4成分混合物を反応チャンバ中で燃焼させ、次いで固体の酸化鉄/二酸化チタン混合酸化物をガス状反応生成物から分離し、場合により湿り空気中で付着する塩化水素を除去することにより製造されることができる。
【0015】
二酸化チタンP25の熱分解による製造はUllmann's Enzyklopaedie der technischen Chemie, 第21巻, 第4版(1982) 第464頁から公知である。
【0016】
二酸化チタンP25は、式
TiCl+2H+O→TiO+4HCl
に従って四塩化チタンのフレーム加水分解により製造される。
【0017】
2%酸化鉄でドープされた二酸化チタンである二酸化チタンPF2は、式
TiCl+2H+O→TiO+4HCl
及び
2FeCl+3H+1.5O→Fe+6HCl
に従って前記方法により同様に製造される。
【0018】
二酸化チタンPF2もP25も双方の生成物とも、結晶学的にアナタース約80%及びルチル20%から成る。これらは約20nmの平均一次粒径を示す。
【0019】
二酸化チタンPF2及びP25の物理化学的特性を第1表にまとめる。
【0020】
二酸化チタンP25Sは第1表に挙げられた物理化学的特性を示す。
【0021】
更に、DE10357508.1による熱分解により製造された二酸化チタンは、一次粒子が凝集して存在し、かつ以下により特徴付けられる出発物質として使用されてよい:
− 20m/g〜200m/gのBET表面積を有する、及び
− 一次粒子分布の半値幅(ナノメートルで)は、以下の間の値を示す:
− HW[nm]=axBET、ここで、a=670×10/g及び−1.3≦f≦−1.0、及び
− 45μmを上回る直径を有する粒子の割合は、0.0001質量%〜0.05質量%の範囲内である。
【0022】
前記の二酸化チタンは、
− ハロゲン化チタン、有利に四塩化チタンを200℃未満の温度で気化させ、1g/m〜25g/mキャリアガスの範囲内の水蒸気の割合でキャリアガスを用いて蒸気を混合チャンバに移し、
− 水素、一次空気(これは場合により酸素が富化されており、かつ/又は予熱されていてよい)及び水蒸気を別個に混合チャンバに移し、
− その際、水蒸気の割合が、1g/m〜25g/m一次空気の範囲内であり、
− ラムダ値が1〜9の範囲内であり、かつガンマ値が1〜9の範囲内であり、
その後、
− ハロゲン化チタンの蒸気、水素、空気及び水蒸気から成る混合物にバーナー中で点火し、周囲空気から封鎖された反応チャンバ内へ火炎を燃焼させ、その際、
− 反応チャンバ内は1mbar〜200mbarの真空であり、かつ混合チャンバから排出されて反応空間へと向かう反応混合物の流出速度は10m/s〜80m/sの範囲内であり、
− 二次空気を更に反応チャンバ内に導入し、その際、
− 二次空気に対する一次空気の比は10〜0.5であってよく、
− その後、固体をガス状物質から分離し、かつ
− 次いで、固体を水蒸気で処理する
ことによって製造され得る。
【0023】
構造変性は例えばボールミルを用いて、又はボールミル操作を用いて連続的に実施されてよい。
【0024】
後粉砕は、例えばエアジェットミル、歯付きディスクミル又はピン型ミルを用いて行われてよい。
【0025】
本発明は更に、サンスクリーン剤又は遮光用配合物又は遮光用調製剤を製造する目的のための、本発明による熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタンの使用を提供する。
【0026】
本発明は更に、熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン又は熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合酸化物を含有することを特徴とするサンスクリーン用配合物を提供する。
【0027】
本発明によるサンスクリーン用配合物は有利に1つ以上の油相に加えて更に1つ以上の水相を有してよく、かつ例えばW/O、O/W、W/O/W又はO/W/Oエマルションの形で存在してよい。そのような配合物は有利にマイクロエマルション、スティック、フォーム(いわゆるムース)、ソリッドエマルション(例えば固体により安定化されたエマルション、例えばピカリング(Pickering)エマルション)、噴霧可能なエマルション又は水性分散液であってもよい。更に、調製剤は有利に油不含及び/又は水性/アルコール性溶液であってもよい。
【0028】
(肉眼で見ることのできる)2又は多相系も本発明によれば有利である。本発明の意味における「2相又は多相」とは、2以上の相が上下に層状に分かれて並んでいることを意味する。肉眼で見ることのできる相の少なくとも1つが(W/O、O/W、マイクロ−)エマルションを構成することは本発明の意味において特に有利である。エマルション自体は、相互に均質化された2以上の相から形成されることは当然のことながら当業者に公知であるが、このように(肉眼で)見た場合、エマルションは1つの相であると認めることができる。「エマルション相」は長期間安定であるため、エマルション内で、凝離又は相の分別は比較的長期(数ヶ月、数年)であっても生じない。
【0029】
肉眼で見ることのできる相又は層は、有利に(例えば振盪によって)短期間で乳化され、均質なエマルションが形成されることができるが、しかしながらこれは長期に亘って安定というわけではなく、数分、数時間又は数日の期間に亘って再度凝離し、上下に層状に並んで2以上の相が形成される。
【0030】
肉眼で見ることのできる相の少なくとも一方がマイクロエマルションを構成し、かつ肉眼で見ることのできる相の少なくとももう一方が油相を構成することは、本発明の意味において特に有利である。
【0031】
噴霧可能なO/Wエマルション、特にO/Wマイクロエマルションは本発明の意味において特に有利である。
【0032】
通常は「単一」、即ち多重ではないエマルションの液滴直径は、約1μm〜約50μmの範囲内である。他の着色添加剤なしでは、そのような「マクロエマルション」は乳白色であり、かつ不透明である。液滴直径が約0.5μm〜約1μmの範囲内であるより微細な「マクロエマルション」もまた、着色添加剤なしでは青白色でありかつ不透明である。そのような「マクロエマルション」は通常高い粘度を有する。
【0033】
それに対して本発明の意味におけるマイクロエマルションの液滴直径は約50nm〜約500nmの範囲内である。そのような種類のマイクロエマルションは青白色から半透明であり、かつ大抵は低粘度である。O/W型の多くのマイクロエマルションの粘度は水の粘度と比較可能である。
【0034】
マイクロエマルションの利点は、活性成分が、「マクロエマルション」の分散相中よりもかなり微細に分散された形で分散相内に存在できることである。他の利点は、マイクロエマルションの粘度が低いためにマイクロエマルションが噴霧可能であることである。マイクロエマルションが化粧品として使用される場合、相応する製品は化粧品の高度の洗練性によって特徴付けられる。
【0035】
特に、いわゆる転相温度技術を用いて得ることができ、かつ以下の特性を有する乳化剤の群から選択された少なくとも1種の乳化剤(乳化剤A)を含有するO/Wマイクロエマルションは、本発明によれば有利である:
− 該乳化剤の親油性は、温度を上昇させることによって該乳化剤の親油性が増加し、かつ温度を低下させることによって該乳化剤の親油性が減少するというように温度に依存している。
【0036】
有利な乳化剤Aは、例えば、ポリエトキシル化脂肪酸(PEG−100ステアラート、PEG−20ステアラート、PEG−150ラウレス(laurath)、PEG−8ジステアラート等)及び/又はポリエトキシル化脂肪アルコール(セテアレス(cetearath)−12、セテアレス−20、イソセテス(isoceteth)−20、ベヘネス(beheneth)−20、ラウレス−9等)及び/又はアルキルポリグリコシド(セテアリルグリコシド、ステアリルグリコシド、パルミチルグリコシド等)である。
【0037】
転相が実質的に温度の変化により生じる限り、O/Wエマルション、特にO/Wマイクロエマルションを得ることができ、その際、比較的高い乳化剤濃度により比較的小さい液滴が生じ、比較的低い乳化剤濃度により比較的大きい液滴が生じるというように、油滴のサイズは実質的に使用される一種以上の乳化剤の濃度により決定される。液滴のサイズは原則として20nm〜500nmである。
【0038】
本発明の意味において、例えば本発明による調製剤の耐水性を高めるために、乳化剤Aの定義に含まれない他のW/O及び/又はO/W乳化剤を使用することは、場合により有利である。ここで例えば、アルキルメチコンコポリオール及び/又はアルキルジメチコンコポリオール(特にセチルジメチコンコポリオール、ラウリルメチコンコポリオール)、W/O乳化剤、例えばソルビタンステアラート、グリセリルステアラート、グリセリンステアラート、ソルビタンオレアート、レシチン、グリセリルイソステアラート、ポリグリセリル−3−オレアート、ポリグリセリル−3−ジイソステアラート、PEG−7硬化ヒマシ油、ポリグリセリル−4−ジステアラート、アクリラート/C10−30−アルキル−アクリラートクロスポリマー、ソルビタンイソステアラート、ポロキサマー101、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアラート、ポリグリセリル−3−ジイソステアラート、ポリグリセリル−4−ジポリヒドロキシステアラート、PEG−30ジポリヒドロキシステアラート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアラート、グリコールジステアラート、ポリグリセリル−3−ジポリヒドロキシステアラート及び/又は硫酸又はリン酸の脂肪酸エステル(セチルホスファート、トリラウレス−4ホスファート、トリオレス−8ホスファート、ステアリルホスファート、セテアリルスルファート等)を使用することができる。
【0039】
本発明の意味における他の有利な噴霧可能なO/Wエマルションは、少なくとも1つの油相及び少なくとも1つの水相を含有する高流動性の化粧用又は皮膚用水分散液であり、その際、調製剤は少なくとも1種のゲル化剤により安定化されており、必ずしも乳化剤を含有する必要はないが、しかしながら1種以上の乳化剤を含有してもよい。
【0040】
そのような種類の調製剤のための有利なゲル化剤は、例えばC10−30−アルキルアクリラートと、アクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルの1種以上のモノマーとから形成されるコポリマーである。そのような化合物のINCI名称は「アクリラート/C10−30アルキルアクリラートクロスポリマー」である。Goodrich (Noveon)社製のペムレン(Pemulen)(登録商標)TRl、TR2及びTRZ型は特に有利である。
【0041】
カルボポール(Carbopol)もそのような種類の調製剤のために有利なゲル化剤である。カルボポールはアクリル酸のポリマー、また特にアクリラート/アルキル−アクリラートコポリマーである。有利なカルボポールは、例えば型907、910、934、940、941、951、954、980、981、1342、1382、2984及び5984、同様にETD型2020、2050及びcarbopol Ultrez 10である。そのような種類の調製剤のための他の有利なゲル化剤は、キサンタンガム、セルロース誘導体及びイナゴマメ穀粉である。
【0042】
可能な(場合による)乳化剤として、エトキシル化脂肪アルコール又はエトキシル化脂肪酸(特にPEG−100ステアラート、セテアレス−20)及び/又は他の非イオン性界面活性物質を使用することができる。
【0043】
更に、噴霧可能であるほど極めて高流動性のエマルションは、有利にW/O又はシリコーン油中水(W/S)エマルションであってもよい。特に有利なものは、以下のものを含むW/O又はW/Sエマルションである:
− ≦8のHLB価を有する少なくとも1種のシリコーン乳化剤(W/S)及び/又は<7のHLB価を有する少なくとも1種のW/O乳化剤、及び
− >10のHLB価を有する少なくとも1種のO/W乳化剤。
【0044】
そのような種類の調製剤は更に少なくとも20質量%の脂質を含有し、その際、脂質相は有利にシリコーン油も含んでいるか、又は更には完全にそのような油から成っていてよい。1種以上のシリコーン乳化剤は、有利にアルキルメチコンコポリオール及び/又はアルキルジメチコンコポリオール(例えばGoldschmidt AGによりABIL(登録商標)B 8842、ABIL(登録商標)B 8843、ABIL(登録商標)B 8847、ABIL(登録商標)B 8851、ABIL(登録商標)B 8852、ABIL(登録商標)B 8863、ABIL(登録商標)B 8873及びABIL(登録商標)B 88183の商品名で市販されているジメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオール[Goldschmidt AG/ABIL(登録商標)EM 90]、シクロメチコンジメチコンコポリオール[Goldschmidt AG/ABIL(登録商標)EM 97]、ラウリルメチコンコポリオール[Dow Corning Ltd. I Dow Corning 5200 Formulation Aid]、オクチルジメチコンエトキシグルコシド[Wacker])の群から選択されてよい。
【0045】
<7のHLB価を有する1種以上のW/O乳化剤は、有利に以下の群から選択されてよい:ソルビタンステアラート、ソルビタンオレアート、レシチン、グリセリルラノラート、ラノリン、硬化ヒマシ油、グリセリルイソステアラート、ポリグリセリル−3−オレアート、ペンタエリトリトールイソステアラート、メチルグルコースジオレアート、メチルグルコースジオレアート(ヒドロキシステアラート及び蜜ロウとの混合物)、PEG−7硬化ヒマシ油、ポリグリセリル−4−イソステアラート、ヘキシルラウラート、アクリラート/C10−30−アルキル−アクリラートクロスポリマー、ソルビタンイソステアラート、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアラート、ポリグリセリル−3−ジイソステアラート、PEG−30ジポリヒドロキシステアラート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアラート、ポリグリセリル−3−ジポリヒドロキシステアラート、ポリグリセリル−4−ジポリヒドロキシステアラート、ポリグリセリル−3−ジオレアート。
【0046】
>10のHLB価を有する1種以上のO/W乳化剤は、有利に以下の群から選択されてよい:グリセリルステアラート、以下のものとの混合物:セテアレス−20、セテアレス−25、セテアレス−6、以下のものとの混合物:ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコール、以下のものとの混合物:PEG−40ヒマシ油及びセチルステアリル硫酸ナトリウム、トリセテアレス−4ホスファート、グリセリルステアラート、セチルステアリル硫酸ナトリウム、レシチントリラウレス−4ホスファート、ラウレス−4ホスファート、ステアリン酸、プロピレングリコールステアラートSE、PEG−9ステアラート、PEG−20ステアラート、PEG−30ステアラート、PEG−40ステアラート、PEG−100ステアラート、セテス−2、セテス−20、ポリソルバート−20、ポリソルバート−60、ポリソルバート−65、ポリソルバート−100、グリセリルステアラート、以下のものとの混合物:PEG−100ステアラート、セテアレス−3、イソステアリルグリセリルエーテル、セチルステアリルアルコール、以下のものとの混合物:セチルステアリル硫酸ナトリウム、PEG−40ステアラート、グリコールジステアラート、ポリグリセリル−2−PEG−4−ステアラート、セテアレス−12、セテアレス−20、セテアレス−30、メチルグルコースセスキステアラート、ステアレス−10、PEG−20ステアラート、ステアレス−21、ステアレス−20、イソステアレス−20、PEG−45/ドデシル−グリコールコポリマー、グリセリルステアラートSE、セテス−20、PEG−20メチルグルコースセスキステアラート、グリセリルステアラートシトラート、セチルホスファート、セテアリルスルファート、ソルビタンセスキオレアート、トリセテアレス−4−ホスファート、トリラウレス−4−ホスファート、ポリグリセリルメチルグルコースジステアラート、セチルリン酸カリウム、イソステアレス−10、ポリグリセリル−2−セスキイソステアラート、セテス−10、イソセテス−20、グリセリルステアラート、以下のものとの混合物:セテアレス−20、セテアレス−12、セチルステアリルアルコール及びセチルパルミタート、PEG−30ステアラート、PEG−40ステアラート、PEG−100ステアラート。
【0047】
更に、水性アルコール性溶液は有利である。水性アルコール性溶液はエタノール0質量%〜90質量%を含有することができる。本発明の意味における水性アルコール性溶液は有利に可溶化剤、例えばPEG−40又はPEG−60硬化ヒマシ油を含有してもよい。
【0048】
本発明による調製剤は、有利に、化粧用又は皮膚用含浸液として使用されることもでき、これを用いて、特に水に不溶性の基体(例えば織布又は不織布)を湿潤させる。そのような種類の含浸液は有利に高流動性であり、特に噴霧可能であり(例えばPITエマルション、水分散液、W/Oエマルション、油、水溶液等)、かつ有利に2000mPa・s未満、特に1500mPa・s未満の粘度を有する(測定装置:Haake粘度計VT 02、25℃)。そのような含浸液を用いて、例えば、柔軟で水に不溶性の材料と高流動性の化粧用及び皮膚用含浸液との組み合わせを意味する化粧用サンスクリーン用布、スキンケア用布等を得ることができる。
【0049】
本発明による調製剤は、有利に無水油又は油ゲル又はペーストの形であってもよい。有利な油は、例えば合成、半合成又は天然油、例えば菜種油、米油、アボカド油、オリーブ油、鉱油、ココグリセリド、ブチレングリコールジカプリラート/ジカプラート、C12−15−アルキルベンゾアート、ジカプリリルカーボナート、オクチルドデカノール等である。油タイプのゲル化剤として、>25℃の融点を有する極めて多様なロウを使用することができる。更に、エアロシル(Aerosil)、アルキルガラクトマンナン(例えばHercules社製のN-Hance AG 200及びN-Hance AG 50)及びポリエチレン誘導体の群からのゲル化剤は有利である。
【0050】
更に、本発明の意味において、自己発泡性、泡状、後発泡性又は発泡可能な化粧用及び皮膚用調製剤も特に有利である。
【0051】
「自己発泡性」、「泡状」、「後発泡性」及び「発泡可能」とは、(既に製造プロセスの間に、消費者による適用の過程において、又は他の様式で)原則的に1種以上のガスの導入によりフォームを生じさせることができるような調製剤を意味すると解釈されるべきである。そのような種類のフォーム内では、小さな気泡が(任意に)1つの(又はそれ以上の)液相中に分配されているが、それに関連して、(発泡した)調製剤が肉眼的にフォームの外観を有している必要はない。本発明による(発泡した)化粧用又は皮膚用調製剤(以下で簡略化のためにフォームとも呼称される)は、例えば肉眼で見える、液中に分散されたガスの分散系を意味し得る。しかしながら、例えば(光学)顕微鏡下でのみフォーム特性を認めることができてもよい。
【0052】
更に、本発明によるフォームは、(特に小さな気泡が光学顕微鏡下での検出には小さすぎる場合には)系の体積の顕著な増加によっても認識可能である。
【0053】
本発明によるα−オレフィン/無水マレイン酸コポリマーの使用によってガスの導入を補助することができ、かつ安定化及び顕著なフォーム増加効果を比較的高温(例えば40℃)であっても比較的長い貯蔵期間に亘って達成することができることは、特に意想外であり、かつ同様に進歩性に基づくものである。これに関連して、特別な界面活性剤の使用を省略できることは特に意想外であった。ガスの導入は、意想外にも、先行技術と比較して極めて増加される。例えば100%まで増加したガス体積を伴うフォームの増大を、慣用の発泡剤、例えば先行技術による界面活性剤を使用することなく達成することができる。
【0054】
これによって、高温で長い貯蔵期間に亘って高いガス体積(空気及び/又は他のガス、例えば特に酸素、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン)を有する配合を安定的に生じさせることが可能である。
【0055】
従って本発明は更に、自己発泡性、泡状、後発泡性又は発泡可能な化粧用及び皮膚用調製剤の発泡を増大させるための、1種以上のα−オレフィン/無水マレイン酸コポリマーの使用を提供する。
【0056】
本発明の意味における「フォームの増大」という用語は、本発明によるフォームへのガスの導入が、本発明によるα−オレフィン/無水マレイン酸コポリマーを含有しないこと以外は同一である調製剤への導入と比較して著しく増加されることを意味すると解釈されるべきである。従って本発明によるフォームは、本発明によるα−オレフィン/無水マレイン酸コポリマーを含有しない調製剤よりも明らかに高いガス体積を占めることができる。
【0057】
「フォームの増大」という用語は更に、発泡した調製剤の安定性(「フォーム安定性」)が、本発明によるα−オレフィン/無水マレイン酸コポリマーを含有しないこと以外は同一である調製剤と比較して著しく改善される、即ち、フォームの破壊が本発明による使用によって一時的に遅延されることを意味する。
【0058】
本発明の意味において、そのような種類の調製剤は有利に以下:
A)10〜40個の炭素原子の鎖長を有する、完全に中和された、部分的に中和された、又は中和されていない、分枝鎖及び/又は非分枝鎖、飽和及び/又は不飽和の脂肪酸の群から選択された少なくとも1種の乳化剤A
B)10〜40個の炭素原子の鎖長を有し、かつ5〜100のエトキシル化の程度を有する、ポリエトキシル化脂肪酸エステルの群から選択された少なくとも1種の乳化剤B、及び
C)10〜40個の炭素原子の鎖長を有する、飽和及び/又は不飽和、分枝鎖及び/又は非分枝鎖の脂肪アルコールの群から選択された少なくとも1種の共乳化剤C
から成る乳化剤系を含有する。
【0059】
1種以上の乳化剤Aは有利に、慣用のアルカリ(例えば水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウム及びモノエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミン)で完全にか又は部分的に中和された脂肪酸の群から選択される。例えばステアリン酸及びステアリン酸塩、イソステアリン酸及びイソステアリン酸塩、パルミチン酸及びパルミチン酸塩、並びにミリスチン酸及びミリスチン酸塩は特に有利である。
【0060】
1種以上の乳化剤Bは有利に以下の群から選択される:PEG−9ステアラート、PEG−8ジステアラート、PEG−20ステアラート、PEG−8ステアラート、PEG−8オレアート、PEG−25グリセリルトリオレアート、PEG−40ソルビタンラノラート、PEG−15グリセリルリシノレアート、PEG−20グリセリルステアラート、PEG−20グリセリルイソステアラート、PEG−20グリセリルオレアート、PEG−20ステアラート、PEG−20メチルグルコースセスキステアラート、PEG−30グリセリルイソステアラート、PEG−20グリセリルラウラート、PEG−30ステアラート、PEG−30グリセリルステアラート、PEG−40ステアラート、PEG−30グリセリルラウラート、PEG−50ステアラート、PEG−100ステアラート、PEG−150ラウラート。例えばポリエトキシル化ステアリン酸エステルは特に有利である。
【0061】
本発明によれば、1種以上の共乳化剤Cは有利に以下の群から選択される:ベヘニルアルコール(C2245OH)、セテアリルアルコール[セチルアルコール(C1633OH)とステアリルアルコール(C1837OH)との混合物]、ラノリンアルコール(羊毛脂の鹸化の後に得られる羊毛脂の鹸化不可能なアルコールフラクションを表す羊毛脂アルコール)。セチルアルコール及びセチルステアリルアルコールは特に有利である。
【0062】
本発明によれば、乳化剤A:乳化剤B:共乳化剤C(A:B:C)の質量比を、a:b:cとして、a、b及びcが相互に独立して1〜5、有利に1〜3の有理数で表されるように選択するのが有利である。約1:1:1の質量比は特に有利である。
【0063】
本発明の意味において、乳化剤A及びB及び共乳化剤Cの全量を、それぞれ配合物の全質量に対して2質量%〜20質量%、有利に5質量%〜15質量%、特に7質量%〜13質量%の範囲に選択するのが有利である。
【0064】
更に、極めて微細に分散された固体粒子によってのみ安定化されている化粧用及び皮膚用調製剤は本発明の意味において特に有利である。そのような「乳化剤フリー」エマルションはピカリングエマルションとも呼称されている。
【0065】
ピカリングエマルションにおいて、固体物質の富化は油/水界面で層の形で生じ、その結果として分散相の合流が妨げられる。これに関連して、特に固体粒子の表面特性は極めて重要であり、この固体粒子は親水特性と親油特性の双方を示すべきである。
【0066】
安定化固体粒子は有利に撥水表面処理(「被覆」)されてもよく、これに関連して、この固体粒子の両親媒特性が形成されるか又は保持されるべきである。表面処理は、自体公知の方法によって固体粒子に疎水性又は親水性の薄層を施与することから成っていてよい。
【0067】
安定剤として使用される極微小の固体粒子の平均粒径は、有利に100μm未満、特に有利に50μm未満となるように選択される。これに関連して、使用される固体粒子の形状(薄片、棒、小球等)又は変態は実質的に重要ではない。
【0068】
極微小の固体粒子は有利に両親媒性金属酸化物顔料の群から選択される。以下のものは特に有利である:
− 二酸化チタン(被覆又は未被覆):例えばMerck社製のEusolex T-2000、Tayca Corporation社製の二酸化チタンMT 100 Z
− 酸化亜鉛、例えばBASF AG社製のZ-Cote及びZ-Cote HP1、Tayca Corporation社製のMZ-300、MZ-500及びMZ-505M
− 酸化鉄。
【0069】
更に、極微小の固体粒子が以下の群から選択されている場合には有利である:窒化ホウ素、デンプン誘導体(タピオカデンプン、ナトリウムコーンスターチ、オクチニルスクシナート等)、タルク、ラテックス粒子。
【0070】
本発明によれば、固体安定化エマルションが明らかに1種以上の乳化剤0.5質量%未満を含有するか、又は更には完全に乳化剤を含有しない場合、有利である。
【0071】
更に、本発明の意味において、スティック形の調製剤は有利である。技術的に考慮して、大抵のスティック配合物は固体又は半固体のロウ及び液体油の無水脂肪混合物であり、その際、高精製パラフィン油及びロウはスティックの基礎物質を構成する。
【0072】
スティック様の調製剤のための慣用の基礎物質は、例えば液体油(例えばパラフィン油、ヒマシ油、イソプロピルミリスタート、C12−15−アルキルベンゾアート)、半固体成分(例えばワセリン、ラノリン)、固体成分(例えば蜜ロウ、セレシン及び微結晶ロウ又はオゾケライト)及び/又は高溶融ロウ(例えばカルナウバロウ、カンデリラロウ)である。スティック様の含水調製剤も自体公知であり、この調製剤はW/Oエマルションの形であってもよい。
【0073】
本発明による化粧用又は皮膚用の遮光用配合物は慣用の通りに構成されていてよく、かつ化粧用又は皮膚用の遮光のために、更に、皮膚及び/又は髪のトリートメント、ケア及び洗浄のために、及び装飾的化粧品の分野におけるメークアップ製品として使用されてよい。
【0074】
その構造に従って、本発明の意味における化粧用又は局所的皮膚用組成物は、例えば皮膚保護クリーム、クレンジングミルク、デイクリーム又はナイトクリーム等として使用することができる。本発明による組成物を医薬製剤のためのベースとして使用することは場合により可能であり、かつ有利である。
【0075】
使用の目的で、化粧用及び皮膚用調製剤は皮膚及び/又は髪に十分な量で化粧品のために慣用の様式で施与される。
【0076】
本発明による化粧用及び皮膚用調製剤は、そのような調製剤中で慣用的に用いられているような化粧用補助物質、例えば防腐剤、防腐助剤、錯化剤、殺菌剤、香料、発泡を防止又は増大させるための物質、染料、着色効果を有する顔料、増粘剤、湿潤物質及び/又は保湿物質、皮膚感触を改善する充填剤、脂肪、油、ロウ又は化粧用又は皮膚用配合物の他の慣用の成分、例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、フォーム安定剤、電解質、有機溶剤又はシリコーン誘導体を含有してよい。
【0077】
本発明の意味における有利な防腐剤は、例えばホルムアルデヒド脱離剤(例えばLonza社からGlydant TMの商品名で入手可能なDMDMヒダントイン)、ヨードプロピルブチルカルバマート(例えばLonza社からGlycacil-L、Glycacil-Sの商品名で及び/又はJan Dekker社からDekaben LMBの商品名で入手可能なもの)、パラベン(即ちp−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、例えばメチル−、エチル−、プロピル−及び/又はブチルパラベン)、フェノキシエタノール、エタノール、安息香酸等である。本発明によれば、通常、防腐剤系は更に、有利に防腐助剤、例えばオクトキシグリセリン、グリシンソーヤ等も含有する。
【0078】
本発明の意味における有利な錯化剤は、例えばEDTA、[S,S]−エチレンジアミンジスクシナート(EDDS)(これは例えばOctel社からOctaquestの商品名で入手可能である)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸五ナトリウム(これは例えばMonsanto社からDequest 2046の商品名で入手可能である)及び/又はイミノジコハク酸(これは特にBayer AG社からIminodisuccinat VP OC 370の商品名で(約30%溶液)、及びBaypure CX 100の商品名で固体形で入手可能である)である。
【0079】
特に有利な調製剤は、更に、酸化防止剤を添加物質又は活性物質として使用する場合に得ることができる。本発明によれば、調製剤は有利に1種以上の酸化防止剤を含有する。有利ではあるが場合によって使用することができる酸化防止剤として、化粧用及び/又は皮膚用適用のために適当であるか又は慣用である全ての酸化防止剤を使用することができる。
【0080】
水溶性酸化防止剤、例えばビタミン、例えばアスコルビン酸及びその誘導体は、本発明の意味において特に有利に使用することができる。
【0081】
有利な酸化防止剤は、更にビタミンE及びその誘導体、並びにビタミンA及びその誘導体である。
【0082】
調製剤中での酸化防止剤(1種以上の化合物)の量は、調製剤の全質量に対して有利に0.001質量%〜30質量%、特に有利に0.05質量%〜20質量%、特に0.1質量%〜10質量%である。
【0083】
ビタミンE及び/又はその誘導体が1種以上の酸化防止剤を構成する限りにおいて、それらの個々の濃度を配合物の全質量に対して0.001質量%〜10質量%の範囲から選択することは有利である。
【0084】
ビタミンA又はビタミンA誘導体又はカロテン又はその誘導体が1種以上の酸化防止剤を構成する限りにおいて、それらの個々の濃度を配合物の全質量に対して0.001質量%〜10質量%の範囲から選択することは有利である。
【0085】
本発明による化粧用調製剤が化粧用又は皮膚用活性物質を含有する場合、特に有利であり、その際、有利な活性物質は、皮膚を酸化露出から保護することができる酸化防止剤である。
【0086】
本発明の意味における他の有利な活性物質は、天然活性物質及び/又はその誘導体、例えばα−リポ酸、フィトエン、D−ビオチン、コエンザイムQ10、α−グルコシルルチン、カルニチン、カルノシン、天然及び/又は合成イソフラボノイド、クレアチン、タウリン及び/又はβ−アラニン、並びに8−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸(二酸、CAS番号20701−68−2;暫定的なINCI名称オクタデセン二酸)である。
【0087】
例えば公知のしわ防止活性物質、例えばフラボングリコシド(特にα−グリコシルルチン)、コエンザイムQ10、ビタミンE及び/又は誘導体等を含有する本発明による配合物は、有利に特に、例えば皮膚の老化(例えば乾燥、荒れ及び乾燥による小じわの形成、かゆみ、(例えば洗浄の後の)低減した再脂浮き(regreasing)、目に見える血管拡張(毛細管拡張症、赤み(cuperosis))、たるみ及び(小)しわの発生、局所的な色素沈着過度、低色素沈着及び色素沈着の欠乏(例えば加齢によるしみ)、機械的応力に対する増加した感受性(例えばひび割れ)等)の過程において生じるような化粧又は皮膚の肌変化の予防及び治療に適当である。更に、これらは有利に乾燥又は肌荒れの症状に対抗するために適当である。
【0088】
本発明による調製剤の水相は、有利に慣用の化粧用補助物質、例えばアルコール、特に低いC数を有するアルコール、有利にエタノール及び/又はイソプロパノール、低いC数を有するジオール又はポリオール、並びにそのエーテル、有利にプロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル又はモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル又はモノエチルエーテル及び類似の生成物、ポリマー、フォーム安定剤、電解質、及び特に、有利に二酸化ケイ素、珪酸アルミニウム、多糖類及びその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む群から、特に有利にポリアクリラート、有利にいわゆるカルボポール[Bf. Goodrich社製]、例えば型980、981、1382、2984、5984、ETD 2020、ETD 2050、Ultrez 10のカルボポールの群からのポリアクリラートの群から選択することのできる1種以上の増粘剤を、それぞれの場合において個々に、又は組み合わせて含有してよい。
【0089】
本発明による調製剤は、更に、有利に自己色素沈着物質、例えばジヒドロキシアセトン及び/又はメラニン誘導体を、調製剤の全質量に対して1質量%〜8質量%の濃度で含有してもよい。
【0090】
更に、本発明による調製剤は有利に、蚊、ダニ及びクモ等からの保護のための忌避薬を含有してもよい。例えばN,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(商品名:Metadelphene, "DEET")、ジメチルフタラート(商品名:Palatinol M, DMP)及び特に3−(N−n−ブチル−N−アセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステル(Merck社からInsect Repellent TM 3535の商品名で入手可能)は有利である。忌避薬は個々に使用されてもよいし、組み合わせて使用されてもよい。
【0091】
湿潤剤と呼称されているものは、化粧用又は皮膚用調製剤に対して、皮膚の表面上への施与又は分配後に、これらが角質層の水分の放出量(経表皮水分損失率(TEWL)とも呼称される)を低下させ、かつ/又は角質層の水分補給にプラスの影響を与えるという特性を付与する物質又は物質混合物である。
【0092】
本発明の意味における有利な湿潤剤は、例えばグリセリン、乳酸及び/又はラクタート、特に乳酸ナトリウム、ブチレングリコール、プロピレングリコール、バイオサッカリドガム−1、グリシンソーヤ、エチルヘキシルオキシグリセリン、ピロリドンカルボン酸及び尿素である。更に、水溶性の多糖類、及び/又は水中で膨潤性であり、かつ/又は水によりゲル化可能な多糖類の群からのポリマー湿潤剤を使用することが特に有利である。特に有利なものは、例えばヒアルロン酸、キトサン及び/又はフコースに富む多糖類であり、これはChemical Abstractsに登録番号178463−23−5で登録されており、かつ例えばSOLABIA S.A.社からFucogel TM 1000の商品名で入手可能である。湿潤剤は有利に、例えば皮膚老化の過程で生じるような化粧又は皮膚の肌に対する変化の予防及び手入れのためのしわ防止活性物質として使用されてもよい。
【0093】
必要であるわけではないが、本発明による化粧用又は皮膚用調製剤は更に有利に充填剤を含有してもよく、該充填剤は例えば更に配合物の感覚特性及び化粧品特性を改善し、かつ例えばビロード状又は絹状の皮膚感触をもたらすか又は向上させる。本発明の意味において有利な充填剤は、デンプン及びデンプン誘導体(例えばタピオカデンプン、リン酸二デンプン、オクテニルコハク酸アルミニウム又はナトリウムデンプン等)、主にUVフィルター効果も着色効果も有しない顔料(例えば窒化ホウ素等)及び/又はエアロシル(Aerosil)(登録商標)である。
【0094】
本発明による配合物の油相は、有利に極性油の群から、例えばレシチン及び脂肪酸トリグリセリド、特に、8〜24個のC原子、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和、分枝鎖及び/又は非分枝鎖アルカンカルボン酸のトリグリセリンエステルの群から選択される。脂肪酸トリグリセリドは、例えば有利に、合成、半合成及び天然の油、例えばココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、扁桃油、パーム油、やし油、ヒマシ油、麦芽油、ブドウ種油、アザミ油、オオマツヨイグサ油、マカダミアナッツ油等の群から選択されてよい。
【0095】
本発明によれば、例えば動物及び植物由来の天然ロウ、例えば蜜ロウ及び他の虫白ロウ、並びに、ベリーワックス、シアバター及び/又はラノリン(羊毛脂)も更に有利である。
【0096】
本発明の意味における他の有利な極性油成分は、更に、3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和、分枝鎖及び/又は非分枝鎖のアルカンカルボン酸と、3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和、分枝鎖及び/又は非分枝鎖のアルコールとから形成されるエステルの群から、並びに、芳香族カルボン酸と、3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和、分枝鎖及び/又は非分枝鎖のアルコールとから形成されるエステルの群から選択されてよい。そのようなエステル油は、有利にオクチルパルミタート、オクチルココアート、オクチルイソステアラート、オクチルドデシルミリスタート、オクチルドデカノール、セテアリルイソノナノアート、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、イソプロピルステアラート、イソプロピルオレアート、n−ブチルステアラート、n−ヘキシルラウラート、n−デシルオレアート、イソオクチルステアラート、イソノニルステアラート、イソノニルイソノナノアート、2−エチルヘキシルパルミタート、2−エチルヘキシルラウラート、2−ヘキシルデシルステアラート、2−オクチルドデシルパルミタート、ステアリルヘプタノアート、オレイルオレアート、オレイルエルカート、エルシルオレアート、エルシルエルカート、トリデシルステアラート、トリデシルトリメリタート、並びに、そのようなエステルの合成、半合成及び天然の混合物、例えばホホバ油を含む群から選択されてよい。
【0097】
更に、油相は有利にジアルキルエーテル及びジアルキルカーボナートの群から選択されてよく;例えばジカプリリルエーテル(Cetiol OE)及び/又はジカプリリルカーボナート、例えばCognis社からCetiol CCの商品名で入手可能なものは有利である。
【0098】
油成分を、イソエイコサン、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート、プロピレングリコールジカプリラート/ジカプラート、カプリル酸/カプリン酸/ジグリセリルスクシナート、ブチレングリコールジカプリラート/ジカプラート、C12−13−アルキルラクタート、ジ−C12−13−アルキルタルトラート、トリイソステアリン、ジペンタエリトリトールヘキサカプリラート/ヘキサカプラート、プロピレングリコールモノイソステアラート、トリカプリリン、ジメチルイソソルビドの群から選択することは更に有利である。本発明による配合物の油相がC12−15−アルキルベンゾアートの含分を示すか又は完全にC12−15−アルキルベンゾアートから成る場合、特に有利である。
【0099】
有利な油成分は、更に、例えばブチルオクチルサリチラート(例えばCP Hall社からHallbrite BHBの商品名で入手可能である)、ヘキサデシルベンゾアート及びブチルオクチルベンゾアート及びそれらの混合物(Hallstar AB)及び/又はジエチルヘキシルナフタラート(H&R社製のHallbrite TQ又はCorapan TQ)である。
【0100】
そのような油及びロウ成分の任意のブレンドも、有利に本発明の意味において使用されてよい。
【0101】
更に、油相は同様に有利に、例えば分枝鎖及び非分枝鎖炭化水素及び炭化水素ロウ、特に鉱油、ワセリン(ペトロラタム)、パラフィン油、スクアラン及びスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブテン及びイソヘキサデカンの群から選択された非極性油を含有してもよい。ポリオレフィンのうち、ポリデセンは有利な物質である。
【0102】
油相は更に有利に環式又は直鎖シリコーン油の含分を有するか、又は完全にそのような油から成っていてよいが、しかしながらこれに関連して、1種以上のシリコーン油に加えて、他の油相成分の付加的な含分を使用するのが有利である。
【0103】
シリコーン油は高分子合成ポリマー化合物であり、その際、ケイ素原子は酸素原子を介して鎖及び/又は格子状に結合しており、かつケイ素の残りの原子価は炭化水素基(特に、大抵はメチル、比較的まれにエチル、プロピル、フェニル基)によって飽和される。系統的に、シリコーン油はポリオルガノシロキサンと呼称される。前記基の量に関して最も有意な化合物を示し、かつ以下の構造式:
【化1】

により特徴付けられるメチル置換ポリオルガノシロキサンは、ポリジメチルシロキサン又はジメチコン(INCI)とも呼称される。ジメチコンは種々の鎖長で、かつ種々の分子量で存在する。
【0104】
本発明の意味において特に有利なポリオルガノシロキサンは、例えばジメチルポリシロキサン[ポリ(ジメチルシロキサン)]であり、これは例えばTh. Goldschmidt社からAbil 10-10000の商品名で入手可能である。更に、フェニルメチルポリシロキサン(INCI:フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン)、環式シリコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサン)(これらはINCIによればシクロメチコンとも呼称される)、アミノ変性シリコーン(INCI:アモジメチコン)及びシリコーンロウ、例えばポリシロキサン−ポリアルキレンコポリマー(INCI:ステアリルジメチコン及びセチルジメチコン)及びジアルコキシジメチルポリシロキサン(ステアロキシジメチコン及びベヘノキシステアリルジメチコン)(これらはTh. Goldschmidt社から種々のAbilロウタイプとして入手可能である)は有利である。しかしながら、有利に本発明の意味において、他のシリコーン油、例えばセチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)を使用することもできる。
【0105】
本発明による調製剤は更に有利に、例えば生成物の耐水性及び/又は保護指数を増加させるためにシロキサンエラストマーの以下の群からの1種以上の物質を含有してよい:
a)単位RSiO及びRSiO1.5及び/又はRSiO0.5及び/又はSiOを含有するシロキサンエラストマー、ここで、個々の基Rはそれぞれ相互に独立して水素、C1−24−アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル)又はアリール(例えばフェニル又はトリル)、アルケニル(例えばビニル)を表し、かつ単位RSiO:RSiO1.5の質量比は1:1〜30:1の範囲から選択されている。
【0106】
b)シリコーン油中で不溶性でありかつシリコーン油中で膨潤可能であり、かつケイ素結合水素を含有するオルガノポリシロキサン(1)と、不飽和脂肪族基を含有するオルガノポリシロキサン(2)との付加反応により得ることができるシロキサンエラストマー、ここで、用いられる量比は、オルガノポリシロキサン(1)の水素か又はオルガノポリシロキサン(2)の不飽和脂肪族基の水素の量が
− オルガノポリシロキサンが非環式である場合には1モル%〜20モル%の範囲内であり、かつ
− オルガノポリシロキサンが環式である場合には1モル%〜50モル%の範囲内であるように選択される。
【0107】
本発明の意味において、1種以上のシロキサンエラストマーは有利に球状粉末の形か又はゲルの形で存在する。
【0108】
球状粉末の形で存在しかつ本発明により有利であるシロキサンエラストマーは、INCI名称ジメチコン/ビニルジメチコンを有するクロスポリマーであり、例えばDOW CORNING社からDOW CORNING 9506 Powderの商品名で入手可能である。
【0109】
シロキサンエラストマーを、動物及び/又は植物由来の炭化水素、合成油、合成エステル、合成エーテル又はそれらの混合物からの油と組み合わせて使用することは特に有利である。
【0110】
シロキサンエラストマーを、室温で液体又はペースト状である非分枝鎖シリコーン油、又は環式シリコーン油又はそれらの混合物と組み合わせて使用する場合、極めて特に有利である。INCI名称ジメチコン/ポリシリコーンー11を有するオルガノポリシロキサンエラストマーは特に有利であり、Grant Industries Inc社から入手可能なGransil タイプGCM、GCM-5、DMG-6、CSE Gel、PM-Gel、LTX、ININ Gel、AM-18 Gel及び/又はDMCM-5は極めて特に有利である。
【0111】
シロキサンエラストマーをシロキサンエラストマーから成るゲル及び脂質相の形で使用する場合、極めて抜群に有利であり、その際、ゲル中のシロキサンエラストマーの含分は、ゲルの全質量に対してそれぞれ1質量%〜80質量%、有利に10質量%〜60質量%である。
【0112】
シロキサンエラストマー(活性含分)の全量を配合物の全質量に対してそれぞれ0.01質量%〜10質量%、有利に0.1質量%〜5質量%の範囲から選択することは本発明の意味において有利である。本発明による化粧用及び皮膚用調製剤は、特に該調製剤が装飾用化粧品の形である場合には染料及び/又は着色顔料を含有してよい。染料及び着色顔料は、ドイツ国の化粧品基準のポジティブリスト[Positivliste der Kosmetikverordnung]に相応して、又は化粧用着色剤のECリストから選択されてよい。大抵、それらは食料品のために認可されている染料と同一である。有利な着色顔料は、例えば二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えばFe、Fe、FeO(OH))及び/又は酸化スズである。有利な染料は、例えばカルミン、ペルシアンブルー、酸化クロム緑、ウルトラマリンブルー及び/又はマンガンバイオレットである。染料及び/又は着色顔料をRowe Colour Index, 3rd edition, Society of Dyers and Colourists, Bradford, England, 1971から選択するのが特に有利である。
【0113】
本発明による配合物が顔に施与される製品の形である限りにおいて、染料として以下の群からの1種以上の物質を選択することが有利である:2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、1−(2’−クロロ−4’−ニトロ−1’−フェニルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン、セレスレッド、2−(スルホ−1−ナフチルアゾ)−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1,2’−アゾナフタレン−1’−スルホン酸のカルシウム塩、1−(2−スルホ−4−メチル−1−フェニルアゾ)−2−ナフチルカルボン酸のカルシウム及びバリウム塩、1−(2−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸のカルシウム塩、1−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−ナフトール−6−スルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のアルミニウム塩、4−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−1−(4−スルホフェニル)−5−ヒドロキシピラゾロン−3−カルボン酸のアルミニウム塩、4,5−ジブロモフルオレセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、3’,4’,5’,6’−テトラクロロ−2,4,5,7−テトラブロモフルオレセイン及びそのアルミニウム塩、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインのアルミニウム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミニウム塩、インジゴジスルホン酸のアルミニウム塩、赤色及び黒色酸化鉄(CIN:77491(赤)及び77499(黒))、酸化鉄水和物(CIN:77492)、二リン酸マンガンアンモニウム及び二酸化チタン。
【0114】
更に、油に可溶性の天然染料、例えばパプリカ抽出物、β−カロテン又はコチニールは有利である。
【0115】
更に、真珠光沢顔料の含分を有する配合物は本発明の意味において有利である。特に以下に挙げられた真珠光沢顔料の種類は有利である:
1.天然真珠光沢顔料、例えば
−「魚鱗箔」(魚鱗から誘導されたグアニン/ヒポキサンチン混合結晶体)及び
−「真珠質」(粉砕イガイ殻)
2.単結晶真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化ビスマス(BiOCl)。
3.層基体顔料:例えば雲母/金属酸化物。
【0116】
真珠光沢顔料のためのベースは、例えばオキシ塩化ビスマス及び/又は二酸化チタン、並びに雲母上のオキシ塩化ビスマス及び/又は二酸化チタンの粉末顔料又はヒマシ油分散液によって構成されている。例えばCIN77163に挙げられている光沢顔料は特に有利である。
【0117】
更に、例えば雲母/金属−酸化物をベースとする以下の真珠光沢顔料のタイプは有利である:
【表2】

【0118】
例えばMerck社からTimiron, Colorona又はDichronaの商品名で入手可能な真珠光沢顔料は特に有利である。
【0119】
上記の真珠光沢顔料の一覧は当然のことながら限定を意図したものではない。本発明の意味において有利である真珠光沢顔料は、自体公知の多数の方法により得ることができる。例えば、雲母以外の基体は他の金属酸化物、例えばシリカ等で被覆されていてもよい。例えばTiO及びFeで被覆されたSiO粒子(Ronaspheres)は有利であり、これはMerck社により市販されており、かつ特に細かいしわを光学的に減少させるために特に適当である。
【0120】
更に、雲母のような基体を完全に省略することは有利である。雲母を使用せずに製造される鉄真珠光沢顔料は特に有利である。そのような顔料は、例えばBASF社からSicopearl Kupfer 1000の商品名で入手可能である。
【0121】
更に、Flora Tech社から多様な色(黄、赤、緑、青)でMetasomes Standard/Glitterの商品名で入手可能な効果顔料も特に有利である。ここで、光輝粒子は種々の補助物質及び染料(例えば色指数(CI)19140、77007、77289、77491を有する染料)と混合して存在する。
【0122】
染料及び顔料は個々に、又は混合して存在していてよく、かつ相互に被覆されていてよく、これに関連して、一般に種々の被覆厚によって種々の色効果が生じる。染料及び色付与顔料の全量は、有利に例えば、調製剤の全質量に対してそれぞれ0.1質量%〜30質量%、有利に0.5質量%〜15質量%、特に1.0質量%〜10質量%の範囲から選択される。
【0123】
主要な目的は日光からの保護ではないが、それにもかかわらず他のUV遮蔽物質の含分を有する化粧用及び皮膚用調製剤を製造することも本発明の意味において有利である。例えば、UV−A又はUV−Bフィルター物質は通常デイクリーム又はメークアップ製品に配合されてよい。UV遮蔽物質、例えば酸化防止剤、及び所望であれば防腐剤も、調製剤自体を腐敗から効果的に保護する。更に、サンスクリーン剤の形で存在する化粧用及び皮膚用調製剤は好ましい。
【0124】
従って、本発明の意味における調製剤は有利に少なくとも1種の他のUV−A、UV−B及び/又は広帯域のフィルター物質を含有する。配合物は、必要というわけではないが場合によって1種以上の有機及び/又は無機顔料をUVフィルター物質として含有してよく、前記顔料は水相及び/又は油相中に存在してよい。
【0125】
本発明による調製剤は、更に、有利にいわゆるオイルフリーの化粧用又は皮膚用エマルションの形で存在していてもよく、これは水相、及び他の相として、室温で液体である少なくとも1種のUVフィルター物質を含有し、かつ特に有利に他の油成分を含まなくてよい。
【0126】
室温で液体である本発明の意味において特に有利なUVフィルター物質は、ホモメンチルサリチラート(INCI:ホモサラート)、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート(INCI:オクトクリレン)、2−エチルヘキシル−2−ヒドロキシベンゾアート(2−エチルヘキシルサリチラート、オクチルサリチラート、INCI:エチルヘキシルサリチラート)及びケイ皮酸のエステル、有利に4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル(2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート、INCI:エチルヘキシルメトキシシンナマート)及び4−メトキシケイ皮酸イソペンチルエステル(イソペンチル−4−メトキシシンナマート、INCI:イソアミルp−メトキシシンナマート)、3−(4−(2,2−ビスエトキシカルボニルビニル)フェノキシ)プロペニル)−メトキシシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー(これは例えばHoffmann La Roche社からParsol(登録商標) SLXの商品名で入手可能である)である。
【0127】
有利な無機顔料は、金属酸化物及び/又は水中で緩やかに可溶性であるか又は不溶性である他の金属化合物、特にチタンの酸化物(TiO)、亜鉛の酸化物(ZnO)、鉄の酸化物(例えばFe)、ジルコニウムの酸化物(ZrO)、ケイ素の酸化物(SiO)、マンガンの酸化物(例えばMnO)、アルミニウムの酸化物(Al)、セリウムの酸化物(例えばCe)、相応する金属の混合酸化物及びそのような酸化物のブレンド、並びにバリウムの硫酸塩(BaSO)である。
【0128】
本発明の意味において、顔料は有利に市販の油性又は水性の予備分散液の形で使用されてもよい。分散剤及び/又は可溶化促進剤は有利にそのような予備分散液に添加されてよい。
【0129】
本発明によれば、顔料は有利に表面被覆されてよく、これに関連して、例えば親水特性、両親媒特性又は疎水特性が意図的に形成されるか又は保持される。この表面処理は、自体公知の方法によって、顔料に薄い親水性及び/又は疎水性の無機及び/又は有機層を施与することからなってよい。本発明の意味における種々の表面被覆は水を含有してもよい。
【0130】
本発明の意味における無機表面被覆は、酸化アルミニウム(Al)、水酸化アルミニウムAl(OH)又は酸化アルミニウム水和物(また以下のようにも呼称される:アルミナ、CAS番号:1333−84−2)、ヘキサメタリン酸ナトリウム(NaPO、メタリン酸ナトリウム(NaPO、二酸化ケイ素(SiO)(また以下のようにも呼称される:シリカ、CAS番号:7631−86−9)又は酸化鉄(Fe)からなってよい。前記の無機表面被覆は単独で、組み合わせて及び/又は有機被覆材料と組み合わせて生じ得る。
【0131】
本発明の意味における有機表面被覆は、植物性又は動物性ステアリン酸アルミニウム、植物性又は動物性ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン(また以下のようにも呼称される:ジメチコン)、メチルポリシロキサン(メチコン)、シメチコン(200〜350個のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチルポリシロキサンとシリカゲルとの混合物)又はアルギン酸からなってよい。前記の有機表面被覆は単独で、組み合わせて及び/又は無機被覆材料と組み合わせて生じ得る。本発明により適当である酸化亜鉛粒子及び酸化亜鉛粒子の予備分散液は以下の企業から以下の商品名で入手可能である:
【表3】

【0132】
適当な二酸化チタン粒子及び二酸化チタン粒子の予備分散液は以下の企業から以下の商品名で入手可能である:
【表4】

【0133】
他の有利な顔料はラテックス粒子である。本発明により有利であるラテックス粒子は、以下の刊行物に記載されているものである:US5,663,213及びEP0761201。特に有利なラテックス粒子は、水及びスチレン/アクリラートコポリマーから形成され、かつ例えばRohm & Haas社から"Alliance SunSphere"の商品名で入手可能であるものである。
【0134】
本発明の意味において有利なUV−Aフィルター物質は、ジベンゾイルメタン誘導体、特に4−(tert.−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン(CAS番号:70356−09−1)であり、これはGivaudan社によりParsol TM 1789の商品名で、及びMerck社によりEusolex TM 9020の商品名で市販されている。
【0135】
本発明の意味において有利な他のUVフィルター物質は、スルホン化された水溶性UVフィルターであり、例えば以下のようなものである:
− フェニレン−1,4−ビス−(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸及びその塩、特に相応するナトリウム、カリウム又はトリエタノールアンモニウム塩、特に、INCI名称フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(CAS番号:180898−37−7)を有するフェニレン−1,4−ビス−(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビスナトリウム塩、これは例えばHaarmann & Reimer社からNeo Heliopan APの商品名で入手可能である;
− 2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸の塩、例えばそのナトリウム、カリウム又はトリエタノールアンモニウム塩、並びに、INCI名称フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(CAS番号:27503−81−7)を有するスルホン酸自体、これは例えばMerck社からEusolex 232の商品名で、又はHaarmann & Reimer社からNeo Heliopan Hydroの商品名で入手可能である;
− 1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼン(また以下のようにも呼称される:3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)−ビス−(7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ−[2.2.1]ヘプト−1−イルメタンスルホン酸)及びその塩(特に相応する10−スルファト化合物、特に相応するナトリウム、カリウム又はトリエタノールアンモニウム塩)、これはベンゼン−1,4−ジ(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル−10−スルホン酸)とも呼称される。ベンゼン−1,4−ジ(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル−10−スルホン酸)はINCI名称テレフタリデンジカンファースルホン酸(CAS番号:90457−82−2)を有し、かつ例えばChimex社からMexoryl SXの商品名で入手可能である;
− 3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸及びその塩。
【0136】
更に、以下の構造式:
【化2】

[式中、
、R及びRは相互に独立して、1〜10個の炭素原子を有する分枝鎖又は非分枝鎖の飽和又は不飽和アルキル基の群から選択される]
により特徴付けられるベンゾオキサゾール誘導体は、本発明の意味において有利なUVフィルター物質である。本発明によれば、基R及びRが同じであって、特に3〜5個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル基の群からのものであるように選択することは特に有利である。更に、Rが8個の炭素原子を有する非分枝鎖又は分枝鎖アルキル基、特に2−エチルヘキシル基を表す場合、本発明の意味において特に有利である。
【0137】
本発明により特に有利であるベンゾオキサゾール誘導体は、以下の構造式:
【化3】

により特徴付けられ、かつ3V Sigma社からUvasorb TM K2Aの商品名で入手可能な、CAS番号:288254−16−0を有する2,4−ビス−[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール−2−イル−(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)−イミノ−1,3,5−トリアジンである。
【0138】
1種以上のベンゾオキサゾール誘導体は有利に本発明による化粧用調製剤中に溶解された形で存在する。しかしながら、1種以上のベンゾオキサゾール誘導体が顔料形、即ち溶解されていない形で例えば10nm〜300nmの粒径で存在する場合も、場合により有利である。
【0139】
本発明の意味において有利なUVフィルター物質は、更に、いわゆるヒドロキシベンゾフェノンである。ヒドロキシベンゾフェノンは以下の構造式:
【化4】

[式中、
− R及びRは相互に独立して水素、C−C20−アルキル、C−C10−シクロアルキル又はC−C10−シクロアルケニルを表し、ここで、基R及びRは該基が結合している窒素原子と一緒に5員又は6員の環を形成してよく、かつ
− RはC−C20−アルキル基を表す]
により特徴付けられる。
【0140】
本発明の意味において特に有利なヒドロキシベンゾフェノンは2−(4’−ジエチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(また以下のようにも呼称される:アミノベンゾフェノン)であり、これは以下の構造式:
【化5】

により特徴付けられ、かつBASF社からUvinul A Plusの商品名で入手可能である。
【0141】
更に、本発明の意味において有利なUVフィルター物質はいわゆる広帯域フィルター、即ちUV−A線とUV−B線の双方を吸収するフィルター物質である。
【0142】
有利な広帯域フィルター又はUV−Bフィルター物質は、例えば以下のようなトリアジン誘導体である:
− 2,4−ビス−[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:ビス−エチルヘキシルオキシルフェノールメトキシフェニルトリアジン)、これはCIBA-Chemikalien GmbH社からTinosorb TM Sの商品名で入手可能である;
− ジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI:ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン)、これはSigma 3 V社からUVASORB HEBの商品名で入手可能である;
− 4,4’,4’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリアミノ)−トリス−安息香酸−トリス(2−エチルヘキシルエステル)、また以下のようにも呼称される:2,4,6−トリス−[アニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)、これはBASF Aktiengesellschaft社からUVINUL TM T 150の商品名で市販されている;
− 2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール(CAS番号:2725−22−6)。
【0143】
2,2−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(INCI:メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)も本発明の意味において有利な広帯域フィルターであり、これはCIBA-Chemikalien GmbH社からTinosorb TM Mの商品名で入手可能である。
【0144】
更に、INCI名称ドロメトリゾールトリシロキサンを有する2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール(CAS番号:155633−54−8)は本発明の意味において有利な広帯域フィルターである。
【0145】
他のUVフィルター物質は油溶性又は水溶性であってよい。有利な油溶性フィルター物質は例えば以下ものである:
− 3−ベンジリデンカンファー誘導体、有利に3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデンカンファー;
− 4−アミノ安息香酸誘導体、有利に4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル;
− 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン;
− ベンザルマロン酸のエステル、有利に4−メトキシベンザルマロン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル;
− ケイ皮酸のエステル、有利に4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシケイ皮酸イソペンチルエステル;
− ベンゾフェノンの誘導体、有利に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、及びまた
− ポリマーに結合したUVフィルター。
【0146】
有利な水溶性フィルター物質は例えば以下のものである:3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸及びその塩。
【0147】
本発明により有利に使用することができる他の遮光フィルター物質はエチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクラート(オクトクリレン)であり、これはBASF社からUvinul(登録商標)N 539 Tの商品名で入手可能である。
【0148】
高い、又は極めて高いUV−A保護により特徴付けられる本発明の意味において特に有利な調製剤は、有利に更に、本発明による1種以上のフィルター物質の他に、他のUV−A及び/又は広帯域フィルター、特にジベンゾイルメタン誘導体[例えば4−(tert.−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン]及び/又は2,4−ビス−[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン及び/又はフェニレン−1,4−ビス−(2−ベンズイミダジル)−3,3’−5,5’−テトラスルホン酸ビス−ナトリウム塩を、それぞれ個々に、又は相互の任意の組み合わせで含有する。
【0149】
本発明の意味において使用することができる上記のUVフィルターの列挙は当然のことながら限定を意図したものではない。
【0150】
本発明による調製剤は、髪又は皮膚を紫外線の全領域から保護する化粧用調製剤を製造するために、有利にUV−A及び/又はUV−B領域のUV線を吸収する物質を、調製剤の全質量に対してそれぞれ例えば0.1質量%〜30質量%、有利に0.5〜20質量%、特に1.0〜15.0質量%の全量で含有する。
【0151】
更に、本発明の意味における調製剤は有利に生成物の耐水性を高める他の物質を含有してもよい。
【0152】
例えば、以下の構造式:
【化6】

[式中、
x、y及びzは2〜130、特に15〜100の範囲内の整数を表し、かつx及びzは同じであるが但しyとは独立して選択される]
を有する水溶性又は水中で分散可能なポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー(CTFA名称:ポラキサマー(polaxamer)、CAS番号:9003−11−6)は有利である。
【0153】
有利に、これらのうち特にpolaxamer 188[ここでx=75、y=30及びz=75](これはBASF社からLutrol F 68(以前はPluronic F 68)の商品名で入手可能である)、polyxamer 185[ここでx=19、y=30及びz=19](ISP社からのLubrajel WA)、polaxamer 235[ここでx=27、y=39及びz=27](BASF社からのPluronic F 85)及び/又はpolaxamer 238[ここでx=97、y=39及びz=97](BASF社からのPluronic F 88)を使用することができる。
【0154】
耐水性の向上に貢献し得るが、しかしながら本発明による調製剤の油相に混和されている他の有利な物質は、特定のロウ成分、例えばアセチル化グリコールステアラート及びトリステアリン(例えばINCI:アセチル化グリコールステアラート及びトリステアリンを有するISP社からのUnitwix)、C18−36脂肪酸トリグリセリド(例えばINCI:C18−36酸トリグリセリドを有するCrode GmbH社からのSyncrowax HGLC)、更に、New Phase Technologies社から"Perfroma V 825"(合成ロウ)の商品名で入手可能な物質、並びにAKZO Nobel社から入手可能であるPEG−45ドデシルグリコールコポリマー(INCI:PEG−45ドデシルグリコールコポリマー)、PEG−22ドデシルグリコールコポリマー(INCI:PEG−22ドデシルグリコールコポリマー)、メトキシPEG−22ドデシルグリコールコポリマー(INCI:メトキシPEG−22ドデシルグリコールコポリマー)である。
【0155】
調製剤の耐水性を更に改善するために、本発明により使用されるポリマーを1種以上の上記の物質と組み合わせることは本発明の意味において特に有利である。
【0156】
以下の例は本発明を説明することを意図したものであり、これに限定されない。実施例中の数値は、それぞれの調製剤の全質量に対する質量%を表す。
【実施例】
【0157】
1.構造変性
構造変性を、ボールミルを用いて、又はボールミル操作を用いて連続的に実施する。後粉砕を、エアジェットミル、歯付きディスクミル又はピン型ミルを用いて実施する。
【0158】
【表5】

【0159】
【表6】

【0160】
2.サンスクリーン用配合物
分散液の製造
TEGOSOFT(登録商標)TN278.25gを500mlのPEカップ内に装入し、試験すべき二酸化チタン粉末21.75gを溶解機(Pendraulik type LM34 No. 29490、ディスク直径6cm)を用いて470rpmで撹拌し、その後3000rpmで5分間分散させる。
【0161】
これに引き続き、分散液を、ウルトラツラックス(Ultra-Turrax)撹拌機(Polytron PT3100, 分散工具PT-DA 3020/2 EC)を用いて15000rpmで2分間分散させる。
【0162】
最後に、分散液を、水冷容器中でウルトラツラックス撹拌機を用いて15000rpmで更に5分間分散させ、その際、PT-DA 3030-6060/3 EC分散工具を使用する。
【0163】
UV−Visスペクトル(380nmでの透過率)
3質量%分散液のUV−Visスペクトルを、取外し可能な10μm石英ガラスセル中で、光度計球を有するUV-Vis分光光度計Specord 200(Analytik Jena AG)を用いて測定する。
【0164】
この目的のために、上記の油性分散液をTegosoft TNで希釈する。
【0165】
その後、溶解機(Pendraulik type LM34 No. 29490、ディスク直径5cm;1000〜4000rpm)を用いて撹拌し、エアロシル(AEROSIL)(登録商標)200を少量ずつ添加してゲル様成分を生じさせ、かつ酸化物を安定化させる。
【0166】
エアロシルの均一な分配を保証するために、エアロシルの最後の添加の後、再分散を少なくとも2分間行わなければならない。結果として、290nm〜500nmの範囲内の透過率(%)が得られる。
【0167】
粘度又は増粘効果
粘度をブルックフィールドレオメーターRVDV-III+cPを用いて確認する。測定を、PE混合カップ(350ml)中でRVスピンドルセットで10rpmで実施する。1分後、値をmPa・sで読み取る。
【0168】
【表7】

【0169】
(構造的に変性されていない)AEROXIDE TiO P 25を用いた比較例と比較した実施例1及び2からの本発明による生成物の利点は以下の通りである:
− 顕著に増加した突固め密度。これは、取扱い及び処理が容易になり、搬送及び貯蔵の費用がより低くなり、かつダストの形成が低減されることを意味する。
− 380nmにおける明らかに増加した透過率。これは、増加した透明度、又はより正確には、本発明による生成物を用いて製造されたサンスクリーン用配合物の低減した白化を意味する。
− 極めて低下した粘度又は増粘効果。これにより、二酸化チタンのより高い含分を有し、従ってより高い保護指数を有する分散液又はサンスクリーン用配合物の製造が可能となる。
【0170】
【表8】

【0171】
相Aを80℃に加熱し、相Bを添加し、均質化を3分間行う。
【0172】
相Cを80℃に加熱し、相A及びBの混合物に添加して撹拌し、均質化を行う。
【0173】
【表9】

【0174】
相A及びBを別個に85℃に加熱する。引き続き、相Bを相Aに添加して撹拌し、均質化する。混合物を40℃に冷却し、相Cを添加し、引き続き再度均質化を行う。
【0175】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンスクリーン用配合物を製造するための、熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン又は熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合酸化物の使用。
【請求項2】
サンスクリーン用配合物において、熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン又は熱分解により製造された構造的に変性された二酸化チタン混合物を含有することを特徴とするサンスクリーン用配合物。

【公開番号】特開2010−13484(P2010−13484A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241344(P2009−241344)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【分割の表示】特願2005−372606(P2005−372606)の分割
【原出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】