横向き平面実装白色LED
発光ダイオードが開示される。該ダイオードは、パッケージ支持体と、該パッケージ支持体上の半導体チップとを含み、該チップは、スペクトルの可視部分の光を放射する活性領域を含む。金属接点は、パッケージ上のチップと電気的に接続されている。実質的に透明な封止材がパッケージのチップを覆う。封止材内の蛍光体は、チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する。発光ダイオードと平面のディスプレイ素子とを組み合わせたディスプレイ素子も開示される。該組み合わせは、ディスプレイ素子の周辺部に配置された発光ダイオードと、ダイオードの出力をディスプレイ素子の面に実質的に平行に方向付けるパッケージ支持体とを備えた、実質的に平面のディスプレイ素子を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)に関し、より具体的には、横向き表面実装(side−view surface mount)用途に使用され、かつ白色光を生成するパッケージ化されたLEDに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードの基礎物理特性は、従来技術において十分に理解されており、これに限定されないが、非特許文献1および非特許文献2を含む、複数の出展において説明されている。発光ダイオードの実用的な用途も十分に理解されており、非特許文献3および人虚文献4を含む、複数の出展において有用な表現で説明されている。
【0003】
横向き表面実装ダイオード(「サイドルッカ」(side−lookersまたはsidelookers)とも称される)は、回路基板または類似した取り付け台の面に平行に放射ビームを伝達する様式でパッケージ化される。そしてまた、白色光を生成することができるサイドルッカダイオードは、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型ゲームデバイス、および類似した用途のカラースクリーンディスプレイのような、比較的小さなデバイスへの組み込みに有用である。
【0004】
このような用途は、しばしば、液晶ディスプレイ(「LCD」)、偏光材料、およびカラーフィルタを使用して、フルカラー効果を生じさせる。典型的な液晶は、光を生成しないので、多くの場合、光源および他のディスプレイ素子とともに使用されて、所望の可視出力を生成する。多くの理由(低コスト、長寿命、信頼性)により、発光ダイオードは、そのようなディスプレイの光源として多用される。そしてまた、白色光を生成するLEDは、特にそのような用途に有用である。
【0005】
セルラ電話のような物理的に小型または低電力のディスプレイ用途では、他のディスプレイ素子の縁部または周辺部に沿って白色LEDダイオードを配置する設計が成されている。LEDをこの位置に配置したときに、該LEDは、ディスプレイに対して垂直ではなく、実質的に平行な出力を提供する。従って、規定された面(通常は、回路基板またはディスプレイ素子)に対して横方向に出力を方向付ける様式でパッケージ化されたダイオードは、横向き表面実装ダイオードまたは「サイドルッカ」と称される。
【0006】
概して、発光ダイオードは、2つの異なる手法を使用して白色光を生成する。1つの手法では、補色色相(例、赤色、緑色、青色)の複数のLEDを組み合わせて、白色光を生成する。もう1つの手法では、可視スペクトルの高エネルギ部分(すなわち、青色、青紫色、または紫外線)において放出する発光ダイオードを、可視スペクトルの低エネルギ領域において放出する蛍光体(例えば、高エネルギ部分によって励起されたときに黄色を放出する)とともに使用する。適切に選択すると、ダイオードによって放出された放射と、蛍光体によって放出された黄色の放射との組み合わせが白色光を生成する。
【0007】
赤色−緑色−青色ダイオードによる手法は、状況によってはより忠実な(truer)色を成すという利点を提供することができるが、一般的に、各LED色相の能動的なフィードバックおよび制御が必要である。別様には、蛍光体を用いた単一のダイオードの手法は、一般的にダイオードチップに隣接した封止材によって担持された、単一の(通常は青色の)LEDおよび1つ以上の蛍光体しか必要としないので、物理的構成および回路に関しては幾分単純である。
【0008】
多数のこれらのディスプレイ用途に対しては、可視性が主要な目標である。従って、あらゆる所与の供給源から可能な限り多くの光出力を得るという、決まった目標が残る。しかし、サイドルッカLEDでは、エンドユーザおよび時折中間製造業者は、可視出力の少なさ、ひいては下層のダイオードが示す能力の低さに直面する場合がある。その際、半導体ダイオード自体(以下、本願明細書では、「チップ」と称する)の出力は、しばしば、電力に換算して表される(例、ミリワット:mW)。しかし、ダイオードの最終用途はディスプレイであるので、パッケージ化されたときの出力およびその使用は、一般的に光度に換算して測定および表される。光度は、カンデラ(1ステラジアンあたりのルーメン)に換算して測定される。カンデラは、1ステラジアンあたり1.46ミリワットの強度を有する特定の方向における555ナノメートル(nm)での単色光源からの電磁場の大きさとして定義されているので、ダイオードの理論的に完全な発光出力は、その電力出力から計算することができる。
【0009】
しかし、実際には、複数の因子(そのいくつかは、不可避である)により、効率が、理論的なものからあまり大きくない実際の出力まで減じられる。1つの因子は、大部分のLEDにおいて光を生成するp−n接合が、固有の指向性出力を持たないことである。代わりに、接合部から全方向に光子が放出される。従って、光子がこうした異なる方向に移動すると、その一部が吸収または内部反射される。
【0010】
出力を減じる可能性のある他の因子には、蛍光体の量および組成、その配置、封止材の組成および幾何学的形状、およびパッケージの幾何学的形状が挙げられる。
【非特許文献1】Sze、Physics of Semiconductor Devices、2nd Edition(1981年)
【非特許文献2】Sze、Modern Semiconductor Device Physics(1998年)
【非特許文献3】LED Lighting Systems、NLPIP Lighting Answers、Volume 7、Issue 3(2003年5月)
【非特許文献4】Schubert、Light Emitting Diodes(Cambridge University Press、2003年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、より明るいディスプレイを製造するには、横向き表面実装の白色発光ダイオードの出力効率を増加させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一側面では、本発明は、発光ダイオードである。該ダイオードは、パッケージ支持体と、該パッケージ支持体上の半導体チップとを含み、該チップは、スペクトルの可視部分の光を放射する活性領域を含む。金属接点は、パッケージ上のチップと電気的に接続を行う。実質的に透明な封止材が反射型パッケージのチップを覆う。封止材内の蛍光体は、該チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する。
【0013】
別の側面では、本発明は、発光ダイオードと平面のディスプレイ素子とを組み合わせたディスプレイ素子である。該組み合わせは、ディスプレイ素子の周辺部に配置された発光ダイオードと、ダイオードの出力をディスプレイ素子の面に実質的に平行に方向付けるパッケージ支持体とを備えた、実質的に平面のディスプレイ素子を含む。
【0014】
本発明の上述の目的、他の目的、および利点、ならびにこれらが達成される様式は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明に基づいて、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および2は、本発明に関してさらに説明するための適切な背景を形成する、LED構造体の一般的側面を示す図である。その最も広範な文脈において、本発明は、パッケージ支持体と、該パッケージ支持体上の半導体チップとを備えた発光ダイオードである。例示的な実施形態では、パッケージ支持体は、光出力を高めるように反射型(または反射素子を含む)である。チップは、スペクトルの可視部分またはUV部分の光を放出する活性領域(層、p−n接合)と、反射型パッケージ上のチップと電気的に接続している金属接点と、反射型パッケージ内のチップを覆う実質的に透明な封止材と、チップによって放出される周波数よりも長い波長(より低いエネルギ)の可視スペクトルの放射を放出する、およびチップによって放出される波長に応答して放射を放出する封止材内の蛍光体とを含む。チップは横向きの配向で配向され、チップによって放出された波長と蛍光体によって放出された波長との組み合わせにより、色度図上の適切な境界内の白色光を生成する。
【0016】
こうした文脈から、図1は、全体的に参照数字20で指定された、部分的にパッケージされたダイオードチップを示す図である。「発光ダイオード」または「LED」という用語は、しばしばパッケージ全体に対して使用されるので、本願明細書では「チップ」という用語を使用して、デバイスの半導体部分を表す。図1は、反射型パッケージ支持体21を示す図であり、その性質および構造は、図7を参照して以下に詳述する。図1は、事実上概略図であるので、その形状およびサイズは、特定のデバイスの厳密な代表例ではなく、明確にするために示されているものと理解されよう。
【0017】
図1に示されるように、反射型パッケージ21は、反射凹部および床面23を規定する、下方へ傾斜した(場合によっては、垂直な)4つの壁22を含む。半導体チップ24は、床面23上に載置され、従って反射型パッケージ21上に載置される。チップ24は、概略的に矩形24で示されているが、該チップは、一般的に、複数のエピタキシャル層と、スペクトルの可視部分またはUV部分の光を放出するp−n接合とを含む、活性領域を含むものと理解される。一対の金属接点25および26は、反射型パッケージ21上のチップ24と電気的に接続している。厳密な関係は、図7を参照して以下に詳述するが、一般的に、チップ24の導電部分は、金属接点のうちの1つ(図1の25)と電気的に接続し、一方で、ワイヤ27がチップ24をもう1つの接点26に接続する。また、接点25および26は、直方体として概略的に示されているが、それらの目的は、適切な回路基板に相補型デバイスを嵌合することであり、従って、必要に応じて成形されるものと理解されよう。
【0018】
図2は、全体が参照数字30で示された、パッケージ化された発光ダイオードの別の配置を示す概略図である。図2において、半導体チップ31は、金属リードフレーム素子32上に直接載置される。相補型金属接点33は、パッケージ30全体のうちの一部を形成し、ワイヤ34を通じてチップ31と電気的に接続する。
【0019】
図2は、パッケージ30内のリードフレーム32上のチップ31を覆う実質的に透明な封止材も示している。図1には封止材が示されていないが、概略的に説明すれば、該材料は、傾斜壁22および床面23によって規定された反射型パッケージ21内の凹部を部分的に、または完全に満たしている。
【0020】
図2は、封止材35に含まれた、全体的に参照数字36で示された蛍光体を示している。蛍光体36は、チップ31によって放出された放射、およびチップ31によって放出された波長に応答して放出された放射よりも低いエネルギを有する可視スペクトルの放射を放出する。
【0021】
背景の文脈としての図1および図2によって、本発明の更なる機能は、残りの図面に関して理解されよう。
【0022】
本発明に従って、蛍光体の性質が、本願明細書に記載したタイプの横向き表面実装ダイオードの出力効率を改善できるということが発見された。大部分の蛍光体は、沈殿および焼成を含む化学反応によって生成された固体材料である。蛍光体を処理および貯蔵するときに、それらの個々の物理的粒子を凝集させることができる。概して、非凝集蛍光体は、凝集させたものよりも良好に機能する傾向がある。さらに、非凝集粒子のより良好な機能のため、蛍光体をミリングすることによって、粒子サイズを減じることができる。それでもなお、ミリングプロセスは、蛍光体の光学的応答を減じる非放射経路を生成する可能性のある表面欠陥を方向付けることによって、蛍光体の光学的性能を低下させる。
【0023】
例示の目的で、本願明細書の図3は、凝集させた蛍光体を示す写真であり、図4は、非凝集蛍光体の写真であり、図5は、ミリングした蛍光体の写真である。(チップからの)青色放射を相補する好適な蛍光体には、色度(CIE)図に記載の関連する放出座標に関して、YAG:Ce(ccx=0.44,ccy=0.54)およびその誘導体、(Sr,Ba)2Si04):Eu(0.43,0.53)、CaGa2S4:Eu、緑色を放出するSrGa2S4:Eu(ccx=0.27,ccy=0.68)、および赤色を放出する(Sr,Ca)S:Eu(ccx=0.65,ccy=0.33)が挙げられる。
【0024】
蛍光体の粒子サイズは、所与の粒子の最大直径に基づいて、約1ミクロン(1μm)を超えることが好ましく、効率を最大化するためには約2μmを超えることが好ましい。粒子が小さいと、封止材内で適切に定着または分散しない傾向があり、従って、色の不均一性をもたらす傾向がある。粒子が大きすぎると、当然ながら、あらゆる蛍光を発する利益にもかかわらず、光に対する物理的なバリアとなり、その結果、機能を低下させることになる。従って、上限を厳格に定める必要はないが、約2〜25ミクロンのサイズ範囲が好適である。
【0025】
蛍光体の粒子をコーティングすることで、該粒子の取り扱いおよび分散特性が改善されるものと予想される。約1重量パーセント(1%)未満の量を蛍光体の表面に付着させた、ナノメートルサイズ(例、15ナノメートル未満)の、例えば二酸化ケイ素(SiO2)の無機コーティングを行うことで、良好に機能するものと予想される。その例には、Nissan Chemical America Corporation(Houston、Texas、USA)製のコロイド状シリカのSNOWTEXラインが挙げられる。当然、コーティングは、チップからの励磁周波数、および蛍光体からの放出周波数の両方を透過しなければならない。
【0026】
好適な実施形態では、本発明に従う半導体チップは、炭化ケイ素(SiC)またはIII族窒化物のような、広いバンドギャップの半導体材料で形成される。その例には、本願明細書の譲受人であるCree,Inc.(Durham、NC、USA)によるチップが挙げられる。Cree Products、[オンライン]http://www.cree.com/products/index(2006年4月)を参照されたい。それらの幅広いバンドギャップ能力により、これらのチップは、可視スペクトルの青色部分で放出する傾向がある。従って、スペクトルの黄色部分で放出する蛍光体は、青色放出ダイオードチップの好適な相補蛍光体(complement)である。例示的なチップは、380nmの短さの波長で(すなわち、UVで)放出することができ、(20ミリアンペア(mA)の電流で)3ボルト(V)以下の順電圧で動作するチップを含み得る。チップは、光抽出を高めるように、粗面化した、またはレンズ状の表面または基板を含み得る。
【0027】
蛍光体の組み合わせは、青色またはUV放出チップとともに使用して(例、青色と黄色、青色と緑色と赤色、および青色と緑色と黄色と赤色)、白色光を生じさせることができる。3つ以上の色を使用することで、特定の白色点、およびより良好な色表示(color rendering)を選択する機会が提供される。また、2つ以上の放出ピークを有するLEDは、1つ以上の蛍光体を励起して、白色光を生成するのに有用となることも予想される。
【0028】
本願明細書で使用する場合、および一般的に当該分野では、「白色」という用語は、組み合わせたときに人間の眼に白色の影として現れる、2つ以上の放出を生成するデバイスの出力を説明する際に使用される。特に、照明デバイスは、それらの「相関色温度」(CCT)によって分類される場合があるが、これは、特定のデバイスの色を、特定の温度に加熱された参照光源と比較するものである。本発明に従うデバイスは、少なくとも4500K〜8000K、場合によっては2700K〜10,000KのCCTを有する。
【0029】
「白色」光を説明する別の方法として、図6は、十分に理解された色度(すなわち「CIE」)のグラフである。該グラフおよび色の性質に精通していれば、2つの色源が利用可能なときに、それらが生成できる唯一の可能な色の組み合わせは、CIEのグラフ上において、それらの色と色の間の単一の線に沿って含まれることが理解されよう。第3または第4の色を加えることによって、利用可能な色点は、選択した色のそれぞれの点によって規定される多角形内に含まれる。従って、2つの異なる放出を伴う2つの蛍光体をチップおよびその第3の色放出とともに使用したときには、ダイオードによって放出される色は、グラフ内の特定の位置(すなわち、白色を含む特定の色)に含まれるように設計することができる。白色光を表すCIEのグラフ内の位置は、この技術分野において概ね十分に理解されている。
【0030】
図7〜図13は、チップ、反射型パッケージ、封止材、蛍光体、潜在的にディフューザ、および接点の中の、およびそれらの間の種々の可能な関係を示す図である。
【0031】
図7は、全体的に参照数字40で示されたLEDを示す図であり、半導体チップ41は、反射型パッケージ42の床面上に配置され、該パッケージは、一般的に、ポリフタルアミド(例、Solvay Advanced Polymers,L.L.C.、Alpharetta(GA、USA)によるAMODEL)、または耐熱ポリアミド樹脂(例、Kuraray Co.,Ltd(東京、日本)によるGENESTAR)のような白色樹脂で形成される。封止材43は、部分的に樹脂パッケージ42の凹部(図1)を満たし、ダイオード40の他の幾何学的形状に関してメニスカス(meniscus)44を形成する。
【0032】
図7では、蛍光体45が定着している(本願明細書では、封止材43の下部25パーセントに、50パーセント以上の蛍光体が存在するものと定義される)。ディフューザ46は、封止材内に含まれ得、光出力を高めることができる。本願明細書で使用する場合、ディフューザは、封止材内の光をより効率的に散乱させ、従って全出力を高めるのを助力する、任意の固体粒子である。ディフューザは、一般的にセラミックであり、チップ、パッケージの幾何学的形状、および蛍光体に対して選択または調整することができる。
【0033】
例えば、ディフューザとして使用される二酸化ケイ素粒子は、一般的な封止材に近い屈折率を提供し、従って「より弱い」ディフューザとして作用する。これにより、損失が少なくなる。SiO2も、容易かつ広範囲に利用可能である。
【0034】
炭化ケイ素(SiC)は、ディフューザとして使用することができ、同様に比較的低損失であるが、屈折率が高いので強いディフューザとなり、状況によっては好都合である。しかし、炭化ケイ素は、概して、粒子サイズが小さいと、二酸化ケイ素よりも機能し難い。
【0035】
二酸化チタン(TiO2)のような他のセラミックは、容易に利用することができ、必要に応じて組み込むことができる。セラミックに加えて、または封止材内にこれらを分散させることに加えて、ディフューザは、実際には、別個の要素にプリフォームし、次いで所望の場所に配置することができる。図7に示されるように、ディフューザ46は、チップ41および蛍光体45を覆って配置することができ、一般的に封止材層内にぶら下げられる。
【0036】
図7は、樹脂パッケージ42とともに接点47も示す。
【0037】
図8は、チップ41および一部の周囲素子の拡大図である。図8では、蛍光体45は、場合により「凹凸のある(globbed)」と称される配向で、チップ46上に直接集結される。ディフューザ46は、封止材43内のメニスカス44と蛍光体45との間に配置される。パッケージ42の部分は、図8の背景を形成する。ワイヤ50は、チップ46の少なくとも1つの電極を接点(図8には示さず)に接続する。
【0038】
図9は、全体的に52で指定された(その他の点では図7および8の参照数字と同じ共通の素子を有する)一実施形態を示す図であり、蛍光体45は、堆積プロシージャ(例、電気泳動析出)によってチップ41上に配置されている。このような堆積により、封止材43とパッケージ42との間のチップ41に対して、蛍光体の極めて均一な配置様式が提供される。
【0039】
図10は、別の要素部分の構成要素として、チップ41を覆って直接配置されたプリフォーム54内に蛍光体を含めた、一実施形態の拡大図である。図10の他の素子は、その他の点では図7〜9と同じである。
【0040】
図11は、図10に類似した配置の図であるが、特定の間隙56、またはチップ46と蛍光体との間に物理的なスペーサ素子を備えている。間隙の存在により、光には、蛍光体54のプリフォームに当たる前にチップ41から逃れる機会が提供され、それによって、光がより低い周波数に変換される機会を得る前に、密に隣接する蛍光体が光を物理的に遮断しないようにする。
【0041】
さらに他の実施形態では(図示せず)、ディフューザ46は、蛍光体よりもチップ41に密に隣接させて配置することができ、従って、光が蛍光体に当たる前に、光を拡散させることができる。
【0042】
例示的な実施形態では、封止材は、単一か、または複数の組成で構成され、該組成は、物理的、光学的、および化学的組成に対して選択される。封止材の例示的な組成には、シリコーン、エポキシ樹脂、エラストマ、特定のゲル、熱可塑性樹脂、およびアクリル樹脂が挙げられる。概して、封止材は、関連する周波数の範囲内で透明でなければならず、チップ内、パッケージ内、蛍光体内、またはディフューザ内の材料との化学反応に対して、耐性を有するか、または不活性でなければならない。可能な範囲で、封止材は、光化学反応に耐性を有さなければならず、また、所望の環境保護、および必要な物理的強度を提供しなければならない。これらの特定の因子のそれぞれは、特定の状況においてさらに重要となる場合があり、従って、特定の用途によって最適な選択は変化する。
【0043】
封止材の屈折率(IR)は、一般的に、約1.4〜約1.6の間の範囲とすべきである。封止材は、この範囲内で屈折率が幾分高い(1.5〜1.6)または幾分低い(1.4〜1.5)ものとしてさらに特徴付けることができる。高屈折率の封止材には複数の利点があるが、低屈折率の材料と同じように伝達させることができない。加えて、屈折率の範囲が1.4〜1.5にある材料は、より広範囲に利用できる傾向がある。
【0044】
封止材の透明性は、1センチ当たり1デシベル未満の損失で、約460〜550ナノメートルの波長のうちの95パーセント超を伝送できるようにしなければならない。
【0045】
物理的な観点から、封止材は、約20〜100のショアD硬度を有し、エラストマは、ショアAスケールで約10〜95であり、また、ゲルは、ショア00スケールで約10〜50である。
【0046】
所望の性質、または必要な製造の性質に依存して、封止材の硬化温度は、好都合な目的を考慮に入れることができる。
【0047】
図7、8、9、10、11、および13に示されるような多くの実施形態では、封止材は、負のメニスカス44を有する。メニスカスの深さは、パッケージの壁とメニスカスとの間の距離として定義され、種々の目的に対して選択することができ、一般的に、0(平面のメニスカス)〜500ミクロンの範囲である。約320〜280ミクロンのメニスカスの深さでは、より狭い視角(90°〜110°)、およびより高い色の均一性が提供される。約260ミクロンの深さでは、より広い視角(110°〜120°)での色の均一性が提供される。
【0048】
必要に応じて、図12に示されるように、封止材43は、ドーム(レンズ)60を形成することができる。例示的な実施形態では、ドームは、パッケージ42の頂部を越えて、約60〜400ミクロンの高さを有することができる。メニスカス44またはドーム60のサイズおよび形状に依存して、近ランバート(near−Lambertian)遠視野パターンを生成することができる。特定の形状は、光抽出の最大化を助力することができるが、一部の色の均一性に対するコスト(すなわちトレードオフ)がかかる場合がある。しかし、必要に応じて、蛍光体およびディフューザの設置を調整して、所望の結果を得ることができる。
【0049】
上述したように、チップ(大部分の図面では41)は、以下の2つの機能を果たす比較的高いエネルギを放出することが好ましい。第1は、蛍光体が、高エネルギ(短波長)の光子を、第2の色の低エネルギ(長波長)の光子に変換することである。第2は、蛍光体からの、変換されない高周波数の光子と低周波数の光子との組み合わせが、白色光を生成できることである。従って、チップは、広いバンドギャップの材料から形成されることが好ましく、例示的な実施形態における該材料は、III族の窒化物のうちの1つである。垂直導通材料(例、炭化ケイ素)上のチップ、または基板を除去したこれらのチップの有用性によって、パッケージ全体を好都合な幾何学的形状とすることができる。導電基板とともに使用したときには、チップは、単一の頂側部接点に限られる場合があるので、必須ではないが、頂側部接点を任意に作製する。
【0050】
チップは、上部接点を用いずに接合される隆起とすることもできる。
【0051】
チップは、効率的な形態で所望のパッケージのサイズに整合するアスペクト比を有することが好ましい。従って、チップのプロファイルは、正方形とするか、または1.2、1.5、2.0(の間の)、またはそれ以上のアスペクト比を有する場合がある。
【0052】
チップは、場合によっては、いくつかの用途において低放射束チップを許容することができるが、30ミリワット超の放射束を有することが好ましい。
【0053】
上述のように、所望の色を得るには、チップからの主波長を約430〜470ナノメートルとし、ピーク波長を約380〜470ナノメートルとすべきである。当業者によって認識されるように、主波長という用語は、約430ナノメートル未満ではあまり意味を成さない。
【0054】
背景技術で詳述したように、パッケージは、3つのチップを組み込んで、白色光を生成する3色ピクセルを形成することができる。3色ピクセルは、白色光の生成にフィルタも蛍光体も不要である、という利点を提供する。しかし、このようなピクセルには、追加的なリード線および回路が必要である。
【0055】
チップの厚さは、重要な設計パラメータになり得る。しかし、厚さは相対的なものであり、いくつかの用途では比較的厚いチップによって良好に機能し、他の用途では比較的薄いチップによって良好に機能することがあると理解されよう。透明な場合、厚いチップは、白色の均一性を助力する傾向があるが、薄いチップは、輝度を増加させる傾向がある。
【0056】
概して、チップのエピタキシャル膜部分は、比較的に小さなものとなり、一般的に約2μmである。しかし、チップサイズ全体は、一般的に約25μmから、最大で250μmの範囲となる。25μmのチップは、輝度的な利点を提供するが、サイズが小さいために取り扱いがより難しくなる。厚いチップは、より容易に取り扱うことができ、上述のように、光抽出の均一性を改善することができる。しかし、基板が透明でない場合は、厚さの増加は、いかなる光学的利点も提供しない。
【0057】
概略図は、例えば図1に示された配向のように、パッケージの幾何学的形状に対して整列した形態でチップを示す傾向がある。しかし、チップは、より効率的に光を抽出するように、異なって(一般的に、面内を回転させて)配向することができる。このような配向は、特に矩形のチップの長軸を矩形のパッケージの長軸と整合させないようにすることによって、色の均一性を改善することができる。
【0058】
図中には具体的に別個の素子として示されていないが、このタイプのダイオードに精通していれば、チップ(例、図7〜13の41)は、何らかの様式でパッケージ42に固定されるものと認識されよう。ある場合では、チップは、銀エポキシまたは共晶金属のような材料によって、導電的に取り付けられる。他の導電的な取り付けには、導電テープ、および導電性の熱可塑性物質(すなわち、導電性経路を形成するように、第2の構成要素をその中に分散させたプラスチック)が挙げられる。このような導電性接着剤は、いくつかの実施形態には必要であるか、または好都合であるが、光損失の更なる可能性を提供する場合がある。例えば、銀エポキシは、使用時には不透明である傾向がある。従って、使用時には、その導電的利点を潜在的な光損失に対してバランスさせる。
【0059】
チップとパッケージとの間の直接の導電的な取り付けが不要な設計の場合、取り付けは、非導電性材料を使用して行うことができる。これらには、封止材と同じ(または関連する)材料、テープ(複数のセルラ電話の構成要素は、一般的にこの様式で取り付けられる)、または熱可塑性プラスチック、エポキシ、シリコーン、およびアクリルを含む、上述の樹脂類のうちの1つが挙げられる。
【0060】
本発明の他の側面を図13〜16に示す。図13は、全体的に参照数字62で指定された、パッケージ化されたチップを示す図であり、傾斜側壁63は、チップ41のサイズに比較的密に整合する床面を形成する角度で配置され、従って、接触領域が減じられる。概して、パッケージ材料42の反射性が、接点金属47よりも高い場合は、接触領域を最小化することで、より大きな光抽出がもたらされる。
【0061】
次に、図14、15、および16は、接触領域を、その光学的特性に基づいて、どのように変更することができるのかを示す図である。図14〜16は、本発明に従うサイドルッカダイオードの側面図であり、光生成の所望の方向は、図面のページから外側へ読み手の方へと向かう。
【0062】
これらの図は、すべてチップ41および樹脂パッケージ42を含む。図1と一致する様式で、樹脂パッケージ42は、複数の傾斜壁64を含み、該壁は、図14〜16において、不規則な6面の多角形を規定し、また、類似の(だが、より小型の)形状の床面65を規定する。
【0063】
図14は、パッケージ材料42の反射性が、66および67で示された金属接点よりも高い実施形態を示す図である。従って、図14では、パッケージ42の床面65に対する接触領域が最小限に抑えられる。
【0064】
図15は、接点材料70、71の反射性が、パッケージ材料42よりも高い一実施形態を示す図である。このような場合、パッケージの床面65に対する接点70、71の領域が大きくなると、得られるデバイスの輝度が増加する。
【0065】
図16は、パッケージ42および接点72、73の反射特性がより類似しており、従って、それぞれの相対的サイズがあまり重要ではない一実施形態を示す図である。
【0066】
図17は、ディスプレイ素子との関連における本発明に従うダイオードの概略図である。ディスプレイ素子は、全体的に参照数字74で指定され、実質的に平面である。上述のように、ディスプレイ74の最終用途には、現在では十分に認識されているセルラ電話、携帯情報端末、および携帯型ゲームデバイスによる複数の用途が含まれる。これらの用途のそれぞれは、明確にするために図17には示されていないが、複数の設計および機能要素を包含する。なお、これらのディスプレイは、当業者には十分に理解されており、従って本発明は、過度の実験を行わずに当該の用途に組み込むことができる。
【0067】
その点を考慮して、図17は、ディスプレイ素子74の周辺部77に配置された2つのダイオード75および76を示す図であり、矢印80は、ダイオードが、ディスプレイ素子74の面に平行な一次方向に光を方向付けることを示す。ディスプレイ素子74は、液晶ディスプレイ81、1つ以上の色フィルタ82、および潜在的に偏光フィルム83のような、概略的に示された追加的な要素も含むことができる。
【0068】
図面および明細書において本発明の好適な一実施形態を説明し、特定の用語を用いたが、それらは、単に一般的かつ記述的な意味で使用したものであり、制限することを目的としたものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、部分的にパッケージ化されたチップを示す概略的な斜視図である。
【図2】図2は、蛍光体を含む、従来のパッケージ化されたLEDチップを示す概略図である。
【図3】図3、図4および図5は、本発明に従う用途に用いられるような蛍光体粒子の写真である。
【図4】図3、図4および図5は、本発明に従う用途に用いられるような蛍光体粒子の写真である。
【図5】図3、図4および図5は、本発明に従う用途に用いられるような蛍光体粒子の写真である。
【図6】図6は、種々の基本デバイスの出力を示す色度図である。
【図7】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)に関し、より具体的には、横向き表面実装(side−view surface mount)用途に使用され、かつ白色光を生成するパッケージ化されたLEDに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードの基礎物理特性は、従来技術において十分に理解されており、これに限定されないが、非特許文献1および非特許文献2を含む、複数の出展において説明されている。発光ダイオードの実用的な用途も十分に理解されており、非特許文献3および人虚文献4を含む、複数の出展において有用な表現で説明されている。
【0003】
横向き表面実装ダイオード(「サイドルッカ」(side−lookersまたはsidelookers)とも称される)は、回路基板または類似した取り付け台の面に平行に放射ビームを伝達する様式でパッケージ化される。そしてまた、白色光を生成することができるサイドルッカダイオードは、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型ゲームデバイス、および類似した用途のカラースクリーンディスプレイのような、比較的小さなデバイスへの組み込みに有用である。
【0004】
このような用途は、しばしば、液晶ディスプレイ(「LCD」)、偏光材料、およびカラーフィルタを使用して、フルカラー効果を生じさせる。典型的な液晶は、光を生成しないので、多くの場合、光源および他のディスプレイ素子とともに使用されて、所望の可視出力を生成する。多くの理由(低コスト、長寿命、信頼性)により、発光ダイオードは、そのようなディスプレイの光源として多用される。そしてまた、白色光を生成するLEDは、特にそのような用途に有用である。
【0005】
セルラ電話のような物理的に小型または低電力のディスプレイ用途では、他のディスプレイ素子の縁部または周辺部に沿って白色LEDダイオードを配置する設計が成されている。LEDをこの位置に配置したときに、該LEDは、ディスプレイに対して垂直ではなく、実質的に平行な出力を提供する。従って、規定された面(通常は、回路基板またはディスプレイ素子)に対して横方向に出力を方向付ける様式でパッケージ化されたダイオードは、横向き表面実装ダイオードまたは「サイドルッカ」と称される。
【0006】
概して、発光ダイオードは、2つの異なる手法を使用して白色光を生成する。1つの手法では、補色色相(例、赤色、緑色、青色)の複数のLEDを組み合わせて、白色光を生成する。もう1つの手法では、可視スペクトルの高エネルギ部分(すなわち、青色、青紫色、または紫外線)において放出する発光ダイオードを、可視スペクトルの低エネルギ領域において放出する蛍光体(例えば、高エネルギ部分によって励起されたときに黄色を放出する)とともに使用する。適切に選択すると、ダイオードによって放出された放射と、蛍光体によって放出された黄色の放射との組み合わせが白色光を生成する。
【0007】
赤色−緑色−青色ダイオードによる手法は、状況によってはより忠実な(truer)色を成すという利点を提供することができるが、一般的に、各LED色相の能動的なフィードバックおよび制御が必要である。別様には、蛍光体を用いた単一のダイオードの手法は、一般的にダイオードチップに隣接した封止材によって担持された、単一の(通常は青色の)LEDおよび1つ以上の蛍光体しか必要としないので、物理的構成および回路に関しては幾分単純である。
【0008】
多数のこれらのディスプレイ用途に対しては、可視性が主要な目標である。従って、あらゆる所与の供給源から可能な限り多くの光出力を得るという、決まった目標が残る。しかし、サイドルッカLEDでは、エンドユーザおよび時折中間製造業者は、可視出力の少なさ、ひいては下層のダイオードが示す能力の低さに直面する場合がある。その際、半導体ダイオード自体(以下、本願明細書では、「チップ」と称する)の出力は、しばしば、電力に換算して表される(例、ミリワット:mW)。しかし、ダイオードの最終用途はディスプレイであるので、パッケージ化されたときの出力およびその使用は、一般的に光度に換算して測定および表される。光度は、カンデラ(1ステラジアンあたりのルーメン)に換算して測定される。カンデラは、1ステラジアンあたり1.46ミリワットの強度を有する特定の方向における555ナノメートル(nm)での単色光源からの電磁場の大きさとして定義されているので、ダイオードの理論的に完全な発光出力は、その電力出力から計算することができる。
【0009】
しかし、実際には、複数の因子(そのいくつかは、不可避である)により、効率が、理論的なものからあまり大きくない実際の出力まで減じられる。1つの因子は、大部分のLEDにおいて光を生成するp−n接合が、固有の指向性出力を持たないことである。代わりに、接合部から全方向に光子が放出される。従って、光子がこうした異なる方向に移動すると、その一部が吸収または内部反射される。
【0010】
出力を減じる可能性のある他の因子には、蛍光体の量および組成、その配置、封止材の組成および幾何学的形状、およびパッケージの幾何学的形状が挙げられる。
【非特許文献1】Sze、Physics of Semiconductor Devices、2nd Edition(1981年)
【非特許文献2】Sze、Modern Semiconductor Device Physics(1998年)
【非特許文献3】LED Lighting Systems、NLPIP Lighting Answers、Volume 7、Issue 3(2003年5月)
【非特許文献4】Schubert、Light Emitting Diodes(Cambridge University Press、2003年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、より明るいディスプレイを製造するには、横向き表面実装の白色発光ダイオードの出力効率を増加させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一側面では、本発明は、発光ダイオードである。該ダイオードは、パッケージ支持体と、該パッケージ支持体上の半導体チップとを含み、該チップは、スペクトルの可視部分の光を放射する活性領域を含む。金属接点は、パッケージ上のチップと電気的に接続を行う。実質的に透明な封止材が反射型パッケージのチップを覆う。封止材内の蛍光体は、該チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する。
【0013】
別の側面では、本発明は、発光ダイオードと平面のディスプレイ素子とを組み合わせたディスプレイ素子である。該組み合わせは、ディスプレイ素子の周辺部に配置された発光ダイオードと、ダイオードの出力をディスプレイ素子の面に実質的に平行に方向付けるパッケージ支持体とを備えた、実質的に平面のディスプレイ素子を含む。
【0014】
本発明の上述の目的、他の目的、および利点、ならびにこれらが達成される様式は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明に基づいて、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および2は、本発明に関してさらに説明するための適切な背景を形成する、LED構造体の一般的側面を示す図である。その最も広範な文脈において、本発明は、パッケージ支持体と、該パッケージ支持体上の半導体チップとを備えた発光ダイオードである。例示的な実施形態では、パッケージ支持体は、光出力を高めるように反射型(または反射素子を含む)である。チップは、スペクトルの可視部分またはUV部分の光を放出する活性領域(層、p−n接合)と、反射型パッケージ上のチップと電気的に接続している金属接点と、反射型パッケージ内のチップを覆う実質的に透明な封止材と、チップによって放出される周波数よりも長い波長(より低いエネルギ)の可視スペクトルの放射を放出する、およびチップによって放出される波長に応答して放射を放出する封止材内の蛍光体とを含む。チップは横向きの配向で配向され、チップによって放出された波長と蛍光体によって放出された波長との組み合わせにより、色度図上の適切な境界内の白色光を生成する。
【0016】
こうした文脈から、図1は、全体的に参照数字20で指定された、部分的にパッケージされたダイオードチップを示す図である。「発光ダイオード」または「LED」という用語は、しばしばパッケージ全体に対して使用されるので、本願明細書では「チップ」という用語を使用して、デバイスの半導体部分を表す。図1は、反射型パッケージ支持体21を示す図であり、その性質および構造は、図7を参照して以下に詳述する。図1は、事実上概略図であるので、その形状およびサイズは、特定のデバイスの厳密な代表例ではなく、明確にするために示されているものと理解されよう。
【0017】
図1に示されるように、反射型パッケージ21は、反射凹部および床面23を規定する、下方へ傾斜した(場合によっては、垂直な)4つの壁22を含む。半導体チップ24は、床面23上に載置され、従って反射型パッケージ21上に載置される。チップ24は、概略的に矩形24で示されているが、該チップは、一般的に、複数のエピタキシャル層と、スペクトルの可視部分またはUV部分の光を放出するp−n接合とを含む、活性領域を含むものと理解される。一対の金属接点25および26は、反射型パッケージ21上のチップ24と電気的に接続している。厳密な関係は、図7を参照して以下に詳述するが、一般的に、チップ24の導電部分は、金属接点のうちの1つ(図1の25)と電気的に接続し、一方で、ワイヤ27がチップ24をもう1つの接点26に接続する。また、接点25および26は、直方体として概略的に示されているが、それらの目的は、適切な回路基板に相補型デバイスを嵌合することであり、従って、必要に応じて成形されるものと理解されよう。
【0018】
図2は、全体が参照数字30で示された、パッケージ化された発光ダイオードの別の配置を示す概略図である。図2において、半導体チップ31は、金属リードフレーム素子32上に直接載置される。相補型金属接点33は、パッケージ30全体のうちの一部を形成し、ワイヤ34を通じてチップ31と電気的に接続する。
【0019】
図2は、パッケージ30内のリードフレーム32上のチップ31を覆う実質的に透明な封止材も示している。図1には封止材が示されていないが、概略的に説明すれば、該材料は、傾斜壁22および床面23によって規定された反射型パッケージ21内の凹部を部分的に、または完全に満たしている。
【0020】
図2は、封止材35に含まれた、全体的に参照数字36で示された蛍光体を示している。蛍光体36は、チップ31によって放出された放射、およびチップ31によって放出された波長に応答して放出された放射よりも低いエネルギを有する可視スペクトルの放射を放出する。
【0021】
背景の文脈としての図1および図2によって、本発明の更なる機能は、残りの図面に関して理解されよう。
【0022】
本発明に従って、蛍光体の性質が、本願明細書に記載したタイプの横向き表面実装ダイオードの出力効率を改善できるということが発見された。大部分の蛍光体は、沈殿および焼成を含む化学反応によって生成された固体材料である。蛍光体を処理および貯蔵するときに、それらの個々の物理的粒子を凝集させることができる。概して、非凝集蛍光体は、凝集させたものよりも良好に機能する傾向がある。さらに、非凝集粒子のより良好な機能のため、蛍光体をミリングすることによって、粒子サイズを減じることができる。それでもなお、ミリングプロセスは、蛍光体の光学的応答を減じる非放射経路を生成する可能性のある表面欠陥を方向付けることによって、蛍光体の光学的性能を低下させる。
【0023】
例示の目的で、本願明細書の図3は、凝集させた蛍光体を示す写真であり、図4は、非凝集蛍光体の写真であり、図5は、ミリングした蛍光体の写真である。(チップからの)青色放射を相補する好適な蛍光体には、色度(CIE)図に記載の関連する放出座標に関して、YAG:Ce(ccx=0.44,ccy=0.54)およびその誘導体、(Sr,Ba)2Si04):Eu(0.43,0.53)、CaGa2S4:Eu、緑色を放出するSrGa2S4:Eu(ccx=0.27,ccy=0.68)、および赤色を放出する(Sr,Ca)S:Eu(ccx=0.65,ccy=0.33)が挙げられる。
【0024】
蛍光体の粒子サイズは、所与の粒子の最大直径に基づいて、約1ミクロン(1μm)を超えることが好ましく、効率を最大化するためには約2μmを超えることが好ましい。粒子が小さいと、封止材内で適切に定着または分散しない傾向があり、従って、色の不均一性をもたらす傾向がある。粒子が大きすぎると、当然ながら、あらゆる蛍光を発する利益にもかかわらず、光に対する物理的なバリアとなり、その結果、機能を低下させることになる。従って、上限を厳格に定める必要はないが、約2〜25ミクロンのサイズ範囲が好適である。
【0025】
蛍光体の粒子をコーティングすることで、該粒子の取り扱いおよび分散特性が改善されるものと予想される。約1重量パーセント(1%)未満の量を蛍光体の表面に付着させた、ナノメートルサイズ(例、15ナノメートル未満)の、例えば二酸化ケイ素(SiO2)の無機コーティングを行うことで、良好に機能するものと予想される。その例には、Nissan Chemical America Corporation(Houston、Texas、USA)製のコロイド状シリカのSNOWTEXラインが挙げられる。当然、コーティングは、チップからの励磁周波数、および蛍光体からの放出周波数の両方を透過しなければならない。
【0026】
好適な実施形態では、本発明に従う半導体チップは、炭化ケイ素(SiC)またはIII族窒化物のような、広いバンドギャップの半導体材料で形成される。その例には、本願明細書の譲受人であるCree,Inc.(Durham、NC、USA)によるチップが挙げられる。Cree Products、[オンライン]http://www.cree.com/products/index(2006年4月)を参照されたい。それらの幅広いバンドギャップ能力により、これらのチップは、可視スペクトルの青色部分で放出する傾向がある。従って、スペクトルの黄色部分で放出する蛍光体は、青色放出ダイオードチップの好適な相補蛍光体(complement)である。例示的なチップは、380nmの短さの波長で(すなわち、UVで)放出することができ、(20ミリアンペア(mA)の電流で)3ボルト(V)以下の順電圧で動作するチップを含み得る。チップは、光抽出を高めるように、粗面化した、またはレンズ状の表面または基板を含み得る。
【0027】
蛍光体の組み合わせは、青色またはUV放出チップとともに使用して(例、青色と黄色、青色と緑色と赤色、および青色と緑色と黄色と赤色)、白色光を生じさせることができる。3つ以上の色を使用することで、特定の白色点、およびより良好な色表示(color rendering)を選択する機会が提供される。また、2つ以上の放出ピークを有するLEDは、1つ以上の蛍光体を励起して、白色光を生成するのに有用となることも予想される。
【0028】
本願明細書で使用する場合、および一般的に当該分野では、「白色」という用語は、組み合わせたときに人間の眼に白色の影として現れる、2つ以上の放出を生成するデバイスの出力を説明する際に使用される。特に、照明デバイスは、それらの「相関色温度」(CCT)によって分類される場合があるが、これは、特定のデバイスの色を、特定の温度に加熱された参照光源と比較するものである。本発明に従うデバイスは、少なくとも4500K〜8000K、場合によっては2700K〜10,000KのCCTを有する。
【0029】
「白色」光を説明する別の方法として、図6は、十分に理解された色度(すなわち「CIE」)のグラフである。該グラフおよび色の性質に精通していれば、2つの色源が利用可能なときに、それらが生成できる唯一の可能な色の組み合わせは、CIEのグラフ上において、それらの色と色の間の単一の線に沿って含まれることが理解されよう。第3または第4の色を加えることによって、利用可能な色点は、選択した色のそれぞれの点によって規定される多角形内に含まれる。従って、2つの異なる放出を伴う2つの蛍光体をチップおよびその第3の色放出とともに使用したときには、ダイオードによって放出される色は、グラフ内の特定の位置(すなわち、白色を含む特定の色)に含まれるように設計することができる。白色光を表すCIEのグラフ内の位置は、この技術分野において概ね十分に理解されている。
【0030】
図7〜図13は、チップ、反射型パッケージ、封止材、蛍光体、潜在的にディフューザ、および接点の中の、およびそれらの間の種々の可能な関係を示す図である。
【0031】
図7は、全体的に参照数字40で示されたLEDを示す図であり、半導体チップ41は、反射型パッケージ42の床面上に配置され、該パッケージは、一般的に、ポリフタルアミド(例、Solvay Advanced Polymers,L.L.C.、Alpharetta(GA、USA)によるAMODEL)、または耐熱ポリアミド樹脂(例、Kuraray Co.,Ltd(東京、日本)によるGENESTAR)のような白色樹脂で形成される。封止材43は、部分的に樹脂パッケージ42の凹部(図1)を満たし、ダイオード40の他の幾何学的形状に関してメニスカス(meniscus)44を形成する。
【0032】
図7では、蛍光体45が定着している(本願明細書では、封止材43の下部25パーセントに、50パーセント以上の蛍光体が存在するものと定義される)。ディフューザ46は、封止材内に含まれ得、光出力を高めることができる。本願明細書で使用する場合、ディフューザは、封止材内の光をより効率的に散乱させ、従って全出力を高めるのを助力する、任意の固体粒子である。ディフューザは、一般的にセラミックであり、チップ、パッケージの幾何学的形状、および蛍光体に対して選択または調整することができる。
【0033】
例えば、ディフューザとして使用される二酸化ケイ素粒子は、一般的な封止材に近い屈折率を提供し、従って「より弱い」ディフューザとして作用する。これにより、損失が少なくなる。SiO2も、容易かつ広範囲に利用可能である。
【0034】
炭化ケイ素(SiC)は、ディフューザとして使用することができ、同様に比較的低損失であるが、屈折率が高いので強いディフューザとなり、状況によっては好都合である。しかし、炭化ケイ素は、概して、粒子サイズが小さいと、二酸化ケイ素よりも機能し難い。
【0035】
二酸化チタン(TiO2)のような他のセラミックは、容易に利用することができ、必要に応じて組み込むことができる。セラミックに加えて、または封止材内にこれらを分散させることに加えて、ディフューザは、実際には、別個の要素にプリフォームし、次いで所望の場所に配置することができる。図7に示されるように、ディフューザ46は、チップ41および蛍光体45を覆って配置することができ、一般的に封止材層内にぶら下げられる。
【0036】
図7は、樹脂パッケージ42とともに接点47も示す。
【0037】
図8は、チップ41および一部の周囲素子の拡大図である。図8では、蛍光体45は、場合により「凹凸のある(globbed)」と称される配向で、チップ46上に直接集結される。ディフューザ46は、封止材43内のメニスカス44と蛍光体45との間に配置される。パッケージ42の部分は、図8の背景を形成する。ワイヤ50は、チップ46の少なくとも1つの電極を接点(図8には示さず)に接続する。
【0038】
図9は、全体的に52で指定された(その他の点では図7および8の参照数字と同じ共通の素子を有する)一実施形態を示す図であり、蛍光体45は、堆積プロシージャ(例、電気泳動析出)によってチップ41上に配置されている。このような堆積により、封止材43とパッケージ42との間のチップ41に対して、蛍光体の極めて均一な配置様式が提供される。
【0039】
図10は、別の要素部分の構成要素として、チップ41を覆って直接配置されたプリフォーム54内に蛍光体を含めた、一実施形態の拡大図である。図10の他の素子は、その他の点では図7〜9と同じである。
【0040】
図11は、図10に類似した配置の図であるが、特定の間隙56、またはチップ46と蛍光体との間に物理的なスペーサ素子を備えている。間隙の存在により、光には、蛍光体54のプリフォームに当たる前にチップ41から逃れる機会が提供され、それによって、光がより低い周波数に変換される機会を得る前に、密に隣接する蛍光体が光を物理的に遮断しないようにする。
【0041】
さらに他の実施形態では(図示せず)、ディフューザ46は、蛍光体よりもチップ41に密に隣接させて配置することができ、従って、光が蛍光体に当たる前に、光を拡散させることができる。
【0042】
例示的な実施形態では、封止材は、単一か、または複数の組成で構成され、該組成は、物理的、光学的、および化学的組成に対して選択される。封止材の例示的な組成には、シリコーン、エポキシ樹脂、エラストマ、特定のゲル、熱可塑性樹脂、およびアクリル樹脂が挙げられる。概して、封止材は、関連する周波数の範囲内で透明でなければならず、チップ内、パッケージ内、蛍光体内、またはディフューザ内の材料との化学反応に対して、耐性を有するか、または不活性でなければならない。可能な範囲で、封止材は、光化学反応に耐性を有さなければならず、また、所望の環境保護、および必要な物理的強度を提供しなければならない。これらの特定の因子のそれぞれは、特定の状況においてさらに重要となる場合があり、従って、特定の用途によって最適な選択は変化する。
【0043】
封止材の屈折率(IR)は、一般的に、約1.4〜約1.6の間の範囲とすべきである。封止材は、この範囲内で屈折率が幾分高い(1.5〜1.6)または幾分低い(1.4〜1.5)ものとしてさらに特徴付けることができる。高屈折率の封止材には複数の利点があるが、低屈折率の材料と同じように伝達させることができない。加えて、屈折率の範囲が1.4〜1.5にある材料は、より広範囲に利用できる傾向がある。
【0044】
封止材の透明性は、1センチ当たり1デシベル未満の損失で、約460〜550ナノメートルの波長のうちの95パーセント超を伝送できるようにしなければならない。
【0045】
物理的な観点から、封止材は、約20〜100のショアD硬度を有し、エラストマは、ショアAスケールで約10〜95であり、また、ゲルは、ショア00スケールで約10〜50である。
【0046】
所望の性質、または必要な製造の性質に依存して、封止材の硬化温度は、好都合な目的を考慮に入れることができる。
【0047】
図7、8、9、10、11、および13に示されるような多くの実施形態では、封止材は、負のメニスカス44を有する。メニスカスの深さは、パッケージの壁とメニスカスとの間の距離として定義され、種々の目的に対して選択することができ、一般的に、0(平面のメニスカス)〜500ミクロンの範囲である。約320〜280ミクロンのメニスカスの深さでは、より狭い視角(90°〜110°)、およびより高い色の均一性が提供される。約260ミクロンの深さでは、より広い視角(110°〜120°)での色の均一性が提供される。
【0048】
必要に応じて、図12に示されるように、封止材43は、ドーム(レンズ)60を形成することができる。例示的な実施形態では、ドームは、パッケージ42の頂部を越えて、約60〜400ミクロンの高さを有することができる。メニスカス44またはドーム60のサイズおよび形状に依存して、近ランバート(near−Lambertian)遠視野パターンを生成することができる。特定の形状は、光抽出の最大化を助力することができるが、一部の色の均一性に対するコスト(すなわちトレードオフ)がかかる場合がある。しかし、必要に応じて、蛍光体およびディフューザの設置を調整して、所望の結果を得ることができる。
【0049】
上述したように、チップ(大部分の図面では41)は、以下の2つの機能を果たす比較的高いエネルギを放出することが好ましい。第1は、蛍光体が、高エネルギ(短波長)の光子を、第2の色の低エネルギ(長波長)の光子に変換することである。第2は、蛍光体からの、変換されない高周波数の光子と低周波数の光子との組み合わせが、白色光を生成できることである。従って、チップは、広いバンドギャップの材料から形成されることが好ましく、例示的な実施形態における該材料は、III族の窒化物のうちの1つである。垂直導通材料(例、炭化ケイ素)上のチップ、または基板を除去したこれらのチップの有用性によって、パッケージ全体を好都合な幾何学的形状とすることができる。導電基板とともに使用したときには、チップは、単一の頂側部接点に限られる場合があるので、必須ではないが、頂側部接点を任意に作製する。
【0050】
チップは、上部接点を用いずに接合される隆起とすることもできる。
【0051】
チップは、効率的な形態で所望のパッケージのサイズに整合するアスペクト比を有することが好ましい。従って、チップのプロファイルは、正方形とするか、または1.2、1.5、2.0(の間の)、またはそれ以上のアスペクト比を有する場合がある。
【0052】
チップは、場合によっては、いくつかの用途において低放射束チップを許容することができるが、30ミリワット超の放射束を有することが好ましい。
【0053】
上述のように、所望の色を得るには、チップからの主波長を約430〜470ナノメートルとし、ピーク波長を約380〜470ナノメートルとすべきである。当業者によって認識されるように、主波長という用語は、約430ナノメートル未満ではあまり意味を成さない。
【0054】
背景技術で詳述したように、パッケージは、3つのチップを組み込んで、白色光を生成する3色ピクセルを形成することができる。3色ピクセルは、白色光の生成にフィルタも蛍光体も不要である、という利点を提供する。しかし、このようなピクセルには、追加的なリード線および回路が必要である。
【0055】
チップの厚さは、重要な設計パラメータになり得る。しかし、厚さは相対的なものであり、いくつかの用途では比較的厚いチップによって良好に機能し、他の用途では比較的薄いチップによって良好に機能することがあると理解されよう。透明な場合、厚いチップは、白色の均一性を助力する傾向があるが、薄いチップは、輝度を増加させる傾向がある。
【0056】
概して、チップのエピタキシャル膜部分は、比較的に小さなものとなり、一般的に約2μmである。しかし、チップサイズ全体は、一般的に約25μmから、最大で250μmの範囲となる。25μmのチップは、輝度的な利点を提供するが、サイズが小さいために取り扱いがより難しくなる。厚いチップは、より容易に取り扱うことができ、上述のように、光抽出の均一性を改善することができる。しかし、基板が透明でない場合は、厚さの増加は、いかなる光学的利点も提供しない。
【0057】
概略図は、例えば図1に示された配向のように、パッケージの幾何学的形状に対して整列した形態でチップを示す傾向がある。しかし、チップは、より効率的に光を抽出するように、異なって(一般的に、面内を回転させて)配向することができる。このような配向は、特に矩形のチップの長軸を矩形のパッケージの長軸と整合させないようにすることによって、色の均一性を改善することができる。
【0058】
図中には具体的に別個の素子として示されていないが、このタイプのダイオードに精通していれば、チップ(例、図7〜13の41)は、何らかの様式でパッケージ42に固定されるものと認識されよう。ある場合では、チップは、銀エポキシまたは共晶金属のような材料によって、導電的に取り付けられる。他の導電的な取り付けには、導電テープ、および導電性の熱可塑性物質(すなわち、導電性経路を形成するように、第2の構成要素をその中に分散させたプラスチック)が挙げられる。このような導電性接着剤は、いくつかの実施形態には必要であるか、または好都合であるが、光損失の更なる可能性を提供する場合がある。例えば、銀エポキシは、使用時には不透明である傾向がある。従って、使用時には、その導電的利点を潜在的な光損失に対してバランスさせる。
【0059】
チップとパッケージとの間の直接の導電的な取り付けが不要な設計の場合、取り付けは、非導電性材料を使用して行うことができる。これらには、封止材と同じ(または関連する)材料、テープ(複数のセルラ電話の構成要素は、一般的にこの様式で取り付けられる)、または熱可塑性プラスチック、エポキシ、シリコーン、およびアクリルを含む、上述の樹脂類のうちの1つが挙げられる。
【0060】
本発明の他の側面を図13〜16に示す。図13は、全体的に参照数字62で指定された、パッケージ化されたチップを示す図であり、傾斜側壁63は、チップ41のサイズに比較的密に整合する床面を形成する角度で配置され、従って、接触領域が減じられる。概して、パッケージ材料42の反射性が、接点金属47よりも高い場合は、接触領域を最小化することで、より大きな光抽出がもたらされる。
【0061】
次に、図14、15、および16は、接触領域を、その光学的特性に基づいて、どのように変更することができるのかを示す図である。図14〜16は、本発明に従うサイドルッカダイオードの側面図であり、光生成の所望の方向は、図面のページから外側へ読み手の方へと向かう。
【0062】
これらの図は、すべてチップ41および樹脂パッケージ42を含む。図1と一致する様式で、樹脂パッケージ42は、複数の傾斜壁64を含み、該壁は、図14〜16において、不規則な6面の多角形を規定し、また、類似の(だが、より小型の)形状の床面65を規定する。
【0063】
図14は、パッケージ材料42の反射性が、66および67で示された金属接点よりも高い実施形態を示す図である。従って、図14では、パッケージ42の床面65に対する接触領域が最小限に抑えられる。
【0064】
図15は、接点材料70、71の反射性が、パッケージ材料42よりも高い一実施形態を示す図である。このような場合、パッケージの床面65に対する接点70、71の領域が大きくなると、得られるデバイスの輝度が増加する。
【0065】
図16は、パッケージ42および接点72、73の反射特性がより類似しており、従って、それぞれの相対的サイズがあまり重要ではない一実施形態を示す図である。
【0066】
図17は、ディスプレイ素子との関連における本発明に従うダイオードの概略図である。ディスプレイ素子は、全体的に参照数字74で指定され、実質的に平面である。上述のように、ディスプレイ74の最終用途には、現在では十分に認識されているセルラ電話、携帯情報端末、および携帯型ゲームデバイスによる複数の用途が含まれる。これらの用途のそれぞれは、明確にするために図17には示されていないが、複数の設計および機能要素を包含する。なお、これらのディスプレイは、当業者には十分に理解されており、従って本発明は、過度の実験を行わずに当該の用途に組み込むことができる。
【0067】
その点を考慮して、図17は、ディスプレイ素子74の周辺部77に配置された2つのダイオード75および76を示す図であり、矢印80は、ダイオードが、ディスプレイ素子74の面に平行な一次方向に光を方向付けることを示す。ディスプレイ素子74は、液晶ディスプレイ81、1つ以上の色フィルタ82、および潜在的に偏光フィルム83のような、概略的に示された追加的な要素も含むことができる。
【0068】
図面および明細書において本発明の好適な一実施形態を説明し、特定の用語を用いたが、それらは、単に一般的かつ記述的な意味で使用したものであり、制限することを目的としたものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、部分的にパッケージ化されたチップを示す概略的な斜視図である。
【図2】図2は、蛍光体を含む、従来のパッケージ化されたLEDチップを示す概略図である。
【図3】図3、図4および図5は、本発明に従う用途に用いられるような蛍光体粒子の写真である。
【図4】図3、図4および図5は、本発明に従う用途に用いられるような蛍光体粒子の写真である。
【図5】図3、図4および図5は、本発明に従う用途に用いられるような蛍光体粒子の写真である。
【図6】図6は、種々の基本デバイスの出力を示す色度図である。
【図7】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ支持体と、
該パッケージ支持体上の半導体チップであって、該チップは、スペクトルの可視部分またはUV部分の放射を放出する活性領域を含む、半導体チップと、
該パッケージ上のチップと電気的に接続する金属接点と、
該パッケージ内のチップを覆う実質的に透明な封止材と、
該チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する該封止材内の蛍光体と
を備える、発光ダイオード。
【請求項2】
白色光を生成する組み合わせ出力放射を伴うダイオードおよび蛍光体を備える、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
前記ダイオードは、前記可視スペクトルの青色部分の放出を行う、請求項2に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
前記蛍光体は、YAG:Ce、(Sr,Ba)2SiO4:Eu、CaGa2S4:Eu、SrGa2S4:Eu、および(Sr,Ca)S:Eu、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項2に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
前記蛍光体は、前記封止材内に分散する、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項6】
前記蛍光体は、プリフォーム内にパッケージ化され、前記封止材内に配置される、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項7】
前記封止材内に分散させたディフューザをさらに備える、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項8】
プリフォーム内に分配されたディフューザをさらに備え、該プリフォームが前記ダイオードに隣接する前記封止材内に配置された、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項9】
前記封止材は、前記パッケージおよび前記チップに対するメニスカスを規定する、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項10】
発光ダイオードと、平面のディスプレイ素子との組み合わせを備えたディスプレイ素子であって、該組み合わせは、
実質的に平面のディスプレイ素子と、
該ディスプレイ素子の周辺部に配置された発光ダイオードと
を備え、
該発光ダイオードが、
該ディスプレイ素子の平面に実質的に平行に該ダイオードの出力を方向付ける反射型パッケージ支持体と、
該反射型パッケージ支持体上の半導体チップであって、該チップは、スペクトルの可視部分またはUV部分の放射を放出する活性領域を含む、半導体チップと、
該反射型パッケージ上のチップと電気的に接続する金属接点と、
該反射型パッケージ内のチップを覆う実質的に透明な封止材と、
該チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する該封止材内の蛍光体と
を含む、ディスプレイ素子。
【請求項11】
白色光を生成する組み合わせ出力周波数を有するダイオードおよび蛍光体を備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項12】
液晶ディスプレイを備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項13】
カラーフィルタを備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項14】
偏光板を備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項15】
前記封止材内に複数の蛍光体を備え、該複数の蛍光体は互いに異なる波長で放射を放出する、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項1】
パッケージ支持体と、
該パッケージ支持体上の半導体チップであって、該チップは、スペクトルの可視部分またはUV部分の放射を放出する活性領域を含む、半導体チップと、
該パッケージ上のチップと電気的に接続する金属接点と、
該パッケージ内のチップを覆う実質的に透明な封止材と、
該チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する該封止材内の蛍光体と
を備える、発光ダイオード。
【請求項2】
白色光を生成する組み合わせ出力放射を伴うダイオードおよび蛍光体を備える、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
前記ダイオードは、前記可視スペクトルの青色部分の放出を行う、請求項2に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
前記蛍光体は、YAG:Ce、(Sr,Ba)2SiO4:Eu、CaGa2S4:Eu、SrGa2S4:Eu、および(Sr,Ca)S:Eu、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項2に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
前記蛍光体は、前記封止材内に分散する、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項6】
前記蛍光体は、プリフォーム内にパッケージ化され、前記封止材内に配置される、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項7】
前記封止材内に分散させたディフューザをさらに備える、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項8】
プリフォーム内に分配されたディフューザをさらに備え、該プリフォームが前記ダイオードに隣接する前記封止材内に配置された、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項9】
前記封止材は、前記パッケージおよび前記チップに対するメニスカスを規定する、請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項10】
発光ダイオードと、平面のディスプレイ素子との組み合わせを備えたディスプレイ素子であって、該組み合わせは、
実質的に平面のディスプレイ素子と、
該ディスプレイ素子の周辺部に配置された発光ダイオードと
を備え、
該発光ダイオードが、
該ディスプレイ素子の平面に実質的に平行に該ダイオードの出力を方向付ける反射型パッケージ支持体と、
該反射型パッケージ支持体上の半導体チップであって、該チップは、スペクトルの可視部分またはUV部分の放射を放出する活性領域を含む、半導体チップと、
該反射型パッケージ上のチップと電気的に接続する金属接点と、
該反射型パッケージ内のチップを覆う実質的に透明な封止材と、
該チップによって放出された放射とは異なり、かつ該チップによって放出された波長に応答する可視スペクトルの放射を放出する該封止材内の蛍光体と
を含む、ディスプレイ素子。
【請求項11】
白色光を生成する組み合わせ出力周波数を有するダイオードおよび蛍光体を備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項12】
液晶ディスプレイを備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項13】
カラーフィルタを備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項14】
偏光板を備える、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【請求項15】
前記封止材内に複数の蛍光体を備え、該複数の蛍光体は互いに異なる波長で放射を放出する、請求項10に記載のディスプレイ素子。
【図7】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図8】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図9】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図10】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図11】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図12】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図13】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図14】図14〜図16は、本発明に従うダイオードの側面図である。
【図15】図14〜図16は、本発明に従うダイオードの側面図である。
【図16】図14〜図16は、本発明に従うダイオードの側面図である。
【図17】図17は、本発明に従うディスプレイ素子の概略斜視図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図8】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図9】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図10】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図11】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図12】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図13】図7〜図13は、本発明に従うパッケージ化されたダイオードの概略断面図である。
【図14】図14〜図16は、本発明に従うダイオードの側面図である。
【図15】図14〜図16は、本発明に従うダイオードの側面図である。
【図16】図14〜図16は、本発明に従うダイオードの側面図である。
【図17】図17は、本発明に従うディスプレイ素子の概略斜視図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2009−534866(P2009−534866A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507696(P2009−507696)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/008503
【国際公開番号】WO2007/127029
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506078378)クリー, インコーポレイティッド (26)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/008503
【国際公開番号】WO2007/127029
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506078378)クリー, インコーポレイティッド (26)
【Fターム(参考)】
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