説明

樹脂ラミネートワイパー

【課題】ワイパーの反対面への薬液等の浸み出しを防止し、ワイパーを確実に保持できると共に、低コストでコンパクト、かつ吸液性に優れた樹脂ラミネートワイパーを提供する。
【解決手段】エンボス加工による突起2aを片面に有し吸液性の紙又は不織布からなる吸液層2と、吸液層の片面上にラミネートされ、突起に追随する表面4aを有する非透液性かつ防滑性の樹脂層4とを備え、JIS P8147に従って測定した樹脂層表面の静摩擦係数が0.7以上であり、エンボス加工の際のずりにより、突起近傍の吸液層に透孔2xが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汚れや液体等を拭き取るワイパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、汚れや液体等を拭き取るため、家庭用、産業用、及び業務用の使い捨てワイパーが各種用いられている。これらのワイパーは吸液性の高い紙や不織布からなり、通常、汚れを洗浄するための薬液を片面に付けて使用される。このため、薬液がワイパーの反対面に浸み出して手を汚染したり、ワイパーが手から外れてずり落ちるという問題があった。
そこで、非透液性フィルムの両面に紙等を積層固定し、一方の紙の層に汚れ落し成分を含浸させ、反対層への浸み出しを防止した技術が提案されている(特許文献1参照)。
又、吸水性のシート(紙等)に非透油性のフィルムをラミネート(又はコーティング)し、ラミネート面側に手を入れるためのポケットを設けた技術が提案されている(特許文献2,3参照)。このようにすると、薬液の浸み出しによる手の汚染を防止するだけでなく、ワイパーの保持が容易となる。
【0003】
【特許文献1】実開昭61-174564号公報
【特許文献2】実開平7-248号公報
【特許文献3】特開2001-161616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2,3記載の技術の場合、ワイパーの片面にポケットを設ける必要があるため、コストアップを招くと共に、ワイパーが嵩張って出荷時や保管時に場所をとるという問題がある。
又、従来のワイパーは、依然として吸液性(吸液量や吸液速度)に劣るという問題がある。
すなわち、本発明は、ワイパーの反対面への薬液等の浸み出しを防止し、ワイパーを確実に保持できると共に、低コストでコンパクト、かつ吸液性に優れた樹脂ラミネートワイパーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の樹脂ラミネートワイパーは、エンボス加工による突起を片面に有し吸液性の紙又は不織布からなる吸液層と、前記吸液層の前記片面上にラミネートされ、前記突起に追随する表面を有する非透液性かつ防滑性の樹脂層とを備え、JIS P8147に従って測定した前記樹脂層表面の静摩擦係数が0.7以上である。
このような構成とすると、エンボス加工によって吸液層の吸液性が向上する。又、このエンボス加工を利用して樹脂層表面に突起を形成させるため、防滑性樹脂と相俟って防滑性がより一層向上し、ポケットを用いなくともワイパーを確実に保持できる。又、樹脂層表面の突起形成を吸液層のエンボス加工で行うので、生産工程が簡略化される。
【0006】
前記エンボス加工の際のずりにより、前記突起近傍の吸液層に透孔が形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、透孔内に液が収容されるため、吸液性がさらに向上する。
【0007】
前記樹脂層の厚みが12〜40μmであることが好ましい。
このような構成とすると、樹脂層のピンホール欠陥を消失して非透液性を確保できると共に、樹脂層の剛性を高くし過ぎないようにして、ワイピングの作業性を低下させることがない。
【0008】
前記吸液層が前記紙又は不織布を2〜8枚重ねてなることが好ましい。
このような構成とすると、吸液性を向上させることができる。
【0009】
前記樹脂層は、メタロセン触媒により合成されたエチレン・α-オレイン共重合体30-60質量%と低密度ポリエチレン70-40質量%とからなる樹脂組成物から形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、家庭用、産業用または業務用で使用されるワイパーにおいて、ワイパーの反対面への薬液等の浸み出しを防止し、ワイパーを確実に保持できると共に、低コストでコンパクト、かつ吸液性に優れた樹脂ラミネートワイパーが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂ラミネートワイパーの断面を示す。樹脂ラミネートワイパー8は、吸液性の紙又は不織布からなる吸液層2と、吸液層の片面上にラミネートされる樹脂層4とを備え、樹脂層4側を手で保持して使用するようになっている。
吸液層2はエンボス加工による突起2aを上記片面に有し、エンボス加工によって吸液層の吸液性を向上させることができる。又、エンボス加工の際のずりにより、突起2a近傍に吸液層を貫通する透孔2xが形成されている。従って、透孔2x内に液が収容されるため、吸液性をさらに向上させることができる。
【0012】
樹脂層4は突起2aに追随する表面4aを有するようにラミネートされている。樹脂層4は、皮膜欠陥(ピンホール)が生じないように形成され非透液性を有し、又、後述する防滑性樹脂から構成されて防滑性を有している。吸液層のエンボス加工を利用して樹脂層4表面に突起を形成させるため、防滑性樹脂と相俟って防滑性がより一層向上し、ポケットを用いなくともワイパーを確実に保持できる。又、樹脂層表面の突起形成を吸液層のエンボス加工で行うので、生産工程が簡略化される。
以上の作用により、JIS P8147に従って測定した樹脂層4表面の静摩擦係数が0.7以上となる。なお、静摩擦係数は、傾斜法においておもりが滑り始めたときの角度をθとしたときのtanθで表され、数値が大きいほど防滑性が大である。
【0013】
本発明の樹脂ラミネートワイパーの用途は特に限定されず、家庭用、産業用及び業務用に適用できるが、例えば、食品、医療用途として、アルコール、逆性石鹸、塩化ベンザルコニウム、4級アンモニウム等を塗布して拭き取ったり、印刷用途として洗剤を塗布してロールを拭き取る場合に好適に使用できる。
【0014】
又、本発明の樹脂ラミネートワイパーは、通常、長方形に裁断した後、平判、4つ折又は2つ折にして出荷及び保管される。この場合、本発明の樹脂ラミネートワイパーは、従来のワイパーのようにポケットがないため、折り畳むとコンパクトになり、スペースをとらない。
【0015】
次に、吸液層と樹脂層について説明する。
<吸液層>
(紙)
吸液層2に用いる紙の原料としては特に制限はないが、食品との接触の可能性のある用途を考慮し、純粋パルプ100%であることが好ましい。純粋パルプとしては、例えば、N-BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、L-BKP(広葉樹晒しクラフトパルプ=ユーカリパルプも含む)、N-UKP(針葉樹未晒しクラフトパルプ)、L-UKP(広葉樹未晒しクラフトパルプ=ユーカリも含む)等が挙げられ、これらを単独使用し、又は2種以上を併用することができる。
なお、安全面、環境面から、晒しパルプを用いる場合、晒し液の塩素の含有量が出来る限り少ないものを選択することが好ましい。但し、ワイパー用途では、薬液の拭取り作業後焼却廃棄されることが多いので、リサイクル環境への配慮とコスト面から古紙を使用しても良い。
また、抄紙時の添加(内添又は外添)薬品としては、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、PH調整、粘剤、柔軟剤、消泡剤、ヤンキードライヤー付着/剥離コントロール剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤が挙げられる。
【0016】
(不織布)
吸液層2に用いる不織布としては特に制限はないが、吸水面で優位なパルプベースの不織布を使用すると好ましい。パルプベースの不織布としては、たとえば特開平5-179545号公報に記載のものを用いることができる。
【0017】
(坪量)
吸液層として、1プライ(1枚重ね)の紙を用いる場合、坪量を例えば25-50g/m2とすることができ、1プライ(1枚重ね)の不織布を用いる場合、坪量を例えば40-150g/m2とすることができる。
又、吸液層として、2プライ(2枚重ね)〜8プライ(8枚重ね)の紙(クレープ紙)を用いる場合、1プライ当り坪量を例えば15〜30g/m2とすることができ、2プライ(2枚重ね)〜4プライ(4枚重ね)の不織布を用いる場合、1プライ当り坪量を例えば20-40g/m2とすることができる。
【0018】
(吸液層の抄造)
吸液層は、上記パルプを用いて公知の抄紙機で抄造することができる。抄紙機としては特に限定されないが、ヤンキードライヤーにクレーピングドクターを備えたもので原反を抄造することができる。又、原反を抄造する場合、ヤンキードライヤーとリールの巻取り速度差を利用したクレープ紙とすると、ワイパーの要求品質である吸液性、拭取性等の向上の点で有利である。
吸液層を抄造可能な公知のティシュ用抄紙機としては、ツインワイヤーティシュ抄紙機、サクションブレスト抄紙機、クレセントフォーマー、長網ティシュ抄紙機、丸網抄紙機、短網ティシュ抄紙機、コンビネーションティシュ抄紙機等が挙げられる。
【0019】
<エンボス加工>
上記した吸液層を抄造し、1プライで、又は2プライ以上に重ねた後、エンボス加工される。
図2は、吸液層となる原反を4プライに重ねた後、エンボス加工する場合のプライマシン加工機の一例を示す構成図である。この図において、原反1〜4をそれぞれ給紙する給紙装置(アンワインダースタンド)10、12、14、16がライン上に順次配置され、図の矢印方向に各原反1〜4が供給されて重ねられる。
続いて、重ねられた原反1〜4は、1対のエンボスロール20、22間を通過する際にエンボス加工され、リール30に巻き取られる。
【0020】
エンボス加工としては、紙ワイパー、ペーパータオル、不織布ワイパー、トイレットペーパーで使用されているスチール-スチール非マッチエンボス機又はスチール−ラバーエンボス機による加工を行うことができる。
【0021】
スチール-スチール非マッチエンボス(非マッチエンボス)は、1対のスチールエンボスロールにそれぞれ刻設された凸面(ナックル部)がやや位置をずらして対向し、各ロールの凸面同士で原紙に圧を加える方法であり、この方法を用いることが好ましい。このようにすると、ロールの凸面が型押しされて吸液層に突部が形成されると共に、各ロールの凸面同士が接する際に、原紙にずり力を加えて原紙を破り、突部近傍に透孔を形成することができる。又、原紙にずり力を加えて変形させるため、吸液層がより嵩高になる。
この方法の場合、片方のエンボスロールの凸面の型押しにより吸液層側に生じる突起を最小限にするため、ナックル部頂面の面積及び底面から頂面までの高さを最小にし曲面ももたせるようにする。又、スチール−ラバーエンボス機の場合、ラバーロールの硬度を高くするとともに、スチールのエンボスロールの凸面で吸液層に穿孔できるよう、凸面先端を鋭利にする。
【0022】
エンボスロールの凸面の平面形状は、楕円、長方形又は長方形の4隅が面取りされたものが好ましい。凸面の平面形状が長方形の場合、短辺0.005〜1.0mm、長辺0.01〜3.0mmとし、長方形面積は0.00005〜3.0mm2であることが好ましい。又、エンボスの頂面の面積が底面の面積より小さいことが好ましい。
また、凸面(ナックル部)は、ロール表面1cm2当り、6個から30個配置されていることが好ましい。
【0023】
<樹脂層>
上記のようにしてエンボス加工された吸液層に樹脂層がラミネートされる。防滑性を付与するため、樹脂層には防滑性の樹脂成分が用いられる。防滑性の樹脂成分としては、公知の樹脂(ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等)に骨材や発泡性マイクロカプセルを混合したものを挙げることができる。樹脂に骨材を混ぜると、樹脂層表面に骨材に起因する微細な凹凸が生じ、防滑性が付与される。また、樹脂に発泡性マイクロカプセルを混ぜると、樹脂層が形成される際にカプセルが膨張して発泡し、樹脂層表面に微細な凹凸が生じ、防滑性が付与される。
骨材としては、数10μm程度の無機微粒子や有機微粒子を用いることができ、具体的には、アルミナ、珪酸アルミニウム等が挙げられる。
発泡性マイクロカプセルは、低沸点のコアを熱可塑性のシェルで被覆した数10μm程度の微粒子であり、例えば、積水化学社製の商品名アドバンセル、日本フィライト株式会社製のエクスパンセルが挙げられる。
【0024】
又、防滑性の樹脂成分として、メタロセン触媒により合成されたエチレン・α-オレイン共重合体30-60質量%と低密度ポリエチレン70-40質量%とからなる樹脂組成物を用いることができる。この樹脂成分は、防滑性を有し、ラミネート加工操業性も良い。
なお、メタロセン触媒により合成されたエチレン・α-オレイン共重合体としては、ダウケミカル製の商品名エンゲージ・EG8200(密度0.871g/cm3)を用いることができ、この組成物は特開平11-34255号公報に記載されている。
【0025】
樹脂層の厚みは、12〜40μmであることが好ましい。樹脂層の厚みが12μm未満であると、皮膜にピンホールが残って非透液性を発揮できない場合があり、厚みが40μmを超えると剛性が高くなり過ぎてワイピングし難くなる場合がある。
【0026】
(ラミネート)
樹脂層のラミネート方法は特に制限されず、例えば押出しラミネート(エクストルージョンラミネート)、ウェット・ラミネート、ドライ・ラミネート等の公知のラミネート方法を用いることができる。特に、生産性やコストの点で優れた押出しラミネートを用いることが好ましい。
図3は、押出しラミネート法により樹脂層をラミネートする装置を示す。この図において、リール30からエンボス処理された吸液層2が供給される。吸液層2は突起2aを有する面を斜め上にして、対向する圧着ロール60と冷却ロール62の間に導入される。一方、溶融した防滑性の樹脂成分がTダイ50から下方に押出され、圧着ロール60と冷却ロール62の間に導入され、吸液層2の突起2aを覆うようにして樹脂層4がラミネートされる。ラミネートされた樹脂ラミネートワイパー8は、図の矢印方向へ巻き取られ、適宜裁断されて製品となる。
【0027】
ラミネートの際、吸液層2の突起2aに樹脂層4が追随するよう、圧着ロール60と冷却ロール62のロール圧を若干弱く調整することが好ましい。
【0028】
<実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。なお、「%」は、特に明示しない限り、「質量%」を表す。
【実施例1】
【0029】
N-BKP80%、L-BKP20%を配合し湿潤紙力増強剤を配合したパルプスラリーを用い、公知のティシュ抄紙機により18.5g/m2のクレープ紙を抄造した。次に、図2に示すエンボス装置付きのプライマシンを用い、このクレープ紙を4プライに積層後、エンボス加工を行った。エンボスロールとしては、対向する上下のロールをそれぞれ凸面を持ったスチール製とし、凸面同士が若干ずれて接するもの(非マッチエンボス)を用いた。
エンボス加工後、クレープ紙の突部近傍に、上下のエンボスロールの凸面同士のせん断力による透穿孔が形成されたのが、10倍程度のルーペにより観察された。
次に、4プライに積層した原反を図3のラミネート装置に供給し、樹脂層としてポリエチレン層をラミネートし、樹脂ラミネートワイパーを得た。
ラミネートに用いた樹脂組成物は、防滑性を賦与する目的でエチレン・α-オレイン共重合体(ダウケミカル製の商品名エンゲージ・EG8200 密度0.871g/cm3)50%と、汎用低密度ポリエチレン(LDPE;東ソー製の商品名ペトロセン212 密度0.912g/cm3)50%と配合し、さらに青色の着色剤を微量添加したものからなり、この樹脂組成物をTダイ型押出し機で溶融混練し、厚み20μmに相当する量だけ押出し、ラミネートを行った。
【実施例2】
【0030】
パルプの原料をN-UKP70%、L-UKP30%に変更し、プライマシンでのプライ数を2プライに変更したこと以外は実施例1とまったく同様にして、樹脂ラミネートワイパーを製造した。
【実施例3】
【0031】
吸液層の原料をN−BKP85%、30mm長ポリエステル繊維15%に変更し、この原料をスパンレース法で水流交絡させてパルプベース不織布を製造し、1プライの吸液層としたこと以外は実施例1とまったく同様にして、樹脂ラミネートワイパーを製造した。
【0032】
<比較例1>
エンボス加工に代えて、4プライに積層後に1スタックのカレンダー処理を施したこと、及びラミネートに用いた樹脂組成物として、上記汎用低密度ポリエチレン100%配合物を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にして、樹脂ラミネートワイパーを製造した。
【0033】
<比較例2>
エンボス加工に代えて、4プライに積層後に1スタックのカレンダー処理を施したこと、及びラミネートに用いた樹脂組成物として、上記汎用低密度ポリエチレン100%配合物を用いたことこと以外は実施例3とまったく同様にして、樹脂ラミネートワイパーを製造した。
【0034】
<吸液層の特性>
各実施例及び比較例において、積層後でかつエンボス加工(又はカレンダー処理)前の吸液層について、以下の特性を測定した。
1)吸液層の坪量(g/m2
JIS P8124に準じて測定した。
2)吸液層の厚み(mm)
1フ゜ライの紙を10枚に積層したものについて、196.2Pa(2g/cm2)の荷重下、Peacockダイヤルゲージで測定した。
【0035】
<評価>
得られた樹脂ラミネートワイパーについて、以下の評価を行った。
3)防滑性
樹脂層表面の静摩擦係数を、JIS P8147(紙及び板紙の摩擦係数試験法)により測定した。数値はtanθ(θ:傾斜法においておもりが滑り始めたときの角度)で表され、数値が大きいほど防滑性が大である。
4)吸水度(Sec)
JIS S3104-1992により測定した。値が小さいほど、吸水に要する時間(秒)が短く、吸水性に優れている。
5)引張り強さ
JIS P8113に準じて測定した。
【0036】
得られた結果を表1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
表1から明らかなように、各実施例の場合、吸水性、防滑性に優れていた。
【0039】
一方、吸液層にエンボス加工を行う代わりにカレンダー処理を施した比較例1,2の場合、吸水性が低下すると共に、防滑性が劣化し、静摩擦係数が0.7未満となった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る樹脂ラミネートワイパーの断面図である。
【図2】プライマシン加工機の一例を示す構成図である。
【図3】押出しラミネート装置を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
2 吸液層
2a エンボス加工による突起
2x 透孔
4 樹脂層
4a 樹脂層の表面
8 樹脂ラミネートワイパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンボス加工による突起を片面に有し吸液性の紙又は不織布からなる吸液層と、
前記吸液層の前記片面上にラミネートされ、前記突起に追随する表面を有する非透液性かつ防滑性の樹脂層とを備え、
JIS P8147に従って測定した前記樹脂層表面の静摩擦係数が0.7以上である樹脂ラミネートワイパー。
【請求項2】
前記エンボス加工の際のずりにより、前記突起近傍の吸液層に透孔が形成されている請求項1記載の樹脂ラミネートワイパー。
【請求項3】
前記樹脂層の厚みが12〜40μmである請求項1又は2記載の樹脂ラミネートワイパー。
【請求項4】
前記吸液層が前記紙又は不織布を2〜8枚重ねてなる請求項1ないし3のいずれか記載の樹脂ラミネートワイパー。
【請求項5】
前記樹脂層は、メタロセン触媒により合成されたエチレン・α-オレイン共重合体30-60質量%と低密度ポリエチレン70-40質量%とからなる樹脂組成物から形成されている請求項1ないし4のいずれか記載の樹脂ラミネートワイパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−237814(P2008−237814A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86497(P2007−86497)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000183462)日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Fターム(参考)】