説明

樹脂積層体及びその製造方法

【課題】帯電防止性、耐擦傷性、透明性に優れた表面層を有する樹脂積層体、及びその樹脂積層体を高生産性で製造する方法を提供する。
【解決手段】型上に、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーとを含む硬化性混合物を塗布し硬化させた硬化塗膜層を形成する第一の工程、前記硬化塗膜層が形成された型の少なくとも一つを、前記硬化塗膜層が形成された面が内側になるように用いて、鋳型を作製する第二の工程、前記鋳型に樹脂原料を注入し、該樹脂原料の注型重合を行う第三の工程、及び、前記注型重合により形成された樹脂基材上に前記硬化塗膜層が積層された樹脂積層体を、鋳型から剥離する第四の工程、を有する方法により、硬化塗膜層が樹脂基材上に積層されている樹脂積層体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、十分な帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性及び透明性にも優れた被膜を有する樹脂積層体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂は、透明性、耐衝撃性、電気絶縁性等の特徴を有し、工業用資材、建築用資材等として広く使用されている。しかし、これら合成樹脂よりなる成形品は、表面硬度が低いため、引掻き等による傷が発生し易い場合がある。また、合成樹脂成形品は、高い体積固有抵抗を有しているため、静電気により帯電が発生し、埃が付着し易い場合がある。これらの不具合を抑制するために、従来から多くの改良が試みられているが、有効な手段は余り知られていない。
【0003】
耐擦傷性を向上する方法としては、多官能(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を用い、架橋被膜を基材表面に形成することが知られているが、従来の架橋被膜は帯電防止性を全く示さないか、不十分な場合が多かった。
【0004】
一方、アクリル板樹脂基材に帯電防止性能を付与する方法が提案されている。例えば、帯電防止剤として、分子中に四級アンモニウム塩を含む重合性化合物を用いた積層体が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−342213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法によると、帯電防止剤がブリードしやすく、鋳型に硬化皮膜を積層する工程で鋳型を汚染してしまい、剥離する工程で剥離し難くなり、生産性の点で改良の余地があった。
【0006】
本発明の目的は、帯電防止性、耐擦傷性、透明性に優れた表面層を有する樹脂積層体、及びその樹脂積層体を高生産性で製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーとを含む硬化性混合物を硬化させた硬化塗膜層が、樹脂基材上に積層されている樹脂積層体である。
【0008】
また、本発明は、上記の樹脂積層体の製造方法であって、
型上に、前記硬化性混合物を塗布し硬化させた硬化塗膜層を形成する第一の工程、
前記硬化塗膜層が形成された型の少なくとも一つを、前記硬化塗膜層が形成された面が内側になるように用いて、鋳型を作製する第二の工程、
前記鋳型に樹脂原料を注入し、該樹脂原料の注型重合を行う第三の工程、及び、
前記注型重合により形成された樹脂基材上に前記硬化塗膜層が積層された樹脂積層体を、鋳型から剥離する第四の工程、
を有する樹脂積層体の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、帯電防止性、耐擦傷性、透明性に優れた表面層を有する樹脂積層体、及びその樹脂積層体を高生産性で製造する方法を提供することができる。すなわち、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物とチオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーとを含む硬化性混合物によれば、十分な帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性及び透明性にも優れた硬化塗膜層を有する樹脂積層体を提供できる。また、本発明の製造方法によれば、型面を転写した樹脂積層体が得られるので、異物等による欠陥が無い優れた表面を有し、密着性に優れた樹脂積層体を高い生産性で製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の樹脂積層体は、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーとを含む硬化性混合物を硬化させた硬化塗膜層が、樹脂基材上に積層されている。この硬化塗膜層は、樹脂基材表面に対して耐擦傷性・帯電防止性を向上させるものであり、耐擦傷性をもたらす各種の硬化性化合物と帯電防止剤からなる硬化性混合物を膜状に硬化させたものである。硬化性混合物としては、後述する紫外線硬化性混合物のようなラジカル重合系の硬化性化合物からなる硬化性混合物を挙げることができる。これらの硬化性化合物は、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより硬化するものである。
【0011】
重合性化合物としては、分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を用いる。重合性化合物が有する(メタ)アクリロイルオキシ基の個数は、1個でもよく、2個以上でもよい。重合性化合物は、1種を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0012】
分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】
また、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物等が挙げられる。
【0014】
1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキルジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等の3官能以上のポリオールのポリ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0015】
多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物における、多価アルコール/多価カルボン酸又はその無水物/(メタ)アクリル酸の好ましい組合せとしては、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0016】
分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物のその他の具体例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートの3量化により得られるポリイソシアネート1モル当たり、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の活性水素を有するアクリル系モノマー3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチレン]イソシアヌレート;エポキシポリ(メタ)アクリレート;ウレタンポリ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0017】
ここで、「(メタ)アクリ」とは、「メタクリ」又は「アクリ」を意味する。
【0018】
帯電防止剤としては、チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーを用いる。このポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−メトキシチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーは、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーとしては、市販のものが好適に使用可能である。例えば、信越ポリマー製SAS−AcH(商品名)、SAS−AcP(商品名)、SAS−AcD(商品名)、インスコンテック製コニソルU−200(商品名)、出光テクノファイン製UVH D003(商品名)等が挙げられる。チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーは、1種を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0019】
チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーの添加量は、硬化性混合物100質量%中、帯電防止性能の観点から0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、また透明性の観点から10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
【0020】
硬化性混合物には、生産性の観点から、分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を重合するための光開始剤を添加することが好ましい。これにより、硬化性混合物が、紫外線硬化性を有するようになる。
【0021】
光開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等のリン化合物;などが挙げられる。光開始剤は、1種を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0022】
光開始剤の添加量は、硬化性混合物100質量%中、紫外線照射による硬化性の観点から0.1質量%以上が好ましく、硬化塗膜層の良好な色調を維持する観点から10質量%以下が好ましい。
【0023】
硬化性混合物には、必要に応じて、レベリング剤、無機微粒子、光安定剤(紫外線吸収剤、HALS等)等の各種成分をさらに添加できる。得られる樹脂積層体の透明性の観点から、その添加量は、硬化性混合物100質量%中、10質量%以下が好ましい。
【0024】
硬化塗膜層の膜厚は、0.5μm〜100μmであることが好ましい。かかる範囲においては、十分な表面硬度を有し外観も良好である。より好ましくは、0.5μm〜30μmである。
【0025】
樹脂基材としては、樹脂原料の注型重合したものを用いることができる。樹脂原料の詳細については、後述する。樹脂基材の厚みは、樹脂原料や用途に応じて適宜最適の厚みとすればよいが、生産性の観点から、0.5mm〜15mmが好ましい。
【0026】
本発明の樹脂積層体の製造方法は、型上に、前記硬化性混合物を塗布し硬化させた硬化塗膜層を形成する第一の工程、前記硬化塗膜層が形成された型の少なくとも一つを、前記硬化塗膜層が形成された面が内側になるように用いて、鋳型を作製する第二の工程、前記鋳型に樹脂原料を注入し、該樹脂原料の注型重合を行う第三の工程、及び、前記注型重合により形成された樹脂基材上に前記硬化塗膜層が積層された樹脂積層体を、鋳型から剥離する第四の工程、を有している。このような方法で製造される樹脂積層体は、樹脂基材の少なくとも片面に耐擦傷性に優れた帯電防止層としての硬化塗膜層を有している。異物等による欠陥が無い良好な外観を有する被膜を得るためには、このような本発明の方法が好ましい。
【0027】
第一の工程における硬化塗膜層の形成方法について、詳細に説明する。
【0028】
まず、硬化性混合物を型へ塗布する。型への硬化性混合物の塗布方法は、エアーナイフコート法、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法などが挙げられる。次いで、硬化性混合物を硬化する。例えば、紫外線硬化性を有する硬化性混合物に対しては、紫外線を照射する。硬化性混合物に溶剤が含まれる場合は、塗布後に乾燥と紫外線硬化を行う。この紫外線照射には、紫外線ランプを使用すればよい。紫外線ランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、蛍光紫外線ランプ等が挙げられる。
【0029】
型を構成する部材としては、例えば、鏡面を有するステンレス板もしくはガラス板、又は表面に凹凸を有するステンレス板もしくはガラス板等を使用できる。
【0030】
次いで、第二の工程として、硬化塗膜層が形成された型の少なくとも一つを、その硬化塗膜層が形成された面を内側になるように用いて、鋳型を作製する。
【0031】
鋳型の作製は、例えば、少なくとも一方に上記の硬化塗膜層を有する二つの型を用いて、その一つの型と対向するもう一方の型との間に、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合物、ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合物等からなる中空形状物をガスケットとして挟み込み、クランプで固定して、鋳型を組立てる等の工程により行うことができる。また、連続的に注型重合(キャスト重合)する方法として、図1に示すような対向して走行する2枚のステンレス製エンドレスベルトを型として、それらエンドレスベルトの間で樹脂原料を注型重合して樹脂板を製造する方法が知られており、本発明においてもこのようなエンドレスベルトを型とする成型方法が、生産性の点で最も好ましい方法である。エンドレスベルトを用いた連続製造については後述する。
【0032】
このように鋳型を作製した後、第三の工程として、樹脂原料(樹脂基材用の重合性原料)を鋳型内に注入し、その樹脂原料を注型重合する。
【0033】
樹脂原料としては、従来より知られる各種の原料を使用できる。例えば、アクリル系樹脂基材を注型重合で製造する場合は、その樹脂原料として、(メタ)アクリル酸のエステル類単独の単量体、又はこれを主成分とする単量体の混合物、或いは、この単量体とこの単量体の重合物との混合物を含有するシロップ等を挙げることができる。
【0034】
また、このようなアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体の単独重合物、又は(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物の共重合物を例示することができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、メタクリル酸メチルを例示することができる。例えば、メタクリル酸メチルを主な単量体成分として共重合する場合、その他の単量体成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;等が挙げられる。メタクリル酸メチル単量体又はメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物中に、メタクリル酸メチル単量体又はメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物の一部重合物を含む場合は、メタクリル酸メチル単量体又はメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物に前記重合物を溶解させてもよいし、或いはメタクリル酸メチル単量体又はメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物を一部重合させてもよい。
【0035】
アクリル系樹脂原料を重合するための開始剤としては、一般的に用いられるアゾ系の開始剤、パーオキサイド系開始剤等が挙げられ、これらの開始剤を用いて公知の方法により注型重合を行う。アクリル系樹脂原料には、その他目的に応じ、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料等を添加することができる。
【0036】
重合終了後、第四の工程として、注型重合により形成された樹脂基材上に前記硬化塗膜層が積層された樹脂積層体を、鋳型から剥離する。このようにして得られる樹脂積層体は、型面を転写したものなので異物等による欠陥が無い優れた表面を有し、剥離性も良く、生産性に優れている。なお、剥離を容易とするため、型の表面に離型剤を塗布する等、離型処理を施していても良い。
【0037】
以上のようにして製造される樹脂積層体には、必要に応じて、例えば硬化塗膜層の表面に反射防止層などの他の機能層を設けることもできる。例えば、反射防止層を形成する場合、市販の反射防止用塗料を樹脂積層体に塗布、乾燥させて形成する方法(湿式法)、或いは、蒸着法やスパッタリング法などの物理気相堆積法(乾式法)などが挙げられる。また、硬化塗膜層の表面は平坦でもマット状でも良い。また防汚膜をさらに積層してもよい。
【0038】
次に、エンドレスベルトを用いた樹脂積層体の連続製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
図1の装置において、上下に配置した一対のエンドレスベルト1、2を型とし、エンドレスベルト1、2は、それぞれ主プーリ3、4、5、6で張力が与えられ、同一速度で走行する。上下対になったキャリアロール7は、走行するエンドレスベルト1、2を水平に支持し、該ベルトの走行方向と直角方向かつ該ベルト面の垂直方向から該ベルト面に対して線荷重をかける。
【0040】
注型重合する樹脂原料は、重合性原料注入装置14からエンドレスベルト1、2の間に供給される。エンドレスベルト1、2の幅方向の両端部付近は弾力性のある二個のガスケット12が配設されてシールされ、鋳型を構成する。これにより鋳型の空間部が形成されている。ここで、「幅方向」とは、エンドレスベルトの走行方向と直角方向かつ該ベルト面に水平な方向をいう。エンドレスベルト1、2の間の空間部に注入された樹脂原料は、エンドレスベルト1、2の走行に伴い、第一重合ゾーン8において温水スプレー9による加熱によって重合を開始し、次いで第二重合ゾーン10において遠赤外線ヒーターで加熱されて重合を完結し、冷却ゾーン11で冷却された後、矢印13方向に樹脂基材が連続的に取り出される。
【0041】
第一重合ゾーンの重合温度や重合時間等は、注型重合する樹脂原料の組成に応じて適宜最適となる条件を選択すればよく、例えば、上記例示したアクリル系樹脂原料の場合は、30℃〜90℃が好ましく、重合時間は10分〜40分程度とすることが好ましい。ただし、この範囲の温度や時間に限定されるものではない。例えば、始めは低温で重合を行い、次いで温度を上昇させて重合を継続させる方法等も用いることができる。その後、第二重合ゾーンにおいて、100℃〜130℃程度の高温条件で10分〜30分加熱して重合を完結させることも好ましい。
【0042】
エンドレスベルト1、2の少なくとも一方には、前記した硬化塗膜層が形成され、その後注型重合する樹脂原料が注型される。例えば、図2の装置を用いて硬化塗膜層を形成することができる。具体的には、エンドレスベルト2上に硬化性混合物15を塗布する。この時、エアーナイフ16で所定の厚みとなるように調整される。その後、高圧水銀灯により硬化されて硬化塗膜層が形成される。続いて、エンドレスベルト1との会合直前に重合性原料注入装置14より樹脂原料を注入し、エンドレスベルト1と会合することで、エンドレスベルト1、2及びガスケット12から構成される鋳型が形成される。その後は、上記のように樹脂原料の重合を実施し、エンドレスベルトの他端側で鋳型から解放され、樹脂積層体が剥離される。
【0043】
このように、エンドレスベルトを用いた連続製造装置により樹脂積層体を連続的に製造することが可能となる。
【0044】
本発明の樹脂積層体は、部品カバー、グレージング材、車両用部材、ディスプレー材、照明材、銘板等に使用できるが、特に、CRT、液晶テレビ、プロジェクションテレビ等の各種ディスプレーの前面板、携帯電話の面板として好適に使用できる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。ここで、実施例、比較例で使用した化合物の略称は以下の通りである。
「MMA」:メタクリル酸メチル
「SAS−AcH」:ポリチオフェン溶液(信越ポリマー製、商品名)
「SAS−AcP」:ポリチオフェン溶液(信越ポリマー製、商品名)
「SAS−AcD」:ポリチオフェン溶液(信越ポリマー製、商品名)
「UVH D003」:ポリチオフェン溶液(出光テクノファイン製、商品名)
「HC−A01」:ポリチオフェン溶液(信越ポリマー製、商品名)
「C6DA」:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
「TAS」:コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合混合物(大阪有機化学工業(株)製)
「DPHA」:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−DPH)
「M309」:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
「M305」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
「A200」:重量平均分子量約200のポリエチレングリコールのジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA200)
「IRGACURE184」:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン(株)製、商品名)
「アクリライトL」:ポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名)
「アクリライトMR」:ポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名)
なお、特に断りがない限り、全ての試薬は市販の特級相当品を使用した。また、実施例における物性の評価は下記の方法に基づいて行った。
【0046】
(評価方法)
<全光線透過率及びヘーズ>
日本電色製HAZE METER NDH2000(商品名)を用いてJIS K7136に示される測定法に準拠して、全光線透過率及びヘーズを測定した。
【0047】
<耐擦傷性>
擦傷試験の前後における傷の状態をもって評価した。#000のスチールウールを装着した直径25.4mmの円形パッドを積層体の硬化塗膜層表面上に置き、9.8Nの荷重下で、20mmの距離を100回往復擦傷し、擦傷後の傷の状態を目視で観察した。
○:傷が少ない。
×:傷が無数にある。
【0048】
<樹脂積層体の表面抵抗値>
超絶縁抵抗計(TOA製、商品名:ULTRA MEGOHMMETER MODEL SM−10E)を使用し、測定温度23℃、50%相対湿度の条件で、樹脂積層体の硬化塗膜層側について印加電圧500Vで1分後の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。測定用の試料としては、予め23℃、50%相対湿度で1日間調湿したものを用いた。
【0049】
<灰付着性試験>
樹脂積層体の硬化塗膜層を有する面を乾いた面布で10回摩擦した後、硬化塗膜層を有する面を、木製机の平面上のたばこの灰に一定の距離を隔てて近づけた際の、灰の付着性の評価を行った。
○:10mmの距離まで近づけても灰が付着しない。
×:10mmの距離まで近づける間に灰が付着する。
【0050】
<耐湿性試験>
40℃、95相対湿度%の条件下に10日間サンプルを放置した後、硬化塗膜層の外観を目視で観察し、次の2段階で評価した。
○:変化なし。
×:ブリード物で外観低下。
【0051】
<密着性試験>
初期、耐湯試験後、耐湿試験後の硬化塗膜層と樹脂基材の密着性を、付着性(クロスカット法)試験(JIS K5600−5−6)により評価した。耐湯試験後とは、樹脂積層体を60℃の温水中で4時間浸漬した後とし、耐湿試験後とは、樹脂積層体を40℃95%相対湿度の雰囲気下に7日間放置した後とした。
○:硬化塗膜層の樹脂基材からの剥離無し。
×:硬化塗膜層の樹脂基材からの剥離あり。
【0052】
<鋳型剥離性試験>
樹脂積層体を10枚作製し、鋳型から樹脂積層体を剥離するときの、剥離しやすさを評価した。
○:鋳型から樹脂積層体を容易に剥離できる。
×:鋳型に樹脂積層体の一部が残る。
【0053】
<表面欠陥>
樹脂積層体の表層(面積300mm×300mm)の異物数を目視により観察した。
○:異物ゼロ。
×:異物が無数に存在。
【0054】
[実施例1]
型となるステンレス(SUS304)板上に、TAS50質量部、ポリチオフェン溶液(信越ポリマー製、商品名:SAS−AcH)50質量部、IRGACURE184 4質量部からなる硬化性混合物である塗料を、エアーナイフコート法により塗布した。
【0055】
ここで、エアーナイフコーティングについて図3を参照して詳細に説明する。図3において、SUS304(ステンレス板17)表面から5mm離れた位置で、SUS304の走行方向に対して下向きよりも上流側に5°傾けてなるよう配したエアーノズル16の下を、3.0m/分のスピードで1度通過させ硬化性混合物15を硬化後の膜厚が20μmになるように塗布した。この時エアーノズル16は、スリット型エアーノズルであってスリットクリアランス0.15mm、エア風量1m3/minであった。
【0056】
その後、出力160W/cm2の高圧水銀灯下17cmの位置を、硬化性混合物の塗布面を上にして2.0m/分のスピードで1度通過させ硬化させた。硬化状態は良好であり全面が固化して液体の状態は存在しなかった。
【0057】
このようにして形成した膜厚20μmの硬化塗膜層を有するステンレス板を1枚と、硬化塗膜層の無い別のステンレス板を用意し、硬化塗膜層が内側になるように対向させ、周囲を軟質ポリ塩化ビニル製のガスケットで封じ、注型重合用の鋳型を作製した(面積300×300mm)。この鋳型内に、重量平均分子量220000のMMA重合物20質量部とMMA単量体80質量部の混合物100質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.05質量部、ジオクチルスルフォサクシネートのナトリウム塩0.005質量部からなる樹脂原料を注入し、対向するステンレス板の間隔を2.5mmに調整し、80℃の水浴中で1時間、次いで130℃の空気炉で1時間重合した。その後、冷却して、ステンレス板から、得られた樹脂板を剥離することにより、片面に硬化塗膜層を有する板厚2mmのアクリル樹脂積層体を得た。
【0058】
得られたアクリル樹脂積層体は透明性に優れており、その表面抵抗率値は2.0×1011Ω/□であり、擦傷性も良好であった。また耐湿試験後もアクリル系樹脂積層体の外観に変化は無かった。評価結果を表1に示す。さらに、異物による外観欠陥は全く無く、良好な外観を有するものであった。
【0059】
[実施例2]
表1に示す原料の種類及び量としたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリル樹脂積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0060】
[実施例3]
型となるステンレス(SUS304)板上に、DPHA20質量部、ポリチオフェン溶液(出光テクノファイン製、商品名:UVH D003)80質量部、IRGACURE184を0.8質量部からなる硬化性混合物である塗料を、エアーナイフコート法により塗布した。なお、エアーナイフコーティング条件は、実施例1と同様にした。
【0061】
次いで、温度85℃の熱風炉中で1分間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させた。その後、出力160W/cm2の高圧水銀灯下17cmの位置を、硬化性混合物の塗布面を上にして2.0m/分のスピードで1度通過させ硬化させ、膜厚が1μmの硬化塗膜層を得た。なお、硬化塗膜層の膜厚は、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から測定して求めた。硬化状態は良好であり全面が固化して液体の状態は存在しなかった。
【0062】
このようにして形成した硬化塗膜層を有するステンレス板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、板厚2mmのアクリル樹脂積層体を得た。
【0063】
得られたアクリル樹脂積層体の評価結果を表1に示す。さらに、異物による外観欠陥は全く無く、良好な外観を有するものであった。
【0064】
[実施例4]
表1に示す原料の種類及び量とし、膜厚が4μmの硬化塗膜層を形成したこと以外は、実施例3と同様にしてアクリル樹脂積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0065】
[実施例5]
表1に示す原料の種類及び量としたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリル樹脂積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0066】
[実施例6]
実施例1と同様にして形成した硬化塗膜層を有するステンレス板を2枚用意し、硬化塗膜層が内側になるように対向させて注型重合用の鋳型を作製した以外は、実施例1と同様にしてアクリル樹脂積層体を積層した。評価結果を表1に示す。
【0067】
[比較例1]
以下のようにして合成した四級アンモニウム塩型帯電防止剤を用いて、表1に示す硬化性混合物を調製し、実施例1と同様にしてアクリル樹脂積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0068】
(四級アンモニウム塩型帯電防止剤の合成)
撹拌羽根付きガラス製フラスコに、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド188質量部、メタノール228質量部を投入し、撹拌しながらジメチル硫酸136質量部、メタノール41.3質量部の混合物を、内温が15℃以下となるように滴下し、滴下終了後30分間撹拌を続け四級アンモニウム塩基を有する化合物溶液を得た。
【0069】
この溶液に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.4質量部、n−オクチルメルカプタン2.4質量部、メタノール384質量部、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル(カッコ内はポリエチレングリコールユニットの数)485質量部を加え、60℃で窒素雰囲気下に6時間重合させ、50℃で3日真空乾燥し、四級アンモニウム塩型帯電防止剤を得た。
【0070】
[比較例2]
硬化塗膜層を形成していないアクリル樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名:アクリライトL)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0071】
[比較例3]
帯電防止剤を添加していないハードコート皮膜(膜厚20μm)を有するアクリル樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名:アクリライトMR)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0072】
表1に示すように、実施例1〜4の樹脂積層体においては、十分な帯電防止性、耐擦傷性及び透明性が実現され、ブリードアウトも抑制されていることがわかった。また、鋳型剥離性も良く、高い生産性を有していた。
【0073】
一方、表1に示すように、比較例1では耐擦傷性及び耐湿性が不十分であり、比較例2では、耐擦傷性及び帯電防止性能が不十分で、比較例3では帯電防止性が不十分だった。
【0074】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によって得られた、硬化塗膜層を少なくとも一部の表面に有する樹脂積層体は、耐擦傷性、透明性などに優れ、ディスプレー前面板、携帯電話の面板など各種用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】ベルト式連続キャスト製板装置を例示する模式的断面図である。
【図2】硬化塗膜層の形成装置を例示する模式的断面図である。
【図3】硬化塗膜層の形成装置を例示するもう一つの模式的断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1、2 エンドレスベルト
3、4、5、6 主プーリ
7 キャリアロール
8 第一重合ゾーン
9 温水スプレー
10 第二重合ゾーン
11 冷却ゾーン
12 ガスケット
13 樹脂積層体の取り出し方向
14 重合性原料注入装置
15 硬化性混合物
16 エアーノズル(エアーナイフ)
17 ステンレス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、チオフェン又はその誘導体を構成単位として含むポリマーとを含む硬化性混合物を硬化させた硬化塗膜層が、樹脂基材上に積層されている樹脂積層体。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂積層体の製造方法であって、
型上に、前記硬化性混合物を塗布し硬化させた硬化塗膜層を形成する第一の工程、
前記硬化塗膜層が形成された型の少なくとも一つを、前記硬化塗膜層が形成された面が内側になるように用いて、鋳型を作製する第二の工程、
前記鋳型に樹脂原料を注入し、該樹脂原料の注型重合を行う第三の工程、及び、
前記注型重合により形成された樹脂基材上に前記硬化塗膜層が積層された樹脂積層体を、鋳型から剥離する第四の工程、
を有する樹脂積層体の製造方法。
【請求項3】
前記硬化性混合物が紫外線硬化性を有し、該硬化性混合物に紫外線を照射して前記硬化塗膜層を形成する請求項2に記載の樹脂積層体の製造方法。
【請求項4】
前記鋳型が、一対の相対するエンドレスベルト及び該エンドレスベルトの幅方向の両端部付近に配設するガスケットから構成されており、少なくとも一方のエンドレスベルト上に前記硬化塗膜層を形成することで、樹脂積層体を連続的に製造する請求項2又は3に記載の樹脂積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−30249(P2010−30249A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197573(P2008−197573)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】