樹脂製部材および樹脂製部材の製造方法
【課題】コストを削減でき、剛性とエネルギー吸収性能を両立できる樹脂製部材およびその樹脂製部材の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂製の本体部2を備える樹脂製部材1であって、外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部が設けられるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、本体部2に固定される塑性変形が可能な補強部材3が設けられることを特徴とする。
【解決手段】樹脂製の本体部2を備える樹脂製部材1であって、外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部が設けられるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、本体部2に固定される塑性変形が可能な補強部材3が設けられることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に形成される中空部に補強部材が設けられる樹脂製部材およびその樹脂製部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば車両用の構造部材等において、軽量化のために樹脂が使用されてきており、特に、繊維材により強化されたFRP(繊維強化プラスチック)が使用されている。FRPにより構造部材を製造する場合、強度性能の要求から連続繊維である成形方法が好ましく、例えばオートクレーブやRTM(樹脂注入成形法)などの工法が用いられる。このような成形方法を用いる場合、FRPにハニカム材やウレタン材を挿入し、更なる強度の向上が図られている((例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、例えば、剛性、静的荷重に対する性能、動的荷重に対する性能(エネルキー吸収性能)に優れるハニカム材を挿入する場合、コストが高く、量産品としては好ましくない。
【0004】
また、例えばウレタン材を構造部材の内部に充填したり、または設置する場合には、剛性を重視すると高密度ウレタン材を使用することになり、動的荷重が付与された際の構造部材の変形量が小さくなってエネルギー吸収性能が低下するため、剛性とエネルギー吸収性能の両立が困難である。
【特許文献1】特開平9−131817
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、コストを削減でき、剛性とエネルギー吸収性能を両立できる樹脂製部材およびその樹脂製部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係る樹脂製部材は、樹脂製の本体部を備える樹脂製部材であって、外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部が設けられるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、本体部に固定される塑性変形が可能な補強部材が設けられることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る樹脂製部材の製造方法は、樹脂製の本体部を備える樹脂製部材の製造方法であって、外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部を設けるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を配置して本体部に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明に係る樹脂製部材は、緩衝部に対して外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材が設置されるため、外部入力荷重が付与される際に、緩衝部から徐々に荷重が作用した後に補強部材で荷重を受けるため、エネルギーを吸収しつつ剛性を保つことができる。また、ハニカム材等の高価な部材を使用する必要もないので、コストを低減できる。
【0009】
上記のように構成した本発明に係る樹脂製部材の製造方法は、緩衝部に対して外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を設置するため、製造される樹脂製部材は、外部入力荷重が付与される際に、緩衝部から徐々に荷重が作用した後に補強部材で荷重を受けることとなる。したがって、エネルギーを吸収しつつ剛性を保つことが可能な樹脂製部材を製造でき、また、ハニカム材等の高価な部材を使用する必要もないので、コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る樹脂製部材の断面図、図2は同樹脂製部材の補強部材を示す断面図である。
【0012】
第1実施形態に係る樹脂製部材1は、図1,2に示すように、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)からなる本体部2と、本体部2に取り付けられる補強部材3と、を有している。本体部2のFRPは、本実施形態では、例えばエポキシ樹脂をマトリックス樹脂とするCFRPである。
【0013】
本体部2のFRPに適用される繊維には、強化材となるものであれば特に制限はなく、炭素繊維の他に、例えば黒鉛繊維、またはガラス繊維や、アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の有機繊維等が挙げあられ、またはこれらの2種類以上を併用したものも使用できる。
【0014】
また、本体部2のFRPに適用される樹脂には、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能であり、エポキシ樹脂の他に、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、更にはこれらの混合樹脂も使用できる。
【0015】
本体部2は、ハット形状のアウター部材4とインナー部材5とが、内部に中空部6が形成されるように接合されている。なお、本体部2は、内部に中空部6が形成されればその形状や部材数に制限はなく、例えば1部材であったり、または3部材以上が接合されていてもよい。
【0016】
本実施形態に係る樹脂製部材1は、例えば車両用部材であり、アウター部材4が車両の外側となり、インナー部材5が車両の内側となる。したがって、衝突等によって、アウター部材4側からの外部入力荷重が作用する。
【0017】
アウター部材4は、インナー部材5よりも板厚を薄くしたり、または外部入力荷重が作用する部位の板厚のみを薄くしてもよい。この場合には、アウター部材4が破壊されやすくなるため、外部入力荷重が付与された場合の初期反力を低減でき、例えば樹脂製部材1が車両用部材である場合には、車両の内部の乗員等への負荷を低減できる。
【0018】
インナー部材5の内側面(中空部6の外部入力荷重が作用する側と反対側)には、接着剤10により補強部材3が接合される。このとき、補強部材3とアウター部材4の間には、間隔が設けられる。このアウター部材4および間隔が、外部入力荷重が作用した際に、緩衝部として機能することとなる。
【0019】
補強部材3は、図2に示すように、剛性保持部7と、引張り保持部9と、を有しており、剛性保持部7には、本実施形態では軽量化を図りつつ強度を保持するためにアルミ押出し材を用いているが、塑性変形が可能な材料であれば他の材料であってもよく、またその形状は限定されない。
【0020】
引張り保持部9は、剛性保持部7のインナー部材5と接合される側に設置される。引張り保持部9はCFRPであり、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグである。引張り保持部9には、本体部2において前述したFRPのように、他の繊維を使用するF
RPも適用できる。また、引張り保持部9にはエポキシ樹脂が使用されるが、本体部2において前述したように、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能である。
【0021】
引張り保持部9に使用される繊維の方向は、樹脂製部材1に外部入力荷重が付与される際に生じる引張り方向と一致し、本実施形態では、図1,2における図面の奥行き方向に対応する。
【0022】
補強部材3をインナー部材5に接合するための接着剤10には、伸度が30%以上の接着剤を用いることが好ましく、本実施形態では、例えば伸度が50%、引張り剪断強度が20MPaのアクリル系接着剤を用いている。
【0023】
本実施形態に係る樹脂製部材1の作用を説明する。
【0024】
樹脂製部材1にアウター部材4側から外部入力荷重が付与されると、アウター部材4と補強部材3の間に空間が形成されているために補強部材3には直接荷重が入力されず、まず樹脂製の本体部2から亀裂伸展や層間剥離等が発生する。したがって、本体部2の破壊によりエネルギーが吸収され、初期反力を低く抑えることができる。このため、外部入力荷重付与直後における樹脂製部材1のインナー部材5側(例えば車両の室内側)への影響を低減できる。
【0025】
本体部2が破壊された後、荷重は補強部材3に伝わる。これにより、補強部材3で入力荷重を受けることができ、構造体の維持荷重の低下を抑制できる。
【0026】
また、補強部材3の剛性保持部7は塑性変形が可能であるため、エネルギーを吸収し、樹脂製部材1のインナー部材5側への衝撃を低減できる。
【0027】
また、アウター部材4側から入力される荷重により、アウター部材4と反対側に取り付けられる補強部材3はインナー部材5側へ変形するが、このとき、引張り保持部9が補強部材3のインナー部材5側に設けられているため、引張り保持部9には引張り力が生じる。引張り保持部9は、FRPの繊維が引張り方向と一致するため、引張り力に強く、構造体の維持荷重の低下を抑制できる。
【0028】
また、負荷が付与される側とは反対側に補強部材3が設けられるため、負荷が付与される側の造形の自由度が向上し、内部の補強部材3は造形面からの形状制約を受け難い。
【0029】
また、ハニカム材のような高価な材料を使用する必要がないため、材料費を安価に抑えることができる。
【0030】
また、補強部材3を本体部2に接合するための接着剤10の伸度が30%以上であるため、補強部材3や本体部2が変形する際の変形差を接着剤10が吸収し、補強部材3と本体部2が完全に剥がれず、強度を保持することができる。また、剛性保持部7にアルミ等の導電性材料を使用する場合には、接着剤10により形成される接着層が電触防止の役割を果すことができる。
【0031】
また、本実施形態では、補強部材3を本体部2と別部品で設けるため、本体部2を補強部材3とは別に成形できることにより、RTM工法等による成形が可能となり、量産性に優れている。
【0032】
このように、本実施形態によれば、補強部材3により剛性を維持しつつ、本体部2の破
壊によりエネルギーを吸収でき、剛性とエネルギー吸収性能を両立できる。
【0033】
<第2実施形態>
図3は本発明の第2実施形態に係る樹脂製部材の断面図を示す。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0034】
第2実施形態に係る樹脂製部材1’は、補強部材3とアウター部材4の間に、補強部材3よりも剛性の低い予備補強材11が設けられる。予備補強材11は、例えばウレタン材であるが、補強部材3よりも剛性が低ければ、他の材料でもよい。このアウター部材4および予備補強材11が、外部入力荷重が作用した際に、緩衝部として機能することとなる。
【0035】
第2実施形態に係る樹脂製部材1’に、アウター部材4側から外部入力荷重が付与されると、本体部2から亀裂伸展や層間剥離等が発生するとともに、予備補強材11により荷重が分散されつつ補強部材3に荷重が入力される。したがって、第1実施形態と比較して、初期反力が大きくなる。
【0036】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る樹脂製部材の構造は、図1,2で示される第1実施形態と略同様であり、繊維強化プラスチックであるインナー部材5に適用される強化繊維が、所定の配向を有する点のみで異なる。
【0037】
第3実施形態に係る樹脂製部材のインナー部材5は、外部入力荷重が入力される際にインナー部材5に生じる引張り方向と同一方向(0度)および垂直方向(90度)の配向で繊維が並ぶ第1クロス材と、引張り方向と傾斜する2方向(+45度および−45度)の配向で繊維が並ぶ第2クロス材とを重ねて強化繊維とし、RTM工法などにより成形される。なお、引張り方向と傾斜する2方向は、必ずしも+45度および−45度である必要はなく、例えば+30度および−30度とすることもできる。また、第1クロス材および第2クロス材は複数重ねられてもよく、また、他の配向を有するクロス材を更に重ねてもよい。
【0038】
引張り方向と同一方向の配向を有する第1クロス材は、高い引張り強度を有し、構造体の維持荷重の低下を抑制する。
【0039】
引張り方向と傾斜した配向を有する第2クロス材は、荷重が付与される際に、織目が広がることができるために破断ひずみが大きくなる。これにより、インナー部材5の曲げ変形への追従性が向上し、インナー部材5の破断を抑制できる。また、インナー部材5の曲げ変形の際の破断を抑制できるため、樹脂製部材のエネルギー吸収量を向上できる。
【0040】
<第4実施形態>
図4は本発明の第4実施形態に係る樹脂製部材の断面図を示す。なお、第1,2実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0041】
第4実施形態に係る樹脂製部材41は、図4に示すように、第1〜3実施形態と異なり、本体部42がアウター部材を有しておらず、インナー部材45のみから形成される。したがって、本体部42には中空部が形成されず、インナー部材45の外部入力荷重が作用する側に、塑性変形が可能な補強部材3が設置され、補強部材3の外部入力荷重(図4中の矢印参照)が作用する側に、緩衝部としての緩衝材43が露出されて設けられる。すなわち緩衝材43の外部入力荷重が作用する側と反対側に、補強部材3が設けられる。緩衝材43は、補強部材3よりも剛性が低く、例えばウレタン材であるが、補強部材3よりも剛性が低ければ、他の材料でもよい。
【0042】
第4実施形態に係る樹脂製部材41に外部入力荷重が付与されると、外部入力荷重は、まず緩衝材43から入力されることとなる。緩衝材43は、補強部材3よりも剛性が低いために荷重を分散させ、この後、補強部材3に荷重が入力される。したがって、緩衝材43の変形によりエネルギーが吸収され、初期反力を低く抑えることができる。このため、外部入力荷重付与直後における樹脂製部材41のインナー部材45側(例えば車両の室内側)への影響を低減できる。
【0043】
この後、荷重は補強部材3に伝わり、補強部材3で入力荷重を受けることができる。これにより、構造体の維持荷重の低下を抑制できる。
【0044】
第4実施形態では、アウター部材を必要としないため、アウター部材の費用およびアセンブリ工数を低減でき、性能を低下させることなくコストの削減が可能である。
【0045】
次に、上述したそれぞれの実施形態に関する衝撃試験について説明する。
【0046】
第1実施形態および第2実施形態に係る樹脂製部材1,1’に荷重を負荷する衝撃試験を実施した。
【0047】
図5は衝撃試験における供試体への荷重と供試体の変位量を示す供試体の断面図、図6は衝撃試験に用いられるスチール製構造体を示す断面図、図7は衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0048】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
試験例1および試験例2は、第1実施形態に係る樹脂製部材1であり、試験例1と比較して試験例2における樹脂製部材1のアウター部材4の板厚が薄く形成されている。
【0051】
試験例3は、第2実施形態に係る樹脂製部材1’を供試体とするものである。試験例4は、図6に示すようなスチール製構造体21である。
【0052】
スチール製構造体21は、高張力鋼板からなるアウター鋼板22、インナー鋼板23、ブレース24および補強鋼板25から構成される。
【0053】
衝撃試験では、図5に示すように、アウター部材4(またはアウター鋼板22)側から外部入力荷重Fを与え、樹脂製部材1(またはスチール製構造体21)の荷重方向への変位量Xを計測した。
【0054】
結果として、図7に示すように、試験例4では、最大荷重を受けた後に維持荷重が低下するが、第1,第2実施形態に対応する試験例1〜3では、最大荷重を受けた後も、インナー部材5および補強部材3により、荷重を維持していることが確認できる。
【0055】
また、試験例1〜3では、補強部材3が、中空部6における外部入力荷重が入力される側の反対側に取り付けられているため、試験例4のような荷重の突出がなく、過剰な初期反力が抑えられることが確認できる。
【0056】
また、試験例1と試験例2を比較すると、試験例2の方が荷重の立ち上がりが速い。試験例1と比較して試験例2のようにアウター部材4の板厚を薄くすることで、アウター部材4の破壊領域が広がり、補強部材3に加わる荷重が増えたためであり、試験例2では、試験例4のスチール製構造体と同程度のエネルギー吸収量が得られている。
【0057】
また、第2実施形態に対応する試験例3では、荷重を受けてから維持荷重が低下することなく、理想的なエネルギー吸収形態となっており、試験例4のスチール構造体の約1.3倍のエネルギー吸収量が得られている。
【0058】
次に、補強部材3をインナー部材5に設置した場合とアウター部材4に設置した場合を比較するための衝撃試験を実施した。
【0059】
図8はアウター部材に補強部材を設置した供試体を示す断面図、図9は補強部材をインナー部材に設置した場合とアウター部材に設置した場合を比較するための、衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0060】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
試験例4は、前述と同様のスチール製構造体21(図6参照)であり、試験例5は、インナー部材5に補強部材3を設置した第1実施形態に対応する樹脂製部材(図1参照)を供試体とするものであり、試験例6は、アウター部材4に補強部材3を設置した樹脂製部材(図8参照)を供試体とするものである。
【0063】
なお、試験例5の樹脂製部材1は、試験例4のスチール製構造体21と比較して、重量が約70%となっている。
【0064】
図9に示すように、アウター部材4に補強部材3を設置した試験例6では、アウター部材4に入力される荷重を、最初に補強部材3により受けることとなり、初期反力が試験例4よりも高くなってしまっている。
【0065】
また、試験例6では、補強部材3の変形とともにアウター部材4も”く”の字状に変形し、インナー部材5との接合部に伸びが生じるが、CFRPであるインナー部材5は引張り強度が高くあまり伸びないため、アウター部材4とインナー部材5の接合部において剥がれが生じやすい。
【0066】
このように、試験例5(第1実施形態)のように補強部材3をインナー部材5に設置することで、初期反力を抑えつつ、エネルギーを吸収できることが確認できる。
【0067】
次に、第1実施形態と第3実施形態を比較するための衝撃試験を実施した。
【0068】
図10は、インナー部材の繊維配向による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0069】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0070】
【表3】
【0071】
試験例7は、インナー部材5に、0度および90度の配向を有するクロス材を用いた第1実施形態に対応する樹脂製部材(図1参照)を供試体とするものであり、試験例8は、インナー部材5に、0度および90度の配向を有する第1クロス材と、+45度および−45度の配向で繊維が並ぶ第2クロス材とを重ねて強化繊維とした第3実施形態に対応する樹脂製部材を供試体とするものである。
【0072】
図10に示すように、第1実施形態に対応する試験例7では、変位が増加することにより強化繊維が破断して荷重が低下するが、第3実施形態に対応する試験例8では、変位が増加しても荷重が低下していない。これは、引張り方向に傾斜した配向を有する第2クロス材の織目が広がって破断ひずみが大きくなると推測され、インナー部材5の曲げ変形への追従性が向上していることが確認できる。
【0073】
図11は、クーポン試験片を用いた引張り試験結果を示す応力ひずみ線図である。図11に示すように、0,90度配向のクーポン試験片よりも、−45,+45度配向のクーポン試験片の方がひずみが5倍以上となっており、繊維が引張り方向に傾斜した配向を有することにより、変形に対する追従性が向上することが確認できる。
【0074】
次に、第2実施形態と第4実施形態を比較するための衝撃試験を実施した。
【0075】
図12は、アウター部材の有無による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0076】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0077】
【表4】
【0078】
試験例9は、アウター部材4が設けられた第2実施形態に対応する樹脂製部材1’(図3参照)を供試体とするものであり、試験例10は、アウター部材が設けられない第4実施形態に対応する樹脂製部材41(図4参照)を供試体とするものである。
【0079】
図12に示すように、第4実施形態に対応する試験例10においても、荷重が緩衝材43で分散された後に補強部材3に作用するため、アウター部材が設けられる試験例9と比較しても、エネルギー吸収量は損なわれないことが確認できる。
【0080】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、本体部2がFRPではなく、強化繊維の適用されていない樹脂材であってもよい。また、補強部材3に、引張り保持部9を設けず、補強部材3を直接本体部2のFRP部と一体化しても良い。また、第3実施形態における繊維が配向されたインナー部材を、第2,4実施形態に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態に係る樹脂製部材の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る樹脂製部材の補強部材を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る樹脂製部材の断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る樹脂製部材の断面図を示す。
【図5】衝撃試験における供試体への荷重と供試体の変位量を示す供試体の断面図である。
【図6】衝撃試験に用いられるスチール製構造体を示す断面図である。
【図7】衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【図8】アウター部材に補強部材を設置した供試体を示す断面図である。
【図9】補強部材をインナー部材に設置した場合とアウター部材に設置した場合を比較するための、衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【図10】インナー部材の繊維配向による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【図11】クーポン試験片を用いた引張り試験結果を示す応力ひずみ線図である。
【図12】アウター部材の有無による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0082】
1,1’,41 樹脂製部材、
2,42 本体部、
3 補強部材、
4 アウター部材、
5,45 インナー部材、
6 中空部、
7 剛性保持部、
9 引張り保持部、
10 接着剤、
11 予備補強材、
43 緩衝材、
F 外部入力荷重、
X 変位量。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に形成される中空部に補強部材が設けられる樹脂製部材およびその樹脂製部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば車両用の構造部材等において、軽量化のために樹脂が使用されてきており、特に、繊維材により強化されたFRP(繊維強化プラスチック)が使用されている。FRPにより構造部材を製造する場合、強度性能の要求から連続繊維である成形方法が好ましく、例えばオートクレーブやRTM(樹脂注入成形法)などの工法が用いられる。このような成形方法を用いる場合、FRPにハニカム材やウレタン材を挿入し、更なる強度の向上が図られている((例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、例えば、剛性、静的荷重に対する性能、動的荷重に対する性能(エネルキー吸収性能)に優れるハニカム材を挿入する場合、コストが高く、量産品としては好ましくない。
【0004】
また、例えばウレタン材を構造部材の内部に充填したり、または設置する場合には、剛性を重視すると高密度ウレタン材を使用することになり、動的荷重が付与された際の構造部材の変形量が小さくなってエネルギー吸収性能が低下するため、剛性とエネルギー吸収性能の両立が困難である。
【特許文献1】特開平9−131817
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、コストを削減でき、剛性とエネルギー吸収性能を両立できる樹脂製部材およびその樹脂製部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係る樹脂製部材は、樹脂製の本体部を備える樹脂製部材であって、外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部が設けられるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、本体部に固定される塑性変形が可能な補強部材が設けられることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る樹脂製部材の製造方法は、樹脂製の本体部を備える樹脂製部材の製造方法であって、外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部を設けるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を配置して本体部に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明に係る樹脂製部材は、緩衝部に対して外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材が設置されるため、外部入力荷重が付与される際に、緩衝部から徐々に荷重が作用した後に補強部材で荷重を受けるため、エネルギーを吸収しつつ剛性を保つことができる。また、ハニカム材等の高価な部材を使用する必要もないので、コストを低減できる。
【0009】
上記のように構成した本発明に係る樹脂製部材の製造方法は、緩衝部に対して外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を設置するため、製造される樹脂製部材は、外部入力荷重が付与される際に、緩衝部から徐々に荷重が作用した後に補強部材で荷重を受けることとなる。したがって、エネルギーを吸収しつつ剛性を保つことが可能な樹脂製部材を製造でき、また、ハニカム材等の高価な部材を使用する必要もないので、コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る樹脂製部材の断面図、図2は同樹脂製部材の補強部材を示す断面図である。
【0012】
第1実施形態に係る樹脂製部材1は、図1,2に示すように、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)からなる本体部2と、本体部2に取り付けられる補強部材3と、を有している。本体部2のFRPは、本実施形態では、例えばエポキシ樹脂をマトリックス樹脂とするCFRPである。
【0013】
本体部2のFRPに適用される繊維には、強化材となるものであれば特に制限はなく、炭素繊維の他に、例えば黒鉛繊維、またはガラス繊維や、アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の有機繊維等が挙げあられ、またはこれらの2種類以上を併用したものも使用できる。
【0014】
また、本体部2のFRPに適用される樹脂には、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能であり、エポキシ樹脂の他に、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、更にはこれらの混合樹脂も使用できる。
【0015】
本体部2は、ハット形状のアウター部材4とインナー部材5とが、内部に中空部6が形成されるように接合されている。なお、本体部2は、内部に中空部6が形成されればその形状や部材数に制限はなく、例えば1部材であったり、または3部材以上が接合されていてもよい。
【0016】
本実施形態に係る樹脂製部材1は、例えば車両用部材であり、アウター部材4が車両の外側となり、インナー部材5が車両の内側となる。したがって、衝突等によって、アウター部材4側からの外部入力荷重が作用する。
【0017】
アウター部材4は、インナー部材5よりも板厚を薄くしたり、または外部入力荷重が作用する部位の板厚のみを薄くしてもよい。この場合には、アウター部材4が破壊されやすくなるため、外部入力荷重が付与された場合の初期反力を低減でき、例えば樹脂製部材1が車両用部材である場合には、車両の内部の乗員等への負荷を低減できる。
【0018】
インナー部材5の内側面(中空部6の外部入力荷重が作用する側と反対側)には、接着剤10により補強部材3が接合される。このとき、補強部材3とアウター部材4の間には、間隔が設けられる。このアウター部材4および間隔が、外部入力荷重が作用した際に、緩衝部として機能することとなる。
【0019】
補強部材3は、図2に示すように、剛性保持部7と、引張り保持部9と、を有しており、剛性保持部7には、本実施形態では軽量化を図りつつ強度を保持するためにアルミ押出し材を用いているが、塑性変形が可能な材料であれば他の材料であってもよく、またその形状は限定されない。
【0020】
引張り保持部9は、剛性保持部7のインナー部材5と接合される側に設置される。引張り保持部9はCFRPであり、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグである。引張り保持部9には、本体部2において前述したFRPのように、他の繊維を使用するF
RPも適用できる。また、引張り保持部9にはエポキシ樹脂が使用されるが、本体部2において前述したように、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能である。
【0021】
引張り保持部9に使用される繊維の方向は、樹脂製部材1に外部入力荷重が付与される際に生じる引張り方向と一致し、本実施形態では、図1,2における図面の奥行き方向に対応する。
【0022】
補強部材3をインナー部材5に接合するための接着剤10には、伸度が30%以上の接着剤を用いることが好ましく、本実施形態では、例えば伸度が50%、引張り剪断強度が20MPaのアクリル系接着剤を用いている。
【0023】
本実施形態に係る樹脂製部材1の作用を説明する。
【0024】
樹脂製部材1にアウター部材4側から外部入力荷重が付与されると、アウター部材4と補強部材3の間に空間が形成されているために補強部材3には直接荷重が入力されず、まず樹脂製の本体部2から亀裂伸展や層間剥離等が発生する。したがって、本体部2の破壊によりエネルギーが吸収され、初期反力を低く抑えることができる。このため、外部入力荷重付与直後における樹脂製部材1のインナー部材5側(例えば車両の室内側)への影響を低減できる。
【0025】
本体部2が破壊された後、荷重は補強部材3に伝わる。これにより、補強部材3で入力荷重を受けることができ、構造体の維持荷重の低下を抑制できる。
【0026】
また、補強部材3の剛性保持部7は塑性変形が可能であるため、エネルギーを吸収し、樹脂製部材1のインナー部材5側への衝撃を低減できる。
【0027】
また、アウター部材4側から入力される荷重により、アウター部材4と反対側に取り付けられる補強部材3はインナー部材5側へ変形するが、このとき、引張り保持部9が補強部材3のインナー部材5側に設けられているため、引張り保持部9には引張り力が生じる。引張り保持部9は、FRPの繊維が引張り方向と一致するため、引張り力に強く、構造体の維持荷重の低下を抑制できる。
【0028】
また、負荷が付与される側とは反対側に補強部材3が設けられるため、負荷が付与される側の造形の自由度が向上し、内部の補強部材3は造形面からの形状制約を受け難い。
【0029】
また、ハニカム材のような高価な材料を使用する必要がないため、材料費を安価に抑えることができる。
【0030】
また、補強部材3を本体部2に接合するための接着剤10の伸度が30%以上であるため、補強部材3や本体部2が変形する際の変形差を接着剤10が吸収し、補強部材3と本体部2が完全に剥がれず、強度を保持することができる。また、剛性保持部7にアルミ等の導電性材料を使用する場合には、接着剤10により形成される接着層が電触防止の役割を果すことができる。
【0031】
また、本実施形態では、補強部材3を本体部2と別部品で設けるため、本体部2を補強部材3とは別に成形できることにより、RTM工法等による成形が可能となり、量産性に優れている。
【0032】
このように、本実施形態によれば、補強部材3により剛性を維持しつつ、本体部2の破
壊によりエネルギーを吸収でき、剛性とエネルギー吸収性能を両立できる。
【0033】
<第2実施形態>
図3は本発明の第2実施形態に係る樹脂製部材の断面図を示す。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0034】
第2実施形態に係る樹脂製部材1’は、補強部材3とアウター部材4の間に、補強部材3よりも剛性の低い予備補強材11が設けられる。予備補強材11は、例えばウレタン材であるが、補強部材3よりも剛性が低ければ、他の材料でもよい。このアウター部材4および予備補強材11が、外部入力荷重が作用した際に、緩衝部として機能することとなる。
【0035】
第2実施形態に係る樹脂製部材1’に、アウター部材4側から外部入力荷重が付与されると、本体部2から亀裂伸展や層間剥離等が発生するとともに、予備補強材11により荷重が分散されつつ補強部材3に荷重が入力される。したがって、第1実施形態と比較して、初期反力が大きくなる。
【0036】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る樹脂製部材の構造は、図1,2で示される第1実施形態と略同様であり、繊維強化プラスチックであるインナー部材5に適用される強化繊維が、所定の配向を有する点のみで異なる。
【0037】
第3実施形態に係る樹脂製部材のインナー部材5は、外部入力荷重が入力される際にインナー部材5に生じる引張り方向と同一方向(0度)および垂直方向(90度)の配向で繊維が並ぶ第1クロス材と、引張り方向と傾斜する2方向(+45度および−45度)の配向で繊維が並ぶ第2クロス材とを重ねて強化繊維とし、RTM工法などにより成形される。なお、引張り方向と傾斜する2方向は、必ずしも+45度および−45度である必要はなく、例えば+30度および−30度とすることもできる。また、第1クロス材および第2クロス材は複数重ねられてもよく、また、他の配向を有するクロス材を更に重ねてもよい。
【0038】
引張り方向と同一方向の配向を有する第1クロス材は、高い引張り強度を有し、構造体の維持荷重の低下を抑制する。
【0039】
引張り方向と傾斜した配向を有する第2クロス材は、荷重が付与される際に、織目が広がることができるために破断ひずみが大きくなる。これにより、インナー部材5の曲げ変形への追従性が向上し、インナー部材5の破断を抑制できる。また、インナー部材5の曲げ変形の際の破断を抑制できるため、樹脂製部材のエネルギー吸収量を向上できる。
【0040】
<第4実施形態>
図4は本発明の第4実施形態に係る樹脂製部材の断面図を示す。なお、第1,2実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0041】
第4実施形態に係る樹脂製部材41は、図4に示すように、第1〜3実施形態と異なり、本体部42がアウター部材を有しておらず、インナー部材45のみから形成される。したがって、本体部42には中空部が形成されず、インナー部材45の外部入力荷重が作用する側に、塑性変形が可能な補強部材3が設置され、補強部材3の外部入力荷重(図4中の矢印参照)が作用する側に、緩衝部としての緩衝材43が露出されて設けられる。すなわち緩衝材43の外部入力荷重が作用する側と反対側に、補強部材3が設けられる。緩衝材43は、補強部材3よりも剛性が低く、例えばウレタン材であるが、補強部材3よりも剛性が低ければ、他の材料でもよい。
【0042】
第4実施形態に係る樹脂製部材41に外部入力荷重が付与されると、外部入力荷重は、まず緩衝材43から入力されることとなる。緩衝材43は、補強部材3よりも剛性が低いために荷重を分散させ、この後、補強部材3に荷重が入力される。したがって、緩衝材43の変形によりエネルギーが吸収され、初期反力を低く抑えることができる。このため、外部入力荷重付与直後における樹脂製部材41のインナー部材45側(例えば車両の室内側)への影響を低減できる。
【0043】
この後、荷重は補強部材3に伝わり、補強部材3で入力荷重を受けることができる。これにより、構造体の維持荷重の低下を抑制できる。
【0044】
第4実施形態では、アウター部材を必要としないため、アウター部材の費用およびアセンブリ工数を低減でき、性能を低下させることなくコストの削減が可能である。
【0045】
次に、上述したそれぞれの実施形態に関する衝撃試験について説明する。
【0046】
第1実施形態および第2実施形態に係る樹脂製部材1,1’に荷重を負荷する衝撃試験を実施した。
【0047】
図5は衝撃試験における供試体への荷重と供試体の変位量を示す供試体の断面図、図6は衝撃試験に用いられるスチール製構造体を示す断面図、図7は衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0048】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
試験例1および試験例2は、第1実施形態に係る樹脂製部材1であり、試験例1と比較して試験例2における樹脂製部材1のアウター部材4の板厚が薄く形成されている。
【0051】
試験例3は、第2実施形態に係る樹脂製部材1’を供試体とするものである。試験例4は、図6に示すようなスチール製構造体21である。
【0052】
スチール製構造体21は、高張力鋼板からなるアウター鋼板22、インナー鋼板23、ブレース24および補強鋼板25から構成される。
【0053】
衝撃試験では、図5に示すように、アウター部材4(またはアウター鋼板22)側から外部入力荷重Fを与え、樹脂製部材1(またはスチール製構造体21)の荷重方向への変位量Xを計測した。
【0054】
結果として、図7に示すように、試験例4では、最大荷重を受けた後に維持荷重が低下するが、第1,第2実施形態に対応する試験例1〜3では、最大荷重を受けた後も、インナー部材5および補強部材3により、荷重を維持していることが確認できる。
【0055】
また、試験例1〜3では、補強部材3が、中空部6における外部入力荷重が入力される側の反対側に取り付けられているため、試験例4のような荷重の突出がなく、過剰な初期反力が抑えられることが確認できる。
【0056】
また、試験例1と試験例2を比較すると、試験例2の方が荷重の立ち上がりが速い。試験例1と比較して試験例2のようにアウター部材4の板厚を薄くすることで、アウター部材4の破壊領域が広がり、補強部材3に加わる荷重が増えたためであり、試験例2では、試験例4のスチール製構造体と同程度のエネルギー吸収量が得られている。
【0057】
また、第2実施形態に対応する試験例3では、荷重を受けてから維持荷重が低下することなく、理想的なエネルギー吸収形態となっており、試験例4のスチール構造体の約1.3倍のエネルギー吸収量が得られている。
【0058】
次に、補強部材3をインナー部材5に設置した場合とアウター部材4に設置した場合を比較するための衝撃試験を実施した。
【0059】
図8はアウター部材に補強部材を設置した供試体を示す断面図、図9は補強部材をインナー部材に設置した場合とアウター部材に設置した場合を比較するための、衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0060】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
試験例4は、前述と同様のスチール製構造体21(図6参照)であり、試験例5は、インナー部材5に補強部材3を設置した第1実施形態に対応する樹脂製部材(図1参照)を供試体とするものであり、試験例6は、アウター部材4に補強部材3を設置した樹脂製部材(図8参照)を供試体とするものである。
【0063】
なお、試験例5の樹脂製部材1は、試験例4のスチール製構造体21と比較して、重量が約70%となっている。
【0064】
図9に示すように、アウター部材4に補強部材3を設置した試験例6では、アウター部材4に入力される荷重を、最初に補強部材3により受けることとなり、初期反力が試験例4よりも高くなってしまっている。
【0065】
また、試験例6では、補強部材3の変形とともにアウター部材4も”く”の字状に変形し、インナー部材5との接合部に伸びが生じるが、CFRPであるインナー部材5は引張り強度が高くあまり伸びないため、アウター部材4とインナー部材5の接合部において剥がれが生じやすい。
【0066】
このように、試験例5(第1実施形態)のように補強部材3をインナー部材5に設置することで、初期反力を抑えつつ、エネルギーを吸収できることが確認できる。
【0067】
次に、第1実施形態と第3実施形態を比較するための衝撃試験を実施した。
【0068】
図10は、インナー部材の繊維配向による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0069】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0070】
【表3】
【0071】
試験例7は、インナー部材5に、0度および90度の配向を有するクロス材を用いた第1実施形態に対応する樹脂製部材(図1参照)を供試体とするものであり、試験例8は、インナー部材5に、0度および90度の配向を有する第1クロス材と、+45度および−45度の配向で繊維が並ぶ第2クロス材とを重ねて強化繊維とした第3実施形態に対応する樹脂製部材を供試体とするものである。
【0072】
図10に示すように、第1実施形態に対応する試験例7では、変位が増加することにより強化繊維が破断して荷重が低下するが、第3実施形態に対応する試験例8では、変位が増加しても荷重が低下していない。これは、引張り方向に傾斜した配向を有する第2クロス材の織目が広がって破断ひずみが大きくなると推測され、インナー部材5の曲げ変形への追従性が向上していることが確認できる。
【0073】
図11は、クーポン試験片を用いた引張り試験結果を示す応力ひずみ線図である。図11に示すように、0,90度配向のクーポン試験片よりも、−45,+45度配向のクーポン試験片の方がひずみが5倍以上となっており、繊維が引張り方向に傾斜した配向を有することにより、変形に対する追従性が向上することが確認できる。
【0074】
次に、第2実施形態と第4実施形態を比較するための衝撃試験を実施した。
【0075】
図12は、アウター部材の有無による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【0076】
下記表は、各試験例に使用される供試体の構造を示す。
【0077】
【表4】
【0078】
試験例9は、アウター部材4が設けられた第2実施形態に対応する樹脂製部材1’(図3参照)を供試体とするものであり、試験例10は、アウター部材が設けられない第4実施形態に対応する樹脂製部材41(図4参照)を供試体とするものである。
【0079】
図12に示すように、第4実施形態に対応する試験例10においても、荷重が緩衝材43で分散された後に補強部材3に作用するため、アウター部材が設けられる試験例9と比較しても、エネルギー吸収量は損なわれないことが確認できる。
【0080】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、本体部2がFRPではなく、強化繊維の適用されていない樹脂材であってもよい。また、補強部材3に、引張り保持部9を設けず、補強部材3を直接本体部2のFRP部と一体化しても良い。また、第3実施形態における繊維が配向されたインナー部材を、第2,4実施形態に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態に係る樹脂製部材の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る樹脂製部材の補強部材を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る樹脂製部材の断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る樹脂製部材の断面図を示す。
【図5】衝撃試験における供試体への荷重と供試体の変位量を示す供試体の断面図である。
【図6】衝撃試験に用いられるスチール製構造体を示す断面図である。
【図7】衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【図8】アウター部材に補強部材を設置した供試体を示す断面図である。
【図9】補強部材をインナー部材に設置した場合とアウター部材に設置した場合を比較するための、衝撃試験結果である荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【図10】インナー部材の繊維配向による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【図11】クーポン試験片を用いた引張り試験結果を示す応力ひずみ線図である。
【図12】アウター部材の有無による荷重と変位量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0082】
1,1’,41 樹脂製部材、
2,42 本体部、
3 補強部材、
4 アウター部材、
5,45 インナー部材、
6 中空部、
7 剛性保持部、
9 引張り保持部、
10 接着剤、
11 予備補強材、
43 緩衝材、
F 外部入力荷重、
X 変位量。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の本体部を備える樹脂製部材であって、
外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部が設けられるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、本体部に固定される塑性変形が可能な補強部材が設けられることを特徴とする樹脂製部材。
【請求項2】
内部に中空部が形成される樹脂製の本体部を備える樹脂製部材であって、
前記中空部には、外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材が設置されることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製部材。
【請求項3】
前記中空部には、外部入力荷重が作用する側と前記補強部材の間に、前記補強部材よりも剛性の低い予備補強材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製部材。
【請求項4】
前記本体部は、外部入力荷重が作用する側のアウター部材と、外部入力荷重が作用する側と反対側に配置されて前記補強部材が取り付けられるインナー部材とを有し、前記アウター部材は、インナー部材よりも薄く形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂製部材。
【請求項5】
前記緩衝部は、外部入力荷重が作用する側に露出される、前記補強部材よりも剛性の低い緩衝材であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製部材。
【請求項6】
前記本体部は、繊維強化プラスチックにより形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
【請求項7】
前記本体部は、炭素繊維強化プラスチックにより形成されることを特徴とする請求項6に記載の樹脂製部材。
【請求項8】
前記本体部の前記補強部材が取り付けられる部位の強化繊維は、外部入力荷重が入力される際に当該部位に生じる引張り方向と同一方向で並ぶ繊維と、当該引張り方向と傾斜して並ぶ繊維とが重ねられたことを特徴とする請求項6または7に記載の樹脂製部材。
【請求項9】
前記補強部材は、金属製の剛性保持部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
【請求項10】
前記剛性保持部は、アルミ製であることを特徴とする請求項9に記載の樹脂製部材。
【請求項11】
前記補強部材は、前記本体部に固定される側に、繊維強化プラスチックにより形成される引張り保持部を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
【請求項12】
前記引張り保持部の繊維は、作用する外部入力荷重が入力される際に当該引張り保持部に生じる引張り方向と同一方向で並ぶことを特徴とする請求項11に記載の樹脂製部材。
【請求項13】
前記引張り保持部は、炭素繊維強化プラスチックにより形成されることを特徴とする請求項11または12に記載の樹脂製部材。
【請求項14】
樹脂製の本体部を備える樹脂製部材の製造方法であって、
外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部を設けるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を配置して本体部に固定することを特徴とする樹脂製部材の製造方法。
【請求項15】
内部に中空部が形成される樹脂製の本体部を備える樹脂製部材の製造方法であって、
前記中空部には、外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を設置することを特徴とする請求項14に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項16】
前記中空部の外部入力荷重が作用する側と前記補強部材の間に、前記補強部材よりも剛性の低い予備補強材を設けることを特徴とする請求項15に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項17】
前記本体部を、外部入力荷重が作用する側のアウター部材と、外部入力荷重が作用する側と反対側に配置されて前記補強部材が取り付けられるインナー部材とを有して構成し、前記アウター部材を、インナー部材よりも薄く形成することを特徴とする請求項15または16に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項18】
前記緩衝部として、外部入力荷重が作用する側に露出される、前記補強部材よりも剛性の低い緩衝材を設けることを特徴とする請求項14に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項19】
前記本体部を、繊維強化プラスチックにより形成することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項20】
前記本体部を、炭素繊維強化プラスチックにより形成することを特徴とする請求項19に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項21】
前記本体部の前記補強部材が取り付けられる部位の強化繊維を、外部入力荷重が入力される際に当該部位に生じる引張り方向と同一方向で並ぶ繊維と、当該引張り方向と傾斜して並ぶ繊維とを重ねて配置することを特徴とする請求項19または20に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項22】
前記補強部材に、金属製の剛性保持部を設けることを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項23】
前記剛性保持部を、アルミにより形成することを特徴とする請求項22に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項24】
前記補強部材の、前記本体部に固定される側に、繊維強化プラスチックよりなる引張り保持部を形成することを特徴とする請求項22または23に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項25】
前記引張り保持部を、作用する外部入力荷重が入力される際に当該引張り保持部に生じる引張り方向と同一方向で並ぶ繊維を用いて形成することを特徴とする請求項24に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項26】
前記引張り保持部を、炭素繊維強化プラスチックにより形成することを特徴とする請求項24または25に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項1】
樹脂製の本体部を備える樹脂製部材であって、
外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部が設けられるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、本体部に固定される塑性変形が可能な補強部材が設けられることを特徴とする樹脂製部材。
【請求項2】
内部に中空部が形成される樹脂製の本体部を備える樹脂製部材であって、
前記中空部には、外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材が設置されることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製部材。
【請求項3】
前記中空部には、外部入力荷重が作用する側と前記補強部材の間に、前記補強部材よりも剛性の低い予備補強材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製部材。
【請求項4】
前記本体部は、外部入力荷重が作用する側のアウター部材と、外部入力荷重が作用する側と反対側に配置されて前記補強部材が取り付けられるインナー部材とを有し、前記アウター部材は、インナー部材よりも薄く形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂製部材。
【請求項5】
前記緩衝部は、外部入力荷重が作用する側に露出される、前記補強部材よりも剛性の低い緩衝材であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製部材。
【請求項6】
前記本体部は、繊維強化プラスチックにより形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
【請求項7】
前記本体部は、炭素繊維強化プラスチックにより形成されることを特徴とする請求項6に記載の樹脂製部材。
【請求項8】
前記本体部の前記補強部材が取り付けられる部位の強化繊維は、外部入力荷重が入力される際に当該部位に生じる引張り方向と同一方向で並ぶ繊維と、当該引張り方向と傾斜して並ぶ繊維とが重ねられたことを特徴とする請求項6または7に記載の樹脂製部材。
【請求項9】
前記補強部材は、金属製の剛性保持部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
【請求項10】
前記剛性保持部は、アルミ製であることを特徴とする請求項9に記載の樹脂製部材。
【請求項11】
前記補強部材は、前記本体部に固定される側に、繊維強化プラスチックにより形成される引張り保持部を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
【請求項12】
前記引張り保持部の繊維は、作用する外部入力荷重が入力される際に当該引張り保持部に生じる引張り方向と同一方向で並ぶことを特徴とする請求項11に記載の樹脂製部材。
【請求項13】
前記引張り保持部は、炭素繊維強化プラスチックにより形成されることを特徴とする請求項11または12に記載の樹脂製部材。
【請求項14】
樹脂製の本体部を備える樹脂製部材の製造方法であって、
外部入力荷重が作用する側に外部入力荷重を分散させる緩衝部を設けるとともに、当該緩衝部の外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を配置して本体部に固定することを特徴とする樹脂製部材の製造方法。
【請求項15】
内部に中空部が形成される樹脂製の本体部を備える樹脂製部材の製造方法であって、
前記中空部には、外部入力荷重が作用する側と反対側に、塑性変形が可能な補強部材を設置することを特徴とする請求項14に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項16】
前記中空部の外部入力荷重が作用する側と前記補強部材の間に、前記補強部材よりも剛性の低い予備補強材を設けることを特徴とする請求項15に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項17】
前記本体部を、外部入力荷重が作用する側のアウター部材と、外部入力荷重が作用する側と反対側に配置されて前記補強部材が取り付けられるインナー部材とを有して構成し、前記アウター部材を、インナー部材よりも薄く形成することを特徴とする請求項15または16に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項18】
前記緩衝部として、外部入力荷重が作用する側に露出される、前記補強部材よりも剛性の低い緩衝材を設けることを特徴とする請求項14に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項19】
前記本体部を、繊維強化プラスチックにより形成することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項20】
前記本体部を、炭素繊維強化プラスチックにより形成することを特徴とする請求項19に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項21】
前記本体部の前記補強部材が取り付けられる部位の強化繊維を、外部入力荷重が入力される際に当該部位に生じる引張り方向と同一方向で並ぶ繊維と、当該引張り方向と傾斜して並ぶ繊維とを重ねて配置することを特徴とする請求項19または20に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項22】
前記補強部材に、金属製の剛性保持部を設けることを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項23】
前記剛性保持部を、アルミにより形成することを特徴とする請求項22に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項24】
前記補強部材の、前記本体部に固定される側に、繊維強化プラスチックよりなる引張り保持部を形成することを特徴とする請求項22または23に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項25】
前記引張り保持部を、作用する外部入力荷重が入力される際に当該引張り保持部に生じる引張り方向と同一方向で並ぶ繊維を用いて形成することを特徴とする請求項24に記載の樹脂製部材の製造方法。
【請求項26】
前記引張り保持部を、炭素繊維強化プラスチックにより形成することを特徴とする請求項24または25に記載の樹脂製部材の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−45736(P2008−45736A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102975(P2007−102975)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構「地球温暖化防止新技術プログラム 自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構「地球温暖化防止新技術プログラム 自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
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