説明

橋梁用防護柵支柱及び支柱

【課題】本発明は少なくとも2本のアンカーボルトの設置距離を充分に確保することを実現可能とした橋梁用防護柵支柱及び支柱を提供することを目的とするものである。
【解決手段】、プレート3上に立設された第1のフランジ7と、この第1のフランジ7と略平行にプレート3上に立設された第2のフランジ8と、第1のフランジ7と第2のフランジ8を連結するウエブ9と、プレート3とウエブ9との間の少なくとも孔部17、17Aに対応する領域に設けられると共に、アンカーボルト4が通過可能に構成された空間部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は橋梁用防護柵支柱及び支柱に関する。詳しくは、例えば既設の地覆コンクリートに埋設された鉄筋に当たることなくアンカーボルトの設置が可能である橋梁用防護柵支柱及び支柱に係るものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁用防護柵は、自動車が誤って衝突しても、乗員や車両の安全を図ると共にその車体が車道の外に飛び出す事態を防ぐため、衝突エネルギーを吸収して支柱が破断しないことが求められている。
【0003】
ここで、従来の橋梁用防護柵は、例えば図11に示すように、車道の路肩に橋梁用防護柵支柱105を立設するための地覆コンクリート101が設置され、この地覆コンクリート101内に鉄筋(図示せず。)が配筋され、この鉄筋と当接しない位置にアンカーボルト103が配置された状態で地覆コンクリート101が形成されている。
【0004】
このような新設の地覆コンクリート101を施工する場合には、橋梁用防護柵支柱105のプレート106に貫設されたアンカーボルト挿通用穴(図示せず。)に合わせてアンカーボルト103を配置する。
【0005】
しかしながら、橋梁用防護柵は風雨に晒されることによる老朽化や事故などの破損によって取り替える必要が生じてくる。この際の橋梁用防護柵の取替え作業では、掘削機などで既存の地覆コンクリート及び橋梁用防護柵を取り崩して新たな地覆コンクリートを施工して橋梁用防護柵を取り付けている。
【0006】
ところが、橋梁用防護柵の取替え作業では、既存の地覆コンクリートの取崩しや、新たな地覆コンクリートの施工のために工事期間が長くなり、工事期間中には片側通行などによる長期の交通規制を行わなければならない問題が生ずる。
【0007】
また、橋梁用防護柵の取替えのために地覆コンクリートを取り壊し、新たに地覆コンクリートを施工するのは工事費の負担がかかるというのが現状である。
【0008】
そのため、既存の地覆コンクリート上の橋梁用防護柵を取外した後に、新たな橋梁用防護柵を取り付ける取替工事が提案されている。この取替工事では橋梁用防護柵の解体を行った後に、橋梁用防護柵支柱と地覆コンクリート上面との境界線上をガスバーナー等により切断し、地覆コンクリート内に橋梁用防護柵支柱の根元部分を残置した状態で、残置穴にモルタル等を流し込んで地覆コンクリート上面と同一面に補修し、その後、新たな橋梁用防護柵の取り付け工事が行われている。
【0009】
なお、この新たな橋梁用防護柵の取り付け工事では図12に示すように、地覆コンクリート101内に鉄筋104が縦横に埋設されているために、この鉄筋104に当接しない位置にアンカーボルト穴(図示せず。)を穿孔する必要がある。
【0010】
一方で、橋梁用防護柵支柱のプレート板106に貫設された4個のアンカーボルト挿通用穴107の位置は予め決まっており、これらのアンカーボルト挿通用穴107に対応するアンカーボルト穴(図示せず。)を鉄筋104に当接しない位置に穿孔する。
【0011】
そのため、アンカーボルト103を埋め込むには、超音波装置等によって鉄筋104の位置を確かめながら全てのアンカーボルト挿通用穴107に対応するアンカーボルト穴が鉄筋104に当たらない位置となるように設定しなければならず、非常に煩雑な作業となる。
【0012】
こうした問題を解消することを目的とした橋梁用防護柵支柱として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
具体的には、特許文献1に記載された橋梁用防護柵支柱では、図13に示すように、プレート106に開設されたアンカーボルト挿通用穴107は、地覆コンクリート101の長手方向に沿って左右側に開設された長穴の少なくとも一側が地覆コンクリート101の長手方向に対して傾斜角をもって形成されている。
【0013】
このように、アンカーボルト挿通用穴107が地覆コンクリート101の長手方向に沿って長穴形状とされることで、地覆コンクリート101に埋設された鉄筋104に対してアンカーボルト103が当接しないように任意方向に移動することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2010−1730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1の橋梁用防護柵支柱では、プレート106上のフランジ110及びウエブ111以外の箇所にアンカーボルト挿通用穴107が配置されており、フランジ110やウエブ111を避けてアンカーボルト挿通用穴107を配置する都合上、アンカーボルト挿通用穴107の大きさが制限される。そのため、アンカーボルトの調整のために移動できる距離が短く、鉄筋をよけてアンカーボルトを埋設することに充分に対応できない場合がある。
【0016】
なお、アンカーボルトの調整のために移動できる距離を確保するために、アンカーボルト挿通用穴107を大きくすることも考えられるが、単にアンカーボルト挿通用穴107の大きさを大きくするといった対応の場合には、プレートの幅が大きくなることで橋梁用防護柵支柱自体の重量が大きくなり地覆コンクリート上への設置作業が煩雑となるため、こうした対応は必ずしも妥当であるとは言い難い。
【0017】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、アンカーボルトの設置距離を充分に確保することを実現可能とした橋梁用防護柵支柱及び支柱を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明に係る橋梁用防護柵支柱は、少なくとも4本のアンカーボルトで橋梁の地覆コンクリート上に固定されると共に、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が2箇所に設けられたプレートと、該プレート上に立設された第1のフランジと、該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、前記プレートと前記ウエブとの間の少なくとも前記孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える
【0019】
例えば、取替え工事等により既設の地覆コンクリート上に橋梁用防護柵支柱を設置する場合には、地覆コンクリート内に縦横に配筋された鉄筋にアンカーボルトが当接しないようにアンカーボルトの配置決めを行わなければならない。
【0020】
ここで、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれの任意位置に配置可能な孔部が2箇所に設けられたプレートによって、アンカーボルトの任意方向への距離を充分に確保することができ、プレートの孔部内において地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接しない位置に2本のアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0021】
更に、第1のフランジと第2のフランジを連結するウエブと、プレートとウエブとの間の少なくとも孔部に対応する領域に設けられると共に、アンカーボルト、又はアンカボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部を備えることによって、ウエブによって孔部を分断することがなく孔部内でのアンカーボルトの位置決めを支障なく行うことが可能となる。
【0022】
なお、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部とは、地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接しないようであれば3本、あるいは4本のアンカーボルトを孔部に配置しても構わないことを意味する。
【0023】
また、少なくとも孔部の一つが地覆コンクリートの長手方向に沿って形成されることによって、地覆コンクリートの長手方向に対して略直角状に配筋された鉄筋に対して当接しない位置に2本のアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0024】
なお、少なくとも孔部の一つが地覆コンクリートの長手方向に沿って形成されるとは、プレートに設けられる2箇所の孔部が地覆コンクリートの長手方向に沿って形成されたものであっても構わないことを意味する。
【0025】
また、少なくとも孔部の一つが地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成されることによって、地覆コンクリートの長手方向に沿って配筋された鉄筋に対して当接しない位置に2本のアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0026】
なお、少なくとも孔部の一つが地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成されるとは、プレートに設けられる2箇所の孔部が地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成されたものであっても構わないことを意味する。
【0027】
また、第2のフランジを挟むように対向した状態でプレート上に固着された補強板を備えることによって、地覆コンクリートの車道の反対側へ第2のフランジが立設されたプレートがはみ出すように設置した場合に、例えば車両による衝突で橋梁用防護柵支柱が車道の反対側への荷重が加わった際にプレートが折れ曲がり、地覆コンクリートの破損を防止することが可能となる。
【0028】
また、補強板が所定長さを有すると共に、その長手方向に沿って略直角に折り曲げ形成されることによって、プレート上に溶接等によって容易、かつ強固に固着することが可能となる。
【0029】
また、補強板が所定長さを有すると共に、その長手方向に沿った両側端が略直角に折り曲げ形成されることによって、プレート上に溶接等によって容易に固着することができると共に補強板の両側端がプレート上に立設されることでプレートの耐強度を著しく向上させることが可能となる。
【0030】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る橋梁用防護柵支柱は、少なくとも4本のアンカーボルトで橋梁の地覆コンクリート上に固定されると共に、アンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が3箇所に設けられたプレートと、該プレート上に立設された第1のフランジと、該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、前記プレートと前記ウエブとの間の前記地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された前記1個の孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える。
【0031】
ここで、プレートに2本のアンカーボルトのそれぞれの任意位置に配置される孔部が2箇所に設けられることによって、アンカーボルトの任意方向への距離を充分に確保することができ、プレートの孔部内において地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接しない位置に2本のアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0032】
更に、第1のフランジと第2のフランジを連結するウエブと、プレートとウエブとの間の地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された少なくとも孔部に対応する領域に設けられると共に、アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部を備えることによって、ウエブによって孔部を分断することがなく孔部内でのアンカーボルトの位置決めを支障なく行うことが可能となる。
【0033】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る支柱は、少なくとも4本のアンカーボルトで固定されると共に、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が2箇所に設けられたプレートと、該プレート上に立設された第1のフランジと、該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、前記プレートと前記ウエブとの間の少なくとも前記孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える。
【0034】
ここで、支柱の取替えのために既設の地覆コンクリートを活用する場合に、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれの任意位置に配置可能な孔部が2箇所に設けられたプレートによって、アンカーボルトの任意方向への距離を充分に確保することができ、プレートの孔部内において地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接しない位置に2本のアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0035】
更に、第1のフランジと第2のフランジを連結するウエブと、プレートとウエブとの間の少なくとも孔部に対応する領域に設けられると共に、アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部を備えることによって、ウエブによって孔部を分断することがなく孔部内でのアンカーボルトの位置決めを支障なく行うことが可能となる。
【0036】
なお、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部とは、地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接しないようであれば3本、あるいは4本のアンカーボルトを孔部に配置しても構わないことを意味する。
【0037】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る支柱は、少なくとも4本のアンカーボルトで固定されると共に、アンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が3箇所に設けられたプレートと、該プレート上に立設された第1のフランジと、該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、前記プレートと前記ウエブとの間の前記地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された前記1個の孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える。
【0038】
ここで、支柱の取替えのために既設の地覆コンクリートを活用する場合に、プレートに2本のアンカーボルトのそれぞれの任意位置に配置される孔部が2箇所に設けられることによって、アンカーボルトの任意方向への距離を充分に確保することができ、プレートの孔部内において地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接しない位置に2本のアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0039】
更に、第1のフランジと第2のフランジを連結するウエブと、プレートとウエブとの間の地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された少なくとも孔部に対応する領域に設けられると共に、アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部を備えることによって、ウエブによって孔部を分断することがなく孔部内でのアンカーボルトの位置決めを支障なく行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の橋梁用防護柵支柱及び支柱によれば、少なくとも2本のアンカーボルトの設置距離を充分に確保することができ、地覆コンクリート内に配筋された鉄筋に当接することなくアンカーボルトの設置位置を任意方向に調整可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の一例を説明するための立体模式図である。
【図2】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の一例を説明するための側面模式図である。
【図3】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの一例を説明するための模式図である。
【図4】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの他の例を説明するための模式図である。
【図5】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの他の例を説明するための模式図である。
【図6】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの他の例を説明するための模式図である。
【図7】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートに取り付ける補強板の一例を説明するための模式図である。
【図8】図7における橋梁用防護柵支柱の地覆コンクリートへの取付状態を説明するための模式図である。
【図9】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の他の例を示す立体模式図を示す。
【図10】本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の他の例のプレートの取付け状態を説明するための模式図である。
【図11】従来の橋梁用防護柵支柱の取付の一例を説明するための模式図である。
【図12】地覆コンクリート内の鉄筋の埋設状態を説明するための模式図である。
【図13】従来の橋梁用防護柵支柱のプレートのアンカーボルト挿通用長穴の形態の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0043】
<第1の実施の形態>
図1は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の一例を説明するための立体模式図、図2は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の一例を説明するための側面模式図、図3は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの一例を説明するための模式図である。
【0044】
ここで示す橋梁用防護柵支柱1は、ダクタイル鋳鉄、あるいは鋼製、アルミニウム製、ステンレス製などにより形成されている。
【0045】
この橋梁用防護柵支柱1は、プレート3と、このプレート3上に互いが平行となるように立設された第1のフランジ7及び第2のフランジ8と、この第1のフランジ7と第2のフランジ8を連結するウエブ9とから構成されている。
【0046】
ここで、プレート3は地覆コンクリート2内に基部が埋設され、かつその上部が地覆コンクリート2上に突設される4本のアンカーボルト4及びナット、ワッシャー等から成る締結用部材20で締結固定されている。
【0047】
更に、第1のフランジ7は、その下端がプレート3の前端(車道側部)より手前側に所定幅を設けた状態で垂直状に立ち上がり、下部中途よりプレート3の後部側(車道とは反対側)へ所定角度折り曲げられ、再び垂直状に立ち上げられている。
【0048】
次に、第1のフランジ7の前面の上端より上段のレール11、中段のレール11A及び下段のレール11Bを受けるための取付受け部12、12A、12Bが設けられている。この取付受け部12、12A、12Bは、それぞれのレール11、11A、11Bの外周面に沿うように円弧形状に形成されている。
【0049】
また、取付受け部12、12A、12Bの略中央部には、ボルト挿通孔13が貫通されている。更に、上段のレール11、中段のレール11A及び下段のレール11Bには締結用ネジ孔14が穿孔されている。
【0050】
そして、レール11、11A、11B内にはスリーブ10が内包された状態で取付受け部12、12A、12Bに嵌め合わされている。
【0051】
ここで、取付受け部12、12A、12Bのボルト挿通孔13とレール11、レール11A及びレール11Bの締結用ネジ孔14とスリーブ10に穿孔されたネジ孔(図示せず。)を合わせた状態で締結ボルト15によって螺着された構成とされている。
【0052】
また、第2のフランジ8はウエブ9の後端に溶接等によって接合されている。この第2のフランジ8の幅は、第1のフランジ7に貫設された取付受け部12、12A、12Bのボルト挿通孔13との距離幅以下とされている。これにより第2のフランジ8の後方よりそれぞれのレール11、11A、11Bの締結ボルトによる締結が電動ドライバー等により支障なく行うことが可能となる。
【0053】
更に、ウエブ9は第1のフランジ7及び第2のフランジ8の裏面の中央上下方向に沿って溶接等により接合され、その下端の略中央にアンカーボルト4、又は締結用部材20が通過可能な領域を有する空間部16が形成されている。
【0054】
ここで、図3に示すように、プレート3は前端側の幅長さが150〜160mm、その奥行き長さが205〜220mmとされ、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意方向に配置可能な孔部17、17Aが2箇所貫設されている。なお、これらの孔部17、17Aの全長は、略100〜120mm、その幅長さが26mmとされている。
【0055】
ここで、一方の孔部17は、第1のフランジ7とプレート3の前端との間に、地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設されている。
【0056】
また、他方の孔部17Aはウエブ9とプレート3との間に開口された空間部16に、孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されている。更に、ウエブ9の空間部16を中心にその左右側、かつ第1のフランジ7側方向に向けて円弧状に形成されている。
【0057】
次に、図4(図4(A)、(B)、(C)、(D)に図3におけるプレートの他の形態を説明するための模式図を示す。)は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの他の例を説明するための模式図である。
【0058】
ここで、図4(A)に示すように、プレート3の前端と第1のフランジ7との間に、地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17が貫設されている。また、ウエブ9下端の空間部16に孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されると共に、その空間部16を中心にその左右側、かつ地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17Aがプレート3に貫設されている。
【0059】
また、図4(B)に示すように、プレート3の前端と第1のフランジ7との間に、プレート3の前端に向けて円弧形状とされた孔部17が貫設されている。更に、ウエブ9下端の空間部16に孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されると共に、その空間部16を中心にその左右側、かつプレート3の後端に向けて円弧形状とされた孔部17Aがプレート3に貫設されている。
【0060】
また、図4(C)に示すように、プレート3の前端と第1のフランジ7との間に、プレート3の前端に向けて円弧形状とされた孔部17が貫設されている。更に、ウエブ9下端の空間部16に孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されると共に、その空間部16を中心にその左右側、かつ地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17Aがプレート3に貫設されている。
【0061】
また、図4(D)に示すように、プレート3の前端と前部フランジ7との間に、地覆コンクリート2の長手方向に沿って配置されると共に、その両端が前部フランジ7側に略直角に折曲げられた形状の孔部17が貫設されている。更に、ウエブ9の下端の空間部16に孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されると共に、その空間部16を中心にその左右側、かつ地覆コンクリート2の長手方向に沿って配置されると共に、かつその両側端がプレート3の前端方向へ折曲げられた形状の孔部17Aがプレート3に貫設されている。
【0062】
次に、図5(図5(A)はプレートの後端と後部フランジとの間に孔部を配置した場合の一例を示す模式図、図5(B)はプレートの後端と後部フランジとの間に孔部を配置した場合の他の例の模式図を示す。)は、本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの孔部の他の例を説明するための模式図である。
【0063】
ここで、図5(A)に示すように、プレート3の後端と後部フランジ8との間に、地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17が貫設されている。更に、ウエブ9の下端の空間部16に孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されると共に、その空間部16を中心にその左右側、かつ地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17Aがプレート3に貫設されている。
【0064】
また、図5(B)に示すように、プレート3の後端と後部フランジ8との間に、このプレート3の後端に向けて円弧形状とされた孔部17が貫設されている。更に、ウエブ9下端の空間部16に孔部17Aの開口領域が面した状態で貫設されると共に、その空間部16を中心にその左右側、かつ地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17Aがプレート3に貫設されている。
【0065】
図6は、本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの孔部が前後のフランジ間に2個配置された場合の一例を説明するための模式図である。
【0066】
ここで、プレート3の前端に前部フランジ7が配置され、プレート3の後端に後部フランジ8が配置されると共に、前部フランジ7と後部フランジ8との間にウエブ9が設けられている。
【0067】
そして、このウエブ9下端とプレート3との間には所定間隔を設けて2個の空間部16、16が形成されると共に、ウエブ9下端のそれぞれの空間部16に孔部17A、17Aの開口領域が面した状態で貫設される。更に、それぞれの空間部16、16を中心にその左右側、かつ地覆コンクリート2の長手方向に沿って孔部17A、17Aがプレート3に貫設されている。
【0068】
なお、本実施例で詳述する空間部はウエブの下端が孔部と連通状となるようにウエブの一部が切欠された状態を示すものであるが、必ずしも一部を切欠する必要性はなく、例えばプレートの上面とウエブの下端とをアンカーボルト、又はナット、ワッシャー等の締結用部材が通過可能な空間部を有するように離間された状態でウエブが設置された構成であっても構わない。
【0069】
本発明を適用した橋梁用防護柵支柱では、前記図3に示すように、地覆コンクリート2の車道側A及び車道の反対側Bの長手方向に沿って2本の鉄筋19が埋設されると共に、この鉄筋19に対して一定間隔ごとに直交する鉄筋19Aが埋設されている。
【0070】
ここで、プレート3の前端と平行状に貫設された孔部17が地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19とずらした状態でプレート3を地覆コンクリート2上面に載置する。そして鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17内に2個のアンカーボルト4の配置決めを行う。
【0071】
この場合に、プレート3とウエブ9下端との間に形成された空間部16を中心にその左右側、かつ第1のフランジ7側方向に向けて円弧状とされる孔部17Aの一部は地覆コンクリート2の車道の反対側Bの鉄筋19と重なり合うことになる。
【0072】
しかし孔部17Aが円弧状とされるために、反対側Bの鉄筋19とは重なり合わない部分の孔部17A内へアンカーボルト4の位置をずらした状態で2個のアンカーボルト4の配置決めを行う。
【0073】
また、前記図4(A)に示すように、地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17、17Aが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と車道の反対側Bの鉄筋19と重なり合わない状態でプレート3を地覆コンクリート2上面に載置する。そして鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17、17A内にアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0074】
また、前記図4(B)に、円弧形状に形成された孔部17、17Aの一部が地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と車道の反対側Bの鉄筋19と重なる場合を示す。
この場合には、孔部17、17A内において地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19が車道側及び車道の反対側Bの鉄筋19と鉄筋19Aに重なり合わない位置となるようにアンカーボルト4をずらした状態での2個のアンカーボルトの配置決めを行う。
【0075】
また、前記図4(C)に、円弧形状に形成された孔部17の一部が地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と重なる場合を示す。
この場合には、孔部17内において地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19が重なり合わなく、かつ孔部17、17A内に鉄筋19Aと重なり合わない位置にアンカーボルト4をずらした状態での2個のアンカーボルトの配置決めを行う。
【0076】
また、前記図4(D)に、地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17、17Aが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と車道の反対側Bの鉄筋19と重なる場合を示す。
この場合には、孔部17、17A内において地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19及び車道の反対側Bの鉄筋19が重なり合わない孔部17、17Aの両側端にアンカーボルト4をずらした状態での2個のアンカーボルトの配置決めを行う。
【0077】
次に、前記図5(A)に示すように、地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17、17Aが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と車道の反対側Bの鉄筋19と重なり合わない状態でプレート3を地覆コンクリート2上面に載置する。そして鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17、17A内にアンカーボルト4をずらした状態での2個のアンカーボルトの配置決めを行う。
【0078】
また、前記図5(B)に、プレート3の後端と後部フランジ8との間の円弧形状に形成された孔部17の一部が地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と重なる場合を示す。
この場合には、孔部17内において地覆コンクリート2の車道の反対側Bの鉄筋19が重なり合わなく、かつ孔部17、17A内に鉄筋19Aに重なり合わない位置となるようにアンカーボルト4をずらした状態での2個のアンカーボルトの配置決めを行う。
【0079】
また、前記図6に示すように、第1のフランジ7及び第2のフランジ8間のプレート3に地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17、17Aが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と車道の反対側Bの鉄筋19と重なり合わない状態でプレート3を地覆コンクリート2上面に載置する。そして鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17、17A内にアンカーボルト4をずらした状態での2個のアンカーボルトの配置決めを行う。
【0080】
また、本実施の形態では孔部に2本のアンカーボルトを任意位置に配置するものであるが、必ずしも2本のアンカーボルトを配置する必要性はなく、一つの孔部に3本以上のアンカーボルトを配置する構成であっても構わない。
【0081】
以上の構成よりなる本発明の橋梁用防護柵支柱では、既設の地覆コンクリート上面において地覆コンクリート内に縦横に配筋される鉄筋に対して橋梁用防護柵支柱の位置をずらすことなくアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0082】
また、孔部に少なくとも2本のアンカーボルトを配置することができるために、プレートの大きさを変更することなく、少なくとも2本のアンカーボルトの任意方向への移動距離を充分に確保した上でアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0083】
また、プレートとウエブ下端との間に孔部の開口領域と面した空間部を設けることでアンカーボルト位置をウエブ近傍、あるいは空間部内に配置することができ、アンカーボルトの配置領域を充分に確保することが可能となる。
【0084】
ここで、既設の地覆コンクリートに設置する橋梁用防護柵支柱としてプレートに約75mm長さの孔部を4個配置した場合には、プレートは前端側の幅長さが250mm、その奥行き長さが205〜220mmとなる。従って、プレートが4個の丸穴を配置した従来品のプレートよりも極端に大きくなる。
【0085】
このように、プレートが極端に大きいということは、次のような弊害を起こすこととなる。
(イ)支柱の重量が増大するために現場施工能力の低下を招く。
(ロ)完成品の支柱の梱包はプレートが大きいために、プレートとフランジとを別々に梱包しなければならず煩雑となる。
(ハ)梱包された支柱を10本から20本単位にパレットに積む場合プレートが極端に大きいために、安定が悪く、梱包に余分な労力を必要とする。
(ニ)梱包の安定が悪いために、運送途中で荷崩れを起こしやすい。
(ホ)運送目的地で荷物を降ろす場合、安定が悪いために、クレーンで吊り下げた後、荷物が落下する危険性が非常に多い。
(ヘ)梱包資材が多くなるために、その分廃棄物が増大する。
(ト)ダクタイル鋳鉄、アルミ鋳造製の支柱の場合、造型用金枠が大きくなり、造型機による鋳造が難しい。
(チ)前記鋳造品で縦断勾配用の支柱の鋳造が非常に難しい、即ち砂型より主型を離型することができず、大型の中子を必要とする為に1日の生産量がわずかしかできず、かつコストが嵩むことになる。
従って、溶接構造でしか製造することができないために、大量の生産を可能とする鋳造品の支柱には不向きとなる。
【0086】
それに対して、本実施の形態では、前端側の幅長さが150〜160mm、その奥行き長さが205〜220mmとなり、4個の丸穴を配置した従来品のプレートと同様な大きさとすることが可能となる。従って、上記のような弊害を解消することができる。
【0087】
なお、本実施の形態では橋梁用防護柵支柱における詳述を行うものであるが、必ずしも橋梁用防護柵支柱である必要性はない。例えば高架した鉄道、あるいは敷地を囲うフェンス又は防音壁等の支柱など配筋された地覆コンクリート上に設置されるものであればいかなる支柱であっても構わない。
【0088】
<第2の実施の形態>
図7(図7(A)は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートに取り付ける補強板の一例を説明するための模式図を示し、図7(B)は本発明を適用した本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートに取り付ける補強板の一例を説明するための模式図である。)は、本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの他の例を説明するための模式図である。
【0089】
ここで示すプレート3は、前記図3〜6において詳述したように孔部17、17Aが貫設された構成とされている。
【0090】
ここで、図7(A)に示すように、プレート3の第2のフランジ8挟むように対向した状態で、その長手方向に沿って略直角状に折り曲げられた、所謂アングル状の補強板22がそれぞれ溶接等によりプレート3上に固着されている。
【0091】
また、図7(B)に示すように、プレート3の第2のフランジ8を挟むように対向した状態で、その長手方向に沿って断面コの字形状に折り曲げ形成された、所謂チャンネル状の補強板22Aがそれぞれ溶接等によりプレート3上に固着されている。
【0092】
なお、本実施例ではアングル状、あるいはチャンネル状の補強板を詳述するものであるが、必ずしもアングル状、あるいはチャンネル状とする必要性はなく、例えば鋼製の板などプレート3が折り曲がるのを補強することができる構造であればいかなる形状であっても構わない。
【0093】
本発明によれば図8に示すように、車道側Aにレール(図示せず。)がはみ出さない状態で地覆コンクリート2上に橋梁用防護柵支柱1が設置される。この場合には、プレート3の第2のフランジ8側が地覆コンクリート2の車道の反対側B方向へはみ出した状態でアンカーボルト4によりプレート3が固定される。
【0094】
ここで、走行中の車両による衝突等によって橋梁用防護柵支柱1に対して車道の反対側B方向への荷重が掛かった場合には、プレート3の地覆コンクリート2の車道の反対側B方向へはみ出した部分より下方向への荷重が掛かる。
【0095】
この場合に、プレート3の第2のフランジ8側を挟むように対向した状態で補強板22が固着されていることで下方向への荷重に対する強度を有することが可能となる。
【0096】
従って、補強板22を設けることで地覆コンクリート2からプレート3がはみ出さない状態を保持することが可能となる。これにより橋梁用防護柵支柱1に荷重が掛かることで第1のフランジ7及び第2のフランジ8の中途より折り曲がることで地覆コンクリート2を崩壊させることなく車両を保護することが可能となる。
【0097】
<第3の実施の形態>
図9(図9(A)は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱における第1のフランジ及び第2のフランジとの間に1個の孔部が設けられた場合の一例を説明するための立体模式図を示し、図9(B)は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱における第1のフランジ及び第2のフランジとの間に3個の孔部が設けられた場合の一例を説明するための立体模式図を示す。)は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱の他の例を示す立体模式図を示す。
【0098】
ここで示す橋梁用防護柵支柱1は、プレート3と、このプレート3上に互いが平行となるように立設された第1のフランジ7及び第2のフランジ8と、この第1のフランジ7と第2のフランジ8を連結するウエブ9とから構成されている。
【0099】
ここで、プレート3は地覆コンクリート2内に基部が埋設され、かつその上部が地覆コンクリート2上に突設される4本のアンカーボルト4及びナット、ワッシャー等から成る締結用部材20で締結固定されている。
【0100】
また、ウエブ9は第1のフランジ7及び第2のフランジ8の裏面の中央上下方向に沿って溶接等により接合され、その下端の略中央にアンカーボルト4、又は締結用部材20が通過可能な領域を有する空間部16が形成されている。
【0101】
ここで、図9(A)で示すように、第1のフランジ7とプレート3の前端との間に、車道側の2本のアンカーボルトのそれぞれの任意方向に配置された2個の孔部17B、17Bが地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設されている。
【0102】
また、第1のフランジ7と第2のフランジ8との間に、ウエブ9とプレート3との間に開口された空間部16に、孔部17の開口領域が面した状態で貫設されている。更に、この孔部17は、ウエブ9の空間部16を中心にその左右側、かつ第1のフランジ7側方向に向けて円弧状に形成されている。
【0103】
次に、図9(B)で示すように、第1のフランジ7と第2のフランジ8との間に、ウエブ9の両側位置に2個の孔部17B、17Bが地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設されている。この2個の孔部17B、17Bは、車道側、あるいは車道の反対側(本実施例では車道側)の2本のアンカーボルトのそれぞれの任意方向に配置されている。
【0104】
また、第1のフランジ7と第2のフランジ8との間に、ウエブ9とプレート3との間に開口された空間部16に、孔部17の開口領域が面した状態で貫設されている。更に、この孔部17は、ウエブ9の空間部16を中心にその左右側、かつ第1のフランジ7側方向に向けて円弧状に形成されている。
【0105】
また、第2のフランジ8の地覆コンクリート2の車道の反対側B面には、プレート3より第2のフランジ8の中央に沿って補強用リブ18が立設されている。
【0106】
次に、図10(図10(A)、(B)は図9におけるプレートの使用形態を説明するための模式図を示し、図10(C)は、図9(B)におけるプレートの他の形態を説明するための模式図を示す。)は本発明を適用した橋梁用防護柵支柱のプレートの使用形態を説明するための模式図である。
【0107】
ここで、図10(A)に示すように、第1のフランジ7とプレート3前端との間の地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17B、17Bが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と重なり合わない状態で地覆コンクリート2上面に載置する。更に、鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17B、17B内にアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0108】
また、第1のフランジ7側方向に向けて円弧状に形成される孔部17内に、地覆コンクリート2の車道の反対側Bの鉄筋19及び鉄筋19Aに重なり合わないようにアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0109】
また、図10(B)に示すように、第1のフランジ7と第2のフランジ8との間のプレート3に地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17B、17Bが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と重なり合わない状態で地覆コンクリート2上面に載置する。更に、鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17B、17B内にアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0110】
また、第1のフランジ7側方向に向けて円弧状に形成される孔部17内に、地覆コンクリート2の車道の反対側Bの鉄筋19及び鉄筋19Aに重なり合わないようにアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0111】
また、図10(C)に示すように、第2のフランジ8側のプレート3に地覆コンクリート2の長手方向に沿って貫設された孔部17B、17Bが地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19と重なり合わない状態で地覆コンクリート2上面に載置する。更に、鉄筋19Aに重なり合わないように孔部17B、17B内にアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0112】
また、第2のフランジ7側方向に向けて円弧状に形成される孔部17内に、地覆コンクリート2の車道側Aの鉄筋19及び鉄筋19Aに重なり合わないようにアンカーボルト4をずらした状態でのアンカーボルト2個の配置決めを行う。
【0113】
以上の構成よりなる本発明の橋梁用防護柵支柱では、既設の地覆コンクリート上面において地覆コンクリート内に縦横に配筋される鉄筋に対して橋梁用防護柵支柱の位置をずらすことなくアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0114】
また、第1のフランジと第2のフランジとの間に開口される円弧状の孔部に少なくとも2本のアンカーボルトを配置することができる。これにより、少なくとも2本のアンカーボルトの任意方向への移動距離を充分に確保した上でアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0115】
また、プレートとウエブ下端との間に孔部の開口領域と面した空間部を設けることでアンカーボルト位置をウエブ近傍、あるいは空間部内に配置することができ、アンカーボルトの配置領域を大幅に拡大改善することが可能となる。
【0116】
また、地覆コンクリートの長手方向に沿って2個の孔部が配置されることで、2本のアンカーボルトの任意方向への移動距離を充分に確保した上でアンカーボルトの配置決めを行うことが可能となる。
【0117】
また、第2のフランジ8の地覆コンクリート2の車道の反対側B面に補強用リブ18ことで走行中の車両による衝突等によって橋梁用防護柵支柱1に対して車道の反対側B方向への荷重が掛かった場合には、下方向への荷重に対する強度を有することが可能となる。
【符号の説明】
【0118】
1 橋梁用防護柵支柱
2 地覆コンクリート
3 プレート
4 アンカーボルト
7 第1のフランジ
8 第2のフランジ
9 ウエブ
10 スリーブ
11、11A、11B レール
12、12A,12B 取付受け部
13 ボルト挿通孔
14 締結用ネジ孔
15 締結ボルト
16 空間部
17、17A、17B 孔部
18 補強用リブ
19、19A 鉄筋
20 締結用部材
22、22A 補強板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4本のアンカーボルトで橋梁の地覆コンクリート上に固定されると共に、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が2箇所に設けられたプレートと、
該プレート上に立設された第1のフランジと、
該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、
前記プレートと前記ウエブとの間の少なくとも前記孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える
橋梁用防護柵支柱。
【請求項2】
少なくとも前記孔部の一つが前記地覆コンクリートの長手方向に沿って形成された
請求項1に記載の橋梁用防護柵支柱。
【請求項3】
少なくとも前記孔部の一つが前記地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された
請求項1または請求項2に記載の橋梁用防護柵支柱。
【請求項4】
前記第2のフランジを挟むように対向した状態でプレート上に固着された補強板を備える
請求項1、請求項2または請求項3に記載の橋梁用防護柵支柱。
【請求項5】
前記補強板が所定長さを有すると共に、その長手方向に沿って略直角に折り曲げ形成された
請求項4に記載の橋梁用防護柵支柱。
【請求項6】
前記補強板が所定長さを有すると共に、その長手方向に沿った両側端が略直角に折り曲げ形成された
請求項4に記載の橋梁用防護柵支柱。
【請求項7】
少なくとも4本のアンカーボルトで橋梁の地覆コンクリート上に固定されると共に、アンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が3箇所に設けられたプレートと、
該プレート上に立設された第1のフランジと、
該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、
前記プレートと前記ウエブとの間の前記地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された前記1個の孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える
橋梁用防護柵支柱。
【請求項8】
少なくとも4本のアンカーボルトで固定されると共に、少なくとも2本のアンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が2箇所に設けられたプレートと、
該プレート上に立設された第1のフランジと、
該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、
前記プレートと前記ウエブとの間の少なくとも前記孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える
支柱。
【請求項9】
少なくとも4本のアンカーボルトで固定されると共に、アンカーボルトのそれぞれを任意位置に配置可能な孔部が3箇所に設けられたプレートと、
該プレート上に立設された第1のフランジと、
該第1のフランジと略平行に前記プレート上に立設された第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジを連結するウエブと、
前記プレートと前記ウエブとの間の前記地覆コンクリートの長手方向に対して傾斜角をもって形成された前記1個の孔部に対応する領域に設けられると共に、前記アンカーボルト、又はアンカーボルトに取り付けられた締結用部材が通過可能に構成された空間部とを備える
支柱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−154163(P2012−154163A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−265450(P2011−265450)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【出願人】(511007336)
【Fターム(参考)】