説明

機械加工用の工具、およびかかる工具の切削インサートを配向するための方法

工具は、母体(12)と、母体(12)に直接的または間接的に締結された少なくとも2つの切削インサート(14)とを含む。中央クランプ装置(30)は、母体(12)に対する配向位置で切削インサート(14)をクランプするように構成される。アセンブリは工具(10)と、切削インサート(14)が工具(10)の所望の位置に配置され、クランプ装置(30)を作動させることによって所望の位置でクランプされることができるように、工具(10)を収容することができるジグ(32)とを含む。少なくとも1つの切削インサート(14)を母体(12)に締結するための方法は、母体(12)に切削インサート(14)を装着するステップと、母体(12)をジグ(32)に配置するステップと、切削インサート(14)を所望の位置に移動させるステップと、切削インサート(14)を所望の位置でクランプするステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母体と、母体に直接的または間接的に締結される少なくとも2つの切削インサートとを備える機械加工用の工具に関する。本発明はまた、このような工具と、母体の切削インサートを配向するために役立つジグとを備えるアセンブリに関する。最後に、本発明は、切削インサートをこのような工具の母体に締結するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明による工具は、最も広い意味のフライス、ドリルまたはリーマ通し工具、すなわち、回転させられかつ機械加工によるストック除去(stock removal)のために使用される工具である。切削すべき材料を機械加工するために、複数の切削インサートが工具の母体に設けられる。前記切削インサートは、通常、焼結材料から、または冶金溶融プロセスによって製造された切削材料から作製され、少なくとも1つの切削エッジを有する。使用する切削インサートの長い耐用年数および被加工物の機械加工面の高品質を保証するために、工具のすべての切削インサートの切削エッジが正確に配向されることが重要である。被加工物に作用する切削エッジが軸方向および/または半径方向に正確に配向されない場合、均一な表面が得られない。切削インサートのあるものが、他の切削インサートよりも被加工物の表面の方向により遠く突出する場合、より遠く突出する切削エッジは時期尚早に摩耗する。
【0003】
各々の切削インサートを母体に個々に調整可能に取り付けることが従来技術から公知である。これにより、工具の使用者は、切削インサートを個々に正確に配向することができる。複数の公知の設計から、米国特許出願公開第2007/0127992A1号明細書および米国特許出願公開第20080107493A1号明細書を例として挙げてもよい。最初に挙げた文献にはフライスが示されており、このフライスでは、各々の切削インサートはホルダに取り付けられ、次に、このホルダがフライスの母体の受口(receptacle)に配置される。調整ねじが切削インサートの反対側の各々のホルダの背面の背後に設けられ、この調整ねじによって、各々のホルダの位置を軸方向に個々に設定することができる。言及した第二の文献は、穿孔工具、フライスおよび旋盤工具に使用することができる調整装置を開示している。この場合にも、対応する切削インサートが取り付けられるホルダが使用される。切削インサートが設けられた端部を半径方向外側に調整することができるように、ホルダが切削インサートから離れた工具の端部に締結され、ホルダに湾曲領域が設けられる。調整のために、偏心面が設けられる調整ねじが設けられ、この調整ねじによりウェッジ面が設けられた調整スライドを変位させることができ、次に、圧力部片(pressure piece)が調整スライドのウェッジ面に当接し、この圧力部片がホルダと相互作用する。これらの解決策および従来技術から公知の他の解決策の共通の特徴は、個々の各々の切削インサートを手動で調整しなければならないことである。ここでの労力も、2つの切削インサートがホルダに取り付けられるときに著しく大きいものであり、その場合も、複雑な手動調整を実施しなければならない。
【0004】
個々の各々の切削インサートの手動調整の代わりに、高精度に製造され、かつ対応する精度で同様に製造される受口に配置される切削インサートを使用することが公知である。このようにして、個々の各々の切削インサートの手動調整を回避することができる。しかし、切削インサートの製造中かつ工具の製造中に維持しなければならない密接な公差は、非常に大きな製造出費を必要とし、高い製造コストをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、工具と、切削インサートの低い製造コストを特徴とし、さらにすべての切削インサートの正確な調整をほとんど労力なしに可能にする、切削インサートを工具に装着するための方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明に従って、中央クランプ装置が冒頭に記載したタイプの工具に設けられ、この中央クランプ装置によって、切削インサートを母体に対する配向位置に固定することもクランプすることもできる。本発明による工具は、最初に、すべての切削インサートを母体に対して配向し、次に、1回の作業で複数の切削インサートをそれらの所望の位置で同時にクランプするという基本的な考え方に基づく。これにより、標準的な製造公差を有する切削インサートを使用することが可能になり、母体の製造中に正常な公差を維持することが可能になる。これにより、製造コストが低くなる。工具の必要な精度は、個々の各々の切削インサートをその所望の位置に個々に配置することによって得られる。しかし、中央クランプ装置を使用することによって、個々の各々の切削インサートをその位置でクランプする必要性に伴う労力は必要とされない。
【0007】
それぞれの切削インサートが配置される複数の受口を母体に設けることが好ましい。各々の切削インサート用の個々の受口を使用することにより、高精度の工具の高い強度が得られる。
【0008】
要求に応じて、各々の切削インサートを受口に直接挿入することができるかまたは代わりにホルダに取り付けることができ、次に、このホルダが対応する受口に挿入される。切削インサートを受口に直接挿入する場合、切削インサートを確実にクランプすることができるように特定の最小サイズが必要とされる。このことにより、切削インサートの製造中の材料の使用が幾分多くなる。しかし、代わりに、切削インサートをホルダに取り付けるのに必要な労力が不要になる。他方、ホルダが使用される場合、実際の切削インサートを非常に小さくすることができる。これにより、切削インサートの製造中の材料が節約されるが、ホルダへの取り付けが必要となる。
【0009】
クランプ装置が作動されないとき、切削インサートは、受口で軸方向および/または半径方向に変位可能かつ回転可能であることが好ましい。これにより、すべての切削インサート(それらのホルダに必要な場合)を母体で正確に配向し、配向後に所望の位置でクランプすることができる。
【0010】
好ましい実施形態によれば、受口は、ベース面、頂面および少なくとも1つの側面を有するポケットのように設計される。このような受口は、母体内の切削インサートの優れた案内が保証されるように、切削インサート(必要な場合、使用されるホルダ)を非常にしっかりと囲む。
【0011】
切削インサートの正確な配向を保証するために、クランプ装置は切削インサートを基準面または複数の基準面に対してクランプする。この基準面は、特に、受口のベース面または頂面であることができる。受口の1つ以上の側面およびベース面または頂面によって、基準面を形成することも可能である。この構成は、正面フライス削りの場合のように、切削インサートの軸方向の配向のみが必要である場合に適切である。
【0012】
受口から切削インサートを押し出そうとする圧力手段(Pressure means)が設けられることが好ましい。圧力手段は、各々の切削インサートが、初期状態で、所望の位置の「外側」に配置されることを保証する。このことは、母体が挿入される非常に単純な手段、例えばジグによって、すべての切削インサートがそれらの所望の位置に同時に押されるために必要な前提条件である。次に、クランプ装置を作動させることによって、切削インサートを所望の位置でクランプすることができる。
【0013】
例えば、少なくとも1つのばね、例えば板ばねによって、または複数のエラストマー要素、特にゴム要素によっても、圧力手段を形成することができる。
【0014】
クランプ装置は機械式クランプ装置であることができる。この場合、クランプ装置は、特に、ねじ山で軸方向に調整することができるクランプ要素を有することができる。これにより、クランプ要素を締めることによって、必要なクランプ力を加えることができる。その代わりにまたはそれに加えて、クランプ装置はクランプウェッジを有することが可能である。これにより、必要なクランプ力を容易に生成することが可能になる。
【0015】
代わりに、クランプ装置は油圧クランプ装置であることができる。この場合、クランプ装置は特に拡張チャンバを有する。このような構成は原理的に拡張チャックから公知である。
【0016】
上記の目的はまた、少なくとも1つの切削インサートが、工具の所望の位置に位置し、かつクランプ装置を作動させることによって所望の位置でクランプすることができるように、工具と、工具を収容することができるジグとを備えるアセンブリによって達成される。ジグの役割は、切削インサートが母体に「一時的に」元々位置する切削インサートの初期位置から、所望の位置に切削インサートを移動させることである。圧力手段が母体で使用される場合、ジグの役割は、特に、切削インサートをそれらの所望の位置に軸方向および/または半径方向に同時に押すことである。次に、この位置で、クランプ装置を作動させることによって、切削インサートを母体にクランプすることができる。
【0017】
圧力手段が工具に設けられない場合、ジグの役割はまた、切削インサートをそれらの所望の位置に軸方向および/または半径方向に引き出すことである。この目的のため、保持手段、例えば磁石または保持アームを設けることができる。
【0018】
上記の目的はまた、切削インサートを機械加工用の工具の母体に締結するための方法によって達成され、この方法では、最初に母体に切削インサートが装着される。次に、母体がジグに配置され、ジグが切削インサートをそれらの所望の位置に移動させる。最後に、各々の切削インサートは母体の切削インサートの所望の位置でクランプされる。この方法では、すべての切削インサートの正確な配向は、単一のステップで、すなわちジグ内の母体の簡単な配置によって実施され、前記母体に切削インサートが装着される。各々の切削インサートを個々に配向することは必要ない。
【0019】
この場合、原理的に、個々のクランプ装置を使用して各々の切削インサートをクランプすることが可能である。しかし、切削インサートの締結をより容易にするために、2つ以上の切削インサートをクランプするクランプ装置を使用することが好ましい。特に、すべての切削インサートを同時にクランプすることができる中央クランプ装置が使用される。このようにして、切削インサートを締結するために最小の労力で済む。
【0020】
添付図面に示されている様々な実施形態を参照して、本発明について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による工具の概略斜視図である。
【図2】切削インサートが受口内に配置された第1の実施形態による工具内の受口の概略断面図であり、工具はジグに配置されている。
【図3】図2の断面図に対して直角の断面図である。
【図4】ジグに挿入されているときの図1〜図3の工具の概略図である。
【図5】第2の実施形態が示されている図2に対応する図面である。
【図6】図3に対応する第2の実施形態の図面である。
【図7】機械式クランプ装置を有する工具の概略断面図である。
【図8】油圧クランプ装置を有する工具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
母体12を有する機械加工用の工具10が図1に概略的に示されている。母体には複数の切削インサート14が取り付けられ、これらの切削インサート14は、本明細書に示した例示的な実施形態では、円周面Uを越えて半径方向に、かつ母体12の端面Sを越えて軸方向に突出する。本明細書に示した例示的な実施形態では、工具10はフライスである。切削インサート14が母体12に取り付けられる方法は、原理的に、複数の切削インサートが特定の位置に取り付けられるべき機械加工用の他の任意の工具、例えば穿孔工具に適用することができる。
【0023】
この場合、各々の切削インサート14は、母体12のポケット状の受口18に各々の場合に配置されるホルダ16(図2と図3も参照)に取り付けられる。各々の受口18は、ベース面20と、ベース面20の反対側の頂面22と、ベース面20を頂面22に接続する2つの側面24、26とによって形成される。
【0024】
受口18の寸法は、ホルダ16を切削インサート14と共に、対応する受口18に間隙を有して挿入することができるような寸法である。このため、各々のホルダ16は受口18で軸方向Aかつ半径方向Rに変位可能である。さらに、ホルダ16、したがって切削インサート14は、ベース面20に対して直角の軸線を中心に回転させることができる(図2の矢印D参照)。この場合ゴム要素として設計される3つの圧力手段28は、受口18の側面24、26と、前記側面の反対側にあるホルダ16のエッジとの間に配置される。前記圧力手段28は、ホルダ16、したがって切削インサート14を受口18から外側に軸方向Aかつ半径方向Rに変位させる。
【0025】
ベース面20に対してホルダ16を変位させることができるクランプ装置30は、ベース面20の反対側にある受口18の当該側面に配置される。クランプ装置30が作動されるとき、ホルダ16はベース面20に対してしっかりと拘束され、次に、このベース面20が、切削インサートを配向するための基準面として作用する。
【0026】
発展形態(図示せず)によれば、クランプ装置のクランプ力が動作中に不必要に減少する場合に、切削インサートおよび/または切削インサート用の受口が工具受口から半径方向に離れることができないように、切削インサートおよび/または切削インサート用の受口を幾何学的に形成することを意図することができる。
【0027】
母体12を配置することができるジグ32は、母体12の切削インサート14を配向および調整するために使用される。ジグ32には、図2に示されているセンタリング構造体(centering structures)38が設けられ、これらのセンタリング構造38は、母体12がジグ32で半径方向にセンタリングして、かつ軸方向に正確な高さで横たわるようになることを保証する。切削インサートを位置決めするために、ジグ32は軸方向軸受面34と半径方向軸受面36とを有する。
【0028】
ジグは、切削インサートの切削エッジに対する損傷を実質的に排除するが、同時に、正確な位置決めを保証する材料から製造される。適切な材料は、アルミニウム、高い剛性を有するプラスチック、および硬材である。
【0029】
次に、図4を参照して、ジグ32が切削インサート14をそれらの所望の位置に移動させる方法について説明する。圧力手段(pressure means)28は、初期位置で、切削インサート14がホルダ16と共に所望の位置を越えて半径方向におよび軸方向に突出することを保証する。この初期位置において、切削インサート14は、母体がジグ32に押し込まれるとき、最初に傾斜挿入面40に対して動く(runs)。さらに押し込まれると、切削インサート14は、前記切削インサート14が半径方向軸受面36に達するまで挿入面40によって半径方向内側に押される。母体12がセンタリング構造体38の上に置かれるとき、切削インサート14も軸方向軸受面34と接触する。両方の軸受面34、36により、切削インサート14はそのホルダ16と共に、圧力手段28の作用に対して半径方向および軸方向に受口18内に変位させられる。その過程で、代替構造として図4に板ばねとして示されている圧力手段28は、切削インサート14の切削エッジがそれらの正確な配向で軸方向軸受面34および半径方向軸受面36に当接することを保証する。圧力手段28はそれらの圧力およびそれらの作用方向に関して適合され、切削インサート14のコーナーの1つを中心とする切削インサート14の望ましくない傾斜が防止されるようにする。したがって、図2から理解できるように、切削インサート14の2つの切削エッジは、軸方向軸受面34および半径方向軸受面36に当接する。この位置は、母体12に対する切削インサート14の所望の位置に対応する。
【0030】
母体12が、受口に配置された切削インサートと共に挿入されると、一例として図2〜図4に示した切削インサート14のみがその所望の位置に移動されるだけでなく、むしろすべての切削インサートがそれらの所望の位置に同時に移動される。工具の母体12がジグ32に配置され、これによってすべての切削インサートがそれらの所望の位置に自動的に移動されると、すべての切削インサート14が(間接的にそれらのホルダ16を介して)、対応する受口18で同時にクランプされるようにクランプ装置30が作動される。その後、工具が使用状態になる。
【0031】
傾斜挿入面を有する記載したジグの代わりに、複数の部分からなりかつ開放位置から閉鎖位置に共に押し込むことができるジグを使用することもできる。このような実施形態では、ジグの表面における切削インサートの切削エッジの(実質的に)何らの変位も行われず、これにより、切削エッジの欠けおよびジグの摩耗の両方が防止される。
【0032】
ジグを再利用できることが理解できる。したがって、切削インサートを装着すべきすべての新しい工具は、対応する整合ジグ(matching jig)で調整することができ、また切削インサートが既に装着された工具は、圧力手段28が切削インサートを軸受面34、36に対して再びプレスすることができるように、クランプ装置30を解放することによって、次にクランプ装置を再作動する(reactivated)ことによって、工具をジグに挿入することによって整合ジグで再調整することができる。
【0033】
標準化された母体を使用することも可能であり、この母体に様々な受口または切削インサートが挿入され、次に、これらの受口または切削インサートが異なるジグによって配向される。
【0034】
代替構造が図5と図6に示されている。第1の実施形態から公知の構成要素について同一の符号が使用され、この点に関し上記の説明が参照される。
【0035】
第1の実施形態と第2の実施形態との本質的な違いは、第2の実施形態では、切削インサート14が対応する受口18に直接取り付けられることにある。ホルダは使用されず、したがって、切削インサート14は、基準面として作用するベース面20に対してクランプ装置30によって直接プレスされる。
【0036】
図7には、ウェッジ面44を有するクランプリング42と、クランプねじ46とを有する機械式クランプ装置30が概略的に示されている。ウェッジ面44に対する軸受は、母体12で案内されるクランプボール48である。クランプリング42は、クランプボール48が半径方向外側に変位されるようにクランプねじ46を締めることによって、母体12でクランプ方向Sに調整される。クランプボール48は、前記ホルダ16または切削インサート14が対応する受口18のベース面に対してクランプされるように、ホルダ16または切削インサート14に対して直接プレスする。
【0037】
油圧クランプ装置30を有する工具が図8に示されている。クランプ装置30は、対応する受口の頂面22の「後方」に配置される拡張チャンバ50を使用する。頂面22は、ホルダ16または切削インサート14がベース面20と頂面22との間でクランプされるように油圧Pを拡張チャンバ50に加えることによって、ベース面20に向かって変形される。拡張チャンバ50用の圧力供給、および油圧が発生されかつ制御される方法は、拡張チャックから原理的に既知であり、本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。
【0038】
受口18からホルダ16または切削インサート14を押し出す圧力手段28の代わりに、切削インサート14の切削エッジが軸受面34、36に線接触により当接することを保証する他の手段を使用することもできる。例えば、磁気反発力を母体と切削インサート14またはホルダ16との間で使用できるか、あるいは磁気引力をジグ32と切削インサート14またはホルダ16との間で使用できるであろう。それぞれの空間配向に応じて、切削インサートが軸方向軸受面34に当接することを保証するために、軸方向の重力のみを使用することでも十分であろう。原理的に、機械式手段をジグ32例えば保持アームに設けることも考えられる。
【0039】
図示した実施形態とは異なり、受口18は、長方形とは異なる形状を有することもできる。側面は直線状である必要はなく、むしろ湾曲して延びることができる。2つの側面を使用する必要はなく、単一の側面を使用することもできる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
母体(12)と、前記母体(12)に直接的または間接的に締結される少なくとも2つの切削インサート(14)とを備える機械加工用の工具(10)において、
前記母体(12)に対する配向位置で前記切削インサート(14)をクランプすることができる中央クランプ装置(30)を設ける機械加工用の工具(10)。
【請求項2】
それぞれの切削インサート(14)が配置される複数の受口(18)が前記母体(12)に設けられることを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記切削インサート(14)がホルダ(16)に取り付けられ、次に、前記ホルダ(16)が前記対応する受口(18)に配置されることを特徴とする請求項2に記載の工具。
【請求項4】
前記クランプ装置(30)が作動されないとき、前記切削インサート(14)が前記受口(18)で軸方向および/または半径方向(A、R)に変位可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の工具。
【請求項5】
前記受口(18)が、ベース面(20)と頂面(22)と少なくとも1つの側面(24、26)とを有するポケットのように設計されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の工具。
【請求項6】
前記クランプ装置(30)が作動されないとき、前記受口(18)の前記ベース面(20)に対して直角である軸線(D)を中心に前記切削インサート(14)を回転させることができることを特徴とする請求項5に記載の工具。
【請求項7】
前記クランプ装置(30)が前記切削インサート(14)を基準面(20)に対してクランプすることを特徴とする請求項2または3に記載の工具。
【請求項8】
前記基準面が、前記受口(18)の前記ベース面(20)、前記頂面(22)および/または側面であることを特徴とする請求項5および請求項7に記載の工具。
【請求項9】
前記受口(18)から前記切削インサート(14)を押し出そうとする圧力手段(28)が設けられることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の工具。
【請求項10】
前記圧力手段(28)が少なくとも1つのばねによって形成されることを特徴とする請求項9に記載の工具。
【請求項11】
前記圧力手段(28)が複数のエラストマー要素、特にゴム要素によって形成されることを特徴とする請求項10に記載の工具。
【請求項12】
前記圧力手段(28)が板ばねによって形成されることを特徴とする請求項10に記載の工具。
【請求項13】
前記クランプ装置(30)が機械式クランプ装置であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の工具。
【請求項14】
前記クランプ装置(30)が、ねじ山で軸方向に調整することができるクランプ要素(42)を有することを特徴とする請求項13に記載の工具。
【請求項15】
前記クランプ装置(30)がクランプウェッジ(44)を有することを特徴とする請求項13に記載の工具。
【請求項16】
前記クランプ装置(30)が油圧クランプ装置であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の工具。
【請求項17】
前記クランプ装置(30)が拡張チャンバ(50)を有することを特徴とする請求項16に記載の工具。
【請求項18】
機械加工用の工具(10)とジグ(32)とを備えるアセンブリであって、
前記工具(10)が母体(12)を備え、
前記母体(12)が、前記母体(12)に直接的または間接的に締結することができる少なくとも1つの切削インサート(14)と、前記母体(12)に対する配向位置で前記切削インサート(14)をクランプすることができる少なくとも1つのクランプ装置とを有し、
前記切削インサート(14)が前記工具(10)の所望の位置に配置され、かつ前記クランプ装置(30)を作動させることによって前記所望の位置でクランプすることができるように、前記ジグ(32)が前記工具(10)を収容することができるアセンブリ。
【請求項19】
前記ジグ(32)に、前記切削インサート(14)を前記所望の位置に保持する保持手段が設けられることを特徴とする請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記クランプ装置が、2つ以上の切削インサート(14)を中央でクランプすることができることを特徴とする請求項18または19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記クランプ装置が、前記すべての切削インサート(14)を同時にクランプすることができる中央クランプ装置(30)であることを特徴とする請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
切削インサート(14)を機械加工用の工具(10)の母体(12)に締結するための方法であって、
−前記母体(12)に少なくとも1つの切削インサート(14)が装着されるステップと、
−前記母体(12)がジグ(32)に配置され、前記ジグ(32)が前記切削インサート(14)を所望の位置に移動させるステップと、
−前記切削インサート(14)が前記母体(12)の前記所望の位置でクランプされるステップと
を含む方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−519533(P2013−519533A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552894(P2012−552894)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2011/022691
【国際公開番号】WO2011/102944
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】