機構デバイス
【課題】磁気吸引力や磁気効率をさらに向上させ、微小磁界であっても容易に動作することができる機構デバイスを提供する。
【解決手段】基板2の上面に設けられ、基板2の裏面に設けられた第2の裏面電極7bと導通する導電性の下部電極10と、基板2の上面に設けられ、先端部側に磁性体部22を有し基端部側が基板2上面に取り付けられて導電性を有する梁構造21をなし、基端部側が基板2の裏面に設けられた第1の裏面電極7aと導通する上部電極20とを備え、上部電極20の基端部側と第1の裏面電極7aとの間にこれらを導通する非磁性体6を充填すると共に、下部電極10と第2の裏面電極7bとの間にこれらを導通する強磁性体9を充填した。
【解決手段】基板2の上面に設けられ、基板2の裏面に設けられた第2の裏面電極7bと導通する導電性の下部電極10と、基板2の上面に設けられ、先端部側に磁性体部22を有し基端部側が基板2上面に取り付けられて導電性を有する梁構造21をなし、基端部側が基板2の裏面に設けられた第1の裏面電極7aと導通する上部電極20とを備え、上部電極20の基端部側と第1の裏面電極7aとの間にこれらを導通する非磁性体6を充填すると共に、下部電極10と第2の裏面電極7bとの間にこれらを導通する強磁性体9を充填した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小磁界で作動することができる梁構造を有する機構デバイスに係り、より詳しくは、絶縁基板に磁性体を充填した梁構造を有する機構デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の機構デバイスは、基板と、それぞれにニッケルを有する下部電極及び上部電極とを備え、梁部の先端で磁性体部を支持する上部電極は、梁部が磁力によって下方に撓んだ場合に、梁部の先端に位置する磁性体部が下部電極と接触して電気的接触がなされるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記の機構デバイスにおいて、上部電極と下部電極との磁性間距離を狭くするために、下部電極の直下に電磁石が設置されている。この電磁石に電圧を印加すると磁界が発生し、上部電極のニッケル層及び下部電極のニッケル層が磁化して、これらの間に磁気吸引力が生じる。これにより、上部電極の梁部の磁性体部が下部電極側に引き寄せられ、磁性体部が下部電極に接触して、スイッチがONする。電磁石への電圧の印加を停止すると磁界が消滅し、ニッケルは残留磁化率が低いことから、ニッケル層間の磁気吸引力も消滅し、上部電極の梁部は自身の弾性力によって非接触状態に戻り、スイッチはOFFとなる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−311699号公報(第3−4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の機構デバイスでは、磁気吸引力や磁気効率をさらに向上させて、微小磁界であっても容易に動作することが要求されている。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、磁気吸引力や磁気効率をさらに向上させ、微小磁界であっても容易に動作することができる機構デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る機構デバイスは、絶縁性の基板上面に設けられ、該基板の裏面に設けられた第2の裏面電極と導通する導電性の下部電極と、前記絶縁性の基板上面に設けられ、先端部側に磁性体部を有し基端部側が前記基板上面に取り付けられて導電性を有する梁構造をなし、前記基端部側が前記基板の裏面に設けられた第1の裏面電極と導通する上部電極とを備え、前記上部電極の基端部側と前記第1の裏面電極との間にこれらを導通する非磁性体を充填すると共に、前記下部電極と前記第2の裏面電極との間にこれらを導通する強磁性体を充填したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る機構デバイスの断面図である。図に示すように、機構デバイス(マイクロリードスイッチ)は、基板1と、下部電極10と、上部電極20とを備えている。
基板1はガラス基材よりなる絶縁基板2を有し、この絶縁基板2の上面には導電性材料よりなる上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4が設けられ、これらの銅箔3、4は、不要な部分が除去されて配線パターン化されている。絶縁基板2の裏面には、上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4に対応する位置に、それぞれ例えば金からなる第1の裏面電極7aと第2の裏面電極7bが設けられている。
【0009】
絶縁基板2には第1の貫通孔5(スルーホール)が設けられて例えば銅よりなる非磁性体柱6が充填されており、非磁性体柱6の上部は上部電極用銅箔3に接触し、下部は第1の裏面電極7aに接触している。また、絶縁基板2には第2の貫通孔8(スルーホール)が設けられて例えばニッケルよりなる強磁性体柱9が充填されており、強磁性体柱9の上部は下部電極用銅箔4に接触し、下部は第2の裏面電極7bに接触している。
【0010】
下部電極10は例えば金よりなる導電層10aによって構成された接点部により、下部電極用銅箔4の表面が覆われている。金は腐食に強いので、銅箔を金よりなる導電層10aで覆うことにより銅箔の酸化を防止し、さらに導電層10a自身の酸化を防止することができ、これによって接触抵抗の上昇を防ぎ、初期の導電性を維持して接点性能の安定化を図ることができる。また、下部電極10は、絶縁基板2に強磁性体柱9を設けているので、そのサイズを大幅に縮小することができる。
従来の基板1の側面にはスルーホールが設けられていたが、本発明では側面にスルーホールを設けず絶縁基板2に強磁性体柱9を充填したので、例えば、従来の、幅467μmX長さ1000μmX厚み12μmの設計値から、幅467μmX長さ500μmX厚み12μmの設計値に変更することが可能となる。すなわち、長さを1000μmの設計値から500μmの設計値に変更することができ、設計値の変更はマイナス500μmとなって、サイズを縮小することが可能となる。
【0011】
上部電極20は、片持ち梁部21と磁性体部22を備えている。片持ち梁部21は、その一端が上部電極用銅箔3の表面に取り付けられて例えば金よりなる電極基部21aを形成し、接点性能安定化を図っている。また、磁性体部22は、片持ち梁部21の他端に取り付けられたニッケル層25と、このニッケル層25を覆う例えば金よりなる電極梁部24によって構成されている。金は硬度が低く柔軟性があることから、片持ち梁部21の磁性体部22を磁力によって下部電極10側に磁気吸引する際に、小さな磁力であっても動作させることができ、また強磁性体柱9との間の磁気吸引力も向上する。また、絶縁基板2に設けた強磁性体柱9によって磁力線が真下に直行し、上部電極20の可動方向を妨げず磁気効率も向上し、上部電極20を下部電極10側に引き寄せる際に微少な磁力でも動作することができ、高感度の機構デバイスを得ることが可能となる。また、上部電極20は、絶縁基板2に非磁性体柱6を設けているので、そのサイズを大幅に縮小することができる。
【0012】
従来の基部1の側面にはスルーホールが設けられていたが、本発明では側面にスルーホールを設けず絶縁基板2に強磁性体9を充填したので、上部電極20の片持ち梁部21から、下部電極10、第2の銅箔4、強磁性体柱9を通って、第2の裏面電極7bに電気的導通が可能となり、例えば、従来の、幅467μmX長さ590μmX厚み12μmの設計値から、幅467μmX長さ340μmX厚み12μmの設計値に変更することが可能となる。すなわち、長さを590μmの設計値から340μmの設計値に変形することができ、設計値の変更はマイナス250μmとなって、サイズを縮小することが可能となる。
【0013】
このように、機構デバイスにおいて、強磁性体柱9及び非磁性体柱6を絶縁基板2に充填する構造としたので、例えば従来の機構デバイスの外観寸法(後述のガラスパッケージを含む)である幅1mmX長さ2mmX厚み0.75mmから、本発明では機構デバイスを幅1mmX長さ1.25mmX厚み0.75mmのように小さくすることができる。
【0014】
下部電極10及び上部電極20は、それぞれ下部電極10の縁部及び上部電極20の片持ち梁部21の縁部に絶縁樹脂50を塗布して、ザグリ60のあるガラスパッケージ61により封止してあり、これによってマイクロリードスイッチを外部環境から保護する。
また、第1、第2の裏面電極7a、7bには、素子信号を伝えるための電源30が設けられて、電圧を印加するようにしてある。さらに、絶縁基板2の下部には磁石40が設けられている。
【0015】
上記のように構成した機構デバイスの動作を、図2を用いて説明する。機構デバイスの磁石40によって磁場イが生じ、この磁場は上部電極20の磁性体部22のニッケル層25を磁化させる。こうして、下部電極10の下部に位置する強磁性体柱9にS極とN極が誘導される。そして、上部電極20の磁性体部22と、下部電極10の下部に位置する強磁性体柱9との間に磁気吸引力ロが働き、上部電極20が下部電極10に接触して、スイッチがON状態となる。これにより、電源30から電流が流れ、電気信号がON状態になる。
【0016】
磁石40からの磁場イを遮断するとスイッチはOFF状態になり、電極梁部24のスティフネスにより、上部電極20はもとの位置に戻る。こうして、電源30からの電流は遮断され、電気信号がOFF状態になる。
【0017】
次に、上記のように構成した機構デバイスの製造方法を説明する。
(a) 図3に示すように、絶縁基板2に非磁性体6充填用のスルーホール(第1の貫通孔5)、及び強磁性体9充填用のスルーホール(第2の貫通孔8)を形成する。
【0018】
(b) 図4に示すように、第1の貫通孔5に、無電解めっきにより銅よりなる非磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る非磁性体柱6を形成する。また、第2の貫通孔8に、無電解めっきによりニッケルよりなる強磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る強磁性体柱9を形成する。
次に、絶縁基板2の裏面側に、腐食性に強い金よりなる金属膜を成膜し、非磁性体柱6の下部に接触させて第1の裏面電極7aを形成すると共に、磁性体柱9の下部に接触させて第2の裏面電極7bを形成する。この際の金属膜の形成は、半導体製造等で用いられるフォトリソグラフィと無電解めっき又はPVD法(Physical Vapor Deposition;物理蒸着)、CVD法(Chemical Vapor Deposition;化学蒸着)等によって行う。
【0019】
(c) 図5に示すように、絶縁基板2の上面に銅箔300を形成する。この銅箔300は、絶縁基板2に充填した非磁性体柱6及び強磁性体柱9の上部と接触する。
【0020】
(d) 図6に示すように、銅箔300の不要な部分を除去して穴部301を形成し、銅箔300を上部電極用銅箔3及び下部電極用銅箔4として配線パターン化する。
下部電極用銅箔4はその表面を金よりなる導電層10aで覆って下部電極10を形成する。この際、導電層10aは、半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)及び電解めっきによって成膜する。なお、導電層10aを構成する材料には金を用いているが、これは、最終工程における犠牲層(後述)を除去する際のウエットエッチング時に、塩化第二鉄等よりなるエッチング液に対して耐性を有するためである。
次に、銅箔300に形成した穴部301から下部電極用銅箔4の上面にかけて犠牲層310を形成する。
【0021】
(e) 図7に示すように、フォトリソグラフィ及び電気めっきを用いて、上部電極用銅箔3の表面より犠牲層310の表面にかけて電極基部21aを成膜して片持ち梁部21を形成し、さらにその上に、ニッケル層25及び電極梁部24よりなる磁性体部22を形成して、これらによって上部電極20を形成する。
【0022】
(f) 塩化第二鉄よりなるエッチング液によってウエットエッチングを行い、犠牲層310を除去し、図8に示すように、ギャップを形成する。
【0023】
(g) 下部電極10の縁部及び上部電極20の縁部に絶縁樹脂50を塗布し、絶縁樹脂50にガラスパッケージ61を当接して封止する。
こうして、図1に示すような機構デバイスを製造する。
【0024】
実施の形態1によれば、絶縁基板2の一方の側に第1の貫通孔5(スルーホール)を設けて非磁性体柱6を充填したので、非磁性体の体積が増加して吸引力が向上する。また、絶縁基板の他方の側に第2の貫通孔8(スルーホール)を設けて強磁性体柱9を充填したので、磁気効率も向上し、微少な磁界で上部電極20を動作させることが可能となる。
従来は、絶縁基板の長さ方向の両側面に、下部電極及び上部電極との電気的導通を得るためのスルーホールを設けていたが、実施の形態1では、絶縁基板2の両側面にスルーホールを設けず、上記のように絶縁基板2に非磁性体柱6及び強磁性体柱9を充填したので、例えば実装面積にして0.75mm2 小さくすることができる。
【0025】
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2に係る機構デバイスの断面図である。実施の形態2では、実施の形態1で示した上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4を設けておらず、かかる銅箔3、4を介さずに、非磁性体柱6が上部電極20の電極基部21aに直接に接続し、強磁性体9が下部電極10の導電層10aに直接に接続している。また、ガラスパッケージ61が当接する絶縁基板2の縁部に、それぞれ電極基部21a及び導電層10aを貫通した開口部51aが設けられ、絶縁基板2とガラスパッケージ61が直接に当接して貼り付けられている。
その他の構成、作用は、実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
【0026】
上記のように構成した機構デバイスの製造方法を説明する。
(a) 図10に示すように、絶縁基板2に非磁性体6充填用のスルーホール(第1の貫通孔5)、及び強磁性体9充填用のスルーホール(第2の貫通孔8)を形成する。
【0027】
(b) 図11に示すように、第2の貫通孔8に、無電解めっきによりニッケルよりなる強磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る強磁性体柱9を形成する。加えて、第1の貫通孔5に無電解めっきにより銅よりなる非磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る非磁性体柱6を形成する。
【0028】
(c) 図12に示すように、絶縁基板2の上面に、フォトリソグラフィとスパッタ法によって、腐食性に強い金よりなる導電層10aを強磁性体柱9と接触させて形成する。この際、絶縁基板2とガラスパッケージ61が当接する絶縁基板の縁部51は、フォトリソグラフィ等であらかじめマスク51aしておき、この部分に導電層10aが形成されないようにしておく。
【0029】
(d) 図13に示すように、絶縁基板2上面の中央付近より導電層10aの上面にかけて、無電解めっき等を用いて銅よりなる犠牲層310を形成する。
【0030】
(e) 図14に示すように、フォトリソグラフィとスパッタ法を用いて、非磁性体柱6が充填されている側の絶縁基板2の上面より犠牲層310の上面にかけて、金よりなる電極基部21aを成膜して片持ち梁部21を形成し、そのうえに、ニッケル層25及び電極梁部24よりなる磁性体部22を形成して、これらによって上部電極20を形成する。
次に、絶縁基板2の裏面側に、金よりなる金属膜を形成する。非磁性体柱6の下部に接触させて第1の裏面電極7aを成膜し、強磁性体柱9の下部に接触させて第2の裏面電極7bを成膜する。
【0031】
(f) 図15に示すように、塩化第二鉄よりなるエッチング液によってウエットエッチングを行って犠牲層310を除去し、ギャップを形成する。
次に、下部電極10の縁部及び上部電極20の縁部であってマスク51aを除去して開口した部分51bに、ガラスパッケージ61を当接し、陽極酸化法などによって接合して封止する。
こうして、図9に示すような機構デバイスを製造する。
【0032】
実施の形態2によれば、上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4を省略したので、構造がより簡単になり製造が容易である。また、ガラスパッケージ61が接触する基板1の縁部をあらかじめ開口させて開口部51bを形成しておくようにしたので、陽極酸化法等を用いて、基板1の開口部51bとガラスパッケージ61を直接に貼り付けることができ、これによって制作工程を簡略することができる。このとき、ガラスパッケージ61の封止に樹脂を使用しないので、接触抵抗上昇のもととなる高分子をガラスパッケージ61内に発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1に係る機構デバイスの断面図である。
【図2】図1の作用説明図である。
【図3】図1の機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図4】図3に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図5】図4に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図6】図5に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図7】図6に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る機構デバイスの断面図である。
【図10】図9の機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図15】図14に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 基板、2 絶縁基板(絶縁性の基板)、3 第1の銅箔、4 第2の銅箔、5 第1の貫通孔、6 非磁性体柱、7a 第1の裏面電極、7b 第2の裏面電極、8 第2の貫通孔、9 強磁性体柱、10 下部電極、10a 導電層(下部電極の導電部)、20 上部電極、21 片持ち梁部(梁構造部)、21a 電極基部(梁構造部の導電部)、22 磁性体部、50 絶縁樹脂、51b 開口部、61 ガラスパッケージ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小磁界で作動することができる梁構造を有する機構デバイスに係り、より詳しくは、絶縁基板に磁性体を充填した梁構造を有する機構デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の機構デバイスは、基板と、それぞれにニッケルを有する下部電極及び上部電極とを備え、梁部の先端で磁性体部を支持する上部電極は、梁部が磁力によって下方に撓んだ場合に、梁部の先端に位置する磁性体部が下部電極と接触して電気的接触がなされるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記の機構デバイスにおいて、上部電極と下部電極との磁性間距離を狭くするために、下部電極の直下に電磁石が設置されている。この電磁石に電圧を印加すると磁界が発生し、上部電極のニッケル層及び下部電極のニッケル層が磁化して、これらの間に磁気吸引力が生じる。これにより、上部電極の梁部の磁性体部が下部電極側に引き寄せられ、磁性体部が下部電極に接触して、スイッチがONする。電磁石への電圧の印加を停止すると磁界が消滅し、ニッケルは残留磁化率が低いことから、ニッケル層間の磁気吸引力も消滅し、上部電極の梁部は自身の弾性力によって非接触状態に戻り、スイッチはOFFとなる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−311699号公報(第3−4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の機構デバイスでは、磁気吸引力や磁気効率をさらに向上させて、微小磁界であっても容易に動作することが要求されている。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、磁気吸引力や磁気効率をさらに向上させ、微小磁界であっても容易に動作することができる機構デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る機構デバイスは、絶縁性の基板上面に設けられ、該基板の裏面に設けられた第2の裏面電極と導通する導電性の下部電極と、前記絶縁性の基板上面に設けられ、先端部側に磁性体部を有し基端部側が前記基板上面に取り付けられて導電性を有する梁構造をなし、前記基端部側が前記基板の裏面に設けられた第1の裏面電極と導通する上部電極とを備え、前記上部電極の基端部側と前記第1の裏面電極との間にこれらを導通する非磁性体を充填すると共に、前記下部電極と前記第2の裏面電極との間にこれらを導通する強磁性体を充填したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る機構デバイスの断面図である。図に示すように、機構デバイス(マイクロリードスイッチ)は、基板1と、下部電極10と、上部電極20とを備えている。
基板1はガラス基材よりなる絶縁基板2を有し、この絶縁基板2の上面には導電性材料よりなる上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4が設けられ、これらの銅箔3、4は、不要な部分が除去されて配線パターン化されている。絶縁基板2の裏面には、上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4に対応する位置に、それぞれ例えば金からなる第1の裏面電極7aと第2の裏面電極7bが設けられている。
【0009】
絶縁基板2には第1の貫通孔5(スルーホール)が設けられて例えば銅よりなる非磁性体柱6が充填されており、非磁性体柱6の上部は上部電極用銅箔3に接触し、下部は第1の裏面電極7aに接触している。また、絶縁基板2には第2の貫通孔8(スルーホール)が設けられて例えばニッケルよりなる強磁性体柱9が充填されており、強磁性体柱9の上部は下部電極用銅箔4に接触し、下部は第2の裏面電極7bに接触している。
【0010】
下部電極10は例えば金よりなる導電層10aによって構成された接点部により、下部電極用銅箔4の表面が覆われている。金は腐食に強いので、銅箔を金よりなる導電層10aで覆うことにより銅箔の酸化を防止し、さらに導電層10a自身の酸化を防止することができ、これによって接触抵抗の上昇を防ぎ、初期の導電性を維持して接点性能の安定化を図ることができる。また、下部電極10は、絶縁基板2に強磁性体柱9を設けているので、そのサイズを大幅に縮小することができる。
従来の基板1の側面にはスルーホールが設けられていたが、本発明では側面にスルーホールを設けず絶縁基板2に強磁性体柱9を充填したので、例えば、従来の、幅467μmX長さ1000μmX厚み12μmの設計値から、幅467μmX長さ500μmX厚み12μmの設計値に変更することが可能となる。すなわち、長さを1000μmの設計値から500μmの設計値に変更することができ、設計値の変更はマイナス500μmとなって、サイズを縮小することが可能となる。
【0011】
上部電極20は、片持ち梁部21と磁性体部22を備えている。片持ち梁部21は、その一端が上部電極用銅箔3の表面に取り付けられて例えば金よりなる電極基部21aを形成し、接点性能安定化を図っている。また、磁性体部22は、片持ち梁部21の他端に取り付けられたニッケル層25と、このニッケル層25を覆う例えば金よりなる電極梁部24によって構成されている。金は硬度が低く柔軟性があることから、片持ち梁部21の磁性体部22を磁力によって下部電極10側に磁気吸引する際に、小さな磁力であっても動作させることができ、また強磁性体柱9との間の磁気吸引力も向上する。また、絶縁基板2に設けた強磁性体柱9によって磁力線が真下に直行し、上部電極20の可動方向を妨げず磁気効率も向上し、上部電極20を下部電極10側に引き寄せる際に微少な磁力でも動作することができ、高感度の機構デバイスを得ることが可能となる。また、上部電極20は、絶縁基板2に非磁性体柱6を設けているので、そのサイズを大幅に縮小することができる。
【0012】
従来の基部1の側面にはスルーホールが設けられていたが、本発明では側面にスルーホールを設けず絶縁基板2に強磁性体9を充填したので、上部電極20の片持ち梁部21から、下部電極10、第2の銅箔4、強磁性体柱9を通って、第2の裏面電極7bに電気的導通が可能となり、例えば、従来の、幅467μmX長さ590μmX厚み12μmの設計値から、幅467μmX長さ340μmX厚み12μmの設計値に変更することが可能となる。すなわち、長さを590μmの設計値から340μmの設計値に変形することができ、設計値の変更はマイナス250μmとなって、サイズを縮小することが可能となる。
【0013】
このように、機構デバイスにおいて、強磁性体柱9及び非磁性体柱6を絶縁基板2に充填する構造としたので、例えば従来の機構デバイスの外観寸法(後述のガラスパッケージを含む)である幅1mmX長さ2mmX厚み0.75mmから、本発明では機構デバイスを幅1mmX長さ1.25mmX厚み0.75mmのように小さくすることができる。
【0014】
下部電極10及び上部電極20は、それぞれ下部電極10の縁部及び上部電極20の片持ち梁部21の縁部に絶縁樹脂50を塗布して、ザグリ60のあるガラスパッケージ61により封止してあり、これによってマイクロリードスイッチを外部環境から保護する。
また、第1、第2の裏面電極7a、7bには、素子信号を伝えるための電源30が設けられて、電圧を印加するようにしてある。さらに、絶縁基板2の下部には磁石40が設けられている。
【0015】
上記のように構成した機構デバイスの動作を、図2を用いて説明する。機構デバイスの磁石40によって磁場イが生じ、この磁場は上部電極20の磁性体部22のニッケル層25を磁化させる。こうして、下部電極10の下部に位置する強磁性体柱9にS極とN極が誘導される。そして、上部電極20の磁性体部22と、下部電極10の下部に位置する強磁性体柱9との間に磁気吸引力ロが働き、上部電極20が下部電極10に接触して、スイッチがON状態となる。これにより、電源30から電流が流れ、電気信号がON状態になる。
【0016】
磁石40からの磁場イを遮断するとスイッチはOFF状態になり、電極梁部24のスティフネスにより、上部電極20はもとの位置に戻る。こうして、電源30からの電流は遮断され、電気信号がOFF状態になる。
【0017】
次に、上記のように構成した機構デバイスの製造方法を説明する。
(a) 図3に示すように、絶縁基板2に非磁性体6充填用のスルーホール(第1の貫通孔5)、及び強磁性体9充填用のスルーホール(第2の貫通孔8)を形成する。
【0018】
(b) 図4に示すように、第1の貫通孔5に、無電解めっきにより銅よりなる非磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る非磁性体柱6を形成する。また、第2の貫通孔8に、無電解めっきによりニッケルよりなる強磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る強磁性体柱9を形成する。
次に、絶縁基板2の裏面側に、腐食性に強い金よりなる金属膜を成膜し、非磁性体柱6の下部に接触させて第1の裏面電極7aを形成すると共に、磁性体柱9の下部に接触させて第2の裏面電極7bを形成する。この際の金属膜の形成は、半導体製造等で用いられるフォトリソグラフィと無電解めっき又はPVD法(Physical Vapor Deposition;物理蒸着)、CVD法(Chemical Vapor Deposition;化学蒸着)等によって行う。
【0019】
(c) 図5に示すように、絶縁基板2の上面に銅箔300を形成する。この銅箔300は、絶縁基板2に充填した非磁性体柱6及び強磁性体柱9の上部と接触する。
【0020】
(d) 図6に示すように、銅箔300の不要な部分を除去して穴部301を形成し、銅箔300を上部電極用銅箔3及び下部電極用銅箔4として配線パターン化する。
下部電極用銅箔4はその表面を金よりなる導電層10aで覆って下部電極10を形成する。この際、導電層10aは、半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)及び電解めっきによって成膜する。なお、導電層10aを構成する材料には金を用いているが、これは、最終工程における犠牲層(後述)を除去する際のウエットエッチング時に、塩化第二鉄等よりなるエッチング液に対して耐性を有するためである。
次に、銅箔300に形成した穴部301から下部電極用銅箔4の上面にかけて犠牲層310を形成する。
【0021】
(e) 図7に示すように、フォトリソグラフィ及び電気めっきを用いて、上部電極用銅箔3の表面より犠牲層310の表面にかけて電極基部21aを成膜して片持ち梁部21を形成し、さらにその上に、ニッケル層25及び電極梁部24よりなる磁性体部22を形成して、これらによって上部電極20を形成する。
【0022】
(f) 塩化第二鉄よりなるエッチング液によってウエットエッチングを行い、犠牲層310を除去し、図8に示すように、ギャップを形成する。
【0023】
(g) 下部電極10の縁部及び上部電極20の縁部に絶縁樹脂50を塗布し、絶縁樹脂50にガラスパッケージ61を当接して封止する。
こうして、図1に示すような機構デバイスを製造する。
【0024】
実施の形態1によれば、絶縁基板2の一方の側に第1の貫通孔5(スルーホール)を設けて非磁性体柱6を充填したので、非磁性体の体積が増加して吸引力が向上する。また、絶縁基板の他方の側に第2の貫通孔8(スルーホール)を設けて強磁性体柱9を充填したので、磁気効率も向上し、微少な磁界で上部電極20を動作させることが可能となる。
従来は、絶縁基板の長さ方向の両側面に、下部電極及び上部電極との電気的導通を得るためのスルーホールを設けていたが、実施の形態1では、絶縁基板2の両側面にスルーホールを設けず、上記のように絶縁基板2に非磁性体柱6及び強磁性体柱9を充填したので、例えば実装面積にして0.75mm2 小さくすることができる。
【0025】
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2に係る機構デバイスの断面図である。実施の形態2では、実施の形態1で示した上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4を設けておらず、かかる銅箔3、4を介さずに、非磁性体柱6が上部電極20の電極基部21aに直接に接続し、強磁性体9が下部電極10の導電層10aに直接に接続している。また、ガラスパッケージ61が当接する絶縁基板2の縁部に、それぞれ電極基部21a及び導電層10aを貫通した開口部51aが設けられ、絶縁基板2とガラスパッケージ61が直接に当接して貼り付けられている。
その他の構成、作用は、実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
【0026】
上記のように構成した機構デバイスの製造方法を説明する。
(a) 図10に示すように、絶縁基板2に非磁性体6充填用のスルーホール(第1の貫通孔5)、及び強磁性体9充填用のスルーホール(第2の貫通孔8)を形成する。
【0027】
(b) 図11に示すように、第2の貫通孔8に、無電解めっきによりニッケルよりなる強磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る強磁性体柱9を形成する。加えて、第1の貫通孔5に無電解めっきにより銅よりなる非磁性体を充填し、絶縁基板2の上面より底面に至る非磁性体柱6を形成する。
【0028】
(c) 図12に示すように、絶縁基板2の上面に、フォトリソグラフィとスパッタ法によって、腐食性に強い金よりなる導電層10aを強磁性体柱9と接触させて形成する。この際、絶縁基板2とガラスパッケージ61が当接する絶縁基板の縁部51は、フォトリソグラフィ等であらかじめマスク51aしておき、この部分に導電層10aが形成されないようにしておく。
【0029】
(d) 図13に示すように、絶縁基板2上面の中央付近より導電層10aの上面にかけて、無電解めっき等を用いて銅よりなる犠牲層310を形成する。
【0030】
(e) 図14に示すように、フォトリソグラフィとスパッタ法を用いて、非磁性体柱6が充填されている側の絶縁基板2の上面より犠牲層310の上面にかけて、金よりなる電極基部21aを成膜して片持ち梁部21を形成し、そのうえに、ニッケル層25及び電極梁部24よりなる磁性体部22を形成して、これらによって上部電極20を形成する。
次に、絶縁基板2の裏面側に、金よりなる金属膜を形成する。非磁性体柱6の下部に接触させて第1の裏面電極7aを成膜し、強磁性体柱9の下部に接触させて第2の裏面電極7bを成膜する。
【0031】
(f) 図15に示すように、塩化第二鉄よりなるエッチング液によってウエットエッチングを行って犠牲層310を除去し、ギャップを形成する。
次に、下部電極10の縁部及び上部電極20の縁部であってマスク51aを除去して開口した部分51bに、ガラスパッケージ61を当接し、陽極酸化法などによって接合して封止する。
こうして、図9に示すような機構デバイスを製造する。
【0032】
実施の形態2によれば、上部電極用銅箔3と下部電極用銅箔4を省略したので、構造がより簡単になり製造が容易である。また、ガラスパッケージ61が接触する基板1の縁部をあらかじめ開口させて開口部51bを形成しておくようにしたので、陽極酸化法等を用いて、基板1の開口部51bとガラスパッケージ61を直接に貼り付けることができ、これによって制作工程を簡略することができる。このとき、ガラスパッケージ61の封止に樹脂を使用しないので、接触抵抗上昇のもととなる高分子をガラスパッケージ61内に発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1に係る機構デバイスの断面図である。
【図2】図1の作用説明図である。
【図3】図1の機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図4】図3に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図5】図4に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図6】図5に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図7】図6に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る機構デバイスの断面図である。
【図10】図9の機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図15】図14に続く機構デバイスの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 基板、2 絶縁基板(絶縁性の基板)、3 第1の銅箔、4 第2の銅箔、5 第1の貫通孔、6 非磁性体柱、7a 第1の裏面電極、7b 第2の裏面電極、8 第2の貫通孔、9 強磁性体柱、10 下部電極、10a 導電層(下部電極の導電部)、20 上部電極、21 片持ち梁部(梁構造部)、21a 電極基部(梁構造部の導電部)、22 磁性体部、50 絶縁樹脂、51b 開口部、61 ガラスパッケージ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上面に設けられ、該基板の裏面に設けられた第2の裏面電極と導通する導電性の下部電極と、前記基板の上面に設けられ、先端部側に磁性体部を有し基端部側が前記基板上面に取り付けられて導電性を有する梁構造をなし、前記基端部側が前記基板の裏面に設けられた第1の裏面電極と導通する上部電極とを備え、
前記上部電極の基端部側と前記第1の裏面電極との間にこれらを導通する非磁性体を充填すると共に、前記下部電極と前記第2の裏面電極との間にこれらを導通する強磁性体を充填したことを特徴とする機構デバイス。
【請求項2】
前記非磁性体と強磁性体をそれぞれ柱状に形成して前記基板を上下に貫通させたことを特徴とする請求項1記載の機構デバイス。
【請求項3】
前記上部電極の先端部側に位置する磁性体部がニッケル層を有することを特徴とする請求項1または2記載の機構デバイス。
【請求項4】
前記上部電極の基端部側と前記第1の裏面電極との間に充填した非磁性体が銅よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項5】
前記下部電極と前記第2の裏面電極との間に充填した強磁性体がニッケルよりなることを特徴とする機構デバイス。
【請求項6】
前記上部電極の梁構造部の導電部及び前記下部電極の導電部が金よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項7】
前記下部電極の導電部と前記基板に充填された強磁性体との間、及び前記上部電極の基端部側の梁構造部と前記基板に充填された非磁性体との間に、それぞれ非磁性体を介在させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項8】
前記下部電極の導電部と前記基板に充填された強磁性体との間、及び前記上部電極の基端部側の梁構造部と前記基板に充填された非磁性体との間にそれぞれ介在する非磁性体が、銅よりなることを特徴とする請求項7記載の機構デバイス。
【請求項9】
前記下部電極及び上部電極の導電部の縁部に開口部を設け、該開口部を介してガラスパッケージを前記各電極に当接させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項1】
基板の上面に設けられ、該基板の裏面に設けられた第2の裏面電極と導通する導電性の下部電極と、前記基板の上面に設けられ、先端部側に磁性体部を有し基端部側が前記基板上面に取り付けられて導電性を有する梁構造をなし、前記基端部側が前記基板の裏面に設けられた第1の裏面電極と導通する上部電極とを備え、
前記上部電極の基端部側と前記第1の裏面電極との間にこれらを導通する非磁性体を充填すると共に、前記下部電極と前記第2の裏面電極との間にこれらを導通する強磁性体を充填したことを特徴とする機構デバイス。
【請求項2】
前記非磁性体と強磁性体をそれぞれ柱状に形成して前記基板を上下に貫通させたことを特徴とする請求項1記載の機構デバイス。
【請求項3】
前記上部電極の先端部側に位置する磁性体部がニッケル層を有することを特徴とする請求項1または2記載の機構デバイス。
【請求項4】
前記上部電極の基端部側と前記第1の裏面電極との間に充填した非磁性体が銅よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項5】
前記下部電極と前記第2の裏面電極との間に充填した強磁性体がニッケルよりなることを特徴とする機構デバイス。
【請求項6】
前記上部電極の梁構造部の導電部及び前記下部電極の導電部が金よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項7】
前記下部電極の導電部と前記基板に充填された強磁性体との間、及び前記上部電極の基端部側の梁構造部と前記基板に充填された非磁性体との間に、それぞれ非磁性体を介在させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の機構デバイス。
【請求項8】
前記下部電極の導電部と前記基板に充填された強磁性体との間、及び前記上部電極の基端部側の梁構造部と前記基板に充填された非磁性体との間にそれぞれ介在する非磁性体が、銅よりなることを特徴とする請求項7記載の機構デバイス。
【請求項9】
前記下部電極及び上部電極の導電部の縁部に開口部を設け、該開口部を介してガラスパッケージを前記各電極に当接させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の機構デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
【図11】
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【図15】
【公開番号】特開2008−276971(P2008−276971A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115900(P2007−115900)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(501252238)株式会社沖センサデバイス (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(501252238)株式会社沖センサデバイス (17)
【Fターム(参考)】
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