説明

機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法および駆動波形決定システム

【課題】駆動波形の部分変更により、機能液滴吐出ヘッドの吐出性能が改善されることに着目して為されたものであり、検査で不良と判断された機能液滴吐出ヘッドを良品化することができる機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法等を提供する。
【解決手段】インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに対し、標準駆動波形を印加して機能液を吐出させ、描画品質に影響する複数項目の検査を実施する検査工程S1と、検査工程S1において、複数項目の検査のうち少なくとも1の項目で「不良」となった機能液滴吐出ヘッドに対し、項目が「良」となるように標準駆動波形をチューニングして専用駆動波形を生成する専用波形生成工程S2と、生成した専用駆動波形を、ワークに対し、描画処理を実施するときの機能液滴吐出ヘッドの駆動波形として決定する専用波形決定工程S4と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造上の誤差により「不良品」とされた機能液滴吐出ヘッドに対し、「良品」となるように駆動波形のチューニングを行う機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法および駆動波形決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに、想定される実効駆動電圧より高い電圧および低い電圧を各々印加して、液滴の吐出量を測定する吐出量測定工程と、吐出量測定工程の結果に基づいて、駆動電圧と液滴吐出量との関係を表す電圧−吐出量特性を求める電圧−吐出量特性取得工程と、電圧−吐出量特性が、予め定めた許容電圧−吐出量特性の範囲内か否かを判定する特性判定工程と、電圧−吐出量特性が、許容電圧−吐出量特性の範囲内でない場合、異常ありと判定する測定異常判定工程と、許容電圧−吐出量特性の範囲内である場合、電圧−吐出量特性に基づいて実効駆動電圧を決定する実効電圧決定工程と、を備えた吐出性能検査方法が知られている(特許文献1参照)。
この吐出性能検査方法では、高低2つの電圧を印加した結果に基づいて電圧−吐出量特性を求め、予め定めた許容電圧−吐出量特性と比較することで機能液滴吐出ヘッドの「良」または「不良」を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−248469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した吐出性能検査方法では、許容電圧−吐出量特性の範囲内を超える駆動電圧を印加することはできないため、該範囲内に納まらない機能液滴吐出ヘッドは、即「不良」と判定される。この場合、「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッドは、廃棄処分されるため、量産歩留りの低下につながるという問題があった。
【0005】
本発明は、駆動波形の部分変更により、機能液滴吐出ヘッドの吐出性能が改善されることに着目して為されたものであり、検査で不良と判断された機能液滴吐出ヘッドを良品化することができる機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法および駆動波形決定システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法は、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに対し、標準駆動波形を印加して機能液を吐出させ、描画品質に影響する複数項目の検査を実施する検査工程と、検査工程において、複数項目の検査のうち少なくとも1の項目で「不良」となった機能液滴吐出ヘッドに対し、項目が「良」となるように標準駆動波形をチューニングして専用駆動波形を生成する専用波形生成工程と、生成した専用駆動波形を、ワークに対し、描画処理を実施するときの機能液滴吐出ヘッドの駆動波形として決定する専用波形決定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、検査工程で「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッドであっても、該機能液滴吐出ヘッド専用の波形(専用駆動波形)を印加することによって、所望の吐出性能が発揮され、良品(規格内)とすることができる。これにより、従来、廃棄処分の対象となっていた機能液滴吐出ヘッドを有効に利用することができ、機能液滴吐出ヘッドの量産歩留りを向上させることができる。また、駆動電圧を高くするためのハードウェア的な改変が不要であるため、簡単且つ安価に機能液滴吐出ヘッドの量産歩留りの向上を図ることができる。
【0008】
この場合、専用波形生成工程で生成した専用駆動波形を、「不良」となった機能液滴吐出ヘッドに印加して機能液を吐出させ、複数項目の再検査を行う再検査工程を、更に備えたことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、専用波形生成工程で生成した専用駆動波形により適切な機能液の吐出が行われているか否かを確認することができ、機能液滴吐出ヘッドの検査の正確性および専用駆動波形の適応精度を担保することができる。
【0010】
また、この場合、複数項目には、機能液滴吐出ヘッドから吐出された機能液滴の吐出速度と、所定量の機能液を吐出させるために機能液滴吐出ヘッドに印加する駆動波形の駆動電圧と、が含まれ、検査工程は、機能液滴吐出ヘッドの各吐出ノズルから機能液を吐出させ、吐出された複数の機能液滴の飛行状態を撮像した結果から、吐出速度を算出する吐出速度算出工程と、機能液滴吐出ヘッドに標準駆動波形を印加して各吐出ノズルから機能液を吐出させたときの機能液の吐出量から、所定量の機能液を吐出させるための駆動電圧を算出する駆動電圧算出工程と、吐出速度算出工程の結果である吐出速度と、駆動電圧算出工程の結果である駆動電圧とが、それぞれ基準範囲にあるか否かを判定する判定工程と、を有していることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドを用いた描画処理において、描画品質に大きな影響を与える吐出速度および駆動電圧が、適正か否か(基準範囲内か否か)を明確に認識した上で、専用波形生成工程を行うことができる。これにより、「不良」と判断された機能液滴吐出ヘッド毎に適切な専用駆動波形を生成することができる。
【0012】
この場合、駆動波形は、電圧の高さを縦軸とし電圧の印加時間を横軸としたときの台形波であり、専用波形生成工程では、台形波における昇圧時間、昇圧後の印加時間および降圧時間をチューニングのパラメーターとして、専用駆動波形を生成することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、駆動波形決定を行う装置やワークへの描画処理を行う装置において、機能液滴吐出ヘッドへの印加(供給)可能な電圧の最大値が定められている場合であっても、その最大値を超えることのない範囲で、駆動電圧および吐出速度をチューニング(変更)することができる。また、機能液滴吐出ヘッドに許容範囲を超える駆動電圧を印加して、機能液滴吐出ヘッドを破損してしまう虞もない。
【0014】
本発明の機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定システムは、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに対し、標準駆動波形を印加して機能液を吐出させ、描画品質に影響する複数項目の検査を実施する検査手段と、複数項目の検査のうち少なくとも1の項目で「不良」となった機能液滴吐出ヘッドに対し、項目が「良」となるように標準駆動波形をチューニングして専用駆動波形を生成する専用波形生成手段と、生成した専用駆動波形を、ワークに対し、描画処理を実施するときの機能液滴吐出ヘッドの駆動波形として決定する専用波形決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッドに対し、専用駆動波形を印加することで、規格内の機能液滴吐出ヘッドに改善することができる。これにより、廃棄処分となる機能液滴吐出ヘッドを減らすことができ、機能液滴吐出ヘッドの量産歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】機能液滴吐出ヘッドの表裏外観斜視図である。
【図2】機能液滴吐出ヘッドのヘッド本体の部分分解斜視図(a)および部分断面図(b)である。
【図3】本実施形態に係るヘッド検査装置を模式的に示した平面図である。
【図4】ヘッド検査装置の制御系(制御装置等)のブロック図である。
【図5】本実施形態の駆動波形決定方法の手順を示したフローチャートである。
【図6】標準駆動波形(a)と、吐出速度をチューニングした専用駆動波形(b)〜(e)とを模式的に示した図である。
【図7】標準駆動波形(a)と、駆動電圧をチューニングした専用駆動波形(b),(c)とを模式的に示した図である。
【図8】標準駆動波形と、吐出速度および駆動電圧をチューニングした専用駆動波形とを模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して、本発明の機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法を適用したヘッド検査装置(駆動波形決定システム)について説明する。このヘッド検査装置は、機能液滴吐出ヘッドに対し、機能液の吐出速度および吐出時の駆動電圧等を検査し、「不良」と判断された場合に、「良」と判断されるように、その機能液滴吐出ヘッド専用の駆動波形(専用駆動波形)を生成するものである。そこで、ヘッド検査装置の説明に先立ち、検査対象となる機能液滴吐出ヘッドについて説明する。
【0018】
図1に示すように、機能液滴吐出ヘッド1は、いわゆる2連のインクジェットヘッドであり、2連の接続針14を有する機能液導入部11と、機能液導入部11に連なるヘッド基板12と、ヘッド基板12の下方に連なり機能液滴を吐出するヘッド本体13と、を備えている(図1(a)参照)。なお、この機能液滴吐出ヘッド1は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれた液滴吐出装置(描画装置)に用いられ、有機EL装置の発光層やカラーフィルターのフィルターエレメント等を形成するものである。
【0019】
機能液導入部11は、一対の接続針14を有しており、図外の配管アダプターを介して機能液供給ユニット32(図3参照)から、機能液の供給を受けるようになっている。各接続針14の基部には、フィルター(図示省略)が配設されており、各接続針14から流入した機能液は、フィルターで濾過され、ヘッド本体13に流下する。
【0020】
ヘッド基板12には、制御用回路配線が形成されており、その機能液導入部11側の面には、制御ケーブル(図示省略)が接続される2つのコネクター15が設けられている。機能液滴吐出ヘッド1は、この制御ケーブルを介して、後述するヘッド検査装置2の制御装置37(図3参照)に接続されている。
【0021】
図2に示すように、ヘッド本体13は、2連のポンプ部16と、複数の吐出ノズル28が形成されたノズルプレート17と、を備えている。なお、図2(a)では、2連のポンプ部16のうち片側のみを模式的に示している。
【0022】
各ポンプ部16は、吐出ノズル28を囲むようにノズルプレート17上に配設されたシリコンキャビティ21と、シリコンキャビティ21上に接合された接着フィルム22と、接着フィルム22上において各吐出ノズル28に対応するように配設された圧電素子23(ピエゾ素子等)と、を備えている。そして、ノズルプレート17、シリコンキャビティ21および接着フィルム22で囲まれた空間が、後述する圧力室25を構成している。また、各ポンプ部16内の接着フィルム22には、機能液導入部11から機能液が流入してくる流入口24が形成されている。
【0023】
各ポンプ部16内には、吐出するための機能液を貯留する複数の圧力室25と、各圧力室25に供給するための機能液を貯留すると共に流入口24に連通する共通室26と、各圧力室25と共通室26とをつなぐ供給路27と、を備えている。各圧力室25は、吐出ノズル28(圧電素子23)の数に対応しており、各吐出ノズル28に連通している。
【0024】
図1(b)に示すように、ノズルプレート17は、ステンレス板等で形成されおり、そのノズル面NFには、2本のノズル列NLが相互に平行に列設されている。各ノズル列NLは、等ピッチで並べた複数の吐出ノズル28で構成されており、2本のノズル面NFは半ピッチずれた状態で配設されている。
【0025】
この機能液滴吐出ヘッド1では、各コネクター15を介して接続されたヘッド検査装置2の制御装置37から出力された駆動波形を、各圧電素子23に印加することで、接着フィルム22が変形し、圧力室25の容積が変化する。そして、圧力室25内の機能液が各吐出ノズル28から機能液滴が吐出される。
【0026】
ここで、このような機能液滴吐出ヘッド1では、吐出ノズル28の直径(ノズル径寸法)、供給路27の寸法(供給口寸法)および圧電素子23から共通室26を横断した幅(シート後寸法)によって、流路抵抗が変化するため、例えば、印加する駆動電圧や機能液滴の吐出速度等の吐出特性(性能)が変化するということが知られている。特に、ノズル径寸法の寸法公差および供給口寸法(幅W,高さH,長さL)の寸法公差(製造上の誤差)は、機能液滴の液滴吐出速度や吐出に必要な駆動電圧(駆動波形)に大きな影響を及ぼすことが知られている。
そこで、本実施形態では、ヘッド検査装置2を用いて、各機能液滴吐出ヘッド1の吐出性能を検査した上で、各寸法公差が許容の範囲内に無い、つまり「不良」と判断された機能液滴吐出ヘッド1に対して適正な吐出が行えるような駆動波形を生成するようにしている。
【0027】
図3および図4を参照して、上記した機能液滴吐出ヘッド1の吐出性能を検査するヘッド検査装置2(駆動波形決定システム)について説明する。ヘッド検査装置2は、単体の機能液滴吐出ヘッド1が工具レスでセットされるヘッドホルダー41を有し、機能液滴吐出ヘッド1をY軸方向に移動させるYテーブル31と、供給チューブ(図示省略)を介して機能液滴吐出ヘッド1に機能液を供給する機能液供給ユニット32と、機能液滴吐出ヘッド1内の流路に機能液を導入するための吸引装置33と、機能液滴吐出ヘッド1の吐出性能を検査する吐出検査装置34と、が機台35上に載置され、チャンバー36内に収容されている。また、チャンバー36の外には、ヘッド検査装置2を統括的に制御する制御装置37が備えられている。検査対象となる単体(1つ)の機能液滴吐出ヘッド1は、ノズルプレート17の外観検査および駆動用のICチェックを行った後、ヘッドホルダー41にセットされ、その機能液滴吐出ヘッド1内には、吸引装置33により機能液が導入される。そして、ヘッド検査装置2は、機能液滴吐出ヘッド1から機能液を吐出させて、機能液滴吐出ヘッド1の吐出性能の検査を行うと共に、その検査結果から、その機能液滴吐出ヘッド1に対して専用の駆動波形を生成する。なお、請求項にいう「検査手段」、「専用波形生成手段」および「専用波形決定手段」とは、ヘッド検査装置2(または制御装置37)を指す。
【0028】
機能液供給ユニット32は、Yテーブル31に付設され、3色(R(赤),G(緑),B(青))の機能液を貯留する3つの機能液タンク42を有している。各機能液タンク42は、ヘッドホルダー41にセットした機能液滴吐出ヘッド1より上方に配設され、機能液滴吐出ヘッド1に対し、自然水頭により供給チューブを介して機能液が供給される。
【0029】
吸引装置33は、機能液滴吐出ヘッド1のノズル面NFに密接するキャップ43と、吸引チューブ(図示省略)を介してキャップ43に接続されたエジェクター(図示省略)と、を有している。作業者は、キャップ43を機能液滴吐出ヘッド1のノズル面NFに密接させ、エジェクターにより吸引を行なうことで、機能液滴吐出ヘッド1内の流路に機能液を導入したり、吐出ノズル28の目詰まり等による吐出不良を解消することができる。そして、吸引処理の後に作業者は、ノズル面NFに付着した機能液を、ワイピング材等で拭き取る。なお、本実施形態では、ノズル面NFへのキャップ43の密接作業(キャッピング)を手動で行っているが、自動で行ってもよい。この場合、キャップ43または機能液滴吐出ヘッド1を昇降自在に構成し、Yテーブル31による移動との協働によりキャッピングを行う。同様に、ワイピング処理を自動化してもよい。この場合、ワイピング材をノズル面NFに押し当ててYテーブル31により移動させることで、吸引処理後のノズル面NFを払拭する。
【0030】
吐出検査装置34は、機能液滴吐出ヘッド1から吐出された機能液滴の飛行状態を撮影する飛行観測ユニット44と、吐出された機能液の重量(吐出重量)を計測する吐出量測定ユニット45と、ガラス基板Gを載置するターゲットステージ46と、を備えている。飛行観測ユニット44、吐出量測定ユニット45、ターゲットステージ46および吸引装置33は、Yテーブル31によりY軸方向に移動する機能液滴吐出ヘッド1の移動軌跡の下方に臨むよう、機台35上に並べて配設されている。そして、各検査を行う場合は、機能液供給ユニット32から機能液滴吐出ヘッド1に機能液を供給しつつ、Yテーブル31により機能液滴吐出ヘッド1をY軸方向に移動させて、飛行観測ユニット44、吐出量測定ユニット45およびターゲットステージ46に順次臨ませる。
【0031】
飛行観測ユニット44は、パルス光源であるパルスレーザーを有する照明部51と、照明部51に対向して配置され、パルスレーザーによるパルス光を受光する顕微鏡カメラ52と、機能液滴吐出ヘッド1から吐出された機能液を受ける機能液受け部53と、を備えている。この飛行観測ユニット44では、照明部51と顕微鏡カメラ52を駆動させた状態で機能液を吐出させると、機能液の液滴が、照明部51と顕微鏡カメラ52との間のパルスレーザーを遮って、機能液受け部53に着弾する。そして、詳細は後述するが、制御装置37は、顕微鏡カメラ52により高速度撮影された撮影結果に基づく画像解析を行うことで、飛行曲りおよび吐出抜け(吐出不良)があるか否かを、それぞれ検査すると共に、飛行速度(吐出速度)を計測する。
【0032】
吐出量測定ユニット45は、機能液滴吐出ヘッド1から吐出された液滴を受ける容器54と、容器54内の機能液の重量を測定する電子天秤55と、を備えている。機能液滴の吐出量(吐出重量)を測定する場合は、Yテーブル31により、機能液滴吐出ヘッド1を容器54に臨ませて、ノズル列NL単位で所定数の液滴を吐出した後、電子天秤55により機能液の吐出重量を測定する。機能液の吐出重量が測定されると、測定された吐出重量から、吐出ノズル28あたりの吐出量(吐出重量)を、吐出回数と吐出に用いた吐出ノズル28の数とで除算して算出する。なお、吐出重量の測定は、機能液滴吐出ヘッド1において、ノズル列NL単位で行われる。
【0033】
ターゲットステージ46は、ガラス基板Gを載置するテーブルである。ガラス基板Gには、所定の検査パターンに基づいて機能液滴吐出ヘッド1により機能液滴が吐出される。そして、ガラス基板Gは、着弾した機能液滴を自然乾燥させた後、別体の体積測定装置(図示省略)に移送され、着弾した機能液滴の個々の吐出量(体積)が測定される。
【0034】
図4に示すように、制御装置37は、各種ドライバーを有する駆動部60と、各部に接続され、ヘッド検査装置2全体の制御を行う制御部61と、を備えている。駆動部60には、機能液滴吐出ヘッド1を制御するヘッドドライバー62と、Yテーブル31を駆動させるヘッド移動ドライバー63と、が備えられている。
【0035】
制御部61には、各装置等を接続するためのインターフェース64と、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAM65と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データを記憶するROM66と、各手段からの各種データ等を記憶すると共に、各種データを処理するためのプログラム等を記憶するHDD67と、ROM66やHDD67に記憶されたプログラム等に従い各種データを演算処理するCPU68と、これらを互いに接続するバス69と、が備えられている。制御部61は、各部からの各種データを、インターフェース64を介して各装置等に入力すると共に、HDD67に記憶されたプログラムに従ってCPU68に演算処理させ、その処理結果を、駆動部60(各種ドライバー)を介して各部に出力する。これにより、ヘッド検査装置2が制御され、各種処理が行われる。
【0036】
また、HDD67には、平均的なノズル径寸法、供給口寸法およびシート後寸法を有する機能液滴吐出ヘッド1(以下、センターヘッドという。)が適正な機能液滴の吐出を行うために印加する駆動波形(以下、標準駆動波形67aという。)および駆動電圧の増減と吐出量(吐出重量)の増減との相関関係を示す駆動電圧テーブル67bが記憶されている。さらに、HDD67には、機能液滴の「吐出速度」および機能液滴吐出ヘッド1への印加可能な「駆動電圧」が、それぞれ正常であるといえる範囲(許容範囲67c(基準範囲))や、検査結果が「不良」と判断された機能液滴吐出ヘッド1に対して、専用の駆動波形を生成するための基準データとなる波形変更テーブル67dが記憶されている。なお、標準駆動波形67a、駆動電圧テーブル67b、許容範囲67cおよび波形変更テーブル67dは、ヘッド検査装置2の仕様(印加可能電圧等)を考慮しつつ、論理的、実験的に求めている。
【0037】
次に、図5ないし図8を参照して、ヘッド検査装置2による機能液滴吐出ヘッド1の駆動波形決定方法について説明する。図5に示すように、駆動波形決定方法は、機能液滴吐出ヘッド1に対し、標準駆動波形67aを印加して機能液を吐出させ、描画品質に影響する複数項目の検査を実施する検査工程S1と、検査工程S1において、複数項目の検査のうち少なくとも1の項目で「不良」となった機能液滴吐出ヘッド1に対し、「不良」となった項目が「良」となるように標準駆動波形67aをチューニングして専用駆動波形70を生成する専用波形生成工程S2と、「不良」となった機能液滴吐出ヘッド1に対して専用駆動波形70を印加して機能液を吐出させ、複数項目の再検査を行う再検査工程S3と、生成した専用駆動波形70を、ワークに対し、描画処理を実施するときの機能液滴吐出ヘッド1の駆動波形として決定する専用波形決定工程S4と、を備えている。
【0038】
この駆動波形決定方法は、ヘッド検査装置2の制御装置37により制御され、各工程を実行するプログラムは、作業領域であるRAM65に展開され、CPU68により各種処理が行わる。そして、駆動波形決定方法(専用波形決定工程S4)による決定結果は、各機能液滴吐出ヘッド1固有の履歴(波形)として、当該機能液滴吐出ヘッド1の搬入先となる液滴吐出装置(描画装置)に入力される。以下の説明では、ヘッドホルダー41に機能液滴吐出ヘッド1がセットされ、吸引装置33により、機能液滴吐出ヘッド1内に検査溶液が、既に導入されているものとする。
なお、本実施形態における「複数項目」とは、機能液滴吐出ヘッド1から吐出された機能液滴の「飛行曲り」および「吐出速度」と、各吐出ノズル28からの機能液滴の「吐出抜け(吐出不良)」と、吐出された機能液滴の「吐出重量」と、所望の吐出重量の機能液を吐出させるために機能液滴吐出ヘッド1に印加すべき「駆動電圧」と、を指している。また、図外の体積測定装置により、ガラス基板Gに着弾した機能液滴の「吐出量(体積)」が所定量か否かも検査される。
【0039】
検査工程S1は、飛行観測ユニット44を用いて「飛行曲り」および「吐出不良」を検査する飛行観測工程S11と、飛行観測工程S11の結果から「吐出速度」を算出する吐出速度算出工程S12と、吐出量測定ユニット45を用いて「吐出重量」を測定する吐出重量測定工程S13と、吐出重量測定工程S13の結果から「駆動電圧」を算出する駆動電圧算出工程S14と、「吐出速度」および「駆動電圧」が、それぞれ許容範囲67c(基準範囲)にあるか否かを判定する判定工程S15と、を備えている。
【0040】
飛行観測工程S11では、Yテーブル31により機能液滴吐出ヘッド1を飛行観測ユニット44に臨ませて、照明部51と顕微鏡カメラ52を駆動させた状態で、機能液滴吐出ヘッド1に対し、標準駆動波形67aを印加して機能液を吐出させ、機能液受け部53に着弾させる。この機能液の吐出は、標準駆動波形67aを機能液滴吐出ヘッド1のノズル列NL毎に印加して行われる。顕微鏡カメラ52は、吐出された機能液滴が照明部51と顕微鏡カメラ52との間のパルスレーザーを遮る様子を高速度撮影する。この撮影結果は、制御装置37のHDD67に記憶される。そして、制御装置37は、この撮影結果に対して画像解析(2値化処理等)を行うことで、「飛行曲り」や「吐出不良」があるか否かを判断する。ここで、「飛行曲り」等がない場合は、次の吐出速度算出工程S12に移行するが、「飛行曲り」等が存在する場合は、再び吸引装置33により吸引を実施する。
【0041】
吐出速度算出工程S12では、吐出された任意の1つの機能液滴と、この次に吐出された機能液滴との間隔(距離)および顕微鏡カメラ52による撮影時のフレームレート(時間)から「吐出速度」を算出する。算出された「吐出速度」は、RAM65に一時保存される。なお、機能液滴吐出ヘッド1のノズル面NFと機能液受け部53とのギャップ(距離)および顕微鏡カメラ52のフレームレート(時間)から「吐出速度」を算出してもよい。
【0042】
続いて、吐出重量測定工程S13では、Yテーブル31により機能液滴吐出ヘッド1を吐出量測定ユニット45に臨ませて、機能液滴吐出ヘッド1に対し、標準駆動波形67aを印加して機能液を吐出させ、容器54に着弾させる。吐出された機能液滴の吐出重量は、電子天秤55により測定される。
【0043】
駆動電圧算出工程S14では、制御装置37が、測定された吐出重量とHDD67に記憶された駆動電圧テーブル67bとを参照して、所望の吐出重量を得るために必要な「駆動電圧」を算出する。算出された「駆動電圧」は、RAM65に一時保存される。
【0044】
判定工程S15では、算出された「吐出速度」および「駆動電圧」が、制御装置37のHDD67に記憶された許容範囲67c内にあるか否かを判定する。いずれも許容範囲67c内にある場合(「良」判定)には、Yテーブル31により機能液滴吐出ヘッド1をターゲットステージ46に臨ませて、ガラス基板Gに対する機能液の吐出が行われた後、ヘッド検査装置2での検査は終了する。
しかし、「吐出速度」および「駆動電圧」の一方または両方が許容範囲67c内にない場合(「不良」判定)には、専用波形生成工程S2が行われる。
なお、本実施形態では、体積測定装置により測定されたガラス基板G上の機能液滴の体積を、判定工程S15での判定には使用していないが、体積測定装置による測定結果を判定に用いてもよい。
【0045】
図6ないし図8を参照して、専用波形生成工程S2について説明する。ヘッド検査装置2や機能液滴吐出ヘッド1が導入される描画装置では、機能液滴吐出ヘッド1に印加可能な駆動電圧の上限が定められており、所望の吐出速度や所望の吐出量(吐出重量)を得るために、単純に駆動電圧を上げることができない場合がある。
そこで、本実施形態では、専用波形生成工程S2において、標準駆動波形67aをチューニングして専用駆動波形70を生成することで、「吐出速度」および「駆動電圧」のうち「不良」と判定された項目を改善している。本実施形態では、カラーフィルター等を形成する描画装置に搭載された機能液滴吐出ヘッド1が、ワークへの描画処理を実施する際に、描画品質に大きな影響を与える「吐出速度」および「駆動電圧」が許容範囲67c内か否かを明確に認識した上で、「不良」と判断された機能液滴吐出ヘッド1毎に適切な専用駆動波形70を生成している。
【0046】
ここで、図6(a)および図7(a)に示すように、機能液滴吐出ヘッド1に印加する駆動電圧の標準駆動波形67aは、電圧の高さを縦軸とし電圧を印加する時間を横軸としたときの台形波であり、(1)昇圧時間T1(昇圧時の傾き)、(2)昇圧後の印加時間T2および(3)降圧時間T3(降圧時の傾き)をチューニングのパラメーターとして有している。
【0047】
専用波形生成工程S2における具体的なチューニング方法について説明する。まず、「吐出速度」が「不良」と判定された場合について説明する。「吐出速度」が許容範囲67cの上限を超えている(速い)場合には、標準駆動波形67aの昇圧後の印加時間T2を大きく(広く)したものを専用駆動波形70とする(図6(b)および(c)参照)。一方、「吐出速度」が許容範囲67cの下限を超えている(遅い)場合には、標準駆動波形67aの昇圧後の印加時間T2を小さく(狭く)したものを専用駆動波形70とする(図6(d)および(e)参照)。このようにして生成した専用駆動波形70を、「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッド1に印加することで、吐出された機能液滴の「吐出速度」は、許容範囲67c内に収まることとなる。
なお、昇圧後の印加時間T2の変更は、昇圧時間T1(昇圧時の傾き)または/および降圧時間T3(降圧時の傾き)を平行移動する場合(図6(b)および(d)参照)と、昇圧時の傾きまたは/および降圧時の傾きを変更する場合(図6(c)および(e)参照)とがある。しかし、後述するように、昇圧時の傾きを変更すると機能液の吐出重量が変化するため、「不良」となった項目に応じてチューニングする方法を変える必要がある。
【0048】
次に、「駆動電圧」が「不良」と判定された場合について説明する。「駆動電圧」が許容範囲67cの上限を超えている(高い)場合には、標準駆動波形67aの昇圧時間T1を短くしたものを専用駆動波形70とする。つまり、昇圧時の傾きを大きく(急に)する(図7(b)参照)。一方、「駆動電圧」が許容範囲67cの下限を超えている(低い)場合には、標準駆動波形67aの昇圧時間T1を長くしたものを専用駆動波形70とする。つまり、昇圧時の傾きを小さく(緩やかに)する(図7(c)参照)。このようにして生成した専用駆動波形70を「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッド1に印加することで、許容範囲67c内の「駆動電圧」で、所望の吐出重量の機能液の吐出が可能になる。
【0049】
「吐出速度」および「駆動電圧」が「不良」と判断された場合には、上記した規定に従って専用駆動波形70を生成する。例えば、検査工程S1に供された機能液滴吐出ヘッド1のノズル径寸法および供給口寸法(幅W,高さH,長さL)が、センターヘッドのそれよりも小さい場合には、機能液の吐出重量は少なくなるため、算出された「駆動電圧」は許容範囲67cの上限を超えてしまう。これに伴い「吐出速度」は速くなり、許容範囲67cの上限を超えてしまう。この場合、標準駆動波形67aの昇圧後の印加時間T2を大きく(広く)且つ昇圧時間T1を短くしたものを専用駆動波形70とする。(図8の破線参照)。
【0050】
なお、標準駆動波形67aからの変更量については、制御装置37のHDD67に記憶された波形変更テーブル67dに規定されている。このように生成した専用駆動波形70を、「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッド1に対して適用することで、従来、廃棄処分の対象となっていた機能液滴吐出ヘッド1であっても、所望の吐出性能を有する良品(規格内)として有効利用することができる。これにより、機能液滴吐出ヘッド1の量産歩留りを向上させることができる。また、駆動電圧を高くするためのハードウェア的な改変が不要であるため、簡単且つ安価に機能液滴吐出ヘッド1の量産歩留りの向上を図ることができる。また、機能液滴吐出ヘッド1に許容範囲67cを超える駆動電圧を印加して、機能液滴吐出ヘッド1を破損してしまう虞もない。
【0051】
専用波形生成工程S2において専用駆動波形70を生成した後、この機能液滴吐出ヘッド1に対して専用駆動波形70を印加して検査工程S1と同様の検査を再び行う(再検査工程S3)。再検査工程S3は、検査工程S1と同様であり、再飛行観測工程S31と、再吐出速度算出工程S32と、再吐出重量測定工程S33と、再駆動電圧算出工程S34と、再判定工程S35と、を備えている。これにより、生成した専用駆動波形70により適切な機能液の吐出が行われているか否かを確認することができ、機能液滴吐出ヘッド1の検査の正確性および専用駆動波形70の適応精度を担保することができる。なお、再検査工程S3の手順は、検査工程S1と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0052】
再検査工程S3での再判定工程S35の結果、「良」と判定された場合には、生成された専用駆動波形70を、その機能液滴吐出ヘッド1に関連付ける(専用波形決定工程S4)。これにより、生成された専用駆動波形70は、特定の機能液滴吐出ヘッド1が、カラーフィルター等を形成する描画装置に搭載され、ワークへの描画処理を実施する際に印加する駆動波形として決定される。
【0053】
検査工程S1(判定工程S15)で「良」判定とされた場合、または専用波形決定工程S4が終了した後、機能液滴吐出ヘッド1内の流路(ヘッド内流路)には、純水、エタノールが順に導入され、ヘッド内流路に残存する機能液が洗浄される。ヘッド内流路の洗浄の後、ヘッド内流路には、保存液が充填される。この保存液は、ヘッド内流路の乾燥を防止するものであり、本実施形態では、ジエチレングリコールを用いている。
【0054】
以上の構成によれば、「不良」と判定された機能液滴吐出ヘッド1に対し、専用駆動波形70を印加することで、規格内の機能液滴吐出ヘッド1に改善することができる。これにより、廃棄処分となる機能液滴吐出ヘッド1を減らすことができ、機能液滴吐出ヘッド1の量産歩留りを向上させることができる。
【符号の説明】
【0055】
1:機能液滴吐出ヘッド、2:ヘッド検査装置、28:吐出ノズル、34:吐出検査装置、38:制御装置、67a:標準駆動波形、70:専用駆動波形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに対し、標準駆動波形を印加して機能液を吐出させ、描画品質に影響する複数項目の検査を実施する検査工程と、
前記検査工程において、前記複数項目の検査のうち少なくとも1の項目で「不良」となった前記機能液滴吐出ヘッドに対し、前記項目が「良」となるように前記標準駆動波形をチューニングして専用駆動波形を生成する専用波形生成工程と、
生成した前記専用駆動波形を、ワークに対し、描画処理を実施するときの前記機能液滴吐出ヘッドの駆動波形として決定する専用波形決定工程と、を備えたことを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法。
【請求項2】
前記専用波形生成工程で生成した前記専用駆動波形を、「不良」となった前記機能液滴吐出ヘッドに印加して前記機能液を吐出させ、前記複数項目の再検査を行う再検査工程を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法。
【請求項3】
前記複数項目には、前記機能液滴吐出ヘッドから吐出された機能液滴の吐出速度と、所定量の前記機能液を吐出させるために前記機能液滴吐出ヘッドに印加する前記駆動波形の駆動電圧と、が含まれ、
前記検査工程は、
前記機能液滴吐出ヘッドの各吐出ノズルから前記機能液を吐出させ、吐出された複数の前記機能液滴の飛行状態を撮像した結果から、前記吐出速度を算出する吐出速度算出工程と、
前記機能液滴吐出ヘッドに前記標準駆動波形を印加して前記各吐出ノズルから前記機能液を吐出させたときの前記機能液の吐出量から、所定量の前記機能液を吐出させるための前記駆動電圧を算出する駆動電圧算出工程と、
前記吐出速度算出工程の結果である前記吐出速度と、前記駆動電圧算出工程の結果である前記駆動電圧とが、それぞれ基準範囲にあるか否かを判定する判定工程と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法。
【請求項4】
前記駆動波形は、電圧の高さを縦軸とし電圧の印加時間を横軸としたときの台形波であり、
前記専用波形生成工程では、前記台形波における昇圧時間、昇圧後の印加時間および降圧時間を前記チューニングのパラメーターとして、前記専用駆動波形を生成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定方法。
【請求項5】
インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに対し、標準駆動波形を印加して機能液を吐出させ、描画品質に影響する複数項目の検査を実施する検査手段と、
前記複数項目の検査のうち少なくとも1の項目で「不良」となった前記機能液滴吐出ヘッドに対し、前記項目が「良」となるように前記標準駆動波形をチューニングして専用駆動波形を生成する専用波形生成手段と、
生成した前記専用駆動波形を、ワークに対し、描画処理を実施するときの前記機能液滴吐出ヘッドの駆動波形として決定する専用波形決定手段と、を備えたことを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの駆動波形決定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−110444(P2011−110444A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266088(P2009−266088)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】