歩行支援装置および歩行支援方法
【課題】 正確で、信頼性のある歩行時の進行方向を算出し、進行方向を指示する小型の歩行支援装置および歩行支援方法を得る。
【解決手段】 1軸の加速度センサ2と、角加速度を検出する1軸のジャイロ3と、3軸磁気センサ1と、制御回路4から構成される姿勢角度検出部と演算部5と表示部6で構成される歩行支援装置において、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ2の出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出部で検出した方位を、前記歩行者が左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ歩行者が設定しておいた進行方位に対して、前記検出した方位が、異なる方位であった場合に歩行者に警告を行う歩行支援装置とする。
【解決手段】 1軸の加速度センサ2と、角加速度を検出する1軸のジャイロ3と、3軸磁気センサ1と、制御回路4から構成される姿勢角度検出部と演算部5と表示部6で構成される歩行支援装置において、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ2の出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出部で検出した方位を、前記歩行者が左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ歩行者が設定しておいた進行方位に対して、前記検出した方位が、異なる方位であった場合に歩行者に警告を行う歩行支援装置とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行時の方位を検出する歩行支援装置および歩行支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者に方位を知らせる歩行支援装置として、自身が現在向いている方向を知るために方位磁石が知られている。方位磁石は、磁針が回転自在であり、目視または触手することにて北方位を把握することができる。磁針を静止させ、正確な体の向きを知るには、静止して方位磁石を保持し、方位を確認する必要があった。また、近くに磁性体を含む構造体があると、地磁気がみだれ、正しい方位を検出することができなくなる。また、突然地磁気が乱れるというよりは、少しずつ地磁気が乱れていくことが多いため、方位磁石の示す値が間違っているのを見分けるのは難しかった。
【0003】
特許文献1のように、磁気センサを使用した方位指示の方法が提案されている。図13は、従来の方位の指示計を示す図である。図13に示すように、透磁率の高い素材で作製されたホーン10を介して地磁気の磁束密度を検出し、磁束密度の変化を音の強度に変えるなどして、基準方位を報知する。そのため、手ぶれなどにより磁気検出手段が地表面に傾いた状態になっても磁気検出手段の感度低下を防ぎ精度よく地磁気の磁束密度を検出して方位を報知できる。しかしながら、ホーンは大きく、携帯には不向きであった。基準方位を得るために、停止して体の向きを変え信号が最大となる位置を探す必要がある。
【0004】
現在、携帯電話、PDA(Personal Disital Asistant、個人向けの携帯型情報通信機器)に代表される携帯機器にて、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)及び基地局からの位置情報による位置情報とあわせて方位をナビゲーションする磁気コンパスが盛んに用いられてきている。
【0005】
特許文献2のように、携帯電話に取り付けて位置情報と方位をナビゲーションする機器が提案されている。メモリにあらかじめ設定されている基準電波強度を超えている場合に、磁気センサ信号を用いて磁気方位角度の演算を行わないことで方位の信頼性を向上させている。しかしながら、地磁気は、電波の強いところだけでなく、自動販売機の近く、鉄骨の入った建物など大量の磁性体材料が使用されているところでも乱れやすい。
【0006】
【特許文献1】特開2001−318594
【特許文献2】特開2002−158750
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、正確で信頼性のある歩行時の進行方向を算出し、進行方向を指示する、小型の歩行支援装置および歩行支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の歩行支援装置は、地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と演算部と表示部で構成される歩行支援装置において、前記歩行支援装置は、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出部で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる方向であった場合に歩行者に警告を行う歩行支援装置である。
【0009】
また、本発明は、前記歩行支援装置において、前記3軸磁気センサの出力より地磁気が乱れていることを検出した場合、警告を行い、地磁気が乱れている間は、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸ジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出する歩行支援装置である。
【0010】
また、本発明は、歩行者の腰に装着されたことを特徴とする歩行支援装置である。
【0011】
また、本発明は、地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と演算部と表示部とを用いる歩行支援方法において、少なくとも前記姿勢角度検出部と演算部と表示部を歩行者の腰に装着し、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出部で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる方位であった場合に歩行者に警告を行う歩行支援方法である。
【0012】
また、本発明は、前記歩行支援方法において、前記歩行支援装置は前記磁気センサの出力から地磁気が乱れていることを検出して、地磁気が乱れている間は、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出する歩行支援方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明における歩行支援装置および歩行支援方法によれば、歩行中の正確な進行方向の方位を提供できる効果がある。あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行方向に対して異なる方向に歩行した場合、警告することで進行方向を指示できる効果がある。3軸の磁気センサにより検知した地磁気から磁束密度絶対値を算出し比較することで、地磁気の乱れを検出し、警告することで信頼性の高い方位情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態による歩行支援装置および歩行支援方法について詳細に説明する。
【0015】
本発明は、地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が進行する方法の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と演算部と表示部とで構成される歩行支援装置である。
【0016】
ここで、前記1軸の加速度センサは、歩行者の歩数をカウントするために用いられる。したがって、歩行に伴う、加速度を検知するものであれば良く、地面に対して垂直な方向の加速度を検出する1軸の加速度センサか、または歩行者が進行する方法の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサのいずれかである。
【0017】
前記歩行支援装置は、歩行者の歩行時に、前記1軸の加速度センサの出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記3軸の磁気センサで検出した方位を前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、また、同時に3軸の磁気センサで地磁気を検出して、方位を計算し、あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる方位であった場合に、歩行者に警告を行う。
【0018】
また、本発明の歩行支援装置では、前記地磁気を検出する3軸の磁気センサの出力によって、地磁気が乱れていることを検出した場合、歩行者に警告を行い、地磁気が乱れている区間では、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出する。この地磁気が乱れている区間は、例えば、強磁性体材料でなる壁のある場所、強磁性体材料でなる柱のある場所、強磁性体材料でなる板が配置された場所等である。また、本発明の歩行支援装置は、歩行者の腰に装着して使用するのが良いが、他の体の場所であっても、歩行や、地磁気のデータが得れるならば、限定されない。
【0019】
上記説明では、加速度センサ1軸、ジャイロ1軸、磁気センサ3軸の構成について説明を行ったが、加速度センサを2軸または3軸、ジャイロを2軸または3軸で構成して使用することもできる。その場合、更なる方位情報の制度向上が見込まれる。
【実施例1】
【0020】
図1に、本発明の歩行支援装置の構成図を示した。歩行支援装置は、姿勢角度検出部7と演算部5と表示部6で構成されている。姿勢角度検出部7は、3軸磁気センサ1、1軸加速度センサ2、1軸ジャイロ3と駆動回路4にて構成されている。姿勢角度検出部7は、腰の高さの位置に固定する。進行方向を+Y、鉛直上向きを+Z、右手方向を+Xとする。図2は、角度と方向の定義を示す図である。
【0021】
姿勢角度検出部7が1軸ジャイロ、1軸加速度センサ、3軸磁気センサにて構成される場合には、加速度センサはZ方向の加速度を、ジャイロはZ軸周りの角加速度を検出するように配置する。姿勢角度検出部7にて検出された各センサデータは、演算部5にて演算を行い、姿勢角度を算出する。
【0022】
演算部5と表示部6をかねるものとして、PDAを使用した。姿勢角度検出部7にて検出された各センサのデータは、演算部5にて演算が行われ、姿勢角度、歩行周期、進行方向のずれ、地磁気の乱れを算出し、表示部6で視覚的または、聴覚的に利用者へ情報を通知する。
【0023】
進行方向の方位を方位磁石の絵で表示し、地磁気の乱れ、あらかじめ設定した進行方向から方位がずれた場合に警告ランプのような画面にて視覚的に表示する。北に向かっているときは、A(440Hz)の音にて知らせ、東の方位にずれるに従って周波数が連続的にあがり、西の方位にずれるに従って連続的に周波数が下がって、ちょうど南向きになったときに1オクターブ低いA(220Hz)または1オクターブ高いA(880Hz)の音にて方位の変化を聴覚的に通知する。
【0024】
地磁気の乱れ、あらかじめ設定した進行方向から方位がずれた場合は、前記方位ずれの方法にリズムを組み合わせる、または、ある音を地磁気の乱れ、方位ずれに当てはめておいて知らせる方法がある。ボタン操作などによる使用者からの要求によって、現在の方位、磁気の乱れ、方位ずれの情報を音声または音にて知らせてもよい。
【0025】
平地を歩いている場合、体の鉛直方向を検出する加速度センサの波形を図3に示した。これに3kHz以下をカットオフするローパスフィルタをかけた波形をともに図3に示す。波形の割れがなくなり、足が着床したときを容易に検出でき、極大値をとった後に極小値をとるときが片足の着床を示している。歩行の検出には、進行方向の加速度センサの出力値を使用してもよい。
【0026】
図4は、歩行中の方位と、歩行時間の平均化を行った際の方位と、経過時間との関係を示すグラフである。図4に示すように、検出したままの出力値は、歩行周期の波形を描きながら時刻が経過するにつれて、出力値が減少している。この出力が緩やかに減少している傾向は、進行方向がずれていっていることを示している。歩行時、人の体は鉛直方向の軸周りに回転し、左足を踏み出すときは、体は右方向を向き、右足を踏み出すときは、体は左方向を向いてしまう。その動作が波形となって検出されている。そのため、平均化を行わない鉛直回りの姿勢角度出力のままでは、検出している方位が最大値と最小値の差が25°程度あった。そこで、左右の足を動かす間の磁気センサの出力値を平均化すると、歩行時の方位ゆれ幅が小さくなり、5°程度の揺らぎに抑えられる。歩行中の方位と歩行時間の平均化を行った際の方位も図4のグラフに示してある。
【0027】
図5に、方位ずれ判別のシステムフローチャートを示した。あらかじめ“進行予定方位”と“方位ずれ”と判別するための閾値を入力しておく。歩行中の方位から常に“進行予定方位”を引いて、現在の方位の“進行予定方位”からのずれを判別し、閾値を超えた場合に警告を行う。
【0028】
図6は、方位の時間ごとの平均化した値を歩数から計測する方法の説明図である。この場合、右足がついて次に右足が着床する間の歩行時間T1を加速度センサにて検出し、その間に磁気センサがデータ取得した回数を数え、次の左足を出すまでの間に方位データを取得する。ここで、移動平均時間は、足が着床するたびに更新される。即ち、左右の足を動かす、1回の歩行サイクルごとに右足の移動した時間内に磁気センサのデータをとり、方位を計算し、また左足の移動した時間内に磁気センサのデータをとり、方位を計測する。図2と同じように、北:0°、東:90°、南:180°、西:−90°と設定した。
【0029】
図7は、方位ずれの判定例を示す図である。北に向かって歩行すると設定し、閾値を15°と設定して方位ずれを検出するように設定した。正常な角度範囲であれば、方位ずれの判別結果を示す方位ずれの指標が0で、右に曲がりすぎた場合は判別結果を示す方位ずれの指標が1、左に曲がりすぎた場合は判別結果を示す方位ずれの指標が2を示すように設定した。図7に示すように、北に向かって歩行しているが、左に曲がっていき、ずれの角度が−15°を超えた時点で、処理回路で方位ずれの指標を出している。一方、右に曲がっていき、ずれの角度が+15°を超えた時点でも、処理回路で方位ずれの指標を出している。
【0030】
図8は、地磁気の乱れのない場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図である。図8に示すように、地磁気の乱れがない場所において、鉛直方向(Z)を軸として、姿勢角度検出部7を360°回転させた時の各磁気センサ3軸方向の測定値である。なお、地磁気の乱れを判別するには、方位磁石を使用し、半径30cmで方位磁石を移動させたとき、方位が20°以上変わらないところは地磁気の乱れがないものとして測定を行った。ADコンバーター分解能は、10bitのものを使用した。3軸方向の磁気センサ出力値から地磁気の絶対値を算出し、適切な値で規格化した値を地磁気絶対値とした。回転時にX軸とY軸の地磁気センサの出力は、地磁気ベクトルを検出して大きく変化する。地磁気絶対値は0.2程度の変化がある。
【0031】
図9と図10は、地磁気の乱れのある場所において、鉛直方向(Z)を軸として、姿勢角度検出部7を360°回転させた時の各磁気センサ3軸方向の測定値と地磁気絶対値を示す。図8と比較して、地磁気絶対値が、図9では0.5程度大きく、図10では0.5程度小さくなっている。
【0032】
通常、地磁気が乱れやすいのは、自動販売機の近く、鉄骨の入った建物など大量の磁性体材料が使用されているところ、強い電波があるところなどである。図11は、地磁気の乱れがある場所に近づけたり、遠ざけたりした場合の磁気センサ出力を示す図である。即ち、金属体の離れたところから金属体近傍まで動かし、再度離れたところに移動させたときの磁気センサの出力を示している。姿勢角度検出部7が磁性体に近づくと、地磁気絶対値の値が減少し、続いて増加している。
【0033】
本発明では、長時間、地磁気絶対値を平均化したものを基準値とした。長時間平均化することで、多少絶対値が変動しても影響が少なくなる。基準値と短い時間平均化したものを比較してその差が大きい場合には、地磁気が乱れているものとして、警告を行う。一定時間以上、歩数が増加しない場合には、静止しているものと判断し、自動的に磁気センサの乱れを検出するのをやめる。地磁気の乱れた地点で長時間静止していると、乱れた状態の地磁気絶対値を基準値としてしまうためである。なお、図12は、地磁気の乱れを検出するシステムフローチャートである。図12に示すように、8秒間の地磁気絶対値と1秒間の地磁気絶対値とを比較し、所定の閾値よりも両者の差が大きい場合は、地磁気の乱れがあると判断する。
【0034】
即ち、本発明の歩行支援装置によれば、歩行中の正確な進行方向の方位を提供でき、あらかじめ歩行者が設定しておいた進行方向に対して異なる方向に歩行した場合、警告することで進行方向を指示でき、3軸の磁気センサにより検知した地磁気から地磁気磁束密度絶対値を算出し、基準値と比較することで、地磁気の乱れを検出し、警告することで信頼性の高い方位情報を提供することができる。従って、本発明の歩行支援装置は、正確で信頼性のおける歩行時の進行方向を算出し、進行方向を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例の歩行支援装置の説明図。
【図2】角度と方向の定義を示す図。
【図3】体の鉛直方向を検出する加速度センサの波形とローパスフィルタをかけた出力と歩数計測を示したグラフ。
【図4】歩行中の方位と、歩行時間の平均化を行った際の方位と経過時間との関係を示すグラフ。
【図5】方位ずれ判別のシステムフローチャート。
【図6】方位平均化時間を歩数から計測する方法の説明図。
【図7】方位ずれ判別例を示す図。
【図8】地磁気の乱れのない場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図。
【図9】地磁気の乱れがある場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図。
【図10】地磁気の乱れがある場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図。
【図11】地磁気の乱れのある場所に近づけたり遠ざけたりした場合の磁気センサ出力を示す図。
【図12】地磁気の乱れを検出するシステムフローチャート。
【図13】従来の方位の指示計を示す図。
【符号の説明】
【0036】
1 3軸磁気センサ
2 1軸加速度センサ
3 1軸ジャイロ
4 駆動回路
5 演算部
6 表示部
7 姿勢角度検出部
8 歩行支援装置
10 ホーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行時の方位を検出する歩行支援装置および歩行支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者に方位を知らせる歩行支援装置として、自身が現在向いている方向を知るために方位磁石が知られている。方位磁石は、磁針が回転自在であり、目視または触手することにて北方位を把握することができる。磁針を静止させ、正確な体の向きを知るには、静止して方位磁石を保持し、方位を確認する必要があった。また、近くに磁性体を含む構造体があると、地磁気がみだれ、正しい方位を検出することができなくなる。また、突然地磁気が乱れるというよりは、少しずつ地磁気が乱れていくことが多いため、方位磁石の示す値が間違っているのを見分けるのは難しかった。
【0003】
特許文献1のように、磁気センサを使用した方位指示の方法が提案されている。図13は、従来の方位の指示計を示す図である。図13に示すように、透磁率の高い素材で作製されたホーン10を介して地磁気の磁束密度を検出し、磁束密度の変化を音の強度に変えるなどして、基準方位を報知する。そのため、手ぶれなどにより磁気検出手段が地表面に傾いた状態になっても磁気検出手段の感度低下を防ぎ精度よく地磁気の磁束密度を検出して方位を報知できる。しかしながら、ホーンは大きく、携帯には不向きであった。基準方位を得るために、停止して体の向きを変え信号が最大となる位置を探す必要がある。
【0004】
現在、携帯電話、PDA(Personal Disital Asistant、個人向けの携帯型情報通信機器)に代表される携帯機器にて、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)及び基地局からの位置情報による位置情報とあわせて方位をナビゲーションする磁気コンパスが盛んに用いられてきている。
【0005】
特許文献2のように、携帯電話に取り付けて位置情報と方位をナビゲーションする機器が提案されている。メモリにあらかじめ設定されている基準電波強度を超えている場合に、磁気センサ信号を用いて磁気方位角度の演算を行わないことで方位の信頼性を向上させている。しかしながら、地磁気は、電波の強いところだけでなく、自動販売機の近く、鉄骨の入った建物など大量の磁性体材料が使用されているところでも乱れやすい。
【0006】
【特許文献1】特開2001−318594
【特許文献2】特開2002−158750
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、正確で信頼性のある歩行時の進行方向を算出し、進行方向を指示する、小型の歩行支援装置および歩行支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の歩行支援装置は、地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と演算部と表示部で構成される歩行支援装置において、前記歩行支援装置は、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出部で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる方向であった場合に歩行者に警告を行う歩行支援装置である。
【0009】
また、本発明は、前記歩行支援装置において、前記3軸磁気センサの出力より地磁気が乱れていることを検出した場合、警告を行い、地磁気が乱れている間は、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸ジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出する歩行支援装置である。
【0010】
また、本発明は、歩行者の腰に装着されたことを特徴とする歩行支援装置である。
【0011】
また、本発明は、地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と演算部と表示部とを用いる歩行支援方法において、少なくとも前記姿勢角度検出部と演算部と表示部を歩行者の腰に装着し、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出部で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる方位であった場合に歩行者に警告を行う歩行支援方法である。
【0012】
また、本発明は、前記歩行支援方法において、前記歩行支援装置は前記磁気センサの出力から地磁気が乱れていることを検出して、地磁気が乱れている間は、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出する歩行支援方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明における歩行支援装置および歩行支援方法によれば、歩行中の正確な進行方向の方位を提供できる効果がある。あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行方向に対して異なる方向に歩行した場合、警告することで進行方向を指示できる効果がある。3軸の磁気センサにより検知した地磁気から磁束密度絶対値を算出し比較することで、地磁気の乱れを検出し、警告することで信頼性の高い方位情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態による歩行支援装置および歩行支援方法について詳細に説明する。
【0015】
本発明は、地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が進行する方法の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と演算部と表示部とで構成される歩行支援装置である。
【0016】
ここで、前記1軸の加速度センサは、歩行者の歩数をカウントするために用いられる。したがって、歩行に伴う、加速度を検知するものであれば良く、地面に対して垂直な方向の加速度を検出する1軸の加速度センサか、または歩行者が進行する方法の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサのいずれかである。
【0017】
前記歩行支援装置は、歩行者の歩行時に、前記1軸の加速度センサの出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記3軸の磁気センサで検出した方位を前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、また、同時に3軸の磁気センサで地磁気を検出して、方位を計算し、あらかじめ歩行者等が設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる方位であった場合に、歩行者に警告を行う。
【0018】
また、本発明の歩行支援装置では、前記地磁気を検出する3軸の磁気センサの出力によって、地磁気が乱れていることを検出した場合、歩行者に警告を行い、地磁気が乱れている区間では、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出する。この地磁気が乱れている区間は、例えば、強磁性体材料でなる壁のある場所、強磁性体材料でなる柱のある場所、強磁性体材料でなる板が配置された場所等である。また、本発明の歩行支援装置は、歩行者の腰に装着して使用するのが良いが、他の体の場所であっても、歩行や、地磁気のデータが得れるならば、限定されない。
【0019】
上記説明では、加速度センサ1軸、ジャイロ1軸、磁気センサ3軸の構成について説明を行ったが、加速度センサを2軸または3軸、ジャイロを2軸または3軸で構成して使用することもできる。その場合、更なる方位情報の制度向上が見込まれる。
【実施例1】
【0020】
図1に、本発明の歩行支援装置の構成図を示した。歩行支援装置は、姿勢角度検出部7と演算部5と表示部6で構成されている。姿勢角度検出部7は、3軸磁気センサ1、1軸加速度センサ2、1軸ジャイロ3と駆動回路4にて構成されている。姿勢角度検出部7は、腰の高さの位置に固定する。進行方向を+Y、鉛直上向きを+Z、右手方向を+Xとする。図2は、角度と方向の定義を示す図である。
【0021】
姿勢角度検出部7が1軸ジャイロ、1軸加速度センサ、3軸磁気センサにて構成される場合には、加速度センサはZ方向の加速度を、ジャイロはZ軸周りの角加速度を検出するように配置する。姿勢角度検出部7にて検出された各センサデータは、演算部5にて演算を行い、姿勢角度を算出する。
【0022】
演算部5と表示部6をかねるものとして、PDAを使用した。姿勢角度検出部7にて検出された各センサのデータは、演算部5にて演算が行われ、姿勢角度、歩行周期、進行方向のずれ、地磁気の乱れを算出し、表示部6で視覚的または、聴覚的に利用者へ情報を通知する。
【0023】
進行方向の方位を方位磁石の絵で表示し、地磁気の乱れ、あらかじめ設定した進行方向から方位がずれた場合に警告ランプのような画面にて視覚的に表示する。北に向かっているときは、A(440Hz)の音にて知らせ、東の方位にずれるに従って周波数が連続的にあがり、西の方位にずれるに従って連続的に周波数が下がって、ちょうど南向きになったときに1オクターブ低いA(220Hz)または1オクターブ高いA(880Hz)の音にて方位の変化を聴覚的に通知する。
【0024】
地磁気の乱れ、あらかじめ設定した進行方向から方位がずれた場合は、前記方位ずれの方法にリズムを組み合わせる、または、ある音を地磁気の乱れ、方位ずれに当てはめておいて知らせる方法がある。ボタン操作などによる使用者からの要求によって、現在の方位、磁気の乱れ、方位ずれの情報を音声または音にて知らせてもよい。
【0025】
平地を歩いている場合、体の鉛直方向を検出する加速度センサの波形を図3に示した。これに3kHz以下をカットオフするローパスフィルタをかけた波形をともに図3に示す。波形の割れがなくなり、足が着床したときを容易に検出でき、極大値をとった後に極小値をとるときが片足の着床を示している。歩行の検出には、進行方向の加速度センサの出力値を使用してもよい。
【0026】
図4は、歩行中の方位と、歩行時間の平均化を行った際の方位と、経過時間との関係を示すグラフである。図4に示すように、検出したままの出力値は、歩行周期の波形を描きながら時刻が経過するにつれて、出力値が減少している。この出力が緩やかに減少している傾向は、進行方向がずれていっていることを示している。歩行時、人の体は鉛直方向の軸周りに回転し、左足を踏み出すときは、体は右方向を向き、右足を踏み出すときは、体は左方向を向いてしまう。その動作が波形となって検出されている。そのため、平均化を行わない鉛直回りの姿勢角度出力のままでは、検出している方位が最大値と最小値の差が25°程度あった。そこで、左右の足を動かす間の磁気センサの出力値を平均化すると、歩行時の方位ゆれ幅が小さくなり、5°程度の揺らぎに抑えられる。歩行中の方位と歩行時間の平均化を行った際の方位も図4のグラフに示してある。
【0027】
図5に、方位ずれ判別のシステムフローチャートを示した。あらかじめ“進行予定方位”と“方位ずれ”と判別するための閾値を入力しておく。歩行中の方位から常に“進行予定方位”を引いて、現在の方位の“進行予定方位”からのずれを判別し、閾値を超えた場合に警告を行う。
【0028】
図6は、方位の時間ごとの平均化した値を歩数から計測する方法の説明図である。この場合、右足がついて次に右足が着床する間の歩行時間T1を加速度センサにて検出し、その間に磁気センサがデータ取得した回数を数え、次の左足を出すまでの間に方位データを取得する。ここで、移動平均時間は、足が着床するたびに更新される。即ち、左右の足を動かす、1回の歩行サイクルごとに右足の移動した時間内に磁気センサのデータをとり、方位を計算し、また左足の移動した時間内に磁気センサのデータをとり、方位を計測する。図2と同じように、北:0°、東:90°、南:180°、西:−90°と設定した。
【0029】
図7は、方位ずれの判定例を示す図である。北に向かって歩行すると設定し、閾値を15°と設定して方位ずれを検出するように設定した。正常な角度範囲であれば、方位ずれの判別結果を示す方位ずれの指標が0で、右に曲がりすぎた場合は判別結果を示す方位ずれの指標が1、左に曲がりすぎた場合は判別結果を示す方位ずれの指標が2を示すように設定した。図7に示すように、北に向かって歩行しているが、左に曲がっていき、ずれの角度が−15°を超えた時点で、処理回路で方位ずれの指標を出している。一方、右に曲がっていき、ずれの角度が+15°を超えた時点でも、処理回路で方位ずれの指標を出している。
【0030】
図8は、地磁気の乱れのない場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図である。図8に示すように、地磁気の乱れがない場所において、鉛直方向(Z)を軸として、姿勢角度検出部7を360°回転させた時の各磁気センサ3軸方向の測定値である。なお、地磁気の乱れを判別するには、方位磁石を使用し、半径30cmで方位磁石を移動させたとき、方位が20°以上変わらないところは地磁気の乱れがないものとして測定を行った。ADコンバーター分解能は、10bitのものを使用した。3軸方向の磁気センサ出力値から地磁気の絶対値を算出し、適切な値で規格化した値を地磁気絶対値とした。回転時にX軸とY軸の地磁気センサの出力は、地磁気ベクトルを検出して大きく変化する。地磁気絶対値は0.2程度の変化がある。
【0031】
図9と図10は、地磁気の乱れのある場所において、鉛直方向(Z)を軸として、姿勢角度検出部7を360°回転させた時の各磁気センサ3軸方向の測定値と地磁気絶対値を示す。図8と比較して、地磁気絶対値が、図9では0.5程度大きく、図10では0.5程度小さくなっている。
【0032】
通常、地磁気が乱れやすいのは、自動販売機の近く、鉄骨の入った建物など大量の磁性体材料が使用されているところ、強い電波があるところなどである。図11は、地磁気の乱れがある場所に近づけたり、遠ざけたりした場合の磁気センサ出力を示す図である。即ち、金属体の離れたところから金属体近傍まで動かし、再度離れたところに移動させたときの磁気センサの出力を示している。姿勢角度検出部7が磁性体に近づくと、地磁気絶対値の値が減少し、続いて増加している。
【0033】
本発明では、長時間、地磁気絶対値を平均化したものを基準値とした。長時間平均化することで、多少絶対値が変動しても影響が少なくなる。基準値と短い時間平均化したものを比較してその差が大きい場合には、地磁気が乱れているものとして、警告を行う。一定時間以上、歩数が増加しない場合には、静止しているものと判断し、自動的に磁気センサの乱れを検出するのをやめる。地磁気の乱れた地点で長時間静止していると、乱れた状態の地磁気絶対値を基準値としてしまうためである。なお、図12は、地磁気の乱れを検出するシステムフローチャートである。図12に示すように、8秒間の地磁気絶対値と1秒間の地磁気絶対値とを比較し、所定の閾値よりも両者の差が大きい場合は、地磁気の乱れがあると判断する。
【0034】
即ち、本発明の歩行支援装置によれば、歩行中の正確な進行方向の方位を提供でき、あらかじめ歩行者が設定しておいた進行方向に対して異なる方向に歩行した場合、警告することで進行方向を指示でき、3軸の磁気センサにより検知した地磁気から地磁気磁束密度絶対値を算出し、基準値と比較することで、地磁気の乱れを検出し、警告することで信頼性の高い方位情報を提供することができる。従って、本発明の歩行支援装置は、正確で信頼性のおける歩行時の進行方向を算出し、進行方向を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例の歩行支援装置の説明図。
【図2】角度と方向の定義を示す図。
【図3】体の鉛直方向を検出する加速度センサの波形とローパスフィルタをかけた出力と歩数計測を示したグラフ。
【図4】歩行中の方位と、歩行時間の平均化を行った際の方位と経過時間との関係を示すグラフ。
【図5】方位ずれ判別のシステムフローチャート。
【図6】方位平均化時間を歩数から計測する方法の説明図。
【図7】方位ずれ判別例を示す図。
【図8】地磁気の乱れのない場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図。
【図9】地磁気の乱れがある場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図。
【図10】地磁気の乱れがある場所で鉛直方向回りに回転させたときの磁気センサ出力を示す図。
【図11】地磁気の乱れのある場所に近づけたり遠ざけたりした場合の磁気センサ出力を示す図。
【図12】地磁気の乱れを検出するシステムフローチャート。
【図13】従来の方位の指示計を示す図。
【符号の説明】
【0036】
1 3軸磁気センサ
2 1軸加速度センサ
3 1軸ジャイロ
4 駆動回路
5 演算部
6 表示部
7 姿勢角度検出部
8 歩行支援装置
10 ホーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と、演算部と表示部で構成される歩行支援装置において、前記歩行支援装置は、歩行者の歩行時に、前記加速度センサの出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出装置で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる場合に警告を行うことを特徴とする歩行支援装置。
【請求項2】
前記3軸磁気センサの出力より地磁気が乱れていることを検出した場合、地磁気が乱れている区間では、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
【請求項3】
前記歩行支援装置は、歩行者の腰に装着されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
【請求項4】
地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と、演算部と表示部とを用いる歩行支援方法において、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出装置で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が異なる場合に警告を行うことを特徴とする歩行支援方法。
【請求項5】
前記歩行支援装置は、前記3軸磁気センサの出力から地磁気が乱れていることを検出した場合、地磁気が乱れている間は、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出することを特徴とする請求項4に記載の歩行支援方法。
【請求項1】
地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と、演算部と表示部で構成される歩行支援装置において、前記歩行支援装置は、歩行者の歩行時に、前記加速度センサの出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出装置で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が、異なる場合に警告を行うことを特徴とする歩行支援装置。
【請求項2】
前記3軸磁気センサの出力より地磁気が乱れていることを検出した場合、地磁気が乱れている区間では、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
【請求項3】
前記歩行支援装置は、歩行者の腰に装着されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
【請求項4】
地面に対して垂直な方向の加速度、あるいは歩行者が歩行する方向の加速度のいずれかを検出する1軸の加速度センサと、地面に対して垂直な軸の周りの角加速度を検出する1軸のジャイロと、地磁気を検出する3軸の磁気センサと、前記の各センサを動かす駆動回路から構成される姿勢角度検出部と、演算部と表示部とを用いる歩行支援方法において、歩行者の歩行時に、前記加速度センサ出力波形を解析して、左右の足が着床する時間を算出し、前記姿勢角度検出装置で検出した方位を、前記歩行者の左右の足が着床する時間で移動平均を行い、体が進行している方位を算出し、あらかじめ設定しておいた進行する方位に対して、前記検出した方位が異なる場合に警告を行うことを特徴とする歩行支援方法。
【請求項5】
前記歩行支援装置は、前記3軸磁気センサの出力から地磁気が乱れていることを検出した場合、地磁気が乱れている間は、前記3軸磁気センサの検出値を用いることなしに、前記1軸のジャイロのデータを用いて姿勢角度を算出することを特徴とする請求項4に記載の歩行支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−84312(P2006−84312A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269062(P2004−269062)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】
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