説明

歪曲されたデューティ比を補正するDLLクロック生成回路

【課題】本発明は、デューティの歪曲を補正したDLLクロックを生成するDLLクロック生成回路を提供する。
【解決手段】本発明のDLLクロック生成回路は、 第1のクロック及び第2のクロックの入力により、第1の内部クロック及び第2の内部クロックを生成し、第1の内部クロックのデューティ比により生成された基準信号に基づき、第1の内部クロック及び第2の内部クロックのデューティを補正するデューティ補正バッファと、デューティ補正バッファに連結しており、第1の内部クロックのイネーブル動作により第1のレベルに遷移され、第2の内部クロックのイネーブル動作により第2のレベルに遷移される、DLLクロックを生成するエッジトリガー部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路に関し、特に、DLL(Delay Locked Loop)クロック生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、クロック同期システムにおいて、クロックは、回路の動作を同期させる基準として用いられたり、エラなしに迅速な動作を保証するために用いられる。外部から提供されたクロックが内部回路で用いられる際、内部回路の信号経路によるクロックスキュ(clock skew)が発生する。このようなクロックスキュを補償して内部クロックを外部クロックに同期させるために、DLLやPLL(Phase Locked Loop)等のクロック同期化回路が用いられる(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、高速で動作するクロックの立ち上りエッジ及び立ち下りエッジで全部入出力動作が行われるシステム、例えば、DDR(Double Data Rate)は、充分に高速で動作する入出力データの有効ウィンドウを確保するために、50%のデューティ比を維持することが重要である。このように、半導体集積回路は、外部クロックのデューティ比に関係なく、常に50%のデューティ比を有するクロックを生成したり、クロックのデューティ変更を補償するために、DLL内部にデューティ補正回路(DCC:Duty Cycle Corrector)を適用する。クロックバッファの出力段にフィードバックタイプのデューティ補正回路を配置する場合、又はクロックバッファの入力段にデューティ補正回路を配置する場合がある。
【0004】
図1は、クロックバッファの入力段にデューティ補正回路を配置する場合のDLLクロック生成回路のブロック図である。図1に示すように、DLLクロック生成回路4は、デューティ補正部1、クロックバッファ2及びDLLクロックドライバー3を含む。
【0005】
デューティ補正部1は、デューティ補正イネーブル信号(DCC_EN)に応じて、第1の内部クロック(RCLK1)のデューティを補正するための第1の基準信号(RVREF)及び第2の基準信号(FVREF)を出力する。
【0006】
クロックバッファ2は、第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)の入力により、第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)に制御されて補正されたデューティを有する第1の内部クロック(RCLK1)を提供する。
【0007】
DLLクロックドライバー3は、パワーダウンモード信号(PWDNB)、コマンドクロック(BCK0)及びリセット信号(RESET)により、第1の内部クロック(RCLK1)が入力されて、ドライビングして各種クロック信号(CLKIN、REFCLK、CONTCLK)を生成する。
【0008】
図1に示すように、外部から入力される第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)のデューティ比をデューティ補正部1により補正し、第1の内部クロック(RCLK1)をDLLクロックとして出力する。しかしながら、デューティ補正部1のデューティ補正の範囲から逸脱した第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)が入力される場合、歪曲されたデューティ比を有するDLLクロックが生成され得る。
【0009】
詳述すれば、クロックバッファ2の第1のクロック(CLK)及びその相補クロックである第2のクロック(CLKB)の遷移時点、又は、入力電圧交差地点(VIX;Voltage Input Cross-point)が基準電圧(VREF)より増減して、デューティ補正範囲から逸脱するので、クロックバッファ2の出力(RCLK1)のデューティが歪曲される。
【0010】
このように、クロックバッファ2の入力段にデューティ補正部1のようなデューティ補正回路を備えたDLLクロック生成回路の場合、クロックバッファ2により発生した歪曲されたデューティを補正した。しかしながら、デューティの歪曲程度がデューティ補正回路の限界値を越える場合には、未補正の第1の内部クロック(RCLK1)をそのままDLLクロックとして提供する。したがって、高速動作によりクロックが高周波数でクローキングされる時、歪曲されたデューティ比を有するDLLクロックにより、データ有効ウィンドウ(Data Valid Window;tDV)が減少して動作不良が発生し得る。
【特許文献1】特開平5−48587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、デューティの歪曲を補正したDLLクロックを生成するDLLクロック生成回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明のDLLクロック生成回路は、第1のクロック及び第2のクロックの入力により、第1の内部クロック及び第2の内部クロックを生成し、前記第1の内部クロックのデューティ比により生成された基準信号に基づき、前記第1の内部クロック及び前記第2の内部クロックのデューティを補正するデューティ補正バッファと、前記デューティ補正バッファに連結しており、前記第1の内部クロックのイネーブル動作により第1のレベルに遷移され、前記第2の内部クロックのイネーブル動作により第2のレベルに遷移される、DLLクロックを生成するエッジトリガー部を含む。
【0013】
また、エッジトリガー部を用いる他の実施形態のDLLクロック生成回路において、本発明のエッジトリガー部は、 第1のノードと、第1の内部クロックにより、第1のノードの信号をプルアップするプルアップ部と、前記第2の内部クロックにより、前記第1のノードの信号をプルダウンするプルダウン部と、及び、前記プルアップ部及びプルダウン部に連結しており、前記第1のロードの信号をラッチして前記プルアップ及びプルダウン動作により、デューティサイクルを補正するDLLクロックを出力するラッチ部を含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、外部クロックからデューティ比が補正された内部DLLクロックを生成できる。すなわち、外部クロックを受信して内部クロックを生成する時、外部クロックのデューティ比を有するように、外部クロックの立ち上りエッジに同期された信号を生成し、生成された信号の立ち上りエッジを用いて再度出力信号を提供することで、デューティ比が補正されたDLLクロックを生成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるDLLクロック生成回路は、デューティ補正回路による補正範囲を超えた歪曲されたデューティを有する信号までデューティの補正が可能である。
【0016】
また、本発明は、デューティが補正されたDLLクロックを生成することにより、データ有効ウィンドウの拡張が可能であるため、高周波数でのデータ不良を減少できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
図2に示すように、本発明によるDLLクロック生成回路100の一実施形態は、デューティ補正バッファ50、エッジトリガー部30及びDLLクロックドライバー40を含む。
【0018】
デューティ補正バッファ50は、第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)が入力されて、第1の内部クロック(RCLK1)のデューティにより調節された第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)により、デューティが補正された第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)を生成する。
【0019】
デューティ補正バッファ50は、デューティ補正部10及びクロックバッファ20を含む。
デューティ補正部10は、デューティ補正イネーブル信号(DCC_EN)に応じて、第1の内部クロック(RCLK1)をフィードバック受信して、基準信号(RVREF、FVREF)として第1の基準信号(RVREF)及び第2の基準信号(FVREF)を出力する。デューティ補正部10は、通常のアナログデューティ補正回路により具現できる。第1の内部クロック(RCLK1)は、クロックバッファ20の出力信号の一つである。よって、デューティ補正部10は、第1の内部クロック(RCLK1)をフィードバック受信して、第1の内部クロック(RCLK1)の所定区間、例えばハイレバル区間に応答する電荷量の差を用いて電圧を検出する。これを反映して、第1の内部クロック(RCLK1)のデューティを補正するための基準電圧である第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)を出力する。つまり、デューティ補正部10は、第1の内部クロック(RCLK1)のデューティ比を1次補正した基準信号(RVREF、FVREF)を提供できる。
【0020】
クロックバッファ20は、第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)が入力され、第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)に制御されて補正されたデューティ比を有する第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)を提供する。ここで、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)は、互いに180゜の位相差を維持する第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)のそれぞれの立ち上りエッジに同期されて生成されるクロック信号である。一方、第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)は、外部から一定なクロック周期で理想的に提供されるものとして例示する。
【0021】
このようなクロックバッファ20は、第1のクロックバッファ21及び第2のクロックバッファ22を含む。また、クロックバッファ20は、第1のクロックバッファ21の出力をバッファリングする第19のインバータ(IV19)と、第2のクロックバッファ22の出力をバッファリングする第20のインバータ(IV20)とを含むことができる。
【0022】
クロックバッファ20の動作について詳細に説明すれば、クロックバッファ20は、第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)の制御により、第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)のハイレバル区間とローレベル区間とを比較して、相対的に大きくなったハイレバル(ローレベル)の区間は縮小し、小さくなったローレベル(ハイレバル)の区間は拡張することで、第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)のデューティ比を補正する。
【0023】
例えば、第1のクロックバッファ21は、第1の基準信号(RVREF)に応じて受信された第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)のそれぞれのハイレバル区間の幅を制御できる。また、第1のクロックバッファ21は、第2の基準信号(FVREF)に応じて受信された第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)のそれぞれのローレベル区間の幅を制御できる。よって、第1のクロックバッファ21は、第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)の制御により補正された第1の内部クロック(RCLK1)を提供する。
【0024】
これと同様に、第2のクロックバッファ22は、第1の基準信号(RVREF)及び第2の基準信号(FVREF)に応じて受信された第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)のそれぞれのハイレバル区間の幅及びローレベル区間の幅を制御できる。よって、第2のクロックバッファ22は、第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)の制御により補正された第2の内部クロック(FCLK1)を提供する。
【0025】
すなわち、第1及び第2のクロックバッファ21、22は、第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)の制御によりデューティ比が補正された第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)を提供できる。
【0026】
しかしながら、このような場合、デューティ補正部10のデューティ補正範囲から逸脱した第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)がクロックバッファ20に受信される場合、補正用基準信号である第1及び第2の基準信号(RVREF、FVREF)の制御によってもデューティ比が正しく補正されない状態で、第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)を提供することになる。
【0027】
本発明の一実施形態によるエッジトリガー部30は、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上りエッジを用いて、クロックのデューティ比が2次補正されたDLLクロック(Edge_CLK)を生成する。
【0028】
より具体的に、エッジトリガー部30は、第1の内部クロック(RCLK1)の立ち上りエッジにトリガーされて活性化し、第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上りエッジにトリガーされて非活性化する、DLLクロック(Edge_CLK)を生成する。例えば、エッジトリガー部30は、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上りエッジを用いて、DLLクロック(Edge_CLK)のデューティを補正する。
【0029】
一方、エッジトリガー部30は、パワーダウンモードではデューティ比を補正しないように、固定されたローレベルのDLLクロック(Edge_CLK)を提供する。これは、パワーダウンモード信号(PWDNB)がハイレバルになってパワーダウンモードに進入すれば、消費電流(IDD)を減少させるために、DLLクロック(Edge_CLK)を非活性化する。
【0030】
DLLクロックドライバー40は、DLLクロック(Edge_CLK)、パワーダウンモード信号(PWDNB)及びリセット信号(RESET)を受信して、各種内部用クロック信号(CLKIN、REFCLK、CONTCLK)を生成する。各種内部用クロック信号(CLKIN、REFCLK、CONTCLK)は、デューティが補正されたDLLクロック(Edge_CLK)を用いて生成されるので、デューティ比が改善された内部用クロック信号として提供され得る。
【0031】
図3は、図2によるエッジトリガー部30の詳細回路図である。図3に示すように、エッジトリガー部30は、前述したように、第1の内部クロック(RCLK1)の立ち上りエッジに同期されて、第1の遅延時間後に活性化した状態を維持していて、第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上りエッジに同期されて、第1の遅延時間後に非活性化するDLLクロック(Edge_CLK)を生成する。
【0032】
エッジトリガー部30は、プルアップ部31、プルダウン部32及びラッチ部33を含む。
プルアップ部31は、第1の内部クロック(RCLK1)により、第1のノード(Node1)の信号をプルアップする。プルアップ部31は、第1のインバータ(IV1)、第1の遅延部34、第2のインバータ(IV2)、第1のPMOSトランジスタ(P1)及び第2のPMOSトランジスタ(P2)を含む。
【0033】
第1のインバータ(IV1)には、第1の内部クロック(RCLK1)が入力される。第1の遅延部34は、第1のインバータ(IV1)の出力を所定時間遅延させる。第2のインバータ(IV2)は、第1の遅延部34の出力が入力される。第1のPMOSトランジスタ(P1)は、第2のインバータ(IV2)の出力がゲートに入力され、供給電圧(VDD)がソースに入力される。第2のPMOSトランジスタ(P2)は、第1のインバータ(IV1)の出力がゲートに入力され、第1のPMOSトランジスタ(P1)のドレーンにソースが連結しており、第1のノード(Node1)にドレーンが連結している。
【0034】
プルダウン部32は、第2の内部クロック(FCLK1)により、第1のノード(Node1)の信号をプルダウンする。プルダウン部32は、第2の遅延部35、第3のインバータ(IV3)、第1のNMOSトランジスタ(N1)及び第2のNMOSトランジスタ(N2)を含む。
【0035】
第2の遅延部35は、第2の内部クロック(FCLK1)を所定時間遅延させる。第3のインバータ(IV3)には、第2の遅延部35の出力が入力される。第1のNMOSトランジスタ(N1)は、第2の内部クロック(FCLK1)がゲートに入力され、第1のノード(Node1)にドレーンが連結している。第2のNMOSトランジスタ(N2)は、第3のインバータ(IV3)の出力がゲートに入力され、ドレーンに第1のNMOSトランジスタ(N1)のソースが連結しており、ソースに接地電圧(VSS)が印加される。
【0036】
第1の遅延時間は、第1の遅延部34及び第2の遅延部35の遅延素子の数によって調節され得る。
ラッチ部33は、第1のノード(Node1)の信号をラッチして、DLLクロック(Edge_CLK)を生成する。
【0037】
ラッチ部33は、第4〜第6のインバータ(IV4〜IV6)及び第1のナンドゲート(ND1)を含む。第6のインバータ(IV6)には、パワーダウンモード信号(PWDNB)が入力される。第1のナンドゲート(ND1)には、第6のインバータ(IV6)の出力及び第1のノード(Node1)の信号が入力される。第4のインバータ(IV4)には、第1のナンドゲート(ND1)の出力が入力され、第1のノード(Node1)に供給する。第5のインバータ(IV5)には、第1のナンドゲート(ND1)の出力が入力され、DLLクロック(Edge_CLK)を生成する。一方、ラッチ部33は、活性化したパワーダウンモード信号(PWDNB)を受信すれば、ローレベルのDLLクロック(Edge_CLK)を提供する。
【0038】
引続き、エッジトリガー部30の動作を説明すれば、次の通りである。
第2の内部クロック(FCLK1)がハイレバルになれば、第1のNMOSトランジスタ(N1)がターンオンされる。また、第2の内部クロック(FCLK1)がハイレバルになってから、第2の遅延部35及び第3のインバータ(IV3)により所定時間が経過した後、第2のNMOSトランジスタ(N2)がターンオンされる。第2のNMOSトランジスタ(N2)のターンオン時点は、第2の遅延部35により調節し得る。よって、第1のNMOSトランジスタ(N1)及び第2のNMOSトランジスタ(N2)が全部ターンオンされる時点は、第2の内部クロック(FCLK1)がハイレバルになってから、所定時間が経過した後である。このとき、第1のノード(Node1)の電圧は、プルダウンされてローレベルになる。よって、ラッチ部33は、ローレベルのDLLクロック(Edge_CLK)を出力する。また、第1の内部クロック(RCLK1)がハイレバルになれば、第1のインバータ(IV1)の出力はローレベルになる。これにより、第1の遅延部34及び第2のインバータ(IV2)により、第1の内部クロック(RCLK1)がハイレバルになってから、所定時間が経過した後、第1のPMOSトランジスタ(P1)がターンオンされる。第1のPMOSトランジスタ(P1)のターンオン時点は、第1の遅延部34により調節し得る。また、第2のPMOSトランジスタ(P2)は、第1の内部クロック(RCLK1)がハイレバルになった後にターンオンされる。したがって、第1の内部クロック(RCLK1)がハイレバルになってから、所定時間が経過した後、第1のノード(Node1)の電圧がプールアップされてハイレバルになる。ラッチ部33は、ハイレバルのDLLクロック(Edge_CLK)を出力する。
すなわち、プルアップ部31及びプルダウン部32は、各々第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)の立ち上りエッジに同期されて動作を行う。
【0039】
換言すれば、エッジトリガー部30は、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上りエッジにトリガー(又は同期)されて動作するので、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)のパルス幅やデューティには影響を受けない。よって、DLLクロック(Edge_CLK)は、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上り時点によりデューティ比が補正され得る。
【0040】
前述したように、第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)は、第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)の立ち上りエッジに同期されて生成される。このような第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)は、互いに180゜の位相差を維持する。よって、第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)のデューティ比が歪曲されても、これらの信号の基になる第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)の立ち上りエッジ間の位相差は一定な周期で維持される。これにより、DLLクロック(Edge_CLK)を第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)の立ち上りエッジを用いて生成すれば、DLLクロック(Edge_CLK)は、第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)のデューティ比を有することになる。
【0041】
エッジトリガー部30は、これに制限されず、ミキサーによっても具現可能である。
【0042】
本発明は、クロックバッファ20により第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)のデューティの歪曲が激しくなることで、デューティ補正部10によりデューティが補正されない場合にも、エッジトリガー部30により第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)のデューティ比を有するDLLクロック(Edge_CLK)を出力できる。
【0043】
図4に示すように、DLLクロックドライバー40は、第1のクロックドライバー41及び第2のクロックドライバー42からなる。
【0044】
第1のクロックドライバー41は、DLLクロック(Edge_CLK)及びパワーダウンモード信号(PWDNB)の入力により、第1のDLLクロック(CLKIN)を生成する。第1のクロックドライバー41は、第7〜第11のインバータ(IV7〜IV11)及び第2のナンドゲート(ND2)を含む。
【0045】
第1のクロックドライバー41は、パワーダウンモード信号(PWDNB)が活性化すれば、非活性化した第1のDLLクロック(CLKIN)を提供し、パワーダウンモード信号(PWDNB)が非活性化すれば、DLLクロック(Edge_CLK)のクロック周期(デューティ比が補正された)と同一の第1のDLLクロック(CLKIN)を提供する。
【0046】
より具体的に、パワーダウンモード信号(PWDNB)がハイレバルであれば、第2のナンドゲート(ND2)の出力はハイレバルであり、第1のDLLクロック(CLKIN)はローレベルである。パワーダウンモード信号(PWDNB)がローレベルであれば、第2のナンドゲート(ND2)の出力は、第8のインバータ(IV8)の出力を反転させた信号である。よって、第1のDLLクロック(CLKIN)は、DLLクロック(Edge_CLK)と同一のデューティ比及び電圧レベルを有する。
【0047】
第2のクロックドライバー42は、DLLクロック(Edge_CLK)、パワーダウンモード信号(PWDNB)及びリセット信号(RESET)の入力により、第2のDLLクロック(REFCLK)及び第3のDLLクロック(CONTCLK)を生成する。第2のクロックドライバー42は、第12〜第18のインバータ(IV12〜IV18)及び第3ナンドゲート(ND3)を含む。
【0048】
第2のクロックドライバー42は、パワーダウンモード信号又はリセット信号が活性化すれば、非活性化した第2及び第3のDLLクロック(REFCLK、CONTCLK)を提供し、パワーダウンモード信号及びリセット信号が非活性化すれば、DLLクロック(Edge_CLK)のデューティ比が反映されたクロック周期と同一の第2及び第3のDLLクロック(REFCLK、CONTCLK)を提供する。
【0049】
パワーダウンモード信号(PWDNB)がハイレバルであれば、第2のクロックドライバー42の動作は、第1のクロックドライバー41の動作と同様なので、第2及び第3のDLLクロック(REFCLK、CONTCLK)は、第1のDLLクロック(CLKIN)のようにローレベルである。また、リセット信号(RESET)がハイレバルであれば、第2及び第3のDLLクロック(REFCLK、CONTCLK)はローレベルである。パワーダウンモード信号(PWDNB)及びリセット信号(RESET)がローレベルである場合、第2及び第3のDLLクロック(REFCLK、CONTCLK)は、DLLクロック(Edge_CLK)と同一のデューティ比及び電圧レベルを有する。
【0050】
ここでは、説明の便宜上、3つの内部DLLクロック、これに従う2つのクロックドライバーとして例示したが、このような内部DLLクロック及びそれを駆動するクロックドライバーの数や種類も制限されるものではない。図5は、従来技術によるDLLクロック生成回路のDLLクロック(CLKIN)を示す波形図である。
【0051】
図5に示すように、第1の内部クロック(RCLK1)は、クロックバッファの出力である。クロックバッファの異常により、第1の内部クロック(RCLK1)のデューティがデューティ補正回路のデューティ補正範囲の限界値を超える。よって、デューティ補正回路によりデューティが補正されず、DLLクロック(CLKIN)が第1の内部クロック(RCLK1)のようにデューティが補正されないまま、第1の内部クロック(RCLK1)のクロック周期がそのまま反映されたDLLクロック(CLKIN)として出力されることを示す。
【0052】
図6は、本発明によるDLLクロック生成回路のDLLクロックを示す波形図である。
図2〜図4及び図6に示すように、クロックバッファ20により提供された第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)のデューティ比が約20:80である。しかしながら、本発明の一実施形態によるエッジトリガー部30により、DLLクロック(Edge_CLK)はデューティ比が50%である信号として提供されることが分かる。すなわち、DLLクロック(Edge_CLK)は、第1及び第2の内部クロック(RCLK1、FCLK1)のそれぞれの立ち上りエッジを用いて生成されるので、第1及び第2のクロック(CLK、CLKB)のデューティ比がそのまま反映されたクロック信号として提供される。また、DLLクロックドライバー40により、DLLクロック(Edge_CLK)のデューティ比が反映された第1のDLLクロック(CLKIN)も、ハイレバル区間が1nsであり、ローレベル区間が1nsであって、デューティが50%である信号になることが分かる。図6において、第1の内部クロック(RCLK1)の立ち上り時点により、DLLクロック(Edge_CLK)の立ち上り時点が決定され、第2の内部クロック(FCLK1)の立ち上り時点により、DLLクロック(Edge_CLK)のポーリング時点が決定される。
【0053】
図7は、従来のDLLクロックと本発明によるDLLクロックとを比較するように、図5及び図6の波形図を共に示すシミュレーション結果である。
【0054】
第1のクロック(CLK)及び第2のクロック(CLKB)は、デューティが50%である信号として入力される。一番目のデータ(RevAA_VIX=1.1)は、従来技術による第1の内部クロック(RCLK)、第2の内部クロック(FCLK)及びDLLクロック(CLKINR)を示し、第1の内部クロック(RCLK)のデューティが約20:80の場合、デューティが補正されず、DLLクロック(CLKINR)のデューティが20:80として出力されることを示す。
【0055】
二番目のデータ(RevCB_VIX=1.1)は、本発明によるDLLクロック生成回路の第1の内部クロック(RCLK)、第2の内部クロック(FCLK)、エッジトリガー部30の出力(Edge_CLK)及びDLLクロックドライバー40の出力(CLKINR)を示す。第1の内部クロック(RCLK)及び第2の内部クロックの(FCLK)のデューティが20:80であるが、エッジトリガー部30の出力はデューティが50:50の信号になり、DLLクロックドライバー40の出力(CLKINR)もデューティが50:50の信号になる。
【0056】
また、本発明におけるエッジトリガー部30は、第1の内部クロック(RCLK1)及び第2の内部クロック(FCLK1)のポーリング時点(エッジ)を用いて、DLLクロック(Edge_CLK)を生成する回路として具現できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来技術によるDLLクロック生成回路のブロック図である。
【図2】本発明によるDLLクロック生成回路のブロック図である。
【図3】図2のエッジトリガー部を示す詳細回路図である。
【図4】図2のDLLクロックドライバーを示す回路図である。
【図5】従来技術によるDLLクロックを示す波形図である。
【図6】本発明によるDLLクロックを示す波形図である。
【図7】従来のDLLクロックと本発明によるDLLクロックとを比較するように、図5及び図6の波形図を共に示すシミュレーション結果である。
【符号の説明】
【0058】
1、10…デューティ補正部
2、20…クロックバッファ
3、40…DLLクロックドライバー
30…エッジトリガー部
31…プルアップ部
32…プルダウン部
33…ラッチ部
34…第1の遅延部
35…第2の遅延部
41…第1のクロックドライバー
42…第2のクロックドライバー
50…デューティ補正バッファ
100…DLLクロック生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクロック及び第2のクロックの入力により、第1の内部クロック及び第2の内部クロックを生成し、前記第1の内部クロックのデューティ比により生成された基準信号に基づき、前記第1の内部クロック及び前記第2の内部クロックのデューティを補正するデューティ補正バッファと、
前記デューティ補正バッファに連結しており、前記第1の内部クロックのイネーブル動作により第1のレベルに遷移され、前記第2の内部クロックのイネーブル動作により第2のレベルに遷移される、DLLクロックを生成するエッジトリガー部と
を含むことを特徴とするDLLクロック生成回路。
【請求項2】
前記デューティ補正バッファは、
デューティ補正イネーブル信号により駆動され、前記第1の内部クロックの入力により、前記基準信号として第1の基準信号及び第2の基準信号を出力するデューティ補正部と、
前記デューティ補正部に連結しており、前記第1のクロック及び前記第2のクロックの入力によりバッファリングして、前記第1の基準信号及び前記第2の基準信号により補正されたデューティを有する前記第1の内部クロック及び第2の内部クロックを生成するクロックバッファと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項3】
前記エッジトリガー部は、前記第1の内部クロックの立ち上り時点及び前記第2の内部クロックの立ち上り時点間の位相差により、前記DLLクロックのデューティを調節することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項4】
前記エッジトリガー部は、前記第1の内部クロックのポーリング時点及び前記第2の内部クロックのポーリング時点間の位相差により、前記DLLクロックのデューティを調節することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項5】
前記エッジトリガー部は、前記第1の内部クロックが活性化レベルに遷移されてから、所定遅延時間の後に前記第1のレベルになり、前記第2の内部クロックが活性化レベルに遷移されてから、前記所定遅延時間の後に前記第2のレベルになる前記DLLクロックを出力することを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項6】
前記エッジトリガー部は、
前記第1の内部クロックにより、第1のノードの信号をプルアップするプルアップ部と、
前記第2の内部クロックにより、前記第1のノードの信号をプルダウンするプルダウン部と、
前記第1のノードの信号をラッチして前記DLLクロックを生成するラッチ部と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項7】
前記プルアップ部は、前記第1の内部クロックが活性化レベルに遷移され、前記所定時間の後に前記第1のノードの電位を前記第1のレベルにプルアップすることを特徴とする請求項6に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項8】
前記プルダウン部は、前記第2の内部クロックが活性化レベルに遷移され、前記所定時間の後に前記第1のノードの電位を前記第2のレベルにプルダウンすることを特徴とする請求項7に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項9】
前記ラッチ部は、パワーダウンモード信号のイネーブル動作により、前記DLLクロックを非活性化し、前記パワーダウンモード信号のディセーブル動作により、前記第1のノードの電位を維持することを特徴とする請求項6に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項10】
前記クロックバッファは、
前記第1の基準信号及び前記第2の基準信号により、前記第1のクロック及び前記第2のクロックが入力されて、前記第1の内部クロックのデューティを補正して出力する第1のクロックバッファと、
前記第1の基準信号及び前記第2の基準信号により、前記第1のクロック及び前記第2のクロックが入力されて、前記第2の内部クロックのデューティを補正して出力する第2のクロックバッファを含むことを特徴とする請求項2に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項11】
前記クロックバッファは、前記第1のクロック及び前記第2のクロック間の位相差と同一の位相差を有する前記第1の内部クロック及び前記第2の内部クロックを出力することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項12】
前記エッジトリガー部に連結しており、前記DLLクロックの入力によりドライビングして、クロック信号を生成するDLLクロックドライバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項13】
前記エッジトリガー部は、ミキサーであることを特徴とする請求項1に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項14】
エッジトリガー部を用いるDLLクロック生成回路において、
前記エッジトリガー部は、
第1のノードと、
第1の内部クロックにより、第1のノードの信号をプルアップするプルアップ部と、
第2の内部クロックにより、前記第1のノードの信号をプルダウンするプルダウン部と、
前記プルアップ部及びプルダウン部に連結しており、前記第1のノードの信号をラッチして、前記プルアップ及びプルダウン動作によりデューティサイクルを補正するDLLクロックを出力するラッチ部と
を含むことを特徴とするDLLクロック生成回路。
【請求項15】
前記プルアップ部及びプルダウン部は、前記第1の内部クロックがハイレバルに遷移された所定時間の後から、前記第2の内部クロックがハイレバルに遷移された所定時間まで、第1のレベルの位相に維持させることにより、前記DLLクロックのデューティ比を調節することを特徴とする請求項14に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項16】
前記プルアップ部及びプルダウン部は、前記第1の内部クロックがローレベルに遷移された所定時間の後から、前記第2の内部クロックがローレベルに遷移された所定時間まで、第1のレベルの位相に維持させることにより、前記DLLクロックのデューティ比を調節することを特徴とする請求項14に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項17】
前記プルアップ部は、
前記第1の内部クロック信号の遷移を所定時間遅延する第1の遅延部と、
前記第1の遅延部に連結しており、前記第1の内部クロックがハイレバルに遷移されてから、所定遅延時間の後に前記第1のノードをハイレバルにプルアップするプルアップ装置と、
前記第1のノードのハイレバルになる前記DLLクロックを出力するラッチ部と
を含むことを特徴とする請求項14に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項18】
前記プルダウン部は、
前記第2の内部クロック信号の遷移を所定時間遅延する第2の遅延部と、
前記第2の遅延部に連結しており、前記第2の内部クロックがハイレバルに遷移されてから、所定遅延時間の後に前記第1のノードをローレベルにプルダウンするプルダウン装置と、
前記第1のノードのローレバルになる前記DLLクロックを出力するラッチ部と
を含むことを特徴とする請求項14に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項19】
前記プルアップ部は、
前記第1の内部クロック信号の遷移を所定時間遅延する第1の遅延部と、
前記第1の遅延部に連結しており、前記第1の内部クロックがローレバルに遷移されてから、所定遅延時間の間、前記第1のノードをハイレバルに維持するプルアップ装置と、
前記第1のノードのハイレバルになる前記DLLクロックを出力するラッチ部と
を含むことを特徴とする請求項14に記載のDLLクロック生成回路。
【請求項20】
前記プルダウン部は、
前記第2の内部クロック信号の遷移を所定時間遅延する第2の遅延部と、
前記第2の遅延部に連結しており、前記第2の内部クロックがローレバルに遷移されてから、所定遅延時間の間、前記第1のノードをローレベルに維持するプルダウン装置と、
前記第1のノードのローレバルになる前記DLLクロックを出力するラッチ部と
を含むことを特徴とする請求項14に記載のDLLクロック生成回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−147926(P2009−147926A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301839(P2008−301839)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】