説明

歯周疾患の診断、治療、およびモニタリングのためのアクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス抗原の同定

アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病の検出、予防、改善、および治療のための、抗体、ポリペプチド、およびポリヌクレオチドが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の権利
本発明は国立保健研究所(National Institutes of Health)(国立歯/頭蓋顔面研究所(National Institute for Dental and Craniofacial Research、NIDCR))による助成金番号RO1 DE 13523下での政府の援助によるものである。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
技術分野
本発明はアクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)に起因する疾病の診断、治療、予防、および改善のための方法および組成物を提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Aa)は、早期発症型歯周炎(例えば、局所性および汎発性歯周炎、局所性および汎発性若年性歯周炎、および急速進行性または抗療性成人歯周炎等)の主要な原因微生物である。現在、これらの疾病の診断は、通常、疾病の発症後長時間を経て、支持する骨格および組織のかなりの損傷が起こってから、X線分析によってなされる。歯の喪失は破壊性歯周疾患の最も有害な影響である。米国の国民調査により、局所性若年性歯周炎の罹患率は0.53%、汎発性若年性歯周炎では0.13%であることが明かとなった(LoeおよびBrown、J. Periodontol. 62:608−616(1991))。多くの研究からの知見により、早期発症型疾患は他の先進国でも同様であり、発展途上国ではより頻度が高いという結論が裏付けてられている(LoeおよびBrown、J. Periodontol. 62:608−616(1991))。従って、早期発症型歯周炎、局所性および汎発性若年性歯周炎、および急速進行性または抗療性成人歯周炎の早期診断法が当該分野で必要とされている。更に、一般に成人集団の半数以上が罹患している非常に一般的な症状である、ある種の成人歯周炎は、Aaによって起こると考えられる。また、Aaは口腔外疾患、例えば心内膜炎、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎(vertebral osteomyelitis)を引き起こしうる。
【0004】
Aa誘導型歯周炎の治療には、抗生物質療法、外科療法、および機械的治療法があるが、予防の方法はない。テトラサイクリンは早期発症型歯周炎の治療に広範に使用されてきた。しかしながら、テトラサイクリンへの耐性を獲得する株の懸念、並びに他の病原微生物の過剰増殖の可能性が残っている。これらの疾病の発生があるとすれば、Aaの安全なワクチンが必要とされる。ワクチンは例えば多価ワクチンであってもよい。歯周疾患の制御は、最近注目されている全身性疾患(例えば虚血性心疾患)のリスク因子としての歯周感染症の役割の可能性の点からも非常に重要である。
【0005】
ほとんどの人はその歯垢の正常なメンバーとしてAaを有するが、これは通常、疾病の原因とならない。しかしながら、Aaが疾病の原因となる時、宿主は著しい免疫応答を開始し、これは当然無駄に終わるが、それはおそらく免疫応答が誤ったAa抗原に向けられるためである。最も好適な歯周疾患治療を提供するためには、正確な診断を行い、最適な治療を実施し、そして治療に対する患者の反応をモニタリングすることが必要である。
【0006】
現在、Aaの標準的な微生物学的試験は、歯垢中のAaの存在のみを検出するものであり、疾病の活性を特異的に同定するものではない。この理由から、これらの試験は、予測的な価値が低い。Aaは健康な個体の歯垢中にも一般的に見られるので、これらの試験の適用の有用性は、一定の疾病の臨床的兆候を示す人、例えば25才未満の進行性付着器官(attachment)喪失および骨喪失患者、約25−35才の相対的に短時間で付着器官および骨が急速破壊される(急速進行性歯周炎)患者、および厳密な治療にも関わらず付着器官を喪失し続ける(抗療性歯周炎)患者に限定される。
【0007】
歯垢中のAaの存在を同定するためにDNAプローブ技術が開発されているが、この技術は歯垢群集の正常な一部分であるAaと実際の疾病過程に関与するAaを識別することができない。従って、これらのDNAプローブは疾病過程に関与するAaを同定しない。
【0008】
従って、Aaに起因する疾病の診断、モニタリング、治療、予防、または改善の方法が当該分野で必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明の目的は、Aaに起因する疾病の治療、改善、および予防のための方法および組成物を提供することである。本発明のこの目的および他の目的は、下記の態様の1またはそれ以上によって提供される。
【0010】
本発明の1つの態様は、以下からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも5個の連続するアミノ酸を含有する精製免疫原性ポリペプチドを提供する:配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号,136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、および配列番号234(“ポリペプチド配列番号”)。これらのポリペプチド配列のそれぞれを集合的に“ポリペプチド配列番号”と呼び、合わせて一群として表すが、これらの配列のそれぞれは、個別に考慮し特許請求することができる。
【0011】
本発明の別の態様は、“ポリペプチド配列番号”からなる群から選択されるアミノ酸配列を含有する精製ポリペプチドを提供する。
【0012】
本発明の更に別の態様は、“ポリペプチド配列番号”をコードする配列を含有する精製ポリヌクレオチドを提供する。
【0013】
本発明の更に別の態様は、以下からなる群から選択される配列の少なくとも約15個の連続する核酸を含有する精製ポリヌクレオチドを提供する:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号106、配列番号108、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229,配列番号231、および配列番号233(“ポリヌクレオチド配列番号”)。これらのポリヌクレオチド配列のそれぞれを集合的に“ポリヌクレオチド配列番号”と呼び、合わせて一群として表すが、これらの配列はそれぞれ個別に考慮し特許請求することができる。
【0014】
本発明の別の態様は、“ポリヌクレオチド配列番号”のヌクレオチド配列またはそれらの縮重変異体を含有する精製ポリヌクレオチドを提供する。
【0015】
本発明の別の態様は、発現制御配列に動作可能なように連結された“ポリヌクレオチド配列番号”を含有する発現ベクターを提供する。ベクターは培養細胞中に存在してもよい。
【0016】
本発明の更に別の態様は、“ポリペプチド配列番号”のポリペプチドに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントを提供する。抗体フラグメントは、例えばFabまたはF(ab')2フラグメントであってもよい。抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってもよい。抗体は医薬的に許容されるキャリアーと共に医薬組成物中に存在してもよい。
【0017】
本発明の更に別の態様は、A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病の治療、改善、または予防の方法を提供する。方法は本発明の抗体またはそのフラグメントを動物に投与することを含む。それによって、A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病を治療、改善、または予防する。A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病は以下からなる群から選択することができる:局所性思春期前歯周炎、汎発性思春期前歯周炎、局所性若年性歯周炎、汎発性若年性歯周炎、急速進行性成人歯周炎、抗療性成人歯周炎、心内膜炎(endiocarditis)、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎。
【0018】
本発明の更に別の態様は、試験サンプル中のA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原の存在を検出する方法を提供する。方法は、試験サンプルとA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原に特異的に結合する本発明の抗体を、抗体とA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原との間の免疫複合体の生成が可能な条件下で接触させ、そして免疫複合体を検出することを含む。免疫複合体の検出は、試験サンプル中のA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原の存在を示す。検出されるA.アクチノミセテムコミタンス抗原は、動物の感染の際にインビボで発現される抗原であってもよい。
【0019】
本発明の別の態様は、本発明のポリペプチドを医薬的に許容されるキャリアーと共に含有する医薬組成物を提供する。
【0020】
本発明の更に別の態様は、免疫応答を誘発する方法を提供する。方法は本発明のポリペプチドを動物に投与して免疫応答を誘発することを含む。
【0021】
本発明の更に別の態様は、A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病または感染の治療、予防、または改善の方法を提供する。方法は本発明のポリペプチドを動物に投与して疾病または感染を治療、予防、または改善することを含む。
【0022】
本発明の更に別の態様は、本発明のポリヌクレオチドおよび医薬的に許容されるキャリアーを含有する組成物を提供する。ポリヌクレオチドはDNAであってもよい。ポリヌクレオチドはプラスミド中に存在してもよい。
【0023】
本発明の別の方法は、免疫応答を誘発する方法を提供し、方法は本発明の精製ポリヌクレオチドを動物に投与して免疫応答を誘発することを含む。本発明の更に別の態様は、A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病または感染の治療、予防、または改善の方法を提供する。方法は本発明の精製ポリヌクレオチドを動物に投与して疾病または感染を治療、予防、または改善することを含む。
【0024】
本発明の更に別の態様は、第1のA.アクチノミセテムコミタンス・ポリヌクレオチドの存在を同定する方法を提供する。この方法は、ハイブリダイゼーション条件下で第1のA.アクチノミセテムコミタンス・ポリヌクレオチドを含有する疑いのある試験サンプルを第2のポリヌクレオチドと接触させることを含み、ここで第2のポリヌクレオチドは本発明のポリヌクレオチドである。ハイブリダイズした第1および第2のポリヌクレオチドの複合体を検出する。ハイブリダイズした第1および第2ポリヌクレオチド複合体の存在は、試験サンプル中の第1のポリヌクレオチドの存在を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
発明の詳細な説明
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの同定法
微生物が疾病を誘発する能力にとって重要なヌクレオチド配列を同定する方法を、早期発症型歯周炎(例えば、局所性思春期前歯周炎、汎発性思春期前歯周炎、局所性若年性歯周炎、汎発性若年性歯周炎、急速進行性成人歯周炎、および抗療性成人歯周炎等)の主要な原因微生物であるAaに適用する。Aaはまた、心内膜炎、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎も引き起こしうる。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列を同定するのに使用される方法は、インビボ誘導型抗原法(in vivo induced antigen technology;IVIAT)と呼ばれる(Handfieldら、Trends Microbiol. 336:336−339 (2000);国際特許公開WO 01/11081参照)。
【0026】
簡単には、IVIATは、インビボおよびインビトロでAaによって発現されるAa抗原に対する抗体のサンプルを得、インビトロで増殖させたAaの細胞または細胞抽出物に抗体を吸収させることを含む。使用できる抗体のサンプルの例は、Aaに感染したことのある、または感染している患者由来の血清である。未吸収の抗体を単離し、これを使用してAa DNAの発現ライブラリーを探索する。反応性クローンを単離し、クローニングしたフラグメントの配列を確認する。
【0027】
IVIATを使用して、Aaが動物(特にヒト)において実際に疾病を引き起こすことに携わる場合にのみ発現されるAaのポリヌクレオチドを同定した。通常、感染の際にAaによる毒性遺伝子の刺激を引き起こす重要な環境シグナルは、細菌を実験室で増殖させた場合は見られない。従って、診断およびワクチン戦略のための最も優れた標的の多くは未知であった。IVIAT方法論を使用して、ヒト宿主におけるAaの増殖の際には特異的に刺激されるが、日常的な実験室での増殖の際には刺激されないポリヌクレオチドを同定した。これらのポリヌクレオチド、および対応するポリペプチドおよび抗体は、例えば感染の初期段階にある被験体の同定および治療への反応のモニタリングのためのAaの診断試験の開発、および疑いのある動物におけるAaに起因する疾病を予防または治療するためのワクチンまたは治療の開発に有用である。
【0028】
IVIATによって同定される抗原は、Aaに起因する疾病(例えば歯周疾患)に関して、予測的な価値が非常に高い。Aaの診断試験は、母親が歯周炎の病歴を有する小児をスクリーニングして、小児がその疾病に罹患しやすい傾向を有するかどうかを確認するような適用に有用でありうる。思春期前の歯周炎に関係することが知られている疾病には以下がある:パピヨン・ルフェーブル症候群(PLS)、低ホスファターゼ血症、好中球減少症、白血球付着欠損症(leukocyte adhesion deficiency;LAD)、チェディアック・ヒガシ症候群、ダウン症候群、白血病、ヒスチオサイトーシスX、早期発症型I型糖尿病、および先端疼痛症。これらの疾病を有する小児はAa試験の候補者である。更に、歯周炎の傾向がより低い他の思春期前小児にもAa診断試験は有益であり、これは、他の予測方法、または既知のリスク因子がないためである。
【0029】
ポリペプチド
本発明の精製ポリペプチドは、完全長のポリペプチドまたはポリペプチドのフラグメントのいずれであってもよい。例えば本発明のポリペプチドのフラグメントは、本発明のポリペプチドの約5、10、25、50、100、または200アミノ酸を含有してもよい。本発明のポリペプチドの例には以下に示すものがある:配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、および配列番号234。これらのポリペプチドを“ポリペプチド配列番号”と呼ぶ。ポリペプチド配列番号に示すポリペプチド配列と少なくとも約75、または約90、96、98、もしくは99%の同一性を示す相同アミノ酸配列もAaポリペプチドである。相同なアミノ酸配列は生体活性を保持し、すなわち生体機能的に同等である。
【0030】
配列同一性のパーセンテージは当該分野で認識される意味を持ち、2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の同一性を測定するための多くの方法がある。例えば以下を参照されたい:Lesk編, Computational Molecular Biology, Oxford University Press, New York, (1988);Smith編, Biocomputing: Informatics And Genome Projects, Academic Press, New York, (1993);GriffinおよびGriffin編, Computer Analysis Of Sequence Data, Part I, Humana Press, New Jersey, (1994);von Heinje, Sequence Analysis In Molecular Biology, Academic Press, (1987);そして、GribskovおよびDevereux編, Sequence Analysis Primer, M Stockton Press, New York, (1991)。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドをアラインメントする方法は以下のようなコンピュータープログラムにコーディングされている:GCGプログラムパッケージ(Devereuxら, Nuc. Acids Res. 12:387 (1984))、BLASTP、BLASTN、FASTA(Atschul ら, J. Molec. Biol. 215:403 (1990))、およびBestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)(これはSmithおよびWatermanの局所相同性アルゴリズムを使用する(Adv. App. Math., 2:482−489 (1981)))。例えば、FASTAアルゴリズムを使用するコンピュータープログラムALIGNを、ギャップオープンペナルティー−12、ギャップ伸長ペナルティー−2のアフィンギャップサーチと共に使用できる。
【0031】
配列アラインメントプログラムを使用して、特定の配列が例えば参照配列と約95%の同一性を有するかどうかを確認する場合、同一性のパーセンテージが参照ポリヌクレオチドの完全長にわたって計算されるように、そして同一性のギャップが参照ポリヌクレオチド中のヌクレオチド総数の5%までとなるように、パラメーターを設定する。
【0032】
ポリペプチド配列番号に示すポリペプチド変異体およびそのフラグメントも本発明に含まれる。変異体は、保存的置換および/または修飾においてのみ、ポリペプチド配列番号またはそのフラグメントと異なるポリペプチドであり、そのためポリペプチドの抗原性は元のポリペプチドと実質的に同じである。一般に変異体の同定は、本発明のポリペプチド配列の1つを修飾し、修飾されたポリペプチドの抗原性を、例えば免疫組織化学的アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、またはウェスタンブロットアッセイを使用して評価することによって行うことができる。本発明のポリペプチドは少なくとも1、5、10、25、50、または100個の保存的アミノ酸置換を含むことができる。
【0033】
保存的置換は、アミノ酸が同様の特性を有する別のアミノ酸で置換され、そのためペプチド化学分野の当業者によってポリペプチドの2次構造およびハイドロパシー特性が実質的に変化しないことが予期されるものである。一般に、以下のアミノ酸群は保存的変化を示す:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his;および(5)phe、tyr、trp、his。
【0034】
変異体は更に(または代わりに)、例えばポリペプチドの抗原性、2次構造、およびハイドロパシー特性に最小限の影響しか与えないアミノ酸の欠失または添加によって修飾することもできる。例えばポリペプチドをタンパク質のN−末端でシグナル(またはリーダー)配列にコンジュゲートさせることができ、これは翻訳時に、または翻訳後にタンパク質を移動させる。また、ポリペプチドを、ポリペプチドの合成、精製、もしくは同定を容易にするため(例えばポリHis)、または固体支持体へのポリペプチドの結合を向上するために、リンカーまたは他の配列にコンジュゲートさせることもできる。例えばポリペプチドを免疫グロブリンのFc領域にコンジュゲートさせることができる。
【0035】
本発明のポリペプチドはポリペプチド配列番号に示すポリペプチドの少なくとも約5、10、25、50、100、または200アミノ酸の生体機能的同等物を更に含んでもよい。ポリペプチドがアッセイ(例えば免疫組織化学的アッセイ、ELISA、RIA、またはウェスタンブロットアッセイ)において本発明のポリペプチドと実質的に同じように反応し、例えば元のポリペプチドの90−110%の活性を有する場合、これは生物学的同等物である。ある態様では、アッセイは競合アッセイであり、ここでは、生物学的に同等であるポリペプチドは、本発明のポリペプチドの対応する反応性抗原または抗体への結合を約80、95、99、または100%低下させる能力を有する。
【0036】
本発明のポリペプチドは、Aaに対して反応性を有する抗体によって認識される抗原を含むことができる。抗原は1またはそれ以上のエピトープ(または抗原決定基)を含むことができる。エピトープは直鎖エピトープ、連続エピトープ(sequential epitope)、またはコンフォメーションエピトープであってもよい。本発明のポリペプチド内のエピトープはいくつかの方法によって同定できる。例えば米国特許第4,554,101号;JamesonおよびWolf, CABIOS 4:181−186 (1988)参照。例えば、本発明のポリペプチドを単離およびスクリーニングすることができる。合わせると全ポリペプチド配列を網羅するような一連の短鎖ペプチドを、タンパク分解による開裂によって調製することができる。例えば100量体ポリペプチドフラグメントから出発して、ELISAで認識されるエピトープの存在について各フラグメントを試験できる。例えばELISAアッセイで、Aaポリペプチド(例えば100量体ポリペプチドフラグメント)を固体支持体(例えばプラスチック製のマルチウェルプレートのウェル)に結合させる。抗体集団を標識し、固体支持体に添加し、非特異的吸収が阻害されるような条件下で未標識の抗原に結合させ、未結合の抗体および他のタンパク質を洗浄除去する。抗体結合を、例えば無色の基質を着色された反応生成物に変換する反応によって検出する。次いで、同定された100量体から次第に小さくした重複するフラグメントを試験し、興味のエピトープのマッピングを行う。
【0037】
本発明のポリペプチドは組換え技術によって生成することができる。本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを組換え発現ベクターに導入することができ、これを当業界で周知の技術を使用して好適な発現宿主細胞系で発現させることができる。種々の細菌、酵母、植物、哺乳動物、および昆虫発現系が当業界で利用されており、それらの発現系のいずれを使用してもよい。必要により、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、細胞を使用しない翻訳系において翻訳することができる。また、ポリペプチドは化学的に合成することもできる。
【0038】
必要により、ポリペプチドを融合タンパク質として生成することができ、これは他のアミノ酸配列(例えばアミノ酸リンカーまたはシグナル配列)、並びにタンパク質の精製に有用なリガンド(例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヒスチジンタグ、およびブドウ球菌プロテインA(staphylococcal protein A))を含むこともできる。融合タンパク質中には2個以上の本発明のポリペプチドが存在してもよい。
【0039】
ポリヌクレオチド
本発明のポリヌクレオチドは、微生物ゲノム全体より少ないものを含有し、1本鎖または2本鎖のDNAまたはRNAであってもよい。ポリヌクレオチドは他の成分(例えばタンパク質および脂質)が含有されないように精製することができる。本発明のポリヌクレオチドは上記のポリペプチドをコードする。本発明のポリヌクレオチドは他のヌクレオチド配列、例えばリンカーをコードする配列、シグナル配列、異種シグナル配列、TMR転写停止配列、膜貫通ドメイン、またはタンパク質精製に有用なリガンド、例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヒスチジンタグ、およびブドウ球菌プロテインAを含むこともできる。
【0040】
本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号106、配列番号108、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、および配列番号233で示される。これらのポリヌクレオチドを“ポリヌクレオチド配列番号”と呼ぶ。
【0041】
本発明のポリペプチドをコードする縮重ヌクレオチド配列、並びにポリヌクレオチド配列番号 に示すヌクレオチド配列と少なくとも約75%、または約90、96、98、もしくは99%の同一性を有する相同ヌクレオチド配列およびそれらの相補体も本発明のポリヌクレオチドである。配列同一性のパーセンテージを“ポリペプチド”の項に記載するように算出できる。縮重ヌクレオチド配列は、ポリペプチド配列番号に示すポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチドであるが、遺伝子コードの縮重により、ポリヌクレオチド配列番号に示される配列と核酸配列が異なる。相補DNA(cDNA)分子、種間相同体、および生体機能的AaポリペプチドをコードするAaポリヌクレオチドの変異体もAaポリヌクレオチドである。本発明のポリヌクレオチドはポリヌクレオチド配列番号に示す核酸配列の約5、10、15、50、100、または200ヌクレオチドを含有することができる。
【0042】
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、感染した個体由来の生体サンプル、例えば歯垢、唾液、歯肉滲出液、痰、血液、血清、血漿、尿、便、脳脊髄液、羊水、創傷滲出液、または組織中に存在する核酸配列から単離できる。ポリヌクレオチドは、例えば自動合成装置を使用して、実験室で合成することもできる。PCRのような増幅法を使用して、ポリペプチドをコードするゲノムDNAまたはcDNAのいずれかからポリヌクレオチドを増幅することができる。
【0043】
本発明のポリヌクレオチドは天然に存在するポリペプチドのコーディング配列を含んでいてもよく、または天然には存在しない変更された配列をコードしてもよい。必要により、発現制御要素を含む発現ベクター中にポリヌクレオチドをクローニングすることができ、それらの要素には、例えば複製開始点、プロモーター、エンハンサー、または宿主細胞において本発明のポリヌクレオチドの発現を誘導する他の要素がある。発現ベクターは、例えばプラスミド(例えばpBR322、pUC、またはColE1)またはアデノウィルスベクター(例えばアデノウィルスII型ベクターまたはV型ベクター)であってもよい。必要により他のベクターを使用することができ、それらには、限定される訳ではないが、シンドビスウィルス、シミアンウィルス40、アルファウィルスベクター、ポックスウィルスベクター、およびサイトメガロウィルスおよびレトロウィルスベクター、例えばマウス肉腫ウィルス、マウス乳腺癌ウィルス、マウスモロニー白血病ウィルス、およびラウス肉腫ウィルス等が含まれる。ミニクロモソーム、例えばMCおよびMC1、バクテリオファージ、ファージミド、人工酵母染色体、人工細菌染色体、ウィルス粒子、ウィルス様粒子、コスミド(λファージのcos部位を挿入したプラスミド)、およびレプリコン(細胞中でそれら独自の制御下で複製する能力を有する遺伝要素)を使用することもできる。
【0044】
発現制御配列に動作可能なように連結されたポリヌクレオチドの調製および宿主細胞でのそれらの発現の方法は当該分野で周知である。例えば米国特許第4,366,246号を参照されたい。本発明のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳を指示する1またはそれ以上の発現制御要素に隣接して配置されている場合、動作可能なように連結されている。
【0045】
本発明のポリヌクレオチドを含有するベクターを、例えば細菌、酵母、昆虫、または哺乳動物細胞に形質転換し、本発明のポリペプチドを細胞培養液中で発現させ、そこから単離することができる。当該分野で可能な方法のいずれかを使用して、宿主細胞にポリヌクレオチドを導入することができる。これらには、限定されるわけではないが、裸の、またはカプセルに封入された核酸でのトランスフェクション、細胞融合、プロトプラスト融合、ウィルス感染、およびエレクトロポレーション等がある。
【0046】
本発明のポリヌクレオチドを、例えばプローブまたはプライマー(例えばPCRプライマー)として使用し、サンプル(例えば生体サンプル)中のAaポリヌクレオチドの存在を検出することができる。それらのプローブおよびプライマーがAaポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする能力により、それらを使用して所定のサンプル中の相補配列の存在を検出することが可能となる。本発明のポリヌクレオチドプローブおよびプライマーを、サンプル(例えば生体サンプル(例えば歯垢、唾液、歯肉滲出液、痰、血液、尿、便、脳脊髄液、羊水、創傷滲出液、または組織))中の相補配列にハイブリダイズさせることができる。サンプル由来のポリヌクレオチドを、例えばゲル電気泳動もしくは他のサイズ分離法に適用するか、またはサイズ分離を行わずに固定化することができる。ポリヌクレオチドプローブまたはプライマーを標識することができる。好適な標識、およびプローブおよびプライマーを標識する方法は当業界で周知であり、それらには、例えば、ニックトランスレーションまたはキナーゼによって導入する放射線標識、ビオチン標識、蛍光標識、化学発光標識、生物発光標識、金属キレート剤標識、および酵素標識がある。サンプル由来のポリヌクレオチドを、好適なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下でプローブまたはプライマーと接触させる。
【0047】
用途によって、種々のハイブリダイゼーション条件を使用して、プローブまたはプライマーの標的配列に対する選択性を種々の程度にすることができる。高度の選択性を必要とする用途では、相対的にストリンジェントな条件(例えば低塩および/または高温条件、例えば約0.02Mから約0.15Mの塩濃度で、約50℃から約70℃の温度)が使用される。より低い選択性が必要とされる適用では、より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を使用できる。例えば約0.14Mから約0.9Mの塩濃度で約20℃から約55℃の温度範囲である。プローブまたはプライマーおよび試験サンプル由来の相補ポリヌクレオチドを含有するハイブリッド複合体の存在は、サンプル中のAaまたはAaポリヌクレオチド配列の存在を示す。
【0048】
抗体
本発明の抗体は、本発明のAaポリペプチドまたはそのフラグメントに特異的かつ安定に結合する抗体分子である。本発明の抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、1本鎖抗体(scFv)、または抗体のフラグメントであってもよい。抗体のフラグメントは無傷の抗体の抗原結合部位または可変領域を含む無傷の抗体の一部であり、この部分は無傷の抗体のFc領域の定常領域重鎖ドメインを含まない。抗体フラグメントの例にはFab、Fab'、Fab'−SH、F(ab')2、およびFvフラグメントがある。
【0049】
本発明の抗体は、例えばIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを含むいずれのクラスの抗体であってもよい。抗体またはそのフラグメントは本発明のポリペプチドのエピトープに結合する。抗体は、好適な実験動物においてインビボで生成するか、または組換えDNA技術を使用してインビトロで生成できる。抗体を調製および特性決定する方法は当該分野で周知である。例えば以下を参照されたい:Methods Mol. Biol. 80:23−37 (1998);Dean, Methods Mol. Biol. 32:361−79 (1994);Baileg, Methods Mol. Biol. 32:381−88 (1994);Gullick, Methods Mol. Biol. 32:389−99 (1994);Drenckhahnら Methods Cell. Biol. 37:7−56 (1993);Morrison, Ann. Rev. Immunol. 10:239−65 (1992);Wrightら Crit. Rev. Immunol. 12:125−68(1992)。例えば、ポリクローナル抗体の生成は、本発明のポリペプチドを動物(例えばヒトもしくは他の霊長類、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヤギ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ロバ、またはウマ)に投与することによって行ってもよい。免疫化した動物からの血清を回収し、例えば硫酸アンモニウムによる沈殿、次いでクロマトグラフィー(例えばアフィニティークロマトグラフィー)によって、抗体を血漿から精製する。ポリクローナル抗体を生成および加工する技術は当該分野で周知である。
【0050】
更に、本発明のポリペプチド上に存在するエピトープに対するモノクローナル抗体も容易に生成できる。例えば本発明のポリペプチドで免疫化した哺乳動物(例えばマウス)由来の正常B細胞を、例えばHAT感受性マウス骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを生成することができる。Aa特異的抗体を生成するハイブリドーマは、RIAまたはELISAを使用して同定し、半流動寒天中でクローニングするか、または限界希釈によって単離することができる。Aa特異的抗体を生成するクローンを、更なるラウンドのスクリーニングによって単離する。モノクローナル抗体の特異性に関するスクリーニングは、標準的な技術、例えば本発明のポリペプチドをマイクロタイタープレートに結合させ、ELISAアッセイによってモノクローナル抗体の結合を測定することによって行うことができる。モノクローナル抗体の生成および加工の技術は当該分野で周知である。例えばKohlerおよびMilstein, Nature, 256:495 (1975)を参照されたい。モノクローナル抗体の特定のアイソタイプの調製は、異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親ハイブリドーマから直接、初めの融合体からの選択によって、または二次的に行うことができ、これは同胞選択法(sib selection technique)を使用してクラススイッチ変異体を単離することによって行う。Steplewskiら., P.N.A.S. U.S.A. 82:8653 1985;Spriaら, J. Immunolog. Meth. 74:307, 1984参照。本発明のモノクローナル抗体は組換えモノクローナル抗体であってもよい。例えば米国特許第4,474,893号;米国特許第4,816,567号参照。本発明の抗体は化学的に構築することもできる。例えば米国特許第4,676,980号参照。
【0051】
本発明の抗体はキメラ(例えば米国特許第5,482,856号参照)、ヒト化(例えばJones ら, Nature 321:522 (1986);Reichmannら, Nature 332:323 (1988);Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593 (1992)参照)、またはヒト抗体であってもよい。ヒト抗体は、例えば直接不死化、ファージディスプレイ、トランスジェニックマウス、またはトリメラ(Trimera)法によって生成することができる。例えばReisenerら、Trends Biotechnol. 16:242−246 (1998)参照。
【0052】
Aa抗原に対する抗体(モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体のいずれも)は、サンプル(例えばAa感染したヒト由来の血清サンプル)中のAaまたはAa抗原の存在を検出するのに特に有用である。AaまたはAa抗原に関する免疫アッセイは1つの抗体、またはいくつかの抗体を利用することができる。AaまたはAa抗原に関する免疫アッセイは、例えば以下を使用することができる:Aaエピトープ(単数)に対するモノクローナル抗体(単数)、1つのAaポリペプチドのエピトープ(複数)に対するモノクローナル抗体(複数)の組み合わせ、異なるAaポリペプチド(複数)のエピトープ(複数)に対するモノクローナル抗体(複数)、同じAa抗原(単数)に対するポリクローナル抗体(複数)、異なるAa抗原(複数)に対するポリクローナル抗体(複数)、またはモノクローナルおよびポリクローナル抗体の組み合わせ。免疫アッセイのプロトコールは、例えば競合、直接反応、またはサンドイッチ型アッセイ(例えば標識した抗体を使用する)に基づくものであってもよい。本発明の抗体は、当該分野で周知の型の標識、例えば蛍光、化学発光、放射能、酵素、コロイド金属、放射性同位元素、および生体発光標識で標識することができる。
【0053】
本発明の抗体またはそのフラグメントを支持体に結合させ、AaまたはAa抗原の存在を検出することができる。支持体には、例えばガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、およびマグネタイトがある。
【0054】
本発明のポリクローナルまたはモノクローナル抗体は、更に免疫アフィニティーカラムによるAa生体またはAa抗原の単離に使用することができる。抗体がその免疫選択活性を保持するように、例えば吸収または共有結合によって固体支持体に抗体を固定化することができる。必要により、スペーサー基を含有させて、抗体の抗原結合部位を利用可能な状態に保持することができる。その後、固定化した抗体を使用してサンプル由来のAa生体またはAa抗原を結合させることができるが、それらのサンプルは例えば唾液、歯垢、歯肉滲出液、痰、血液、尿、便、脳脊髄液、羊水、創傷滲出液、または組織を含む生体サンプルである。結合したAa生体またはAa抗原を、カラムマトリクスから(例えばpH変化によって)回収する。
【0055】
本発明の抗体を免疫局在化の研究に使用し、種々の細胞事象または生理学的状態の際の本発明のポリペプチドの存在および分布を分析することもできる。抗体を使用して、受動免疫に関係する分子の同定および非タンパク質抗原の生合成に関係する分子の同定を行うこともできる。それらの分子の同定はワクチンの開発に有用でありうる。本発明の抗体(例えばモノクローナル抗体および1本鎖抗体を含む)を使用して、Aaに起因する疾病の回復の経過をモニタリングすることができる。動物由来の試験サンプル中のAaタンパク質に対するAa抗体の増加または減少を測定することによって、障害を改善することを目的とする特定の治療計画が有効かどうかを確認することができる。抗体は、例えば直接結合アッセイ(例えばRIA、ELISA、またはウェスタンブロットアッセイ)を使用して検出および/または定量することができる。
【0056】
Aaに感染している疑いのある動物由来の試験サンプルを得ることにより、本発明の抗体をAa感染の診断法に使用することができる。試験サンプルを、抗体−抗原複合体(すなわち免疫複合体)の生成が可能な条件下で、本発明の抗体と接触させる。抗体−抗原複合体の量は、当該分野で周知の方法によって測定できる。コントロールサンプルで生成されたものよりレベルが高ければ、Aa感染を示している。あるいはまた、本発明のポリペプチドを試験サンプルと接触させることができる。陽性生体サンプル中のAa抗体は、好適な条件下で抗原−抗体複合体を生成する。抗体−抗原複合体の量は、当該分野で周知の方法によって測定できる。
【0057】
Aaに起因する疾病の治療、改善、または予防の方法
本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、および抗体を使用して、Aaに起因する疾病(例えば早期発症型歯周炎(例えば局所性および汎発性思春期前歯周炎、局所性および汎発性若年性歯周炎、および急速進行性または抗療性成人歯周炎、心内膜炎、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎を含む)を治療、改善、または予防することができる。
【0058】
例えば本発明のモノクローナル抗体のような抗体またはそのフラグメントを動物(例えばヒト)に投与することができる。本発明のある態様では、抗体またはそのフラグメントを、医薬的に許容されるキャリアーを含む医薬組成物で動物に投与する。医薬組成物は治療的有効量の抗体またはそのフラグメントを含有する。治療的有効量は、被験体においてAa感染の症状を改善する、またはAa生体の量を低減するのに有効な量である。
【0059】
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを使用して、宿主において免疫応答を誘発することができる。免疫原性ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、動物において免疫応答を誘導する能力のある本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。本発明の免疫原性ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、動物の免疫系を感作するのに特に有用であり、その結果として免疫応答が起こり、これによってAa感染の影響が改善または予防される。動物モデルにおける免疫応答の誘発は、例えば最適な投与量または投与経路を決定するのに有用でありうる。免疫応答の誘発は、Aaに起因する疾病または感染を治療、予防、または改善するのにも有用でありうる。免疫応答には体液性免疫応答もしくは細胞介在型免疫応答、またはそれらの組み合わせがある。免疫応答は、例えばディフェンシンの生成の促進による、全身性宿主応答の促進を含んでもよい。
【0060】
動物によるAaに対する抗体価の生成は、感染からの防御および感染のクリアランスに重要でありうる。ポリペプチドまたはポリヌクレオチドをデリバリーした後の抗体の検出および/または定量を使用して、抗体価の誘発に特に有効なエピトープを同定することができる。Aaに対する強い抗体反応に関与するエピトープは、異なる長さのAaポリペプチドに対する抗体を誘発させることによって同定できる。その後、特定のポリペプチドエピトープによって誘発される抗体を、例えばELISAアッセイを使用して試験し、いずれのポリペプチドが強い反応の生成に最も有効なエピトープを含有するかを確認できる。次いで、これらのエピトープまたはエピトープをコードするポリヌクレオチドを含有するポリペプチドまたは融合タンパク質を構築し、強い抗体反応を誘発するために使用できる。
【0061】
本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体を、哺乳動物(例えばマウス、ウサギ、モルモット、マカク、ヒヒ、チンパンジー、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ)またはニワトリもしくはアヒルのような動物に投与して、インビボにおいて抗体を誘発することができる。ポリヌクレオチドの注射は構築および修飾の簡易化に実用上、有益である。更に、ポリヌクレオチドの注射によって、宿主におけるポリペプチドの合成が起こる。従って、ポリペプチドは天然の翻訳後修飾、構造、およびコンフォメーションで宿主免疫系に存在する。ポリヌクレオチドは“裸DNA”として被験体に送達することができる。
【0062】
ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体の投与は当該分野で知られるいずれの方法によってもよく、例えば、筋肉内、静脈内、肺内、筋肉内、皮内、腹膜内、または皮下注射、エアロゾル、鼻腔内、輸液ポンプ、坐薬、粘膜、局所、および経口(生物学的弾道銃(biological ballistic gun;“遺伝子銃”)を使用する注射を含む)が挙げられる。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体は経口投与のためのタンパク質キャリアーを伴うことができる。投与方法を併用して免疫応答を誘発することもできる。抗体を約0.5mgから約200mgの日用量で投与することができる。本発明のある態様では、抗体を約20から約100mgの日用量で投与する。
【0063】
治療に使用するための医薬的に許容されるキャリアーおよび希釈剤は当該分野で周知であり、例えばレミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing 社 (A.R. Gennaro編 (1985))に記載されている。キャリアーそのものは宿主に有害な抗体の生成を誘導すべきではない。それらのキャリアーには、限定されるわけではないが、大型で代謝が遅い巨大分子(例えばタンパク質、多糖、例えばラテックス機能性化セファロース、アガロース、セルロース、セルロースビーズなど)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸(例えばポリグルタミン酸、ポリリジンなど)、アミノ酸コポリマー、ペプトイド、リピトイド、および不活性無毒性ウィルス粒子または細菌細胞等が含まれる。リポソーム、ヒドロゲル、シクロデキストリン、生分解性ナノカプセル、および生物接着性剤(bioadhesive)も本発明の組成物のキャリアーとして使用できる。
【0064】
医薬的に許容される塩も本発明の組成物に使用することができ、それらは例えば、金属塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、または硫酸塩)、並びに有機酸の塩(例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、または安息香酸塩)である。特に有用なタンパク質基質は、血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、免疫グロブリン分子、サイログロブリン、オボアルブミン、破傷風トキソイド、および当業者に周知の他のタンパク質である。本発明の組成物は液体または添加剤、例えば水、食塩水、リン酸バッファー液、リンガー液、ハンクス液、グルコース、グリセロール、デキストロース、マロデキストリン、エタノールなど(単独で、または組み合わせて)、並びに基質、例えば湿潤剤、乳化剤、浸透圧調整剤、界面活性剤、またはpH調整剤を含有することもできる。更なる活性剤、例えば殺菌剤を使用することもできる。
【0065】
必要により、リンパ球に対する免疫原性提示を向上する共刺激分子(例えばB7−1またはB7−2)、またはサイトカイン(MIP1α、GM−CSF、IL−2、およびIL−12)を本発明の組成物に含有させることができる。必要により、アジュバントを組成物に含有させることもできる。アジュバントは特異的免疫応答を非特異に増加させるために使用できる物質である。一般に、本発明のアジュバントおよびポリペプチドは混合した後に免疫系に提示するか、または別々に、しかし動物の同じ部位に提示する。アジュバントは、例えば以下を含有することができる:オイルアジュバント(例えばフロイントの完全および不完全アジュバント)金属塩(例えばAlK(SO4)2;AlNa(SO4)2、AlNH4(SO4)、シリカ、アラム、Al(OH)3、およびCa3(PO4)2)、ポリヌクレオチド(すなわちPolyicおよびポリAU酸)、およびある種の天然物質(例えば結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のワックスD、並びにコリネバクテリウム・パルヴム(Corynebacterium parvum)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、およびブルセラ菌属のメンバーに見られる物質)。使用できるアジュバントには、限定される訳ではないが以下がある:MF59−0、水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミール−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP 11637、ノル−MDPとも呼ばれる)、N−アセチルムラミール−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1'−2'−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP 19835A、MTP−PEと呼ばれる)、およびRIBIで、細菌から抽出された3つの成分、モノホスホリルリピッドA、トレハロースジミコレート、および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を2%スクアレン/ツイーン80エマルジョンに混合して含有するもの。
【0066】
本発明の組成物は、経口錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート、注射用製剤、マウスウォッシュ、歯磨き粉などに調製することができる。それらの組成物および製剤中の1またはそれ以上の本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体のパーセンテージは単位重量の0.1%から60%で様々でありうる。
【0067】
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの投与によって動物における免疫応答を誘発することができ、これは少なくとも1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、またはそれ以上の間持続する。必要により、初期注射後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、またはそれ以上の時点でポリペプチドまたはポリヌクレオチドを1回以上追加注射し、動物における免疫応答を保持することができる。必要により、共刺激分子またはアジュバントを組成物の前、後、または共に与えてもよい。
【0068】
ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはそれらを組み合わせたものを含有する本発明の組成物を、使用される特定の組成物に適合する方法で、ELISA等により検出される免疫応答を誘発するのに有効な量で投与する。ポリヌクレオチドを大型哺乳動物(例えばヒヒ、チンパンジー、またはヒト)に、1ng/kg、10ng/kg、100ng/kg、1000ng/kg、0.001mg/kg、0.1mg/kg、または0.5 mg/kgの用量で筋肉内注射することができる。ポリペプチドを大型哺乳動物(例えばヒト)に、0.01、0.05、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、5、または10mg/kgの用量で筋肉内注射することができる。
【0069】
ポリペプチド、ポリヌクレオチド、もしくは抗体、またはその組み合わせをAaに感染していない動物、またはAa感染した動物のいずれにも投与できる。組成物中のポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体の特定の用量は多くの因子に依存し、それらには、限定されるわけではないが、組成物を投与する哺乳動物の種、年齢、性別、併用する医薬品、一般的な状態、および組成物の投与方法等が含まれる。本発明の組成物の有効量は、日常的な実験のみを用いることにより容易に決定できる。
【0070】
本発明の方法に使用する原料はキットの形態であってもよい。キットは方法に使用される1またはそれ以上の要素を含むことができる。例えば、キットは容器内に本発明の抗体を含み、別の容器内にAaポリペプチドを含むことができる。キットおよび容器にラベルを付け、キットは容器内の要素の使用説明書を含む。キットの成分は、例えば液体または凍結乾燥した形態であってもよい。
【0071】
本明細書に引用する全ての文献は、参照により本明細書に組み込まれる。

【配列表】



























































































































































































































【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも5個の連続するアミノ酸を含有する精製免疫原性ポリペプチド:配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、および配列番号224。
【請求項2】
以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含有する精製ポリペプチド:配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、および配列番号224。
【請求項3】
請求項1記載のポリペプチドをコードする配列を含有する精製ポリヌクレオチド。
【請求項4】
以下からなる群から選択される配列の少なくとも約15個の連続した核酸を含有する精製ポリヌクレオチド、またはその縮重変異体:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号106、配列番号108、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、および配列番号223。
【請求項5】
以下のヌクレオチド配列を含有する精製ポリヌクレオチド、またはその縮重変異体:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号106、配列番号108、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、および配列番号223。
【請求項6】
発現制御配列に動作可能なように連結された請求項4記載のポリヌクレオチドを含有する発現ベクター。
【請求項7】
請求項6記載のベクターを含有する培養細胞。
【請求項8】
ポリヌクレオチドが発現制御配列に動作可能なように連結されている、請求項4記載のポリヌクレオチドを含有する培養細胞。
【請求項9】
請求項1記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体またはそのフラグメント。
【請求項10】
フラグメントがFabおよびF(ab')2からなる群から選択される、請求項9記載の抗体またはそのフラグメント。
【請求項11】
抗体がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項9記載の抗体。
【請求項12】
請求項9記載の抗体および医薬的に許容されるキャリアーを含有する組成物。
【請求項13】
A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病を治療、改善、または予防する方法であって、請求項9記載の抗体またはそのフラグメントを動物に投与し、それによってA.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病を治療、改善、または予防することを含む上記方法。
【請求項14】
疾病が局所性思春期前歯周炎、汎発性思春期前歯周炎、局所性若年性歯周炎、汎発性若年性歯周炎、急速進行性成人歯周炎、抗療性成人歯周炎、心内膜炎、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎からなる群から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
試験サンプル中のA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原の存在を検出する方法であって、
試験サンプルを、A.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原に特異的に結合する請求項9記載の抗体と、抗体とA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原との間の免疫複合体の生成が可能な条件下で接触させ;そして
免疫複合体を検出する、
ことを含み、ここで、免疫複合体の検出は試験サンプル中のA.アクチノミセテムコミタンスまたはA.アクチノミセテムコミタンス抗原の存在を示す、上記方法。
【請求項16】
A.アクチノミセテムコミタンス抗原が動物感染の際にインビボで発現される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項1記載のポリペプチドおよび医薬的に許容されるキャリアーを含有する医薬組成物。
【請求項18】
動物に請求項1記載の精製ポリペプチドを投与して免疫応答を誘発することを含む、免疫応答を誘発する方法。
【請求項19】
A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病または感染を治療、予防、または改善する方法であって、請求項1記載の精製ポリペプチドを動物に投与して疾病または感染を治療、予防、または改善することを含む上記方法。
【請求項20】
疾病が、局所性思春期前歯周炎、汎発性思春期前歯周炎、局所性若年性歯周炎、汎発性若年性歯周炎、急速進行性成人歯周炎、抗療性成人歯周炎、心内膜炎、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎からなる群から選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
請求項4記載のポリヌクレオチドおよび医薬的に許容されるキャリアーを含有する組成物。
【請求項22】
ポリヌクレオチドがDNAである、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
ポリヌクレオチドがプラスミド中に存在する、請求項21記載の組成物。
【請求項24】
請求項4記載の精製ポリヌクレオチドを動物に投与して免疫応答を誘発することを含む、免疫応答を誘発する方法。
【請求項25】
A.アクチノミセテムコミタンスに起因する疾病または感染を治療、予防、または改善する方法であって、請求項4記載の精製ポリヌクレオチドを動物に投与して、疾病または感染を治療、予防、または改善する上記方法。
【請求項26】
疾病が局所性思春期前歯周炎、汎発性思春期前歯周炎、局所性若年性歯周炎、汎発性若年性歯周炎、急速進行性成人歯周炎、抗療性成人歯周炎、心内膜炎、甲状腺膿瘍、尿路感染症、脳膿瘍、および椎骨髄炎からなる群から選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
試験サンプル中の第1のA.アクチノミセテムコミタンス・ポリヌクレオチドの存在を同定する方法であって、
第1のポリヌクレオチドを含有する疑いのある試験サンプルを第2のポリヌクレオチドとハイブリダイゼーション条件下で接触させ、ここで、第2のポリヌクレオチドは請求項4記載のポリヌクレオチドであり;そして
ハイブリダイズした第1および第2のポリヌクレオチドの複合体を検出する、
ことを含み、ここで、ハイブリダイズした第1および第2のポリヌクレオチドの存在は試験サンプル中の第1のポリヌクレオチドの存在を示す、上記方法。



【公表番号】特表2006−519586(P2006−519586A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553443(P2004−553443)
【出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/032645
【国際公開番号】WO2004/045499
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
UNIX
【出願人】(500360769)ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデーション,インコーポレイティド (16)
【Fターム(参考)】