歯科用画像内での歯の位置決め
方法、コンピュータプログラム、及びシステムにおいて、歯等の歯科的標的は、歯科用デジタル画像内に位置を示される。患者の口内に置かれた基準オブジェクトは、歯科用デジタル画像内で分割され、分割された基準を与えるようにする。基準オブジェクトは、所定の寸法を有する。画面は、歯科的標的の位置で歯科用画像において分割される。分割された基準は、画面の分割に先立って画面の相対的寸法及び位置を定義付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用画像のデジタル画像処理に係り、更に特には歯科用画像内で歯を位置決めすることに係る。
【背景技術】
【0002】
現在の歯科的処置は、歯冠、インプラント、固定された部分床義歯、及び被覆等の修復物の製作を頻繁に有する。セラミックは、かかる修復物において頻繁に使用されるが、これは、技巧的に作られたセラミック修復物が自然の歯の形状、質感、色、及び透光性とぴったりと合い得る、ことがセラミックの性質であるためである。
【0003】
かかることを実現するには、相当な技術を必要とする。歯の色、質感、及び透光性は、患者によって変わるだけではなく、個々の患者における歯によって、及び単一の歯内においてもまた変化する。歯は、幅広い範囲において形状を変化させる。患者の歯の色及び他の外観特徴に関する情報は、正確に確定され、修復物の製作をする者に明らかに伝達される必要がある。モールド加工及び他の技術が、歯の形状及び他の幾何学的特徴が、歯の形状及び他の幾何学的特徴に関する情報を記録及び転送するよう使用され得ると同時に、色及び他の外観的特徴を確定して伝達する技術は、更に問題を有する。
【0004】
歯の色情報を確定及び伝達するよう最も広く使用される技術は、過去70年間であまり変化してきていない。典型的には、(「シェード合わせ」と称される)工程は、患者の歯を1式又はそれ以上の標準化されたシェード見本内で多数の基準シェードサンプル(シェードタブ)のうちの1つと目視で合わせる段階を有する。この整合を行う人は、しばしば歯科医師であり、合うシェードタブの識別を記録し、修復物が製作される歯科技工所にその情報を伝達する。技工所は、続いて、技工所が持つ同一のシェード見本を使用して製作過程を通して修復物の目視色鑑定を実行する。
【0005】
目視シェード合わせ工程は、多数の問題を有する。初期の整合手順は、長く、困難であり、面倒であることが多くある。該手順が20分又はそれ以上長くかかることは珍しくない。多くの場合において、患者の歯に完全に合うシェードタブはない。どのタブが最も近いか(即ちどのタブが最も不整合ではないか)を決定することは、しばしば問題がある。比較的小さな色の違いの目視色鑑定は常に難しく、歯科的色鑑定がなされる状況は、局所的色順応、局所的輝度順応、及び側方輝度順応等の、多数の複雑な心理物理的影響を生じさせる可能性が高い。頻繁に、歯科医師は、患者の歯が特に合い難いと判断することがある。その場合、患者は、修復物を製作する歯科矯正学の技工所に直接行かなければならない。そこでは、トレーニングを受けた技工士が、色合わせを行うことができる。多くの場合、補綴の色がセラミック又は他の有色材料の順次追加によって微調整されるため、患者は歯科医師及び技巧所に2度、3度、又はそれ以上多く通わなければならない。
【0006】
歯科的色合わせに関連付けられる困難は、目視評価を多種の分光学的及び比色的器具によって確定される評価に置き換えようとするシステムの開発に繋がっている。Lehmann外による米国特許第6,358,047号明細書(特許文献1)、米国特許第6,305,933号明細書(特許文献2)、米国特許第6,206,691号明細書(特許文献3)、米国特許第6,132,210号明細書(特許文献4)、及び米国特許第5,961,324号明細書(特許文献5)は、歯のシェード分析器装置を開示する。該文献中、望ましい実施例は、赤色、緑色、及び青色(RGB)の明度を与える口腔内カメラの使用に基づく。該明度は、続いて常態化され、その後RGBからHSIに変換方程式の単一の一式を使用して色相、彩度、及び明度(HSI)の値を導き出すよう使用される。導き出されたHSI値は、続いて、シェードタブの集合から取られた対応するRGB測定から導き出されたものと比較される。
【0007】
Morris外による米国特許第6,190,170号明細書(特許文献6)及び米国特許第6,328,567号明細書(特許文献7)は、1つ又はそれ以上のデジタルカメラからRGB画像値を正規化するよう2つ又はそれ以上の基準を使用するシステムを開示する。同様に、Fradkinによる米国特許第6,348,917号明細書(特許文献8)は、RGB画像値を得るようビームスプリッタ及び他の光学部品を使用するシステムを開示する。再度、歯及びシェードタブは、そのRGB値、HSI、又は単一の一式の変換方程式を衣装してRGB値より導き出された他の値に従って比較される。Priestley外による米国特許出願公開第2002/0021439A1号明細書(特許文献9)はまた、色がRGB値に関して分析される色合わせシステムを開示する。
【0008】
Giorgianni及びForsytheによる相互参照の米国特許出願は、歯科用シェード合わせシステムにおいて複合的なオブジェクト特定比色変換を使用する。各比色変換は、1つの特定の色のサブセット(例えば、自然の歯、シェードタブ、補綴セラミック)に基づく。追加的に、比色較正が各個別のカメラ、シェードタブの各個別の組、及び各個別の口腔内基準に与えられる。該システムは、測定範囲内での正反射を最低限にするよう、あるいは排除するよう2つの別個の照明配置を使用し、歯の質感、光沢、及び他の詳細等の補足情報を正確に伝達する画像を作る。口腔内基準は、自然の歯の光学的性質と優れた相互関連を有するよう設計された光学的性質を有して使用される。該システムにおいては、シェードタブのデータベースは、人工の歯肉及び人間の口を擬態する背景と撮影されたシェードタブの画像を使用して作られる。シェードタブの比色値の標準化された一式、及びコンピュータで生成されたシェード画像の対応する一式が与えられ、それらは、色表示を確定及び伝達する標準としての役割を果たし得る。決定アルゴリズムは、特定された歯の1つ又はそれ以上の範囲に対する最も近いシェードタブ合わせを自動的に決定する。合わせる度合いは、数値、及び/又はグラフィック表示、及び/又は対応する言葉による描写に関して示される。該整合は、数および位置において選択可能である関心の領域の比較に基づく。形状及び色の認識アルゴリズムは、関心の領域を位置決めする及び寸法取りするユーザのタスクを単純化し、及び/又は完全に自動化する。場合によっては、整合はまた、データベースにおける多数の他のシェードタブに対して確定され、その結果は、順序で表に載せられる。システムの決定アルゴリズムは、多種のシェードタブの選択及び目的に合うよう調整され得るパラメータを有する。パラメータ値の複数組は、各々が特定のユーザ又は状況の選択に一致し、使用に対して格納及び選択され得る。画面上の目視比較は、測定された歯と選択されたシェードタブを一組にする。該システムは、患者の口の画像内で提案された補綴の視覚化を与える。人工の補綴画像は、患者の口の画像から又は他の源から、提案された整合するシェードタブから導き出される比色情報とともに幾何学的及び他の情報を使用して作られる。該システムは、明度を鑑定する単色モード、色相を鑑定する1つ又はそれ以上の強化された色度モード、及び、増大する観察距離及び斜視の効果を想定するモードを与える。手順は、完了した補綴を測定するよう与えられ、その色が使用に合っているかを照合し、合っていない場合は、使用に合うよう求められる色の変化を数値で表すようにされる。手順は、照明の不均一性をマッピングし補正するよう与えられる。
【0009】
コンピュータ化された歯科用カラー撮像システムの重要な特徴は、関心の歯を位置決めすることである。これは、小さなセンサを歯の近くに位置付けることによって手動で行われ得る。このアプローチは、単一の歯内での色及び他の特徴における相違に対処することにおいて扱い難い。あるいは、画像は、画像中で中央にされた関心の歯を有してキャプチャされ得る。このアプローチは、ユーザの技術に依存する。他の代替案として、画像は、コンピュータのディスプレイ上に表示され得、関心の歯は、カーソルが関心の歯の上にある際マウスボタンをクリックする、等のユーザ入力によって特定され得る。このアプローチは、ユーザにとっては面倒になりがちであり、故にエラーを起こす可能性がある。
【0010】
ピクセルベース、エッジベース、領域ベース、及びモデルベースの分割技術は、デジタル画像処理において周知である。各アプローチは、その限界を有する。例えば、ピクセルベースの分割技術は、複雑なシェード及び色の標的に適用することが困難である傾向がある。領域増大技術は、近接するオブジェクトが関心のオブジェクトに非常に合う際に重大なエラーの影響を受けやすい。
【特許文献1】米国特許第6,358,047号明細書
【特許文献2】米国特許第6,305,933号明細書
【特許文献3】米国特許第6,206,691号明細書
【特許文献4】米国特許第6,132,210号明細書
【特許文献5】米国特許第5,961,324号明細書
【特許文献6】米国特許第6,190,170号明細書
【特許文献7】米国特許第6,328,567号明細書
【特許文献8】米国特許第6,348,917号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2002/0021439A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
故に、向上された歯科的標的に位置決めする方法及び機器を与えることが望ましい。そこでは分割は、自動化され、照明状態及び標的の色及び形状における変化に対して比較的過敏ではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、請求項によって定義付けられる。本発明は、より広い面において、方法、コンピュータプログラム、及びシステムを与え、歯等の歯科的標的は、歯科用デジタル画像内で位置を示される。患者の口内に置かれた基準オブジェクトは、歯科用デジタル画像内で分割され、分割された基準を与える。基準オブジェクトは、所定の寸法を有する。画面は、歯科的標的の位置で歯科用画像において分割される。分割された基準は、画像の分割に先立って画像の相対的寸法及び位置を定義付ける。
【0013】
本発明の有利な効果は、向上された歯科的標的を位置決めする方法及び装置が与えられることであり、分割は自動化であり、照明状態、標的の色及び形状における変化に対して比較的過敏ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の上述された及び他の機構と目的並びにそれらを達成する手法は、より明らかとなり、本発明自体は、添付の図面と併せて以下の本発明の実施例の説明を参照してよりよく理解される。
【0015】
以下に続く詳述には、コンピュータのメモリ内のデータビット上での動作のアルゴリズム及び象徴に関して提示される部分がある。これらのアルゴリズム的説明及び表現は、データ処理における当業者によって使用され、他の当業者に仕事の実体を最も効果的に伝達する。本願での及び汎用のアルゴリズムは、所望の結果をもたらす首尾一貫した一連の動作であると考えられる。該動作は、物理量の物理的操作を求める。必ずしもではないが通常は、これらの量は、格納、移動、一体化、比較及び他の操作をされ得る電気又は磁気信号の形状を取る。便宜上、これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、項、数、又は同様のもの等の指示記号を使用して基礎をなす情報に関連してここに参照される場合がある。
【0016】
しかしながら、これらの及び同様の表現の全ては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これらの量に対して適用された単に便利な標示である、ことは留意されるべきである。以下の論考から明らかである通り特に述べられない限りは、本願中、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「確定する」又は「表示する」又は同様のもの等の表現を使用する論考は、コンピュータシステムの作用及び工程、あるいは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(例えば電子等)量として表されるデータをコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ内の物理適量として同様に表される他のデータへと操作及び変換する同様のデータ処理装置、又は他のかかる情報の格納、送信又は表示装置を指すものである、ことが理解される。
【0017】
本発明はまた、本願で説明される操作を実行するよう装置の特定の部分を有するシステムに係る。プログラム可能なコンピュータ等の装置は、所望される目的に対して特別に構築され得るか、あるいは、コンピュータにおいて格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされるか再構成される汎用コンピュータを有し得る。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータで読取り可能な記憶媒体において格納され得る。該媒体とは、フレキシブルディスク、光ディスク、CD−ROM、及び光磁気ディスク等の全ての種類のディスク、読込み専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)等のランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、又は電子指示を格納する適切な全ての種類のメディアである。また、上述の記憶部品の各々は、コンピュータシステムバスに対して結合される。
【0018】
本願で示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の機械とも本質的に関連されない。多種の汎用システムは、本願中の教示に従ったプログラムを有して使用され得るか、あるいは、方法を実行するようより特殊化された装置を構築するのに便利であることがわかり得る。これらの多種のシステムに対する構造は、以下の説明より明らかとなる。加えて、本発明は、いかなる特定のプログラム言語にも関連して説明されない。多種のプログラム言語は、本願中説明される通り本発明の教示を実行するよう使用され得る、ことは十分理解される。
【0019】
機械読取り可能な媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって読取り可能である形式において情報を格納又は送信する機構を有する。例えば、機械読取り可能な媒体は、読み込み専用メモリ(「ROM」);ランダムアクセスメモリ(「RAM」);磁気ディスク記録媒体;光記録メディア;フラッシュメモリ装置;電気、光、音響、又は他の形式の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号)を有する。
【0020】
「特定の一実施例では」という言及及び同様のものは、本発明の少なくとも1つの実施例において示される特徴に対して言及する。別の「一実施例」又は特定の実施例という言及又は同様のものは、同一の実施例を必ずしも参照しない。しかしながら、かかる実施例は、指示されない限り又は当業者にとって容易に明らかではない限り相互に除外されない。本発明は、故に、本願中に説明される実施例の組合せを有する。
【0021】
「歯科的標的」という表現は、本願中、関心の単一の歯を、又は、まれな状況ではあるが単一のオブジェクトとして考えられる歯の一群に言及するよう使用される。「歯科的標的」はまた、同等の補綴を有する。便宜上、本願中の論考は、一般的に歯に制限される。同様の考慮は、補綴及び歯と補綴との組合せに対して適用されることが理解される。
【0022】
「歯科用画像」という表現は、本願中、歯科的標的及び1つ又はそれ以上の追加的な歯及び/又は補綴を有する患者の口を示す画像に言及する。
【0023】
本願中特に図示又は説明されない要素は、従来技術より既知であるものから選択され得る。説明されるべき実施例の特定の面は、ソフトウェアにおいて与えられ得る。以下の資料において本発明に従って図示及び説明される方法を前提とすると、本発明の実行に対して有用であるが本願中で特に図示、説明又は提案されないソフトウェアは、従来通り且つかかる技術における通常の技量内のものである。本発明の方法は、当業者に周知である歯科用カラー画像処理手順を有して有用であるが、それを有する使用に制限はされない。
【0024】
図1を参照すると、当該方法において、基準オブジェクトは、患者の口内におかれ、該基準オブジェクトは、歯科的標的上の開始位置を定義付ける。続いて基準オブジェクト及び歯科的標的の画像がキャプチャされ、歯科用デジタル画像を与えるようデジタル化される。入力歯科用画像は、基準オブジェクト(610)及び歯科的標的(620)を位置決めするよう処理される。図中に示された実施例では、歯科的標的は関心の歯である。
【0025】
処理された画像は、画面に同調して操作者に対し表示され(630)、位置を示された歯の周囲でアウトラインとしてを便利に示される。操作者は、画像が容認可能であることを確認する機会、又は画面の調整を示すユーザ入力を与える機会を与えられる。あるいは、位置決めする方法は、手動の確認及び訂正無く終了し得る。このアプローチは、バッチ処理モードにおいて使用され得る。次に、処理された画像及び画面は、シェード合わせ又は他の手順における使用に対して保存される。
【0026】
基準オブジェクトは、歯科用画像において敏速に検出されるよう、及び開業医によって容易に取り扱われるよう構成される。特定の実施例では、基準オブジェクトは、噛むことができる。即ち、基準オブジェクトは、患者が所望される向きにおいて基準オブジェクトを保持するよう基準オブジェクトを噛むことができるよう構成される。この目的に対する適切な材料は、当業者には周知である。基準オブジェクトは、位置決めする方法において活用される1つ又はそれ以上の寸法を有する。図示される実施例においては、使用される基準オブジェクトは、矩形の形状であり、均一に有色のブロックである。基準オブジェクトは、既知の長さ及び幅を有する矩形の前面を有する。長さ対幅の比率は3対1である。前面は、平坦であり、均一なシェードスケール値を有する。より複雑に構成された基準オブジェクトは使用され得るが、かかる複雑性は、ここで論考される手順に対しては不必要であり、エラーの源となり得る。異なる寸法の複数の基準オブジェクトは、使用され得るが、使用される基準オブジェクトを特定することを開業医に要求するか、あるいは、自動的に認識可能な特定機構(異なる長さ対幅の比率等)又はそれと同様のものを要求する。
【0027】
基準オブジェクトは、歯科用画像がキャプチャされる際、歯科的標的上に開始位置を定義付ける。開始位置は、基準オブジェクトを位置決めする機構を歯科的標的に対する所定の関係において位置付けることによって、開業医が設定する。単純な位置決めする機構と該機構の歯科的標的に対する単純な関係は、使用を容易にするよう好まれる。図5A乃至図6中の実施例では、位置決めする機構は、基準オブジェクトの長手方向中央で基準オブジェクトの横端部に対して平行である想像線である。図7A及び図7Bの実施例では、位置決めする機構は、基準オブジェクトの右端部である。(「右」は、歯科用画像における相対的位置を指す。)これらの実施例は、歯科的標的が位置決めする機構の上方又は下方にあるかどうかに応じて、ユーザ入力を求める。他のアプローチは、基準オブジェクト上の切れ目又は印の形状における位置決めする機構のユーザ、あるいは、異なる長さの長手方向端部を有する基準オブジェクトの使用である。このアプローチによって、基準オブジェクトの向きが認識され得、歯科的標的が位置決めする機構の上方又は下方にあるのかを特定する。
【0028】
歯科的標的上の開始位置は、位置決めする機構によって定義付けられた方向において基準オブジェクトから所定の距離をおかれる。これは、歯科的標的と基準オブジェクトを位置決めする機構との間の歯の形状等によるギャップを考慮に入れる。基準オブジェクトの1つ又はそれ以上の寸法は既知であるため、ここでは「初期化ベクトル」と称される距離及び方向は、歯科用画像において適切にスケールされ得る。
【0029】
基準オブジェクトは、歯科用画像において分割され、分割されたオブジェクトを与えるようにする。使用される分割手順は、ピクセルベース、端部ベース、領域ベースの多種の分割方法のうちの1つであり得る。図2を参照すると、特定の一実施例では、入力デジタル画像(600)は、まず、HSIが色相−彩度−明度を意味する従来技術において周知である正確な色の変化を使用して、RGBメトリックからHSIメトリックへと変換される(611)(Gonzalez及びWoods著、「Digital Image Processing」、Addison−Wesle発行、1992年、p.229−235を参照のこと)。
【0030】
【数1】
次に、均一又は平坦な領域は、HSIの望ましい色メトリックにおいて検出される(612)が、sRGB自体を有する他の色メトリックが使用されてよい。Warnick外による米国特許第5,901,245号明細書中に開示される領域検出手順は、平坦な領域を検出するよう使用される。当業者に既知である他の平坦な領域検出手順もまた、使用され得る。米国特許第5,901,245号明細書の手順は、デジタル画像における空間を検出する。本願中使用される「空間」という表現は、画像の1つ又はそれ以上の完全に境界された範囲を指し、そこでは色及び空間的性質は、視覚的に均一であるように見える。該手順においては、デジタル画像のアクティビティマップが作成され、確定は、アクティビティマップ中のピクセルが境界の下方にあるようになされ、空間は、所定の境界の下方の値を有するアクティビティマップの連続ピクセルとして指定される。
【0031】
再度図2を参照すると、空間的に連続する平坦な領域、即ち空間領域は、空間領域における基準オブジェクトの所定の性質に対して確認するよう評価される(613)。均一な基準オブジェクトの有用な性質は、特定の色調スケール値又はキャプチャ工程の非均一性を考慮にいれた値の範囲である。基準オブジェクトが上述の段階の後に見つけられなかった場合は、追加的な段階が使用され、複雑な形状の広範な領域に対して領域切断を実行する(615)。これは、基準オブジェクトが隣接する歯に合う場合に必要であり得、初期に検出された空間領域は、基準オブジェクト及び1つ又はそれ以上の接触する歯をいずれも有する。
【0032】
手動での入力は、基準オブジェクトを有する空間領域の一部分を特定するようこの段階で要求され得る。あるいは、基準オブジェクトは、この発生を避けるよう構成され得る。他の代替案として、画像にはただ1つの基準オブジェクトのみしかないことが既知である。故に、領域切断工程は、大きな空間領域を複数のサブ領域へと分解するよう使用され得、続いて初期の領域と同一の方法で評価され得る。
【0033】
基準オブジェクトの分割の最終結果(616)は、図中アウトラインとして図示される、分割されたオブジェクト(627)(検出された基準オブジェクトとも称される)である。示された実施例の矩形の基準オブジェクトを有して、分割されたオブジェクトは、前面の角部の空間的座標によって完全に定義付けられる。
【0034】
図3を参照すると、入力画像(600)内で、検出された基準オブジェクト(627)の位置及び寸法は、アクティブな形状モデル(ASM)に対する歯科的標的の初期位置及び寸法を設定するよう使用される。前述された通り、初期化ベクトルに沿って基準オブジェクトを位置決めする機構から開始位置までを検索される。
【0035】
あるいは、操作者は、前出の画面の少なくとも2つのノードの空間的座標を前出のアクティブな形状モデルに対して手動で与えることによって、歯科的標的の位置および寸法を定義付け得る。これは、例えば、歯科的標的の上方に位置付けられたカーソルをマウスのボタンでクリックすることによって、あるいは歯の数等によって歯科的標的を指定することによって行われ得る。
【0036】
開始位置を有する画面は、続いて、歯科用画像において分割される。画面は、歯科的標的の寸法である。当業者には既知である異なる分割手順はここで適用され得、例えば、ピクセルベース、端部ベース、領域ベース、及びモデルベースの分割手順である。
【0037】
複雑な主題の観点では、歯の形状、アクティブな形状モデルの分割手順が望ましい。アクティブな形状モデル(ASM)は、モデルとされたオブジェクトの種類の形状及び質感における多様性を統計学的学習を介して、オブジェクトの形状及び構造(「質感」)のいずれをも効果的に考慮に入れ得る。結果として、適切にトレーニングされたASMは、ノイズ、幾何学歪み、及び色の変化に対して耐性がある。比較して、領域増大等の単純な分割方法は、例え操作者が領域増大に対して開始ポイント(「種(seed)」)を与えた場合でも、上述された要因に対して敏感である。これは、領域の形状を制約するメカニズムが無いためである。頻繁に増大する領域は、同様の色を有する近隣のオブジェクト(他の歯、基準オブジェクト、又は歯肉等)へ広がる。領域増大はまた、増大工程を制御するよう使用される閾値に対して敏感であり、一般的に固定された閾値は、画像から画像への色変化に対処し得ない。
【0038】
アクティブな形状モデルの一例は、Cootes外著、「Active Shape Models- Their Training and Application」、Computer Vision and Image Understanding、Vol.61、No.1、1995年、p.458−461中に開示される。かかるアクティブな形状モデルに対して適用可能である領域増大分割の一例は、Gonzales及びWoods著、「Digital Image Processing」、Addison−Wesley、1992年、p.458−461中に開示される。
【0039】
Cootes外の文献によるアクティブな形状モデル技術は、適切な形状のグローバルモデルに基づく結果の制約を有し、質感的概観合わせを有する位置に対する一連のローカル検索を一考することによって、機構のポイントの位置を確定する。質感と形状モデルは、一体化される。これは、歯科用撮像には便利な機構である。
【0040】
質感モデルは、全ての機構ポイントに対して構築される。傾斜する側面は、特定された画面内で各RGBの色チャンネルに対して算出される。この画面の主軸は、機構ポイントの間の接続の法線として方向付けられる。傾斜は、その平均的な規模(mean magnitude)によって分けることによって常態にされ、単一のベクトルtへと組み合わされる。例のセットからの外観のベクトルは、各機構ポイントに対する共分散マトリクスSt及び該平均的な外観ベクトルである、
【0041】
【数2】
を算出するよう使用される。マハラノビスの距離は、モデルに対する質感(t)の相似を測定するよう使用される。即ち、
【0042】
【数3】
である。機構のグローバル形状のモデルは、注釈つきの例の主成分分析から作られる。例の機構位置は、整列され、一次元座標ベクトルへと配置される。形状変化の最も重要な軸の順序リストは、ユニット固有ベクトルによってVk与えられ、次の式、
Svk=λkvk
であるようにされる。式中、Sは座標ベクトルに対する共分散マトリクスであり、λkはk番目の固有値であり、
【0043】
【数4】
である。該固有値は、一致する固有ベクトルに沿って例の変化を示す。形状変化脳大多数は、典型的には、比較的少ないいくつかの第一の軸を有して説明され得る。便利な簡易化は、形状変化の99%を有する最も重要な軸Mのみを制限することである。最終的なモデルは、平均的な形状である
【0044】
【数5】
、第一の軸(vk)、及び、それらの予測される範囲である
【0045】
【数6】
を有する。
【0046】
形状モデルは、適切なグローバル形状を形成する場所に対してローカル検索の結果を制約する。最近の機構の位置は、平均的な形状にそろえられ、
【0047】
【数7】
を使用して主たる部品のサブ空間へと突出する。式中、Vは、第1のM固有ベクトルのマトリクス、及びbは、第一の軸に対する形状係数のベクトルである。形状係数は、続いて、その多様な予測される範囲に制限され、変換が反転される。
【0048】
図3へと続き、ASMは、トレーニングする例(810)におけるノードの平均的な場所を、基準オブジェクト(720)を示す形状ノードを使用して、位置を示された基準オブジェクト(627)の位置及び寸法に合わせることによって、望ましい実施例において初期化される(621)。検索工程は、続いてトレーニングされたASM(628)に従って質感(622)及び形状(623)の観点においてASMとローカル画像構造との間の一致を見つけるよう実行される。各ノードの周囲のローカルの近隣部分は、質感モデルと最も合う場所を見つけるよう調査される(820)。結果的な位置は、続いて、形状モデルを使用して最もな形状を形成するよう制約する(820)。この工程は、ノードの位置が安定した結果に集まるまで反復する(624)。最終的な歯のアウトラインは、ASMの角部(「ノード」)の空間的座標を有して生成される(625)。
【0049】
ASMは、例えばオブジェクトの特徴及び背景のクラッタである分割のタスクについての専門知識を有して設計される必要がある。特定な一実施例では、図5A及び図5B中に図示される2つのASMが使用される。各ASMは、基準オブジェクトと歯科的標的を有する。図5Aは、上顎歯に対するものであり、関心の歯(710)は、基準オブジェクト(720)の上方にある。図5Bは、下顎歯に対するものであり、関心の歯(730)は、基準オブジェクト(720)の下方にある。上顎歯及び下顎歯に対する2つのASMを有する主な理由は、ASMは、一度トレーニングされると、容易には完全に設定で変えられない。
【0050】
上述された通り、適切なASMは、操作者の入力又は適切に設定された基準オブジェクトの使用によって選択され得る。いずれの方法も、基準オブジェクトに対する歯の垂直方向を位置決めするは、確定され得る。加えて、前方以外の歯に対して、これらの歯の例を使用してASMをトレーニングする必要、又は形状において大きく異なる歯(犬歯等)に対して異なるASMをトレーニングする必要があり得る。
【0051】
ASMは、基準オブジェクト及び共にグループ化された歯を有し得るか、歯のみに限定され得る。この場合、基準オブジェクトに対する歯の相対的位置及び相対的寸法は、発見的法則を使用すること等の何らかの手法において、コード化及び特定化される必要がある。また、歯の初期位置及び寸法をアクティブな形状モデルに対して与えるよう、少なくとも2つの空間的座標を手動で歯のアクティブな形状モデルに与える必要がある。
【0052】
ASMはノードを有する。一般的に、ノードは、オブジェクトのアウトライン上の角部である大きな湾曲のポイント上に置かれるべきである。これは、かかる角部が、図5A及び図5B中に図示される通り、形状を特徴付けるためである。加えて、オブジェクトの内部と外部との間の対照が大きいと予測される場所にノードを置くことも、有利である。これは、そこが質感の特徴が最も分離可能な場所であるためである。図6中に図示される通り、点線で示される狭い矩形のボックス999は、ノードに集まるよう及びオブジェクトの輪郭の正常な方向に沿って方向付けられるよう置かれる。これらのボックスは、オブジェクトの内側及び外側の質感特徴を分析するよう私用される。例えば、一般的に、各ボックスの内側は、明るいよう予測され(歯に一致する)、ボックスの外側は、ボックスの位置に依存して暗く(歯間の隙間に対して)又は赤色/ピンク色(歯肉に対して)あり得る。アクティブな形状モデルは、(以下に説明される通り、トレーニング段階から導き出される)確率分布としてかかる質感の特徴をコード化する。
【0053】
ASMの接続状態が確定され次第、ASMは、図4中に示されるトレーニング手順を介してパラメータ化される必要がある。十分な数のトレーニング画像(800)が集められる必要がある。一般的には、より多くのノードをASMが有するほど、より多くのトレーニング画像がASMを適切にトレーニングするよう必要となる。トレーニング工程中、操作者は、ASMにおいて定義付けられた同一のノードをトレーニング画像中の標的上におく必要がある(820)。操作者が印をつけたトレーニング画像は、ノード間の相対空間関係形状モデルを形成するよう学習され(820)、同時にノードの近くの色の変化は、質感モデルを形成するよう学習される(830)。異なるスケールで質感性質をコード化するよう、異なる寸法の一連のボックスを使用することによって、複数の多重解像質感モデルを形成することが望ましい。多種の例が示された後、トレーニングされたASMモデル(840)は、色、質感及び形状における正常変動に対処するよう学習する。
【0054】
図7A及び図7Bは、基準オブジェクトを位置決めするの工程の一例を図示する。第一に、均一な色の領域が図7Aで検出され、空間的に連続する領域は、同一の輝度値で示される。基準オブジェクトが同一の滑からな領域において歯の群と同化されるため、基準オブジェクトを位置決めする初期の試みは失敗する。次に領域切断工程は、歯の群から基準オブジェクトを離すよう呼び出され、結果は図7B中に図示される。基準オブジェクトは、既に離されているため、図7C中の最も明るい領域によって図示される通り、評価工程は、基準オブジェクトを位置決めするに成功する。
【0055】
図8Aは、関心の歯を位置決めする工程の一例を図示する。第一に、ASMのノードは、検出された基準オブジェクトの寸法に基づいて再度正確に寸法を取られ、図8A中に図示されるとおり入力デジタル画像中におかれる。歯に関連付けられたノードの初期の位置は、それらがトレーニング中に(自動的に)導き出された平均相対的位置に単純に基づくため、正確ではないことが留意される。図8Bは、検索が集中された後、ASMノードの最終位置を図示する。白い円で図示された歯のノードは、歯上に正確に置かれていることが留意される。質感検索ボックスも、図8B中に灰色の矩形で図示される。歯のノードの空間的座標は、続いて、歯科用シェード合わせシステムの後の段階にまわされる。
【0056】
本発明は、例えばコンピュータプログラムプロダクトにおいて実施され得る。コンピュータプログラムプロダクトは、1つ又はそれ以上の記憶メディアを有し得る。該メディアは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスク等)等の磁気記憶メディア;光学ディスク、光学テープ又は器械読取り可能なバーコード等の光学記憶メディア;ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読込み専用メモリ(ROM)等の固体電子記憶装置;あるいは、1つ又はそれ以上のコンピュータが本発明に従った方法を実行するよう制御する指示を有するコンピュータプログラムを格納するよう使用される他の物理的装置又はメディア、である。
【0057】
本発明のシステムは、マイクロプロセッサ、コンピュータメモリ、及び該方法の段階を実行する前出のコンピュータメモリにおいて格納されたコンピュータプログラムを有するプログラム可能なコンピュータを有する。該コンピュータは、マイクロプロセッサに対して操作可能に接続されたメモリインタフェースを有する。これは、取外し可能なメモリを受け入れるドライブの情報のUSBポート等のポートであり得るか、あるいは、カメラのメモリにアクセスし得る他のなんらかの装置であり得る。該システムは、メモリインタフェースと互換性があるメモリを有するデジタルカメラを有する。フィルム写真用カメラおよびスキャナは、所望される場合はデジタルカメラの代わりに使用され得る。該システムはまた、前述された通り噛むことができる基準オブジェクトを有する。グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)及びマウス及びキーボード等のユーザ入力ユニットは、コンピュータの一部として与えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】方法の一実施例の主な機構を示すブロック図である。
【図2】図1中の方法における、基準オブジェクトを位置決めする段階を示すブロック図である。
【図3】図1中の方法における、歯又は他の歯科的標的を検索する段階を示すブロック図である。
【図4】図1中の方法において使用されるアクティブな形状モデルをトレーニングする段階を示すブロック図である。
【図5A】図1中の方法において使用可能である2つのアクティブな形状モデルの概略図である。
【図5B】図1中の方法において使用可能である2つのアクティブな形状モデルの概略図である。
【図6】図5A中のアクティブな形状モデルの検索画面の概略図である。
【図7】図5A中のアクティブな形状モデルの修正の検索画面の概略図である。
【図8A】図1中の方法における基準オブジェクトを位置決めする段階の一例の半概略的図である。
【図8B】図1中の方法における基準オブジェクトを位置決めする段階の一例の半概略的図である。
【図8C】図1中の方法における基準オブジェクトを位置決めする段階の一例の半概略的図である。
【図9A】図1中の方法を使用してアクティブな形状モデルの初期及び最終位置を図示する一例の半概略的図である。
【図9B】図1中の方法を使用するアクティブな形状モデルの初期及び最終位置を図示する一例の半概略的図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用画像のデジタル画像処理に係り、更に特には歯科用画像内で歯を位置決めすることに係る。
【背景技術】
【0002】
現在の歯科的処置は、歯冠、インプラント、固定された部分床義歯、及び被覆等の修復物の製作を頻繁に有する。セラミックは、かかる修復物において頻繁に使用されるが、これは、技巧的に作られたセラミック修復物が自然の歯の形状、質感、色、及び透光性とぴったりと合い得る、ことがセラミックの性質であるためである。
【0003】
かかることを実現するには、相当な技術を必要とする。歯の色、質感、及び透光性は、患者によって変わるだけではなく、個々の患者における歯によって、及び単一の歯内においてもまた変化する。歯は、幅広い範囲において形状を変化させる。患者の歯の色及び他の外観特徴に関する情報は、正確に確定され、修復物の製作をする者に明らかに伝達される必要がある。モールド加工及び他の技術が、歯の形状及び他の幾何学的特徴が、歯の形状及び他の幾何学的特徴に関する情報を記録及び転送するよう使用され得ると同時に、色及び他の外観的特徴を確定して伝達する技術は、更に問題を有する。
【0004】
歯の色情報を確定及び伝達するよう最も広く使用される技術は、過去70年間であまり変化してきていない。典型的には、(「シェード合わせ」と称される)工程は、患者の歯を1式又はそれ以上の標準化されたシェード見本内で多数の基準シェードサンプル(シェードタブ)のうちの1つと目視で合わせる段階を有する。この整合を行う人は、しばしば歯科医師であり、合うシェードタブの識別を記録し、修復物が製作される歯科技工所にその情報を伝達する。技工所は、続いて、技工所が持つ同一のシェード見本を使用して製作過程を通して修復物の目視色鑑定を実行する。
【0005】
目視シェード合わせ工程は、多数の問題を有する。初期の整合手順は、長く、困難であり、面倒であることが多くある。該手順が20分又はそれ以上長くかかることは珍しくない。多くの場合において、患者の歯に完全に合うシェードタブはない。どのタブが最も近いか(即ちどのタブが最も不整合ではないか)を決定することは、しばしば問題がある。比較的小さな色の違いの目視色鑑定は常に難しく、歯科的色鑑定がなされる状況は、局所的色順応、局所的輝度順応、及び側方輝度順応等の、多数の複雑な心理物理的影響を生じさせる可能性が高い。頻繁に、歯科医師は、患者の歯が特に合い難いと判断することがある。その場合、患者は、修復物を製作する歯科矯正学の技工所に直接行かなければならない。そこでは、トレーニングを受けた技工士が、色合わせを行うことができる。多くの場合、補綴の色がセラミック又は他の有色材料の順次追加によって微調整されるため、患者は歯科医師及び技巧所に2度、3度、又はそれ以上多く通わなければならない。
【0006】
歯科的色合わせに関連付けられる困難は、目視評価を多種の分光学的及び比色的器具によって確定される評価に置き換えようとするシステムの開発に繋がっている。Lehmann外による米国特許第6,358,047号明細書(特許文献1)、米国特許第6,305,933号明細書(特許文献2)、米国特許第6,206,691号明細書(特許文献3)、米国特許第6,132,210号明細書(特許文献4)、及び米国特許第5,961,324号明細書(特許文献5)は、歯のシェード分析器装置を開示する。該文献中、望ましい実施例は、赤色、緑色、及び青色(RGB)の明度を与える口腔内カメラの使用に基づく。該明度は、続いて常態化され、その後RGBからHSIに変換方程式の単一の一式を使用して色相、彩度、及び明度(HSI)の値を導き出すよう使用される。導き出されたHSI値は、続いて、シェードタブの集合から取られた対応するRGB測定から導き出されたものと比較される。
【0007】
Morris外による米国特許第6,190,170号明細書(特許文献6)及び米国特許第6,328,567号明細書(特許文献7)は、1つ又はそれ以上のデジタルカメラからRGB画像値を正規化するよう2つ又はそれ以上の基準を使用するシステムを開示する。同様に、Fradkinによる米国特許第6,348,917号明細書(特許文献8)は、RGB画像値を得るようビームスプリッタ及び他の光学部品を使用するシステムを開示する。再度、歯及びシェードタブは、そのRGB値、HSI、又は単一の一式の変換方程式を衣装してRGB値より導き出された他の値に従って比較される。Priestley外による米国特許出願公開第2002/0021439A1号明細書(特許文献9)はまた、色がRGB値に関して分析される色合わせシステムを開示する。
【0008】
Giorgianni及びForsytheによる相互参照の米国特許出願は、歯科用シェード合わせシステムにおいて複合的なオブジェクト特定比色変換を使用する。各比色変換は、1つの特定の色のサブセット(例えば、自然の歯、シェードタブ、補綴セラミック)に基づく。追加的に、比色較正が各個別のカメラ、シェードタブの各個別の組、及び各個別の口腔内基準に与えられる。該システムは、測定範囲内での正反射を最低限にするよう、あるいは排除するよう2つの別個の照明配置を使用し、歯の質感、光沢、及び他の詳細等の補足情報を正確に伝達する画像を作る。口腔内基準は、自然の歯の光学的性質と優れた相互関連を有するよう設計された光学的性質を有して使用される。該システムにおいては、シェードタブのデータベースは、人工の歯肉及び人間の口を擬態する背景と撮影されたシェードタブの画像を使用して作られる。シェードタブの比色値の標準化された一式、及びコンピュータで生成されたシェード画像の対応する一式が与えられ、それらは、色表示を確定及び伝達する標準としての役割を果たし得る。決定アルゴリズムは、特定された歯の1つ又はそれ以上の範囲に対する最も近いシェードタブ合わせを自動的に決定する。合わせる度合いは、数値、及び/又はグラフィック表示、及び/又は対応する言葉による描写に関して示される。該整合は、数および位置において選択可能である関心の領域の比較に基づく。形状及び色の認識アルゴリズムは、関心の領域を位置決めする及び寸法取りするユーザのタスクを単純化し、及び/又は完全に自動化する。場合によっては、整合はまた、データベースにおける多数の他のシェードタブに対して確定され、その結果は、順序で表に載せられる。システムの決定アルゴリズムは、多種のシェードタブの選択及び目的に合うよう調整され得るパラメータを有する。パラメータ値の複数組は、各々が特定のユーザ又は状況の選択に一致し、使用に対して格納及び選択され得る。画面上の目視比較は、測定された歯と選択されたシェードタブを一組にする。該システムは、患者の口の画像内で提案された補綴の視覚化を与える。人工の補綴画像は、患者の口の画像から又は他の源から、提案された整合するシェードタブから導き出される比色情報とともに幾何学的及び他の情報を使用して作られる。該システムは、明度を鑑定する単色モード、色相を鑑定する1つ又はそれ以上の強化された色度モード、及び、増大する観察距離及び斜視の効果を想定するモードを与える。手順は、完了した補綴を測定するよう与えられ、その色が使用に合っているかを照合し、合っていない場合は、使用に合うよう求められる色の変化を数値で表すようにされる。手順は、照明の不均一性をマッピングし補正するよう与えられる。
【0009】
コンピュータ化された歯科用カラー撮像システムの重要な特徴は、関心の歯を位置決めすることである。これは、小さなセンサを歯の近くに位置付けることによって手動で行われ得る。このアプローチは、単一の歯内での色及び他の特徴における相違に対処することにおいて扱い難い。あるいは、画像は、画像中で中央にされた関心の歯を有してキャプチャされ得る。このアプローチは、ユーザの技術に依存する。他の代替案として、画像は、コンピュータのディスプレイ上に表示され得、関心の歯は、カーソルが関心の歯の上にある際マウスボタンをクリックする、等のユーザ入力によって特定され得る。このアプローチは、ユーザにとっては面倒になりがちであり、故にエラーを起こす可能性がある。
【0010】
ピクセルベース、エッジベース、領域ベース、及びモデルベースの分割技術は、デジタル画像処理において周知である。各アプローチは、その限界を有する。例えば、ピクセルベースの分割技術は、複雑なシェード及び色の標的に適用することが困難である傾向がある。領域増大技術は、近接するオブジェクトが関心のオブジェクトに非常に合う際に重大なエラーの影響を受けやすい。
【特許文献1】米国特許第6,358,047号明細書
【特許文献2】米国特許第6,305,933号明細書
【特許文献3】米国特許第6,206,691号明細書
【特許文献4】米国特許第6,132,210号明細書
【特許文献5】米国特許第5,961,324号明細書
【特許文献6】米国特許第6,190,170号明細書
【特許文献7】米国特許第6,328,567号明細書
【特許文献8】米国特許第6,348,917号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2002/0021439A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
故に、向上された歯科的標的に位置決めする方法及び機器を与えることが望ましい。そこでは分割は、自動化され、照明状態及び標的の色及び形状における変化に対して比較的過敏ではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、請求項によって定義付けられる。本発明は、より広い面において、方法、コンピュータプログラム、及びシステムを与え、歯等の歯科的標的は、歯科用デジタル画像内で位置を示される。患者の口内に置かれた基準オブジェクトは、歯科用デジタル画像内で分割され、分割された基準を与える。基準オブジェクトは、所定の寸法を有する。画面は、歯科的標的の位置で歯科用画像において分割される。分割された基準は、画像の分割に先立って画像の相対的寸法及び位置を定義付ける。
【0013】
本発明の有利な効果は、向上された歯科的標的を位置決めする方法及び装置が与えられることであり、分割は自動化であり、照明状態、標的の色及び形状における変化に対して比較的過敏ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の上述された及び他の機構と目的並びにそれらを達成する手法は、より明らかとなり、本発明自体は、添付の図面と併せて以下の本発明の実施例の説明を参照してよりよく理解される。
【0015】
以下に続く詳述には、コンピュータのメモリ内のデータビット上での動作のアルゴリズム及び象徴に関して提示される部分がある。これらのアルゴリズム的説明及び表現は、データ処理における当業者によって使用され、他の当業者に仕事の実体を最も効果的に伝達する。本願での及び汎用のアルゴリズムは、所望の結果をもたらす首尾一貫した一連の動作であると考えられる。該動作は、物理量の物理的操作を求める。必ずしもではないが通常は、これらの量は、格納、移動、一体化、比較及び他の操作をされ得る電気又は磁気信号の形状を取る。便宜上、これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、項、数、又は同様のもの等の指示記号を使用して基礎をなす情報に関連してここに参照される場合がある。
【0016】
しかしながら、これらの及び同様の表現の全ては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これらの量に対して適用された単に便利な標示である、ことは留意されるべきである。以下の論考から明らかである通り特に述べられない限りは、本願中、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「確定する」又は「表示する」又は同様のもの等の表現を使用する論考は、コンピュータシステムの作用及び工程、あるいは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(例えば電子等)量として表されるデータをコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ内の物理適量として同様に表される他のデータへと操作及び変換する同様のデータ処理装置、又は他のかかる情報の格納、送信又は表示装置を指すものである、ことが理解される。
【0017】
本発明はまた、本願で説明される操作を実行するよう装置の特定の部分を有するシステムに係る。プログラム可能なコンピュータ等の装置は、所望される目的に対して特別に構築され得るか、あるいは、コンピュータにおいて格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされるか再構成される汎用コンピュータを有し得る。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータで読取り可能な記憶媒体において格納され得る。該媒体とは、フレキシブルディスク、光ディスク、CD−ROM、及び光磁気ディスク等の全ての種類のディスク、読込み専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)等のランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、又は電子指示を格納する適切な全ての種類のメディアである。また、上述の記憶部品の各々は、コンピュータシステムバスに対して結合される。
【0018】
本願で示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の機械とも本質的に関連されない。多種の汎用システムは、本願中の教示に従ったプログラムを有して使用され得るか、あるいは、方法を実行するようより特殊化された装置を構築するのに便利であることがわかり得る。これらの多種のシステムに対する構造は、以下の説明より明らかとなる。加えて、本発明は、いかなる特定のプログラム言語にも関連して説明されない。多種のプログラム言語は、本願中説明される通り本発明の教示を実行するよう使用され得る、ことは十分理解される。
【0019】
機械読取り可能な媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって読取り可能である形式において情報を格納又は送信する機構を有する。例えば、機械読取り可能な媒体は、読み込み専用メモリ(「ROM」);ランダムアクセスメモリ(「RAM」);磁気ディスク記録媒体;光記録メディア;フラッシュメモリ装置;電気、光、音響、又は他の形式の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号)を有する。
【0020】
「特定の一実施例では」という言及及び同様のものは、本発明の少なくとも1つの実施例において示される特徴に対して言及する。別の「一実施例」又は特定の実施例という言及又は同様のものは、同一の実施例を必ずしも参照しない。しかしながら、かかる実施例は、指示されない限り又は当業者にとって容易に明らかではない限り相互に除外されない。本発明は、故に、本願中に説明される実施例の組合せを有する。
【0021】
「歯科的標的」という表現は、本願中、関心の単一の歯を、又は、まれな状況ではあるが単一のオブジェクトとして考えられる歯の一群に言及するよう使用される。「歯科的標的」はまた、同等の補綴を有する。便宜上、本願中の論考は、一般的に歯に制限される。同様の考慮は、補綴及び歯と補綴との組合せに対して適用されることが理解される。
【0022】
「歯科用画像」という表現は、本願中、歯科的標的及び1つ又はそれ以上の追加的な歯及び/又は補綴を有する患者の口を示す画像に言及する。
【0023】
本願中特に図示又は説明されない要素は、従来技術より既知であるものから選択され得る。説明されるべき実施例の特定の面は、ソフトウェアにおいて与えられ得る。以下の資料において本発明に従って図示及び説明される方法を前提とすると、本発明の実行に対して有用であるが本願中で特に図示、説明又は提案されないソフトウェアは、従来通り且つかかる技術における通常の技量内のものである。本発明の方法は、当業者に周知である歯科用カラー画像処理手順を有して有用であるが、それを有する使用に制限はされない。
【0024】
図1を参照すると、当該方法において、基準オブジェクトは、患者の口内におかれ、該基準オブジェクトは、歯科的標的上の開始位置を定義付ける。続いて基準オブジェクト及び歯科的標的の画像がキャプチャされ、歯科用デジタル画像を与えるようデジタル化される。入力歯科用画像は、基準オブジェクト(610)及び歯科的標的(620)を位置決めするよう処理される。図中に示された実施例では、歯科的標的は関心の歯である。
【0025】
処理された画像は、画面に同調して操作者に対し表示され(630)、位置を示された歯の周囲でアウトラインとしてを便利に示される。操作者は、画像が容認可能であることを確認する機会、又は画面の調整を示すユーザ入力を与える機会を与えられる。あるいは、位置決めする方法は、手動の確認及び訂正無く終了し得る。このアプローチは、バッチ処理モードにおいて使用され得る。次に、処理された画像及び画面は、シェード合わせ又は他の手順における使用に対して保存される。
【0026】
基準オブジェクトは、歯科用画像において敏速に検出されるよう、及び開業医によって容易に取り扱われるよう構成される。特定の実施例では、基準オブジェクトは、噛むことができる。即ち、基準オブジェクトは、患者が所望される向きにおいて基準オブジェクトを保持するよう基準オブジェクトを噛むことができるよう構成される。この目的に対する適切な材料は、当業者には周知である。基準オブジェクトは、位置決めする方法において活用される1つ又はそれ以上の寸法を有する。図示される実施例においては、使用される基準オブジェクトは、矩形の形状であり、均一に有色のブロックである。基準オブジェクトは、既知の長さ及び幅を有する矩形の前面を有する。長さ対幅の比率は3対1である。前面は、平坦であり、均一なシェードスケール値を有する。より複雑に構成された基準オブジェクトは使用され得るが、かかる複雑性は、ここで論考される手順に対しては不必要であり、エラーの源となり得る。異なる寸法の複数の基準オブジェクトは、使用され得るが、使用される基準オブジェクトを特定することを開業医に要求するか、あるいは、自動的に認識可能な特定機構(異なる長さ対幅の比率等)又はそれと同様のものを要求する。
【0027】
基準オブジェクトは、歯科用画像がキャプチャされる際、歯科的標的上に開始位置を定義付ける。開始位置は、基準オブジェクトを位置決めする機構を歯科的標的に対する所定の関係において位置付けることによって、開業医が設定する。単純な位置決めする機構と該機構の歯科的標的に対する単純な関係は、使用を容易にするよう好まれる。図5A乃至図6中の実施例では、位置決めする機構は、基準オブジェクトの長手方向中央で基準オブジェクトの横端部に対して平行である想像線である。図7A及び図7Bの実施例では、位置決めする機構は、基準オブジェクトの右端部である。(「右」は、歯科用画像における相対的位置を指す。)これらの実施例は、歯科的標的が位置決めする機構の上方又は下方にあるかどうかに応じて、ユーザ入力を求める。他のアプローチは、基準オブジェクト上の切れ目又は印の形状における位置決めする機構のユーザ、あるいは、異なる長さの長手方向端部を有する基準オブジェクトの使用である。このアプローチによって、基準オブジェクトの向きが認識され得、歯科的標的が位置決めする機構の上方又は下方にあるのかを特定する。
【0028】
歯科的標的上の開始位置は、位置決めする機構によって定義付けられた方向において基準オブジェクトから所定の距離をおかれる。これは、歯科的標的と基準オブジェクトを位置決めする機構との間の歯の形状等によるギャップを考慮に入れる。基準オブジェクトの1つ又はそれ以上の寸法は既知であるため、ここでは「初期化ベクトル」と称される距離及び方向は、歯科用画像において適切にスケールされ得る。
【0029】
基準オブジェクトは、歯科用画像において分割され、分割されたオブジェクトを与えるようにする。使用される分割手順は、ピクセルベース、端部ベース、領域ベースの多種の分割方法のうちの1つであり得る。図2を参照すると、特定の一実施例では、入力デジタル画像(600)は、まず、HSIが色相−彩度−明度を意味する従来技術において周知である正確な色の変化を使用して、RGBメトリックからHSIメトリックへと変換される(611)(Gonzalez及びWoods著、「Digital Image Processing」、Addison−Wesle発行、1992年、p.229−235を参照のこと)。
【0030】
【数1】
次に、均一又は平坦な領域は、HSIの望ましい色メトリックにおいて検出される(612)が、sRGB自体を有する他の色メトリックが使用されてよい。Warnick外による米国特許第5,901,245号明細書中に開示される領域検出手順は、平坦な領域を検出するよう使用される。当業者に既知である他の平坦な領域検出手順もまた、使用され得る。米国特許第5,901,245号明細書の手順は、デジタル画像における空間を検出する。本願中使用される「空間」という表現は、画像の1つ又はそれ以上の完全に境界された範囲を指し、そこでは色及び空間的性質は、視覚的に均一であるように見える。該手順においては、デジタル画像のアクティビティマップが作成され、確定は、アクティビティマップ中のピクセルが境界の下方にあるようになされ、空間は、所定の境界の下方の値を有するアクティビティマップの連続ピクセルとして指定される。
【0031】
再度図2を参照すると、空間的に連続する平坦な領域、即ち空間領域は、空間領域における基準オブジェクトの所定の性質に対して確認するよう評価される(613)。均一な基準オブジェクトの有用な性質は、特定の色調スケール値又はキャプチャ工程の非均一性を考慮にいれた値の範囲である。基準オブジェクトが上述の段階の後に見つけられなかった場合は、追加的な段階が使用され、複雑な形状の広範な領域に対して領域切断を実行する(615)。これは、基準オブジェクトが隣接する歯に合う場合に必要であり得、初期に検出された空間領域は、基準オブジェクト及び1つ又はそれ以上の接触する歯をいずれも有する。
【0032】
手動での入力は、基準オブジェクトを有する空間領域の一部分を特定するようこの段階で要求され得る。あるいは、基準オブジェクトは、この発生を避けるよう構成され得る。他の代替案として、画像にはただ1つの基準オブジェクトのみしかないことが既知である。故に、領域切断工程は、大きな空間領域を複数のサブ領域へと分解するよう使用され得、続いて初期の領域と同一の方法で評価され得る。
【0033】
基準オブジェクトの分割の最終結果(616)は、図中アウトラインとして図示される、分割されたオブジェクト(627)(検出された基準オブジェクトとも称される)である。示された実施例の矩形の基準オブジェクトを有して、分割されたオブジェクトは、前面の角部の空間的座標によって完全に定義付けられる。
【0034】
図3を参照すると、入力画像(600)内で、検出された基準オブジェクト(627)の位置及び寸法は、アクティブな形状モデル(ASM)に対する歯科的標的の初期位置及び寸法を設定するよう使用される。前述された通り、初期化ベクトルに沿って基準オブジェクトを位置決めする機構から開始位置までを検索される。
【0035】
あるいは、操作者は、前出の画面の少なくとも2つのノードの空間的座標を前出のアクティブな形状モデルに対して手動で与えることによって、歯科的標的の位置および寸法を定義付け得る。これは、例えば、歯科的標的の上方に位置付けられたカーソルをマウスのボタンでクリックすることによって、あるいは歯の数等によって歯科的標的を指定することによって行われ得る。
【0036】
開始位置を有する画面は、続いて、歯科用画像において分割される。画面は、歯科的標的の寸法である。当業者には既知である異なる分割手順はここで適用され得、例えば、ピクセルベース、端部ベース、領域ベース、及びモデルベースの分割手順である。
【0037】
複雑な主題の観点では、歯の形状、アクティブな形状モデルの分割手順が望ましい。アクティブな形状モデル(ASM)は、モデルとされたオブジェクトの種類の形状及び質感における多様性を統計学的学習を介して、オブジェクトの形状及び構造(「質感」)のいずれをも効果的に考慮に入れ得る。結果として、適切にトレーニングされたASMは、ノイズ、幾何学歪み、及び色の変化に対して耐性がある。比較して、領域増大等の単純な分割方法は、例え操作者が領域増大に対して開始ポイント(「種(seed)」)を与えた場合でも、上述された要因に対して敏感である。これは、領域の形状を制約するメカニズムが無いためである。頻繁に増大する領域は、同様の色を有する近隣のオブジェクト(他の歯、基準オブジェクト、又は歯肉等)へ広がる。領域増大はまた、増大工程を制御するよう使用される閾値に対して敏感であり、一般的に固定された閾値は、画像から画像への色変化に対処し得ない。
【0038】
アクティブな形状モデルの一例は、Cootes外著、「Active Shape Models- Their Training and Application」、Computer Vision and Image Understanding、Vol.61、No.1、1995年、p.458−461中に開示される。かかるアクティブな形状モデルに対して適用可能である領域増大分割の一例は、Gonzales及びWoods著、「Digital Image Processing」、Addison−Wesley、1992年、p.458−461中に開示される。
【0039】
Cootes外の文献によるアクティブな形状モデル技術は、適切な形状のグローバルモデルに基づく結果の制約を有し、質感的概観合わせを有する位置に対する一連のローカル検索を一考することによって、機構のポイントの位置を確定する。質感と形状モデルは、一体化される。これは、歯科用撮像には便利な機構である。
【0040】
質感モデルは、全ての機構ポイントに対して構築される。傾斜する側面は、特定された画面内で各RGBの色チャンネルに対して算出される。この画面の主軸は、機構ポイントの間の接続の法線として方向付けられる。傾斜は、その平均的な規模(mean magnitude)によって分けることによって常態にされ、単一のベクトルtへと組み合わされる。例のセットからの外観のベクトルは、各機構ポイントに対する共分散マトリクスSt及び該平均的な外観ベクトルである、
【0041】
【数2】
を算出するよう使用される。マハラノビスの距離は、モデルに対する質感(t)の相似を測定するよう使用される。即ち、
【0042】
【数3】
である。機構のグローバル形状のモデルは、注釈つきの例の主成分分析から作られる。例の機構位置は、整列され、一次元座標ベクトルへと配置される。形状変化の最も重要な軸の順序リストは、ユニット固有ベクトルによってVk与えられ、次の式、
Svk=λkvk
であるようにされる。式中、Sは座標ベクトルに対する共分散マトリクスであり、λkはk番目の固有値であり、
【0043】
【数4】
である。該固有値は、一致する固有ベクトルに沿って例の変化を示す。形状変化脳大多数は、典型的には、比較的少ないいくつかの第一の軸を有して説明され得る。便利な簡易化は、形状変化の99%を有する最も重要な軸Mのみを制限することである。最終的なモデルは、平均的な形状である
【0044】
【数5】
、第一の軸(vk)、及び、それらの予測される範囲である
【0045】
【数6】
を有する。
【0046】
形状モデルは、適切なグローバル形状を形成する場所に対してローカル検索の結果を制約する。最近の機構の位置は、平均的な形状にそろえられ、
【0047】
【数7】
を使用して主たる部品のサブ空間へと突出する。式中、Vは、第1のM固有ベクトルのマトリクス、及びbは、第一の軸に対する形状係数のベクトルである。形状係数は、続いて、その多様な予測される範囲に制限され、変換が反転される。
【0048】
図3へと続き、ASMは、トレーニングする例(810)におけるノードの平均的な場所を、基準オブジェクト(720)を示す形状ノードを使用して、位置を示された基準オブジェクト(627)の位置及び寸法に合わせることによって、望ましい実施例において初期化される(621)。検索工程は、続いてトレーニングされたASM(628)に従って質感(622)及び形状(623)の観点においてASMとローカル画像構造との間の一致を見つけるよう実行される。各ノードの周囲のローカルの近隣部分は、質感モデルと最も合う場所を見つけるよう調査される(820)。結果的な位置は、続いて、形状モデルを使用して最もな形状を形成するよう制約する(820)。この工程は、ノードの位置が安定した結果に集まるまで反復する(624)。最終的な歯のアウトラインは、ASMの角部(「ノード」)の空間的座標を有して生成される(625)。
【0049】
ASMは、例えばオブジェクトの特徴及び背景のクラッタである分割のタスクについての専門知識を有して設計される必要がある。特定な一実施例では、図5A及び図5B中に図示される2つのASMが使用される。各ASMは、基準オブジェクトと歯科的標的を有する。図5Aは、上顎歯に対するものであり、関心の歯(710)は、基準オブジェクト(720)の上方にある。図5Bは、下顎歯に対するものであり、関心の歯(730)は、基準オブジェクト(720)の下方にある。上顎歯及び下顎歯に対する2つのASMを有する主な理由は、ASMは、一度トレーニングされると、容易には完全に設定で変えられない。
【0050】
上述された通り、適切なASMは、操作者の入力又は適切に設定された基準オブジェクトの使用によって選択され得る。いずれの方法も、基準オブジェクトに対する歯の垂直方向を位置決めするは、確定され得る。加えて、前方以外の歯に対して、これらの歯の例を使用してASMをトレーニングする必要、又は形状において大きく異なる歯(犬歯等)に対して異なるASMをトレーニングする必要があり得る。
【0051】
ASMは、基準オブジェクト及び共にグループ化された歯を有し得るか、歯のみに限定され得る。この場合、基準オブジェクトに対する歯の相対的位置及び相対的寸法は、発見的法則を使用すること等の何らかの手法において、コード化及び特定化される必要がある。また、歯の初期位置及び寸法をアクティブな形状モデルに対して与えるよう、少なくとも2つの空間的座標を手動で歯のアクティブな形状モデルに与える必要がある。
【0052】
ASMはノードを有する。一般的に、ノードは、オブジェクトのアウトライン上の角部である大きな湾曲のポイント上に置かれるべきである。これは、かかる角部が、図5A及び図5B中に図示される通り、形状を特徴付けるためである。加えて、オブジェクトの内部と外部との間の対照が大きいと予測される場所にノードを置くことも、有利である。これは、そこが質感の特徴が最も分離可能な場所であるためである。図6中に図示される通り、点線で示される狭い矩形のボックス999は、ノードに集まるよう及びオブジェクトの輪郭の正常な方向に沿って方向付けられるよう置かれる。これらのボックスは、オブジェクトの内側及び外側の質感特徴を分析するよう私用される。例えば、一般的に、各ボックスの内側は、明るいよう予測され(歯に一致する)、ボックスの外側は、ボックスの位置に依存して暗く(歯間の隙間に対して)又は赤色/ピンク色(歯肉に対して)あり得る。アクティブな形状モデルは、(以下に説明される通り、トレーニング段階から導き出される)確率分布としてかかる質感の特徴をコード化する。
【0053】
ASMの接続状態が確定され次第、ASMは、図4中に示されるトレーニング手順を介してパラメータ化される必要がある。十分な数のトレーニング画像(800)が集められる必要がある。一般的には、より多くのノードをASMが有するほど、より多くのトレーニング画像がASMを適切にトレーニングするよう必要となる。トレーニング工程中、操作者は、ASMにおいて定義付けられた同一のノードをトレーニング画像中の標的上におく必要がある(820)。操作者が印をつけたトレーニング画像は、ノード間の相対空間関係形状モデルを形成するよう学習され(820)、同時にノードの近くの色の変化は、質感モデルを形成するよう学習される(830)。異なるスケールで質感性質をコード化するよう、異なる寸法の一連のボックスを使用することによって、複数の多重解像質感モデルを形成することが望ましい。多種の例が示された後、トレーニングされたASMモデル(840)は、色、質感及び形状における正常変動に対処するよう学習する。
【0054】
図7A及び図7Bは、基準オブジェクトを位置決めするの工程の一例を図示する。第一に、均一な色の領域が図7Aで検出され、空間的に連続する領域は、同一の輝度値で示される。基準オブジェクトが同一の滑からな領域において歯の群と同化されるため、基準オブジェクトを位置決めする初期の試みは失敗する。次に領域切断工程は、歯の群から基準オブジェクトを離すよう呼び出され、結果は図7B中に図示される。基準オブジェクトは、既に離されているため、図7C中の最も明るい領域によって図示される通り、評価工程は、基準オブジェクトを位置決めするに成功する。
【0055】
図8Aは、関心の歯を位置決めする工程の一例を図示する。第一に、ASMのノードは、検出された基準オブジェクトの寸法に基づいて再度正確に寸法を取られ、図8A中に図示されるとおり入力デジタル画像中におかれる。歯に関連付けられたノードの初期の位置は、それらがトレーニング中に(自動的に)導き出された平均相対的位置に単純に基づくため、正確ではないことが留意される。図8Bは、検索が集中された後、ASMノードの最終位置を図示する。白い円で図示された歯のノードは、歯上に正確に置かれていることが留意される。質感検索ボックスも、図8B中に灰色の矩形で図示される。歯のノードの空間的座標は、続いて、歯科用シェード合わせシステムの後の段階にまわされる。
【0056】
本発明は、例えばコンピュータプログラムプロダクトにおいて実施され得る。コンピュータプログラムプロダクトは、1つ又はそれ以上の記憶メディアを有し得る。該メディアは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスク等)等の磁気記憶メディア;光学ディスク、光学テープ又は器械読取り可能なバーコード等の光学記憶メディア;ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読込み専用メモリ(ROM)等の固体電子記憶装置;あるいは、1つ又はそれ以上のコンピュータが本発明に従った方法を実行するよう制御する指示を有するコンピュータプログラムを格納するよう使用される他の物理的装置又はメディア、である。
【0057】
本発明のシステムは、マイクロプロセッサ、コンピュータメモリ、及び該方法の段階を実行する前出のコンピュータメモリにおいて格納されたコンピュータプログラムを有するプログラム可能なコンピュータを有する。該コンピュータは、マイクロプロセッサに対して操作可能に接続されたメモリインタフェースを有する。これは、取外し可能なメモリを受け入れるドライブの情報のUSBポート等のポートであり得るか、あるいは、カメラのメモリにアクセスし得る他のなんらかの装置であり得る。該システムは、メモリインタフェースと互換性があるメモリを有するデジタルカメラを有する。フィルム写真用カメラおよびスキャナは、所望される場合はデジタルカメラの代わりに使用され得る。該システムはまた、前述された通り噛むことができる基準オブジェクトを有する。グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)及びマウス及びキーボード等のユーザ入力ユニットは、コンピュータの一部として与えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】方法の一実施例の主な機構を示すブロック図である。
【図2】図1中の方法における、基準オブジェクトを位置決めする段階を示すブロック図である。
【図3】図1中の方法における、歯又は他の歯科的標的を検索する段階を示すブロック図である。
【図4】図1中の方法において使用されるアクティブな形状モデルをトレーニングする段階を示すブロック図である。
【図5A】図1中の方法において使用可能である2つのアクティブな形状モデルの概略図である。
【図5B】図1中の方法において使用可能である2つのアクティブな形状モデルの概略図である。
【図6】図5A中のアクティブな形状モデルの検索画面の概略図である。
【図7】図5A中のアクティブな形状モデルの修正の検索画面の概略図である。
【図8A】図1中の方法における基準オブジェクトを位置決めする段階の一例の半概略的図である。
【図8B】図1中の方法における基準オブジェクトを位置決めする段階の一例の半概略的図である。
【図8C】図1中の方法における基準オブジェクトを位置決めする段階の一例の半概略的図である。
【図9A】図1中の方法を使用してアクティブな形状モデルの初期及び最終位置を図示する一例の半概略的図である。
【図9B】図1中の方法を使用するアクティブな形状モデルの初期及び最終位置を図示する一例の半概略的図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用デジタル画像内で歯科的標的を位置決めする方法であって、
歯科用デジタル画像内で基準オブジェクトを分割し、分割された基準を与えるようにする段階と、
前記歯科用画像において画面を分割する段階と、
前記画面の前記分割の段階に先立って前記分割された基準に対して前記画面の寸法及び位置を定義付ける段階と、
を有し、
前記基準オブジェクトは、所定の寸法を有する、
方法。
【請求項2】
前記歯科用画像内で前記基準オブジェクトから所定の初期化ベクトルに沿って開始位置へと検索する段階を更に有し、
前記画面は、前記開始位置を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記画面の前記分割の段階は、所定のアクティブな形状モデルを前記歯科用画像に適用する段階を更に有する、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記アクティブな形状モデルは、1つ又はそれ以上の形状パラメータを有する、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記アクティブな形状モデルは、1つ又はそれ以上の質感のパラメータを有する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記アクティブな形状モデルは、1つ又はそれ以上の質感のパラメータを有する、
請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記アクティブな形状モデルは、前記基準オブジェクトを有する、
請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記アクティブな形状モデルは、前記基準オブジェクトを有さない、
請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記画面の少なくとも2つのノードの空間的座標を前記アクティブな形状モデルに対して手動で与える段階を更に有する、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記画面の前記分割の段階は、
複数の異なる所定のアクティブな形状モデルを提示する段階と、選択されたモデルとして1つの前記アクティブな形状モデルを選択してユーザ入力を受ける段階と、前記選択されたモデルを前記歯科用画像に適用する段階と、を更に有する、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ入力は、歯の指定である、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記画面の前記分割の段階に続く前記歯科用画像及び前記画面を表示する段階と、
前記画面のユーザ調整を受け入れる段階と、
を更に有する、
請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記分割化は、自動である、
請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記基準オブジェクトの前記分割の段階は、
前記歯科用画像を、赤色−緑色−青色の色空間から色相−彩度−明度の色空間へ変換させる段階と、
前記歯科用画像の均一に有色であり、空間的隣接領域を検出する段階と、
前記領域のうち1つが前記基準オブジェクトの所定の性質と合う性質を有するか否かを確定する段階と、
を更に有する、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記分割段階は、前記決定段階に続いて、
前記性質が合う際、前記評価段階を停止する段階と、
前記領域の各々の前記性質と前記基準オブジェクトの前記所定の性質とが合わない際、1つ又はそれ以上の前記領域をサブ領域へと切断する段階と、
前記サブ領域のうち1つが前記基準オブジェクトの所定の性質と合う性質を有するか否かを決定する段階と、
を更に有する、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記基準オブジェクトを患者の口内に置く段階と、
前記基準オブジェクトと前記歯科用標的の画像をキャプチャする段階と、
前記歯科用画像を与えるよう前記画像をデジタル化する段階と、
を更に有し、
前記基準オブジェクトは、前記歯科用標的上で前記開始位置を定義付ける、
請求項1記載の方法。
【請求項17】
歯科用画像内で歯科用標的を位置決めすることに対するコンピュータプログラムプロダクトであって、
歯科用デジタル画像内で基準オブジェクトを分割し、分割された基準を与えるようにする段階と、
前記歯科用画像において画面を分割する段階と、
前記画面の前記分割の段階に先立って前記分割された基準に対して前記画面の寸法及び位置を定義付ける段階と、
を実行するよう格納されたコンピュータプログラムを有するコンピュータ読取り可能な記憶媒体を有し、
前記基準オブジェクトは、所定の寸法を有する、
コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項18】
歯科用シェード合わせシステムであって、
マイクロプロセッサと、コンピュータメモリと、コンピュータプログラムとを有するプログラム可能なコンピュータと、
前記メモリインタフェースに対して操作可能に接続可能であるメモリを有するデジタルカメラと、
噛むことができる基準オブジェクトと、
を有し、
前記コンピュータプログラムは、
歯科用デジタル画像内で基準オブジェクトを分割し、分割された基準を与えるようにし、前記基準オブジェクトは所定の寸法を有する段階と、
前記歯科用画像において画面を分割する段階と、
前記画面の前記分割の段階に先立って前記分割された基準に対して前記画面の寸法及び位置を定義付ける段階と、
を実行するよう前記コンピュータメモリにおいて格納され、
前記コンピュータは、前記マイクロプロセッサに対して操作可能に接続されたメモリインタフェースを有する、
システム。
【請求項19】
前記基準オブジェクトは、矩形の前面を有し、前記前面は、前記プログラムにおいて特定された寸法及び形状を有する、
請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記前面は、均一な色調スケール値を有する、
請求項19記載のシステム。
【請求項1】
歯科用デジタル画像内で歯科的標的を位置決めする方法であって、
歯科用デジタル画像内で基準オブジェクトを分割し、分割された基準を与えるようにする段階と、
前記歯科用画像において画面を分割する段階と、
前記画面の前記分割の段階に先立って前記分割された基準に対して前記画面の寸法及び位置を定義付ける段階と、
を有し、
前記基準オブジェクトは、所定の寸法を有する、
方法。
【請求項2】
前記歯科用画像内で前記基準オブジェクトから所定の初期化ベクトルに沿って開始位置へと検索する段階を更に有し、
前記画面は、前記開始位置を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記画面の前記分割の段階は、所定のアクティブな形状モデルを前記歯科用画像に適用する段階を更に有する、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記アクティブな形状モデルは、1つ又はそれ以上の形状パラメータを有する、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記アクティブな形状モデルは、1つ又はそれ以上の質感のパラメータを有する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記アクティブな形状モデルは、1つ又はそれ以上の質感のパラメータを有する、
請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記アクティブな形状モデルは、前記基準オブジェクトを有する、
請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記アクティブな形状モデルは、前記基準オブジェクトを有さない、
請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記画面の少なくとも2つのノードの空間的座標を前記アクティブな形状モデルに対して手動で与える段階を更に有する、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記画面の前記分割の段階は、
複数の異なる所定のアクティブな形状モデルを提示する段階と、選択されたモデルとして1つの前記アクティブな形状モデルを選択してユーザ入力を受ける段階と、前記選択されたモデルを前記歯科用画像に適用する段階と、を更に有する、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ入力は、歯の指定である、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記画面の前記分割の段階に続く前記歯科用画像及び前記画面を表示する段階と、
前記画面のユーザ調整を受け入れる段階と、
を更に有する、
請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記分割化は、自動である、
請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記基準オブジェクトの前記分割の段階は、
前記歯科用画像を、赤色−緑色−青色の色空間から色相−彩度−明度の色空間へ変換させる段階と、
前記歯科用画像の均一に有色であり、空間的隣接領域を検出する段階と、
前記領域のうち1つが前記基準オブジェクトの所定の性質と合う性質を有するか否かを確定する段階と、
を更に有する、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記分割段階は、前記決定段階に続いて、
前記性質が合う際、前記評価段階を停止する段階と、
前記領域の各々の前記性質と前記基準オブジェクトの前記所定の性質とが合わない際、1つ又はそれ以上の前記領域をサブ領域へと切断する段階と、
前記サブ領域のうち1つが前記基準オブジェクトの所定の性質と合う性質を有するか否かを決定する段階と、
を更に有する、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記基準オブジェクトを患者の口内に置く段階と、
前記基準オブジェクトと前記歯科用標的の画像をキャプチャする段階と、
前記歯科用画像を与えるよう前記画像をデジタル化する段階と、
を更に有し、
前記基準オブジェクトは、前記歯科用標的上で前記開始位置を定義付ける、
請求項1記載の方法。
【請求項17】
歯科用画像内で歯科用標的を位置決めすることに対するコンピュータプログラムプロダクトであって、
歯科用デジタル画像内で基準オブジェクトを分割し、分割された基準を与えるようにする段階と、
前記歯科用画像において画面を分割する段階と、
前記画面の前記分割の段階に先立って前記分割された基準に対して前記画面の寸法及び位置を定義付ける段階と、
を実行するよう格納されたコンピュータプログラムを有するコンピュータ読取り可能な記憶媒体を有し、
前記基準オブジェクトは、所定の寸法を有する、
コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項18】
歯科用シェード合わせシステムであって、
マイクロプロセッサと、コンピュータメモリと、コンピュータプログラムとを有するプログラム可能なコンピュータと、
前記メモリインタフェースに対して操作可能に接続可能であるメモリを有するデジタルカメラと、
噛むことができる基準オブジェクトと、
を有し、
前記コンピュータプログラムは、
歯科用デジタル画像内で基準オブジェクトを分割し、分割された基準を与えるようにし、前記基準オブジェクトは所定の寸法を有する段階と、
前記歯科用画像において画面を分割する段階と、
前記画面の前記分割の段階に先立って前記分割された基準に対して前記画面の寸法及び位置を定義付ける段階と、
を実行するよう前記コンピュータメモリにおいて格納され、
前記コンピュータは、前記マイクロプロセッサに対して操作可能に接続されたメモリインタフェースを有する、
システム。
【請求項19】
前記基準オブジェクトは、矩形の前面を有し、前記前面は、前記プログラムにおいて特定された寸法及び形状を有する、
請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記前面は、均一な色調スケール値を有する、
請求項19記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【公表番号】特表2007−516745(P2007−516745A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543851(P2006−543851)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/039276
【国際公開番号】WO2005/062007
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/039276
【国際公開番号】WO2005/062007
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
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