説明

残留ハンダ除去装置

【課題】基板の残留ハンダの除去を、バキューム作用を利用して達成することにより、残留ハンダを残すことなく、かつ簡単な操作で効率よく残留ハンダを除去する。
【解決手段】セットされた処理基板30に対して、バキューム除去部1と加熱部8を、近接した状態で、残留ハンダが付着した表面部分に沿って前後左右に移動可能、かつバキューム除去部1単独で上下移動可能とし、加熱部8の加熱により溶融化した残留ハンダをバキューム作用により除去することにより、残留ハンダの連続したかつ確実な除去を、速やかに簡単に達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度実装型電子部品であるデバイスを取外したプリント基板に残存するハンダを除去する、残留ハンダ除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デバイスを取外した後に、基板のピン孔部分に残留するハンダの除去手段としては、特開平06−297138号公報に示された従来技術が知られている。
【0003】
この従来技術は、表面が溶融ハンダに湿潤性であるワイヤーメッシュの複数の層を含んでなるパッド、ワイヤーメッシュの隣接したワイヤー間の複数の空隙、及びワイヤーメッシュによってパッドの中に吸引された溶融ハンダを受け入れるためのワイヤーメッシュの隣接した層間の複数の空隙を含んでハンダ除去芯を構成する。
【特許文献1】特開平06−297138号公報
【0004】
特許文献1に開示された技術による残留ハンダの除去作業は、ワイヤーメッシュを介してハンダごてで残留ハンダを加熱溶融し、この溶融した残留ハンダを、そのまま基板のピン孔からワイヤーメッシュに、毛細管現象を利用して浸透させることにより達成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、溶融した残留ハンダのワイヤーメッシュ側への浸透移動は確実に得ることができるのであるが、溶融した残留ハンダの全てがワイヤーメッシュに浸透するわけではなく、ワイヤーメッシュに接触しない状態にある溶融残留ハンダは、全くワイヤーメッシュに浸透せず、そのまま基板側に残留する、と云う問題があった。
【0006】
また、残留ハンダが位置している基板の表面に、ワイヤーメッシュをハンダごてで直接押付けなければならないので、比較的大きな作業力を必要とし、かつ溶融した残留ハンダをワイヤーメッシュに浸透させるのに時間を要するので、その作業性がきわめて悪い、と云う問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における不満点を解消すべく創案されたもので、基板の残留ハンダの除去を、バキューム作用を利用して達成することを技術的課題とし、もって残留ハンダを残すことなく、かつ簡単な操作で効率よく除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による残留ハンダ除去装置の構成要件は、
セットされた処理基板に対し、前後左右および上下に移動可能に設けられ、処理基板の選択した部分域の表面に熱風を吹き付けて、処理基板のピン孔やランド部に付着している残留ハンダを加熱溶融させる加熱部を有すること、
この加熱部と一体的に移動可能であると共に、単独で上下変位可能に設けられ、加熱部で加熱された処理基板の選択された部分域の表面中央部直上に、バキュームノズル筒のノズル口を位置させ、このノズル口に対向した処理基板のピン孔やランド部に付着している溶融した残留ハンダをバキュームノズル筒内に吸引して、処理基板から残留ハンダを除去するバキューム除去部を有すること、
にある。
【0009】
加熱部は、セットされた処理基板に対して、前後左右および上下に移動可能であるので、加熱したい処理基板の部分域の場所および広さを自由に選択設定することができ、これによりデバイスを取外した処理基板部分内に、残留ハンダを溶融すべき部分域を正確に選択設定し、この部分域内の主にピン孔やランド部に付着している残留ハンダを加熱溶融する。
【0010】
バキューム除去部は、加熱部と一体的に移動して、その主体部分であるバキュームノズル筒のノズル口が、加熱された処理基板の部分域の表面中央に対向するので、ノズル口は、必ず溶融された残留ハンダに対向することになる。
【0011】
それゆえ、目視もしくはモニターにより、処理基板に対するノズル口の位置を設定してから、バキュームノズル筒を下降変位させて、ノズル口を処理基板の表面間近に位置させることにより、このノズル口の間近に位置している処理基板の溶融した残留ハンダは、ノズル口からバキュームノズル筒内に吸引除去されることになる。
【0012】
このバキューム除去部による溶融した残留ハンダの除去は、バキューム作用により強制的に行なわれるものであるので、バキューム力を必要とする値に設定することにより、残留ハンダの充分な除去作用を得ることができることになる。
【0013】
バキューム除去部により除去される溶融残留ハンダに対し、その周囲に位置している残留ハンダも溶融されているので、ノズル口を処理基板の表面に間近に位置させた状態のまま、バキューム除去部と加熱部との組合せ物を、処理基板の表面に沿って前後左右に平行移動させることにより、バキューム除去部による残留ハンダの除去処理を、連続して実施することができることになる。
【0014】
なお、バキューム除去部のバキューム動作と、加熱部の加熱動作とは、そのタイミングが特定されるものではなく、加熱動作しながらバキューム動作を行っても良いし、加熱動作が完了してからバキューム動作を行っても良く、これらの使い分けは、残留ハンダが位置している処理基板の部分の大きさと、加熱部で選択設定された処理基板の部分域の大きさとの関係に従って、適宜に選定することになる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に、処理基板の選択した部分域の裏面に、熱風を吹き付ける下側加熱体を設けた、ことを加えたものである。
【0016】
この請求項2に記載の発明にあっては、残留ハンダを除去すべき処理基板の部分を、表裏両面から加熱することができるので、例えピン孔内に位置している残留ハンダでも、確実に溶融させることができると共に、残留ハンダを溶融させるための加熱時間を短縮することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の構成に、加熱部を構成する複数の加熱送気管を、バキューム除去部のバキュームノズル筒を取り囲む形態で配置し、加熱送気管を保持している支持枠体を、バキュームノズル筒を露出させるべく、左右に観音開き状に変位可能に構成した、ことを加えたものである。
【0018】
この請求項3に記載の発明にあっては、バキュームノズル筒のノズル口を、処理基板の加熱部分域の表面中央に対向位置させるべく、このバキュームノズル筒を取り囲んで配置されている複数の加熱送気管を、観音開き状に移動させることにより、バキュームノズル筒を露出させることができるので、この露出したバキュームノズル筒を取外すのが容易となる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の構成に、バキューム除去部を、ノズル口を下端に有するバキュームノズル筒と、このバキュームノズル筒の上端に連結され、バキューム源に接続されたバキューム管とから構成し、バキュームノズル筒を、バキューム管から分離可能とすると共に、内部の掃除が可能であるように、開放可能とした、ことを加えたものである。
【0020】
この請求項4に記載の発明にあっては、バキューム除去部の主体部分であるバキュームノズル筒を、間接的にバキューム源に接続する構成としたので、このキュームノズル筒の構造選択範囲が広く、またその取扱いが面倒とならない。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の構成に、ノズル口の口径と等しいかわずかに小さい径を有する直線細棒状の突き出し棒を、バキューム管からバキュームノズル筒内に挿入可能に設けた、ことを加えたものである。
【0022】
この請求項5に記載の発明にあっては、必要時に、突き出し棒をバキューム管からバキュームノズル筒内に挿入し、そのままノズル口からバキュームノズル筒外に突き抜けさせることにより、ノズル口に付着して固化した残留ハンダを、強制的に除去することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の構成に、操作レバーと一体に前後左右に滑動する滑動テーブルに支柱を起立固定し、この支柱の上端に固定された固定ブロックに、バキューム除去部と加熱部を組付けた支持ブロックを、ガイドレール体を介して上下方向に移動可能に組付けた、ことを加えたものである。
【0024】
この請求項6に記載の発明にあっては、ベアリングの作用により、軽く前後左右に移動変位することのできる滑動テーブルに、バキューム除去部と加熱部との組合せ物を取り付けた支柱を固定したので、このバキューム除去部と加熱部との組合せ物を、操作レバーにより前後左右に軽く移動させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の請求項1に記載の発明にあっては、加熱部により溶融状態とした残留ハンダを、バキューム除去部のバキューム作用を利用して吸引除去するので、残留ハンダの処理基板からの除去を、確実にかつ簡単に達成することができる。
【0026】
また、バキューム除去される残留ハンダの周囲に位置する、除去すべき残留ハンダも、加熱された溶融状態となっているので、バキューム動作状態にあるバキューム除去部と加熱部との組合せ物を、そのまま処理基板の表面に沿って前後左右に平行移動させることにより、バキューム除去部による残留ハンダの除去処理を、連続して実施することができることになり、これによりし残しのない除去作業を、簡単にかつ確実に得ることができる。
【0027】
請求項2に記載の発明にあっては、例えピン孔内に位置している残留ハンダでも、確実に溶融させることができると共に、残留ハンダを溶融させるための加熱時間を短縮することができるので、残留ハンダの除去を、略完全な状態で達成できると共に、効率の良い作業性を得ることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明にあっては、バキュームノズル筒を露出させることができるので、この露出したバキュームノズル筒を取外すのが容易となり、これにより除去収納した残留ハンダの取出しとか、バキュームノズル筒内の掃除とかの、バキュームノズル筒の取扱いが容易となる。
【0029】
請求項4に記載の発明にあっては、このバキュームノズル筒の構造選択範囲が広く、またその取扱いが面倒とならないので、作業条件に適合して、取り扱いし易いバキュームノズル筒を、容易に得ることができる。
【0030】
請求項5に記載の発明にあっては、必要時にノズル口に付着して固化した残留ハンダを、強制的に除去することができるので、バキューム除去部のバキューム力の劣化を防止することができ、これにより安定したバキューム除去能力を維持することができる。
【0031】
請求項6に記載の発明にあっては、バキューム除去部と加熱部の組合せ物を、操作レバーにより前後左右に軽く移動させることができるので、残留ハンダの除去作業を、片手による操作により、大きな力を要することなく、簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態例を、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0033】
図1と図2は、本発明による残留ハンダ除去装置の実施形態例の一例を示すもので、図1は全体正面図、図2は全体側面図である。
【0034】
バキューム除去部1は、下端にノズル口3を位置させた円筒状のバキュームノズル筒2と、このバキュームノズル筒2の上端に直立状に連結されて、図示省略したバキューム源に接続されたバキューム管4と、このバキューム管4に昇降変位可能に挿入組付けされた突き出し棒5を、強制的に昇降変位させるシリンダ6と、バキュームノズル筒2とバキューム管4とそしてシリンダ6を取付け支持する支持板体7とから構成されている。
【0035】
バキュームノズル筒2は、円筒体の下端に、先細状にノズル口3を形成し、円筒体の上端に、着脱により開閉可能な蓋機能部分を介して、バキューム管4を連結している。
【0036】
突き出し棒5は、ノズル口3の口径と等しいか、わずかに小さい径の直線細丸棒状となっていて、普段は、バキュームノズル筒2と同軸心で組付けられたバキューム管4内に、挿入保持されているが、必要時に、シリンダ6の作用により、先端がノズル口3から突出する(図4参照)まで変位して、このノズル口3に付着した残留ハンダを強制的に除去する。
【0037】
加熱部8は、バキュームノズル筒2を取り囲んで配置され、加熱源を内蔵して供給されてくる空気を、所望温度に加熱して下方に送出する四本の加熱送気管9と、この四本の加熱送気管9から送出された加熱空気を、処理基板30の選択された部分域に向うようにガイドするフード10と、加熱送気管9とフード10の取付け部分となる支持枠体11とから構成されている。
【0038】
支持枠体11は、バキュームノズル筒2を取り囲んでいる四本の加熱送気管9が、バキュームノズル筒2全体を前方に開放露出できるように、加熱送気管9を二本ずつ分けて支持した部分に二分割され、この二つの支持枠体11部分を、観音開き状に開放(図3参照)回動できるように、蝶番腕12と蝶番歯車13を介して後述する支持ブロック19に軸止されており、蝶番歯車13は、相互に噛合うことにより、両支持枠体11を同期して開閉させる。
【0039】
バキューム除去部1を支持している支持板体7は、加熱部8と同様に支持ブロック19に取付け(図2参照)られており、この支持ブロック19は、ガイドレール体20を介することにより、上下移動可能に、支柱18の上端部に固定された固定ブロック21に取付けられている。
【0040】
支柱18は、ベアリングにより前後左右に、軽く滑動する活動テーブル22上に、直立姿勢で固定されており、この滑動テーブル22には、操作レバー23が結合されていて、この操作レバー23を操作することにより、バキューム除去部1と加熱部8の組合せ物を、水平面内で前後左右に移動させることができる。
【0041】
図示実施形態例の場合、滑動テーブル22は、ベーステーブル24の後端部分に固定されているので、操作レバー23は前側に大きく延出した形態となっており、同様に、バキューム除去部1と加熱部8の組合せ物は、固定ブロック21とガイドレール体20と支持ブロック19を介することにより、前方に突出した状態で、支柱18に片持ち状に支持されている(図2参照)。
【0042】
ベーステーブル24の上位には、取付けテーブル25と作業テーブル27とが間隔を開けて配置されており、支柱18は、取付けテーブル25および作業テーブル27に開設された窓孔26を突き抜けて位置している。
【0043】
作業テーブル27の上には、処理基板30を保持する基板ホルダー29が配置されているが、この基板ホルダー29は上下が開放した枠構造をしていて、上端開放部に処理基板30を、着脱自在に組付け固定するものとなっている。
【0044】
ノズル口3の直下の作業テーブル27の部分には、加熱用透孔28が開口されていて、この加熱用透孔28の直下の取付けテーブル25部分には、下側加熱体14が配置されていて、この加熱用透孔28を通して加熱空気を、基板ホルダー29に保持された処理基板30に吹き付けるようにしている。
【0045】
このため、処理基板30を保持した基板ホルダー29は、処理基板30の残留ハンダが位置している部分が、ノズル口3の下、および加熱用透孔28の上に位置するように、作業テーブル27の上にセットされることになる。
【0046】
次に、残留ハンダの除去作業の手順を説明する。
基板ホルダ29による処理基板30の作業テーブル27上へのセットが完了して、ガイドレール20に沿った支持ブロック19の高さ調整が完了した状態で、操作レバー23を操作して、加熱部8を処理基板30の目的とする部分の上に位置させる。
【0047】
この際、加熱部8が選択する部分域は、処理基板30の残留ハンダが位置している部分域と等しいか、それよりも小さい広さに設定され、これにより加熱部8による加熱作用が、不必要とする部分に強く作用しないようにする。
【0048】
加熱部8の作動と相前後して、操作レバー23に付属しているスイッチによるプランジャー操作により、バキュームノズル筒2を単独で下降変位させ、そのノズル口3を、処理基板30の表面の直上に位置させ(図5の二点鎖線図示参照)、処理基板30のピン孔31付近に付着して、加熱部8により溶融された残留ハンダをバキューム除去する。
【0049】
この溶融した残留ハンダのバキューム除去作業は、バキューム除去部1と加熱部8とこ組合せ物を、操作レバー23の操作により、処理基板30の残留ハンダが付着している部分全域に亘って移動させてことになるが、この際、前後左右に移動するバキューム除去部1と加熱部8との組合せ物が、処理基板30上の正常なデバイスに突き当たって、これに損傷を与えないように、その移動範囲を規制するようにするのが望ましい。
【0050】
このための手段としては、例えば取付けテーブル25の後端部に、窓孔26を囲むようにして取付けた移動規制部15がある。
【0051】
移動規制部15(図6参照)は、調整レバー17の操作により、前後の反対方向に同期して移動する一対の規制片16と、同じく調整レバー17の操作により、左右の反対方向に同期して移動する一対の規制片16とにより構成され、両一対の規制片16を、窓孔26を突き抜けている支柱18に対して、前後左右から対峙するように配置し、調整レバー17の操作により、対となった規制片16の間隔を調整することにより支柱18の移動範囲を規制し、もってバキューム除去部1と加熱部8との組合せ物の移動範囲を規制するようにしている。
【0052】
なお、図示実施形態例にあっては、基板ホルダー29は、処理基板30を上端部に保持して、保持した処理基板30の下方に空間を形成させているが、これは裏面側に、デバイス等の電子部品を組付けたままの処理基板30を、取扱うことができるようにするためである。
【0053】
また、バキュームノズル筒2の単独での上下動変位は、プランジャーを利用したものに限定されることはなく、例えば、バキュームノズル筒2に対して上方に付勢するスプリングと、このスプリングに逆らってバキュームノズル筒2を引き下げる引き下げレバーとで構成し、この引き下げレバーを、操作レバー23を操作する手の指先で、引っ掛け操作できる位置に配置した構成も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態例を示す、全体正面図である。
【図2】図1に示した実施形態例の、全体側面図である。
【図3】図1に示した実施形態例の、要部を展開した正面図である。
【図4】バキュームノズル筒の構造例を示す、部分破断した説明図である。
【図5】バキューム除去部と加熱部の動作の、拡大断面説明図である。
【図6】移動規制部の構成例を示す、拡大平面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ;バキューム除去部
2 ;バキュームノズル筒
3 ;ノズル口
4 ;バキューム管
5 ;突き出し棒
6 ;シリンダ
7 ;支持板体
8 ;加熱部
9 ;加熱送気管
10 ;フード
11 ;支持枠体
12 ;蝶番腕
13 ;蝶番歯車
14 ;下側加熱体
15 ;移動規制部
16 ;規制片
17 ;調整レバー
18 ;支柱
19 ;支持ブロック
20 ;ガイドレール体
21 ;固定ブロック
22 ;滑動テーブル
23 ;操作レバー
24 ;ベーステーブル
25 ;取付けテーブル
26 ;窓孔
27 ;作業テーブル
28 ;加熱用透孔
29 ;基板ホルダー
30 ;処理基板
31 ;ピン孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セットされた処理基板(30)に対し、前後左右および上下に移動可能に設けられ、前記処理基板(30)の選択した部分域の表面に熱風を吹き付けて、ピン孔(31)やランド部に付着している残留ハンダを加熱溶融させる加熱部(8)と、該加熱部(8)と一体的に移動可能であると共に、単独で上下変位可能に設けられ、前記加熱部(8)で加熱された処理基板(30)の選択された部分域の表面中央部直上に、バキュームノズル筒(2)のノズル口(3)を位置させ、該ノズル口(3)に対向したピン孔(31)やランド部に付着している溶融した残留ハンダをバキュームノズル筒(2)内に吸引して、前記処理基板(30)から残留ハンダを除去するバキューム除去部(1)と、を有する残留ハンダ除去装置。
【請求項2】
処理基板(30)の選択した部分域の裏面に、熱風を吹き付ける下側加熱体(14)を設けた、請求項1に記載の残留ハンダ除去装置。
【請求項3】
複数の加熱送気管(9)を、バキュームノズル筒(2)を取り囲む形態で配置し、前記加熱送気管(9)を保持している支持枠体(11)を、前記バキュームノズル筒(2)を露出させるべく、左右に観音開き状に変位可能に構成した請求項1または2に記載の残留ハンダ除去装置。
【請求項4】
バキューム除去部(1)を、ノズル口(3)を下端に有するバキュームノズル筒(2)と、該バキュームノズル筒(2)の上端に連結され、バキューム源に接続されたバキューム管(4)とから構成し、前記バキュームノズル筒(2)を、前記バキューム管(4)から分離可能とすると共に、内部の掃除が可能であるように、開放可能とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の残留ハンダ除去装置。
【請求項5】
ノズル口(3)の口径と等しいかわずかに小さい径を有する直線細棒状の突き出し棒(5)を、バキューム管(4)からバキュームノズル筒(2)内に挿入可能に設けた請求項4に記載の残留ハンダ除去装置。
【請求項6】
操作レバー(23)と一体に前後左右に滑動する滑動テーブル(22)に支柱(18)を起立固定し、該支柱(18)の上端に固定された固定ブロック(21)に、バキューム除去部(1)と加熱部(8)を組付けた支持ブロック(19)を、ガイドレール体(20)を介して上下方向に移動可能に組付けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の残留ハンダ除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−295901(P2009−295901A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150249(P2008−150249)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000114400)メイショウ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】