説明

段間シールリング

【課題】 タービンセクション(100)を提供する。
【解決手段】本タービンセクション(100)は、一対のロータ(110、120)と、一対のロータ(110、120)間に配置されたシールリング(160)と、シールリング(160)の第1の端部(170)における第1の溶接部(190)及び該シールリング(160)の第2の端部(180)における第2の溶接部(195)とを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはガスタービンエンジン及び航空機に関し、より具体的には、溶接段間シール及びトルク伝達リングに関する。
【背景技術】
【0002】
多段タービンは一般的に、段間に配置されたスペーシング装置及び段間シールを含む。スペーシング装置は、各タービン段間に所定の間隔を維持する。段間シールは、先行段によって加圧されたガスの漏洩を防止する。具体的には、段間シールは、2つの回転ディスク間に設置することができ、またタービンノズルと協働して該タービンノズル間に流体シールを構成して、該タービンノズル間を通しての漏洩を防止又は制限するようにすることができる。航空機エンジンは、同様な設計を使用することができる。
【0003】
しかしながら、そのような段間シールは、その保全性及び信頼性についての問題を有する可能性がある。例えば、作動時における不均等温度分布により、段間シール内には比較的大きな張力が生じる可能性がある。そのような力は、ライフサイクル疲労に悪影響を与えるおそれがあり、また段間シール内に割れを拡大させるおそれさえある。さらに、公知の段間シールは一般的に、ボルト又はその他のタイプの機械的連結手段によってロータ或いはその他の場所に取付けることができる。これらの連結部は、タービンシステム全体を複雑にしかつ該タービンシステム全体に対して重量を付加することになる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4645424号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、改良型の段間シールに対する願望が存在する。そのようなシールは、適切なガス流れシール作用及びトルク伝達作用を行なうことができると同時に、取付けが容易でありかつ比較的軽量であるのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明は、タービンセクションについて記述する。本タービンセクションは、一対のロータと、一対のロータ間に配置されたシールリングと、シールリングの第1の端部における第1の溶接部及び該シールリングの第2の端部における第2の溶接部とを含むことができる。
【0007】
本発明はさらに、ガスタービンエンジンのタービンセクションを提供する。本タービンセクションは、互いに間隔を置いて配置された一対のロータと、一対のロータ間に配置されたシールリングと、シールリングの第1の端部における第1の溶接部及び該シールリングの第2の端部における第2の溶接部と、シールリング上に配置された幾つかの歯とを含むことができる。
【0008】
本発明のこれらの及びその他の特徴は、幾つかの図面及び特許請求の範囲と関連させてなした以下の詳細な説明を精査することにより、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ガスタービンエンジンの概略図。
【図2】本明細書に説明するような段間シールリングを備えたタービンセクションの一部分の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、幾つかの図全体を通して同じ参照符号が同様な要素を表している図面を参照すると、図1は、ガスタービンエンジン10の概略図を示している。公知なように、ガスタービンエンジン10は、流入空気の流れを加圧する圧縮機20を含むことができる。圧縮機20は、加圧空気の流れを燃焼器30に送給する。燃焼器30は、加圧空気の流れを加圧燃料の流れと混合しかつその混合気を点火燃焼させる。(単一の燃焼器30のみを示しているが、ガスタービンエンジンは、あらゆる数の燃焼器30を含むことができる。)次に、高温燃焼ガスが、タービン40に送給される。高温燃焼ガスは、タービン40を駆動して、機械的仕事を産生するようにする。タービン40で産生された機械的仕事は、圧縮機20を駆動しかつ発電機などのような外部負荷50を駆動する。ガスタービンエンジン10は、天然ガス、様々なタイプの合成ガス及びその他のタイプの燃料を使用することができる。ガスタービンエンジン10は、その他の構成を有することができ、また本明細書ではその他のタイプの構成要素を使用することができる。
【0011】
図2は、上記のタービン40、航空機、又は回転ディスクを備えたその他のタイプの装置の一部とすることができるタービンセクション100を示している。タービンセクション100は、図示した第1のロータディスク110及び第2のロータディスク120を含むあらゆる数のロータディスクを含むことができる。ロータディスク110、120は、互いに所定の距離だけ間隔を置いて配置される。ロータディスク110、120の各々は、図示した第1のタービンブレード130及び第2のタービンブレード140を含むタービンブレードを支持する。ステータ150又は同様な固定構造体は、タービンブレード130、140間及びディスク110、120の部分間に突出することができる。本明細書では、同様な設計を使用することができる。
【0012】
タービンセクション100はさらに、本明細書に説明するようなシールリング160を含むことができる。シールリング160は、該シールリング160の第1の端部170において第1のロータディスク110に取付けることができまた該シールリング160の第2の端部180において第2のロータディスク120に取付けることができる。シールリング160は、第1の溶接部190によって第1の端部170にまた第2の溶接部195によって第2の端部180に取付けることができる。本明細書では、その他のタイプの連結手段を使用することもできる。溶接部190、195は、連続したもの又は断続したものとすることができる。シールリング160は、あらゆる数のラビリンス歯200又は同様なタイプのシールを含むことができる。ラビリンス歯200は、ステータ150に面するように配置することができる。あらゆる数のラビリンス歯200を使用することができる。ラビリンス歯200は、あらゆる所望の寸法及び形状を有することができる。
【0013】
使用中に、シールリング160は、ラビリンス歯200を使用することによって漏洩を適切に防止する。シールリング160自体はまた、それを通してトルクを伝達する。溶接部190、195を使用することにより、公知の設計で使用するようなナット及びボルトを排除して、軽量設計を可能にするようにする。シールリング160はさらに、スペーサの使用を排除して、タービン40全体のコスト及び重量を低減するようにする。さらに、従ってシール変位量を最小にして、より良好な間隙を設けるようにする。より少ない部品の使用を可能にして、全体コストも同様に低減することができる。シールリング160は、あらゆるタイプの回転部品間で使用することができる。
【0014】
上記の説明は本発明の一部の実施形態のみに関するものであること並びに本明細書において当業者は特許請求の範囲及びその均等物によって定まる本発明の一般的技術思想及び技術的範囲から逸脱せずに多くの変更及び修正を加えることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0015】
10 ガスタービンエンジン
20 圧縮機
30 燃焼器
40 タービン
50 外部負荷
100 タービンセクション
110 第1のロータ
120 第2のロータ
130 第1のブレード
140 第2のブレード
150 ステータ
160 シールリング
170 第1の端部
180 第2の端部
190 第1の溶接部
195 第2の溶接部
200 歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンセクション(100)であって、
一対のロータ(110、120)と、
前記一対のロータ(110、120)間に配置されたシールリング(160)と、
前記シールリング(160)の第1の端部(170)における第1の溶接部(190)及び該シールリング(160)の第2の端部(180)における第2の溶接部(195)と
を備えるタービンセクション(100)。
【請求項2】
前記一対のロータ(110、120)に取付けられた一対のタービンブレード(130、140)をさらに含む、請求項1記載のタービンセクション(100)。
【請求項3】
前記一対のロータ(110、120)間に配置されたステータ(150)をさらに含む、請求項1記載のタービンセクション(100)。
【請求項4】
前記第1及び第2の溶接部(190、195)が連続溶接部(190)を含む、請求項1記載のタービンセクション(100)。
【請求項5】
前記第1及び第2の溶接部(190、195)が断続溶接部(190)を含む、請求項1記載のタービンセクション(100)。
【請求項6】
前記シールリング(160)が複数の歯(200)を含む、請求項1記載のタービンセクション(100)。
【請求項7】
前記複数の歯(200)が複数のラビリンス歯(200)を含む、請求項6記載のタービンセクション(100)。
【請求項8】
前記シールリング(160)が前記一対のロータ(110、120)間でトルクを伝達する、請求項1記載のタービンセクション(100)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−47403(P2011−47403A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187744(P2010−187744)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】