殺菌水生成装置とその生成方法
【課題】原水の圧力を利用して、アルカリ性希釈液、酸希釈液の送出、アルカリ性希釈液、酸希釈液、原水の混合を行い、殺菌水の生成を行う殺菌水生成装置とその生成方法を提供する。
【解決手段】本発明は、所定の濃度のアルカリ性希釈液と所定の濃度の酸希釈液とを混合して所定の濃度、pHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、アルカリ性希釈液を貯留するための第1貯留装置10と、酸希釈液を貯留するための第2貯留装置20と、第1貯留装置からアルカリ性希釈液を送出するための第1希釈液定量送出装置と、第2貯留装置から酸希釈液を送出するための第2希釈液定量送出装置とを有する希釈液送出手段30と、送出されたアルカリ性希釈液、酸希釈液と、原水とを混合室内で混合して殺菌水を生成するための液体混合手段40とからなる。第1希釈液定量送出装置、第2希釈液定量送出装置は、一つの希釈液送出駆動装置31により駆動される。
【解決手段】本発明は、所定の濃度のアルカリ性希釈液と所定の濃度の酸希釈液とを混合して所定の濃度、pHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、アルカリ性希釈液を貯留するための第1貯留装置10と、酸希釈液を貯留するための第2貯留装置20と、第1貯留装置からアルカリ性希釈液を送出するための第1希釈液定量送出装置と、第2貯留装置から酸希釈液を送出するための第2希釈液定量送出装置とを有する希釈液送出手段30と、送出されたアルカリ性希釈液、酸希釈液と、原水とを混合室内で混合して殺菌水を生成するための液体混合手段40とからなる。第1希釈液定量送出装置、第2希釈液定量送出装置は、一つの希釈液送出駆動装置31により駆動される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の濃度のアルカリ性希釈液と、所定の濃度の酸希釈液と、原水とを混合して殺菌水を生成する殺菌水生成装置とその生成方法に関する。さらに詳しくは、送水路を送水される原水の圧力を利用して、アルカリ性希釈液、酸希釈液の送出を行うとともに、アルカリ性希釈液、酸希釈液、及び、原水の混合を行い、所定の濃度、所定のpHの殺菌水の生成を行う殺菌水生成装置とその生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザ、ノロウィルス、病原性大腸菌O157、その他の細菌、ウィルスなどによる感染予防の対策の一つとして消毒殺菌が行われている。従来から、アルコール、イオン殺菌水等で消毒殺菌する方法がよく行われている。また、所定のpH、濃度に調整された次亜塩素酸ナトリウムを利用した殺菌水、除菌水等が、消毒効果、殺菌効果を有することが知られている。さらに、次亜塩素酸ナトリウムを利用した殺菌水は、pHが高いと次亜塩素酸イオンが増加して殺菌作用が低下し、pHが低いと塩素ガスが発生して危険であることも知られている。そのため、所定のpHに調整された殺菌水等を生成するための殺菌水生成装置、殺菌水生成方法について種々の提案がされている。
【0003】
次亜塩素酸ナトリウムを利用する殺菌水に関する従来技術について、特許文献に基づいて説明を行う。例えば、次亜塩素酸ナトリウムと希釈した酸との混合物のpHと、混合液の次亜塩素酸の濃度とを所定の範囲内に調整して、殺菌水の製造を行う「次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力増強方法」、「殺菌水製造方法及び装置」に関する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、薬液(次亜塩素酸ナトリウム、塩酸)のメインタンクとサブタンクとが配設された「殺菌水生成装置」に関する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3の技術では、サブタンクの薬液量を、減算タイマーによる時間監視と、管路内に配設された液切れセンサとでチェックすることが記載されている。さらに、殺菌水を確実に供給するために、pH計と流量計とを備え、流れ停止制御を行う「殺菌水製造装置」に関する技術も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3573185号公報
【特許文献2】特開平11−188083号公報
【特許文献3】特許第3975330号公報
【特許文献4】登録実用新案第3058642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の殺菌水生成装置、殺菌水製造装置では、次亜塩素酸ナトリウムと酸との供給、混合等を行うために、ポンプ、電磁弁、センサ、制御装置等を必要とするものであり、インフラストラクチャー(以下、略称の「インフラ」と記載する。)整備が不十分で電気事情の不安定な地域では、安定的に使用することが困難である。また、災害等が発生し、電線の遮断、電力供給設備の破損、故障等により、電気が供給されないなど厳しい生活環境下において、緊急に感染予防等のための殺菌水が必要とする場合にも、使用することができないという問題点があった。
【0007】
さらに、従来の殺菌水生成(製造)装置は、装置の構成が簡素でなく、センサ、制御装置等による制御が必要であり、どんな条件下においても、信頼性を維持するのが容易でないという恐れがあった。また、従来の殺菌水生成(製造)装置は、熟練した保守管理者でないとメンテナンスが容易に行うことができないという問題点もある。さらに、インフラ整備が不十分な地域では、殺菌水生成装置が故障した場合、その場所で、交換部品が容易に調達でき、修理できるものであることが好ましい。一方、どんな地域、場所にも持ち運びが容易で、水の供給さえあれば、すぐに殺菌水を生成できる殺菌水生成装置の開発が要望されていた。
【0008】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたもので、次の目的を達成する。
本発明の目的は、送水路を送水される原水の圧力を利用して、アルカリ性希釈液、酸希釈液の所定量ずつの送出、アルカリ性希釈液、酸希釈液、及び、原水の混合を行い、所定の濃度、所定のpHの殺菌水の生成を行うことができる殺菌水生成装置とその生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の殺菌水生成装置は、
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液と所定の濃度に希釈された酸希釈液とを混合して所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、前記アルカリ性希釈液を貯留するための第1貯留装置と、前記酸希釈液を貯留するための第2貯留装置と、前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を送出するための第1希釈液定量送出装置と、前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を送出するための第2希釈液定量送出装置とを有する希釈液送出手段と、前記第1希釈液定量送出装置から送出された前記アルカリ性希釈液と、前記第2希釈液定量送出装置から送出された前記酸希釈液と、原水とが流入する混合室を有し、前記原水の流動により、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を、前記混合室内で混合して殺菌水を生成するための液体混合手段とからなり、前記第1希釈液定量送出装置及び前記第2希釈液定量送出装置は、前記原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により、所定量の前記アルカリ性希釈液及び所定量の前記酸希釈液を送出するものであることを特徴とする。
【0010】
本発明2の殺菌水生成装置は、本発明1において、
前記第1希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第1シリンジ装置であり、前記第2希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第2シリンジ装置であり、前記第1シリンジ装置と前記第2シリンジ装置とは併設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明3の殺菌水生成装置は、本発明1または2において、
前記第1希釈液定量送出装置は、前記アルカリ性希釈液の送出量を調整可能になっているものであり、前記第2希釈液定量送出装置は、前記酸希釈液の送出量を調整可能になっているものであることを特徴とする。
【0012】
本発明4の殺菌水生成装置は、本発明1から3において、
前記原水を送水源から送水するための送水路には、開栓状態にすることにより前記殺菌水の生成を開始し、閉栓状態とすることにより前記殺菌水の生成を終了するための送水栓が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明5の殺菌水生成装置は、本発明1から4において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液の貯留液量、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液の貯留液量が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて前記原水の送水を中断するための送水路開閉手段を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明6の殺菌水生成装置は、本発明5において、
前記送水路開閉手段は、前記アルカリ性希釈液の液面、及び/または、前記酸希釈液の液面に浮上しているフロート体と、前記フロート体の上下移動に連動して前記送水路を開閉させるための開閉弁とからなるものであることを特徴とする。
【0015】
本発明7の殺菌水生成装置は、本発明1から6において、
前記液体混合手段は、前記混合室内に流入した前記原水が、前記混合室内で内壁面側から中央部に渦を巻くように流動することにより、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水が混合されて前記殺菌水の生成を行うものであることを特徴とする。
【0016】
本発明8の殺菌水生成装置は、本発明1から7において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であることを特徴とする。
【0017】
本発明9の殺菌水生成方法は、
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液を第1貯留装置に貯留する工程と、所定の濃度に希釈された酸希釈液を第2貯留装置に貯留する工程と、一方向に送水される原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により第1希釈液定量送出装置及び第2希釈液定量送出装置を駆動して、前記第1希釈液定量送出装置が前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を、前記第2希釈液定量送出装置が前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を、吸入して、送出するための希釈液送出工程と、前記希釈液送出工程において送出された前記アルカリ性希釈液及び前記酸希釈液と、前記原水とが混合室に流入し、前記原水の流動により、前記混合室内で前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を混合して、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成するための殺菌水生成工程とからなっている。
【0018】
本発明10の殺菌水生成方法は、本発明9において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて、前記原水の送水を中断するための工程を備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明11の殺菌水生成方法は、本発明9または10において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の殺菌水生成装置は、上水道、給水設備、井戸、河川等から送水路に送水される原水の圧力(水圧)のみを利用して殺菌水を生成することができる。言い換えると、電気を必要としないため、インフラ整備が不十分で電気、電力事情の不安定な地域、災害等で電力供給ができない地域等で使用するのに好適な装置とすることができる。また、この殺菌水生成装置は、送水栓を開いて開栓状態にすれば殺菌水の生成を開始し、送水栓を閉じて閉栓状態にすれば殺菌水の生成を終了するものであり、取り扱いがたいへん簡単である。さらに、この殺菌水生成装置は、簡素でコンパクトな構成のものであり、持ち運び、運搬、搬送、設置等が容易である。すなわち、この殺菌水生成装置は、どんな地域、場所にも持ち運びが容易で、水の供給さえあれば、すぐに殺菌水を生成することができる。
【0021】
この殺菌水生成装置には、第1貯留装置の第1タンク本体内のアルカリ性希釈液(例えば、次亜塩素酸ナトリウム希釈液)、第2貯留装置の第2タンク本体内の酸希釈液(例えば、酢酸希釈液)の少なくともどちらか一方の貯留液量が、所定量以下に減少した場合、または不足した場合に、送水路を強制的に閉じて殺菌水の生成を中断するための送水路開閉手段が設けられている。そのため、アルカリ性希釈液、酸希釈液の貯留液量不足により、アルカリ性希釈液、酸希釈液が所定量ずつ供給されないことで、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成できないことを防止できる。さらに、この殺菌水生成装置は、送水される原水の水量に連動して、アルカリ性希釈液、及び、酸希釈液が所定量ずつ供給される構成になっているため、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を、いつでも、安定して生成することができる。この殺菌水生成装置は、殺菌水の生成処理を行うための制御装置、センサ等が不要である。
【0022】
この殺菌水生成装置の希釈液送出手段は、外部から、作業者が、アルカリ性希釈液、酸希釈液の送出量を容易に調整できるものであり、濃度調整等の操作性を向上させることができる。また、アルカリ性希釈液、酸希釈液の種類が変更になったときにも、送出量の変更が容易にできる。
【0023】
液体混合手段を構成している部品、アルカリ性希釈液流路、酸希釈液流路、送水路等を構成しているチューブ、ホース等は、取り外して清掃することが容易であり、かつ、殺菌水生成装置の各部位は簡素な構成なものであり、信頼性の向上、メンテナンス性の向上が図れる。また、この殺菌水生成装置を構成している部品は、特殊な部品でなく、入手が容易なものであり、殺菌水生成装置を設置した地域で容易に修理、メンテナンスを行うことができる。さらに、保守は、現地で簡単な教育を受けた人が行うことが可能であり、熟練したメンテナンス要員を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図である。
【図2】図2は、実施の形態1の殺菌水生成装置の希釈液送出手段を示す正面図である。
【図3】図3は、実施の形態1の殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路開状態を示す断面図である。
【図4】図4は、実施の形態1の殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路閉状態を示す断面図である。
【図5】図5は、実施の形態1の殺菌水生成装置の液体混合手段を示す断面図である。
【図6】図6は、図5をA−A線で切断した断面図である。
【図7】図7は、図5をB−B線で切断した断面図である。
【図8】図8は、実施の形態1の殺菌水生成装置の液体混合手段の第2ノズル体(第3ノズル体)を示す部分断面図である。
【図9】図9は、実施の形態1の殺菌水生成装置のチェック機能付インジケータの断面図である。
【図10】図10は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図であって、希釈液送出手段が吸入終了状態にあることを示している。
【図11】図11は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図であって、希釈液送出手段が吸入開始状態にあることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態1、2を、図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図、図2は、殺菌水生成装置の次亜塩素酸ナトリウム希釈液(アルカリ性希釈液)及び酢酸希釈液(酸希釈液)を送出する希釈液送出手段を示す正面図、図3は、殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路開状態を示す断面図、図4は、殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路閉状態を示す断面図である。図5は、殺菌水生成装置の液体混合手段を示す断面図、図6は、図5をA−A線で切断した断面図、図7は、図5をB−B線で切断した断面図である。図8は、殺菌水生成装置の液体混合手段の第2ノズル体(第3ノズル体)を示す部分断面図である。図9は、殺菌水生成装置のチェック機能付インジケータの断面図である。
【0026】
なお、本発明の実施の形態1、2の説明における「アルカリ性希釈液」は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である。また、「酸希釈液」は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である。そして、以下に行う実施の形態1、2では、「アルカリ性希釈液」を「次亜塩素酸ナトリウム希釈液」とし、「酸希釈液」を「酢酸希釈液」として説明を行う。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置1は、次亜塩素酸ナトリウム希釈液(以下、次亜希釈液と記載する)を貯留する第1貯留装置10、酢酸希釈液を貯留する第2貯留装置20、次亜希釈液及び酢酸希釈液を送出する希釈液送出手段30、次亜希釈液、酢酸希釈液、及び、原水を混合攪拌する液体混合装置40、原水を送水するための送水路6、次亜希釈液を流通させるための次亜塩素酸ナトリウム希釈液流路(以下、次亜希釈液流路と記載する)15、酢酸希釈液を流通させるための酢酸希釈液流路25等から構成されている。
【0028】
〔第1貯留装置、第2貯留装置、送水路開閉手段〕
図1に従って、所定の濃度に希釈された次亜希釈液を貯留するための第1貯留装置10、所定の濃度に希釈された酢酸希釈液を貯留するための第2貯留装置20、送水路6を開閉する送水路開閉手段60について説明を行う。
送水路6aには、送水栓7が設けられている。使用者が送水栓7を開いて開栓状態としたとき、送水路6a内を原水が流通し、殺菌水を生成を行うことができる。また、使用者が送水栓7を閉じて閉栓状態としたとき、殺菌水の生成が中止(中断)される。原水は、送水栓7を開いて開栓状態にすることにより、送水源5から、送水路開閉手段60側に送水される。送水路開閉手段60は、第1貯留装置10に、次亜希釈液が貯留されているか否かにより、送水路6aと送水路6bとの間を開閉するものである。すなわち、送水路開閉手段60は、次亜希釈液が無いとき、次亜希釈液が所定量より少ないとき等に、殺菌水の生成処理を行って、濃度、pHが所定の範囲内に入っていない殺菌水(例えば、濃度が薄い殺菌水)が生成されることを防止している。
【0029】
例えば、吸入部材14の一端(第1タンク本体11の底部)側の端部である下端が貯留されている次亜希釈液にギリギリ没するように位置している状態であると、振動等により液面が変動したり揺れたりすると空気を吸入してしまうおそれがある。また、吸入部材14の下端より、貯留されている次亜希釈液の液面の位置(液位)が低いと次亜希釈液を吸入することができない。この送水路開閉手段60は、濃度、pHが所定の範囲外の殺菌水を生成してしまうことを防止するための安全装置である。この原水は、上水道水、給水設備から給水される水であればよく、河川、井戸、溜め池等から内燃機関で駆動されるポンプ、手動ポンプ等で汲み出される水等であってもよい。
【0030】
第1貯留装置10は、次亜希釈液を貯留するための第1タンク本体11と、次亜希釈液を攪拌するための攪拌板13aが下部に設けられた第1攪拌部材13と、次亜希釈液を注入するための注入口を開閉可能に覆っている第1キャップ部材12と、第1タンク本体11から次亜希釈液を吸入するための吸入部材14等から構成されている。吸入部材14は、一端側(下端側)が第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液内に所定長さ以上没するように、他端側が第1タンク本体11の蓋部の上部に突出するように設けられている。第1タンク本体11内にはフロート体66が設けられており、次亜希釈液の液面に浮上している。すなわち、次亜希釈液の液位が低下するとフロート体66が下降移動し、次亜希釈液の液位が上がるとフロート体66が上昇移動する。第1攪拌部材13は、第1タンク本体11内の次亜希釈液を攪拌して、次亜希釈液の濃度を一定にするためのものである。
【0031】
第2貯留装置20は、酢酸希釈液を貯留している第2タンク本体21と、酢酸希釈液を攪拌するための第2攪拌板23aが下部に設けられた第2攪拌部材23と、酢酸希釈液を注入するための注入口を開閉可能に覆っている第2キャップ部材22と、第2タンク本体21から酢酸希釈液を吸入するための吸入部材24等から構成されている。吸入部材24は、一端側(第2タンク本体21の底部側である下端側)が第2タンク本体21に貯留されている酢酸希釈液内に所定長さ以上没するように、他端側が第2タンク本体21の蓋部の上部に突出するように設けられている。第2攪拌部材23は、第2タンク本体21内の酢酸希釈液を攪拌して、酢酸希釈液の濃度を一定にするためのものである。
【0032】
図3、4に従って、送水路開閉手段60について、さらに説明を行う。
送水路開閉手段60は、送水路6を形成する送水路6aと送水路6bとの間を開閉して送水路を連通状態、遮断状態するものであって、下部本体61、上部本体62、プランジャ部材64、ダイアフラム弁体63、フロート体66、連結部材65等から構成されている。下部本体61、上部本体62、プランジャ部材64、ダイアフラム弁体63等は、フロート体66の上下移動に連動して送水路を開閉する開閉弁を構成するものである。下部本体61には、流入ポート部61cと流出ポート部61dが形成され、流入ポート部61cと流出ポート部61dとの間に隔壁部61f、弁座部61eが設けられ、流入ポート部61cと流出ポート部61dとを仕切って別室に分けている。弁座部61eには、弁孔61aが設けられている。下部本体61と上部本体62との間には、ダイアフラム弁体63が設けられており、上部本体62とダイアフラム弁体63との間にはダイアフラム室62cが形成されている。下部本体61と上部本体62とは、ボルト68、68で固定されている。下部本体61と上部本体62との間には、シール部材69が設けられている。
【0033】
ダイアフラム弁体63には、細穴(小穴)67が設けられている。また、ダイアフラム弁体63は中央部が肉厚部になっており、肉厚部にパイロット孔63aが設けられている。ダイアフラム弁体63の下部端には、傾斜面部63bが設けられている。弁座部61eの弁孔61aの上部には、傾斜孔部61bが設けられている。傾斜面部63bと傾斜孔部61bとは対向するように設けられている。上部本体62には、プランジャ部材64が進退移動可能に設けられている。プランジャ部材64の外周部にはシール部材64cが設けられている。また、プランジャ部材64の先端部64bには、シール部材64aが設けられている。
【0034】
連結部材65は、一端側がフロート体66に、他端側がプランジャ部材64に固定されている。上部本体62の上部側には穴62aが設けられ、連結部材65は他端側がこの穴62aを貫通し、プランジャ部材64に固定されている。第1タンク本体11内に次亜希釈液が所定量以上貯留されている場合、フロート体66が所定の位置まで浮上している。このフロート体66の上昇移動は、連結部材65を介して、プランジャ部材64を上昇移動させる。従って、流入ポート部61cから流入した原水は、弁孔61aを通過して流出ポート部61d側に流れる。
【0035】
殺菌水を生成することにより、第1タンク本体11内に貯留されている次亜希釈液の貯留液量が減少していくとフロート体66は、下方側に移動する。貯留されている次亜希釈液の貯留液量が所定量(次亜希釈液の液位の高さが下限側設定置)以下になった場合、フロート体66は、下限側位置まで下降移動する。液位の高さの下限側設定値とは、例えば、吸入部材14の下端(一端側の端部)が、第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液内に所定寸法(例えば、5〜10mm)没している高さ位置である。また、第1タンク本体11内の次亜希釈液の液面から液面の下方に位置する吸入部材14の下端までの長さであり、吸入部材14の下端が、貯留されている次亜希釈液の液面の高さとほぼ同じになると、吸入部材14から空気を吸入するおそれが生じるので、その状態になるのを回避するための高さ位置である。フロート体66が下方側に下降移動すると、連結部材65で連結されているプランジャ部材64を下降させる。フロート体66の高さが下限側位置に達したとき、プランジャ部材64の先端部64bのシール部材64aがダイアフラム弁体63の上面部63cに当接し、ダイアフラム弁体63を弾性変形させ弁座部61eに当接させる。このとき、プランジャ部材64はパイロット孔63aを塞ぐようになる。
【0036】
流入ポート部61cに流入した原水は、細穴67を通過してダイアフラム室62c内に供給される。ダイアフラム室62c内の圧力が、流出ポート部61d側の圧力より高くなる。このダイアフラム室62cと流出ポート部61dとの圧力差により、ダイアフラム弁体63が弁座部61eに押し付けられ、ダイアフラム弁体63の傾斜面部63bと弁座部61eの傾斜孔部61bとが閉状態となる。すなわち、流入ポート部61cと流出ポート部61dとが閉じられた状態になり、流入ポート部61c側の原水は流出ポート部61d側に流れなくなり、流出ポート部61dから原水が流出しない(図4参照)。すなわち、次亜希釈液の貯留液量が下限側設定値以下であると、安定した濃度、pHの殺菌水を生成できないおそれがあり、開閉弁を閉じて原水の送水を中断することで殺菌水の生成を強制的に中断する。
【0037】
第1タンク本体11内に次亜希釈水が注入、供給されると、次亜希釈水の液面が上昇し、この液面の上昇に伴いフロート体66が上方側に上昇移動する。このフロート体66の上昇移動すると、フロート体66に連結部材65を介して連結されているプランジャ部材64が連動して上昇移動する。プランジャ部材64が上昇移動することでパイロット孔63aとの当接状態が解消され、ダイアフラム室62cと流出ポート部61dとの圧力差がなくなり、ダイアフラム弁体63が水平な状態に戻り、流入ポート部61c側から流出ポート部61d側に原水が流れていくようになる(図3参照)。
【0038】
なお、この実施の形態1の説明では、第1タンク本体側に送水路開閉手段を設けているが、送水路開閉手段を第2タンク本体側に設け、酢酸希釈液の貯留液量が所定量以下になったとき、送水路を遮断するようにしてもよい。また、送水路開閉手段を、第1タンク本体、第2タンク本体の両方に設け、次亜希釈液、酢酸希釈液の少なくともどちらか一方の貯留液量が下限側設定値以下になったとき、送水路を閉じて送水を中断するように構成してもよい。
【0039】
〔希釈液送出手段〕
図1、2に従って、次亜希釈液及び酢酸希釈液を送出する希釈液送出手段30の説明を行う。
希釈液送出手段30は、シリンジ式プランジャポンプ(シリンジ式ピストンポンプ)であり、希釈液送出駆動装置31と、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)27、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)37等から構成されている。希釈液送出駆動装置31は、ハウジング32、段付ピストン33等から構成され、入口側34から出口側35に圧力流体を供給することで、段付ピストン33の面積差と、段付ピストン33に設けられた穴を交互に閉鎖可能な弁部材を有する作動手段との作用により、駆動軸体36を軸線方向に進退移動させる公知の技術(例えば、特許第3366917号公報、特開昭61−46479号公報、US4558715号公報、US5137435号公報等参照)であり、この形態の説明では、詳細な説明を省略する。
【0040】
なお、希釈液送出駆動装置31の入口側34から出口側35に圧力流体(この形態では、原水)を流通させることにより、この圧力流体の圧力等を利用して駆動軸体36を軸線方向に進退移動させることができる機構のものであれば、前述した公報の機構のものに限定されることはなく他の機構のものであってもよい。例えば、圧力流体の流れにより羽根車、タービン等を回転させ、羽根車軸、タービン軸に設けられた偏心カムの回転運動によるリフト量でシリンジ装置を作動(往復運動)させてもよい。この場合、圧力流体の流量に比例して、偏心カム(羽根車、タービン)は回転し、この圧力流体の流量に連動してシリンジ装置を往復運動させることになる。
【0041】
駆動軸体36の上部には、取付部材36aが設けられている。シリンジ装置27の筒部材(シリンジ部材)27a、シリンジ装置37の筒部材(シリンジ部材)37aは、希釈液送出駆動装置31の固定側に取り付けられた取付部材36bに、固定部材36cを介して固定されている。この固定部材36cは、取付部材36bと筒部材27a、取付部材36bと筒部材37aとを結束するように一体に固定する結束部材(結束バンド)である。シリンジ装置27、シリンジ装置37は、筒部材27aの軸線と筒部材37aの軸線とが、相互に、平行または略平行になるように併設されている。また、シリンジ装置27の筒部材27aの内径部には、一端側にガスケットが設けられた押子(プランジャ)28が挿入されている。押子28の他端側は、筒部材27aより突き出ており、押子28の他端部28aが、取付部材36aに固定部材39を介して固定されている。
【0042】
さらに、シリンジ装置37の筒部材37aの内径部には、一端側にガスケットが設けられた押子(プランジャ)38が挿入されている。押子38の他端側は、筒部材37aより突き出ており、押子38の他端部38aが、取付部材36aに固定部材39を介して固定されている。従って、駆動軸体36が軸線方向に進退移動(往復運動)すると、併設されたシリンジ装置27、シリンジ装置37の押子28、押子38が、筒部材27a、筒部材37aに対して往復運動する。また、シリンジ装置27、シリンジ装置37の筒部材27a、筒部材37aに対して、押子28、押子38の位置が所定の位置に調整、固定されていると、1往復(1サイクル)する毎に、次亜希釈液、酢酸希釈液を定量(所定の量)ずつ送出することができる。なお、シリンジ装置27の軸線とシリンジ装置37の軸線とは、一つの希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36の進退移動により、押子28、押子38が往復運動して、次亜希釈液、酢酸希釈液を定量ずつ送出できれば、略平行な状態に併設されていてもよい。また、シリンジ装置はガラス製等のものであればガスケットがなくてもよい。
【0043】
筒部材27の先端部には、ノズル部27bが形成されている。ノズル部27bには、T字状のT型継手29aの第1接続部が接続されている。T型継手29aの第2接続部は、酢酸希釈液流路25bを介して、チェック機能付インジケータ(以下、インジケータと記載)75の出口部に接続されている。インジケータ75の入口側は、酸希釈液流路25aの一端が接続され、酢酸希釈液流路25aの他端は第2タンク本体21の吸入部材24の他端に接続されている。T型継手29aの第3接続部には、酢酸希釈液流路25cの一端が接続されている。なお、この形態の酢酸希釈液流路25a、25b、25cは、配管用チューブ、配管用ホース等で構成されている。また、酢酸希釈液流路25a、25b、25cが、酢酸希釈液流路25を構成するものである。
【0044】
筒部材37の先端部には、ノズル部37bが形成されている。ノズル部37bには、T字状のT型継手29bの第1接続部が接続されている。T型継手29bの第2接続部は、次亜希釈液流路15bを介して、チェック機能付インジケータ(以下、インジケータと記載)70の出口部に接続されている。インジケータ70の入口側は、次亜希釈液流路15aの一端が接続され、次亜希釈液流路15aの他端は第1タンク本体11の吸入部材14の他端に接続されている。T型継手29bの第3接続部には、次亜希釈液流路15cの一端が接続されている。なお、この形態の次亜希釈液流路15a、15b、15cは、配管用チューブ、配管用ホース等で構成されている。また、次亜希釈液流路15a、15b、15cが、次亜希釈液流路15を構成するものである。
【0045】
〔チェック機能付インジケータ〕
図9に従って、次亜希釈液の流れの有無を示すインジケータ70、酢酸希釈液の流れの有無を示すインジケータ75の説明を行う。
インジケータ70は、中央部に大径部、一方の端部側(入口側)に第1接続部71a、他方の端部側(出口側)に第2接続部71bが形成されるとともに、大径部の一方の側に傾斜穴部71cが形成されたインジケータ本体71と、インジケータ本体71の内部に設けられた球体72とから構成されている。第1接続部71aには、次亜希釈液流路15aの一端が接続されている。第2接続部71bには、次亜希釈液流路15bが接続されている。インジケータ70は、次亜希釈液が、実線で示した矢印の方向に流通すると、球体72はインジケータ本体71の大径部に移動するので、次亜希釈液が正常に送出されていることが確認できる(実線で示した球体72参照)。また、次亜希釈液が、点線で示した矢印の方向に流通(逆流)しようとすると、球体72は傾斜穴部71cを塞ぎ、流通させないように作用する(2点鎖線で示した球体72参照)。すなわち、チェック弁の機能を果たす。
【0046】
インジケータ75は、中央部に大径部、一方の端部側(入口側)に第1接続部76a、他方の端部側(出口側)に第2接続部76bが形成されるとともに、大径部の一方の側に傾斜穴部76cが形成されたインジケータ本体76と、インジケータ本体76の内部に設けられた球体77とから構成されている。第1接続部76aには、酢酸希釈液流路25aの一端が接続されている。第2接続部76bには、酢酸希釈液流路25bが接続されている。インジケータ75は、酢酸希釈液が、実線で示した矢印の方向に流通すると、球体77はインジケータ本体76の大径部に移動するので、酢酸希釈液が正常に送出されていることが確認できる(実線で示した球体77参照)。また、酢酸希釈液が、点線で示した矢印の方向に流通(逆流)しようとすると、球体77は傾斜穴部76cを塞ぎ、流通させないように作用する(2点鎖線で示した球体77参照)。すなわち、チェック弁の機能を果たす。
【0047】
〔液体混合手段〕
図1、図5〜8に従って、次亜希釈液、酢酸希釈液、及び、原水の混合を行うための液体混合手段40の説明を行う。
液体混合手段40は、円筒状の筒状体41と、筒状体41の一方の開口部側に覆う第1カバー体42と、筒状体41の他方の開口部側を覆う第2カバー体43等から構成されている。筒状体41、第1カバー体42、第2カバー体43が混合本体を形成する。筒状体41と第1カバー体42との間にはシール部材49aが、筒状体41と第2カバー体43との間にはシール部材49bが設けられ、混合本体の内部が密閉された空間である混合室47となるように一体に固定されている。
【0048】
また、液体混合手段40は、混合本体の内部に原水を流入させるための第1ノズル体46、混合本体の混合室47内に次亜希釈液を流入させるための第2ノズル体50、混合本体の混合室47内に酢酸希釈液を流入させるための第3ノズル体51、混合本体の混合室47内で混合された混合液である殺菌水を混合本体の外部に流出させるための第4ノズル体44等を備えている。なお、混合室47の容量は、希釈液送出駆動装置31の駆動により、シリンジ装置27の押子28が1往復(1サイクル)したとき送出する次亜希釈液の容量と、シリンジ装置37の押子38が1往復(1サイクル)したとき送出する酢酸希釈液の容量と、希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36を1往復(1サイクル)させるときの原水の容量とを加算した容量の数倍(例えば、1.5〜2倍)以上であるとよい。このようにすることにより、間欠的に混合室47内に流入する各液体を確実に混合することができ、生成された殺菌水の濃度に脈流が生じることを防止させることができる。すなわち、所定の濃度、所定のpHの殺菌水が、常時、安定して生成される。
【0049】
第1ノズル体46は、第2カバー体43に形成された穴を貫通するとともに第2カバー体43に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第1ノズル体46は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第1ノズル体46の混合室47内の一端側は、密閉部材48が接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着固定され、一端側の端部が密閉部材48で密閉されている。また、第1ノズル体46は、混合室47内に突出している部位の外周部に穴46aが形成されている。第1ノズル体46の他端側には、コネクタ59が固定されている。コネクタ59には、希釈液送出手段30の希釈液送出駆動装置31の出口側35に一端が接続された送水路6c(図1、2参照)の他端が接続されている。希釈液送出手段30を通過した原水が、送水路6cの内部、コネクタ59、第1ノズル体46を矢印f3方向に流れ、第1ノズル体46の穴46aから混合室47内に流入する。
【0050】
第2ノズル体50は、第1カバー体42に形成された穴を貫通するとともに第1カバー体42に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第2ノズル体50は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第2ノズル体50の他端には、次亜希釈液流路15cの他端が接続されている。第2ノズル体50は、混合室47内の一端側端部が、密閉用ねじ部材54で密閉されている。また、第2ノズル体50は、混合室47内に突出している部位の外周部に穴50a(図7、8参照)が形成されている。この第2ノズル体50の外周部には、穴50aを覆うように弾性チューブ部材52が被せられている。この弾性チューブ部材52は、第2ノズル体50の内部50bの圧力が高くなると、図8に2点鎖線で示した弾性チューブ部材52のように膨らんで第2ノズル体50側から混合室47内に次亜希釈液を流入させる。また、弾性チューブ部材52は、第2ノズル体50の内部50bの圧力が低くなると、図8に実線で示した弾性チューブ部材52のように、第2ノズル体50の外周部に密着し穴50aを遮蔽して、混合室47内の液体が、混合室47側から第2ノズル体50側に流入(逆流)するのを阻止する。
【0051】
第3ノズル体51は、第1カバー体42に形成された穴を貫通するとともに第1カバー体42に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第3ノズル体51は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第3ノズル体51の他端には、酢酸希釈液流路25cの他端が接続されている。第3ノズル体51は、混合室47内の一端側端部が、密閉用ねじ部材55で密閉されている。また、第3ノズル体51は、混合室47内に突出している部位の外周部に穴51a(図7、8参照)が形成されている。この第3ノズル体51の外周部には、穴51aを覆うように弾性チューブ部材53が被せられている。この弾性チューブ部材53は、第3ノズル体51の内部51bの圧力が高くなると、図8に2点鎖線で示した弾性チューブ部材53のように膨らんで第3ノズル体51側から混合室47内に酢酸希釈液を流入させる。また、弾性チューブ部材53は、第3ノズル体51の内部51bの圧力が低くなると、図8に実線で示した弾性チューブ部材53のように第3ノズル体51の外周部に密着し穴51aを遮蔽して、混合室47内の液体が、混合本体の混合室47側から第3ノズル体51側に流入(逆流)するのを阻止する。
【0052】
第4ノズル体44は、第1カバー体42の中央に形成された穴を貫通するとともに第1カバー体42に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第4ノズル体44は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第4ノズル体44の混合本体内の一端側には、密閉部材45が接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着固定され、一端側の端部が密閉部材45で密閉されている。また、第4ノズル体44は、混合室47内に突出している部位の外周部に複数の穴44aが形成されている。第4ノズル体44の他端側には、コネクタ58が固定されている。コネクタ58には、殺菌水を送出するための殺菌水送出路8が接続されている。第2ノズル体50と第3ノズル体51は、第4ノズル体44を挟んでほぼ対称な位置に設けられている(図7参照)。また、複数の穴44aは、第2ノズル体50、第3ノズル体51が並んでいる方向に対して直交する方向に設けられている。この配置により、第2ノズル体50から流入した次亜希釈液、第3ノズル体51から流入した酢酸希釈液が、すぐに第4ノズル体44から流出しないで、原水とよく攪拌されるようにしている。第1ノズル体46は、混合室47の内壁面と第2ノズル体50、第3ノズル体51が並んでいる方向の直線とが接する位置における混合室47の内壁面の接線方向に対してほぼ平行な方向に、穴46aから原水を噴出する。
【0053】
第1ノズル体46の穴46aから噴出され混合室47内に流入した原水は、原水の水圧、流れにより混合室47の内壁面に沿って、または、内壁面とほぼ平行な回転方向に沿って、矢印Pで示すように混合室47内を回転しながら流動する(図6参照)。その後、原水は、混合室47内で回転流動しながら内壁面側から中央部側に順次移動し、渦を巻くような流動運動を行う。また、第2ノズル体50の穴50aから混合室47内に流入した次亜希釈液、第3ノズル体51の穴51aから混合室47内に流入した酢酸希釈液は、原水の渦を巻くような流動運動によって攪拌され、次亜希釈液、酢酸希釈液、原水が確実に混合むらを生じさせることなく混合する。このとき、混合室47の容量は、希釈液送出駆動装置31が1往復の進退移動したときの次亜希釈液、酢酸希釈液、原水の各容量を加算した容量より数倍(例えば、1.5〜2倍)以上としている。このことにより、殺菌水は濃度等に脈流を生じることがなく、所定の濃度、所定のpHの殺菌水が、安定して生成できる。なお、混合室47は、内壁面が円筒形状のものとして説明を行っているが、内壁面が各液体を流動運動させて混合できる形状のもの(例えば、略円筒状、楕円形状、長円形状、多角形状等)であってもよい。
【0054】
混合室47内において、次亜希釈液、酢酸希釈液、原水が攪拌、混合され生成された殺菌水は、順次、流入してくる次亜希釈液、酢酸希釈液、原水に押し出され、混合室47から第4ノズル体44側に流入する。すなわち、攪拌、混合され生成された殺菌水は、矢印Q方向に示すように、混合本体のほぼ中央に位置している第4ノズル体44の穴44aから第4ノズル体44内に流入し、第4ノズル体44、殺菌水送出路8を矢印f4方向に流れていく。殺菌水は、所定の濃度〔例えば、0.001〜0.1%(10〜1000PPM)〕、所定のpH(例えば、pH3.0〜6.0)に生成された殺菌水である。
【0055】
この殺菌水生成装置1は、送水される原水の圧力を利用するとともに原水の水量に連動して、シリンジ装置27、シリンジ装置37の押子28、押子38が往復運動し、次亜希釈液、酢酸希釈液が所定の量ずつ供給されるようになっている装置である。そのため、第1タンク本体11、第2タンク本体21に貯留される次亜希釈液、酢酸希釈液の濃度が一定になるように管理さえすれば、所定の濃度、所定のpHの殺菌水がいつでも生成することができ、生成のための制御装置が不要である。すなわち、原水の送水が可能であれば、殺菌水の生成が可能であり、電気、電力を必要としない。また、殺菌水生成装置1は、簡素で、コンパクトなものであり、持ち運び、運搬、搬送が容易である。さらに、この殺菌水生成装置1は、送水源5と送水路6とを接続し、第1タンク本体11、第2タンク本体21に次亜希釈液、酢酸希釈液を注入するだけで殺菌水を生成することが可能であり、設置も容易である。
【0056】
また、液体混合手段40、シリンジ装置27、シリンジ装置37、次亜希釈液流路15a〜15c、15を構成する配管用チューブ、酢酸希釈液流路25a〜25c、25を構成する配管用チューブ、送水路6a〜6c、6、殺菌水送出路8を構成する配管用チューブ、配管用ホース等は、分解して洗浄することが容易なものであり、また、組立等も容易なものである。すなわち、メンテナンスがたいへん容易なものとなっている。
【0057】
殺菌水送出路8の途中には、殺菌水が所定のpH、濃度で混合されているか否かを確認するための試薬による確認装置78(図1参照)が設けられている。この試薬による確認は、例えば、pH、残留塩素濃度等について、試薬を加えた殺菌水の発色と標準色との比色で行うことができる。
【0058】
〔殺菌水生成方法〕
本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置の殺菌水生成方法について説明を行う。
第1貯留装置10の第1タンク本体11に、所定の濃度に希釈した次亜希釈液を所定の液位位置まで所定の液量分注入する。第2貯留装置20の第2タンク本体21に、所定の濃度に希釈した酸希釈液を所定の液位位置まで所定の液量分注入する。
【0059】
送水栓7を開いて開栓状態にして、送水源5から送水路6a内に原水を流す。このとき、第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液の液位が下限側設定値以下の高さであれば、送水路開閉手段60のフロート体66が下限側位置に下降移動し、送水路開閉手段60が送水路6を閉じて送水を行わないため、殺菌水生成装置1のシリンジ装置27、シリンジ装置37等が作動しない。すなわち、次亜希釈液の貯留液量が所定量(下限側設定値)以下であると、所定の濃度、所定のpHの殺菌水が安定して生成できないおそれがあり殺菌水の生成を強制的に中断する。次亜希釈液の貯留液位が下限側設定値以上の高さであれば、送水路開閉手段60のフロート体66は上昇移動し送水路6aと送水路6bとを連通させ、原水を希釈液送出手段30側に送出する。
【0060】
希釈液送出手段30の希釈液送出駆動装置31は、原水が流通することにより、駆動軸体36を進退移動(往復運動)させる。希釈液送出駆動装置31は、駆動軸体36の進退移動により、併設されたシリンジ装置27、シリンジ装置37を作動させる。シリンジ装置27は筒部材27aに対して押子28を、シリンジ装置37は筒部材37aに対して押子38を往復運動させる。押子28、押子38が下降移動すると、筒部材27a、筒部材37a内の圧力が各々低下し負圧状態になろうとする。この圧力低下により、液体混合手段40の第2ノズル体50の弾性チューブ部材52は、第2ノズル体50の外周部に引きつけられ第2ノズル体50の穴50aを遮蔽する。同様に、第3ノズル体51の弾性チューブ部材53も第3ノズル体51の外周部に引きつけられ第3ノズル体51の穴51aを遮蔽する。
【0061】
従って、シリンジ装置27は、第1タンク本体11から次亜希釈液を所定量吸入する。また、シリンジ装置37は、第2タンク本体21から酢酸希釈液を所定量吸入する。この次亜希釈液、酢酸希釈液の吸入量はシリンジ装置27の筒部材27a、シリンジ装置37の筒部材37aの内径寸法と、押子28、押子38の移動量とで調整可能なものである。仮に、筒部材27a、筒部材37aの内径寸法が一定でも、押子28、押子38の移動量を調整変更可能な構成にすれば、次亜希釈液、酢酸希釈液の吸入量(送出量)を調整することができる。
【0062】
次に、押子28、押子38が上昇移動すると、筒部材27a、筒部材37aの内部の圧力は各々上昇する。この圧力上昇により、インジケータ70の球体72が傾斜穴部71cに、インジケータ75の球体77が傾斜穴部76cに押し付けられ閉じられる。一方、液体混合手段40の第2ノズル体50の弾性チューブ部材52は膨らんで、第2ノズル体50の穴50aを開口状態にする。同様に、第3ノズル体51の弾性チューブ部材53も膨らんで、第3ノズル体51の穴51aを開口状態にする。
従って、シリンジ装置27の筒部材27a内の次亜希釈液は、穴50aから混合本体の混合室47内に流入する。シリンジ装置37の筒部材37a内の酢酸希釈液は、穴51aから混合室47内に流入する。
【0063】
すなわち、駆動軸体36の進退移動により、シリンジ装置27は、第1タンク本体11から次亜希釈液の吸入、次亜希釈液の混合室47側への吐出、送出を繰り返し行う。同様に、シリンジ装置37は、第2タンク本体21から酢酸希釈液の吸入、酢酸希釈液の混合室47側への吐出、送出を繰り返し行う。混合本体の混合室47へは、次亜希釈液、酢酸希釈液が、断続的に、パルス状に吐出され順次混合される。混合室47の容量は、流入してくる次亜希釈液、酢酸希釈液、原水の容量を加算したものより数倍(例えば、1.5〜2倍)以上大きくなっているので、殺菌水の濃度に脈動を生じさせることがなく、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を安定して生成することができる。
【0064】
この殺菌水生成装置1の殺菌水生成方法は、送水される原水の圧力を利用するとともに原水の水量に連動して、シリンジ装置27の押子28、シリンジ装置37の押子38が往復運動し、混合本体の混合室47へ次亜希釈液、酢酸希釈液が所定の量ずつ供給されるようになっている。そのため、第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液の濃度、第2タンク本体21に貯留されている酢酸希釈液の濃度が、一定、ほぼ一定になるように管理されていれば、所定の濃度、所定のpHの殺菌水がいつでも確実に生成することができ、生成のための制御装置が不要である。
【0065】
液体混合装置40では、混合本体の混合室47内で、原水、次亜希釈液、酢酸希釈液の混合攪拌が施され、混合されたものが殺菌水として生成される。生成された殺菌水は、殺菌水送出路8を流れ、殺菌水流出口から流れ出る。なお、殺菌水の生成を中止(中断)する場合には、送水栓7を閉じて閉栓状態とすればよい。
【0066】
〔実施の形態2〕
図10、11に基づいて、本発明の実施の形態2の殺菌水生成装置の説明を行う。この実施の形態2の殺菌水生成装置は、希釈液送出手段の希釈液の送出量を調整可能な形態にしたものである。図10は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的示す説明図であって、希釈液送出手段が吸入終了状態(吐出開始状態)の位置にあることを一部断面にした図で示している。図11は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図であって、希釈液送出手段が吐出終了状態(吸入開始状態)の位置にあることを一部断面にした図で示している。なお、この実施の形態2の説明では、前述した実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付与し、詳細な説明を省略している。
【0067】
希釈液送出手段130は、希釈液送出駆動装置31と、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)127、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)137等から構成されている。シリンジ装置127の筒部材127a、及び、シリンジ装置137の筒部材137aは、希釈液送出手段30の固定側に設けられている取付部材36bに、固定部材36cを介して固定されている。この形態2の固定部材36cは、取付部材36bに設けられた穴を介して筒部材127aの外周部と取付部材36b、筒部材137aの外周部と取付部材36bに、各々、巻き付けられ、取付部材36bと筒部材127a、取付部材36bと筒部材137aを、結束するように一体に固定する結束部材(結束バンド)である。
【0068】
筒部材127aの内径部には、先端にガスケットが設けられた押子128の軸部が挿入されている。筒部材127aの開口側に形成されたフランジ部127bと、押子128のフランジ部128aとの間には、筒部材127aに対して押子128が離れる方向(図10における下側方向)に、常時、付勢している付勢部材(圧縮ばね)84が設けられている。筒部材137aの内径部には、先端にガスケットが設けられた押子138の軸部が挿入されている。筒部材137aの開口側に形成されたフランジ部137bと、押子138のフランジ部138aとの間には、筒部材137aに対して押子138が離れる方向(図10における下側方向)に、常時、付勢している付勢部材(圧縮ばね)84が設けられている。
【0069】
希釈液送出駆動装置31の固定側には、ストッパ部材85、85が設けられている。ストッパ部材85、85は、筒部材127a、筒部材137aに対して、押子128、押子138が離れる方向(希釈液を吸入する方向)に移動したとき、押子128、押子138が所定の距離以上に移動することを規制するものである。
【0070】
希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36の先端側(シリンジ装置127、シリンジ装置137と対向する側)には、押圧部材83が固定されている。押圧部材83には、ストッパねじ部材81、81がねじ込まれており、押圧部材83から押子128、押子138を押圧する部位までの高さを調整可能にしている。また、押圧部材83には、ストッパねじ部材81、81が所定の位置に調整されたとき、押圧部材83にストッパねじ部材81、81を固定するためのねじ固定部材82、82が設けられている。
【0071】
この実施の形態2の駆動軸体36は、符号「A」で示す位置から符号「C」で示す位置の間(移動ストロークS0間)を往復移動するものであるが、押子128、押子138は符号「A」で示す位置から符号「B」で示す位置の間(移動ストロークS間)を往復移動する。言い換えると、希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36の駆動力は利用しているが、シリンジ装置127の押子128、シリンジ装置137の押子138の往復移動量を所定の距離に調整して、シリンジ装置127、シリンジ装置137を、1往復、往復運動させたときの次亜希釈液、酢酸希釈液の液体混合手段40側への送出量(吸入、吐出量)を所定の量に調整できる構成になっている。
【0072】
なお、この実施の形態2の殺菌水生成装置では、押圧部材83に対してストッパねじ部材81、81を調整可能な構成にして、押子128、押子138の移動量を調整可能にしているが、希釈液の種類、濃度等をあまり変更する必要がない場合にはストッパねじ部材を設けない構成のものであってもよい。また、ストッパ部材85、85側を調整可能な構成にしてもよい。
【0073】
図10、11に示すように、次亜希釈液流路15aにはチェック弁89が設けられており、次亜希釈液が、第1タンク本体11側からシリンジ装置127側へ流れることを可とし、シリンジ装置127側から第1タンク本体11側へ流れることを阻止している。次亜希釈液流路15cにはチェック弁86が設けられ、次亜希釈液が、シリンジ装置127側から液体混合手段40側へ流れることを可とし、液体混合手段40側からシリンジ装置127側に流れることを阻止している。
【0074】
酢酸希釈液流路25aにはチェック弁87が設けられており、酢酸希釈液が、第2タンク本体21側からシリンジ装置137側へ流れることを可とし、シリンジ装置137側から第2タンク本体21側へ流れることを阻止している。酢酸希釈液流路25cにはチェック弁88が設けられ、酢酸希釈液が、シリンジ装置137側から液体混合手段40側へ流れることを可とし、液体混合手段40側からシリンジ装置137側に流れることを阻止している。
この実施の形態2の殺菌水生成装置では、このような構成にすることにより、インジケータ70、インジケータ75にチェック弁機能を持たせることを不要としている。また、第2ノズル体50の弾性チューブ部材52、第3ノズル体51の弾性チューブ部材53に、チェック弁機能を持たせることを不要としている。
【0075】
実施の形態2の殺菌水生成装置の殺菌水生成方法について説明を行う。
液体混合手段40へ送出する次亜希釈液、酢酸希釈液の送出量を、所定の量にするためストッパねじ部材81、81を調整し、ねじ固定部材82、82で固定する。
【0076】
送水路6の送水栓7を開栓状態にして、希釈液送出駆動装置31に原水を送水し、駆動軸体36を往復運動させる。駆動軸体36が下端位置にあるとき、駆動軸体36の押圧部材83、ストッパねじ部材81、81は符号「C」で示す位置に位置している。駆動軸体36が上昇動作を行うと、符号「B」で示す位置においてストッパねじ部材81、81が押子128、138と当接し、ストッパねじ部材81、81が、付勢部材84、84の付勢力に抗して、符号「A」で示す位置に達するまで押子128、138を上昇動作させる。このとき、次亜希釈液の圧力により、チェック弁89は閉状態となり、チェック弁86は開状態となる。すなわち、シリンジ装置127内の次亜希釈液は、次亜希釈液流路15c、チェック弁86を介して液体混合手段40側に送出される。同様に、酢酸希釈液の圧力により、チェック弁87は閉状態となり、チェック弁88は開状態となる。すなわち、シリンジ装置137内の酢酸希釈液は、酢酸希釈液流路25c、チェック弁88を介して液体混合手段40側に送出される。
【0077】
駆動軸体36が上端位置に達するとストッパねじ部材が符号「A」で示す位置に達し、この位置において、駆動軸体36は移動方向を反転し下降動作を行う。押子128、押子138も付勢部材84、84の作用により下降し、符号「B」位置まで下降する。ストッパねじ部材81、81が符号「B」で示す位置に達したとき、押子128、押子138は、ストッパ部材85、85と当接し下降動作を停止する。この下降動作のとき、筒部材127a内は負圧になろうとするので、チェック弁89は開状態となり、チェック弁86は閉状態となる。すなわち、次亜希釈液は、第1タンク本体11側からシリンジ装置127側に次亜希釈液流路15a、チェック弁89を介して吸入される。同様に、下降動作のとき、筒部材137a内は負圧になろうとするので、チェック弁87は開状態となり、チェック弁88は閉状態となる。すなわち、酢酸希釈液は、第2タンク本体21側からシリンジ装置137側に酢酸希釈液流路25a、チェック弁87を介して吸入される。
【0078】
駆動軸体36はさらに下降動作を行い、下端位置に達し、ストッパねじ部材81、81が符号「C」で示す位置に達したとき移動方向を反転し上昇動作を行う。駆動軸体36は、符号「A」−符号「C」間の上昇、下降動作を繰り返す。このとき、シリンジ装置127、シリンジ装置137は、次亜希釈液の吸入、送出動作、酢酸希釈液の吸入、送出動作を繰り返し行う。
シリンジ装置127、シリンジ装置137から送出され、液体混合手段40に流入した次亜希釈液、酢酸希釈液と、送水路6cから送水され、液体混合手段40に流入した原水とは、混合室47内で攪拌、混合されて、殺菌水を生成する。生成された殺菌水は、殺菌水送出路8を流れ、殺菌水流出口から流れ出る。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、次亜塩素酸ナトリウム希釈液(アルカリ性希釈液)は、第1貯留装置において、次亜塩素酸ナトリウム原液(アルカリ性薬品の原液)と原水とを混合させ、所定の濃度に希釈したものであってもよい。同様に、酢酸希釈液(酸希釈液)は、第2貯留装置において、酢酸原液(酸原液)と原水とを混合させ、所定の濃度に希釈したものであってもよい。
【0080】
また、固定部材は、取付部材にシリンジ装置を固定できるものであれば、他の構成のものであってもよい。例えば、固定部材は、シリンジ装置の筒部材の外周部が挿入される内周部と、内周部と外周部との間に形成されたすり割り部(スリット)と、すり割り部の間隔を狭めるねじ部材と、取付部材に固定するための固定部とを有するものであって、取付部材に固定された固定部材の内周部に、筒部材の外周部を挿入した状態ですり割り部の間隔をねじ部材で狭め、取付部材に筒部材を固定するものであってもよい。
【0081】
さらに、希釈液定量送出装置(シリンジ装置)の筒部材の下部側部位(開口部側の部位)、押子(プランジャ)等が、原水の水中に位置するように構成し、筒部材の内周面、押子の外周面が常に水に濡れているような状態にしてもよい。また、筒部材に水供給穴を形成し、筒部材の内周面と押子の外周面との間に原水を少量供給するような水経路を設けた構成にしてもよい。このようにすると、希釈液定量送出装置(シリンジ装置)の筒部材に対する押子の往復運動がよりスムースとなる。
【符号の説明】
【0082】
1…殺菌水生成装置
5…送水源
6、6a、6b、6c…送水路
7…送水栓
8…殺菌水送出路
10…第1貯留装置
11…第1タンク本体
15、15a、15b、15c…次亜塩素酸ナトリウム希釈液流路(次亜希釈液流路)
20…第2貯留装置
21…第2タンク本体
25、25a、25b、25c…酢酸希釈液流路
27、37…シリンジ装置(希釈液定量送出装置)
30、130…希釈液送出手段
31…希釈液送出駆動装置
40…液体混合手段
60…送水路開閉手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の濃度のアルカリ性希釈液と、所定の濃度の酸希釈液と、原水とを混合して殺菌水を生成する殺菌水生成装置とその生成方法に関する。さらに詳しくは、送水路を送水される原水の圧力を利用して、アルカリ性希釈液、酸希釈液の送出を行うとともに、アルカリ性希釈液、酸希釈液、及び、原水の混合を行い、所定の濃度、所定のpHの殺菌水の生成を行う殺菌水生成装置とその生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザ、ノロウィルス、病原性大腸菌O157、その他の細菌、ウィルスなどによる感染予防の対策の一つとして消毒殺菌が行われている。従来から、アルコール、イオン殺菌水等で消毒殺菌する方法がよく行われている。また、所定のpH、濃度に調整された次亜塩素酸ナトリウムを利用した殺菌水、除菌水等が、消毒効果、殺菌効果を有することが知られている。さらに、次亜塩素酸ナトリウムを利用した殺菌水は、pHが高いと次亜塩素酸イオンが増加して殺菌作用が低下し、pHが低いと塩素ガスが発生して危険であることも知られている。そのため、所定のpHに調整された殺菌水等を生成するための殺菌水生成装置、殺菌水生成方法について種々の提案がされている。
【0003】
次亜塩素酸ナトリウムを利用する殺菌水に関する従来技術について、特許文献に基づいて説明を行う。例えば、次亜塩素酸ナトリウムと希釈した酸との混合物のpHと、混合液の次亜塩素酸の濃度とを所定の範囲内に調整して、殺菌水の製造を行う「次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力増強方法」、「殺菌水製造方法及び装置」に関する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、薬液(次亜塩素酸ナトリウム、塩酸)のメインタンクとサブタンクとが配設された「殺菌水生成装置」に関する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3の技術では、サブタンクの薬液量を、減算タイマーによる時間監視と、管路内に配設された液切れセンサとでチェックすることが記載されている。さらに、殺菌水を確実に供給するために、pH計と流量計とを備え、流れ停止制御を行う「殺菌水製造装置」に関する技術も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3573185号公報
【特許文献2】特開平11−188083号公報
【特許文献3】特許第3975330号公報
【特許文献4】登録実用新案第3058642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の殺菌水生成装置、殺菌水製造装置では、次亜塩素酸ナトリウムと酸との供給、混合等を行うために、ポンプ、電磁弁、センサ、制御装置等を必要とするものであり、インフラストラクチャー(以下、略称の「インフラ」と記載する。)整備が不十分で電気事情の不安定な地域では、安定的に使用することが困難である。また、災害等が発生し、電線の遮断、電力供給設備の破損、故障等により、電気が供給されないなど厳しい生活環境下において、緊急に感染予防等のための殺菌水が必要とする場合にも、使用することができないという問題点があった。
【0007】
さらに、従来の殺菌水生成(製造)装置は、装置の構成が簡素でなく、センサ、制御装置等による制御が必要であり、どんな条件下においても、信頼性を維持するのが容易でないという恐れがあった。また、従来の殺菌水生成(製造)装置は、熟練した保守管理者でないとメンテナンスが容易に行うことができないという問題点もある。さらに、インフラ整備が不十分な地域では、殺菌水生成装置が故障した場合、その場所で、交換部品が容易に調達でき、修理できるものであることが好ましい。一方、どんな地域、場所にも持ち運びが容易で、水の供給さえあれば、すぐに殺菌水を生成できる殺菌水生成装置の開発が要望されていた。
【0008】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたもので、次の目的を達成する。
本発明の目的は、送水路を送水される原水の圧力を利用して、アルカリ性希釈液、酸希釈液の所定量ずつの送出、アルカリ性希釈液、酸希釈液、及び、原水の混合を行い、所定の濃度、所定のpHの殺菌水の生成を行うことができる殺菌水生成装置とその生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の殺菌水生成装置は、
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液と所定の濃度に希釈された酸希釈液とを混合して所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、前記アルカリ性希釈液を貯留するための第1貯留装置と、前記酸希釈液を貯留するための第2貯留装置と、前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を送出するための第1希釈液定量送出装置と、前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を送出するための第2希釈液定量送出装置とを有する希釈液送出手段と、前記第1希釈液定量送出装置から送出された前記アルカリ性希釈液と、前記第2希釈液定量送出装置から送出された前記酸希釈液と、原水とが流入する混合室を有し、前記原水の流動により、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を、前記混合室内で混合して殺菌水を生成するための液体混合手段とからなり、前記第1希釈液定量送出装置及び前記第2希釈液定量送出装置は、前記原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により、所定量の前記アルカリ性希釈液及び所定量の前記酸希釈液を送出するものであることを特徴とする。
【0010】
本発明2の殺菌水生成装置は、本発明1において、
前記第1希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第1シリンジ装置であり、前記第2希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第2シリンジ装置であり、前記第1シリンジ装置と前記第2シリンジ装置とは併設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明3の殺菌水生成装置は、本発明1または2において、
前記第1希釈液定量送出装置は、前記アルカリ性希釈液の送出量を調整可能になっているものであり、前記第2希釈液定量送出装置は、前記酸希釈液の送出量を調整可能になっているものであることを特徴とする。
【0012】
本発明4の殺菌水生成装置は、本発明1から3において、
前記原水を送水源から送水するための送水路には、開栓状態にすることにより前記殺菌水の生成を開始し、閉栓状態とすることにより前記殺菌水の生成を終了するための送水栓が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明5の殺菌水生成装置は、本発明1から4において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液の貯留液量、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液の貯留液量が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて前記原水の送水を中断するための送水路開閉手段を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明6の殺菌水生成装置は、本発明5において、
前記送水路開閉手段は、前記アルカリ性希釈液の液面、及び/または、前記酸希釈液の液面に浮上しているフロート体と、前記フロート体の上下移動に連動して前記送水路を開閉させるための開閉弁とからなるものであることを特徴とする。
【0015】
本発明7の殺菌水生成装置は、本発明1から6において、
前記液体混合手段は、前記混合室内に流入した前記原水が、前記混合室内で内壁面側から中央部に渦を巻くように流動することにより、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水が混合されて前記殺菌水の生成を行うものであることを特徴とする。
【0016】
本発明8の殺菌水生成装置は、本発明1から7において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であることを特徴とする。
【0017】
本発明9の殺菌水生成方法は、
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液を第1貯留装置に貯留する工程と、所定の濃度に希釈された酸希釈液を第2貯留装置に貯留する工程と、一方向に送水される原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により第1希釈液定量送出装置及び第2希釈液定量送出装置を駆動して、前記第1希釈液定量送出装置が前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を、前記第2希釈液定量送出装置が前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を、吸入して、送出するための希釈液送出工程と、前記希釈液送出工程において送出された前記アルカリ性希釈液及び前記酸希釈液と、前記原水とが混合室に流入し、前記原水の流動により、前記混合室内で前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を混合して、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成するための殺菌水生成工程とからなっている。
【0018】
本発明10の殺菌水生成方法は、本発明9において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて、前記原水の送水を中断するための工程を備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明11の殺菌水生成方法は、本発明9または10において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の殺菌水生成装置は、上水道、給水設備、井戸、河川等から送水路に送水される原水の圧力(水圧)のみを利用して殺菌水を生成することができる。言い換えると、電気を必要としないため、インフラ整備が不十分で電気、電力事情の不安定な地域、災害等で電力供給ができない地域等で使用するのに好適な装置とすることができる。また、この殺菌水生成装置は、送水栓を開いて開栓状態にすれば殺菌水の生成を開始し、送水栓を閉じて閉栓状態にすれば殺菌水の生成を終了するものであり、取り扱いがたいへん簡単である。さらに、この殺菌水生成装置は、簡素でコンパクトな構成のものであり、持ち運び、運搬、搬送、設置等が容易である。すなわち、この殺菌水生成装置は、どんな地域、場所にも持ち運びが容易で、水の供給さえあれば、すぐに殺菌水を生成することができる。
【0021】
この殺菌水生成装置には、第1貯留装置の第1タンク本体内のアルカリ性希釈液(例えば、次亜塩素酸ナトリウム希釈液)、第2貯留装置の第2タンク本体内の酸希釈液(例えば、酢酸希釈液)の少なくともどちらか一方の貯留液量が、所定量以下に減少した場合、または不足した場合に、送水路を強制的に閉じて殺菌水の生成を中断するための送水路開閉手段が設けられている。そのため、アルカリ性希釈液、酸希釈液の貯留液量不足により、アルカリ性希釈液、酸希釈液が所定量ずつ供給されないことで、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成できないことを防止できる。さらに、この殺菌水生成装置は、送水される原水の水量に連動して、アルカリ性希釈液、及び、酸希釈液が所定量ずつ供給される構成になっているため、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を、いつでも、安定して生成することができる。この殺菌水生成装置は、殺菌水の生成処理を行うための制御装置、センサ等が不要である。
【0022】
この殺菌水生成装置の希釈液送出手段は、外部から、作業者が、アルカリ性希釈液、酸希釈液の送出量を容易に調整できるものであり、濃度調整等の操作性を向上させることができる。また、アルカリ性希釈液、酸希釈液の種類が変更になったときにも、送出量の変更が容易にできる。
【0023】
液体混合手段を構成している部品、アルカリ性希釈液流路、酸希釈液流路、送水路等を構成しているチューブ、ホース等は、取り外して清掃することが容易であり、かつ、殺菌水生成装置の各部位は簡素な構成なものであり、信頼性の向上、メンテナンス性の向上が図れる。また、この殺菌水生成装置を構成している部品は、特殊な部品でなく、入手が容易なものであり、殺菌水生成装置を設置した地域で容易に修理、メンテナンスを行うことができる。さらに、保守は、現地で簡単な教育を受けた人が行うことが可能であり、熟練したメンテナンス要員を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図である。
【図2】図2は、実施の形態1の殺菌水生成装置の希釈液送出手段を示す正面図である。
【図3】図3は、実施の形態1の殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路開状態を示す断面図である。
【図4】図4は、実施の形態1の殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路閉状態を示す断面図である。
【図5】図5は、実施の形態1の殺菌水生成装置の液体混合手段を示す断面図である。
【図6】図6は、図5をA−A線で切断した断面図である。
【図7】図7は、図5をB−B線で切断した断面図である。
【図8】図8は、実施の形態1の殺菌水生成装置の液体混合手段の第2ノズル体(第3ノズル体)を示す部分断面図である。
【図9】図9は、実施の形態1の殺菌水生成装置のチェック機能付インジケータの断面図である。
【図10】図10は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図であって、希釈液送出手段が吸入終了状態にあることを示している。
【図11】図11は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図であって、希釈液送出手段が吸入開始状態にあることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態1、2を、図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図、図2は、殺菌水生成装置の次亜塩素酸ナトリウム希釈液(アルカリ性希釈液)及び酢酸希釈液(酸希釈液)を送出する希釈液送出手段を示す正面図、図3は、殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路開状態を示す断面図、図4は、殺菌水生成装置の送水路開閉手段を示す図であって、送水路閉状態を示す断面図である。図5は、殺菌水生成装置の液体混合手段を示す断面図、図6は、図5をA−A線で切断した断面図、図7は、図5をB−B線で切断した断面図である。図8は、殺菌水生成装置の液体混合手段の第2ノズル体(第3ノズル体)を示す部分断面図である。図9は、殺菌水生成装置のチェック機能付インジケータの断面図である。
【0026】
なお、本発明の実施の形態1、2の説明における「アルカリ性希釈液」は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である。また、「酸希釈液」は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である。そして、以下に行う実施の形態1、2では、「アルカリ性希釈液」を「次亜塩素酸ナトリウム希釈液」とし、「酸希釈液」を「酢酸希釈液」として説明を行う。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置1は、次亜塩素酸ナトリウム希釈液(以下、次亜希釈液と記載する)を貯留する第1貯留装置10、酢酸希釈液を貯留する第2貯留装置20、次亜希釈液及び酢酸希釈液を送出する希釈液送出手段30、次亜希釈液、酢酸希釈液、及び、原水を混合攪拌する液体混合装置40、原水を送水するための送水路6、次亜希釈液を流通させるための次亜塩素酸ナトリウム希釈液流路(以下、次亜希釈液流路と記載する)15、酢酸希釈液を流通させるための酢酸希釈液流路25等から構成されている。
【0028】
〔第1貯留装置、第2貯留装置、送水路開閉手段〕
図1に従って、所定の濃度に希釈された次亜希釈液を貯留するための第1貯留装置10、所定の濃度に希釈された酢酸希釈液を貯留するための第2貯留装置20、送水路6を開閉する送水路開閉手段60について説明を行う。
送水路6aには、送水栓7が設けられている。使用者が送水栓7を開いて開栓状態としたとき、送水路6a内を原水が流通し、殺菌水を生成を行うことができる。また、使用者が送水栓7を閉じて閉栓状態としたとき、殺菌水の生成が中止(中断)される。原水は、送水栓7を開いて開栓状態にすることにより、送水源5から、送水路開閉手段60側に送水される。送水路開閉手段60は、第1貯留装置10に、次亜希釈液が貯留されているか否かにより、送水路6aと送水路6bとの間を開閉するものである。すなわち、送水路開閉手段60は、次亜希釈液が無いとき、次亜希釈液が所定量より少ないとき等に、殺菌水の生成処理を行って、濃度、pHが所定の範囲内に入っていない殺菌水(例えば、濃度が薄い殺菌水)が生成されることを防止している。
【0029】
例えば、吸入部材14の一端(第1タンク本体11の底部)側の端部である下端が貯留されている次亜希釈液にギリギリ没するように位置している状態であると、振動等により液面が変動したり揺れたりすると空気を吸入してしまうおそれがある。また、吸入部材14の下端より、貯留されている次亜希釈液の液面の位置(液位)が低いと次亜希釈液を吸入することができない。この送水路開閉手段60は、濃度、pHが所定の範囲外の殺菌水を生成してしまうことを防止するための安全装置である。この原水は、上水道水、給水設備から給水される水であればよく、河川、井戸、溜め池等から内燃機関で駆動されるポンプ、手動ポンプ等で汲み出される水等であってもよい。
【0030】
第1貯留装置10は、次亜希釈液を貯留するための第1タンク本体11と、次亜希釈液を攪拌するための攪拌板13aが下部に設けられた第1攪拌部材13と、次亜希釈液を注入するための注入口を開閉可能に覆っている第1キャップ部材12と、第1タンク本体11から次亜希釈液を吸入するための吸入部材14等から構成されている。吸入部材14は、一端側(下端側)が第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液内に所定長さ以上没するように、他端側が第1タンク本体11の蓋部の上部に突出するように設けられている。第1タンク本体11内にはフロート体66が設けられており、次亜希釈液の液面に浮上している。すなわち、次亜希釈液の液位が低下するとフロート体66が下降移動し、次亜希釈液の液位が上がるとフロート体66が上昇移動する。第1攪拌部材13は、第1タンク本体11内の次亜希釈液を攪拌して、次亜希釈液の濃度を一定にするためのものである。
【0031】
第2貯留装置20は、酢酸希釈液を貯留している第2タンク本体21と、酢酸希釈液を攪拌するための第2攪拌板23aが下部に設けられた第2攪拌部材23と、酢酸希釈液を注入するための注入口を開閉可能に覆っている第2キャップ部材22と、第2タンク本体21から酢酸希釈液を吸入するための吸入部材24等から構成されている。吸入部材24は、一端側(第2タンク本体21の底部側である下端側)が第2タンク本体21に貯留されている酢酸希釈液内に所定長さ以上没するように、他端側が第2タンク本体21の蓋部の上部に突出するように設けられている。第2攪拌部材23は、第2タンク本体21内の酢酸希釈液を攪拌して、酢酸希釈液の濃度を一定にするためのものである。
【0032】
図3、4に従って、送水路開閉手段60について、さらに説明を行う。
送水路開閉手段60は、送水路6を形成する送水路6aと送水路6bとの間を開閉して送水路を連通状態、遮断状態するものであって、下部本体61、上部本体62、プランジャ部材64、ダイアフラム弁体63、フロート体66、連結部材65等から構成されている。下部本体61、上部本体62、プランジャ部材64、ダイアフラム弁体63等は、フロート体66の上下移動に連動して送水路を開閉する開閉弁を構成するものである。下部本体61には、流入ポート部61cと流出ポート部61dが形成され、流入ポート部61cと流出ポート部61dとの間に隔壁部61f、弁座部61eが設けられ、流入ポート部61cと流出ポート部61dとを仕切って別室に分けている。弁座部61eには、弁孔61aが設けられている。下部本体61と上部本体62との間には、ダイアフラム弁体63が設けられており、上部本体62とダイアフラム弁体63との間にはダイアフラム室62cが形成されている。下部本体61と上部本体62とは、ボルト68、68で固定されている。下部本体61と上部本体62との間には、シール部材69が設けられている。
【0033】
ダイアフラム弁体63には、細穴(小穴)67が設けられている。また、ダイアフラム弁体63は中央部が肉厚部になっており、肉厚部にパイロット孔63aが設けられている。ダイアフラム弁体63の下部端には、傾斜面部63bが設けられている。弁座部61eの弁孔61aの上部には、傾斜孔部61bが設けられている。傾斜面部63bと傾斜孔部61bとは対向するように設けられている。上部本体62には、プランジャ部材64が進退移動可能に設けられている。プランジャ部材64の外周部にはシール部材64cが設けられている。また、プランジャ部材64の先端部64bには、シール部材64aが設けられている。
【0034】
連結部材65は、一端側がフロート体66に、他端側がプランジャ部材64に固定されている。上部本体62の上部側には穴62aが設けられ、連結部材65は他端側がこの穴62aを貫通し、プランジャ部材64に固定されている。第1タンク本体11内に次亜希釈液が所定量以上貯留されている場合、フロート体66が所定の位置まで浮上している。このフロート体66の上昇移動は、連結部材65を介して、プランジャ部材64を上昇移動させる。従って、流入ポート部61cから流入した原水は、弁孔61aを通過して流出ポート部61d側に流れる。
【0035】
殺菌水を生成することにより、第1タンク本体11内に貯留されている次亜希釈液の貯留液量が減少していくとフロート体66は、下方側に移動する。貯留されている次亜希釈液の貯留液量が所定量(次亜希釈液の液位の高さが下限側設定置)以下になった場合、フロート体66は、下限側位置まで下降移動する。液位の高さの下限側設定値とは、例えば、吸入部材14の下端(一端側の端部)が、第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液内に所定寸法(例えば、5〜10mm)没している高さ位置である。また、第1タンク本体11内の次亜希釈液の液面から液面の下方に位置する吸入部材14の下端までの長さであり、吸入部材14の下端が、貯留されている次亜希釈液の液面の高さとほぼ同じになると、吸入部材14から空気を吸入するおそれが生じるので、その状態になるのを回避するための高さ位置である。フロート体66が下方側に下降移動すると、連結部材65で連結されているプランジャ部材64を下降させる。フロート体66の高さが下限側位置に達したとき、プランジャ部材64の先端部64bのシール部材64aがダイアフラム弁体63の上面部63cに当接し、ダイアフラム弁体63を弾性変形させ弁座部61eに当接させる。このとき、プランジャ部材64はパイロット孔63aを塞ぐようになる。
【0036】
流入ポート部61cに流入した原水は、細穴67を通過してダイアフラム室62c内に供給される。ダイアフラム室62c内の圧力が、流出ポート部61d側の圧力より高くなる。このダイアフラム室62cと流出ポート部61dとの圧力差により、ダイアフラム弁体63が弁座部61eに押し付けられ、ダイアフラム弁体63の傾斜面部63bと弁座部61eの傾斜孔部61bとが閉状態となる。すなわち、流入ポート部61cと流出ポート部61dとが閉じられた状態になり、流入ポート部61c側の原水は流出ポート部61d側に流れなくなり、流出ポート部61dから原水が流出しない(図4参照)。すなわち、次亜希釈液の貯留液量が下限側設定値以下であると、安定した濃度、pHの殺菌水を生成できないおそれがあり、開閉弁を閉じて原水の送水を中断することで殺菌水の生成を強制的に中断する。
【0037】
第1タンク本体11内に次亜希釈水が注入、供給されると、次亜希釈水の液面が上昇し、この液面の上昇に伴いフロート体66が上方側に上昇移動する。このフロート体66の上昇移動すると、フロート体66に連結部材65を介して連結されているプランジャ部材64が連動して上昇移動する。プランジャ部材64が上昇移動することでパイロット孔63aとの当接状態が解消され、ダイアフラム室62cと流出ポート部61dとの圧力差がなくなり、ダイアフラム弁体63が水平な状態に戻り、流入ポート部61c側から流出ポート部61d側に原水が流れていくようになる(図3参照)。
【0038】
なお、この実施の形態1の説明では、第1タンク本体側に送水路開閉手段を設けているが、送水路開閉手段を第2タンク本体側に設け、酢酸希釈液の貯留液量が所定量以下になったとき、送水路を遮断するようにしてもよい。また、送水路開閉手段を、第1タンク本体、第2タンク本体の両方に設け、次亜希釈液、酢酸希釈液の少なくともどちらか一方の貯留液量が下限側設定値以下になったとき、送水路を閉じて送水を中断するように構成してもよい。
【0039】
〔希釈液送出手段〕
図1、2に従って、次亜希釈液及び酢酸希釈液を送出する希釈液送出手段30の説明を行う。
希釈液送出手段30は、シリンジ式プランジャポンプ(シリンジ式ピストンポンプ)であり、希釈液送出駆動装置31と、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)27、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)37等から構成されている。希釈液送出駆動装置31は、ハウジング32、段付ピストン33等から構成され、入口側34から出口側35に圧力流体を供給することで、段付ピストン33の面積差と、段付ピストン33に設けられた穴を交互に閉鎖可能な弁部材を有する作動手段との作用により、駆動軸体36を軸線方向に進退移動させる公知の技術(例えば、特許第3366917号公報、特開昭61−46479号公報、US4558715号公報、US5137435号公報等参照)であり、この形態の説明では、詳細な説明を省略する。
【0040】
なお、希釈液送出駆動装置31の入口側34から出口側35に圧力流体(この形態では、原水)を流通させることにより、この圧力流体の圧力等を利用して駆動軸体36を軸線方向に進退移動させることができる機構のものであれば、前述した公報の機構のものに限定されることはなく他の機構のものであってもよい。例えば、圧力流体の流れにより羽根車、タービン等を回転させ、羽根車軸、タービン軸に設けられた偏心カムの回転運動によるリフト量でシリンジ装置を作動(往復運動)させてもよい。この場合、圧力流体の流量に比例して、偏心カム(羽根車、タービン)は回転し、この圧力流体の流量に連動してシリンジ装置を往復運動させることになる。
【0041】
駆動軸体36の上部には、取付部材36aが設けられている。シリンジ装置27の筒部材(シリンジ部材)27a、シリンジ装置37の筒部材(シリンジ部材)37aは、希釈液送出駆動装置31の固定側に取り付けられた取付部材36bに、固定部材36cを介して固定されている。この固定部材36cは、取付部材36bと筒部材27a、取付部材36bと筒部材37aとを結束するように一体に固定する結束部材(結束バンド)である。シリンジ装置27、シリンジ装置37は、筒部材27aの軸線と筒部材37aの軸線とが、相互に、平行または略平行になるように併設されている。また、シリンジ装置27の筒部材27aの内径部には、一端側にガスケットが設けられた押子(プランジャ)28が挿入されている。押子28の他端側は、筒部材27aより突き出ており、押子28の他端部28aが、取付部材36aに固定部材39を介して固定されている。
【0042】
さらに、シリンジ装置37の筒部材37aの内径部には、一端側にガスケットが設けられた押子(プランジャ)38が挿入されている。押子38の他端側は、筒部材37aより突き出ており、押子38の他端部38aが、取付部材36aに固定部材39を介して固定されている。従って、駆動軸体36が軸線方向に進退移動(往復運動)すると、併設されたシリンジ装置27、シリンジ装置37の押子28、押子38が、筒部材27a、筒部材37aに対して往復運動する。また、シリンジ装置27、シリンジ装置37の筒部材27a、筒部材37aに対して、押子28、押子38の位置が所定の位置に調整、固定されていると、1往復(1サイクル)する毎に、次亜希釈液、酢酸希釈液を定量(所定の量)ずつ送出することができる。なお、シリンジ装置27の軸線とシリンジ装置37の軸線とは、一つの希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36の進退移動により、押子28、押子38が往復運動して、次亜希釈液、酢酸希釈液を定量ずつ送出できれば、略平行な状態に併設されていてもよい。また、シリンジ装置はガラス製等のものであればガスケットがなくてもよい。
【0043】
筒部材27の先端部には、ノズル部27bが形成されている。ノズル部27bには、T字状のT型継手29aの第1接続部が接続されている。T型継手29aの第2接続部は、酢酸希釈液流路25bを介して、チェック機能付インジケータ(以下、インジケータと記載)75の出口部に接続されている。インジケータ75の入口側は、酸希釈液流路25aの一端が接続され、酢酸希釈液流路25aの他端は第2タンク本体21の吸入部材24の他端に接続されている。T型継手29aの第3接続部には、酢酸希釈液流路25cの一端が接続されている。なお、この形態の酢酸希釈液流路25a、25b、25cは、配管用チューブ、配管用ホース等で構成されている。また、酢酸希釈液流路25a、25b、25cが、酢酸希釈液流路25を構成するものである。
【0044】
筒部材37の先端部には、ノズル部37bが形成されている。ノズル部37bには、T字状のT型継手29bの第1接続部が接続されている。T型継手29bの第2接続部は、次亜希釈液流路15bを介して、チェック機能付インジケータ(以下、インジケータと記載)70の出口部に接続されている。インジケータ70の入口側は、次亜希釈液流路15aの一端が接続され、次亜希釈液流路15aの他端は第1タンク本体11の吸入部材14の他端に接続されている。T型継手29bの第3接続部には、次亜希釈液流路15cの一端が接続されている。なお、この形態の次亜希釈液流路15a、15b、15cは、配管用チューブ、配管用ホース等で構成されている。また、次亜希釈液流路15a、15b、15cが、次亜希釈液流路15を構成するものである。
【0045】
〔チェック機能付インジケータ〕
図9に従って、次亜希釈液の流れの有無を示すインジケータ70、酢酸希釈液の流れの有無を示すインジケータ75の説明を行う。
インジケータ70は、中央部に大径部、一方の端部側(入口側)に第1接続部71a、他方の端部側(出口側)に第2接続部71bが形成されるとともに、大径部の一方の側に傾斜穴部71cが形成されたインジケータ本体71と、インジケータ本体71の内部に設けられた球体72とから構成されている。第1接続部71aには、次亜希釈液流路15aの一端が接続されている。第2接続部71bには、次亜希釈液流路15bが接続されている。インジケータ70は、次亜希釈液が、実線で示した矢印の方向に流通すると、球体72はインジケータ本体71の大径部に移動するので、次亜希釈液が正常に送出されていることが確認できる(実線で示した球体72参照)。また、次亜希釈液が、点線で示した矢印の方向に流通(逆流)しようとすると、球体72は傾斜穴部71cを塞ぎ、流通させないように作用する(2点鎖線で示した球体72参照)。すなわち、チェック弁の機能を果たす。
【0046】
インジケータ75は、中央部に大径部、一方の端部側(入口側)に第1接続部76a、他方の端部側(出口側)に第2接続部76bが形成されるとともに、大径部の一方の側に傾斜穴部76cが形成されたインジケータ本体76と、インジケータ本体76の内部に設けられた球体77とから構成されている。第1接続部76aには、酢酸希釈液流路25aの一端が接続されている。第2接続部76bには、酢酸希釈液流路25bが接続されている。インジケータ75は、酢酸希釈液が、実線で示した矢印の方向に流通すると、球体77はインジケータ本体76の大径部に移動するので、酢酸希釈液が正常に送出されていることが確認できる(実線で示した球体77参照)。また、酢酸希釈液が、点線で示した矢印の方向に流通(逆流)しようとすると、球体77は傾斜穴部76cを塞ぎ、流通させないように作用する(2点鎖線で示した球体77参照)。すなわち、チェック弁の機能を果たす。
【0047】
〔液体混合手段〕
図1、図5〜8に従って、次亜希釈液、酢酸希釈液、及び、原水の混合を行うための液体混合手段40の説明を行う。
液体混合手段40は、円筒状の筒状体41と、筒状体41の一方の開口部側に覆う第1カバー体42と、筒状体41の他方の開口部側を覆う第2カバー体43等から構成されている。筒状体41、第1カバー体42、第2カバー体43が混合本体を形成する。筒状体41と第1カバー体42との間にはシール部材49aが、筒状体41と第2カバー体43との間にはシール部材49bが設けられ、混合本体の内部が密閉された空間である混合室47となるように一体に固定されている。
【0048】
また、液体混合手段40は、混合本体の内部に原水を流入させるための第1ノズル体46、混合本体の混合室47内に次亜希釈液を流入させるための第2ノズル体50、混合本体の混合室47内に酢酸希釈液を流入させるための第3ノズル体51、混合本体の混合室47内で混合された混合液である殺菌水を混合本体の外部に流出させるための第4ノズル体44等を備えている。なお、混合室47の容量は、希釈液送出駆動装置31の駆動により、シリンジ装置27の押子28が1往復(1サイクル)したとき送出する次亜希釈液の容量と、シリンジ装置37の押子38が1往復(1サイクル)したとき送出する酢酸希釈液の容量と、希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36を1往復(1サイクル)させるときの原水の容量とを加算した容量の数倍(例えば、1.5〜2倍)以上であるとよい。このようにすることにより、間欠的に混合室47内に流入する各液体を確実に混合することができ、生成された殺菌水の濃度に脈流が生じることを防止させることができる。すなわち、所定の濃度、所定のpHの殺菌水が、常時、安定して生成される。
【0049】
第1ノズル体46は、第2カバー体43に形成された穴を貫通するとともに第2カバー体43に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第1ノズル体46は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第1ノズル体46の混合室47内の一端側は、密閉部材48が接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着固定され、一端側の端部が密閉部材48で密閉されている。また、第1ノズル体46は、混合室47内に突出している部位の外周部に穴46aが形成されている。第1ノズル体46の他端側には、コネクタ59が固定されている。コネクタ59には、希釈液送出手段30の希釈液送出駆動装置31の出口側35に一端が接続された送水路6c(図1、2参照)の他端が接続されている。希釈液送出手段30を通過した原水が、送水路6cの内部、コネクタ59、第1ノズル体46を矢印f3方向に流れ、第1ノズル体46の穴46aから混合室47内に流入する。
【0050】
第2ノズル体50は、第1カバー体42に形成された穴を貫通するとともに第1カバー体42に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第2ノズル体50は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第2ノズル体50の他端には、次亜希釈液流路15cの他端が接続されている。第2ノズル体50は、混合室47内の一端側端部が、密閉用ねじ部材54で密閉されている。また、第2ノズル体50は、混合室47内に突出している部位の外周部に穴50a(図7、8参照)が形成されている。この第2ノズル体50の外周部には、穴50aを覆うように弾性チューブ部材52が被せられている。この弾性チューブ部材52は、第2ノズル体50の内部50bの圧力が高くなると、図8に2点鎖線で示した弾性チューブ部材52のように膨らんで第2ノズル体50側から混合室47内に次亜希釈液を流入させる。また、弾性チューブ部材52は、第2ノズル体50の内部50bの圧力が低くなると、図8に実線で示した弾性チューブ部材52のように、第2ノズル体50の外周部に密着し穴50aを遮蔽して、混合室47内の液体が、混合室47側から第2ノズル体50側に流入(逆流)するのを阻止する。
【0051】
第3ノズル体51は、第1カバー体42に形成された穴を貫通するとともに第1カバー体42に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第3ノズル体51は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第3ノズル体51の他端には、酢酸希釈液流路25cの他端が接続されている。第3ノズル体51は、混合室47内の一端側端部が、密閉用ねじ部材55で密閉されている。また、第3ノズル体51は、混合室47内に突出している部位の外周部に穴51a(図7、8参照)が形成されている。この第3ノズル体51の外周部には、穴51aを覆うように弾性チューブ部材53が被せられている。この弾性チューブ部材53は、第3ノズル体51の内部51bの圧力が高くなると、図8に2点鎖線で示した弾性チューブ部材53のように膨らんで第3ノズル体51側から混合室47内に酢酸希釈液を流入させる。また、弾性チューブ部材53は、第3ノズル体51の内部51bの圧力が低くなると、図8に実線で示した弾性チューブ部材53のように第3ノズル体51の外周部に密着し穴51aを遮蔽して、混合室47内の液体が、混合本体の混合室47側から第3ノズル体51側に流入(逆流)するのを阻止する。
【0052】
第4ノズル体44は、第1カバー体42の中央に形成された穴を貫通するとともに第1カバー体42に接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着、固定されている。第4ノズル体44は、一端が混合本体の混合室47内に、他端側が混合本体の外部に突き出している。第4ノズル体44の混合本体内の一端側には、密閉部材45が接着剤(例えば、塩化ビニル溶剤系接着剤)で接着固定され、一端側の端部が密閉部材45で密閉されている。また、第4ノズル体44は、混合室47内に突出している部位の外周部に複数の穴44aが形成されている。第4ノズル体44の他端側には、コネクタ58が固定されている。コネクタ58には、殺菌水を送出するための殺菌水送出路8が接続されている。第2ノズル体50と第3ノズル体51は、第4ノズル体44を挟んでほぼ対称な位置に設けられている(図7参照)。また、複数の穴44aは、第2ノズル体50、第3ノズル体51が並んでいる方向に対して直交する方向に設けられている。この配置により、第2ノズル体50から流入した次亜希釈液、第3ノズル体51から流入した酢酸希釈液が、すぐに第4ノズル体44から流出しないで、原水とよく攪拌されるようにしている。第1ノズル体46は、混合室47の内壁面と第2ノズル体50、第3ノズル体51が並んでいる方向の直線とが接する位置における混合室47の内壁面の接線方向に対してほぼ平行な方向に、穴46aから原水を噴出する。
【0053】
第1ノズル体46の穴46aから噴出され混合室47内に流入した原水は、原水の水圧、流れにより混合室47の内壁面に沿って、または、内壁面とほぼ平行な回転方向に沿って、矢印Pで示すように混合室47内を回転しながら流動する(図6参照)。その後、原水は、混合室47内で回転流動しながら内壁面側から中央部側に順次移動し、渦を巻くような流動運動を行う。また、第2ノズル体50の穴50aから混合室47内に流入した次亜希釈液、第3ノズル体51の穴51aから混合室47内に流入した酢酸希釈液は、原水の渦を巻くような流動運動によって攪拌され、次亜希釈液、酢酸希釈液、原水が確実に混合むらを生じさせることなく混合する。このとき、混合室47の容量は、希釈液送出駆動装置31が1往復の進退移動したときの次亜希釈液、酢酸希釈液、原水の各容量を加算した容量より数倍(例えば、1.5〜2倍)以上としている。このことにより、殺菌水は濃度等に脈流を生じることがなく、所定の濃度、所定のpHの殺菌水が、安定して生成できる。なお、混合室47は、内壁面が円筒形状のものとして説明を行っているが、内壁面が各液体を流動運動させて混合できる形状のもの(例えば、略円筒状、楕円形状、長円形状、多角形状等)であってもよい。
【0054】
混合室47内において、次亜希釈液、酢酸希釈液、原水が攪拌、混合され生成された殺菌水は、順次、流入してくる次亜希釈液、酢酸希釈液、原水に押し出され、混合室47から第4ノズル体44側に流入する。すなわち、攪拌、混合され生成された殺菌水は、矢印Q方向に示すように、混合本体のほぼ中央に位置している第4ノズル体44の穴44aから第4ノズル体44内に流入し、第4ノズル体44、殺菌水送出路8を矢印f4方向に流れていく。殺菌水は、所定の濃度〔例えば、0.001〜0.1%(10〜1000PPM)〕、所定のpH(例えば、pH3.0〜6.0)に生成された殺菌水である。
【0055】
この殺菌水生成装置1は、送水される原水の圧力を利用するとともに原水の水量に連動して、シリンジ装置27、シリンジ装置37の押子28、押子38が往復運動し、次亜希釈液、酢酸希釈液が所定の量ずつ供給されるようになっている装置である。そのため、第1タンク本体11、第2タンク本体21に貯留される次亜希釈液、酢酸希釈液の濃度が一定になるように管理さえすれば、所定の濃度、所定のpHの殺菌水がいつでも生成することができ、生成のための制御装置が不要である。すなわち、原水の送水が可能であれば、殺菌水の生成が可能であり、電気、電力を必要としない。また、殺菌水生成装置1は、簡素で、コンパクトなものであり、持ち運び、運搬、搬送が容易である。さらに、この殺菌水生成装置1は、送水源5と送水路6とを接続し、第1タンク本体11、第2タンク本体21に次亜希釈液、酢酸希釈液を注入するだけで殺菌水を生成することが可能であり、設置も容易である。
【0056】
また、液体混合手段40、シリンジ装置27、シリンジ装置37、次亜希釈液流路15a〜15c、15を構成する配管用チューブ、酢酸希釈液流路25a〜25c、25を構成する配管用チューブ、送水路6a〜6c、6、殺菌水送出路8を構成する配管用チューブ、配管用ホース等は、分解して洗浄することが容易なものであり、また、組立等も容易なものである。すなわち、メンテナンスがたいへん容易なものとなっている。
【0057】
殺菌水送出路8の途中には、殺菌水が所定のpH、濃度で混合されているか否かを確認するための試薬による確認装置78(図1参照)が設けられている。この試薬による確認は、例えば、pH、残留塩素濃度等について、試薬を加えた殺菌水の発色と標準色との比色で行うことができる。
【0058】
〔殺菌水生成方法〕
本発明の実施の形態1の殺菌水生成装置の殺菌水生成方法について説明を行う。
第1貯留装置10の第1タンク本体11に、所定の濃度に希釈した次亜希釈液を所定の液位位置まで所定の液量分注入する。第2貯留装置20の第2タンク本体21に、所定の濃度に希釈した酸希釈液を所定の液位位置まで所定の液量分注入する。
【0059】
送水栓7を開いて開栓状態にして、送水源5から送水路6a内に原水を流す。このとき、第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液の液位が下限側設定値以下の高さであれば、送水路開閉手段60のフロート体66が下限側位置に下降移動し、送水路開閉手段60が送水路6を閉じて送水を行わないため、殺菌水生成装置1のシリンジ装置27、シリンジ装置37等が作動しない。すなわち、次亜希釈液の貯留液量が所定量(下限側設定値)以下であると、所定の濃度、所定のpHの殺菌水が安定して生成できないおそれがあり殺菌水の生成を強制的に中断する。次亜希釈液の貯留液位が下限側設定値以上の高さであれば、送水路開閉手段60のフロート体66は上昇移動し送水路6aと送水路6bとを連通させ、原水を希釈液送出手段30側に送出する。
【0060】
希釈液送出手段30の希釈液送出駆動装置31は、原水が流通することにより、駆動軸体36を進退移動(往復運動)させる。希釈液送出駆動装置31は、駆動軸体36の進退移動により、併設されたシリンジ装置27、シリンジ装置37を作動させる。シリンジ装置27は筒部材27aに対して押子28を、シリンジ装置37は筒部材37aに対して押子38を往復運動させる。押子28、押子38が下降移動すると、筒部材27a、筒部材37a内の圧力が各々低下し負圧状態になろうとする。この圧力低下により、液体混合手段40の第2ノズル体50の弾性チューブ部材52は、第2ノズル体50の外周部に引きつけられ第2ノズル体50の穴50aを遮蔽する。同様に、第3ノズル体51の弾性チューブ部材53も第3ノズル体51の外周部に引きつけられ第3ノズル体51の穴51aを遮蔽する。
【0061】
従って、シリンジ装置27は、第1タンク本体11から次亜希釈液を所定量吸入する。また、シリンジ装置37は、第2タンク本体21から酢酸希釈液を所定量吸入する。この次亜希釈液、酢酸希釈液の吸入量はシリンジ装置27の筒部材27a、シリンジ装置37の筒部材37aの内径寸法と、押子28、押子38の移動量とで調整可能なものである。仮に、筒部材27a、筒部材37aの内径寸法が一定でも、押子28、押子38の移動量を調整変更可能な構成にすれば、次亜希釈液、酢酸希釈液の吸入量(送出量)を調整することができる。
【0062】
次に、押子28、押子38が上昇移動すると、筒部材27a、筒部材37aの内部の圧力は各々上昇する。この圧力上昇により、インジケータ70の球体72が傾斜穴部71cに、インジケータ75の球体77が傾斜穴部76cに押し付けられ閉じられる。一方、液体混合手段40の第2ノズル体50の弾性チューブ部材52は膨らんで、第2ノズル体50の穴50aを開口状態にする。同様に、第3ノズル体51の弾性チューブ部材53も膨らんで、第3ノズル体51の穴51aを開口状態にする。
従って、シリンジ装置27の筒部材27a内の次亜希釈液は、穴50aから混合本体の混合室47内に流入する。シリンジ装置37の筒部材37a内の酢酸希釈液は、穴51aから混合室47内に流入する。
【0063】
すなわち、駆動軸体36の進退移動により、シリンジ装置27は、第1タンク本体11から次亜希釈液の吸入、次亜希釈液の混合室47側への吐出、送出を繰り返し行う。同様に、シリンジ装置37は、第2タンク本体21から酢酸希釈液の吸入、酢酸希釈液の混合室47側への吐出、送出を繰り返し行う。混合本体の混合室47へは、次亜希釈液、酢酸希釈液が、断続的に、パルス状に吐出され順次混合される。混合室47の容量は、流入してくる次亜希釈液、酢酸希釈液、原水の容量を加算したものより数倍(例えば、1.5〜2倍)以上大きくなっているので、殺菌水の濃度に脈動を生じさせることがなく、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を安定して生成することができる。
【0064】
この殺菌水生成装置1の殺菌水生成方法は、送水される原水の圧力を利用するとともに原水の水量に連動して、シリンジ装置27の押子28、シリンジ装置37の押子38が往復運動し、混合本体の混合室47へ次亜希釈液、酢酸希釈液が所定の量ずつ供給されるようになっている。そのため、第1タンク本体11に貯留されている次亜希釈液の濃度、第2タンク本体21に貯留されている酢酸希釈液の濃度が、一定、ほぼ一定になるように管理されていれば、所定の濃度、所定のpHの殺菌水がいつでも確実に生成することができ、生成のための制御装置が不要である。
【0065】
液体混合装置40では、混合本体の混合室47内で、原水、次亜希釈液、酢酸希釈液の混合攪拌が施され、混合されたものが殺菌水として生成される。生成された殺菌水は、殺菌水送出路8を流れ、殺菌水流出口から流れ出る。なお、殺菌水の生成を中止(中断)する場合には、送水栓7を閉じて閉栓状態とすればよい。
【0066】
〔実施の形態2〕
図10、11に基づいて、本発明の実施の形態2の殺菌水生成装置の説明を行う。この実施の形態2の殺菌水生成装置は、希釈液送出手段の希釈液の送出量を調整可能な形態にしたものである。図10は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的示す説明図であって、希釈液送出手段が吸入終了状態(吐出開始状態)の位置にあることを一部断面にした図で示している。図11は、実施の形態2の殺菌水生成装置の概要を模式的に示す説明図であって、希釈液送出手段が吐出終了状態(吸入開始状態)の位置にあることを一部断面にした図で示している。なお、この実施の形態2の説明では、前述した実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付与し、詳細な説明を省略している。
【0067】
希釈液送出手段130は、希釈液送出駆動装置31と、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)127、シリンジ装置(希釈液定量送出装置)137等から構成されている。シリンジ装置127の筒部材127a、及び、シリンジ装置137の筒部材137aは、希釈液送出手段30の固定側に設けられている取付部材36bに、固定部材36cを介して固定されている。この形態2の固定部材36cは、取付部材36bに設けられた穴を介して筒部材127aの外周部と取付部材36b、筒部材137aの外周部と取付部材36bに、各々、巻き付けられ、取付部材36bと筒部材127a、取付部材36bと筒部材137aを、結束するように一体に固定する結束部材(結束バンド)である。
【0068】
筒部材127aの内径部には、先端にガスケットが設けられた押子128の軸部が挿入されている。筒部材127aの開口側に形成されたフランジ部127bと、押子128のフランジ部128aとの間には、筒部材127aに対して押子128が離れる方向(図10における下側方向)に、常時、付勢している付勢部材(圧縮ばね)84が設けられている。筒部材137aの内径部には、先端にガスケットが設けられた押子138の軸部が挿入されている。筒部材137aの開口側に形成されたフランジ部137bと、押子138のフランジ部138aとの間には、筒部材137aに対して押子138が離れる方向(図10における下側方向)に、常時、付勢している付勢部材(圧縮ばね)84が設けられている。
【0069】
希釈液送出駆動装置31の固定側には、ストッパ部材85、85が設けられている。ストッパ部材85、85は、筒部材127a、筒部材137aに対して、押子128、押子138が離れる方向(希釈液を吸入する方向)に移動したとき、押子128、押子138が所定の距離以上に移動することを規制するものである。
【0070】
希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36の先端側(シリンジ装置127、シリンジ装置137と対向する側)には、押圧部材83が固定されている。押圧部材83には、ストッパねじ部材81、81がねじ込まれており、押圧部材83から押子128、押子138を押圧する部位までの高さを調整可能にしている。また、押圧部材83には、ストッパねじ部材81、81が所定の位置に調整されたとき、押圧部材83にストッパねじ部材81、81を固定するためのねじ固定部材82、82が設けられている。
【0071】
この実施の形態2の駆動軸体36は、符号「A」で示す位置から符号「C」で示す位置の間(移動ストロークS0間)を往復移動するものであるが、押子128、押子138は符号「A」で示す位置から符号「B」で示す位置の間(移動ストロークS間)を往復移動する。言い換えると、希釈液送出駆動装置31の駆動軸体36の駆動力は利用しているが、シリンジ装置127の押子128、シリンジ装置137の押子138の往復移動量を所定の距離に調整して、シリンジ装置127、シリンジ装置137を、1往復、往復運動させたときの次亜希釈液、酢酸希釈液の液体混合手段40側への送出量(吸入、吐出量)を所定の量に調整できる構成になっている。
【0072】
なお、この実施の形態2の殺菌水生成装置では、押圧部材83に対してストッパねじ部材81、81を調整可能な構成にして、押子128、押子138の移動量を調整可能にしているが、希釈液の種類、濃度等をあまり変更する必要がない場合にはストッパねじ部材を設けない構成のものであってもよい。また、ストッパ部材85、85側を調整可能な構成にしてもよい。
【0073】
図10、11に示すように、次亜希釈液流路15aにはチェック弁89が設けられており、次亜希釈液が、第1タンク本体11側からシリンジ装置127側へ流れることを可とし、シリンジ装置127側から第1タンク本体11側へ流れることを阻止している。次亜希釈液流路15cにはチェック弁86が設けられ、次亜希釈液が、シリンジ装置127側から液体混合手段40側へ流れることを可とし、液体混合手段40側からシリンジ装置127側に流れることを阻止している。
【0074】
酢酸希釈液流路25aにはチェック弁87が設けられており、酢酸希釈液が、第2タンク本体21側からシリンジ装置137側へ流れることを可とし、シリンジ装置137側から第2タンク本体21側へ流れることを阻止している。酢酸希釈液流路25cにはチェック弁88が設けられ、酢酸希釈液が、シリンジ装置137側から液体混合手段40側へ流れることを可とし、液体混合手段40側からシリンジ装置137側に流れることを阻止している。
この実施の形態2の殺菌水生成装置では、このような構成にすることにより、インジケータ70、インジケータ75にチェック弁機能を持たせることを不要としている。また、第2ノズル体50の弾性チューブ部材52、第3ノズル体51の弾性チューブ部材53に、チェック弁機能を持たせることを不要としている。
【0075】
実施の形態2の殺菌水生成装置の殺菌水生成方法について説明を行う。
液体混合手段40へ送出する次亜希釈液、酢酸希釈液の送出量を、所定の量にするためストッパねじ部材81、81を調整し、ねじ固定部材82、82で固定する。
【0076】
送水路6の送水栓7を開栓状態にして、希釈液送出駆動装置31に原水を送水し、駆動軸体36を往復運動させる。駆動軸体36が下端位置にあるとき、駆動軸体36の押圧部材83、ストッパねじ部材81、81は符号「C」で示す位置に位置している。駆動軸体36が上昇動作を行うと、符号「B」で示す位置においてストッパねじ部材81、81が押子128、138と当接し、ストッパねじ部材81、81が、付勢部材84、84の付勢力に抗して、符号「A」で示す位置に達するまで押子128、138を上昇動作させる。このとき、次亜希釈液の圧力により、チェック弁89は閉状態となり、チェック弁86は開状態となる。すなわち、シリンジ装置127内の次亜希釈液は、次亜希釈液流路15c、チェック弁86を介して液体混合手段40側に送出される。同様に、酢酸希釈液の圧力により、チェック弁87は閉状態となり、チェック弁88は開状態となる。すなわち、シリンジ装置137内の酢酸希釈液は、酢酸希釈液流路25c、チェック弁88を介して液体混合手段40側に送出される。
【0077】
駆動軸体36が上端位置に達するとストッパねじ部材が符号「A」で示す位置に達し、この位置において、駆動軸体36は移動方向を反転し下降動作を行う。押子128、押子138も付勢部材84、84の作用により下降し、符号「B」位置まで下降する。ストッパねじ部材81、81が符号「B」で示す位置に達したとき、押子128、押子138は、ストッパ部材85、85と当接し下降動作を停止する。この下降動作のとき、筒部材127a内は負圧になろうとするので、チェック弁89は開状態となり、チェック弁86は閉状態となる。すなわち、次亜希釈液は、第1タンク本体11側からシリンジ装置127側に次亜希釈液流路15a、チェック弁89を介して吸入される。同様に、下降動作のとき、筒部材137a内は負圧になろうとするので、チェック弁87は開状態となり、チェック弁88は閉状態となる。すなわち、酢酸希釈液は、第2タンク本体21側からシリンジ装置137側に酢酸希釈液流路25a、チェック弁87を介して吸入される。
【0078】
駆動軸体36はさらに下降動作を行い、下端位置に達し、ストッパねじ部材81、81が符号「C」で示す位置に達したとき移動方向を反転し上昇動作を行う。駆動軸体36は、符号「A」−符号「C」間の上昇、下降動作を繰り返す。このとき、シリンジ装置127、シリンジ装置137は、次亜希釈液の吸入、送出動作、酢酸希釈液の吸入、送出動作を繰り返し行う。
シリンジ装置127、シリンジ装置137から送出され、液体混合手段40に流入した次亜希釈液、酢酸希釈液と、送水路6cから送水され、液体混合手段40に流入した原水とは、混合室47内で攪拌、混合されて、殺菌水を生成する。生成された殺菌水は、殺菌水送出路8を流れ、殺菌水流出口から流れ出る。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、次亜塩素酸ナトリウム希釈液(アルカリ性希釈液)は、第1貯留装置において、次亜塩素酸ナトリウム原液(アルカリ性薬品の原液)と原水とを混合させ、所定の濃度に希釈したものであってもよい。同様に、酢酸希釈液(酸希釈液)は、第2貯留装置において、酢酸原液(酸原液)と原水とを混合させ、所定の濃度に希釈したものであってもよい。
【0080】
また、固定部材は、取付部材にシリンジ装置を固定できるものであれば、他の構成のものであってもよい。例えば、固定部材は、シリンジ装置の筒部材の外周部が挿入される内周部と、内周部と外周部との間に形成されたすり割り部(スリット)と、すり割り部の間隔を狭めるねじ部材と、取付部材に固定するための固定部とを有するものであって、取付部材に固定された固定部材の内周部に、筒部材の外周部を挿入した状態ですり割り部の間隔をねじ部材で狭め、取付部材に筒部材を固定するものであってもよい。
【0081】
さらに、希釈液定量送出装置(シリンジ装置)の筒部材の下部側部位(開口部側の部位)、押子(プランジャ)等が、原水の水中に位置するように構成し、筒部材の内周面、押子の外周面が常に水に濡れているような状態にしてもよい。また、筒部材に水供給穴を形成し、筒部材の内周面と押子の外周面との間に原水を少量供給するような水経路を設けた構成にしてもよい。このようにすると、希釈液定量送出装置(シリンジ装置)の筒部材に対する押子の往復運動がよりスムースとなる。
【符号の説明】
【0082】
1…殺菌水生成装置
5…送水源
6、6a、6b、6c…送水路
7…送水栓
8…殺菌水送出路
10…第1貯留装置
11…第1タンク本体
15、15a、15b、15c…次亜塩素酸ナトリウム希釈液流路(次亜希釈液流路)
20…第2貯留装置
21…第2タンク本体
25、25a、25b、25c…酢酸希釈液流路
27、37…シリンジ装置(希釈液定量送出装置)
30、130…希釈液送出手段
31…希釈液送出駆動装置
40…液体混合手段
60…送水路開閉手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液と所定の濃度に希釈された酸希釈液とを混合して所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
前記アルカリ性希釈液を貯留するための第1貯留装置と、
前記酸希釈液を貯留するための第2貯留装置と、
前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を送出するための第1希釈液定量送出装置と、前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を送出するための第2希釈液定量送出装置とを有する希釈液送出手段と、
前記第1希釈液定量送出装置から送出された前記アルカリ性希釈液と、前記第2希釈液定量送出装置から送出された前記酸希釈液と、原水とが流入する混合室を有し、前記原水の流動により、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を、前記混合室内で混合して殺菌水を生成するための液体混合手段とからなり、
前記第1希釈液定量送出装置及び前記第2希釈液定量送出装置は、前記原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により、所定量の前記アルカリ性希釈液及び所定量の前記酸希釈液を送出するものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された殺菌水生成装置において、
前記第1希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第1シリンジ装置であり、
前記第2希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第2シリンジ装置であり、
前記第1シリンジ装置と前記第2シリンジ装置とは併設されている
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された殺菌水生成装置において、
前記第1希釈液定量送出装置は、前記アルカリ性希釈液の送出量を調整可能になっているものであり、
前記第2希釈液定量送出装置は、前記酸希釈液の送出量を調整可能になっているものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記原水を送水源から送水するための送水路には、開栓状態にすることにより前記殺菌水の生成を開始し、閉栓状態とすることにより前記殺菌水の生成を終了するための送水栓が設けられている
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液の貯留液量、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液の貯留液量が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて前記原水の送水を中断するための送水路開閉手段を有している
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載された殺菌水生成装置において、
前記送水路開閉手段は、前記アルカリ性希釈液の液面、及び/または、前記酸希釈液の液面に浮上しているフロート体と、前記フロート体の上下移動に連動して前記送水路を開閉させるための開閉弁とからなるものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記液体混合手段は、前記混合室内に流入した前記原水が、前記混合室内で内壁面側から中央部に渦を巻くように流動することにより、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水が混合されて前記殺菌水の生成を行うものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、
前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項9】
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液を第1貯留装置に貯留する工程と、
所定の濃度に希釈された酸希釈液を第2貯留装置に貯留する工程と、
一方向に送水される原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により第1希釈液定量送出装置及び第2希釈液定量送出装置を駆動して、前記第1希釈液定量送出装置が前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を、前記第2希釈液定量送出装置が前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を、吸入して、送出するための希釈液送出工程と、
前記希釈液送出工程において送出された前記アルカリ性希釈液及び前記酸希釈液と、前記原水とが混合室に流入し、前記原水の流動により、前記混合室内で前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を混合して、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成するための殺菌水生成工程と
からなる殺菌水生成方法。
【請求項10】
請求項9に記載された殺菌水生成方法において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて、前記原水の送水を中断するための工程を備えている
ことを特徴とする殺菌水生成方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載された殺菌水生成方法において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、
前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である
ことを特徴とする殺菌水生成方法。
【請求項1】
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液と所定の濃度に希釈された酸希釈液とを混合して所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
前記アルカリ性希釈液を貯留するための第1貯留装置と、
前記酸希釈液を貯留するための第2貯留装置と、
前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を送出するための第1希釈液定量送出装置と、前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を送出するための第2希釈液定量送出装置とを有する希釈液送出手段と、
前記第1希釈液定量送出装置から送出された前記アルカリ性希釈液と、前記第2希釈液定量送出装置から送出された前記酸希釈液と、原水とが流入する混合室を有し、前記原水の流動により、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を、前記混合室内で混合して殺菌水を生成するための液体混合手段とからなり、
前記第1希釈液定量送出装置及び前記第2希釈液定量送出装置は、前記原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により、所定量の前記アルカリ性希釈液及び所定量の前記酸希釈液を送出するものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された殺菌水生成装置において、
前記第1希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第1シリンジ装置であり、
前記第2希釈液定量送出装置は、プランジャが往復運動する第2シリンジ装置であり、
前記第1シリンジ装置と前記第2シリンジ装置とは併設されている
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された殺菌水生成装置において、
前記第1希釈液定量送出装置は、前記アルカリ性希釈液の送出量を調整可能になっているものであり、
前記第2希釈液定量送出装置は、前記酸希釈液の送出量を調整可能になっているものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記原水を送水源から送水するための送水路には、開栓状態にすることにより前記殺菌水の生成を開始し、閉栓状態とすることにより前記殺菌水の生成を終了するための送水栓が設けられている
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液の貯留液量、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液の貯留液量が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて前記原水の送水を中断するための送水路開閉手段を有している
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載された殺菌水生成装置において、
前記送水路開閉手段は、前記アルカリ性希釈液の液面、及び/または、前記酸希釈液の液面に浮上しているフロート体と、前記フロート体の上下移動に連動して前記送水路を開閉させるための開閉弁とからなるものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記液体混合手段は、前記混合室内に流入した前記原水が、前記混合室内で内壁面側から中央部に渦を巻くように流動することにより、前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水が混合されて前記殺菌水の生成を行うものである
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載された殺菌水生成装置において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、
前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である
ことを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項9】
所定の濃度に希釈されたアルカリ性希釈液を第1貯留装置に貯留する工程と、
所定の濃度に希釈された酸希釈液を第2貯留装置に貯留する工程と、
一方向に送水される原水により駆動される一つの希釈液送出駆動装置の往復運動または回転運動により第1希釈液定量送出装置及び第2希釈液定量送出装置を駆動して、前記第1希釈液定量送出装置が前記第1貯留装置から所定量ずつ前記アルカリ性希釈液を、前記第2希釈液定量送出装置が前記第2貯留装置から所定量ずつ前記酸希釈液を、吸入して、送出するための希釈液送出工程と、
前記希釈液送出工程において送出された前記アルカリ性希釈液及び前記酸希釈液と、前記原水とが混合室に流入し、前記原水の流動により、前記混合室内で前記アルカリ性希釈液、前記酸希釈液、及び、前記原水を混合して、所定の濃度、所定のpHの殺菌水を生成するための殺菌水生成工程と
からなる殺菌水生成方法。
【請求項10】
請求項9に記載された殺菌水生成方法において、
前記第1貯留装置に貯留されている前記アルカリ性希釈液、及び/または、前記第2貯留装置に貯留されている前記酸希釈液が所定量以下になったとき、前記送水路を閉じて、前記原水の送水を中断するための工程を備えている
ことを特徴とする殺菌水生成方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載された殺菌水生成方法において、
前記アルカリ性希釈液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、エタノールアミンから選択される一種が所定の濃度に希釈された液体であり、
前記酸希釈液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、過酢酸、シュウ酸、リン酸、過酸化水素、蟻酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸から選択される一種が所定の濃度に希釈された液体である
ことを特徴とする殺菌水生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−45493(P2012−45493A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190484(P2010−190484)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(510232441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(510232441)
【Fターム(参考)】
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